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1962/02/28 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第9号
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1962/02/28 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第9号

#1
第043回国会 地方行政委員会 第9号
昭和三十八年二月二十八日(木曜日)
   午前十時二十四分開会
  ―――――――――――――
委員の異動
 二月二十八日
  選任       大谷 贇雄君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     石谷 憲男君
   理事
           小林 武治君
           林  虎雄君
           市川 房枝君
   委員
           西郷吉之助君
           沢田 一精君
           鍋島 直紹君
           鈴木  壽君
           松本 賢一君
           鈴木 一弘君
           基  政七君
  政府委員
   警察庁長官   柏村 信雄君
   警察庁交通局長 冨永 誠美君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○道路交通法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(石谷憲男君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回、説明を聴取いたしておりますので、これより質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。
#3
○鈴木壽君 道交法が新しくできましてから現在まで、いろいろな面で警察当局では御苦心をなされておると思いますが、警察という立場に立って今の交通事情、あるいはそれからくる交通の事故、そういうものの発生を考えまして、もっとこの点をこうしなければならぬとか、こうすべきであると――それなしには、たとえば事故の発生というものもやはりどうしても避けられない、事故防止ということもできないんだと、こういういろんな問題が私はあるのじゃないかと思うのであります。概括的に、特に最近の事故の発生等の事情からいって、どういうことに対してあなた方が強い希望なり、要望なり、それをお持ちなのか、この点まず最初にお伺いをしてみたいと思うのであります。
#4
○政府委員(冨永誠美君) 道交法が昭和三十五年の十二月二十日から実施されて、約二年有余をけみしたわけでございます。その間におきまして、昨年の国会でいわゆる大型自動車を使用する場合の資格につきまして一部改正が行なわれたのでございます。したがって、今回は二回目の改正になるわけでございます。交通事情がやはり昭和三十五年のころと比較しまして非常に変わってきたことは、これは事実でございますし、その当時はこれでいけると思っておった点が、やってみますると、いろんな面でやはり何とかしなければならない、実情に沿いかねるというふうな面が出ましたので、今回一部改正を審議していただくようにお願いいたしておるわけでございます。しかし、もちろんそのほかいろいろな問題があるわけでございます。たとえてみますると、やはり運転免許の問題というものは、何とかいたきなければならないというふうに考えているわけでございます。今改正しなければならない尤たるものは、それじゃないかと思うわけでございますが、この問題は実は昭和三十五年の道交法の改正のときにおきましても、もう少し根本的にメスを入れまして、根本から改正をいたさなければならぬと思いましたが、いろいろな都合で時間も非常に足りませんで、今までの方針を踏襲しまして、それに若干の補正を加えるというふうな形で来ましたものですから、今後に残されている問題であろうと思います。しかし、この免許問題と申しますると、たとえば試験の問題なり、あるいは教習所の教育の問題なり、あるいはまた、いろいろな行政処分の問題なり、いろいろな問題を含みまして、かなり広範囲にわたりますものですから、もし今度の予算で私のほうに免許課というものができますならば、免許体制を確立しまして今後に臨んでいきたいというふうに、まあ考えているわけでございします。
 その他いろいろございますが、一応そのほか、道交法とは直接あるいは関係がないかもわかりませんが、教育の問題のほかに交通安全施設の問題、こういった問題なり、あるいはまた、国民に交通に対するルールを修得していただくという意味の教育問題、あるいはまた一般の態勢の問題、そういった各般に及ぶわけでございますが、とりあえず法律関係――道交法を中心としましては、今のところ今後の問題としまして免許問題、その他また、実際やってみましていろいろあるわけでございますが、今回は最小限度、これだけは当面の交通事情から見まして何とかしなければならないというものだけにしぼりまして、御審議いただくというふうな形になっているわけでございます。
#5
○鈴木壽君 ちょっと私の聞き方が少し悪かったようでございますが、私のお聞きしたいのは、今回の法の一部改正、これをどうのこうの、こういうことでなしに、取り締まりの衝に当たっておる警察から見て――あなた方から見て、それはもちろん今お話しの運転免許の問題、私どももこれは大きな問題だと思いますし、なおそのほかに、たとえばあなたもちょっと触れましたように、施設の問題で、こうであったら事故がもっと防げるだろう、あるいは道路の状況がこうであったらというふうな強い希望を持っているとか、あるいはこれは、私は、全般的には交通事故をなくするための一つの強い交通対策として、これはいろいろな問題があると思いますが、そういう問題のうち特に急を要するとか、あるいはこれだけはぜひやってもらわなければならぬというような、そういう問題についてお考えになっておられることが私はあると思うので、そういうことについてお聞きしたい、こういうことでございます。
#6
○政府委員(冨永誠美君) やはり交通は安全を期するといいますか、安全な運転なり、安全な歩行といいますか、こういったものが確保できるということが、最も大切なことは申すまでもないと居います。そういう点から見まして、何と申しましても運転者あるいは歩行者の教育が大切なことは申すまでもございませんが、今までのいき方から見ますると、こればかりに力がいっておる。もちろん、まだ十分とは申しませんが、ややそれに偏向しておるというふうなきらいが率直に言ってないでもない。一面、運転者あるいは歩行者が、安全に運転なり歩行ができるという面の環境といいますか、そういった面の施設の整備というものが、これが非常におくれておるということを、私どもは痛感をいたしておるわけでございます。またそれだけに、そういった施設が伴っていないだけに、運転の場合、歩行の場合に注意が要ることは、これは申すまでもございません。とにもかくにも、道路を運転するなり、あるいはまた道を歩く場合に、いかにも安全性というものが、まだまだ足らないという面を痛感するのでございます。それで、もちろん私どもとしましては――私どもの分野におきましては、たとえば交通信号機、あるいは道路標識というものを整備しなければならないことは当然でございますが、同時にやはり道路を作られる場合には、それに伴って道路を安全にする。安全な運転なり歩行ができるような安全施設の整備というものが必要であることは申すまでもございません。また既存の道路におきましてもそれをやるべきじゃないかという意味で、道路管理者ともいろいろ打ち合わせしまして、また私のほうからも要望申し上げまして、ガード・レールなりあるいは横断のブリッジなりを推進いたしておるわけでございますが、どうしてもまだまだこういう面が足らない、おくれておるという面につきまして一、二私ども痛感いたしておることを申し上げますれば、一つは横断歩道をもっと重視しなければならない。ですから横断歩道の施設の面の整備、これがおくれておるのじゃないか。たとえて言いますると、道路をいきなり一方から向こう側へ横断するのは、交通が激しい場合にはかなり無理があるわけでございます。したがって、そういった場合におきましては、横断歩道のまん中くらいに安全な島と申しますか、アイランドと申しますか、そういうものを設ける。一応そこまで渡って、そこで待って、次の反対側からくる交通の流れを見て、また向こうに渡るという意味の島みたいな、安全なアイランドというもの、これがまだまだ日本においては少ないということを感じます。その次にはデリニエーターといいますか、これはガード・レールじゃなしに、道路沿いにコンクリートの杭を十メーターなら十メーターに打っていくわけでございます。そうして、これが道路の境であるという――境をはっきりさすというふうなものを打っていくということによって、運転の場合におのずから道路がどういうふうになっているのだということが、事前にわかる。これがまた日本におきましては非常に少ないということを感じます。しかし、全然ないわけでもございませんで、東海道の国道におきまする静岡県の一部にはございますし、最近広島県におきましてもこれが設けられたようでございますが、非常に運転者の方々が助かっている、運転が楽である、そういった実感を漏らしております。そのほか、たとえば今日本の交通の特色は混合交通でございます。同じ道路を自動車も、それから自転車も、人も一緒に走ったり、歩いたりしている。これを何とか分離しなければならない、その意味では歩道をできるだけ作ってあげるということが大切でございましょう。それからまた、できれば自転車を完全に自動車道から分離する、その意味で自転車だけ走る道――自転車専用道と申しますか、こういったものも、やはり日本のような自転車の多い国におきましては、私どもは必要であろうというふうに感じます。そのほか、夜の照明につきましては、この前申し上げましたので省略さしていただきますが、施設の整備面はできるだけやはり整備していただくということによって、交通の安全対策というものができるのじゃなかろうかと思うわけでございます。そのほか、車両の整備の問題もございまして、やはり安全の面から見た車両というものは、こうあるべきだというふうなことにつきましても、私どもとしましては研究は進めているわけでございますが、こういった教育と、それから道路関係の施設の問題、それから車の安全性の問題車の構造の問題、こういったものがからみ合いまして、全部が総合的にいきまして交通安全対策というものができるのじゃなかろうかというふうに考えております。
#7
○鈴木壽君 今述べられました運転者も含めての教育の問題ですね。それから道路の安全施設の問題、それから車両の問題、これはいずれをとってみましても、現在のところは、私は、端的に言って、まだまだ不十分だと思うわけなんであります。特に、あなたも指摘されましたように、道路についてのそれは非常に問題が多いのでありまして、こういうことを私どもは、当初道交法を作る際に、いわばこれは取り締まりの面でありますが、単に交通の事故とか、安全とかいうようなことになりますと、取り締まりだけでは、これは何としてもできない一つの限界があると私は思うのであります。それでは不十分だから、今言ったような問題について、国がほんとうに抜本的な対策を立て、強力にそれを推進するということでないと、道路の交通の安全をはかることができないのだということで、私ども強い意見も申し上げましたし、附帯決議にもそういうことが載っておるわけなんであります。自来政府では交通対策について本腰を入れたような形は一応できておりますけれども、実際の面になると、なかなか私どもが望むような、そういうことができておらないと私は思うのであります。これはいずれ、あとの機会に政府の関係者にそういう問題についてお尋ねをしてみたいと思っておりますから、きょうはそこまで参りませんけれども、あなた方の日常の御苦労に十分私は敬意を表しますし、日夜そのためにいろいろ努力をしておられますことにつきましても、非常にありがたいと思うのでありますが、なおかつ、最近の交通事故の状況は、数字の上ではちょっと減ったとかなんとかいうようなことも、あるいは出てきたりなんかしますけれども、しかし、これでいいという状況ではないのであります。これはあなた方の立場、それ以上にわたる問題でございますけれども、しかしまた、実際取り締まりの衝に当たり、法の施行の面について責任を持っておられるあなた方から強い要望を出して、総合的な対策を一日も早く確立をする。こういうことでなければならないと思うのであります。これは長官から、そういうことにつきまして所見を承りたいと思うのであります。
#8
○政府委員(柏村信雄君) ただいまお述べになりました御趣旨ごもっともでございまして、私どもも警察は警察なりに努力をいたしておりますけれども、交通問題は決して警察の指導、取り締まりということだけでは十全を期し得ないその他の問題が非常に多いわけでございます。ただいま交通局長から申し上げましたように、道路の安全、交通の安全ということ、これが第一義的なものでありますが、さらに、最近の状況を見ますと、交通の渋滞ということも非常にはなはだしくなっておるわけでございます。これは日本の全体を見ましても、都市における道路というものが非常によくない。諸外国と比べて、道路面積の比率というものが非常に低いわけでございます。そういう意味で、根本的には道路の改善といいますか、むしろ増設という面、これがやはり大問題として私はあると思います。そのほかに、道路を作る場合の安全施設の充実、また、既設道路についての安全なやり方というようなことについても、われわれの立場からいたしましても非常に痛感をいたしておるところでございまして、政府も一昨年あたりから非常に熱を入れて、総合的な計画を立てるように努力をしておられるわけでございますが、今後ともこの問題については継続的に力を注いで、できるだけこれを推進するように努力して参りたいと考えております。
#9
○鈴木壽君 先ほど局長がお述べになりました運転免許の問題、これについてどういうふうに今お考えになっておられるのですか、問題があるというふうにお述べになりましたけれども。
#10
○政府委員(冨永誠美君) やはり運転免許の、たとえば種類の問題なり、あるいは試験のやり方の問題なり、あるいは試験におきまして、運転者に向くかどうかといった意味の適性、それに道徳的な適性もございますが、そういったものがどの程度反映することができるか。あるいはまた、一般に自動車教習所という毛のがございますが、こういったものの指導の面におきまして、そういった技術の問題と同時に、技術以前の人間的な問題、こういったものをどういうふうに取り入れるかというふうな問題、そういったいろいろな問題がございます。免許自体につきましても、非常に広範囲にわたるものですから、そういった点をじっくり今検討を進めておりますが、さらにこの一年、少なくとも一年をかけまして、この問題に前向きに取り組んでいきたいというふうに考えております。
#11
○鈴木壽君 私、いま一つ免許の問題、免許をとってからの問題、特に運転者の教育ということを何か考えないと、一般の人々に交通道徳を守るとか、そういう意味での広い教育はもちろんでありますが、運転者の教育ということについて何か考えていかないと、いけないと思うのです。たとえば免許を与える際に、ただ知識の上で交通の規則を知っているとか、間違わない三書いたとか、あるいは一応の運転ができる、こういうことで今やるしかないわけです。しかし、事故の起こるいろいろの原因はありますけれども、やはり一つは、運転者の心がまえと申しますか、それができていない。たとえばスピードの問題にしても、やはりだれもいなくてちょっとしたいい道であると飛ばす、警官の方が立っておればゆるめるのだけれども、いないのを見すますと、またすぐスピードを出していく。あるいはいろいろな交通の信号なり標識なりの問題に対するそれを見ましても、人がおれば、あるいは警官がおればちゃんとそれを守ったり何かするけれども、おらないと、そういうものを無視したり何かいろいろなこをとやる。例をあげればたくさん私はあると思います。また、たとえば追い越しをしてはいけないとか、割り込んではいけないとか、いろいろあるわけなんですけれども、自分たちが実際都内でタクシーに乗ってみて、それこそ、はらはらするような突っ込み方をして、少しでも、一瞬でも先へ行こう、こういう気持でやっているとしか思えない。そういうむちゃなことをやっているわけなんです。これは商売をして、何かきめられたキロ数を走らなければならぬとか、稼ぎ高がどうとかいうふうなことにもよほど関係するようでございますけれども、しかし、いずれにしましても、私は運転者の心がまえと申しますか、そういう安全運転に対するそれの欠けている者が、ずいぶんあるのじゃないか。これが、私はいろいろ形に現われたものの件数は出ておりますけれども、車による事故の発生の大部分を占めるものだと思うのです。こういうことに対してどうすべきであるのか。私も、実は免許証を取り上げても簡単に片づく問題でもない、罰則をつけ加えてありますが、罰してもなかなか簡単な問題ではないと私は思うのです。教育という問題を考えてみた場合に、運転者の教育を何か考えないと、いつまでたってもこういう事故の発生は防げない、こういうふうに思われるのですが、この点についていかがでございましょうか。
#12
○政府委員(冨永誠美君) 自動車は文明の利器でございますが、一面これを翻せば兇器になっておるわけでございます。しかも交通事故のほとんど八、九割というものが自動車に関係があるという状況でございますから、自動車を扱う人の注意といいますか、それによって事故が左右されるということは申すまでもないことでございます。それで、やはり一つの社会生活でございますから、他人に迷惑を与えないということが一等大切であるわけでございます。特に交通の場合におきましては、他人に迷惑を与えるばかりでなしに、それがすぐ危険に直結するというところに、交通のおそろしさといいますか、責任の重さというものが加わるわけでございます。それで、運転者の運転につきましては、何と申しましても、そういった他人に対しての思いやりといいますか、したがって譲り合う、自分にかりに優先権があっても、権利をいつまでも主張するというのでなしに、やはり他人に譲るということで、車の流れもスムーズにいきますし、事故ということも防げるわけでございます。そういった意味のやはり教育問題というものが、どうしても残るわけでございます。
 それと、もう一つは、これはお互いの国民性かもわかりませんが、少しせっかち性がある、先を急ぎ過ぎるといいますか、とにもかくにも何だかあわただしい。じっとしていれば人生に乗りおくれるといいますか、そういった焦燥感というものがやはり運転者の中にもありますし、それからこれは歩行者にも実はあるわけでございます。ですから、運転者の場合におきましては、少しでも先に行こうとするこの気持、それから歩行者におきましても、たとえば交差点がございまして、そこに信号機がある、信号が青信号の終わりにかかっているのに道に出る、そうしますと途中で信号が変わりますから、かけ足になる。もちろん信号に対する知識が大事でございますが、同時に信号の意味がおわかりになっておっても、それが何といいますか、実践になると、そういう行動になるのでございます。私どもとしましては、そういった場合におきましては、もう一つ信号を待っていただいて、青が黄に変わり、黄が赤に変わって、その次に出る青信号の最初で渡ってもらえば、これは確実に、かけ足をしなくても渡れるわけでございますが、それがどうも少しでも先へという気持が運転者にもありますし、歩行者にも実はあるのではなかろうかというふうなことが、これがまた交通問題を非常にむずかしくしている一つのファクターでもあるというふうな気がいたすわけでございます。そのほか日本のドライバーの特色としましては、とにかくハンドルに頼りがちである。ものを避けようとするのに、ハンドルで避けようとする傾向がございます。やはり障害物があるなり、そういった場合におきましては、ハンドルでかわすということよりも、ブレーキで静かに待つという、このブレーキを使うという点が、とかく日本のドライバーには少し欠陥があるのではなかろうか。車の間をハンドルで抜けるのが、うまい運転だというふうな考えを、やはりこれはお互いにやめていかなければならないということを、私どもは見ておって痛感するわけでございます。したがって、これをどういうふうに持っていくかということは、一つは先ほど申し上げました国民性の問題もございますし、ことに、社会生活におけるあり方の問題もございますので、これは小さいときからの学校教育の問題もあると思います。私どもとしましては、学校におきましても交通のルールを身近につけてもらいたいということをお願いして、またそれの対策も考究いたしておるわけでございますが、同時にまた、運転者につきましては、一人前の運転者になるための教育と、それから同時に、運転免許をとって運転しておる人に対する、その後の教育というものを、どういうふうに持っていくかという点もあるのではなかろうかと思うわけでございます。したがって、こういった運転者に対する講習制度の確立、講習施設の整備、こういったものを考えていかなければならないんじゃなかろうかというふうに痛感いたしております。ですから、たとえば講習にしましても、ただ口でものを教えるというのではなくて、実際に機械とか器具を整備いたしまして、それが本人の特性といいますか、どういう傾向があるという性癖と申しますか、それがわかるような施設を考究していって、とにかくそういった意味の教育設備というものを、もっと充実していかなければならないというふうに、私どもは痛感いたしておるわけでございます。
#13
○小林武治君 関連。自動準教習所ではただ運転の技術だけで、運転の道徳というものは全然やっていないのですか。
#14
○政府委員(冨永誠美君) そういう御批判を相当受けておりますことは事実でございます。現在の状況はまず法令を教えること、それからあとは自動車の構造、それから実際の技術の運転ということをやっております。道徳教育はやっていないじゃないかということでございますので、今教習所のほうの連合会がございますので、とにかく道徳教育をやるべきだということで、いろいろな法令の時間の中に、そういった法令以前の問題を含めてやっているわけでございます。
 それから県によりましては、そういった道徳教育を、特別にこういう時間を設けよということにいたしているところもございますが、全般的に申しますと、法令の教程の中にそういった道徳教育を入れるように指導いたしておるわけでございます。
#15
○小林武治君 私は、だいぶ前の経験ですが、外国ではもうモータープール等も発達しておるから、機械の構造なんというものはあまり教えない、それから今のルールなんというものもあまりやかましく言わないので、それで大体運転技術が上手になれば免許する。日本の運転免許は非常に簡単なんですが、非常に変な――規則とか、あるいは機械の構造とか、そんなことに非常に重点を置き過ぎておるんじゃないか。日本は、運転技術よりもそういうことに重点を置いておる。今に自動車が発達すればもう運転者は機械の構造なんかあまり知らないでも、いためば、もうどこにもプールがある、モータープールでなおしてくれる、それからサービスをしてくれる。――そういうことで変なところへ力を注いで、それで一番大事な運転技術がむしろおろそかになっておる。こういうふうな気がするのです。私どもの経験では、外国では――私は特にフランスですが、運転技術がよければもうそんなに機械の構造とか、それからいろいろなしちめんどうくさい規則というものの試験はあまりやらないで免許しておったようで、今でもそうだと思いますが、たとえば外交官などは、外国に行けば皆試験を受けないで、運転の試験だけでみんな免許をもらっておる。そういうところが何か日本では、まだ十分自動車が発達していない時代の免許の方法をとっておるんじゃないか、こういう気がするのですが、その点どうですか。
#16
○政府委員(冨永誠美君) 確かに御指摘のとおりでございまして、今までの試験におきましても、交通のルール、それから自動車の構造、こういったものに力が入っておったと思うのでございます。ところが最近は、自動車そのものが操作が非常に簡単になりつつあります。たとえばノークラッチの自動車が出てきているとかいうことで、機械のほうがだんだん簡単になってきております。それに反しまして実際の道路の面の交通事情というものはますます複雑になってきておりますので、むしろ重点は、やはり実際の道路におきましてたくさん自動車の来る中で、どういうふうに持っていくか、どういう運転をするかということに、どうしても力点を変えていかなければならないということを、私どもも痛感いたしておるわけでございます。したがって実際に運転する場合におきましても、たとえば箱庭みたいな、あるグランドだけじゃなしに、実際の道路におきまして本人が、相手が出て来た場合にどういう動作をするかという反応なり、こういったものを主としてやっていくという方向に移らなければならないということは、私どもも感じているわけでございます。
#17
○小林武治君 感じているなら、私はもう日本のやり方は非常に古いというふうに思うのですよ。それでとにかく運転技術さえうまければいい、そういうふうな方向に、実際問題として変えたらどうかと思うのですが、教習所なりあなた方の試験なりで、どうも日本で落ちるのは、運転技術よりしちめんどくさい学科試験で落ちる。学科試験というものは、交通法規はある程度必要ですが、ほかの車体構造試験とか、そんなものはあまり必要ないですが、あなた方がそういうふうな認識に立つなら、方法をかえて、とにかく運転技術に重点を置くというようになさったらどうか。
 それから長い間、外国では、今の私の言ったような方法をとって、今でも同じだろうと思いますが、交通事故の問題の統計ですね、自動車は、昔のは標準になりませんが、非常に今は日本の自動車もふえて、たとえば外国のある国に匹敵するくらいの自動車の量になってきておりますが、そういう事故の統計なども比べたことはありますか。たとえば人間の何人当たり一台とか、そういう日本の国のようなところがあろうと思いますが、そういうところと比べてみて、どうも私は日本のほうが事故が多いじゃないか、大きな事故は外国にもやはりときどきありますが、どうも私はひき逃げということはあまり聞きませんがね、向こうでは。そういうところは国民性の問題か、どういう問題かわかりませんが、そういう統計等もあったらひとつ教えてほしいですね。まあ最初に。教習所の問題をどうするか。
#18
○政府委員(冨永誠美君) 教習所のあり方、あるいは試験のあり方につきましては、私どもも痛感いたしておりますので、そういうふうに路上の運転、道路上でいかに運転するか。それからほかの車との関係で、いかに秩序を正しく保ち、またほかの車に対して譲り合う気持というものを出すか。そういうことに力を入れる方向で今検討いたしておるわけでございます。それで運転免許自体につきましては、いろいろ根本問題もございますが、やることはできるだけ早くやる方向で、今進めているわけでございます。
 それから交通の事故につきましては、残念ながら死亡者だけをとりましても、昨年は日本では、一昨年及びその前年に比べまして死亡者が減ったわけでございますが、依然として絶対数におきましても、アメリカの三万六千名、それから西ドイツの一万四千名に次いで一万一千名でございますから、世界の三位でございます。それから特に人口比率、それから車の台数等と比較いたしましても、残念ながら日本が非常に高い数字を出しております。正確な数字も持っておりますが、ちょっと調べまして、またあとで御報告申し上げたいと思います。
#19
○小林武治君 私は、道路の事情もありますが、免許が割合に外国のほうが簡単にとれて、そうして事故は割合に少ないということは、これは考えなければならない問題だと思うのです。ですから、今とにかく多くの人が教習所から出てきて試験を受けている。私は、教習所の教育に相当改良すべき点があると思うし、それから先ほど申したように、交通道徳みたいなことを、ある程度ひとつ教習所の段階においてやる必要があると思うのです。前にも教習所のことでいろいろ問題になりましたが、教習所のことはよほどひとつ改善をしてもらわなければならない。しかも、これだけ自動車がふえてきておるし、ぜひひとつ具体的な方法をきめて実行に移ってもらいたいと、こういうことをひとつ希望しておきます。
#20
○政府委員(冨永誠美君) よく御意見わかりました。それから、各国の交通事故による死者率は、自動車一万台当たりで一九六〇年をとってみますと、アメリカが五人でございます。イギリスが八・五人、フランスが五・九人、西ドイツが一九・九人、イタリアが十三・三人、日本が残念ながら二十八人という非常に高い数字を占めておるわけでございます。ですから、私どもとしましても、これを何とかしなければならないということを考えておりますし、特に教習所の指導につきましては、力を用いていきたいと思うのでございます。ただ、教習所に対しましては、私どもも運転する場合におきましても、基礎というものができておるかどうかということで非常に違いますので、こういった意味の、ほんとうの意味の教育機関ということに持っていきたいということを念願いたしているわけでございます。
#21
○小林武治君 もう一つ余分なことですが、これは今のあなた方の交通局の職員は――局長さんや課長さんは運転ができますか。
#22
○政府委員(冨永誠美君) 私はやります。それから課長もやる人が多い。で、大体警察官は、もちろん運転感覚といいますか、この運転を知っておらなければ実際街頭に出ましても、車のさばきが実際非常にむずかしいでしょうし、また指導、取り締まりに当たる場合におきましてもむずかしいと思いますので、現在としましては、警察官自体が実際運転できるというふうな教育をやるように、今努力をいたしているわけでございます。
#23
○小林武治君 ただいまのことはけっこうですが、私はやってみればわかるので、したがって、交通関係の人なんかは、警察庁の幹部、みんなひとつ運転して、ドライブするくらいでなければ、私は交通担当の資格はないと考えておるので、そういう向きにひとつ進んでもらいたいと思います。
#24
○林虎雄君 今の小林委員の質問に関連してひとつだけお聞きしたいと思います。昭和三十五年の三月三十日の参議院地方行政委員会で、道路交通法案に対する附帯決議なるものができておりますが、このうちの最後のところに、今お話にありました「自動車教習所の指定基準を確立強化して運転免許の適正を期すること。」この点が今御意見のあったところだと思います。そこで私は、運転免許についての基準でございますが、各府県の公安委員会がまちまちではないか。あまりにも相違がありはしないかという点を最近痛感しているわけであります。私、長野県ですけれども、長野県は免許が非常にむずかしいというので、免許を受けるのに、県の名は申しませんが、他府県に行って、そうして免許を受けると簡単に受かる。そういうことが運転者の質の問題にもからんでくる。その試験の内容が、法令であるとか、車の構造であるとか、運転技術であるとかいうどこに重点を置いているかしりませんが、総じて長野県は非常にむずかしい。免許が困難だというふうに言われております。統計を別に調べておりませんのでわかりませんが、長野県の運転者の事故が他の府県の事故に比べて少ないではないかとすら思えるわけでありますが、この各府県の公安委員会に対しまして、警察庁が指示しているところの免許基準というものは、かなりはっきりしているのでありますかどうか。その点をお聞きいたしたいと思います。
#25
○政府委員(冨永誠美君) 現在は、運転免許は、御承知のとおりに、各府県の公安委員会が試験し、また付与いたしているわけでございます。しかし、運転免許の効力は全国に及びますので、今お話のようなことがあってはならんというわけで、私どもは、各府県の試験のあり方につきまして、斉一化、適正化を確保するように努力いたしておるわけでございます。それで自分の県がむずかしくて、ほかの府県がというようなことは、いろいろ各府県からもそういう声もございますので、そういうことのないように、斉一なやり方をするように指導いたしたい、今後も努力いたしたいと思っております。
#26
○林虎雄君 今後、できるだけ各府県が統一された一定の方向で免許すれば、質も比較的平均すると思いますけれども、そんなことないかどうかしりませんが、私は今の長野県がむずかしいのだということは、もう再三、再四聞いているんです。それで他の府県へ行ったらすぐに受かってしまったという例が枚挙にいとまがない――それほどかどうかしらないが、それくらいあるんですね。ですから長野県がむずかし過ぎるか、あるいは他の府県がゆる過ぎるかしりませんけれども、これはできるだけ統一――あまり差のないように指導していくことが必要じゃないかと思いますので、参考までに申し上げておきます。
#27
○鈴木壽君 教習所のあり方等についても今お話がありましたが、私はさっき申し上げたところから、教習所でのいろいろな教育の仕方、そういうものを通じ、あるいは教習所でだけ免許証をとるわけでもないでしょうし、比率はどういうふうになっているかしりませんけれども、助手をやっておったとか、何とかいうことで、教習所のそれを経ないで免許をとる者も相当あるようでございますから、教習所だけの問題ではこれはできないわけでありますけれども、ともかくやる場合に、安全運転ということについての運転者に対する心がまえとして、私は一言にして、とにかく運転者は無理をするな、これを私はたたき込まなければならんと思うのです。すべての事故とか何とか、これはもちろん不注意とか、あるいは突発的な本人の責任でないものもありますけれども、多くは無理をするからだと私は思います。いろいろさっきも言ったように、事故の原因はいろいろありますが、それはどっちかというと無理から生ずる、そういうことなんです。無理をするな、少なくとも、この点だけでもたたき込む。それからもっと色をつけて申し上げますと、人に譲る気を持たなければならぬ、これは無理をするなということの一つの内容に私はなると思うのであります。さっきも言ったように、われ勝ちに早く出ようとし、早く曲がろうとし、もういかなる手段でも、とにかく自分が先に行かなければならんというようなところから、相手との、たとえば、もの交換の場合でも、とにかく十センチでも二十センチでも自分が先に出て、相手をかわさせて出ていこうという、これは運転者の何といいますか、一般的な共通したそれじゃないかなと思います。私は極端な言い方でございますけれども、そういうものの内容を――無理をするなという、この教育を教習所なり運転者の再教育なり――さっき講習会とか何とか、そういうものも考えておるし、現にやっておるところもあるというんですが、そういうところで私は技術以上の問題として、そういうことを私は第一にやらないと、これはいつまでたっても事故の起こる率というものは減らないと思うのです。今すぐ道路の改良とか何とかといっても、なかなかこれは日本ではたいへんな問題ですし、こういういろいろ窮屈な状況の中で、事故の発生をこれ以上にしない。あるいは減らしていくということになりますと、私は、今言ったように第一には運転者の心がまえとして、今言ったようなことをやってもらわないというと、できないんじゃないかというふうに思うのです。これは私は技術以上の問題だと思いますね、いかがです、そういう点。
#28
○政府委員(冨永誠美君) やはり私も同感でございまして、第一に無理と、それから過信といいますか油断、これもまた無理になると思いますが、ほとんど事故の大部分はそういったものにあるというふうに考えております。
 それで話は別でございますが、太平洋を渡りました堀江青年のいろいろ話しておる中に、あれだけの冒険をやりながら安全にいったということは、自分の能力といいますか、ベースを常にワン・ポイント落してセイリングしたということを言っております。やはりたとえば長距離のドライブをする場合におきましても、それがいえるんじゃないか。自分の能力を常にワン・ポイント落としていくということが大事であるというふうに私どもも感じておるわけでございます。
 それから、自分だけが先に行けばいいということでなく、他人に譲り合うということも、交通の流れをスムーズにするだけではなくて、事故を防ぐ意味におきましても大切であると思いますので、今後こういったいわゆる道徳面といったことに力を注いでいく決心でございます。
#29
○鈴木壽君 免許の問題にからんで、ひとつこの機会にお聞きして参りたいと思いますが、数日前の新聞に道路交通条約の加盟についていろいろ検討しておるということが出ておりましたが、これについてちょっとお話し願いたいと思うのです。
#30
○政府委員(冨永誠美君) 国際運転免許の問題と存じますが、これは一つ条約があるわけでございます。もしその条約に加盟いたしますると、日本で取った運転免許で、たとえば一年なら一年間は、条約に入った国におきましてはそれが有効である。それで運転できる。逆によその国の運転免許も日本で使えるということになるわけでございます。国際間の往復が非常に激しくなりますると、これはどうしてもそうしなければお互いに不便だと思うわけでございますので、私どもは加盟いたしたいと思いますが、何しろ日本はまだそういった条約に入っておりませんので、目下外務省にとにかく条約に入るようにということを要望いたしておるわけでございます。残念ながら今度の国会にはちょっと間に合いかねますが、この次はどうしても、オリンピックも間近に控えておりますので、何とか条約に入り、同時に国内法も若干整備をしなければなりませんので、その準備はほとんど私のほうはできておるわけでございます。一に、条約に入るか入らないか……。この手続を促進いたしたいと思っておるのでございます。
#31
○鈴木壽君 オリンピックも控えておりますし、またオリンピックだけに限らず、外人が日本に来る、あるいは日本人が外国へ行って車の運転をするというような機会が、ますますこれからふえてくるだろうと思うのですから、そういう意味で私は、これはやっぱりこういう条約に入って、そしていわば共通のそういうようなことでやっていくことが非常にいいと思うのですが、時期的には今度の国会には間に合わぬ。オリンピックは来年ですから、来年の国会というようなことになりますか。来年というか、次の通常国会あたりを目途に準備を進められておる、こういうふうにお聞きしたのでありますけれども、それでよろしゅうございますか。
#32
○政府委員(冨永誠美君) そのとおりでございます。
#33
○鈴木壽君 警察庁では、ことしの四月から道路標識というようなものを国連方式によって改めていくという、こういう準備を今やっておるのだと、こういうこともちょっと新聞にありますが、そういう点も、もうすでに条約の加盟を控えて、その準備として新しい年度から進めていくと、こういうふうに考えておられるのですか。
#34
○政府委員(冨永誠美君) だんだん自動車がスピードが出ておりますので、そういったスピードが出ておる場合におきましても、標識が遠くからはっきりわかるというものに、何とか変えていかなければならないというわけで、標識の改正を準備いたしておるわけでございます。今までの道路標識は、最近では昭和十七年に一度改正になっておりますが、昭和二十三年に大体現行のような標識になってきて今日まできておるわけでございますが、とにかく図柄は国連方式に今でも近いのでありますが、それに英文と日本文と入っておりますので、なかなかむずかしい、遠くからわかりにくいという点がございますので、できるだけわかりやすいように改正を進めております。できましたら四月といわず三月でもやりたいというふうなことで準備を進めておる状況でございます。
#35
○鈴木壽君 警察庁は、今度取り締まりの重点を、追い越し違反、信号無視、歩行者優先のそれに対する違反と、こういう三つのものにしぼって努力していくと、こういうようなことも伝えられておりますが、事故の原因の統計を見ますと、追い越し不注意の事故の件数は自動車だけに限って申し上げますが、やはり非常に多いですね。それから歩行者優先のそれに対する違反というものは、あまり件数はないようでありますが、一番多いのは徐行違反ということになっていますね。もちろん歩行者の優先というものはいつでもこれは守られなければなりませんし、これはきわめて重大なことだと思いますが、今言ったように交通事故の原因の統計からしますと、意外に徐行の違反なりその他で相当件数の多いものがあるわけなんですが、ここにこう三つのそれにしぼって、しぼった以外にはやらぬということじゃもちろんないでしょうけれども、これについて事故の発生状況等からして、どういうふうにお考えになって、こういうことになったのかお尋ねします。
#36
○政府委員(冨永誠美君) 交通取り締まりの重点は、その違反が直ちに事故に直結するという非常に危険なものに主力が注がれるわけであります。そのほかは他人に著しい迷惑を与えるような違反ということにしぼって取り締まっているわけでございます。これが大体基本でございます。しかし具体的に申し上げますれば、そのときの状況、大体の趨勢を見ながら、こういう問題もやる、こういう問題もやるということであるわけでございます。そういう意味から、たとえば非常に事故に直結すると申しますのは、一時停止または徐行というものが、これが守られないことによる事故がどうしてもこれは多いわけでございまして、実際問題としましても、スピードを落とし、ゆるめるところをゆるめないということによる事故というものが非常に多いわけであります。それからまた、追い越しは、これは一たん追い越しの場合に事故が起こったら非常に悲惨な事故が起こるわけであります。追い越しはそれほど慎重にやらなければならない。まず前から来る対向車があるかないか、後ろから来る車がないかどうか、それから確実に前の車を抜けるかどうか、それから確実に合図をいたさなければならない。これほど追い越しは慎重なる要素というものが加わるわけでございますが、それがただ追い越すということで、道路のセンター・ラインをオーバーして対向車とぶつかるというふうな事故が非常に多いわけでございますので、特に地方の道におきましては、追い越し違反を重視しまして、この取り締まりをやっていきたいと思っているわけでございます。
 それから、歩行者の問題につきましては、一時停止または徐行の中に相当含まれておるわけでございます。で、今度の改正も一時停止を非常に強調いたしたいと思っているわけでございます。
#37
○鈴木壽君 追い越しの問題ですが、これは非常に大きな事故の発生のもとになっているのでございますが、主要な国道等で私は一つの事故のそれを防ぐというような意味で、少しお気の毒のようなこともありますけれども、追い越しできる区間と、追い越しのできない区間というものをもう少しはっきり……、これは場所によってはありますよ、現在でも。もう少しやらないといけないのじゃないかと思うのです。どこでもさっき言ったように一歩でも二歩でも先に進みたいということで、これは時間的に言えば少しぐらい前の車を越して先へ着いたところで実はたいしたことがない場合に、とにかく追い越しをやるのです。それが今言ったように大きな事故の原因になったりしておるのでありますが、道路の状況にも私は問題があると思うのです。そこで、もう少し追い越しのできるところ、あるいは追い越しを禁止するところ、こういうところをもう少し規制をしていく必要があるのじゃないかと思います。まず、全国的に少なくとも主要な国道あるいは主要な地方道につきましては、そういうことが必要であるというふうに感じているものなんですが、その点どうでしょう。
#38
○政府委員(冨永誠美君) 現在のところは、追い越しをすればその場所が非常に危険であるというところは、追い越し禁止の規制をやっているわけであります。その他のところは結局追い越しができるわけでございますけれども、結局追い越しのできるところにおきましては、追い越しの方法を確実に励行してもらうということでいくほかちょっと手がないのじゃないかというふうに考えるわけでございますが、何か御名案があれば承りたいと思うのであります。
#39
○鈴木壽君 今追い越しのできない区間は標識が立っていますね。それは私承知しながら、それをもっと個所をふやして、なるほどそういう区間は追い越しできない、あるいは舗装されたところには黄色でずっとやって、これは追い越しはだめだ、これはわかる所もありますが――そういう個所をもっとふやしていく必要があるのじゃないか、はっきり言うとそうなんです。そこは追い越していいのだ、一々標識まで全部立てられるわけでもないのだから。そういう意味で、それを、ここら辺のりっぱな有料道路とか、あるいはどことかいうことになると、りっぱにできておりますけれども、そういうことを当然やらなければいけないような国道、東北の私どものいなかの国道に行きますと、国道というのは名ばかりで、まだまだ悪いところがたくさんあります。そういうカーブがたくさんあったり、あぶないようなところでも、そういう標識のないために、追い越し禁止ということの指定になっておらないために、そこで追い越しをやって事故を起こすというようなことがあるわけですから、そういう意味で、もっとこまかくやる必要があるのじゃないか、こういうことをお尋ねしたわけなんです。
#40
○政府委員(冨永誠美君) 場所によりましては法律上当然追い越しちゃいかぬところがあるわけでございます。そのほか、追い越しが非常に危険と思われるところは公安委員会で追い越し禁止の規制をかけておるわけでございますが、そういった規制がまだ十分でない、もっと追い越しを禁止すべき場所が規制されておらないという点につきましては、今後さらに規制いたす方向で進めていきたいと思います。
#41
○鈴木壽君 わかりましたが、私申し上げることは、今言ったように、国道であって相当車のひんぱんに通るところである、しかし道路の幅員もそんなにあるわけじゃない、七メートルそこらくらいもしかも全部が車の通行可能なようなところでもない、こういう状況にある。カーブがある。こういうようなところでも、それがないために追い越す。そうすると、カーブで追い越しをやって向こうから来たものと、あるいはまた、こちらのほうから追い越そうとする場合に、追い越されまいとするような人も出てくるものですから、そこで事故が起こったという事例があるわけなんです。ですから、そういうものをもっと各地方の公安委員会等でこまかくやらなければいけないのじゃないか、そういうことを、またあなたのほうで指導すべきじゃないか、こういう意味でお尋ねをしたわけなんです。
#42
○西郷吉之助君 私もむしろ長官に伺いたいのですが、この改正法の十四条の改正点がありますね。「政令で定める程度の身体の障害のある者」、目の見えない人並びに耳の聞えない者のほかに、新たにこれを加えるのですが、その政令の内容というものはどういうあれですか。
#43
○政府委員(柏村信雄君) 「政令で定める程度の身体の障害のある者」という者につきましては、現在考えておりますのは、次に申し上げますような障害がございまして、歩行が著しく困難な者についてこれを指定していこうと考えておるわけでございます。それは頸部、胸部、腹部または腰部の麻簿その他の障害による体幹の機能障害、下肢の欠損、短縮または股関節、膝関節、足関節の麻痺、硬直その他の障害による下肢の機能障害、平衡機能の障害、さらに非常に年令が高くて、老人で歩行の困難な者というような者も、入れてはどうかというふうに目下鋭意研究しておるところでございます。
#44
○西郷吉之助君 今度はさらにそういう者を加えたということは、私はもう非常に身体障害者の保護になってけっこうなことと思うのですが、今長官の言われた内容は、なかなか表面人の目でわかるのと、わからないのとありますね。麻痺したりなんかしている――、ですから、こういうように改正した場合には、交通警察官にこういう点を徹底しないと、条文はできても空証文になるので、その点はひとつ、交通警察官は今度ふやしたんですが、事故が減らないんですから、さらに交通警察官の教育というものを非常に長官としても重点を置いていただきたいということを要望いたします。
 さらに、伺いたい点は、今鈴木委員等も御質問になって、事故がなかなか減らない。それは道路が狭いし、交通量がふえるということが最大の原因だと思うのでありますが、しかし、外国の例に比べて、日本の交通事故はひき逃げとか、最もはなはだしいのは重傷を与えて、それをさらに二度も故意にひいて命を奪うというような事件もある。はなはだこれは憂慮にたえないんですが、どうも罰則等を見ると、三カ月以下の懲役あるいは三万円以下の罰金というようなものがあるんです。どうもそういう賠償金が割合に、示談等で少しで済むから減らないんじゃないかと思う点があるんです。たとえばアメリカ等においては自動車数は多いが、しかし日本と比較して道路がいいんですけれども、歩行者が交通違反をしても、運転者は相手の人間に傷をつけないということに細心の注意を払って運転しているんですね。それで、この前、向こうに行きましたとき聞いてみたところが、もし道路で事故を起こすと、その賠償金が非常に大きいので、サラリーマンなんか、大きい賠償金のために一生うだつがあがらない、そういうことがあるので、自動車の運転者は人を傷つけないということに最重点を置いて運転している。それであれだけの自動車があっても、日本に比べれば事故は日本ほど多くはない。賠償金が非常に大きい、そのことを非常に強調して向こうで私は聞かされたんですが、そういう点日本では故意に二度もひいたりするものもあるわけなんです。警察庁長官に伺いたいのは、事故の場合、自動車同士の場合じゃなく、自動車が人を傷つけた場合、それは小さい事故ならば双方とも示談なんかでやるんですが、警察として、こういう事故の場合にはどの程度とか、そういうふうな賠償金なんかの含みはあるんですか。すべてそういうことは裁判その他にまかせ切りなんですか。その点を伺いたい。
#45
○政府委員(柏村信雄君) 例の自動車損害賠償保障法と申しますか、そういうもので一定の基準はあるわけでございますが、人身事故等によるいわゆる加害者と被害者との間の民事賠償につきましては、これは示談以外は裁判によってやるということで、警察として、その基準を現在定めるというようなことはいたしておらないわけでございます。
#46
○西郷吉之助君 今度の改正に罰則の改正は加わっていませんが、御承知のとおり、暴力犯を防止するために罰則強化の法案改正をやる、それも暴力団の横行の現状から罰則を強化する以外ない、非常にいろいろな大きな原因で罰則を強化するわけですが、警察庁の長官として、こういうふうな現状でずいぶん努力しておられることは、われわれもわかりますよ。交通警察官も今後ふやすんですが、罰則等についても、これでは事故の件数からいって、また悪質な運転、ひき逃げなんかがちっとも減らない、むしろ今後ふえそうな形勢に思われる。しかも残念なことは、東京都のあれを見ても無免許運転というのが非常に多いのです。そういう現状から交通行政として罰則などをもう少し強化する必要を感じておられないのかどうか、こういう点を伺いたい。
#47
○政府委員(柏村信雄君) 道路交通法に規定いたしております罰則につきましては、三十五年の改正の際に相当実情に合うように改めたわけでございますので、道交法違反についての罰則を現在直ちに強化するという考えは持っておりません。ただ、先ほどお話のようなひき逃げ等につきましては、警察、検察におきましてももちろんでありますが、裁判におきましても、従来過失致死とか、過失傷害というようなもので扱われておったものを、むしろ殺人罪としてこれを問疑するというような事例も出てきておるわけでございまして、実際の警察、検察のいわゆる態度、また裁判の態度という点から、悪質者についての厳罰主義というものが今後相当に実施されていくことになるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
#48
○西郷吉之助君 第十四条は題目にも、「(目が見えない者、幼児等の保護)」と書いてあるが、今は警察官以外の一般の人なんかが横断歩道なんかに児童を保護するために旗なんかを持って出ておる。所によっては学校の先生、生徒まで出てやっておるが、ときどき旗を出してとめるしるしをしているのに、児童の中に割り込んで児童に重傷を与えるという件数が依然として絶えない。ああいう現状を見ると、どうもこの程度のことではいかぬのじゃないか、もっと児童の保護なんという点には日本の現状からいえば、もう少しきつい規制を加える必要があるのじゃないかと思うのですが、そういう点をどういうふうにお考えになっておるか、それをお伺いしたい。
#49
○政府委員(柏村信雄君) 現在の法規上の問題としては、特にその点は今回は横断歩道についての車の規制というものについて、従来、停止または徐行というようなことに、どちらでもいいようにしてかなり運転者の自由にしておったものを、一時停止義務を設けるというようなことによって横断歩道における歩行者の保護ということには、さらに力を注いだわけでございますが、結局そうした法の規制のほかに、先ほど来お話に出ておりますように運転者の交通道徳、また広く言えば宿徳、特に無理をしないというような点についての教養啓発ということが必要ではないかというふうに考えて、その点に今後も力を入れて参りたいというふうに考えておる次第でございます。
#50
○西郷吉之助君 さらに長官の御意貝を伺いたいことは、さっき林委員も言われましたが、三十五年の三月には、この決議の中に「運転免許の取消、停止等については慎重を期して処理すること。」ということな特にうたっておるんですが、この交通事故を防ぐためにいろいろしなければなりませんが、またやたらに軽率なはからいで運転免許を取り消したりされては、運転者も非常に――ことにそれを職業としている人には非常な迷惑がかかるんです。そういうわけで、ここに「慎重を期して処理する」ということ々うたってあるわけです。で、伺いたい点は道交法の第六節なんですが、免許の取り消し、停止等につき、聴聞という百四条の規定があるが、それには罰を受ける人間に対して聴聞会を開く場合には、理由等を明記して、そうして通知するということがあるが、こういうことを地方の公安委員会は法律どおりちゃんとやっているでしょうか。こういう規定があるにかかわらず、そういうことを私は質問しますのは、法律には、お前はどういう理由でどういう処置をするぞということをあらかじめ知らしておかなくてはいけないと書いてあるが、そういうことをはっきり守ってやっているでしょうか。どうも守っていない公安委員会もありゃせぬかというふうに思うが、そういう点はどうです。
#51
○政府委員(柏村信雄君) 全国的に私も実情をつまびらかにいたしませんが、公安委員会としては法律に基づいて適正に運用していることと考えておりますが、あるいは不徹底なところも絶無とは申されないわけでございまして、今後そういう点については十分注意して参りたいと思います。また行政処分等につきましても、先ほど運転免許のお話がございました際にも出たことでありますが、現在は各府県の公安委員会の判断で基準を定め、それに基づいて行政処分をしておるような状況でございますので、各府県かなりまちまちになっております。もちろんその府県の実情というものもございますので、必ずしもこれが統一されて行なわれなければならないとは考えませんが、全国的にやはり何らかの斉一を期し得るような指導を今後して参らなければならないんではないかというふうに思っておる次第でございます。
#52
○西郷吉之助君 長官の御苦心は私もよく十分承知しておりますが、やはり免許を持ってそれを職業としている運転者などは、十分に交通道徳を守らなければならぬが、それと同時に、そういう職業としている者の身分はやはり慎重に考えてやらなければいかぬと思うのですが、そういう事例があるので今御質問したんですが、特に公安委員の諸君はしろうと――ですから、地上で言うならば地方の県の本部長というものが、こういう点をよく認識していないと、不当に運転者が免許を取り消されたりして非常に気の毒なことになるので、私は実例から申しまして、今後長官のみならず交通局長としても不当に運転免許を取り上げたりなんかしないように、私は非常に愛情を持ってそういうものは取り扱っていただきたい、ということを特に要望するとともに、長官としてもそういう点について、所によっては不備な所もあると思いますから、徹底していただきたい、こういうことを強くお願いしておきます。
#53
○鈴木壽君 私も、今の西郷先生のお話にありました問題、最後の処分の問題、これはやっぱり所によって相当――相当以上きついというような所もあったり、ああいう事故に対してこれで済んだのかというようなこともあったりするやに聞くんですが、やっぱりこういうものはなかなかむずかしいのでありますけれども、所によって軽重に著しい差があったりすることのないような指導というものがなければならぬと思って、私もいろいろお聞きしたかったところなんです。
 もう一つ取り締まりの面ですが、これは具体的に申し上げますと、こういうことはどうかと思うんです。たとえば安全週間とか安全旬間とかをやっている際に、警官の方々が、見えない橋のたもとのどこかに隠れておってやりますね、あれはどうです、やめたらいいんじゃないか。それをつかまえるのは目的じゃないはずなんですね。たとえばスピードを出して来た。次のところへ行って何か待っておって、次のところへ行ってその車をつかまえて、お前スピード違反をやったと、こういうことで油をしぼられておる。これはスピード違反をやる運転手は悪い。悪いですけれども、かくれておって、どこにおるかわからぬというようなことで、それをあげることが、私は目的でないと思うのですから、堂々と立っているなら立っている、そこをスピード違反させなければいいことなんで、かくれておってつかまえて油をしぼることによって効果を期待することもわかりますが、しかし問題はそういうことでなくて、やはり運転者の、特に違反なんか少なくすることが目的なんだから、どうです、これは各地にありますよ、ですから私申し上げたように、スピード違反をやったことはいけないことだ、確かにいけないのですが、そういうものをただかくれておって、とっつかまえてあげていることだけが目的じゃないはずなんですから、道ばたに堂々と立っておってもいいでしょうし、あるいは場合によっては何人かが集まって、そこにたむろしておってもいいでしょうし、何かそういうようなやり方が私は望ましいと思うのですがね。これはまあ局長から全国的にそういうような事例がたくさんあるのですから、やはりあなた方の指導としては、そういうことを、これがあたりまえなんだというようなことでないやり方を、やはり考えないといけないんじゃないかと思うのですが、どうでしょう。
#54
○政府委員(冨永誠美君) まず、第一点の行政処分でございますが、これは私どもとしましても、行政処分はいわゆる制裁ではない、司法処分は罰金その他で制裁を加えているわけですが、行政処分はあくまでもその運転者の危険性を排除するという建前でいかなければならないということで、たとえば酒を飲んで運転するというのはどなたが見ても、これはやはりいかぬのだということですから、こういったものは危険性の排除という意味から非常にきびしくする。そうじゃないものはやはり危険性排除ということからいくべきであるというふうな考えで指導いたしております。しかしながら、今の現状におきましては、各県まちまちであるということ――これも今までそうでなかったと言い切れないものですから、現在は各府県の基準を全部取り寄せまして、お互いにどうすればよいのだという見地から検討し、会議もやって基準をできるだけ斉一にするように今努力いたしておるわけでございます。
 それから、取り締まりにおきましても、物陰におって急に出て取り締まるのはどうだという点でございますが、私どもとしましても、とにかく事故を防ぐ、違反を防ぐということでいくべきであるということから、おのずから取り締まりも運転者の納得が得られる方法でやるべきであるというふうな指導をいたしておるわけでございます。それで問題は、たとえば踏切りの一時停止という場合におきましても、せっかくおるならおまわりさんが現場に堂々とおったらどうかということで指導いたしておるわけでございますが、ただ今のスピードの点になりますと、実はスピードの取り締まりは、白バイあたりで機動力で取り締まる場合と、ある位置に固定しまして器械の測定によりまして、ある距離を走ってどうだという場合とあって、その場合には、やはりある所ではかったものが走っておるうちにそうなったという形になりますから、突然出てきたというような形におそらくとられると思うのですが、これも何とか私どものほうも、やり方を考えていきたいと思います。県によりましては、たとえばある街道は今取り締まり実施中だという看板を立ててやっているところもございます。結局違反がないのが一等望ましいわけでございますから、いろいろやり方につきましては、私どももできるだけ運転者の納得を得られるという方法でいきたいということで、今指導いたしておるわけでございます。今後とも十分この点は気をつけていきたいと思います。
#55
○鈴木壽君 二つ目の問題ですが、スピードのことを主として御答弁になったようですが、何といいますか、たとえばこの道路なら道路をスピードを出させなければいいことで、出したやつをつかまえることが目的ではないと私は思う。ですからスピードをはかることも大事ですけれども、はかる目的が、けしからぬやつはつかまえて油をしぼる、こういうことに利用されやすいんじゃないかと思う。今現にそういう事例が幾つもあるんじゃないかと私は思う。ちゃんと標識を立てて、ここは五十なら五十、六十なら六十、あるいは場合によっては三十しか走れないというようなところもあるが、そういうところでそれ以上の速度を出させないということが目的であって、出したやつをつかまえるのが目的ではないと私は思う。つかまえて油をしぼられたら、これからは気をつけるだろう、こういう一つの効果をねらってのことだと思いますけれども、そういう意味で何も好んでスピードをはかる必要はないと私は思う。そういう意味においては、出させないようにするにはどうするのか、問題はそこにあるんじゃないかと思うのです。ですから、これは一生懸命御苦労してはかったり、次の場所へ通報したりなんかしておりますが、むしろそれだけの人員があるならば、そこに立っておることによって、運転者はおまわりさんがおるということで、これは出せませんよ。これはねらうところもわかりますし、効果の点も私も全然否定するわけではないが、しかしそういうことが中心になるようなことではいかないじゃないか、こういうことなんであります。
 いろいろありますが、時間がないようでございますので、ひとつ今回の法改正の中心になっている高速自動車道路の、幸い図面もあるようでございますから、改正点といいますか、新たに法文に書かれた点、こういうことについてちょっと御説明していただきたいと思います、要綱について簡単でよろしゅうございますから、幸い図面もあるようですから。
#56
○政府委員(冨永誠美君) これは今度できます名神国道の大体の概要でございますが、まん中にこれは三メートルの中央分離帯がございます。それから片側が二車線でございまして、おのおのが三メートル六十になっております。それからこれが路肩といいますが、道路の傍に立っております、これが二メートル五十。それからこれはバスのストップ、長距離バスがここへ来て、ここへとまって行く、これが全線に約三十カ所ございます。予定されおります全線が百九十一キロでございます、全部完成すれば。それからこれはインターチェンジでございまして、結局こういうインターチェンジからしか出入りできないことになります。たとえていいますと、こっちに来た車がこっちへ行くのは、この通路に行って入って来ます。それから、これに行こうと思いますと、この下をくぐって、これからこの線をずっと入る。出る場合は、こう外へ出る、これが約十四カ所ございます。以上が名神国道の大体の概要でございますが、要綱に従って申し上げます。七十五条の四、第三から申し上げます。
#57
○鈴木壽君 これは速記はとりずらいですね。「これから」と言っても、どれの「これ」なのか、さっぱりあとから見たってわからない。速記をとめておいて、お話を聞くということでいいんじゃないでしょうか。
#58
○委員長(石谷憲男君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#59
○委員長(石谷憲男君) 速記を起こして。
#60
○鈴木壽君 中央の分離帯のあそこに切れ目がありますね、ところどころに。そういうところでも横断して反対側のほうへ出ることを禁止する、こういうことですね。
#61
○政府委員(冨永誠美君) そうでございます。いけません。あれは緊急の自動車が途中で帰らなければいかぬというときだけ使うことにして、一般の自動車はあれを通れないようにいたしております。
#62
○鈴木壽君 それから、いわゆるキープ・レフトの原則を守るということで二車線になっているけれども、そのうちの左側だけしか普通の場合は使わない、追い越しの場合は右側のほうに出てやる。これですが、これは一つの原則として、私もなるほどと思うが、ちょっと考えてみると、ここには最低速度の制限もある。もちろん最高だって野放しにというわけにいかぬでしょうから、ある線はたとえば百キロなら百キロ、百二十なら百二十という線は、一応のそういうものは出てくるだろうと思うのですが、最高の場合制限を作りますか、作りませんか。
#63
○政府委員(冨永誠美君) 道路の設計の上からは、道路は大体常時百キロ、場所によりまして百二十キロ、それからカーブあたりは八十キロというふうな道路設計になっておるわけでございますが、実際その道路を走る場合におきましては、これはまた別に車両の問題、それから運転技能の問題――水準でございますね、こういったものもやはり考えていかなければなりませんので、おそらくは最高速度というものは設けざるを得ないのじゃないか。国によりましてはスピードを野放しにしておるところもございますが、最近の傾向はやはり事故が非常に多いということで、たとえばドイツのアウトバーンあたりでも百キロとかあるいは八十キロとか、制限しつつある傾向がございます。特に日本の場合は初めての高速道路でございますので、一般の地方の道路を走っておるそのままの感覚で走ってもらうと、これは非常に危険もございますので、おそらくは最高速度を設けざるを得ないのじゃないかというふうに考えております。これはやり方としましては、一応基準を政令で書きまして、それ以下とかあるいは以上ということをもしやるとすれば、これは公安委員会でそういう部分だけをやろうと思っておりますが、設けざるを得ないというふうに考えるわけでございます。
#64
○鈴木壽君 そうしますと、二車線のうち左側の、ふだん通れというそこにも、やはり一応最高速度のそれがあるのじゃないかと思うのですがね。それから追い越しの場合に使う右側のほうは、これは無制限でやるのか。そこら辺はどうです。
#65
○政府委員(冨永誠美君) 最高速度をかける場合は、やはり全部にかかってきて、たとえば中央分離帯の近く、右側でございますが、これがフリーということはちょっと考えられない、全部にこれはかけなければなりません。
#66
○鈴木壽君 これも、私もはっきりわかりませんが、どちらがいいものか。最低の速度の制限がある。最高も、これは百になるか、それ以上というのはめったに考えられないと思うのですが、かりに百二十でもいい。いずれにしても最高のそれがある。それ以上に追い越しをするなんということになりますと、相当なスピードでないと追い越し不可能ということになってくるのじゃないかと思うのです。追い越しをするとすればすばらしいスピードでやらなければならん。それは前にある車の状況にもよりますけれども――ですから、そういう点から、かえってあぶないようなことも起こりはしないか。むしろ二車線になっているのですから、左側のやつは最高八十なら八十、右側のほうは百なら百、あるいは百二十でもいいですが、そういうふうな区分けをしたほうがいいのじゃないかというふうにも一応思う。というのは、横浜新道を通ってみて、あそこは三車線に分けて、そうして最高が八十、その次が六十でしたか、三段階に分けてやらしておりますね。それで急ぐ車は一番最高の、たしか八十だったと思いますが、八十の線に入っていって、それを通る。こうなっているのですが、そのほうがむしろ合理的でもあるし、中には、それでもなおかつ、先に進まなければならんというような車があるいはあるかもしれませんけれども、しかしセパレートされておりますから、一番最高の八十なら八十、百なら百という線は、それ以下にのろのろ走る車はないと思うし、それをさらに追い越さなければならんということも、ちょっとあまり例がないと思うのです。無制限に幾らでも飛ばして先の車を追い越していいというのであれば別ですけれども、普通、常識上、最高いって百か、瞬間あるいは百二十も出るかもしれませんけれども、そんなに出すべきでもないと思うのですね。まあいずれそういうことで、私なんかいろいろ考えて、確かに原則としてこういうことがいいなとは思いながら、一方また日常車利用者からしますと、あるいは事故のそういうものからしますと、かえって分けて、最低は五十なら五十とし、左側を八十なら八十、九十なら九十、まあそこら辺の幅はどうでもいいのですけれども、二段にしてやったほうがかえってよくはないかという気がするのですが、そこら辺いろいろ御検討なさったと思いますが……。
#67
○政府委員(冨永誠美君) このやり方につきましては、建設省とかいろいろなものが集まりました技術委員会で相当ハイウエーの交通面につきまして検討いたしたわけでございます。その中で当然今のようなスピードで分けたらどうだというような議論があったわけでございますが、最高速度はかりに百二十キロにいたしましても、その下でかなりまたスピードに差が出てくるようなことがあるわけでございます。そういった車が右側を走っておりますと、やはりこれを追い越そうとするときにどうにもならない。結局左側を使わざるを得ないということで、ここで少しこうなってしまうことがございますし、かりにスピードでやりますと、全体の効率がかえって両方にうまく均分がいきますかどうかという点もちょっと問題もございますので、そういった議論も検討いたしたのでございますが、最高速度以内におきましてもスピードの違いがありますから、やはりそういう場所を与えてあげるのがいいんじゃないかといったようなことでこういう原則をとったわけであります。
#68
○鈴木壽君 これは、私も自信のあるわけでもなければ、何もそう経験もあるわけでもないのですが、たださっき申し上げたような二車線なり三車線に分けてある、ああいうところを通ってみて、これも一つの方法だなとは思っておったものですから……。そうしますと、今の右側のやつはもう追い越し専門だ、かえって追い越し追い越しで、そっちのほうが込むようになるんじゃないかという心配も出てきますね。まあ、私一つの思いつきといいますか、こういうことで、これはやはり実際やってみて、いろいろまた検討してみなければならぬ問題だとも思いますが、その点ちょっと考えてみたところを伺いました。時間もありませんから、きょうはこれで終わりにします。
#69
○委員長(石谷憲男君) 本案についての本日の審査は、この程度にいたしたいと存じます。
 次会は、三月五日(火曜日)午前十時より、本案並びに昭和三十七年度分として交付すべき地方交付税の総額の特例に関する法律案の質疑を、午前午後にわたり行なう予定でございます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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