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1962/03/14 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第13号
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1962/03/14 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第13号

#1
第043回国会 地方行政委員会 第13号
昭和三十八年三月十四日(木曜日)
   午前十時三十四分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     石谷 憲男君
   理事
           小林 武治君
           西郷吉之助君
           林  虎雄君
           市川 房枝君
   委員
           北口 龍徳君
           沢田 一精君
           館  哲二君
           鈴木  壽君
           松本 賢一君
           鈴木 一弘君
  国務大臣
   自 治 大 臣 篠田 弘作君
  政府委員
   自治省行政局長 佐久間 彊君
   消防庁長官   藤井 貞夫君
   消防庁次長   川合  武君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
  説明員
   自治大臣官房参
   事官      松島 五郎君
   自治省行政局公
   務員課長    松浦  功君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○消防法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○消防組織法及び消防団員等公務災害
 補償責任共済基金法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出)
○理事の辞任及び補欠互選の件
○地方公務員共済組合法の長期給付に
 関する施行法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(石谷憲男君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 本日は、消防関係二案について審査を行ないました後、地方公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の一部改正案の質疑に入りたいと存じます。
 初めに、消防法の一部を改正する法律案並びに消防組織法及び消防団員等公務災害補償責任共済基金法の一部を改正する法律案、両案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行ないます。御質疑の方は御発言を願います。
#3
○鈴木一弘君 組織法に関連して長官に伺いたいんですけれども、放射能の同位元素の扱いということが非常に多くなっておりまして、現在東芝であるとか、いろいろ原子力の炉もできておりますし、各病院そのほかに、ストロンチウム90であるとか、とあるいはラジウムであるとかいうものがかなりあるわけです。あの原子力関係の法律を見ていきますというと、警察と消防が必ず出動しなきゃならぬというふうに規定がされておるように思うんですが、ここに法律を持ってきていないんですが、その場合、まず一つ伺いたいのは、消防が出動をしたところがいわゆる放射能同位元素がある、アイソトープがあるので、それを知らずに消火をしたところが、その保安といいますか、保管が不完全のために、思わぬ被災を受けないとも限らない。御承知だと思いますが、放射能をかけられても、熱くもなければ痛くない、かゆくないというわけでありまして、十万マイクロキュリー単位くらいになりますというと、二、三分でもって死ななきゃならぬというようなひどい曝射も受けますし、あるいは汚染もされるという危険もあるわけですけれども、そういうようないわゆる放射能物質のありかというのは、科学技術庁のほかではつかんでいるはずですが、消防のほうとしてもどの辺にどういうような危険なものがあるということはつかまれておられるんですか。
#4
○政府委員(藤井貞夫君) RI施設等が全国的にふえて参るに従いまして・これに対する対策というものが近時非常に重要性を帯びて参っておるのであります。この施設に火災等が起きました場合におきましては、特に慎重な防護手段を講じませんと大事を引き起こすということになりますので、私たちのほうといたしましても、万全の措置を講ずるように、いろいろ配慮をいたしておるところでございます。御質問の点でございますが、その点につきましては、私のほうへ科学技術庁のほうからそのつど通報を受ける仕組みに相なっておりまして、通報を受けますと、直ちにこれを県を通じて各市町村の消防機関に連絡をする。そういう措置を具体的に講じておる次第でございます。現在われわれのほうでつかんでおりますのは、RI施設等は全国に約九百六十カ所ばかりあるわけでございます。これらはすべて一覧表といたしまして、消防機関に通報をいたしておる次第でございます。
#5
○鈴木一弘君 非常によくつかんでおられるので、安心していられるのですけれども、今度はこの組織法の中に、危険物取り扱いのここに、主任の試験とか、こういうふうなものがあります。原子力のほうでも同じように取り扱いの試験などもあるわけでありますけれども、消防団員の、あるいは消防職員のそういうものに対しての訓練といいますか、指導といいますか、そういうのをこの教義訓練あるいはそのほかの中で十分やっていける、こういうように考えられるわけですね。
#6
○政府委員(藤井貞夫君) PI施設の火災対策につきましては、かなり前から各方面から研究を積んでおり、現実にも訓練等に取り入れる段階にまでだんだん進んできております。しかし、率直なところを申せば、まだこれが確定版だというところにまでは実は行っておらないのでございます。大まかな現象と、それに対する対策というものはむろんできておりまして、東京消防庁その他の大都市消防では相当これについて防護手段というものも、現実に備えた訓練をやっております。ただ、これをもう少し確定版にいたしまして、はっきりとした対策を打ち出し、また、消防機関としても、どういう装備をやって、いざという場合にはどういう消火上の注意をやって対応していくべきかということにつきましてはさらに確たる研究が必要であるというふうに考えておるのであります。実は科学技術庁との合作で、われわれのほうの消防研究所にも、RI火災研究施設というものを現在建設中でございます。大体完成の域に近づいておるわけでありますが、これを中心にしてひとつ対策の確定版を打ち出し、確定版ができますれば、防護対策、防護施設、防護指導というものにつきましても、さらに万全の措置を講じて参る所存でございます。ちなみに、現在消防大学におきましても、火災対策につきましては特に科目を設けまして、訓練をいたしておる次第でございます。
#7
○鈴木一弘君 今の、ラジオ・アイソトープ――RIの訓練をやっているということですけれども、今度はそうしますと、それの器具、機材ですね、いわゆるガイガー計数管あるいはフィルム・バッジというようなものを用意しておかないと、先日も横浜の病院では、知らないうちに廊下のほうに放射されておったということがありましたし、また、運搬中あるいは放射中というような標識がありますけれども、非常に、何と言うか、火災の標識とは違いまして、危険物の標識とは違って、一般人もわからない。まして専門に当たっておる方でも十分ではないんじゃないかという感じがいたすわけであります。そういう器具、機材について、今だいぶそろえておられるような話なんですけれども、その備え方は、そういうのに対応して出て行かなければならないような消防署あるいは消防団、あるいは特定のものに限って、そういう機材を、あるいは防護機材を備えつけさしているのかどうか。それと、今、もう一つ申し上げた、いわゆる危険、放射中の標式の徹底、こういうことは各消防署まで完全に徹底されておりますか。
#8
○政府委員(藤井貞夫君) 先刻も申しましたように、大まかなところは徹底いたしておるというふうに私たち確信を持っておるわけであります。ただ、自信のある対策、したがって、それを前提にいたしまする各種の防護機材の整備ということにつきましては、今のところ完全にこれは整備されておるとは言いがたい状況でございまして、大都市等については、かなり逐次まあ整備を見つつある段階でございますけれども、その他の消防機関については、なおそこまでは行っておらない。これらについてはすみやかに確定版を作って、これに基づく指導の徹底をすみやかに講じたい、こう考えておる次第でございます。
#9
○鈴木一弘君 それは、すみやかに徹底をできる限りやっていただきたい。特に放射能が入りましたときには、水も放射性を帯びますし、そうすると、たとえばラジウムの場合ですと、七千年近くたたなければ放射能の害がなくならないという状態でございますし、さらにもっと長い期間の必要なものもあるという。そういうような汚染の場合、立ち入り禁止等は警察のほうのことですけれども、今度はそれをはっきり発見してやる。団員が、あるいは消防職員が一生懸命消火に努めたところが、飛沫がからだに降り注いだ、何年かたって気がついたということでは間に合わないわけであります。そういうような事故のときには、すぐ自分の被服であるとか、あるいは機材に放射能が残っているか残っていないか、そういうようなこともどんどん発見されるように、これはたくさんは必要ないと思いますけれども、そういう機材までそろえていかなければならないではないか。そういう点についての考え方、そういうときの立ち入り禁止については、消防のほうとしてはどういうふうに警察のほうなんかと話し合っていきたいか、その辺の見解をどうぞ一つ。
#10
○政府委員(藤井貞夫君) RI施設等に対する対策といたしましては、まず探知器といわれるものは、これはどうしても絶対に必要であります。それとRI施設等の所在が明確であるところに事が起こったという場合には、これに立ち向かう消防機関というものは、どうしても防護服等の防護手段でもって身をまとって行かなければならないし、その他のものについては、そこへ近寄らないように立ち入り禁止区域の設定ということをやっていかなければならないことは、これは当然でございます。この点は消防法自体の運用でもできまするし、さらに、昨年から施行されました災害対策基本法によりましても、警戒区域なりあるいは立ち入り禁止区域というものの設定が可能なような法的の手段ができておるわけでございます。その点につきましては、たえず消防機関自身は具体的な消防計画、防護計画を立てまする際に、地元の警察当局と密接な連絡を保ちまして、どこまでは警察で、どこから先は消防機関というものの独自の権限であるというような点につきましては、はっきりした分担区域をきめて、協定の上で万遺憾なき措置を講じておるのでございます。
#11
○鈴木一弘君 先ほどの質問で私もちょっと聞きのがしたんですけれどもいわゆる原子力研究所の近所であるとか、あるいは東芝の研究所のそばであるとか、まあ比較にならないようなおそろしいほどの量を持っておるわけです。そういうところの消防署についての特段の配慮というものですね、そういうものを大都市はやっているようであると言うんですけれども、消防庁として確実にそういうところにはいわゆるラジオ・アイソトープについての訓練というもの、及び資材というものを備えるようにしなければいかぬ、こういうようなふうに行政指導といいますか、こういうようなことはなされていますか。
#12
○政府委員(藤井貞夫君) 先刻申し上げましたように、われわれは、ほんとうはこれでもって絶対安全だという決定版を打ち出して、これに基づいての指導というものは、今後の課題としてなお残されておると申し上げておるわけでございますが、しかし、大まかな点については、そういう危険個所の察知とか、またそこにおいて被害事故等が起きた場合の応急対策というようなこと、それの前提としての必要最小限慶の器具、機材の整備ということにつきましては、もとより数年前からこれを周知徹底をいたしまして、訓練等もやれということでもって強力に指導は行なっておるのでございます。
#13
○鈴木一弘君 火薬の爆発その他のほうはかなりこのごろ進んでおると思うんですけれども、どうしても、目に見えませんし、実際被害を受けても、目の前で気がつかないような放射能の害について、火薬と同じ程度にまで真剣になっていかないと、これから先原子力船もできますし、原子発電は当然のことでもありますし、ありとあらゆる面で、ガンの治療であるとか、あるいは雪の厚さまではかるとかいうところまで、ことごとく放射能が使われておる時代でありますから、そういう点についても、火薬の程度まで強力に、危険物として消防庁も、ただ科学技術庁まかせということでなしに、積極的に取り組んでいかないと、向こうはいわゆる自分のほうが危険でさえなければいいという考え方でもって、人命の尊重というところまでは行かないと思うし、これは消防のほうで積極的にやっていかなければならない仕事だと思う。その点について一そうの努力をお願いしたいと思います。まあそれは意見にしておきます。
 もう一つ、それに関連してお伺いしておきたいんですが、組織法の中に、そういうような放射能性物質の消火についての特別の研究あるいは指導を要するということで、そういう事項を一項目入れたらいいんじゃないかということも考えられるわけです、危険物についてははっきりうたってありますし。そういう点と、それから基金法のほうでありますけれども、水防のほうが入って非常によかったわけでありますが、今度今のような放射能の害ですと、害を受けてから何年かたって消防団員や何かが非常にからだの故障を起こしてくる、ところが一体どこでなったかわらない、消防のそのときの害でなったかどうかということの認定は非常に困難だろうと思うんです。そういうようなときにもこの基金でもってきちんと救えるようにしていく、補償していくのかどうか、その二つの点について御説明を願いたい。
#14
○政府委員(藤井貞夫君) 第一点でございますが、御意見としてはごもっともの点であると思います。ただ、消防法の建前は、やはり第一義的には火災ということを中心にいたしておりまするために、RI施設等につきましても、RI施設関係で火災が起きたということを中心にして消防活動というものは組み立てられるわけであります。そういう意味で、特に原因にさかのぼって放射性施設等について特に規定をする必要もないということになっておるわけであります。したがいまして、たとえば火薬類につきまして、むろん危険物行政としてダブる面もございますけれども、主管のところは、これは火薬取締法――通産省関係の法律でもって規定をされるという建前で、それぞれの系統が確立をされておるのであります。ただ、消防といたしましては、お話しのように、こういうことについては、消極的でありましてはたいへんでございます。いざという場合に備えて、やはりわれわれのほうも積極的に対応策というものを考究しておかなければならぬという点については、全く同感でございます。RI施設等につきましては、科学技術庁のほうも実は非常に心配をいたしておりまして、こちらも積極的に考えておりますが、向こうもやはりこれは消防の協力を求めなければとうていその防護の万全を期し得ないということで、積極的に向こうも話し合いを申し入れてきておりまして、具体的にそれらの点で意見の調整をはかり、はっきりと結論の出たものにつきましては、これを末端によく流しまして、周知徹底に遺憾のない措置を今後ともひとつとって参りたいと考えております。
 それから、第二の点でございますが、その点は同じく公務災害ということになります。あとでもって出たものにつきましても、後遺症として原因がはっきりして、そのために障害が起きたということになりますれば、当然消防団員等につきましては本法の適用を受けることに相なるわけでございます。
#15
○鈴木一弘君 ずっと関連して、ちょっと本論からはずれるかもしれませんけれども、消火栓の問題でありますが、消火栓が、先日の目黒の学校のときにも、圧力が足らなくて困ったわけであります。最近は、東京都も制限給水なしということだそうですから、安心していられるのですけれども、その消火栓自体がかなり、まあ何年――十年くらい前に比べると、かなり数が減ってきているということが言われている。また、老朽もしてきているということが言われているわけですけれどもその点についてはいかがですか。
#16
○政府委員(藤井貞夫君) 消火栓の数が以前に比べて減っておるということは、そういうことはないのではないかと思っております。ただ、消火栓その他の消防水利というものが、東京都の場合においても、なお非常に不足をいたしております。絶対数が不足をいたしております。それと、水圧等の関係でもってこれがきわめて出が悪い。消防車がせっかくかけつけましても、フルに活動できるだけの水利が見つからないということでもって、あたら小火災でとめ得るところを、延焼火災にまでしておるというような事例がありますことは、これは事実であります。この点につきましては、東京都自身も、特に消防水利のための対策協議会等を設けまして、万全の対策を練っておりますけれども、いかんせん、水利の数が少ないということと、せっかく消火栓等があってもこの水圧が低い、水の出が悪いということで、消防活動に支障を来たしておるということは、これは現実の姿でございます。そのために、いろいろ窮余の策といたしまして、他の消火栓以外の水利というものを、不便なところから引っぱってきてこれを利用するとか、あるいはどぶ川をせきとめてその水を利用するとかというような、非常な苦しい手を打って当面の糊塗をいたしておるような現況でございますけれども、やはり根本的には、何といっても、消火栓その他の消防水利というものを増設をするということと、水の絶対量自体をやはりどうしてもふやしていくという、最も基本的なことを解決するために、もっと抜本的な対策を講じておく必要があるのではないかと思っております。欲を言いますれば、消防のための専用水道といったものができれば、これは一番理想的でございます。しかし、なかなか財政その他の都合でそこまで参りません。しかし、少なくとも、今後たとえば工業用水道というようなものを作ります際においては、工業用水道自体にやはり消火栓も一緒につけてもらうというようなことは、最小限の措置としてやって参りますように、われわれのほうも、政府の立場といたしましてその実現に努力をして参りたいと、かように考えておる次第でございます。
#17
○鈴木一弘君 消防の水利調査研究会のほうの話ですと、十年前に比べると四割消火栓が減っておるというわけです。今の長官のお話だと、減ってないという話ですけれども、この点極力ふやしていきたいということですけれども、まあ幾ら設備の近代化を行なっていっても、消火栓が不足であるということになって水がないということであれば、火災に出動しても役に立たぬということになって参ります。どうですか。だいぶ違っているのですが、どうなんですか。
#18
○政府委員(藤井貞夫君) 私は、消火栓自体が減っておると思いません。ただ、おそらく、鈴木先生のお手元の資料等でどうなっているか存じませんですが、絶対的な能力が落ちておるということではないかと思います。
#19
○鈴木壽君 組織法のことでございますが、条文上のことで、今度第一条に、「水火災又は地震等の災害を防除し、及びこれらの災害に因る被害を軽減する」云々と、こういうふうにありまして、災害の防除ということが新しく入ってきておるのでありますが、概念上これは防除、大体わかりますが、具体的に、水火災又は地震等の災害を防除するというようなことを消防の任務とすると、こういうことになりますと、どういうことになりますか、たとえば火災予防とか、そういう面ではいろいろなことをやっていっておるし、また、やらなければならぬということはわかります。それにしても、ふだんいろいろ消防の火災予防の問題等はある一つの範囲があるのじゃないかと思うし、特に、水害あるいは地震の災害を防除するというようなことになりますと、この防除ということの具体的な内客がちょっとわからぬので、どういうことをここで考えてこういう規定ができたのか、そこら辺ひとつお話し願いたいと思います。
#20
○政府委員(藤井貞夫君) 消防の任務は、一つは対火災の機能でございます。火災につきましては、いわゆるこれは本命の任務でございまして、予防から始まって警戒、鎖圧というところまで全部一貫してその対策に当たっていくというのが、消防の本来的な機能でございます。しかし、消防は、それだけにとどまらずして、現実の活動といたしましても、洪水の警報が出るといったような場合には、出動いたしまして、これの予防、鎖圧等に当たっておるということでございます。さらに、地すべりなり、なだれというような場合においても、そういう危険が迫ってきておるという場合においては、出動して、これの対策に当たっておるというのが現実の姿でございます。ところが、今までの規定を見ますると、火災については問題はございませんけれども、その他の災害ということもとらえて、これによる被害を軽減することをもってその任務とするということを書いておるわけでございます。被害の軽減ということを字義どおりに見ますというと、災害が起きる――災害が現実に起きるということを前提にして、起きた場合にその被害を軽くしていくということで、非常に字義どおりに参りますと、狭くなるわけであります。これを水害の場合に当てはめて参りますると、堤防が切れた、切れたらそこに被害が発生するわけですから、その場合に初めて消防というものは活動するのだというような誤解を招くおそれすらあるわけであります。しかしながら、そういったことはこれは現実の姿にも反しますし、消防組織法なり水防法の考え方でもございませんので、従来も解釈上はこの被害の軽減ということの中に、いわゆる現場的な、応急的な予防活動というようなものは含まれるのだというふうに解釈をして運用をしてきておるわけであります。また、それが現実の姿に合う解釈ではあるまいかというふうに考えられまして運用をしてきたわけであります。しかしながら、その点、先般の災害対策基本法の制定ということによりまして、消防というものが、ただ単なる水火災というようなことでなくて、もう少し広範な災害ということにも、第一線の機関として活動するということが、明確に位置づけられたということにもなって参りました。そういうような点もございますので、この際、消防組織自体についてもその任務を明確にいたしまして、従来被害の軽減ということの一環として読んでおりました、応急活動としての、現場活動としての災害防除――防止あるいは除去ということにつきましても、その任務の中にはっきり入るのだということにいたすことが適当ではないかということで、こういう改正案を提案申し上げた次第でございます。ただしかし、この防除というのは、あくまで今申したように現場活動的な応急措置的な考え方でございまして、対火災機能でもって持っておりますような、一般的な予防といったようなものは、ここでは考えておりません。一般的な予防というところにまで消防の任務が入りますのは、何といっても対火災機能でございまして、その他の災害の予防、いわゆる一般的な予防――治山治水というようなことを含める広い意味の予防活動というのは、それぞれの法規に従ってそれぞれの所管の省庁が責任を持ってやっていく建前でございまして、それまで消防が全部責任をになっていくという建前ではむろんございません。あくまで応急的な現場活動的な機能を中心といたしまして、防除をつけ加えていく。先刻申した例でさらに申しますれば、堤防についても、堤防の切れかけるところは、やはり補強して堤防が切れないような措置を講ずる、そういうことは当然消防の任務として中に入ってくるものであることを明確にならしめるようにいたしたのが、この趣旨でございます。
#21
○鈴木壽君 今お話しいただいたように、私も消防としての災害防除というのは、いわば応急的な――今水害の例を一つとってみますと、あるいは地震等の例をとってみますと、応急的な、それからまああなたの言葉で言えばば、現場活動的なそういうものにしか出られないんじゃないだろうかと私自身も思っておりますし、お答えはそうであったと思うのでありますが、ただ言葉でここに「水火災又は地震等の災害を防除し、」ということになりますと、何かもっとまた従来考えられておった、あるいは従来してきたこと以上に、何かここにまた大きな考え方があって、それ以上に、従来以上に出て行くんだ、いろいろな対策なり措置等についてそういうことでもあるのかなあと、こういうふうに私この文章から、特に一つの改正のそれなんでございますから、考えたわけなんであります。問題は、そうなりますと、非常に広範になりますし、また、今の消防なりそういう仕組み等からいたしましても、能力等からいたしましても、なかなかたいへんじゃないかな、こういうふうにも考えましたものですから、そこを少しはっきり承っておきたいと、こう思ってお尋ねをしたのであります。結論的に申し上げますと、これは、たとえば水害等の際には、水害の防除ということを考えた場合には、いわゆる根本的な水害防除対策、治山治水なりその他いろいろ施設の問題なり、そういう問題でなしに、いわば洪水が予知されるというような場合に出て行って、もし堤防の決壊のおそれがある場合には、そういうものの災害が起こらないような措置をする、補修もしなければならぬでありましょうし、あるいは場合によっては、付近の住民の避難についての指示を与えたり、いろいろなことをする、こういうことがここでいう水害防除に当たるということだ、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
#22
○政府委員(藤井貞夫君) そのとおりでございます。ここに「防除」という、特にこういう言葉を使いましたのは、予防というようなことになりますと、非常に言葉として広きに過ぎる、また、疑問を、誤解を起こすおそれもありますので、現場活動的な応急措置的な面をとらまえて「防除」という言葉を使ったのでありまするのと、もう一つは、自治省設置法の第三条に「自治省一の任務」というのがございます。お手元の消防小六法の十六ページでございますが、「自治省の任務」というのがございます。これは消防庁が自治省の外局になりました際、このときに改訂をされた表現でございますが、最後のほうに自治省の任務といたしまして、「消防に関する事務を処理し、もって、水火災等による災害の防除に資することを任務とする。」、こういうふうに言っておることでもございますので、これとの平仄も合わせ考えまして、「防除」という言葉を使ったわけでございまして、趣旨は今お話しになりました、そのとおりということでございます。
#23
○鈴木壽君 ここの防除という言葉の内容はわかりましたが、これのいわば応急的なあるいは現場のいろいろな活動措置、そういうことだけでなしに、消防の立場から、こういう災害の防除という立場から、たとえば水害の防止、あるいは火災の防止、こういうことに対してもっと強い発言権なり、そういうものがなければならぬような気が私はするのであります。と申しますと、たとえば建設省等で、一つの水害の問題に関連して申し上げまする、それこそ治山治水のいろいろな対策とする、あるいは堤防のそれをやる、こういう場合にあなた方の立場から、もっと意見があってしかるべきじゃないか。特に火災の問題等になりますと、建築の、せんだってもどなたでございましたか、市川委員でございましたか、違法建築とかなんとかということで質問があったのでありますが、そういう火災防止の建前から、建築物なりあるいはその他の施設について、もっと強い発言権なり意見なりというものが、あるいはまた、場合によっては力というものがなければならないんじゃないだろうか、こういうふうに思うのでありますが、その点、せんだっての市川委員の質問にもお答えになっておりましたが、特に今問題を建築物の場合に限って申し上げますと、その点についていかがでございましょうか。
#24
○政府委員(藤井貞夫君) 私も、現実に第一線で活動しておるその体験からにじみ出ます貴重な意見というものを、あらゆる行政にもっと強く反映せしめるということが必要であろうというように思っております。おかげをもちまして、皆さん方の御協力で消防の体制というものもだんだん強化されてきて参っておりますことは、これは事実でございます。前と申しましては、戦前はむろんのこと、当初自治消防庁として発足いたしました際には、なかなか消防というものの地位も確立されませんし、したがって、各行政分野に対する発言権というものも非常に少ないものであったように思っております。しかし、その後だんだん地位も確立されて参りまして、その立場からする要請というものが、実際の各省の行政の展開の上におきましても、また、法体系の上におきましても、だんだん整備されてきておるのであります。消防組織自体につきましても、私から申し上げますまでもなく、消防計画の問題、あるいは防火管理者の問題、消防用機械器具の設置の義務の問題、あるいは危険物行政に対する進出というような一連の問題を通じまして、漸次、消防の現実の体験に基づいた発言というものが尊重されるような建前になってきております。しかし、まだ今の体制で、これで十分であるとは言い得ない状況ではないかと考えておるのであります。ただ、先般できました災害対策の基本法におきましては、さらに私たちのそういう見解を、大きく全体の防災行政の上に反映せしめていく仕組みを確立することが必要であるという建前から、それぞれ措置が講ぜられておりますが、その中の一つに、防災計画というものの策定に当たります防災会議、中央においてもそうでございますが、地方における地方の防災会議におきましても、その構成メンバーに消防機関というものが必ず加わるということを法制的に担保いたしまして、それは、ただ単に火災対策というような見地からではなくて、防災ということを効果的に推進するためにはどうあるべきかという考え方を、消防機関の見地からして、これを反映せしめる、そういう仕組みにもいたしたような次第でございます。私たちといたしましては、現場的なそういう体験からにじみ出る意見というものを、今後さらに行政の各分野に浸透させるために、一そうの努力をいたして参りたい所存でございます。
#25
○鈴木壽君 その点私は強く望んでおきたいと思いますが、さらに関連して、今のお答えの中にもありました防災計画あるいは防災会議、こういうものがここにはっきりきめられておりますし、防災計画の中にも、防災業務計画なりあるいは地域の防災計画というものもちゃんと作らなければならぬ、こういうことになっているのでありますが、その中に、今のお話では、必ず消防関係者が入ることになっている。これは一つのチャンスでありますが、それはそれでいいと思うのです。そこで、防災計画等がどのように今各地域にわたっての計画が立てられているのか、全国的に何かつかんでおられますか。
#26
○政府委員(藤井貞夫君) 法制上の建前といたしましては、御承知のように、防災計画には防災基本計画、それから防災業務計画さらに地域防災計画というものがあるわけでありまして、順序といたしましては、防災基本計画というものがまずできて、これに基づいて各省庁の作る防災業務計画ができて、さらに基本計画と業務計画というものの策定を前提といたしまして、地域の防災計画ができるという順序になるわけであります。この点につきましては、現在、防災基本計画をまず作ることが前提であるという建前から、目下総理府防災会議を主体といたしまして、現在その作業に入っております。各省庁に対しまして、防災基本計画に織り込むべき事項としてどういうものを取り上げたらいいかというようなことも資料として徴しまして、漸次これを固める段階に入っているのであります。それはそれといたしまして、しかし、災害というものは一日も待ってくれるものではございません。せっかく基本法ができ、しかも、防災計画、防災会議というような制度もできたのに、それを、基本計画ができなければ一切地域の防災計画も立てられないというようなことでは困るというような考え方から、順序は若干逆でございますけれども、私たちのほうといたしましては、都道府県の地域防災計画というものを現実としては先行させて、これをひとつ立案せしめることを急ぐべきであるという建前をとって、実際上の指導をやっているわけであります。これは、できますれば、基本計画ができた場合、それとにらみ合わせて、さらに調整をとり補正を行なうということも可能でございますので、そういう方法で目下指導をいたしております。その指導の前提といたしましては、地域防災計画の策定要領といったものを一応素案として作りまして、これを各県にもお示しをいたしまして、それにのっとって県の地域防災計画の素案というものを作るように、目下連絡をいたしているのであります。県によっておそい早いはございますけれども、かなり進んだところでは、相当まとまった地域防災計画の草案ができ上がってきているような段階でございます。基本計画については、私がとやかく言うべき筋合いのものではございませんが、しかし、われわれの立場といたしましても、また、私自身が中央防災会議の構成メンバーに入っているというような見地からも、これの策定は部内にあってひとつ促進をさせたいと思っておりますのと、さらに、県なり市町村に対しましては、地域防災計画の策定ということを実質上テンポを早めて促進すべきであるという点について、目下鋭意努力をいたしている最中でございます。
#27
○鈴木壽君 私は、実は防災計画が、まだいわば国の基本になる基本計画もあまり進んでいないということも聞き、都道府県あるいは市町村におけるそれもまだそこまで行っていないということを聞いて、実は残念に思っておるものでございます。この法律ができて、当時、いわば災害に対する根本をなす法律だというので、だいぶ世間からも期待もされておってできた法律、それの大事なものとして防災計画というものを作らなければならぬということになっておるにもかかわらず、国自体が、今言ったような、私の見るところでは、どうもさっぱりはかどっておらぬ。したがって、地方のそれもまだできておらぬ、こういうことについては私は非常に遺憾だと思っておるのであります。で、あなたのほうで策定要領等を作って都道府県の段階の指導に当たっておるということでございまして、それはそれでけっこうです。ぜひやってもらわなければならぬことでありますが、全体としてのテンポのおくれておることは、非常に残念だと思うのであります。お話しのように、災害はそれこそいつ来るかわからぬ、忘れたころにやってくると言った人がありますけれども、もう日本の災害は忘れたころではなく、忘れないうちにどんどん続けざまに次々にやってくるのが実情なんで、これはゆっくりした準備では、とてもじゃないけれども、災害の防止とかなんとか言っても、なかなかできないわけなんであります。幸い、この法律の中には、その計画の中に織り込むべき事柄が、基本的な問題がずっと並べられておりますね。とりあえず私はこういうものに従って地域的な、特に第一に取り上げていかなければならない問題があると思うし、単に火災のみならず、たとえば水害の問題でも、地域的に早急にこういう計画を立てて、それに対処する対策を立てなければならぬということがあると思いますが、そういうものを進めるようなことを、ぜひひとつ積極的にやっていただきたいと思うのでありますが、これはもっぱらあなたのほうの指導と言いますか、そういう事柄によって行なわれていくことなんでございますか、その点どうなんですか。
#28
○政府委員(藤井貞夫君) 防災会議の活動の面から見ますと、消防庁長官が防災会議の事務局の次長の一人になっております。その中の分担事項といたしまして、地域の防災計画の策定、指導というものは私のほうの所管ということに話し合いで相なっておりますが、事実上は、今お話の出ました地域防災計画の策定についての指導は、私のほうでやるということになっておるのであります。その建前を前提にいたしまして、先刻申し上げましたような策定の要領というものを一応作りまして、これを県に流して、これを中心にいたしまして、それぞれの県において地域防災計画の策定に資していただきたいというので指導を行なっておる次第でございますが、お話しの点はごもっともでありまして、われわれといたしましても、そう完璧な防災計画というものはなかなかできなくとも、地方々々の実情に応じて、今までの経験に従って当然考えていかなければならぬ災害の種類というものがおのおのあるわけであります。水害なら水害というようなものにしょっちゅう見舞われるという地域があるわけであります。雪なら雪ということで毎年苦しむというような地方はおのずから限定されるわけでありますので、重点事項というものはそれぞれきまってくるわけでありますので、そういうものを中心といたしまして、地域防災計画というものを局部的でもだんだんと固めていくという指導を行ないたいと考えております。
#29
○鈴木壽君 あれですか、あなた方の指導で、都道府県段階でもいいのですが、何かまとまったような所はございますか、現在のところ。
#30
○政府委員(藤井貞夫君) かなりまとまったところが数県ございます。
#31
○鈴木壽君 そういう所は、市町村段階まで今の地域防災計画を作る仕事が進んでいるようでございますが、あなた方の見方はどうですか。
#32
○政府委員(藤井貞夫君) 市町村の段階までは、まだそれほど進捗をいたしておる所はございません。
#33
○鈴木壽君 むしろ私は大事なのは、先ほど申しましたように、それぞれ地域によって特徴的な災害問題があると思うでありますが、とりあえずひとつ市町村における、その地域における、これはまあ孤立してできるわけじゃございませんけれども、いろいろ他の地域との関連もありますけれども、とりあえず、そういうものでも作っていかなければならないと思うのでありますが、そういうふうに、私申し上げましたような考え方でお進みになるというふうにお考えですか。それとも、いや国全体の計画もまだできていないのだ、県の段階においてもまだ作業に着手したばかりなんだ、それでは市町村だけというようなことになると無理じゃないかというふうなお考えなのか、そこら辺どうです。
#34
○政府委員(藤井貞夫君) 並行して進めていくことが適当であろうというふうに考えております。お説のように、基本計画ができなければ業務計画もできない、また地域防災計画もできないというような法の建前のような仕組みにはなっておりますけれども、そうも言っておられませんので、われわれとしましては、さしあたたり、県の地域防災計画を建前といたしまして早急に行なうように指導いたしておるのであります。しかし、さらにこれと並行いたしまして、市町村自体のそういう計画というものを作ることは、現実の姿としては必要なことは当然でございます。したがいまして、今の御趣旨の点は、私といたしましては、基本計画ができなければというようなことではなくて、並行してこれを進めるように、さらに県を通じて指導を強化するように進んで参りたいと思っております。
#35
○鈴木壽君 防災会議は、地方段階で、都道府県の段階、それから市町村の段階、それぞれある。そういう会議は開かれたようですか、それとも、まだ開かれておりませんか。
#36
○政府委員(藤井貞夫君) 県は全部できました。そうして何回かの会議はほとんどの県で全部やっております。市町村の段階では、まだ全国的に見て、おそらく半分までには至っておらないのではないか。今われわれのほうで調査をいたしておりますけれども、そういう段階になっております。
#37
○鈴木壽君 各行政官庁の業務計画の進捗の結果等について、中央の会議等へ、まあ、あなたも出ておられるのですが、そういうことについて何かどういうふうになっておるのか、おわかりになりませんか。
#38
○政府委員(藤井貞夫君) 各省庁の業務計画は、それぞれの内部的には、寄り寄り相談はいたしているらしい気配は見えますが、形をとって具体的にどうだというようなところは、まだ全然ございません。聞いておりません。このほうはすべて基本計画の策定が基本である、それによって業務計画自体の骨子というもの、また姿勢自体もきまってくるのだという態度をとっておるのが現状でございます。
#39
○鈴木壽君 そうしますと、問題は基本計画ができないところにすべてのものがあると、こう言わなければならぬ状況になっておると思いますが、見通しとしてはあれですか、いつごろこれはできるというふうに考えておられますか。
#40
○政府委員(藤井貞夫君) 去年の見通しといたしましては、一応目標を三月末日に置こうではないかということで、各省庁に対しても協力を求めておったのであります。しかしながら、その後におきまする豪雪対策等に追われておりまして、テンポがかなりおくれておるようであります。しかし、われわれといたしましても防災会議の内部構成メンバーといたして、さらにこれの推進をはかって参りたいと思っておりますが、今のところいつできるかということについては、まだ確たる見通しを申し上げられる段階になっておりません。
#41
○鈴木壽君 大臣、お入りになってすぐでございますけれども、今、実は防災計画のことについて組織法に関連してちょっとお聞きしておったのでありますが、防災基本計画がまだできておらない、いつごろになるのか、それすらちょっとはっきりしないと、したがって各省庁の関係機関の業務計画もできなければ、また地方の地域の防災計画もできておらないというのが明らかになったわけなんです。そこで大臣ひとつ、まあ直接大臣として、今中央の防災基本計画の策定樹立というものをやはり早急にやらなければいけないと思うんです。で、私、いろいろこまかい問題がたくさんあると思いますし、なかなかこれはたいへんだと思いますけれども、しかし、いわば基本計画としての骨になるところをとりあえず――将来の修正なり改定なりというものはこれはあり得ても、ともかく一つのものを作らなきゃならぬじゃないかと、そうでないと今申し上げたように、各行政機関の業務計画も基本計画待ちだ、また地方の地域防災計画も、やっぱりそういう基本になるものがないとはっきりしたものを打ち出せないようでありますし、それから、法からいってもやはり今言ったようなことになってくると思うのであります。そこで、特に大臣はこの問題について非常に関係が深い大臣であり、むしろ中心になって、そういうことについて努力していただかなきゃならぬ方であると思いますから、その促進方についてひとつ私はうんとがんばっていただきたいと思うんですが、何か最近そういうことについての会議なり、あるいは仕事の進み方等についてあなたと関係したようなことはございませんか。
#42
○国務大臣(篠田弘作君) 防災計画の問題につきまして先般、参議院の予算委員会において内閣総務長官に御質問があったわけであります。そのときに、一生懸命にまあやっておるが、まだどうしても二、三何と申しますか、材料といいますか、調査と申しますか、至らない面があるので、ちょっとおくれておる、そこで、もうあとしばらくたてばできる、というような総務長官からの答弁がありまして、そのあと私、総務長官に会いまして、どうなんだという話をしたところが、今、これはほんとにむずかしい問題だけれども、まあできるだけいいものを作る考えで一生懸命にやっておりますから、もうしばらく待って下さいという、そういう総務長官の話がありまして、私、もともと自治大臣になりましたときからこの防災計画というものも非常に重視し、また主張いたしまして――大体今のまあ政府でも皆、国民と申しますか、国会方面におきましても、災害の起こったあとの跡始末のために何百億という金を出すということは割合に平気で出しておる。しかし予防のために何百億の金を出すということは、いろいろな折衝をしてみましても実はなかなかスムーズにいかない。私はこれは逆だと思うんです。毎年々々災害を起こして、その跡始末のために何十億、何百億という金を使うんじゃなくて、要するに防災計画というものをきちっと立てて、そして予防のためにも相当の金を出し、事前に災いを防ぐということが一番大事だ。防災計画というのは、もちろん災害を受けたあとのこともありましょうが、とにかく災害を受けない前の一つの手段としてそういうことは当然考えなければいけない。少し答弁が長くなりまして恐縮ですけれども、この前も閣議におきまして、もし東京に関東大震災のようなものが起こった場合に、政府は一体それに対してどう対処するつもりか。あの当時は四千台しか自動車が都内になかった、今日八十万台――どうするのだということで、まあ消防あるいはその他の重要性について述べたのであります。終始一貫そういう考えを持っておりまして、私もその重要な責任を感じ、そうしてやろうと思っております。ただ今のところ、直接の防災計画を立てているところは内閣総務長官でございます。この総務長官とよく相談をしてやりたい。その必要性とか、緊急性というものについては、非常に重要に考えている次第でございます。
#43
○鈴木壽君 大臣のお話のように、私はやはり災害が起こってからの跡始末のことも、もちろんこれはやらなければなりませんし、場合によっては何百億でも投入して復旧をしなければならぬ、それはそのとおりでありますが、と同時に、あなたがおっしゃるように、予防と申しますか、防除と申しますか、そういう面でこれは一日も早く対策を講ずることが、むしろそういう災害を少なくし、そうしてまた、あとから復旧のための金を使わなくても済むという、こういうことで、これは基本にならなければならぬ問題だと思うのであります。そこで、この基本法に防災計画のことを規定をして相当詳しい規定までしたことは、私はその趣旨だと思うのであります。ところが、その基本法はできて一年以上たっても、なおかつ目鼻がつかない。これはさっきも言ったように、非常にめんどうな問題がたくあんあると思うんです。めんどうな問題がたくさんあると思いますけれども、遅々として進まないという状況を聞きますと、何かもどかしさを覚えるわけなんですね。ですから、ひとつくどいようでありまけれども、大臣、今せっかく御答弁いただいたわけでありますけれども、これは強くひとつ御努力をいただいて、早くでかさないと――そうでないと、さっき申しましたように一地方のそれができていかない。やはり基本になるものが立たないと、地方のほうでも作れないということに、法の建前からしてもそういうふうに一応なっていますものですから、どうかひとつ、この点についてはさらに一そうの努力をしていただきたいと思うんであります。大体のめどは、総務長官との話し合いの中には出てきませんでしたか。いつごろになれば大体できそうだというようなことでも出てきませんか。
#44
○国務大臣(篠田弘作君) 総務長官の話では、一生懸命やっているんだが、めんとうでしてね――まあ向こうの言ったとおりに近く申し上げますと、これはめんどうでしてね、どうもあと二、三どうしてもつかえている問題があるので一という、そういうこと――使った言葉までははっきりしておりませんが、そういうようなことでございました。しかし一生懸命やっているという、これは一生懸命やっております。それから率直に言うと、総務長官、これは各省から持ち寄って来なければどうにもならないので、まあ私のほうは窓口にはなっているんだけれども、各省から持ち寄ってもらわなければどうにもならないのですということも、そのとき言っておりました。これは実情だと思う。そこで、今度の閣議か何かのときに、私から発言でもしまして、なるべく早く各省のものは各省で持ち寄ろうじゃないか。それから今、鈴木さんがおっしゃったように、上ができなければ下ができないというお話がありましたが、これはやっぱり、相関関係がありますから、地方は地方なりの一つの案というものを持ってもいいのじゃないかというふうにも考えております。いずれにしましても、等閑に付することができないので、緊急を要する問題でございますので、全閣僚一致しまして、各省の分担についてはそれぞれの責任において進捗させる、そういうふうにやりたいと、こう思っております。
#45
○鈴木壽君 ひとつぜひ強く推進するように大臣に希望しておきますが、と同時に、先ほど私、消防庁の長官にもお聞きしたんでありますが、地域によっては、地域的な特殊な災害というものも考えられるところがあるわけなんで、たとえば地すべりの地帯というようなところがあるわけなんです。これはもちろん、さっきから言っている国のこれに対する基本的な計画なり、それに対する対策なりというものがなければ、地方だけで何ともかんとも幾ら努力してもという、そういう問題がありますけれども、しかし、そういうことに対する少なくとも応急的な対策なり検討なりというものも、早急に持たなければならぬじゃないか。毎年のように、ちょっとした雨で河川のはんらんなり、そういう被害を受ける地域もある。こういうことに対しても、いつまでたっても国全体の計画なり、あるいは大きなその県の計画がなければどうにもならぬという問題でも私ないと思うのですから、そういうところはまた、そういうところに指導をして、早く作らせて、少しでも被害を少なくすると、こういうことに努力をしなくちゃならぬと思うのであります。その点も先ほど藤井さんからそういう点について、今指導しておるんだという話を聞いて、私はそれなりに了承いたしましたが、この機会でございますから、大臣にもその点をよくお含みの上で、今後万全の対策を立てていっていただくようにということを、私希望しておきたいと思います。
 それから防災計画の中にも関係しますが、実は、たとえば防災計画の中で重点を置くべき事項としてここに列挙されておる中に、これは基本法の第三十五条の二項一のホでありますが、「地方公共団体の災害対策基金等の管理に関する事項」と、こういうふうなのがあるのであります。これはただ、私が今一つ拾って申し上げたところでありますが、この災害対策基金についてちょっとお尋ねをしておきたいのであります。この災害対策基本法の中に、災害対策基金については、はっきりした規定は第百一条に「地方公共団体は、別に法令で定めるところにより、災害対策に要する臨時的経費に充てるため、災害対策基金を積み立てなければならない。」こういう規定があるわけなのであります。そこで実は私、一昨日の委員会で、災害補償に関連して、この問題についての考え方をお尋ねしたのでありますが、きょうはとにかく災害補償というそれだけでなしに、ここにある災害対策基金というものを一体どういうふうに考えておられるのか、それをまず私はお聞きしたいと思うのであります。
 そこでこの「災害対策に要する臨時的経費に充てるため、災害対策基金を積み立てなければならない。」、こういうふうな規定でありますが、第一点は、臨時的経費というものはどういうものをさすのか、それから第二点は、災害対策基金というものを新たに設けるのかどうか、この点。まず最初に二点について、大臣から。
#46
○国務大臣(篠田弘作君) 災害対策基金につきましては、すでに積み立てをやっているわけでありまして、地方財政法に基づく積立金が、県分が二百二十九億円、市町村分が五十八億円、合計二百八十七億円というものは、もうすでに積み立てられているわけです。これは災害の発生に伴いまして――臨時というのは、おそらくその経費に充てていくということであろうと私は思うわけでありますが、とにかく予測しない災害がぱっと起こったときの対策経費に充てていく、こういうふうに承知いたしておるわけであります。こまかいことにつきましては、もちろん国、または自治省における特別交付税その他いろいろの問題がありますが、その関連性につきましては、事務当局からひとつ説明さしていただきたいと思います。
#47
○鈴木壽君 大臣にもう一度、臨時の経費というのはよろしゅうございますが、第二点として私がお尋ねをしました、災害対策基金というものを新たに設けるのかどうかということについて、もう一度はっきりこれは聞いておきたいと思うのです。
 今の答弁では、地方財政法の第四条の三にある積み立てのことをおっしゃっているようであります。そういうものをここでいっているのか、この法律が作られる際に、災害基金というものの必要性を新たに認めて、それを設定しようとするのか、この点でございます。
#48
○国務大臣(篠田弘作君) これは別個の法律を新たに作って積み立てをさせるということでなくて、現行制度のもとにおいて積み立てをしていく、こういう意味であります。
#49
○鈴木壽君 そうすると、この百一条の規定の、「別に法令で定めるところにより、」というのは、先ほど大臣がお話しになりました地方財政法第四条の三、あるいは第七条にある積立金をいっているのですか。
#50
○国務大臣(篠田弘作君) そうでございます。
#51
○鈴木壽君 そうすると、災害関係での積み立ての問題になりますと、地方財政法だけでなしに、災害救助法にも、第三十七条に、災害救助基金のことが規定されて、それぞれこれはもうこの法によって、額の点はともかく、各都道府県それぞれこれは積み立てておりますが、ではこれは含まれますか、含まれませんか。
#52
○説明員(松島五郎君) この災害対策基金法を制定いたします場合に、「別に法令で定めるところにより」というのは、いかなる意味であるかということが、立法当時私ども事務当局の間では議論のあったところでございます。そこで「法令で定めるところにより」に「別に」という言葉をつけるかつけないかという議論が、ほかの条文にもしさいには関連がございまして問題になったのでございます。それは「別に」という言葉をつけようとつけまいと法律的な意味において全く同じである。要するに、この災害基本法以外の法令によって定めるところで積み立てをすれば、それは別に法令で定めるところによるのだ、こういう解釈であったのでございます。したがいまして、ただいま御指摘のございました災害救助法に基づく災害救助基金の積み立ても、もちろんここに言う「別に法令で定めるところにより」ということになると思います。また先ほど大臣から御説明いたしましたように、地方財政法等によって積み立てます場合も、「別に法令で定めるところによる」ものと考えます。また将来さらに別個の法律を作るというようなことがあっても、それもまた「別に法令で定めるところによる」ということになるものと考えております。
#53
○鈴木壽君 災害対策基本法の百一条を読んで、いわゆる災害対策に対する基本法を作る際に、こういう規定を置いたということは、現在までの法律の、たとえば災害救助法なりあるいは地方財政法に、災害のために積み立てておけというような、そういうことがあるけれども、さらに抜本的といいますか、万全を期するために新たな災害対策基金をここにいわば創設するのだ。こういうことでないかと、こう読んだんですけれども、これはやはりうそになりますか、そうしますと。
#54
○説明員(松島五郎君) 先ほど御説明申し上げましたように、ここで「別に法令で定めるところにより」というのは、新しい立法を必ずしも必要とするものではないと考えるのでございまして、もちろん新しい立法そのものを別個に行なうということを妨げるものではございませんが、その法令がないから、別に法令で定めることによって積み立てるということにはならないというふうに考えております。
#55
○鈴木壽君 だから「別に法令で定めるところにより」という言葉を今せんさくしているつもりはございませんが、私が聞きたいのは、端的に新たにこういうものを、名前も今までの、現在の法律にあるものとは違いまして、災害対策基金という、こういうことになっていますから、新たなものを作るのか作らぬのか、こういうことなんです。それを予想しておったのかおらぬのか、こういうことなんです。
#56
○説明員(松島五郎君) 災害につきましては、不時に起こってくる予想しない問題でございますので、これに対する財政制度をいかに立てるべきかということにつきましては、いろいろだだいま検討を要する問題があるわけでございます。現在の地方財政法においても、第九条におきましては、御承知のとおり地方公共団体が処理する事務に要する経費は全額当該地方公共団体が負担するのが原則だとされておりますけれども、その例外の一つとして、第十条の三に「地方税法又は地方交付税法によってはその財政需要に適合した財源を得ることが困難なもの」として災害の経費をあげて、これに対しては国が負担をするという規定を置いておるわけでございます。財政制度そのものを考えます基本において、災害というようなものは通常の状態において予測した財政需要として捕捉することができないわけでございますので、そういうものにどのような形でもって対処していくかということになりますと、小さな地方団体を単位として、いついかなる災害がどのような形で起こっても対処し得るような制度を作っていくということは困難であります。こういう前提に立ちまして、その場合には国が大きくその負担を肩がわりをしていくということを考えられて、現在の制度が立てられておるわけでございまして、これがために御承知のとおり、公共土木施設災害復旧費国庫負担法を初めとして各種の災害に対します国の負担法律があるわけでございます。さらにまた、それ以上の激甚な災害が起きました場合には、さらに地方団体の負担を軽減するための立法措置も、この災害対策基本法をもとにして作られたわけでございます。また、そういたしましても、基本的に地方団体の負担が必ずしも全部がゼロになるわけではありませんので、そういう場合には、さらに何らかの別個の対応措置が必要でございます。今日の段階においては信用制度も相当程度発達してきておりますので、そういう場合にも一応地方負担は起債でもって処理する。そしてその起債の償還財源を長い将来の地方財政全体の財源の中で処理していこうという建前をとっておることに御承知のとおりでございます。こういうような立て方をいたしておりますので、現在私ども考えておりますのは、地方団体が災害に対処するための不時の支出というものは、相当部分はこういうような制度によって吸収される仕組みになっており、またそうあるべきであると考えております。ただ地方団体としても、そういう制度の上に乗らない、いろいろな経費というものは、災害の場合に起こり得ることがあるわけでございますので、そういう場合に対処するために、地方団体自体としてどういう心がまえが必要であるか、こういう問題が残されておると思うのでございまして、それにつきましては地方財政法等の規定もございまして、年度間の財源を調整するために積立金等を用意しておくという規定もあるわけでございますので、運用によって私は、今の段階においてはさしたる支障なくやっていけるのではなかろうかと、かように考えておる次第でございます。
#57
○鈴木壽君 松島さん、あなたはまたあなたの立場から財政当局として、災害の場合の地方団体等に対する国が行なう手当の問題やら、あるいは地方負担の問題やら、そういうことの実情からは新しく対策基金というようなものをやる必要もないんじゃないか、こういうことだろうと思うんです。私は、あなたの立場からそれはいいんですが、さっきから言っておるように、法律の建前からいって一体どうなるのかということなのであります。しかし私は、はっきりしておかなければならぬ問題だと思いますから――この法律でこういうことがあって、これは私読み方が違っておればともかく、災害対策基金を積み立てなければならぬという一つの義務づけ、これは「別に法令の定めるところにより」というのは、現行のいろいろな災害救助法なり、あるいは地方財政法なりのそれをさすんだ、こういうことであるのか、新たな対策基金というものの必要性を認めて、それを積み立てさせるための一つの規定なのか、そこを私ははっきりしておけばいいんですから。
#58
○国務大臣(篠田弘作君) 「地方公共団体は、別に法令で定めるところにより、災害対策に要する臨時的経費に充てるため、災害対策基金を積み立てなければならない。」この「別に法令で定めるところにより」ということが問題になっているわけでありますが、今参事官からも説明しましたように、現在のところは、今申しましたようないろいろな別に定めておる法令によって処置するという解釈でいいと思います。しかしながら将来何らか、それらの、現在ある別の法令で定めるところによって処置できないという問題が起こった場合には、さらに別の法令を作るということはちっとも差しつかえない、こう解釈しております。
#59
○鈴木壽君 現在では、新しく災害対策基金を設定することを予定はしておらない、こういう意味に理解してよろしゅうございますか。
#60
○国務大臣(篠田弘作君) それでけっこうであります。
#61
○鈴木壽君 この基本法の第三十五条の、さっき私ちょっと申し上げました第二項の一のホのところにある「災害対策基金等の管理に関する事項」。この「災害対策基金等の管理に関する事項」の中に、そうしますと、災害救助法の積み立てやら、あるいは地方財政法に定めてある対害により生じた経費の財源として積み立てなければならぬという、そういうものは、一切ここで管理されると、こういうふうなことになりますか。
#62
○説明員(松島五郎君) 現在すでに作られておりますいろいろな災害に対処するための積立金の管理については、この基本計画を定めて行なうということになると思います。
#63
○鈴木壽君 私、実は、こういう気持も一つはあるのであります。たとえば災害救助法に基づく災害救助基金の積み立て、これは、積み立ての実情についても、いろいろ実は問題があると思うのでありますが、これの使い方なんかになりますと、私どもがいわゆる災害対策として考えるその使い方からしますと、今のこの建前は不十分だ、こういう問題が一つある。それから、地方団体で災害の経費に充てるために積み立ててある金の使い方というものも、いわゆる災害対策の全部にわたっての使い方が、われわれからすると、もっとこういうものにもほしいというところに使えないという問題もあるし、それから、地方団体では、はっきり災害対策の基金として、何といいますか、財政法で示されているような、別口にやっているものはあまりないと思うのですね。みんな積み立てとしてぶち込んではありますけれども、その中の使い方にもよるでありましょうが、はっきりした、いわゆる災害対策基金としての積み方をしておらないところが、ずいぶん多いというようなことからして、私は、今度この災害対策基本法にある災害対策基金というものは、そういう不十分なものを、なお補充するといいますか、補完するといいますか、そういう立場から新たにこういう基金というものを設定し、そしてそれを――これは別途、法律でもちろん定めるでしょうが――そういうことを予想しておるのじゃないか、また、そうしてほしいという、実は気持もあるのでございますね。そうしますと、先ほど来聞いておりましたところでは、今のところでは新たな災害対策基金をここに設定するということを予想しておらない。将来、あるいは出てくるかもしらぬけれども、現在のところでは、そういうものを予想しておらないで、現行法の、たとえば災害救助法なり、あるいは地方財政法にあるそういう積み立てを災害対策基金として考えているのだ、こういうふうにしか理解できないのですが、それでよろしゅうございますか。
#64
○説明員(松島五郎君) 今後の立法論として、災害対策のために特別な基金を考えるか、考えないかという問題につきましては、先ほど大臣からお答えいたしましたように、必ずしも私ども将来の問題として考える必要はないということを申し上げているわけではございません。ただ、現段階においては、既存の制度の運用によって、目的は達せられているのではないかという判断をいたしているわけでございます。で、将来の問題として検討いたします場合に、私どもも過去の経験から、いろいろこういう問題を考えたこともございますが、こういう基金というものは、なかなかどの辺が適当なものであるかという、その判断というものはむずかしいのでございます。現在、災害救助法では、御承知のとおり当該団体の標準税収入の千分の五を少なくとも積み立てなければならない、こういう規定がございます。しかしながら、私どもの実際の経験によりますと、非常に大きな災害が起きました場合に、その程度積み立てておいても、実際には、それが非常に大きくその団体の財政に役立つというような状態にはならないのでございます。また、逆に、その程度で間に合うものであれば、あえて積み立てておかなくても、大きな財政の規模の中ならばやれるというようなことになりまして、何と申しますか、帯に短したすきに長いというような状態でございます。そこで、いかなる災害がきても十分対処し得るというような大きな額を積み立てておくということになりますと、それ自体、また、地方団体にとっては、大きな財政負担になってくるということも考えなければならないわけでございます。そういった点をいろいろ考えて参りますと、かりに今後、この問題で新たな法律的な制度を作るといたしましても、どの辺が適正なりやという判断をすることは、非常にむずかしい問題でございます。現在の積立金の制度によりましても、たとえば昭和三十六年に、長野県に大災害が起きました際には、県に財政調整資金の積み立てが相当ございました。その中から、応急の対策費を用意することができたというようなこともございまして、やはり金は、全体として運用が、ある程度弾力的に行なわれるような形でもって、財政的な調整制度といいますか、その団体における年度間の調整制度というものを設けることのほうが、より実態に合うのじゃなかろうかというふうに、ただいまのところは判断をいたしておるわけでございます。
#65
○鈴木壽君 この法の規定の解釈といいますか、あるいは立法の際の考え方、それはわかりました。ですからその点は、まず一応、私の考えておったものと違ったような格好だものですから、これ以上ここで言っても、なかなかうまくいかないのじゃないかと思いますから、まあ早々やめますが、ただ、災害対策に要する臨時的経費、こういうものになりますと、今の災害救助法に基づく災害救助基金、これでは不十分だし、それからさっきもちょっと触れましたが、都道府県なりあるいは市町村の段階で、災害によるこういう経費のための積み立てというものは、法にあっても、はっきりした形のものはあまりないのですね。ですからやはり私は、災害対策ということのために、災害対策の臨時的な経費に充てるということであれば、現行法のそれでやればいいのだと、こういう考え方では不十分だと思うし、また、使い方等になりますと、さっきもちょっと例として申し上げました災害救助法の金の使い方というものは、ほんとうの意味での私どもの考えるところに及ばない使い方をしておる。こういうこともありますので、私は、災害対策に要する臨時的経費というものをもっと広く考えて、いわゆる災害復旧の費用等も、ここである程度地方団体の負担する分については、ここにプールしておくというようなものにならなければならぬと思うし、あるいはまた、さっきもちょっと大臣にお聞きする際に申し上げました、いろいろな災害の個人的な補償の問題等においても、やはり考えていかなければならぬのじゃないか、こういうことを思っておるわけなのであります。これは、ひとつ、基盤も違いますから、今ここでこれ以上申し上げても、大臣としても、あるいは自治省としてもあまり的確なことを答えられないでしょうからやめますが、この点はやはり今後の問題として、政府部内でも十分私は検討していかなければいけない問題じゃないかと、こう思いますから、その点だけ申し上げて、次に進みたいと思います。それから、ただ一つ松島さんにお聞きしますが、あなたのお答えの中に、災害救助基金の積み立ての状況ですが、これは法律でちゃんと明定されておることですから、額が多いとか少ないとか、あるいは地方団体にとっては負担がどうというようなことも、もちろんこれはいろいろ問題があると思いますけれども、やはりきちっと法律で定められたそれは、各地方団体で、都道府県でそれを行なうということでないと、おかしいと思うんですがね。もしそれがどうしても実情に合わぬ、たとえば過去三カ年間の税収入の千分の五というものが実情に合わぬと、あるいは、団体によっては、そんな金をやったら、べらぼうな金をここに積み立てておかなければならぬということになって、こういった団体の財政に対する圧迫になると、こういうことであったら、私は、また法の規定の修正といいますか、訂正といいますか、何かそういうことをやらなければいけない問題であって、やはり法どおり少なくともやるというようなことにならなければならぬと、私は思うのですが、その点どうですか。
#66
○説明員(松島五郎君) 私のお答え方が、あるいは適切でなかったかと存じますけれども、災害救助法に基づいて積立金をやる必要がないということを申し上げたのではございません。災害救助法による積立金という制度があって、この法律どおりやっても、実際問題としては先ほど申し上げましたような事情が起こるということを申し上げたのでございまして、したがいまして、将来災害対策基金というようなものを別個の法律として考えます場合には、そういう問題をあわせて考えていかなければならないであろうという意味で申し上げたのでありまして、現在ある法律を無視してとか、実情に合わぬから無視していいんだと、そういうようなことを申し上げているつもりはいささかもございません。
#67
○鈴木壽君 都道府県の決算を見ますと、三十五年度でも六年度でも、この法にきめられたような、それに合っている積み立てをしている都道府県というものはあまりないんですね。計算をしてみますと違うんですね。だから、私は、一応建前としてはこういうふうな率で積み立てるというのであるから、それで間に合うとか間に合わぬとかという問題は別にしまして、やはり各都道府県でもそれにあまりかけ離れたようなことはすべきじゃないんじゃないか、こういうことなんです。
#68
○説明員(松島五郎君) 災害救助法の問題でございますので、私あまり詳しいことを存じませんが、金で積み立てることもできますし、物資で持っていることもできるように、たしかなっていたと思います。おそらく報告は物資の分を除きました金の分だけではないかと思いますが、いずれにいたしましても、法律の規定に従ってなさるべきことは当然でありますので、厚生省とも十分連絡をいたしまして、法律の適正な運営が行なわれますよう、今後十分留意して参りたいと思います。
#69
○鈴木壽君 ちょっと参事官、この法をごらんなさいよ。今の災害救助法の三十七条、三十八条に金で率をきめてありますし、積み立ての一つの義務として、最低限として五百万円に満たないものは五百万円にしなければならないという、金ではっきり率をきめておる。私の言うのは物のことじゃなくて、この金の面で違っていやしないか、こういうことなんです。
#70
○説明員(松島五郎君) 先ほども申し上げましたように、法律の規定どおりに実行されますように、私ども努力して参りたいと思います。
#71
○鈴木壽君 災害対策のいわゆる臨時的な経費に充てるための災害対策基金という問題につきまして、私大臣に――これ以上やめますが、ひとつ、現行のそれを、そのままここでは意味しておるのだとするならば、これはやはり根本的に考えていかなければいけない問題があると思いますから、自治大臣に関係しない、厚生大臣の災害救助法もありますし、いろいろありますが、政府としてこの問題について、ひとつ前進的な意味での措置を、検討してやっていただきたいということを、要望的なことの御質問として、お心がまえをお聞きして終わりにしたいと思います。
#72
○国務大臣(篠田弘作君) 災害対策の問題は非常に重要な、国民の生命に関する問題でございますから、お説のような前向きの姿勢で今後研究、努力をしたい、こう思います。
#73
○林虎雄君 大臣と行政局長にお伺いいたしたいと思います。
 消防法の改正の主眼点は、日本消防検定協会を設立して、機械器具を従来の任意検定から強制検定制度にするということ、それから救急業務の市町村への義務づけという点が中心のようにうかがわれますが、大体この救急業務につきましては、政令で定める基準に該当する市町村ということになるようでありますが、まあ、おおむね十万程度の人口の市町村ということが対象のようであります。そこで現在は十万に満たないでも、市町村の合併が進められている市町村で、やがて十万になれば、当然そういう義務を持たなければいけないと思います。そこで直接関係はございませんけれども、市町村合併につきましてだいぶ全国的には進んで現在残っておりますのは、合併が非常に困難な、また紛糾している市町村が残っているのではないかと思うのでございますが、その中でお伺いいたしたいと思いますことは、兵庫県の赤穂市と、岡山県の日生町との合併問題が今日まで紛糾しているようであります。越県合併でありますから、当然困難な点はわかりますけれども、現在この紛糾しておりますために当該住民が非常に困っている。今では合併でもいいし、現状維持でもいいが、早く解決をしてもらいたいという、非常に切実な要望があるようでございます。大臣にも昨年の昨の夏ごろでありますか、陳情をいたしまして、至急に解決をはかっていただきたいということに要望しているのでありますが、現在の事情を承りたいと思います。
#74
○国務大臣(篠田弘作君) 日生のほうからしばしば帰人代表その他の方々が見えまして、長い間の地理的並びに歴史的な関係から、どうしても自分たちの生活というものが赤穂に密着しておる、たとえば子供が学校に通うにいたしましても、あるいはまた商売をやるにいたしまして、赤穂と非常に関係が深い。そういうような関係で、どうしても赤穂に入りたいということでしばしば見えまして、中には泣きながら頼むというようなきわめて深刻な場面もあるわけであります。そこで前の安井大臣のときから、岡山、兵庫、両県知事の間において話し合いをするようにということで、話し合いをしばしばさしたようでありますが、その話し合いの結論というものは依然として出ておらんようなんです。で、私そのときに、その日生の婦人連中が代表で見えたときに、両方でそうがんばられてもどうにもならない。結論としてはやはり審議会の答申の最後に住民投票をさせろということがある。どうしても知事の間に話がつかない、またその両県部落民の間にも話がつかないということであれば、これはやはり審議会の答申どおり住民投票させるよりほかにないじゃないか。自治大臣としてはそれ以上の方法は考えられないという答弁をいたしました。たまたまそれが流れまして、岡山県選出の代議士から、もうあなたの顔は見るのもいやだというようなことを申されまして、私も非常に困っているわけでありますが、それからまた、こういうことも言われました。自治大臣が審議会の答申に従って住民投票をさせるというならさせてみろ、われわれは三百戸ぐらいバラックを建てて、三カ月前からそこに住み込めば住民投票の資格がある。そうすれば日生の部落民がなんぼがんばってみたって、反対側のほうから三百戸か四百戸バラックを建てて三カ月前から住んでおれば、もう住民投票には勝てるのだから、やれるならやってみろ、というような話もありまして、日生のほうからは嘆願の形において来ておりますし、岡山県側から私のところに来られる方は強い反対の意思を持って来ておられます。はたしてバラックを建てるかどうかというようなことは、やってみなければわかりませんけれども。そこでこの間、清瀬――こんなことを言っていいかどうかわかりませんが、清瀬衆議院議長が見えまして、何とか大臣のところでこの問題の解決がつかないかというお話があった。私そのときに申し上げたのは、私のところで解決するということになればもう住民投票の方法はありません。それで岡山県のほうの代議士に比較的強い反対があるけれども、あなた方のほうにはそんなに、ぜひ向かわなくちゃならんというような強い熱意もないように私は従来思っていた。そこでもし、あなたのほうにそういう強い意思があるならば、私がまん中に入って苦しんでいるのだから、ひとつあなたのほうの強い意思もお出しになって、岡山県側と、国会と申しますか議員として、ひとつお話し願えないかという話までいたしておるわけであります。そのときに清瀬議長は、いや、われわれは非常に強い熱意を持っておるのだけれども、たまたま政務次官と大臣が岡山県と兵庫県の出身であったために遠慮して、実は強い意思を出さずにおるんだということで、まことにこの問題につきまして私もずいぶん就任以来苦慮いたしておりますが、できればそういうようなバラックを建てて住むとか、あるいは場合によっては血の雨が降るかもしれないとか、そういうようなことのないような方法で、両県の代表、知事でできなければ、国会というようなところで、ひとつもう少し話し合いをしてもらったらどうか、現在そういうふうに考えておる次第でございます。
#75
○林虎雄君 両県合併のむつかしいこと、非常に紛糾することはよくわかっております。私も長野県の岐阜県との境の問題で、現在解決をしましたが、まだごたごたしておるような事情で、よくわかっておりますが、この両県の政治的な立場というものはよくわかるわけでありますが、一番不幸なものは当該日生町の住民であると思います。そこで地元の心ある住民は、いずれにしてもいいから早くきまりをつけて、町を平穏にしてもらいたい。現在では全く自治の機能というものは麻痺しておる状態である。こういう事態でありますので、国としても両県に対して積極的な調整といいますか、指導をしていただいて一早急に解決できるように御努力をお願いいたしたいということを要望しまして、質問を打ち切ります。
#76
○国務大臣(篠田弘作君) 御要望の趣旨に鉛って努力はいたしますが、今申し上げたような状態でなかなか早急に解決するという見込みは私も実は今たっておりません。早急に解決する線に向かって努力すると申しますと、ちょっとうそになるんじゃないかと実は私考えるほど、はなはだ因難であるということを、ひとつよく御認識を願いたいと一そう私は考えております。
#77
○林虎雄君 ぜひ積極的に努力を、放任しないで御努力をお願いしたいと思います。
#78
○国務大臣(篠田弘作君) 努力はもう積極的に努力いたします。
#79
○委員長(石谷憲男君) 他に御質疑はございませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#80
○委員長(石谷憲男君) 他に御発言もないようでございますから、両案についての質疑は終了したものと認め、これより両案を一括して討論を行ないます。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(石谷憲男君) 別に御意見もないようでございますから、両案についての討論は終局したものと認め、これより両案について採決を行ないます。
 まず、消防法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案を、原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#82
○委員長(石谷憲男君) 全会一致であります。
 次に、消防組織法及び消防団員等公務災害補償責任共済基金法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案を、原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#83
○委員長(石谷憲男君) 全会一致であります。よって両案は、いずれも全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書につきましては、委員長に御一任願います。
 それでは、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時二十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十一分開会
#84
○委員長(石谷憲男君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
 初めに理事の辞任並びにその補欠互選についてお諮りいたします。理事西田信一君から、本日付をもって都合により理事を辞任したいとの申し出がございます。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#85
○委員長(石谷憲男君) 御異議ないと認めます。それでは直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。互選は、前例によりその方法を省略いたしまして、委員長の指名によることに御一任願いたいと存じますが、さよう取り運ぶことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(石谷憲男君) 御異議ないと認めます。それでは委員長から西郷吉之助君を理事に指名いたします。
#87
○委員長(石谷憲男君) 次に、地方公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず補足説明を願います。
#88
○政府委員(佐久間彊君) お手元に御配付申し上げております法律案要綱によりまして御説明申し上げます。
 本法律案は、国の公務員につきましての恩給法等の一部を改正する法律案を別途御審議いただいておりますが、これに伴いまして地方公務員につきましても同様の措置を講じようということでございます。その第一は、外国特殊法人職員期間の通算の問願でございます。今回恩給法の一部を改正する法律の一部改正におきまして、旧南満州鉄道株式会社等の外国特殊法人に在職をいたしました者の職員期間を有する組合員につきまして、外国政府職員に在職いたしました期間を有する者等に対する措置と同様に、通算できるような措置を講ずることにいたそうということでございます。
 第二番目は、公務による廃疾年金の最低保障の引き上げの点でございます。公務上の傷病による廃疾年金の最低保障額につきましては、扶養家族のある者につきましては被扶養者一人につきまして四千八百円の加算がされることになっておりますが、そのうち組合員の退職後に出生した子にかかる部分につきましては二千四百円になっておったわけでございますが、今回国の恩給法の改正におきましては、それらの子につきましても四千八百円に引き上げることにされましたので、これと同様な改正をいたそうということでございます。
 第三は、地方職員共済組合等が支給する国の新法の規定による長期給付等の額の改定等の点でございますが、地方職員共済組合、公立学校共済組合及び警察共済組合のいわゆる三共済につきまして、地方公務員共済組合法が施行前にすでに退職をいたしまして給付を受けております者につきまして、法におきましては、従前の例によるという規定がされておったわけでございますが、その従前の例による規定につきまして、旧令による共済組合等からの年金受給者のための特別措置法等の一部を改正する法律に上りまする措置と同様の措置を講ずるようにいたそうということでございます。
 第四番目は、旧恩給組合条例の退隠料等の年額の改定等のことでございますが、恩給組合につきましては、地方公務員共済組合法の成立に伴いまして恩給組合法を廃止をされておりまするので、地方公務員共済組合法が施行になります前に退職をいたしまして、すでに受給をいたしております者につきましては、施行法におきましてそれぞれ措置をいたしておったわけでございます。そこで、今回の恩給法の改正と同様の内容のことを施行法に規定をいたすことにいたしたわけでございます。規定の内容は、第一番目は、恩給法の場合におきまして、従来一万二千円べースから一万五千円べースに引き上げました際に、その増領分を六十才に達するまでは停止されておったのでございますが、今回の国の恩給法の改正におきまして、その停止を解除することにされましたので、それと同様の措置を恩給組合につきましても講じようというものでございます。
 第二番目は、先ほど申し上げました公務廃疾による増加退隠料等の受給者でございますが、これにつきまして、退職後出生した子女の扶養加給額を二千四百円から四千八百円に引き上げるということにいたそうとするものでございます。
 第三番目は、加算年を基礎といたします普通恩給の受給者の恩給公務員期間を通算して支給される退隠料の年額の算出率でございますが、これは年限を加算をいたしまして初めて普通恩給年限に達す者の恩給年額を算出いたします場合には、実在職期間が百五十分の五十でございますが、その年限に不足いたします一年ごとに百五十分の三・五といういわゆる減算率を乗じておるわけでございますが、その減算率を百五十分の三・五でございましたのを、百五十分の二・五に緩和をいたそうということでございます。なお、それと同時に、最低保障率を百五十分の二十二から百五十分の二十五に引き上げることにいたそうというものでございます。
 第四は、旧南満州鉄道株式会社等の外国特殊法人の職員期間を有する者につきまして、先ほど申し上げましたと同様な措置を講じようということでございます。
 第五番目は、三及び四の措置によりまして追加費用が増加することになるわけでございますが、それの負担は政令で定めるところによりまして、国、地方公共団体、または組合が、一般の追加費用の負担と同様な方式で負担をすることにいたそうとするものでございます。
 その他若干の規定の整備をはかることになっております。
 一から四までのその措置は、昭和三十八年十月一日から実施することにいたそうとするものでございます。
#89
○委員長(石谷憲男君) それではこれより質疑を行ないます。御質疑の方は、順次御発言を願います。
#90
○鈴木壽君 これに関連をして、今の改正に関連をしてでありますが、この前、地方公務員共済組合ができる際に、私どもはその適用するといいますか、それに加入できる職員として、当時の法には入っておらなかった地方自治関係団体の職員あるいは健康保険組合関係の職員、こういう者についてもすみやかにこれの適用を受けられるようにという附帯決議をしたのでありますが、当時、それに対して政府では、決議の趣旨に沿って努力をするというお答えであったのですが、そういうことについて、現在のところ何か準備をしておられることがございますか。
#91
○政府委員(佐久間彊君) お尋ねの問題につきましては、附帯決議の御趣旨もございましたので、自治省といたしましては、できますれば今度の国会に提案いたすことができますように努力をいたしたわけでございますが、政府部内におきまして、関係省庁との意見の調整が、今国会提出にはとうてい見通しが不可能のような状況でございましたので、政府といたしましては、ただいまのところ、今国会に提案をいたすという状況にはないのでございます。ただ漏れ承りますと、議員立法の形でお進めになるというお話が当院のほうからございまして、私どもも主管課のほうで、技術的に法案の作成等についてはただいま御協力を申し上げておる状況でございます。
#92
○鈴木壽君 自治省としては、附帯決議のそれを実現するために、それが適当と考え、また、その実現のために努力をしてきたのだ、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
#93
○政府委員(佐久間彊君) さようでございます。
#94
○鈴木壽君 これは政府部内の意見の一致を見ることのできない今の段階だと、こういうことでございますが、あまり内部のこともここではっきり言わせるということも少し罪のようでありますから、そこまで立ち入りませんが、私どもも、自治省以外のところでこの問題についてはもうちょっと待ってくれというふうな意向を強く持っておるところがあるということを聞いておるのでありますが、それはしかし、その趣旨には必ずしも反対だといのではない、時期的な問題としてそうだということで、ただ私ども先ほど申しましたように、当時附帯決議をして、これは参議院だけでなしに、衆議院段階でもたしかついておったと思いますから、いわば両院の、国会全部の意思の現われだと、こう思うのでありまして、これはまたそれに対して善処を約したからには、できるだけ私は早くそういうものが実現できるようにしてもらわなければならぬと思うのでありますが、そこで、私ども実はあなたからお話しありましたように、議員立法の形でこれを何とか今国会で具体的な形ではっきりさしたいと思っておるのですがね。やはり政府としてはこれに対して踏み切ることができない段階だと、こういうことなんですか。
#95
○政府委員(佐久間彊君) 関係省との間におきます意見の相違というものが、今国会中に調整できる見通しは、率直に申し上げて私どもはないというふうに考えております。
#96
○鈴木壽君 まあここまで言っていいかどうかわかりませんが、厚生省あたりだいぶ渋っておるようでありますが、これはまあたとえば、厚生省の関係の健康保険組合関係の職員について、まあそういう態度でありますけれども、他の同じような、たとえば厚生年金の関係の人たちとか、そういうものとのそれを考えておられるようであります。それはそれとして、考え方としてそういうこともあると思いますが、いずれそれについても、厚生年金関係のそれも含めてやるというのであれば、時期がもっと早ければいいわけですが、その時期がなかなかずっと先のほうだというふうになりますと、せっかく私どもが考え、あるいはまた、当時政府も賛成をした答弁をしておるのでありますから、それがおくれてくると実現ができないわけですね。おくれてくるというのでは私は残念だと思う。まあこれは厚生省の人たちに言うべきことでございましょうから、あなた方に言っても何でありますけれども、厚生年金関係のそれがあるならば、しかし、今の健康保険関係の職員のことをひとつ解決することが、またある意味においては他のものに対する前進というような形で早い機会にそういうものが実現できるのじゃないかと思うので、これはお話し合いの段階では、くどいようでありますけれども、あなた方の政府部内での話ではまあ見込みがないと、こういうことのように先ほど承ったんですが、やっぱりそうなんでしょうか。
#97
○政府委員(佐久間彊君) 全然見込みがないということは、これは断言することはできないと思いますが少なくとも今国会は提案に間に合うように意見の調整をはかるということは、どうも見込みがないというふうに申し上げていいかと思います。
#98
○鈴木壽君 今おっしゃった見込みがないというのは、厚生省あたりの主張はどういうことなんでしょう。もし差しつかえなかったら、あなた方が折衝の過程で、あなたのところで差しつかえなかったら、ひとつ厚生省あたりの主張を聞いておきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
#99
○政府委員(佐久間彊君) この共済組合の対象とするものにつきましては、公務員に限定すべきであって、それ以外の職員につきましては、団体の職員につきましては、これは厚生年金の制度によって行なうべきである。それに対しまして、私どもは農業団体の団体職員の共済組合というようなものもあるじゃないかということを申しておるわけでございますが、これは社会保障制度審議会でも非常に論議のあったところであり、むしろその当時の政府としては、以後そういうような公務員でない団体職員について、共済組合を作るということはいたさないという申し合わせも閣議であったような話も聞いておるわけでありまして、そういうことで公務員以外の者は厚生年金でいくことについていろいろ問題があるならば厚生年金の内容を改善することによって善処すべきである、こういう非常に強い主張を私どもは伺っておるわけでございます。
#100
○鈴木壽君 その考え方もひとつ理屈はあると思いますが、ただそういうことになりますと、地方自治関係団体の職員でもこれは現在考えておるいわゆる公務員であるかどうかということはやっぱり問題がたくさんあると思うのですね。ただ、しかし、仕事の内容、そういう点から言ってやはりわれわれは言葉は悪いかもしれぬが、公務員あるいは公務員に準じた者の、そういう仕事の内容であり、取り扱いをすべきだ、こういう附帯決議になったのです。少しあるいは幅を広げたようなことになるかもしれぬけれども、やっぱり勤務の実態等から言って、厳密な身分関係からすれば公務員ではないけれども、それに準じたあるいは同等の者として取り扱うべきだということなんで、いわば一つの私どもはそういう方々に対する何というか、こういう制度を作ることによっての利益を受けさせてやるための、言ってみればあたたかい気持と申しますか、自分たちのやっておることをあまりそう言われないかもしれぬが、そういう気持なんです。ですからこれはおそらくこの問題になりますと、国会では与党とか野党とかいうことでなしに、これは一致したそういう考え方であったと思うし、現在もそうだと思うし、そういうものに対して何か抵抗されておるところが私は残念に思うのですが、最近において何かこういう問題についてさらに取り扱いについて話し合いをするというような考え方はございませんか。と申しますのは、今言ったように私どもは、私どもだけでなく、私どもの社会党というだけでなしに、たとえばここの委員会の各委員としては、議員立法でやるのだ、各党派とも、そういう考え方になっておるのですから、そういう一つの視点に立って、むしろすなおにそういうものを受けてもらうような考え方になってもらうためには、これは直接僕らが話をすることも必要でしょうけれども、あなた方の立場でどうだというような話し合いをする機会はございませんか。
#101
○政府委員(佐久間彊君) 話し合いは最近におきましても非公式にいたしたわけでございますが、先ほど申し上げたような主張を強く持っておられますので、前進いたしておらない状況でございます。
#102
○鈴木壽君 これは端的にお聞きしますが、あなた方としては異存はないはずだと思うのですが、その点どうなんですか。
#103
○政府委員(佐久間彊君) 自治省といたしましては、当初の昨年できました法律の原案の際にも自治省案には入れておったことでございまして、これが実現いたしますことは自治省といたしましては……。
#104
○鈴木壽君 その件についてはまあ一応終わります。
#105
○委員長(石谷憲男君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#106
○委員長(石谷憲男君) 速記を始めて。
#107
○鈴木壽君 ここの要綱の一番初めに今お話しなさいました「旧南満州鉄道株式会社等外国特殊法人」こうあるが、満鉄のほかにどういうのがこの対象になるものとして、特殊法人としてありますか。
#108
○政府委員(佐久間彊君) これは政令で定めることにされているわけでございますが、現在予定をいたしておりますものは、満鉄のほか、旧南満州電信電話株式会社、旧華北交通株式会社、旧華北広潘協会、旧北支顧中公司、旧華中鉄道株式会社、旧華中電気通信株式会社、旧蒙疆電気通信設備株式会社。
#109
○鈴木壽君 そういうのに該当する、そういうものにというのじゃなくて、この項目に該当する職員の数は大体どのぐらいのものですか。
#110
○政府委員(佐久間彊君) これは国家公務員、地方公務員を通じましておよそ二万二千人程度。
#111
○鈴木壽君 このうち地方公務員はどのくらい。
#112
○説明員(松浦功君) これらの会社に勤務しておりました日本人で、その後公務員になりました数をおよそ二万二千と踏んでおるわけでございますが、地方公務員、国家公務員に明確に分けての調査はまだ十分に行き届いておりません。現在調査表を各府県、市町村にお願いして調査している段階でございますが、総体の数字二万二千ということでお許しを願います。
#113
○鈴木壽君 これは一言に言うとあれでしょう、恩給法の今度の改正に伴って、ここにも書いてありますが、関係するものを手直しをするのだ、こういうことでございますね。それ以上新たなものはないのですね。
#114
○政府委員(佐久間彊君) そのとおりでございます。
#115
○鈴木壽君 それから要綱の五のところですが、「前記三及び四の措置により増加する費用の負担は、政令で定めるところにより、国、地方公共団体又は組合が負担するものとする」これをもう少しお話をしていただけませんか、国関係、地方公共団体関係。
#116
○政府委員(佐久間彊君) 国が負担をいたします場合は、これは国家公務員の身分を持っている職員についてでございます。それから地方公務員の身分を持っております者につきましては地方公共団体が負担をいたします。それから共済組合の職員につきましては共済組合が負担をするわけでございます。
#117
○鈴木壽君 私が伺いたかったのは、実は組合が負担をするというところでしたが、共済組合の職員の分については組合が負担をする、いわば当然なことですけれども、そういうことですね。
#118
○政府委員(佐久間彊君) そうでございます。
#119
○委員長(石谷憲男君) 本案についての本日の審査は、この程度にいたしたいと存じます。
 次会は、二月十九日(火曜日)午前十時より、地方公務員共済組合法の長期給付に関する施行法の一部改正案、地方税法の一部改正案、地方交付税法等の一部改正案、地方行政の改革に関する調査・三十八年度地方財政計画に関する件について審査を行なう予定でございます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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