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1962/02/26 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第9号
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1962/02/26 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第9号

#1
第043回国会 逓信委員会 第9号
昭和三十八年二月二十六日(火曜日)
   午前十時三十三分開会
  ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十五日
  辞任      補欠選任
   野上  元君  柳岡 秋夫君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤 顕道君
   理事
           鈴木 恭一君
           寺尾  豊君
           松平 勇雄君
           光村 甚助君
   委員
           郡  祐一君
           白井  勇君
           新谷寅三郎君
           最上 英子君
           谷村 貞治君
           鈴木  強君
           柳岡 秋夫君
           横川 正市君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 小沢久太郎君
  政府委員
   郵政大臣官房長 武田  功君
   郵政省電気通信
   監理官     岩元  巖君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       倉沢 岩雄君
  説明員
   日本電信電話公
   社総裁     大橋 八郎君
   日本電信電話公
   社副総裁    米沢  滋君
   日本電信電話公
   社職員局長   本多 元吉君
   日本電信電話公
   社営業局長   千代  健君
   日本電信電話公
   社運用局長   山下  武君
   日本電信電話公
   社計画局長   宮崎 政義君
  参考人
   日本放送協会会
   長       阿部真之助君
   日本放送協会副
   会長      溝上 けい君
   日本放送協会専
   務理事     前田 義徳君
   日本放送協会専
   務理事     田辺 義敏君
   日本放送協会専
   務理事     小野 吉郎君
   日本放送協会理
   事       赤城 正武君
   日本放送協会経
   理局長     広川 義和君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○放送法第三十七条第二項の規定に基
 づき、国会の承認を求めるの件(内
 閣送付、予備審査)
○電話加入権質に関する臨時特例法の
 一部を改正する法律案(内閣提出)
○郵政事業及び電気通信事業の運営並
 びに電波に関する調査(日本電信電
 話公社事業概況に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤顕道君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 委員の変更について御報告申し上げます。
 二月二十五日、野上元君が委員を辞任せられまして、その補欠に柳岡秋夫君が選任せられました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(伊藤顕道君) 放送法第三十七条第二項の規定に基づき、国会の承認を求めるの件を議題といたします。
 まず、本件について、政府より説明を聴取します。小沢郵政大臣。
#4
○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま議題となりました日本放送協会の昭和三十八年度収支予算、事業計画及び資金計画の提案理由につきまして、御説明申し上げます。
 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第三十七条第二項の規定によりまして、郵政大臣がこれらに意見を付し、国会に提出するものであります。
 郵政大臣としましては、これら収支予算等につきまして、お手元にお配りいたしましたとおりの意見を付したのでありますが、その予算の大略を御説明いたしますと、
 まず、収支予算でございますが、その規模は、収入、支出ともに総額七百四十二億一千五百万円と予定しております。これを昭和三十七年度に比べますと、いずれも百六十七億円の増加となっております。その内訳は、資本収入百四十七億八百万円、資本支出二百二十九億四千五百万円、事業収入五百九十五億七百万円、事業支出五百八億七千万円、予備金四億円となっており、事業収入のうち八十二億三千七百万円は、建設費等資本支出に充当することとなっております。
 次に事業計画でございますが、その重点といたしましては、放送網の建設、特にテレビジョン放送の全国普及をはかるための積極的な置局の推進、放送番組の充実、オリンピック東京大会の放送の準備体制の推進等となっております。
 なお、資金計画は、この収支予算及び事業計画に対応する年度中の資金に関する計画でございます。
 以上のとおりでございますが、何とぞ御審議の上、御承認のほどよろしくお願いいたします。
#5
○委員長(伊藤顕道君) 次に、日本放送協会より補足説明を聴取します。阿部参考人。
#6
○参考人(阿部真之助君) ただいま議題となっております日本放送協会の昭和三十八年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明申し上げる機会をお与え下さいましたことに対し、厚くお礼申し上げる次第であります。
 協会は、公共放送としての使命を積極的に遂行するため、昭和三十七年度から第二次六カ年計画を策定いたし、委員各位の御協力を得まして着々その遂行に努力いたしておりますが、昭和三十八年度はこの第二年度としての諸計画を積極的に推進して、ラジオ、テレビジョン両放送の全国普及の達成と国民の要望する豊かですぐれた放送の実施に努力し、国民生活の充実向上に資することを目途に諸計画を実施することといたしております。
 次に、そのおもなる計画について御説明申し上げます。
 まず、建設計画について申し上げますと、ラジオにつきましては、前年度に引き続き、難聴地域の解消と外国電波による混信を防止するため、東京超大電力局の建設、中継放送局五局の新設、第二放送三局の増設、七局の放送局の増力を完成し、二局の増力に着手するほか、大電力局周辺等の地域において五局の放送局を建設することとしております。これらによりまして、年度末のカバレージは、第一放送九九・九%、第二放送九八・一%となる予定であります。
 このほか、三十八年度に十七局のFM放送局を建設し、FM放送の開発普及をはかることといたしております。
 一方、テレビジョンにつきましては、総合、教育両放送網のすみやかな全国普及をはかるため、総合テレビジョン局において、三十五局の建設を完成し、十五局の建設に着手いたしますとともに、教育テレビジョン局において、六十二局の建設を完成し、十五局の建設に着手することといたしております。これらによりまして、三十八年度末には、総合、教育両放送局はそれぞれ百六十局を数え、カバレージもそれぞれ八七%に達することとなります。
 また、放送規模の拡大と番組の多様化に対処するため、新たに、ラジオ、テレビジョンを総合した放送センターの建設を行なうこととし、オリンピックへの使用等も勘案して、三十八年度においては、敷地の買収、建物の建設等を進めることといたしております。
 このほか、ローカル放送の制作体制を充実するための地方局演奏所整備、ラジオ、テレビジョン放送所の自動化、各種放送設備の充実改善、研究用機器、局舎、宿舎、一般機器の整備等を実施いたすことといたしております。
 これらの建設計画を実施するために必要な経費は総額百九十億円でありますが、この資金調達につきましては、減価償却引当金及び固定資産の売却代金五十九億円、財政投融資資金からお願いいたします十億円を含む部外資金八十一億円のほか、受信料収入からの繰り入れ五十億円を予定いたしております。
 次に、事業運営計画について申し上げますと、まず、国内放送につきましては、ラジオにおきまして、最近における受信者の聴取態様に即応した効果的な番組の編成に努めるとともに、その内容の充実をはかり、あわせてローカル放送の拡充に努めることといたしております。一方、FM放送につきましては、その開発普及に役立つ番組を編成することといたしております。
 テレビジョンにおきましては、総合、教育放送とも番組の充実、刷新をはかることといたしておりますが、特に、教育放送につきましては、放送時間を一日一時間三十分増加して、各種の教育、教養番組を充実することといたしております。このほか、ローカル放送の充実、報道取材網の整備に努める一方、オリンピック東京大会の放送準備を進めることといたしております。また、国際放送におきましては、放送時間を二時間増加するほか、送信電力の増力等をはかり、諸外国との経済文化の交流と親善に一段と寄与する考えであります。
 放送の利用促進につきましては、教育、教養番組の充実に対応して、特に、教育面における利用を促進することといたしまして、放送を利用する通信制の日本放送協会学園高等学校に対して助成を行ないますほか、前年度に引き続き、僻地小中学校等に対するテレビジョン受信機の贈呈を行なう計画であります。
 受信契約者の普及に関しましては、低普及地の開発、テレビジョン共同受信施設の助成等により、極力受信契約者の維持増加に努めることといたしております。他方、受信料の収納につきましては、一そうその確実を期するよう努めることといたしております。
 次に、調査研究関係につきましては、オリンピック東京大会に際しての利用等も勘案して、テレビジョン国際中継の研究を強化いたします一方、UHFの研究等も積極的に行なうことといたしております。
 経営管理につきましては、極力業務の機械化を進める一方、職員の訓練を強化して業務能率の向上に資することといたしております。
 また、給与につきましては、社会水準を保ち得るよう改善をはかる所存であります。
 最後に、これらの事業計画に対応する事業収支につきまして申し上げますと、三十八年度の有料受信契約者数は、契約甲においては年度初頭千三百十九万に対し年度内に二百万の増加、契約乙においては年度初頭四百二十万に対し、年度内に百十五万の減少と見込まれますので、これら受信契約者からの受信料収入を五百八十九億七千三百万円と予定いたしております。
 このほか、国際放送関係等の交付金収入一億一千四百万円及び雑収入四億二千万円を合わせまして、三十八年度に予定する事業収入総額は、五百九十五億七百万円となります。これに対する支出といたしましては、放送債券償還積立金、外部資金の返還、受信料からの建設費充当などの資本関係の支出に八十二億三千七百万円、事業運営関係の支出に五百十二億七千万円をそれぞれ充てることといたしております。
 以上、昭和三十八年度日本放送協会の事業計画につきまして、そのあらましを申し述べさせていただきましたが、わが国経済文化の発展、国民生活の向上、さらにはオリンピック東京大会を間近に控え、放送の果たすべき役割がますます増大しつつあることに思いをいたし、従業員一同総力をあげ、この責務遂行に邁進する所存でありますので、委員各位の変わらざる御協力と御支援をお願いいたし、あわせて何とぞすみやかに御審議御承認賜りますようお願い申し上げまして、私の説明を終わらせていただきます。
 この機会に、ちょっとお礼を申し上げさしていただきたいと思いますが、かねがね皆様から御支援をいただきましたワシントン・ハイツに放送センターを建設する予定でございましたが、その敷地が、昨日東京都の関係方面の御承認を得ることになりまして、いよいよ実行の段階に、わずかに二、三の手続を残すのみになりました。ひとえに皆さんの御支援に対し、この際厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
#7
○委員長(伊藤顕道君) 本件については、本日は、説明聴取にとどめておきます。
  ―――――――――――――
#8
○委員長(伊藤顕道君) 次に、電話加入権質に関する臨時特例法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#9
○鈴木強君 私は、電話加入権を質権の目的にすることができるこの法律案の一部を改正する幾つかの問題点について御質問を申し上げたいと思います。
 御承知のとおり、明治二十三年にわが国に公衆電話が設置されまして以来、電話加入権を質権の目的にするということは固く禁止されておったのでありますが、昭和三十三年八月五日から、このことが、一つの制約をつけておりますが、可能になったわけであります。この目的は、あくまでも中小企業者等の電話加入者の非常に強い要望もありましたので、それらの方々の金融に資すると同時に、それらの方々を保護する、こういう目的をもって法律が定められたものと私は思います。自来五カ年間、この法律に基づいて質権の設定があったと思いますが、今回さらに十年間の長きにわたってこの法律を効果あらしめようということで、今回の法律改正は、昭和三十八年の四月一日から向こう十年間と、こういうふうになっております。
 第一番に私はお聞きしたいのは、当初五年間という時限立法でスタートいたしまして、その間、電電公社の電話の増設等によって、おそらく電話加入権を質に設定するような事態はなくなるだろうということも、当時提案をされた趣旨の中に入っておりました。ところが、依然として百九万近い電話の積滞があるということから、なおこの電話加入権を担保とし、あるいは質として融資をしているようなことがたくさんあると思うのです。ですから、考え方はわかりますけれども、どうして十年間もさらに延長しようとするのか、この点、私はまず第一番に伺いたいのです。
#10
○政府委員(岩元巖君) ただいま先生からもお話があったのでございますが、最初五年前にこの質権法を制定いたします際には、大体五年くらいたてば需給のバランスについてある程度の見通しはつくのじゃないかといったようなことで、まあやむを得ず立法する法律でございましたので、五年というようなことで制定をいたしたわけでございます。その後におきます日本の著しい経済成長によりまして、電話需要というものが予想以上に出て参ったわけでございます。したがいまして、公社では、目下第二次五カ年計画を実施いたしておりますし、また、来年度から第三次五カ年計画に入るわけでございますが、第三次五カ年計画を終わります四十二年度末におきましても、今の見通しでは、大体七十四万程度の積滞が残るといったような見通しになっておるわけでございます。したがいまして、これだけの積滞がある、さらにこの積滞解消のためには、今の見通しでは、昭和四十七年度末くらいまでかかるというような見通しになっているわけでございますが、この間積滞がありますことから、当然電話に対する市価というものが生じているわけでございまして、また一方、拡充法によりますところの債券引き受けといったようなことも、今の見通しでは、四十七年度末までは続くのではないかというようなふうに予想されているわけでございまして、かようなことから、中小企業等の加入者が簡易な金融をいたします場合に、やはり加入権に対する質権、加入権を質権の目的とすることができるといった、こういった制度をさらにそのころまで存続させるということが、現在の段階では必要であろうといったような見解に立ちまして、十年間延長さしていただくというふうに、今回の法律改正でお願いしているわけでございます。
#11
○鈴木強君 ちょうど私は、この法律審議の際に直接参加しておりますから、三十三年の国会における質疑については、十分私は知っているつもりです。それから議事録等もひとつ参考に見ていただけばよいと思うのですが、昭和三十三年というのは、もうすでに電電公社の第二次五カ年計画がスタートしておった時期でありまして、電電公社は、当時でも第三次、第四次と、終局的には昭和四十七年にならないと電話の需給バランスはとれないという想定を立てて計画を進めておった。私たちは、一方にそういう公社の計画があるのでありますから、当時提案理由の説明として言われた、公社の電話が拡充していけば、当然電話の市価というものが下がってきて、質権などを設定するような段階ではなくなってしまう、こういうふうなおよその見通しのもとに五年間ということをおきめになったのですから、その間の法律を制定した当時の情勢から見て、その後経済情勢が非常に変わってきて、なお十年間もこういう必要があるのだということは、ちょっと私は納得できないんですよ。あなたのほうで情勢の見通しが間違っておったなら間違っておったとして率直に認めてくれるなら、まだ話はわかるのですけれども、やはり筋道を立ててひとつやろうじゃないですか。どうですか、その点は。
#12
○政府委員(岩元巖君) 先ほども申し上げましたように、五年前にこの法律を制定いたします際、電話の需給に対する見通し、その見通しに対しまして、その後における日本の経済成長というものが著しく高度のものになった、御承知のとおり、その間に第二次五カ年計画も改定されるといったようなことでございまして、予想以上の需要が出てきたということは事実であろうと思います。そういったことから、やはり五年先までなお七十四万の積滞があるといったような見通しでございますので、その五年先で七十四万という積滞が解消し、電話の市価が消滅するというには、さらにそれから数年を要するということは大体予測されるわけでございまして、そういったことから、十年間の延長をお願いしたいというわけでございます。
#13
○鈴木強君 昭和四十二年末になりますと、電電公社の電話は約一千万近くになるわけですね。それからおそらく四十七年度末になると千五百万を多少突破するのではないかと私は思うのですが、そういうふうな公社の強力な拡充計画がございますが、そうすると、昭和四十二年に七十数万の電話の積滞がある。したがって、これは四十七年の、電電公社の大体今の計画でいくと、バランスをとろうとする時期までこういうものは必要であると、こういうことなんですか。だから、さっき言ったおよその見通しというものは、そういう大まかな構想があったのだ、すでにこの法律が出たときに。それに、多少の経済変動によって需要が多くなってきて、第二次五カ年計画で三回も計画を拡大変更をした。これはわれわれも承知しているのですが、そういうことがあったとしても、私は、そのことによって最初の五年間を十年間に改正しなければならぬという事由にはならぬと思うのです。だから、当初お出しになるときに無理じゃなかったか、五カ年ということが。そういうふうにも判断されるのです。そこらについてはどう思いますか。
#14
○政府委員(岩元巖君) この法律を制定いたします際に、従来、公衆電気通信法三十八条によりまして、加入権を質権の目的とするということを禁止しておったわけでございます。それを解除する、まあ臨時的に事実問題として電話の市価が生じ、これが中小企業者等の金融の目的に供せられておるといった事実から、実情やむを得ずこういった臨時立法でもって加入権を質権の目的とすることを認めるといった法律を立法したわけでございます。その当時の見通しでは、大体五年程度たってみれば、ある程度将来の見通しももっとはっきりするだろうといったようなことから当時五年とされたのだろうと存じます。しかし、先ほど申しましたように、その後日本の経済成長が非常に急速な発展を遂げましたために、電話に対する需要も予想以上に出てきた。そういったことから、やはり結果としては、電話の需給のバランスに対する見通しというものが、予想以上に狂ってきたと申しますか、そういったことから、当初の五年という期間に対しまして、今回その倍、十年という期間延長をお願いせざるを得ないような事情になっている。将来の見通しとしては、そうなっているということでございます。
#15
○鈴木強君 どうもよくわからないのですけれども、昭和三十八年三月三十一日までとした理由について、当時皆さんのほうでは、現在公社は第一次五カ年計画に引き続き第二次五カ年計画を設定し、加入電話の拡張を行なっているので、漸次加入電話の市価は低落しつつあり、電話加入権の質権は安くなり、質権の目的物としての適応性がなくなり、質権制度の必要はなくなる、こういう判断をして、五年間、三十八年三月三十一日まででよろしい、こういうことを言われているのですね。これは今日そういっていないじゃないですか。それは、さっき言ったようないろいろな理由があるのでございましょうが、なお、今の岩元管理官の答弁では、明治二十三年以来、公衆電気通信法その他固有事業であった当時も法律によって固く加入権の質権設定は認められておらなかったせいか、三十三年にこういう質権としての設定を認めることになったので、とりあえず五年間にしたのだというふうにとれる。ということになると、どっちに法律制定の目的があったのか、ちょっと私は今になって了解に苦しむのですよ。
 私がしつこく聞いておりますのは、もっとこの法律の施行について、五年間いろいろな問題があるのですよ。これはもう審議を始めたら、相当、一カ月以上くらいやっても私は質問するだけの材料を持っておりますよ。この五年間に、一体この質権法が制定されてどういう運用をされたのですか。私は、ただ単に十年間延長するということでなしに、もっと法律の内容について適切な改正をすべき点があったと思うのですよ。その点はあらためてあとから逐次申し上げますが、そういうふうな点を全然やらずに、ただ国税徴収法の多少法律が変わったので、そこのところだけをいじくっただけじゃないですか。そんなお粗末な法律改正というのは見たことないですよ。
 だから、そういう意味において、当初私がしつこく聞いているのは、五年間の時限立法でこの法律を画期的なものとして作ったのですよ。ちょっと私は調べてみたのですけれども、明治二十九年の十二月二十九日に初めて電話の売買というものがやられたのだそうですね。これは、新橋−浅草の鉄道馬車の中にそういう広告が出た。そのときの美濃紙に書いた文書の中には、「電話の譲受・譲渡の周旋、秘密に抵当・貸金を取扱申候、売口、買口御紹介の方には金五円也進呈、芝区柴井町二一内海商店」――この内海商店というのが初めて日本で電話の売買を始めた。そういうふうな歴史的な経過があるのですね。質権が設定できないから加入権を担保にして金を借りる、そのことによっていろいろな弊害があった。それらの問題があって、おそらくこういう法が出てきたことはわかるのですよ。だから、もうちょっと当時の法律、時限立法として提案した理由からして、今日どうしても十年間にしなければならぬというその根拠が不明確なんですよ。私に言わせれば、もう少しわれわれが納得できるような説明をしてもらいたいと思います。
#16
○政府委員(岩元巖君) まあ、この法律が制定されました当時の事情は、鈴木先生が一番よく御存じだろうと思いますが、当時の制定いたします際の将来の見通しが、はっきり申し上げますと、結果としては狂ったということは言えるのではないかと思いますが、そういったことから、現在では、今後拡充計画に伴いまして、電話の需給のバランス、そういったことから将来を見通します際に、結局電話の市価が消滅して、こういった加入権質の法律が必要でなくなるという、そういった見通しは十年程度先になるということからこの法律をお願いしているわけでございます。
#17
○柳岡秋夫君 関連。この法律が作られた当時、私おりませんでしたから、よくわかりませんけれども、会議録等を調べてみますと、当時の政府は、こういうものはなるべく早くなくすようにしたいということで提案をしているわけです。したがって、当然そういう公電法で禁止されていることを特例として認めるわけですから、一日も早く直すということは当然なんですが、そのためには、それに対応する、電話需要に対する電話の拡充施策と申しますか、もっと積極的に取り組んでいくということがやはり必要じゃないかと思うのです。したがって、それじゃこの法律が必要でなくなるような施策をこの五年間政府としては積極的にやってなかったということにも、裏を返せば言えるのじゃないか。こういうふうに思うのですが、この点はどうですか。
#18
○政府委員(岩元巖君) ただいま先生のお説のとおり、こういった法律はできるだけ早くなくするということが非常に望ましいことであろうと存じます。ただ、この法律が必要でなくなるように、政府なりあるいは公社は努力しなかったのではないかといったようなお話のように承ったのでございますが、その点につきましては、御承知のとおり、電電公社もまた政府も、この第二次五カ年計画の拡充計画を途中で拡大変更するというようなことで、できるだけ需給のバランスをはかるように努力して参っておるわけでございます。それにもかかわらず、なかなか需給のバランスがとれない。また、第三次五カ年計画におきましても、公社といたしましては相当大きな拡充計画を樹立いたしまして、その実行に来年度から入るわけでございますから、いろいろな面から、あの程度の大きな拡充をやりましても、なおかつ四十二年度末におきまして七十四万程度の積滞が残るといったようなことでございまして、この需給のアンバランスをなくするには、どうしても第四次五カ年計画の末期までかかるのだというような見通しになっておるわけでございます。
#19
○柳岡秋夫君 時限立法で十年というのは、やはりほかのいろいろな時限立法を見ますと長いほうじゃないかと思うのです。しかも、今まで五年間ということでやってきて、それを今度倍の十年にするということは、ちょっと何か合わないというか、筋道が合わないような気がするのです。これが、五年やってきて、あとどうしても二年か三年ほしいのだということになると、何か話がわかるのですけれども、倍の十年にするということは、やはり公電法にきめられた本来の趣旨から言っても、私はもっとそういう必要がないような施策をこれから政府としては十分とっていく、そしてもっと短かい期間でこういうものをなくする方向で持っていくということが必要じゃないかと思うのですけれども、その点ちょっと所見を伺いたい。
#20
○政府委員(岩元巖君) その点は全くお説のとおりでございまして、私どもも、できるだけこういった法律の期限というものは短く定められたほうがもちろん望ましいことでございます。しかしながら、先ほど来申し上げておりますように、どうしてもやはり十年程度はこの法律の存続が望ましいといったようなことから今回の法律改正をお願いしておるわけでございますが、ただいまそういった、十年も、時限立法で十年もというような長い立法の例はあまりないというようなことでございますが、これは、例としてはそれほどたくさんはないかと思いますが、拡充法の場合が十三年というような点もございますし、また全然そういった例はないことはないというようなことでございまして、また法制局等の見解も聞きまして、差しつかえはなかろうといったようなことでございますので、今回十年延長をお願いしたわけでございます。
#21
○光村甚助君 私も、その点がどうも納得いかないのです。ほかに前例があるからといって、前五年、またあと十年延ばす。そうすると、初めから十五年です。これは時限立法の趣旨に合わないですよ、どう理屈をつけても。植民地を租借するのに九十九年、これも時限立法です、いわば。さしあたり困ってるから、これを何とかしようと期限を切って――これが趣旨でなくちゃならないのです。あなた方は、だれの味方をしてそういう法律をお出しになるかしれませんが、私はこれには反対です。今から反対を表明します。十年なんて時限立法には賛成できない。それで、委員会でこれを修正したら、あなた方は応ずる意思がありますか。
#22
○政府委員(武田功君) この延長をさらに十年という問題につきましては、今先生のお示しのように、五年をさらに十年とすることに、いろいろと時限立法としての性格上の疑問はございますけれども、先ほどから監理官からいろいろ御説明しましたように、こういったような事情、それからまた、ちょうど鈴木先生から制定当時の事情の御指摘もございましたし、また、先ほどもお話がありますように、古くから加入権が譲渡の対象になるといったような、電話加入権の持つそういう市場価値というような点、それからまた、さらに参考資料でお手元に配付してあるかと存じますが、この法律を作りましてから五年間の実績を見ておりますと、経済の好転というのにもかかわらず、やはり質権設定の数はずっとふえておりまして、こういう周囲の趨勢から見まして、私どもは、当初はやはり延長の場合にはなるべく短くするのが時限立法の建前であろうと、こう考えたのでございますけれども、こういったような現実の姿というものと、先ほど来るる申し上げましたような見通し等から参りまして、やはり今これを、質権を対象にしていろいろと金融を受けておる特に中小企業の方々のためには、やはりなるべく安定した延長をすべきである、こういうことでもってお願い申し上げた次第でございますので、何とぞひとつ、ぜひその辺を御了解いただきますようにお願いいたします。
#23
○光村甚助君 法律は長くしておけば、あなたのほうはめんどうくさくなくていいわけです。実際上、国会のようなところに何べんも出さなくてもいいわけですからね。しかし、池田さんは所得倍増を言っているのです。所得倍増を言ってから何年になりますか。十年たてば所得が倍になる、非常に暮らしが楽になる、と言っている。この面から見たって、十年もやる必要はない。経済がずっと成長して、国民生活はうんと楽になる。大体、家とか土地を抵当に入れるというならわかるけれども、電話が入っている。何かそれを、何というのですか、私には電話を質に入れるということがわからない。電話機だって電電公社のものだし、こういうものがあるから一部の業者が悪いことをするのです、実際。私のところなんかにじゃんじゃん文句を言ってきておる、業者から。これはけしからぬ話なんです。社会党の委員長あたりに脅迫状みたいなものをよこす業者もいる。大体これは業者がもうかっていって、こういう制度がなければ実際上質に入れないのです。そうして、ほんとうは安く質権を取っておいて、そうしてどんどん自分のほうに取り上げる。かえって、困っているのは電話を持っている人が困る。こういう法律は実際上ないほうがいいのです。そういう面から考えても、私はどうも十年というのは納得できない。ただあなた方のほうは、十年ぐらいやっておけばめんどうくさくないからというような考えじゃないかとしか私には考えられない。その点私は、なぜ十年とされたのですか、納得いかないのです。もう一度説明をしていただきたいと思います。
#24
○政府委員(武田功君) 私からもう一度説明させていただきます。
 今先生の御指摘のような形でございますけれども、私どもは、決してその延長の手続のために、特にまた今度は長くしておいてどうのこうのという気持は毛頭ございませんで、特にこの質権法があるということは、あるいはお言葉を返すようでございますが、むしろ、金融を受けたいというような方の保護になるのではなかろうか、かえってまた現実問題として、先ほど鈴木先生おっしゃいましたように、昔から加入権を取引の対象なり、あるいはそういったような金融の対象にしておりますので、やはりこういう特例を設けられた趣旨はずっと存続すべきじゃないかと考えております。そういう次第でございまして、できれば、そういう現在の実態をそのまま安定の形に置いておきたい、こういう次第でございます。
#25
○横川正市君 関連して。今の説明で、質権を十年存続するということでの簡単な説明はわかるわけですが、こういう質権十年存続のときに検討したかどうかという点を二、三お聞きしたいのです。一つは、質権を必要とする電話所有者の地域的な状況ですね、その状況とあわせて、電電公社の設備に対するサービスの度合いというものが非常にちぐはぐでないかという点ですね。結局、電電公社の計画からいけば、第三次五カ年計画が遂行されるときには、大体積滞については消化をされるであろうという見通しのもとで第三次五カ年計画がされているわけですよ。ところが、質権は十年延びるわけです。そういうふうに、期間の設定の仕方を見ますと、どうもやはり法律事項として、しかも時限立法、十年も一ぺんに延ばすというのには、いささか電話の設備の状況その他について検討をしておらないきらいがあるんじゃないかと思う。その点は、どう検討されたか、お聞きしたいと思う。
#26
○政府委員(岩元巖君) ただいまの先生の御意見、地域的な状況と、電電公社のサービスの度合いと申しますと、ちょっと私……。
#27
○説明員(宮崎政義君) 私から御説明いたします。ただいま先生のお話を伺いまして、電電公社としては第三次五カ年計画の終了後に積滞が解消するようなお考えのようにちょっとお伺いしたのですが、私どもは、第四次五カ年計画末にならないと積滞は解消しないと今のところ考えております。第三次五カ年計画末では七十四万ぐらいの積滞をかかえるものと今までのところは推定しております。
#28
○横川正市君 大体七十万程度の積滞をかかえるという、数の上ではこれは了解しているのです。ただ、質権を必要とするいわゆる電話を持っておられる人ですね。どういう関係で質に入れて一時金を融通されるかというのは、相当広い意味のものだと思うのです。だれがどう、だれが入れないというようなものではないと思うのですが、しかし、大体サービスが上昇していく度合いに従って質権というようなものは要らなくなるのだと思うのです。なぜならば、今地域的にいうと二十万もするような電話を持っている人は、これは質に入れることによってある程度の金融にはなるわけですが、公債を買っても一割程度で流通機関にいく、それからあとは設備その他で一万三、四千円のやつで電話がつくというような状況になっておれば、これは質の質ぐさとしての価値というのはないわけですよ。ですから、大体七十万個程度の積滞があるということは、数の上では出てくるかもわからないけれども、質ぐさとしての価という問題からくれば、非常に希薄になるのじゃないか。そういうふうな点から勘案して、十年とする法律の提出の仕方というのは、どうも現状というものを少し検討することを行なっておらないのじゃないかという気がするわけですよ。その点をどういうふうに検討しましたかということをお聞きしている。
#29
○説明員(千代健君) ただいまお話のありましたように、電話の市価が安くなりますと、一般の質としての場合にはほとんど価値がなくなることはお説のとおりでございます。ただ、一般の、主として小企業の金融のために現在質権の設定が行なわれておりますが、そのほかに、実はこういう問題があるのでございまして、例の電信電話設備の拡充に関する特別措置法でございますが、あの場合は、東京の場合は十五万円の債券を負担していただく、この問題がございまして、その際に、あるいは衆議院であったかと思いますが、附帯決議をつけまして、電話をつける場合は、十五万円の債券を持つ場合は何か月賦でやれるような方法、こういったような趣旨の附帯決議がついております。現在質権を利用しましてそういった方法を実はやっておらない。最初の十五万円の準備をするために、現在銀行でやっておりますものでございますが、九カ月の月賦をやっております。その場合に、実は質権とそれから入手した債券十五万円、これが抵当になりまして加入申し込みをやっておりますから、新しい加入者は九カ月の月賦で電話をつける、こういうティピカルな方法をとっております。
 したがって、こういう点から言いますと、拡充法に基づく債券というものが、あと十年間この法律は実は時限立法としてありますので、それと合わせた場合、新加入者の便という点から質権を十年にするのが適当である、こういった点が今まで出ました話以外の実態であります。
#30
○横川正市君 私は逆に、なるほど電電公社のサービスの向上のための努力というのは、年次計画でずっとこれから検討する機会も他にあると思うのでありますけれども、質権というものが存続するということは、逆に言えば、サービスが非常におくれているということが言えるのじゃないかと思う。サービスがおくれているところに質権としてのいわば価というものが残されておるのだ、こういうふうに言える点が一つあるわけですね。今も説明されたように、電話をつけるためにそういう流通機関からの金融を受ける一つの方法としてもとられているということは、これは一つの時宜に適した、そのときの方法としては私は必ずしも悪いとは思わない。それが、サービス全体の問題となったときに地域的にどうか、こういうことになれば非常に不公平が出てくるのですね、実際は。たとえば、電話サービス個所がたとえば地域的に拡充をされた場合とか、あるいは全体的にこれが計画に基づいて軌道に乗った場合とか、その計画の立て方によっても私は出てくるのじゃないかと思うのですよ。そこで、たとえばサービスの問題からと言うならば、できれば都市中心なら都市中心で、都市を中心とした周辺からサービスというのはどんどん強化をされていって初めて、こういうような質に入れてまで必要とする緊急な人たちに対してサービスというものは行き届いていくわけですから、質に入れなくても事実上電話をつけるような格好になるのではないか、こう思うのですが、そういう点、期間が、これは十年というものですから、検討されて十年としたのかという点がちょっと私どもとしてはふに落ちかねるわけです。できれば五年とか三年とかいうことで、たとえば五年にきめたのだから、今度はひとつ三年でいこうとかいうふうに、時限立法はその場合にはいくのが建前なのではないか。それが今度は十年になったので、その十年になったということと、一体電電のサービスをこれから向上させていく計画とどう検討して法律の期間延長を決定されたか、その点をお聞きをしているわけです。
#31
○政府委員(岩元巖君) まあ、先ほども話が出たわけでございますが、四十二年度末におきましても、なおかつ七十四万の積滞があると申しますことは、結局、やはり一面から考えますと、この積滞の数は、この質権法制定の当時よりむしろ積滞としてはふえているわけでございますが、まあ、反面から言えば、公社の拡充がそこまで追いつかないということにもなりますけれども、そういったことから必然的にやはり電話というものの市価というものは存在いたすわけでございますし、また金融の場合の担保として扱われるということ、そういったことから、加入者の立場を保護するということから、やはりこういった法律等の存在することが必要ではないか。
 ところで、その見通しを何年にすればいいかということでございますが、先ほど来申し上げておりますように、やはり四十二年度末で七十四万の積滞があり、さらに積滞が完全に解消しますには四十七年度末くらいまでかかるのではないかというような今の見通しでございますので、そのころまでは当然市価というものは存在するであろう。もちろん、それまでに需給のバランスがとれまして、市価などは存在しなくなるというようなことが非常に望ましいことではございますが、今の見通しでは非常に困難なことではなかろうかというようなことで、まあ十年ぐらいは必要ではなかろうかということで、今回改正をお願いしているわけでございます。その辺のところをよろしく御了承願いたいと思います。
#32
○鈴木強君 今度、大臣に伺いたいのですけれども、あなたのほうで提案理由の説明として、昭和三十八年の三月三十一日までのものを、十年間、昭和四十八年三月三十一日まで延長しようという中に、利用状況から見ると、一つは、逐年利用者はふえているということ、これは、確かにこの資料にありますように、現在四十六万の設定者があり、そのほか、変更、移転、消滅等を入れますと、大体八十一万四千件以上のものが、三十七年の第二四半期末までに、とにかくこの質権法によって扱われた件数なのです。ですから、相当数あることは私はわかるのです。こういうことは、結局、電話加入権が担保として価値があるかどうかというところにかかってくるわけです。ですから、何としても需要供給のバランスがとれない限りは、私はやはりこういう状況が続いていくと思うのです。ですから私は、そういう観点に立って、はたして五年が適切か、十年が適切かということを論ずるのが本筋だと思うのです。そういう意味で私はさっきから質問しているわけですけれども、問題は、電電公社が第三次、第四次と、さらに強力な拡充計画を進めていっておりますけれども、まことに残念ながら、第三次五カ年計画の四十二年末においても七十四万ですかの秘湯が残ると、こういう状態があるのです。ですから、そういう中では、私はある程度この法律の必要であろうということはわかります。だけれども、一面、電電公社の第三次五カ年計画ということをもう少し拡大して、そうして四十二年末ぐらいに少なくとも加入電話の積滑がなくなってくるような方向に計画を変えていけば、当然これは五年間でいいということになるでしょう。だから、私たちが何回も言っているように、今東京でも、地域的に十二カ所くらいは、申し込んでもお先まっ暗という所がある。大臣のところにもあると思うのですが、電話はいつつくのだとかいう陳情が私どものところにもある。ですから、私たちは、今の経済情勢の中で、一日も早く、申し込んだらすぐつけるような状態にしたい。それは、北海道の札幌や、向こうにも電話が早くつながることも希望するでしょう。しかしそれ以上に、私たちは、電話を早くつけてもらいたいという素朴な国民の感情というものをとらえて、やはり政治家がやる必要があると思うのです。そういう意味で、私は大臣にひとつ第三次五カ年計画、ここに公社のやつを拝見しておりますけれども、これでは、今言った七十四万の積滞もあるし、何か積滞を解消するような工夫を考えてみたらどうでしょうかね。そういうことによって、私は今のような論議は一応消えていくものと思うのですが、どうでしょうか。
#33
○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま鈴木先生のおっしゃいました、これを五年にするか十年にするかということは、われわれのほうとしても相当検討いたしました。そこで、先ほど光村先生がおっしゃった点ですが、この法律は電話加入者を保護する法律でありまして、むしろ、質権を設定することによって金融を得せしめる、そうしませんと、権利譲渡をさせられてしまって、とられてしまうというような、悪徳業者に引っかかるというようなことから保護するというようなことでございまして、ほんとうは質権を設定するということは本旨ではございませんけれども、そういう意味で前に五カ年の暫定措置を講じたわけでございまして、今度それを、十年にする、五年にするということは、われわれのほうといたしましても、いろいろ研究いたしました。研究いたしました結果、五年たちましても七十何万も残るというようなことでございまして、三次計画、四次計画をやりまして、そして初めて積滞数がなくなるというようなことで、しかも安定するというようなことでございまして、それで十年が適当だろうというような判定を下したわけでございまして、先ほどのような、五年を二度するのはめんどくさいから十年にしたのだろうというような意味ではございませんで、そういう理由がございまして十年にしたということでございます。
 それからただいまの積滞数をなるべく少なくしろということは、もちろんでございまして、そういう努力はもちろんしなければいけません。しなければいけませんが、といって、電話の質をよくする、あるいは即時加入と即時通話という点も考えてやらなければいけないということでやっておるわけでございまして、われわれといたしまして、先生のおっしゃるように十分に努力はしたい、そういうふうに考えておりますが、十年を期限にしたというのは、そういう意味合いでございます。
#34
○鈴木強君 そういうふうに、早くわれわれが納得するように説明してくれればいいのだけれども、私はやはりそこにかかっていると思うのです。だから、公社の計画をやはりある程度スロー・ダウンするところはスロー・ダウンして、当面どうしてもそういう必要のあるところはやはりアップしてやればいいのですよ。そういう伸縮性のある計画を立ててやらないと、東京あたり、特に産業経済の中心地ですね、大阪もそうでしょう、全国的に見て百何万という積滞があるのですから、それは、北海道にダイヤルで回してつながるということもけっこうかもしれぬけれども、そんなことよりも、もっと自分のあしたから仕事をするのに電話がなくてできないというのをやってもらいたいというのがほんとうの気持だと思うのです。どっちを優先的にやるということは、やはり大臣も考えるべきだと思うのです。また、公社の連中だってたいへん迷惑していると思うのです。窓口にすわっている連中は、いつでもどうも申しわけないというように陳弁これ努めなければならない。ところが、実際にこの建設資金の半分以上は、公社の職員が一生懸命汗水たらして収入をあげて、その中でみんな建設費に持っていかれてしまう。賃金は上がらない。一般公務員よりもいいか悪いかしらぬけれども、あまり公社の妙味がない。最近はそんなことで、一生懸命働いたものは電話をふやすほうに持っていかれて、その上に、窓口に来て電話をふやさないという文句を言われちゃたまったものではない。われわれのほうにもしょっちゅう、電話はどうだ、電話はどうだ、こんなにたまっています。そういうものにほんとうに私はこたえてやるのが政治だと思う。現に、商売を始めたいけれども電話がなくてできないからどうしてくれるのだという強い私たちはおしかりすら受けているような状況ですから、これはほんとうに、ただ単に検討するということでなしに、大臣、決断によってはできるのです、これは。私はこの計画もよく拝見さしていただいておりますけれども、やろうとすればできるのでありますから、もう少しそれらの点について、大臣としても検討を加えてみて下さい。それで、私は、この趣旨は国民を代表する意見だと思いますから、積極的にやっていただくように、公社の当局の方もいらっしゃいますから、大臣は、その監督する立場にある大臣として、特にそのことを申し上げておきたい。もう一回答えて下さい。
#35
○国務大臣(小沢久太郎君) 先ほども申し上げましたように、積滞数を減らすということは、これは当然でございまして、そういう意味で鋭意やっておりますけれども、といいまして、結局電話の質をよくするということも、もちろんこれは一つの問題でありまして、やっぱり両々相待って私は進めなければならない、そういうふうな立場で進んでおるわけでございます。
#36
○鈴木強君 それは両々相待たなければいけません。それは私は否定してないですよ。しかし、重点施策ということを考えないといけないと思うのですよ。だから、自民党の政府がお出しになった農業基本法でも、今日実施してみて、私の山梨県のような一反二反百姓のところでは、あんなものは通用しません。画一的にものを考えてやるから間違うんです。ああいう零細転落農家に対しては、零細転落農家が生きていけるような施策を農業基本法の中で考えてやらなければならぬですね。そういうふうに、やっぱり農業の場合でも、あるいは通信関係の問題でも、そういうことは重点施策を考えるべきだと思うのですね。だから私は、しつこいようですけれども、もう一度、市外の即時化を私はやめろなんということは言ってないのです。しかし一方、こういう積滞を、できるだけ、一年でも早く、できれば四十二年末よりも早くしてもらいたいのだが、まあ今のところ、大体の目標をそのくらいに置いて、五年くらい繰り上げて積滞を解消してやるというくらいのところまで、総体的に計画の中でやりくりできないだろうか、こういうことですから、これは検討の余地が十分あります。検討してみて下さい。どうですか。
#37
○国務大臣(小沢久太郎君) 先ほど申し上げましたように、われわれのほうといたしまして十分検討いたしますけれども、結局、五カ年計画というものがございまして、積滞数を減らすということは、これはもちろん当然でございます。当然でございますけれども、やはり即時化ということの要望がたくさんございます。そして手動式を自動式にする、あるいは即時化するというような、電話の質を上げるという要望も熾烈でございまして、やはりその要望にこたえるということも必要じゃないか、そういうふうに思ってやっておるわけでございます。
#38
○鈴木強君 それはもう少しあとに、また機会をあらためて進言しますがね。
 それから次に伺いたいのは、質権法第二条のただし書きにある「民法第五百条の規定により債権者に代位する者については、この限りでない。」こういうのがありますが、この法律案を審議するときに一番問題になったのはここなんですよ。およそ質権者の範囲というのは、ここに法律で明確にきめられておる「国民金融公庫、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫、信用金庫、信用協同組合、相互銀行及び政令で定めるその他の金融機関」――たとえば労働金庫とか、あなたのほうでおきめになっておりますね。「並びに信用保証協会及び事業協同組合に限る。」ただし、この民法五百条の「債権者に代位する」、こういうものだけは特別に認めたのですが、これが運用によっては非常に問題になるということを私たちは指摘をしておきました。現に、私どもが調べた中でも、言うならば、個人が債権者になれるという、質権者になれるということですから、こういう点の悪用が相当に私はやられておるように思います。要するに、町なかの金融業者等が、こういうことを利用して、かなり非難されるような行為をやっている。現実にはこれは私は具体的な例をあげてもいいですがね、そういう点があるのですけれども、一体、電電公社なり郵政省は、この法律が制定されまして以来、電話の加入者に対してどういうふうなPRをされましたか。
 電電公社のほうでは、あとからも言いますけれども、私がずいぶん強く指摘しておった、この扱い数は相当にふえるので、一体要員措置をどうするのかということを強く申し上げておったのですが、そういうこともどうなっておるか、あとで聞きますが、いずれにしても、一方で拡充計画をしながら、この法律が制定されて、言うならば、公社のほうではかなり迷惑になったようにとれるくらいに事務の繁雑さがあったと思う。ですから、そういうものをPRして……。何もやる必要がないといえばそうかもしれませんけれども、そんなことはないでしょう。法律がきまった以上は、この法律が正しく運用されるように郵政省なり電電公社は絶えずPRされていると思うのですが、どうも私たちの具体的な調査の中では、質権を設定されている加入者に聞いても、よく知らぬのですよ。要するに、金融業者かどこかの人が来て、こういう制度があるから判こを押せというようなことで判こを押して、白紙委任になってしまう。さっき言った民法五百条が適用されて、加入権が譲渡される、加入者は知らない、そういう例もある。ですから、この第二条のただし書きというものは、運用の仕方によっては、大臣、この法律制定の趣旨に反するものが出てくる。だから、これは相当に周知する必要があるということを私たちは申し上げておったのだが、一体、郵政省、電電公社はどういうPRをしておりましたか。それにもかかわらず、なおかつ今日そういうふうな実態があるというのですけれども、それはどういうわけでしょうか。
#39
○説明員(千代健君) 加入権と申しますか、この質権の設定以降この仕事は非常に繁雑な仕事である、私どももそう思ったことは事実であります。ただ、私どものほうのは非常に地味でございますけれども、大事な仕事だと、こういう工合に考えております。そういった関係上、相当意欲を持ってPRその他に当たっておるわけでございます。特にこの質権の問題は、不正な業者と申しますか、そういったものによって加入者の方々が迷惑をこうむられないようにというのが主眼でございまして、特に、新しく自動改式が今度できます、こういった場合には、そういったところへ目をつけて入って、詳しくない新しい加入者のそういった不利益なことをやるというようなものがおるものですから、特にそういった際には、あらかじめ承諾の際にはちゃんと注意書き等も入れたりしておるわけでございます。ただ、一般の方々は、こういうことをよくやられるものだというような、実印を勝手に押すとか、あるいは白紙委任状を簡単に渡すとか、きわめて非常識なことまでおやりになっているということがあるわけでございます。そういったことはなるべくやられないようにという観点から、私どもはPRに努めておるわけであります。
 なお、いろいろこういった場合にはこういった方法でやっているという、詳細の御説明を申し上げればいいかと思いますが、ちょっと内容がはばかられます点と、それから万が一、すぐこれが逆に対策をとられるというなにがございますので、お許しがあれば、こういうことはちょっと省略させていただきたいと思います。
#40
○鈴木強君 お宅のほうの郵政省から出している参考資料の中の二十八ページですね。この中に「質権者別質権設定状況」というのがございますけれども、この中には、今質問した第二条のただし書きによる代位債権者の取得した分、設定した分、これはどこに入っておりますか。こういうものは相当多数あるがね。
#41
○説明員(千代健君) 資料の二十八ページのこの中には、今ここでは内容はわかりませんが、おそらくこれは全部中にそれぞれに入っておると思います。これが総数でございます。そういうことでございます。
#42
○鈴木強君 しかし、それではおかしいですよ。ここに書いてあるのは、法律にきめられた質権者ですね、全部質権設定できる人たちであって、この中に民法五百条のものが入るということになったら、そうすると、こういう金庫の中のだれかが、理事長とか、役員が個人名義でやっているのですか。それでなかったら、この資料は合わないですよ。ここに書いてあるのは法律によるものである。第二条できめられたもの――もちろん一部政令事項がありますがね。労働金庫というのはおそらく政令事項できめられたと思いますけれども、質権者の範囲が明確にきまっておる。そうすれば、範囲でないものがここに出ていない。漏れているものがある。この中に入っておるとすれば、だれかが個人で名義を貸してここの中でそういうことをやっているのですか。それをここに入れておるのですか。
#43
○説明員(千代健君) 三十三年八月から三十七年の第二四半期までの質権を、第二条にいう債権者に代位する者の取り扱った数量ですが、これが一万一千五百六十四件でございます。今お話のあったように、これがこの中に入っておるかどうかということはちょっと疑問に思いますので、あらためて調べさせていただきましてお答え申し上げます。
#44
○鈴木強君 入っておりません、一万一千五百六十四というのは。おそらく電電公社から出したものを印刷したときに、郵政省が間違って「その他」というのを抜かしたのじゃないか、そうとしか受け取れない。ミスならミスで取り消して下さい。
#45
○政府委員(岩元巖君) ただいまのお尋ねの点、はっきりいたしませんので、あとで補足いたしたいと思います。
#46
○鈴木強君 これは非常に重要なことなんですよ。私は、もし意識的に抜かしたのであったならば、これは承知しませんよ。おそらく私はそうでないと思う。これは郵政省の資料ですから、あなたのほうでこれはミスしたのだと僕は思うのですよ。もしこの中に一万一千五百六十四が入っておるとすれば、あとからまた質問を発しますけれども、こういう法律できめられた質権者の中のだれかがそういうことをやっているとしか受け取れませんよ。こんな大事なところを資料の中から抜かすということはおかしいですよ。これが一番問題ですよ。これらの内容を全部資料で知りたいんだ。これがみんな悪いことをするようなことになってしまっている。
#47
○政府委員(岩元巖君) ここに出しました資料は、電電公社からいただきました資料を使いましたものでございまして、ここに入っておるかどうかにつきましては、ただいまはっきりいたしませんので、後ほど調べまして御回答申し上げたいと思います。
#48
○鈴木強君 議事進行にも関連しますけれども、私は、この資料の件は非常に重要ですから明確にしていただきたいと思う。そうでないと質問ができませんから、ひとつきょうは、この件についてはこの辺で質疑をやめて参りたいと思います。それから、この機会に資料をひとつぜひ請求しておきたいと思います。信用金庫、事業協同組合――この事業協同組合の中には、おそらくいろいろな組合が入っておると思いますが、これが一体実態としてはどういうものか、それをひとつ調べてみていただきたいと思います。もし、この各事業協同組合の役員名だとか、そういうものがわかれば出してもらいたいと思います。もしわからなければ組合名だけでけっこうです。
 それから信用金庫の延件数五万一千四百五十一件というのがございますが、これはたいへん恐縮ですけれども、これと、国民金融公庫ですね、八千四百五件、これは非常に少ないと思うのですが、これの通信局別の扱い数、通信局別でいいですから、それをひとつ出してもらいたいと思います。
 それからさっき千代営業局長からお話のありました質権の被担保債権、これをやってなおかつこういう中で差し押えをされている件数があると思うのです。この質権被担保債権の差し押え件数が幾らになっているか、これもひとつぜひお知らせをいただきたいと思います。
 それからもう一つ資料をほしいのは、この法律制定以来、全体的には四十六万以上の扱いを電電公社でやっていただいておりまして、窓口等も、かなり場所によってはたいへんなところもあるようです。したがって、当初私は、この質権を新しく法律によって扱うことによって要員措置というものも十分考えてやっていただきたいということを強くお願いしておきましたが、大体この質権の取り扱いに伴ってどの程度の要員措置をされておるか、要員算定をする場合のファクターにはどの程度なっておるのか、また現実に全国的にどの程度の要員が配置されておるか、これもひとつ出していただきたいと思います。
#49
○柳岡秋夫君 資料について。この法律が作られた大きな根拠は、中小企業者の金融の足しにする、こういうことなんですが、この質権設定状況を見ますと、四十六万四百三十四、こういうふうになっていますけれども、この四十六万の内訳といいますか、職種別といいますか、中小企業者がその中にどのくらいの比率を占めておるのか、そういう分布状況がわかりましたら出していただきたいと思うのです。
#50
○説明員(千代健君) 今の問題は、私のほうで相当な手をかけて調査いたしませんと、現在とっておりますものからいいますと、ちょっと無理じゃないかと思います。
#51
○柳岡秋夫君 いいです。
#52
○委員長(伊藤顕道君) 他に御発言もなければ、本法案についての質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。
  ―――――――――――――
#53
○委員長(伊藤顕道君) 次に、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。前回に引き続き、郵政大臣の所管事項の説明、日本電信電話公社総裁の事業概況説明に対する質疑を行ないます。
 質疑のおありの方は順次発言を願います。
#54
○柳岡秋夫君 大臣と電電公社総裁のほうにちょっとお伺いしたいのですが、けさの新聞によりますと、公社当局は、公社関係の職員の賃金問題について調停を申請した、まあこういう報道がなされておるわけでございますが、こういう問題については話し合いによって紛争を円満に解決していくということが正常な労使慣行ではないかと思うのですが、一方的に公社が申請をしたということは、そういう正常な労使慣行を踏みにじるものじゃないかと、こういうふうに思うのですけれども、大臣いかがですか。
#55
○国務大臣(小沢久太郎君) 郵政関係だけについてでありますけれども、結局、自主団交いたしまして、いろいろ団交で煮詰めるということでございますけれども、自主団交もなかなか進まないので、調停まで持っていきまして、それでやりたい、そういうふうに、われわれは考えております。
#56
○説明員(大橋八郎君) 大体ああいう事柄は、団交によってできるだけ話し合いをすることは、建前はむろんそのとおりでございます。その趣旨に基づきまして、今日まで十数回にわたって団交を続けて参ったわけでございますが、今までのところ、団交をこの上重ねても、直ちに結論も出そうもないという状況等を考えましたので、調停にこれをゆだねる、こういうことでまず組合のほうに相談し、組合のほうでは、まあむしろ一躍して仲裁裁定になにしたらどうかという御意見があったわけであります。私どもとしては、それよりもまず調停の段階を踏むことが正しいのではないか、かように考えて、調停を申請したわけでございます。
#57
○柳岡秋夫君 今総裁も申されましたように、組合のほうは調停は反対だと、こういうふうに主張しているようでございますが、そういう主張があるにもかかわらず、公労法にこうきめられてあるから一方的に申請ができるんだということで申請するということは、私は労使の紛争を一そうこじらすことになるんじゃないか、こういうふうに思うのですが、その点いかがですか。
#58
○説明員(本多元吉君) お答え申し上げます。
 趣旨といたしまして、ただいま総裁がお答え申し上げましたような考えで、私ども労使の関係といたしましてやって参りました。十数回にわたって交渉をいたしまして、私どもこれ以上団交をいたしましても進展が認められませんので、組合との間に取りきめておりまするところの、あっせん調停、仲裁に関するところの協約に基づきまして、私ども調停について組合側の同意を求めたのでありますが、組合側としましては同意というものには応ずることができない、むしろ仲裁委に持っていきたい、かような考えでございまして、私どもやはりこの公労法の紛争防止の手続の段階といたしましては、調停、さらに仲裁というふうな段階を経て解決して参るのが建前と、かように存じましたので、調停の同意も得られなかったのでございまするけれども、協約に基づきまして団交を打ち切りまして、公社側から調停を申請したような次第でございます。
#59
○柳岡秋夫君 今までの例を見ますと、大体この賃金の紛争については、調停段階で解決をしたということはほとんどないと思うのです。ほとんど仲裁に持ち込まれて、そうして最終的な解決がはかられる、こういう経過ではなかったかと思うのですが、そういうことを考えてみますと、組合自体が仲裁委へ持っていこうということを主張しておるんですから、そういう建前とか何とかいうことにこだわらずに、組合側の主張に同意をして、一日も早くこの紛争の解決をはかるということが公社の事業の遂行のためにも非常にいいことではないかと、こういうふうに私は思うのですが、どうでしょうか。
#60
○説明員(本多元吉君) ただいま先生のようなお話もございまするが、やはり公労法の手続の段階といたしましては、調停を経て仲裁に参るというのが、これが正常なる手続であろうと、かように私どもは考えまして、組合側に提案をいたしたような次第でございます。
#61
○柳岡秋夫君 そうすると、あまりにも法律にこだわるとか、あるいはそういう建前にこだわって、一日も早く紛争の解決をはかろうという熱意がないというふうに私どもには受け取られるのですが、いかがでしょうか。
#62
○説明員(本多元吉君) お答え申し上げます。
 やはり、調停というものは、公共企業体等労働関係の紛争防止あるいは事務の正常な運営といいますか、そういうものを主眼といたしましての公共企業体等労働関係法の手続でございますので、その手続に従って私どもも関係当事者として参加して参ります。公労法の一条の二項でございますか、この手続の関係者は経済的な紛争を防止するためにできるだけの努力をしなければならない、かように書いてあるようでございますが、私どももその手続に参加する以上は、そういうふうな精神でできるだけの努力をして参るつもりでございますので、必ずしも、先生のおっしゃるように、調停が紛争の防止に資するものでないというふうには私は考えられないことであると思いますし、また調停に私ども申請いたしますれば、公共企業体等労働委員会のほうにおきまして、紛争防止の観点から委員の方々もお考えになることと存じますので、私どもそういうふうに考えているわけでございます。
#63
○柳岡秋夫君 よく、賃金問題については公社当局は当事者能力がない、こういうことがいわれているのですけれども、今度調停に申請したのは、公社が自主的に申請したものでございますか。
#64
○説明員(本多元吉君) 私ども公社のほうで判断をいたしまして申請をしたわけでございます。
#65
○柳岡秋夫君 今度の三公社五現業等の賃上げの問題を見ますと、三公社五現業に出された回答は、大体内容がほとんど同じように見られます。したがって、大臣にお伺いするのですが、この三公社五現業の賃金要求に対して、政府は統一的な三公社五現業に対する指導をなされたのかどうか、その点を伺います。
#66
○国務大臣(小沢久太郎君) これに対しましては、いずれも自主的にやっているわけでございます。
#67
○柳岡秋夫君 自主的に三公社あるいは五現業の賃金問題についてやったということになりますると、昭和三十五年二月に電信電話設備の拡充のための暫定措置に関する法律が作られる際に、衆議院あるいは参議院で附帯決議が出されておりますが、内容は御承知と思いますけれども、「三、電信電話事業における労働条件の特異性にかんがみ、労務管理、特に給与、配置転換、労働時間等につき、万般の合理的施策を行い従業員の電信電話拡充計画完遂への協力をはかること。」、こういう附帯決議がなされたわけでございますが、今度出された回答は、この決議に対してどういうふうな関係をもって出されたのでございますか、総裁に伺います。
#68
○説明員(大橋八郎君) ただいま御指摘の附帯決議のあったことはよく承知しております。またそれに基づいて今日まで努力して参り、また今後も努力するつもりでございます。ただしかしながら、その決議は今度とそう直接関係のないことじゃないかと思うのですが、私どもは、最近の各般の情勢から考えて、この前回答した程度のことはこの際としてはやるが、それ以上ベース・アップ等のことはこの際はできないということを判断したわけでございます。あの附帯決議の趣旨に反するものとは考えておりません。
#69
○柳岡秋夫君 そうしますと、総裁としては、あの初任給六百円引き上げの回答で現在の電電公社の職員の要求を満たす、いわゆる紛争を円満に解決することができる、こういうふうに考えて回答を出されたわけですか。
#70
○説明員(大橋八郎君) 私どもとしての今日の公社の事情あるいは一般の経済界の状況、各般の事情を勘案いたしまして、現在の公社としてはこれ以上はいたしかねる、こういうことを判断したわけでございます。
#71
○柳岡秋夫君 電電公社は、予算あるいは決算等を見ましても、三公社五現業の中でも最も生産性もあげ、あるいはまた合理化も進んでいる、こういうふうにいわれておるわけでございますが、特にまた、先ほどの決議との関連から見ても、ほかの三公社五現業と同じような賃金回答しかできないということは、これはいささか経営者として、当事者として妥当ではない、こういうふうに私は思うのですが、この点いかがですか。
#72
○説明員(大橋八郎君) いろいろ御批判はあろうかと思います。しかし、最近の公社のたとえば収入状態を見ても、おそらく三公社五現業のうちで、今年の状態から申しますと、予定だけの、予算に認められただけの収入が上がってないという状況ですから、今年の状況は、公社としては財政状態が非常に悪い状況であります。御存じのとおりだろうと思います。したがって、他の二公社五現業よりも非常にお前のほうはいいじゃないかということには現在私どもは考えてないわけでございます。
#73
○柳岡秋夫君 そうしますと、三十八年度の予算の中で、公社としては職員の賃金の引き上げについてどういうお考えをお持ちですか。
#74
○説明員(大橋八郎君) 三十八年度においては特にベース・アップの要求はいたしておりません。定期昇給以外には、そういう要求はいたしておりません。
#75
○柳岡秋夫君 先ほど大臣の答弁で、賃金問題その他についても、それぞれ三公社五現業とも自主的に判断をしてやっている、こういうお話でございますが、ところがその回答が、初任給の六百円引き上げという回答でございます。そこで、一般の例を見ますと、少なくともその回答が出されてから、十分その回答をめぐって団体交渉をやって、それでもなかなか解決ができない、そういう場合に初めて法律に基づいて調停なり仲裁に持っていくということがほんとうの紛争解決のあり方ではないかというふうに思います。ところが、三公社五現業のほかの機関ではまだそういう調停の段階にも至らないにもかかわらず、公社当局が卒先して調停を申請したということは、私は非常に遺憾だと思います。どのくらい、回答が出てから組合と団体交渉を重ねたのでございましょうか。
#76
○説明員(本多元吉君) お答え申し上げます。
 私どもの組合といたしましては、特に昨年から自主的な団交というようなことを特に申して参りまして、昨年におきましても相当団交もやったし、それからことしに入りましてもやって参りましたが、その間におきまして、私どもは検討中という回答でございましたが、十二日に、ただいまお話がございましたような回答を私どもいたしまして、十二日以後、その回答をめぐりまして団体交渉を開き、それから十四日の夕刻、まあ十四日の夜になりますか、それから未明にかけて約五時間にわたって、この回答をめぐって団体交渉も行ないました。それからなお、今週に入って二回この問題について回答の交渉をやりました。たぶん回答をいたしまして後三回は交渉――回答の際にも応酬がございましたので、それを入れますると、たぶん四回ぐらいの交渉は――その中でも、先ほど申しましたように、十四日におきましては五時間にわたって交渉もしたというような経緯がございます。決して私ども、何か恣意的に、一方的に卒先したというのではございませんで、そういうふうに交渉をやったつもりでございます。
#77
○柳岡秋夫君 この問題としては、当然労使間の問題でございますから、それぞれ自主的に団交もやられたと思いますので、この程度にしておきますけれども、またいずれ最終的な結着を見次第、その経過等も御報告願い、また私ども意見も申し述べたいと考えております。
 しかし、一つだけお願いしておきたいことは、やはり自主的な団交があるということでありますれば、私は先ほどの総裁のこの決議に対する答弁は非常に不満なんです。やはりこれから第三次合理化計画を遂行していこうというからには、一そう決議を生かす方向を十分とっていかなくちゃならぬと、こういうふうに思うわけでございまして、こういう点について、また後ほど論議をしたいと思いますので、きょうはこの問題については以上で終わりたいと思います。
#78
○鈴木強君 私も今の問題について、今同僚柳岡議員の質疑の中で一つだけ伺いたい点がありますが、両当事者間において団体交渉を重ねたが、遺憾ながら結論を得なかった、したがって、紛争は続いて参ります。要は、この紛争を一日も早く解決することにあると思います。皆さんは、後ほど私がお伺いしますが、この前委員会でも問題になりました長距離自動即時化を初め、三月の三日には相当大規模な全国各区間の即時化をやろうとしておりますが、そういう一方には、当面やらなければならない喫緊の計画があるにかかわらず、労働組合の協力が得られず、今日、非常に不幸でありますが、管理者という立場にある皆さんがその切りかえの仕事に携わってやっておる、労働組合の協力が得られない、こういうことがございますことは、私はまことに遺憾なことだと思います。したがって、こういう事態を一日も早く解決することが、労使間において一番なさなきゃならぬ問題だと私は思うのです。そういう場合に、遺憾ながら団交では結論が出なかったので公労法に基づいてやりました――それは法的に職員局長の言われたことについて否定はできません。しかしながら、労働問題の実態からみると、一日も早く結論を出すということになれば、どうして、そんななまっちょろい調停なんというところを通さずに、仲裁のコースにいって早く結論を出すようにしなかったか。それは組合もむしろ望んでおったにもかかわらず、公社側がこれを拒否してやっていくなんということは、まことに私は理解できない。しかも大臣は、政府として何ら統一指導をしておらぬというのだが、われわれの目から見れば、相手方になっている国鉄にしても専売にしても、あるいは郵政の当局にしても、出してくる回答は同じ回答であるし、また、やろうとする調停への持ち込みというのは、同じ画一的な態度をとっているのですから、それは、表面的にはあなたは言えないだろうと思うけれども、私はやはり、今の総評に対する日経連あるいは経団連等の賃金を上げまいという、そういう一つの思想の中に今の池田内閣はやはり立っていると思うのです。したがって、そういう政策のもとは、各官庁の団体交渉権がある公労協関係の指導をしているのは間違いないと私は思うのです。ですから、そういうふうに客観的にとられるようなものの中で春闘が行なわれ、そして聞くところによると、民間単産と公労協との闘争の力をそぐために、できるだけ目標をあとに延ばしていこう、そうすれば、四月になれば選挙もある、とかいうようなことまでわれわれが勘ぐらなければならないほうへ進んでいるのです。どうして直ちに解決しようとしないのか。組合側のそういう仲裁への持ち込みを郵政や公社は拒否するのですか。一方では、正常な労使慣行とか、早く偏向状態をなくしようなどと言っておきながら、あなた方みずから、そういう紛争や係争を長引かせるような態度に出ているということは、これはどういうわけですか。私は、そういう答弁ならば、ちょっと納得できません。もう一回大臣から、そういうことはないですと、そういうふうにはっきりしてもらいたいと思います。
#79
○国務大臣(小沢久太郎君) この紛糾の問題につきましては、われわれといたしましても、なるべく早く解決したいということは同じです。それで、まあ自主団交をしているわけでございますけれども、それがどうしてもできない場合には、やはり公労法の建前といたしまして調停に持っていって、さような段階を経ながらずっと進んでいく、そういうようなわれわれの考え方でございます。
#80
○鈴木強君 大臣とは見解が違っているのだから、ここで質問をしてみても仕方がないけれども、やはり実態として、紛争を解決するための一番早い手段は、調停にいくよりも仲裁のほうが勝負が早いのですから、そういうふうにするほうがいいということを私は言っているのです。これは、あなたのほうでも、あなたのまた上にも一つの大きななにがあるのだから、おそらく、ここでは何とも言えないだろうと思うけれども、そういうふうに私は思うのです。ですから、そういう点、紛争の解決のためには仲裁のほうがいいのです。組合員もそういうふうに行こうと言っているのですから、これはそういうような方向に行くように、大臣としてひとつ努力して下さい。
 それから、公社の計画局長、職員局長、運用局長に特においでをいただきましたが、最初に伺いたいのは、今も私ちょっと申し上げましたように、三月三日には、全国大規模な区間における自動即時化を実施するようでございますね。三千五百とかいう各区間を一斉に即時化するというようなことを私たちは聞いているのですけれども、残念ながら、十七日の東阪間の切りかえについては、労使間の話し合いがまとまらずして、管理者の皆さんの手によってやられたようです。私は、これは非常に遺憾なことだと思います。しかも、二十二日には、東金――これは千葉県ですね、それから茨城の結城、これは市内電話の自動化というのがやられている。それから二十四日には、東京−三和、これは栃木ですが、これがダイヤル即時化ということがやられているのですが、これらの問題についても十七日に、ここで問題になりました秋草答弁との食い違いもありましたけれども、ああいうことが解決しないために、今日なおかつそれらは全部管理者の皆さんの手によってやられているのだと思うのですが、一体皆さんは、三月二日も、今のままだと、そういう事態になると思うのですけれども、三月三日はちょっと規模も大きいし、どうしようとされているのか、そういう角度から私は質問をしたい。
 まず伺いたいのは、三千五百と私たちが知っている待時区間の一斉自動即時化ということは、内訳はどうなりますか。手動即時と自動即時に分けて、その区間は何区間と何区間になりますか。それをお知らせいただきたい。
#81
○説明員(山下武君) 自動即時にいたします区間が八十四区間でございまして、その中に、管外にわたりますのは、東京から沼津、三島、伊豆長岡に向かう三区間でございまして、残りの八十一区間は、それぞれの管内区間の自動即時化でございます。それから手動即時区間三千五百三区間でございますが、そのうち、管外に及びますのは三千二百七区間でございます。残りの二百九十六は管内の区間でございます。
#82
○鈴木強君 そうしますと、これの自動即時化に伴って、まず要員措置というのはうまくいきますか。これはちょっと何かありましたら教えて下さい。
#83
○説明員(山下武君) この計画は、三十七年度の設備計画としてずっと前から予定されておったわけでございまして、三十七年度初頭に各通信局現場に配算いたしました定員計画の中に全部織り込んでありまして、現在これに応じた要員措置がすでにしてあります。
#84
○鈴木強君 こういう要員措置についての組合との話し合いはどこでやりますか。
#85
○説明員(本多元吉君) この問題につきましては、要員措置あるいは配置転換というものにつきましては、地方でやることになっております。
#86
○鈴木強君 具体的には、そうすると、ここでこの計画に伴って人がどうなるということは伺えないのですけれども、結論から概念的にお伺いせざるを得ないのですけれども、八十四区間の自動即時化あるいは手動即時三千五百三という、こういうのは、相当規模は大きいのですけれども、総体的に見て、これによって直接定員減なり、人の配転とか職転とかいうことはある程度あるでしょうけれども、人がやめなければならぬという事態はないでしょうね。
#87
○説明員(山下武君) 自即化いたしますところにおきましては、ある程度の過員ができますが、このことについてやめるとか、そういうふうなことはございません。それから他の手動即時区間は三千五百余りでございまして、数から言いますと非常に多うございますけれども、これらの区間は、現在待時区間として取り扱っている区間を即時化するのでございまして、しかもそれぞれの対地別の通話の量というものは非常に少のうございますので、このこと自身から関係各局に要員上急にいろいろ大きな影響を与えるというようなことはございません。
#88
○鈴木強君 わかりました。で、これはどなたですかね、副総裁でもけっこうですけれども、かくのごとく全国各地に自動化という計画が進められておりますが、一体私は、こういう計画を進めるにあたって、保全の態勢ですね、これはうまくマッチして進んでおるのでございましょうか。
#89
○説明員(米沢滋君) ただいまの御質問にお答えいたしますが、今回三千と、非常に区間としては大きな数になっておりますけれども、自動即時になる区間は割合少なくて、大部分は、従来の待時区間が結局手動即時になるということでございます。それで、そのために問題になりますのは、特にいわゆる総括局その他でクロスバー交換機が入ってくるわけでございますが、これらにつきましては、すでに東京、大阪というような基幹的な市外局をわれわれ完成しておりまして、その保守が現在のところ非常にうまくいっておりますし、それからまた訓練につきましては、従来も力を入れておりますけれども、特に今後とも一そう力を入れていきたいと思っておりますが、今のところ保全上特に問題はないと思っております。
#90
○鈴木強君 時間がちょっとなくなってしまったのですが、もう少し伺いたいのですが、これは計画局長、TTSとTSは、大体全国的に概算で――こまかいことはいいですから、TTSは幾つの局がTTSになって、それからTSになるのは幾つの局、それはわかりますか。
#91
○説明員(宮崎政義君) わかります。今すぐ資料をお届けいたしますが、TTSとTSとの説明をちょっと加えさせていただきたいと思いますが、われわれの計画では、まず、全国的に手動即時によってできるだけ通話の対地を拡張し、質を上げることを考えているわけです。一方、その時期には自動改式が入って参りますので、できるだけ要員の吸収は手動即時で行なっていく。ところが、手動でどんどん即時をやっていくと、そこに伸びがありますから、この伸びが急に大きくなりますので、今度は電話局を建てなければならぬということになりますので、そういうところを基本的に自動化していこうと、こういう考え方でまず進んでいるわけでございます。大体TTSを入れるというところは、全国的には中心局以上としまして、大体県庁所在地以上でございますが、この以上の都市に入れる予定でおります。その下に、集中局とわれわれは申しておりますが、この集中局にTSを入れまして今の自動化を終局的には進めていきたいと、こういうように考えているわけでございます。それで、したがって、全国五百五十七集中局あるわけでございます。TTSは七十八だと思いますが、あとでまた詳しく数字を訂正させていただきますが、七十八くらいです。第三次五カ年計画は、これはすべてできません。この全部をやることはできませんので、その数をまたあとで正確にお知らせいたしたいと思います。
#92
○鈴木強君 そうすると局建は、第三次五カ年計画で将来TTSの七十八局の設置を考えておるので、局舎等の点はそれに含めてやっていると思うのですが、第三次で幾らですか。
#93
○説明員(宮崎政義君) 今ちょっと数字が……。
#94
○鈴木強君 集中局の概算だけでもわかりますか。それもわかりませんか。
#95
○説明員(宮崎政義君) わかりました。大体TTS、TSの導入の数を申し上げます。TTSは三十七年度末までに導入したものは五局。今三十七年度の予定を含んで申し上げます。それからTSは二十でございます。第三次五カ年計画中に導入する予定のものは、TTSが五十五局、それからTSが二百十六局でございます。したがって、先ほど申し上げましたトータル七十八がTTSでございますが、三次までに導入できないもの、つまり第四次以降になるものは十八局ということになるわけです。またTSは五百五十七と先ほど申しましたが、このうち三百二十一だけが第四次五カ年計画以降になるわけであります。
#96
○鈴木強君 第三次計画では、かなりTTS、TSが入って参りますね。で、私は、保全態勢については、副総裁から、現在大体において自動即時化の程度であれば、これ以上態勢をいじることはないというお話で、それはそうかと思いますけれども、一方、全国の市外通話の自動即時化ということを、お聞きのように、第三次で強力にやっていくわけですね。そういう場合に、一体保全態勢というのは、相当にこれは変わってこなければならぬと僕は思うのですがね。これらに対してはどう検討されておりますか。
#97
○説明員(米沢滋君) まず、現在仕事に従事している人をいわゆる学園なり、あるいはその他で訓練するという問題が一つございます。もう一つは、これは今先生、保全態勢と言われましたけれども、いわゆる何といいますか、だんだんネット・ワークが、クロスバーを含めて、いわゆる点対点というものからゾーン対ゾーンということになって参りますので、それに対する保守の仕組といいますか、組織上の問題を別途今検討することにいたしております。訓練の問題につきましては、われわれ、先ほど申し上げましたように、今後五カ年計画を考えた場合に、特に重点を入れて学園の問題を考えていきたいと思っておりますし、また学園の先生の問題等につきましても十分考えていきたいと思います。その一部はすでにある程度実施しつつあります。
#98
○鈴木強君 第三次は、ことしの四月からスタートするのですけれども、私は、保全態勢というか、保守関係というか、これの態勢というものを、やはりこの計画にマッチするようにやっておかぬと、相当将来支障を来たすと思うのですよ。私はそう思うのです。今のように各地ごとに回線があって、その区域間ごとでやっているわけですと、障害が起きてもそこだけで済むでしょうが、しかし自動式になってくる、TTSが入って、北海道から松山までということになると、それに集中する局全部影響してくるでしょう。そうすると、一カ所に故障が起きたって相当に全国的に影響していくので、今のような局地的な保全態勢では私はだめだと思うのですよ。そういうものを、一方ではこういう計画を進めておきながら、これらの前に、まだそういう保全態勢をどうするかということがはっきりすることができないのは、これは非常に遺憾だと思うのですよ。だから早急に、少なくとも四月からスタートするのですから、それに間に合う程度にひとつ御研究いただくように私は強く期待したいのですが、どうですか。
#99
○説明員(米沢滋君) ただいまの問題につきましては、われわれも非常に重要に考えておりまして、この問題は、トラフィック面の問題と、それから保守のいわゆる機械の問題と、両方あると思います。それで、組織に対する問題とか、あるいはそれに対するいろいろな、何といいますか、インストラクションとか、そういう点につきまして、今いろいろ進めているところでございまして、今すく――私もいろいろ考えを持っておりますけれども、近く成案を得たいと思います。
#100
○鈴木強君 それではもう一つだけ。僕はこの前、国会でお尋ねしておりますことで、公社の収入状況でございますけれども、どうもだんだんと悪いほうにいくように思うのですけれども、一月の集計はできたと思いますけれども、これはひとつ、トータルは百億近くになったのじゃないですか。二月、三月がまたどうなっていくかわかりませんけれども、百億をこすと、総裁のお話しになりましたように、計画全体に対する再検討を加えなければならぬということが出てくると思いますが、その辺の見通しを伺っておきたいと思うのです。
#101
○説明員(大橋八郎君) 今ちょっと数字を、はっきりしたこまかい数字は何ですけれども、一月までの概計を入れますと、大体百億近い予算に比べての減になっております。したがって、このあと、二月、三月の分が同じ趨勢でありますと、大体百三十億近いものになりゃせんかということを考えております。しかし、これはもうしばらくたってみないとわかりません。
#102
○鈴木強君 そのとき、あなたが今まで言われているような計画の繰り越しとか、そういうことはどうなりますか。建設の工事なんかの進捗状況は非常にいいですね、一面。それとの関係はどういうふうになるでしょうか。
#103
○説明員(大橋八郎君) 本年度の予算面で計画いたしたものだけは大体やるつもりでかかっております。しかし、例年の例でありますけれども、多少繰り越しがあることはやむを得ないと思います。
#104
○鈴木強君 まあ百三十億の減があって、なおかつ予算にきめられた計画を遂行していく。これは多少の、二十億なり三十億なり程度の繰り越しというやつは、あっちゃならぬと思うのだけれども、実際問題とすれば出てくると思うのです。これは、工事の関係とかでもってやむを得ない点があると思いますから。そうすると、計画には全然支障ないし、百三十億の減があったものは、三十八年度への建設資金に繰り越し損益からのそういう金が減っていって、三十八年度の収入自体が、計画自体が困難になるということは想定されませんか。
#105
○説明員(大橋八郎君) とにかく、この例年よりも来年度よけい、特に著しく繰り越すということは避けたいと思っています。じゃ、どこからそんな金が出てくるかということになるかもしれませんが、これは今までもそのときどきに御説明申し上げたかと思いますが、過去十年近くほとんど毎年増収増収でやって参ったわけでございまして、そういうことで、つまり運転資金的の金が相当たまっておったと言えばたまっておったわけなんです。それで、今までは主として前払い等を行なっておったことでありますが、今年は減収等で前払い等をすべてやめてしまったということによって、今までの運転資金を、悪い言葉で言えば食いつぶすというようなことになるかと思いますが、ことしだけはやっていけるのではないか。来年においてもまた著しく減収が増すということになると、さらにわれわれとして考えなければならぬということになるかもしれません。
#106
○鈴木強君 三十八年度の計画についてはまた後ほど承りますけれども、私は、三十七年度でもやはりこういう収入減ということで、ある程度計画との関係で、たとえば線材、器材等々の発注を見ても、三十六年から見て、最初は一六%ぐらい三十六年度に比べてあなたのほうではふやすような計画を立てておったのだが、実際には六%ぐらいしか上回ってないようなことになって、昨年の暮れあたりでも、公社の線材、器材の発注減に伴なって、事業のために協力をしてくれている業界あたりの諸君には相当に問題が起きた。あなたのほうでは、約三百七十億ぐらいの金を作って発注をさらに強化したでしょう。そういうふうなてこ入れまでしなければならぬような状況に、やはり公社の計画というものによって影響の出る、そういうような人たちが出てくるですよ。これは、いい意味か悪い意味か私よくわかりませんですけれども、しかし、やはりわれわれがよく言ってる発注にしたって、ある程度一年間の平均化をはかってもらって、そしてできるだけ手待ちのないように、業界の人たちにもしてやったほうがなおいいじゃないかということを私は意見として出しておったのです。そういうような点で、及ぼす影響は相当あると思うのです、ほかのほうに。だから、簡単にいかないと思うのですが、たまたまそういう金があるということは、これは公社にとってはいいことでしょうし、別に違法でもないのだから、そういう措置をされて計画が既定方針どおりいくというなら、私どもけっこうだと思うけれども、しかしそれだって、二月、三月の収入がどうなっていくのか、あるいは三十八年度の、今見積られている電信電話の収入というものがどういうふうになってくるかということは、相当私は危惧を持っているのです。現に通信局長会議を開いても、相当に三十八年度のあなた方の収入の割りつけについて不満だってあるでしょう。一体そういうものをこれからどういうふうに、三千六百六十億ですか、皆さんが予定している収入というものをやられるかということについては、かなり私は悪条件が重なってきていると思うのです。だから、それらに対して、やはり特別の施策をする点は施策をしてもらって、そうして通信局なり通信部なり、あるいは現場末端における諸君が納得をしてこの事業に協力できるような態勢というものを、私は今こそ真剣に考えていく必要があると思う。まあ、大蔵省のほうでは、自己資金をふやすために、毎年のことなんだが、あなたのほうで出した当初の収入目標というものをもっと上げさせて、そうして無理な目標を押しつけてきて――これは三十七年度予算もそうです。そうして自己資金を少しでも取り立てようというような、そういう予算のからくりが一方にはあって、だんだん当初予想する収入目標に対して収入というものが追いついていかない。しかも、料金改定というような悪条件も加わる。これは、私たちはどのくらい法案審議の際に口をすっぱくして言ったかわかりません。三十億といわれた減収というものが、今百三十億と予想される中にどの程度私はウエートを占めるか知りませんけれども、これだって、ある年度をとっての予測でしょうから、神さまでない限りは、これは違うこともあるかもしれないけれども、やっぱり計画そのものに対しても、この前も私が言っているように、唯一絶対のものではなくて、そこには弾力と機動力というものを持って運営するようにしたほうがよかろうと思うけれども、いろいろ制約された中で御苦労いただくのだから、われわれその点よくわかりますけれども、少なくとも全国自動改式をしようとするときに、労働組合の協力が得られないということ、それで、総裁のいつも言われる、事業は人だ、労働者の協力なくしてはできないという、そういうお考えと相反する方向に行っているではないですか。一体、三月三日には、三千五百の区間に対して自動化しようというのだが、それも、皆さんは管理者の手でやろうとしているのですか。今、合理化の進展に伴って労働条件を合理化するという、そういう要求を組合が掲げてくるのは無理ないでしょう。そういうものに努力はされておっても、結果的に見てそういう可能性がある。一体、今中央で進めておるそういう条件に対する交渉をいつまとめて、三月三日の改式というのは、労働組合の協力においてやるというような決意でやっておられるのですか。
#107
○説明員(大橋八郎君) ただいま御指摘の点につきましては、私どもも、労働組合の諸君が十分公社の現在の状況を了解せられて、この改式等についても超過勤務拒否というような態度を撤廃せられて、きん然として一緒にやっていただけることは最も望ましいことと考えております。ただしかしながら、今の情勢で、はたしてそうなるかどうかということを仰せられますと、私まだ見通しが立ちません。どうなりますか、そこまでいくかどうか、今のところで必ず御了解得られるとも得られないとも申し上げかねるわけであります。
#108
○鈴木強君 それは、今ここであなたに明確な答弁をしろと私は言っておりませんけれども、少なくとも、もう問題は幾つかにしぼられておりますよ。そんなにたくさんとないですよ。しかも、考え方の相違はそんなに多くはないと思うのです。だから、この第三次計画そのものについても、機動性のある考え方を持って、そうして労働組合と話し合って下さい。そうして、一日も早く正常な形において、超過勤務拒否というような事態がなくなって、ほんとうにひとつ公社マンとして国民の期待に沿うような仕事をやれるような態勢を私は一刻も早く作ってもらいたい。少なくとも、三月三日のこの改式について、なおかつ労働組合の協力が得られないというような、そんなことであっては、私は相当に考えなければならぬと思うのですけれども、ひとつぜひ、御苦労でも、総裁以下一体になって、その問題の解決に努力していただいて、正常なる方向に行けるように御配慮いただくように私はお願いをしまして、質問を終わります。
#109
○委員長(伊藤顕道君) 本件についての質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。
 これにて散会いたします。
   午後零時五十分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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