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1962/03/05 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第11号
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1962/03/05 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第11号

#1
第043回国会 逓信委員会 第11号
昭和三十八年三月五日(火曜日)
   午前十時三十八分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤 顕道君
   理事
           鈴木 恭一君
           寺尾  豊君
           松平 勇雄君
           鈴木  強君
   委員
           植竹 春彦君
           郡  祐一君
           新谷寅三郎君
           最上 英子君
           谷村 貞治君
           久保  等君
           須藤 五郎君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 小沢久太郎君
  政府委員
   郵政政務次官  保岡 武久君
   郵政大臣官房長 武田  功君
   郵政省電気通信
   監理官     岩元  巖君
   郵政省監察局長 藤牧  直君
   郵政省郵務局長 佐方 信博君
   中小企業庁振興
   部長      加藤 悌次君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       倉沢 岩雄君
  説明員
   日本電信電話公
   社総裁     大橋 八郎君
   日本電信電話公
   社営業局長   千代  健君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○電話加入権質に関する臨時特例法の
 一部を改正する法律案(内閣提出)
○郵政事業及び電気通信事業の運営並
 びに電波に関する調査
 (交通困難地あて郵便物に関する
 件)
 (郵政犯罪に関する件)
 (日本電信電話公社事業概況に関す
 る件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤顕道君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 電話加入権質に関する臨時特例法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続いて、質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○鈴木強君 きょうは、中小企業庁の加藤振興部長さんに、お忙しい中をおいでいただきましてありがとうございました。この委員会で、電話加入権質に関する特例法の審査をいたしておりますが、この電話加入権を質権の目的とするという法律ができましてからちょうど五年間たっておりますが、中小企業庁として、今日までこの法律の趣旨を円滑に運営し、目的を達成するためにいろいろな御配慮をいただいているわけでありますが、しかし、問題が問題であるだけに、いろいろな矛盾を来たしたような点もあったと思いますが、きょうは、特に皆さんのほうで行政指導をされた御経験等を十分お聞きしてみたいと思います。
 最初にお尋ねしたいのは、昭和三十六年の二月十七日に、三六企庁第一五〇号、これは公文書の番号でございますが、「電話加入権を質権の目的として金融事業を行なう事業協同組合の運営の指導について」、こういう表題になっておりまして、各都道府県あてに文書が発送されているように思いますが、その中に、すでに皆さんのほうには、昭和三十五年の四月十八日付の三五企庁第六五九号、これをもちまして、加入権が質権の目的として認められるようになりまして最初の指導文書を出しておるようでございますが、重ねて三十六年の二月十七日に、大体同趣旨だと思いますが、お出しになっておるようでございます。その中に、「最近電話売買あっせん業者等を組合員資格として組織した事業協同組合のうちに業務運営が著しく不当として問題にされているもの、あるいは質権設定をめぐって不当被疑事件に関連して問題とされているものなどをみるにいたったことはきわめて遺憾である。ついては、今後電話売買あっせん業者等をもって組織する組合の電話加入権を質権の目的として金融事業を行なうものの事業の運営の指導に当っては一段と細心の注意を払ってもらいたい」こういう趣旨でございますが、ここに掲げられてあります第一点として、電話売買あっせん業者などを組合員資格として組織した事業協同組合のうちに、業務運営が著るしく不当だ、こういう点、これはどういうふうな点でございますか。
#4
○政府委員(加藤悌次君) ただいま先生御指摘の三十六年二月の通牒は、電話加入権を質権の目的として金融事業を行なう事業協同組合にいろいろなタイプがございますが、その中で、電話の売買のあっせん業者、こういうもので組織されている組合の当該事業についての運営に対する注意のための通牒でございます。それで、ここに書いてございます業務運営が不当であるということで問題にされているということは、実は個々具体的な例をつかんでおるわけではございませんでして、こういった組合が組合員に対して、電話を質権にとりまして金融事業をやります場合に、たとえば商工中央金庫――これは中小企業の協同組合に対しての系統的な金融機関でございますが、そちらからやはり相当な資金を仰ぐ必要があるということでございまして、商工中金がそういった組合に金を貸します場合に、やはり組合の運営が当を得ておりまして、特に経営の資金的な経理的な面の基盤が確立しておるということがやはり融資する場合の第一条件だということになっておりまして、私どもは、よく商工中金のほうから、組合の実態を調べてみると必ずしもそういった経営の経理的な基盤が確立してないものが多いというような苦情を実は聞いて参ったわけであります。そういった苦情に対処いたしまして、ここに書いてありますほかの通牒も、そういう点に触れて、主として経営基盤の確立についての点の注意を喚起した通牒が出ておるわけでございます。そういったものが最近は非常に少なくなりましたが、発足当時には、ままそういう例があったものでございますから、そういったことを一般的にここで言っておるわけでございます。
 それから後段に、不当被疑事件というのが書いてございますが、当時たまたま、東京都内の渋谷区にございますある電話の取引業者で組織している協同組合の理事長さんが、電話加入権質の登録請求書の副本を偽造した事件がございまして、関係者の注意を喚起した事件があったわけでございます。たまたま、そういう新聞種になるような事件がこういった組合に起こったということで、それに対する一般的な注意を喚起するという点をかねて今の通牒を出した、こういうふうに聞いておるわけでございます。
#5
○鈴木強君 具体的な事例を持っておらぬということですが、必ずしも私はそうでないと思います。後段の質権設定をめぐる不当な被疑事件などは、今お話のような非常識な問題が起きているようですけれども、お宅のほうで大体五つに分けて特に通牒を出しておられますが、もう少し私は詳しく伺いたいと思います。また、もちろん、この通牒を発した当時は三十六年二月でございますから、三十三年に質権法が制定されて三年目くらいのものですから、多少、事務の不なれとか、そういう点があったと思いますが、しかし、今日まだそういう点が私は皆無だと言えないと思うのです。私のほうは、実際的には幾つかの調査をしてみましたが、せっかく中小企業を擁護しようとして作った法律が、金融業者の悪い一部の人たちに悪用されるような結果になっている事実があると思うのです。そういう点は、やはりわれわれは法律を制定する際に、もし、今まで五年間やってきたことでどうしてもこの点だけは改善する必要があるということになりますれば、われわれは議員立法を起こしても、この内容に対する修正をしたいと思うのです。政府のほうでは、ただ期間を十年間延ばすということにとどまっておりますけれども、これは非常に問題が今ありますから、特にそういう意味でお伺いしておきたいのです。
 商工中金の場合でも、これはたしか個人と団体と両方に貸しつけていると思います。ただお話のように、電話を担保にして貸し出すというようなことになると、やはり事業協同組合というものがどうしても貸付の対象になる。したがって、個人と団体に分けて貸しつけられるけれども、実際には個人の直接貸しというものは商工中金はあまりやっていないですね。ですから、勢い、今この商工中金に設定されている質権の数というのは四万三千六十七ございますね。これは事業協同組合の大体二十二万という上に、四万三千というものは実際的には事業協同組合が商工中金から借りているものでありますから、トータルしたものが事業協同組合の質権を設定された数というふうに理解していいと思うのです。そのくらい、商工中金に質権をもってお金を借りているのは、ほとんどが事業協同組合になっている。
 そういうふうな点からいきましても、一体、商工中金がこの電話質権というものに対してどういうお考え方を持っているのか。私は、もし個人に直接貸しつけるということが許されるならば、そういう方法をとるように商工中金のほうにもそういう話をする必要もあるのじゃないかと思うのです。ところが、そこらに対する指導というのはせられていないのですね。ですから、結局、事業協同組合の一部の諸君が活動を起こして、そこから金を引き出してくる。こういう結果になっていると思うのです。これは一つの商工中金の場合ですけれども、中小企業の金融公庫の場合でも、その他、国民金融公庫の場合でも、金庫の内容によって非常にさまざまですから、一がいには言えないのですけれども、そういう現状の理解というものがぜひ必要だと思うのです。そういう点をあわしてやってもらわないと、どうしても、質権設定をしても手続がめんどうだ、時間がかかる、ということになるものですから、結局、金融業者に頼んでしまう。しかも白紙委任してしまうということでありますと、いろいろな問題が起きてくると思うのです。
 ですから、もう少し私は、具体的な例として、たとえば、皆さんのほうで指導しました当該業務の適正な運営を期するため業務の実施の方法――たとえば、一組合員当たり貸付限度とか、利率、手数料その他業務執行上の重要事項、こういうものを組合の規約で明確に規定させると同時に、質権の設定あるいは変更等については、行政庁の承認を受けさせるように指導すること、こういうふうに皆さんのほうでは具体的に問題を出しております。それで、行政庁の承認を受けるように指導をするという、この指導をなさって、実際にそういうふうな趣旨に沿ってやられたという事実はございますか。
#6
○政府委員(加藤悌次君) ただいま先生御指摘の通牒の内容の第一項目に御指摘の点が載っておるわけでございますが、ただ、ちょっと先生誤解をしていらっしゃるのではないかと思いますのは、設定変更について行政庁の承認を受けさせるように指導をする、と申しますのは、文句はちょっと工合悪いのですが、組合が業務方法書を最初に定めるとき、またはそれを変更するときに行政庁の承認を受けさせる、こういう趣旨でございまして、一々の質権の設定、変更についてまで行政庁に関与させよう、こういう趣旨のものではございません。自来この通牒に基づきまして――私どももこの通牒でいろいろ注意を喚起しておりますが、それ以上の立ち入った監督は、これは府県で現実の監督はやっておるわけでありますが、各都道府県でやっておるということを聞いております。
 それからもう一つ、ちょっと最初の御質問で、私申し落としたのでございますが、当時、この電話売買業者が結成しているこういった組合が、実際には組合員とその組合との間に金銭の貸借関係がない、にもかかわらず電話の質権の設定を行なっている、こういうふうな例がどうもあるらしいということを聞いたものでございますので、そういう、その債権のないところに質権があるということも、これは法律上おかしいわけなのでございます。で、その組合と組合員との間の債権債務関係、それの一つの担保の方法として、この電話を質にとるというのが法律の趣旨でございますので、それが厳格に守られるようにという趣旨で、この通牒を出したという、こういう次第のようでございます。
#7
○鈴木強君 それでは、問題としてちょっと提供しますけれども、たとえば、こういうことをあなたのほうではつかんでおられるでしょうか。この質権法第二条のただし書きに、「民法第五百条の規定により債権者に代位する者については、この限りではない。」と、こうありますね。この代位を認めるか認めないかということについては、これは、この法律を作るときにも非常に重要な問題として論議したのですけれども、おそらくこういう代位制度というものを認めると、やり方によってはたいへんなことになるということを私たちは心配をしていたのですが、当時の情勢としては、第三者に対する、この質権の取得ということを全然禁止するということは問題であろうということから、やってきたけれども、しかし、この問題が、公社の報告によっても一万一千六百五十何件かの質権の移動がありますね、加入権の移動が。この内容を見ると、やはり電話加入者と質権者との間に、手続的には白紙委任の形がとられている。そうして代位弁済ということを保証人がやりますね。そうすると、加入者は、知らない間にその加入権が業者のほうに移動している。こういう事例があるし、本人のほうでは、いつ自分の電話加入権というのが向こうに移動したのか。金はちゃんと払っている。ところが、途中で、代位弁済で保証人になった人が払ってしまって、そしてそれを第三者として取得する、こういうケースがあるのですね。この事実はお宅のほうでつかんでおられませんか。
#8
○政府委員(加藤悌次君) 遺憾ながら、実は先ほどもちょっと申し上げましたが、組合関係全部、現在ありますのは、各都道府県の知事が直接の監督をやっております。その監督に遺漏のないようにわれわれのほうで統一的に指導するということでございまして、個々の例に、今先生御指摘のような例に対しましては、具体的には聞いておらない、こういうような状況でございます。
 それからもう一つ、今先生の御指摘の点なんでございますが、自分の持っている電話の加入権を質入れする場合に、その加入権者自体が組合を結成しておって、組合員として自分の所属する組合から金を借りる場合、これが一般的に言うと普通の場合であろうかと思います。一般的に事業協同組合が行なっている加入権の質権の設定というのは、そういう場合であろうと思います。
 それからもう一つは、電話の加入権者だけで、これは各府県ごとに大体二十六ばかりございますが、これは業者まちまちでございますが、いわゆる町の零細企業者――商店とかそういった方ですね、そういう方が組合を作って、そしてその組合に対して商工中金から資金源を仰ぎまして、それを組合が弁済する。個々の組合員は、自分の持っている電話を組合に出す――最近は商工中金に出して直接に質権を設定するという例が多いようでございますが、こういう場合が普通でございまして、先生の今おっしゃっている御指摘のような場合は、あるいは電話の売買業者が、自分が資金を――たとえば電話を引く場合金が要る、そういった金を、加入したいと思われる人に対して貸し付けるについて、その資金を自分の所属する組合から貸してもらう、そういったような場合に、自分の持っている加入権ももちろんあるでございましょうが、第三者に貸す場合、たまたまその第三者が持っている電話の加入権を、いわゆる第三者による質権を設定したということになると思いますが、組合に対して質権を設定する、こういう場合に、今おっしゃいます、たとえば電話の売買業者が第三者の保証人になって、期限が来ても弁済ができないというようなときに、かわりに、保証人である、利害関係者でございますから、代位弁済を行なって、その結果、法定代位ですね、質権者が組合であったわけでありますが、その質権者の地位が組合員である電話の売買業者に、何というか、要するに自分が質権者になる、こういう格好になる場合が――これは事実そういう場合が非常に多いのかどうか、私うかつにしてよく存じませんが、考えられるのじゃなかろうか。その場合にいろいろ問題があるのではなかろうか、こういうふうに予想されるわけでございます。
#9
○鈴木強君 もちろん、今お話しのように、純然たる金融業者が、電話加入権というものを質権にせずに担保にして金を貸してやるような場合、そういう場合はもっとひどいのがあるのですよ。たとえば、十万円ほどある銀行に行って借りてくるわけですね。実際には五万円しか貸してくれない。あとの五万円をその事業協同組合の資金にしていくとか、そういうのもあるようですよ。これは極端な例ですけれどもね。それと別に、今私が言っているのは、第二条における第三者が質権設定者にかわって債務を弁済する場合のことですね。そういう場合に債権者に代位する場合、第三者の質権取得というのを認められるわけでしょう、今のこの法律でいうと。ですから、本人は全然知らないのですよ、電話の加入権者は。ところが、こういうふうなただし書きによって、本人が知らない間にその質権の取得を第三者にされてしまっているという例があるのですね。それを知っていますかと、私は聞いたのです。
#10
○政府委員(加藤悌次君) 先ほど申し上げましたように、そういった事例については、聞いておらないわけでございます。
#11
○鈴木強君 そうすると、その後のほうの――最初に申し上げた金融業者の話は、これはまあ質権の問題とは直接関係はないかもしれませんけれども、電話の加入権を担保にしてやる場合ですね、この質権法ができない前の状態ですよ、要するに。そういうふうなことに対しての具体的な例は御存じでしょうか。
#12
○政府委員(加藤悌次君) 具体的にそういう例があったかどうかということは、はっきりと事実をつかんでおりませんが、要するに、融資事業をその事業の全部または一部として行なっております事業協同組合は相当あるわけでございまして、その事業協同組合が個個の組合員に対して金を貸す場合の担保として、この法律による電話の質権の制度が認められる以前に、一般的に慣行として白紙委任状つきで事実上電話を質入れしていたということが、そういう組合の組合員に対する融資の一つの担保の方法として利用されておったことが全然ないということは言えないのじゃなかろうかと思います。ただ、具体的にそこまで詳細の事実をわれわれのほうでつかんでおりませんので、そのものずばりでお答えできない、こういうことでございます。
#13
○鈴木強君 私は、この通牒をお出しになるからには、相当具体的な事実の上に立ってやられたものだと理解しておったのですね。あなたのお話を聞いていると、非常に抽象論でいうならば、こういう法律ができてその法が適正に守られるようにという意味において出されたと、こういうふうに理解せざるを得ない。しかし私は、三十五年と三十六年生度にわたって、あなたのほうからこういう通牒を重ねて出すということについては、かなり主文に書いてありますような不当な運営とか、あるいは不当な被疑事件というものが質権設定をめぐってあった、これはいかぬと、したがってそれを行政指導の面において、できるだけこの趣旨に沿って法の運用をはかるようにという、そのための通牒だと理解しておったのですね。しからば、これは各都道府県の具体的な担当の人をお呼びしてここで伺わなければ、どうも的確なお答えが出ないように思うのです。これは委員長、あとから私は、一番近いところは東京都ですから、東京都関係の実際にこの衝に当たっている方から、中小企業庁のこの通牒に基づいて具体的にどういう処置をとられたか、また具体的の問題としてどういうものがあったかということ、これはまあ聞かざるを得ないと思うのですけれどもね。しかし、私はそうでもないと思うのですね。加藤さん、どうなんですか。全然その具体的な例を知らぬ知らぬといって、こう問題をそらしてしまうのですけれども、知らぬものを知っておるといって聞くのも、これはたいへん失敬な話ですから、私はそういうつもりじゃないのですけれども、もう少し、こういう一二三四五とお出しになるからには、具体的事例というようなものをつかまえぬ限りは、こういう、考え方によってはかなり問題が起こるような内容を持っておりますから、出せないと思うのです。その点はどうなんでございましょうか。
#14
○政府委員(加藤悌次君) この三十五年の、先生御指摘の通牒と、それから三十六年二月に通牒が、再度にわたって出ておるわけでございますが、この通牒は、いずれも、この法律に基づいて電話加入権の質権を設定して融資事業を行なう場合のことを前提にした通牒でございます。先生御指摘のこの法律の規定によらずに、他の方法でその電話を担保にして金を貸すという問題については、この通牒では全然触れていないわけでございます。それからもう一つ、三十五年の通牒、これは一般的な通牒でございますが、内容的に見ますと、先ほど申し上げました電話の加入権者、これがみんな集まって事業協同組合を作って融資事業を行なうという場合に、その趣旨からして、いわゆる零細企業者が電話の加入権を取得する場合に、取得するための事務手続をいろいろ代行したり、あるいは自分の持っておる電話を質入れいたしまして、簡単に事業のための資金が借りられるようにするための、本来の趣旨を逸脱するような組合の結成なりあるいは組合の運営であってはならないということで、たとえば組合員の範囲を、こういう人でなければいけない、たとえばいわゆる零細企業者と申しますか、こういうもので、大規模企業者が入るようなものであってはいかぬとか、それから資金的基礎を確立するために、一人当たり出資の金額は幾らでなければならない、それから組合を作る場合には、やはりその組合が十分に運営されていくことが可能であるように、最低限度組合員数は何人以上でなければならないと、こういった意味の通牒であるのであります。
#15
○鈴木強君 そうしますと、この二番目にある、「組合における当該事務の概況」ですね、借り入れ、貸付、回収、質権の設定、消滅等の状況、これについては、原則として四半期ごとに行政庁に報告させるように指導すること、それから「なお業務運営が法令定款に違反し、もしくは著しく不当と認められるものについては、すみやかに検査その他必要な措置をとるよう考慮すること」、これも一と同じように、お宅のほうでは実際にはどうなっておるかということについては把握されていないのでしょうか。
#16
○政府委員(加藤悌次君) 今御指摘のように、この通牒を出して、こういう指導をいたしておりまして、各関係の都道府県では、この通牒に基づきまして業務報告を四半期ごとにとる、あるいは必要がある場合には、臨時検査と申しますか、こういったことをしておるというふうに思っておるわけでございますが、ただ後段の臨時検査までやった例があるかどうか、そこの事実はよくつかんでおらないわけであります。それからこういった報告のあったものを、さらに私どものところまで報告をさせるということにはいたしておりませんので、報告の結果がどうであったかということについては、遺憾ながら現在においては、私どものところでは十分によくわからない、こういうことでございます。
#17
○鈴木強君 それからこの四番目にございます「質権設定に関する登録手続はその都度組合員自体において行ない、あらかじめ「電話加入権質登録請求書」を組合員に発行交付しておくなどの方法をとることのないよう厳に留意させること」――これは具体的な事実は御存じですか。それからまた、その後、こういう通牒を出されて、どのような効果が出ておるか、それは成果の測定はしておられますか。
#18
○政府委員(加藤悌次君) 最初に申し上げましたが、この通牒の出た直接のきっかけが、渋谷にある電話売買業者の組合の理事長の被疑事件、しかもそれが質権設定登録請求書の副本の偽造事件であったというふうなことにあったものでございますので、こういった書類の管理につきましては、本件の場合は偽造でございましたが、そういったやはり事件の起こるきっかけになるのが関係の書類の管理の不十分に起因するということも予想されますので、特にこの通牒で、今御指摘の点の注意を喚起をしたということでございます。自来関係の各都道府県におきましても、この点を非常に特に重視いたしまして、こういった関係書類の管理について遺漏のないことといった注意を厳重にやっておるということを聞き及んでおります。
#19
○鈴木強君 こういう例は御存じないでしょうか。事業協同組合の場合、その組合員に対して、こういう便利な方法がある、したがって大いに利用したらどうかというようなことで登録申請書を事前に交付しておくというような、そういうことと副本の問題とはちょっとこれは違うのじゃないですか、請求書の場合とは。直接渋谷で問題が起きたというのと。ですから、そのことで私はひとつお伺いしたいと思うのですが、加入権質登録請求書というのは、何か意識的に会員に配ったりなんかすることですね。こういうようなこと、あるいは会員じゃなくても、一般に配って、どうぞ御利用下さいというような、そういう行為をやっておる事実というのはあるのでしょうか。
#20
○政府委員(加藤悌次君) 一々事実まで突きとめておるわけではございませんが、今先生の御指摘のように、登録申請書の中に、質権者になる組合の名前と判だけを押したものを組合員にあらかじめ交付しておる、こういう例があるということを聞いておるわけです。したがって、そういうことをやるということについては問題があるから、今先生御指摘の四号、こういう通牒の一項になったという次第でございます。
#21
○鈴木強君 これは、一枚八百円かで売っている悪質な業者もあるようですね、お聞きしますと。これも、私も具体的に現場をつかんだわけじゃないのですが、そういう話まで実は聞くわけです。一体なぜこういう、言うならば、話だからわからないけれども、八百円金を払ってもそういう登録申請書を買わなければならぬような実態になるかということが問題だと思うのです。またもっと言うならば、なぜそういうものを事前にそう宣伝しておかなきゃならぬかということですね。こういうことが私は、やはりさっきあなたも触れておられましたが、質権を設定する場合に、金融業者が債権者になって、そしてある事業協同組合に質権を設定するというときの一つの商売の道具に利用しようとするような意図を持ったのじゃないか、私はそういうふうに疑えるのですね。ここらは、私は非常に適切な指導通牒だと思って実は敬服しておったのですけれども、ですから、今そういうようなお話も多少聞いておるというようなことですから、まだこの点は依然としてそういうような状態が続いていると私は判断するのですけれども、まだ具体的に、こういう通牒に対する下からの何か受けこたえというようなものは全然つかめないでしょうかね、お宅のほうじゃ。
#22
○政府委員(加藤悌次君) 一般的に、ここに直接担当の組合課長が参っておるわけでございますが、きのうも東京都にちょっと聞いてみたわけでございますけれども、その通牒の第四号、非常に重要な項目でございますので、こういった点については、特に自来厳重に注意をしておるということを聞いておる程度でございまして、具体的に個個の組合のやり方が、この通牒に基づいて各府県がそれぞれの組合にまた通牒を流しておると思いますので、厳重に守られておるかどうかということについては、遺憾ながら私どものところではちょっとはっきりいたしかねるのでございます。こういうことでございます。
#23
○鈴木強君 この問題につきましては、東京金融業協同組合会報第五号というのがありますね。私はこれをちょっと拝見させていただいたのですが、理事長の田口さんが、お宅のほうから出された通牒に対して――特に電話加入権質登録請求書を組合員に発行することに対して、こういう方法をとらないように厳重に注意しなさいという通牒を出したのだが、これに対して反論を書かれておるんですよ。これは法的に立論しておるんですけれども、この行為を不当だとかなんとかいうのはけしからぬ、どこが悪いのだ、自分の組合員に対して配るのはどこが悪いのだ、こういう趣旨の内容でございますが、こういう異議の申し出があって、東京都の経済局の組織課で何か受けこたえをしておるようですね。また、この金融業者との間に、この記事が真実だとすれば……。こういう通牒はおかしいじゃないかと聞いたところが、一向に受けこたえをしてくれない、ただ通牒だからやれ、こういうようなことを言って、何でわざわざ人を集めたのかというふうに書いてあります。ここに、経済局の組織課のほうでは、とにかく上からきた通牒だからやりなさい、理由は何かと反論しても全然受けこたえができなかったということを書いているわけです。
 これらは確かに法理論的に問題があると思うが、私は、こういう登録請求書に対する通牒をお出しになるからには、もっとはっきりした、確たる根拠を持っておるのが至当だと思うのですよ。あなたのほうとしては、特に加藤さんが御自分のお名前で通牒を出しておられるのですから、ですから、ここでもう少し的確なあなたの御答弁を承りたかったのですよ。具体的に、そういう行為が、質権法のどこから見て、これこれこういうわけなんだ、したがって中小企業庁としてはこれを出したのだ――何かそういう明確なしっくりした答弁はできないですかね。見解をこの際聞きたいのです。答弁というよりか、あなたの見解を……。
#24
○政府委員(加藤悌次君) やはりこれは直接法律的の問題でなくて、まあ事務の運営の当不当の問題になるかと思います。質権の設定の請求書をあらかじめ組合員に配っておくというふうなことは、おそらく組合員の利便をはかってというふうに感ずるわけでございますが、具体的に質権をいよいよ設定するということになる場合には、そのもとになる債権関係、債権債務関係ですね。これは、この法本来の趣旨でございます、組合の本来の業務でございます組合が組合員に対して金を貸す、こういった融資の事実が、まず前提としてある必要があるわけでございまして、そういうことになると、あらかじめこういう請求書を組合員に配っておいても、現実に組合から融資をしてもらう場合には、一体その期間をどうするか、利率等はおそらく業務方法書か何かできめられておると思いますが、具体的に一体どれだけの金額をいつまで借りられるかというための折衝を組合と組合員との間でやらなければならぬということになりますので、それがきまってから初めてその債権の担保として質権の設定ということになりますので、手続的にみると、あらかじめ配っておいても決してそれほど利便になるわけではなくて、また具体的にその金の貸し借りをやる場合には、組合員は組合に出向かなければならぬ。そうして、そのときに質権の登録の請求書を作ったっていいんじゃないか、こういう気もするわけであります。したがいまして、組合員の利便をはかるといっても、そう利便にはならない。逆に、さきに申しましたような、ああいうような事件が起きたことをきっかけといたしまして、それがいろいろ悪用されるという可能性が全然なきにしもあらずというふうに考えられますと、やはりこの通牒の線で指導していただくのが至当ではなかろうか、こういうふうに、私個人の考えでございますが、考えるわけでございます。
#25
○鈴木強君 この田口さんという人がいっているのを読みますと、「設定用紙をあらかじめ組合員に交付しておいても、権利義務の発生とはなりません。質権の設定を債権者が勝手にできるものならともかく、設定者の希望により、本人自筆捺印の上電話局の登録を済ませて、はじめて登録による効果が発生するのであります。登録用紙を持っていても何にもならないのに、何故持つことを厳につつしまなければならないのでしょうか。」、こういうふうにいっておるのです。
 ですから、私少し自分で実態的な調査をしてみたんです。やはり本人自筆捺印の上電話局の登録を済ませて初めて質権の設定が正式に認められる、こういうような建前になっておるのだが、実際には、質権を設定した加入者のところに行って聞いてみましても、一体自分の電話の加入権がどこに入っているのか、なんぼで入っているのか、利息がなんぼだとか、そういうことも知らない人がおるのです。これはほんとうですよ。それは、私が最初に申し上げたように、手続が非常に煩瑣ですから、急に金が借りられない。あるいは国民金融公庫まで行っても、なんだかんだうるさいことを言うものですから、結局安直な金融業者あたりに、あるいは事業協同組合あたりに行って頼んでしまうわけですよ。だから、結局さっき私が申し上げたようなことが起こる。加入者が全然知らない間に質権が移動して、第三者のものになっておった、そういう具体的な例があるんですよ。これは、そういう商売をやろうとかかっているのだから、意識的にできるだけ質権設定者をつのって、そうしてその質権設者が多くなればなるほど、あるいは銀行に行って金を借りる場合も、額が多くなるわけですから、そういうふうなところまで波及しているのじゃないか、私はこう想像するのですがね。ですから、やはり本人の自筆捺印の上電話局の登録を済ませるという、この点がほんとうにやられておったならば問題はないと思う。ところが白紙委任ですよ。そこに問題を起こす原因が出てくる。白紙委任している限り、法的には違法ではない。やはりそこがみそです。そういうところを盲点としてこの質権法を悪用しようとすれば、なんぼでもできますよ。
 だから、そういう意味からいって、この登録用紙の交付というこのことについては、よほど注意していただかないと、問題が残るように私は思うのです。ですけれど、この田口さんのいっているのも一つの理屈であって、本人自筆捺印でなくて登録ということになれば、これは私はあり得ないと思うのですけれども、ここのところが実は問題じゃないかと思ってこれを読ましてもらったのですけれども、こういう例がかなりあると思うのです。そういう具体的な事実をあなたのほうでかなりつかんでおるのじゃないですか。ちょっとここで言うとまずいから言わないのじゃないですか。
#26
○政府委員(加藤悌次君) 個々の組合の業務運営の実態につきましては、先ほど来申し上げますように、直接の監督行政庁が都道府県知事ということになっておりまして、まあ法の全般の運用についてなり、あるいは法律の改廃ということはわれわれのほうでやっておるわけなんでございますが、そういった事実上の監督関係がそういうことになっておりますので、遺憾ながら、われわれのほうでは具体的な事実まではっきりしないというのが実態で、この点は御了承いただきたいと思います。
 それから私どもがこの法律ができましたときに当初予想いたしておりましたのは、金融を受けるのは個々の事業協同組合の組合員であって、そういった組合を結成する結成の仕方に、既存のその事業協同組合――特定の制造工業なり、あるいは小売商なりがその事業協同組合を作っておりまして、その事業協同組合が、その事業の一環として融資事業、組合員に対する融資事業をやっております。その融資事業をやる場合に、組合員から担保としてこの法律によりまして電話を使うわけです。それが一つの利用形態。それからもう一つは、この法律ができましてから新しくそういう形態が出てきたのでございますが、これはある程度地域的にいえば、特定の地域まとまるわけで、さっき申し上げましたように、大体府県単位になっておりますが、大体電話の加入権を持っております零細企業者は、それを一つの担保化して簡単に融資のやれるような道を講ずる、そのためにそういった加入者だけで組合を作りまして、その組合員がその出資金の一部なり、さらに大きくは商工中金から金を借りてそれを個々の組合員に転貸する、その担保として電話を使う、こういうのが本来私どもが考えておったのですが、今、先生御指摘の貸金業者なり、あるいは電話取り扱い業者が、自分たちですでにお作りになっている組合、その組合が、いわば組合員側の第三者でございますね、第三者に事実上融資する場合に、その融資資金を組合員が組合から借りるという格好で利用されているのじゃないかと思いますが、そういう点は、実はあとで聞いて、こういう利用の方法もあったのかというふうな感じ、私、これはまあ個人的な感じでございますが、いたしておるわけで、もしそういう非常に弊害が多いということになりますれば、そういう方に、今申し上げた電話加入権者の組合という、そういう方法もあるのですよということを申し上げて、PRをやってもいいんじゃなかろうかというふうに感ずるわけでございますが、ちょっと私の感想を申し上げれば、そういうことでございます。
#27
○鈴木強君 それから最後の五のところですが、質権が消滅した場合の副本その他質権設定に関する関係書類、これはすみやかに担保提供者に返すというのは当然だと思うのですがね。これが返還されない間に何か紛争が起きてくるというような事実は、これは具体的にあると思うのですよ。これは、ちょっと私は電電公社に伺いたいのですけれども、副本の返還がおくれたために二重質の対象になったとか、何かそういうふうな問題がなかったのでしょうか。
#28
○説明員(千代健君) 私ども寡聞にして聞いておりません。
#29
○鈴木強君 加藤さん、これはあなたのほうであれですか、やっぱり具体的な事実はないんだけれども、こうしたほうが安全だからやったという程度でしょうか。何か例がございますか。
#30
○政府委員(加藤悌次君) これは、最初に申し上げました渋谷のある組合の理事長がこれを悪用したという例がありまして、質権が弁済されて消滅しておるのにもかかわらず、そういうものが組合等にあるということになると、まさに事件のような場合が予想されるということに相なるわけでございまして、特に通牒に入れた、こういうことでございます。
#31
○鈴木強君 このことは二重質になるのか、要するに二重質ですね。このことは全然心配はないですか。むしろ副本を局のほうに置いたほうが、そういう危険は防げるわけですか。どうなんですか。
#32
○政府委員(加藤悌次君) たいへん恐縮でございますが、今の御質問の御趣旨をもう一回お聞かせ願いたいのですが。
#33
○鈴木強君 質権が消滅した場合、当然請求書というものの副本ですね、その副本は質権設定者にすぐ返さなければならないわけでしょう。返したほうがいいですね。もし返さなかった場合に、もう一回質権を設定して、そうして重質になるような危険性はないですかということを聞いているわけです。電話局のほうで……。
#34
○政府委員(加藤悌次君) これは、私のほうよりも電電公社のほうからお答え願ったほうが適当かと思いますが、法律的に見てそういうことはあり得ないんじゃないかと思います。むしろ、事件になりましたのは、こういうふうに電話を押えているんだから、今ちょっと金がほしい、いずれ質権の設定者のほうから借金を自分に返してくれれば金が自分の手に入る、それまでの間ひとつ金を貸してくれないかということで、直接的な担保じゃございませんが、請求書の副本を利用してよそから金を集めるということに利用される可能性が、事件がまさにあるということを示しておるわけですが、そういう面で、やはり不工合な点があるんじゃないかというふうに感じます。
#35
○鈴木強君 くどいようですけれども、そうすると、具体的にそういう係争の起こった事実というものはなかったんですか。この文書を出すまでの時点においてあったから出したのか、なかっても出したのか。
#36
○政府委員(加藤悌次君) そういう事件は聞いておりません。ただ、何回も申し上げますように、具体的な事件がそういう例に該当しておったものですから、こういう注意を特に入れたと、こういうわけでございます。
#37
○鈴木強君 渋谷の某理事長ですか、の事件というのは、簡単に言ったら、どういうことなんですか、説明してくれませんか。
#38
○政府委員(加藤悌次君) 私もまた聞きで、よく事件の真相を存じないわけでございますが、この電話加入権質登録請求書は本物じゃございませんでして、つまり質権設定登録済みの、これがおそらく質権者のもとに返るのじゃないかと思いますが――ということは、電電公社の日付の印も全部押してあるんだそうでございます。そういうものを偽造されたんだそうでございます。その偽造した質権の登録請求書の副本を、何か、一般のしろうとでございますが、銀行をやめた方なんかがかなり含まれているようでございますが、そういうところへ持って行って、自分はこういうふうに電話を押えているんだ、ついては金がほしいから、少し金をよこさぬかということで借金をした、それが詐欺事件となった、こういうケースと聞いておるわけでございます。
#39
○鈴木強君 いろいろお答えをいただきましたが、当初私が予期しておりましたような工合には参りませんでした。お話を聞きまして、通牒の趣旨がわかりましたので、多少私は言わしてもらうならば、もう少し、これだけの通牒を出す場合ですから、われわれに対して的確な事例等もお示しいただけたらと思っておったのですけれども、まあ御趣旨のような点であればやむを得ないと思います。したがって、私はもう少し内容について具体的なものを欲しいと思いますから、いずれ、直接都の関係者にでも来ていただきたいと思っておりますけれども、とにかく、今まで五年間、いろいろ問題があったでしょうけれども、あなたのほうでもたいへん親切に指導していただいたことについて私からも感謝いたしますが、なお、これはどういうふうになるかわかりませんですけれども、続行されることになれば、十年間という長い期間にもなるようですし、いろいろな問題が派生してくると思いますけれども、ひとつ、ぜひ適切なる指導方針を樹立していただいて、少なくともこの法律の精神が正しく生かされるように、そうして、これに便乗して悪いことをたくらもうとする人たちに対して、やっぱり私は厳にきびしい措置をとるような、あらゆる面における指導というものもぜひお願いしたいと思うのです。
 お忙しいところありがとうございました。
#40
○政府委員(加藤悌次君) 歯にきぬ着せたような答弁で非常に御不満を抱かれたように考えるわけでございますが、実は言いわけがましいことを申すようでありますが、この通牒が出た当時の振興部長は現在役所をやめておりまして、当時の事情を実は聞こうと思ったのですが、とうとうその機会を得られなかった。担当の課長も、実は今やはり地方の通産局、九州に出ておりまして、その間の詳しい事情をどうしても聞きただせなかったということでございまして、具体的にやはり東京都あたりがこの事件についてある程度御存じじゃなかろうかというふうに存ずるわけでございます。要は、こういった制度が設けられまして、事業協同組合が質権者となるという特別の規定のあるおかげで、やはり一般の特に零細事業者でございますが、こういった方々がこういう組合を利用して、簡単に自分の持っている電話というものを資金化できるということで、私自身実は非常に、この制度の運用よろしきを得れば、そういった零細企業者に喜ばれるのじゃなかろうかというふうに考えるのですが、要は、零細企業者のための制度でございますので、逆に、そういった方がいろいろこの制度の悪用によって迷惑をこうむるということがあっては、この制度本来の趣旨を逸脱するわけでございます。そういう点のないように、今後ともいろいろと注意をしてもらいたいというふうに考えるわけでございます。
#41
○委員長(伊藤顕道君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#42
○委員長(伊藤顕道君) 速記を始めて。
#43
○久保等君 大臣がお見えですから、先日の委員会でお尋ねをしておった電話架設の需給のバランスがとれる時期はいつか。また、質権設定の期間を延長する理由としても、需給のバランスがとれない現状からして、さらにことしの四月から十年間、期間の延長をしようという提案趣旨の説明であったようでありますが、どういう状態を目して電話架設の需給のバランスがとれたというふうに判断せられるかということについて先般いろいろお尋ねをしておったわけですが、その場でお答えをいただけなかったので、十分にひとつ省内で御検討をいただき、今度の一つの方針として明確なお答えを願いたいということになった問題について、この際大臣のほうからひとつ確たる御答弁を伺いたいと思います。
#44
○国務大臣(小沢久太郎君) 久保さんの御質問に対しまして、二月二十八日の当委員会におきまして、公社の計画局長から答弁いたしましたそういう状態になりますれば需給のバランスがとれたものと私も考えるものでございます。したがいまして、電話の担保貸しも正常化いたしますので、そのときには公衆電気通信法の原則に基づきまして考えていきたいと思います。その時期を拡充法の時限にあわせて十カ年と見ているというようなことでございます。
#45
○久保等君 なお確認する意味で、再度お尋ねをしておきたいと思いますが、先般の委員会で、公社の計画局長のほうから御答弁のあった趣旨は、今後十年間たった、すなわち昭和四十七年度末には、電話の申し込みがあった場合、おそくとも三カ月、その以内に、電話の申し込みがなされた場合には架設できるという状態、そういう状態を目して需給の一応バランスがとれたというふうに判断せられることになると思うのですが、大臣の御趣旨もそういう意味だと思うのですが、間違いございませんか。
#46
○国務大臣(小沢久太郎君) 理想的に考えますれば、申し込めばすぐ通じるというのが理想でございますが、やはりいろいろの工事の関係もございますし、計画局長の答弁にありましたように、三カ月ぐらいかかることもございますし、そういうような事態に立ち至りましたなれば、需給のバランスがとれたというふうにわれわれも考える次第でございます。
#47
○久保等君 大臣の今の御答弁で大体の要旨はわかるのですが、三カ月ということが何も理想的な状態であるとは思わないのです。できれば、申し込めばすぐつくという状態に持って参らなければならぬと思うのですが、しかしいろいろな特殊な場合も考えられまするから、一応三カ月、これは長い場合を想定してですが、三カ月以内に電話がつけられるという状態になれば、需給のバランスがとれたというふうに判断をして間違いないわけですか。
#48
○国務大臣(小沢久太郎君) 今久保先生のおっしゃったとおりでございます。
#49
○久保等君 わかりました。それでは、大臣のただいまの御答弁で、私は先般来の問題についての質疑はわかりましたので終わりたいと思うのですが、なおこの際、ちょっと公社のほうにお尋ねをしておきたいと思うのですが、いろいろとこの質権の設定に伴って問題が、今までやって参った経験の中からあったと思うのですが、いろいろ係争問題を起こしたりした問題もあろうと思うのですが、裁判事件になった問題も中にはあるように聞いておりますし、また係争中の問題もあるのじゃないかと思うのですが、何件ぐらい裁判事件が今日まであったのか、そういったようなことおわかりになりますか。
#50
○説明員(千代健君) 現在まで二件ございます。
#51
○久保等君 そのほか、公社が特別何か、質権設定の制度ができて、そういう紛争問題が起きたりして、損害賠償の請求がされたような事例はあるのですか。
#52
○説明員(千代健君) ただいま申し上げました二件とも損害賠償の請求でございます。
#53
○久保等君 二件程度だったら、その要旨を説明していただけますか、事件の概要を。
#54
○説明員(千代健君) 東京の西大森電話局で起こった問題でございます。原告は東京金融業協同組合。原告が質権設定した電話加入権について、他の者から民訴による差し押えがなされた際、裁判所(東京地裁)から電話取扱局に対し、これと競合する質権設定、差し押え等の有無について照会がありましたが、局側の不注意によって質権設定なしと回答したため、民訴による差し押えによりそのまま換価処分された。競落人より質権者たる原告に質権消滅登録を行ないたいと申し入れをしたとき、原告がこれに応じたので、公社に消滅登録を行ない、質権を消滅したのであります。その後、換価処分による配当を受けていないことに気づいた原告(質権者)より、公社を相手とする損害賠償の請求を提訴してきた。それが一件。
 次は、信越通信局見附電報電話局の件でございますが、これは、原告は一個人でございます。長岡簡易裁判所に提訴しております。質権設定中の電話加入権について、他の債権者より差し押えがあり――この場合は、裁判所より事前に質権設定の有無についての照会はなかったわけであります。差し押えがあり、換価処分が行なわれて、競落人たる原告より質権消滅の請求があったが、質権者の同意を得ていないものであったため、公社がこれに応じなかったので、公社を相手として質権株消請求の訴えを起こしたのであります。
#55
○久保等君 そのほか、いろいろ詐欺的な問題だとか、要するに事故を起こしているような問題なんかはどの程度あるのですか。
#56
○説明員(千代健君) 今のなには、質権を正当に設定してあった場合のことで、ない場合のことも含まれると思いますので、ちょっと私のほうでははっきりいたしかねます。
#57
○久保等君 何といいますか、窓口である取扱局でいろいろ質権設定をめぐって、何というか、紛争というか、今御説明のあったのは裁判問題になった事案ですが、それ以外に、いろいろトラブルが起きているような問題があるのではないかと思うのです。たとえば、詐欺的な行為があったとかないとか、苦情を要するに持ち込まれてというような問題が、ある程度全国的には相当に上るのではないかと思うのですが、そういったようなことは、特に窓口である取扱局ではいろいろと手をやいておるような問題ではないかと思うのですが、そういったような件数おわかりになりますか。
#58
○説明員(千代健君) 別に、件数をとっておりませんのでわかりませんが、私どもは、加入者の方々に迷惑がかからないようにということのために、常日ごろ注意してやっておる関係で、何かというと、すべて加入者本人に御通知を申し上げるような指導方針をとっております。したがいまして、弁済期が来ないにもかかわらず、あるいは白紙委任状等で質権の消滅登録を債務弁済期以前に持ってくるというような場合は、直ちに加入者本人に連絡をいたしますので、その中で加入者と質権者の間でいざこざが起こる、こういった点はいろいろあるケースでございます。それによって局側が著しく迷惑をこうむっておるという事態はそんなにございません。
#59
○久保等君 電話局には登録簿というものが備えつけてあり、その登録様式もきめられておるようですが、この中には、弁済期だとか利息だとか、そういったような内容を書くことになっておるのですが、この法律そのものが、中小企業あるいは零細企業、そういった人たちの一つには金融の道等を開いて加入者を保護しようという建前で作られておるのですが、この登録簿に記載せられておる内容というものは、事実関係の取引関係とはまた別のものなんですか。大体――大体というよりも、真実が記載せられておるのですか。取り扱いをせられた経験から、どんなふうに判断せられますか。
#60
○説明員(千代健君) この弁済期とか利息とかいう記載内容については、電話局というのは登記所と同じ性格のものでございまして、内容にはタッチいたしておりませんので、その点判然といたしません。
#61
○久保等君 そうすると、利子なんかもべらぼうに高いものもあり、まあ普通常識的なものもあるといった、相当内容には多岐にわたっておるのですか。要するに、常識をはずれたようか高利の利息等が実際の登録簿の上にも記載せられておるような場合があるのですか。
#62
○説明員(千代健君) この登録の内容に私どもタッチいたしませんので、その利息がどうだとか、金利がどうだということはわかりませんが、別途私どもが調べましたところによると、今の質権を取得できる種類によって、質権者の別に大体わかっております。もし御要望があれば後ほど差し上げたいと思います。
#63
○久保等君 ここでは、最高どの程度、最低どの程度といったようなことはわかりませんか。
#64
○説明員(千代健君) 日歩二銭一厘というのが最低でございまして、日歩三十銭というのが最高でございます。
#65
○久保等君 日歩三十銭というのも、これまたきわめて非常識に高い高利だと思うのですが、普通平均すると、そうするとどの程度になりますかね。きわめておおよその見当になると思うのですが。
#66
○説明員(千代健君) 質権者の種類が異なるにつれて異なりますが、ただいま三十銭と申し上げましたのは、出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律で、日歩三十銭以上の場合に罰則の適用があるというところから推定されます。で、国民金融公庫は日歩幾らといろいろ全部違っておりまして、平均してもちょっと意味がないのじゃないかと思っております。
#67
○久保等君 登録内容に対してどうこうという立場には当然電電公社はないわけですから、別に内容をどうこうしろという指示もできないわけでしょうが、しかし、こういった実態の中から、はたして電話質権制度そのものが、まあ弱者保護というのか、中小零細企業者等に対する救済方法になっているかどうか、疑問の点もないわけではないと思うのですが、私は、そこらの問題については、今後よほどわれわれ自体検討もしなければならぬ問題が含まれているような気がするのですが、そのことについて何か所感はございませんか。
#68
○説明員(千代健君) 私は、所感を申し上げるべき立場かどうか存じませんが、この法律が廃止された場合と、どちらが弊害が多いかと考えて見ますと、いわゆるもぐりの、電話加入権を担保とする金融というものが非常に多くなってくるのじゃないか、こういうことから考えますと、私どもの立場として、加入者の方々の立場から見ておりますが、そういった被害から守りたいという点では、やはりこういった方法が必要じゃなかろうかと、こう考えているわけです。あるいはお答えにならないかもしれませんが、さように考えております。
 先ほど私の説明の中で一点誤謬がございますので、訂正さしていただきます。
 消滅の場合に加入者御本人に連絡すると、こう申し上げたのですが、そうではなくて、名義変更の請求があった場合に加入者に直接御連絡する、こういう趣旨でございます。
#69
○鈴木強君 この前私お願いしました資料を出していただきまして、それを拝見したのですが、第一点の、資料二十八ページの「質権者別質権設定状況」、このうち、前回問題になりました一万一千五百六十四件の第二条ただし書きによる質権の移動の件数ですが、各通信局別にいただきまして、これはよくわかりましたが、問題は、一万一千五百六十四が最低であるという点がはっきりしていないわけです。要するに、ここに書いてあります銀行とか、要するに決定質権者、その中に一万一千五百六十四件というものが含まれているのだ、こういうふうに理解するのですが、そうしますと、特にお伺いしたいのは、事業協同組合、この資料を見るとたくさんあるのですけれども、特に全国電話加入者事業協同組合というようなものがございます。それから全国電話取引業協同組合連合会、これが連合会としては大きいようですけれども、この二つの協同組合からどこかへ移転したもの、それはわかりますか。
#70
○説明員(千代健君) 私どもの報告の取り方で、とっておりませんので、全国的なものはちょっとわかりかねます。ただ、東京通信局における三十七年度の上半期分については調査いたしております。
#71
○鈴木強君 それは全国的にとれてないようですが、もっと簡単に言って、質権の移転先というものが電話売買業者、電話の金融業――ちょっと選別がはっきりしないのですけれども、俗にいう電話の加入権を売買する業者がいますね、電話屋さんというのですか、そういうものと、それからもう一つは、さっきも話が出たのですが、電話の加入権というものを担保にしたり、質権の場合もあるでしょうが、いずれにしても、電話というものを担保にして金融業をしている人たち、そういう人たちと比べて、どっちが多いかというのも、大よその見当もつきませんか。
#72
○説明員(千代健君) 質権設定数のうち大体二・五%ぐらいが、二条のただし書きでございますか、民法五百条による法定代位、これでいったのが二・五%、東京の三十七年度の上半期分でも、やはり一万九千ばかりのうち四百五十ばかりでございますが、ただ、それがどこへいっておるかという問題は非常に困難でございまして、二、三の局に当たってみたのでございますが、全部個人名でございまして、非常に判別いたしかねます。
#73
○鈴木強君 私は、あえて資料の中に代表者の名前を書いていただいたのですけれども、これだけではちょっとまだわからないのですけれども、代表者だけでなしに、役員の氏名等も一応わかると思うのですが、そういう各種の事業協同組合の役員であって、民法五百条による質権の移動をした人があると思うのですね、かなり。その辺をわからないでしょうか。
#74
○説明員(千代健君) 私のほうでも、そういった観点から、実はこの間ちょっと当たってみたわけなんですが、一致するものがございません。それで、非常に不思議なわけでございまして、代表者というような人の名前は、法定代位で新しく質権者になったという中には見当たりません。
#75
○鈴木強君 これは、この審議に間に合わないかもしれませんけれども、お忙しいでしょうけれども、ひとつできましたら、各地域、たとえば名古屋なら名古屋でもけっこうですから、東海通信局の管内の特に名古屋市内だけでもいいと思いますから、そこいらの実態調査をしてみていただけませんでしょうか。具体的に、そういう事業協同組合の役員が取得したやつがあるはずですから、そういうのを一回調べていただけませんでしょうか。あとでもけっこうですから。
#76
○説明員(千代健君) 御趣旨に沿うように努力してみたいと思います。私どもとしても、これを知っておくことは役に立つと思いますので。
#77
○鈴木強君 民法五百条の、代位のできる場合ですね、第三者の質権取得の場合、これはどうでございますか。これは監理官に伺いたいのですけれども、結局、加入権を質にとっておきながら、なおかつ保証人を立てて、その保証人が代位弁済してしまって、さっきもお話があったような、加入者が知らない間に加入権が第三者にいってしまったというような、こういうふうなことは、僕はやはり何というか、悪いことをしようとすればできるようなものを――法を犯したようなものになるのです。手続的には、白紙にしておけばこれは追及しようがないのですね。ですから、五百条というものは、むしろなくしたほうがいいと思う、事電話の質権に関する限りは。これはどうして今度の改正のときやらなかったのですか。ただ十年間延ばすというようなことでなしに、その点をどうして改正しなかったのですか。これは確かに不合理ですよ。
 特に、第二条で質権者というものを具体的に名前まであげて、あとまあ政令のものもありますけれども、決定して、ただしということになっているのですけれども、これは立法当時の事情からみて、まあそれまで禁止するということはちょっとひどいだろうという考え方もあって加わったのですけれども、しかし五年間実施してみて、具体的にこのことが悪用されるものだということが明らかになれば、やはりこれは削除するような措置をとるべきでなかったかと私は思うのですよ。その点に対してどう考えておりますか、提案された郵政省としては。
#78
○政府委員(岩元巖君) まあ債権代位ということが民法の五百条によって認められておるわけでございますが、その際に、担保つきの債権が、第三者の保証人が弁済することによって代位した場合に、担保つきの債権につきまして、この担保を、具体的に申しますと加入権を質に置いたような場合でございますが、その場合に、質権については債権者になれないというようなことになりますと、これは非常に不合理でございますし、一般的に申しまして、加入権質だけについてそうした不合理な事態が起こるということは好ましくないのじゃないか。また、この規定があることによって利益を受けると申しますか、非常に当然なこととして権利が守られているわけでございますから、そういった利益を受ける場合のほうが多いのではないかと思います。ただ、先ほど来問題になっております、まあ非違不正行為等があると申しますのは、債権代位だけによって起こるのではなくて、むしろそれ以外の白紙委任状とか、先ほど来先生からお話がございましたような白紙委任状が裏で出されているといったことから起こっているわけでございまして、そういった面ではまた別の方法があるのではないか、そのほうでもってそういった非違不正等が起こらないような取り締まりと申しますか、そういった方法を講じていって、対策を練るといったほうがとるべき方法ではないかと考えておるわけでございます。
#79
○鈴木強君 実際にこの資料を見ても、質権の移動したものは一万三千二百七十六件ですね、そのうち、この民法五百条によるものが一万一千五百六十四件ですね。ですから、ほとんどがその質権の移動というものは五百条によっているものですよ。それじゃ、あなたはたいへん自信のあるような答弁をされるのだけれども、具体的に一万一千五百六十四のうち、こういう白紙委任をして、加入権者が非常に泣いているという事実が幾つあって、喜んでいるという事実が幾つあったか調べていますか。もしそれが、あなたの言うような事実であるとすれば、PRは一体、そういう白紙委任などによってこの法案が悪用される危険性がありますというような、そういう指導を郵政省としてどれだけやったのですか、それを伺いたいのです。実態調査を知らせて下さい。
#80
○政府委員(岩元巖君) ただいまのようなことにつきましての実態ということは、私のほうではなかなかつかめないわけでございまして、そういった面のもし弊害がかなりあるということでございますれば、これを除去する何らかの手を考えていかなければならないと思っております。
#81
○鈴木強君 それでは答弁になりませんよ。要するに、法律を提案する責任は郵政省にあるのですから、その皆さんが、実態調査もせんで、国会で質問されたら、大体うまくいっているだろう、まずい点はPRすればいいのだということで、それでこの法案を通そうったって無理ですよ。少なくとも十年間延長しようという提案をするからには、それらの問題について具体的にやはり調査をされて、われわれに対して明快な答弁ができるだけのまた資料を提供してもらわないと、われわれ委員会としてこれから調査でもしなければ、これに対する結論は出ませんよ。私はいろいろな意味から文献も読み、公社の研究雑誌等も拝見さしていただいております。それから、広く業界の皆さんにも意見を聞いておりますけれども、やっぱりこの民法五百条というものは相当に弊害を伴っている、相当に泣いている人たちがいるのですね。そういうものをそれじゃどうして最小限度防いでやるか。少なくとも、加入者というものが、質権法というものがあり、こういう手続によって質権は設定され、この手続によって質権が移動し、こういう手続によって質権は実行され、消滅していくのだという具体的なことを知っておれば、これは僕はそういうことはないと思うのです。ところが、やはり法律というものに対してお互いにうといものですから、ついある人に頼んでしまう。そのときに判こを押してしまったら運のつきで、結果的にみて、知らない間にそういう不幸な事態が起きていた、そういうことがある。法律なんというものは、どの法律だって悪用すればできるのだ。ただこの法律に限ったことではないと思いますが、少なくとも具体的な事例としてこうだという、はっきりした皆さんの回答がないと、ちょっとわれわれとしても審議のしようがないんですよ、提案したからには。その点はちょっとおかしいのじゃないですか、どうでしょうかね。
 大臣ね、私は無理なことを言っているのじゃないのです。この法律の弊害をできるだけ除去して、ほんとうに零細企業の人たちを守ってやりたいと思うのに、ところが一方にそういう問題がある。そういうことがあるなら、それを未然に防止するような、法律改正をするこの機会に、何か知恵をしぼって、そのことがないような措置をしてやるということが私は親切だと思うのです。そこを私は聞いているのです。
#82
○政府委員(岩元巖君) その辺の実態につきまして、実は私のほうでも、そういったうわさをときどき耳にいたしますものですから、実態につきまして、あちこち聞いたりいたしましたのでございますが、実は、表面に出てくる数といたしましては非常に数少ないもので、ただ裏面でどの程度そういった件数があるのか、これはつかめないというのが実態のようでございます。したがいまして、今回そういったような点の検討が実は十分できなかったわけでございますが、将来そういった面のことも考慮しなければならないということでございますれば、それらのことも検討していきたいと考えております。
#83
○鈴木強君 これは、公社の出している研究雑誌ですから、間違いないと思うのです。一九六一年の一月、No・一三一、「電信電話業務研究」、これの七十ページを見ると、これは非常に敬服しているのですけれども、名古屋中央電話局営業課の渡辺芳明という方が、訪問調査によって具体的に問題を指摘されているんです。電話加入質権を設定された二年目ぐらいでございますか、三年ですね、三年目ぐらいの実情を調べているのですが、これをあなたはごらんになりましたか、「業務研究」というのを。
#84
○政府委員(岩元巖君) まだ詳しく読んでおりません。
#85
○鈴木強君 そうですか。これは幾つかの訪問をされて書いたのでありまして、ちょっと聞いてみて下さい。これは第六の例です。訪問調査したものです。
  (当方) お宅さんの電話の質権者が変りましたが、ご存じですか。
  (先方) 全然知りません。先方に委せてありますから、どんなふうに変ったのですか。
  (当方)   という人が、お宅の代りに、お金をたてかえて、債務の弁済をしてしまったのです。だから、今度   さんがお宅さんの質権者になったのです。
  (先方) とんでもない。たてかえて払ってくれなんて、だれにも頼んだおぼえはない。
  (当方) お宅さんが支払いを遅延したのではないのですか。
  (先方) キチンキチンと払っておりますよ。
  (当方)  まことに失礼なことをお尋ねしますが、お宅さんあたりでも五万円の金のために電話を質入れする必要がございますか。
  (先方) 実はね、そこが小企業の実情なんだよ。一度借りてしまうと、なかなか、おいそれと返せないこともあるんでね。
  (当方) 他に電話にからんで債務を負っているようなことはありませんか。
  (先方) 全然ありません。商売上の負債ならあるがね。大体、電話一本でそうたくさん借りられるはずはないですよ。こういうのがあるんです。これは具体的に幾つかの例が出ておりますが、こういうのが実態なんですよ。ここに書いてあるのはほとんどそうなんですよ。
 こんなことがちまたにまかり通っているときに、皆さんがこの法律案を出そうというならば、何か、しからば法律的にそういう白紙委任とか何とか、法の網をくぐる、法網をくぐるようなことがないような周知宣伝をして、そうして加入者を守ってやる、中小企業者を守ってやる、そういうようなやっぱり具体的な御措置というものを僕はとるべきだと思う。そういう点は、郵政省のほうではやらないで、電電公社さんにやれと、こういうのですか。それは電電公社ではどうやったか、この資料をもらったら、だいぶこれには書いてありますね。電電公社の資料の中には、いろいろおやりになったことが書いてありますけれどもね。
#86
○久保等君 ちょっと今の問題に関連して。今の債権者代位で、債権者が交代した、こういう場合――かわったというような場合、これは当然手続なんかが、登記簿のほうもかわるのですか、どういう手続になるのですか。
#87
○説明員(千代健君) 質権の移転登録があるわけでございます。
#88
○久保等君 そのことは加入者に対しても連絡、通知というものは行なわれるのでしょう。
#89
○説明員(千代健君) それは現在行なっておりません。
#90
○久保等君 それはやはりなんじゃないですか、問題は起こりますよ、そういうことだと。債権者代位は、民法第五百条にもあるように、正当なる弁済をなすことについて、正当な権利を有する者が弁済をして債権者代位という立場になるのであって、正当の理由がなければ、今のような事例の場合だったら、はたしてそれを弁済することに正当の理由があるとみなし得るかどうかが問題だと思うのですよ。したがって、正しい意味での債権者代位たり得ない者については、弁済したら――ともかくだれでもいいから弁済したら債権者に代位できるというものじゃないと思うのですがね。債権者代位というものは金さえ払えばだれでもいい、金さえ払えば債権者代位になれるというものじゃない。これは、民法第五百条を見れば、「弁済ヲ為スニ付キ正当ノ利益ヲ有スル者ハ弁済ニ因リテ当然債権者ニ代位ス――」だれでもいいということじゃないはずですよ。正当な利益を有する者でなければならぬということになっておるのですから、公社のほうで、正しい弁済をした、だれかとにかく第三者が、その者が債権者代位になったのだ、加入者には連絡もしないということでは今のようなことが起こるので、これは手続的な点をきちっとすれば、今のような問題は起きないと思うのだけれども、加入者に全然通知もしないということはどういうことですか。
#91
○説明員(千代健君) 今お話しの内容は、債権者と債務者の間の話でございまして、私どものほうには、質権の設定変更の登録の請求が、この場合質権変更の登録の請求ですが、つまり移転でございます、移転の登録の請求が質権者及び質権設定者からなされたものですと、これは正式のものである以上やらざるを得ない。もしその間において、おかしいというような事実が万一発見された場合には、それは私どものほうでは注意して扱いますけれども、要式行為で正当な請求で参った場合には、電話局では、これを債務を払ったのかどうかということは僣越ながら申し上げる立場じゃないのでございます。
#92
○久保等君 今の答弁とさっきの答弁とじゃ、ちょっと私の受け取った印象は違うのですが、今の営業局長の答弁だと、質権の設定者が登録変更の申請をするのだ、その申請に基いて変更登録をするのだということになるのですか。
#93
○説明員(千代健君) 先ほどちょっと申し落したと思います。質権を取得したものと、それから質権を失ったものと共同してする、こういう工合になっております。
#94
○久保等君 共同で……。まあそうだとすれば、質権設定者というのは債権債務の関係でいうなら債務者だと思うのです。その債務者である質権設定者が少なくとも登記の変更申請をするという形になりますね。
#95
○説明員(千代健君) そうではございませんで、質権の移転によって質権を取得した者、それから移転によって質権を失なった者、こういうことでございます。
#96
○久保等君 そうすると加入者は、加入権者は除外されているという形ですね。
#97
○説明員(千代健君) さようでございます。
#98
○久保等君 それは、手続的に加入権者も連名で申請するか、何かのそこらの措置はとらんと、なるほどそういう手続的な形になっているというと、加入者が知らない間に質権が移動してしまっているということになって、本人が知らない間に次から次へと転々とするということになると思うのです。しかもそれが正しい、さっきも言った五百条に基づく代位権者であるかどうかという問題も、これは電電公社がそれを一々検討するということは不可能でしょうが、加入権者が、それも納得した形で出てくれば紛争問題にならぬと思うのだけれども、加入権者が知らない間に質権者がだれかに弁済を受けて、その弁済をした人間に質権が移っていくという形になると、本人の加入権者が知らない間に質権が移動するという場合があり得るですね。そこのところは、権利内容そのものを検討するということは公社としてはわずらわしいことであるし、事実上不可能だからやむを得ないとしても、加入者には何とか通知をするとか、逆に加入者も含んだ連名の形で登録の変更の申請書を受領するとか、それによって登録の書きかえを行なうというふうにしなければ、加入者抜きで行なわれるところにちょっと不合理なところがあるのじゃないですか。そう思いませんか、加入者を抜きにしてしまっていること自体については。
#99
○説明員(千代健君) 今の場合は、債権者から債務者に通知するというのが一般のことでございます。登記所である電話局から言うのは、むしろそういう債権債務の実体に触れるようなことはやってはならないことではないかという気がいたします。
#100
○久保等君 だから、何と言いますか、債務者である質権設定者、これの連名のような形で登録の申請をさせるというようなことは、やってやれないことじゃないじゃないですか。そうしないと、別の立場から言えば、民法第五百条からいう法律的な、一体合法的な債権者代位たり得るかどうかという問題にまでなってきて、その法律行為そのものが無効だという主張が一面からいうと成り立つのじゃないですか。要するに、民法五百条にいう、正当の利益を有しない者、有しない者は弁済によって債権者に代位し得ないという趣旨じゃないですか、五百条は。しかし、それをしも電電公社のほうでは、もちろん権利内容にわたってどうこうできないから、公社の責任があるとかないとか問いませんが、そういう債権債務自体が成り立たなくなるじゃないですか。要するに、民法五百条に基づいていないのだから。
#101
○説明員(千代健君) 民法五百条による法定代位の問題は、これは保証人になった場合の例を言えば一番はっきりするわけですが、そういった場合に、一般の債権債務関係に電話局がなにすることは私は不適当であろうと思います。
#102
○久保等君 だから、極端なことを言うと、そういう保証人とか何とかという関係じゃなくて、だれかが弁済する、要するに、正当の利益を有する立場にない者が弁済をした、そこでその関係が、もちろんその債権者は文句かいと思うのです、弁済してもらったんだから、質権者である立場を放棄することについては何らの異議がないと思うのです。その弁済した人間が、今言う弁済した人間と弁済された人間とが電電公社のほうに手続する。私がとにかく今度は質権者になったのだという登録申請をする。電電公社のほうではそのまま登録するわけですね。そうすると、加入権者が知らない間に、全然縁もゆかりもない人間が質権者になっているというような場合も十分あり得るわけです。
#103
○説明員(千代健君) この民法第五百条の行為は、法定代位の問題でありますが、「正当ノ利益ヲ有スル者ハ弁済ニ因リテ当然債権者ニ代位ス」、こういう規定でございまして、事実上正当な利益を有する者であるかどうか、こういうところは当然見なければならない。これは、現に債務証書その他のものを見ることによってはっきりいたしますが、それによってやっておるわけでございます。正当な利益を有する者かどうかという判定は私のほうでやっておるわけでございます。
#104
○久保等君 だから、いずれにしても、その権利関係の内容に公社がそう立ち入って調べるといっても、私は、書類が形式的に整っていれば、それで判定するよりほかないと思うのです、実態がどうであるとかこうであるとかは別として。そうすれば、いずれにしても問題が起こり得ることが予想されるわけですから。しかし、その場合に、またいろいろ紛争を起こした場合に、公社がそういった問題に巻き込まれるというようなことも非常に私はわずらわしいことだと思うのですが、だから一つの方法としては、とにかく加入者そのものがその移転の事実を知る方法を何らかの方法で考えることだけは必要じゃないかと思うのですが、それはできませんか、手続的には。このことさえやれれば、私はほとんどそういったことによって問題を起こすのは防止できると思うのですが、加入者が全然タッチしないというのはおかしい。
#105
○説明員(千代健君) 今ここで即答申し上げられないことは、はなはだ残念でございますけれども、省令で現在きまったものによって、私の説明申し上げたことでやっているわけでございますが、この点直ちに検討させていただいて、省令事項でございますので…。ただ、これによってどの程度のなにがふえるか、いろいろな問題がからみ合いますので、そうすると、これが例になって、ほかのものが、登録するものがじゃんじゃん入って、仕事をかかえ込みますと、たいへんな問題にもなりますので、ちょっと検討をさせていただきたいと思います。
#106
○久保等君 まあ、私のちょっと常識的に判断したところでは、そう手数がかからないんじゃないかという気がするのですが、もしそういった、私の言うような形で、加入者が登録変更に何らかの形で関知――要するに知る機会が与えられると、むしろ逆に、転々としたあげくの果てに初めて加入者が知った、それで問題が非常にこじれて、たいへん煩瑣な、何と言いますか、紛争問題に公社が逆に巻き込まれるというようなことを避ける意味からも、何か簡単な通知一本をしてやることによって、そういう問題があったときに、直後に加入者が知って、すぐ善後措置が講ぜられるか何か、まあ比較的簡単な、問題がこじれないうちに解決がつくということも考えられると思うのです。その点、もしそういうことが非常に煩瑣ならば、どういう事情で煩瑣なのか、そういったこともひとつあわせて御答弁願えるように――それからさらに改正できるものなら、そういうふうに改正をしたほうが、私は、権利関係が、非常に加入者も事実関係を知り得るということにもなって、事故を未然に防止するということにも役立つんじゃないかという気がするのです。今、営業局長のほうから、研究して、後日適当な機会にお答えしようということですから、そのお答えを私また期待して、関連質問は終わります。
#107
○鈴木強君 今の点は、公社のほうで、適正であるかどうかというところまでタッチするというお話なんですけれども、それは実際問題としてはむずかしいと思うのですよ。だから、窓口にすわっておりましても、なるほどある事業協同組合の役員が保証人になっておって、それで代位弁済をした、ある程度わかっておっても、書類が整備しておれば、これはやはり言えないんですね。書類が完備しておれば、あんたこれはおかしいじゃないですかと、窓口の人たちは言えないですよ。だから、結局そういう行為にしても、やってしまったら、これはもとのもくあみで、だめなんですよ。だから、質権を設定するときの手段なんかについても、やはり白紙委任するときも、何でもかんでも判こをぽんと押してしまわないで、実際に内容を見るような指導というものがやられない限りは、事故は僕は絶無にできないと思うし、それが窓口で扱っている人たちが一番悩んでいるところなんです。これはおかしいぞと思っても言えない、そういう悩みを持っていながらやっているんですね。これは今の質問に関連をしてよく調べてみて下さい。
 だいぶ時間も過ぎまして、郵政省からも来ていただいておりますので、質権の問題は、きょうの審査は、私これで一応打ち切っておきます。次回にまた続けてやらせていただきます。
#108
○委員長(伊藤顕道君) 本案の質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。
  ―――――――――――――
#109
○委員長(伊藤顕道君) 次に、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#110
○鈴木強君 たいへん郵政の皆さんにお待たせして済みませんでしたが、最初に郵務局長の佐方さん、きょう伺いたいのは一つだけですけれどもね。郵便法第一条を見ると、郵便の料金はできるだけ安く、それでまたあまねく、公平に提供することによって、公共の福祉を増進することを目的とすると、こう書いてございます。ところが、郵便規則第八十五条による非常にへんぴな部落で、郵便の届かない地域が全国四千九百五カ所あるようですね。これは、私はたいへん問題だと思うのです。しかし八十五条という条文を起こして郵便規則でおきめになっているには、またそれだけの実情もあると思います。おそらく、ずいぶんへんぴなところで、なかなか配達さんが行って配達するのには不便なところだと思うのですが、電灯でも、無電灯部落を解消する、電話のほうでも、無電話部落を解消する、それから電報に関する限り、おそらく私は、別使配達をつければ全国どこでも行くと思うのです。とにかく電報が行かぬところはないと思うのです。ところが、郵便に限っては、二カ月間もその郵便局にとめ置かれて、わしの手紙が来ているかどうか、といって窓口に行かなきゃわからぬというような地域が残されているわけですね。これは、第一条の精神からいって、きわめて遺憾なことだと思います。そのことは、私がここで申し上げるまでもないと思うのですが、一体これを郵政省はどういうふうにして、公平に、あまねく郵便業務というものを、役務というものを提供しようとする計画をお持ちになっているのか、これをひとつ伺いたいのです。
#111
○政府委員(佐方信博君) 八十五条におきましては、先生御指摘のとおり、非常に交通困難なところにつきましては郵便局にとどめて置く、第二番目には、その地域に住む人が一定の場所を示して、ここに持って来いという話でありますと、そこへ持って行く、第三番目には、受箱を作られたならば、そこまで配達しましょう、八十五条には大体この三つくらいの範疇があるわけでございます。
 そこで、極端な例を申し上げますと、先生がおっしゃいましたように、二カ月郵便局に置いて、その間取りに来なければ知らないぞという言い方になるわけでございます。現実の運用といたしましては、第二番目の、その地域に住む人が、ここまで持って来てもらいたいという注文を出しているのがだいぶございます。そこで、たとえば山間から集まって来ますある一定の集落地、たとえばたばこ屋など、みなが来そうなところに本人が頼んで持って来いということはあります。それから非常に多い例は、小学校に子供が行っているから、そのとき渡してくれということがございますので、その小学校まで持って行って配達する。小学校まで配達して、そのあとは子供さんがそこから持って帰る、こういうやり方が今行なわれているわけでございますが、基本的な考え方としましては、逐次、入植地その他ができて参りまして、今四千九百五カ所あるそうでございますが、その中で相当通信量が出て来ているところにつきましては、本年もこれは集配請負等でやっていきたい。実は、この二年間で百八十カ所程度、四千九百五カ所のうち百八十をこういう集配請負に変えて来ました。したがいまして、私どもは、ただいま二百前後のところが、今の規則ではなお相当問題があるようでございますので、そこをよく調査いたしました上で、集配請負に切りかえていきたいと考えております。
 それからもう一つとしまして、郵便受箱をどこかに置いてもらって、そこまで配達しようということを言っておりますが、これもなかなか言うだけで実行できませんので、できましたならば、いろいろ研究いたしまして、一、二カ所モデル地区を作りまして、そして郵政省のほうでそういう受箱をひとつ作って、こうなさいますと、私たちもそこまでいたしますから、御協力いただけないでしょうか、というふうにいったらどうだろうかというふうに考えている次第でございます。
#112
○鈴木強君 わかりました。徐々ではあるが、できるだけ郵便がこちらから届けられるような方法を御研究になっておられることは、非常にけっこうだと思います。この八十五条の適用というものは、私ども実態を調査してみませんからわかりませんですが、おそらく、相当の山の中で民家も少ないところであろうと思いますが、郵便局長の指定する場所に郵便受箱を作れというお話です。もう一つは、小学校まで持って行って、おそらく子供に頼むことになると思います。そういうようなことは、私はやはり一つの便法で、便宜的にやっているものだと思います。この八十五条の中身は、そういうことをやっていいのですか。これは学校まで持って行って、学校のどこか場所を借りて、そこに受箱を置いて、部落の人たちが来て持って行くというほうがいいじゃないか。小学校の子供あたりに郵便物を頼んで持って行かせるということは、郵便法違反じゃないかと思うが、それはどうなのですか。
#113
○政府委員(佐方信博君) 八十五条の第一項には、「郵便物は、当該地域にあてた郵便物の交付事務を取り扱う郵便局に二月間留め置き、受取人の出局をまって交付する。」、ところが、第三項には、「第一項の地域に居住する者が、あらかじめ同項の郵便局の長に、郵便物の配達をする地域内にその郵便物を受け取るべき場所を定めて請求したときは、同項の規定にかかわらず、当該郵便物をその指定の場所に配達する。」ということですから、郵便局から学校まで配達する、その学校から、そのあて所の人が、子供さんがここに来ておれば、その人が親にかわって家に持って帰る。だから、学校まで配達したあとを、児童が郵便局にかわって配達するのではない。親が学校に持って来いと言っているんですから、そこまで持っていって、自分のうちのやつを持って帰る、こう解釈をここでしているわけです。
#114
○鈴木強君 それはわかりました。法律上それは指定する地域、場所ですからいいのですけれども、実際、実態としてそれを今度子供さんが学校の帰りに持っていくということになるとそれは自由だ、法的に言えば自由だから、なくそうがどうしようが、それは郵政省の責任じゃないと思うが、そういう遺憾な状態を存置しなければならないような事態にある郵政省として、これは好ましいことじゃないでしょう。おそらく子供さんなんか、二日も三日も忘れてしまうと、おやじにおこられるものだから、破いてしまったり、川に流したり、築地の穴に入れたり、そういう例が現にたくさんあるんです。いろいろあると思うのだが、実態論としては、その子供が持っていくということは、僕はやっぱり危険だと思うのですね。それも、中学とか高校の生徒ならいざ知らず、小学校の一年や二年の子供が持ったら、これは当然紛失しますから、そこらの指導というか、やり方は、ある程度郵便局のほうでもやっていると思いますが、ただ、そこまで持って行けば、あとかまわぬという、そういう態度じゃないと思うのです。いずれにしても、何かお話のような、委託集配というのですか、請負集配というのですか、そういうような方法をとれば、私はやはりいけるのじゃないかと思う。
 たとえば、指定したたばこ屋さんから二里山の上に行かなければならない、その場合、どうせその部落の人は一日一ぺんくらいおりてくるでしょうから、たとえばそのうちだれかが、三千円、二千円、一千円でもいいから、わずかな金でもって、責任を持って配達してやるというような方法をおとりになるのが僕は当面の一番手っとり早い安全な方法だと思うのです。すでに百八十個所やられたということですから、さらにそういう方法を強力に推進していただいたら……。みんな希望が持てないのですよ。たとえば、私のところは、こういうことをいうけれども、何年先になったら何かやってもらえるとか、そういう希望があればいいんだけれども、いつまでもこういう状態じゃ耐えられぬという住民の気持がある。もちろん、やる当局からすれば、安い料金で配達するんですから、採算を考えればできないことなんだが、そうも言っておられない、公共事業ですから。そこらをぜひ、今後慎重に考えて、住民の不便を除去するように奮闘してもらいたいと思うのです。一体いつになったら四千九百個はなくなるような計画ですか。
#115
○政府委員(佐方信博君) お話のとおり、できるだけあまねく配達をいたしたいわけでございますが、現実の問題といたしましては、大体一部落で普通の道路から二キロ以上離れておりまして、そうして一部落で一カ月間に六十通といいますと、一日二、三通しかない部落ですから、そこに対しまして直接配達しろと申しましても、実際問題としてなかなかできない。そこで、そういうふうにきめておりますけれども、通信力がどんどん出てきたところと、それから交通の関係等がいろいろ変わってきまして、便利になったところは即刻改めていきたい。そういうところが、ただいまのところ二百個所以上検討されておりますので、これは至急やっていきたい。それ以外のところにつきましては、お話のように、直接まあ請負配達すればけっこうなことだと思いますが、先生おっしゃいましたように、いろいろ財政の都合その他から考えましても一挙にできませんので、私のほうでモデル的な受箱を作って、こういうふうにやったら非常にいいんですということで、少し奨励をしてみて解決をつけたらどうだろう、こういう程度のことでございまして、何カ年でということにつきましては、はっきり申しまして、今のところそういう年次計画は作っておりません。しかし、お話のとおり、いろいろな問題につきましてよく検討いたしまして、特に最近ずいぶん交通関係が変わってきておりますので、もっと現場の実態を調べまして、最善を尽くしていきたいと、こういうふうに考えております。
#116
○鈴木強君 問題は、私は人為的にやってできないことじゃないと思うのだ。要員措置が整えば、たとえば二里山の中でも入っていって配達ができるんですよ。だから、そういうことは、郵便法という法律が規則より先行すると思うのです。だから、大きい意味で言えば、やっぱり第一条というものが完全に守られていないのが実態です。しかし、日本のような山国では、われわれにだって、例外の場所があることはわかります。だから、そういう点は、一面定員措置とも考えて、それは損する得するだったらできない仕事ですから、やっぱり公共事業として使命を持っている以上は、どこに住もうとそれはやっぱり平等に、どこかの友だちから来た手紙が来るようにしないと、好きこのんで山の中に住んでいるわけじゃない。日本国民である以上、どこに住んでも平等な権利を持っておるわけだから、だから平等に、人をふやすなり何なり、委託集配なり何かの方法をして、一条にはこうあるけれども、八十五条というものがあって、私らのところにいつになったら来てもらえるかという、僕が地方に行ってもだいぶ苦情を聞く。
 そういう意味で、やっぱりお先まっ暗で、いつのことかわからぬということでなく、もう少し長期計画でもいいです、郵便規則第八十五条適用地域の部落は一体こういう計画でもって解消していくとか、解消できないというのは、これこれこういう理由でもってここだけはどうしてもだめですからかんべんしてくれとか、そういうことを明らかにしてもらわぬと、国民は納得せぬと思います。そういう意味で、こういうことになったわけですから、私はぜひひとつ、これは大臣に最後に伺っておきたいのですが、そういう趣旨で、長期計画もけっこうですから、そういう意味でこれはやっていただけますか。
#117
○国務大臣(小沢久太郎君) 郵便規則八十五条の適用のそういう地区につきましては、あとう限り解消していくようにという心がけでひとつやっていきたいと思います。
#118
○鈴木強君 それから藤牧監察局長さんにひとつ伺いたいのですが、いずれ私は、決算委員会のほうで詳細に伺いたいと思っていますけれども、ただ、どうも最近郵政事業を見ておりますと、いろんな不正行為がございまして、国民としても非常に寒心にたえない点があるのですが、特に特定郵便局長ですか、管理的な立場に立つ局長みずからが数千万円の横領をするというような事実は、これはもう許せぬと思うのですね。局員である限りにおいては、不正行為は許せぬと思いますが、具体的に、二月九日の大阪の生野鶴橋というところの局長で長谷川喜保という方が千二百万ぐらいの横領をしましたね。これはあれですか、その後どういうふうになっておりますか。そして、そういった不正行為の起こった原因の追及は済んでいるのですか。それをまず聞きたいのです。
#119
○政府委員(藤牧直君) ただいまお尋ねの生野鶴橋の局長の横領事件につきまして、やや詳細に御説明申し上げてみたいと思います。
 本件は、一月二十五日から二月の四口までの間、わずか十日間に、七名の預金者から総額二千四百万円の定額預金の申し込みがあったわけでありまするが、そのうち二百四十万円、一割相当額でございますが、これを正当計理いたしまして、残額の二千百六十万円、これを友人の橋本某に事業資金として全額融通したものであります。現在のところ、三十七万円を残しまして、残額は回収をいたしました。これが事件の大要でございます。
 これの動機でございますが、長谷川局長は養子でありまして、長谷川という家が大阪きっての土地の持ち主で、非常な財産家であります。それで、この長谷川局長は、個人的に、過去数年間にわたりまして、先ほど申し上げました友人の橋本某に、自分の金並びに自分の兄貴の金、合わせまして二千八百万円ぐらいのものを融通をしておったわけでございます。この二千八百万円ぐらいの金が、御承知の景気調整期に入りましてこげついた、この二千八百万円の金も何とか回収しようとしてあせったわけであります。そこで、この橋本某にこの回収方を迫った。橋本は返したい、返したいが、御存じのとおりの景気であるので、返すためにはもう少し金を融通してほしいということをもちかけたのでありますが、当初長谷川局長は、自分は養子の身でもあり、自分の自由になる金はもうないということで拒否をいたしておったわけであります。ところが、この橋本某は相当なしたたか者でありまして、しからば、金を貸さぬなら、お前が今まで融通した二千八百万円というものはもう出さぬというようなことで、やや脅迫じみたことを言ったわけであります。この長谷川という局長は、非常に温厚な、いわば気の小さい局長であったと思うのでありますが、ついこの橋本義一の立てました横領の計画を立てたわけでありますが、この計画に乗せられてしまったということであります。これがまあ動機であります。
 それで、この手口が非常に特異なものでございまして、従来ありまする横領というものと違いまして、この橋本某は、大阪市内における名だたる町の金融ブローカーを大ぜい使いまして、預金を逆に集めたわけであります。いわば郵便局を舞台にした金融ブローカーの、何といいますか、取り込みといいますか、何か妙な事件であったわけであります。それで、この預金者の中には善良な預金者がおりまして、おかしいということで、二月七日に郵政並びに監察局に申告をして参りまして、直ちに監察局のほうでこの捜査に着手いたしまして、この金が、関係している連中の間で、あるいは裏利子なり、あるいはリベートなりという形でまだ持っておったものでございますから、三十六万五千、多少を残しまして全額を回収いたしております。
 なお、この事件が起きましてから、本省といたしましても、あるいは大阪郵政局といたしましても、管理者に対して、防犯意識の高揚というような点について会議をもち、あるいは通牒を発しまして、また私どもといたしましては、業務考査の途中においても、こういう事件がないように――これは冊子式の通帳を利用したものであります。冊子式の通帳等の引き揚げ対策というようなものもいたしております。
 以上が鶴橋事件の概要並びに現在の状態であります。なお、二月二十八日付をもちまして、長谷川喜保並びに友人の橋本義一、これは業務上横領で起訴をされております。なお、部外者三名につきましては、今明日中に、業務上横領の共同正犯として、起訴されるもののようであります。
#120
○政府委員(武田功君) この事件のその後の処理につきまして、私から補足して御説明申し上げます。
 事件が発生いたしまして報告がありましたので、直ちに大臣の旨を受けまして、大阪郵政局長に電話をもって注意を喚起いたしました。大阪側といたしましては、昨年来、本省において防犯対策協議会を作ったり、非常に目下防犯に挙省一致で努力しておりまするやさきでありましたので、非常に恐縮いたしまして、直ちに郵政局長名をもって現場に厳重な訓戒の通達を出しました。また、十一日の月曜でございますが、たまたま、管内の七十局の主要局長を集合さしておりましたので、その席で、郵政局長及び監察局長から十分に訓示をし、また二月十三日、十四日の両日、大阪市及び神戸市、京都市、この大都市及びその周辺の九つの特推連の会長並びに全局長八百十八名に集合をかけまして、前に申しましたと同様に、この犯罪絶滅についての注意を喚起するという方法をとった次第でございます。また、当該地区の鶴橋局長は、先ほど監察局長が申しましたように起訴をされておりますし、また郵政省といたしましては、三月一日付をもって懲戒免職しております。
#121
○鈴木強君 藤牧さん。三十七万円まだ残っているそうですが、お話によると、大阪きっての地主さんらしいですね。したがって、三十七万円の残額については、回収は間違いないのでございましょうね。
#122
○政府委員(藤牧直君) 回収は全然間違いがございません。
#123
○鈴木強君 非常に遺憾な事件だと思います。で、いろいろこの事件をめぐって調査をし、多少原因も追及され、今後の問題についても対処されているようですが、私は、郵政の犯罪というものが、非常に、過去何年かの具体的な事実を見ましても、多くなっておる。ちょっと私は会計検査院のほうで調べてもらったのですが、昭和三十一年から三十六年までの六年間の間でも、不正行為によって政府に損害を与えた金額が一億八千万円、そのうち、回収済みが四千万円、それから回収未済が一億四千万円、こういう状態になっておりまして、私たちは、何回か監察制度のあり方についての意見も出し、皆さんにも御検討いただいてきておるのですが、依然としてこういう事実が、事件が絶えないわけですが、何かこの問題については、御指摘のように、定額貯金のやり方ですね、通帳制というか、証書というか、ああいうふうなやり方にも問題があると思うのです。
 そういう点は直ちに直していただくとして、根本的にはやはり郵政職員としての精神の問題じゃないでしょうか。そういう者に対しては、やはりできるだけの御配慮をしていただかないと、まだまだこれは続くのじゃないでしょうか。監察のほうも非常に人が少ないし、十分に全監査がやれないような事情も私はよく知っております。そういう点の強化をすることも一つの不正を防ぐ方法だけれども、それにもまして、やはり郵政職員としての規律の問題とか、職員の精神の問題だと思います。そういう点について何か具体的におやりになっているのでしょうか。
#124
○政府委員(藤牧直君) 先ほど官房長から御説明申し上げたとおり、省をあげて防犯対策を講じておるわけでございます。お説のとおり、まず第一になさねばならぬことは、省をあげて防犯意識を高めることであろうかと思います。それにつきましては、昨年八月に本省内に防犯対策協議会というものを設置いたしまして、着々防犯意識の向上の施策をやったのでございます。なお、昨年八月と本年二月、再度にわたり、事務次官から部内一般に訓示を発しまして、防犯意識の高揚と犯罪の絶滅ということにつきまして徹底をはかったのであります。なお、三番目に、三十八年度におきまして、現業を対象とします防犯指導協議会を全国的に開催いたそうという計画を立てまして、ただいま取り運び中であります。
 と同時に、現業の管理者に対しまして、防犯管理の徹底ということが必要であろうかと思います。これにつきましては、内部監査も励行して、まず第一にやる、それから、従来ややもすれば明確を欠きました監督責任者に対する監督責任の明確ということもはかったのであります。犯罪発生の場合、監督責任を厳重に分析いたしまして、監督責任の所在を明確にし、そうして防犯を徹底させるという措置も講じたわけでございます。
 それから次に、今お話のありました郵政監察機能の強化ということをはかったわけでございまして、昨年の七月、従来ややともすれば、監察の結果というものは、監察のしっぱなし、片方は聞きっぱなしというような弊害がありましたので、これの措置を確保するという体制を中央、地方を通じてとったのであります。それからなお、昨年の十月、東京、大阪というような管内は非常に地域が広うございますので、これにつきまして、東京に六局、大阪に三局という支局を作ったわけでございます。
 以上申し上げましたことが、防犯対策といいますか、防犯意識の高揚という面でございます。
 それからなお、私、乏しい経験でありますが、犯罪の態様等を見ておりますと、年々歳々、どうも同じような手口というものが繰り返されて参っております。したがいまして、これも、技術的といいますか、事務的なものといたしましては、犯罪の未然防止対策ということと、犯罪がすでに存在しておりまする場合には、犯罪を早期に発見する対策、この二つに分けて、現在着着と実施をいたしておるわけでございます。非常に長くなりますので、以上で終わりたいと思いまするが、このような心がまえ、考えを持ちまして仕事をいたしていきたいと思っております。
#125
○鈴木強君 今お話の中にあった、監察の結果について、たとえば地方に行くと、郵政局長というのと監察局長、電波監理局長がいますね、三局長が。この監察局長が指示した事項に対して、郵政局長というものは責任をもって措置しなければならぬ責務があるのですが、それはどうなっているんですか。
#126
○政府委員(藤牧直君) 郵政省設置法によりまして、郵政監察官は郵政業務のあらゆる面につきまして調査あるいは考査をして、その結果を指示あるいは勧告をするということになっております。指示あるいは勧告をいたしました事項につきましては、これは当然その指示なり勧告なりに従うべきであると思うのでありまするが、予算あるいはいろいろの事情等から見まして、指示あるいは勧告がされました場合に、できるもの、あるいはできないものというもののけじめをはっきりつける必要があろうかと思います。従来は、それが、指示あるいは勧告のしっぱなしということになっておったわけでありまして、その点をはっきりしたいというふうにしております。
#127
○鈴木強君 それは、従来私たち視察に行きましても、よく現地で問題になる点だったのですけれども、その問題は、今後はしっぱなしでなくて、郵政局は責任を持ってそれにこたえていくということになったのでございますか。
#128
○政府委員(藤牧直君) その点につきましては、大臣の通達等によりまして、できるもの、できないもの、はっきりしましてやるということを昨年の七月決定をいたしました。
#129
○鈴木強君 それから、不正行為によって国に損害をかけている金の回収ですね、こういうものについては、これは郵政省はどこでやっているんですか。できるだけ督促をして回収させるというのは、やはり監察でやっているんでございましょうか。
#130
○政府委員(藤牧直君) 経理局の会計課の所管になっております。先ほど先生数字をお話になりましたが、私どものほうの資料では、ただいまでに未回収の債権は五億四千万ぐらいあろうかというふうに考えております。が、これにつきましては、和解等によりまして回収のめどは全部ついております。それぐらいの未回収債権がある、かように考えております。
#131
○鈴木強君 この資料は、昭和三十一年から三十六年までの六年間ですが、私の計算だと、大体一億四千ぐらいですか、数字はどうか、また差があるかもしれませんけれども、いずれにしてもそういう回収ができるのですね、今のお話の全部。
#132
○政府委員(藤牧直君) 私の申し上げました数字は、従来のもの全部累積いたしました数字になっております。回収は非常に困難でありますけれども、必ず取り立てるように実施したいと考えておりますし、経理のほうでもそのように運んでおる次第でございます。
#133
○鈴木強君 これは後ほどあらためてやりますが、ひとつ郵政犯罪の未然の防止対策については、今監察局長からもお話がありましたが、それが効果を現わさなければだめなんですね。われわれは、なかなかいい、いろんな幾つかの施策をやられていると思うのですが、問題は、それが実って、なるほどと成果が現われなければいかぬのですから、そういう面に向かって、ひとつなお一そうの御検討をお願いしたいと思うのです。全くこれは、またかというふうに新聞をにぎわして、遺憾だと思います。ぜひ注意していただきたいと思います。
 最後に、電電公社に一つだけ伺いたいのは、この前の委員会で、久保委員からも強く要請をしておりました三月三日の三千五百カ所の即時切りかえの問題でございますが、労働組合との関係、それから切りかえの状況はどうでこざいましたか。――担当の副総裁、それから秋草理事ですか、本多職員局長は衆議院の社労委員会に御出席のようですが、計画局長おられますか――総裁、三月三日の切りかえについては、われわれとして、ぜひ労使問題の解決をしていただいて、管理者の皆さんの手によって三千五百カ所に及ぶ区域の即時通話の改式をやることはまずいから、努力してもらいたいというお話をしておったのですが、聞くところによると、どうも不調に終わって、三たびまた管理者によって切りかえをやったと、こういうふうに伺っておるのですが、それで間違いないでしょうか。
#134
○説明員(大橋八郎君) 私も報告を受けたのでありますが、先日お話があったように、できるだけなおよく協議をいたしまして、組合のほうの超勤拒否というものは回避するような事態に持っていって、なるべくやりたいということで、さらに団交を重ねて、徹宵団交をしたわけでありますが、遺憾ながら結論に達することができませんでしたので、はなはだ残念ながら、結局管理者だけで切りかえをやった、こういうことに報告を受けております。
#135
○鈴木強君 きょうは担当の方がおりませんので、これ以上私は質疑をいたしません、ただ一つ、総裁に重ねてお願いしておきたいのは、いつも言うことで、またかとおっしゃるかもしれませんが、第三次の計画をおやりになる場合に、やはり職員の協力を得ることが絶対条件だと思います。特に、電電公社の組合の切りかえに対する考え方も、私は何も設備近代化そのものに反対してないと思うのです。やはり、三万三千名の流動要員のうち、一万四千名近い者は配転も職転も困難である、あなたが幾ら首を切らないという覚書を結んでおりますと言っても、現実に六千名の定員減と、一万四千名近い配転・職転の困難者が出てきておるということに対する裏づけが、今日組合に示されておらない、そういうことで、組合員が自己の生活権を守るために団結して闘争をするということは、これは当然のことだと思うのです。ですから、私は、そういう点もひとつ十分に第三次五カ年計画の実際の実施の段階における一つ一つの問題としてあなたがやれるような、不幸にして首を切る事態がないというのですから、私たちはそれを信用したいのです。しかし一面には、今申し上げましたような具体的な数字を持つ要員過剰が出てくるわけです。こういうものに対する心配を排除できるようなものを持って、そして組合とも御折衝になったらいいと思うのです。第三次五カ年計画そのものも、端的に言って、皆さんが長い間研究されたものですから、やはり皆さんとしての一つの自信を持ってお作りになっていることは、これはわれわれも認めます。ただ、過去の経験からしても、やはり二回、三回と中途において計画の変更をしなければならなかった事実もあります。今後経済情勢がどう動いていくかによって、加入者の需要というものも、国民の需要というものも、もっと多くなってくるかもわかりません。そういう場合に、一体その需要をどういうふうに供給していくか。こういった問題を思うにつけても、必ずしも私は、現段階においての一つの案であって、将来に向かって唯一絶対のごとき、不動のものとは思わない。そういう意味において、組合側とよく話をすれば、私は一致点を見出せないはずはないと思う。ですから、くどいようですけれども、ことしもわずかですから、会計年度からすると四月一日から第三次が始まるのですから、真剣に労使間の話を進めていただいて、一日も早く正常な事態に戻るように、積極的な労務対策を確立すると同時に、組合側とも交渉を進めていただきたい。こういうことを強く総裁にお願いします。総裁の御所信を伺いたいと思います。
#136
○説明員(大橋八郎君) 今後も引き続き、十分誠意をもってお互いに話し合いを続けていきたいと思っております。
#137
○委員長(伊藤顕道君) 本件についての質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。
 これにて散会いたします。
   午後一時十二分散会
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ソース: 国立国会図書館
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