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1962/01/31 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第3号
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1962/01/31 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第3号

#1
第043回国会 地方行政委員会 第3号
昭和三十八年一月三十一日(木曜日)
   午前十時三十一分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     石谷 憲男君
   理事      西田 信一君
           市川 房枝君
   委員
           上林 忠次君
           西郷吉之助君
           沢田 一精君
           館  哲二君
           秋山 長造君
           占部 秀男君
           小柳  勇君
           鈴木  壽君
           松本 賢一君
           鈴木 一弘君
  政府委員
   自治政務次官  藤田 義光君
   自治省行政局長 佐久間 彊君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
  説明員
   自治省行政局振
   興課長     林  忠雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○奄美群島復興特別措置法の一部を改
 正する法律案(内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(石谷憲男君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いいたします。
#3
○西郷吉之助君 それでは、自治省に対してこの法案について質疑を数点いたします。
 この法案によると、毎年度、同様に国の出資金を増額するということでございまするが、この法案に非常に密接に関係ありますのは、奄美群島に毎年復興のために国の予算を別ワクで与えておりまして、その復興状況と非常に関係が深いと思いますが、政府の関係資料の中で、「奄美群島復興事業進捗状況調」というのがありまするが、これを見ますと、今日まで一回延長して、三十八年度が十年目になるようでありますが、この三十七年度までは、進捗状況を見ますと、国の予算を百七億投入して進捗率は八八というふうに出ておりまするが、この内訓を見ますと、第一点の「陸海空交通の整備」、これは主として飛行場の問題ですが、飛行場も本島その他の奄美群島二、三カ所ぐらい予定されておるけれども、まだ飛行場は完成していない。これは進捗率は九一%というふうに出ておりますが、現在の三十八年度一ぱいではこれはなかなか完成できないというふうに私は思うのです。
 二番目の「国土の保全」という問題、これは道路とか港湾、奄美群島の将来のためには非常に重要な問題だと思うのですが、これはまあさらに八一%の進捗率ということになっており、これにも、現在の奄美群島の状況から見れば、まだ相当時間を要する問題だと思います。
 また、三番目の「基幹産業の復興及び特殊産業の開発」という点、これはまあ一番問題の多い点だと思うが、現在まで八五%の進捗率ということ、しかしサトウキビの問題にしても、この奄美群島特有の土地改良とか、それに関する整備状況を見ると、まだまだ私はよほど農林省その他が力を入れなければ問題は解決しないのじゃないか。かなり工場等もできておりまするが、今の状況では、砂糖の問題その他いろいろ問題がたくさんあって、今後相当時間を要する問題だと思う。
 第四番目の「文教施設の復興整備」というものを見ましても、これは割合に成績はいいようでございまするが、今日までこの国の予算のおかげで学校の整備は相当進捗して復興しておりますが、これもまだ完成したというわけにはいかない。
 五番目の「保健衛生施設」というような問題でも、水道とか住宅、これはまあ鹿児島本県も貧弱でございますが、奄美群島はさらに今後大いに力を入れるべき点ではないかと思う。
 こういう進捗状況を見てみますと、これは国が特別のワクで百七億も投入しておりますから、日本に復帰以来非常な目ざましい復興ぶりを見せておりますけれども、これも一回途中で延長して、三十八年度で最終年度が来るわけです。この今の特別措置法もこれは時限立法で、これは四十年ぐらいの期限だと思うのですが、両方考えまして、この三十八年度一ぱいのこの復興予算、これでは、まだこれを打ち切るようなことがあれば、せっかく今まで多額の予算を投入して、奄美群島もかなり見るべきものがありますけれども、三十八年度でこれを打ち切ってしまうというようなことになると、私は非常に重大な問題が起きやせぬか。ようやくこのおかげでほかの土地並みになりつつある奄美群島ではありますが、今の進捗状況から見ても、さらにこの復興予算の延長を今後とも続けていかなければ、御承知のとおり、鹿児島本県を見ましても、あらゆる点で全国の水準以下にある。奄美群島は、さらにその水準以下の鹿児島県本県よりも低いわけでありまして、ことに自治省としても、地方の問題については、地域格差の是正というようなものが非常に今後大きい問題であるときに、これを打ち切るようなことがあれば、これは非常に重大な問題が出ますし、ことに奄美群島はこの復興計画に従事して生活をしている人が非常に多い。こう思うので、そういう点から考えましても、この計画を延長する必要が非常にあるんではないかと私は思うのですが、今度のこの本法案の特別措置法の援助金も、最初一億つけたけれども、だんだん減ってきて、明年度は五千万円になっておりますが、あの奄美群島は、内地と違いまして、やはり金融機関の門をくぐれないような非常に零細業者が多いので、こういう措置を設けたのですが、これについても、たしか四十年ぐらいの時限立法じゃないかと思うのですが、国の予算の延長と同時に、とれもやっぱり金額を減らさないでふやしていかないと、奄美群島の復興はおくれるし、地域格差の是正という問題がなかなか解決しないのではないかと思うので、以上の諸点について自治省の考えをお聞きしたい。
#4
○政府委員(佐久間彊君) ただいま御指摘のございましたように、奄美群島復興十カ年計画が三十八年度をもって終わる予定に相なっております。しかしながら、先生の御指摘なさいましたように、なお奄美群島島民の住民所得も、全国的に見ましても、また鹿児島本土に比べてみましても、低い地位にあるわけでございますし、かつまた、これまでいたしました事業につきましても、継続して引き続いてやらなければならない事業もあるわけでございます。そこで奄美群島復興審議会におきましても、十カ年計画が終了いたしましたならば、復興計画としては一応終わることにいたしても、さらに振興計画とも言うべきものを検討すべきではなかろうか、このような御意見もいただいておるわけでございます。政府といたしましても、十カ年計画が終わりましたならば、それで奄美に対しましては国の援助を打ち切るということではなくて、ただいま申し上げました審議会の御意見の線に沿いまして、振興計画とも言うべきものを引き続き検討をして参りたいということで、現在検討をいたしております段階でございます。
#5
○西郷吉之助君 審議会の意向も簡略に、簡単ではありますが、わかりますが、これは三十八年度で別ワクの予算を打ち切ることになっていると思いますが、それを延長することにすれば、やはり法律改正を必要とするのですが、そういう点について、この国会に提案を予定されている法案の中に、そういうものはないように思いますが、どうなんですか。
#6
○政府委員(佐久間彊君) 御指摘のように、現在の特別措置法は、四十一年三月三十一日までその効力を持っておるわけでございます。しかしながら、十カ年計画をさらに延長いたすということになり益すれば、その法律を改正いたさなければならぬわけでございますし、あるいは審議会の御意見のように、振興計画というたようたものに切りかえるとするといたしましても、法律の改正を必要とすると考えられるわけでございますが、これはまあ三十九年度からの問題になりまするので、本年中に十分検討いたしました上で、次の通常国会で御審議をいただくことにいたしたらいかがかと、かように考えておるわけでございます。
#7
○西郷吉之助君 ぜひそういう方向に向かってもらいたいと思うのですが、この点は、この十年計画をさらに延長するという問題は、奄美群島の死命を制する重大な問題ですから、本来ならば大臣に質問し、はっきりした答弁を聞きたいのですが、予算に出ておりますから、局長の答弁を求めますが、自治省自体としても、もちろん、審議会が三月にあるようですが、十カ年計画を打ち切っても振興計画を立てるという今のお話ですが、まだ准捗状況を見ても一〇〇%に行ったものは一つもないし、産業の復興とかその他文教施設等、おくれている施設を今後もっと進捗する必要があるので、宙ぶらりんでこの復興計画を打ち切るのは非常に私はよくない。振興計画と言っても、大体同じだと思うのですが、鹿児島本県が、ほかの地域に比べてもあらゆる点で格差が相当はなはだしい。奄美群島は、その鹿児島に比べてももっと住民所得が低いのですから、そういう諸点から考えても、また自然の環境を考えても、奄美群島はその自然の環境をもっと生かせば、非常に私は国全体にも裨益するところが大きい土地なんですから、そういう根本計画をもっと立てて、ほんとうに奄美群島を復興するという強い決意でやってもらわなければならないと、もうこの計画も十年目が三十八年度一ぱいで来る。しかも、本法案の措置法を見ても、だんだん金額が減ってきておるようなことでありますので、そういう先細り的な計画では私はいかぬのじゃないか。ことに、この復興計画を延長することも必要ですが、本法案の特別措置法というものの金額をもっとふやしてもらいたい。特に奄美群島は、さっきもちょっと申しましたとおり、金融機関の門をくぐれない人が非常に多い。零細企業の人が多いので、そういう特殊事情にあるのですから、どうしても群島全体の振興計画を立てるとともに、やはり住民の生活を安定させるという点からいくと、こういう措置法の金額をふやして零細業者に息をつかせる必要が、私は群島の特質として、あると思いますので、自治省においても、この十年計画を延長して振興計画を立てるとともに、本法案の措置法の金額も、奄美群島の特殊事情を十分にごらんになって、むしろ今後ともこういう融資額を拡充強化して、住民の福祉のかてとしていくように、当局も特に力を入れてもらいたいということを痛感するのですが、そういう点についての自治省の認識はどうですか。
#8
○政府委員(佐久間彊君) 復興事業の点と、基金の出資額の増加の点と、二つお尋ねございましたが、復興事業の点につきましては、本年度――三十八年度十四億計上をいたしまして、当初の十カ年計画に予定をいたしました額は、これで全部予定どおり支出をいたすことになるわけでありますし、三十七年度におきまして九〇%、八〇%成っておりましたものを、三十八年度におきましては、おおむね一〇〇%近くなるものが多かろうと予想いたしておるわけでございます。十カ年計画が終わりましてからあとの、審議会で申しますいわば振興計画といったようなものにつきましては、ただいま検討の段階でございまするので、しかとしたことは申し上げかねますが、一つの考え方といたしましては、これまでの復興計画は、道路でございますとか、港湾でございますとか、あるいは文教施設、民生施設といったような、生活基盤を確立する、整備するという意味におきまして、いろいろな民生安定のための諸公共施設を整備するという点に重点が置かれておったわけでございますが、次にかりに振興計画といったようなものを立てるといたしまするというと、産業基盤の整備という点に重点を償いて考えていくべきではないかと、このような御意見が審議会の中にも出ておるわけでございます。いずれにいたしましても、これは十分検討をいたしまして、また関係省ともよく相談をいたしまして、できるだけ御趣旨の方向で努力をいたしたいと思っておるわけでございます。
 基金のほうにつきましても、奄美群島復興計画と対応して、今日までその出資もいたして参ったわけでございますが、復興計画のほうが、今のようなことで実質的に延長されるということになりまするならば、この新しい振興計画とも言うべきものと関連をいたしまして、それにまた対応するように、この基金の今後の業務の拡充も検討をいたして参らなきゃならぬ、かように考えておるわけでございます。
#9
○西郷吉之助君 その産業の復興ですね、サトウキビとか、大島つむぎが非常にあすこの主たるものですから、そのほかについてもこの振興計画というようなことの延長を考えるということになってくると、どうしたらばあすこの住民の生活安定ができるか、自然の環境も亜熱帯地ですから、農産物なんか非常にできる。くだものもできるのですが、そういうものに対する……、これは本来は農林省に聞かなければいかぬのでしょうが、従来とても、過去十カ年間十分そういう振興計画がはっきり立てておるというふうに自治省は考えておられるのか、今後も大いに工夫、努力をしなくちゃいかぬというふうに考えておられるのか、そういう点はどうです。
#10
○政府委員(佐久間彊君) 農業の関係につきましては、十年前復帰当時と比べてみますと、国全体といたしまして、産業経済の条件がいろいろと変わって参っておりまするので、たとえば今お話しございましたつむぎなどというものも、今後群島の主要産業として伸びる可能性があるかどうかということにつきましては、十年前とよほど事情も変わっておるのではなかろうか。サトウキビなどは、これは今後ますます伸ばしていかなければならぬのではなかろうかと思っておりますが、いずれにいたしましても、ただ従来の農林水産業の振興助成の考え方をそのまま延長するということではなくて、ほんとうに群島の主産業といたしまして将来伸びる可能性のあるものを選別をいたしまして、よく検討して参らなければならぬのじゃなかろうか、かように考えておるわけでございます。
#11
○西郷吉之助君 亜熱帯地域ですから、保健衛生施設というふうなものもよく注意してやってやらないと、あそこの生活向上ということには非常にほど遠いものがあるのじゃないかと思いますけれども、まだそのほかに自治省でも考えておられるのかどうかわからないのですが、奄美群島は大きい島が幾つもあって、その間は波が高いために、小さい漁舶とかその他では渡れないのですね。必ず汽船というようなもので、大きな船でなければ島から島に行けない。しかも、そのために相当船賃も高いわけです。しかし、小舟で渡れるところなら簡単ですが、大きな船でないと波が高いために行けない。そういうふうな特殊な事情にあって、そういう点からも、鹿児島へ来るのにも相当汽船の料金が高いから来れないというような、来ようにも来られない。船賃が相当取られるというような、そういうふうな特殊事情にあるので、こういうものも何とか考えてやらないと、本島に来ようにも来られないというふうな声を非常に聞くし、島同士間も小さい舟では波が高いから渡れない。そういう点も非常によく訴えられるのですが、なかなか問題が解決しませんが、そういう事情もよく自治省のほうでは知っておられるのかどうか伺いたい。
#12
○政府委員(佐久間彊君) 御指摘のような問題も、これまで私どもも伺っておりまするし、今後の計画を策定いたします場合にも、よく検討をして参りたいと思っております。
#13
○西郷吉之助君 藤田政務次官が御出席になりましたから、重ねて政務次官に、大臣が予算に出ておられますので、政務次官にはっきり伺っておきたいのですが、今、自治省当局に私はこの本法案に関連をいたしまして、この本法案も四十年度ぐらいの時限立法なんですが、これを今後続けていっていただきたいと思いますが、これに関連して、この奄美群島の復興計画について、今日まで途中で一カ年間延長しまして、十カ年特別ワクで相当額の国の援助で復興してきたわけなんです。これが三十八年度で最終年度が参りますが、この自治省の資料によりましても、まだまだ、これを三十八年度で打ち切るようなことになりますと、非常に重大なる影響を群島に与えますので、従来の復興計画、また審議会等も非常に重大な関心を持っておられるようでありますが、三十八年度以後も、奄美群島の現況にかんがみて、別ワク予算をぜひとも継続していただきたい。奄美群島には御承知のとおり、大企業もなかなかありませんから、その別ワク予算の関係事業に住民が従事している面が非常に大きい。そういう点からも、打ち切られるようなことがあれば、今日地方行政上の格差の是正という点からいっても、貧弱な鹿児島本県にだんだん近づきつつある群島に、重大なる打撃を与えると見られ、非常な失業者その他を出して、復興の途についた奄美群島がまた逆戻りするようなことがあってはなりませんので、政務次官から、この三十八年度以後これを継続していく方向にあるというような明確なる御答弁をぜひいただきたいと思うわけであります。そういう点について、政務次官にお伺いをいたします。
#14
○政府委員(藤田義光君) 奄美群島の復興、振興に関しましては、西郷委員御指摘のとおり、私全く同感でございます。したがいまして、先般任期が参りました審議会の選考にあたりましても、大臣に協力しまして、新たな角度からメンバーも強化したつもりであります。十年の時限立法になっておりますが、われわれとしては、ぜひとも今後まだ引き続いてこの計画を延長して参りたい。先般の予算審議に対しましても、そういう方針を確認いたしております。
#15
○西郷吉之助君 今藤田政務次官から、本法案が四十年度に打ち切られるのを、これを継続するし、別ワク予算の十カ年計画も今後大いに延長して、群島のほうに力を入れていくのだという政府の責任ある御答弁を伺いまして、ぜひそういう方向で今後とも奄美群島の復興に力を入れていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
#16
○鈴木壽君 あれですか、今度の明年度の予算でさらに五千万円の融資のための基金の増減ということになっておるわけなんでありますが、このいただいた資料から、融資なり償還の大体のことはわかりますが、このほかに、民間の金融機関からこの島のいろいろな仕事に対して融資があるのじゃないかと思うのでありますが、そういうものをどのくらい御当局はつかんでおられるのか。
 それからいま一つは、そういうものに対して信用保証のそれがどういうことになっておられるのか。この島の復興といいますか、あるいはよりよい発展のために、政府のそういう金だけでなしに、民間の金も相当な役割をしておると思います。またしなければならぬと思いますが、そういう立場から、今の二つの点についてお調べになっていらっしゃるようでしたら、お知らせ願いたいと思うのです。
#17
○政府委員(佐久間彊君) この基金のほかに、民間の金融機関でどのくらい貸し出しをしておるかというお尋ねでございますが、パーセントで申しますと、奄美群島の産業に対しまして貸し出しをいたしておりますものが、全体の二三%が鹿児島銀行の支店で扱っております。それから、日本開発銀行が三六%、これが大きいものになっております。それから、本基金が五%というふうになっております。そのほかいろいろな金融機関が少しずつそれぞれ関係をいたしております。金額にいたしますと、三十六年十二月末の貸し出し残高が五十四億余に全体としてなっております。で、奄美群島復興信用基金の貸し出し額は少のうございますが、鹿児島銀行の支店等から貸し出しを受けます者についての保証業務は、相当活用されておる状況でございます。
#18
○鈴木壽君 今のはあれですか、三十六年十二月末の計でおおよそ五十四億円、このうちの二三%が鹿児島銀行の支店から、それから三六%が開発銀行からと、こういうふうなことになっておると、こういうお話でございますか。
#19
○政府委員(佐久間彊君) そのとおりでございます。
#20
○鈴木壽君 この島の、何といいますかね、資金の需要の面からしますと、やはり相当大きいものがあると見なきゃならぬと思うのですね。そうしますと、そういうことのために、私やはりこの復興信用基金に対する政府の出資というものも、もっとこれはふやしてやるということを考えないといけないんじゃないかと、これはまことにおおまかなようなものの言い方で、私こまかいデータも持っていないので、今お聞きしたようなことしかわかりませんので、少し恐縮なようにも感じますけれども、何かこう、もう少しこれだけでは不十分じゃないか、もっとやはり国としてもこれに対する措置というものがより多く考えられなきゃならぬじゃないかと、こういうふうに思うのであります。その一つの例としましても、融資状況なり申し込みの件数等からしまして、こういうことからしましても、これはいつの場合でも申し込みの百パーセントをこういうものによってやるというようなことは不可能であるにしても、しかし、もっと大きな額というものをここに国としても考えなきゃならぬじゃないかと、こう思うのですが、その点、これは将来の問題もございます。たとえば、三十八年度でこの計画が終わるとしましても、さらに延長するというようなこと、ただいま政務次官からもお答えがございましたが、そういう意味からして、この点をどのようにお考えになるかひとつ承りたいと思うのであります。
#21
○政府委員(藤田義光君) ただいま御指摘のとおりに私も感じております。特に現在農林省で、この方面の重要産業の一つであります黒砂糖の開発に関しまして、この三月一ぱいでビート振興法という時限立法が期限が参りますので、この問題に関連しても、永久法が実現しますと、相当の資金需要がこれは出てくるという可能性もあります。関係各省と連絡をとりまして、資金需要に十分配慮をして参る必要があろうかと存じております。
#22
○鈴木壽君 これは三十八年度のはここにこういうふうな形で、これ以上今どうのこうのと言っても始まらないと思いますが、将来の問題としても、今政務次官から、特に黒糖の問題を中心にして、十分産業振興というような建前で相当思い切ったことを考えていかなきゃならぬというふうにおっしゃったと理解してよろしゅうございますか。
#23
○政府委員(藤田義光君) そのとおりでございます。
 それから、ちょっと付け加えておきますが、融資業務の概要に関しまして、ここに統計がありますので、申し上げておきたいと思います。
 三十七年度の十一月末現在で融資申し込み、融資実績と対比いたしまして、実績率を出しておりますが、これは八一・七%、三十六年度が七〇・九%、三十五年度が七一・一%、大体融資の実績率は三十六年度はちょっと下がりましたが、三十七年度は非常に上昇しているという数字が出ております。
#24
○鈴木壽君 何かこういう申し込み、融資のこの率をおあげになりましたが、三十七年の十一月末ですか、それで八一・七%と、こういうことをお聞きしましたが、この率は、単に率が上がったからということで安心できないと思うのです。これは変な言い方でありますが、これは幾ら申し込んでも信用基金というものはこういうふうになっておってだめだということで、だんだん申し込みの件数が、実際はもっと必要であるけれども、申し込みをしなかったというようなことも出てくるので、そのパーセンテージだけで成績がいいということにはならないと私は思うのであります。さっきもお聞きしましたように、民間のほうの金、こういうものから総合的に考えてみますと、私はやはり国が、先ほど西郷先生からもお話しがございましたように、地域格差の解消とか、あるいは住民の所得の向上を進めるというお話ですがね、この開発の仕事を熱心にやると、こうなる場合には、もっとやはり力を入れてしかるべきじゃないか、こういうふうに思うのでありますが、これは私は先ほどお答えをいただきましたから、これについてのお答えは要りませんけれども、そういう考えを持っておるのであります。
 なお、復興計画のことについて若干お聞きしたいのでありますが、最初に復興事業関係の予算でございますけれども、予算書には、三十八年度の予算として十四億六千四百五十二万五千円が計上されておるのであります。これはトータルだけしか載っておりませんけれども、それから先日ここでお聞きをしました三十八年度予算の主要項目ということで、自治省関係の予算の説明の中に、奄美群島の復興計画事業関係費として十四億三千九百五十八万八千円、三十八年度としてはこういうふうな数字が出ておる。これはちょっと数字が違うようですが、この内訳として何かいわゆる復興関係事業に関係のないものが予算書には大まかに一まとめにして載っておるんじゃないかと思うが、そこら辺、もしもう少しこまかく知らせていただければと思うのでありますが、これはいかがでございますか。
#25
○政府委員(佐久間彊君) お尋ねの点の差額でございますが、これは事務費と思いますが、なお正確に調べました上で、お答えいたします。
#26
○鈴木壽君 予算書の中には、復興事事関係費とそれから人件費事務費を含む額として計上されておるようでありますが、この場合にあれですか、復興事業費の中に、普通はやはり人件費なり、あるいは事務費等が含まれると思うのですが、今局長のお話しのように、事務費関係が落とされておるとすれば、ちょっとそこら辺普通の場合とは違うような感じがしますが、これはいかがですか。
#27
○政府委員(佐久間彊君) 正確なものを調べまして御報告申し上げますが、奄美群島の復興十カ年計画で、国費の総額を百二十一億ということに予定をいたしておりまして、との額の中にはネットの事業費を考えておるわけでございます。
#28
○鈴木壽君 これは、まあたいしたことじゃないと思いますが、ちょっと数字を見た限りにおいては違うようなところがございますから、これはあとでひとつお知らせいただきたいと思います。
 この予算で、ここの資料には、四枚目の「復興事業進捗状況調」というのがありますが、これの三十八年度の計画には、十四億七百九十五万五千円、こういうふうに計上されておるのですから、そこらあたりの関係もひとつわかるようにお知らせいただきたいと思うのであります。よろしゅうございましょうか。
#29
○政府委員(佐久間彊君) 承知いたしました。
#30
○鈴木壽君 三十八年度でこの計画が終わることになっておることは、先ほどからお話のあったとおりでございますが、私どもは将来さらにこういう復興事業を延長していくということについては賛成でありますし、ぜひまた、やらなければならぬと思うのでありますが、まあそれはともかくとして、三十八年度までのいわゆる十カ年計画の中で、やはり一応の締めくくりといいますか、あるいは計画どおりに完了するということが建前でなければならぬと思うのであります。今度の三十八年度予算の十四億何がしで、これは国庫から出る金でございますが、そういうことでいずれの事業のそれについて見ても、計画どおり一〇〇%完成できると、こういうふうに見ておられるのかどうか、この点はどうです。
#31
○政府委員(佐久間彊君) これは、計画の残事業はほぼ完了するもくろみで年度計画を作成するつもりでおりますが、全部が一〇〇%完了というわけには参りませんで、事業によりましては、なお、あとへ残るというものも予想されるという状況でございます。
#32
○鈴木壽君 まだ残ると予想されるような事業はどういうものです。
#33
○説明員(林忠雄君) 振興課長の林でございます。
 まだ残ります事業では、港湾などが一部残る予定になっておりますが、全体として残ると申しますのは、この事業の進捗率を当初の計画の金額で計算しておりますので、金額上では予定した一〇〇%の金額を使っておる。ところが資材、労務費等の値上がりによって当初予定したとおりの――たとえば港湾で参りますれば、堤防などの延長の出来高が足りないということで残っておるものが、公共事業関係で相当あるのではないかと思います。
#34
○西郷吉之助君 飛行場なんかどうですか。
#35
○説明員(林忠雄君) 空港につきましては、三十八年度には金額的には予定どおりの進捗率を示しておりますけれども、まだ飛行場の実態につきましては私もつまびらかにしておりませんが。
#36
○鈴木壽君 私も、この数字から見ますと、大体これは計画どおりできるような数字が出てきていますね、ただしそれは計画上の資金的な面で。それは国は、明年度――三十八年度で予定されました額が全部出るようになっておるし、あるいはまた事業費からしましても、金の面からだけはできるようになっておるのであります。それだって実際どうかと思うようなところが出てきますけれども、とにかくそういう金の面からだけは計画どおりできるようになっておりますが、しかし実態はどうかということが問題だと思います。そこで、私は、今課長さんから資材費なり労務費なり、そういう値上がりのために実際はその仕事そのものは完全な姿でできないものもあるだろう、こういうお話でございますから、実はそういうところを私は問題にしたいと思うのであります。こういう計画を立てて十カ年計画でやるといった場合には、十年の間ですから、経済変動と申しますかあるいは貨幣価値の変動と申しますか、これはいろいろあるのでございますから、やはりそれに対応できるだけの資金の面なり――したがって、その計画の実施の面なりをもっとこれは考えていかなければならぬのじゃないかと思うのです。当初十年計画で百二十一億何がしという金を国が出すのだ、こういうことだけで、それを十カ年に分けて出したからこれで済むのだ、こういうことでは、私はこういういわゆる復興事業とか何とかいう仕事というものは、うまくないというふうに思うのです。私はこの計画どおり、金の面だけでなしに、計画どおり仕事ができても、なおかつこの奄美大島の何といいますか、産業なり、あるいはしたがって、住民のいわゆる民生安定というようなことはなかなかむずかしい所じゃないかと思うのであります。そういう所である条件のところに、単に金だけで、今度これで済むのだというような考え方であっては、私は残念だと思うし、そういう意味においては、やはり十年間に経済変動なり物価の変動に対応できるだけのやはり措置を講じてきてもらいたかったというふうに思うのであります。これは今ここまで来て、どうのこうのと言ってもあるいは始まらぬかもしれませんが、今後延長されるというような場合には、私はよほど――よほどどころじゃない、そういうところをまず第一に考えていかないと、これはいつまでたっても復興計画というものはうまくいかないのじゃないか、こういうふうに思うのです。これは政務次官あたりから、そういうことに対する考え方をひとつお聞きしてみたいと思うのであります。
#37
○政府委員(藤田義光君) 全く私も鈴木委員の御発言に同感であります。これは予算面から見ますと、大体三十七年度で計画の九〇%に到達し、ことしで一〇〇%いくようでありますが、実際上、事業の進捗度は相当おくれております。それで新しい年次計画を策定するにあたりまして、立ちおくれた十年計画の跡始末を最優先にやるべきではないかと思います。それと同時に、新規方面に資金投入ということを考えていくという方向で研究したいと思っております。御指摘のとおり、三十八年度の計画が終わりましても、内地の生活水準の昭和九年か十年程度の生活水準にやっと追いつくというふうで、個人の名目所得を見ましてもまだ惨たんたる状況でありまして、引き続き従来以上の強力な方途を考えなくちゃいかぬのじゃないかと思っております。
#38
○鈴木壽君 ひとつ、これは局長さんからでも課長さんからでもけっこうでございますが、金の面だけでなしに、実際の仕事の面での進捗率というふうなものを、これはあなた方お調べになっておられませんか。たとえば、さっきお話ありましたように、港湾といってもまだ防波堤の延長が不十分だとか、あるいは空港がどうだとかいうようなお話もございましたが、そういう問題を含めて、実際の計画、ほんとうの完成すべき姿のそれと、今の現状からするそれと、進捗の状況をこれは何かお調べになっておりませんか。
#39
○政府委員(佐久間彊君) 調査いたしているものはございますが、後でまた御提出いたしたいと思いますが、おもなものを例示的に申し上げますと、道路にいたしますと、県道につきましては、昭和三十八年度までにおおむね八〇%改修される見込みでございます。自動車の台数も、昭和三十一年から三十六年の間に約二倍程度伸びております。ただ、こういう道路につきましても、産業基盤を作るというよりも、むしろ生活に必要な最小限度のものが整備されているというような状況と存じます。
 それから港湾につきましては、復帰当時は船舶が接岸できる港がございませんでしたが、ただいままでに名瀬、古仁屋、亀徳というような三つが接岸可能の状況になっております。大型の船舶が出入りできる港はまだございません。
 それから文教関係につきましては、小中学校の校舎は、これはこれまで一番力を入れて参っておりますので、ほぼ整備されております。特に台風の関係もございますので、構造は鉄筋なりブロック建築でいたしている状況でございます。
 保健衛生関係につきましては、県立の大島病院を初めといたしまして、各町村に診療所が設置されております。水道もこれまで重点的に力を入れて参っておりまして、現在普及をいたしておりますので、三十八年度には五二%くらいまで見込めるものと存じております。
 以上、例示的に申し上げましたように、これまでは生活基盤を整備する、民生安定のために必要な公共施設を整備するという点に重点を置いて参っておるわけでございまして、そういう点では、ほぼ三十八年度までで目標に近いところまで行くんじゃなかろうか。しかし、先ほどいろいろ御指摘のございましたような公共事業、積極的な産業基盤を作るための事業といったようなものは、まだ非常におくれているという状況かと存じております。
#40
○鈴木壽君 今、大よそのところはお聞きしましたが、あとでまた資料をいただける、こういうことでございますから、私、それについてひとつ、これは今すぐといっても、むしろ不可能なことだと思いますから、ずっとあとでもいいと思いますが、よくお調べの上にお願いしたいと思うのであります。それはさっき申し上げましたように、実態をほんとうにつかんで、計画そのものをひとつ踏まえながら、それが実際はどの程度になっているのか、こういうものをぜひお願いをしたいと思うのであります。そうでないと、これは将来の、三十八年度で一応終わるのでありますが、三十九年度以降の、たとえばこの計画をさらに延長するといっても、また単なるベーパー・プランみたいなものになってしまって、せっかく相当な国費を使い、その他の費用を使ってやった仕事が、何年たっても、いつまでも変な工合で停滞している、こういうことになりかねないと思いますから、どうかひとつそういう意味で、その資料の作成には今言ったことを盛り込んでぜひやっていただきたいということをお願いをしておきたいと思うのであります。
 私、実際はこの奄美の状況は全然わかりませんが、いろいろ現地を見られた方々のお話を聞きましても、いわゆる公共施設的なものは、さっきお話がございましたのですけれども、相当よくなっておる。たとえば学校とか、あるいは港湾とか、あるいは一部の道路とか、こういうものは相当りっぱになっておるんだ、こういうことを聞くのでありますが、しかし、反面、これも局長から今お話がございましたように、住民の生活程度、こういうものになりますと、非常に低いところに依然として置かれておる、こういうことが言われておるのであります。問題は、この低い住民の生活、これをいかにしてレベルを引き上げていくかということが、これからの仕事でなければなりませんし、そのためには、単に公共的な施設をよくするとかなんとかという、そういうことだけでなしに、実際の住民がよって立つ自分たちの仕事、大きくいえば産業といいますか、そういうものの振興というものが、非常に大きなウエートを占めてこなければならぬのじゃないか、こういうふうに思うのであります。先ほど西郷先生からも御指摘がございましたが、たとえば砂糖の問題なり、あるいは、つむぎの問題なり、その他のいろいろ産業振興ということを本格的に取り上げていかなければ、住民の生活をだんだん引き上げていくといっても、単にそれはから念仏に終わるのじゃないか、こういうふうに思うのであります。
 関連してお聞きしたいのでありますが、最近のここの住民のいわば所得の状況なんか、お調べになったのはございませんか。
#41
○政府委員(佐久間彊君) 所得の状況を申し上げますと、住民一人当たりの名目生産所得が、昭和二十八年に復帰当時は一万九千五百四十八円でございます。全国平均が六万七千五百八十一円でございますので、二八・九%でございまして、昭和三十五年度におきましては、住民一人当たり名目生産所得が五万二千四百二十一円となりまして、全国平均が十二万二千六百七十二円でございますので、四二・七%に向上いたしておりますが、まだ全国平均の半分に達していないという状況でございます。昭和三十八年度末に十カ年計画が終わりましたときには、昭和九年から十一年当時の本土の生活水準にほぼ到達し得る、そういう見通しをいたしておるわけでございます。
#42
○鈴木壽君 今おあげになりました数字を見ましても、非常に低いところに住民の生活状況が置かれておるということはわかると思うんですが、昭和三十五年で全国の四二・七%にしかすぎない、こういうことのようであります。昭和三十八年度末において、昭和九年とか十年、そのころの内地の国民の所得水準になるのじゃないか、こういうことなんでございますね。昭和九年とか十年とかいうことよりも、今それからしますと、国民全体としてはこれは相当な開きがある状況、その状況に、ようやく、三十八年度のいろいろ復興事業等が終わったあとに、なるのじゃないか、こうなりますと、まことに心細い感じがするわけなんであります。で、さっき申し上げましたように、いろいろな公共的な仕事をどんどん拡充していくということも非常に大事なことであります。むしろ大事だというよりも、基礎になっていかなきゃならぬと思いますが、さらに、その住民の実際生活そのものに直接つながっておるところの産業の状況ですね。よって立つところの生計の基盤になる産業のその状況は、私さっきも申し上げましたように、それはたいへん大事な問題だと思うのであります。
 で、これはあとで農林省の力からも、たとえば黒糖の問題なりその他の農産物の問題ですね、こういうことにつきまして、計画あるいは実際の状況等をお聞きしなければならぬと思っております。こういうのに対する、たとえば黒糖の問題ですね、自治省として一体どういうふうに現状を把握し、将来どういうふうな形になっていくか、――これは実はいろいろなむずかしい問題もあると思うのです、黒糖の問題はですね。これは一つの例でありますが、そういうことにつきまして、ひとつ、主要産業といいますか、あるいはこれからうんと振興させていかなきゃならぬというそういう産業についての、自治省としての見方、あるいは考え方、こういうものをひとつ、この際、明らかにしていただきたいと思うのであります。
#43
○政府委員(佐久間彊君) 黒糖は、この奄美群島におきまして産業の中心として最も重視をいたしておるわけでございまして、これまでの復興計画の中におきましても、この関係の経費は相当計上をいたしております。明年度におきましても、これはまだこれから年度計画を立てるわけでございますが、この関係の経費を重点的に計上いたしまして、最近の自由化の動向に対処いたして参りたい、かように考えております。
#44
○政府委員(藤田義光君) 現地の資金需要等からしましても、ただいま局長が答弁しました黒糖、それから畜産等に相当島民の関心が強くなってきておるようでありますが、実は黒糖に関しましては、農林省の国内甘味資源対策というものが浮動しておりまして、今後の見通しを正確に把握することが非常に困難な状態であることを残念に思っております。また選択的拡大に伴いまして、畜産振興ということを相当やっておりますが、この群島における畜産振興の計画というものもまだ確立していない現状でございまして、この点に関しましては、いずれ農林省からもまた答弁があろうかと思いますが、自治省としましては、農林省の、黒糖及び新しい成長財である畜産、これに対してどの程度の見通しを持っておるのかということが、まだ正確に自治省に実は報告が来ておりませんし、連絡しても報告できない状況でございます。まあひとつ率直に申し上げておきたいと思います。
#45
○鈴木壽君 私。非常に大事なことなんだと思うのでありますが、今政務次官から正直にと、こういうようなお話で、これ以上これはとやかくあるいは言われないかもしれませんけれども、これはやっぱり、こういう計画を立てる際、これは先ほどからも何べんも申し上げておるように、昭和三十八年度でこれは一応終わる計画でございますから、こういう時点に立って、農林省関係なりその他の関係省庁の間で十分やっぱりその現状をどのように見るのか、その現状の把握の仕方あるいは将来どうすべきであるのかという、こういうことについて、もっとお互いに煮詰まったものがあってしかるべきだと、こう思うのであります。たとえば、これはあとで農林省から、さっきも申し上げましたように聞かなければならぬと思っておりますが、さて何かばらばらな感じを受けるわけですね。従来も私、そういう感じを受けて、農林省の方々の話をね。全体の一つの計画として、総合計画として、それはもちろん実施面ではそれぞれの各省庁にこれはわたっておることでございますけれども、こまかいことまでどうのこうのということは、これは私どもも言うべきじゃないと思いますけれども、ただしかし、またさっきも申し上げましたように、現状をどう見、将来どうしなきゃならぬかと、それに対応する振興計画はどうあるべきかと、こういうことについてはもっとやっぱりきちっとした煮詰まったものがなけりゃならぬと思うのです。これはひとつ政務次官、あなたはまあ、そういう立場に――これはやっぱり各省庁の一つのまとめ役として頑張っていただきたいと思うのです。そうでないと、これはあなた方だって、おそらく農林省で黒糖対策なり、あるいはこれから分密糖への切りかえを一体どうするのか、あるいはパイナップルを今盛んにやっているようであります。バナナも苗圃を作ってやっているようでありますが、一体これがどうなっているかというと、ただ数字の上で、それこそ計画的に数字の上で何%できたとか何とかということしかわかっておらないのじゃないかと思うのです。
 それでは、少し酷なような言い方でありますけれども、やっぱり担当しておられる皆さんのそれとしては不十分じゃないかと思うのであります。どうかひとつ特に私、政務次官に率直に要望するのは、そういう点で十分これは各省庁との間に煮詰めた一つの対策を持っていただきたいと、こういうことなのでございます。ぜひひとつ、その点おやりいただきたいと思うのです。
#46
○政府委員(藤田義光君) 御指摘のとおり、群島における黒砂糖工場等が乱設されまして、むしろ昨今の状況によれば島民の産業態勢が、かえってこれで乱れるというような声も二、三耳にいたしております。第三次計画の策定に当たりましては、基幹産業を中心とした、すっきりした計画を立ててもらうにつきましては、自治省としましても関係各省と常時連絡をとって、御指摘の点を十分ひとつ了といたしまして、まあわれわれの在任は非常に短かくなりましたが、在任中にできればそういう方向で、これはぜひ私も、私の郷里のすぐ近くでございますので――私事を述べて恐縮でございますが、非常な関心を持ってやっておりますので、できるだけひとつすっきりした姿で、今度の第三次計画だけは軌道に乗せたいと念願しております。
#47
○鈴木壽君 欲張ったようなことをまた要望するわけですが、政務次官、第三次計画という、むしろ三十八年度の計画、これは四月からやっぱり実施されるのでございます。その前にですね、三月中にひとつさっき申し上げたような現状、さらに将来どうするのかということを、きちっとひとつお願いしたいと思うのですが、いかがでございます、その点。
#48
○政府委員(藤田義光君) 国内甘味資源対策に関しましては、偶然三月一ぱいで現在の時限立法が期限が参りますので、新しい永久法策定に当たりましては自治省の立場を相当強硬に主張するつもりでございます。その他畜産振興等の産業新年度に入るに当たりましても、自治省としての要望をひとつ十分検討の上、関係各省に伝えたい、こういうふうに考えております。
#49
○鈴木壽君 たとえば黒糖の生産の問題でありますが、私、現時点でどういうふうになっておるか、これは調べがそこまでついておりませんので、二年ばかり前のことなのでありますが、小工場がたくさんあるわけなんですね。十トンあるいは十五トン、この程度が大部分で、あとまあ三十トン、五十トンというようなのも一、二ありますけれども、さらに一トン以下の、まあ工場といえるかどうかわかりませんが、とにかく、そういうのが何百とあるわけですね。こういう状況から、一方で大企業といいますか、相当大きな、百トン程度の大型の工場がまた二つばかり出ている、こういう状況であったと思うのです。さっきも申し上げましたように、私は、昭和三十八年の今の時点ではわかりませんが、その間の――大工場と、そういう小さな工場との間の問題、さらにサトウキビの値段の問題、こういう非常にややこしい問題があるわけなんです。そして一方、国には、政務次官もお答えになったように、甘味資源の対策として、たとえば今後十年間にこれくらいの国内の需要量があるだろう、これをカンショでどのくらい国内で充足していくかという、いろいろな計画があるわけなんです。そういう計画があるとすれば、一体この地域に――これはサトウキビの一つの適地と見られるでありましょうから――そしてまた、それに依存しなければならないような現状でございますから、そういう所に一体どう生産を振り分けして、ここにある程度の量を確保できるようにしていくかというようなことも、これは非常に大事なことにならなければならぬと思うのです。そういうものがどうもないようであります。ですから、私はやはりそういうところにむだ金とはいいませんけれども、いろいろな金を貸したり何かやっても、やはり成績が上がらないという一つのこと、あるいは先の明るい見通しというものがないところに、これはやはり住民にがんばれと言ったところで、あるいは生産を増強させなければならぬと、こう言ったところで、これはなかなか大へんなことなのでありまして、こういう計画が今後の、これからの奄美の復興事業計画の中に、きちんと位置づけられなければならぬと私は思うのです。そういう点も私は、実はいろいろ注文として申し上げたいことなんであります。そういう意味での煮詰めた計画というものが見られなければならないし、そういう計画を実際遂行するための、裏づけとなる政府の資金なりあるいは民間の資金なり、あるいは住民の金なり自己資金なりという、そういうものを十分勘案しながら常にやっていかなければならぬと、こういうふうに思うのであります。いずれ、ひとつそういう面で――黒糖の問題は一つの例として申し上げたのでございますけれども、たとえば水産業にしたって、私、いろいろな問題があると思うのであります。こういう点につきまして、あとでひとつ――先ほど御要望申し上げたように、ぜひひとつ実際やはりやらなければいけないことなんでありますから、そういうものをお願いしておきたいと思います。いずれ具体的な産業振興の問題等につきましては農林省のそれも聞かなければならぬと思いますので、それはまた後日に譲って、きょうは私は以上で終りたいと思います。
#50
○委員長(石谷憲男君) 本案についての本日の審議は、この程度にいたしたいと存じます。
 次会は二月五日午前十時開会の予定でございます。
 それではこれにて散会いたします。
   午前十一時四十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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