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1962/02/26 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第8号
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1962/02/26 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第8号

#1
第043回国会 地方行政委員会 第8号
昭和三十八年二月二十六日(火曜日)
   午前十時二十分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
二月二十二日
 委員湯澤三千男君は逝去された。
  ―――――――――――――
出席者は左の通り。
   委員長     石谷 憲男君
   理事
           小林 武治君
           林  虎雄君
   委員
           上林 忠次君
           沢田 一精君
           鍋島 直紹君
           小柳  勇君
           鈴木  壽君
           松本 賢一君
           基  政七君
  国務大臣
   国 務 大 臣 篠田 弘作君
  政府委員
   警察庁長官   柏村 信雄君
   警察庁交通局長 冨永 誠美君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○道路交通法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(石谷憲男君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 本日は、先議案件一件の御説明を聴取いたしたいと存じます。
 道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提案理由の御説明を願います。篠田国務大臣。
#3
○国務大臣(篠田弘作君) ただいま議題となりました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明いたします。
 この法律案は、高速自動車国道の供用の開始に伴い、高速自動車国道における自動車の交通方法等の特例について定めること、最近の道路交通事情の変化にかんがみ、歩行者の保護の徹底をはかるための規定を整備すること、並びに、消防用車両の優先通行、装置不良車両の運転の禁止等に関する規定を整備すること等をその内容としております。
 まず、高速自動車国道における自動車の交通方法等の特例を定めることについて御説明いたします。
 高速自動車国道法に基づく高速自動車国道として、いわゆる名神高速道路の一部が近く供用を開始することになっております。高速自動車国道におきましては、自動車以外の車両及び人の通行は禁止されているのでありますが、構造の面においても、他の道路等との交差はすべて立体交差方式によること、一般の道路との連絡はインターチェンジによること、並びに中央分離帯を設けて往復の交通を完全に分離すること等、一般の道路とは相当異なったものとなっているのであります。したがって、交通方法等についても一般の規定では律せられない面が多いのであります。
 この法律案は、このような特殊な構造を有する高速自動車国道における自動車の交通方法の特例として、警察官の危険防止等の措置、通行の区分、最低速度、横断、転回等の禁止、高速通行路に入る場合の優先関係、停車及び駐車の禁止、制限、並びに緊急自動車等の特例に関する規定を設けるとともに、自動車の運転者の義務として、最低速度の順守及び自動車が故障した場合等における措置に関する規定を設けることにより、高速自動車国道における危険を防止し、その他交通の安全と円滑をはかることといたしております。
 なお、道路法の規定による自動車専用道路においても、その交通の実態は高速自動車国道のそれに近いものとなっておりますから、警察官の危険防止等の措置、横断、転回等の禁止、停車及び駐車の禁止、制限等に関しては、この際、同様の特例として規定することといたしております。
 次に、歩行者の保護の徹底をはかるための規定について御説明いたします。
 道路交通法においては、歩行者の保護についても相当な配慮をいたしているのでありますが、最近の道路交通事情の著しい変化にかんがみますと、さらに、その保護の徹底をはかる必要のあることが痛感されるのであります。このため、未舗装道路においても、必要な個所には横断歩道を設けることができることとし、また、横断歩道における歩行者の通行の安全のために車両等の運転者に対して、横断歩道の直前で一時停止し、歩行者の通行を妨げてはならないことを義務づけ、さらに、政令で定める程度の身体の障害のある者にも白色に塗ったつえを携えて通行することを認めることにより、歩行者保護の徹底をはかることといたしております。
 次に、消防用車両の優先通行及び装置不良車両の運転禁止等に関する規定の整備について御説明いたします。
 消防用車両の優先通行に関しては、現在道路交通法と消防法とに同趣旨の規定が設けられておりますが、通行の優先等に関する規定は、他の車両等に対する義務規定でありますので、車両等の運転者等に周知しやすいようにする必要があること及び双方の規定の関係について若干の整備が必要であること等の理由から、この際、道路交通法において消防用車両の通行の優先等に関する規定を設けることとし、これに伴う関係規定の整備をいたしております。また、騒音を発し、または多量の煤煙等を発散させて他人に著しい迷惑を及ぼすような車両の取り締まりについては、現在その取り締まりの完璧を期することができない実情でありますので、装置不良車両の運転禁止に関する規定を設けることにより、装置不良車両の運転による騒音または多量の煤煙の発散の防止をはかって参りたいと存ずるのであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びおもなる内容であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛同を賜わらんことをお願いいたします。
#4
○委員長(石谷憲男君) 続いて補足説明を願います。柏村警察庁長官。
#5
○政府委員(柏村信雄君) ただいま提案理由の説明がありました道路交通法の一部を改正する法律案につきまして、さらに補足して御説明いたします。
 第一に、高速自動車国道等における自動車の交通方法等の特例に関する規定から御説明いたします。
 まず、第七十五条の三の警察官による危険防止の措置についてであります。
 この規定は、高速自動車国道または自動車専用道路において、道路の損壊、交通事故の発生その他の事情により交通の危険が生じ、または交通の混雑が生ずるおそれがある場合における警察官の危険防止等の措置について規定しようとするものであります。現行法においても、その第六条及び第七条第三項によって警察官が混雑緩和の措置または通行の禁止もしくは制限をする措置をとることができることとされておりますが、高速自動車国道や、自動車専用道路につきましては、その道路構造が通常の道路と著しく異なり、自動車が相当な高速度で通行するという状況が予想されますので、これらの規定によっては、交通の危険防止や混雑緩和の措置として十分でありませんので、新しい特殊な道路に即応して、通行の禁止または制限をし、路肩通行を下命し、または正規の通行方法と異なる通行方法の下命をする等の措置をとらしめようとするものであります。
 次に、第七十五条の四の通行区分に関する規定でありますが、この規定は、高速自動車国道における交通の円滑と危険防止をはかるため、高速自動車国道においては、その左側部分に二つの車両通行区分帯を設け、自動車は、原則として、左側の車両通行区分帯を通行すべきこととし、追い越しの場合または道路の状況等によりやむを得ない場合に限り、右側の車両通行区分帯を通行することとしようとするものであります。
 次に、第七十五条の五の最低速度に関する規定でありますが、高速自動車国道の高速通行路における一般的な最低速度は政令で定めることにしております。
 なお、公安委員会は、高速通行路の状況に応じ、道路管理者の意見を聞いて、これより低い最低速度を道路標識等を設置して定めることができることともいたしております。
 次に、第七十五条の六の横断等の禁止に関する規定でありますが、高速自動車国道または自動車専用道路において自動車が横断、転回または後退をすることは、他の自動車の通行を妨害するのみならず、直ちに交通の危険を生ずるおそれがありますので、これらの行為を全面的に禁止しようとするものであります。
 次に、第七十五条の七の高速通行路に入る場合における優先関係に関する規定でありますが、自動車が高速通行路に入ろうとする場合に、高速通行路を通行する自動車があるときは、その自動車の進行を妨げてはならないこと、すなわち、高速通行路にある自動車を優先させようとするものであります。
 なお、第二項において緊急自動車の優先についての特例を定めております。
 次は、第七十五条の八の停車及び駐車の禁止に関する規定でありますが、高速自動車国道または自動車専用道路においては、自動車の停車または駐車は、通常の道路におけるよりも一そう他の自動車の通行を妨害し、または交通の危険を生じさせるおそれがありますので、特定の場合のほかは、全面的に停車及び駐車を禁止しようとするものであります。
 次は、第七十五条の九の緊急自動車等の特例に関する規定でありますが、緊急自動車及び交通取締用自動車については高速通行路における通行区分に関する規定を適用することは、その用務の性質上適当でありませんので、その適用を排除し、また、道路維持作業用自動車について通行区分及び最低速度の順守に関する規定の適用を排除しようとするものであります。
 次は、第七十五条の十の最低速度の順守に関する規定でありますが、高速自動車国道を通行する自動車の運転者は、政令で定められた最低速度または公安委員会が定めた最低速度を順守しなければならないこととしようとするものであります。
 次は、第七十五条の十一の自動車の故障等の場合の措置に関する規定でありますが、自動車が高速自動車国道において故障等のため運転不能になりますと、他の自動車の通行を妨害し、また、交通の危険が生じますので、このような状態になったときは、故障車である旨を表示するとともに、その自動車を高速通行路以外の場所に移動するための必要な措置を講じなければならないこととしようとするものであります。
 なお、この義務規定の違反につきましては、事柄の性質上罰則を設けないこととしております。
 第二に、歩行者の保護の徹底をはかるための規定について、御説明いたします。
 まず、第二条第四号の改正規定でございますが、現行規定においては、横断歩道は、道路標識と道路標示の双方によって示されていることが必要とされており、このため、未舗装道路の区間においては、横断歩道を設けることが困難であります。このような点を改め、未舗装道路の区間であっても必要な個所には、道路標識のみによって横断歩道を設けることができることとし、これによって歩行者の保護をはかろうとするものであります。
 なお、舗装された道路で、信号機がある交差点においては、必ずしも、道路標識と道路標示の双方を必要とするわけではありませんので、そのいずれか一方で足りることとしようとするものであります。
 次に、第十四条第二項の改正規定でありますが、この改正は、身体障害者の保護をはかるため、白色に塗ったつえを携えて通行してはならない者の除外例に政令で定める程度の身体の障害のある者を加え、あわせて、車両等の運転者の順守事項を改正して、これらの身体障害者が白色に塗ったつえを携えて道路を通行しているときは、その通行を妨げてはならないこととしようとするものであります。
 次に、第七十一条第三号の改正規定についてであります。
 現行規定においては車両等の運転者は、横断歩道を通行する歩行者の通行を妨げてはならないと規定されておりますので、歩行者の通行の保護は一応はかられているのでありますが、その方法として、一時停止または徐行のいずれの方法であってもよいこととされており、また停止すべき位置も不明確でありますため、歩行者保護を期する点においてはなお不十分であります。
 最近における交通量の著しい増加にかんがみまして、さらに歩行者の保護の徹底をはかる必要が痛感されますので、この規定を改め、歩行者が道路の左側の横断歩道を通行し、または通行しようとしているときは、車両等の運転者は、横断歩道の直前で一時停止し、歩行者の通行を妨げてはならないこととしようとするものであります。
 第三に、消防用車両の優先通行に関する規定について御説明いたします。
 現行法では、消防車の優先通行に関する規定が道路交通法第三章第七節のほか消防法第二十六条にも設けられております。
 特定の車両の優先通行を認めることは、同時に他の車両の運転者の義務となりますので、これらの規定は、道路交通に関する一般法である本法に規定するのが適当と考えられます。また、両者の規定は、その制定の時期の相異からその内容に多少の差異がありますので、この際、この二つの法律の規定を整理しようとするものであります。
 第四に、装置不良車両の運転の禁止等に関する規定について御説明いたします。
 現行の道路交通法第六十二条および第六十三条には、整備不良車両の運転の禁止に関する規定が設けられておりますが、この規定においては、道路運送車両法に基づく保安基準により定められている装備の不備な車両等であってもも交通の危険を生じさせるおそれがないものはもその規定の対象となっておりません。
 しかしながら、最近における自動車または原動機付自転車の運転の実情をみますと、交通の危険に至らない場所でも、他人に著しく迷惑を及ぼすような騒音を発し、または多量の煤煙を発散させて運転しているものが多くなってきており、しかも、その原因が騒音防止装置や煤煙発散防止装置を取りはずしたり、またはその調整を怠っているものが多い実情であります。
 このような実情にかんがみまして、これらの装置の不備な自動車または原動機付自転車の運転を禁止し、違反車両に対しては迷惑防止の措置をとることができることとしようとするものであります。
 以上、申し上げましたおもな改正規定に伴いまして、関係規定につき必要な整備を行なうとともに、罰則につきましても所要の改正をいたしております。また、この法律は、公布の日から起算して三カ月をこえない範囲内において政令で定める日から施行することといたしております。
 以上が、道路交通法の一部を改正する法律案のおもな内容であります。何とぞよろしく御審議をお願いいたします。
#6
○委員長(石谷憲男君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#7
○委員長(石谷憲男君) 速記を始めて。
 本案の質疑は、次会――二十八日(木曜日)に譲ることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十時三十五分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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