くにさくロゴ
1962/06/11 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第25号
姉妹サイト
 
1962/06/11 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第25号

#1
第043回国会 逓信委員会 第25号
昭和三十八年六月十一日(火曜日)
   午前十時四十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     伊藤 顕道君
   理事
           鈴木 恭一君
           寺尾  豊君
           光村 甚助君
   委員
           植竹 春彦君
           郡  祐一君
           新谷寅三郎君
           最上 英子君
           鈴木  強君
           野上  元君
           横川 正市君
           赤松 常子君
           須藤 五郎君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 小沢久太郎君
  政府委員
   郵政大臣官房長 武田  功君
   郵政省簡易保険
   局長      田中 鎭雄君
   郵政省貯金局長 金沢 平蔵君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       倉沢 岩雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○郵便貯金法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、予備審査)
○簡易生命保険及び郵便年金の積立金
 の運用に関する法律の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(伊藤顕道君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 本日は、郵便貯金法改正案の提案理由説明を聴取した後、簡易生命保険及び郵便年金の積立金運用法改正案の質疑を行ないます。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案を議題とし、政府より提案理由の説明を聴取します。小沢郵政大臣。
#3
○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 この法律案は、郵便貯金の利率を政令で定めるように改めること等をおもな内容とするものであります。
 以下、その改正の要点について御説明申し上げます。
 第一点は、金利政策の弾力的な運用に支障を来たさないようにするとともに、適時適切に一般金融情勢に相応することができるようにするため、現在法律で定められている郵便貯金の利率を政令で定めるように改めようとするものであります。
 この政令委任にあたりましては、国民大衆の零細な貯蓄手段である郵便貯金の預金者の利益の保護に遺憾のないようにするため、利率の決定または変更の場合には、預金者の利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払う旨の原則を法律に明記するとともに、郵政大臣は、利率に関する政令の制定または改正の立案にあたっては、郵政審議会に諮問しなければならないこととしようとするものであります。
 第二点は、団体取り扱いをする郵便貯金は、現在は法律で通常郵便貯金に限定されているのでありますが、目的貯金等をする団体が増加している現状にかんがみまして、利用の実情に適合させるため、団体取り扱いをする郵便貯金の種類等について省令で定めるように改めまして、利用者の利便をはかろうとするものであります。
 第三点は、貯金総額の制限規定の適用を受けない法人その他の団体は、現在は法律に個別に列挙されているのでありますが、この列挙されたもののほかに、各種の公団、事業団等貯金総額の制限規定を適用する必要がないと認められる法人が多数ありますので、これらの法人その他の団体につきましては、個別に列挙しないで包括的に規定するように改めようとするものであります。
 以上がこの法律案の提案の理由でありますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御可決下さいますようお願いいたします。
#4
○委員長(伊藤顕道君) 本案につきましては、本日は説明聴取のみにとどめておきます。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(伊藤顕道君) 次に、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#6
○鈴木恭一君 二、三の点につきまして、御質問というか、確認というか、いたしておきたいと思うのであります。
 私は、この運用を電力債に拡張されたということに対しては、もちろん賛成するのでありますが、参考資料等を拝見いたしますと、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用利回りというものが非常に民間と比較して低くなっております。三十六年度で申しますと、民間が八分九厘になっておるにかかわらず、こちらのほうは六分二厘六毛というような状態で、二分六厘四毛も非常に下に下がっておる。戦前におきましては、御承知でもございましょうが、逓信省にあったころは、低金利に対応して、積立金の運用に関してはいろいろ配慮いたしておるし、株式に投資したり、あるいは台湾電力とか日本無線とか満州電電とかあるいは日本製鉄とか、そういった有利な社債にも運用の範囲が拡大されておった。したがって、運用利回りも、当時におきましては、民間と民保と遜色がなかったと私ども思うのでございますが、今日、こういうふうに非常に運用利回りの差ができたということは、これは昭和十八年以来、預金部のほうに預託したり、あるいは戦後のドッジの線に沿うて国家資金の統一運用というようなことから、同時に財投が非常な力を持って参りましたし、その方面に、そのワクの中に封じ込まれてしまったというようなことがこの原因だと思うが、それは間違いないでございましょうね。
#7
○政府委員(田中鎭雄君) 簡保、民保の運用利回りにつきましては、ただいま先生のお話のございましたとおりでございます。
#8
○鈴木恭一君 その点をわれわれ非常に心配するのですが、もちろん、国営でやっております保険につきましては、いろいろその利点もあるでしょう。国の信用であるとか、あるいは郵便局を利用して簡易保険をやっておるというようなことで、事業費等の節約もできるでございましょう。いろいろの利点はあるでありましょうけれども、今日、ことに終戦後は、定額無診査というような保険は、簡易保険ばかりではなく、民間でもやるようになった。五十万円までは民間も無診査でやっている。したがって、全く同一のレベルで仕事をしなければならない。しかも、国のやっておる保険で、厚生年金だとか、あるいは国民年金というような、政府から補助金をもらってやるものとは違って、全く独立採算でやっておる。ほとんど民保とその状態は全く同じである。しかも、保険法では、簡易保険法並びに年金法では、安い料金で提供しなければならないということが至上命令として出ておる。今のような非常に利回りが安くなっておるというふうなことが事業に影響を及ぶということは、これはもう私が言うまでもないことなんでして、実際仕事をやっていく上において、非常にお困りになるんではないかと思っております。
 そこで、政府としては、一体どの程度に回していけばいいというようなお考えでございましょうか。
#9
○政府委員(田中鎭雄君) 簡易保険の独占ということも、戦後廃止せられまして、現在は、民間でも無診査保険、簡易保険とほとんど同じ内容の保険を売り出しておるという実情でございます。ただいま御指摘のように、運用利回りが簡保が民保よりも劣るという点に大きな原因がございまして、表定保険料では一応簡保のほうが安いのでございますが、配当を加味した実質保険料を比較いたしますると、簡保のほうが劣るというのが実情で、ございます。こういった点は、もちろん加入者の面からみますると、それだけ負担が多くかかっておるということでございまして、私どもといたしましては、極力運用利回りの向上をはかりまして、その格差をできるだけ縮めたいという考えは持っておるわけでございます。ただ、国営の事業でございまするし、民間保険とは制度といいますか、実際の運営の方式その他は若干違った面がございまするので、全く民保と同じところまでにやるというのもどうかと思います。大体最終といいますか、われわれの理想としては、七分程度にまで引き上げれば理想的の姿ではないかと、かように考えておる次第でございます。
#10
○鈴木恭一君 あとまあ八分――七分程度に利回りがふえればいいと、こういうことでございますか。――七厘か。
#11
○政府委員(田中鎭雄君) 七分程度までにいくには、相当の制度の改善あるいは相当長い年月がかかるかとも思いまするが、一応の理想としては七分ということを考えているわけでございます。
#12
○鈴木恭一君 そういうふうな、現在の利回りが民間と非常に格差があるというようなことが、実際の今日の保険の募集あるいは維持といったようなものに影響がきておりますか。
#13
○政府委員(田中鎭雄君) 現在のところは、昨年から比較的新契約の伸びはよろしいのでございますが、その前数年間の趨勢を見てみますると、民間保険の新契約の伸びに比較いたしまして、簡保の伸びの率というものは非常に低いというふうに、そういった面の影響が現われておるということも言えるかと思います。ただ、民間保険といたしましても、いろいろ募集取り締まりの関係の法令などがございまして、実質的な保険料が私のほうはこんなに低いのだというようなことは、これは募集の際には言えない建前になっております。これは、民保のほうは、配当と申しましても、その年その年の配当でございまして、いわゆる不確定配当でございますから、将来そういった配当が同じように確保されるかどうかという点は保証できないわけでございます。ただいま、そういう意味において、民保の募集員はそういったことを募集の種にしてはいけないということになっておりまするので、端的にその面だけでどうこうということは考えられないわけでございますが、全般の趨勢としては、先ほど申し上げたとおりで、ございます。
#14
○鈴木恭一君 しかし、われわれがこうやって現在の利回り状況を見ますると、今度大臣も、提案理由で、電力債まで拡張していくことは運用利回りの向上をはかるのだ――これはそのとおりなんですけれども、われわれから見ると、何かもう、そういう問題は通り過ごして、簡保の体質改善にまで考えていかなければ、この問題というものの解決ができないのじゃないかというふうに私どもには印象されるのですね。
 私は、簡易保険としては、今日の状態におっては非常に重大なポイントに来ておるのじゃないかと思う。もちろん、私ども財政投融資ということの必要なのをいなむわけではございませんが、今日のところまでの財投が、日本の非常な進展に寄与しておる事実はよく承知いたしております。しかし、簡保が、それに対して、加入者の貸付を除いて、ほとんど全部が財投に使われておる。おそらく今日まで九千億も使っているんじゃないですか。本年度の千六百億のものは全部財投のほうに使われるというふうな傾向に承っているわけです。もちろん私はこれに協力する。ことに、大きい意味において国家資金であるということであれば、これに協力するということに対しては、これはやぶさかであってはならないと思うのです。ところが、どこまでも財投というものは、やはり何といったって、収益は第二義的です。何としても、国で産業を興し、公共事業をやるわけでございまするから、だから、どうしても簡易保険の持っている別の使命、すなわち安い料金で保険を国民に提供するということとどうしても矛盾を来たすわけなんですね。だから、どこまでも郵政大臣としては、財投も必要ではあるけれども、同時に、国の保険事業という一つの大きなサービスをしておるのだということを、絶えずここに考えがなければならない。ところが、もうまる裸になって財投一本でいる現状というものは、何とかして打開しなければ、私は両立するものじゃないと思っております。
 そういう点について、今の財投優先的な考え方というものを打破する御決意はいかがでございましょうか、大臣といたしまして。それは私は非常に重要だと思うのです。
#15
○国務大臣(小沢久太郎君) 今鈴木先生のおっしゃった点、簡保が財投の原資となりまして、いろいろの使命を果たしているということは、これは事実であります。また、その使命も私は十分にあると思います。しかし、何といいましても、やはり簡保は、国民が安い料金で保険をかけるということが目的でございますから、その点につきましては、われわれといたしましては十分に配意して、利回りをよくしていくというふうに実は考えておりまして、今回の電力債におきましても、これは財投のワクからはずしまして、それで今後こういう一まだまだ私は不満足だと思っております。この点をだんだんと伸ばしまして、ただいま鈴木先生のおっしゃったように、安い料金で、ほんとうに満足のいけるような保険にしたい、そういうふうに思っております。ただ問題は、やはり何といいましても、二つの目的があるわけでございまして、財投としても、原資の確保ということは、これはやはり必要であるし、といって、それに重点ばかり注ぎまして、国民を満足させないということは、これは簡保の目的でもありませんから、その点は十分に注意して今後やるつもりでございますが、その第一歩として、電力債を今度踏み切ったというわけでございます。
#16
○鈴木恭一君 郵政大臣としての大きな問題は、財投とやはり簡易保険の運営という間に立って、どういうふうに処置されるかということが重大な任務だと私は思っております。だんだん私も、電力債に拡張されるについて、大蔵省とのいきさつ等も承知はいたしております。しかし、ただいま私が申しましたような線、今大臣の申されましたような線で、この上ともひとつお願いしたいと思います。
 そこで、話は多少具体的になるんですが、この問題が非常に大蔵省との間で意見も調整ができないで、結局運用審議会でございますか、そのほうの意見を徴されたように私ども聞いておるんですが、これは大蔵大臣のほうから徴されたのですか。郵政大臣から徴されたのですか。
#17
○政府委員(田中鎭雄君) 形式的には、資金運用審議会が自発的に意見を出したということになっております。
#18
○鈴木恭一君 資金運用審議会というのは自発的に意見を出すことができるんですか。
#19
○政府委員(田中鎭雄君) これは、私どものほうの積立金運用法、それから資金運用部資金法もその規定がございます。
#20
○鈴木恭一君 それはもちろん資金運用審議会は独自の意見は出せると思うのですけれども、その内容をいろいろ聞いてみますると、これはちょっと話が別になりますが、余裕金の問題にまで言及しておるわけですね。それで、余裕金は、現段階としては、この改正を取り上げる必要を認めないというようなことをいっております。そういう意見の具申というものは、これを見てみましても、積立金の運用に関して随時意見を述べることができる、ということで、運用に関してできるので、これは広い意味にとればとれるかもしれませんが、余裕金の問題などを取り上げて――これは私は一つの制度の問題だと思うんです。そういうものを取り上げていく権限というものは一体あるんでしょうか。
#21
○政府委員(田中鎭雄君) この運用審議会、先般の意見が出る前までには、大蔵、それから私どももそこへ呼ばれまして、いろいろ意見を述べたわけでございます。両方の意見の相違というような点もおそらく審議会としては十分おわかりになったことと思います。余裕金の自主的運用ということにつきましても、私どもとしては年来のこれは主張でございまして、その際にも一応そういった意見を述べたのでございます。ただ、ただいま先生のおっしゃるとおり、それにつきまして、審議会が、現段階ではそれについて検討する時期ではないといったような意見が出ておりますが、この点につきましては、私どものほうとしても、制度の問題でありまするから、審議会がそこまで、そういう意見を出されるのはどうか、若干の疑問は持っております。ただ、現段階という、前文にある、それにすべてが引っかかるんだというような説明でございまして、そういうことではやむを得ない、と言ってははなはだ僭越で、ございますが、審議会の意見もそういう点でわからぬことはない、こういった態度をとっておるわけでございます。
#22
○鈴木恭一君 特に私は大臣にお聞きしたいのですが、こういうふうな意見が出てくるということに対して、大臣はどういうふうに考えておられるか。もちろん、運用に関しては運用審議会の意見を尊重されることは、これは当然だと私は思っています。思っていますが、この余裕金の問題等につきましては、学者の間でもいろいろ議論があるわけでございますね。ことに、ほかの政府の余裕金と違って、簡易保険の余裕金というものは積立金と全く同一であるという、学者も議論しておるのです。そういうふうな根本的な問題がこれにあるわけでございまして、こういうふうに簡単に、どういう影響でこういうことが出てきたかしりませんけれども、郵政大臣としては、特にこういう点について慎重にお考えになって、今後とも余裕金の問題につきましては、一そうの、何と申しまするか、力を出してこれに取り組んでいってもらいたいと私は思うのでございますが、いかがでございましょうか。
#23
○国務大臣(小沢久太郎君) この余裕金の問題につきましては、郵政当局と大蔵当局との間にいろいろ検討を重ねたわけでございますが、なかなか結論出がませんで、最後に審議会のいろいろ答申もあったというような次第でございます。それには「現段階」ということが書いてございますが、われわれといたしまして、やっぱり何といっても余裕金をわれわれのほうで取り扱うということで、審議会できめたことには、われわれといたしましては不満足でございまして、今後これをわれわれのほうで取り入れまして利回りをよくするということにいたしまして、自主的に運営するように持っていきたい、そういうふうに実は考えておる次第でございます。
#24
○鈴木恭一君 私は、この問題にそう簡単に片づくと思っておりません。こういう点は、これは運用審議会で審議すべき問題じゃないので、政府自体が私は考えるべき問題だと思うのです。そういう意味におきまして、まあ、こういう事実が一つ出てきたことは事実ですが、特にこの点については大臣の御決意をお願いしておきます。
 最後に私いま一点……。
#25
○鈴木強君 ちょっと関連して。
 私は、今の郵便貯金法の一部改正法案が提案されたので、私はこのことについて、ちょっと本会議との関連で、大臣に伺いたかったのですが、ちょうど今運用審議会の点が出ましたから、関連してお伺いします。
 六月七日の本会議に、郵便貯金法の一部改正法が提案され、わが党光村委員が質問をいたしておりますが、その中で、大臣もあのときは御列席であったと思いますが、田中大蔵大臣は、資金運用審議会の構成についてこう答弁している。「法律的にも、御承知のとおり、資金運用審議会の構成は、会長が総理大臣であり、郵政大臣及び大蔵大臣が副会長になっておるのでございまして、学識経験者の十分な審議を経て、しかる後にこれが運用をきめられているわけでございます。」と、こうあるわけです。一体、こういう、郵政大臣が副会長になっている審議会がどこにある。それをあなた、本会議で聞いておったでしょう。
#26
○国務大臣(小沢久太郎君) 田中大蔵大臣の言ったのは元の制度でございまして、その後改正しているわけでございます。それで、今は副会長というものはないというようなわけ合いであります。
#27
○鈴木強君 これは、田中大臣の発言ですから、田中大臣に来てもらって発言訂正しなきゃいかぬと思うんだが、郵政大臣としてもあの席上おったんだから、そういうことをもしわかったら、なぜもっと早く訂正しないですか。これは明らかに政府の本会議における答弁ですから、こんな法律改正前の答弁を、社会党の光村議員の質問に答えて知らぬ顔をしているなんていうことは、けしからぬ話ですな。
#28
○国務大臣(小沢久太郎君) 田中大蔵大臣が郵政大臣のころばそういう制度でございましたけれども、その後変わったわけでございまして、私もうっかりしておりまして、今鈴木先生から言われたわけでございまして、私もそれを気がついたことは気がついたわけでございますが、早く訂正申し上げなくて、私も指摘すべきだったと思う次第でございます。
#29
○鈴木強君 これは委員長、ああいう間違った答弁を本会議でされて、われわれが黙って審議をするわけにいかぬと思うんですよ。だから、間違っていることは事実なんだから、これはひとつあなたから田中さんに、この次の委員会に来てここで訂正するように言って下さい。
#30
○国務大臣(小沢久太郎君) よく大蔵大臣にもそのことを申しておきます。
#31
○鈴木強君 おかしいですよ、委員長、そういういいかげんな答弁をしておるんですからね。だから、審議会なんていうものに対して、一体、大蔵大臣が諮問するとか、郵政大臣が諮問するとかいうことがあるんだけれども、審議会の運営がどうなっているのか知らないで、そんなえらそうなこと言ってみたって、僕は、根本的に、そういう論議を幾らされても、信用したくない。こういう審議会を所掌しているのはどこだか知りませんが、少し大蔵省のほうもたるんでいるのかな。そういう点は、大臣を責めてもしようがないんですがね。同席したということで僕は大臣にちょっと文句をつけているんだが、ひとつ、政府内部として、すみやかに最善の措置で善処してもらうようにお願いしておきます。
#32
○鈴木恭一君 じゃ、最後にもう一点伺っておきますが、電力債に拡張されたことは、大臣も言われておりますとおり、今後の低金利政策の趨勢を見越して利回りの長期安定を期するんだと、こういうことで、これはごもっともだと思うんです。結局、長期の利回り確保ということが非常に必要なことなんであって、これが結局分配金にも影響するでしょうし、簡易保険の商品価値も高まることでございます。しかし、お聞きしますと、これは短期で、しかも日銀を通じて間接的にやるんだと。それでは、かりに電力債に百億が回ったにいたしましても、これはまあわずかなものでして、これではその目的は達せられないということは、もうきわめてはっきりしている。また、羊頭狗肉と言ってははなはだ語弊があるかもしれませんが、実質の伴わないものになっておるように思うのですが、これで満足しておる理由はどこにあるのか、あなたのほうで。
#33
○政府委員(田中鎭雄君) まあ、今回この法案が御審議願いまして成立した場合には、現在といたしましては、すでに財投の計画も決定しておりますし、財投のワク外ということにいたしましても、長期に出るという場合には、そういった方面との関連がありますので、現在としては、短期運用しか道がないわけでございます。で、私どものねらいは、もちろん短期運用のみではございませんで、長期に出るということが終局の目的でございまして、できるだけ近い機会に長期運用をはかりたい、かように考えておるわけでございます。
#34
○鈴木恭一君 単発的に出るよりは、それはやはり長期的でなければ、ほんとうの効果は上がらないと思うのです。やはり雪だるま式にいって初めてその効果が出る。もちろん、郵政当局としても満足されておらないと思います。やはり現段階ではこれでやむを得ないと、こう言われておりますが、どうか、やはりこれを早く、なるべく早い機会に長期に回されるように御努力願いたいと思います。まあ、これが一つの足がかりになっていくということに、私はこの法案の意義が非常に大きくあると思うので、その御努力は多とするのでありまするが、どうぞ、大臣といたしましても、保険事業が今日ほんとうに私は危機に来ておると思うのです、そういうふうな意味で、この事業を再認識されまして、運用についてはこの上ともの格段の御尽力を私は切にお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#35
○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま鈴木先生のおっしゃいました簡保の運用につきましては、われわれも先生のおっしゃったとおりに考えております。そういたしまして、電力債にいたしましても、ただいまは短期でございますけれども、決してこれには満足しているのではございません。だんだん長期に持っていきたい。そのほかにもいろいろと、先ほど来申し上げましたように、運用については十分に気をつけまして、安い料金でかけられるというふうにしていきたいと思います。
#36
○野上元君 先ほど鈴木恭一委員の質問の中に、資金運用部資金の運用についての運用審議会の話が出たのですがね。今、私どももちょっと議事録を読ましてもらったら、会長は総理大臣、副会長二人と、こういうふうになっているのですが、それは昔はそうなっていたのですか。
#37
○政府委員(田中鎭雄君) 三十六年三月までそういう制度でございました。
#38
○野上元君 そのときは、郵政大臣がそれまでは出ておられたわけですか。今回改正された審議会には、郵政大臣はメンバーとして加わっているか、あるいは郵政当局からだれかメンバーとして加わっておりますか。
#39
○政府委員(田中鎭雄君) 前の制度は、郵政大臣、大蔵大臣が副会長、総理大臣が会長ということでございましたが、三十六年に改正いたしまして、審議会の委員はすべて学識経験者ということになりまして、委員は全部民間人と申しまするか、政府の役人は入っておりません。
#40
○野上元君 現在、資金運用部資金の財源は、ほとんど五〇%をこすものが郵便貯金であると思うのです。したがいまして、資金運用部の資金運用については、郵政省としては相当大きな発言力があっていいと思うのでありますが、その中に全然メンバーからはずされておるということについて、郵政大臣としてはどういうようにお考えになりますか。
#41
○政府委員(田中鎭雄君) 先ほどの御説明、ちょっと不十分でございましたが、専門委員といたしまして貯金局長と保険局長が入っております。それから幹事としては、関係の課長が幹事として出ております。
#42
○野上元君 専門委員というのは、どういう仕事をするのですか。
#43
○政府委員(田中鎭雄君) 専門委員といたしましても、特に審議会の委員のみで何か相談をしようという場合以外は必ず出席しております。特に私どもといたしましては、この資金面に非常な関係がございますし、それから財投を組む場合にも、当然原資の面から関連があるわけでございまして、そういった面の相談には十分あずかっておるわけでございます。
#44
○野上元君 たとえば、審議会が運営される場合、専門委員というのは、審議会が作成した方針に基づいて、それを具体化するために専門委員というのはあるのですか、それとも、審議会の一つの技術的諮問機関というような意味であるのですか、どちらですか。あなた方の発言権というものは、十分この審議会の中に反映されるようなシステムになっておりますか。
#45
○政府委員(田中鎭雄君) 専門委員も随時意見を述べることはできまして、単なる自分の関係部門に限定されるということはないのであります。
#46
○野上元君 その問題は、あまり詳しく突っ込んでも仕方がないと思うのですが、これはあなたに聞いてもわからないかもしれませんが、これは大蔵大臣に聞いたほうがいいかもしれませんが、そういう審議会の構成を変えたおもなる理由というのは何ですか。従来、郵政大臣が副会長に入っておった。そうして相当発言権を持ってきたのでしょうが、今回そういうことをやめて、この審議会のメンバーを主として民間人及び学識経験者にゆだねたという理由というのは何ですか。
#47
○政府委員(田中鎭雄君) これの改正につきましては、厚生省、それから郵政省方面から強く主張した結果こういうふうに変わったわけでございまして、この審議会の庶務は大蔵省の理財局でやっております関係上、従来のように、いわば形式的に総理大臣、両大臣が副会長というようなことになりまして、学識経験者がそこに加わるというような形では、とかく郵政、厚生方面の意見も浸透しにくい、完全な第三者の立場に立った委員だけで審議をしていただいたほうがよりよいのではないかというようなことで主張が通りまして、こういった改組になったわけでございます。
#48
○野上元君 現実の問題として、改正した効果はありましたか。たとえば、今鈴木恭一委員の質問に大臣が答えられて、今回の郵政審議会の出した答申は必ずしも満足ではない、実は自分としては不満を持っておるのだ、こういうように今言われておるわけです。そうしてさらに、簡保の運用利回りについてもさらによくしたいのだ、こういう希望を述べられたのですが、どうですか、従来の審議会と今回の審議会と比べて、よくなったというようにあなた方のほうはお考えになっていますか。
#49
○政府委員(田中鎭雄君) 電力債に対する運用につきましては、郵政、大蔵の間で昨年来から話し合いをしておったわけですが、ほとんどその意見が対立のような状態でございまして、審議会の意見として、ともかく運用対象の拡張ということで電力債を認めたという点につきましては非常によかったというふうに考えております。ただまあ、そこにいろいろ条件がつけられておりまして、その点につきましては、完全に私どもの意見が通ったとは申されませんが、ともかく、電力債を認めたという点につきまして効果があった、というふうに考えておるわけでございます。
#50
○野上元君 私の質問に対して百パーセント答えられておるというわけにはいかぬと思いますが、では、方面を変えて質問してみたいと思いますが、最近の簡易保険の事業の進捗ぶり、現況について簡単に説明してもらいたいと思うんですが、この資料によりますと、三十六年度末までのやつは大体拝見できるんですが、三十七年度に入って、どういうふうになっておりますか。
#51
○政府委員(田中鎭雄君) 三十七年度の決算はまだ完全には終了しておりませんが、一応の見通しは立つわけでございまして、保険金、分配金の支払い額は、それぞれ、保険金が三百九十六億、分配金が五十二億、それから資金総額といたしましては、三十七年度末で九千九百九十一億円、責任準備金は――責任準備金につきましては、まだ正確な計算になっておりませんが、大体八千三百六十から七十億円程度であろう、それから分配準備金は千三百六十から千三百七十億円程度、合計して準備金総額が九千七百三十億円というふうに見込まれておるわけでございます。その差額が剰余金、大体剰余金の総額が二百五十億ぐらいであろう、これが三十七年度決算の見通しでございます。
 それからあと、新契約について申し上げますと、三十七年度の新契約高は三百一万件、前年度に比べて八%増加しております。保険料額で二十四億九千九百万円、これは第一回の保険料の集計でございます。保険金額は四千四百二十億円、これが三十七年度新契約の実績でございます。
 それから保有契約は、三十七年度末現在で大体四千六百万件、保険金額は二兆七千億、資金総額は、先ほど申し上げましたように、九千九百九十億でございますが、現在、郵便年金の分を含めますと、一兆円を突破しておる現状でございます。
#52
○野上元君 あなたのほうから出された参考資料がございますね、これの十一ページに、簡保・民保の新契約の伸長比較表が出ております。これを見ますと、簡保の場合は三十二年をこれは起点としておるのですが、いわゆるはさみ状に上がったり下がったりしております。民保のほうは非常に順調に、しかも大幅に伸びております。簡保のやつを三十六年度でとってみますと、指数としては九四に下がっております。今あなたが説明された三十七年度の決算においては一〇〇をこえるということは言えると思いますが、そうしますと、上がったり下がったりしておるのですが、民保の伸長率と比較して、その原因はどこにあるのですか。
#53
○政府委員(田中鎭雄君) 第一点は、これは逆の言い方になるかと思いまするが、保険金の最高制限額が押えられておったわけでございまして、これが昨年の四月から五十万円に上がったということが、昨年の実績が上がった上の大きな原因であろうと思います。それから、こういった趨勢にある、まあ民保が非常に伸びて簡保の伸びがあまり伸びなかった、こういう点には、そのほか経済情勢――これはまあ民間と同じとも言えると思いまするが、一番の大きい点は最高制限額、これに影響されると考えてよろしいかと思っております。
#54
○野上元君 契約の内容を、大づかみでいいのですが、終身が契約の何パーセントくらい占めておるか。短期がどのくらいあるのか。その点簡単にわかりませんか。
#55
○政府委員(田中鎭雄君) 今調べておりますので、後ほどお答え申し上げます。
 三十六年度について申し上げます。終身保険、これは終身払い込みと十年払い込みとございますが、終身払い込みが一三・五%、十年払い込みが三・九%、それから養老保険は、十年満期の十年払い、これが三〇・三%、それから十五年満期のうちには、十五年払いと十年払いとございますが、全期払い分、すなわち十五年払い込みでは二九・二%、それから十年払い込みが三・三%。それから次は二十年満期でございますが、これは全期払い込みで一〇・八%、それから三十年満期が三・四%、それからそのほかに家族保険がございますが、これは五十五才満期が三・八%、それから六十才満期が一・七%、以上でございます。
#56
○野上元君 今あなたの言われたパーセンテージを全部合計すると一〇〇になるのですか。
#57
○政府委員(田中鎭雄君) 六十才満期の五十五才払い込みというのが〇・一%ございます。
#58
○野上元君 そうしますと、終身のものは、終身払い込みのものが一三・五%で十年払い込み終身のやつが三九%……。
#59
○政府委員(田中鎭雄君) 三・九%でございます。
#60
○野上元君 三・九%ですか。そうしますと、依然として養老というのが圧倒的に多いということになるわけですね。そういうふうな計算になりますね。
#61
○政府委員(田中鎭雄君) そのとおりでございます。
#62
○野上元君 そうしますと、これはどうなんですかね。養老保険というものは、考え方によっては、貯蓄、貯金と同じような考え方に立っているのじゃないでしょうか。ほんとうの意味の保険というよりも、むしろ貯蓄性を持ったもの、こういうふうに考えていいと思うのですが、その点はどうですか。
#63
○政府委員(田中鎭雄君) 終身に比較いたしまして、養老のほうは貯蓄的部門が多い。特に養老の短期のものはさらに貯蓄的の要素が多い。こういうことは言えると思います。
#64
○野上元君 こういう経営内容というのは、簡保自体にとってはどういうふうにお考えですか。たとえば、もっと終身の保険をふやして、養老を減らしていくというような考え方は全然ないのですか。
#65
○政府委員(田中鎭雄君) 私どもといたしましては、養老の長期のものを大いにとってもらいたい、終身にいけばさらにけっこうなことでございますが、終身保険と言いますると、とかく加入者側から喜ばれない面がございまして、それが反映いたしまして、在野関係でも、あまり終身という、この終身という名前も何とか変えてもらいたいというような意見が出ているような実情でございまして、現在といたしましては、そういう点も考えまして、養老保険の長期、これに重点を置いておるわけでございます。
#66
○野上元君 わかりました。長期という場合には、おおむね二十年以上ですか。
#67
○政府委員(田中鎭雄君) さようでございます。
#68
○野上元君 その契約を多くとるということが経営上最も好ましい、こういうふうにお考えになっているわけですか。
#69
○政府委員(田中鎭雄君) 附加率の面から言ってそういう結果になるわけでございます。
#70
○野上元君 現在小額保険というのはどのくらいの件数なんですか。たとえば、三十六年度の決算において少額契約というのはどれぐらい残っておるのですか。
#71
○政府委員(田中鎭雄君) 小額保険と申しますのは、私ども千円以下の契約というふうに考えております。これは三十七年度末で四百七十二万件余りございます。
#72
○野上元君 これが完全に整理されるというのはいつごろですか。あるいはあなたのほうで積極的にこの契約を解消さして、新しい契約に切りかえるというような努力はされておるのですか。その点、ちょっとお伺いしておきたいのです。
#73
○政府委員(田中鎭雄君) 少額契約が完全に消滅する時期という点につきましては、このまま手をつけずにおけばいつになるか、ちょっとはっきりいたしません。特に終身というようなものもあるわけでございまして、私どもといたしましては、いわゆる繰り上げ満期と申しまして、一定の時期にこういった契約が満期になったものとみなして整理するという考え方は持っております。いつこれを実施するかという点につきましては、いろいろ検討中でございまして、特に現在集中満期の時期でございまするので、それとこれが一緒になりますと、かなり事務が煩瑣になりまするので、今の考え方といたしましては、集中満期が一応済んだころにあらためて検討して時期を決定しよう、かように考えております。
#74
○野上元君 現在の契約件数の総数は幾らですか。
#75
○政府委員(田中鎭雄君) 約四千六百万件でございます。
#76
○野上元君 私が心配するのは、この少額契約の残は、いわゆる簡保の事業経営そのものにとっては何らプラスにならない、むしろ私はマイナスになるだろうと思うのですね。したがって、今あなたが考えておられるように、この四百七十二万を、すべて早期にもう満期さして、年数は早くても満期して、とにかくこれを一応消化してしまう、そしてほかのものに繰りかえるということによって口数をうんと減らす、約一割減らすことができるということになれば、従業員のいわゆる雇用関係にも好影響を与えるのじゃないか。しかも契約者にとっては何ら不利益がない、こういうことを考えると、これを漫然と何十年もかかえておくというような経営の仕方は、私は考える必要があるのじゃないかというような気がしたので、ちょっとお伺いしてみたのですが、そういう英断を考えられておりませんか。
#77
○政府委員(田中鎭雄君) 繰り上げ満期につきましては、私どものほうとしてもやりたいということで、今その時期、方法等を検討しておる、こういう段階でございます。
#78
○横川正市君 ちょっと関連して。
 この保険業務の運営の問題で、今の問題とちょっと関連をするので、二、三、関連ですから簡単にお聞きしたいと思うのですが、簡易保険の創設から今日まで、非常に他の国に見られない発展をしてきた段階で、民保と比べてみて、依然として簡易保険の特徴としてこの経営の中で誇れるものというものは一体何と何か、これは事業経営の根幹なんでありますが、どういうふうにお考えになっておりますか。
#79
○政府委員(田中鎭雄君) 現在におきましては、簡保、いわゆる無診査、小口、月掛け、終身、こういったものを簡易保険の特質といっておりますが、それにつきましては、民間保険でも同じものをやっておるわけでございまして、その面では別に大した変わりはないわけでございます。民保に対する簡保の長所と申しまする点をあげてみますると、大きなものといたしましては、倍額支払いの条項がございます。これは特約保険料は不要でありまして、全契約に適用されるわけでございまして、民間のほうでもやっておりますが、民間は特約保険料というものを取っておるわけであります。それから保険料の高齢者免除あるいは廃疾免除、これは民保にはない制度でございます。それから契約者貸付につきましては、かなり、契約者の有利という点を考えまして、貸付利率などは民間よりも低い。それから団体貸付という制度をこちらは持っております。それから保険金受取金の差し押え禁止といったような制度も取り入れておるわけであります。まあ、何と申しましても、本質的には、全国一万五千の郵便局で国民が簡易に利用できる、至るところ全国津々浦々で簡便に利用できるという点に一番大きな本質的のものがあるんじゃないかと思うのであります。さらには、大きなものといたしましては、福祉施設の面でございまして、これは、昨年事業団もできまして、福祉施設の面にはかなり積極的に活動を開始しております。従来からの簡保の特色の一つとしてあげられておるところであります。
 以上が大体簡・民の相違という点でございます。
#80
○横川正市君 今あげられたいろいろな特徴というような点から考えてみて、資料の十一ページに出ておりますように、民保と簡保の伸び率を比較してみると、件数にすると、三十一年が二百九十五万件、三十六年が二百七十九万件、これに対して民保は、三十二年が五百四十七万件、三十六年は七百七十九万件、金額にいたしますと、三十二年が二千六百七十三億を三千二百六十二億と簡保は伸びておりますが、民保の場合には、大体二兆六千六百三十七億円、一兆円が大体二・六倍ですか、というふうにはね上がっているわけですね。もちろん、三十二年のコンスタントとしてそのものがいろいろな要因というものがあって出てきたんだと思うのですが、こういう契約の伸び率からいってみて、一体この特徴というものが十分生かされたと判断されておるかどうかですね、これはどうですか。
#81
○政府委員(田中鎭雄君) この伸び率の点から見まするというと、簡保のほうが伸びが悪いということでございまするので、先ほど申し上げました簡保の特質が十分に認識されたとは申されないと思うのであります。この原因につきましては、先ほど野上先生の御質問にもお答えいたしましたが、こちらは保険金最高制限額というものがある。民間のこの数字は、これは無診査に限定したものではなくて、有診査も全部含めたものでございまするので、保険金額そのものの比較ということは、これは全くたいした意味はないと――この指数の点につきましては、もちろん十分検討しなければならない点でございますが、金額につきましては、まるきり比較の基盤が違っておるわけでございます。それで、いずれにしても、民間のほうの伸びが非常によろしい。これはさらに考えてみますると、民間は、いわゆる外務員を、従来は登録すれば外務員になれるというようなことで、非常にいわゆる人海戦術と申しましてもよいような新契約の獲得をやっておるというような点にも大きな原因があるかと思います。そういった反面、契約の維持という点につきますると、はるかに簡保のほうが実績がよいということが言えるわけでございます。
#82
○横川正市君 もう一問、この問題で聞きたいと思うのでありますが、民保とそれから簡保の一番大きな特徴というのは、簡保の発祥当時堅持しておった、やはり少額、零細、これに対する保険制度の救済ということが、これが三拍手そろって今日までずっと日本の社会情勢とマッチして発展してきたんだと思うのですが、それが、戦後のやはり経済の成長と、それから社会機構の変革、そういったものから、民間保険と簡保とのいわゆる特徴的なものがだんだんその差が縮まってきて、そうして民保は、経営上からはどんな形でも金を集めるための方針を考えるし、それから一方、簡保はその持っておった特徴を幅を広げて民保の分野に食い込んでいくということで、簡保と民保の大体対象としての分野というのが競合してきているのじゃないかと思うのですがね、経営上。実際に経営をやってみて、そういった点をお考えになりませんか。
#83
○政府委員(田中鎭雄君) 戦前は、簡保は独占でありまして、形式的にも簡・民が分野を画しておったわけでございます。さらに、実際的にも簡民の対象とする国民の層というものがかなり違っておったように思えるのであります。戦後は、国民のそういったいわゆる所得の格差と申しまするか、そういうものが逐次減少して簡民の対象というものが戦前に比較して錯綜しておるということは言えると思います。ただ、民保は無診査保険に限定いたしませんで、有診査で五千万円といったような契約もとれるわけでございまして、その辺にまだまだ、全く同一――同一というのは極端でございますが、まだまだ階層の相違というものが考えられる、こういうふうに思います。
#84
○横川正市君 今日の状態でそういうことが判断されれば、これからの将来の見通しとすれば、ますますその点が競合錯綜するというふうに考えませんか。
#85
○政府委員(田中鎭雄君) 錯綜するかどうかの判断は、結局、国民の階層と申しまするか、いわゆる端的に申しますと、貧富の差というものがだんだんなくなったということでございまするが、これが今後どういうふうに進むか、そういう面からとらえれば、対象は次第に接近してくる。簡保のほうでも、無診査の限度は今五十万でございますが、これが百万になるということになりまするとか、同一分野のものがその面だけ増大するというようなことになりまして、傾向としてはだんだんに接近していくということは考えられるわけであります。
#86
○横川正市君 そこで、現時点で、簡保の持っておるいわゆる特徴というか、保険の魅力というか、そういったものはどこに重点を置いてこれから経営をされようとされておるか、これはおそらく検討されておるのじゃないかと思うのですが。
#87
○政府委員(田中鎭雄君) 民間の保険との関係におきましては、少なくとも無診査の分野におきましては、先ほどいろいろ申し上げましたが、まあ大体似たような保険を売り出しておるということでございまして、私ども一のほうといたしましては、いわゆる現在は、これは前からいわれておりました国営であるという国民の信頼感、これが一番大きな要素になっておると思います。これは、何もこちらからそういうことを強調するわけではないのですが、受ける加入者の側にとりましては、郵便局でやっておる、国でやっておる保険であるという点について大きな信頼感があるわけであります。それから先ほどちょっと触れました福祉施設の面につきましては、今後大いに力を注いで参りたいと、かように考えております。そのほか、契約内容は、これはいろいろまだ民間保険で採用しておるものでわれわれとしてはやっておらないものもありますし、そういう民間の長所といったようなものは十分取り入れてやって参りたいとか、かように考えておる次第であります。
#88
○横川正市君 関連ですから、あとでまた私の与えられた時間で質問をやりたいと思いますけれども、今の特徴という問題は、もっと積極的な面が出てきていいのじゃないかというふうに思われるので、再度ひと……。きょうは、私の意見を差しはさむのは差し控えますけれども、考えていただきたいと思います。
#89
○野上元君 先ほど申し上げましたように、あなたのほうの参考資料の十一ページに民保との比較があるのですが、あなたもちょっと口に出しておられたけれども、維持率、これが一番経営から見て大切な問題だと思うのです。それが出ていないのですが、民保との比較という場合に、民保の維持率というものは秘密にされておるのですか。あなたのほうでは調査できないのですか。今なくてもいいのですが、ただその考え方について聞いたわけです。こういうものを資料として出す場合に、最も大切な維持率の比較が抜けておるというのは、あなたのほうの立場からして、非常に損じゃないかという気がするのです。
#90
○政府委員(田中鎭雄君) まことに御指摘のとおりでございまして、維持率は民間のものもわかっております。失効解約率は、民間保険では、保険金について計算いたしますと、三十四年度が一〇・七七%、三十五年度が二・二三%、三十六年度が一〇・八八%、こういうことでございまして、私どものほうでは、これが三・九四、三・五四、二・九三、こういうことになっております。
#91
○野上元君 その点をやはりもう少し宣伝してもらわないと……。簡保というものが民保に比べていかに信頼されておるかという点の最もいい私は説明資料になると思うのですがね。たまたまそれが抜けておったので申し上げただけです。
 質問はまた逆に返りますけれども、三十六年度以降五十万円の最高制限額に引き上げられたので、保険契約数も漸増の姿を見せてきておるということは、三十七年度の先ほどあなたが説明された数字から見ても、一応明らかになっているわけですが、最も新しい資料、あるいはまた、それができなければ、三十六年度末でもいいのですが、とにかく、五十万円の最高制限額ができてからどれぐらいの契約数があるか、その点をちょっとお知らせ願いたいと思います。
#92
○政府委員(田中鎭雄君) 三十七年の四月から五十万になったわけでございまして、三十七年度の新契約の保険金額を階級別に見て参りますると、終身、養老におきまして、五十万の契約は五・九%でございます。それから家族保険におきましては――家族保険だけのその中での比率でございますが、これは一七・五%、こういうことになっております。
#93
○野上元君 その数字は、一口で五十万円の保険金額を契約しておるものであって、たとえば私などは前からやっていますから、最高限度が引き上げられるたびに、郵便局から来て、とにかく満ぱいにしてくれという要望があるのです。それはやっておるわけですが、そういうようなのは含んでないわけですね。
#94
○政府委員(田中鎭雄君) これは一口五十万円でございます。
#95
○野上元君 そうしますと、五十万円に引き上げたあなた方のほうのねらいというものは、おおむね初年度においては満足な状態にあるのですか。それとも、これではあなた方の予想をはるかに下回るというような結果になっておるのか。その点はどうですか。
#96
○政府委員(田中鎭雄君) 大体予想した線に到達しておるわけでございます。
#97
○野上元君 先ほど総契約数は四千六百万件とおっしゃいましたね。これは、内容は非常に複雑だと思いますけれども、一人で何口も持っておる人が、契約しておる人がおると思いますから、したがって、あなた方のほうで計算された概算でけっこうですが、これは何人ぐらいにあたりますか。
#98
○政府委員(田中鎭雄君) 常識的に三千万人、こういうふうに申しております。
#99
○野上元君 三千万人といいますと、ラジオ、テレビのカバレージとは違いますけれども、保険事業から見たカバレージとして、どれぐらいの比率になりますか、三千万人といいますと。
#100
○政府委員(田中鎭雄君) これは、先ほど三千万人と申し上げましたが、はっきりしたところは実はわかっておらないわけでございまして、一応件数で参りますと、簡保のほうは千人当たり四九四、それから民保が三七九、こういう数字になっております。
#101
○野上元君 簡保の事業経営から見て、契約の対象は国民全部ということになるのですか、企業経営から見て。それがわからないと、将来どこまで一体保険事業は伸びていくのか、あるいはまた、どういう目標に向かって計画を立てておるのかということが、ちょっと私にはわからないものだから、その点知らしてもらいたい。
#102
○政府委員(田中鎭雄君) 簡保は国営事業でございまするし、あまねく保険思想を普及するということは、これは事業の創始当初からの使命でございまして、事業の立場からは、全国民にあまねく普及させる、こういう考え方に立っておるのでございます。
#103
○野上元君 そうしますと、今、あなたが言われた千人について四百九十四人が契約しておるということになると、カバレージは、四九・四%ということになるわけですね。そうすると、あとまだ五〇・六%という未開拓地がある、こういうふうに解釈をし、そういう見通しのもとに立って、将来の事業計画をやっていく、こういうふうに理解してよろしいですな。
#104
○政府委員(田中鎭雄君) 考え方としては、先生のおっしゃるとおりでございます。
#105
○野上元君 戦後、いわゆる短期契約が殺到したと思うのです。十年契約といいますか、あるいは十五年くらいの。それが、そろそろ払い戻しの時期が来ておると思うのですが、その払い戻しのピークはいつであって、どれくらいの金額を払い戻すのか、その点おわかりですか。
#106
○政府委員(田中鎭雄君) 三十九年がピークでございます。件数にいたしまして四百六十万件余りです。それから保険金にいたしまして千二百八十億、それから分配金が三百三十億、合計して千六百十億ほどの金が支払われる、こういうことでございます。
#107
○野上元君 その四百六十万件のうち、いわゆる千円以下、少額契約というのはどのくらい含まれているのですか。
#108
○政府委員(田中鎭雄君) 今の数字は、少額契約を除いたものでございます。
#109
○野上元君 そうしますと、三十九年には、払い戻しの一つの大きな波が寄せるわけですが、これについて、もう当然、あなたのほうとしては準備されていると思いますが、その払い戻しを済ましたあと、経営的に見て立ち直りの時期が必要だと思うのです。そういう点はどういうふうにお考えですか。たとえば、これだけの払い戻しを一度にやっても、現在の状況から見てはびくともしないということを考えておられるか、それとも、若干困るというような状態になるのか、その点はどうですか。
#110
○政府委員(田中鎭雄君) この集中満期は、事業にとりましては非常に大きな影響がございまして、まあ、四十年までが集中満期の時期というふうにわれわれは見ておるわけでございます。四十一年度から、積立金の新規の分といったような面でも上昇する。それまでは減少の一途をたどるわけでございます。これに対応する策としては、昨年から、いわゆる集中満期対策ということで、結局、この対策としては、長期の、いわゆる良質の新規契約を獲得する、それから契約の維持をはかるという点が一番大きな点でございます。それから資金の面におきましても、新規の積立金というものは減少するわけですから、量的に運用利益をはかるという面ではマイナスになるわけでして、それを質的な面からカバーしなければならないというような問題もあるわけでございます。そういう点を考えまして、昨年から努力をしておるところでございます。現在、昨年の新規契約の伸び、それから本年度に入ってからの伸び、こういった点を見てみますると、まあ、そうひどいことにはならずにこれを切り抜けられるのではないかというように考えておるわけでございます。
#111
○野上元君 三十八年度の簡保及び郵便年金積立金の運用計画が、同じ参考資料の十六ページに出ておりますが、これを見ますと、合計で千七百四十億円となっております。三十九年度においての、ただいま申し上げました集中払い戻しがあると仮定した場合に、これだけ大きな資金の運用計画というものができますか。
#112
○政府委員(田中鎭雄君) この十六ページ、十七ページには、一応、千七百四十億ということで出ておりますが、このうち、百四十億の契約者貸付を引きますと、千六百億、この中に、問題は、新規にどの程度の積立金が出てくるかという点が問題でございまして、三十八年度の新規編入積立金は、この千七百四十億のうち千百九十五億が新規の積立金でございます。そのほかは、回収金とかいったようなものがありまして、それから前年度からの繰り越しというようなものがありまして、これだけの資金になるわけでございますが、新規の積立金は、千百九十五億、これが三十九年度には、七百四十億程度に減少するというように、われわれとしては考えております。
#113
○野上元君 簡単に、結論的に言ってもらいたいのですが、三十九年度の資金運用計画は、七百四十億程度になる、こういうふうに理解してよろしいですか。
#114
○政府委員(田中鎭雄君) 運用計画全般でいきますと、大体千四百億程度になります。
#115
○野上元君 ことし、三十八年度から見ると、それでも相当減っておるわけですね。三百億ぐらい減っておるわけですが、それはやはり集中払い戻しの影響ですか。
#116
○政府委員(田中鎭雄君) さようでございます。
#117
○横川正市君 関連して一言。
 戦後の短期契約の満期に伴って、保険普及のいろいろな業務に新味を加える必要が出てきていませんか、実際には。たとえば、昭和二十二、三年ごろから五、六年ごろまでの契約が、逐次十年、十五年で満期になるわけですね。当時の貨幣価値と現在の満期金の価値という問題をやると、相当貨幣価値の変動を来たしているわけですが、これは保険の思想そのものは……。無診査であれば、一年、三年ですか、かけると保険金を支払うと、こういう条項ございますか。無診査保険の保険金支払いの権利がつくのは、契約をしてから何年ですか。
#118
○政府委員(田中鎭雄君) 二年経過すれば全額支払うわけでございます。
#119
○横川正市君 その二年たてば権利がつくという特徴が保険にあるわけですね。貯金じゃないですから。しかし、貯金的な要素を多分に持った養老保険ということになりますと、大体保険契約をする人は、生きているうちに金の顔を見たいという人が、短期しかも高額であっても保険金をかけようという、そういう考え方で加入されると思うのです。加入時とそれから満期時の貨幣価値が著しく変動している場合、次の契約に対して、幾らか心理的にも、保険に入ろうという気持が後退するのじゃないかと思いますが、そういう傾向があるのかどうか。あるいはそういったことをおもんぱかって対策を立てているかどうか。この点どうです。
#120
○政府委員(田中鎭雄君) 現在は、新規契約は、ほとんどがこの満期契約の代替募集ということをやっているわけでございまして、私どもが聞いているところでは、貨幣価値が下落してばかばかしいからあと入らないという声は、あまり聞いておりません。むしろ、満期になっておめでたいと申しますか、それから従来あまり考えておらなかった剰余金というものがつくというようなことで、むしろいい感じを持たれているというふうに聞いているのが現状でございます。
#121
○野上元君 この千六百億円の融資計画は、これは簡保当局で作られるのか、資金運用部で作られるのですか。どういうふうにして作るのですか。
#122
○政府委員(田中鎭雄君) これは、簡保当局と、運用部と申しますか、大蔵省の理財局でございますが、そこと打ち合わせの結果、こういう形になるわけでございますが、一応現在の簡保資金は、財投の範囲と全く同じになっているわけでして、大蔵省のほうで、財投計画というものは、これは自動的に組むわけでございます。で、大体どういうところへどの程度の資金を振り向けようということが決定したあと、そのワク内で、郵政と理財局と打ち合わせする、こういうのが現状でございまして、やはり予算と財投との関連が、最近は特に密接になっておりますので、そういうような経緯をたどってきめられる、こういうことになっております。
#123
○野上元君 千六百億円という金額は、これはどこできめるのですか。
#124
○政府委員(田中鎭雄君) これは簡易保険局できめるわけでございます。
#125
○野上元君 そうしますと、この千六百億円ということは、簡保から見て最高限度の運用資金である、したがって、余分のものはなくてここへ全部回されておる、こういうふうに解釈してよろしいのですか。
#126
○政府委員(田中鎭雄君) そのとおりでございます。
#127
○野上元君 この内容を見ますと、簡保で運用できる対象というのは相当たくさんあるわけですね。その中で十幾つかに限られておるわけですが、それはどこできめるのです。
#128
○政府委員(田中鎭雄君) それは郵政省できめるわけであります。
#129
○野上元君 そうしますと、簡保できめた計画は、おおむねそのままのみ込まれる、こういうふうに理解してよろしいのですか。
#130
○政府委員(田中鎭雄君) 大体はそのとおりでございますが、一番問題点は、政府関係機関――たとえば資料の二十二ページの五でございますが、こういうところに対する貸付、これよりも私どものほうは債券の引受を希望するというようなことで、そのワクの中で大蔵といろいろやり合うという点で、まだ若干こちらの主張どおりには参らない点がございます。
#131
○野上元君 そうしますと、この融資計画についても、なお郵政当局としては希望はあるというわけですね。
 次に、簡保の運用利回りの推移についてちょっとお聞きしたいのですが、これは、先ほど鈴木恭一委員からも特に指摘されておりましたが、昭和二十八年以来逐次ふえていっておるわけですね。三十六年には六・二六%まで上がってきた。三十七年度の予定は大体どれくらいですか。
#132
○政府委員(田中鎭雄君) 六・三八でございます。
#133
○野上元君 先ほどの答弁では、この運用利回りを大体七%ぐらいまでに持っていきたい、こういう答弁がありましたが、それはいつごろを目標にして実現される予定ですか。今のままの運用で七%というものは確保できますか。
#134
○政府委員(田中鎭雄君) 現状では、これを七分に上げるというのは容易なことではないのであります。ほとんど何十年といいまするか、六十年になっても、とてもそこまではいかないというのが現状でございます。
#135
○野上元君 そうしますと、先ほど七%まで持っていきたいというのは、単なる希望であって、これは全然望みはないということですか。
#136
○政府委員(田中鎭雄君) 私どものほうは希望を持っておるわけでございまして、まあ今回この電力債に出るということが認められますれば、これは非常に大きな前進でございまして、さらには公益事業社債、あるいは戦前にやっておったような株式というようなことも考えておるわけでございまして、さらには、なかなかむずかしいとは思いますが、余裕金の自主的運用とか、いろいろ問題点がございまして、そういったものが解決できますれば、七分の線に到達することもあながち不可能ではない、こういうふうに考えております。
#137
○野上元君 この説明資料にあります、「電力債にあっては、積立金の総額の百分の五に相当する額」、こういうことになっておりますが、現在の段階、時点において積立金の総額の百分の五ということになりますと、幾らになりますか。
#138
○政府委員(田中鎭雄君) 約五百億でございます。
#139
○野上元君 そうしますと、五百億は電力債を持つことができる、こういうふうに解釈してよろしいですか。
#140
○政府委員(田中鎭雄君) 現在の一兆円に対する百分の五は五百億、五百億は持つことができるわけでございます。
#141
○野上元君 その五百億と、この千六百億の関係はどういうふうになっていますか、それはワク外ですか。
#142
○政府委員(田中鎭雄君) ワク外でございます。千六百億、これは本年度の計画でございまして、すでに計画はきまっておりますし、財投の中には電力債というものは現在ございませんので、完全にワク外でございます。
#143
○野上元君 私の聞きたいのは、かりに三十八年度で許されたとするならば、この千六百億の中に五百億は含まれるのか、それとも五百億というのは全然別個にあなたのほうで資金運用できるのか、こういうことを聞いておるわけです。
#144
○政府委員(田中鎭雄君) 資金の面から、この千六百億にさらにプラスするということができないわけでございまして、現状では、もうすでにこの運用が決定いたしました積立金の融資されるまでに手持ちになっている金がございます。それを短期資金と申しますが、短期資金で運用するということが現在の道ということになっておるわけでございます。
#145
○野上元君 そうしますと、この法案が通ると、電力債に投資することができるわけですね。そうしますと、来年度における財投の計画は、先ほど言われたような千四百数十億、そういうことになっているわけですね。その中には五百億というのは全然含まれておらないで、そういう長期資金ではなくて、短期資金をそちらのほうへ回す、そうしてそれをころがしていく、こういうふうに考えていいですか。
#146
○政府委員(田中鎭雄君) 現在は、やむを得ず短期資金でいく。私どものほうは長期ということがねらいでございまするので、できれば来年度の財投に、たとえ五百億までいかなくとも、百億でも入れたいという気持は十分あるわけでございます。ただ、この点、本年度より来年度のほうが資金が減るということでございますので、非常にやりにくい時期には来ているということは申し上げられるかと思います。
#147
○野上元君 そうしますと、長期資金計画として立案する場合には、千四百何十億ですか、その中にかりに百億を入れるとすれば、電力債券として百億をとられるわけですから、他の計画にも支障が来ることは当然ですね。したがって、他に投資する予定のものを百億だけ減らしていかなければならぬ、こういうことになりますね。その場合に、一番利回りの悪い融資について制限をしていく、こういう結果になりますね、そういうふうに考えてよろしいですか。
#148
○政府委員(田中鎭雄君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
#149
○野上元君 もうあまり時間がありませんので、急ぎますが、この十三ページにありますように、簡保の利回りと同時に、資金運用部の利回りも出ておるのですが、資金運用部というものは、これは明らかに営利事業ではないわけですね。実際に利子をかせいで蓄積していくというような性格のものじゃないわけですね。にもかかわらず、簡保の運用利回りより高いというのは、これはどういう理由なのか。――これはまあ、この次、大蔵大臣でも呼んで聞かなきゃわからぬと思うのですがね。これは若干不合理があるのじゃないかという気がするのですがね。政府の資金でさえ三十六年度には六・四%で回しておるのですから。簡保が六・二六%でなければならぬという理屈にはならぬと思う。少なくとも、この資金運用部資金の利回りぐらいは確保すべきじゃないか、こう考えるのだ、簡保当局としてはどういうふうに考えるのですか。
#150
○政府委員(田中鎭雄君) 資金運用部よりも低いということは、われわれとしては非常に残念なことであります。少なくとも、これを上回るということは当然だと考えます。で、運用部のほうが高いという点でございますが、資金運用部は、前々からの金融債といったような高利のものがかなりありまして、それが利回り向上に役立つ。それから余裕金の運用で利益を得ているという二点が大きな原因と思います。簡保のほうの余裕金はそのまま運用部へ預託されまして、最高六分。どんなにやっても六分以上には利子はつかない。それを向こうが回せば、当然六分以上には回るといったような点も原因になっておるわけでございます。
#151
○野上元君 その問題は、また後ほど質問するとして、あなたのほうの余裕金でも、一年以内のものはそのまま資金運用部へいって、資金運用部で運用される、そういうことになっていますか。
#152
○政府委員(田中鎭雄君) そのとおりでございます。
#153
○野上元君 その額はどれぐらいあって、平均利回りはどれぐらいになりますか。
#154
○政府委員(田中鎭雄君) 三十七年度の余裕金が千三百億です。これがそのまま積立金に翌年編入されるわけでございますから、額としては、同じ千三百億。
#155
○野上元君 それは、千三百億というのは、一年未満のやはり余裕金が千三百億ある、それは大蔵省の資金運用部に預託されまして、それぞれ何カ月ものは幾ら、最高六分までの利率を払ってもらう、ただし、最高の六分というのはあり得ないわけですね。あれはたしか五年か六年のものでしょうね。だから、少なくとも一年以下の利率で運用されているのを、あなたのほうはもらうわけですね。その平均利率はどれぐらいになるのですか。
#156
○政府委員(田中鎭雄君) 平均利回りは五分五厘九毛です。
#157
○野上元君 現在五分五厘九毛で回っているということですか。
#158
○政府委員(田中鎭雄君) はあ。
#159
○野上元君 そうしますと、大蔵省としては、利回りは六分四厘三毛ですからね、六・四%ですから、その差額は、その資金運用部は労せずしてピンはねをしておる、もうかっておると、こういうふうに考えられるのですがね。それはそのとおりなんですね。資金繰りとしてはそういうふうになっておるわけですね。
#160
○政府委員(田中鎭雄君) そのとおりでございます。
#161
○野上元君 そこで私は、簡保の運用利回りについて、運用部資金の利回りと比較してみてもなおかつ低いという点に若干の不合理があるような気がするし、かりにまた、郵便貯金に例をとってみても、あれは六分です。預託利率は六分ですね。六分五厘。貯金の場合は六分五厘。そういうことになると、貯金のほうは大体見合っていきつつあるわけですね。けれども、保険のほうとしてまだ低いというようなことは、若干問題があるような気がするので、その点についてもなお検討の余地があると思いますが、これらについて、あなたのほうで先ほど七分ということを言われたのですが、そういう数字は、あなたのほうの経営上からくるのか、あるいは理論的なものからそういうものができ上がっておるのか、それはどちらですか。
#162
○政府委員(田中鎭雄君) これは経営上のめどでございます。
#163
○野上元君 約束の時間が過ぎたようですから、一応きょうは、この程度にして私の質問終わります。
#164
○鈴木強君 ちょっと次の質問に関連があるので私は資料をひとついただきたいのですけれども、それは、保険の種類が十あるのですが、そのうち全期間払い込みの十年満期養老保険と、十年払い込み十五年満期の養老保険ですね。要するに、これが十五年前ないし十年前に契約したものとして、そのときからの掛金がトータル幾らになるか。それから、保険金と分配金というやつがあるわけですね。その分配金をひっつけて、一体保険料を、払い込んだ保険料がなんぼの利回りになるかというやつを、二つ、具体的に調べて説明していただけませんか。これは、簡易保険の利息が低いと私は思うのですよ。そういう関係で、もう少し有利にしてやるために、どのくらいになっておるか、ひとつ参考にしたいから、その二つを、十年前に申し込んで、おとついならおとつい満期にして取ったという、仮定でいいですから、そういう実例をひとつ出してもらいたい。
 それから、この次に、私は資金運用審議会の委員を、委員長にお願いして呼んでいただこうと思うのですが、田中さんの、さっきの専門委員のことについて、もしそのときになってから問題があるといけませんから、もう一回私は念を押しておきますが、あなたは専門委員についてはこう答弁したのですね。随時審議会で意見を述べることができる、こう言われたのだが、しかし、構成上、法律的には、専門委員の項を見ますと、第十一条の二ですか、「審議会に、専門の事項を調査審議させるため、専門委員若干人を置くこと一ができる。専門委員は、学識経験のある者又は関係行政機関の職員のうちから、内閣総理大臣が任命する。専門委員の任期は、二年とする。ただし、その者に係る専門の事項に関する調査審議を終了したときは、解任されるものとする。専門委員は、非常勤とする。」こういうふうにありまして、この第十一条の二にある「専門の事項を調査審議させるため、専門委員若干人を置く」ということは、田中さんの御発言ですと、専門委員というものは審議会に行って随時意見を述べられるのだというのだが、実際これから見ると、そうではなくして、専門的な事項に対して、審議会が、これは専門委員会でやってもらいたいという、要するに、諮問機関として一つの命題を与えられて、それに対する詳細な報告をするということであって、おそらく、そういう報告をする際に、審議会に行って、私はこういうことに対する審議を命ぜられましたけれども、こういう結果になりましたという報告をするのであって、専門委員は、審議会に対しては何ら権威のないものなんですね。要するに、採決権はもちろんないでしょうし、メンバーでない。だから、ほんとうにアシスタントとしてそういう分野をになってやるにすぎない。だから、随時意見を述べることができるということは、どういう意味に理解したらいいんですか。要するに、常勤的な立場に立って審議会のメンバーと同じように、オブザーバーか何か知りませんが、そういう意味においてやれるのだと理解しておられるのか。それは、あなたの言われたように、各官庁から委員が出ているから、審議会の中で十分審議が果たせるというような意味にあなた言ったと思うんですが、僕は、専門委員はそんなに審議会では権威はないと思うんですよ。その点、私は、審議会の委員に会長かだれか来てもらって、質問したいと思いますが、食い違いがあるといけないから、きょう一回ただしておきたいんですがね。
#165
○政府委員(田中鎭雄君) 資料の点は後ほど提出いたします。
 それから審議会の専門委員の問題でございますが、これはやはり、ただいま先生おっしゃったとおりでございまして、先ほど私、随時意見を述べることができると申しました点は、実際にそうやっておったようですからそう申し上げたのでございまして、やはり審議会が結論を出すといったような場合には専門委員は遠慮してくれというふうになっておるわけでございます。そういった特に制限もつけられない場合には、たとえば財投を組む前にヒヤリングがございますが、要求ごとのいろいろの説明、そういうものを聞くときには、私どもも出ておりまして意見は随時述べることもありましたので、そういうふうに申し上げたのでございまして、法の建前からは、先生のおっしゃるとおりでございます。
#166
○鈴木強君 それはわかりました。
 それからもう一つ、第十一条の二というのは随意規定みたいなものなんですね。「置くことができる」のであって、義務規定じゃないんだ。義務的に置かなきゃならぬというのじゃなくて、そういう専門的な事項に対して必要があったらという意味なんだ。要するに、そういう場合に専門委員を置かなければならないことなんだ。だから私は、従来郵政大臣が副会長として審議会の正式のメンバーとしておったときよりも、郵政当局の意向というものは、審議会の中でフルに発表されるという機会は、僕はずいぶんダウンしたように思うんですよ、実際問題として。そういう専門委員の活用によってどういうふうに生かされてくるのか、これは運用ですから、法律を何もしゃくし定木に解釈するだけじゃないんだから、随時出て意見を聞いてくれるということは私はいいと思うんですよ。より民主的な運営をするという意味から。ですから、第十一条の二からいくと、随意規定で置くことができるんだと、だから置かなくてもいいんだ、逆に言ったら、必要があったら置くんだと、こういうふうにとれるんですね。実際にあれですか、専門委員というのは、二年間の任期はあるんだけれども、一つの諮問が終わったら、あと、二年の任期があっても解任してしまうというんだけれども、常時専門委員というものを審議会の中に置くということでなくして、必要のつど置く格好にもなると思うんですが、今の実際の運用は、常時審議会の専門委員というものが任命されておって、いつどういうような専門的な諮問があっても答えられるようになっておるのか、その点はどうなんですか。
#167
○政府委員(田中鎭雄君) その専門委員には二種類あるわけでございまして、「学識経験のある者又は関係行政機関の職員」ということでございます。私どもは、保険局長なり貯金局長になれば、直ちに専門委員になりまして、やめるまで専門委員になっておるというのが実情でございます。
#168
○鈴木強君 そうすると、しかし、これは総理大臣が任命をするわけですね、その専門委員を。ですから、保険局長とだれかが、組織機構上はそのポストについた者が自然になるかと思うのだが、任命行為者は総理大臣であって、それは、第十一条の二にある審議させるために置くことができるというその条項と、それから第三項の「二年とする。ただその者に係る専門の事項に関する調査、審議を終了したときは、解任されるものとする。」という、こういう点からいうと、何か運用の幅が少し広いように思うのですよ。常時そういうように自動的になるということはけっこうだけれども、その辺のどうも条文の解釈からいうと、少し疑義の点が出てくるのだが、矛盾を感じませんか。任期の点に関連して。
#169
○政府委員(田中鎭雄君) この「専門の事項を調査審議させるため、専門委員若干人を置くことができる。」ということが十一条の二にございます。それから専門委員には、「学識経験のある者又は関係行政機関の職員」ということで、学識経験のある者のうちから何か特別の事項を調査させるといったようなときに任命された専門委員は、それが終われば解任される、こういうことだろうと思います。「関係行政機関の職員」、まあ私どもはこのうちに入るわけでございますが、これは当然になるのだという点はおかしいので、これは内閣総理大臣が任命するわけですが実際において、従来のやり方としては、もうポストにつけば黙っていても専門委員になるというのが実情でございます。
#170
○鈴木強君 実態論はそうでしょうけれども、法理論的には、この条文は私はあいまいだと思いますよ。専門委員は「学識経験のある者又は関係行政機関の職員のうちから」、総理大臣が任命するのだが別の専門委員の学識経験者は随時に任命されて、その者は調査が終わったら任期がきてもこなくてもやめるのだ、行政機関の職員はそうでない、ということは少しおかしくはないか。同じように、学識経験者も行政機関の職員も一律に実施されるべき性質のものだと思う。法理的には少し問題がありますね。ただ、実態としては、私はもっと郵政省が資金運用審議会において強力な発言をすべきだという主張を持っておりますから、運用の面でそうなってくるということはいいと思うが、しかし法的には研究してもらいたいと思う。もう少し明確に、法的に常時置くというように、そうして総理大臣が任命する行為はそれとしても、任期がきてもこなくても、学識経験者の専門委員は終わったらやめてしまうということでなくて、学識経験者として研究をするというように法律的に少し研究をしてもらいたいと思いますが……。
#171
○政府委員(田中鎭雄君) 法律の解釈の面では、確かに先生のおっしゃるとおりだと思います。私どものほうでも今後検討したいと思います。
#172
○委員長(伊藤顕道君) 本案についての質疑は、本日はこの程度にとめておきます。
 これにて散会いたします。
   午後零時四十八分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト