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1962/06/20 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第28号
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1962/06/20 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第28号

#1
第043回国会 逓信委員会 第28号
昭和三十八年六月二十日(木曜日)
   午後一時四十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
 六月二十日
  辞任      補欠選任
   谷村 貞治君  黒川 武雄君
   白木義一郎君  鬼木 勝利君
  ―――――――――――――
  出席者は左の通り。
   委員長     光村 甚助君
   理事
           鈴木 恭一君
           寺尾  豊君
           松平 勇雄君
           野上  元君
   委員
           新谷寅三郎君
           最上 英子君
           久保  等君
           永岡 光治君
           横川 正市君
           須藤 五郎君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 小沢久太郎君
  政府委員
   郵政政務次官  保岡 武久君
   郵政大臣官房長 武田  功君
   電気通信監理官 淺野 賢澄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       倉沢 岩雄君
  説明員
   郵政省大臣官房
   文書課長    吉灘  中君
   日本電信電話公
   社総裁     大橋 八郎君
   日本電信電話公
   社総務理事   平山  温君
   日本電信電話公
   社営業局長   千代  健君
   日本電信電話公
   社計画局長   宮崎 政義君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公衆電気通信法及び有線電気通信法
 の一部を改正する法律案(内閣提出
 内閣提出、衆議院送付)

○参考人の出席要求に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(光村甚助君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 初めに、委員の異動について御報告申し上げます。
 本日、白木義一郎君が委員を辞任せられまして、その補欠に鬼木勝利君が選任せられました。
#3
○委員長(光村甚助君) 公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○新谷寅三郎君 私は、ただいま議題となりました公衆電気通信法、有線電気通信法の一部を改正する法律案について若干郵政大臣にお尋ねをしたいと思います。
 その前に、有線放送が生まれてから相当の年月を経ておるのですが、政府でも国会でも、昭和三十二年に法律を出して、この有線放送に付随して企てられた電話設備というものをある限度において活用させようということになったわけでありますが、今日では、もうすでに電話の個数が全国で二百万にもなっておるという状況でございまして、これを通信政策の上に乗せてどう活用したらいいか、言いかえると、農山村の通信の設備をどういうふうにして将来改善していくかという問題に触れてこの問題を今日解決しようとしておられるものと思われるのであります。その点から言いますと、私は、非常にこれは時宜に適した法律案であると考えるのであります。
 しかし一面、こういった農山村方面の要望、つまり、農山村のほうの経済発展というものと電話の普及というものとが、どうも均衡を得ていなかったというような実情から、今日のような有線放送電話の非常な驚くべき普及を見ておるという事実から考えますと、やはりこの法律案をお出しになると同時に、郵政当局としましては、将来農山村電話というものについてはどういうふうな方針でこれを強化していくか、整備していくか、という方針がないといけないと思うのです。有線放送電話というものを、この形でもって将来とも各農山村に普及させるというのがいいのか、あるいは電話政策として、本来の加入電話というものを、農山村の経済状態に応じたような形、あるいはそういう料金制度というようなもので、これと今後真剣に取り組んでいくということも考えられるのでありますが、その将来の農山村に対する電話政策としては、基本的にはどういうふうな考えを持ってこの法律案をお出しになっておるのか、その点をまず郵政大臣からお聞きしたいと思います。
#5
○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま新谷委員から御質問のありました農山漁村の電話の普及についてでございますけれども、電電公社はいろいろと努力しております。おりますけれども、まだ農山漁村に対しましては、十分という満足の状態ではありません。
 それで、政府といたしましては、電電公社をして、全国あまねく、一日も早くサービスができるよう長期計画を樹立させまして、農山漁村対策としては、地域団体加入電話等を中心として、今後一段と公社の電話の普及整備に努めさせることが一番だと私は思う次第でございます。しかしながら、一方、有線放送電話は、放送と電話の両方ができる特別な施設でございまして、公社の電話の補完的役割を果たすと同時に、公社の電話とは異なる効用を持っております。農山漁村の住民のために非常に役立っておりますので、その設備の改善等につきましては、今後とも十分指導いたしまして、公社電話の普及と相待って、都市・農村間の地域格差を是正するようにしていきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
#6
○新谷寅三郎君 それでは、もっと端的にお聞きしますが、農村のいろいろの振興のために、たとえば農事放送をしたほうがいいとか、あるいはいろいろな公示事項でもあった場合に、放送設備があったほうがいいということはわれわれもちろん了承するのでありますけれども、これは通信政策じゃないですね。今私が申し上げておるのは、もっと端的に言うと、農山漁村等に対する電話政策をどうしたらいいかということをもっと端的に答えていただきたいということを申し上げておるのです。
 で、両方兼ねておるから、これもあわせてやっていくのだと、一方では、地団等の電話施設というものをもっと内容を改善して、それにはうんと電電公社にも力を入れてやらせていくのだという両方の答えがありましたが、私のお聞きしておるのは、電話政策をどうするか、通信政策をどうするかということを聞いておるのです。現在の地団のことをおっしゃったが、現在の制度がそれほど農山漁村に受け入れられて喜ばれるようなものであれば、もっともっとそれが伸びるはずだと思うのです。それが今日、そのようには農山漁村のほうでは普及発達をしないということは、しかも一方で、比較的料金の安い有線放送電話というようなものが農山漁村のほうにどんどん普及していくというようなことは、やはり何といっても経済負担というような問題が中心になっているかと私は思うのでありますが、そうなると、現在の地団等に対する制度も、相当内容の改善をはかっていかなければ、それは普及をしないということはほとんど自明の理でないかと私は思うのです。そういう見地から、郵政大臣は、現在の地団のような、おそらくそういう制度になると思いますけれども、農村向き、あるいは漁村向きのそういう電話というものについて、どういうふうな考え方で改善をしていくかということを、この法律案を出すと同時に、これはお考えになった筋合いのものだと思いますから私聞いているのです。もう一ぺん御答弁願います。
#7
○国務大臣(小沢久太郎君) 地団の電話につきましては、さらに安く、同時にあまねくたくさんつけられるよう公社をして努力をさせたい、そういうふうに考えておりまして、少し低規格になるかと思いますが、それでも私は普及さしたほうがいいと、そういうふうに考えております。
#8
○新谷寅三郎君 今、郵政大臣が簡単に答えられましたが、電電公社の総裁は、この問題についてどういうふうな考え方を持っておられますか、お答え願いたいと思います。
#9
○説明員(大橋八郎君) 大体ただいま郵政大臣のお話のとおりの考え方でありますが、従来の地団制度そのものは、必ずしも私どもは現在の制度そのものはこのままでいいとは考えておりません。今後これを普及させるためには、できるだけ建設資金も、あるいは維持費その他の点につきましても、考慮を加えなければなりません。安くこれができるように考えていかなければならぬと思います。
 なお、同時に、御承知の、一般普通電話も、共同設置等の配慮をする等の考慮も加えまして、今できるだけ電話としての効用を農山村地方にも…。いわゆる現在の有線放送は、御承知のとおり、主たる本来の目的は有線放送を主としてこれはやってきたのであります。たまたまその設備に、ある種の多少の設備を加えますと、電話にも使えるという性質のものでありますが、本来から申しましても、これは電話そのものとしては、まことに不完全、と申しちや少し言い過ぎかもしれませんが、電話本来の目的から言えば不十分な点はあると思います。したがいまして、今後本来の電話の効用を発揮させるためには、本来の電話をもう少し普及させるのが本来の趣旨であると考えますので、今後その点において大いに努力いたしたいと思います。
#10
○新谷寅三郎君 郵政大臣に伺いたいのですが、そういうふうな、今郵政大臣の述べられたような考え方、それから電電公社の総裁が述べられたような考え方を総合して参りますと、さっき私がちょっと申しましたように、現在の地団の制度このままでは、なかなか農山村には普及していかないので、だから、もう少し低規格であってもいいから、農山村漁村にも受け入れられるような、低廉な料金で利用できるような電話の制度――というと少し強過ぎるかもしれませんが、そういうふうな電話の施設を考えて、それを中心にして、農山村にも電話の普及するような考え方を主にしていこう、それに加えて、現在あるような共同加入とか、あるいは農山村の公衆電話の普及とか、そういったものを併用して、なるべく早く農山漁村にも電話を普及するようにしよう、こういうことになると思うのでありますが、それで郵政大臣何か御意見ありますか。それでよろしいですね。
#11
○国務大臣(小沢久太郎君) 電話の農山村に対する考え方といたしましては、私は今先生のおっしゃったとおりと考えております。
#12
○新谷寅三郎君 そういうふうな基本的な将来に対する方針を持っておられる前提において、私は次の質問をするわけなんですが、そういうふうなことになると、やはり今までは大都市や中都市等に相当優先的に電話の施設が拡充されて参りましたが、今後は、農山漁村に対しても経費をかけて電話を普及することに郵政省も電電公社もお努めになると思いますが、その際に、私はまだ速記録等を読んでおりませんので、具体的に正確なことは知らないのですが、この間衆議院においての本法律案の審議にあたりまして、いろいろ質疑応答があったようですが、郵政大臣は、電話に対して、何か――有線放送ですか、有線放送電話ですか、よくわからないのですが、郵政省としては将来とも助成の方法を考えていく用意があるのだという意味のことを言われたと聞いておりますが、それはどういうことですか。
#13
○国務大臣(小沢久太郎君) 有線放送は有線放送として一つの使命があるわけでございまして、有線放送に対する助成、特に接続のための改修費の助成につきましては、全国の農山漁村からの強い要望もありますので、われわれといたしましては、助成について検討しているところでございます。
#14
○新谷寅三郎君 そうしますと、郵政大臣は、通信施設を拡充をしたり、あるいは電話施設をつけようという場合に、郵政大臣として、郵政省として、助成策をとったほうがいいという考えをお持ちになっておるのですか。
#15
○国務大臣(小沢久太郎君) そういう点につきまして検討しておる最中でございます。
#16
○新谷寅三郎君 検討しておるといわれますが、それは、そういう助成措置を講ずることを積極的に検討しておるという意味なんですか。どういう考え方で、何を対象にして助成をしようというのですか。それは、もっと極端に言えば、負担力がないから助成をしようということなんですか。助成でもしないと早く電話がつかないから助成をしてやろうという趣旨なんですか。どういうことなんですか。助成の趣旨はどこにあるのですか。
#17
○国務大臣(小沢久太郎君) 僻村なんかに対しましては、非常におくれているところがございます。そういうところに対しましては、有線放送電話等に対しまして非常な要望もございますし、それから都市と農村との格差を是正するという意味からも、助成に対して検討しているというわけでございます。
#18
○新谷寅三郎君 そういう考え方をさらにもう一歩進めますと、私は、これは通信政策の上からいいますと、郵政省としてはたいへんなところに踏み込むだろうと思うのです。一般的に、農山漁村は負担力がない。したがって、いろいろな点で国の全体の援助をして、都市との格差を是正するように努めなければならないということはわかります。わかりますが、通信政策の上で、ことに電話政策の上でそれをやろうということになりますと、一体そうすると、東京に例をとってごらんになっても、中小企業者なんかたくさんおるのです。やはり十数万円の加入者負担金を出したりしなければならないわけですから、ほしくても電話が取れないという家がたくさんあるのです。そういったものに対しても、やはり助成の措置をおとりになりますか。同じように検討されますか。だから、私は、そういう点については、これは検討するとおっしゃるから、まだあなたは腹をきめておられないと思いますけれども、通信政策の上からいって、助成をして、そうして電話を取らせるんだということを建前にされることは、これは私は非常にむずかしい問題が将来残ってくると思うのですが、大臣いかがですか。
#19
○国務大臣(小沢久太郎君) 電話につきましては、長期的計画も立てております。先生たちの御努力によりまして、財投も投入する等々いたしまして、五カ年計画、十カ年計画を早く完成さしたい。そういうように考えておる次第でございます。
#20
○新谷寅三郎君 私はそれを聞いているんじゃないのです。それは、郵政大臣の非常なお骨折りで、資金ももっと投入して、全国的に早く電話が普及して、世界で二十番目というところから、少なくとも十番目以内に早く入りたいものだということは、みんな念願しておるのですが、今お聞きしているのは、そういうことじゃない。電話をつけるについて非常に負担力がないから、何か政策が一般会計の金か何かで助成をしていくということを通信政策の主管庁である郵政省がお考えになるということは、どういう考え方から、基本的な方針から出発しておるのか。そういうことをおやりになると、農山漁村は非常に負担力がないから云々ということであれば、これは、別に農山漁村の経済振興を考えるようなところがあるはずです。そういうところは別です。たとえば農林省が多年にわたって農山漁村の振興のためにいろいろの補助をしたり、助成をしたりされたというようなことは、これは農山漁村そのものに負担力がない、・早く格差を是正しようというようなことでおやりになったことで、われわれもそう考えるのです。しかし、通信政策の上に乗せて郵政省が電話をつけるべく助成するんだという建前をおとりになれば、これは農山漁村だけではありません。その点は考えて検討をするといっておられるのですか、ということを伺っているのです。
#21
○国務大臣(小沢久太郎君) 私の申し上げましたのは、農山漁村の有線放送に対しましていろいろ要望がございます。それから、先ほど申し上げましたように、都市と農村との格差の是正ということもございますので、いろいろと検討している最中でございます。
#22
○新谷寅三郎君 先ほどの御答弁から少しも出ないのですけれども、都市と農村との所得の格差とか、いろいろありますけれども、これはしかし、郵政大臣のお考えになることじないでしょう。私は、郵政大臣としては、あなたは通信政策以外には責任はないと思うのです。そのほかの一般のいろいろのことを考えてそういう通信政策をお立てになるのはもちろんであります。経済成長に見合った通信政策というものを立てなければならぬ。しかし、郵政省がもしかりに助成金とか補助金とかお出しになるとすれば、それはどういう意味の補助金ですか。どういう意味の助成金ですか。今検討しておられる助成金なり補助金というのは、どういう目的で、どういう意味の補助金、助成金をお出しになるということを考えておられるのですか、それを聞いているのです。
#23
○国務大臣(小沢久太郎君) 特に接続のための改修費の助成というふうになるのじゃないかと思います。その点につきましても、よく検討している最中であります。
#24
○新谷寅三郎君 たとえば、改修のためとか、あるいは電話機をもっといいものにするためとか、やはりこれは一つの通信の機器ですね。そういったものをよくするために補助金を出すのだ、助成金を出すのだということになりますと、現在いろいろ制度がありますけれども、たとえばPBXとか、地団の電話とか、いろいろ似通ったものがあります。そういうものに対しましても――先ほど申し上げたような、中小企業でどうしても電話がほしいのです。これがないと商売にならない。しかし、負担力がないから電話がつけられないというようなものにも同様に助成をお考えになるのですか。
#25
○国務大臣(小沢久太郎君) 電話に対しましては、中小企業、あるいはたとえば農村のそういう一般公衆電話、あるいはPBX等に対してわれわれは補助を与えるところまでいっておりません。
#26
○新谷寅三郎君 電話に対しては、補助を与える考えはないというような意味のことをおっしゃったのですが、有線放送については、これは今度は新しい制度ができるわけですね。有線放送の接続電話というものができるわけでしょう。これは、今までの観念でいう一般加入電話とは違うわけです。今度は、新しい観念で、やはり通信施策の一つとして、一つの新しい制度のもとにおける通信設備なんです。一方では放送します。一方では通信設備なんです。電話なんです。今までの加入電話とは違う。そういう電話施設なんです。私はそう考えております。ところが有線放送だからこれは電話ではない、有線電話だから公衆電気通信法や有線電気通信法にいう電話じゃないんだ、通信設備じゃないんだというような考え方をもとにして答弁しておられると、これは、今の法律の建前からいってもおかしいと思うです。
 ですから、検討するんなら検討して下さい。して下さい。ですが、私はあなたに強く言っておきますが、通信施設として、郵政省が助成とか補助とかいうことを考えるということになると、これは私は、他に非常に波及するだろう。だから、これは他の方面で、農山漁村の経済を豊かにしてやろうとか、格差を是正してやろうとかいう、そういう方面の助成補助というものなら、別な問題です。これは全然別な問題です。しかし、通信施設に対する、特に電話をつけるから、電話をつけたいから補助をする、助成をするんだという考え方は、将来大きな禍根を残すと思いますので、これはよほどあなたが慎重に考えて、将来の通信政策を誤らないようにされないといけない。心から私はそう思っております。通信政策の上からいってそう思うんです。この点については、あなたも、今私の言ったことがよくおわかりになっていただければ、それ対して、十分考えて善処をされる必要があると思うんです。郵政大臣、どうですか。
#27
○国務大臣(小沢久太郎君) 先ほども申し上げましたように、有線放送電話に対しましては、地方から要望が非常に多いので、われわれのほうは助成を検討しているわけでございますけれども、たとえば、ただいま新谷委員からいろいろ言われました、私のほうはそういう点を参照いたしまして、慎重に検討していきたいと思います。
#28
○新谷寅三郎君 参照と言われますけれども、私はいまだかつてそういった政策をおとりになった大臣を知らないんです。だから、私は、通信政策としては、将来にそういう禍根を残さないような政策をぜひおとりになる必要があると思うので、検討されるというなら、検討の結果を見ていましょう。しかし、この問題は、私は通信政策の上からいって、あなたがよほど慎重に、そして将来誤らないように、相当確固たる信念で処理をされないと、ただ要望があるから、あるいは格差の是正というような、そういうふうな事柄だけで、郵政省自身が通信政策としてそういう方向に踏み込んでいかれると、非常に他に波及して、通信政策が混乱するだろうということを考えるので、この際は、あなたに強くこの点警告をしておくにとどめておきます。
#29
○鈴木恭一君 今新谷委員から、通信政策を基本とした補助金の問題が論議されておりますが、郵政大臣の補助金というものは、現在試験放送をやっておられるための補助金とはまるで性格の変わったものをお考えになっておるんですか。
#30
○国務大臣(小沢久太郎君) 試験放送は、それまでいろいろやりまして、それに対する。補助はやってあるわけでございますが、今後試験放送というものはなくなりますので、それに対する補助はございません。それで、まあ先ほど申し上げましたように、その内容につきましては、ただいま成案があるわけではございませんで、検討している最中であります。
#31
○鈴木恭一君 私は、通信政策の上からいけば、まさに新谷委員の説が正しいと私は思います。今後も、この問題に対しましては、あるいは自治省、農林省等の方面からの問題も私はあると思うのです。そういうふうな際に、ぜひ相互の協調を保ちつつ、通信政策の上から支障のない範囲において施策を行なっていくというのが、通信主管庁としての私は役目のように考えて、それでよろしいのじゃないかと思うのですが、いかがでございましょう。
#32
○国務大臣(小沢久太郎君) 通信政策の主管省といたしまして郵政省が当たるわけでございますけれども、自治省あるいは農林省と打ち合わせをいたしまして、そしてやっていきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
#33
○鈴木恭一君 ぜひそういう面で、通信主管庁としてのオーソリティを持たれることがまず第一ですよ。私も、新谷委員の言われるように、この点に対しては慎重な御検討をお願いしたいと思っております。よろしゅうございます。
#34
○新谷寅三郎君 それでは、今の問題は、郵政大臣の言われたように、慎重に検討する――今われわれの申したこと、私の申したこと、鈴木委員からも申されたことは、郵政大臣もよくおわかりになったと思いますから、次の問題に移ります。
 やはり同様のことでございますが、私たちの手元にも、従来からいわゆる有線放送に対する許可の基準、これの条件をいろいろ緩和してほしいという要望がたくさん出ております。この間、やはり衆議院の審議段階において、この許可基準の緩和の問題がいろいろ議論されたそうですが、そのときに郵政大臣は、許可基準を緩和することについて、やはり考えるとか、検討するとかということを言われたそうでありますが、これはどういう趣旨のことを言われたのですか。
#35
○国務大臣(小沢久太郎君) 現行の基準は、三十三年度に改定したものでございますけれども、同一の基準を、山間僻地と都市周辺に画一的に適用しておるというようなわけ合いでございまして、実情に即するようにこれを規定するといいますか、検討するという必要が私はあるのじゃないかという点で申し上げた次第でございます。
#36
○新谷寅三郎君 有線放送の許可の基準のある部分は法律に明瞭に書いてあります。である部分は法律に書いてなくて、省令以下で郵政大臣がこれをきめておられる。郵政大臣の言っておられる許可の基準の緩和というのは、法律に書いてあることも場合によっては変えようというのですか。
#37
○国務大臣(小沢久太郎君) 法律に書いてあるものではございません。省令に定めてあるもの……。達に書いてあることでございます。
#38
○新谷寅三郎君 まあ、これはいろいろ問題がありますので、長くなるから簡単にいたしますが、われわれの手元には、たとえば法律に「同一市町村」という言葉が使ってある、同一市町村で一は、つまり隣の村に警察があったり、あるいは学校があったり、公共施設があった場合に、それに連絡するのに非常に困る何とかそれを緩和してくれないかというような要望もたくさん来ております。そのほかには、許可のいわゆる千分の十七というものですね。加入電話の普及率の問題ですが、この緩和もしてくれということが出ている。で、今、同一市町村という原則は法律に書いてあるから、これは固守するのだというようなお考えのようですが、そうなると、勢い一番問題になるのは千分の十七という問題だと私は思いますけれども、郵政大臣のお答えになった許可基準の問題は千分の十七のことですか。
#39
○国務大臣(小沢久太郎君) 私の申し上げましたのは千分の十七の意味でございます。
#40
○新谷寅三郎君 千分の十七という数字が、許可の基準が、ですね。これは、その当時おそらく郵政省、電電公社等が協議の結果、一つの客観的な標準としてきめられたものだと私は思っております。まあそこに非常に、だれが見ても、いつでもこうなければならないというような永久不変の非常な原理から生まれたものであるかというと、私はそうじゃないと思います。しかし、この千分の十七というものの基準に従って、全国の今日では二千五百という有放の施設ができておるのですね。これを緩和する、将来もその緩和した基準に従ってやっていくということになりますと、私はむしろ、かえってその結果は、通信に関する社会の秩序を混乱させるもとになるんじゃないかということを心配するわけなんです。先ほどあなたの言われた、農山、漁村に対する低規格の電話、さらに簡易化した低廉な、国民に受け入れやすいような電話を制度として作って、それをどんどん普及していくのに相当の経費をかけ、年次計画も立てさしてやっていくんだということと、そのこととこれとはどういう関係になるのか、これも私は政策としては考えていかなければならない問題だと思うのです。で、私は、もとより今日まで毎日々々、町村も発展しつつあるのですから、電話の加入者の数も漸次ふえてきておると思います。そういう意味で、すでに許可された有放が、その経済発展によっての千分の十七というものさしに照らしてみると、あるいはその限度をこえてしまったようなものになっているかもしれません。ことに、町村合併等によって有放が一緒になるとかいうようなことになってくると、さらにそういったケースが多く考えられる。で、すでにもう許可をしたのですから、そういったものについてまで、どこまでも千分の十七を固執しなければならないという、そういう厳格な意味の私は基準をこしらえる必要はないのじゃないか、むしろ、これを活用していったほうがいいというふうに考えます。しかし現在、この二千五百の有放、それから今後新しく申請せられるであろう有放に対しては、別にあなたが言われたように、全般的に、一律に許可基準を変えていこうということになりますと、かえって私は非常な混乱を招くと思うのですが、その点は郵政大臣は十分お考えの上で、検討しようと言っておられるのですか。どういうような考えなんです。
#41
○国務大臣(小沢久太郎君) 先ほどの共同設置等につきまして、これまでありました電話がふえまして、千分の十七をこしたという個所、そういう点は、これは問題ございませんけれども、その他の点につきましても、われわれは混乱を来たさせるようなことは考えてございません。秩序ある発展をはかっておるわけでございますが、それにいたしましても、いろいろと要望がありますので、検討している最中でございます。
#42
○新谷寅三郎君 共同設置とか、あるいは合併とかということのために、千分の十七というものさしをこえるようになったものは問題はないとおっしゃるが、問題はないことはないんです。今でも、法律、省令からいうと、それが問題なんです。問題でありますから、そういう点は緩和して、現在どおりに活用させたらどうかというのが私の意見なんです。問題がないのじゃないんです。省令にそういうふうな緩和規定を置かないと、あなた方それを黙って見ているわけにはいきますまい。私は、そういった点は、これは実情に即して基準の緩和をはかられるのが適当であろうと言っているのです。
 しかし、私のお尋ねしているのは、もっと一般的に、昭和何年か以来数年間にわたって行なわれてきた許可基準というものをもっと緩和していこうということは、有線放送電話というものを中心にして、農山漁村の電話というものは、もっともっとこれを中心として普及していくのだというあなたの政策になるということになるので、さっき申し上げたように、初めにあなたがお話しになった農山漁村に対する電話政策というものは、これはどういうような関係になるのか。それはね、放送というものを考えると、有線放送設備というものは、これは必要なところが出てくるでしょう。それに対する電話も一緒にということになれば、ある程度これを許していかなければなりますまい。しかし、本来の、日本国中どこにでも通ずるような電話ということになれば、やはり規格も考えなければならないし、経営の仕方も考えなければならないということになるわけです。だから、私はどこまでも通信政策の上でそういう議論をしているわけです。そういう見地からみて、政策的に、今おっしゃったことはどういう意味を持っているのかということを伺っておるわけです。
#43
○国務大臣(小沢久太郎君) 先ほど私の問題がないと言ったことは、少し誤解を招かれたようでございますが、そういう点は、やはり千分の十七をこしましても、やはりあれするのがいいのではないかというふうに考えております。
 それから電話の関係でございますけれども、電話は、いわゆる電電公社が中心になりまして、農山漁村にまで発達させたいということは、これはわれわれの政策として、まず第一に考えなければならないわけでございますけれども、有線放送電話も、これはまた独自のものでございます。その発達も、やはり私は、農山漁村の地域格差のためには、これはある程度必要だと思う次第でございます。現行の規格は三十三年に改定しているのでございますけれども、その後いろいろと問題がありますので、実情に合うように検討しようということでございます。
#44
○新谷寅三郎君 非常にあいまいな御答弁なんですが、千分の十七というものが実情に合わない――実情に合うようにというのは、どういうふうにすれば実情に合うのですか。実情に合うようにするには、どの点をどうしようというのですか。
#45
○国務大臣(小沢久太郎君) 具体案になりますので、政府委員からひとつ……
#46
○政府委員(淺野賢澄君) 事務的な点で御答弁さしていただきます。
 先ほど来大臣から申し上げましたように、当初これは千分の十五で三十二年に出発いたしまして、翌年に千分の十七に変えております。ただ、十五がいいか、十七がいいか、また、どういう理由で十七になったか、いろいろ考え方もございますが、一応、当時の郡部におきます電話の、公社の加入電話の普及率を建前として、この数字が出たようであります。こういった点を見て参りますると、ただいま先生おっしゃいましたように、確かに有放の免許がありましてから、何年かたっておりますと、当時におきましては千分の十七以下というところが、小さな工場が一つできた、いろいろのことによりまして十七をオーバーして参っているところが多々ございます。それが町村合併によりまして統合をいたしましたり、今回の御提案いたしております法律改正によりまして、共同設置、こういった場合に相なりますと、十七をオーバーして参っておりますと、これは、従来の考えで参りますと、免許はできないわけでございます。こういった一つの不合理な点、それから数字をもちまして見て参ります点につきましても検討してみなければならない。また、現在の業務区域の基準につきましても、農村の中心部、小さな農村でありますと、谷あい等にいきますと、ほんとうにこれはもうへんぴなところでありましても、千分の十七はこえてしまっておる。それから大きな町のまわりでありますと、そういったところが、もっと電話の多いところでも案外業務区域に入ってしまったり、そういった点で都市近郊と僻遠の地とにおきましても相当不均衡が出て参っております。したがいまして、撤廃するとか、大幅に緩和するとか、そういった問題ではなくして、合理的に改正する、こういったことがやっぱり必要ではないか、かような意味におきまして大臣が申し上げておりましたわけでございます。
#47
○新谷寅三郎君 浅野君の言われたのは、そういたしますと、基本的な基準は変えるつもりはない、しかし、そういうふうにいろいろ町村が発達をしてきて、この初めにきめた基準ではまかない得なくなるような部分もできてきておる、また同時に、同じ有放の業務区域にしても、例外的に、何か公の機関ですか、法的な機関との接続も考えさしたほうがより効率的だというような、例外的な面において考える、というようなことを今言われたように思うんですが、千分の十七というものを基本的に動かすということじゃないのですね。浅野君、もう一ぺん……。
#48
○政府委員(淺野賢澄君) 先ほど申し上げましたのには、撤廃するとか、大幅に緩和するとか、こういったことは考えておりませんが、ある程度は実情に合うようにすることも検討してみなければならない、そういうような意味で、合理的の中にはそういう意味を含んで申し上げた次第であります。
#49
○新谷寅三郎君 そういう御答弁をなさるんなら資料を要求します。現在の千分の十七というものが合理的でないという根拠を出して下さい、数字で。この次まで出して下さい。要求しておきます。委員長、そう取り計らい願います。現在の千分の十七が合理的でない、だから合理的にするんだということですから、合理的でないという証拠になる、材料になる数字を御提出願いたい。それによってさらに私は質問いたします。
#50
○委員長(光村甚助君) 郵政省、いいですか、資料を出して下さい。
#51
○政府委員(淺野賢澄君) できる限り資料を整えたいと思います。
#52
○新谷寅三郎君 それではその問題は留保いたしておきます。
 それから次には、この法律の運用に関する問題について二、三お尋ねをしたいと思います。
#53
○委員長(光村甚助君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#54
○委員長(光村甚助君) 速記を始めて下さい。
#55
○新谷寅三郎君 まず最初に伺いたいと思いますことは、有線放送電話の設備に関する管理責任といいますか、この維持管理をする責任の所在でありますが、これはいろいろなケースがあると思いますけれども、法律に書いてある事項以外のことは、これは有線放送の業者といいますか、この業務を行一なっておる者と電電公社との契約約款でこれはきめられるというふうに考えられるのですが、この契約約款について、郵政省としては、少なくともこういうことは契約約款に入れなければならない、こういうことはぜひ両方で契約をしておいてもらいたいというようなことが相当あるのじゃないかと思います。どういうところをお考えになっておりますか。契約約款の問題。
#56
○政府委員(淺野賢澄君) この法律施行の段階になりますと、省令、それから認可の問題等出て参るわけであります。その段階におきまして、省令の内容、それから技術基準等の認可、こういったものの内容を織り込みまして契約約款を作るようにすることを考えております。
#57
○新谷寅三郎君 非常に抽象的でありますが、それはその次でもいいですから、契約約款の中には、電電公社としては契約履行者ですからね、いろいろの契約の内容を考えておられるでしょう、通信政策をあずかっておられるあなた方としては。まあ、いろいろ通信政策の上から見ると私の疑問とするようなお考えをお持ちのようですが、通信約款の中にどういつだことを入れさせるという考えが、監督官庁としてですね、その具体的な内容を、簡単なものでいいです、この次までに資料としてお出しをいただきたい。
#58
○政府委員(淺野賢澄君) 次回までに準備して参ります。
#59
○新谷寅三郎君 それから、接続契約を有放のほうから申し込んできた場合
 には、予算の範囲内においてできるだけ公社はそれに応じて接続契約をしなければならぬという条文があるわけですが、ただこれは、単にこの条文だけでは実効があがらないので、電電公社はもちろん、郵政省においても、こういう法律を出す以上は、なるべく早く希望のあったものについては接続をするような措置をとらなければならぬと私は思うのです。それにはもちろん予算が必要です。で、これに対しては、将来にわたってある程度の年次計画も必要だと思います。具体的に言いますと、ことしの予算は、この有放のための予算というものは特別に計上されてない。しかし、これは電電公社の予算の中で、他の予算を流用してでもやろうということでしょうが、大体ことしは予算的にはどうされるのか。それから来年度以降何年間くらいを目標にしてこの接続契約を締結していこうとするのか。希望があれば、全国二千五百の設備と接続契約をしていくということは、なかなか経費もかかるし、たいへんなこれは工事になると思いますが、しかし制度を樹立した以上は、なるべく早くこれを接続させて治用をさせるようにはからわなければならぬと思うのです。この年次計画とか予算的措置というものについて、郵政省及び電電公社はどういう考え方を持っておられるか。
#60
○政府委舞(淺野賢澄君) 計画につきましては公社から御説明申し上げることになると存じますが、方針がきまりましたならば、できるだけすみやかに、たとえば三年とか、そういった目標計画を立てましてやって参りたい、かような観点におきまして、電電公社におきましてもその計画を立てておる次第でございます。
#61
○説明員(平山温君) 電電公社からお答を申し上げます。
 できるだけ早く御要望に応ずるつもりでおりますが、今監理官が申されましたように、まあ三年……、現在二千六百ばかりある有放施設がどの程度申し込みになるか、その辺がまだはっきりいたしておりませんが、できるだけ早くやる、そしてできれば三年くらいに完了したいと、かように考えておりますが、もしこの二千六百の方が全部お申し込みになりますと、かなりの量になりますので、あるいは少し、三年より延びるかもしれませんが、そのときにおきましても五年をこえることはないように、できるだけ三年を目標にして、おそくとも五年というような考え方で実施して参りたいと、かように思います。
#62
○新谷寅三郎君 お答えにならなかったのですが、法律がかりに年末なら年末に施行されるものとして、本年度の接続の申し込みに対する予算の裏づけはどういうようにされるのですか。
#63
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。
 この法律に基づく有線放送接続電話契約を結ぶための必要な予算というものは、今年度は、先ほど先生がお話しになりましたように、成立いたしておりませんけれども、農村関係の電話の普及のために成立している予算がございますので、その範囲内におきまして、本年度におきましてもできるだけ予算の差し繰りのつく限りにおきまして御要望に応じて参りたいと、かように思っておる次第でございます。
#64
○新谷寅三郎君 それから、二千五、六百の施設がかりに接続の契約を申し込みをされた場合に、その設備を完了するまでにどのくらいの経費がかかりますか。概算でもけっこうですが何十億あるいは何百億という数字でもいいですが、概算わかりませんか。
#65
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。
 具体的には各施設の状況を見なければわかりませんが、概算でもいいからというお話でございますので、概算を申し上げますと、二千六百施設のうち、かりに第二種を希望されるものが六百、第一種を希望されるものが二千かように考えました場合には、これに必要な、電電公社としての接続契約を結ぶに必要な工事費といたしまして、約七十億見当と考えております。
#66
○新谷寅三郎君 これは、七十億という数字は、二百万個の加入電話がふえたとして、もちろんこれは通話の区域に制限はありますけれども、市外線の増強ですね、そういったものをすべて含めて七十億くらいで済むというお話ですか。
#67
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。
 先生御承知のように、一種につきましては、その局までの通話の契約でございますから、これについては市外線の経費は全然見ておりません。それから、先ほども申しました六百の二種のものにつきましては、若干市外線の増強に必要な経費もこの中に見ておりますけれども、これに必要な経費がどの程度要るかということにつきましては、具体的に接続してみませんと、はっきりしたことはわからないわけでございますが、一応六百の第二種の分につきましては、市外線に必要な経費の一部も先ほど申しました七十億の中には見込んでおります。
#68
○新谷寅三郎君 その程度で今はしょうがないと思いますが、そこで、郵政大臣、結局、この法律を施行されることになったために、これは私もさっき申し上げましたように、けっこうなことだ、必要なことだと思いますが、当然考えなければならぬと思いますのは、資金関係なんですね。これは、ことしの予算関係では、おそらく農山村に対する電話のいろいろな施設がありますけれども、その施設費の大部分を流用してでも、ことしはやっていこうということになると思うのですが、この法律を施行してどうかということになると、非常に長い間、申し込んでも五年も六年も接続できないということじゃ意味をなさないと思うのですね。少なくとも、どんなに長くても、私は三年ぐらいの間には申し込みをやったものは処理してもらいたいと思うのです。そういう点からいうと、何十億か、毎年やはり資金計画の上で考えていかなければならぬと思います。電電公社は大きな工事費を持っておりますから、一年に十五億や三十億は何でもないように考えられますけれども、私は、それは内容を見ると、そうじゃないと思いますね。やはり建設計画、建設の資金というものについては、この法律を補完して、これをできるだけ短期間に完全に実効をあげようということになると、資金をあてがっていかなければできないわけです。これはやっぱり郵政大臣の責任だと思いますが、だから郵政大臣としては、これに見合ような資金については、これはもちろん来年度以降の予算になりますが、あるいは場合によって、ことしの次の国会あたりで補正予算でも出るということになれば、それも一つの私はチャンスだと思いますけれども、とにかく資金については積極的に郵政大臣が骨を折らなければならぬ筋合いであると思うのです。どうですか、これ、ひとつあなたが大いに政治力を発揮して、このくらいの資金は取ってこられる自信がありますか。
#69
○国務大臣(小沢久太郎君) これは、公社の資金計画の関係になるわけでございますけれども、私といたしましては、十分事情を確かめて万全の策をとりたい、そういうふうに考えております。
#70
○新谷寅三郎君 いや、それはわかっているのです。おやりになるのはわかっているのですが、つまり、これは法律を施行するために、五カ年計画を作ったときには考えなかった分なんです。第三次五カ年計画では、かりに七十億あるいは八十億にしろ、これはその当時の考えられてなかった経費なんです。ですから、これはどこかで取ってやらないと、ほかのほうに穴があくということになるわけですね。その意味で、これは私は五カ年計画を根本的に改訂をしなさいとは言いませんが、まだそこまでは言いませんが、とてもこれを短期間に実施しようと思えば、この経費の資金の裏づけをしてやらないと、なかなか電電公社に、農山村が大事だからやれやれと言ってもできない、一般の電話を押えていく以外にないということになりますから、その点で、特にこれは郵政大臣が法律に基づいておやりになるのだから、あなたがこれは骨を折るべき筋合だと思うから、特別に私はあなたに注文をしているわけですが、どうですか。
#71
○国務大臣(小沢久太郎君) これは公社の資金計画の問題になるわけでございますので、資金計画を見た上で十分ひとつ努力したいと思っております。
#72
○新谷寅三郎君 見た上でとおっしゃるが、大臣、入ってないのですよ、今は。今は予算がないのですよ。だから、ことし何十億かを流用するということになるでしょうけれども、来年度以降は、これは電電の総裁と打ち合わされて……。これは、特別に法律によって新しく生まれた義務ですね。一種の義務的な費用だと思いますが、そういうものから、これはもうどうしても今までの五ヵ年計画につけ加えて考えてもらわなければならぬのだということを、これは政治的にあなたが話される必要があると思うのですが、ことしなんかは、資金計画を見てとおっしゃるけれども、資金計画を見るまでもないのです。入ってないのです、今までのところは。ですから、それについては資金計画を見るも見ないもない。あなたが、それは郵政大臣として全力をあげて獲得するように努力しますということをおっしゃらないと、せっかく法律を出していただいて、跡始末をしないということになりますよ。
#73
○国務大臣(小沢久太郎君) これは今後の問題になるわけでありますけれども、財投その他の面におきまして、できる限りひとつ努力して、法律がせっかくできたわけでありますから、法律の運用ができるようにしたいと、そういうふうに思っております。
#74
○新谷寅三郎君 まあ、言葉はあいまいですが、あなたが最大限度の努力をされるということを期待をして、この質問はこの程度にいたします。しっかりやって下さい。
 それから次の問題ですが、時間もありませんから、もうあまり詳しいことはしませんが、一つ、料金の問題があるわけです。これは、郵政省のほうがいいのか、電電公社のほうがいいのかわかりませんが、今まで全国三十三カ所で試験的に公社線の接続の設備をして、郵政省からは若干の補助金を出して試験をしたわけです。そのときに、一応公社との間に約款によってきめられた料金というものがあるのです。今度、全国的に、この法律に基づいて接続電話の施設を広めていこうということになった場合に、料金はどういうふうにされるつもりですか。私は初めにも申し上げましたが、また大臣もお述べになったように、農山漁村に対しましては、これも一般加入者との均衡があります。これは非常な私はむずかしい問題だと思いますが、全部一般の電話加入者が負担をして、農山漁村の加入者を助けていくということも、これはなかなか困難な問題と思います。しかし、こういう低開発地帯の電話というものについては、料金を可能な限り安くしていくという方針はとってもらわぬといけないと思うのです。標準がありませんから、今の試験的にやっておられる設備といいますか、こる契約と比較いたしまして、料金はどういうふうにされるお考えでございますか。
#75
○政府委員(淺野賢澄君) ただいままで行なっております試験接続中の有線放送電話につきます料金の取り方といいますものは、大体今度の場合の、本実施の場合の料金につきましても同じような形で参るものと考えております。ただ、その場合に、二つばかり違ってきておりますが、一つは、すべて試験実施の場合には度数料金制をとっておりましたが、今回は、収容局の方式に従いまして、それぞれ度数または定制ということにいたしますのと、それから内線電話機一個ごとに十五円ばかり取っておりました分も、これをただいま先生のお話の線に沿いまして、できる限り安くするといった線で、ただいま公社と検討中でございます。とにかく今度きめて参ります場合には、せっかくの新しい制度でありますから、今おっしゃいましたように、でき得る限り安い料金ということと、それから一方、公社の加入電話のほうの加入者のほうにも迷惑がかからないといったところで、いい線を出すようにただいま努力中でございます。公社の方から説明があります。
#76
○説明員(千代健君) ただいま監理官からの御説明がありましたが、現在の制度についてお話があったように、有線放送内線電話機一個ごとに付加使用料というものが十五円ございます。それから一回々々の市内度数が、一回七円とする、こういうふうになっております。そういうことを、今度の法律でできる有線放送接続通話の性格から、これを公社の局と有線放送の交換台をつなぐ局線に帰納いたして、それによる料金にするという考えで、郵政御当局とお話ししておるわけでございます。
 現在考えております料金の額でございますが、まだ最終的決定はいたしておりませんが、従来の三十三の試験設備、このものとに比較いたしますと、だいぶ安くなるようになっております。局線でいいますので比較ができませんが、たとえば、内線の一加入当たり十五円というものと比較をしてみますと、大体一局線当たり二百五十ばかりの内線がつながっているというのが有線放送の大体のアベレージでございます。そうした関係で割ってみますと、現在の十五円の付加使用料が大体六、七円ぐらいになるわけでございます。現在やっております設備の三十三は、必ずしも全国の二千五百のものを代表するようなタイプのものでないものですから、ちょっと不正確なことを申し上げるようでありますが、そういったものでございます。したがって過去における、特に三十六年度の試験実施の五施設については、相当長い間お使いいただいておりますので実績を得ておりますが、これらあたりからいいますと、だいぶ安くなって参ります特に市外通話は別でございますので、これを除きますと、市内通話だけで申しますと、約九万円程度の月額のところが、一施設当たり約四万円ぐらいのところにおさまるのではないか、こういう程度でございます。
#77
○新谷寅三郎君 数字については、今ここで論議すべきではないと思いますし、まだその資料も何もありませんから申しませんが、今千代君が言われたように、できるだけ他の加入者との均衡を考えながら、最大限に料金を安くして、これが活用されるようにしていただきたいということを私は特に希望したいのです。
 それに関連して、こまかいことですが、これはどういうことになるのですか。局線一回線当たり幾らというようなことで料金をおきめになるとすれば、この局線一回線というものの算定基準は、普通区域内の場合と区域外の場合と特別加入区域の場合と違うのじゃないかと思うのですがね。それはどういうことになるのですか。
#78
○説明員(千代健君) 現在実施しております三十三の施設、特に三十六年度の試験実施のございましたもの、これはいずれも有放の交換台が区域内にあるものでございますが、区域外にあった場合には、やはり区域外の特別負担、百メーターについて幾ら幾らという、一般加入電話のような、いわゆる区域外については個別負担という方針をとっているわけでございます。
#79
○新谷寅三郎君 そういうことだろうと思うのです。ですから申し上げるのですが、これは他の問題に波及するようで恐縮なんですが、私は今日の電電公社の電話の加入区域というものが、もう少し今の社会情勢にそれこそ適合するように再検討をし、改定をされる必要があるのじゃないかと思っておるのです。この区域外の分も、すべて普通区域にしろということを今ここで一般的に私は言うんじゃありませんが、経費がかかるのですから、経費のかかった分は、それだけ何がしか多く負担するというのは、これは当然のことかもしれません。しれませんけれども、まあ相当長い、何年か前にこしらえた加入区域の分け方が、具体的には普通区域、特別区域、区域外をいう、その分け方はいいにしましても、具体的に各地域々々は、それを適用していった場合に、はたして実情に沿っておるのかどうかということになると、これは非常に私個人しとては問題が多いと思うのです。ですから、今度の有放のような場合には、おそらく私は、二千五、六百の有放の施設というものは、区域外にあるのが相当多いんじゃないか、せっかく料金をなるべく安くしてやろうという考え方で進まれましても、実際上は、相当区域外にあった場合には、高い料金負担をしなければならぬという結果に終わるのじゃないかということを心配するのです。でありますから、何も無理をして全部、さっき申し上げたように、区域内にしてくれということを言うのじゃありませんが、その加入区域の具体的な分け方というものについて、私はもっとこの際に、いい機会ですから、全国的にひとつ基準をこしらえて、検討し直して、そして合理的な料金を課せられるようにしていただくと、なおさらこの制度が生きてくるだろうと思うのですが、これは要望のような格好になりますけれども、ぜひこれはここまでやっていただきたいと思うのです。どうでしょう。
#80
○説明員(千代健君) 非常に基本的な問題の御質問でございまして、これは右から左に明瞭にお答えできれば非常に喜びとするところでございますが、実は、相当長期にわたって研究をいたしておりますが、私どものほうで最終の結論は、加入区域というものについては出ておりません。昨年も、諸外国のものまでいろいろ調べさせておるわけでございますが、多くの国というよりも、ほとんど大半の国で、やはりこの点では非常に困惑しておられる状況でございます。特にわが国のように、農村から町村へ大都市へと非常に発展の激しいところでは、一番大きな困難さがある問題の一つだろうと思います。今この問題を私ども真剣に取り組んでやろうと思っておりますが、現状では、ある加入密度のある地域を、平均負担、均分負担というので、普通加入区域という考え方、これは明治以来の考え方だと思います。そういった方法をとっております。それから特別区域、区域外、これが個別負担という原則を貫いておりますが、問題は、普通加入区域にすべきかどうとかいうところが問題でございまして、これは、市町村の発展と同時に、やはり徐々ではございますが、広がって参っております。そういった点は、きわめて具体的な判断に基づきます問題で、なかなか困難でございますが、とりわけ、大都市の東京とか、あるいは大阪とか京都、こういったところの周辺において非常に問題がございますが、こういった点も含めまして、なおさらに真剣に検討していきたいと考えております。
 なお先ほど新谷先生からも御質問のありました、有線放送の区域外が多いから、ほんとうに高いものが出るんじゃないかというお話がございましたが、私ども非常にこれを心配しておりまして、昨年の十月、全国有線放送実態調査と私ども俗に称しますが、区域外に交換台のある有線放送施設というのが、十月末現在で百三十六施設でございました。比較的少なかったので、私ども作業過程でもって実はほっとしたようなわけでございまして、割合少なかったということで、今区域外で平均負担がふえるんじゃないかという点では、そう多くの施設の方々に御迷惑をかけなくても済むのじゃないか、こういう工合に考えております。
#81
○新谷寅三郎君 ぜひ至急に御検討を願いたいと思います。
 それから、郵政大臣がほかの委員会に御出席だそうですから、きょうはこの問題だけでやめますが、郵政大臣と電電公社の総裁に、多少これは政治的な見地から考えてもらいたいと思いますのは、いろいろな技術的な基準から出発しておると思うんですが、一種、二種、同一市町村内とか、あるいは同一府県内という制約を、一定の基準のもとに、ということが書いてありますが、それは、同一市町村内あるいは同一府県内でありましても、何中継もある場合にはこれは困るというような意味のように承っているわけです。そこで、これは技術的な問題も乗り越えて、ただ無理やりに政治的に解決しろといっても、これは無理かもしれませんけれども、さっき郵政大臣は、助成とかあるいは許可基準の緩和とか、いろいろなことを言われましたが、そのことよりも、私は、たとえば同一市町村内で接続契約をする場合、第一種なら第一種、あるいは第二種の同一県内なら同一県内というようなものであった場合にも、やはり町村役場の所在地であるとか、あるいは府県庁所在地、そういったところとは、技術的に可能な限りは――何中継にもなったら困るかもしれませんけれども、しかし、かりに一中継をこえるような場合でも、私は技術のことはわかりませんから、あまり責任のある質問もできないんですけれども、そういうような感じがしてならないんですね。何とかして、一中継を原則にするということかもしれませんが、同一市町村内においてやる場合にも、町村役場の所在地くらいとは接続できるように、話ができるようにしたらどうか。それから同一府県内といっても、県庁所在地くらいとは話ができるような程度にしたらどうか。これは非常に今政策的なことを申し上げるんですが、したがって、技術的に非常に制約があってどうしてもできないという部分もそれは出てくるでしょう。これは万やむを得ないと思うんです。しかし、可能な限り、そういう努力を実行上しにてもらって、一定の基準云々というものの適用を、むしろ私らは関係者にとって非常に便利なように扱ってもらうような考慮はしてもらえないだろうかという気がしてならないのです。もし御意見があったら伺いたい。
#82
○国務大臣(小沢久太郎君) 私たちも、ただいま新谷委員のおっしゃったように、たとえば市町村役場の所在地だとか、あるいは県庁の所在地、そういうところはやはり経済生活の中心でありますから、あとう限りは、そういうところに通信できるようにいたしまして、便宜をはかるようにいたしたい。そういうように考えております。
#83
○新谷寅三郎君 電電公社は、その点については何かお考えございませんか。
#84
○説明員(大橋八郎君) 私どもも、ただいま新谷先生のお話のように、同様のことがありたいと考えておりますが、しかし、これは予算等の制約もありまして、それを実行するためには、相当金をかけなければならぬという問題も起こるでありましょう。まあ、できるだけ金のかからないような方法でうまい方法があれば考えたいと思っておりますが、それらのことは、もう少し実行してみないと、今直ちにこれはお約束申し上げかねますが、検討することを御了承願いたいと思います。
#85
○新谷寅三郎君 それでは、たいへん時間をいただいて恐縮でございましたが、私は、さっき留保いたしました問題、あるいはそれに関連して、二、三また質問が出るかもしれませんけれども、その点、次の機会に質問することをお許しいただいて、きょうはこれで質問を打ち切りといたします。
#86
○委員長(光村甚助君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#87
○委員長(光村甚助君) 速記を始めて。
#88
○野上元君 先ほど新谷委員のほうから、郵政当局の通信政策の根本についてお尋ねがあったようです。私も同じことを尋ねるかもしれませんが、立場が違います、考え方も違いますので、重複するところがあるかと思いますけれども、お答えをいただきたいと思いますが、若干具体的に聞いてみたいと思うのですが、実は私の手元に、ある県の農業協同組合の組合長さんですが、おそらくこれは有線放送の施設を持っておられる方だと思いますが、その方から、今次の有線放送関係の改正についての意見が述べられております。その中にこういうふうに書いてあるのですが、今回の改正については、いろいろと努力されたという点については、自分のほうもこれを認めるにやぶさかではないけれども、しかし、なおかつ、有線放送をやっておる側から見ると、依然として公衆電気通信事業の公社独占の線を守ろうとするものである、われわれ有放関係の者にはどうしても納得しがたい、こういう強い意見が出されておるのですが、こういう点については、おそらく郵政当局にもあるいは電電公社当局にもいろいろと意見具申がなされておると思っているのですが、そういう考え方が有線放送の皆さん方の中に出てくるということは、やはりまずいと思うのです、そういう考え方が出てくると。それについて郵政大臣はどういうふうにお考えになっておるか、お聞かせ願いたい。
#89
○国務大臣(小沢久太郎君) さっき、通信政策といたしましては、私が新谷委員の御質問に対してお答えしたとおりでございまして、電電公社が一日も早く、地団と、あるいは地団より安い電話、農山漁村へひとつ電話を引いて便宜をはかっていただきたい。そういうふうな考えを持っておるわけでございますけれども、また、有線放送というものは別な性格を持っておりますし、公社電話の補完的役割を果たすわけ合いでございますから、先ほども申し上げましたように、農山漁村の格差のの是正のためにいろいろの点で利用したい。そして公社電話の普及と相待って地域格差をなくすように、いろいろと設備の改善等につきまして、今後十分指導していきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
#90
○野上元君 公衆電気通信法の第一条には、その目的がはっきりと明示されておるわけです。それは、今さら私が申し上げるまでもなく、「合理的な料金で、あまねく、且つ、公平に提供することを図ることによって、公共の福祉を増進することを目的とする」。こういうことになっておるのです。したがいまして、その意味であなたは答弁されたと思うのです。その精神は全く私も同感なんです。問題は、現実の姿がどうあるかということのほうが重要だと実は考えておるわけです。あなたが先ほど言われたように、都市と農山村等における通信を受益しておる格差がひどいので、これを縮めなければならない、そのためにも有線放送電話の普及ということはきわめて重要である、したがって、それについては今後も力を入れたいんだというような御趣旨を述べられたわけです。そのことについて私もこれからお尋ねしたいと思うのですが、そういう気持でやっておられるにもかかわらず、有線放送の側から見ると、今回の改正は非常に皆さん方の努力によって改善の一歩を踏み出したけれども、なおかつ、われわれの要求には非常に不満足であるというふうな強い意見が出されておるのですが、こういう意見を事前に郵政大臣としてはお聞きになり、かつまた、それについて検討を加えられた事実はありますか。
#91
○国務大臣(小沢久太郎君) この法律を作るに際しまして、いろいろ有放の方、あるいは地方の農協の方、あるいは地方の方々から陳情を受けました。そういう点をよく考えまして、そして日本の通信政策、それからまた農山漁村との格差の是正、そういうことを考えまして、今度の成案に至ったわけでございます。
#92
○野上元君 私は、気持は郵政当局も電電公社の考え方も了解はできるわけです。もちろん、公衆電気通信法第一条の精神にのっとってやられる限り、これは何人といえども異議に唱える必要はないと思う。問題は、先ほど言ったようを、それが単なる条文であって、現実の姿が必ずしもそうなっておらない場合には問題が起きてくると思うのです。この国会においても、すでに衆議院の逓信委員会では附帯決議をつけているわけです。依然として電電公社のサービスが完全ではないために有放というものを認めざるを得ないじゃないか、こういうことを言っているわけです。したがって、さらに電電公社のサービス改善に努められたい、こういうふうな附帯決議がついているわけですが、そういうふうになってるくと思うのです。したがって、私はあなたの精神はわかりましたから、ひとつ具体的に、それでは、この第一条がどのように現在実現し、将来またどのようにこれが発展していくのかという点についてお聞きしてみたいと思うのです。先ほど申し上げましたように、第一条が完全に実施されておれば、ほかの通信は必要ないわけです。有線放送電話は必要ないわけでありますが、これが実際には実現しておらないために必要になっていると思うのです。
 で、私はこれから具体的にお聞きしますが、四十二年度末においてどれくらいの加入者数になるのか、それは普及率は一体どれくらいになるのか、この点をまずお聞きしたいのです。
#93
○説明員(宮崎政義君) 昭和四十二年と申されますと、電電公社が第三次五カ年計画を終了した年になるわけでございますが、全国では大体九百七十六万という総加入数になる予定でございます。これで農村漁村地帯はどうなるかと申しますと、百六十七万になる予定でございます。したがいまして、普及率を人口百人当たりといたしますと、全体は約九・八、農村につきましては、人口当たり普及率は三・六七になる見込みでございます。
#94
○野上元君 四十七年度末の数字を教えていただきた。
#95
○説明員(宮崎政義君) 電電公社は、四十七末には第四次五カ年計画を終了するわけでございますが、そのときの総加入数は、大体一千七百五十万と見ております。このうち、農村の加入数は大体二百九十三万と見ております。したがいまして、百人当たりの人口普及率で申しますと、全体は二八・八、それから農村地帯におきましては六・四五、六・五ぐらいになると見当をつけております。
#96
○野上元君 ただいまの普及率は、百人につき言われたわけですか。
#97
○説明員(宮崎政義君) さようでございます。
#98
○野上元君 それで、なおお聞きしたいのですが、この一条にいう、あまねく提供するというのは、一体どういう現象なのか。したがって、具体的に言い方をかえて聞けば、一体限度はどこにおくのか、普及率の限度、この点をお知らせ願いたい。
#99
○説明員(宮崎政義君) ただいま御説明しましたのは普及率でありまして、電電公社としては、電話申し込みの方についておつけするというのを、需要に対する充足率と、こういう工合に申しております。需要に対する充足率は、第三次五カ年計画、第四次五カ年計画と続けまして、第四次五カ年計画つまり昭和四十七末には、ほとんど需要に完全充足していこうという目標を置いております。したがいまして、もし、この充足率で、四十二末、四十七末にどれくらいになるかということになりますと、現在もくろんでおりますのは、第三次五カ年計画末では九三%ということになる予定でございます。四次末は、先ほど申しましたように、約一〇〇%を予定しております。
#100
○野上元君 充足率は、四十二年度末においては九三%、四十七年度末においては一〇〇%と、こういうふうになるわけですね。
#101
○説明員(宮崎政義君) はい。
#102
○野上元君 さらに、普及率の問題なんですが、欧米諸国、先進国と比べて四十七年度末において、どういうふうになりますか。
#103
○説明員(宮崎政義君) 現在の普及率から欧米の様子を推定いたしますと、イギリスは、三十六年一月で普及率が一五・七になっております。したがいまして、先ほどの数字と多少違いますけれども、第四次末一六・八と申しておりますが、大体全体の普及率が、現在のイギリス並みになるのじゃなかろうかと思っております。
#104
○野上元君 先ほどのお話では、大体四十七年度における充足率は一〇〇であって、普及率は一六・八ということだったわけですが、大体そこまでいけば、昭和四十七年度は、西暦で直すと幾らになるかどうかわかりませんが、大体そのころの普及率は、その当時における先進諸国における普及率とさほど劣る状態ではないというふうに判断してよろしいわけですか。
#105
○説明員(宮崎政義君) 今の説明を補足さしていただきますと、先ほど申し上げましたのは三十六年のイギリスの状態でございますが、十年後は、先進国も多少進んでいくと思いますけれども、現在のイギリスの普及率というのは相当高く、世界で九番目の状態になっております。したがって、われわれとしましては、そうおくれた状態にならないのじゃなかろうかと見ております。
#106
○野上元君 今、あなたの説明で、大体計画は了解できますが、農村と都市との差というものが依然として相当高いわけですね。これは、今日の公社が行なっておる電話加入には、農村として経済的負担にたえないという考え方なのか、あるいは文化の普及程度が低いということでそういう差が出るのか、その点はどういうふうに御判断になっていますか。
#107
○説明員(宮崎政義君) 農村の電話が、現在やはり普及されてないという状況につきましては、先生おっしゃったように、農村における電話の負担、公社からお願いっておる負担というのは、都市よりは安いわけなんでありますが、しかもなお、農村全体から見ますと、負担が高いとお考えになるのかあるいは文化の程度が低いからそうなのかというような御質問があったわけですが、公社としましては、一応要求されました需要に応じておつけいたすという考え方でやっておりますものですから、必ずしもその工合に考えてはおりません。
#108
○野上元君 そうすると、あなたのでうは、要求があれば架設することがほきるとい状態に昭和四十七年にはなるのですか。
#109
○説明員(宮崎政義君) はい。
#110
○野上元君 農村が幾ら要求しても、農村の需要も満たし得ることができるというように考えられるわけですか。先ほどあなたが発表された数字によると、四十七年度においては、二百九十三万の加入者を想定されているわけですね。これは、実際に要求があるという数字ですか。
#111
○説明員(宮崎政義君) これはもちろん十年先のことでございますから、現在そういう要求があるというわけじゃありませんが、現在の要求から推定いたしまして、多分こうなるのじゃなかろうか、こういうふうに考えているわけであります。
#112
○野上元君 そうすると、そのときにおける農村のいわゆる世帯数とか、いろいろな問題があるでしょう。それから今日の段階において、農業基本法等が実施された暁において、どのように農村が変革するかについては、われわれも予測できない。十年先の数字をここでいじくってみても、そう益のないことかもしれません。しかし、今日の状況において、すでに施設の数は二千六百、加入者は二百万、これは有線放送の場合ということになると、相当な需要があるというふうに考えても間違いはないわけですね。そのときにおいて、昭和四十七年において、はたして二百九十何万をもって、農村における需要数を完全に満たしたということができるかどうかは、非常に私はむずかしい問題ではないだろうかというように実は考えているのですが、あなたのほうとして、昭和四十七年度末における有線放送電話の姿はどういうふうになっているかということについて予想されたことはありますか。
#113
○説明員(宮崎政義君) 有線放送電話は、われわれとしましては、主体はあくまでも放送であるというように考えております。したがいまして、電話としての問題は一応予想できますけれども、有線放送が昭和四十七年末ごろにはどうなるかという問題は、作業をやっておりません。
#114
○野上元君 有線放送電話の主体は放送であると考えるということは、まあ公社のお考えですよね。実際のこの有線放送電話を使用している側からいうと、もうすでに放送ではなくして、電話のほうに切りかえてくれという要望のほうが強くなっているのじゃないですか。このお考えは……。
#115
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。
 有線放送電話は、やはり一本の線の上にたくさんの電話がぶら下がっております。そういう意味におきまして、設備的に見ても、やはり放送を主体にすると私どもは考えておるわけですが、実際には、その電話を利用される向きが相当あるのじゃないかと、こういう意味合いの御質問かと思いますが、私どもといたしまして、もしほんとうの意味の電話というものの御要望があるということであるならば、もう少し現在の有線放送電話のように、一つの線にたくさんの電話がぶら下がっておるという形では不十分ではないかと実は考えております。しかしながら、先ほど公社の農村における四十七年末二百九十三万の需要に対して、一応それは全部満たし得るのだと、こういう場合、その需要というものが、あるいは農村の所得の状態、あるいは経済状態から見て、公社あたりから提供している電話が高過ぎるので、先ほどのお話にもありましたけれども、もう少し低規格の安い電話ということを考えた場合には、現実の有線放送電話の実態から見て、もう少し要望があるのじゃないかというような問題につきましては、先ほど野上先生のお話にもありましたが、衆議院の附帯決議にもありましたので、私どもといたしましては、先ほど計画局長の申し上げましたのは、今までの私どもの五カ年計画としての農村における電話の一つの予測、充足計画というものを御説明したのでございますが、この有線放送接続電話というものが、今度御審議によりまして、この法律によって生まれるといたしますと、これに関連して、公社としても農村電話の普及という問題について、もう一ぺん再検討して、検討して参りたい、かように思っております。
#116
○野上元君 将来、長い将来のことはわからぬかもしれませんが、通信政策として郵政当局にお聞きしたいのですが、有線放送電話というような、いわゆる中途半端なものは将来やめて、あまねく電電公社の施設を提供できるような方向に持っていくのか、それとも、それが不可能である、どうしても有線放送というもので補完していかなければ農山村地帯においてどうしても不公平になってしまう、こういう考え方なのか、その点はどういうようにお考えになっているのですか。
#117
○国務大臣(小沢久太郎君) 将来公社の電話が、農山村地方に至るまで十分に普及する段階に達した場合には、電話は公社電話に移行するというふうに私ども考えておる次第でございます。ただ問題は、有線放送でございますが、それはあるいは必要があれば残るかもしれませんけれども、電話としてはそういうふうになってくるんじゃないか。われわれまたそれを一つの目標として参るということでございます。
#118
○野上元君 それはですね、一つの仮定があるのですね。公衆電気通信法の第一条が具体的に具現した場合においては、そういうことが言えるのですね。しかし、それができるのかどうか。目標は立てなければならないと思うのですが、今後どんどん有線放送というものがふえていくわけですね、この状態では。そうすると、あなたのほうが考えておるのとは逆な現象が起きてくるのですね。だから、もしもあなたの言うように、電電公社の設備があまねく農村地帯にまで普及するということになれば、これは問題ありません。しかし、そうなるのかならないのかという問題なんですね。で、今日私たちの考え方としては、なかなかそれはむずかしいのじゃないか。したがって、どうしてもこの農山村地帯における何らかの補完的な設備が必要なんじゃないか、それが有線放送電話であるか、将来どういう発展したものになるかわかりませんが、そういうものが必要になるんじゃないか、こう考えておるのですが、その点についてはどうですか、原則論でなくて。
#119
○政府委員(淺野賢澄君) 先ほど来大臣からも、新谷先生、野上先生にお答え申し上げましたのは、大体そういった線に沿いまして、お答え申し上げたのでございますが、ただいま御指摘のように、直ちに公社の電話が日本じゅうあまねくふえるということは、ちょっと困難であろうかと思います。ただ、先ほど来のお話の中に、現在の地域団体加入電話と、さらに安く、また場合によっては、総裁も申しておられましたが、少しでも安い電話を工夫しまして、一日も早く、これからの方針といたしまして、あまねく日本じゅうに及ぼして参りたい。この線はどうしても貫いていくべきであると、かように考えます。これが何年かかるかわかりませんが、一方、有線放送電話のほうは、ただいま先生御指摘のように、これまたやはりふえて参ろうかと思いますが、ただ、何年か先には、それぞれ耐用年数が参りまして、新しく作りかえの問題が出て参りましたり、場合によりましては、また経営上の問題もありましたり、そういった点等もありまして、公社の電話が非常に便利に日本じゅうに及んで参りますと、自然の形で振りかわっていくようになるでありましょうし、また、そういったことを大臣としても非常に期待いたしまして申し上げた次第でございます。その面におきましては、やはり補完的に有線放送電話は当面やはり放送をかね備えた特殊の通信連絡手段として伸びていくものと考えております。
#120
○野上元君 具体的に大臣にお聞きしますがね。現在の時点において、あるいはまた近い将来までを予想して、有線放送電話が伸びていくことが好ましいのか通信政策として好ましくないのか、その点はどうですか。
#121
○国務大臣(小沢久太郎君) 先ほども申しましたが、いわゆる電話といたしましては、電電公社が一元化してやります。そうして農山漁村に対しましても何とかやりたいと思いますけれども、それがすぐできないわけでありまして、この有線放送電話というものは、いわゆる一つの補完的な役割を果たすということと、それからやはり電話ということと、それからもう一つ有線放送という二つの面を持っておりますので、やはり自然的にある程度はふえるのではないか、そういうふうに考えている次第であります。
#122
○野上元君 一応言うことはわかります。したがって、大臣の言われるのは、電話施設として有線放送電話があるのではなくして、放送が主体であって、電電公社がやっている電話事業とは若干違うのだ、あくまでも補完的な意味で存在しておって、それは補完的な意味で伸びていくことは差しつかえないのだ、こういう考え方だと思いますが、そういうふうに了解してよろしいですか。
#123
○国務大臣(小沢久太郎君) 今先生のおっしゃったとおりだと考えます。
#124
○野上元君 そうすると、さらに具体的にお聞きしますが、今日有線放送施設をあなたのほうで許可される場合ですね。一つの条件がございますね。特に公社の電話の普及度というものが重大な許可条件になっておりますね。千人について十七人以下のところにおいては認めるけれども、それ以上のところは認めないのだ、こう言っておられますね。先ほどのあなたの説明によると、電話とこれは性格が違うのだ、あくまで、現時点においても、あるいは将来においても、補完的な意味を持っているのだから、有線放送電話が伸びることは好ましいのだというふうに考えられておられるとするならば、なぜそういうような制限を付さなければならないのですか。意味をなさないのじゃないですか。制限を付したら、補完的なことをやめろということになるんですからね、制限以上のところは。たとえば、千人について十八人普及したところについては、もうそういうことは許さぬ、有線放送は許さぬ、十七人以下ならばよろしいと。そして、十七人以下のところは許されたら、それは無制限に有線放送は伸びていくわけです。ところが十八人のところは許可はされないし、補完的なものも許されない。こういうことであると、片手落ちになりやしませんか、それは。根本的に考え方をひとつ聞かしてもらいたいんですがね。こういう制限は無意味じゃないですか。
#125
○政府委員(淺野賢澄君) 三十二年に有線放送電話に関する法律を制定いただいたわけでございますが、その中に、許可の基準といたしまして、有線放送電話は、まず業務区域が同一市町村の中にある、それからその次に、その住民が社会的経済的に相互に比較的緊密な関係を有しておるということが一つと、同時に、電話による連絡が不便な地域を業務区域とすると、こういうようにこの法律できめられております。その電話による連絡が不便な地域というものにつきまして、ただいま御指摘の業務区域の認定基準というのを三十二年から作っておる次第でございます。で、電話による連絡は、現在の建前といたしまして、有線放送電話はやはり放送が主体になってできたものでありまして、あと簡易な電話がぶら下がっておる、こういった状況ではございますが、やはり公衆電気通信体系という面から見て参りますと、いろいろなこれが問題を生じてくるわけであります。したがいまして、まあ公衆電気通信業務というものを、ただいまの有線電気通信法、公衆電気通信法、二つの建前から参りますと、やはり電電公社をして、公衆電気通信、他人の通信をやらしていくんだと、こういうふうにしまして、あまねく一日も早く日本じゅうに合理的な料金で公衆通信体系ができますようにせっかく努力いたしておる状況でありますが、そういった中にありまして、当面、通信の恩恵の及ばない農山漁村については、こういった別の他人の通信設備を認めてもやむを得ないと、こういったところからこの法律を御制定になった次第でございます。それによりましてこの認定基準がその線から出て参りました。電話による連絡が不便なところといったところが、大体現在のところ、地方の郡部の平均の電話の普及率、こういった点が大体千分の十五ぐらいであり、翌年につきましては十七ぐらいである、こういったところから、こういった線をきめまして現在に至っておる次第でございます。
#126
○野上元君 私は、根本的なあなた方の考え方はわかるんです。それはさておいて――今その根本的な原則論を論じても始まらないんです。これは両者意見が一致してるんですから、いいんです。しかし、現実の問題として、今私が言ったような不合理ができやせぬかというんです。たとえば、千人のうち十七人にまで普及しておるところ、それ以上のところは有線放送を設備してはいかぬというんですから、そうすると、十八人と十七人でもう違うわけですね。十七人以下のところは許可されるわけです。そうして、その許可した以上は、それが全村をカバーしてもそれはよろしいというわけでしょう。そうすると、十八人のところは許可されないんだから、いつまでたっても十八人ですね。そういう考え方は、先ほど来有線放送電話の性格論から見て、あくまでも補完的なものである、将来は電電公社が一括してサービスを提供するのだという考え方に立つならば、そういう制限を付するということはおかしいのじゃないですか。不便なところに有線放送電話を引いてよろしいということがあるのだから、もう普及率が十七人以上のところは、これは便利なところだ、十七人以下ならば不便なところだという、そういう区別をする必要は全然ないのじゃないですか。どういう障害があるのですか。これが結局十七人以上のところに普及したら。その根拠は何ですか。先ほど新谷さんは、十七人というものが不合理というならばその根拠を示せというのですが、十七人が合理的だという根拠を示してもらいたい。できますか。
#127
○政府委員(淺野賢澄君) この数字の点になりますと、非常に御説明申し上げるのはむずかしいのでありますが、いずれにしましても、三十二年にこれを制定いたしましたときに、郡部におきます平均の普及率を参考とした次第であります。いずれにしましても、公社の加入電話が安く便利に早く国内あまねく及ぶことがやはりこれはもう建前でもあり、またたいへん望ましいわけであります。その場合に、まあこれはやはり補完的な面であり、経過的な措置として出て参っておりまする以上は、どこかで線を引かないと、いろいろ入り乱れて参る。こういった点から、まあ同一市町村内である、また電話による連絡が不便であるというふうに、一応線を出しまして、有線放送電話をお認めいただいたという経緯から申しますと、やはり、大体当時の平均の加入電話の状況というところがまあ穏当な一つの基準ではないか、かように考えたような次第であります。
#128
○野上元君 それは三十二年に制定された法律ですね。
#129
○政府委員(淺野賢澄君) 三十二年の六月の制定でございます。
#130
○野上元君 まあ、その法律が現存している以上、あなた方は、あるいはまた国民であるわれわれも、その法律に従わなければならぬのは当然だし、特にあなた方のような行政官は、この法律をゆがめて解釈するということはできないと思うんです。しかし、その法律が絶対正しいということも言えないのですね。その時点においては正しくても、今日もうすでに八、九年を経過しているんですね。いろいろと国民経済上の変遷もあるし、国民文化の程度の進歩もあるし、いろいろのものから考えてみて、そういうものを金科玉条として守るというような考え方は私は間違いだと思うんです。あるから、現存しているから、あなたがそう言われることはわかります。わかりますが、しかし、今日の段階において考えた場合に、そうして先ほど来あなたが言われているように、補完的な意味を持つんだということであるならば、何ら差しつかえないと思うんですね。しかも、あなた方は公衆電気通信法の第一条具現のために努力されている。しかし、その努力は、四十七年度末においても満たされないかもしれないのですね。いわんや、今日の段階においては満たされておらないのです。したがって、あと十年間待てというわけですね。そういうことがこれは正しいかどうかですね。これは、あなた方が考えるより、われわれが考えなければならないことなんでしょうが、政治家として、郵政大臣は、そういう考え方でやっていくことが正しいのかどうか、回答を承りたいです。
#131
○国務大臣(小沢久太郎君) その点につきましては、先ほど新谷先生に申し上げましたように、われわれのほうも検討しようということになっておる次第でございます。
#132
○野上元君 検討されることは、これはもう当然の話だと思います、問題が起きておるのですから。だから、これはすみやかに検討してもらって、早急に結論を出してもらわないと困ると思うのです。きょうただちにあなたに回答を求めても、まだ検討中のようですからできないと思いますが、しかし考え方として、私の考え方が正しいかどうか、その点をお聞かせ願いたい。
#133
○国務大臣(小沢久太郎君) そういういろいろな問題があるので、われわれのほうは三十三年にきめたわけでございまして、それを検討してちゃんとしたものにしていきたい、そういうふうに考えておる次第でございます。
#134
○野上元君 この制限を付した理由は、先ほど浅野監理官から、不便な地域あるいはまた普及の度合い等を勘案して、三十二年度に作られた法律の精神になっておるのである。今でも法律に変わりないのだと言われるのですから、その点はあなたのお立場からすれば、そう言わざるを得ないということも私もよくわかるけれども、しかし、今日の段階において、普及をすると、そういう制限を取っ払って普及をさせるということになると、どういう障害があるのかということを聞きたいのですが、たとえば電電公社にそういう普及を早めるということをわれわれが要望するのは、すでにもう法律にきまった事項を電電公社としてはどんどんやっておられるわけですから、これ以上申し上げることはできないわけです。しかし、この有線放送電話というのは、電電公社の金を使うわけじゃないですね。計画に食い込んでいくわけじゃない。いわんや郵政省の資金をもって財源をもってやっていくことじゃないですね。ほしい人たちが集まってやろうというのですからね。それを押えるというのは、制限に対するというその意味は、逆に解せば、普及されると困るのだということがあるのじゃないですか。この点はどうですか。
#135
○政府委員(淺野賢澄君) やはり公衆通信系は、同じ一つの体系で日本じゅうに及んで参るのがあり方ではないか、こういう線で、先ほど総裁も申し上げましたように、今後農山漁村対策といたしまして、現在の地団、またはそれよりももっと便利な安いものを研究いたして参りたい、こういうふうな御意見がございましたが、いずれにしましても、国全体としまして、公衆通信系の日本じゅうに一体化と同時に、早く努力をして及ぼしていくということはやはり建前であろうかと考えております。その場合に、将来一体有放がどうなって参りますか、そういった場合の一環となって参るかどうか、まだちょっと見当もつきかねるし、そういう場合におきましては、なお公社も工夫して参る、有放のほうも、今の状態のままで、今回の接続によりまして、一種または二種の形で接続をしながら、それぞれまた規格を落さないようにして参る、そういったことで、今後の工夫に待つところが大きいのではないかと考えております。いずれにしましても、耐用年数等が終わるころには、願わくは、公社のよい、安い電話が早くそれにかわり得るように、普及できるようになりたいといったことは、私のほうとしましても、考えていかなければならないことのように考えております。
#136
○野上元君 原則論をあまりやってみてもしようがないと思いますから、この程度でやめますが、有線放送施設ととうものは、これは自然発生的に生まれたのですか。それとも、郵政当局あるいは電電公社当局が補完的にこういうものが必要だという判断のもとにやられたのですか。それはどちらですか。
#137
○政府委員(淺野賢澄君) 当初、終戦直後に、北海道におきまして、有線放送として自然発生的に生まれて参りました。二十七、八年ごろから、それに電話のついたものが各地に出て参りました。この有線放送電話に関する法律ができました三十二年ごろからは、大体一年間に三十万くらいの状況でふえて参っております。ただ、その間におきまして、二十八、九年ごろからでありますか、農林省は新農村建設に伴う助成、それから一方、自治省におきまして、町村合併等に伴う助成、こういった両省の、これは有線放送に対してでありますが、場合によりましては電話も入っておりましたが、そういった方面の助成があったことは事実でございます。しかし、いずれにしましても、この三十二年の法律ができましてから、正規に郵政省として免許いたしまして、現在の状況に相なっております。
#138
○野上元君 有線放送電話に関する法律というのは、先ほど言ったように、三十二年に制定された。その前に、すでにこの有線放送電話というものが自然発生的に生まれてきた。それは、その認可する前ですね。それはどういう法律の根拠に甚づいてできておったのですか。
#139
○政府委員(淺野賢澄君) どういう根拠か、私もまだ不勉強で、よく存じませんが、そのころまでは、有線放送として届け出て存在しておった状況でございまして、電話としては、有線放送電話の電話の部分につきましては、正規の手続はなかったということを聞いております。
#140
○野上元君 あなたの先ほどの説明を聞くと、最初は有線放送として生まれた。二十七、八年ごろになると電話としてつくようになった、こういう説明があったわけです。そうしますと、この法律がなくても存在しておったわけですね。その点はどういうふうにお考えなんですか。そうすると、この法律は必要ないじゃないですか。
#141
○政府委員(淺野賢澄君) 当時のことをちょっと存じませんので、吉灘文書課長から……。
#142
○説明員(吉灘中君) 当時のいきさつを御説明申し上げます。先ほど監理官が御説明いたしましたように、有線放送は、有線電気通信法に基づいて設置された合法的な一つの有線電気通信設備であるわまでございます。ところが、有線放送に電話をつけまして、いわゆる有線放送電話という状態になりますと、現在の有線電気通信法、当時の二十八年に施行されておりました有線電気通信法に違反するという問題が出てくるわけでございます。ところが、現実の問題としまして、当時二十七、八年ごろ、有線放送に簡単な装置をしますと、有線放送電話の役割を果たすことになるわけでありますので、ぼつぼつそういうものが地域的に出てくるような様子があり、また現実に、わずかでありますが、若干あったわけであります。それで、いろいろその点が問題になりまして、これを正式にしようということになりまして、今問題になっております有線放送電話に関する法律が三十二年に制定されたといういきさつであろうと思います。
#143
○委員長(光村甚助君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#144
○委員長(光村甚助君) 速記を起こして下さい。
#145
○野上元君 この電気通信事業というのは、これは独占ですか。独占の規定というのがあるのですか。
#146
○説明員(吉灘中君) お答えいたします。
 公衆電気通信の独占ということでございますが、これは、御承知のように、公衆電気通信法にはその規定はございません。有線につきましては、有線電気通信法第十条にその規定がございます。それから無線につきましては、電波法第四条2という規定がございます。この有線無線の両方に関する規定によりまして、公社及び国際電電会社の独占が裏からいっているという形になっておるわけであります。
  具体的に有線について申し上げますが、有線電気通信法の第十条におきまして、「有線電気通信設備を設置した者(公社及び会社を除く。)」というカッコ書きがございまして、「業としてその設備を用いて他人の通信を媒介し、その他その設備を他人の通信の用に供してはならない。」こういう原則があります。これに対しまして、例外が列挙されておるわけでありますが、今問題になっておりますところの有線放送電話に関しましては、この第十条の第一項の五の二でございますが、「有線放送電話に関する法律第三条〔業務の許可〕の許可を受けたところに従って有線放送電話業務を行うとき。」、この場合には今の例外になっておる、他人の通信の媒介をやってもよろしいという一つの例外になっておるわけでございます。こういう有線設備についてはこの有線電気通信法、無線設備については電波法、この両法によりまして公社及び会社が独占する根拠規定が出ております。それからほぼ具体的に、その例外が必要に応じて認められておるというような立法の形になっておるわけでございます。
#147
○野上元君 電電公社がやっておられるのは、これは問題ないですね。それから郵政省がやっておられるやつがある。これは委託してやっておるわけですね。だから、ことに有線放送電話が行なわれておるのは、いわゆる地方自治団体あるいは公共団体等が多いわけでしょう。個人でやっておるのはあまりないでしよう。そうしますと、これは委託してやらせるということにはならないのですか。
#148
○説明員(吉灘中君) お答えいたします。
 本来、法律の立て方の問題になると思いますが、法律の立て方の問題として、一つの立法政策の問題がありますけれども、本来こういう業務は電電公社がやるべき業務である、したがって電電自体もやるけれども、有放の施設者、農協とか市町村とか、そういうところに電電の業務の一部の委託という形において行なわれることはどうかという御意見でございますが、これは政策の問題でありまして、理論的には可能であろうと思います。しかし、現実に有線放送という姿においてできてしまった、それで、それにブランチをつけまして、電話機としての用務を果たさせるという実態から言いますと、かえって今のような法体系の立て方のほうが実情にマッチしているのじゃなかろうか、こういうふうに考えます。
#149
○野上元君 その委託にするよりも現在の制度のほうが合理的だと言われるのは、現在の制度のほうが現実的に普及の速度等も早いし、便利だろう、こういう意味ですか。委託すると、それだけ普及の速度がおくれる、こういう意味ですか。
#150
○説明員(吉灘中君) 委託という形をとるといたしますと、本来これは公社のサービスであるという公衆電気通信法自体の中でそういう放送と電話と両者をかね合わせたサービスを公社自体において行なうということにしなければならない。その業務を公社もやるし、あるいは公社がやるのは不適当だというので地方公共団体とか農協あるいは漁業協同組合に委託するということになると思いますが、その場合に、まあ具体的に比較して申し上げますと、こういう電話の交換とか、電報の事務を郵便局が委託を受けておるわけでございますが、これは本来、今まで歴史的に郵便局でやっておった、それが二省分離になったから、郵便局が委託を受けてやるということが実態になっておると思います。これは、先ほど申し上げましたように、これはすでに当初、有線放送として当初から普及し発達してきたわけでございます。それがたまたまあとで、ちょっと装置しまして電話もっけるという形になってきたものですから、かえって委託というややこしい手続をとるよりは、本来の業務として施設者自体としてやったほうが公社と有放の側とか関係におきましてもスムーズにいくということは言えるんじゃないか。実態にマッチしたやり方ということになりますと、わざわざ委託という形式をとらなくてもいいじゃないか。しかし、将来の問題はまた別の問題だと思います。将来はまたそういうことも考えられないこともないと思います。
#151
○野上元君 三十二年前に実際に設備された有線放送施設はどれくらいで、加入者はどれくらいですか。
#152
○政府委員(淺野賢澄君) 二十二年度末から差し引くことになりますが、三十二年度末が、施設数でいきましたら千三十二であります。それから加入者総数が四十三万五千二百三十七となっております。そういった状況から見てみますと、おそらく、施設数で七百五十くらい、加入数で二十万くらいの程度でございます。正確な資料は調べましてまたお答えいたします。
#153
○野上元君 今日の盛況を見るに至ったのは、有線放送電話に関する法律が制定され、郵政省が認可を始めてから急速に伸びた、こう考えてよろしいですね。
#154
○政府委員(淺野賢澄君) さようでございます。
#155
○野上元君 そうしますと、昭和三十二年あるいは三年くらいから急激に伸びてきたと思うのですが、わずか五年くらいの間に、とにかく加入者が二百万というところまで伸びておるということは、これは何といいますか、重大な社会的な役目を果たしておるわけですね。この点については相当深く考慮していかなければならぬというふうに考えるのですがね。農村のほうにおいても電話の需要というものが相当あるんだ、低廉でかつ適正な料金で設備され得るなら、幾らでも需要があるんだというふうに見ていいと思うのですが、その点は、潜在的な需要というものは、私の考えておるような考え方でよろしいですか。
#156
○政府委員(淺野賢澄君) 三十二年から急激にふえて参りましたのは、ただいま申し上げましたように、この法律が三十二年にできましたのが一つの原因でありますのと、そのころから農村の経済も安定して参りまして、文化生活等に対する関心が非常にふえて参ったと、そういった点もいろいろからみ合っていると思います。そういった点から考えますと、ただいま先生おっしゃいましたように、こういう農村の生活共同体として簡易なる通話、同時にまた放送もできるという設備がぶら下がっておるということに対する要望は非常に強いものと考えております。
#157
○野上元君 で、まあその問題については、ひとつ締めくくりたいと思いますが、今まで私が申し上げましたのは、有線放送電話の性格なり社会的な今日における価値なり、いろいろなことを勘案してみると、許可する条件というものが、今日の段階においては、もはや性格的に見ても、あるいはまた文化的なスピードから見ても、マッチしないんじゃないかという気がするのです。しかしまあ、これは逆に、新谷さんのような反対の意見もある。この不合理は一体どういう点が不合理なんだという御意見もあるわけなんです。しかし、もうこれは考え方が根本的に違うと思うんですね。したがって、その点については、あなた方も慎重に検討されて――毎回出てくる問題だと思いますから、十分に検討しておいてもらいたいと思うんです。それでさらに質問しますが、今日有線放送施設を持っておる施設の主体ですね、主体別というのがわかりましょうか。たとえば、地方自治団体が持っておるものが幾つ、農協が持っておるものが幾つ、個人が持っておるものが幾つ、こういうような概数はわかりませんか。
#158
○政府委員(淺野賢澄君) 三十八年四月一日現在で見てみますと、全部で施設数は二千六百十六でございます。そのうちで、地方公共団体が五百三であります。それから農林漁業団体が千九百六十一であります。それから公益法人その他――これは個人名もございますが、実際上は団体でありますが、百五十二、こういうふうになっております。合計二千六百十六施設と、かようになっております。
#159
○野上元君 郵政当局としては、この経営主体は、どれが一番好ましいのですか。地方自治体がやることが一番望ましいのか、公共団体がやるのがいいのか、あるいはその他の公益法人がやるのかいいのか、どれがいいのですか。
#160
○政府委員(淺野賢澄君) これは非常にむずかしい御質問で、なかなか問題もございますので、どのように御答弁申し上げていいか非常に困るわけでありますが、まあ、やはりこの有線放送電話が、農山漁村の地域的な場所における共同生活を行なっていくための一つの手段でありますし、また文化生活を行なっていくための一つの手段でありますという点から考えますと、中正公平な、片寄らない地方公共団体がやるのが一番よいかと考えております。ただ、まあ実際問題としまして、資金の関係その他等から、農業団体、漁業団体、その他公益法人がございますが、最近の状況を見ておりますと、農業団体であるからといって、農業組合員だけに限定せずに、それ以外の人にも、一般のサラリーマン、市民等も入れるようにしたり、いろいろそういった公共的なあり方ということに対する努力のあとは十分見られるようであります。
#161
○野上元君 これは、将来はやっぱり電電公社があまねく低廉な料金で全国的にサービスしてもらうというのが理想的な姿だと思いますね。だけれども、それまでいかない間、どうしてもこういうものが必要であるとあれば伸びていくわけですね、若干。しかし、一方、電電公社も伸びていく。そのスピードは、やはり電電公社のほうが早いと思いますね。そうすると、将来においては、これはどうしても電電公社で吸収しなければならぬような状態になるのじゃないかという気がするのですね、私は。その場合に、一体どういう主体がやっておるのが一番話し合いがつけいいのか、そういう点についても、やはり考慮する必要はないのですか。電電公社の立場としてはどうなんですか。
#162
○説明員(平山温君) 将来、電電公社の電話が普及した場合に、この有線放送電話がどうなるか、それに関連して、今の有線放送電話の経営主体はどういうのが一番公社としては望ましいか、こういうお尋ねだと思います。
 私どもとしては、先ほど来お話に出ておりますように、農村地域の電話の普及に努めて参りますが、そうしてその場合には、今の補完的な役割をしております有線放送電話というものが実際問題としてだんだんと電電公社の電話のほうに移行されることを期待しておるわけでございます。しかし、その今私の申しました移行と申しますのは、設備そのものを公社に吸収するということを必ずしも言っているわけじゃございませんので、端的に申しますれば、公社の電話があまねく普及すれば、放送の目的は別ですけれども、有線放送電話を利用される向きがだんだん減るであろうと、まあこういうことでございます。そこで、もしこれが電話の目的のためにだけ作った設備であるといたしますと、先ほど来郵政省のほうからお話がありましたように、現在の法律あるいは通信の本質からしての一元性とか、いろいろな問題もございますので、公社以外にそういった別な経営主体があることがいいかどうかということ自身が本質的に問題になります。そこで、したがって、そういう種類のものでございますから、どういうのが一番いいかということは非常に申し上げにくいわけでございますが、一般的にいって、もちろん公共性の高いものがいいと、こういうことになろうと思いますけれども、今現実にある有線放送電話というのは、先ほど来申しますように、電話だけの目的ではなくて、むしろ放送を主体とする目的のものでございますから、この経営主体がどういうのがいいのかということにつきましては、必ずしも電話の面からだけこれをとらえて申し上げるべき筋合いのものじゃないのじゃないか、まあ一応かように考えております。
#163
○野上元君 私の考えているのは、将来電電公社が一元的に電話の普及をやるという姿に持っていくためには、今日の有線放送電話がどうあるべきかという問題について、若干まあ一つの考えがあるわけです。その場合、あなたの話を聞いておりますと、電電公社の電話がぐんぐん普及していくと自然に排除されていく、有線放送電話施設というものは、いわゆる淘汰されていくと、そういう考え方で競合的にやられるのか、あるいは話し合いによってやられるのか、その点はちょっとはっきりしないのですがね。だから、こちらは、有線放送電話施設はどんどんどんどんやっていく、あなたのほうはあなたのほうで、もうどんどんどんどんやっていく、そうしてどちらが便利か、どちらが施設としても優秀か、低廉か、というようなことは一般の人にその選択をまかせる、そうするうちに、あなたのほうは競争して勝っていって、有線放送電話というものはなくなっていくのだ、こういうふうに考えておられるのか、だからそういう政策を打ち出しておるのかどうか、この点をお聞きしたいのですがね。
#164
○説明員(平山温君) 先ほど申し上げたこと、ちょっと言葉が足りなかったと思いますが、公社の電話が普及した状態で考えます場合には、まあ新しい少なくとも有線電話というものが生まれていくことにつきましては、放送の面は別として、電話のほうの側からは、新しい有線放送電話施設が生まれることはだんだん減っていくだろう、少なくとも。それからそれ以前にできた有線放送電話についてはどうするのか、ある機会に吸収するなり、あるいは話し合いによって一元的にするのか、あるいはすでにできたものにつきましては、当分の間その状態が続けられる、まあその辺のことのお尋ねだと思いますけれども、この点につきましては、まだ公社といたしましても、そこまでつめては考えておりません。いずれにいたしましても、この有線放送施設だけではございませんが、電話の施設というのは、もちろん、そのある一定の耐用年数を持っておりますから、その状態について考えますならば、まあ過渡的にはこれを残すことになりましても、施設というものが寿命が来ますれば、あるときには、それがまた施設を取りかえまして、新しいまた有線放送電話施設に生まれかわる、そういう一つの更改の時期もあるかと思います。そういう時期をとらえて、だんだん電話は電電公社の電話に一元的にする考え方もあろうと思います。あるいはそこまで待たずに、ある時期において話を進めるやり方もいろいろあると思いますけれども、率直に申しまして、電電公社といたしましても、その個々の問題まではまだ検討を、結論的な考え方がまとまっていないわけでございます。
#165
○野上元君 この質問の形を変えて申し上げますが、有線放送電話が普及することは、電電公社の電話が普及することに障害になりますか。
#166
○説明員(平山温君) 電話がなぜ一元的に運営されるほうがいいかという本質論でございますが、その前に、御承知のように、日本ばかりでなくて、世界的にも官営、民営の区別はありましても、どこでも、一つの経営主体によって電話というものが一元的になされている。これは各国の通例でございます。それから町によって、企業形態が変わっている場合がありましても、同じ地域に二つ以上の経営主体が電話をやっているという例はないのでございます。それはどういうことかと申しますと電話というものが、やはり技術に設備が一元的に統一されてなきゃならぬということと、これを接続したり交換いたします場合に、普通の交通のように乗りかえということができないわけでございまして、電話機から電話機の端末までがサービスということになるものでございますから、一般の交通機関におきましても一元的に運営されるほうがいい場合があろうかと思いますけれども、それ以上に、通信の本質として、少なくとも同一地域におきましては、経営主体が一本であることが望ましいということは一般的に言えると思うわけでございます。
 そこで、先ほど来お話がありましたように、公社の電話が有放の電話が普及すると、公社の電話が何かじゃまになるのかと、こういうお話でございますけれども、本来なら、先ほど来郵政大臣あるいは監理官からお話がありましたように、長い目で見た電話の一つの発達、あるいは長い目で見た電話のサービスということから考えますると、同一地域に二種類の電話が入りまじって存在するという形は、率直に言って好ましくないと思うのです。そこで、にもかかわらず、この有線放送電話というものが、ある地域に限られて現在の三十二年にできました法律で認められておりますし、それを今度は、ある一つの条件のもとにおきまして、また公社との電話の接続通話契約というものを、今御審議いただいております法律でお願いしているわけでございます。これは、あくまで、先ほど来話が出ています補完的意味でございます。補完的意味といいますことは、ほんとうは、電話はあまねく普及しなければならないのに、不便なところに限って、率直に言えば、あまり好ましくないけれども、現実というものを直視して、それを補完的にそういう方向へも使っていこう、こういうことになろうと思いますので、やはり常識的にいきまして、あまり不便でない地域まで含めてこういう形で電話が伸びていくということは、長い目で見た通信の政策、あるいはサービスという面から見て、問題があろうかと思うわけです。
 そういう意味におきまして、電話の不便なものの判断といたしまして、先ほど来お話が出ております千分の十七というようなものを郵政省のほうでおきめになって、これを一つの目安として運用されていると思います。その境界のところの問題は、非常にむずかしいことはございますが、やはり本質的にいって、公社の電話のあるところに有放が重なってどんどん入っても支障がないということは、ちょっと申し上げにくい。やはり、非常に公社の電話の発達がおくれているところに限ってこれを補完的意味において認めていただくほうが、電話の長い目の発達ではいいのではないか、私どもとしては、
 一応さように考えております。
#167
○野上元君 そこで、郵政当局も電電公社も、やはり根本問題についての考え方があると思うのですね。だから、その意見を聞いて一つのものにしたり、有線放送電話についての指導なりそういうものが現在の段階において必要なんじゃないかという気がするのです。それは、あなたの言われる長い目で見た電話事業のあり方について支障のないような発達の仕方をする、しかも補完的な役割を果たしていく技術的な面もあるでしょう。私もよくわかりませんが、技術的な面もあるでしょうし、また、その他の面もあると思います。できるだけ将来において摩擦を生じないような方針で指導していかなければならぬのではないかというような実は気がしたので、ちょっとお聞きしてみたのです。その点については、今回だけでなく、将来重大な問題になるでしょう。また、ほかの方々から質問が出ると思います。この程度にしておきますが、今日有線放送電話をやっておる経営の内容といいますかね、そういうものはわかりませんか。おおよその傾向でいいですが。
#168
○政府委員(淺野賢澄君) 大体のところは、私どものほうにおきまして資料を整えてございますが、ただいま持ち合わしておりませんので、別途御説明さしていただきますが、一応わかっております点では、これは営業として認めておりませんので、大体それぞれで実際の実費を取りまして運営しておるようであります。その大体の状況を見ておりますと、月に二百円から三百円くらい、安いところは百円くらい、百円から二、三百円といったところを取りまして運営しておりますが、最初に施設をいたしますときに、大体最近のものは上等になっておりますので、一万円から一万五千円くらい、加入者がそれぐらい出しまして、そうして施設しまして、現在の法律が平常の運用に関する面の規定がございませんので、平常の運用の状況は十分に把握できない建前でございますから、私どものほうにおきまして、よくはわかりません。一応見ておりますところが、ただいま申し上げましたように、維持費が百円から三百円、その中から減価償却のお金を五十円くらいずつ積み立てているところもありますし、全然考えていないところもございます。大体そういう状況でございます。
#169
○野上元君 そうしますと、営利事業でないということによって、あなたのほうで押えられるとすれば、経営自体は非常にお粗末な経営をやっておる。おそらく減価償却なんか見ていないで、タコの足を食うようにだんだん老朽化していって、最終的には動きのとれないようになってしまうというような可能性もあると思うのですね。そういう点についての指導というのは、郵政当局は全然やらないのですか。
#170
○政府委員(淺野賢澄君) 法律上では、そういったことは、あまりやらないことになっておりますのと、私どものほうにも、それにふさわしい中央機関がございませんので、直接はやっておりませんが、まあできる限りよい運営ができますように努力はいたしております。
#171
○野上元君 私の申し上げるのは、今日もうすでに二百万からの加入者があるということなんですね、現実に。そして、おそらくこれで利便を受けておる人は一千万の人口を持つと思うんです。これはもう、郵政当局としては、一つの通信事業の、通信政策の重要な部面を私は持っておると思うんです、今日の段階において。にもかかわらず、経営の状態も、まあそれはもう勝手にやらしておるんだとか、機械のほうも適当にやっておるんだとかいうようなことであってはまずいと思うんですね。もう少し積極性を持つ必要がある。というのは、公衆電気通信法の第一条にいうように、あまねく、公平に国民としては受ける権利があるんですからね。そういう点について、もう少し監督官庁として強い指導を発揮する必要があるんじゃないですかね。この有線放送電話の持つ社会的な価値から見て、そう思うんですが、その点についてどうですか。
#172
○政府委員(淺野賢澄君) 平素なかなかそこまでいたしかねますので、許可の際に、できるだけ運営の仕方等につきまして指導をいたすようにいたしております。今後とも、御趣旨の線に沿いまして、できる範囲におきまして努力いたして参りたいと考えております。
#173
○野上元君 もうあまり時間がありませんので、具体的なことを聞きたいんですが、これはどちらに聞いたらいいのかわかりませんが、今度は電電公社の線と接続するわけですね。接続はするけれども、同一県内だけでないと接続させないでしょう。他県への接続というのは、これは認めておらないんですね。それはそのとおりですか。また何か理由があったら知らして下さい。
#174
○政府委員(淺野賢澄君) ただいまおっしゃいましたように、今回提案いたしました法律におきましては、一種と二種とございますうちの一種は、公社の電話局につなぎましたその区域内でございます。二種のほうの上等のほうは、同一区県内、さらに建前、基準といたしまして、一中継ということができるかどうかわかりませんが、一中継と、こういったことで、ただいまそういうことにきめております。そういうことにいたしましたのは、まあやはり今回の考え方といたしまして、低規格電話の考え方をできる限り取り入れたわけであります。何と申しましても、これは出発点が、同一市町村内の、しかも電話の不便なところの放送を兼ねた、きわめて簡易な通信手段である、こういったようなことから、安いのがやはり一番の建前であるわけであります。できる限り安く、そしてそれがその地域共同体の通信連絡手段である、こういったところから、上等にしますのも一つの線を考えまして、市町村には一段上位段階の公共団体という都道府県内に限定をいたしました次第でございます。
#175
○野上元君 限定をしたのには何か理由があると思うんですけれどもね。たとえば東京におって、きょうは急用があって帰れないと、ぜひ電話したいという場合にはだめなんですね。私のところの千葉県なら千葉県に電話するのには。それではあまり意味がないんじゃないですかね。特に、最近におけるような勤め人の行動半径は非常に広いし、経済活動の範囲も非常に広い今日において、そういうふうなことをする必要があるでしょうか。その点をお知らせ願いたいことと、これはたしか試験的に実施されておるわけですね。その場合には県外も認めたのですね。その認めた上での実施をやっておったわけですね。その実績があると思うのです。一体どれくらい試験中にいわゆる県外通話というものがあるかというような資料があると思うのですが、そういうものはありますか。
#176
○政府委員(淺野賢澄君) ただいまの御意見でありますが、先ほども申し上げましたように、本来市町村内の通信連絡手段であります点と、低廉を建前といたしております、こういった点、それからさらに相当程度市外通話も出て参りますと、いろいろ市外ケーブル等の整備等にも予算を必要といたしますし、そういった点等からからみ合いまして、建前としては、やはり都道府県内、こういうふうにしたわけでございます。同時に線を引きます場合に、やはり行政区域とか何とか、そういったものがございませんと、なかなかうまい線が出ないわけであります。いずれにしましても、安くするということが建前でありますので、都道府県内に限定した次第であります。
 同時に、たとえば、今のお話のように、千葉から東京に急用があります場合、これまたまことに御意見のとおりでございますが、そういった場合は、加入電話をできる限り普及を急ぎたい。加入電話を使っていただいて、加入電話のところからかけていただく、こういったことにしまして、有放の性格はやはり変えない、こういった建前で同一県内ということにいたした次第でございます。
 試験接続の通数でございいますが、公社のほうから、通数に関しましては説明をさしていただきます。
#177
○説明員(千代健君) 三十六年度に試験実施をいたしました五施設、三十七年度に試験実施をいたしました二十八施設ございますが、後者の二十八施設につきましては、開通が四月末でございますので、五月の十日までの実績を把握しているに過ぎませんので、正確でございませんと思われますので、三十六年度の五施設について申し上げます。これが一局線当たり二百九十三の通話が行なわれております。その中で一・一というのが県外通話の実績でございます。
#178
○野上元君 そうしてみると、通話数としては大した通話数にはならないのですね、現実の問題として。そうすると、大して支障がないように思うのだが、特にあなたのほうでは、行政区域内ということにえらいこだわっておられるようですがね、一つの区域を作らねばならぬというふうに言っておられるけれども、実際電話からいえば、そういう区域を小刻みに作るということは、通信の本質からいって好ましいことじゃないのですがね。まあ直ちに私はここで改正しろとは言いませんけれどもね。将来ひとつ十分にその点は考慮してもらいたいと思う。
 それからあなたは、電話料金を安くするのが目的だと言っておったですね。それでは聞きますけれども、たとえば、千葉県なら千葉県のいなかの有放から市川なら市川に電話をかける、その場合の電話料というのは、どこの計算によって、どこに払うのですか。
#179
○政府委員(淺野賢澄君) 千葉県のいなかの甲有放が千葉市にかけますといたします。その場合に、有放が公社の電話局につないでもらいました場合、有放の交換台から千葉市までの分は公社の料金ということになります。それで、有線放送電話のほうの交換台から有放内部――有放内部は、これは当然有放内部の問題としまして、従来どおり内部で相互通信をやっておりました実費支弁、こういったことになります。
#180
○野上元君 具体的に聞きたいのですが、千葉なら千葉市を中心にして、いなかの有放から千葉市にかける、同一行政区域内の千葉市にかける場合には、その市外通話料というのは電電公社に払うわけですね。電電公社の料金によるわけですね。
 それからもう一つ、千葉市内に有放がありますけれども、いなかの有放から千葉の交換局を通って千葉市内にある有放に接続する場合の通話料はどこに払うのですか。
#181
○説明員(千代健君) たとえば、銚子にある有放、千葉市の千葉の局に所属しておる有放、この間の市外通話を考えますと、ちょうど有放を一般加入者の方と考えていただいて、つまり、有放の交換台が一般の加入者でありますという場合と全く同じでございまして、したがって、市外通話としては、銚子から千葉までの市外通話料金、こういうことであります。
#182
○野上元君 それは電電公社に払うわけですね。
#183
○説明員(千代健君) こちらのほうが請求書を出しまして、有放からちょうだいするものでございます。
#184
○野上元君 そこで、私はちょっと、浅野監理官が言った、安い料金にしたんだということなんだけれども、ちっとも安くないじゃないですか。一般の加入者と同じでしょう。とにかく市外通話をかけた場合には、電電公社の料金に基づいて電電公社に払うわけでしょう。そうすると、何も安いという意味はないんじゃないですか。それは、個人が高いと思ったらやめればいいし、安いと思えば、電電公社の料金でいいということに思えば、つないでもらえばいいのであって、それは個人の選択にまかすべきで、法律によってそれを規定する必要はないんじゃないですか。それによって、有放の方々は何ら利益を受けるんじゃない。低廉な料金でやってくれるわけじゃないんだから。
#185
○政府委員(淺野賢澄君) 先ほど私の御説明申し上げました言葉が不十分でありまして、まことに申しわけありません。先ほど申し上げましたのは、設備の規格を簡単にしまして、有線放送の最初設備をします場合に、安く仕上げるという意味を申し上げた次第であります。公社の電話に接続いたしました場合に、技術的な面は公社のほうから御説明申し上げますが、公社の通信系になると、その他いろいろな、やはり接続をいたしますと、影響を与えるわけでございます。その場合に、上等にすれば、うんとりっぱなものにしますと、これは公社と同一規格にまでしてしまいますと、どこまで通話がいってもよいわけでありますが、農村でありますから、できる限り安くする必要がある。規格をできるだけ落とす必要がある。こういった意味で、簡素な規格という意味で、安い施設にいたしまして、そして農村の要望に沿うようにいたします。したがいまして、その通話の及ぶ範囲も、まあひとつ一定のところで線を引くようにいたしたい、かようにした次第でございます。
#186
○野上元君 時間がありませんので、この次にまた詳しくするとして、きょうは、その点にはこれ以上触れないことにしたいと思います。
 それでもう一つ聞きたいのですが、料金の問題なんですが、とにかく市外通話になった場合には、すべて電電公社にその通話料というものは払い込まれるわけですね。それを、先ほど申し上げた有放の育成助長という意味合いにおいて、電電公社の加入者から有放に向けて市外通話がなされる場合には電電公社の収入になる、逆に、有放から有放へ、あるいは電電公社の加入者へやった場合、これは有線放送のほうに料金を払うというふうな方法はできないのですか。
#187
○政府委員(淺野賢澄君) 今回の有線放送電話の公社線に接続いたします考え方といたしまして、料金の面につきましていろいろな問題が、保守その他の問題もございまして、有線放送電話の交換台をもって一つの分岐点、こういうふうにいたしました次第でございます。したがいまして、有放の交換台から公社のほうの分につきましては公社が全部とる。有放内部のほうの費用につきましては有放のほうがそれぞれ負担をする、こういうふうに、有線放送の交換台をもちまして、いろいろな面一切を区切りまして、割り切った形の接続ということにいたした次第でございます。
#188
○野上元君 それはもうわかったのですが、それはどうなんですか、それがやはり合理的だというふうに考えられたのかどうか、それは一方的じゃないですか。片方の有線放送電話というものをとにかく接続してやるのだ、いやならよしておけばいいじゃないかという考え方じゃないですか、そういう考え方は。相手も独立した事業体と見る。
 そうして電電公社との間に通信か接続されていくのだという考え方に立つなら、これはもう、料金というものは一方的に電電公社だけがとるというのじゃなくて、何かその点で方法はないものか。もしもあなたのような考え方でやるならば、使いたくないなら使わなければいいというような考え方になると思うのです。だから、その点は私はどうも了解できないのだが、先ほど来申し上げているように、現実にあなた方は必要悪というけれども、二百万の加入者がいるのです。一千万人の人が実際これでどれだけ利益を受けているかわからない一つの大きな電話事業です。そういうことを考えると、もう少しその点を考えていいのじゃないですか。国家のために非常に役に立っているのじゃないですか。その点の同情のある考え方が足りないような気がするのだけれども、その点はどうですか。
#189
○政府委員(淺野賢澄君) この法律案を提案いたす段階になりますまでに、いろいろ討議をいたしたわけでございますが、何と申しましても、二千六百という膨大な数の施設かございますし、先生から御指摘のように、それにぶら下がっております加入者の数もまたまことにたいへんであります。そういった場合に、保守の問題、料金の徴収の問題、いろいろな責任管理の問題、いろいろな点が出て参ります。やはり、この際つないで、通信ができるということが一番大事な問題であって、あとはやはりそれぞれの責任において交換台を境に維持して参りましょう、したがいまして、料金につきましても、交換台をもって両者の分岐点といたしましょう、こういうことで、今回これを御提案申し上げた次第でございます。
#190
○野上元君 約束の時間が来ましたので、これで打ち切ります。
#191
○委員長(光村甚助君) 本案についての質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。
  ―――――――――――――
#192
○委員長(光村甚助君) この際、お諮りいたします。本法案の審査のため、参考人から意見を聴取してはいかがかと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#193
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認めます。つきましては、参考人の人選、日時及びその他の手続については、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#194
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後五時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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