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1962/02/21 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第7号
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1962/02/21 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第7号

#1
第043回国会 地方行政委員会 第7号
昭和三十八年二月二十一日(木曜日)
   午前十時四十分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     石谷 憲男君
   理事      小林 武治君
           西田 信一君
           林  虎雄君
           市川 房枝君
   委員
           上林 忠次君
           北口 龍徳君
           西郷吉之助君
           沢田 一精君
           館  哲二君
           小柳  勇君
           鈴木  壽君
           松本 賢一君
           鈴木 一弘君
           基  政七君
  国務大臣
   自 治 大 臣 篠田 弘作君
  政府委員
   総理府総務副長
   官       古屋  亨君
   警察庁長官   柏村 信雄君
   警察庁長官官房
   長       後藤田正晴君
   警察庁刑事局長 宮地 直邦君
   警察庁保安局長 野田  章君
   警察庁交通局長 冨永 誠美君
   厚生省薬務局長 牛丸 義留君
   自治政務次官  藤田 義光君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
  説明員
   自治大臣官房参
   事官      松島 五郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○警察法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査(特別
 交付税に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(石谷憲男君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 警察法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。
#3
○鈴木壽君 今回の警察法の改正案では、交通の規制に関する問題がまず一つあるわけなんでありますが、まず最初に、現在の交通のいろいろな問題があるわけなんでございます。取り締まりの面で最近の状況がどういうふうになっているのかというようなことから、まずひとつ状況の説明をいただきたいと思うのですが、それに対して今度は、ここに改正案に出ております、たとえば管区警察局のほうに幹線道路の規制の問題を一部委譲する、こういうような問題もありますし、そういう問題との関連においてお聞きしてみたいと思うのであります。
#4
○政府委員(冨永誠美君) 最近の交通事情でございますが、何と申しましても特徴がありますのは、急激に自動車の交通が発達したということであるのでございます。これを数字的に申し上げますれば、毎年自動車におきまして二〇%以上、それから原動機付自転車につきましては三七%以上の増加率を示しておりまして、昨年の十月、遂に自動車は全国におきまして五百万を突破いたしているわけでございます。それから原動機付自転車も、ほぼこれに近い四百万台になりましたので、両方合わせまして一千万台というのはもう時間の問題であるというふうな状況でございます。
 それに対しまして、いろいろな施策が昨年一年間講ぜられたのでございますが、これを交通事故の面からみまするならば、昨年の交通事故による死亡者は、一年間一万一千四百四十一名でございます。これは前年よりも減ったのでございまして、前年よりも減ったというのは、昭和二十三年以来十四年ぶりのことであるわけでございます。数字でこれも申し上げますならば、昨年は前年に比しまして約千四百名ほど減っております。また、新道交法が実施せられる前、つまり前々年に比べましても六百名ほど減少したということでございまして、これは最近にないことでございます。
 それから交通の施策方面におきましては、昨年におきましては、都市交通におきましては、東京、大阪を初め、いろいろな規制が実施されたわけでございます。東京について申し上げますれば、昨年の車種別規制、あるいはまた、十月に都心部の駐車禁止を主体といたしますイエロー・ゾーンの設定というようなこと、また、御承知のとおり、保管場所等確保の法律も実施されてきたのでございます。
 それから交通規制におきましては、ただ単に都市内の交通規制ばかりではなしに、主要幹線、たとえて申し上げますれば、東海道の国道を中心とします一級国道、こういったあたりが大体全線にわたりましての交通規制が実施されたというような状況になっているのでございます。
#5
○鈴木壽君 新しい道交法が施行されてから、先ほどのお話の中にもありましたが、事故というよりは、むしろ死亡者の数などが減っている、こういうことなんですが、これは法のためであるのかどうか、これは一概には言えないと思うのでありますが、いずれにしても、道交法が施行されてからの、いろいろなこれに対する取り締まりの面において、あるいはその他のいろいろな対策の面において、何といいますか、相当な前進をみただろうと、私はそう思っているのでございますが、これに対してどういうふうにお考えになっておられますか。
#6
○政府委員(柏村信雄君) 新しい道交法ができまして、非常に、単に規制とか指導の面で法律的に改善されたというだけでなしに、あのことによって国民の間に非常に道路交通についての関心が高まったことは、確かに認められるわけでございます。しかしながら、あの道交法ができまして、最初あれは十二月でございましたが、一月、二月ぐらいまで相当そういう意味の効果があったわけでございますが、特に下半期になりまして、非常にまた、ただいま冨永局長から申し上げましたように、自動車の増加、道路が必ずしもよくならないというようなこともありまして、非常にふえてきたわけでございます。それで、その年の秋の道路交通安全旬間におきまして、むしろ、いつもは交通安全旬間というのをやりますると、少なくとも、その期間は事故が減り、死亡者が減るという状況なんでありますが、その年の秋に限っては、旬間にも決して減らないという状況になりまして、私どもも、これではいけない、むしろ、そういう旬間ということも必要であるけれども、国民総ぐるみの、常時の交通安全運動ということが必要であろうということで、私どもは私どもなりにそういう意味の推進をいたしましたし、また、世論も非常にそういう面に強く動き出しました。特にマスコミの機関等において非常に強く取り上げまして、ただいま冨永局長が申し上げましたように、国民運動的な成果として、事故、特に死亡者の減少をみてきたものであろうというふうに思います。法律の改正によりまして、おかげさまでこの点も確かに改善されて参ったわけでございますが、何分にも、これは警察の指導取り締まりということだけに多きを期待するわけには参りませんので、やはり国民全体のそうした交通安全の運動、あるいは政府その他の機関におきまする交通安全の施設というようなものの整備ということが相待っていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。
#7
○鈴木壽君 長官にお尋ねしたいんですが、あなた方の立場からみて、特に交通事犯、事故の防止という点からいって、いろいろまあ御不満も要望もあるのじゃないかと思うのであります。私どもは、道交法が新しくできる際に、いろいろそういう面についても、施設の面なりその他のいろいろな面についての要望もいたしましたし、また、附帯決議等もつけましたのですが、どうもその後の様子を見ておりますと、確かに踏切の問題等については、従来よりは力を入れて改善の仕事を進めておるというようなことも、もちろん言えますが、全般的にいって、それが今の車の増加なり交通量の増加というような問題にうまくマッチするような程度にまでは、どうも進まないということが、私は言えるのじゃないかと思うのでありますが、そういう点について、交通対策本部もありますが、それに対しての皆さんからの御要望なり要求なり、また、それが取り上げられてどういう手段が講じられたか、具体的にそういう点がございましたら、ひとつお話をいただきたいと思います。
#8
○政府委員(冨永誠美君) 道交法の何といいますか、意義、あるいは道交法を契機にしまして交通問題に対しましていろいろ世論も高まって参ったわけでございますが、先ほど長官が申されましたように、一昨年の秋から暮に、これじゃいかぬということで、内閣におきましても交通対策本部、それから政府におかれましても交通関係閣僚懇談会が設けられまして施策を講ぜられてきたわけでございます。はっきり申し上げますれば、今まで交通問題というものは、どちらかというと警察のやる仕事だというふうに、まあいわば私どもの考え方も、そうであってはいけないと思いますが、若干そういうきらいもないでもなかったでございましょうし、また一般の方々がまかせきりという点も、これもあったのじゃないかと思います。こういうことではやはりどうしても交通問題全般の解決はむずかしいということで、おのずから警察には限界があるというふうなことを長官も申されたわけでございます。それ以後におきましては、いろいろ各省におきましても、たとえば運輸省なら運輸省ではナンバープレートを改正するとか、あるいはまた私のほうで言いますれば、若干大型自動車に関しまする免許の改正をやるとか、あるいはまた、保管場所の法律も実施されるとかいうふうな、それぞれの施策が今講ぜられておって、その推進中であろうと思うのでございます。何分にも交通事情の発達が激しいということと、それから今までの施策というものが、交通対策というものが、はっきり言いましてほとんど軌道に乗っていないというふうなことから、十分な成果というところまでいきませんが、とにかく進行中であるというふうなことであろうと思うわけであります。
 それから交通問題につきましては、何と申しましても、やはり一つは教育問題があると思うのであります。これは申すまでもなく道路を運転される運転者の方々、あるいはまた歩行者、両方に対する教育の問題もあることと思いますが、もう一つはやはり何と申しましても、ただいま御指摘がございましたように、施設を整備することだという点であろうと思うのでございます。それは道路をよくするということもございますが、そのほかに道路を安全な運転ができるような、また安全な歩行ができるような道路にするということが、これが非常におくれておるということを、私どもも痛感いたしておるわけでございます。そういう面から、たとえば道路のほうを、歩行者を立体的に横断さすブリッジですか、横断架橋あるいは地下をくぐるというふうなもの、こういう問題もございます。これはたとえば小さい府県で申し上げますると、岐阜県あたりが、ああいう小さい県で、すでに十何カ所学童の横断用の立体架橋といいますか、これを設けられている、こういうふうなこともやっておられるのでございます。そのほか、たとえばガードレールをつけるとか、あるいはまた、車道を夜はっきり照明するというふうなことの推進を進められております。建設省や府県でそれぞれ進んでおりまして、確かに車道を明るくするということによって、事故の三分の一は必ず減るということが言えるわけでございます。すでにたとえていいますと、神奈川県の第二京浜国道に、東京都との境の多摩川大橋から東神奈川駅まで約十キロ余にわたりまして、神奈川県がいち早く車道照明をつけられたわけでございます。それから中央に分離帯を設けることもございましたが、事故はやはり三分の一くらいに減っております、その道路におきましては。こういった施設の面を改善していくということをやらなければならないということを痛感いたしておるわけでございますが、逐次進んでいるということだけは間違いないのじゃなかろうかというふうに考えられる次第でございます。
#9
○鈴木壽君 このように車がたくさん年々ふえてきまして、それこそたいへんな事態になってきているわけですが、さればといってこれを抑制するわけにもこれは参らぬ問題だと思うのであります。とすれば当然そういう車をさばけるような施設なり、したがって事故の発生を見ないようないろいろな設備なりというものが、そこに考えられなければならぬ。そういう点では私は、日本の今の現状というものは非常におくれていると思うのです。今局長がお話なさいましたように、たとえば第二京浜あるいはもっと向こうの横浜新道のほうの道路の改善されたところ、ああいうのを見ますと、これは何とかこういうものを局部的なああいう個所だけでなしに、主要道路においてはああいうふうにならなければならぬのじゃないかと思うのですが、これもなかなか一朝一夕には望むべくもないと思うのでありますが、残りは指導の面と、それから取り締まりの面で考えていかなければならぬ、さっきも言ったように、これは根本的な問題じゃないと私は思うのです。条件を整えないでおいて、やれ指導だとか、あるいは取り締まりだということだけでは事故の絶滅なんか期せられないものですから、根本的な問題じゃないけれども、しかしまた、力の抜けない問題だと思うわけなんであります。そこで、これは一つの例でありますが、たとえばさっきのお話の中にもありましたように、交通安全週間とか、あるいは旬間とか月間というような問題があるわけなんでありますが、これは一つは単に取り締まりということだけじゃなしに、車の運転者なり、あるいはそのほか一般の歩行者等も含めて、やっぱり注意を喚起する一つの大きな運動だと思うわけなんです。それはそれなりに、非常に私は意義のあることだと思うのでありますが、ただそれと、ふだんのそれのやり方を見ておりますと、これははっきり違うものですから、その日だけは、あるいはその旬間だけは、その月間だけは、あすこに行くと大体おまわりさんがいそうだとか、どっかにかくれていて、とっつかまりそうだとか、そういうことで運転者等も非常に用心をしているようでありますが、そうでない場合にはやはり依然として違反等も出てくる。こういうのが偽らざる現状じゃないかと思うのであります。旬間とか週間のそういう意義を認めながらも、しかしまた、それがあるために、かえってどうも工合が悪いのじゃないかというふうに思えるふしも出てくるのでありますが、これはひとつそういうものの設定なり実施なりということについては、よほどやはり考えていただかないといけないのじゃないかと私思うのであります。私の、実は私事のようで恐縮でございますが、国道が私の家の前を通っている。交番もすぐそばにある。旬間とか週間のときには今言ったようにおまわりさんも何人かふえて、そして小路のあたりにちょっと出たり、あるいは電話機を持ったり、何と申しますか、手持ちのハンド・トーキーですか、ああいうものを持ってやっておりますが、ふだんはだれもいない。ふだんはおおっぴらにスピード違反なんかをやっている。こういう状況なんでありますが、ふだんのそれと、そういう週間なり旬間なり、あるいは場合によっては月間というようなのがあるようでありますが、そういうものとのあまりにも差異が目立ちすぎる。取り締まりの状況からしますと、これはやはり考えていただかなければならぬじゃないかと思うのですが、局長さんあたりそういう実態についてどういうふうに把握しておられますか。
#10
○政府委員(冨永誠美君) 確かにお話のとおりにそういう傾向があることは、これはいなめないと思います。交通警察の歴史が浅いということで、人の面、装備の面、そういったものでなかなか常時街頭に出にくい。その上に交通事故の処理、やはり交通事故が非常に多いわけで、その事故処理に追われまして、なかなか制服の警察官が街頭に出にくいという状況にあることは、これは事実でございます。
 それから交通安全運動といいますのは一年に二回、これもいろいろ問題はあるわけでございますが、せめてこの機会に交通安全の思想を喚起するというふうな仕組みで、これも昨年からは、今までともすれば警察中心であったのを、これじゃいけないというわけで、各省が全部態勢を一つにしまして、地方は地方で県知事さんが先頭に立って、やはり市町村が一緒に町ぐるみやっていただこうという方向にいったわけでございます。そのほか安全日とか、県によりまして日にちは違いますが、安全日をやる、あるいは私どもの取り締まりとしましては、東海道の一斉取り締まりをやるというふうなことでいっておりますが、その他の交通安全運動を行なわないとき、あるいは交通安全日じゃないときになかなか、先ほどお話が出ましたように、巡査が出ておらない、あるいは取り締まりをあまりやっていないということも、やはり人の面でそういう制約を受けまして、そういう実情にあるわけでございます。これは交通安全というのは、申すまでもなく、もう一年常時の活動でなければならないということから、これじゃいかぬというふうに私どもも思っておりますが幸いにしまして二カ年間一万増員のことも、大体予算にも計上されて方針もきまりましたので、そうなれば今度は常時街頭に警察官も出得る。一万の内訳を申しますと、約そのうちの七割、七千が街頭警察、街頭に出まして交通整理なり交通指導に当たる。そのほかの三千が白バイなり、あるいは主要幹線を走ります交通四輪で、これは常時パトロールをし、また指導、取り締まりをしようというふうなことになりますので、今のところはできるだけ交通の専従員だけじゃなしに他の警察官、たとえば外勤警察官あたりも動員しまして実際街頭にやむを得ず出ておるというふうな実情でございますが、できるだけ御趣旨の方向に沿いまして、ふだんのときにおきましても交通安全ということが保たれますように、私ども努力いたしたいというふうに考えております。
#11
○鈴木壽君 指導なり取り締まりの面で、まあ人の面で十分なことができないと、こういうお話でありますが、今の説明の中にありました今度の一万人の増員ですね、これでやりますと、大体皆さんの、何といいますか、要望なり期待をするそういう取り締まりなり指導の面で何とかやっていけると、こういうことなんでございますか。
#12
○政府委員(冨永誠美君) 一万人が、これが、まあ交通の仕事というのは非常に忙しくて、先ほど申し上げましたように、外に出て指導する警察官と、それから署の中におりましていろいろ事務をやる者が確かにあるわけでございます。それから交通事故が起こった場合に出ていくために内勤の人もおるわけでございます。そういうふうに分かれておりますが、一万の増員はとにかく第一線の街頭に出る警察官ということでいっておりますので、私どもはこれをフルに動員してやっていけると思っております。
#13
○鈴木壽君 今の、これから増員――まあ一部はすでに出ているのじゃないかと思うのですが、二カ年間で一万人の増員をする、これは御説明のようにもう交通関係専門の人、さっき街頭に七千人、白バイその他パトロール関係で三千人と、こういうお話でございましたが、これもいわば他の仕事でなしに交通関係専門と、こういうふうにあなた方は予定しておられるのですか。
#14
○政府委員(柏村信雄君) 今度の一万人増員につきましては、お話のように第一線の交通の専従員、専従の警察官として増員をお願いしているわけであります。ただこの一万人が、やはり警察官としての教養を施していくということになりますので、とりあえず東京、大阪についてこの一月から合わせて二千人入れまして、三千人を四月一日に入れる。それからまた来年の一月に二千人入れ、来年の四月に三千人を入れる。したがって、全部が教育が完了して第一線に立つというのは、再来年の四月ということになるわけでございます。しかしながら、そのときに充員が完了するわけでございますが、その時期を待つまで、それではそのまま出てきたものによってやるのかということになるわけでございますが、それではとうていこの時勢に間に合わない。したがいまして、相当苦しくても部内の配置転換等によりましてできるだけ第一線の警察官を逐次ふやしていく。そうして、そのあとを出てくるものによって埋めていくというような方向をとって、できるだけ実情に合うような配置を考えて参りたい、こう思っているわけでございます。
#15
○鈴木壽君 もうすでにことしの一月一日から、東京、大阪に対し二千名入れているわけですね。それから四月一日から三千名ですか、それから来年の三十九年の一月一日からさらに二千名を入れ、四月一日から三千名を入れる。昭和四十年の初めには計一万名になる、こういうことなんでございますね。そこら辺もう少しはっきりして下さい。
#16
○政府委員(柏村信雄君) 今お話のとおりでございます。今度の一万名の増員につきましては、完了するのはそういうことになるわけでございます。
#17
○鈴木壽君 たとえばことし三十八年の一月一日に配置された東京、大阪の二千名、これを例にとって申し上げますが、これはすでに現場に出ておるのですか。それとも一月一日から何か特殊な教養といいますか、教育といいますか、そういうものをやっておって、現場に出るのは――第一線に出るのはいつごろになるのでございましょうかね、そこら辺を。
#18
○政府委員(柏村信雄君) 警察官につきましては大体高等学校卒業程度のも
 のを採用いたしまして、一年間教育するわけでございます。したがいまして、この一月に入れたものは、ことしの暮れに卒業するということになるわけです。したがって、最後のものは来年の四月に入れますから、再来年の三月に卒業するということで、そういう教養期間というものを考慮に入れておりますと、一万の増員を完了するのは結局二年後の四月ということになるわけでございます。先ほども申し上げましたように、そのときを待って、初めて第一線の交通警察官を増員する、増強するというのでは、この時勢に合わないということから、部内の交通の教養を受けているような者、その適性のある者を逐次第一線に配置をしていって、そしてその穴埋めを、ただいま申しましたようにことしから入れておる者で逐次その補充をしていくということにしていきたいというふうに考えております。
#19
○鈴木壽君 まあ二年で一万名ですから、さっきからの御説明からしますと、三十八年の一月一日に入れた東京、大阪の二千名、それから四月一日に入れるその他の府県の三千名、これが教育訓練を終わって、実際の第一線に出るのは東京、大阪の二千名について言えば三十九年の一月から、それからその他の府県の増員の分については、三十九年の四月一日からと、こういうことになるようでございますね。そこで、その間の増員はしたというものの、実際のいわゆる第一線での活動は期待できないから、その間はまあ部内のやり繰りといいますと悪いあれだが、いずれやり繰り調整によって何とかカバーしていきたい、こういうふうな御説明であったと思いますが、それでよろしゅうございますか。
#20
○政府委員(柏村信雄君) そのとおりでございます。
#21
○鈴木壽君 そうしますと、少なくともことし一年は五千名の増員があるにもかかわらず、実際はその五千名というものは外へは出ない。しかし内部的な操作によって何とか、その五千人とあるいは言えないかもしらぬけれども、できるだけ第一線に出す、あるいは実際の交通業務に当たらせる。そういうもので操作していくんだ、こういうことになりますと、従来としても、そういうことでやれないわけでもなかったわけですな。いかがですか。
#22
○政府委員(柏村信雄君) 従来も交通だけを考えれば、やれないわけでございませんが、その他、刑事、少年、警備、いろいろございまして、まあ部内としては現在の配置がおおむね適正であるという判断のもとに人数を分けておるわけでございます。したがいまして、この実情に合うために一万増員の完了を待たないで、配置転換に努力すると申しましても、その間はほかの部面には相当無理がかかってくるということが言えるわけでございまして、したがいまして、交通を非常に重視すると同時に、ほかのものが全くおろそかになるようなことのないように、そういう彼此勘案しつつ増員していくということでございますので、先ほどお話にもございましたように、五千まるまるとは言えないだろうというお話、そのとおりでございまして、できるだけそういう今度の増員の趣旨を生かすように、経過的に考えていきたいということでございます。とうてい五千名近い数字というものを交通に専従させていくということは困難だと思います。しかし専従もふやすと同時に、専従以外でもできるだけ交通のほうに目を向けるような配置を考えていきたい、こういう趣旨でございます。
#23
○鈴木壽君 今回の増員のいわば全面的な効果というのは、昭和四十年の四月以降でなければ出てこない。まあ少なくとも増員の数、そういうものを第一線に出して実際の警務に当たらせるという点において、そういうことは言えますね。その間はできるだけ部内の操作によってやっていきたい、こういうことだと思うのですが……。
#24
○政府委員(柏村信雄君) 一万の完了するのはさようでございますが、来年の一月には二千名というものが第一線に出てくるわけでございます。それから来年の四月にはさらに三千名が出てくるということで、逐次人員も増強されていくわけでございまして、一万が完了するのはお話のように四十年の四月からということになると思います。
#25
○鈴木壽君 ことしの一月一日から、すでに二千名の増員が、東京、大阪に限ってでございますが、ありますが、これについてのなんといいますか、予算措置といいますか、金の面でございますが、これはどういうふうになっておりますか。
#26
○政府委員(柏村信雄君) 大部分は人件費でございますので、人件費は都道府県費負担でございます。したがいまして、これは自治省のほうで行政措置をいたしておるわけで、装備関係は全額国費でございますが、募集費については半額補助ということになって、そういう予算措置は、ことしの五千名につきましては、予備費で計上いたしております。その後の五千名につきましては、今度の予算案の中に計上されているわけでございます。
#27
○鈴木壽君 これは、もちろん教育期間中でございますから、大部分人件費だと思いますが、東京、大阪においては両都府の間で負担しなければなりませんが、これはあなた方にお聞きしてもどうかと思うのですが、財政計画なり、あるいはその他で、そういう地方財政面でどういう措置をしておられるのか、これはあなた方に……。
#28
○政府委員(後藤田正晴君) 今長官から申し上げましたように、ほとんど九割程度は地方費負担になります。それで財政誌面にこの数字を計上してもらって、同時にまた、いろいろな関係の経費で単位費用等も上がる面もございますので、これらの単位費用もそれぞれ増額計上をお願いいたしております。したがって、交付団体につきましては、それだけの金額が府県に流れていく、こういうことでございます。御質問の東京、大阪等の不交付団体、これにつきましては、これは御承知のとおり東京、大阪の既定の財源で負担する、こういうことになる次第で、したがって本件の増員につきましては、大蔵省の折衝もさることながら、自治省との折衝が中心でございまして、自治省と東京、大阪の第一線の分については打ち合わせをせられた上で、事柄の性質上その他、財源等とのにらみ合わせも考えた上でやっていく、こういうことで政府部内は一致をいたしておるわけであります。
 なお、この増員に伴う一割程度の国費負担、これはもちろんすべて東京、大阪といえども同じように頭割りで経費が第一線に流れていく、こういうことになっております。
#29
○鈴木壽君 これは一万名の増員計画に見合う計画としては、あるいは作業としては、今のお話のとおりだと思うのですが、ただ私ちょっと聞きたいことは、一月一日からすでにやっているのですから、これは三十七年度の財政計画の変更なり、あるいは変更という大げさなことを言わなくとも、その中でどういうふうに見るのか。したがって、またその基礎になる交付税の単位費用の問題ですね、こういう問題を一応処理してあるのかどうか、こういうことなんであります。もちろん東京、大阪は不交付団体でございますから、あるいはこれらの所要の経費を見ても、なおかつ、不交付団体であるかもしれません。しかし一応のこういうものの計画にマッチする財政的なそういう面を検討したのかどうか、特に私、今言ったように、一月一日はすでに三十七年度の地方財政計画の中途でございますから。それからもう一つ私、時日的な問題として申し上げますと、三十七年度の地方交付税の単位費用の改定の中には年度中途からの一月一日からの分、これは入っておらない、法的には。これは試算段階ではこのぐらいかかるとか、これくらいにすればということで、対象が東京、大阪であるから実際には出さなくてもいいということはあるいはやったかもしれませんけれども、実際問題として単位費用のそういうものの計算まで法的には何ら取られておらないのじゃないか、こう思うのですが、四月一日からのやつはあるいは財政計画の中に入っているかもしれませんし、単位費用の中に当然それが見込まれて今度の新たな単位費用の改定が出てきていると思うのですが、一月一日から三月末までのそこら辺をどういうふうな検討をしたか、こういうことなんです。
#30
○政府委員(後藤田正晴君) お説のように単位費用、あるいは財政計画全般の改定の問題は三十八年の四月一日からでございます。そこで御質問の一月から三月までの二千名を、東京、大阪の分でありますが、これらについてはもちろん自治省としては財政面の検討をせられました上で、この程度のものであるならば特別交付税等であとで埋め合わせをする必要もなかろう、こういうようなことで十分御検討の上、私どものほうに御承認を願ったものと、こういうふうに考えております。
#31
○鈴木壽君 これはまあ、あとで自治省にお聞きしたいと思うのですが、あなた方の立場からいえば、ただふやしてもらって、それを認めてもらえばいいほうですから、そういうこまかいことをどうのこうのと言っても、あなた方に申し上げても何だと思うから、これはまたあとで自治省にどういう再算定をやったのか、どういうそれに見合う財政計画の、これは局部的な問題であるといっても将来にわたってずっと他の団体に影響することでございますから、そういうことをどういうふうに検討したのか、あとで機会を見て自治省のほうにお尋ねしたいと思うのでありますが、一応大まかな言い方で恐縮でございますが、一万名の増員計画については財政的なそういうものも十分検討した上でやった、こういうことに聞いておってよろしゅうございますね。
#32
○政府委員(後藤田正晴君) そのとおりでございます。
#33
○鈴木壽君 今度の警察官の増員の中に麻薬関係のがありますね。これは人数はどのくらいですか。
#34
○政府委員(後藤田正晴君) 麻薬関係は、増員の分は全国で五百名でございます。これは三十八年四月から増員をする、こういう計画に相なっております。
 なお申し落としましたが、国費のといいますか、国家公務員のこれが、そのほかに十名ございます。この十名の増員の分が、ただいま御審議を願っております警察法の一部改正に直接関連を持っておる分でございます。
#35
○鈴木壽君 今の御説明の麻薬関係の国家公務員関係のやつはわかりましたが、警官の場合についても警察庁としてのやつは、これは別に、一万名のワクの外に何人か入っている、そういうふうな措置になっておりますか。
#36
○政府委員(後藤田正晴君) 国家公務員の十名は五百名と別でございます。
#37
○鈴木壽君 その点わかりました。
 そのほかに交通関係だけで警察庁に新たに配置するのがなかったですか。
#38
○政府委員(後藤田正晴君) 交通関係の増員は、今回は国家公務員についてはございません。
#39
○鈴木壽君 この一万名の増員計画について、東京、大阪の分はわかりましたが、その他の府県についての計画がおありだと思いますが、もし差しつかえなかったら、これはあとでけっこうでございますが、ひとつその他の県にどういうふうな割り振りをするのか出していただけますか。
#40
○政府委員(後藤田正晴君) この地方公務員の増員の関係は、御承知のとおりに、政令の基準を改正するわけでございます。そこで予算関係が国会で御承認を願えますれば、それによって初めて政令を改正していく、こういう手順になっておりますが、ただいままでの私どもの考え方では、東京、大阪の二千人については、先般、政令基準の改正をいたしておりますが、他の県の三千名、これについては三月の末に改正する予定でおります。つまり予算が成立いたしますれば改正いたしたい。なお、そのほかに麻薬についても同様に三月の末に政令基準を改正したい。
 そこで御質問の点でございますが、私どもといたしましては、三十八年四月一日までの増員、つまり交通警察官の五千名と麻薬の五百名を合わした五千五百の警官、これについてはそれぞれの県への配当数をきめております。残り五千名につきましては本年の末及び来年の三月ということになりまするので、これについてはまだ各県別の配当をきめておりません。したがって御要望の数字は、五千五百名についてでございますればお手元に差し上げることができると思います。
#41
○鈴木壽君 結論としてわかりました。
 じゃ、そういうふうにお願いしたいのですが、この政令できめて、これはまた都道府県の条例とも関係して参りますものですから、ただそれを、――ですから私ここでこれがもう最終的なものだというふうな意味で出してもらうことについては私自身も事情はわかりますから、ただ五千名なりあるいは全体として一万名、それに対するそのほかに麻薬関係の五百名、こういうものの計画にはそれぞれの各都道府県ごとの定員増という基準等についてのはっきりしたこれは見通しがあると思いますから、そういう意味で一つの案としてお出し願えれば参考のためにほしいと、こういうことで、そのようにしてあとでお願いをしておきたいと思います。
 そこで交通規制の問題でありますが、この法案の改正の一つの重点問題として、今まで警察庁でやっておったところの幹線道路における交通規制を今度は管区の警察局にもこれを分掌さしていきたいと、こういうことなんです。そこら辺の、もう少しはっきり現在やっておられる、警察庁でやっているそれと都道府県警察との関係、それと、今度の管区にも持たせる――これは一部ですか、全部になりますか、はっきりしないのでありますが、管区警察局にも分掌させるということですから、これはまあ、おそらく一部でございましょうが、そういう関連を含みながら、どういう問題についてこういう必要性を感じておやりになるのか、ひとつこの点についての説明を求めたいと思います。
#42
○政府委員(後藤田正晴君) 三十三年でございましたか、そのときの改正で、現在のように主要幹線道路における交通の規制事務を国家公安委員会の所掌事務にせられたわけでございます。警察の建前は、御承知のとおりに、都道府県の自治体警察である。したがって、自分の管内のことの全責任は都道府県警察が負うんだ、こういう建前になっております。それに対して、国家的な要請の面から、一部の事務について国家公安委員会が関与するんだと、こういう建前で現在の制度ができております。そこで、問題の主要幹線道路における交通規制でございますが、これについては、やはり事柄の性質上、各県ばらばらであっては、自動車の運転者等が、これは罰則の伴うことでございますので、非常に不工合である。交通事情が同じであるという所であれば、やはり道路がつながっている以上、同じような規制でなければはなはだもって不都合だと、こういうような趣旨から、その当時の実態に徴して、国家公安委員会で交通規制をやっていないとか、あるいは交通規制が不統一であるというような場合に、国家公安委員会が指示権を発動して、場合によればそれをやってもらう。あるいは直してもらう。こういう処置を講じたのでございます。その後の実態を見ました場合に、相当改善せられた跡が見受けられております。しかしながら、最近の幹線道路における交通の輻湊状況が非常に急激になってきておるとか、各般の状況等もあって、しさいにこれを見ました場合に、やはり東京で全国の規制事務のあんばいを考えていくというのではどうもうまくない。やはりもう少し、きめこまかくやったほうが運転者にとって便利なんじゃないかと、こういう実態が見られるわけでございます。したがって、一つにはそういう意味合いがございます。いま一つは、管区の中の県の相互の状況を見ました場合に、やはり一々東京に持ってこなくちゃならぬということでなくて、管区みずからが不工合があるところは県と話し合って直してもらうと、こういう処置をとるほうが、さらに有効適切な規制事務ができるんではないかと、こういうことから、今回の改正をお願いいたしておるわけでございます。そこで問題は、自治体警察たる都道府県と警察庁との関係でございますが、この点については、すでに三十三年の改正で、規制事務については国家公安委員会の所掌事務にせられておる。そこで警察庁と県との関係という観点から見ますれば、今回の改正は、警察庁がすでに所掌しておる事務の一部を警察庁の支分部局である管区に分掌させるというのみでございます。したがって、都道府県の警察と警察庁――管区を含んだ警察庁という関係においては何らの変更がない。これが今回の改正の内容でございます。
#43
○鈴木壽君 これは具体的にいかなる規制措置をするかということにならないと、これはどうも話がはっきりしないと思うのですがね。規制措置と言ってもいろいろこれはありますから、ですからこの一部を管区の警察局に分掌させる。しかもそれは現在まで国家公安委員会の持っておった権限として警察庁がやるその一部分だ、こういうことでございますけれども、たとえばどういうことなんです、これは。
#44
○政府委員(後藤田正晴君) おそらく交通規制の内容がどういうことだと、こういう御質問であろうかと思いますが、交通規制の内容としましては、要するに交通の危険の排除と安全確保という観点から、道路における交通の制限禁止の問題、スピードの制限の問題、駐停車の禁止の問題あるいは制限の問題あるいは通行区分帯の設定の問題、こういうような問題が規制の内容でございます。いわゆる取り締まり事務はこれに入っておりません。そこで、私ども考えておりますのは、一番典型的な例はスピード制限でございます。で、試みに東京から宇都宮へ行く、あの国道何号線でございますかを――お通り願いますと、私ども警察庁としてはいつもやかましく言っておるのですが、東京都内はたとえば四十キロである。ちょっと埼玉県へ入ると、これが五十キロである。栃木県に入ると四十五キロになる。これは交通の実態がそれに即応しておるなら、それは当然正しいわけですが、たまたま県が違うということだけで、交通実態が同じであるのにスピードの制限が違う。ところが、運転者のほうはこれに一つでも引っかかると処罰規定に引っかかってくるということでは、これは私どものやり方としてはまことに申しわけない。これはやはり交通の実態に応じて幹線道路の状況を見て、ふさわしい交通のスピード制限に改めるべきだ、こういうようなことが、私どもとして一番典型的に考えておることでございます。
#45
○鈴木壽君 確かにお話のような事例はありますのですが、そういうことについて、今まで警察庁が各都道府県区域のいろいろ実態なり、交通状況、そういうものの規制についてある程度の力を持っているわけです。持っておって、それがなおかつ、うまくない――まあかりに、うまくない。で、管区警察局に分掌させればうまくいく、こういうことになるわけなんですか。
#46
○政府委員(後藤田正晴君) やはり何といいますか、都道府県警察により身近な立場にある管区のほうが、そういう実態というものをより適切に把握しやすい。で、私どもで全国の状況すべてがこまかくわかっておれば、それはもちろんわかった限度で現在でもやっておるわけでございますが、どうしてもそういった目が届きにくい。そこにもう少し、きめこまかく運転者の便利なように、直すところはどんどん直してもらったらどうであろうか、こういう趣旨でございます。
#47
○鈴木壽君 これは何と言っても、そういうふうな交通の実態については、これは都道府県警察が一番よく握っていますから、むしろ私は管区警察局というのは、これは手足がないのでしょう。何も手足がなくて、その管区の府県のそういう状況を聞いて――それは高いところの立場にあってあるいは判断しておるかもしれませんけれども、手足がないわけですね。ですから私は、その実態に即するようなそういう規制、たとえばスピード問題にしろ、あるいはその他いろいろな禁止措置にしろ、こういう規制をやって、いろいろなやはり実態に即した都道府県警察、そういうところに待つべきだと思うのですよ。ただお話のように、主要幹線等において、あまりにA県、隣のB県、あるいはさらに隣のC県との間にいろいろな違いが出てきている。こういう問題はあると思いますが、しかし、それはあなた方の立場において、警察庁の立場において幾らでもやれると思うのですよ。私は、それは都道府県警察の権限を侵すとか侵さないということでなしに、やはり実態としてやれるものは、そこでやらせるべきだ、今言ったように管区の警察は何も手足を持っているわけではありませんし、手足を持たないというと、少し言い過ぎになりますけれども、実際はそうなんですよ。ですから、こういうことをむしろ二重に――中にもう一つの段階を設けてやることが、はたしてどうかというような感じを私は持つのです。ただ、いわゆる分掌ということで……。私は、ですから具体的にお聞きいたしたいのでありますが、今まで警察庁がやっておったものを、どういうことを管区の警察局にやらせるのか、ここらあたりがはっきりしないと、私は、私の言い方もこれ以上どうも進まないのじゃないかと思うのですけれども、何か私ここで、管区警察局に一部を持たせたから、それによって従来のいろいろな不便が除去されるとか、スムーズに交通が確保されるというようなことにはならないのじゃないかというふうに思うのですが、そこら辺どうなんでございましょう。
#48
○政府委員(柏村信雄君) 警察庁でやっておりますのは規制の調整でございまして、規制そのものは都道府県でやるわけでございます。その実態は、実際に規制するのは都道府県でやるわけです。その調整――各府県、両県にまたがるような幹線道路について、先ほど官房長から申しましたような不都合がある場合に、警察庁が調整をいたしておるわけでございますが、警察庁が調整するにしましても、やはり支分部局である管区というものが見ておるその報告、その意見というようなものを聞いてやるのが原則でございます。したがいまして、最近のように、交通の事情というものが刻々に変わっていくというようなときに、たとえば、福岡の九州管区警察局で、福岡、佐賀の間、あるいは福岡――大分の間というものについての調整をしようというときに、一々自分に権限がないから、警察庁にこれを申請して、警察庁の名で調整をしていくという必要のないような問題について、管区自体でも適宜調整をするということが、やはり時勢に合っているのではないかということでございまして、都道府県が実際にやるという、都道府県の権限を今より減らしていくという問題は全然ないわけでございまして、警察庁まで一々上げて来なくてもいいような問題で調整する場合は、管区にその権限を持たせていくということで、管区がやはり交通に責任を持ちつつ熱心にやはり指導をし、実情を把握していくということにもなろうかと思います。また規制に対する調整の必要がある場合においては、管区自体でやるようにしたほうが、時間的にも実情に合うようにできるという趣旨でございます。
#49
○鈴木壽君 警察庁の持つ交通規制のいわゆる調整という問題、これはどういうのが残りますか。
#50
○政府委員(柏村信雄君) 警察庁でやろうと思えば、警察庁でもできるわけでございます。特に管区が異なるような場合において、愛知県と静岡県というような間においては、中部管区局においてこれを調整するというわけには参らないわけでございますから、管区内における調整ということが管区の仕事になるわけです。管区をこえた調整は当然警察庁になろうかと思います。
#51
○鈴木壽君 問題はこういうことでしょう。たとえば、さっき官房長から話があったように、東京都と埼玉と栃木と、さらに北に行ったら福島と、こういうふうにそれぞれの府県の区域ごとに規制の面において食い違うようなことがあっては、どうもまずい、したがって調整をしなければならんということだと思いますね。そうしたら、たとえば東京と埼玉、あるいは埼玉と栃木との間、これは二つの県でやればいいことなんです。そうして、栃木はさらに隣りの福島なり、茨城なり、あるいは今の国道だけをいうと福島なりということでやって、それを警察庁全体のいわゆる主要幹線という全国的な視野に立った調整、最後はそれに待てばいいと思うのです。中に入ったからといって、別に新しくも何もなるわけじゃない。そうやっても、なおかつ、たとえば関東管区のやっと、東北管区のやっと、これは境では問題がある。これを、さらにまた警察庁がやらなければならんということになりますと、私は、何かかえって手数をかけるようなことになるのじゃないか。全然そういうことでなしに、管区全部に警察庁のほうの規制の問題を全部委譲してしまうというのであったら別だと思いますが、私は、それもちょっと全国的な視野に立つ場合は不可能だと思います。しかし、今言ったように、中間的なものをやったにしても、これはあなた方が期待するような効果というものは、私は一つの机上の計画はできるかもしれませんけれども、問題はやはり依然として残ると思うのです。東海道線――国道一号線ですか、これの例をとってやってみた場合、これは関東と中部といろいろありますね。それをそんなに、今たとえば四十キロのものが隣りの県に行けば四十五キロだ、隣りの県に行けば五十キロだ、あるいは極端に下がって三十五キロだ、こういうようなことがかりにあるとすれば、それを調整するのに、私は今言ったようなことで、管区のそれを必要とするものではないと思う。なぜ、こういうことをしなければなりませんか。
#52
○政府委員(後藤田正晴君) まあ各県それぞれに実態に応じてやるのが建前なんで、それがうまく行っていれば、これは私はそれでいいので、何も警察庁自身が調整する必要もない。あるいはまた、逆にそれではうまくいかんということで、一挙に警察庁自身でやってしまう、幹線道路を。これも一つの方法かしもれません。しかし、私はやはり現在の府県警察というものの建前をくずさないで、その上に立って通行者の不便とならないように、うまくやっていくというについては、やはり調整を、さらに上級の役所で適当と認められる限度で調整をして、それを府県にやっていただく、これが私は一番いい方法じゃなかろうか。その方法として三十三年には警察庁自身で直接やったらいいじゃないか、こういうことで改正をお願いしたわけですが、先ほど申しましたように、最近の実態はもう少しきめこまかくやる必要があるだろう。それならばやはり府県警察というものに、何といっても身近に府県の実情をつかんでおるのは私どもよりは、やはり私どもの出先である管区であるから、そこでその管区に警察庁が所掌している事務の一部を分掌してもらってやることが、所期の目的を達成し得る一番――私は、現行警察制度の上に立って考えた場合に、いい方法ではなかろうか、こういうふうに考えておるのでございます。
#53
○鈴木壽君 私は、やっぱりあくまでも都道府県警察で、そういう権限という言葉はまあ当たるか当たらないか、そういうものを持って実情に即したものをやる、なおかつ隣接地域のそれとの間にいわばバランスが取れなくて、したがって交通者にいろいろな面での迷惑をかけるというようなことがあったら、両県の間でやる。しかし、これは単に両県というだけでなしに、全国的な一つの幹線の道路の安全交通を確保するという建前からすれば、私は従来のように警察庁がしかるべく調整をされるということも当然あってもいいと思うんです。今の、こういう時期になりますと、それを私は否定しているんじゃなくて、しかしここにきたからといって、直ちに管区の警察局にきたからといって、うまくいくというふうに考えるのは私はちょっとおかしいんじゃないかと思うんですね。管区の警察局といったところで、あなたがたどういうふうに把握しておられるかわかりませんが、都道府県の警察からいろいろ入った報告なり、そういうものをただまとめるしか今のところは、それ以上の実情についてよく知っているというようなことはないんですよ。少し私は言い過ぎかな――そう言うとあなた方に怒られるかもしれない。何しろ実際の手足がないものですから……それは、たとえば東京なり仙台なり、それぞれの中心地に役所もあってやっているかもしれませんが、実情を把握するというようなことになると、それは不十分な今の状況だと思うんですよ。いろいろな連絡をただ高い立場に立ってさせるとか取ってやるというようなことは、あるいはあり得ても、それはあなた方が考えるように、きめのこまかい、あるいはそういうところまでできるかというと、私はそう期待はできないと思うんです。これはしろうとの、私が外から見ておって、何といいますか、あるいは失礼なようなことにもなっていくかもしれませんけれども、たとえば、あるいは具体的に埼玉と栃木の間に、埼玉はかりに四十五キロ、栃木は速くて五十キロ、それでは都合が悪い、しかし私は必ずしも都合が悪くないと思う。道路の条件もあるだろうし、交通量の問題もあるだろう。しかしかりに都合が悪かったら両県の間にあなた方がサゼスチョンを与えるなり、そういうことでこれは解決できますよ。管区も入らなくてはいけないというのはどこにある……。
#54
○政府委員(柏村信雄君) 何か管区というものが変な存在のようなことでありますけれども、それは一番よく知っているのは各府県の警察でございます。しかし中央におけるわれわれの役所の人間が地方を回って歩いて実情を調べるよりは、管区の者が地方を回って歩いて調べているほうがよりひんぱんであることは、これは間違いございません。したがいまして、ただいまお話のように府県がやることを建前――これは今度も府県の権限が少しも減る問題ではございませんので、府県がやることが建前であることは間違いないんでございます。両府県の間で話し合ってやるというのが一番私は好ましいことであろうと思うんです。ただ、しかしそういうことでどうも話し合いがつかない、そういう都合の悪い場面においてはやはり交通の安全、円滑をはかるために調整する権限が現在警察庁に与えられているとすれば、これを、しかも非常に、先ほども申し上げましたように刻々と事情が変わっていく、こういう時勢でございますので、できるだけ近くにおって、実情を知った者にそういう調整の権限を与え、関心を深めて――何も調整権があるからといって、調整の権限ということでいきなりやっていく必要は毛頭ないわけでございまして、そういう権限というもので責任を持ちながら――お互いの県の話し合いをさせるとか、サーゼストしていくとかいうことを警察庁だけがやるので、管区にはそういうことをやるべからずという現在の法律の建前はおかしくはないか。やはり管区が身近におるのだから、こういうことについては管区に口出しをさせるということが一番実情に合うのだというふうに考えて、何も特別に府県の権限を取り上げようとか何とかいう考えは毛頭ないわけでございまして、警察庁が、今警察庁でなければできないとしているものを管区にも与えて、できるだけ実情に即した指導と申しますが、調整をとっていきたいというのが、今度の改正をお願いしている趣旨なんでございます。
#55
○鈴木壽君 これは端的に言って、悪く言うと、府県警察の持っている権限についても影響が出てきますよ。そういうものを前提にしなければ、こういうことはできないのじゃないか。意見が合わない、しかし、こうやれ、やるべきだ、こういうところまでいかなければならないでしょう。調整という言葉はそういうことを意味しないというかもしれませんが、実情としてはそういうふうになりますね。
#56
○政府委員(後藤田正晴君) その点は私どもはちょっと違った考え方をいたしております。と申しますのは、都道府県警察と国の間の関係というものは、すでに現行法できまっているわけでございます。で、現行法できまっているのですが、その国が、国という場合には、現行法では警察庁だけになっておる。その警察庁の事務の一部を警察庁の支分部局にも持たせるというにすぎないわけでございまして、府県警察との関係においては従来と変わりはないわけでございます。
#57
○鈴木壽君 これは少し悪口になってしまうかもしれませんが、管区警察には今言ったような交通関係で、今のところ法的に与えられている権限はないわけですね、この管区警察の所掌事務の中には入っていませんね。警察法の中には「交通の規制に関すること。」と、こうあるが、管区のそれには入っておりませんね。この点はどうですか。
#58
○政府委員(後藤田正晴君) その点は、現在の管区では交通の事務は、保安課で保安警察と交通と一本でやっております。今問題になっているいわゆる規制事務、これについての指示権というものを管区は持っておりません。しかしながら一般の警察行政の調整という面におきましては、これは現行法でも管区もその限度では所掌している、こういうことでございます。
#59
○鈴木壽君 ですから、私がお聞きするのは、この警察法の第五条にあるような「全国的な幹線道路における交通の規制に関すること。」といういわゆる交通の規制の問題については法的には何ら指示されておらない。もちろん、警察全般の問題として交通問題に無関心だとか、実態が無関心であるということを私は言うのではなくて、やはり交通規制の問題についての法的な裏づけのある権限というものがないのではないか、こういうことなんです。
#60
○政府委員(後藤田正晴君) 交通規制の事務については、一般警察行政事務についての調整という限度においては、やはり現在も管区は持っております。いわゆる指示権という意味においての交通規制についての権限を持っていない、こういうことでございます。
#61
○鈴木壽君 だから、今度の改正ではっきり交通の規制に関することも管区警察局にも持たせる、こういうことでしょう。端的にひとつ……。
#62
○政府委員(後藤田正晴君) 指示権を持たせようということでございます。
#63
○鈴木壽君 指示権を持たせよう――だから、その指示権を持たせるという内容を含んだ――内容であるところの交通規制のその権限については、法的には現在のところは規定はないのだ。したがって、今度の改正によってそういうものも管区警察局に与えていこう、こういうことじゃないかということを私は聞いているのです。
#64
○政府委員(後藤田正晴君) お説のとおりでございます。要するに、この五条を受けた条文が道交法百十条にございます。それとの関連において、現在管区は、現行法では交通規制についての指示権がない。しかしながら、いわゆる調整の事務、こういうことはある。こういうことを申し上げておるのでございます。
#65
○鈴木壽君 いや、だから私の聞いたことを後藤田さんお答え下さい。全般の警察事務として、交通問題も当然やりますし、そういう問題の中には、いろいろこれはやっておるのでしょうし、やらざるを得ないことなんですが、この警察法に書いてありますような、こういうふうなはっきりした「幹線道路における交通の規制に関すること」というようなことは、今のところはないのだ。端的にその問題だけですよ。
#66
○政府委員(後藤田正晴君) そこのところがちょっと違うのです。いわゆる規制事務についても、交通警察の一環としての調整はやはりあるわけなんです。ところが規制事務についての指示権というものがない。その指示権は警察本庁だけである。これを分掌をさせたい、こういうことでございます。ちょっと意味が違うかと思います。
#67
○鈴木壽君 ですから調整事務をやれるというのですね。現行法であってもやっているのだし、やれるのだ。なぜそれをそのままにして調整事務をやらせないのですか。そこで新たに今度指示権というものを持ち出した。私が問題にしておるのは、そういう指示権がないのじゃないかということを、ここに書いてあるような交通の規制についてのそういう内容を含む指示権といいますか、そういう内容を含むところの規制条項がないのじゃないか、こういうことを私は聞いておるのです。
#68
○政府委員(後藤田正晴君) 御質問にございますように、規制についての指示権がないじゃないかという御質問については、そのとおりでございます。
#69
○鈴木壽君 だから今度指示権を与えよう、こういうことでしょう、そうでしょう。
#70
○政府委員(後藤田正晴君) そのとおりでございます。
#71
○鈴木壽君 だから、一つの権限のここに新たな付与が出てくる、これはそのとおりですね。
#72
○政府委員(後藤田正晴君) そのとおりでございます。
#73
○鈴木壽君 それが私は、これはあまり勘ぐり過ぎるかもしれませんけれども、やはり都道府県警察のそれを将来規制されるようなことが出てきはしないか、こういうことなんです。単なる調整じゃなく、指示権が出てくる。
#74
○政府委員(後藤田正晴君) 管区が権限は――指示権は持っていなかったわけですから、その点については、府県に今度は管区が指示権を持つ、こういうことでございます。
#75
○鈴木壽君 だから、私がさっきから言っているように、指示権を持つという、一つの権限の法的な裏づけを持つことによって、問題が出てきはしないか、こういうことを言っているのです。
 それからもう一つ、調整権を持っているということ、これで、今あなた方の警察庁のほうで一つのいわゆる指示権を持っている。その中に、まあうまくいかないというようなこともあるやに聞きましたが、管区警察局が持っている調整権の中に、いわゆる消化できないのか、その点どうです。
#76
○後藤田正晴君 問題は、調整権と指示権ということになろうかと思いますが、現在の調整権というものでは、交通警察等について、なかなか都道府県公安委員会それぞれのお立場があって、県境にまたがっている同じ幹線道路で、境一つ異なるだけでスピード等の制限が違う。運転者としてはどこが県境かわからん。たまたま越してみればスピードが違っておって違反に引っかかる、こういう実態なわけです。そこで、われわれの運営の実態としては、従来どおりいわゆる調整程度でうまくいくように話し合いを進めているわけでございますが、なかなかやはりそこは現在の県のそれぞれの立場があって、いや、これはおれのほうが正しいのだ、片方は、いや、おれのほうが正しいのだといったようなことで、なかなかうまくいかん面があることもまた事実でございます。そういう特殊な場合には、やはり指示権というもので、それは客観的に見て、一番正しい線になおしていただかなければならん、こういうことがあり得るわけでございます。
#77
○鈴木壽君 だんだん聞いていると、さっき長官のおっしゃったことと、官房長のおっしゃっていることと違ってきましたよ。長官はさっき、交通のそういうような問題の調整に当たるだけだ、調整するだけだ――今度は、調整じゃうまくいかない場合には、一つの指示権をはっきり持つのだ。こうなりますと、違ってきますよ、あなた方の答弁が。その点どうです、どっちがほんとうなのか。
#78
○政府委員(後藤田正晴君) 先ほど長官の御答弁のときには、確かに調整調整という言葉を使っておられましたが、いわゆる法律的なやかましい言葉でいえば、長官の言っておられる意味は、調整のための指示権を言っておられるのでございます。
#79
○西郷吉之助君 関連、今の問題ですね、熱心に応答をやっているけれども、完全にそこは一致しない点があるように見受けるのです。それで、それを解明するために私も御質問したいと思うのですが、今の問題、鈴木さんが詳細に質問しておられるのだけれども、私の考えでは、この改正案の内容は、現在は本庁がやっておる。しかし、それを地方の管区に権限を委譲する。今は管区局長には、そういう法的な根拠がないけれども、実際には管区の各県の本部長は、いろいろな点は管区局長に相談するわけだが、しかし道路交通のこの規制の問題については、現在までは本庁の権限にあって、管区局長の権限にはなかった。相談を受けても法的根拠がなかったわけだが、今度、あなた方の考えとしては、全国の幹線道路なんだが、だんだん発達してくるから、たとえばスピードの、今お話しのとおり、そういうものも、きめる際にはあらかじめ法的根拠に基づいて、管区局長が各県の意見を調整して万全を期する。管区同士のそういう問題があったときには、これは国家公安委員会に相談する。そういうふうに実情に即して改正をしたい。こういうことでしょう。それでいいですね。
#80
○政府委員(柏村信雄君) そのとおりでございます。
#81
○西郷吉之助君 鈴木さんの御質問は、詳細にわたっていて、完全にまだ了解点に達していないようだけれども、大体鈴木さんおわかりになったと思うので――別にそれ以外のむずかしい根拠は何もないわけだね、ごくあつさり考えていいわけだろう。
#82
○政府委員(柏村信雄君) あっさり考えていただきたいと思います。
#83
○鈴木壽君 みんなあっさり考えているとおかしくなってしまうからね。私も、現状からいっていろいろな不都合な点がある、これは何とかしなければならぬ、どっかで調整しなければならぬ、こういう考え方については否定はしていませんよ。否定はしていませんけれども、こういう形のいわゆる調整より、さらにもう一歩進んだ指示権といいますか、そういうものを与えなければやれないものかどうか。むしろこれは悪口を言えば、管区警察局長は交通関係については何ら権限はないんだし、これにひとつ与えてやれと、こういうことになりはしないかと思う。私は、根本的に現在の法にある各都道府県警察の協議会というものを生かすことによって、これはできると思うのです。ただしさっきからしばしば申し上げておるように、単に局部的なそういうことだけでも、これは現在の状況は解決つかない面があるから、全国的な少なくとも主要幹線についてのそういうことについては、やはり大きな立場から見た調整なり何かを行なう手だてなら手だてが、もっとこれはあってもいいと思うのですが、現行法にきめられているこれで解決つかないものはないと思うのです。それじゃ具体的にどういうことです。
#84
○政府委員(冨永誠美君) 交通は非常に広域交通になっておりまして、その点はおわかりかと思います。一つの道路が県境をこえまして一本でございます。それで、かりにこういう問題があるわけでございます。たとえていいますと、場所は第二京浜なり第二京浜国道にとってみますと、公安委員会が通行区分帯というものを設定します場合に、かりに、東京は非常に交通が多い、トラックと乗用車が、第一京浜でいえば七、三の割合だ、だからあまり厳格にトラックをまん中の線から二番目のほうに持っていくと、こう食い違いが起こってなかなかむずかしい、だからトラックを入れようというように東京は考える。今度は神奈川のほうはそれほどでもないから、いやトラックはこっちだというふうに県境で変わってしまうと、とても運転者の方々は困るわけなのでございます。そういった事例がほかの場所で起こりましてほとほと手をやいたことがあったわけでございます。それを結局調整するのに非常に時間がかかったということで実施をした人がかわるまでできなかった。率直な話、もう時効にかかったから申し上げますが、そういうふうな実情の場合に、やはり一つのそういった区分帯を設けた交通規制をやろうという場合に、やっぱりこういうふうにはっきりと分掌がきまっておりますと、事前に管区でも相談されます。きまってからの調整というものは今実際非常にむずかしいので、そういった一般の運転者が迷惑しない、被害が少ない程度において早く調整がうまくいくのじゃないか、これは実際私どもの経験しました事例でございます。
#85
○鈴木壽君 今の冨永さん、あなたの言うのはずっと昔の話でしょう。最近そんなことは出ておりませんよ。前の話なんです。それは前の話でも、あったことは事実でございましょうけれども、これは東京と神奈川、あるいは静岡との問の国道でそれをやるなら、私がさっきから申し上げているように都道府県の協議によって不可能じゃないと思うのです。それをまた、もしかりに警察庁に持ってこられても、警察庁のほうで済むのか。足元の警察庁か管区警察局か。同じ東京都なんですから、何もそんなに不便だとか何とかいうことはない。むしろ、かえって今までいたところと違ったところに、またもう一回持ち込まなければならないということになる。スピードとかそういう問題で、特にさっきからスピード制限が中心だとかいうような話がありましたけれども、その他のこまかい、たとえば右折左折をどうするとか、駐車禁止がどうなるとかというのは、こまかいことであって、それを部分的に解決すればできると、こういう問題なら私は、ある意味において、あなた方が考えたようなこういう法の改正も、はてな必要じゃないかなと思ったりしたので、そこで私は冒頭に、具体的な問題でないとなかなかはっきり論議が進まないのじゃないかと、こう申し上げたのですが、お話を聞いている限りでは、そんなに現行でやっていくのが不便だとか何とかいうことはないんじゃないですか。富永さん、実際の衝に当たっているあなた、どうですか。
#86
○政府委員(冨永誠美君) 最高速度の制限については、何回も官房長から話がありましたように、やっぱり各府県の公安委員会でいろいろな科学的な基準でやってはおりますが、たとえば交通事情があまりに違う、一方では四十五とかいうふうに端数をつける、一方は端数がつかぬというふうに異なる。あるいは今後、都市交通というものが非常に複雑になってきますので、今まででも相当な規制の強化が行なわれているわけでございますが、そうしますとどうしても、その近府県にみな影響があるわけでございます。たとえば時間的に、ある道路の通行がむずかしいとなってきますと――そういった都市に入ってくる車が多いわけでございますから、そういった場合には、やはり調整問題というものも実際はいろいろ出てくるわけであります。
#87
○委員長(石谷憲男君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#88
○委員長(石谷憲男君) 速記をつけて。
 午前はこの程度にし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時十九分休憩
   ――――・――――
   午後一時五十分開会
#89
○委員長(石谷憲男君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
 警察法の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。
 御質疑の方は順次御発言を願います。
#90
○鈴木壽君 改正案のうち、警察庁における麻薬関係の警察官十人の増員に関連してでございますが、いずれその増員等の問題については後ほどお尋ねをいたしてみたいと思いますが、まず最初に、麻薬対策に対する政府の取り組み方についてひとつお聞きしたいと思うのであります。
 で、内閣には、麻薬対策の関係閣僚会議とかあるいは麻薬対策の推進本部というようなものができておりますし、さらに最近は、地方の公共団体にも、そういう何といいますか一連の対策本部みたいなものを作れと、こういうふうなことになっておるようでございますが、この麻薬対策の推進本部のほうから、対策についてのこういうふうな一つの機構の問題、それからさらに、どのような実際の仕事をしておられるのか、こういうことについて、まず最初に概括的な御説明をいただきたいと思うのであります。
#91
○政府委員(古屋亨君) 総務長官が他の委員会に出ておりますので、私御了承を得まして御答弁申し上げます。
 ただいまの麻薬の問題につきましては、実はこの問題がきわめて重要であり、しかも緊急を要する問題であるというので、昨年の十月十六日に閣議決定をもちまして内閣に麻薬対策関係閣僚会議を設置するということにきめまして、構成員といたしましては、法務大臣、外務大臣、大蔵大臣、厚生大臣、運輸大臣、国家公安委員長、内閣官房長官、総理府総務長官をもちまして閣僚会議を設置したのでございます。これと同時に、麻薬対策推進本部を設置することになりまして、麻薬対策に関しまして関係行政機関が、御承知のように多々にまたがりますので、関係行政機関相互間の事務の連絡を密にいたしますとともに、総合的、効果的な対策を指進するために、総理府に麻薬対策推進本部を設置いたしまして、本部長は総理府総務長官、本部員は関係行政機関の職員のうちから本部長が指名をいたしまして、総理大臣官房においてこの事務を処理することにいたした次第でございまして、機構の点につきましては今申し上げましたように、麻薬対策関係閣僚会議と麻薬対策推進本部を設けておるような次第でございます。それでこの会議を設けまして、推進本部におきましては、十月に設置いたしましてから、本部並びに幹事の幹事会を開催いたしまして、麻薬対策の基本方針について検討いたしました結果、大体四つの点、一つは啓発指導の点、第二は麻薬犯罪取り締まりの強化の点、第三は麻薬中毒者対策の強化、それから第四は麻薬管理の強化、こういうような四つの柱を内容といたしまする麻薬対策要綱を決定いたしまして、これを閣議において承認していただき、関係各省が強力にこの線に沿って推進することにいたした次第でございます。それ以後、対策本部におきましては、今申し上げました四つのおもな柱に基づきまして、要綱の具体的な実施方法につきまして推進をし、連絡をいたし、それによって仕事を進めますと同時に、各省庁におきましても、この柱のもとに可能なものから実施に移しまして、特に啓発指導、取り締まりの強化等をはかってきたのでございます。取り締まり職員の、ここで問題の出ました増員の問題活動経費の増額の問題、中毒者施設の整備強化、こういうような予算措置を必要とするものにつきましては、財政当局と折衝いたしまして、来年度予算案におきまして、それぞれある程度の予算を確保いたします。同時に罰則の強化、中毒者の収容施設の強化等、立法措置を必要とするものにつきましては、麻薬取締法の一部改正法案として、目下提案されている次第でございます。
 なお、地方におきましては、麻薬対策を強力に推進いたしますために、麻薬濃厚地区が存在いたしまする八都府県に地方麻薬対策推進本部を設置することを決定いたしまして、本部長から関係都府県に通達をいたしている次第でございます。
 なお、各県の、今申しました濃厚地区と申しますのは、従来それぞれある程度、県で県の考えに基づいて、そういう本部も多少あったのでございますが、先般濃厚地区八都府県につきましては地方麻薬対策推進本部を、こういうふうな意味で設置してもらいたいという通達を本部から出した次第でございます。
 以上、推進本部といたしまして、いたしました措置につきまして概略でございますが、御報告いたす次第でございます。
#92
○鈴木壽君 あらましの推進本部の状況等についてお伺いしたわけでありますが、これはただいまお話の中に四つの大きな柱を立てて、重点的にそういうことを中心に強力に対策を進めて参る、こういうことであったと思うのであります。これは麻薬対策の全部について当委員会で取り上げるのもどうかと思いますので、主として取り締まりのほうの問題についてお聞きしたいのですが、今回の警察官――麻薬専門の警察官の五百名増員というのは、今、お話になった対策推進本部のほうで決定した。そういう線で取り締まりの強化のために増員をはかるのだ、こういうことと了解していいのかどうか。
 それからなお、警官だけでなしに、厚生省関係の専門の取締官あるいは地方団体の取締員の問題がありますが、そういうことについてはどういうふうな措置をとろうとしておるのか、この二つの問題についてまずお尋ねをいたします。
#93
○政府委員(古屋亨君) 私から概括的に取り締まり強化の、先ほど申しました柱の一つとして取り締まり強化をいたすということを申し上げまして、各省でどういう措置をとられたかということは、後ほど各省から御報告していただきますが、取り締まり強化の線という点におきましては、一つはどうしても外国から入ってくる麻薬の根源を断たなければならない。これのために関係省が必要とする取り締まりの施設、あるいは施設と申しますか、資材、取り締まりの増員、あるいはそのための情報を確保するに必要な地域に駐在官を派遣するというような問題は、この麻薬取り締まり強化の、先ほど申し上げました四つの柱の一つの取り締まり強化の点であげられておるのでございます。なお、警察官増員ということも取り締まり機構の強化、連絡調整をよくするというような問題の一環として取り上げられまして、厚生省関係の係官の増員、あるいは検査官の増員ということもその一環として取り上げたものでございますので、厚生省並びに警察庁あるいは海外のそのための情報源の、麻薬専門の何と申しますか、駐在官と申しますか、そういう点につきましては各省から報告いたします。
#94
○政府委員(柏村信雄君) ただいま古屋副長官からお話がありましたように、麻薬取り締まりの強化のために警察といたしましては、地方公務員である第一線の警察官五百名を増員するように来年度予算で要求をいたしておるわけであります。また、ただいま御審議を願っておりまする警察法の一部改正法律案の中に警察庁及び管区警察局に配置すべき麻薬取り締まりの要員十名をふやすようにお願いをしておるわけでございます。
#95
○政府委員(牛丸義留君) 厚生省関係で麻薬取締官事務所に十三名の増員をお願いし、また濃厚府県に対する対策として、十八名の麻薬取締員の増加を見ましたのも、先ほど副長官から申しましたように、取り締まり強化の一環としての予算措置だというふうに考えておる次第でございます。
#96
○政府委員(柏村信雄君) ただいま申し上げました五百名の増員につきましては、主要都府県十五の地方にこれを配置いたしまして、重点的に取り締まりを実施いたして参りたいと考えております。なお副長官から、先ほどお話のありました海外駐在官は警察の職員一人を外務省に移しかえまして、とりあえずバンコックにこれを派遣して、麻薬情報の収集、連絡に当たらせるようにいたしたい。したがいまして、警察法の一部改正におきましては、麻薬関係十名をふやし、一名を外務省に移しかえるという意味におきまして、純増九名という改正案になっておるわけであります。
#97
○鈴木壽君 従来麻薬対策について、まあいろいろ問題になっておりまして、中毒患者の問題さらにこれに伴って生ずるいろいろな犯罪等のことで、非常に憂慮されておったわけでありますが、この対策についていろいろ聞いてみますると、専門にこのことに当たるまあ一つの例として申し上げますと、犯罪取り締まりの面からいいますと、人員の問題あるいは経費の問題、こういうことで非常に現在は苦しいのだ、こういうことをしばしば私ども聞いておったわけなんでありますが、今回の増員になります五千名、また警察庁関係の十名、あるいは厚生省関係の取締官が十三名、それから地方の取締員は十八名、こういう増員で、あなた方が従来手不足をかこってきた、それが解消されるというふうな見通しをお持ちになるかどうか。何か私どもこう見ますと、取締官十三名の増員あるいは警察官の五百名の増員といっても、非常に今のおびただしく蔓延しておる麻薬関係のこういう事犯、あるいはさらに、また非常に巧妙、かつ組織的になった、こういういろいろのルートの摘発というようなことになりますと、はたして、これでいいのかどうかという心配を持つわけなんでありますけれども、そこら辺についてどういうお見通しでありますか、聞かしていただきたいと思います。
#98
○政府委員(柏村信雄君) 厚生省関係は別にお話があるかと思いますが、警察といたしましては五百名で十分かというお話に対しましては、ここで五百名ならもう十分でございますということは、申し上げにいくわけでございます。実は、内輪の話を申し上げますと、われわれとしては一千名の増員をしたいということで、政府部内で折衝をいたしておったわけでございますが、いろいろな事情で、とりあえず五百名ということに落ちついたわけでございます。しかしながら、現在の陣容というものと比較いたしますると、飛躍的な増強でございまして、現在専従している者は六百名程度でございます。したがって、おおむね倍加されるということに相なりまするし、現在麻薬に対する一般の世論も非常に高まっておるような状況でございますので、そういう面からの啓蒙あるいは警察に対する協力のようなことも、今後従前に比して増してくるものと考えられまするし、われわれもそれを期待いたしておるわけでございます。とにかく、この五百名を最も有効に、重点的に活用して、所期の目的を達成するように努力して参りたいというつもりでおるわけでございます。
#99
○政府委員(牛丸義留君) 麻薬取締官の増員につきましても、ただいま警察庁長官がおっしゃったことと大体同趣旨でございますが、とにかく麻薬取締官は非常に専門的な一つの技術を要することでもございますし、そう一挙に増員を計画しても人を得られないという面等あります。また他面におきまして、警察で相当数の増員もみたわけでございますので、彼此それぞれの特色を発揮することによって、協力し、また各自の行政を遂行することで、現在よりもよりよい効果が得られるとは思いますけれども、これで十分であるとは、私ども考えていないわけであります。
#100
○鈴木壽君 これは、こういうことに関係する人たちのただ人数が多いから効果がすぐあがるのだ、こういうふうな簡単なことを申し上げようとは思っておりませんが、しかし従来から、いろいろ言わいておりましたことは、先ほど私が申し上げましたように、どうしてもこれでは人員が足りないのだ、また経費も足りないのだ、こういうことで、思うことの何分の一しかできないというようなことを言われたことが、たしかあったと思うのであります。だから、そういう点からしますと、的確に、何人あればいいのか、これは私自身わかりませんが、何か五百名で事足りると、あるいは厚生省関係の十三名、あるいは地方におる取締員の十八名、こういう増員でいいんだというふうなことであっては、さらに来年になって、また足りないのだ、なお不十分だと、こういうことでやられるようなことがありますれば、私は残念なことだと思います。本気になってやはり対策を講じるならば、経費の面においても、あるいは人員の面においても、やはりよほど腰を据えた、そういうものを持ってやらないといけないのじゃないかと、こういう点から今言ったように、私自身何名いなきゃならぬとか、そんな数字は持っておりませんけれども、何かしかし不安なところがございますから、そういう点について不安がないのかどうか、こういう意味でお尋ねをしたわけなんであります。そこで厚生省の方にお聞きしますが、これは取り締まりのほうは百五十名以内というふうになっていますね。それから地方の取締員の場合は百名以内、こういうふうになっておるようでありますが、これは全部今充足されて百五十名あるいは百名、そういう人員をちゃんと確保できてフルに動いておる、こういうふうに言えるかどうか、その点一つ。
#101
○政府委員(牛丸義留君) 麻薬取締事務所の現在の取締官は百三十八名でございまして、これは全部充足されております。それで麻薬取締法の百五十名以内ということで、その中の、現実は百三十八名でございます。司法警察官としての職権を持っております。これは全部充足されております。それから都道府県百名は、これも充足されておるわけでありまして、現在欠員は取締官についてはございません。
#102
○鈴木壽君 最近、これは厚生省なり、それから警察庁で、最近といわれないかもしれませんが、これは少し私持っておるのは古いやつでございまして、大体三十六年度のやつでございますが、これらを見ますと、ますます麻薬関係の害というものは恐るべき状況になってきておる、このまま放置できないというような感じを深く抱かせられるわけなんでありますが、そういう時点において私先ほども申し上げましたように、これは放置できない問題でありますから、思い切って麻薬患者の根絶ということに向かって手を打たなきゃならぬ時期にもうきているのだというふうに思うわけであります。これはどの程度正確なのか、私はっきりわかりませんが、菅原通済さんの書いたものの中に、あの方は売春何ですか――の委員長をしておられ、こっちのほうに非常に関係しておられるようでありますが、中毒患者が四万人、常用者が二十万人、愛好者が五十万人といわれておる、これに年間九百億円ぐらいの金が流れておる、あるいは消費されているといったらいいか、こういうこと。しかも日本へ入ってくるルートはいろいろ、もうわれわれの想像以上のものがあるようでございまして、こういうのに対していかにして取り締まりを進めていくかということになりますと、これはたいへんな問題だと思うわけなんであります。どうでしょう。警察庁の長官にお聞きしたいのですが、これに対する今後の、現在までいろいろ御心配になっておられるでしょうし、対策も講じてこられたと思いますが、推進本部で立てた一つの柱である、取り締まり面を主として担当せられるあなたのほうから、今後の見通し等について、また今後ぜひやらなければならぬ、こういうふうなことにつきまして、ひとつ考え方を聞かせていただきたいと思うのであります。
#103
○政府委員(柏村信雄君) 麻薬の取り締まりにつきましては、まず麻薬として用いられるものの大部分はヘロインでございますが、これは全部海外から密輸されてきておるわけでございます。したがいまして、根源を絶つためには、やはり海外の密輸ルートを絶つということがひとつ大きい問題としてあるわけでございます。今度駐在官を派遣するというのも、わずかに一人でございますが、そういう趣旨から出ておるわけであります。
 その次には、この密輸された麻薬というものが、いわゆる密売団の手に渡ってそうして、巧妙な手段によって末端に流されてくるということでございますので、こういう秘密組織を剔決していくということが第二段の問題として重要視されなければならないわけでございます。
 第三に、末端で麻薬を譲り渡す、あるいはこれを買い受けるという、その末端の犯罪というものをやはり摘発していく必要があるというふうに考えるわけでございます。ただ末端の使用者というようなものになりますると、これはそれ自体犯罪ではございますけれども、ある意味においては麻薬の犠牲者でもあるわけでございまして、麻薬について詳しく申し上げる必要もないと思いますが、一度これのいわゆる中毒にかかって参りますると、もう用いずにはおられないわけでございまして、だんだん中毒に近くなってくると、もうどうしても使いたいということで、高い金を払って、これを施用するということに相なるわけでございます。それがまた自分の麻薬を買う金を作るために、さらに自分の周囲に麻薬施用者をふやしていくというようなことも、手口として起こってくるわけでございます。そういうようなことで、非常にふえる。やみからやみにふえていく性格のものでございますし、これをやはり摘発いたしまして、単にこれに対して刑罰を科するというだけでなしに、強制的にこれを収容して、麻薬中毒を治してやる。そうして、これに対して更生する一つの機会を与えてやるということが必要になるわけでございます。この点は厚生省の所管としてあとで御説明もあるかもしれませんが、今度強制収容施設等を作られる予定になっておるようでございますが、そういうことで、結局末端の施用者というものは、やはり単にこれを刑罰的に戒しめるということだけでなしに、治していく。それから、そういうものに陥りそうな者に対しては麻薬の害毒というものを十分に周知せしめて、世間一般で麻薬禍に陥らないような啓蒙宣伝ということがやはり必要になってくる。このような各面の施策を総合してやることによって、初めて麻薬のわざわいというものを撲滅し得るのではないかというふうに考えるわけでございます。
 見通しということを申されたのでありますが、こういう非常な秘密な組織であり、またこれを密輸し、密売することによって莫大な利益を得るということでありまするから、なかなか容易にこれを撲滅するということは困難と思いまするけれども、最近社会の認識も非常に改まりつつありますし、取り締まり態勢というものも非常に最近強化される傾向にございますので、この機会にひとつ国民運動として麻薬撲滅という旗印しをあげてやって参りたいというふうに思っておるわけであります。また麻薬の密売につきまして、最近特に目立ちますのは、いわゆる暴力団がこれに介入していくということでございますので、麻薬の警察官五百名で十分麻薬についての努力をいたしますと同時に、一般暴力取り締まりというものから、また麻薬犯罪というものを見つけ出す機会も非常に多いと思いまするし、また麻薬を取り締まっていく過程において暴力団というものを徹底的に糾明していくという両様の作用が出てくると思うのであります。麻薬取締官のみが麻薬をやるというのでなくて、麻薬取り締まりの警察官はもっぱら麻薬をやる。その他のものも麻薬と関連する関係においては大いにやはり麻薬取り締まりに力を入れてもらうというような体制を考えておる次第でございます。
#104
○鈴木壽君 麻薬専任の警察官と、それから厚生省のほうの取締官ですね、これと実際の仕事の面は一体どうなっているのか。もっと申し上げますと、これは協力関係にあるというふうなことになっておりますが、何か担当の分野で相違があるのかどうか、そこら辺を少し双方からお聞きしてみたいと思うのですが。
#105
○政府委員(柏村信雄君) 法律的には麻薬取り締まりについて両者競合する形になるわけです。しかしながら両者の間の協定をいたしまして、麻薬の正規のルート、正規に動いていくルートに関連した犯罪というようなものを、もし警察において摘発した場合には、十分厚生省関係のほうに連絡をとって、できればそっちのほうでやっていただく。また麻薬取締官のほうで、他の犯罪にかかるというようなものは、すみやかに警察のほうに連絡をしていただいて、警察のほうで麻薬以外のものにまで十分手を伸ばしていくというようなことを協定をいたしておるわけであります。なお、正確にはまた局長からも申し上げるかと思いますが、一応協定はそういうふうでありまするし、またときどき連絡をいたして、大きい問題については個々具体的に相談をするというふうに心がけるようにいたしておるわけであります。
#106
○政府委員(牛丸義留君) ただいま柏村長官から御答弁のあったことと同様でございますが、昭和三十二年に麻薬に関する犯罪の捜査に関する協定として、警察庁と厚生省との間に協定をして、ただいま申し上げたような趣旨のことを、相互協力と、それから捜査の調整及び事件処理の通報という、細部にわたって実際に仕事をやっていく上の調整なり協力の話し合いをしておるわけであります。しかし、さらに根本にさかのぼって申し上げますならば、麻薬取締官といいますのは、麻薬というものを、いわば危険薬品として、これは国際条約がございますが、そういう医薬品の中の危険医薬品の取り締まりという観点から麻薬を追っているわけでございます。それで警察は、一般の警察の業務としての犯罪の撲滅、そういう犯罪の検挙というふうな面もございますので、私どもはそういう本質的な目的を取締官が忘れないようにということで、その考え方に立って、申し上げましたような両省庁の協力をやっていきたいという、そういう考え方でやっていくほうが最も妥当じゃないか、また現在そういう考えで警察と私のほうはやっていると考えておるわけでございます。
#107
○鈴木壽君 取り締まりの面で一番大事な問題は、先ほど長官からも言われましたように、これはいろいろ問題がありますが、特にこの麻薬禍の根絶を期するという立場からしますと、海外からの密輸のルートと、国内における秘密な販売のルート、まずこれが先決問題じゃないか、これを根本的に断たない限り、今の麻薬禍の問題は、これは解決できないと思う。もちろん、先ほど申しましたように、たとえば常用者、あるいは患者の保護の問題とか、これはいろいろな問題がありますけれども、それは取り締まりという対象からは、一応まず抜いて考えてもいいんじゃないかと思いますが、そういう販売の面からする取り締まりといいますか、いろいろ手を入れなければならぬことは、やっぱり秘密の販売のルート、これをどうつかんで、どう壊滅せしめるかということだと思うのです。こういう問題について、これは警察官とそれから取締官との間に密接に連絡を保ちながら、むしろ協力して、そういう問題の処理に当たっている、こういうふうに考えていいんですか、いかがですか。
#108
○政府委員(牛丸義留君) 私どものほうからの立場で申し上げますと、中央においても私どもと警察庁の間には、そういう常時連絡の体制をとっておりますが、各濃厚地区の府県におきましても、警察それから麻薬取締官、それに各地方の検察当局も加わりまして、具体的な犯罪についても、そういう検察当局を中心にして、両省庁、それに税関、海上保安庁等も事件によっては関係があるわけでございますから、そういうものが常時連絡する体制をとっているわけであります。そして具体的な犯罪の捜査だけじゃなくして、一般的に麻薬をどうするかという問題に対しても、そういう問題がないときでも、大体毎月連絡会議を開くというのが、濃厚地区においては現実の姿でございます。
#109
○委員長(石谷憲男君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
  ―――――――――――――
#110
○委員長(石谷憲男君) 速記を始めて。
 それでは、次に地方行政の改革に関する調査を議題とし、特別交付税に関する件の調査を行ないます。
 御質疑の方は御発言願います。
#111
○小柳勇君 特別交付税の問題で、簡単に要点だけを質問いたしますので、具体的に御答弁願いたいと思います。特別交付税の決定は、二月末日までにやるように、一応財政法にきまっておりますが、すでに御決定があったと思うのですが、失業対策事業などのこの具体的なものが決定があったかどうか。
#112
○説明員(松島五郎君) 二月末日までに決定する予定で目下作業をいたしております。雪害等の関係がございました関係で、若干仕事がおくれておりまして、まだ具体的にお尋ねの、項目ごとの決定は最終的にいたしておりません。
#113
○小柳勇君 特別交付税について、各県からも請願が相当出ていると思いますが、特に産炭地域の失業対策事業、生活保護費、あるいは鉱害復旧などについては、今年度は特別の配慮がなされるのがどうか、お聞きしておきたい。
#114
○説明員(松島五郎君) お尋ねのございました産炭地の失業対策事業あるいは鉱害復旧事業等につきましては、昨年度あるいは一昨年度以来、当該団体の財政状況にかんがみまして、できるだけ厚い配慮をいたすようにして参っております。今年度におきましても、その線に沿ってやって参りたいというふうに考えております。
#115
○小柳勇君 いつごろになったらきまりますか。
#116
○説明員(松島五郎君) 先ほど申し上げましたように、今月中に決定いたしたいと私どもも事務的には考えておりますが、雪害の関係等がございまして若干決定がおくれておりますので、あるいは三月にわたることがあるかもしれません。
#117
○小柳勇君 産炭地域では、石炭対策の問題でも特別に石炭特別委員会で論議しておりますが、就職対策なり、あるいは職業訓練なり、目の前の生活に追い込まれている人、これに対する対策をどうするかということで急いでおりますが、今は正式に発表ができないのであって、大体の構想については、ここで質問すれば答弁ができますか。
#118
○説明員(松島五郎君) 市町村分につきましては数も多いことでございますし、県の当局の意見も聞かなければなりませんので、漸次聞き取りをいたしまして、その場で決定できるものは決定いたしております。ただ、県分につきましては、全体のまとまりましたところで最終的に決定をしたいと考えておりますので、県分は若干おくれると思います。したがいまして、御質問の点も市町村分につきましてならば、できるだけ具体的にお答えいたします。
#119
○小柳勇君 市町村分につきましても急いでおりますが、県のものについて――県会のほうから、先般県議長などが参りまして切実な陳情があっておりますが、県の分についての質問をいたしましても具体的な答弁はできませんか。
#120
○説明員(松島五郎君) 私がお答えできます範囲内のことでお答えいたしますので、具体的と申されましても、金額まではちょっとお答えできないと思います。
#121
○小柳勇君 それじゃ、増額するかどうかだけをお聞きいたしましょう。まず第一は、失業対策事業について特別交付金を、福岡県の場合、考えているのかどうか。
#122
○説明員(松島五郎君) 失業対策事業費の分につきましては、おそらく昨年度より福岡県はふえるだろうと予想いたしております。
#123
○小柳勇君 金額の点、項目の点、中の具体的な問題が細部にわたってありますから、今警察法改正案の質問の途中でございますので、二月の末日までの決定について、いつごろだったならば具体的な数字が出るか、そのことだけ御答弁願えば、あとの質問はまたの機会にいたします。
#124
○説明員(松島五郎君) 二月末日までに決定をいたしました場合においては、三月一日以降において具体的な内容についてもお答えができると思います。決定をいたす前において、県別に何が幾らかということは、私どもとしてはお答えをいたしかねます。
#125
○小柳勇君 それじゃ、具体的に小さい数字に入って質問しませんと意味がありませんから、もう少し内部的に話がきまりましたあとで、その後の特別交付金の根本的なものについて質問することにいたしまして、私の質問は保留いたしておきましょう。きょうはこれで終ります。
#126
○委員長(石谷憲男君) 本件の調査は、本日はこの程度にいたしたいと存じます。
  ―――――――――――――
#127
○委員長(石谷憲男君) 警察法についての質疑を続けます。
#128
○鈴木壽君 それでは、先ほどの続きでございますが、協力関係についてでございますが、お話ございましたように、「警察庁と厚生省との麻薬に関する犯罪の捜査に関する協定」について、こういうものを三十二年の三月に出されておる、これを私も見ております。これに基づいて一そうの緊密な連係のもとにいろいろやっておられると思うのです。ただ私、実はちょっと心配したことがあるわけなんです。というのは、「麻薬事犯の実態とその取締り概況」――これは厚生省の薬務局のほうで作られた昨年の三月に出したやつ。それから昨年の四月に出されました警察庁保安局保安課で出しましたところの「麻薬犯罪の実態とその取締り概況」、こういう二つのものを比べてみまして、はたして緊密な連絡がとれているのかどうかというようなことにつきまして、数字的な問題でちょっと疑問に思ったことがありますから、これをひとつ明らかにしていただければ幸いだと思うのですがね。厚生省で出しました「麻薬事犯の実態とその取締り概況」の中で、三十六年の検挙の件数並びに人員、これを見ますと、検挙数が二千二百三十五件、人員が二千六百六十五名、それから警察庁のほうで出されましたのを見ますと、件数が二千二百三十、人員が二千二百九十六、こういう数字が出ておるのであります。私はまあこういう統計の場合に、それぞれの省で取りまとめの方法もあると思いますし、多少の数字の相違というものは、何もそんなにどうのこうのというべきじゃないと思いますが、ただここで私申し上げたいことは、警察庁のほうでは、人員においても件数においても、そういう三十五年中のそれと比べると、件数においては、一二・四%人員においては二・四%の減少になっている。それから厚生省のほうのこれを見ますと、先ほども申し上げました数字が三十五年より件数において一三%、人員においては一五%の増加を見ている、こういうことが出ておるのであります。そこでさっきも申し上げましたように、私多少の数字の食い違いとか何とかいうことを問題にするのじゃなくて、実はこういう一つの数字をもとにしたいろいろ判断なり、したがってそれから出てくる対策なりというもの、むろんこれは当然立てられると思うのでありますが、その場合に、一方には前年より減少しているのだ、一方においては前年よりふえているのだと、これでは前提が少し違ってくると思うのですね。それが実際の取り締まり活動に何も影響しないのだ、それはそれなりの一つの統計上の結果だと、こういってしまえばそれまででありますけれども、何か一方は年々減ってきているのだ、いや一方は年々ふえてきているのだ、ここに一つの認識の相違が、今後の取り締まりのそういうことについて何かと違いが起こりはしないかというようなことを感ずるわけなのであります。それで、ほんとうに密接に連絡をしておるとすれば、こういうふうな結果が出てこないのじゃないかというふうにも思うのですがね。単に実際の現場における連絡とか協力とか、あるいはいろいろな話し合いとかいうこと以外に、やはり全般的なこういうことにつきましても密接な連絡のもとに、統計を使うにしても、これは同じ政府の中の統計なんでございますから、見方が違うとか、数字が著しく食い違うというようなことがあっては少しおかしいのじゃないかと思うのでございますけれども、その辺どういう事情で警察のほうはこういう数字になり、厚生省のほうでは、先ほど申しましたこういう数字になったのか。また、それに対して前年度よりは一方のほうは減っておるというし、一方のほうはふえてきておるのだと、こういうことになったのか。そこら辺ひとつ、これは三十六年度の統計で少し古いのでありますが、私、三十七年のそれを持っておりませんから、最近のものとして私持っているのにはそういうふうにありますから、そこら辺ひとつ説明を願いたいと思います。
#129
○政府委員(牛丸義留君) 三十六年の数字で多少差ができているという御指摘でありますが、私ちょっと両方が照合しておりませんので、その点については後ほど詳細調べて、その点の御報告を申し上げますが、私どものほうで検挙人員、検挙件数を集計しておりますのは、実は国連の麻薬委員会に報告する義務があるわけでございましてその年報の集計で関係各省のその年の集計を全部私のほうでまとめまして、そしてそれを国連に報告を出しているわけであります。したがって、私どものほうで出しているのは、おそらくその数字じゃないかと思いますが、締め切りの時期によって多少ズレがございますので、その省庁の都合によって、どういうふうな集計をなされるかということで多少数字の食い違いはあるかと思います。しかし三十六年はすでに国連の年報に出している数字でございますので、それは私どもだけの取り扱った件数じゃなくて、警察が一番大きな事件の取り扱いをなすっておられると思いますので、警察、それから税関、海上保安庁、厚生省の麻薬取締官、あるいはそれと相互協力によってやった事件、そういうようなものをみんな集計しまして、そして年報として出してあります。そして年報も締め切りの期間がたしか大体例年四月から五月に国際の麻薬会議がございますので、二月ごろが締め切りの時期だと思いますが、一応二月で締め切りまして、そして、その後その年間の統計が追加された場合には、年報の修正としてあとで報告する。そういうふうな措置をとっておりますので、それを全部まとめてみましたら警察庁の報告も私どもの報告も同じじゃないか、しかし、その途中の段階において行政事務の都合上、集計をなさったものに対しては多少の食い違いがあるかもしれないというふうに私は考えるわけであります。しかし具体的に今の御指摘になりました二つの集計がどうして食い違ったかということは、ただいま両方の資料を手元に持っておりませんので、もし何でしたらよく事情を調べまして御報告いたしたいと思います。
#130
○鈴木壽君 警察のほうで何かございませんか。
#131
○政府委員(野田章君) 警察庁で出しました数字はこの二千二百三十件、二千二百九十六人という数字は三十六年中の警察官が検挙した件数、警察官が検挙した人員というものでございます。ただいま厚生省からお話がありましたように、そのほかに検察官がやりました分、あるいは麻薬取締官が検挙した分、そういうものを全体として集計して国連のほうに出すという場合の集計の仕事を厚生省のほうでやっておられるわけですけれども、お話のように多少数字の食い違いというものは今後ともよく基礎数字を各省庁持ち寄りまして、そういった食い違いがないように努力していきたいと存ずるのであります。
 なお、減少とかあるいは増加とか言います点は、警察庁において検挙いたしました三十五年の件数の同じページにありますように、二千五百四十五件に比べれば二千二百三十件というのは三百十五件減、これは単純に算術だけの問題でございまして麻薬犯罪そのものの趨勢と申しますよりは、その年に警察官が検挙した件数というものが算術的にそういう数字であると、そして検挙にならない潜在的麻薬犯罪全部を通しての問題でありますから、この数字が直接麻薬捜査の態勢、あるいは捜査、検挙の基本方針というものにそう影響するものではないというふうに存じております。
#132
○鈴木壽君 今の警察のほうの後段のことを私は聞いているのじゃない。私もはっきり検挙の件数、検挙の人員を対象にして話をしているのですから、そんなことを聞いているのじゃないのです。そうするとこれはあれですか。警察のほうは二千二百三十件、三十六年中の一月から十二月のだと、いういうのですが、これは警察だけがやった件数、そのほかに厚生省の統計のほうで、それにその他のところでやったそれがプラスになっている、こういうことなんですか。
#133
○政府委員(牛丸義留君) そのとおりでございます。関係各省庁の件数と人員の数を全部集計をして、私のほうは統計を出すということでございます。
#134
○鈴木壽君 最終的に、そうしますと厚生省がやっているのは国全体として検挙件数なりあるいは検挙の人員なりというものは、あなたのほうでまとめたそれが最終的なものだと、こういうふうに理解していいのですか。
#135
○政府委員(牛丸義留君) これは国連に報告のものでございますから、そういうふうに理解願えればけっこうだと思います。
#136
○鈴木壽君 それにしても、一方では前年より増加を見た、一方ではしかも十何%ずつの偏差があるわけですね。ここらはどういうことなんです、そうなると。
#137
○政府委員(牛丸義留君) これはよく統計には出てくるわけでございますが、非常にその年によって検挙が成功を見た場合と、それから努力はしたけれどもなかなか実積は上がらなかったということが間々あるわけでございます。厚生省の実績にいたしましても、王漢勝の事件がたしか三十四年でございますか、このあたりは検挙人員それから件数、それから押収したヘイロンの量も非常に多かった。ところが翌年になると実績は減るというようなこともありまして、それは警察庁の今の減少というのも前年度三十五年度が三十六年度に比べて成功されたというような意味ではないかと思うのでありまして、これは国際会議でもそうですが、私が出席したときも問題になりまして、そういう説明があったようございますが、これは一つの傾向の中における一種の変化だというふうに御理解願えれば幸甚だと思います。
#138
○鈴木壽君 私、本質的な問題じゃないから、これにはどうのこうのというつもりはないけれども、あなた方おかしいですよ。というのは、三十六年度の件数において、検挙件数があなたのほうが二千二百三十五、警察のほうが二千二百三十、それから人数においては警察のほうが二千二百九十六人、あなたのほうでは二千六百六十五人ですか、この差は先ほどのあなたの御説明によってわかりました。しかし三十五年度との比較において一体どうなるか。あなたのほうでは全部をまとめた件数でいって、そして一方ではあなたのほうの見方では件数において一三%の増、人員においては一五%の増加を見ておるとすれば、三十五年度の件数というのは三十六年度の件数よりは、あなたのほうのまとめた二千二百三十五件よりはるかに下でなければならぬですね。そうでしょう。ところが警察の単独でやったものですら二千五百四十五件ある。あなたのほうはふえたのだから三十五年度は三十六年より不足でなければならぬ。だから二千二百ぐらいなのか、二千二百を切れるのか。いずれ十何%のダウンしたところの数字でなければならぬ。ところが三十五年度警察だけでやったのが二千五百四十五件ですから、不足になるどころか、はるかに警察のほうでは多くの検挙数がある。そうすると三十五年のあなた方たの統計では、この警察が二千五百四十五件という検挙した数を一体どこをどう使っておるのか。全然入っていないじゃないかということになるでしょう。私さっきも申し上げましたように、これは今本質的な問題じゃございませんから、これ以上申し上げませんけれども、ただ私はやはり連絡やなんかということは、現場におけるいろいろな連絡もさることながら、これはこういう計数からそういう時点に立って今後どうするかという対策が生まれる一つの大事な資料として使わなければならぬし、それが警察ではこうだし、厚生省ではこうだしと、これでは同じ政府の中での、しかも協力して麻薬対策を進めて参らなければならぬというこういう段階においては、私はそういうやり方というのはおかしいと思うのです。一体どこに緊密なる協力なんということが言えるかと、少し皮肉なような言い方でございますけれども、こういう協定の文書だけは出しているけれども、実際においてはてんでんばらばらな仕事をしているのじゃないかとも言いたくなるような気もするのです。しかし何べんも申し上げますように、本質的な問題じゃございませんからやめますけれども、やはり出てくる統計というものは同じ政府から出てくる統計ですから、多少時期的にずれることによって数字の食い違いもある。これは確かにあります。これはさっきの冒頭そのことは申し上げておきましたから、だから私こまかい数字の食い違いについて、どうのこうのと言うんじゃないけれども、しかし著しいこういう何といいますか、認識の食い違いがあるような、そういう数字なりあるいは数字をもとにした判断というものを、双方で持っているということは、私はおかしなことじゃないかと、こういうふうなことなんです。この横文字の入ったりしたのは、これはあなたのほうから私前にもらったんですけれども、これは今の国連のほうに報告するという最終的なトータルになっているわけですね。どこかの事件で、警察はその後に作ってあるのだと、警察の件数のほかに、たとえば二千二百三十のほかに、なお他の官庁といいますか、他のほうの機関に五件なら五件、人数にして何人くらいというものを警察のほうで作れば、親切があってそのほうがいいと思いますね。ですから、こういう点について私は一つの将来こういう対策を立てる上でのどこかにすきがあるような、そういうことがもしありとすれば残念なことだと思いますから、そういう意味でちょっとお聞きしてみたのでございますけれども、これは三十七年のやつは今できておりますか。警察、それから厚生省もどうです、最終的な統計はできておりますか、三十七年中の一月から十二月までの。
#139
○政府委員(野田章君) 三十七年中の麻薬犯罪の検挙件数、人員につきましては、警察の分は一応できております。
#140
○政府委員(牛丸義留君) 現在各省のものをまとめて、今国連への提出準備をやっておる段階でございます。
#141
○鈴木壽君 ですから、今度作られる資料ではひとつ十分こういう点についても注意をされて、双方において食い違いのないように、もうすでに食い違いが出てしまって、これは三十五年のやつは、これはおそらく何ともかんとも今さらどうにもならぬと思いますけれども、それにしても私は残念ですから今後のことをひとつ注意していただきたいと思うのです。
 それからさっきのお話、長官からお答えになったことに戻りますが、海外ルートの密輸の問題として、どの程度密輸入として海外から入っておるとあなた方は推定しておられますか。
#142
○政府委員(柏村信雄君) これは非常にわからないので、取り締まった実数というものは、実際に入ってきておるもののまことに低いパーセントであろうと思います。厚生省のほうでお考えになっておる麻薬患者が四万人といたしまして、これが一人一日大体〇・〇一グラムのヘロインが要るということで換算していきますと、相当の数量になるわけでございます。ちょっと、今計算をいたしておりませんが、そういうことでございます。
#143
○鈴木壽君 厚生省のほうに、局長にお聞きしますが、正規のルートで国が入れておるものの三十六年、三十七年、これはわかるでしょう。正規に入れておるやつ……。
#144
○政府委員(牛丸義留君) これは正規の輸入は、生アヘンの段階で輸入するわけでございますが、それの数量を申し上げますと、大体年間四十トンから四十五トン程度を輸入しております。その生アヘンから大体一割ぐらいのモルヒネが抽出される、そういう計算になるわけでございます。
#145
○鈴木壽君 そうすると、モルヒネとして輸入総量の一割程度だとしますと、四トンか四トン半と、こういうふうに承知していいわけですね。
#146
○政府委員(牛丸義留君) さようでございます。
#147
○鈴木壽君 いわゆる密輸のルートなり、また国内での、したがってそれに基づいていろいろな密売のルート、これはたいへんな問題でありますが、ひとつ私、厚生省にお聞きしたいのですが、いわゆる正規のルートでこういうふうに輸入されて、取り扱いの業者にそれぞれ渡るでしょう。そうして取り扱い者の末端までのことについてあなた方は心配なことございませんか。たとえば最近いろいろ報告された事例を見ますと、こういうものを見ましても、その他の書かれたものを見ましても、正規の取り扱いをする人、製薬、製剤を含めて、ずっと末端の医師まで、あるいは薬局等まで、そういう末端の取り扱い者の不正使用というものは、ずいぶんふえておるのじゃないか、また、そういう不正に外に途中から流れ出しておるのじゃないかというふうな心配を持つものを見ましたのですが、そういうことについてどうでしょうか。
#148
○政府委員(牛丸義留君) 正規のアヘンの輸入は、これは特定の製造業者に免許を与えて製造させまして、モルヒネとして、もうすでにそういう意味の不正にはならない限度までそこで作って、それから家庭麻薬製造業者として医薬用の麻薬を作る。具体的に麻薬を含有する医薬品としての製造業者に払い下げる、そういう段階においてモルヒネそのものが、不正に流出したという事例は一件もございません。ただ、今、鈴木先生も御心配になっておる点だと思いますが、そういう医療用として使用すべき正規の医薬品としての麻薬、いわゆる麻薬を原料とした医薬品が不正に使用されたという例は、これはございます。これはたとえば麻薬中毒患者が不正なルートによって、取り締まりが非常に強化したり、あるいは端境期等でなくなったりして、ヘロインとか、そういうふうな不正麻薬を入手できないようなときに、病院なり診療所に盗みに入ったり、あるいは患者を装って医者に注射なり、そういう施療を強要するというような例があるわけでございます。そういう意味の不正使用ということは、これはあるわけでございます。年々相当の件数が、事件としても検挙されております。しかし医薬品の段階で融通することによって不正が行なわれたという例は、今のところ一件もそういう報告例はないわけであります。
#149
○鈴木壽君 そうしますと、末端のほうでは不正な使用という点は確かにあるのだが、麻薬の製造業者、あるいは製剤業者、こういうふうな一つの過程においていわゆる不正に流れていくということはない。ないという、あなた方、ほんとうに自信をもっていろいろな手を尽くして調査したけれどもない、こういうふうなことなんですか。それともそういうふうなことが聞こえてこないということなんですか。どっちなんですか。
#150
○政府委員(牛丸義留君) これは医薬品の製造とは全然製造の監督なり、製造の方法が違っておりまして、全製品について一連の番号を打たせる、そのメーカーに。それでその庫出しなり、搬出というものに対しては全部私どもに報告をとっておるわけであります。薬局なり、お医者さんにいくそこまでの段階においてそういう不正なことは起こり得ないわけであります。私どもは、その点については麻薬取締官なり、あるいは薬事監視官の監督によってやっておるわけであります。そういう事例は今まで一件もないわけでございます。
#151
○鈴木壽君 これは私ただ最近何かに書いてあるように、そういうところも怪しいのじゃないか、こういういわばこれは当て推量の記事かもしれませんが、そういうものを見たのですが、なるほど考えてみますと、あなたのほうでは十分な監督も、あるいは検査もやっておられる、こうおっしゃられますが、中にはそういうものもあるのじゃないかというふうなちょっとした心配を私は持つわけです、そういうものを見ますと。こういう点については心配ない、こうはっきり断言できますか。
#152
○政府委員(牛丸義留君) 断言できます。
#153
○鈴木壽君 これは、麻薬製造の業者というのは、昨年の六月現在では七人、業者を一人として七人それから製剤の業者が五人、元卸業者が二十九人、全国的な数字としてはこういうふうになっております。こういう過程で、あなた方厳密に一件一件にあたって、そういう心配はないということを確かめておらてるのでしょうね。
#154
○政府委員(牛丸義留君) 麻薬の小売の段階におきまして、いろいろな先ほど言いましたようなこと、これは数も相当多いわけでございますので、はたして断言できるかと言われましたら、私もあれでございますが、麻薬の卸売の段階までは数もそう多くはありません。これは正確に掌握できるわけであります。そういう段階での不正は私はないと思っております。
#155
○鈴木壽君 これは取り越し苦労のようになりますけれども、いわば何トンというモルヒネ、これは幾つかのメーカーにやるでしょう。これは、それこそさじかげん一つでも相当なものじゃないかと、しろうとの私でも何か心配になってくるわけです。もしそこにあなた方の検査なり、いろいろ監視といいますか、そういう目をくぐってやるとすれば、これはやり得る余地があるのじゃないだろうかということも考えられるものですから、そういう心配は無用だ、こういうふうにおっしゃられれば私そのまま信じますけれども、何かそういう心配があったものですから、今お聞きしたようなわけなんです。これはしかし手放しに安心できないのじゃないかと、私、今例をあげた七軒とか、五軒とかその例ですが、末端のところまでのやつを特にあなた方のほうは十分これは監視をしなければならぬのじゃないだろうかというふうに思うのです。
 それからもう一つは末端における不正な使用に対しては、よほどきき目のある手段を講じないと、結局警察のほうなり、あなた方のほうで出された中にもあるのですが、医者がちゃんとはっきりわかっていながら不正な使用をしているという事例が幾つかあげられておりますから、そういう点からいっても、今後ひとつ十分な対策を講じて、そういうところから、またしても、この害毒を流すようなことが起こらないように、ひとつこれは私注文として申し上げておきたいと思うのであります。
 それから、バンコックに一名の駐在員を出すのでありますが、これはいろいろあなた方の資料なり、厚生省の資料から見ますと、最近密輸の本拠になる所が――かつては香港であったとか、そういうものが、だんだんほかのほうに移ったり、広がったりするような傾向がございますが、そういう意味でバンコックが大事な一つの地点だというふうな、こういう観点から向こうに出す、こういうことになっているのですか。
#156
○政府委員(柏村信雄君) お話のとおりでございます。現在香港に麻薬専門ではございませんが、一人出しております。やはり外務省の総領事館に外務省の職員として出しております。あそこの政府ともよく連絡をとって――麻薬関係もそういう意味におきまして非常に連絡がよくなっているのであります。
#157
○鈴木壽君 そこの警察官は、もちろん外務省の役人に移しかえられるわけですが、麻薬関係の情報とか、そういうことの任に当たるわけですね。
#158
○政府委員(柏村信雄君) さようでございます。
#159
○鈴木壽君 現在香港に一名というお話ですが、これが相当の効果をおさめている、こういう点から、さらにバンコックに一名、こういうふうにお考えになったのですか。
#160
○政府委員(柏村信雄君) さようでございます。
#161
○鈴木壽君 その他に、最近のこの海外からのものを見ますと、香港、バンコックだけでなしに、いろいろあるようでございますが、そういう所にはこういう駐在官を出すということは考えておりませんか。
#162
○政府委員(柏村信雄君) 実は、これも来年度予算におきましては、そのほかカルカッタ、シンガポール、台北、ラングーン等にも出したい、少なくとも三、四名出したいと思ったのでありますが、やはりいろいろな事情で、とりあえずまず一名ということに相なったわけでございます。海外に出すにつきましてはやはり相当語学も必要であるし、そうした面の能力ある者を出すわけでございますので、一挙に希望の地点に全部充足するというわけには参りませんし、また、ある地点につきましては、その国のほうでどうも必ずしも好まないというような実情のある所もございまして、来年はとりあえずバンコックに一人、こういうことをきめたわけでございます。
#163
○鈴木壽君 この密輸のルート、なかなかこれはむずかしいものだと思うのですが、やはり根源をつきとめ、それがこっちに入ってこないようにするということが、先ほども申しましたとおり先決問題だと思います。困難な仕事だと思いますが、この点について十分な対策を講じなければならぬと思うのです。そのためには、私はやはり香港、バンコックだけでなしに、あるいはシンガポール、あるいはその他の東南アジアの諸国の大きなところとか、こういうところにやはり駐在員を置くというようなことがぜひ必要じゃないだろうかと、こう思うのです。それから、いま一つは、国内に持ち込む人たちですね。これはいろいろな、ちょっとあなた方といえども気のつかないような人があるということが、いろいろな書いたものを見ますとあります。たとえば軍人とか、あるいは外交官とか、何かこういうふうな人たちが日本へ運んで来る。そして、日本における元締めみたいなものがあるのでしょうね。そういうところに――これはまあ、どういう巧妙な連絡をするのかわからぬけれども、とにかくそこに行く。それから、だんだんとこう下がってくる。こういうことだそうでありますが、ちょっとこうなりますと、厚生省なり警察庁でなかなか手の届きかねるようなところから、国内に持ち込まれておるというのが現状じゃないかと思うのです、しかも多量なものが。何かこれは手がありますか。
#164
○政府委員(柏村信雄君) お話のように、確かに非常に困難な問題であろうと思います。したがいまして、私どもとしましては、麻薬関係のそういう前歴者、あるいはその他容疑のある者等については、やはり系統的に、科学的にこれをリスト化して、常に把握しておるということが必要であろうと思います。また、先ほど駐在官のお話に関連いたしまして、私どもは駐在官を十分活用するわけでございますが、そのほかに、これらの麻薬が密輸されてくるもとになる国々、また麻薬が相当流行している国々というものと、そこの麻薬取り締まり当局と緊密な連絡をとっていくということが、必要であると考えておるわけでありまして、実は昨年の秋、東南アジアの七カ国ほどの麻薬取り締まりの責任者を日本に招致いたしまして、四十日間のゼミナールを実は持ったわけであります。したがいまして、これによって、各国のいろいろな事情も相当わかるようになりましたし、またそのゼミナールに参加した人たちも、非常に勉強になったということで、今後こういう国々との麻薬取り締まりについての情報交換、その他取り締まり上の協力関係というものは、一そう緊密になっていくのではないかと思います。このゼミナールは、ことしも引き続きやって、さらにその緊密さを増していくように努めたいと考えておる次第であります。
#165
○鈴木壽君 もっといろいろお聞きしたいこともございますけれども、そろそろ時間もないようでございますから――、ほんとうにこの問題、これはゆるがせにできない段階まで来ていると思うのであります。単に、たとえば私なら私が、常用者で、中毒をしたのだというようなことに終わればいいけれども、それが今度は、いろいろな犯罪等に結びついていて、さっきもあなたからお話がありましたように、暴力団のひもがついたとか、いろいろなところに波及していっているのです。むしろこれは、一つの亡国のおそろしいそれになると思うのです。ですから、これは、かりに人員がどうしても足りない、こういうことであれば、五百名に限らず、やはり必要なだけの人員は確保する。あるいは予算の上でも、足りないというようなことでありますれば、これまた、十分検討してもらって、所要の予算の確保というようなこともやらなければならぬと思いますが、三十八年度は若干予算もふえておるようでございます。若干というよりは、去年の額からすれば、何倍かにふえている。まあけっこうなことでございますけれども、はたしてこれで、万全の対策がとられるだけの、いわゆる所要経費としていいのかどうかというようなことになる問題が、私はあるのじゃないかと思うのです。そういう面でひとつ、ほんとうに真剣に取り扱って、これに対処していただきたい。
 なお副長官に、これは対策本部のほうでも、単に各省をまとめて、そこで相談をしてやるということでなしに、ほんとうにこれに真剣になって取組まないと、先ほども申し上げましたようにおそるべき害悪を流すそれなのでございますから、十分この点をお考えいただいて、抜かりのない対策をし、国民を麻薬禍から守る、こういうことに徹していただきたいと思うのですが、ひとつ、本部長はきょうおりませんけれども、あなれたが副本部長としての、最後にそれに対する決意も聞いておきたいと思うのです。
#166
○政府委員(古屋亨君) ただいまの鈴木先生のお話、私ども実は昨年の秋から、この対策推進本部を作った次第でございまして、四本の柱を作りますにつきましても、関係各省の連絡のみでなく、調整的な分野もいたしておりますが、最近の麻薬犯罪の現状は、ただいまのお話のとおり、ますます深刻な状況を加えて参ります。本部長でありまする総務長官並びに関係閣僚懇談会にも、ただいまの御趣旨を十分伝えますと同時に、私どもこれに関係いたしまする者といたしましては、この実態を一そう正確に把握し、単なる連絡調整のみではなく、進んでこの政策の推進を強力にするよういたす所存でございまして、この点は、本部長であります総務長官に対して、直ちにお伝えをしたいと思っております。
#167
○鈴木壽君 私は、麻薬の問題全般でなしに、きょうは、うちのほうのこの委員会の性格上、麻薬取り締まりの面について、主としてお伺いをしたわけですし、また自分の考えを述べたわけであります。今度、厚生省のほうで、麻薬取り締まりの法の改正が行なわれる、こういうことでありますが、私どもも、そういう意味できわめて時宜に適したものだと思うのですが、全般的な問題をほんとうに総合的に強力にやっていくということで、ひとつ一そうの努力を要望しまして、一応きょうの質疑はこれで打ち切りたいと思います。
#168
○鈴木一弘君 今度の警察法の改正で、幹線道路の交通規則の問題があるのですが、それに関連して交通規制のことでちょっと伺っておきたいのです。警視庁が第三次交通規制を始めて、交通緩和策として取り上げてきております、これがかなり、法的規制としてはきついわけでありますけれども、これで一ぱいだという話があるわけです。これ以上の交通規制、法的規制はできないというようなお話のようである。これ以上混雑するということになれば、やむを得ないから環状線内の自家用乗用自動車も乗り入れを禁止しなければならぬだろうというところまでいくというわけであります。その点どういうようにお考えになっておりますか。
#169
○政府委員(冨永誠美君) お答えいたします。東京は、警視庁が交通規制に本格的に乗り出しましたのは、総合規制としましては一昨年ごろからでございます。これは、今までの交通規制が、場所的なきらい、場所を中心としたような規制であったわけでございますが、これではとても、現下の交通事情に対処しにくい、もちろん交通事情が改善されれば別でございますが、交通規制で何とか切り抜けなければならぬとしますれば、やはり主要幹線を中心にして一貫した交通規制をやらなければならない、それから、ブロック的のある地域を中心として交通規制をやらなければならないというわけで総合規制を打ち出したわけでございます。そのほか、昨年の四月から例の車種別規制も実施したわけでございますし、昨年の十月に都心地区の駐車禁止を中心としまするいわゆるイエロー・ゾーンという地域を設定して今日まできておるわけでございます。したがって、大きな考え方といいますか、によりますれば、交通規制というものは大体手が打ち尽くされておるわけでございます。もちろん今後は、さらに方面別にこまかく手を打って規制をやらなければならないという問題がございますが、大体のところは打ち出されておる。今後残る問題としましては、これは交通事情いかんによるのでございますが、どうしてもまだまだ深刻になるとすれば、これはこういった規制も実はないでもないのじゃないか。それは、大きい交差点、スクウェアと申しますか、そこでは交通の縦横の交差といいますか、これは認める。しかし、大きい交差点から大きい交差点に行く途中は一つの川の流れのようにもっていく。その間のこれを横切るような交通は、これはやめてもらうということで、スクウェアといいますか、大きい交差点から大きい交差点を結ぶ一つの幹線は、これはただいま申しましたように、川の流れでいって、その中は一つのブロック・システムになる。結局車は左、左と行くよりほかちょっと手がないのですが、そういったことまでおそらく打たざるを得ない。世界の都市でも、たとえばロンドンの中心はそういった仕組みを若干やっておりますが、そういったことも考えられますが、大体の大きい筋というものは今まで実施してきておりますわけで、今後の問題として残るのはそんなところじゃないかと思うわけでございます。しかし、今お話にありました残るところは、もう山手環状線以内の乗用車の禁止以外にないということは、これはまだ実際問題として非常に現実的に困難な問題じゃなかろうかというふうに考えております。
#170
○鈴木一弘君 今のスクウェアからスクウェエアまでの間は流れてしまう。もう横断禁止ということも行なわれますし、当然駐車、右折はできぬ、こういうような方策を用意しているというのですね。
#171
○政府委員(冨永誠美君) 用意しておるというわけじゃございませんで、交通規制はあくまでも交通事情の現状に即していくという建前でございますので、今までの施策をずっと見て、これでいけるじゃないかと思いますが、さらに今後交通事情が悪化してどうにもならぬということになれば、まあ考えられるのはこんなことじゃないかという一つのプランといいますか、仮想的なプランということで、直ちに実施するというものではございません。
#172
○鈴木一弘君 交通の極限状態という言葉が使われるわけですけれども、極限交通状態についての打開の問題はそういうことであるということ、考えられるとすれば。それ以上の先のほうはもうないと、イエロー・ゾーンを拡張していけば都心の乗り入れはとうていできなくなってくる、これ以上拡張すれば。そうすると、まるっきりとまることもできぬ、動くこともできぬという状態になるのじゃないかという心配があるのです。その辺のところはどう考えられますか。
#173
○政府委員(冨永誠美君) 自動車の性能が、自分の目的地に行けるというところに自動車の性能というものがございますので、この本来の行き方はどうしても生かさなきゃならないと思います。で、かりに交通事情が非常に込んで、自動車が身動きならぬということになれば、これはおしまいでございますが、そういうふうにならぬように規制でさばいていこうということで懸命な努力をいたしておるわけでございます。それで今お話のように、ある地域に自動車が動いちゃいかぬということはかなりむずかしいので、結局は、間接的に都心部に行きましても、自動車の駐車の場所が窮屈になっていくということで、自然自動車で行ってもちょっと無理だというふうな、間接的な抑制ということの形になるというふうに考える次第でございます。
#174
○鈴木一弘君 間接的な抑制でも、結局遠くで降りて行かなきゃならぬ、こういう状態にしない限りは、中央部、中心部等についての交通規制の解決点はないというふうにとっていいわけですか。
#175
○政府委員(冨永誠美君) 私どもとしましては、できるだけ差しつかえないように懸命に努力いたしておるということでございます。
#176
○鈴木一弘君 そこでもう一つですが、駐車の問題で、これは非常に駐車禁止を叫ばれておりますが、前に施行された自動車の保管場所の確保等に関する法律が施行されて四カ月たつわけです。実績として、駐車ができなくなるのは、これからまだあと六カ月以上ありますけれども、道路での駐車ですね……。しかし、今まで保管所があるということで申請されていながら、実際保管場所がない、そういうような状態のことはおわかりになっているのだろうと思うのですが、ちょっと実情を聞かしてもらいたいのです。
#177
○政府委員(冨永誠美君) 自動車の保管場所等の確保に関する法律という法律が昨年の九月から実施されまして、自動車を持つというふうな、新規に登録をする場合におきましては、区域を限りまして保管場所の証明が要るという仕組みになって今日まで来ておるわけでございます。昨年の九月から年末まで約四カ月にわたりまして、ただいま御質問の、申請はいたされたけれども保管場所がないとか、適当でないというふうに却下されたものは、三万一千八百五十四件受理された中で五百二十三件ございます。パーセントにしまして一・六%でございます。
#178
○鈴木一弘君 その内容はどんな理由ですか。
#179
○政府委員(冨永誠美君) 保管場所としての広さが十分でないとか、あるいは架空の場所が申請されておるとか、あるいは場所がありましても出入口が狭い、あるいは虚偽の承諾書、たとえば他人の土地を借りる場合に、その承諾書が虚偽であるというふうな、そういった承諾書が提出されるとか、あるいは現在倉庫とか、車庫とかとして使用されておって、これ以上は自動車が置けないというふうなこと、あるいは道路の上を保管場所としているもの、あるいは出入口が通行禁止道路であるのも、あるいは場所がありましても全然道路がない、あるいはガソリン・スタンドを保管場所としているもの、こういったものでございます。
#180
○鈴木一弘君 この法律が一年たつと、道路にいよいよ置けなくなってくるわけですけれども、そうなって参りますというと、さらに交通規制どころか、異常な混乱を巻き起こさなきゃならぬ、結局、駐車場の不足ということから始まっているのだと思うのですけれども、そういう公営駐車場等を、御承知のように、充てなければ困るという声が実際横山町であるとか、あるいは公団住宅であるとか、こういうところからかなりの声が起きているわけです。そういうことについての指導といいますか、また話し合いというか、その点についてはどうなさっていますか。
#181
○政府委員(冨永誠美君) 道路が保管場所として使えなくなるというのは、法律でいいますと第五条でございまして、六月一日からこの法律は施行されるということになるわけでございます。しかしながら、これには政令で区域を定めるというふうになっておりますので、どういう区域がいけないかということにつきましては、これは相当いろいろな問題があると思いますので、目下慎重に検討をいたしておるのでございます。ただし、その道路外に保管場所とか車庫、特に車庫でございますが、これの施設を整備いたさなければならないということは当然でございまして、これはいろいろ努力されておられるわけでございますが、政府自体におきましても、国有地とか、あるいは公有地で、まあ未利用地といいますか、いまだほかに使っておらないというものは、できるだけこういった駐車場といったものに使うということでいろいろ検討いたして、すでに場所によりましてはそれを開放するというふうなことにきまって、今整備されつつあるようなところもございます。とにかく自動車を道路以外に置くというための駐車場が必要なことは申すまでもございません。
#182
○鈴木一弘君 この保管場所としての道路使用の禁止の所の指定というのは、いつごろになりますか、政令の指定は。はっきりきまってくるのは…。
#183
○政府委員(冨永誠美君) これは、その保管場所に関する法律が各省にまたがっております。したがって、警察庁だけではこれは実はできないわけでございますので、内閣の交通対策本部が中心になりまして、各方面の意見を聞いた上で実施されるということになりますので、いつといいますか、これはちょっと私どもはっきりいつどうするというところは申し上げかねるのを残念に思っております。
#184
○鈴木一弘君 まあどっちみち、このように混雑している東京であるとか大阪であるとかというところは、交通規制をかなり強化しなければどうにもならぬと思いますけれども、一方で、そういうように置けない場所も出てくる、実際の活動に不自由である。イエロー・ゾーンの拡大に伴って、だんだん都心部へは用があっても乗り入れができぬということになりかねないので、この点については運用の妙を得るということが一番大事だと思いますから、その点十分考えていただきたいと思います。
 それから、同じ交通の問題でございますので、事故のことで伺っておきたいのですが、子供の交通事故が非常に多いと警察庁の統計が出ております。幼年、幼児に多い。一年生や低学年のほうが多い。また、男の子のほうが二倍、三倍、あるいは女の子に対して五倍というような状況である。こういうことについて非常に統計ははっきりと数字を示しております。特に入学期を迎えて一年生の交通事故が頻発するであろうという心配なことまで述べられておりますけれども、この学校とか幼稚園とか保育所というものとの連携ということですね、こういうことについての事故防止、あるいはバックの際にひき殺すというのが、子供の事故では非常に数が多いと思います。これは技術改良による事故防止以外にないだろうと思うのです。この点について積極的に連携を保たれていくか、あるいはそういう技術改良について積極的に進められるようにするか、その辺のことを伺っておきたいと思います。
#185
○政府委員(冨永誠美君) 学童及び幼児の事故は非情に悲惨でございます。交通事故の中でも特に悲惨でございますが、全国的に見ますると、幼児及び学童の事故、いわゆる少年の事故は、昨年全般の交通事故が特に死亡者が減りましたのでございますが、少年におきましても減少という傾向が見えております。それから特に東京は、死亡者それから負傷者というものがかなり減少の率が著しいわけでございます。これはやはり交通問題に対しましての世論といいますか、これが非常に高まったこと、それから親御さんの御指導なり、あるいは学校における指導というものがだんだん強化されてきたということの現われだろうと思います。しかし、なおかつ日本は全般的に交通事故がまだ高い国でございますし、それから今御質問の、幼児の事故も非常にまだ高いわけでございます。それで原因としましては、とにかく道路に急に飛び出すというふうなことなり、あるいは軍の直前、直後の横断というものが非常に多く占めるわけでございますが、車がうしろを見ないでバックしたということによって、なくなられた方ももちろん多いわけでございます。私どもとしましては、やはり幼稚園なり、学校の教育におきまして、交通のルールというものを覚えていただくということが、どうしても大切であるというふうに考えまして、学校ともよく連絡していろいろやっておるわけでございます。幸いにも昭和三十八年度で御審議いただく予算の中には、補助金ではございますが、各学校を巡回して回る移動教室のような予算が計上されております。これは簡単に申し上げますると、自動車に簡易な道路標識、あるいは信号機、あるいはゴーカートとか自転車あたりを積みまして、各学校を回って、各学校の校庭で、市街地の模型とか、あるいは踏切とか、あるいは道路の交差点あたりを作りまして、実際に学童が自転車や、そういったカーに乗りまして、標識のあるところを渡り、信号機のあるところを渡るということで、訓練によってルールを覚えてもらうという仕組みでございます。そのほか固定的な教室、固定的なセンターとしましては、全国的にはことしは大阪、盛岡、仙台、松江、こういったところに設立されます。そのほかっこれは建設省の関係でございますが、公園を交通公園式にやっていく交通公園、そこでいろいろなコースを作ってやっていくというふうな仕組みに大体できつつあるわけでございます。
 それからバックの際に、うまい工夫はないかということでございますが、これはいろいろ私のほうにも来ておるわけでございます。たとえてみますると、どうしても、トラックのうしろのほうが死角になります。それで運転しておって、うしろの死角が見えるというふうな仕組みのものも実は私のほうに参っております。簡単に申し上げますと、それは鏡になっておりまして、その鏡がプリズムの立体的になって、運転台から引き上げればうしろが見えるというふうなものも考案されてきておりますので、こういった技術的な改良につきましても、今私どもも関心を持って研究をいたしておる次第でございます。
#186
○鈴木一弘君 ちょうど刑事局長さんがお見えになっておりますので、そのほうの関係のことで伺っておきたいのですが、密室アパートの犯罪の問題でありますけれども、この取り締まり方法と防犯体制についてひとつ伺っておきたいのです。
#187
○政府委員(宮地直邦君) アパート団地その他最近できております特殊な住宅兼商店というようなところの犯罪につきましては、もちろんわれわれ十分注意しておるところであります。従来の統計――全国的ではございませんが、東京と、その付近を見ておりますというと、これらのところにおきます犯罪は窃盗犯が圧倒的でございます。ちょっと古うございますが、三十五、六年の統計を警視庁でとってみますと、そこで扱いました犯罪の九八%までは窃盗犯となっております。また他県におきましても大体窃盗犯が非常に高い率を示しておりますから、他の一般のような凶悪犯というものは、絶対数字においては少ない。しかしながら、これは数字上の問題でございますが、建築構造上、一たん中に入られました場合におきましては、今御指摘のような密室犯罪、殺人というものが行なわれやすい可能性がございますので、十分われわれのほうにおきましても保安局と連携をとりまして、これらの事件が起こらざるような措置を講じており、すでに三十六年の七月にはそういうことに関連いたしまして全国に指示をいたしておるところであります。
#188
○鈴木一弘君 非常にこの場合は発見しにくい場合でありますので、非常な惨事になる場合も出てきやすい。そういう関係もありますし、もし火災等がその場合起きれば完全に大惨事になってしまう、そういう状態でありますので、十分に検討とPRの件をお願いしたいと思います。
 最後に、交通規制のことで、交通緩和をし、人命を尊重していくということはよくわかるのでありますが、これは交通規制が非常に大事なことでありますけれども、さらにそれ以上に地方自治体において、道路に照明をつけたり、あるいは人間の横断のためのブリッジを作ったりということがなされております。これについて積極的に進めていく、こういうような意向があるべきであると思うのでありますけれども、その点についてお伺いします。
#189
○政府委員(冨永誠美君) お説のとおりでございまして、施設の整備の面におきまして、非常に日本はおくれておると思います。したがって、安全な運転、安全な歩行ができるような安全施設の整備というものが道路に伴っていかなければならないと、こう思うわけでございます。
#190
○委員長(石谷憲男君) 他に御質疑はございませんか。――他に御発言もないようでございますから、本案についての質疑は終了したものと認め、これより本案の討論を行ないます。
 御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお迷べを願います。――別に御意見もないようでありますから、本案の討論は終局したものと認め、これより本案の採決を行ないます。
 警察法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案を、原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#191
○委員長(石谷憲男君) 全会一致であります。よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案の審査報告書につきましては委員長に御一任願います。
 次会は、決定次第、お知らせいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十五分散会
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ソース: 国立国会図書館
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