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1962/06/27 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第30号
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1962/06/27 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 逓信委員会 第30号

#1
第043回国会 逓信委員会 第30号
昭和三十八年六月二十七日(木曜日)
   午前十時四十三分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     光村 甚助君
   理事
           鈴木 恭一君
           寺尾  豊君
           松平 勇雄君
           野上  元君
   委員
           植竹 春彦君
           黒川 武雄君
           郡  祐一君
           迫水 久常君
           白井  勇君
           新谷寅三郎君
           最上 英子君
           永岡 光治君
           横川 正市君
           白木義一郎君
           赤松 常子君
           須藤 五郎君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 小沢久太郎君
  政府委員
   郵政政務次官  保岡 武久君
   郵政大臣官房長 武田  功君
   電気通信監理官 淺野 賢澄君
   電気通信監理官 岩元  巌君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       倉沢 岩雄君
  説明員
   日本電信電話公
   社総裁     大橋 八郎君
   日本電信電話公
   社総務理事   平山  温君
   日本電信電話公
   社総務理事   金光  昭君
   日本電信電話公
   社営業局長   千代  健君
  参考人
   全国有線放送電
   話協会関東連合
   支部理事    並木 秀雄君
   元逓信省電務局
   長       進藤 誠一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公衆電気通信法及び有線電気通信法
 の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(光村甚助君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
 初めに、委員長及び理事打合会の申し合わせ事項について申し上げます。
 本日は、有線放送関係法案について、午前中、参考人より意見聴取及び参考人に対する質疑を行ない、午後は、政府、電電公社に対する質疑を行ないます。
 これより議事に入ります。
 公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本日は、まず本法案について参考人の方より意見を伺うことといたします。
 御出席いただきました参考人は、全国有線放送電話協会関東連合支部理事並木秀雄君及び元逓信省電務局長進藤誠一君のお二人でございます。
 それでは、参考人の方に一言ごあいさつ申し上げます。本日は、御多用のところ、本委員会のために御出席下さいまして、まことにありがとうございました。委員一同にかわり、厚くお礼申し上げます。当委員会におきましては、ただいま公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案の審査中でございますが、参考人の方々から本案に対する忌憚のない御意見を承り、私どもの今後の審議に資したいと存ずる次第でございます。
 なお、議事の進め方でございますが、まず参考人の方々より、お一人約十五分程度でお述べ願いまして、その後各委員から質疑を行ないたいと存じます。
 それでは、並木参考人よりお願いいたします。
#3
○参考人(並木秀雄君) 私は、ただいま御紹介いただきました全国有線放送電話協会関東連合支部の理事の並木でございます。
 私どもが長い間お願いをいたしておりました公衆電気通信法並びに有線電気通信法の改正につきまして、国会の諸先生方が今回お取り上げ下さいまして、その審議の過程において、私に参考人として意見を述べる機会を与えて下さいましたことを衷心より御礼を申し上げる次第でございます。
 有線放送電話のことにつきましては、もう諸先生方十分御存じのことでございますので、私がちょうちょう言をろうするところはない、こういうふうに考えるのでございまして、私どもは、今回この法律の改正をお願いいたしましたゆえんのものは、新しい行政区画の拡大とか、あるいは経済基盤の拡大とか、こういうものに適応するように有線放送の電話機能を拡大してもらいたい、こういう気持からでございまして、具体的に申し上げますというと、公社線とも接続のできるようにしていただきたいし、また同一市町村内におきましては、有線放送施設、電話諸施設相互の連絡ということもできるようにしていただきたいというお願いでございましたが、諸先生方は、よくこれをお取り上げ下さいまして、ほとんど全面的にこの気持をいれた改正案を作っていただきましたことを厚くお礼を申し上げる次第でございます。ただ、この法律改正案並びにこの法律が施行されました暁のいろいろの問題につきましては、なお、二、三の点につきまして御意見を申し上げまして、ぜひお取り上げを願いたいと思うのでございます。
 その第一番目は、有線放送電話の接続の範囲でございますが、改正案によりますというと、同一の都道府県内一中継ということになっておるようでございます。しかし、府県によりますというと、この一中継という行き方でありましては、その府県の県庁の所在地というようなところへ接続のできないような地方があるというふうに聞き及んでおりまして、これでは、せっかくのお骨折りも効果を上げないのではないかというふうに考えますので、こういう点につきましては、特別の例外のお取り扱いをお願いしたいと思うのでございます。また、経済圏、行政圏の異常な拡大ということが急速でございますので、関東につきましては東京都とか、あるいは近畿地方については大阪とか、こういう、その地方々々の行政あるいは経済の中心地帯には、おのおのその地方々々で連絡できるような何か方法を講じていただきたい、ことに北海道あたりにおきまして五地区に分けるというようなお話でありますが、これもいろいろと問題があるようでございますので、特別の御考慮をお願いしたい、こういうふうに考える次第でございます。
 次は、法律の施行後の問題でございますが、接続した後の料金の面でございますが、衆議院の逓信委員会の速記録を拝見いたしますと、電電公社では、接続した後は、三級局の場合には基本料金として千三百円、それから附加料金として千五百円を徴収したいというようなことが載ってあるようでございます。三級局の場合、私、基本料金は八百五十円ではないかと考えたのでございますが、千三百円だそうでございますので、それはそれとしまして、それになお千五百円を一回線に対して追加されるということは、なかなかもって負担が重いと思うのでございまして、PBXの場合には、電話機一個について六十円というお話でございますが、それで計算いたしますと、二十五個の電話機に対して一回線というようなことになりまして、それではちょっと、PBXの場合も、用をなさないほどのたくさんの電話機が一回線について要る形にもなりますので、そういう計算からいきましても、千五百円は少しきついのではないか。ことに、有線放送電話が公社線と接続になった場合に、公社に納むべき料金を徴収したり、あるいは交換手をそれだけよけいふやしたり、あるいは深夜間の仕事をさせたり、こういういろいろな面での出費が有線放送電話施設のほうにかかって参りますので、もしどうしても千五百円いただくのだということでございましたならば、そういうこちらでの役務の提供した部面に対しましても、何らかの姿で、還付とかあるいは支払っていただくとか、お金を戻してもらうような形にして、私どもの負担のなるたけ軽いようにお心がけが願いたいと思うのでございます、
 なお、定額制の局の場合に、有線放送電話が接続した場合には、今までの試験地域の場合でございますというと、こちらから局の電話の加入者にかける場合には、一通話について七円ずつを支払い、局の電話の加入者から有線放送電話の加入者にかける場合には無料だというような結果が出ておりますが、これはぜひ今度は撤廃していただきたいと思うのでございまして、こういうアンバランスがありますというと、結局、お骨折りをいただいたこの改正案も、実施の段階におきまして、われわれ施設者は戸惑わざるを得ない、ちゅうちょせざるを得ないという結果になると思うのでございます。
 それから次に、接続した後の保守員あるいは交換手の資格の問題でございますが、御存じのとおり、有線放送電話の施設者というものは、脆弱の基盤に立ったところの地方自治体なりあるいは農業団体でございますので、高額の給料を出して優秀な職員を雇い入れるということが困難な事情にあるのでございます。通信の完璧を期するという意味で、公社では、PBXに対しては相当きつい試験の制度を設けて資格を与えているというようなお話でございますが、このような事情でございますので、なるたけこれを緩和していただきまして、経験年数とかその他を参考にする程度にしてひとつ認定をしていただくという程度にとどめていただきたいと思うのでございます。
 なお、この際、全国有線放送電話協会では、保守員とかあるいは交換手とかの通信教育というものをただいま実施しておりますし、それから各都道府県段階とか、あるいは連合支部段階におきましても、いろいろと公社の教育をあずかっている方々の応援を得まして、臨時的に教育を実施しておるわけでございます。保安とか交換手の技術の面でございますが、そういうことをやっておりますので、ぜひ、資格の認定にあたりましては、そういういろいろな点も参考にしていただきたい。こういうふうに考えるものでございます。
 次に、許可基準の緩和の問題でございますが、これは、有線放送電話の本質にも触れる問題になるわけでございますが、有線放送電話を論議するにあたりまして、従来、とかく公社の役務の提供がルーズあるいは緩慢であったために、地方に有線放送が燎原の火のようにはびこったという議論がなされておるようでございます。私どもはそう考えておらないのでございまして、有線放送電話というものは、農林省あるいは自治省が唱えました新農村の建設あるいは新市町村の建設というような大きな題目に沿いまして、各地方の自治体並びに農業団体がそれに呼応してそういうことを実施するには、有線放送電話施設を、その目標として、あるいは手段として、これを実行するのが一番適切な方法であるという観点から、物すごいPRをして、そして拡張に努めたために、こういうふうに非常に盛んになってきた、こういうふうに考えておるのでございまして、私どもも東京都下でございますけれども、昭和三十一年度にこの計画をいたした当時、公社電話が二百個前後でございましたが、その一年間の申し込み数を見ますというと、わずかに三個程度でございまして、なお三十二年度のを調べてみましても、六個程度の申し込みがあったにすぎないのでございますが、私どもが最初にやりましたときに、すでに有線放送電話に六百七十個加入を得たようなわけでございまして、その間の事情を物語っていることではないかと思うのでございます。
 なお、そうした一つの手段として有線放送を実施いたしました結果は、みごとにその成果をおさめまして、各地方、農村とも、有線放送を実施したところは、ほんとうに明るい姿、活気あふれる姿に変わって参ったというのが実情であると思うのでございます。しかも、こういうふうに有線放送電話が盛んになって、公社電話の加入を非常に阻害しているかということを考えて、私も、昨日でしたか、調べてみたのでございますが、局に行って調べてみましたが、決してそういうことはないようでございまして、最近におきましては、うちのほうの局でも一年間に百六、七十の加入の申し込みがございますし、本年度あたりは、四月、五月二カ月だけで五十五個の申し込みが出ているようでございます。こういう面を考えますと、有線放送電話の普及ということは、決して公社電話の普及を阻害するのでなく、かえって一生懸命電話のありがたさを一般大衆に知らして、そうしてこれをPRしていくというふうにも解釈ができるのでございます。
 こういういろいろな成り立ちとか、あるいはその結果とかを考えてみましたときに、現在有線放送電話の許可基準として御採用になっております、公社電話の多い少ないをもとにしての許可ということは、はなはだ当を得ていないのではないかと、こういうふうに解釈するのでございまして、何も自分たちには全然関係のない、あるいは自分たちとは全然職業も異にしている人が公社電話をたくさん引いたために、その地区における農民とか漁民とかというものが、こういう新しい生活に突入する有力な手段である有線放送電話を持つことができないというような今の現状というものは、非常にそういう地区の低所得者の方々には酷ないき方ではないか、こういうふうに考えるのでございまして、できればこれを撤廃していただきたい。撤廃しても決して公社の電話には害を及ぼさないと考えるのでございますが、もし撤廃ができないとしましたならば、何らかもっとほかの合理的な方法をもってこの許可基準というものをきめていただきたいと、こういうふうに考えるのでございます。
 最後に、有線放送電話は、償却が少ないためにだんだんにだめになって、公社電話がこれにとってかわるというような御議論がなされておるようでございますけれども、有線放送電話の特色というのは、あくまで放送並びに電話というものがほんとうに表裏一体になってくっついているところに特色があると思うのでございまして、放送の不完全な、不徹底なところは通話で補い、通話でも間に合わないところは放送でする、こういうような機能が十二分に発揮されるところに有線放送電話の効果があるために、電話と放送というものを分けて考えて、そして、まあ放送はどうなるかわかりませんが電話は公社のほうへ、というような御議論はどうかと思うのでございまして、ことに、有線放送電話の発達の歴史を考えてみますというと、それに市町村あるいは農業団体というものの表裏一体、緊密な提携協力があって初めて発達して参ったのでございますから、そういうものを全部抜きにして、ただ電話というものだけをお考えになりますというと、公社の実施しておりますところの地域団体加入電話の成績というものが示すような結果になるんではないかと思うのでございます。でございますので、将来公社との緊密一体化というようなことをぜひお考え願うという意味で、こういういろいろな有線放送の電話の性格というものをぜひ諸先生方に御研究していただきたいと思うのでございます。
 いずれにしましても、有線放送電話といいますのは、私は、通信放送界におきまして、世界に誇るべき新しいものをこの日本のうちに創造したと、こういうふうに私どもは考えておるのでございますから、郵政の仕事にも輝やかしい一ページを私は加えつつあるんではないかというふうにぜひお考えをお願いしまして、私どもは今どこへ取りついていいんだかわからないような状態にあるものでございますが、今後はしっかりわれわれをひとつ引き上げていただきまして、有線放送電話の発展というものに御支援を願いたいと、こういうふうに考えるものでございます。
#4
○委員長(光村甚助君) 次に、進藤参考人にお願いいたします。
#5
○参考人(進藤誠一君) ただいま御紹介にあずかりました進藤でございます。
 私は、この問題に対しまして、角度を変えて、国の通信政策上の面から所見を申し述べてみたいと思います。
 ここに元逓信省電務局長ということになっておりますが、これはもう実は二十五年以上も、前のことであります。その後、私は満州電電株式会社の副総裁を仰せつかりまして、六、七年向こうにおりまして、終戦後は、また民間の全国電話設備協会というものの会長にすすめられまして、今日に至っているのでございます。そういうことでございますから、こうした私の経験についてお話を申し上げつつ、本案に対する意見を申し述べてみたいと考えます。
 この有線放送の起こりは、ちょうど私が電務局長をしておった当時なのでございまして、当時、農村方面へラジオの普及をはかるために、有線で多数共同聴取設備を作らせようというので、放送協会当局と一緒になりまして、これの奨励に努めたものであります。この施設を、その後、自治体や協同組合が、村民に対する諸種の放送をするという目的に利用せられることになって、ますます発達して参ったのであります。戦後は、御承知のように、この設備に電話機を取りつけて、部落民相互間の通信に利用せられることになっております。このアイデアはたいへんおもしろいことであって、この設備を実にうまく活用して、こういう便利なことができるということはいいことである、これによって、新しい農村の建設に貢献するところが少なくないと、私は期待をかけた一人であります。
 ところが、これがさらに発展いたしまして、施設区域外に出る、さらにまた、一町村の区域から県全般にまで及ぶ、さらにまた進んで県の外まで伸びよう、こういうような最近の傾向に対しましては、私は少なからず疑問と危惧の念を抱かざるを得ないのであります。
 それはどういうことかと申しますと、有線放送が、当初の農村振興とか、新農村の開発という大目的を逸脱して、公衆電話の分野にまで侵入して、電気通信法の冒頭にも書いてありまするところの、電気通信に関する秩序の確立という目的に混乱を来たすおそれが多分にひそんでおる。それとともに、また農村振興の面から申しますると、第二義的の目的であるにすぎないところの電話のほうにあまり力が入り過ぎておるのではないかと思われます。ほんとうに農村の振興の目的ならば、農村のためにここまで伸びて発展をさせなければならぬ必要があるかどうか、それは私は疑わしいように感ずるのであります。
 電話の普及は、もっぱら電電公社の任務でありまして、昔は逓信省でありましたが、私ども、当時やはり農村振興策につきましては非常にこれに協力して努力をして参った記憶があるのであります。すなわち、電話が農村にないということは、農村が生産物を出荷するということについても、都市に対して非常に不利益な立場に置かれるということは申すまでもないのでありまして、これは、どうしても農村に対する電話の普及ということをはからなければならぬ。それには、まず第一の方策として、無電話部落の解消ということを考えたのであります。つまり、電話通信のない部落をなくしようというのでありまして、普通の加入者電話を農村津々浦々まで普及するということはなかなかむずかしいけれども、一部落が少なくとも一つは公衆の用に供せられる電話を設置して、農民の最小限度の要求を満たしたいというのがこの計画でありまして、これが実行に移されたのでありまするが、当時、官営時代でもあり、また、ことに戦争のためにこれが十分に行なわれないで終わったことと思われます。ところが、戦後、公社ができましてから、この計画はりっぱに完成されておりまして、今日においては、戸数が二十戸くらいの部落には、全国全部農村公衆電話が設置されて、無電話部落は完全に解消しているのが現状であります。そういう現状において、この施設の要否を考える必要があると思います。
 さらに、私の満州電電時代におきまして最も苦労いたしましたことの一つに、公衆電話のシステムの統一ということがあります。電話の事業というようなものは、申すまでもなく、全国にくまなく通信網を張りめぐらすということであります。これは、必然的に一国一系統しかあり得ないのであります。性質上あり得ないのでありまして、法律によって、独占を許すとか、独占の利益を与えるということではなく、公衆のためにこれは絶対必要なのでありまして、もし、一国内に二つの異なる通信網が並び立つということがあったならば、公衆はたいへんな迷惑、不利不便を受けます。これが適例は、無政府時代の満州でありまして、満州至るところに不完全な電話施設がたくさんありまして、これがために、公衆はこの利用に全く困ったのであります。はなはだしいのは、電話の利益を受けようと思えば、一軒のうちで二つの電話をつけなければ電話の用をなさぬ、こういうような状態が起こったのであります。満州電電ができましてから、初めてこの混乱を統制して、電話業務の秩序を確立したのでありますが、一つ申し上げておきたいことは、最後までこの統合ができずに終わったものがあります。この場合、私の痛感したことは、こういうことであります。法令違反の不法設備であって、一たび既成事実が発生した以上は、これを改めることはほとんど不可能に近いほど困難がある、こういうことであります。
 そこで、こういうことにならないようにするためには、その根本の原因をなくすることでありまして、初めから法規は厳格に励行して、間違った施設ができないように、固く規定の初めにこれを保障することが絶対に必要である、こういうことをここに申し上げたいのであります。こういうことを申し上げますると、そんなむちゃな例は満州のことであって、日本では考えられぬとおっしゃるかもしれませんが、そうではない。私が当局者のとき、日本の内地でも、ある非常に大きな私設電話で、こういう例があったのであります。
 それからまた、これははなはだ恐縮でありますが、今問題となっておる有線放送電話の中にも、現在の法規を逸脱した施設が絶無であるということは言えないのではないかと私は見ております。ただいま私の関係いたしておりまする民間施設の電話にいたしましても、PBXのほか、集団住宅電話、あるいは地域団体の電話があり、それぞれ特殊の分野を持ってやっておるのでありますが、有線放送電話の分野、そのあり方ということにつきましては、私は格別の関心を持っておるのであります。今回の法案につきましても、この成り行きについては、陰ながら注意をして見守って参ったのであります。
 ここにできておりますこの法案は、これができ上がりますまでに、関係の当局の皆さんが慎重な配意をされまして、農村方面の要望を十分に満たすとともに、電気通信業務の秩序を確保するという大筋は通しておると思います。一言にして申し上げますれば、この法案は、農村側の要望と通信政策の両面を調和した、そうして調和したぎりぎりの最大限度の法制であると私は思っております。この両面を調和されておると申しまするが、いずれかといえば、農村方面の側のほうにやや行き過ぎておるぐらいでありまして、一国の通信の政策上の見地から見ますると、若干将来に対する危惧をやはり抱かないわけにはいきません。この法案は、しかし非常な苦心の作でありまして、その運用さえよければ、さような危惧はなくて済むと思います。
 そこで結論といたしまして、本日私の意見といたしましては、この法案には賛成の意を表します。ただ、今申しましたような私の経験から、この改正後の運用の面、それから将来のわが国の通信政策から見て、将来の見通しということについて、私の私見を二、三申し上げて終わりたいと思います。
 その第一は、本法案による措置は、この際の応急の、いわば変則的の措置であって、通信国策として本筋ではない。したがいまして、この立法を認めると同時に、ぜひとも、一面において、永久策として、本筋であるところの電電公社の電話普及の一そうの促進ができるように諸政策をやることを御考慮をお願いしたい。これは特に国会の皆様に望みたいところであります。
 それから第二には、この接続電話につきましては、第一種と第二種とがありますが、私は、この運用上、第一種に重きを置いて、第二種の、つまり市外接続のほうは、あんまりこれを拡張されないことが望ましい、かように考えます。これは、さき申しました通信政策の面からはもちろんでありますが、そればかりでなく、農村政策の側から考えましても、私は、本来の目的に沿うためには、かくあるべきだと思うのであります。元来、農村電話――農村の対策というところから出たところの有線放送電話は、村の地域が主であるべきはずであります。町なり市なりというものに至っては、その要望は少ないはずだと思います。ところが、現状を見ますると、統計によると、これに反して、市や町のほうにこの施設が非常に普及しておって、ほんとうの農村、純農村で、われわれがぜひやってもらいたい、当然やるべきじゃないかと思うようなほうには、あんまり発達していない、こういう奇異な状態に私は今なっておると思います。すなわち、言いかえれば、公社の電話がない地域に発達すべきであるが、そのほうではなく、公社の電話がすでにある地域に相当この施設が行なわれておる、こういうことであります。これらの点を見ますると、そうしてこれらのところをよく見ますると、加入者の大部分は農家ではなく、商店や勤労者が多いのであります。言いかえれば、それは農村の対策のための有線放送電話ではなく、いわゆる一般の公衆電話であるわけであります。そういう、本来の趣旨から離れた施設に、この第二種の施設の要望が私は多いのだと思うのであります。これは、農村対策からではなく、一般公衆電話の分野で考慮すべきことである。これはどうしても電電公社のほうで一日も早く解決をしてもらいたいと思うのでありまして、第二種の接続を許すという問題ではないと、私はかように考えております。なお、この第二種の接続のためには多額の改修費を要するのであります。現在の施設をそのまま使って活用するということではなく、今の施設を相当取りかえたり、金を注いで改めなければならないのであります。第一種だけならば、現在の施設をそのままに使ってやれる。または改めるにしても、ごくちょっと手を入れれば使えるのでありまして、そういうことをやるために、何らの経費や、いわんや補助金のごときはなくてできると思うのであります。
 それから第三番目は、先ほども申し上げましたが、地域条件の問題でありますが、例の普及率の百分の一・七というものをもっと緩和して、もっと程度の高いところにも許せと、こういうことでありますが、これには私は賛成しかねるのであります。普及率がいかようであろうとも、かりに電電の普通加入区域になっておるところでも、この基準によりますると、公社の設備が今後相当の期間困難で連絡不便だというところは、無条件に認められるのであります。それで十分なのであります。地域団体のごときはそういうところでやり得るのであります。これだけやれば十分でありまして、公社の電話の普及しているところに、程度を高めて、なお二つの系統を持っていく必要がどこにあるかと、私には考えられます。
 それから次に、将来の見通しといたしまして一言申し上げますが、この制度は、公社の施設の足らないところを補うという意味において当分は並立するでありましょう。しかしながら、この有線放送電話は、どこまでも放送をやるのが仕事の本体であって、放送の合間にこれをやるのでありまして、したがいまして、電話の専用に供することはない、電話がかかってきても、放送をやめて電話を通すということはしてもいい――それは両方矛盾するのであります。公衆電話施設とすれば不完全な施設であります。したがいまして、公衆電話の要望を達するためには、どうしても公社電話の普及によらなければならない。このほうが公社電話の普及を早く促進して、そのほうが普及するに従って、有線放送のほうのいわゆる公衆電話はだんだん縮小し、または廃止していくべきものであると思います。したがいまして、こういう変則なものに対しては、補助、助成、助長、奨励政策をとるべきではない。これはどこまでも農村地方の力によって自主的に運営もやり、施設もおやりになるのがいい。そういうものだと考えております。したがいまして、公社側に対しましては、この法律が通ったことによって、公社の肩の荷は少し軽くなったのだと考えたら、たいへん公社は間違いでありまして、これができましても、早く公社自体の通信網の完成、農村要望を達するということに、ますます全力を期さなければならぬということを期待いたしたいのであります。
 なおこまかいことは幾つもありますが、大筋はそれだけでありまして、御質問によって、また私の所見を申し上げたいと思います。
#6
○委員長(光村甚助君) 以上をもって、各参考人の御意見の開陳は終わりました。
 これより、参考人に対する質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言願います。
#7
○永岡光治君 一つだけ聞きたいのですが、進藤参考人にお尋ねいたします。
 ただいまの公述の中に、本来有放施設というものは、僻地と申しましょうか、農村と申しましょうか、農村のほうに普及すべき性質のものであるのに、今日の実情から見ると、むしろ逆に、商店や勤労者の多い地域にこれが普及されておる、こういう意味のお話があったわけでありますが、私の聞きたいのは、その原因は一体どこにあると考えておいでになるのか、なぜ商店や勤労者の多い地域にこういう有放施設が普及しておるのか、どう判断しておるのかということを、それをまずお尋ねしたいと思います。
#8
○参考人(進藤誠一君) 私も、その点はどういう理由か、はなはだわからぬのでありまするが、その前に、私が、農村はやってないで、都会の普及率が高いところばかりやっている――そういう極端なことはないので、商店ばかりのところも私も現に知っている、あるということを言ったので、全部調べてそういう断定をしたわけではないのです。そこまで、言葉が過ぎるかもしれませんが、あるのは事実でございます。同時に、当然必要と思われる農村にない、これも事実であります。
 どうしてそうなったかといいますと、これは、農村の農協とか、その他の団体というものが、そんな本来の農村目的のための媒体というか、そういう基礎産業のようなものにやるべきことですが、それにあまり興味を持ち過ぎて、だんだん電話に広がったのでありますから、そういうふうにだんだんなっていくというような電話――私から言うと、これは言葉が過ぎるかもしれませんが、電話のほうに偏重し過ぎたのではないか。そういうことになった原因はどこにあるかというと、これは申すまでもなく、公社の電話が十分に思うように申し込んでもつかぬ、これもあるかわからぬが、公社のほうは高い、こっちでやると安いということもあったと思います。
 もう一つ、さらにこういうことが、これは想像ですが、これは有線放送の第二義的の設備として持ったのであるが、だんだんやってみると、電話専門に、公社の補助機関のようになっている。むしろ、公社と対等の電話機関だというような自覚というか、認識のもとに立って仕事されたようなことが――いなかではない、都会の商店なんかが加入してこういう設備ができたという原因があります。
 そこで、私ども実はいろいろ考えてみて、この電話はむしろ公社の電話として利用して、公社の電話の普及の中に入れて、公社の電話の普及という中の問題として解決することを考えてもみたんでありますが、それはやはり違う。というのは、電話専門であれば公社を基準にすべきで、公社に協力する、同時に、監督、検査を厳重にし、全く公社の下部機構となるのであります。ところが、これは農協その他の団体にしましても、自分のほうが主体であって、そういう他の公社等の手足になるという考えはないのだ、これを公社の手足にするということは、技術上その他から困難でもあろうし、また地方としても望まれるところではない、こういうふうに思います。
 まあ、そういうことに今日なっておる。永岡さんのお尋ねについては、まあそんなふうに、私の想像では、来ているのではないかと思っております。
#9
○永岡光治君 今の問題について、並木参考人にお尋ねするわけですが、進藤参考人は以上のような見解を持っておられるが、実際その衝に当たっておいでになる皆さん方が、施設として、原因はどっちのほうが――便利とか安いとか、いろいろな理由があったのだと思いますが、どういう原因でそういうふうになったのか、お尋ねをしたい。
#10
○参考人(並木秀雄君) ただいまのお話のうちに、都市近郊に進出して、商店や勤労者のほうにまでどんどんはびこっているというお話がございましたが、商店が加入するというのは、これは、今までの制度で電電公社との接続が許されなかったから、苦しまぎれに商店が加入したのでございまして、これは、電電公社の今度の接続ということによって必ず解消すべき問題だ、二重加入ということは解消すべき問題だと思います。それから勤労者というものの加入につきましては、先ほどの農民の場合と私はほとんどほぼ同様だと思うのでございまして、それには、有線放送電話の、先ほど私が申し上げたような特殊な性格というものをやはり御研究願わなくてはわからないのではないか。要するに、電話でも、必要がなければ引かないわけでございます。いかに公社が能力を備えておりましても、その人たちに必要がなければ引かないと私は思うのでございまして、そうした場合に、そういう農民とか勤労者とかいう庶民階級は、ただ電話一本の機能で必要があるかどうか、こういうことに私はなると思うのでございまして、そうした場合に、その放送というものを兼ね備えたこの有線放送電話のほうに入ってくるということは、私は当然だと思うのでございます。
 ことに、この放送と電話というものは、私はどうしても切り離し得ないものでございまして、放送電話のまず通話内容というものも、ほとんど放送内容と同じようなことをまあやっているのでございまして、そういう意味で、普通の電話では、事務用の電話あるいは商業用の電話というようなふうなのが観念だと思いますが、有線放送電話のいわゆる電話というのは、相当社交性の高い電話というものがあるわけでございまして、放送というものと、手段は違いますが、内容はあまり区別のつかないようなふうにまでいっているのが私は有線放送電話の電話ではないかと思っております。
 それと、もう一つ、先ほど申し上げましたが、これは地方自治体とか、あるいは農業団体とかというものの一つの指導性というものをこれに加えていて、ときどきその放送を通じ、あるいは電話を通じての指導的な気分が流れてくる。こういうことも非常にあずかって力あるのではないか。農業だけに関係した問題ではなく、たとえば勤労者の場合につきましても、東京近辺でございますというと、たとえば衛生環境の問題であるとか、あるいは学校のPTAの問題であるとか、あるいはまた婦人会の問題であるとか、そういうようないろいろの問題で放送も必要だし、通話も必要だというような面が出てきますので、そういう面で、ただ電話一本、ことに事務用あるいは商業用の相手しかない電話だけよりは、有線電話のほうがいいのではないかという傾向も、私はあるのではないかというふうに考えるものでございます。
 なお、お話に、純農村で当然あってしかるべき所にないというようなお話がありましたが、それは、その土地の指導者がまごまごしているというか、ほんとうにその地区の振興というものの手段を知らないものだと私は思うのでございます。この新しい武器を使わないで、その地方の振興ということは私は絶対にあり得ないと思うのでございまして、要するに、そういう事態がありましたとしたならば、指導者のいかんにかかっているんじゃないか、こういうふうに私は考えておるものでございます。
#11
○永岡光治君 そこで、そういう原因について、一致しているところもあるし、見解の相違するところもあるわけですが、並木参考人にお尋ねしたいのですが、公社の電話が普及するとした場合には、進藤参考人のお話では、自然に吸収する方向にいくのではないだろうかという見方をしているようですけれども、あなたの今のお話では、これは絶対そう弔いかない、普及してもやっぱり残るだろう、こういう見解でありますが、そこのところをひとつ明確にしていただきたいと思います。
#12
○参考人(並木秀雄君) これはやはり私は残ると思うのでございまして、先ほど玉申し上げましたとおり、結局、有線放送電話の放送と電話というものは、どうしても離すことのできないものであるから、放送だけはそちらに残って、接続だけは公社のほうに移るということはあり得ないと思いますことと、どうしても市町村あるいは農業団体というものの緊密な一体的になったものがこの効果を上げておるものでございますから、やはりそういう意味で残ると思いますし、また残すべきだと、こういうふうに私は思っております。ただ、この市町村とか農業団体とかいうものの通話というもの、放送というものは、これは私は目的ではあくまでないと思うのでございまして、要するに、その地区の振興のための手段だと思うのでございます。でございますから、公社の考えを広げていただきまして、片方は目的だ、あるいは手段だというところを上手にかみ合わせますれば、決して変な対立とか、または自然消滅して片方がかわるとかいう、いざこざができないで、みごとな、りっぱな将来の行き方が生まれてくるのではないかと、こういうふうに私は考えております。
#13
○永岡光治君 進藤参考人は、今の点はどのように考えていますか。並木参考人はそういう見解を持っているようですが、あなたの見通しといいましょうか、いかがですか。
#14
○参考人(進藤誠一君) お答えしますが、ただいま並木さんのおっしゃったこと、私も同感であります。というのは、有線放送電話は、放送と内容が似ているし、それからまた一般公衆電話でなくて、村の政治、教育、婦人問題とか、その他いろいろな目的にやるのだからして、両方ともいい。これはたいへんけっこうだ。それは私は認めている。それならば、村だけの、その地域の施設でいいのじゃないか。それは私は一つも反対していない。それが伸びて、他の県内と連絡し、県外へも連絡しよう、それは逸脱しておって、それは公衆電気通信がやるのがいいのじゃないか。何も、外に伸びる線で話すことが、さっき申し上げたような村内のいろいろな諸施策を進展させるものではないはずでございますから、その点を一つ申し上げたい。
 そこで、第一種というのは、自分の地域からは少し伸びるが、同一の村内だから、これは接続はいいのではないか。第二種になると、私が言ったような別個の通信網を作るという工合になる疑いが強いと私は考えます。
 それからもう一つ、この際につけ加えますが、並木さんのおっしゃったことは同感でもあるし、それはどうしたらいいかということになると、千葉県とか埼玉県とかいう方面で、県庁所在地だけでなくて、東京都あたりにも通話させる、それには、県外にも必要で、二中継も要るのだということ、これは私も同様に思います。今の出荷についても、千葉県が千葉市だけの相場を見ているのでなく、東京の状況も知らなければいけないと思います。大阪については、奈良県とか岡山県のほうの方は、大阪というものの大きな取引市場の物価等を知りたいでありましょう。それは必要でありましょう。その必要は、電電公社のほうの線で十分に設置すべきものだと――また考えておると思いますが、それが足らなければ、これはもう何をおいても、電電公社はその要望にすぐ応じられるように回線を増設してもらいたい。そうすれば、何もそういうような中心市場に通話をするためにこの有線放送にそこまで接続してもらいたいという理由がない。理由がないから、私は認める必要がないと、こういうことであります。
#15
○永岡光治君 私は、御両氏のお話を聞いて、さらに次の疑問と申しましょうか、質問に発展していくわけでありますが、今並木参考人のお話によると、これは非常に便利なものだ、たとえ公社が電話をたくさん普及させるとしても、これは残るだろう、こういう、おそらく加入しないだろうということになってくると思うわけでありますね、どんなに普及しても。一本だけとるほどの余裕がないのだ、それだけ必要がないのだ、それで十分だと、こういうことになる意見のように私は今理解したわけであります。そうすると、この法律を施行いたしまして、これが実行されまして、ずっと長く続いていく間に、いかに公社が普及をさせようといたしましても、そこは加入しない、こういうことになるのではないだろうか、こういう気がするわけですが、そこで、進藤参考人の見解でありますが、あなたは、この法案はよろしい、これはいいのだと、こう言っておるわけですが、この程度でずっと進むならば、なるほどこれは便利なものだという、放送もできるし、通話も一つの県の中では十分にできるとこういうことになれば、引いてどの程度の設備費なりあるいは架設費がかかるか知りませんけれども、そんな余分なものを作る必要がない、それまでして公社の電話に加入する必要がないと、こういうことがずっと続くとしたらば、あなたはどう考えておるか。説明を聞きたかったわけですが、あなたの意見では、そういう段階は、普及の段階になれば、事電話に関する限りは、有放に加入していることはやめて、公社のほうに入ってくるのじゃないかという見方をしておるのか、入るべきだという見方をしておるのか、そこを聞きたい。べきなのか、そうでなくて、自然に入ってくるという見方をしておるのか、どちらかということなんですね。
#16
○参考人(進藤誠一君) さっきも申しましたように、その地域内には、放送と同時に電話は残るであろう、これは私も同感であります。認めます。そこで、私の言うのは、それから外に出る市外通話ですね。これは要らない。公社が発達すればなくなる。
 それからもう一つ申し上げたいのは、さっきのように、商店が大部分で、農家がほとんど少ないというところには公社のほうが普及する、こっちへ入っておる人は有線放送電話をやめて公社電話に入る、これが当然の方向です。それでまたいいわけです。そうすると、商店なんかがたくさんあって勤め人がごたごたおって、やっておるところでは、これは都市であって――都市ではなく、あるいは町かもしれませんが、都市と同じであって、農村的事情でいろいろやるような対象じゃない。そういうところのものは、有線放送からは脱却して、公社のほうが進めばそのほうだけでいい、そういう点が残ると思います。
#17
○永岡光治君 これは、あとでまたただすことにいたします。多少まだ疑問を私は残しておりますが、次に進藤参考人にお尋ねするわけですが、二以上の通信網、経営主体のそれがあることは、非常に利用者は迷惑する、こういうことは私もわかるような気がします。そうだろうと思うのですが、それが連携したらうまくいかないかどうか、絶対的なものかどうか、どういうふうにお考えになっていますか。今、世界でも、二つ以上の電話会社があるところがあるのじゃないかと思いますが、それはどういうように考えておられますか。これは大したあれじゃありませんけれども。
#18
○参考人(進藤誠一君) 二つ以上というのが、アメリカのごとくATTの大きなあれと、インデペンデントでいなかだけでやっている、こういうものは、分野が違いますから、問題がない。問題は、満州の例であります。同じ地域に二つの系統の電話がある。それを市内だけで、特殊的なものならばいいが、それが、一方は市外線を持って話ができる。たとえば、これは名前を今言ってもいいんですが、満鉄が、新京や奉天の、その土地以外に、住宅や、ホテルや、商店が、そういうところにみんな電話を引いている。それが、その一都市内をつないでいる間は、まあ多少弊害があっても看過できるが、市外線を持って、奉天でも、大連でも、できるのですね。そうすれば、りっぱな公衆通信系であって、ここに二つの通信系がある、こういうことです。
 そこで、満州じゃなかったが、内地でこれから心配、危惧というのは、こういう例があるのです。公衆電話ボックスが二つある。そうしますと、ちょうど二つ並べますと、こっちは有線放送の加入者にかける公衆、こっちは電電公社にかけるもの、こういうことになっては困ると思う。今後両方をつないで、そういうことがないように統制して、一つかければ両方へ通ずる、こういうことでないと困るということです。
#19
○永岡光治君 並木参考人にお尋ねしますが、例の許可条件の地域の条件ですが、千分の十七という普及率を、一応基準を示されておりますが、それを緩和してくれ、こういうような趣旨の公述であったようですが、それをもう少し具体的に説明して、御意見を聞かしていただきたいと思います。
#20
○参考人(並木秀雄君) 千分の十七というのは、これは昭和三十二年ごろの標準ではないかと思うのでございまして、その当時よりは、公社の電話もきっと倍になっていると思うのでございます。そのために、もしその率を使うというものでありましたならば、その当時の率を今に引き直したもので、あるいは千分の三十、こういうふうな形にすべきが当然ではないか。それよりも私たちの一番心配するところは、電電公社のたくさん普及しているところにも、農民があり、漁民があるということでございまして、その人たちが有線放送電話の恩恵を浴しないために、隣の有線放送施設のあるところの農民なり、漁民なりに非常に大きな差をつけられてしまっている。あそこの農家には有線放送がないんだから嫁にはやれないのだというふうに、非常に非文化的な生活に甘んじていなければならない。しかも、その電電公社の電話の普及ということは、何もその人が公社の電話を引くときに、近所隣を断わって引いたわけじゃないのでございまして、みんな勝手に引いたのでありまして、その農民なり、漁民なりにとっては、何らの関係のないことだと思うのでございます。そういう点で、そういう地帯、ちょうどビルの谷間に入っちゃったような人たちを何とかして救う道を講じていただきたいということでございまして、あるいはそのためには業種別な標準とか何とかということも一つの方法でありましょうし、いずれにしましても、そういう矛盾が出てくるということを諸先生方にお考え願いたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#21
○永岡光治君 もう一つ、並木参考人にお尋ねいたしますが、有放のほうから公社のほうに電話をかけるときは料金を払わぬ、公社のほうから有放のほうにかかってくるときは料金を払っていただきたい、こういう趣旨のようにさっき聞いたのですが、そうですか。
#22
○参考人(並木秀雄君) いや、これは公社の定額制のところでございますが、今までの試験接続の場合には、定額制で接続した場合には、有放の電話の加入者のほうからその局の公社の電話の加入者にかける場合には、七円ずつ払っているわけでございます。ところが、その局の公社の電話を持っている人が有線放送のほうにかける場合には無料でかかったわけでございまして、ちょうど有線放送に加入していない人が無料で有線放送を使っているという結果が今まで出てきておったわけでございます。でございますから、そういうアンバランスは今回ひとつ訂正していただきませんと、これは何も有放に加入するばかはないのでございまして、公社のほうに入っていて、有放はただ使ってやろうという人も出てくるということを申し上げたわけでございます。
#23
○新谷寅三郎君 両参考人から非常に有益な御意見を伺ったのであります。私の拝聴したところでは、お二人の御意見は、いずれも、この法律、今提案されております法律の基本的な問題ではなくて、初めにおっしゃたように、この法律が施行せられた場合の、実施上の、実際の運用上の希望であるとか、あるいは将来この有放、有線放送というものを、どういうふうにするのが、国民の利益、あるいは通信連絡というような点から見ていいかというような御意見であったと拝聴したのであります。私も、個々の問題については多少の意見がございますけれども、これらは、いずれも郵政当局におきまして、皆さんの御意見を十分参酌をして、運用上遺憾なきように措置をせられるものと期待するのであります。
 私がお伺いしたいと思いますことは、ほんとうに二、三点にすぎませんが、実は、この制度の、多少立案に参画をいたしましたものといたしまして、初めから心配をしておった問題があるものですから、これはひとつ実情をこの機会に並木さんから伺いたいと思うのです。
 その一つは、有線放送が、先ほど仰せになりましたように、いろいろな経緯を経てでき上がったものでありますが、そのかわりに、その内容は実に種々雑多でありまして、非常に優秀なものから優秀でないものまで、種類といいますか、区別がつけられないくらい多いのであります。そこで、非常に経営状況がいいものもありますし、また非常に悪いものもあって、現在の施設ですら、自分の力でこれを維持するのに困っておられるような組合も相当あるように、私たちの調べではそういうふうに考えておるのであります。今度この法律の施行によって、第一種、第二種等の区別はありますが、結局、この法律によって、組合員の利益のためにこれを活用しようということになると、やはり何がしかの設備をしなければならない、あるいは設備の改善をしなければならぬというようなことになるわけであります。そういう経営の状態からいって、そういうことがほんとうにできるだろうか、つまり、法律を施行しましても、この法律の上に乗せて組合員の利益をはかっていくというようなことが、実際経営上できないようなものも出てくるのじゃないかということを心配しておるのであります。特に、第二種ということになりますと、ある程度のものは施設の改善を余儀なくせられるだろうと思います。そういうことになると、従来の設備の償却等についても非常に不十分で困っておるというようなものについては、そういった設備の改善等についても、はなはだこれは財政的に困難な状態に追い込まれるのではないかという心配があるのです。私は、せっかく法律が出るのでありますから、この法律の上に乗せて、できるだけ農山村における利用者の便宜をはかっていくようにするのがいいと思うのであります。そういった点については、並木さんは、協会のほうを担当しておられて、少なくとも関東地区では組合の実情を知っておられるわけでありますが、そういう心配はしなくてもいいのか、また協会として、何かそれについて、もしいいのであるとすれば、お考えを持っておられるのか、これはざっくばらんにお伝え願いたい。
 それからもう一つは、有線放送というものは、放送とそれから電話というものが並んでおって、やはりおい立ちから言うと、放送が中心でありまして、農山村においては、いろいろの告示とか、あるいは先ほど仰せになったような、お互いの親睦をはかるためのいろいろな連絡のために利用しておられるのでありますが、そこに電話をくっつけていくわけです。
 そこで、卑近な例を申し上げると、純粋の通信施設としての効用が非常に制限せられておる。たとえば、組合の地域内から公社線を通じて外におかけになる場合もありましょうし、それから組合の区域外から有線放送の加入者に電話がかかってくる場合もあると思うのです。そういう場合に、これは二つ非常に違ったケース――反対なケースでありますが、一方は、これは放送中の場合を考えますと、今放送しているのだから、これは電話をかけられないということはわかるのですが、外部からかかってきた場合には、放送中かどうかわからないのですね。そういう場合は、法律の建前から言うと、一応有線放送の内部の問題として取り扱ってほしいということを郵政省は言っておるのでありますが、そういうことについて、実際上有線放送を担当しておられる団体は、どういう扱いをせられるでありましょうか。何か、それについて、むしろ私もあなたのいいお知恵を拝借したいくらいに思っておるのです。有放の中からかける場合、それから有放の外から中にかかってくる場合に、その本来の仕事である放送というものと通信というものと、どういうふうにそれを調和していくか、実際問題としてはなかなかむずかしい問題であります。それを今のままで置いておくと、やはり通信施設としては、先ほど申しげたように、非常に制限せられておって、急用があってもすぐの役に立たぬというようなものにならぬとも限らないのであります。これは本来の性質でありますが、どういうふうなお考えで運用していかれますか、この際にひとつ御意見を伺いたいと思います。
 それから進藤さんに一つだけ伺いたいと思いますことは、先ほど仰せになりましたいろいろの点、これは一々触れませんが、先般私は郵政大臣に対して質問をしたのでありますが、農山村に対する将来の電話対策ですね。郵政省や電電公社のほうでは、現在の地団の制度をさらに農山村に合うように改善をして、もっと低規格な、もっと料金の安い電話制度をこしらえて、それを農山村を対象にして極力普及するようにしたいというような答弁があったのでありますが、あなたが先ほどいろいろの御経験からお述べになりましたが、電電公社にとってもらうべき農山村電話についての対策といいますか、具体的な、こういうふうな郵政省、電電公社の持っておる考え方に対して、何か御意見がございましたら御指摘いただきたいと思います。
#24
○参考人(並木秀雄君) お答えいたします。
 第一の、経営の基盤が非常に不確定ではないかという御心配でございますが、私もほんとうに同意見でございます。有線放送の今の最大の欠点は、この経営基盤が確立しておらないということにあると思うのでありますが、その主たる原因というものをいろいろ考えてみますというと、いわゆる電話というものの性格というものをよく知らなかったために、安直に、安いもので成り立ち得るというふうに農村も受け取っておりましたし、われわれ自体も考えていたところに非常に欠点があるのだと思うのでございます。で、電話というものは、そう安いことではでき上がらないのだということを指導する、その指導力というものが、もともそうでありますが、ただいまも非常に不足しておりまして、全国段階にもございますし、また全国中央会というものもありますが、みな、しろうとというような形で、ほんとうに真髄をついての御指導がまだなされておらないようでございます。そういう点では、郵政省のほうにもお願いをしてあるわけでございますが、いずれにいたしましても、こういう基盤をがっしりと固めるという指導力をひとつ発揮していただきまして、これを固めないうちは、先生の御心配いただいたように、接続をするというようなことはまだとんでもないことであると、私はこういうふうに考えておるのでございます。
 ただ、最初にできた施設というのにそういう欠点がことに多く見受けられるのでございまして、最近の施設というものは、そういう点を十分に考慮をしまして、とるべき金はどしどしとって、最新の設備をして、そうしてこういう接続というものに備えておるようでございまして、そういう方面にはたいした心配はないと思いますが、問題は、昭和三十二年ごろから昭和三十四年ごろまでの施設にあると、こういうふうに考えます。そういう点は、ぜひ全国段階の強力なこの指導を待って、経営基盤をまず確立してから接続ということに踏み切るべきだろう、また考えますことは、接続ということを条件にしてこの設備を改善し、またそれから逆に経営も確立していくというような手段にもまた近寄ってもいいかとも、こういうふうに考えております。
 また、放送中の通話の問題でございますが、大体において、放送時間というものをみなきめておりますので、その時間外にはかからないような何らかの措置が必要ではないか。それで、まあ有線放送が外部からかかる場合に、有線放送の施設者のうち、よそへ勤めている人がそこへかける場合には、当然そういうことを承知して、今ごろはどうも放送中になりそうだからということで避けることはできると思いますが、そういう点は指導によって解決がつくと思いますが、不意の申し込みの通話という点については、なかなか悩みの種だと思うのでございまして、場合によったらば、こういうことができるかどうですか、公社の側に、ここの施設は何時から何時までは放送だから通話はつなげませんというようなことをお願いして、その以外のときに通話をつないでもらうというような手段を講じられたらけっこうじゃないか、こんなふうに考えておるわけでございます。
#25
○参考人(進藤誠一君) ただいまの新谷さんの御質問でございますが、農山村に対する電話普及について妙案はないかということでございますが、一番不便なのは、電電公社の電話がない、加入区域外、当分かからぬところとか、そういうところにこの地団の制度が認められて、これを奨励していく、こうなったのであります。規定は同じ「不便」と書いてありますが、有放の場合の「不便」というのと非常に違うのですね。それは、有線放送の不便はただ不便、それから片一方のほうは、私らから見ると、極端に不便、こういう段階があると思います。そこで、おのずから対策は違うべきであると思うのであります。
 電話のかからない不便というのは、いなかの僻地だけでなく、それと同じところが東京の区内にもあるのでございます。それは、御承知のように、団地でありまして、世田谷とか杉並とかというようなりっぱな東京の都内、区内に、どっちかの電話がかかる、いつかかるかといっても、まだ三年かかるか五年先かわからない。こういうところが残っておる。それは、ちょうど山間の僻地と同じ状態であります。それに対してどうするかというと、集団住宅電話という制度がございます。これはまだ制度化しておりませんで、進行中でございますが、これは私も考えてみましたが、私、少なくもやったほうの経験からいえば、うまくいきません。これは何とかもっと早くかかるような方法を公社で考えてもらわぬといかぬと思いますが、地域団体のほうは私もよくしりません。相当ふえておりますから、まああれでいけるのじゃないかと思いますが、これについてもちょっとまだ自分としては地団の実況をよく知りませんから、よく私の意見としては申し上げられません。
 さっき一番最初に私が申しましたように、何よりも一番必要なのは、無電話部落の解消ということで、どんなところでも公衆電話ができるということはぜひ確保せにゃいかぬ。それは、今の二十戸これはまだ今後三万個も第三次計画があるのでございますから、今度は二十戸より少ないような部落にもかかると思います。そのかかるところをどういうふうにやるかしりませんが、公衆電話ボックスでもよければ、赤電話でもいいし、農協のところに置いてもいいし、最も公衆に便利なところに置けば、これで一応市外通話もできるし、まず団地はできるのじゃないか、都内、市内においても、近ごろ赤電話というのが、非常にこれは私はたいへんいいことだと思います。電話のない人はあれを非常に利用しておって、これで今の無電話のところも助かるのであります。なお、東京都内の今のような盲点のあるところのような場合では、赤電話のごときものだけは、公衆電話ができぬでも、赤電話のごときものは早く設備をしてもらえればいいのじゃないか、こういうような考え方です。
#26
○横川正市君 これは並木さんに一問。
 この放送と、それから電話というのは、いかにも便利なようだけれども、その目的が違うわけで、ことに放送の場合には責任を持たないわけですが、電話の場合には、個人の意思、思想、そういったものが伝達されるわけで、きわめて簡易、低廉な施設であるということから、通信法によるところの秘密保持については、これはおそらく良識に頼る以外には保持できないというようなことも考えられるのじゃないか。そういった場合に、農村で放送と電話とを一緒にやる場合に、個人の秘密に関する事項についてはどの程度まで検討をされたのか。もっとも、今機械設備がだんだんよくなっておりますから、たとえば、同一回線で何軒かの加入者が、これがブランチでつながっておりましても、自分の呼び出しの符号が来なければ出なくてもよいということで、相手を信頼して秘密保持するということになる点もあるのですが、そういった秘密保持の点では、協会のほうはどういうふうにお考えになっておるのか。
 それから進藤さんに一点お聞きしたいのでありますけれども、電電公社の電話の普及という問題で、私は電電公社の小局運営というものに、今までほとんど具体的な策や、その運営に対する必要性について熱意が欠けておったのじゃないか。そのために、農山漁村等の電電公社のサービスが立ちおくれの状態になったのじゃないかと、こう思うのでありますけれども、その点はどういうふうにお考えになりますか。それぞれ一問ずつお聞きしたい。
#27
○参考人(並木秀雄君) お答えいたします。
 秘密保持の問題でございますが、最近の機械におきましては、絶対に一個人と一個人の間に、その回線の人が割り込むことができないような装置になっております。したがいまして、交換手さえ秘密厳守の心がまえがあれば、絶対に秘密はよそに漏れるような心配はございません。また、今までの標準的な機械でございますが、それでも、最近バリスターとか、いろいろな進歩した部品をつけることによりまして、自然に漏れてくる話は防ぐことができるようになっております。きわめて軽微な経費でそういうものは防げるようになっております。
 ただ、そういう従来の標準方式の機械でございますというと、受話機を上げて聞くという人があった場合には、これはいかんとも従来の式ではいたし方がないのでございまして、それは今度は、かけるほうでひとつ秘密な話をなさらないようにしていただくよりやむを得ないのじゃないか。でございますから、御心配の点は、どうしても機械の進歩というものに待つよりいたし方がないのではないか。最近のものでございますというと、絶対に話は人に聞かれない装置になっておりますし、またベルも一軒きり鳴らないようになっておりますので、御心配の点はないわけでございまして、ことに東京都下あたりでございますと、最近される設備は、全部そういう装置になっておるわけでございます。
#28
○参考人(進藤誠一君) 横川さんの御質問でございますが、ちょっと質問内容がよくわかりませんので、もう一ぺんお尋ねしたいと存じますが、小局運営の問題といいますと、私念頭に浮かびますのは、特定局というふうなもの、それに対して電話の通話所を設けるとか、あるいは交換を置くとか、そういうようなことでしょうか。どうなのでしょうか。
#29
○横川正市君 特定局へ電業関係は委託経営という形になっておりまして、経営の主体は郵政省、施設だけは電電公社、こういうふうになっておりますね。そのために、電電公社としての農山漁村におけるところのいわば普及、サービス改善等、そういった直接の改善策に熱意を持ってやるということが、今までは非常に他人まかせ、請負者まかせというふうになっておる点、その点で、農山漁村における電話の普及その他に、サービスが改善されなかった点があるのではないか。ですから、経営の主体をやはり直営化する方向が望ましいのではないかと私は思うのでありますけれども、先ほど進藤さんが言われたように、農山漁村におけるところの電話のサービスをもっと高めてもらいたいというけれども、機構上の問題として、今のままでいいかどうかという点をお聞きしたわけです。
#30
○参考人(進藤誠一君) 御質問の意味はわかりましたが、これは、私もよく近ごろ業務の実態に関与しておりませんから、御意見を申し上げにくいのでありますが、大体の方式は、私はずっと前からの伝統に基づく、電電公社も小局は郵政のほうに委託し、郵政のほうの特定局を中心に電話は進んでいく、こうなっておるのだろうと思いますが、まあ近ごろ、交換は別でありますが、通話などは、第一番目には、特定局へ通話所を設け、それから公衆電話所を設け、近ごろは赤電話ということになっておりまして、委託形式というか、郵政関係の機関に必ずしも委託しないでも、駅でもどこでもいいというふうになって、だんだん進歩しておるのだと思いますが、さきのお話の電電公社の機関をこちらに置くということについてはどんなものか……。
 ただ私は、どうなんですかね。近ごろ小局の自動交換設備が非常に経済的にできておる、無人局もできるというようなことで聞いておりますが、そうしますると、今の特定局の局舎を使ってやるのじゃうまくいかぬので、別個にそういうような無人の小交換局でも作る、そうすれば電電直営のができる、その場合に、加入事務とか、いろいろな事務とかをやはり直営でやるか、無人局だからそういう点は特定局に委託さすというような方式もあるのだから、これはどうなっておるかわかりませんが、私はそういうことが考えられるのでございます。どう進んでおるかわかりませんが、今の小自動局なんかは大いにやっていいんじゃないか。技術上できるならばやっていいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
#31
○白井勇君 私、進藤さんに一点だけお伺いいたしたいのですが、さきにお話しありました中で、有線放送なり、有線放送電話というものにつきましては、これはどこまでも地元の力によってやるべきものであって、国なりその他が援助の手を差し伸べる筋合いのものじゃないというお話があったと私記憶しておるんですが、先ほど永岡委員からもお話しあったようでしたが、進藤さんが当時考えられましたように、必要であります農村、山村、そういうところになかなか普及していないわけですね。現実にありますものというのは、これは地域的に見れば、せいぜい三分の一か四分の一くらい。進藤さんのお話のような考え方としますれば、むしろ、ない所に有線放送なり有線放送電話というものをまんべんなく設置をするということが望ましいことではなかろうかと私は思うのです。今までそういう所になかったということは、いろいろ原因があるかと思いまするが、やはり要は、必要なことは認めておりましても、地元にそれを施設するだけの経済力がないということが私は一番大きい原因だろうと思います。と申しますのは、過去の、たとえば自治省関係で世話をしました町村合併ですとか、あるいは新市町村の建設であるとか、あるいは農林省のやりました新農村建設というような施策によって、補助が出ましたとか、あるいは融資の出ましたような場合に、御承知のとおり、一挙にああいうものにまで拡大したわけですね。ですから、私はやはりそういう経済力のない山間僻地というものに、こういう有線放送なり、あるいは有線放送電話というものを国で助成するような、もっと積極的な施策というものが必要じゃなかろうか。もっと具体的に申しますならば、郵政省あたりというものが、そういう面につきましては非常に消極的な立場をとってきたのである、こう私は考えております。御承知のとおり、今私の記憶では、国で助成をしておるというものは、農林省がこういう関係で約二億の融資のワクをとっておりますが、それしかないわけですね。これはやはり一つの問題じゃないかと思う。もちろん、今申し上げたようなことを積極的にどこでやるか知りませんが、私は、やはり郵政省あたりが推進の一元化という見地に立ちまして、むしろそういうことを、弊害の伴わないような限度において奨励をするような措置をとって、そうして、進藤さんがおあげになりましたような必要な地帯にまんべんなくやるというようなことをやるべきじゃないかという考えを私は持っておるものですがね。そこで私は、先ほどのお話を聞きまして、意外に感じたのですが、どういうものでございましょうか。
#32
○参考人(進藤誠一君) 臼井さんの御質問にありまするように、電話が、いなかの最も必要なような農村にないということは、その土地に経済力がないためにできないのだ、補助してやればできるじゃないか、こういうお話でありますが、ごもっともであります。ところが、今までの補助によって有線放送電話が発達したのは、これは電話施設として補助されたのではないんで、農村振興のための費用として補助されたのを、その地方で電話に使われたということなんでありまして、それで、郵政省が電話のために補助するということを考えたわけではないのです。今後これに郵政省が補助を出したらという御要望がちょいちょいあるように聞いておりますが、これは、先ほど私が申し上げましたように、それは筋がおかしいと思うのであります。
 それで、どうするのだということでありますが、これはまあきわめて個人的な考えでおしかりを受けるかもしれませんが、私は、ちょうど農林省や自治省がやっておるように、郵政省が、あるいは地方自治体や、農協へ補助金をやるという筋は、政府の機構としてどんなものかと考えるのです。むしろ、郵政省が補助を出すというならば――補助というのは国庫、税金によるものでありますからして、それをやるならば電電公社へやる、私はこう思うのです。要するに、今電電公社は、電電公社の資金や予算が足らないからといって、最も急ぐところをやっておる。今のような臼井さんの御要望に沿うものであるとすれば、郵政省、郵政大臣が二十億なり三十億をとって、その金を公社へやって、これを農村僻地のこういうところの施設に使えということならば、これは、電電公社自体ができないようなところへその補助を加えてやるのですから、これはできるのじゃないか。そうすれば、りっぱな電話施設として完全なものがそこにできる。その他の方法でいくやつは、これは筋が違うし、それに対して、何といいますか、監督指導の道がないと思うのです。そのほかの方法が考えられないのですが、まあ御判断を願います。
#33
○白井勇君 そうしますと、有線放送電話といいますと、いろいろお考え方も違うようでありますが、有線放送それ自体につきましては、どうなんでしょうね、私は、少なくともない所に、郵政省あたりで通信網の完備をされる、この点の責務を持っておるわけでありますから、そういうあたりにもつと積極的な考え方を持ってしかるべきじゃないかというふうに思うのですがね。有線放送電話ということになりますと、今公社さんの関係もあるということでありますが、私は、公社ももちろん筋はそのとおりでありますけれども、公社としましては、これは御承知のとおり、やっぱり仕事には順序があるわけでありまして、もうそれは、都市の二十万、三十万するようなやみ電話をなくしますとか、あるいは準即時を即時にするとか、ダイヤル即時にするとかいうような、もっと緊急を要するところが多いわけですね。農村地帯のようなある程度――そう言っちゃ悪いのですけれども、先ほどのお話のように、せいぜい二、三十戸の部落に赤電話でもあればいいというような地帯に対しましては、やっぱりそれほど完備したものでなくても、一つの通信網というものの確立をはからなければならない、そういう恩典に浴する姿にしなくちゃならぬと私は思う。せめて有線放送自体につきましては、進藤さん、どうお考えになりますか、もっと郵政省あたり、まあ具体的に申しますれば、補助金なり、あるいは融資ワクをとって、どしどしない所に有線放送をつけてやるというくらいの施策をやらなければ、これは郵政省の仕事として工合悪いと御判断になりますか。あるいはその程度ならいいという御判断ですか。
#34
○参考人(進藤誠一君) 今の御質問に対しまして、私が一番最初に意見を申し上げたように、この現在の制度における有線放送施設に対して郵政省が補助金を出すことは、私は適当じゃないと考えます。それじゃどうしたらいいかというと、前に申しました以外に、もう一つ考えられるのは、現在の地域団体の電話、これをもう少し拡張して、そうしてそれに対して、――それも地方の負担力がないからできない、それに対して補助をやるというなら、これはりっぱな施設ができます。有線放送に対してやるのでは、それは、放送聴取のためになるのやら、何になるやらわからない。かりになっても、完全な電話じゃないのでありますから、この点は、電話施設として電話専用の設備じゃないのでありますから、その点は私は、補助をすることは適当ではないのじゃないかと考えます。
#35
○赤松常子君 ちょっと、簡単に並太参考人にお伺いいたします。
 先ほど東京都下の例をおっしゃいました。有線放送に入っている人は六百何十人、で、公社の電話に入っている人はそのうちの三戸か四戸か六戸かと言いましたが、ごらんになりまして、どうでしょうか、併用していらっしゃるのでしょうか。有線放送に入っていたけれども、公社の電話が通ったら、もう有線放送はお断わりという状況でしょうか、両方とっていらっしゃるのでしょうか、いかがでございましょうか。
#36
○参考人(並木秀雄君) ただいまのお話は、私そう申し上げたのではないのでございまして、発生当初、公社の電話は二百余りあったが、そのときの年に公社に新しく申し込んだ方が三人であったと、こういうことを申し上げたのでございまして、同じ年に私どもが有線放送電話を勧誘して六百七十戸を得たということでございます。それで、ただいまのお話の、併用をしているうちでございますが、私のほうは、公社の電話はただいまはふえまして、三百五十ぐらいあると思うのでございますが、そのうちの百五十戸ぐらいは両方持っていると思うのでございます。これは、先ほど申し上げたとおり、今有線放送が千七百戸ばかりございますので、とても普通の公社の電話だけでは商売にならないということで、有線放送に加入しているのでございまして、これは、公社線接続というような事態になれば、当然この二重加入というのは解消するのではないかというふうに考えております。それともう一つ、人間として、どうも一人一個のものをほしいということが人間の心理であるようでございまして、たとえば、大型トラクターを数人の共同で買って耕作すれば有利に違いないのに、小型のトラクターを無理をしてお金を出して買って、個々で設備をしておるというふうなもので、だんだん有線放送も幾人かの共同では飽きて、そうして一人一個のものをほしいという人が出ない限りは私はないと思うのでございます。そういう人もいると思います。ただ、全部の人がそういうふうになるとはとうてい考えられませんが、商人以外に、そういう方もかなり出てくると、こういうふうに考えております。
#37
○赤松常子君 もう一つ、ちょっと進藤参考人にお尋ねしたいと思います。
 二重の通信網がある場合の弊害、非常に悪い例が日本の国内に起きているその御経験があったらおっしゃって下さいませ。先ほど満州の例をおっしゃったのですが、日本の国内でそういう例がございましたら……。
#38
○参考人(進藤誠一君) 今起こっておって通信の混乱を来たしているという例は私は今聞いておりません。ただ、監督なり運用が悪いというと、ごく小さい違反が行なわれる。それが既定事実になって既得権のごときものになったらば、もうそれをやめろということが言えないということを申し上げたかったのであります。かつての例は、これも名前を申し上げますと、八幡製鉄であります。これが、八幡市内に、製鉄所の構内の電話を、製鉄所構外の、外の住宅やいろんなものにかけた。これは明らかに二つあった何であります。その場合に、私申し上げましたように、そういうのが一つの地域で通話しているだけで済むならばまだ弊害はがまんできる。それが市外線に今度のような接続をして、次々に伸びる、これが今のように二中継、三中継も認める、県外も、東京もいい、北海道から東京までも、大阪までも、その線で通信をする、こうなると、日本の電話は二系統ある、こういうことになる。それは防がなくちゃならない。私はこう言うのであります。
#39
○委員長(光村甚助君) 他に御発言もないようでございますから、参考人に対する質疑は、これで終わります。
 参考人の方々に一言お礼を申し上げます。
 本日は、長時間にわたり貴重な御意見を聴取させていただきまして、まことにありがとうございました。本委員会としましては、ただいまの御意見を十分参考として、今後の審議を進める所存でございます。どうもありがとうございました。
 暫時休憩します。
   午後零時三十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後二時四分開会
#40
○委員長(光村甚助君) これより委員会を再開いたします。
 公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
  〔委員長退席、理事野上元君着席〕
#41
○横川正市君 前回の委員会に引き続いて、公社に質問をいたしたいと思います。
 有放の現在自然発生的な形でだんだん増強されていく方向と、それから公社のサービスが改善されて、これまたまんべんなく電話の需要に応ぜられていく、そういう状況の間に接触点がないということが、大体前回明らかにされたわけであります。私どもは、接触点というのは、第一には、自然発生的なものが、将来相当程度の電話のサービスが改善されても、今のような経済的な、あるいは地域的な状況では、固有の性格を持って残るものだ、こういうふうに判断した場合と、それから残らないというふうに判断をした場合、すなわち、やがて電電公社のサービスが電話部門については全面的にこれを有放を吸収するわけではないけれども、サービスがそこまで行き届いて、有放を必要としない、そういう状態になり、有放それ自体は、地域における放送業務だけに限定される、こういう形になるという判断とが、明確にいずれかの状態になるということがわかっておりますと、私はおのずと政策というものは、ここで明らかにしていくことができるのじゃないか、こう思うのでありますけれども、前回の質疑の中で、その点の計画といいますか、あるいは最終的な情勢の判断といいますか、そういう点が不明確であったのでありまして、まず冒頭に、その点を、電電公社のほうとしては、公社の性格上からも、当然山村僻地における需要にも十分応ぜられる、こういう体制へ持っていくという考え方から、その点をどういうふうに判断をされるか、もう一回、この際明らかにしていただきたい。
#42
○説明員(平山温君) 前回申し上げたことと重複するかもしれませんが、もう一ぺんお答え申し上げます。
 現在、農村地域における公社の電話が、まだ十分行き渡っておりません。今後、公社といたしましても、地域団体電話、あるいは多数共同電話等によりまして、今までよりも農村的な電話というものを考える。そしてそのサービスの普及に努めていくつもりでございます。この電話がいつごろどの程度普及するかという問題でございますが、四十七年度末におきましては、私どもといたしましては、完全充足と申しますか、考えておりますが、御要望のある向きにつきましては、すぐ電話をつけ得るような状態に四十七年度までに持っていきたい。かように考えております。
 そういった状態になったときに、有線放送電話がどうなるだろうかということでございますが、有線放送電話は、たびたびこの委員会でもこの話が出ておりますように、放送と電話と両方の機能を持っておる。私どもといたしましては、むしろ放送が主体となっているものだと、かように考えておるわけでございますが、それだけに非常に簡易な型、安いものでございますけれども、電話の機能等の面からいえば、きわめて不完全なものと思っているわけでございます。一般に、農村地域におきましては、所得も低いとか、あるいは経済的にも後進性があるように考えておるわけでございますが、やはりこういった農村といえども、昭和四十七年末となりますと、今から十年ほどあるわけでございますが、やはり逐次所得もふえ、やはり経済的にも開発されていくんじゃないか。私どもの考えといたしましては、そういう状態になれば、やはり農村地域におきましても、電話としての普通の機能を持った電話に対する要望というものは、やはり逐次ふえていくと、かように思うわけでございます。こういった方々は、有線放送電話では当然御満足にならないと思いますので、また一方において、私どもの電話というものは普及に努めていく、こういうことになった場合におきましては、自然の形におきまして、現在有線放送電話を利用されておる向きにつきましても、公社の電話の普及が進むに従って、逐次そちらのほうの電話、公社の電話のほうを利用せられる方が出てくるだろう。それで、私どもといたしましては、そういった状態に移行していくのではないだろうか。かように考えておるわけでございます。
 そのときに、有線放送電話が一体なくなるのか、あるいは吸収するのか、いろいろな問題があろうかと思いますが、やはり農村の中にも、比較的開発が早く進むところと、やはり開発のおくれるところとあろうかと思いますので、やはり四十七年度末におきましても、まだ一般の公社の電話というものを利用されるほどには電話に対する需要がないところにおかれましては、やはり有線放送電話というものの利用が続くかもしれないと思いますが、しかし、農村における経済開発の状態いかんによりましては、やはり予想外に公社電話への移行が早くなるということも考えられるわけでございます。そこで、その時点が何年かということははっきりわかりませんが、しかし、大よその目標といたしましては、公社の電話が大体完全に充足する時期として今考えております四十七年度末ごろになりますと、電話としての要望は、大体公社電話のほうに移行されてくるのじゃないかと、かように思うわけでございまして、その時期におきまする有線放送電話をどう考えていくかということにつきましては、この前も申し上げましたことでございますが、今日の時点におきましては、今私としても何とも申し上げようがないわけでございます。
#43
○横川正市君 そこで、問題は、簡易で低廉で不完全というのと、簡易で低廉で完全というのと、この二つがおそらく将来の有放の存在というものと、公社のサービス改善によるところの利用の普及というのとが、これが競合する段階というものが当然来て、いずれを選抜するかといったときに、その持っております完全さと、それから簡易さと、低廉さと、こういったものの備わったほうに、これは経済の原則に従って、自然にそういう方向に加入者の意思が動いていく、こういう見方で公社と有放との関係を考えておられるのかどうか。これはまだ検討されておらなければ検討されておらないでやむを得ないと思うのでございますが、私は、この性格からすると、有放の自然発生的に生まれてきたその最大の理由というのは、やはりその地域に最も必要とされた通信機関として、しかもそれが簡便であり、設備が低廉であり、だから、少しくらいな不完全さもがまんをする、こういうことでできてきたと思うのですね。ところが、電電公社のほうは、なるほど完全なものであるけれども、それは非常に高価なもので、現在の農山漁村におけるところの経済事情では受け入れがたい状態にある、同時に、簡易ではなくて、相当完全な工事を必要とする、そういったところに有放の存在する理由というものが出てきておるのじゃないかと思うのですが、公社とすれば、いわゆる有放というものを将来どういうふうに扱っていくかという場合に、公社自体の電話の農山漁村におけるところの状態というものをどういうふうに改善をしていくかということが非常に重要になってくるのじゃないかと思うのでありますが、その点はどういうふうにお考えになりますか。
#44
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。
 公社といたしましては、電話という立場からこの有放の問題も考えるべきだと思いますし、さように考えておるわけでございますが、今、先生のお話しになりましたように、完全な高い電話と、あるいは不完全な安い電話と、こういうことで公社の電話か有線放送の電話かという、そういう考え方もあると思います。公社といたしましても、電話としての本来の使命をそこなわない限りにおきまして、先ほど農村向きと申しましたが、いわゆる単独あるいは二共同という都会で使っている電話だけでなしに、もう少し多数共同的な電話というものを公社もやっていくつもりでございます。その意味におきましては、やはり農村向きの電話というもので農村の電話の普及に努めたいと思っております。
 しかしながら、これとても、現在の有線放送電話に比べますと、相当やはり格差がある。やはり機能的にも上だと思いますし、あるいは価格におきましても、現在の有線放送電話のようには安くはできないと思います。そこで、その限りにおいて、やはり有線放送電話を御利用になる向きもあろうと思うのですが、ただ、私どもとして申し上げたいのは、私どもは、やはり電話という機能をそこなわない範囲におきまして、極力普及できるようなものを考えますが、そうしてまた、それによって日本じゅうがあまねく電話のサービスができるように、これは有放があろうがなかろうが、私どもとしては努めるべきだと思いますし、また、現在、公社の電話は、需要の面からも、あるいは料金の面からも、そこまでしてすぐには電話をつけるつもりがないというお考えの向きも、だんだんと経済の状態が発達するにつれまして、外国の事例なんかにおいて見ましても、農村においても十分普通の電話を利用されておる国がたくさんあるわけでございます。アメリカだけでなくても、欧州のほうにもあるわけでございます。
 私どもとしては、やはり農村というものがいつまでも都会との格差のある農村であって、そうして農村だけは都会のような普通の電話というものがいつまでも要望されないとは考えないわけでございまして、そういう御要望が出てくる時期が、おくれてくるとは思いますけれども、やはり一つのある将来を考えた場合には、やはり農村におきましても、普通の電話というものの御要望というものは必ずやあると思いますし、私どもとしては、そのことを常に考えて普及に努めていかなければならない。そういう時点になったときを考えますならば、電話という目的のための有線放送電話というものは、今日の状態とは非常に様子が変わって、いわゆる電話の補完的意味としての有線放送電話というものの役割というものは、今日と比べてはるかに低いものになるのではなかろうか、まあそういうように思っておるわけでございます。
#45
○横川正市君 そうすると、結果的には、これはこういうことになるわけですね。当面接続はするけれども、買収はしない、そこで、経済のある程度の上昇というものを予想されて、その地域に公社独自のサービスを浸透させていく、まあいわば吸収するのではなくして、逐次淘汰をする、結果的には。こういうふうに、農山漁村におけるところのこれからの電電公社と有放との関係、これは、そういう関係で、時間的な一つの解決の時期を待つというふうに考えていいですか。
#46
○説明員(平山温君) 大体、先生のお話のようなことと思いますが、要するに、電話としての補完的な意味合いにおける有線放送電話というものが、だんだんに年を追うに従って低くなる、またさような方向に公社としては努力して参りたいし、また一つの見通しとしても、さようになるのではなかろうか、こういうように思っておる次第でございます。
#47
○横川正市君 大体、公社の有放の考え方についてはわかりましたが、その次に、地域団体の加入電話の増強策といいますか、これは、そういう有放の将来の姿というものを想定して、電電公社としては、いい意味で農山漁村におけるところのサービスの向上というのは、地域団体加入電話による設備の強化といいますか、そういうことによって大体需要に応じていきたい、こうお考えになっておるわけですね、農山漁村におけるところの電話の需要については。それはどうですか。何といいますか、有放とそれから地域団体加入というものは、いわば強弱の経営者が一つの経営をやるのに、強いものはどんどん強さをもって入っていく、それから弱いものは強い者に負けてだんだん少なくなっていくのだ、そういう、一般の農山漁村の人たちの経済の問題もありますけれども、公社の方針としては、有放のような不完全なものを相手にしないで、なるたけ公社独自の考え方、いわゆるそういう意味で、農山漁村においては地域団体加入電話で需要に応じていきたい、こういうふうに考えておるわけですね。こうとっていいですか。
#48
○説明員(平山温君) 大体先生のおっしゃるとおりと申し上げていいと思いますが、私どもが地域団体を中心にしまして、農村地域の電話の普及に努めると申しますることは、要するに、放送がかかったときにかけられないような電話でない、やはりあくまで電話としての目的に作った設備で、しかしながら、都会のように、単独加入とか、あるいは二加入の共同加入という程度のものでは、現在の農村の状態から見ますと、やはり相当格差があると思いますので、多数共同的な意味における、しかも放送はない、電話本来の目的のために作られた地域団体加入電話というものを中心にしてその普及に努めて参りたい、かように思っておるわけです。
#49
○横川正市君 そこで、この間資料をお願いをいたしておりましたが、私の考えは、この前の委員会でも明らかにいたしたわけでありまして、きょうこの資料を見ますと、実際にはどうもこれは、電電公社のおもに都市以外の地域における電話事業というもののあり方について、直営がいいか委託がいいかという、こういう端的なものの見方からして、委託という消極的な方式をとるのではなくて、直営とする積極的な方針をとるべきではないかという私の考え方を納得させるような資料に実はなっておらないのであります。ことに、過去において、土地とか局舎とかの共同利用、それから要員の共通服務、それから今まで郵政省と同一家屋の中でやってきたんだから、当面は委託しておいたほうがいいという惰性的なものの考え方でやっておるようで、先般の質問では、委託をしたほうが経済的だ、もし直営になったら電電公社はひっくり返ってしまうというような、ひっくり返る理由には全然ならないような、いわばきわめて消極的な農山漁村対策がそのまま委託業務という格好で現われてきているような、そういう状態にしか実はとれないのでありまして、もし、この前回答弁されたように、ひっくり返ってしまうのだというような大問題が隠されているならば、これは私どもも考えますけれども、ここに言われておるようなものならば、私は直営方式をとるべきだ、こういうふうに思っておるので、まず、その資料の面から説明をいただいて、さらに第二段に総裁からひとつこの点をはっきりしていただきたいと思うのですが、農山漁村の電話のサービス改善がおくれている最大の理由というのは、電電公社の直営がおくれているというところに原因するのではないか。端的に言えば、直営化されたところのサービスは著しく改善をされているという事実があるわけです。直営化されないところの局舎については、旧態依然としてサービスが劣っているのが事実。そういう点から見ますと、やはりこれは一挙にということはむずかしくても、将来すみやかにこれは直営化して、農山漁村におけるところの需要にこたえられる、そういう体制に熱意と工夫を持つべきではないか、こう思っておるわけなんでありますが、まず、その前段の説明を係のほうからしていただきまして、後段は政策の問題でありますから、総裁からお答えいただきたいと思います。
#50
○説明員(千代健君) 小局、特に現在郵政省に委託してあります特定局での電話サービスということでございますが、これをなぜ委託をしておるのか、消極的ではないかというお話でございますが、この現在委託をやっております理由は、過去において、御案内のように、逓信省という官営一本でやって参りましたのが、郵政、電気通信二省に分離して、それからその後電気通信省から公社へ移行した、こういったことによって、沿革的な理由ももちろんございます。けれども、本質的には、やはり経営的立場からこれをなるべく経済的にやっていくということが私どもに課せられた一つの義務でございます。そういった観点から、実は委託経営がよろしいということから、現在その方式をとっておるわけでございます。その問題の端的な例は、いわゆる共通服務という問題が非常に大きな要素でございまして、たとえば最も小さい局であります場合に、かりに電信だけにつきまして見れば、最低配置要員というようなものを置きませんと、二十四時間がうまく勤務ができないわけでございますが、そういった場合でも、これを夜間の場合には受付を電話の交換が担当するということになりますれば、これは電信の内勤と電話の交換が共通服務になる。また、郵便局の配達の、特に速達郵便の配達という問題と電報配達というものは、これは現在行なわれておりますように、共通服務でやれるわけでございます。また、一人の局長が双方の任務をとりますれば、やはりこれも共通服務ができるわけでございます。そういった点から、この設備はなるほど公社の直営で置いておりますけれども、これを運用する、あるいは電報のほうの受付ないしは内勤の仕事、配達の仕事、それから電話料金の収納の問題、これは郵便局の窓口でやっておられる貯金の事務と転換ができる、こういったいわゆる共通服務の長所が、小局ほどはっきり現われて出るわけでございまして、そういった点から、この委託業務の方式で今日に及んでいるようなわけであります。
 なお、自動化して、すぐサービスに格差ができるんじゃないかというお話でございますが、この点は、自即化の速度がゆるいために、特定局の交換台が満ぱいになる、どうにも動きがつかなくなるといった、そのあとで自動化が行なわれるのが、残念ながら今日の状況でございます。したがって、そこに非常に大きな格差が出ておるように思うのでありますが、これは手動交換というものと、自動式に改式したものと比べますと、なるほど人の扱う交換と機械の扱う交換で多少スピードの格差はございますけれども、それほどひどく違うサービスではない、私どもはかように考えております。ちょうど、ビルディングの中の構内交換の場合、自動式の構内交換に一々内線を呼ぶ場合と、それから共電式の交換台で既存の交換手の手によって相手方を呼ぶという場合とは、それほど違ったサービスではないと思います。なおまた、そこに交換手が介在することにより、非常に便利な点もあって、むしろ自動よりも非常に手近だというような声すら聞くわけでございます。そういった意味で、自動に改式すると格段の相異が出るのではないか、こういうお話ごもっともだと思いますが、これは、現在の状態が、にっちもさっちもいかなくなって初めて自動改式をやる、こういうようなゆがんだ状態にございますから、さような声が残念ながら出ておるわけでございます。
 以上でございます。
  〔理事野上元君退席、委員長着席〕
#51
○横川正市君 これはひとつ総裁から答弁をもらいましょう。
#52
○説明員(大橋八郎君) 大体ただいま営業局長からお話し申し上げたとおりと私は考えるのでございますが、現在の行き方から見ますと、現在特定局その他の委託局でやっておるサービスを直営に直したからといって、直営そのものは非常にサービスがよくなるということは私はないと思います。現在の行き方でありますと、大体各局でやっております磁石式の簡易な方式でやっておりまして、これでまず大体七百加入入れるのが最大限度であろうといわれております。これ以上になりますと、どうしても自動式に改めて、その機会に交換を直轄するということで従来やっておるわけでありまして、自動式になることによってサービスが改善されるわけでありまして、直轄になったことは、要するに、そのときの電話がふえて、従来のままでやりきれなくなったから自動式にかえる、自動式にかえることがすなわちサービスの改善であるということでありまして、結果といいますか、原因は、その都市の電話がだんだん数が多くなったところで初めて改善されるというのが現在の状況でございます。したがいまして、結果からいいますと、どちらが鶏か卵かわからないような形になりますけれども、その都市が発達して電話の加入者がふえるから改良された方式でやっていくことになる。さらに、さっきお話しのように、一歩進めて、今から自動でやったらいいのではないかということまで飛躍しますと、これも一つの考え方でありますけれども、現在のやり方は、そういうことになりますと、非常に何というか、経済的にも非常にいかがかという観点もありますので、経済的にやろうとすると、今申し上げましたような、七百までは従来どおりの磁石式というやり方でいっておるわけであります。
#53
○横川正市君 私は、今のままで、三次計画、四次計画というものが推進の過程で、都市、農村、漁村に割り振れられ、それぞれの金額で何をやるか、こういうふうに、もうきまったワク内の仕事なら今言ったようなことになると思うのです。ただ、私ども、やはり電電公社のサービスが都市周辺に重点的にかからないようにするためにも、ぜひこれは農山漁村にもう少し力を入れてもらいたい、そういう考え方を持っているわけですね、根底に。そのために、今委託というような格好にしておくよりか、直営方式をとったほうが、もっと農山漁村におけるところのサービスは改善されるのじゃないだろうか、こういう点を強く実は主張するわけなんでございます。結局、電電公社の中にもありますけれども、わが国の産業とか経済とか文化とかいうものに寄与しようとする、そういう傾向が都市に非常に偏在しておって、そのために農山漁村におけるところのサービスが著しく低下をしている、そういう実態というものを、これをもう少し電電公社の経営陣の中からでも抜本的な解決をする必要があるのではないか、こういう考え方を根底に私どもは持っている一わけです。
 それから同時に、一体それをやるのに、それならば著しい困難があるのか、こういうことでお聞きをいたしたら、今説明されたように、速達と電報が協定されているとか、料金の出納が貯金と同じだとか、こういう事務上の便宜主義というものは、僕は障害に実はなっておらぬのじゃないかと思うのですよ。ですから、先回の委員会でお聞きしたときには、いわゆる経費、経済の面で電電公社の現在の状態からはもうとてもまかない切れないのだ、それだけのものを郵政省に委託をしているのだ、こういうふうに言われたものですから、それならば私が見ている実態と違うから資料をいただきたい、こういうことを要求したら、大体私の考えておったような資料しか出ていない。これならば、直営化は必ずしも困難だとは実は考えないわけですよ。
 それからもう一つは、公社のほうでは、直営化した場合には、それは自動化で、そして七百以上の加入者があって採算が十分そこで合う、こういう一つの経済上のいわば立地条件のよい点を選んで、そしてそこにサービスの改善をする、端的に比べてみますと、そこにあった特定局に委託をしておった電業関係の業務と、それから直営になった業務とでは、これは天道さんとモグラくらい違うのですね。だから、電電公社が直営方式を考えたときには、最もいい条件下の直営方式というやつを考えているようですけれども、私は、そうではなしに、現状では、年次計画を立てられて改善されることについては、これは云々しておらないわけであります。やはり、方針として直営というやつを出したらどうか、その直営の中に、私はもっと積極的な農山漁村に対するサービスというものが生まれてくるのじゃないか、今のままじゃ、そういう積極的な熱意というものはちょっと見ることはできないのじゃないかという点を実は指摘をいたしおるてわけなんで、そういう意味で、今言ったようなこういう資料の面ならば、私としては、直営ができないという理由には実はならないわけなんですが、この以外に、電電公社としては、これがどうしても経済上の問題その他で……、こういうものがあるのだったら、ひとつ示していただきたい。
#54
○説明員(千代健君) 私の説明が足りなかったと思うのでございますが、現在、特定局であるか、あるいは直営局であるか、この問題は別にいたしまして、両局の経営が公社としては採算的には非常にやりにくいところであることは、これはもう御承知のとおりであります。電話の新しい自動化と申しますか、この問題は、もちろん直営とか委託とかいう現在の形式にこだわらず、行き詰まったところから年次計画でひとつ解消していく、こういう観点に立っています。小局の場合でも、これの直轄化でなく、自動化もちゅうちょしているわけじゃございませんが、都市のほうの行き詰まりがはなはだしい関係から、従来、都市重点に組まれた関係がございますが、農村でも、特定局のところでも、行き詰まったところはこれを自動化していきます。ただ、先ほど申し上げますように、小局の場合において、非常に公社の経営上の問題として困難さが多いということを申し上げたわけでございますが、これはいろいろとり方がございまして、内部的にもまだはっきりオーソライズされたものではございませんけれども、過去において、小局、大局をいろいろと収支比較をやってみました場合に、小局ほど収支のバランスが悪いということは、これはまあ当然でございますが、はっきり出ております。そういった小局が、多くの場合において委託局になっておるわけでございまして、委託経営のほうが直轄経営よりもいいということであるならば、小局においてはなるべくこの委託経営というものでやって、そこのほうの経済性というものを少しでもカバーしていきたいと、こういった観点から、従来委託経営の方式というものがとられて参ったのでございます。
 それからいま一つ、先ほど申し忘れたわけでございますが、従来の特定局長という管理者の社会的な地位、この問題が実は非常に大きな要素であることも事実でございます。非常に手腕の高い特定局長が、その地元に完全に根をはやして社会的な地位を持っておる、そういった方々によって運営されます場合には、非常に実効があがっておるということも、これはいなめない事実でございまして、そういった点も、先ほどの共通服務以外にも、一つの特定局というものを置いて電話交換業務その他を委託していっておる理由ではなかろうかと、こういう工合に考えております。
#55
○横川正市君 まあ、現状の最も便利な方法で電業関係を経営するとすれば、郵政の組織に乗っかって委託をしたほうが一番便利だという点は私も認めるんですよ。何だかんだといっても、全国にこれだけの窓口を持っておって、いろいろ人の手を尽くして企業ができるわけですから、こんな便利なものは実はないわけなんですね。ですから、まあ五千三百委託局があって、電電公社で三十七年度の予算で二百九十六億四千八百万円と、こういう金でもって電話の業務が運行される、こういうことは、おそらく電電公社が直営したら、この面から一番困難なんじゃないか。五千幾らかの局の経営を一年間わずかに二百九十六億で人件費その他全部まかなえると、こういう点が一番魅力なんではないですか、実際問題としては。どうでしょうかね。
#56
○説明員(千代健君) 今、横川先生から御指摘がございました二百九十六億、三十七年度に郵政省へ支払いました委託費でございますが、これだけで直営をやるといったって、できないということは事実でございます。そのために実はこういった委託の方式をとっているわけでございます。この委託費は、郵政省でお要り用になる金の全部を電電公社から支払うという考え方のもとに、郵政当局と協定をしてきめているその単価によって郵政省のほうへ支払いしておる金でございます。これが直営になると幾らかかるかということは、ここにすぐ出ればよろしゅうございますが、これよりたくさんかかることは当然のことでございます。今さら申し上げることもないと思います。
#57
○横川正市君 実は、私がこれを非常に固執するのは、この前の委員会のときにも総裁にお聞きしたんですが、電電公社の相当な地位の方の中に、これだけの委託費を払うのなら直営のほうがいいのだ、こういう考え方で、たとえば鈴鹿の講習所だとか、どこどこ研修所だとか、課長クラスや何か集めて講習をするときに、口の端に必ずそのことがのったという時期があるのです。私も、ずいぶんあちこちから委託費の問題で聞かされたときに、もう郵政はがめつくて、どんどん委託費を上げていく、これじゃとてもかなわぬから、できればひとつ直営にしたほうがいい、また、要員関係のことを考えれば、われわれもぜひ直営にしてもらったほうがいい、郵政省が困ろうが困るまいが、それよりも働いている人たちのためだから、というので……。
 それで、いろいろ私も考えてみても、なるほど、現在の特定局の電話業務をやっているスペースは、これは郵政省と特定局長との間の賃貸契約だけれども、公社とそれから局長間の賃貸契約にならないわけはない。それから電報その他については、これはパートで、いずれの地域においても一通幾らといって委託をしているんだから、これまた増減はない。それから集金その他は、これは係の者が行く必要はないのですね。今でも、都会であろうと、どこであろうと、全部窓口へ納めているわけです。それから経由するなら、これは特定局の窓口を経由することも、納入としてはできるわけであります。それから人の問題ですね。これは、私は直営化されたときの場合と委託局の場合とでは、人がまるきり違う状態を考えてみると、非常に欠陥というものがあるのじゃないか、お役所式を少し修正してもらわなければ、公社としての存在はないわけでありまして、何か一つのポジションがあるから、そこへ長を置かなければならない、それからそれに補佐を置かなければいかぬというような古くさい考え方というのは打破して、能率本位に人員の配置というものはできるのじゃないか、こういうふうに考えてくると、今言っているような、いわゆる服務上、要員上、業務上、別段差し迫って問題はないというところに実は結論として立ったので、そこでどうでしょうかと言ったら、この間あなたのほうから、そんなことをやったら電電公社はひっくり返ってしまう、こう言うから、それで資料をと、こういうふうに実はなったのであります。
 ところが、その資料を見たけれども、別に私の考えておったこととはおよそ違わない内容しか報告されておらないので、これはひっくり返るのじゃなくて、いわば根本的な問題は、農山漁村におけるところの電話サービスをもっと増強する方式として直営化するというほうがいいのじゃないかという点とかみ合わして今の問題実は論議しているわけであります。これは、実はここでお答えをいただけなければ、真剣に取り組んで考えてみていただいて、そうして経費の面その他から、ここが問題だ、このいう点をはっきりさせていただくようにお願いをしたいと思うのでありますが、その点はどうでしょうか。
#58
○説明員(大橋八郎君) 私ども今日まで、あるいは研究の行き届かない点があるかもしれません。今日までの私どもの聞いておったところでは、直営にすれば、むろんこれは経費がよほどかかるというふうに私考えておりますので、現在のままの委託しておいたほうが経済的に得だという従来の観念に立って御答弁しているわけであります。しかし、先ほどのお話で、方々で講演している際に、私どもの部内でも、直営にしたほうがかえって安上がりだという意見があるとすれば、これは私どもとしても、このまま捨ておくわけに参りません。十分これは掘り下げて研究いたしまして、もう少し研究したいと思います。
#59
○横川正市君 そこで、第一点でちょっと関連がありますので、お聞きしたいと思うのでありますが、先ほど平山さんの意見では、有放と公社との関係については明確にされました。現状、公社が行き届かないサービスの状況の中で、農山漁村の対策というようなものがなかなか進捗をしない。片や有放の自然発生的な地域においては、ますます必要とするものが増大をしていく。そこで、電電公社は自信を持って将来の展望というものを出しているわけですから、この際、独占企業の生命線だとかなんとかいうけちくさいことはやめて、千分の十七などという地域の制限はこの際取り払って、できるだけひとつ地域の人たちに便利な農山漁村の有放との電話の中継等をやっておいて、別段、将来電電公社は痛くもかゆくもないわけですから、どんどん電電公社のサービスがいけば、経済上の理由、便利、完全ということで吸収できると、こういう自信を持っておられるわけですから、この際制限をあまりつけないでやっていっていいのではないかというふうに、これはどうも目の子勘定だと言われるかもしれませんけれども、そういう感じがするのですが、この点はどうでしょう。やっぱり制限を設けておかなければいかぬでしょうか。
#60
○説明員(平山温君) この問題は、郵政省が現在の有線放送電話を運用されるにつきまして、第四条の許可基準の中に、公社の電話の不便なところというものをどう考えるかということで運用されていらっしゃることでございまして、その数字がどうかという問題はいろいろあると思いますけれども、現在の法律の示すところによりますと、その電話の不便なところにということは、やはり公社の電話のサービスがある程度以上行き届かないところに限ってというところで、現在の有線放送電話法ができているのであると、私どもはかように承知しておるわけでございまして、この問題は、今後の有線通信法あるいは公衆電気通信法の改正によりまして、有線放送接続通話ということと直接は関係がなく、現在の有放電話をどの範囲に認めるかという問題であろうかと思いまして、それをいかにすべきかということは、ただいま郵政省でおきめになっていることでございますから、私どもとしてはこれ以上の御意見を言うことはお許しいただきたいと思います。
#61
○横川正市君 郵政省へ、先ほどの問題と関連して二、三お聞きしますが、電電の業務の委託をされておるわけでありますけれども、電電公社としては経済的な面から委託をされているということは、言ってみると、これは大企業が零細企業や中小企業をたよっているようなもので、郵政省は監督官庁でしょうけれども、いつも私ども思うのですが、監督官庁なんだけれども、電電公社からの委託をやって、その金を予算の足しにする、そういうさもしい考え方はないんだろうと思いますが、経済的であるということは、郵政自体が委託を受けて仕事をする面で、これは十分、何といいましたか、採算のとれるようなものでやっていけるのかどうか、その点は、事実上郵政自体は、委託業務についてどのように判断をされているのでしょうか。
#62
○政府委員(淺野賢澄君) 委託業務につきましては郵務局で所管いたしておりまして、私、状況をよく存じませんので、今すぐ回答申し上げかねます。
#63
○横川正市君 これは、あとでひとつ、実際この委託を受けている郵政省側として、委託をされていることが一体採算に合っているのかどうか、もうかっているのかどうか、そういう点をひとつ資料で出していただきたいと思います。
 そこで、実は私、これは郵政大臣にお答えいただきたいと思うのでございますけれども、今までずっと聞いておりまして、まず、有放関係は電電公社の線とは接続するけれども、将来これは買収をしない、それは主として、これからの電電公社の持っております価値の問題もあろうと思いますけれども、どうも私ども聞いておってふに落ちかねるのは、その点いやいやというか、いやいや有放に対して便宜を供与するのだというような、こういうような性格がある。また設備その他というもので、もう格段の差があるのだから、そういうことをやってもらっても、電電公社としては買収するようなことは、これは損をするだけだ、こういう経済的な理由から、有放との間に一線を画した格好というものがあると思う。私は、できれば、進藤さんがちょっと触れておりましたように、政府としては、ある程度の金を電電公社に低利でもって融資する、その金は、現在の銀行利子の半分ぐらい、三分とか三分五厘とかいう金があるわけですから、そういう格好のもので、低利で資金の調達をして、電電公社にこれを貸し与えて、もっと完全に近い機械的な設備を電電公社自体が有放を必要とする地域にこれを貸す、賃貸契約か、あるいは年賦償還か、いずれにしても、そういう格好で貸すというような、そういう意味での電電公社と有放との関係というものを持つ必要が実はあるのではないか、こういうような気持を持ちながら、買収しないと突っぱねた、そういう状態について、非常に私どものほうとしては不満なんです。
 それからもう一つは、地域団体加入電話なんでありますけれども、これもおれのほうがいいんだから、やがて地域の経済がよくなればこっちに飛びついてくるという格好で、有放との関係というものを、これまた明確な一線を画している、こういうことはどうも少しやはり独善的な傾向があるのではないかと、こういうふうに思われるのです。ことに有放というのは、自然発生的で、相当長期にわたってこれは存在する。長期というのは、半永久的な存在と私どもは考えるわけですが、そういう経済的な必要で生まれたものと判断をするわけなんでありますけれども、それと公社との関係というものを、もう少し私は血の通ったものにすべきではないかと、こう思うのであります。
 それからもう一つ、公社の経営の状態を見ておりますと、都市周辺あるいはビル街とか、そういうところには、相当設備はどんどん行き届いていきますけれども、農山漁村に対してはそれほど、地域の広大さもありますし、それから収入の問題もあるのでありましょうけれども、これはなかなか均衡のとれた格好にはなっていかない。ことに、電電公社自体は独占企業としての性格を明確にしておって、それでいて今度は、郵政省への委託の電話の問題については、経済的だという理由だけで直営方式ということについてなかなか抜本的な方針がとれない。
 こう考えてみますと、三者三様にそれぞれ性格的には一貫をしないものがあるわけであって、これは一体通信政策と盛んに言われております政策の問題からいきますと、どうも私どもとして理解できない混乱がその中にあるのではないか、こういうふうに思うわけであります。私は、今これから一貫した通信政策というようなものを、これを現在出せと言ってみても、それは仕方のない、できないのは無理もないことだと思うのでありますけれども、こういう政策を打ち立てるのは、これは郵政大臣あるいは監理官室、これが全面的な責任を持つものなのか、それとも、これは電電公社自体がある程度これに対しては方針というものを立てていくものなのか、一体一貫性というものをどこで出して、これらの多くの需要に対してサービスを公平に行なう、こういう電気通信業務というものの姿勢を正すのか、その点をひとつ郵政大臣からお聞きをいたしておきたいと思います。
#64
○国務大臣(小沢久太郎君) 通信政策に関しましては、あくまでも郵政省が責任をとるわけでございます。しかし、郵政省が責任をとるからといいましても、郵政省が独自できめるわけでありませんので、各方面の意見を聞きまして、あるいは、電電公社の意見ももちろん聞きますし、あるいは有放のいろいろの意見も聞きますし、そういう点の各方面の意見も徴しまして、そうして最後的には郵政省で責任を持ってやるということであります。
#65
○横川正市君 私は、きのうの冒頭に、公社とそれから郵政省ということよりか、郵政省の中にあります監理官室の関係でお聞きをしたわけなんでありますけれども、どうも私どものいわば現実的な現状把握からいけば、今の大臣の言っていることは非常に常識的なことで、もっと対策というのは、実は公社側である程度やるのか、また監理官室でこれをやるのか――やるのかと言っても、ちょっと現実的には心もとない点もあるのじゃないかと思うのでありますけれども、そういった点が、何といいますか、疎通がしっかりできておらないのじゃないか。いろいろの面を見てみて、そう感ずるのでありますけれども、そういう意味で、一体公社とそれから監理官室との間に意思の疎通ができているのかどうかと、私はきのうお聞きしたわけでありますけれども、この点については、実際に公社側の立場といいますか、それから郵政省側の立場というか、そういった点をどういうふうに私どもが判断をすればいいのか、端的に言えば、やっぱり郵政省側は、こういう重要問題にぶつかったときに、それだけの力を持っているというほどの力はないのじゃないかというような見方ができるわけですが、大臣としてどう考えておられますか。
#66
○国務大臣(小沢久太郎君) まあ、いろいろの問題につきまして、監理官室とそれから電電公社との間でいろいろ相談するわけでございますけれども、相談の過程においては、いろいろディスカッションすることがございます。最初から全然意見の一致をみることというよりも、あるいは多少の意見の相違するという点はありますけれども、最後的に出てきたその決定というものに対しましては、両方の意見の調整ができてから進んでくるというようなことでございます。
 それから監理官室のほうが力が少し足りないのじゃないかということでございますけれども、何せ監理官室は人数が少ないものでございますし、公社のほうが多少人数が多いものでございますから、いろいろ作業の上で公社のほうにお手伝いをしていただくという点は、これはあると思います。
#67
○横川正市君 きのうから二つの問題で中心的にお聞きをしたわけでありますが、さらに引き続いて具体的な問題でお聞きいたしたいと思うのであります。これは当然監理官の所管だと思いますので。
 きのうからの私の質問の中心であります有放とそれから公社との農山漁村におけるところのそれぞれの持っております特徴といいますか、事情というものは、監理官室としてはどういうふうに把握をされているのか。私は、当然この自然発生的なものは、相当公社のサービスが行き届いても存続するのではないか。そういう、存続するという立場に立って、有放の将来については、やはりこの地域の方々の福祉のためにも、行き届いた施策が必要なのではないか、こう私は思うのでありますけれども、その点をまず一点お伺いしたいと思います。
#68
○政府委員(淺野賢澄君) ただいままでも大臣からもたびたび申し上げておりますが、有線放送電話と公社の電話との関係になるかと存じます。公社の電話が、一日も早く、低規格の電話なり、または地域団体加入電話なりの形をもちまして、日本じゅうにあまねく及ぶように――これは変わらない方針でありますし、有線放送電話といたしましては、補完的な立場にあって、公社電話があまねく及ぶ場合の補完的な立場でこれがあるわけであります。ただ、そうは申しましても、有線放送電話自体は、お話のように、放送から出発いたしましたし、また地域相互間の通信連絡手段として出発をいたしております関係上、公社の電話があまねく日本じゅうに及びましても、またこれはこれなりに残っていくものもあるのではないかと考えております。その面につきまして、全部が全部振りかわっていくということは考えられませんが、少なくとも、先ほど平山総務理事から申し上げましたような、相当電話としてのよい性能を持った面につきましては当然公社の電話に、これは及んで参りますと、振りかわっていくのではないか、このように考えております。
#69
○横川正市君 そうすると、実際には、これはやはりある程度のものは残って、農山漁村の利用者の便利供与をしていくものだ、こういうふうに考えてよろしゅうございますね。
#70
○政府委員(淺野賢澄君) その点の見通しにつきまして、まだはっきりしたデータは持っておりませんが、昨年でございましたか、現在二千六百ございます有放の施設に対しまして照会をとりまして、一応の結果をまとめたわけであります。その点の回答は、半分の約千三百参っております。そのうちの九百幾つかは――でありますから、ほとんど六、七割――七割近いものは、現在御提案いたしておりますこの法律案にあります第二種接続、現在の試験接続の電話の形で接続してもらいたい、こういう要望が参っております。それ以外に、結局、残りますところは四百くらいでございますが、四百くらいは、希望はないわけであります。そういった点等から考えまして、現在二千六百の施設のうちで、この法律が通りましたために実際二種接続を希望し、またこれに合格するものは、五、六百じゃないか。としますと、残りますものは約二千施設ということになります。この二千施設のうちで、全部が全部一種の接続を希望いたしました場合、二千全部が希望したといたしました場合、基準その他で、まずそのままいけそうなものは大体七割くらい、かように思っております。
 ただ、最近聞いておりますところによりますと、一種に対する希望は、それほどないかもしれない、そういう声を聞いておりますので、一種につきましては、実際やる段になりました場合に、どれくらい希望者が出てくるか、現在は判断いたしかねております。ということは、相当数やはり従来のまま残る施設もあるのではないかと、かように考えております。
#71
○横川正市君 これは、大臣にちょっとお聞きいたしたいのですが、私もこれは残る、明確にいえば、放送設備だけは今の放送業者がやり、それから電話的な通話について電電公社がやるというふうに、明確な区分というものはできないじゃないか、それは、経済とか、地域におけるところの事情とか、いろいろなものを勘案してみて、低廉で便利な施設というものはやはり残っていくということは考えられる。もちろん、それは、ある程度機械設備が改良されていくということは考えられても、残っていく、こういうふうに思うのでありますが、その場合に、電電公社としては、無理をするわけじゃないですけれども、具体的に公社の独占性というものを農山漁村でも明確にしたい、こういうふうにいくと思いますし、それからそういういわば便利ということで――便利と必要ということはだいぶ違うと思うのでありますけれども、必要やむを得ざるものということよりか、便利で低廉だということで残っていくという有放の取り扱いについて、郵政大臣としてはどういうふうにお考えになりますか。
#72
○国務大臣(小沢久太郎君) 有線放送につきましては、たとえば公社の電話、いろいろの施設をやりまして、あるいは地団などを拡充いたしまして、相当農山村に入ってくるというようなことがありましても、ある程度はやはり残るところがあると思います。しかし、それだからといいまして、公社のいわゆる一元性をそこなうことはないというふうに思うわけでございまして、まあある程度は、有線放送というものは便利なもので、低廉で、そして存在する理由があるところには、ある程度残るというふうに私ども考える次第でございます。
#73
○横川正市君 そういうふうな郵政当局の考え方であるとすれば、まず第一に、通話の区域の問題なんですけれども、先ほどもちょっと認定基準の問題で公社側の意見を聞きましたが、郵政省の皆さんがおられるから、率直なことはちょっと聞けませんでしたけれども、実際問題として、私は、やはりある時期には、不完全なものというものは逐次やはり減少していく傾向というものは、これは社会の一つの法則ですからやむを得ないと思いますが、しかし、必要であるからということで残るという、こういう事態を考えてみると、この残るものに対して、やっぱり便利供与とか、あるいはある程度の保護というものが当然必要なので、その便利の供与の範囲をどの程度にするかというのは、非常にむずかしい点でありますが、まず都道府県内の区域ぐらいは、いわゆる県内の通話ぐらいはできる、こういう一つの範囲の要望が有放の業者のほうから出ております。
 それからもう一つは、先ほどもちょっと参考人の方が言われておりましたけれども、その地域と密接な経済的な関係のある、あるいは地理的な関係のあるそういう地域に対しては、特別な一つの通話の供与というものを許可してもらいたい、こういうことも言われておったと思うのです。それから、私は北海道で、北海道の場合に、都道府県といえば大体みんな解決をいたしますけれども、先般もらいました資料では、五地域に分けると、こういうふうにいわれておるのでありますが、大体、市町村の併合問題等からいって、その地域の政治的、経済的な様相というものは、ちょっと単に分けるといっても分けられないような状態というものが事実あるわけですね。ですから、そういった点を勘案しながら、私は、今接続通話の範囲について、都道府県――政治的、経済的に密接な関連のある地域、それから北海道については一地域、こういうふうに通話の範囲というものをきめておくことがいいのではないか、こう思うのでありますけれども、これは先ほどの前段の問題とも関連させながら、ぜひひとつ郵政省の意見をこの際はっきりさせておいていただきたいと思います。
#74
○政府委員(淺野賢澄君) 第二種の接続電話の場合に、現在、都道府県内ということにいたしてございます。同時に、都道府県内でありまして、さらにそれを制限いたしまして、基準として一中継という言葉を使っておりますが、基準として一中継というふうに現在のところ予定いたしております。
 こういうふうにいたしました理由といたしましては、本来、有線放送電話は、現在の生い立ちから参りましても、同一市町村内の同時に地域共同体の相互間の通信、ということは放送兼用通信である、こういうことが主体になっています。したがいまして、これはやはり非常に安いのが生命でもありますし、安いのが生命でありますのと、それから生活共同体として見てみました場合に、地域的なものであるということが、やはり生い立ちから参りましても主体になっておるわけであります。今回の法改正によりまして、一種、二種に分けまして、一種につきましては、その所在地の電話取扱局の区域だけが話ができる。それから二種のほうにつきましては、都道府県内であって、基準として一中継と、こういうふうにいたしましたのは、それ以上にいたしますと、やはり技術基準を高めなければならないように考えられますし、自然、一番大事な点であります低廉性というものが失われてくるように考えられるわけであります。全部が全部、市外電話を都道府県外にかけるわけでもございませんし、そういった意味から、今回は、行政区域で、従来の、現在の有線放送電話は同一市町村内とございますが、その点の性格を考えまして、その一段上であります都道府県を一つの範囲といたしまして限定いたしましたのと、低廉性という意味から、基準として一中継、こういうふうにいたしました次第でございます。ただ、一中継とは申しますが、「基準」ということによりまして、できる限り考えて参りたいと思っております。
 それから密接なる近県まで通話ができるように、けさほどいろいろ御意見があったようでありますが、結局のところ、こういった制度というものは、どこかで区切りをつけないと、制度として行なっていくことが非常にむずかしくなります。先ほども申しました考え方等を母体にしまして、この際は、同一府県内、そしてそれをこえます分につきましては、公社ができる限り便宜をはかりまして、そういう御要望の向きには、加入電話をできるだけ早くつけると、こういったことによりまして、制度はひとつ制度として参りたい、かように考えておる次第であります。
 それから北海道につきましては、北海道の地域は、これは非常に広いところでありまして、一般の府県と同様に扱いますためには、公社のいろいろな電話の整備の問題ともからんで参りまして、やはりこれは特殊の判断をしなければならない。そういった面から、区分の方法につきましては、通話の流れの状況等を考えまして、札幌、函館、旭川、北見、釧路、こういった地区を中心といたします五地域に分けるようにいたしておる次第でございます。
#75
○横川正市君 これは私も、一の場合に、それから先ほど言いましたように、二の関係については、やはり必要、自然的な条件下にあって、こういう法律改正を現在行なうわけでありますから、そういう意味では、この解決策が先にいって、現状をどうするかということがあとになるということは、やはり少し納得がしがたいわけでありまして、現状がこうだから、こうしておいて、将来こう改正するという、ちょっと進んだ形であっても、態度としてはとるべきじゃないかと思うのですが、それが一点。
 それからもう一つは、この北海道を五つに分けても、おそらくこれは、たとえば系列的にどこを経由してどこへというような、そういう中継の状態というものを見てみますと、全道であっても、あるいは五つに分けても、その効果というものは、あまり違わないのじゃないかと思いますが、これは公社のほうから、通信経路で説明いただければ、たいへん助かるわけですが、私はおそらく北海道の場合には、こういう五つの地域に制限をしても、また全道といってしなくても、あまり変わらないのじゃないかと思う。それから同時に、札幌に道庁があって、ほかの県のように、県内であれば、それぞれの行政的な重要な問題については、県庁所在地に一つに集中しますけれども、北海道の場合は、五つに分かれたうちの札幌を含める一地域だけは、重要な中央行政機関との連絡がとれて、ほかの地域、四つはその連絡がとれないということで、ちょっと片手落ちなことになるのではないかと思うのでありますけれども、この点、技術的な面と、それからそういう政治的な面と、二つお答えいただきたいと思います。
#76
○説明員(平山温君) 北海道の問題でございますが、特に技術的な面からどうかということについてお答え申し上げますが、私どもの通信網の構成のやり方といたしましては、総括局、中心局、集中局、端局と、四つの段階に局を分けております。北海道地区につきましては、札幌と申しますのが、これが総括局でございます。その中に中心局が幾つかございます。それからまた、一中心局の中に集中局が幾つかあるわけでございます。普通の場合、内地で申しますと――内地という言葉は適当でないと思いますが、たとえば東北地方の例で申し上げますと、総括局が仙台でございまして、中心局は大体県庁所在地になっているわけでございます。したがいまして、私どもの通信網の構成の立場からいたしましたならば、北海道と申しますのは、ちょうど、たとえば東北地方、関東地方という、その地方に相当しているのでございまして、したがいまして、通話の接続範囲とか、あるいは中継度数というようなことを考えた場合には、もし北海道を一つの県と見た場合には、北海道を除いた各県の場合とは、非常に様相が違っているわけでございます。
 なお、先ほど申しましたのを補足いたしますと、北海道は中心局が実は十一局ございます。内地は、大体一県に一つでございますが、まあ静岡県なんか、少しああいった長い県でございますので、あの場合には、静岡のほかに、浜松とか沼津とかいうようなのがございますけれども、大体普通の県は一ないし二でございまして、今の静岡県の場合は特殊でもありますが、北海道の場合は十一も中心局がございますので、実質的な立場から考えますと、やはりこれは一つの県とはだいぶ様相が違う、かように思っております。
#77
○政府委員(淺野賢澄君) 県内基準として一中継と申しましたうち、この基準の考え方でありますが、できる限り県庁所在地には一中継という形におきまして通話ができる方法を考えたい、こういったことで、できるだけ御趣旨の線に沿った方法を公社とただいま検討しておりますほか、北海道の五地域につきまして、ただいま平山総務理事から御説明を申し上げましたが、技術的な面から、ただいまのように非常に特殊な地帯になっております。ただ、五地域に分ける区域の分け方につきましては、その土地の状況等もございますので、慎重に公社とも相談いたしまして考えるようにただいまいたしております。
#78
○横川正市君 監理官との協議を待てばいいのでありますけれども、どうですか、これは平山さん、今の技術面からいって、政治的な面も含まるかもしれませんが、たとえば北海道の場合に、一地域は道庁との連絡もとれるが、他の四地域は、五つに分けた場合に連絡がとれない、それからこの場合には、その県の地域と政治的、経済的関係のあるところへ何とか配慮をいただけないものか、こういう点については、公社としてどうですか。ここでは意見は言えませんか。いい意見を言っておいてくれればいいんですが……。
#79
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。
 まず、北海道の、五つに分けた場合、札幌市はいわば道庁所在地、県庁と話ができるが、ほかの地区は話ができないのではないか、こういうお話でありますが、実は、私どもの公社の、現在の北海道の電話の加入者について、少し通話の交流状況を調べました。そうしますと、やはり札幌のようなところは通話もございますけれども、全体的に見ますと、たとえば先ほど申しました端局、一番農村に近いところの局でございますが、そこの加入者から発信する通話に対して、札幌に行く程度はどれくらいかということを調べますと、やはり数%のようでございます。その点では、やはり一つの県内における県庁所在地への通話ということを考えた場合と、札幌とほかの端局と比べました場合に、やはり札幌への通話は相当ございますけれども、小さな県における県庁ほどではないように承知しておる次第でございます。
 それから先ほどの近県の経済的密接なところ、たとえば千葉県と東京、あるいは大阪附近の堺と通話ができるようにというお話についての意見を申し述べよというお話でございますが、私どもの考えといたしましては、確かに農山村地区におきましても、そういう近県の経済の中心地との通話の交流の必要性はあると思いますけれども、今日有放の加入者になられておるすべての方が必ずしもそういう状態にはないと思うわけでございます。そこで、交換台のある所在地とか、あるいは有放の加入者の中でも、特に有力な方がそういうこととの連絡に当たられまして、その関係の情報を適当な方法で地域社会の方にお知らせするのではなかろうかというふうに想像しておりますので、そういった限られた方の需要に対してでございますならば、私どもといたしましては、今の有放の加入者の二百万の方に公社の電話を提供するようにということでありますと、一挙にそうにはなりかねるわけでございますが、特に経済的に中心なところと非常に連絡の多い向きに対しましては、私どもといたしましても、公社の電話という、そういう需要向きに対しておつけすることができるのじゃないか、かように思いますので、かような方法で、そういう経済的な密接なところと御連絡を願いまして、その情報をまた有放等によって関係の方面に周知する、できればさよう御利用願いたいと思っておる次第でございます。
#80
○横川正市君 私は、経済的に密接な関係のある地域との疎通の問題と、それから特殊な広範な地域を持っております北海道の問題については、ぜひひとつ、監理官の答弁にありましたように、公社とよく連携をとって、解決に努力をしていただきたい。この点は強く要望いたしておきたいと思います。
 続いて基本料金でありますけれども、
  〔委員長退席、理事松平勇雄君着
  席〕
この基本料金を千三百円、加算額を千五百円とした、何といいますか、算定の基礎というものは、これはどういう計算によるわけですか。
#81
○説明員(千代健君) ただいま私のほうで考えております料金の考え方でございますが、いずれ、これは郵政省のほうへ認可を申請いたしまして、御認可をちょうだいしてから動き出す問題でございますが、現在三十六年度に試験実施いたしました五カ所、それから三十七年度の二十八カ所、こういったところのやり方と、今度の新しいこの法律によりまして働きます接続通話契約の料金とは、だいぶ考え方が異っております。従来のものは、一回線、一局線当たり幾ら幾ら、それから市内の度数料一回ごとに七円、そのほかに、内線の有線放送、内部の電話機一個ごとに月額十五円、こういった料金をちょうだいして試験実施をやっているわけでございますが、今度の場合には、従来のように内部まで公社の通話サービスでやるという考え方が若干変わりまして、交換台までが公社のサービスである、こういう工合に変わりました関係から、従来の月額、内線電話機一個ごと十五円というのは、これは廃止するわけでございます。それからいまひとつ市内度数料の関係でございますが、これは、公社の局が自動局の場合にはやはり度数制を採用しておりますので、基本額と度数料をちょうだいする、それから公社の局が定額制の局でございますと、月ぎめ契約という場合ですと、その基本額をちょうだいするわけでございます。そのほかに、加算額と今呼んでおりますが、一局線当たり月額千五百円の程度のものをちょうだいする考えでございます。この加算額をどういったものから取るかということでございますが、過去において私ども試験接続をいたしました五カ所、二十八カ所、二十三有放の施設の実績に徴しまして、開通時の試験、変更の検査、こういったものに要しました経費の実績をとりましてみますと、大体有放施設が十三年間かかってそれを負担していただくということから計算して参りますと、一カ月一回線当たり千六百円になります。したがって、千六百何円かになりますが、千五百円程度のところでお願いするほうがいいのではないか、この点でただいま郵政省のほうともいろいろ御相談を申し上げているわけであります。
#82
○横川正市君 監理官のほうは、料金はどのくらいかということは、公社のあれでなしに、全然考えておらないわけですか。
#83
○政府委員(淺野賢澄君) ただいま公社の千代局長が申し上げました線を参考にしまして検討いたしております。考え方といたしまして、なるべく安くなるようにということから、公社もその線に沿って努力いたしております。ただいま申し上げたような結果になっておる次第でございます。
#84
○横川正市君 ちょっと私はしろうとの質問ですが、同一通話区域内で通話をする、そういう通話の度数で料金をきめた場合に、非常に通話度数が疎であるから、施設その他の原価計算からいくと、相当長期にわたって償還しなければ原価がとれない、そこで加算額をかけて、その加算額によって度数の疎な点をカバーしながら、早期に減価償却できるようにする、そういう考え方で、基本料金と加算額と二つあるわけですか、この加算額というのは大体どういう性格のものですか。
#85
○説明員(千代健君) 先ほどの説明があるいは不足しておったかと思いますが、加算額と申しますのは、通話度数が疎であるのをカバーするために考えておるものじゃございません。最初に、非常に広範な地域の場合が多うございますけれども、接続の際に実は非常に広範な地域でむずかしいのでありますけれども、その設備を検査いたしまして、これならだいじょうぶというのでそうなってから初めて接続するというやり方を過去においてもとっておりますし、今度の場合にも、この法律の中にもございますように、技術基準を全うするものを接続する、こういう趣旨になっております。そういった場合の検査に要します費用が相当な額に上っている実績がございます。それらに要する検査の費用、それから運用の指導等で、これはわずかでございますけれども出ておる。それからいろいろ変更されます、けさほど参考人のお話でも、当初六百七十個であったのが、現在千五百個になっている。こういったような場合には、三、四年の間に相当の変更がございます。そういったものもやはり検査をやらなければならぬ。そういった金額を考えて出したものでございまして、決して度数が少ないのをカバ一するというようには考えておりません。有線放送の回線は、ちょうど私どものほうでは一加入者と考えておりまして、したがって一般の加入者との関係と同様でございます。
#86
○横川正市君 そうすると、計算の基礎になったものがあって、その計算の基礎に従って適正料金というものがきめられたわけですが、これは試験回線ですか、これの範囲が全体のパーセンテージからすると一〇%くらいですね。もっと低いですか。全体にこれをやった場合には、事実上これはオーバーするのですか、低くなるのですか。いわば、今度試験やってみましたのを基準とし三全体を接続するようになった場合に、見通しとしてはどうでしょう。
#87
○説明員(金光昭君) お答え申し上げます。
 ただいま営業局長が申し上げましたように、現在試験接続をされておりますのは、三十六年度の五施設、三十七年度の二十八施設、計三十三施設、この三十三施設を接続いたします際に、有線放送電話自体の内部の線、あるいは電話機等の試験を実施したわけでございます。それによりまして、一応三十三施設の際の試験実施のいろいろな検査等に要した費用というものが、われわれのほうで実際に数字が出ておるわけでございます。今回の新しい法律によりましては、先ほど営業局長が申し上げましたように、有線放送との接続通話契約の性格というものとは違いまして、公社の通話についての責任というものは有放の交換台まででございますけれども、実際に通話は有放の交換台を通して有放の個々の内線電話機まで通話がなされるわけでございます。そこで、有放内部においても、一定の技術基準を満たすほどの施設でなければ実際に有放と接続させて完全に通話することにはならない、こういうことに相なるわけでございますが、一応公社の通話の責任は有放の交換台まででありましても、有放の内部の設備というものにつきまして一定の技術基準を設け、その技術基準に合致するものだけ接続するということに相なるわけでございますので、そういう技術基準に合致しておるかどうかということの検査というものは、今度の新しい法律によっても従前同様にやれるわけであります。また、その後におきます内部の設備の増設あるいは電話機の増設あるいは線路の増設というようなものもあるわけでございます。この設備の変更につきましては、やはり今回の法案の中で、公社の検査をして、それに合格した後でなければ接続しないということになっておるわけでございます。そういう設備変更等に要する費用。
 それから従来は、有放の交換台の交換手というものにつきましては、公社として一定の資格を持ったオペレーターでなければいけないということに相なっておりました。今回の法案では、一定の資格までは要求はいたしませんが、やはり公社線の系統の接続の場合においては、公社の通話制度あるいは交換取り扱い等について相当なれていただかなくちゃいかぬ。そこで、指導、助言ということが法律の上でも明らかにされておるわけでございます。これらのために、やはりこちらのほうの公社の取り扱い者が、有放の交換手の方に、接続の当初あるいはその後におきましても、一年に一回程度はそういったような指導講習というようなものをやる必要があると思います。
 そこで、先ほど申し上げましたように、現在の三十三施設についての試験接続に要しました検査費それそのままでないわけでありまして、それを参考といたしまして、将来のわれわれの検査のあり方、あるいは交換取り扱いについての指導助言というもののあり方というようなものを大体想定いたしまして、ただいま営業局長の言いましたような、要するに、それを局線に換算いたしまして、一応一局線当たり大体千五百円程度ということで今郵政省のほうにお願いしておる次第でございます。
#88
○説明員(千代健君) 先ほど横川先生の御質問に、将来これは試験等の経費は高くなるのかどうか、こういった御質問があったように記憶しておりますが、それを補足いたしますと、現在三十三施設やりまして、わずかに二千五百の設備のうち一・二%やっておるだけであって、残りの全部を推察することは非常に困難でございますが、今日までやりました三十三施設は、規格はずれなものというとおかしゅうございますが、突拍子もなくあまり不完全なものは選ばれておりませんで、相当完備したところのものが選ばれておるといってもいいのじゃないかと思います。したがって、私ども若干心配いたしておりますのは、今後千差万別と申しますか、いろいろな規格のものが出て参りますと、はたしてそれに要する検査の経費等が今よりも安くなるか、高くなるか、実はちょっと心配な点がないでもございません。やるなら、こちらも相当むずかしいものがあっても、幾らか手なれているから、ここらでいいじゃないかというような要素も含めまして、先ほどのような金額を決定しておるわけであります。
#89
○横川正市君 これは、公社としてはサービスをするという点は抜きにして、とんとんでやれる料金ということですか。それとも幾らかもうかる料金ですか。その点はどうですか。
#90
○説明員(金光昭君) 先ほど来横川先生のおっしゃいましたように、地方の農村、漁村におきましては、現在の公社の電報電話局、あるいは郵政省にもお願いしております委託局におきましても、収支は決してペイしてございませんです。この有放接続局につきましても、もちろん、これだけをとらまえていけば、収支は赤になるというふうに思っております。
#91
○横川正市君 この基本料金と加算額をもって通話料金としているところに、たとえば市内の場合の通話料金というのをこれは取るわけですね。普通は基本料金の上に度数が重なって料金は出るわけですけれども、市内の通話は、あれは料金をかけないで、いわゆる七円を取らないで普通通話をするのが建前じゃないかと思うんですが、これを今度の場合には、市内通話料金というのを取ることになっているんじゃないですか。どういうわけでしょうか。
#92
○説明員(千代健君) 今度の場合には、従来はございませんが、今度の法律改正によって私どもが考えておりますのは、一般の加入者と同様に、定額制の局、これは七円というものをちょうだいいたしませんけれども、ただ、千葉とかそういったところの接続契約をなされる有放というものにつきましては、これは基本料というもの、基本額でございます、それから加算額と、市内の度数料と、こういった工合に相なるわけでございます。
 なお、御参考までに、一番小さい局の例で基本額を考えてみますと、ちょうど定額制局は千円といたしますと、度数制の局で――現在一級局ではございませんけれども、一級局で度数制の局ができれば二百六十円というのが基本額でございます。それに度数料が積み重なっていく、そういう格好に相なります。
#93
○横川正市君 それから、受信通話の使用料と料金徴収事務費ですね、これは、それぞれ有線電話業者とそれから公社との間では、公社の場合には無料ということになるわけですか。
 たとえば、有線電話業者が施設をした施設、それから電電公社が所有する施設、有放の加入者が電電公社の通話をする場合には有放測が電電公社に金を払う、それから電電公社の線から有線通信電話のほろへ通話がかかる場合には、公社から有放業者に料金を払う、こういういわゆる相互に、使用したほうが金を払うという、そういうシステムをとるのが、これは施設を持ったものが、お互いにこういうことが正しいんじゃないかと思うんです。
 それともう一つは、受信通話使用料、それから料金徴収事務費等は、これは公社側から右線電話業者へ支払うという形のものが正しいんじゃないかと思うんですが、それはどういうふうになってますか。
#94
○説明員(金光昭君) お答え申し上げます。
 有線放送電話設備とこの公社線系との間に通話ができるようにするということの場合に、どういったような考え方を、あるいはどういう接続の仕方をするかということについては、いろいろの考え方があるかと存じますが、今回は、現在御提案になっております改正法律案のように、接続通話契約という公衆電気通信法上の新しい公衆電気通信役務だという考え方に立ちまして、公社のほうで、有線放送電話業者から、すでにお持ちの有線放送電話設備によって公衆電気通信役務の提供を受ける契約を結んで、そのために、公社では有線放送電話設備の交換台に至るまでの局線をつけるわけでございます。そういう考え方でいきますと、公社では、新しくこの法律で定められました接続通話契約というもので公社が公衆通信サービスを提供いたしますのは、有放の交換台までの通話ということで一応の公社の責任が終わるんだという考え方に相なるわけでございますので、公社の加入者から公社の電話局を通して有放の中に通話がなされる場合におきましても、有放の交換台まで公社線からの通話がなされますと、それによって公衆電気通信役務というものが成立する。その交換台からさらに有放の内線電話まで通じるということは、それは当然そこで接続がなされるわけでありますが、少なくともこの法律の観念といたしましては、交換台まで通話が接続されるということになって、公衆通信役務が成立される、そういうことになりますれば、ただいま先生のおっしゃいましたように、これによって公社から有放業者に取り扱い費を支払うといった問題がなくなる。かりにもし、この有放業者というものと公社というものとが対等の形で接続するといったような観念を取りますならば、先生のおっしゃいますようなことも成り立つかと思います。これは、いろいろの検討の結果、有線放送電話ということの基本的の性格等からいたしまして、ただいまのような法律案になったわけでございます。
 こういったことから申しますれば、今先生のおっしゃいました公社と有放業者との間で手数料を支払うというようなこともございませず、また有放内部の電話から通話がなされる場合の取り扱い、それぞれ有放業者が公社に料金支払いをしました場合に、個々の内訳を作りまして、それぞれの通話をした有放の内線の加入者から料金を請求をいたします場合の手数料というようなものは、公社から支払いするということは観念上成り立たないということになりまして、そういうことをいたさなかった次第でございます。
#95
○横川正市君 監理官に、今の問題で、なるほど、法律を読んでおりませんのでちょっと失念をいたしましたけれども、そうすると、有放所有の交換台が何回線そこから出ていようと、事実上のいわば加入というのは、全部回線を含めて交換台が一つ、それが一加入というような意味で、電電公社とそれから有放関係の業者と提携する、こういう考え方で法律を作られたわけですか。
#96
○政府委員(淺野賢澄君) 公社の公衆通信の提供義務は有線放送の交換台までということにしてございまして、有線放送電話の交換台をもって一切の立場を分けております。ただ、今おっしゃいましたお話のうちに、たとえばあるビルが公社の電話を三本入れましたと、また五本入れましたと同じような場合がございます。有線放送の交換台までの間に公社の電話を三本入れる、また五本入れる、こういったことはあり得るわけでございます。と申しますのは、ある有線放送電話が中に千加入者があったといたしました場合に、その千人の人が案外接続してもらった電話局の加入者とお話する機会が多い。こういった場合には、一回線でありますと、しょっちゅう話中になります。そういった点を考慮いたしまして、二本でも三本でも、公社の予算的または技術的に許す限り、要望に応じて引っぱることはできるわけでございます。その場合には、公社の加入電話が入った数だけ加算額を払う、こういったことになります。
 いずれにいたしましても、有線放送の交換台から内部の問題は、今金光理事が御説明になりましたように、これは有放内部の問題でありまして、その千人の加入者相互の問題、またいろいろなお互い内部の放送をする場合には電話はとめる、いろいろなそういった問題は有線放送内部の問題といたしまして自主的にきめる、こういうことにいたしまして、有線放送電話に関する限り、交換台をもちまして一切関係は相互にないように、一応割り切った形で今回の法律案を御提案いたした次第でございます。
#97
○横川正市君 何か、少し私設電話と同じような取り扱いですね。結局、私設の交換台までは公社の電話が何本入っておっても、それは本数に従って料金を払う。それから各部屋に引かれた私設の受話機は、これはもう何本引いてあっても、それは私設の交換台を据えつけた会社なりその他が責任を持つと、こういう考え方ですね。しかし、放送業者というのはちょっと違った性格と見ていいんじゃないでしょうか。たとえば、今のような不完全な受話機で通話をするという状態から、だんだん高度なもので、先ほど参考人が言ったように、個々の人が加入したと同じような状態で通話ができる、そういうふうになっていった場合に、しかもそれが十個とか十五個とかいうのじゃなくて、何百も通話をする、そういうことになると、対等ということは、これはとてもできませんけれども、私設の交換台とはいささか取り扱いを違えていいのではないかと思いますけれども、これはどうでしょうかね、考え方としては。
#98
○政府委員(淺野賢澄君) この法律案を検討いたしました過程におきまして、いろいろの場合を考慮いたしまして検討したわけでありますが、ただいまの御意見のような場合も考えましたし、また公社から委託をするといった場合も考えたわけでございます。いずれにしましても、この有線放送電話が、放送と簡易電話の合体したものでありまして、非常にまた、二千六百それぞれが様式が異なっておるわけでございます。そういった場合に、委託の形であれ、またそういった対等で公衆通信業務といたしますと、お互いに責任の問題が非常にやっかいになって参ります。この際は、有線放送電話が非常に種々雑多な形であるということから、いろいろな問題を生じないように、交換台をもちましてとにかく割り切って参りましょう、こういうことから、その点の分担をはっきりいたした次第であります。同時に、お話のように、PBXの場合でありますと、PBXの内線電話機一個につきまして六十円とか、幾らでありましたか、お金を取っておりますが、従来試験設備の場合には、同じような形で、内線電話機一個について十五円ずつ取っておりましたのを、今回はこれをやめまして、内線電話機からは一銭も取らない、そのかわり、先ほど公社側から御説明申し上げましたように、検査もいたしますし、それから交換の助言等もいろいろ親切にやる、こういったこと等の費用等を考えまして、加入電話の数に従って、結局、公社が有線放送の交換台まで引っぱりました局線の数に従って加算額をいただく、こういう体制を考えておる次第でございます。
#99
○横川正市君 これは、いろいろな資格というか、人間であれば人格ですが、そういう業態に対してどういう認定をするか。というのは、これは一つでなくて、幾つかあるということなら、その点はやはりある程度相手側の持っております資本の投入された形態なんでありますから、ある程度これは認めていくというようなのが正しいやり方だと思うのです。そういう意味で、この点は少しさらに検討していただくようにお願いしたいと思うのですが、これと少し関連性もあるのじゃないかと思うのですが、それなら、その放送業者の持っております施設に対するいわゆる交換取り扱いだとか、保守担当者教育とか指導、こういったものはどういう形で行なわれますか。
#100
○説明員(金光昭君) お答え申し上げます。
 有放電話が公社線系と接続されます際には、すでに有線放送電話として存在しておるわけでございます。あとで接続されますので、交換の取り扱い者、交換手等については、当然その前におきまして何らかの形において訓練をされておるわけでございます。その訓練について、公社のほうでも何らかの援助をしたらどうかということであれば、もちろんわれわれのできます範囲内において御援助申し上げるわけでございます。現在におきましては、すでに公社線に接続されます前に交換取り扱いがなされておるわけでございますので、一定の技能を当然お持ちのわけでございます。なお、工事担任者につきましては、これはやはり公社線系に接続されます前に、有線放送電話施設を新しくお作りになるわけでございまして、その作られたときに、当然ある程度の技術を持ったところの工事業者にこれを請け負わせて工事をやっておられるわけでございますので、それらの点につきましては、お作りになるときのことはわれわれのほうとしてはタッチしないわけでございますが、いよいよ接続の場合におきましては、ただいま申し上げましたような、一定の技術基準というものによって、その技術基準を満足しておるものについては接続する。
  〔理事松平勇雄君退席、委員長着
  席〕
 その後におきます保存等につきましても、一定の技術基準に合致した保存をしていただくわけでございますが、この保存の場合におきまして、この保存に従事されるところの工事担任者につきましては、従来は、試験的の場合におきましては、一定の資格というものを試験によってはっきりと資格を付与していたわけでございますが、今回の法律におきましては、そこまでのことは今度はいたさないで、ある程度の技能を持っておられる、その技能を何らかの方法によって認めるといったような方法でやっていったらどうかというふうに考えておるわけでございます。
#101
○横川正市君 私設交換の場合には、公社のほうである程度講習か何かするわけですね。全然しろうとがすぐ私設交換の交換台につくということではないわけでしょう。その点はどうですか。
#102
○説明員(金光昭君) お答え申し上げます。
 PBXの交換手につきましては、一定の資格を要求しているわけでございます。このためには、公社自体でも、求めに応じてやっている場合もございます。あるいは、公社の外郭団体、そういったようなものがPBXの交換手の養成訓練をやっているというものもございます。何にいたしましても、一定の交換技能あるいは交換取り扱いについての知識というものを試験によって資格付与する、あるいは現公社の交換手等で、すでにそういうものについての知識技能を持っておる者につきましては認定をして、資格を付与するというようなやり方をやっております。
#103
○横川正市君 そうすると、こういうふうに理解してよろしいですか。たとえば、財団法人、社団法人の全国有線放送電話協会というようなものが、交換手とか、あるいは保守担当者に対して技術認定のできるような、そういう指導的な立場に立って業務に従事する者を教育した場合には、電電公社としては、別にそれに対してとやかくは言わない、こういうことになりますか。
#104
○説明員(平山温君) お答え申し上げます。
 そういった今のお話のように、有線放送協会が交換手あるいは技術者に対して指導訓練をされる、それでレベル・アップをされるということは、たいへんけっこうなことだと思いますが、私どもとしては、そのことは大いに参考にさしていただきまするけれども、そのものずばりが、私どもの考えている保守または交換手の場合に無条件になるかどうかということにつきましては、具体的な問題につきましてさらに検討さしていただきたいと思いますが、そういう問題につきましては十分参考にはいたしたいと思います。
#105
○横川正市君 これは電気的な技術者ですから、あまりいかがわしい格好であなたのほうが放任するということもできないでしょうし、それかといって、ことさらに監督というか、ひいては管理するというわけにはいかぬでしょうが、そういうことを望まないという状態もあるわけですから、この点は両者両々検討するようにしていただきたいと思います。
 大体私の質問をいたしたいと思っておったことは以上でございますけれども、依然として、それぞれの答弁の中で、私どもとして感ずる幾つかの問題があるわけですが、その最も重点というのは、有放というのが、いわゆる国の一つの行政上必要なものとしてこれを認可、承認をするという以前に、自然発生的にできてきたということから、既成の組織との間にいろいろと各種の問題で依然としてまだ未解決あるいは利害相反するという、こういう面も多々あるような面も散見されるわけでありまして、そういった事情というものが、まだ十分解明をされておらないと思うのでありますが、やはり農山漁村の必要に迫られて発生したこういう事実に対しては、ぜひひとつ、関係の向きで十分これを、発生してきた趣旨に従って便利を供与することのできるように、なお一そうの御検討をいただくように、私のほうからも強く御期待申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
#106
○委員長(光村甚助君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認めます。よって、本案に対する質疑は終局いたしました。
 これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#108
○野上元君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案に対し賛成の討論を行ないます。
 今さら私から申し述べるまでもなく、電話発達のいかんは、その国の政治、経済、文化の消長のバロメーターであって、とりわけ、 スピードを重んぜられる近代社会においては、いよいよその重要性を増大するに至ったのであります。わが国においても、政府の高度経済成長政策にタイアップして、電信電話公社がいち早く電話の長期拡充計画を作成して、すみやかに実行に移された事実は、そのことを端的に物語っていると思います。
 しかしながら、政府の高度経済成長政策は、必ずしも当初の計画どおりには参っておりません。すなわち、物価問題を中心に、大きな障害にぶつかり、かつ、多くのひずみを露呈するに至ったのであります。電話の拡充もまた、計画実行を急ぐのあまり、弊害が生まれないとは何人も断言できないところであろうと思います。すなわち、法人あるいは諸団体と個人との間の厚薄、あるいは都市、農村間のギャップ等、予想される幾多の困難な問題が横たわっているのであります。ただいまこの法律を改正せんといたしておりまするそのことが、何にもましてその間の事情を雄弁に物語っていると思うのであります。
 終戦時、完膚なきまでに破壊されましたわが国の通信施設をすみやかに復旧し、さらに飛躍的発展を遠くない将来に期待できるまでの段階にこぎつけられた公社首脳部及び職員各位の異常なる御努力に対しましては、深く敬意を表するものでありまするが、なお、公衆電気通信法第一条の精神、すなわち優秀な技術を低廉に、しかもあまねく提供することができるようにするために、電話事業が持っておりまする経済性と合理性との関係に一そうの意を用い、国民の期待にこたえていただきたいことを特に要望申し上げ、かつ、次のごとき附帯決議を付して賛成の討論といたします。
 次に附帯決議案を朗読させていただきます。
   公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  日本電信電話公社の農山漁村地帯における電話の普及は、今なお十分でないため、有線放送電話との接続を認めざるを得なかつたのである。よつて、政府及び公社当局は、更に一層、これら農山漁村における公社の電話設備を拡充し、サービスを改善してその本来の使命達成に努めるとともに、有線放送電話のこれら地帯の向上発展に果している役割の大なるにかんがみ、適切な措置を行なうべきである。
  右決議する。
 以上でございますので、願わくば、満場の御賛同を賜わりたいと存じます。
#109
○新谷寅三郎君 私は、自由民主党を代表いたしまして、本法律案及び野上委員御提案の附帯決議案に賛成するものであります。
 本案は、わが国の農山漁村における電気通信事情にかんがみ、有線放送電話設備が、放送と通話との二つの機能を有しておる簡易な通信手段であるという特殊性を生かしまして、この際、これらの地域における経済、文化等の発展に寄与せしめようというものでありまして、まことに時宜を得たものであると考えます。
 ただ、この機会に付言しておきたいことは、郵政当局及び電電公社におかれましては、すみやかに、農山漁村等、いわゆる僻地に対する通信政策を確立して、年次計画等により、簡易低廉なる電話施設を普及するように、最善の努力を払われるとともに、本案の実施にあたりましては、あくまでも、通信政策の基本に障害を与えないよう慎重に配慮しつつ、この範囲内において、各地の有線放送電話の実情を勘案し、あとう限り、その活用あらしめるよう措置すべきであると考えます。
 以上をもって私の討論を終わります。
#110
○委員長(光村甚助君) 他に御発言もなければ、討論は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#111
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認めます。
 これより、採決に入ります。
 公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#112
○委員長(光村甚助君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定しました。
 なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#113
○委員長(光村甚助君) 御異議ないと認めて、さよう決定いたしました。
 次に、討論中に述べられました野上元君提出の附帯決議案を議題といたします。
 野上君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#114
○委員長(光村甚助君) 全会一致でございます。よって、野上君提出の附帯決議案は、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 この際、郵政大臣及び日本電信電話公社総裁より発言を求められておりますので、これを許します。
#115
○国務大臣(小沢久太郎君) ただいま公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案につきまして、本委員会におきまして慎重御審議の結果、全会一致をもって御可決いただきまして、ありがたく御礼申し上げる次第でございます。
 今後この法律の施行にあたりましては、御審議の際における御意見を十分体し、なお、附帯決議の御趣旨に沿うよう、適切なる運用を期していく次第でございます。
#116
○説明員(大橋八郎君) 公衆電気通信法及び有線電気通信法の一部を改正する法律案につきましては、慎重審議の上、本日御可決いただきまして、まことにありがとうございました。厚くお礼を申し上げます。
 なお、審議の際及び附帯決議のうちにお述べになりましたいろいろの事柄につきましては、十分御趣旨に沿うように、さらに検討を加えて、できるだけ早く実行に移したいと考えております。まことに、ありがとうございました。
#117
○委員長(光村甚助君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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