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1962/05/09 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第18号
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1962/05/09 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第18号

#1
第043回国会 地方行政委員会 第18号
昭和三十八年五月九日(木曜日)
   午前十時三十二分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     石谷 憲男君
   理事
           小林 武治君
           西郷吉之助君
           林  虎雄君
           市川 房枝君
   委員
           北口 龍徳君
           沢田 一精君
           西田 信一君
           秋山 長造君
           鈴木  壽君
  政府委員
   自治政務次官  藤田 義光君
   自治省行政局長 佐久間 彊君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方自治法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(石谷憲男君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回説明を聴取いたしましたが、続いて補足説明を願います。佐久間行政局長。
#3
○政府委員(佐久間彊君) 地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、お手元に差し上げております法律案要綱によりまして補足説明をさしていただきます。
 第一は、組織に関する事項でございます。この関係の部分は、地方財務会計制度調査会の答申に基づきまして、財務に関する地方公共団体の組織機関の間の権限分配を合理的にしようという趣旨に基づくものでございます。
 その第一は、議会の議決事項についてでございます。現行法におきましては、地方公共団体が重要な契約の締結あるいは重要な財産の取得、処分につきましては、議会の議決を経べきことになっておるわけでございますが、実際の運用を見て参りますと、非常に少額なものにつきまして議会の議決を経るように条例で定めておるものもございまして、財務会計制度調査会の答申におきましては、これらの契約、財産につきましては、予算の審議の段階におきまして議会が関与いたしておりますので、予算できまりましたものの執行につきましては、執行機関の責任で処理させるほうがよろしいという趣旨の答申があったわけでございますが、その答申の御趣旨をくみまして、しかしなお相当重要な契約の締結なり、財産の取得、処分につきましてはやはり議会の関与をさせておくことが適当であろうという考え方によりまして、条例で定めます基準を、政令で定めるということにいたそうとするものでございます。そのほか現在財産の出資につきましては、議会の議決を経るようになっておりませんのでございますが、これも議会の議決事項とすることが適当であろうと考えまして、議会の議決事項に加えようとするものでございます。
 第二は、地方公共団体の長の担任する財務に関する事務についてでございますが、これは規定の字句の整備を主としたものでございます。
 第三は、出納長及び収入役の職務権限に関する部分でございます。現在財産に属します現金、有価証券の出納、保管につきましては長の権限になっておるわけでございますが、会計責任を明確にしようという答申の趣旨に従いまして、現金及び有価証券の出納、保管につきましては、一元的に出納長、収入役の職務権限にいたそうということ、そのほか新たに小切手の振り出しの権限を出納長、収入役に認めよう等々につきまして、出納長及び収入役の職務権限の範囲を若干拡充することにいたそうとするものでございます。なお、それに伴いまして出納長、収入役の補助職員でございます出納員等につきまして、現行法では任意設置になっておりますが、これを必ず置かなければならないことにすると同時に、出納長の補助機構につきまして規則で適当な組織が定められるように規定をいたそうとするものでございます。
 第四は、監査委員に関することでございますが、監査機能を強化拡充する必要があるという答申の趣旨をくみまして、監査委員が現在市町村につきましては任意設置制となっておりますのを、市町村につきましても必置制にすることにいたそうとするものでございます。なお、監査委員の定数につきまして、都道府県及び政令で指定する市にあっては四人、その他の市にあっては三人または二人、町村にあっては二人または一人ということに定めようといたそうとするものでございます。監査委員の構成につきましては、現行法では学識経験者と議会の議員から選任されるものと、半々になっておるわけでございますが、調査会の答申におきましては、学識経験者を主といたしまして、議会の議員から選任される監査委員は任意制にするようになっておったのでございますが、政府部内におきまして検討の結果、やはり議会の議員のうちから選任される監査委員を加えて置くことが適当であるという考え方に立ちまして、本案におきましては定数四人の場合には二人または一人、三人以内の場合には一人は議会の議員のうちから選任いたさなければならないことにいたそうとするものでございます。
 次に、監査委員の職務権限につきまして、現行法では「出納その他の事務」ということにいたしておりますのを、「財務に関する事務」ということに改めまして、広く財務関係の事項について職務権限の及ぶことを明確にいたしたわけでございます。なお、監査委員が複数であります場合には、そのうちの一人を代表監査委員といたしまして、庶務等につきましてはその監査委員が権限を持つということを制度化することにいたしたわけでございます。なお、監査委員の職務権限を拡充することに伴いまして、都道府県の監査委員には事務局を置き、市の監査委員には事務局を置くことができるように事務組織も整備することにいたそうとしたものでございます。
 次は、財務制度自体に関する部分でございますが、この部分も調査会の答申の趣旨を尊重いたして改正をいたそうとするものでございます。
 第一は、予算に関係する事項でございますが、現在地方公共団体におきまして予算と申しておりますのは、歳入歳出予算だけをさしておるのでございますが、国の制度にならいまして、このほか継続費、繰り越し明許費、債務負担行為、地方債、一時借入金、経費の流用に関する定めを、あわせて予算の内容とすることに改めることにいたそうとすることでございます。次に、いわゆる弾力条項の制度と書いてございますが、現在地方公営企業に採用いたしております特別会計の中で、その事業の経費を主として当該事業の経営に伴う収入をもって充てる建前にいたしております収益事業あるいは病院等の場合におきましては、その業務量の増加によりまして新たに必要になって参りました経費に、業務量の増加による収入を充てることができるというような制度を設けることにいたそう。なおまた、現在事故繰り越しの制度が地方公共団体には設けておりませんので、この制度も採用することにいたそうというふうに考えておるわけでございます。
 次に、収入の点でございますが、証紙による収入の方法あるいは口座振替または小切手等の証券による納付等ができますように、一般住民の利便を考えてそうした手続規定を整備することにいたそうとしておるわけでございます。
 次に、夫役現品の制度につきましては、今日におきましては時代おくれの制度になっておりますので、この制度は廃止をするということにいたそうとしておるわけでございます。
 次に、支出に関する事項でございますが、支出負担行為の制度をはっきりさせることにいたそう。それから支出につきましては、小切手の振り出しによる支出の方法を法定をいたそうとしておるわけでございます。そのほか資金前渡でございますとか、概算払い、前金払い、口座振替等の支出の方法を現在政令で規定いたしておりますものを法律に根拠を明らかにする。そのほか、支出に関する手続規定を整備しようとするものでございます。
 第五は、決算に関する事項でございますが、決算を長または議会に提出いたします場合の書類等につきまして、手続規定を若干整備いたすことにしておるわけでございます。
 次は、契約に関する事項でございますが、契約に関する事項につきましては現行法が至って不備でございまするので、この際規定を整備することにいたしたわけでございます。そのおもな事項は、現在指名競争入札または随意契約によることができます場合を条例で定めることにいたしておるわけでございますが、実情にかんがみましてそのような場合を政令で定めるということにいたそう。そのほか契約確定の時期あるいは契約の履行を確保する措置等につきまして、契約に関する手続規定を整備をすることにいたそうとするものでございます。
 次は、契約の一種といたしまして、電気、ガスあるいは水の供給等の契約につきましては、翌年度以降にわたって契約を締結することができるように、いわゆる長期継続契約ができるようにいたしたわけでございます。
 次は、公金の収納または支払いのために現在金庫制度があるわけでございますが、小切手の振り出し等による支払いを認めましたことと関連いたしまして、金庫制度を廃止いたしまして、公金の収納または支払いのための金融機関の指定の制度に改めることにいたしたわけでございます。
 次は、現金及び有価証券の保管に関する規定でございますが、この点につきましても、規定が不備でございますので、規定を整備することにいたしたわけでございます。
 次は、財産の関係でございますが、財産関係につきましても、現行法は規定が不備でございますので、国有財産法の規定を参考にいたしまして、公有財産の範囲を法定し、及び公有財産を行政財産と普通財産とに分類するとともに、それらの管理及び処分につきまして規定を整備することにいたそうとするものでございます。
 次は、物品に関してでございますが、物品に関しましては、現行法では規定を全く欠いておりますので、これも国の物品管理法を参考にいたしまして、物品の範囲、物品の管理及び処分に関する規定を設けることにいたしたわけでございます。
 次は、債権の管理でございますが、これにつきましても、現行法は規定が至って不備でございますので、国の債権管理法を参考にいたしまして、債権の範囲、債権の管理に関する規定を設けることにいたしたわけでございます。
 次は、基本財産及び積立金の制度でございますが、現行法ではこの二つを分けて規定をいたしておりますが、分ける実益が今日ではございませんので、基金制度に統合いたしまして、基金の設置、管理、処分に関しまして規定を整備いたそうとするものでございます。
 次は、住民による監査請求及び訴訟制度、いわゆる納税者訴訟に関する規定でございますが、この規定が不備でございますために、住民の正当な権利の行使が十分できないというような実情にかんがみまして、規定を整備することにいたしたわけでございます。
 次は、職員の賠償責任制度でございますが、これも国の制度にならいまして、従来の会計職員だけでなくして、予算の執行あるいは物品の使用にあたる職員をも対象に加えることにいたしまして、制度の合理化をはかろうとするものでございます。
 次は、公の施設に関する事項でございますが、現在、「財産、営造物」ということで、地方自治法では一括して規定をいたしているわけでございますが、営造物につきましては、財産的な観点よりも行政管理的な面から規定をすることが合理的でございますので、財産と分離をいたしまして、営造物に関する規定を整備することにいたしたわけでございます。なお、営造物という従来の用語が、今日におきましては必ずしも適当ではございませんので、公の施設というわかりやすい表現に改めることにいたそうとするものでございます。
 以上が財務会計制度調査会の答申の趣旨を具体化しようとするための改正部分でございます。
 次は、地方開発事業団に関する事項でございますが、これは地方制度調査会の答申に基づきまして新たにこの制度を設けようといたすものでございます。近時、地方開発が盛んになって参りまして、たとえば新産業都市の指定等がありました場合には、その指定になります区域が、数市町村あるいはそれ以上の広い範囲にわたることが予想されるわけでございますが、そうした場合におきまして、地方公共団体が、一定の開発計画に基づきます事業を総合的に共同処理する有効な方式を設けようというのが、その趣旨でございます。
 地方開発事業団は、特別地方公共団体といたそうと考えているわけでございまして、現在、共同処理方式といたしまして一部事務組合の制度があるわけでございますが、その一部事務組合をさらに開発事業をやりやすいものに改める、変形をするような性質のものと考えておるわけでございます。地方開発事業団は、一定の地域の総合的な開発計画に基づきます事業――住宅、工業用水道、道路、港湾、水道、下水道、公園緑地その他政令で定める施設の建設、これらの施設の用に供する土地、工業用地その他の用地の取得または造成、さらに土地区画整理事業にかかる工事に関する事業――こういうものを関係地方公共団体が委託して実施させることにいたしております。地方開発事業団の設置の方法につきましては、一部事務組合の設置の方式に準じまして、関係地方公共団体が議会の議決を経てする協議によって設けるということにいたしておるわけでございます。
 地方開発事業団は、関係地方公共団体が協議によって決定をいたしました事業計画によりまして委託を受けました事業を行なうことにいたしておるわけでございます。
 地方開発事業団は、原則といたしまして施設の建設事業のみを行なうことにいたしまして、建設事業が完了いたしましたならば、道路、港湾、水道等の施設はそれぞれ設置団体に移管をすることにいたしておるわけでございます。なお、分譲住宅の建設でございますとか、あるいは住宅用地、工業用地等の土地造成の関係の事業につきましては、これは事業団自体におきまして造成をし、さらに処分をするという建前にいたしておるわけでございます。
 次に、地方開発事業団の組織でございますが、理事制をとりまして、理事長、理事及び監事を置くことにいたしておりまして、重要な事項につきましては理事会の議を経なければならないことにいたしております。
 次に、地方開発事業団は、法令に違反しない限りにおきまして、その処理する事務に関して必要な事業団規則を設けることができるといたそうといたしております。
 次に、地方開発事業団の財務につきましては、この事業が能率的に遂行できますように地方自治法の財務に関する規定につきまして、予算繰り越しその他若干の特例を設け、さらに土地の造成等の若干の事業につきましては地方公営企業法の財務に関する規定を準用することにいたそうとしておるわけでございます。
 そのほか、地方開発事業団につきましては、地方開発事業団と設置団体との関係、たとえば決算を設置団体の長に報告しなければならない、あるいは監査の結果を設置団体の長に報告しなければならない等、設置団体との関係につきまして必要な事項を規定し、さらに国及び都道府県と地方開発事業団との関係につきましては、一般の地方公共団体に対する助言、勧告等の規定を、そのまま準用することにいたしているわけでございます。
 そのほか、地方公共団体の財務制度の改正及び地方開発事業団制度の新設に伴いまして、関係規定の整備をいたそうとするものでございます。
 そのほかの事項といたしましては、地方公共団体の長及び議会の議長が、全国的な連合組織を設けます場合、これはいわゆる地方六団体でございますが、この地方六団体を設けました場合には、自治大臣に届け出をするようにいたしまして、地方六団体の法律上の根拠を設けようといたしているわけでございます。
 次に、市制の施行をいたします場合の人口調査についての特例でございますが、現行法によりますというと、町村を市にいたします場合の調査人口は、国勢調査によることになっているわけでございますが、最近におきます都市周辺の人口増加の状況によりますというと、国勢調査時におきましては人口が五万に達しておりませんでしたが、その後五万をこえるものが出て参っているわけでございますが、それらのものにつきまして、国勢調査ではなくて、最近の指定統計調査の人口によって市制施行ができることにするように暫定的に特例を認めようということでございます。
 次に、法令の制定、改廃に伴いまして、地方自治法の別表の改正を行なうことにいたしております。
 次に、施行に関する規定でございますが、この法律中財務以外の改正、たとえば地方開発事業団等に関する改正規定は公布の日から施行することに、予算関係の改正規定は昭和三十九年一月一日から、その他の財務関係の改正規定は同年四月一日から施行するものとし、この法律の施行に伴って必要な経過規定を附則に規定をいたそうとするものでございます。
#4
○委員長(石谷憲男君) 本案についての本日の審査は、この程度にいたしたいと存じます。次会は、五月十四日(火曜日)午前十時からの予定でございます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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