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1962/05/21 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第21号
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1962/05/21 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第21号

#1
第043回国会 地方行政委員会 第21号
昭和三十八年五月二十一日(火曜日)
   午前十時二十五分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     石谷 憲男君
   理事
           小林 武治君
           西郷吉之助君
           林  虎雄君
           市川 房枝君
   委員
           北口 龍徳君
           沢田 一精君
           館  哲二君
           西田 信一君
           秋山 長造君
           小柳  勇君
           鈴木  壽君
           松本 賢一君
           鈴木 一弘君
  国務大臣
   自 治 大 臣 篠田 弘作君
  政府委員
   自治省行政局長 佐久間 彊君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
  説明員
   自治大臣官房参
   事官      松島 五郎君
   自治省行政局振
   興課長     林  忠雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方自治法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(石谷憲男君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 お手元に前回御要求の資料が提出されております。それでは、本案について御質疑の方は順次御発言を願います。
#3
○沢田一精君 簡単に二、三お尋ねしたいと思います。改正案の二百三十五条に関連してお尋ねをいたします。金庫制度を廃止して指定金融機関の制度に切りかえられた理由は何でございますか。
#4
○政府委員(佐久間彊君) 今回の改正法案によりまして、出納長、収入役は小切手の振り出しができることにいたしたわけでございます。そこで指定金融機関を支払人とする小切手を、出納長または収入役が振り出すことによって支払いの事務を処理するのが、通常の状態になるわけでございます。そういたしますと、従来の金庫におきましては、支払いにつきましても出納長、収入役の命令に基づいて金庫が支払い事務を代行する、こういう制度になっておったわけでございますが、この従来の金庫制度を、いわば預金制度に近い今回の制度に改めることにいたしたわけでございます。
#5
○沢田一精君 指定金融機関を指定する方法といいますか、どういう手続を経て指定するということになりましょうか。
#6
○政府委員(佐久間彊君) 金融機関は地方公共団体の長が指定することになるわけでございますが、その金融機関の対象といたしましては地方公共団体の公金の収納、支払いの事務が法律上許されております金融機関であれば、何でもいいという考え方をいたしておるわけでございます。
#7
○沢田一精君 議会の議決は必要でございますか。
#8
○政府委員(佐久間彊君) この点につきましては、地方財務会計制度調査会の答申におきましては長が指定するということになっておりまして、議会の議決は必要としないような趣旨にうかがわれるわけでございますが、現行は「議会の議決を経て」ということになっておりますので、政令を立案いたします過程において、その点を検討いたしてみたいと考えておるわけでございます。
#9
○沢田一精君 まだ、それでは自治省としては金融機関を指定する際の手続として、議会の議決に付するかどうかということについては、結論が出ていない、こういうふうに解釈していいわけですか。
#10
○政府委員(佐久間彊君) そのとおりでございます。
#11
○小林武治君 今のに関連して。金融機関の指定というものが、乱用にわたっては、非常に弊害が多いということは、自治省もわかっているんじゃないかと思うんですが、今、沢田さんが言われたように、指定はできるだけ慎重にやらんければなるまいと思うんですね。まだきまっておらんというようなことですが、なるべく慎重に手続をとる、こういうふうな考え方を持ってもらいたいと思いますが、どうですか。
#12
○政府委員(佐久間彊君) できるだけ慎重を期さなければならんという御趣旨は、そのとおりと存じておりますので、その御趣旨をよく含んだ上で、法案成立後検討いたしたいと思います。
#13
○沢田一精君 今、小林先生からもお話があったとおりなんですが、さらに引き続いてお尋ねいたしたいと思いますことは、金融機関を指定する方法と申しますか、その一つなんですけれども、これは一つの金融機関にしぼりますか、それとも二以上にわたってもよろしいというお考えですか、その点を承りたい。
#14
○政府委員(佐久間彊君) 金融機関を指定いたします場合に、その金融機関に、現行の本金庫、支金庫に相当する区分をいたすことがやはり適当であろうと考えております。現行の本金庫に相当いたしますものは、本日お出しいたしました資料では、指定金融機関とかりに呼んでおります。それから現行の支金庫に相当いたしますものは指定代理金融機関、それから現行の収納代理だけやっておりますものにつきましては、収納代理金融機関というふうに、区分はやはりそのまま存置をいたしたいと考えております。で、その場合に、本金庫に相当いたします指定金融機関は当然一本にすることを考えているわけでございます。
#15
○沢田一精君 今の御説明ちょっとわかりかねたのですが、一つの銀行を従来の本金庫というような格好で指定をした場合に、その出先支店というものが各地にあると思いますが、それが従来の支金庫的な立場に立って、出納業務に関与してくる。そういうことではなしに、別個の系統の金融機関も、支金庫的なものとして指定をするということがあり得るわけなんですか。
#16
○政府委員(佐久間彊君) そのとおりでございます。
#17
○沢田一精君 それから二百三十五条の四の改正案に関連してお尋ねいたしますが、「政令の定めるところにより、最も確実かつ有利な方法」によって、いわゆる歳計現金を保管しなければいけない、こういう規定があるようであります。これは、きょう鈴木委員の要求された資料が出てきて、おりますが、まだ十分、目を通しておりませんけれども、「政令の定めるところにより、最も確実かつ有利な方法」、これはどういうことなんですか。
#18
○政府委員(佐久間彊君) これはまあ、ごく通常のことでございまして、通常の金融機関に預託をしなければならんという趣旨のことでございまして、金融機関として指定されたものに預託いたしますならば、この要件を満たすことにいたしたいと考えているわけでございます。
#19
○沢田一精君 私がお尋ねする趣旨は、府県の場合を考えてみました場合、まあ、中元の時期であるとかあるいは年末であるとか、中小企業やあるいは農業金融のために県の歳計現金を預託するというようなことがあるわけなんですが、そういうことは指定金融機関以外には考えられない。こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
#20
○政府委員(佐久間彊君) 指定金融機関は、公金の収納、支払いの事務を取り扱うわけでございますから、公金の収納、支払いの事務ではございませんで、ただ預託だけをするということでございますれば、指定金融機関以外の金融機関で差しつかえないと考えております。
#21
○沢田一精君 そういうふうに指定金融機関以外のものにもどんどん預託していくということになれば、これは県の歳計現金あたりの争奪戦と申しますか、そういうことが起こりやすくなってくるし、また歳計現金の保管方法としても確実かつ有利な方法という趣旨からは逸脱してくると思うのですが、その辺の御見解は。
#22
○政府委員(佐久間彊君) これは預託だけでございますから、通常、法令によって預託業務が認められております金融機関でございますれば、法によって安全性が保障されておるわけでございますから、そこに預託することを認めていいのではなかろうかと考えておるわけでございます。ただ指定金融機関を設けるわけでございますから、当然その指定金融機関に重要な部分の預託はなされるものと予想されるわけでございますから、指定金融機関以外のものに預託をするということは、これは実際上もおそらく、そう多くはないではなかろうかと考えておるわけでございます。その場合に、この「政令の定めるところにより」ということで、指定金融機関以外に預託をいたします場合には、今考えておりますのは出納長、収入役が自分の独断じゃなくて、地方公共団体の長の承認も受けなければいかんというようにいたしたいと考えておるわけでございます。
#23
○沢田一精君 特定の政策目的を達成するために、たとえば中元の時期あるいは年末に、そういう指定金融機関以外に預託をするということは、案外多いんじゃないかと思うのですが、今の御説明ではその際は出納長限りでなしに、長と相談をしてといわれましたが、その際議会は何ら関与しなくてもよろしい。こういう御見解ですか。
#24
○政府委員(佐久間彊君) その際は、議会の関与は現在のところ考えておりません。
#25
○沢田一精君 それから二百四十一条の基金の点ですが、これは指定金融機関以外でも確実かつ効率的な運用ができるということであれば、預金をすると申しますか、積み立てておくということができるわけですか。
#26
○政府委員(佐久間彊君) これは、そのとおりに考えております。
#27
○沢田一精君 先ほど小林先生もおっしゃいましたように、まあ現在この歳計現金の預託運用という問題は、非常にやはり地方行政にとって重要な問題になってきておると思うのです。先ほどお尋ねしましたように、政策目的による貸付金と申しますか、歳計現金の運用それ自体からいえば若干離れたような、そういった問題もたくさん起こってきておるわけですから、指定金融機関の指定あるいは歳計現金や基金の運用については、自治省としても十分ひとつ関心を持っていただき、いろいろな問題が惹起したり、あるいは乱に流れるというようなことがないように、政令の制定等でも十分お考えいただきたい。と同時に指導の徹底を期していただくことを要望いたしたいと思います。
#28
○松本賢一君 この前の委員会でお尋ねしたんですが、ふに落ちるような御答弁が聞けなかったので、もう一ぺんお尋ねしてみたいんです。地方開発事業団の問題ですが、この事業団というものが新産業都市の構想に対応して作られたものだという説明がなされておるんですが、また必ずしもそうでもない、それ以外のものも作ることができるというような説明を聞いたわけです。そうすると、この前お尋ねした財源というか、起債の関係の問題ですが、これを新産業都市に重点的に持ってくるんだという企画庁あたりの構想というものがあるわけなんです。ところがまあ開発事業団という形は、新産業都市に指定があろうとなかろうと同じような形のものができると思うんですが、そうなると、この四百三十億の起債というものの、まあいわば奪い合いということが、各地区から出てくると思うんです。そういうときに新産業都市に指定されておるところと、されていないところと、どちらも開発事業団を作っておるという場合には、どういうふうにそれをお扱いになるのか。この間もちょっと御説明を聞いたのですが、私にはどうも納得いかないので、もう一ぺんお尋ねしてみたいんですが。
#29
○説明員(松島五郎君) この開発事業団は、事業を実施します一つの方式でございまして、その起債をどうするかという問題は、当該団体あるいは開発事業団が実施します仕事の内容によって考えていかなければならない問題であろうかと思います。したがいまして、開発事業団ができたからここで取り上げた事業は何でも起債の対象になるんだというわけでも必ずしもないと思います。要はその事業団を作るか作らないかという問題のほかに、その事業団なりあるいは地方団体が直接やります場合においても、仕事の内容が必要性、緊急性あるいは合理性があるかどうかという判断に立って起債を考えていかなければならないと思います。ただ新産業都市というようなものに指定があり、かつその地域において行なわれます事業のために事業団を作ったような場合には、おのずからそこに仕事の緊要性なり必要性なりというものが、何といいますか、高い程度において考えられると思いますので、そういう意味においてはおのずから起債の上についても優先といいますか、重点的な取り扱いが受けられるのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。しかしながら、かりに新産業都市にならなかった地域があったといたしましても、そこでどうしても必要な仕事があり、いわゆる事業団という組織を作ってやっていくということになれば、その事業が緊要性があり、必要性があれば、これまた起債の対象になり得るということでございまして、要はやはり、その事業団なりあるいはその地方団体が行ないます仕事の内容によるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#30
○松本賢一君 それはこの前もお聞きした御答弁なんですが、そうなると、この新産業都市に指定ということが非常にぼけてしまうような感じがするのですね。それで起債の財源というものが潤沢にあるならともかくも、わずかに四百三十億というものが予算に計上されておるということなんで、その範囲内で何もかもやろうということになると、よっぽど重点的にものを運ばないと、うまくいかないのじゃないかという気がするのですが、それにもかかわらず、今おっしゃるように、それは新産業都市というものは当然内容的に緊急なものが出てくるに相違ないから、そっちのほうには自然重点的に割り当てることになるだろうといったような御説明なんですが、そういうことだと、何だか新産業部市というものがぼけてしまうのじゃないかという気がするのですよ。だから、新産業都市というものに重点的にともかくもやるのだという考え方で進まれるのか、形の上、あるいは名前の上では新産業都市になっていようと、なっていまいと、事業の内容によって同じように割り振っていくのだということなのか、どうもその辺のところがはっきりしないのですよ。それは、それぞれ地方団体はみんな緊急かつ必要なことを持っているわけなんです。それをまあ総花的にやるわけにはいかないから、新産業都市の指定というようなものも、なるべく数少なくしてやっていこうという考え方が一方にあるわけなんですから、そこのところをもっとはっきりさしていただかないと、どうもぼけてしまって、結局もとのもくあみになってしまうのじゃないかという感じがするのですよ。
#31
○説明員(松島五郎君) ただいま御指摘ございましたとおり、新産業都市に指定をするということは、その地域における事業の緊急性あるいは必要性というものを非常に重く見て、重点的に仕事をやっていこうという趣旨でございますので、したがいまして、地方債の配分にあたりましてもそういう点は十分考慮してやっていきたいというふうに考えているということを申し上げたわけでございます。
#32
○松本賢一君 大臣がお見えになったので、大臣から一応聞いてみたいと思うのですが、この地方開発事業団というものが新産業都市という構想に対応して考えられたものであるという説明を聞いているわけなんです。この新産業都市というものに指定されたものに対応して、まあ原則的にはこういうものを作るのだという説明を聞き、一方では必ずしもそうでなくて、それ以外にも事業団は作ってもいいのだということになっているわけなんです。ところが、これに対応して考えられておる起債の予算ですね、それが四百三十億見当あるわけなんです。ところが、これはまあ非常に潤沢なものならともかくも、わずかに四百三十億だということになれば、新産業都市に指定を受けたところと受けないところとが奪い合いを始めはしないか。そうなると、その事業の内容によって起債を割り当てていくのだということになる。指定があろうとなかろうと、事業の内容によってやるのだということになれば、もうこれは指定があっても、なくても同じようなことになってしまうわけなんで、新産業都市の指定というものが何となくぼけてしまうのじゃないか、せっかく特別法を作ったものがぼけてしまうのじゃないかという感じがするのですよ。ですから、そこのところをもっとはっきり説明していただきたい。
#33
○国務大臣(篠田弘作君) 新産業都市促進法を作ったわけでありますから、新産業都市に指定をするということは、重点的にその地方を新産業都市として開発するということであります。そのために、あらかじめ起債等につきましても予算に計上しているわけでありますから、新産業都市はあくまでも優先的に新産業都市として開発するわけであります。しかしながら、新産業都市を開発するからといって、ほかにそういうような計画を立てるものまでも全部押えてしまうというわけではなくて、それにはやはりそれだけの理由と条件があれば、もちろんそれを許す、そういう建前になっておる。したがいまして、新産業都市のほうは事前に予算というものを組んでおりますが、新しく立候補される開発事業団というものについては予算は組んでおりませんから、そこで、そのときの状況によって措置をしていく、そういうことになるというふうに申し上げましたので、決して新産業都市と新しくその後において立候補される地方開発都市とが同じ資格において――資格においてといいますか、条件においてやるということではなくて、新産業都市というものはやはり優先的にやるわけでございます。
#34
○松本賢一君 今の御説明によると、新産業都市というものに対する予算は別ワクが組んであるかのようにも聞こえるのですけれども、そうでもないという説明を聞いておるのです。同じ予算をどう割り振るかということになっているらしいんですが、そうなると、新産業都市というものに対して重点的に割り当てるという、そういう思想でおられることはわかるんですけれども、そこのところの、もうちょっとはっきりした何かがないとね。
#35
○国務大臣(篠田弘作君) 予算の建前として新産業都市オンリーというわけではありませんけれども、新産業都市というものが重点的に扱われるということは、今申し上げたとおりでございます。
#36
○松本賢一君 それじゃ、これ以上聞いても何ですけれども、そうすると、そこに相当気持の上では大きな重点を新産業都市へ持っていくということで扱われるわけなんですね。――それじゃまあこの程度で……。
 ちょっとこまかいことですけれども、もう一つ。三百四条の4ですね。これは具体的にいうと、どういうことなんですか。
#37
○政府委員(佐久間彊君) 地方開発事業団は理事制をとっておるわけでございます。そこで理事長、理事が仕事に当たるわけでございますが、ただいろいろな種類の事業を総合的に事業団でやるわけでございますから、ある特定の事業につきましては、その出先のブランチを作りました場合に、そこのブランチの長である職員に、ある程度の契約等の権限も委任をするということができる道を開いておこう、こういう趣旨でございます。
#38
○松本賢一君 そうすると、比較的軽微なことについては役員がタッチしないでもできるようにするということなんですね。
#39
○政府委員(佐久間彊君) もちろんこの役員のきめた方針の中で軽微な、出先で処理さしたほうが能率的なものはある程度の権限委任ができる、こういう趣旨でございます。
#40
○松本賢一君 もう一つ、同じ三百四条の8ですが、これは設置団体の長といえば知事、市町村長のことだと思うんですが、これは常勤職なんですね。それで、一方また事業団の常勤の理事長を兼ねることができるということになっているのですが、つまり両方の常勤の長を兼ねることができるという建前になっているのですが、これは実際にはどういうことなんですか。常勤の理事長ということになると、またそこに当然報酬を伴うということにもなると思うのですが、そうすると、知事なり市町村長なりが両方で常勤の仕事をして、両方から報酬をとるといったようなことが可能になってくるわけなんですか。
#41
○政府委員(佐久間彊君) この常勤の理事長、理事という職制が事業団の規約におきましてきまるわけでございますが、そういたしますと、常勤の理事長、常勤の理事という、こういう一つの職ができるわけでございまして、その職を、こういう規定をおきませんというと、設置団体の長に兼ねさしたほうがいいという場合に、法律上兼務が不可能になりますので、この規定をおきまして、常勤の理事長または理事という職を兼ねることができる、こういたしたわけでございます。現実に両方から給料をもらうかどうかということは、これはそれぞれ事業団の内部的な定めで定めるところに従うことにしてよろしい、かように考えているわけでございます。
#42
○松本賢一君 そうすると、まあそういう従来の例としては、こういうことを大体禁じて、どちらかというと比較的窮屈な規定をよく作っているのですけれども、これは非常にそういうところは自由にさせるということなんですね。
#43
○政府委員(佐久間彊君) これは非常に自由にさせるというわけではございませんが、事業団を作りました場合に、職制としては常勤の理事、理事長を置くことに定めました場合に、いろいろ関係団体で相談されました結果、どうしても理事長あるいは特定の理事というものは、設置団体の長を充てたほうが万事円満にいくというような場合に、こういう規定をおきませんというと、全然長が兼ねることができないということになっては困りますので、そういう場合の道をあけたというだけてございまして、そういうことをできるだけ自由にしようという考えは持っておりません。
 なお立法例として参考にいたしましたのは、現在の一部事務組合でございますが、これはまあ管理者に構成団体の長を充てることができることになっておりますが、それと同様な趣旨で考えているわけでございます。
#44
○松本賢一君 理事長というものは、必ずしも常勤でなくてもいいということなんですね。そうすると、今局長のおっしゃった、必ずしも自由にさせてもいいという考え方じゃないのだということなんですが、私はむしろ自由にさせるという考え方が非常におもしろいと思ってこれを読んだのですが、県知事なり市町村長なりがこれは大いにやってもらいたいというときに、常勤の理事長は兼ねることができないという規定がもしあるとしたら――普通の場合はできないようになっているわけなんですから、もしあるとしたら、せっかく働いても働らいたい人に働いてもらえないといったような場合もできるので、こういう規定を特に作られたその考え方というのは、非常におもしろいと思って私はお尋ねしているわけですが、そういう意味で、せっかくの何というか、非常に弾力性を持った規定という考え方に立っておられるのか、今おっしゃったのは必ずしも自由にさせるという意味じゃないのだというのは、どういうことなのか知りませんけれども、その辺のところはどうなんですか。
#45
○政府委員(佐久間彊君) これは、やはりそういう弾力的な運用ができるようにという気持でございますが、しかしながらこの規定がありますために事業団の理事長、理事は、建前として設置団体の長が兼ねるのだというような気持は持っていないわけでございます。
#46
○松本賢一君 そういうわけじゃない。それは他に適当な人があればその人を充ててもいい、しかしその設置団体の長が最も適任だと思うときには、こういうことができるということなんですね。
#47
○政府委員(佐久間彊君) そのとおりでございます。
#48
○西田信一君 今松本さんの、この起債の問題とも関連するわけですが、この前、私お尋ねいたしまして、今度の建前は、一応事業が終われば設置団体に返すという建前であるが、将来の問題として検討するという話でございまして、それとも多少関連性を持たした質問になると思いますけれども、この事業団というのはあれですね、設置団体は委託する立場に立ち、それからこの事業団は今の建前からいえば仕事を請け負うというか、委託を受けてやる受託団体という関係に立つわけですね。そうですか。
#49
○政府委員(佐久間彊君) 公共施設の建設につきましては、受託団体というような形になっているわけでございます。
#50
○西田信一君 そこで、ちょっと起債の関係ですが、この三百一条で、事業団が起こすことのできる地方債の総領というものを事業計画できめることになっておりますが、これはこの団体が、特別地方公共団体である事業団の起債を起こし得る事業の種類というものは非常に限定されているわけですね、三百八条からいうと一般に起債ができないように思うのだが、どうなんですか。
#51
○政府委員(佐久間彊君) この点につきましては仰せのとおりでございまして、この法律で特定事業と書いてございますが、用地の造成あるいはそれを処分するとか、土地区画整理事業とか――特定事業につきましては事業団自体が起債を起こす建前に考えておりますが、それ以外の水道とか下水道とかというような一般の公共施設につきましては、設置団体に起債をつけて、そして設置団体がその起債の資金もくっつけて、この事業団に事業を委託する、こういう建前にいたしたわけでございます。
#52
○西田信一君 その場合は、その各設置団体が起こした起債というものは出資の形をとるのですか、どうなんですか。
#53
○政府委員(佐久間彊君) これは設置団体の負担金という形です。
#54
○西田信一君 そうしますと、たとえば一つの例を港湾なら港湾にとってみますと、それを幾つかの団体がやるという場合に、湾の港湾管理者になるところの団体はよろしいですね、起債は。そうでないものは、起債の対象に幾つか寄ってやろうという場合、実際できない。すると、共同してやるといっても実際には一つの公共団体だけが、たとえば管理権を持って。おる市町村だけが起債をし、あとのほうは起債の権能を持たないということに事実上なると思うのです。そうすると、実際、こう資金を持ち寄ってやるというような効果というものは出てこないのじゃないですか。その点はどうなんでしょうか。
#55
○説明員(松島五郎君) 設置団体が共同して一つの仕事を委託いたします場合には、それ全体を各設置団体の起債対象額といたしますので、ただいま御指摘のような問題は起きないのではないかというように考えております。
#56
○西田信一君 ちょっと、そこのところわからないのですが、幾つかの団体が集まって事業団を作るのでしょう。公共団体が集まって作るでしょう。その場合に、その起債は全体の起債になるのですか。
#57
○説明員(松島五郎君) それぞれの設置団体が、負担する割合に応じまして分担金として納めるわけでございますので、それに対する起債ということになります。
#58
○西田信一君 そこで、ちょっとわからないのだけれども、私は例を港湾にとったわけですが、道路のような場合は、あれはずっと長くなるから、それは持ち分に応じてできるわけです。たとえば港湾のような場合、設置団体の中のどこかの市町村が港湾管理者だから起債はできるけれども、その他のところでは起債ができないのじゃないか。そうすると、実際に共同してやるといっても、一つの団体だけが負担金を大部分持ってしまって、実際共同というような形が生まれてこないのじゃないか、ということをお聞きしているわけです。
#59
○説明員(松島五郎君) 管理団体になるかどうかも将来の問題でございますが、管理団体になるかどうかという問題とは必ずしも関係なく孝えております。したがいまして、その事業に対する負担金ということであれば、その事業に対する負担金としての起債をする。現在でも、たとえば県の管理しますところの団体、市町村が負担金を納めますような場合も起債の対象にいたしておりますので、その点は差しつかえないのじゃないかと思います。
#60
○西田信一君 そこで、もしそうだとすれば、そういう場合に、たとえばそういう事業をやる、そうしてでき上がった後に、港はどこか設置団体に返すということになりますと――どこかこれは港湾管理者たるべき団体に返すということになると思う。その場合における起債はばらばらにやっておりますが、それをどうするかということになると、ちょっとむずかしい問題が起きてきて、かえって私は将来その事業をやはり事業団が経営し得るという道を開いておくことが、そういう面からいっても必要じゃないだろうかというふうに考えるんですが。そういう点、どうですか。
#61
○政府委員(佐久間彊君) 先生の御指摘の点は、全く私どももそのとおりに考えております。当面は建設の段階でございますので、建設を一生懸命やるわけでございますが、施設ができましてからあとの維持管理の段階になりますと、お話しのような問題が当然起こってくると思いますし、その際には、この前、御指摘のございました点は立法的にも検討すべき問題であろうと、私どもも考えております。
#62
○西田信一君 それは御検討願うということでけっこうと思いますが、今のお話しの各地方公共団体がそれぞれ起債をして持ち寄る、こう言われるんですが、この事業団自体が起債をするという道を開くことが、むしろ私は非常に有効であり、この事業を成功させる一番のポイントであるというふうに考えるわけですけれども、その辺についても、今度は別として、将来お考えになるお気持はありませんでしょうか。
#63
○説明員(松島五郎君) ただいまの御指摘の点、まことにごもっともでございますが、現在の法律案におきましては、工業用水道、道路、港湾、こういったものにつきましては、仕事が終わったならばそれぞれ関係団体に引き継ぐという建前になっております。したがいまして、仕事を引き継いでしまいますと、事業団がかりに残るということになりましても、借金を返すだけの事業団になってしまうということになるわけでございますので、事業団自体がこういう事業についても起債をするという建前にいたしますためには、事業が完成した後も維持管理、経営をやっていくという建前と並行して考えなければならない問題でございます。したがいまして、その点につきましては、先ほど行政局長からお答えいたしましたように、制度自体の問題として今後検討して参りたいと思います。
#64
○西田信一君 大体それでけっこうだと思いますけれども、私も冒頭に申し上げましたように、この起債の権能の問題は、いわゆる受託団体という関係だけの事業団にするか、あるいは将来事業を経営する道も開いた事業団の形をとるかということと、今の起債の問題は関係があるということを冒頭に断わって申したわけですから、今のお答えで大体了承できますけれども、私は私なりの考えで、そういう道を開いておくことが、むしろこういう事業団の制度を設ける上において非常に効果的であり、意義があるんであろうというふうに思いますので、ひとつ大臣からなお重ねて伺って、私の質問はこれで終わります。
#65
○国務大臣(篠田弘作君) 西田委員のおっしゃる意味は、ABCの三つの市町村が共同して一つの港湾を作る場合、その港湾の所在地がAであるという、そのAにできた港湾というものが完成の暁にはAに返される、しかるに起債はBCも協議の上で起債をして負担をする、ということは道路なんかと違ってまずいじゃないか。こういう意味じゃないですか、そういう意味に私はとっているんですが、そこが非常に配分がむずかしいじゃないか。Aに作った港湾はAの村に返される、しかるにBCもそれに対して起債で負担をする……。
#66
○西田信一君 ですから起債もなかなかめんどうになるし、実際には事業団は作りましても、力を合わせてやるという効果が出てこないんじゃないですか。
#67
○国務大臣(篠田弘作君) ところが、これはやはりAに港湾が作られることによって、BCもそれぞれの利益を受ける。その受ける利益に相当する――いわゆる相談によって負担を幾ら自分がするかということで、港湾ができた暁においても、それはその港湾そのものの管理者はAであるけれども、BCもそれに応じて利益を受けるということであれば、私は相談をしていってできないことはない。しかしいろいろの、ただいま事務当局から答えましたような問題につきましては将来研究をしてやっていく、こういうことです。
#68
○秋山長造君 今の西田さんのお尋ねの点ですが、参事官のほうから一応の御説明があったのですけれども、そういう御説明にもかかわらず、なおかつ、この起債を収益事業だけに限って、あとの公共事業的なものは設置団体それぞれの負担金でまかなうという建前ですが、なぜそういうめんどうなことをやらなければいかぬのかということですね、せっかく事業団を作るんだからね。それで、この前の話で、この開発事業団という制度を作るそもそものきっかけというか、さしあたってのねらいは、新産業都市の区域指定という問題だと、新産業都市建設のためということが大きなねらいなり、きっかけになっているという話があったんですが、新産業都市法には、こういう一号に書いてある一般公共事業的な性質のものも、全部ひっくるめて起債を認めるということがうたわれておるし、それから地方制度調査会の「地方開発都市に関する答申」を見ても、各種の事業に総合的に起債を使用できるようにしろということが、繰り返し強調されております。にもかかわらず、二号、三号の収益事業だけに限るということになると、せっかく開発事業団の道具立てを――理事長だ、理事だといって、ものものしいけれども、一番肝心の資金面というものは非常に弱体というか、貧弱な形になってしまうんじゃないか。こういう気がして、実際にこれを――まあ、みなわれもわれもと、これに一応飛びつくかもしれぬけれども、やってみて、案外、こんなつまらないものかということに終わるおそれが非常に大きいんじゃないかと思うんですが、なぜ、一体、こういう特別地方公共団体というようなものを作りながら、起債をごく一部の事業に制限したのかということをもう少し……。まあいろいろ経緯があったことは私も知っているんですよ。経緯があったことは知っているんだけれども、妥協の結果こうなったから、これが最善のものだという説明をせざるを得ぬという苦哀もわかります。わかりますけれども、どうもせっかく地方自治法に地方開発事業団――特別地方公共団体という、ものものしい制度を設けながら、起債の面でだけそういうように、二号、三号というものは、ごくそれは規模からいったらほんの局部的なものですよ。それでやはり一番大きなものは一号の「住宅、工業用水道、道路、港湾、水道、下水道、公園緑地その他」云々という、これがやはり一番大きい仕事じゃないかと思うんですよね。新産業都市法の建設基本計画の内容としてあげられている項目を見ましても、ほとんど二百九十八条の一号に例示してあるようなものなんですね。
#69
○説明員(松島五郎君) 先ほど来申し上げておりますとおり、一号に規定しておりますような仕事は、それが完成いたしましたならば設置団体に引き継ぐという建前になっております。で、二号、三号の事業につきましては、それぞれ事業団が処分をする、こういうことになっておりますので、二号、三号の事業につきましては、起債でいたしましたものも、その事業団の存続期間中におおむね財源を得て償還が可能である。かようなことから、また一方において、一号の事業につきましては引き継ぐということになりますと、仕事は引き継いでしまって借金だけ残ったということでありますと、再度借金の引き継ぎというような問題が起こりますこと、並びに、事業をすみやかにやるということになりますと、二年なり三年のうちに事業の完成ということをやはり目標にして仕事をするものと考えられます。そうしますと、大体起債の据え置き期間中くらいのうちに仕事が完了されるのが普通ではなかろうかというようなことになりますと、やはり起債の本体はほとんどそのまま残っておるという形になりますので、一号の事業につきましては、引き継ぎを受けた団体と申しますか、設置団体が借金の始末もその仕事としてしていくのが適当ではないか、かような考え方で一号と二号、三号の場合は起債の事業団における能力を変えて規定をいたしておるわけでございます。
#70
○秋山長造君 まあそう言い張られるのですから、どうも言っても堂々めぐりになるけれども、じゃ逆に聞きますが、これで開発事業団を設けた趣旨――開発事業団を運営していく便宜からいっても差しつかえない、これで十分やれるのだ、所期の効果をあげられるのだ、それから一号の公共事業についての起債は、設置団体それぞれが個々にやって、負担金としてこれに資金をつぎ込むという形で、何らの不便はないのだ、これでとにかく何とか所期の目的は達せられるのだという確信を持っておられるのですか。
#71
○説明員(松島五郎君) 事業についての起債をしていくということでございますので、私は、その団体がどこの団体がやるかということと必ずしも関係なく、仕事か進められるものというふうに考えております。
#72
○秋山長造君 だけれども、それよりは事業団の一号についても起債を認めたほうがベターであったのだということじゃないですか。
#73
○説明員(松島五郎君) 一号の事業の維持、経営まで引き続きこの事業団が担当していくという建前になりますならば、やはり経営の問題と、起債の償還の問題というものを十分考慮してやっていかなければなりませんので、そういう建前なれば、御指摘のとおり、事業団が直接起債をする、そしてその償還も責任をもっていくというほうがベターであったろうと考えます。
#74
○秋山長造君 まあ、そこはいい工合にやって下さい、これ以上言いませんので。
 それから、ちょっと話が別になるのですけれども、この地方開発事業団の構想と、それから新産業都市の法律の二十三条による合併の規定ですね、これとの関係はどういうことになるのですか。まあ関係といいますか、ものの考え方ですね。この開発事業団の考え方として私が理解しておるところは、この新産業都市の建設あるいは地方開発都市といってもいいですが、地方開発都市の建設、あるいはさらに地域開発広域行政、こういうものをやるやり方として、一つはやはり昔からの考え方で、合併という方式があると思うのです。それからもう一つは、やはり合併必ずしもとるべき道でない、むしろ共同処理方式といいますか、別個の地方公共団体が、ある特定の事業については共同処理をやっていくと、こういう共同処理方式というのと、大体二つの考え方に大分けできるのじゃないかと思う。この地方開発事業団の考え方は、そのあとのほうの共同処理方式といいますか、そういう系列の考え方じゃないかというように私は理解しておるのです。ところが、この事業団というものを考えたそもそもの目的なり、きっかけというものは、新産業都市を建設するのがきっかけになり、大きなねらいになっていると、こういう説明があったわけなんです。そこでこの地方開発事業団というものと新産業都市法の二十三条に書いてある合併というものとを、どういうような考え方をしておられるか、その両方の関係といいますか、考え方ですね、伺いたいと思う。
#75
○政府委員(佐久間彊君) 新産業都市法の二十三条に、御指摘のように合併を「配慮しなければならない。」と、こういう趣旨の規定がございますが、これは新産業都市に指定されますところが幾つかの市町村の区域にまたがるわけでございますし、その幾つかの市町村が一つの計画に基づいて総合的に事業を実施していかなければならない。そのために、もし地元のほうで無理なく合併をして、一緒にやっていこうということになりますような場合には、合併をすることによって共同で仕事を処理する目的を達成するということも一つの方法であろうと思いますし、新産業都市法ではそういう意味で合併を検討するようにという趣旨だろうと思います。しかし合併は、新産業都市の建設の事業そのものだけを共同にするものではございませんので、必ずしも合併をしたほうがいいかどうかについては、それぞれの地域の実情によって考え方が違って参るだろうと思います。で、合併をいたしませんでも、新産業都市の事業は、いずれにいたしましても関係市町村あるいは府県も加わりまして、共同して処理をいたさなければならないわけでございますから、その際の共同処理方式として有効な方式を研究せいというのが、地方制度調査会の答申の趣旨であったかと思うわけでございまして、今回御審議いただいております地方開発事業団は、そういう意味で地方公共団体の有効な共同処理方式の一つとして立案をいたしたわけでございます。でございますから、事業団が合併ともちろん直接関係があるわけではございませんが、新産業都市の事業を関係市町村が共同でやっていくという道具といたしましては、事業団にいくのも一つの方法でございますし、また地域の実情によりましては合併をするということも一つの方法でありましょうし、またかりに合併がある程度できました場合でも、その合併の区域と新産業都市の事業の区域というものが一致しない場合には、さらに事業団の共同処理方式を使うということは考えられると思うのであります。
#76
○秋山長造君 結局、今の御説明によりますと、地方開発事業団というものは別に合併ということとは関係がない。また、これが一つの過渡的な手段になって、そして終局においては合併をねらっているという性質のものではない、全然別個の建前のものだ、こういうように了解していいわけですね。
#77
○政府委員(佐久間彊君) さようでございます。
#78
○秋山長造君 ただ、この新産業都市法の二十三条というものが非常に、まあこの前いつか議論したことがあるのですけれども、非常に誤解を生みやすい規定なんですね。「しなければならない」と、こういうように非常に強い表現が使ってある。それから同時に、新産業都市法と並行して成立をした都市合併の特例法ですね、こういうものも出ている。しかも伝統的に、わが国ではもう広域――昔は広域行政という言葉があったかどうか知らぬが、とにかくその広域行政といったらもう合併のことだというように、すぐ合併へいってしまうという一つの伝統があると思うのです。だから合併でなくて、共同処理でやっていっても、必要にして十分なだけの仕事がやっていけるのじゃないかという、こういう事業団のような共同処理方式というものに割合いなじんでいないのじゃないかと思うのですね、今までの地方公共団体の伝統からいうと。しかもそこへ、さっき言うような新産業都市法の二十三条があり、また都市合併の特例法がありというようなことで、地方開発事業団なんというようなめんどうくさいものを作らぬでも、もういきなり合併してしまったら簡単で、すっきりしていいんじゃないかというようなことで、これを飛びこえて、一挙に合併へ進んでしまうというような傾向が非常に強いんじゃないかと思うんですね。この新産業都市の区域指定を受けようということで、もうすでに四十四カ所申請が出ているわけですね。開発事業団というものは、これから出てきて、これからやるわけですが、大体もう名乗りをあげるところは、みな全部名乗りをあげているわけなんですが、そういうところではもう開発事業団というようなことを考えられる前に、すでに合併ということへもう突き進んでしまっている、あるいはその数歩前ぐらいのところまでもういってしまっているところが多いんじゃないかと思うのです。そこへ、こういう地方開発事業団という一つの共同処理方式としての新しいものが出てきたわけですが、これは一体、自治省としては新産業都市のこの候補地の中に、どれくらいこの開発事業団という方式を利用する地域があるかというような大体の見通しといいますか、そういうものは立っておられるのですか。
#79
○政府委員(佐久間彊君) ぼつぼつこの法律が成立いたしましたならば、自分のところでも事業団でやろうかと思っているのだというような話は聞いてはおりますけれども、まだ私どもとしてはっきりした情勢はつかんでおりません。
#80
○秋山長造君 じゃもっと一般論でいいんですが、この自治法改正をやった場合に、開発事業団というこの方式は積極的に相当利用されると見ておられるのですか、その点はどうですか。
#81
○政府委員(佐久間彊君) 相当利用されることを期待しておるわけでございます。
#82
○秋山長造君 それから、ついでにお伺いしておきたいのですが、この地方制度調査会の答申の中の広域行政の共同処理という方式として、まず第一に市町村連合、それから第二として地方開発事業団、こういう二つの方式が答申されているわけですけれども、この市町村連合というものは、今度の自治法改正には出ていないわけですね。これについては自治省はどう考えられているのですか。
#83
○政府委員(佐久間彊君) この構想につきましても、答申が出ましてから検討をいたしたのでございますが、結論を得ませんでしたので、今回の法案には載せなかったわけでございます。
#84
○秋山長造君 結論が出なかったというのはわかるのです。結論が出ぬから法案になっていないのですけれども――結論が出なかったということはわかっておるのですが、今後どうされる方針なのか。それと、結論が出ぬということについては、これは賛否両論が対立して結論が出ぬのだろうと思うのですけれども、この見通しはどんな……。
#85
○政府委員(佐久間彊君) このねらっております必要性は、私どもも十分理解をいたしているわけでございます。そこで、何かその必要に応じ得るような制度を考えなければならんということで、この答申の趣旨に沿うて、いろいろ検討をいたしたわけでございますが、この連合都市というものがあまり強力なものになりますというと、府県と、あるいは構成しております市町村との関係につきましていろいろ問題が起こってくる。ちょうど一つの中二階ができることになりまして、かえって実際の行政の運営が円滑にいかないだろうという危惧が非常に持たれたわけでございますし、まああまり弱体なものでございますれば、現在の一部事務組合の方式を活用しても可能ではないかというようなことで、これにつきましてはいろいろな御意見もあるわけでありまして、私どもも、いろいろ検討いたしたわけでありますが、こういうことならば適当な制度になるだろうという内容が実は得られなかったわけでございます。しかしこれは、必要性は冒頭に申しましたとおり十分私どもも認識をし、理解をいたしているわけでございますから、今後なお、それらの点について研究は続けて参りたいと考えているわけでございます。
#86
○秋山長造君 たとえば、ここでは間に合わなかったけれども、次の通常国会あたりをめどにして、前向きで検討を続けていくというところまでになっていないのですか。
#87
○政府委員(佐久間彊君) 前向きでは検討して参りたいと思っておりますが、次の通常国会までをめどというところまで固く考えておりません。と申しますのは、この構想の必要が一番叫ばれておりました、いわゆる阪神都市群でございますが、その地元におきましても、その後いろいろな御意見があるようでございまして、その後のそれらの地元の御意見もさらによく調査をいたしまして、検討して参りたいということで、いつの国会をめどというところまでは現在のところ固く考えておりません。
#88
○秋山長造君 もう一点、起債の点についてお伺いしておきたいのですが、先ほど松本委員の御質問に対して、大臣が御答弁なさっておった新産業都市の予算は一応輪郭がきまっておって、その上に、いろいろなその他の開発事業の関係の起債を積み上げたものが四百二十九億だというような意味の御答弁があったのですが、それは後ほど多少訂正されたように思うのですけれども、しかし、それにしても地方開発事業債という新しい項目を起こして四百二十九億というものを組まれたからには、これはただ架空で一つのものをばく然とした見当で組まれたものではないと思う。やはり十カ所内外と予定されている新産業都市関係の起債計画というものが骨格になっているのじゃないかと思うんです。去年の十一月十六日の朝日新聞の二面にその点について、だいぶ具体的な記事が出ていたんです。それを見ておられるかどうかしらんけれども、それによると、大体この地域開発関係の起債が、前年は二百八十七億円であったのが、今度地方開発事業債という新しい項目に統一をされて、そして百四十二億円ふえて、四百二十九億円ということになっているので、そのふえた百四十二億円、大体百五十億円程度のものを、いわゆる新産業都市の区域指定として予定されている十カ所程度のものに振り向けるという内容の記事ですが、あまり固いことは言えぬにしても、大体そのくらいな見当で十カ所区域指定をされるとすれば、一カ所十五億円ということになりますね。大体それくらいな見当でこの四百二十九億というワクがきまったんですか、どうですか。
#89
○説明員(松島五郎君) 一カ所幾らというようなことは必ずしも考えておりません。各地方団体からいろいろ御要望を取り集めました上で、従来から継続して事業をやっておりますところもございますし、新たに事業を開始しようとするところもございますので、それらの事情を考慮しまして、総体で四百二十九億円というふうにいたしたわけでございます。
 なお、朝日新聞の記事の御指摘がございましたが、それは途中の段階におきましては、各方面からいろいろ資料を出していただきましたので、その中には、自分のところは新産業都市に指定をしてもらいたいという要望つきで出ておるところもございます。そういったものが、あるいはそういうところに具体的な名称として出てきたのではないだろうかと考えます。が、政府としても、まだ新産業都市が十カ所で、それはどこどこということを決定いたしておる段階でもございませんので、私どもといたしましては一応各方面の要望等を取りまとめた上で、大体この程度ではなかろうかということを、過去の実績あるいは将来に向かっての事業計画等を参照して定めたものでございます。
#90
○秋山長造君 そうしますと、さっき大臣がちょっとおっしゃった、あとで取り消されたのか何かしらんけれども、一応おっしゃったこの新産業都市関係の起債額というものは、大体の輪郭でも一応一つのワクがきまっておるやに聞いたんですけれども、そういうことは全然ないのですか。
#91
○説明員(松島五郎君) ふえましたのは、御指摘のとおり新産業都市というような制度が新しく発足するということを前提にいたしまして、それぞれ各地区等から事業費の積算等をいただきまして出したものでございます。しかしながら、新産業都市そのものの内容が現在の段階においてきまっておりませんので、それが新産業都市そのものであるということは、今の段階では断定いたしかねると思います。
 なお、ここに載せましたほかに、工業用水道につきましては工業用水道の起債のワクも別途に考慮いたしておりますし、上水道事業につきましても上水道事業債として別途に予定しておりますので、具体的に新産業都市が決定いたしました場合には、それらの問題もあわせて考えて決定いたすことになろうと考えます。
#92
○秋山長造君 もう一つお伺いいたしますが、自治省の財政当局としては、大体新産業都市の法律に基づいて区域指定を受けるであろう新産業都市というものの建設は、規模にもよりますけれども、大体平均して一カ所の新産業都市の建設に一体どのくらい資金が要ると見ておられますか。
#93
○説明員(松島五郎君) 各方面からお出しいただきました資料では、膨大なものから割合い少ないもの、いろいろございますので、今の指定がはっきりいたしません段階、しかも新産業都市建設計画というものが具体化しません現段階において、一カ所どのくらいであるかという見当をあらかじめつけることは、現段階においては困難であると考えております。したがいまして、ただいまのところでは、大体前年から実施してきた事業の計画なり、あるいは継続的な事業の量なり、あるいは今年度新たに事業をやろうとする場合の普通考えられるものに若干重点を置いた場合の量なり、そういうものを参考にいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#94
○秋山長造君 大臣にお伺いしますが、大臣も関係大臣なんですが、新産業都市の区域指定、これはいろいろな説があるのですけれども、大体いつ指定される予定なのか、その時期ですね。それから十カ所程度ということを一応は閣議でもきめられておったわけですけれども、やっぱり十カ所程度というワクは崩れてないのかどうか、そこらの見通しがもしありましたら……。
#95
○国務大臣(篠田弘作君) 初めは地方のほうが非常に指定を急いでおったわけでございまして、早く指定してくれという陳情が非常に多かったわけでございますが、統一地方選挙というものがあったものですから、その前に指定するということはなかなかできにくい。そこで統一地方選挙後において指定しようというような大体腹がまえを持っておったわけでございますが、窓口が企画庁でございますから、企画庁が中心になって関係閣僚懇談会等を開くことになっておりますけれども、今のところ事務的な意見の調整といいますか、意見を聞いておるというところで、まだ閣僚懇談会の段階まできておらないわけでございます。それにちょうど企画庁長官が外国に参っておりますので、やはり戻って参ってからでないと相談はできぬことになると考えております。
 数につきましては、大体全国十カ所程度というような数を考えておるわけであります。
#96
○鈴木壽君 今秋山さんの尋ねられたことで、新産都市の指定になった場合にどのくらいの金がつぎ込めるか、こういう問題でございますが、去年あたりの段階では、大体建設を十カ年程度にし、そして五千億、一カ所平均五百億程度と、こういうふうな説明があったと記憶しておりますが、そういうものは今では、松島さん、さっきの話からは出てきませんけれども、そういうのはどういうふうになっておりますか。
#97
○説明員(松島五郎君) 今振興課のほうでもいろいろ調査をされておるようでございますが、まだ新産業都市そのものが決定をいたしておりませんので、私たちといたしましては一応御希望のあるところからいろいろな事業費の見込みなどいただいておりますけれども、はっきり幾らというふうな段階にはまだ来ておりません。
#98
○鈴木壽君 まあ、これはまだ指定もならない前でございますから、したがってお話のように、ある地区でどの程度の仕事をし、どの程度の資金が必要かという具体的なそこまではまとまっておらぬだろうとは思いますが、大臣、こういう今私が申し上げたようなことについて、国の新産都市の建設に対する基本的な一つの方向の中に、今私が言ったようなことがあったと、私そういう説明を受けたという記憶を持っておりますが、その点いかがでございますか。
#99
○国務大臣(篠田弘作君) そういう記憶は私は今持っておりませんけれども、しかし一つの地域に、またこの百万にこだわると、おしかりを受けるかもしれないけれども、大体百万ぐらいの地域を産業都市にしようというのであれば、やはり今おっしゃったぐらいの金は、これは全部政府資金であるかどうかは別としまして、やっぱりそのくらいかかると私は思います。私はほかのことは何も知りませんけれども、苫小牧港というものを実は十年ぐらいかかって、自分の地元でございまして、皆さんと協力してやってみておりますが、大体港を一つ作るということは、何でもないところに港を作るということでありまして、今日の時代ですから大体五、六万トンぐらいの船を入れるということになりますと百五十億かかります。そうしますと、そのほかに大体場所にもよりますが、工業用水路の造成ということで大体非常に条件のいいところでも五十億から百億かかる。工場用地ということになりますと、私のほうは北海道でございますから土地が非常に安いのでございますけれども、それでも大体三百万ないし五百万坪の工場用地を作るということになりますと、これまた相当の金がかかりますから、結局自分の経験から申しまして、一カ所五百億ぐらいの金がないと、やはり思ったような新産業都市というものは作っていけないのではないか、こういうふうに考えます。
#100
○鈴木壽君 そうすると、それじゃお話大体わかりましたが、あらためてお聞きしますが、そうするとこれについての、たしかこれは官澤企画庁長官じゃなかったかと思うのですが、今私が言ったような数字というものまで述べられたような記憶がありますが、これはそういうものと関連して起債の問題なり資金の問題、特に地方団体の負担分の問題、財政の問題、これはいろいろ考えていかなければならぬ問題だと思うわけです。ですから、さあこれからどうなるかわからぬと、こういうことでも、ちょっと私たよりがないのではないかと思うのですが、そこら辺ですね。まあ大臣の先ほどおっしゃったように、これについての政府部内でのきちっとした考えというものは、まとまっておらないというようなことでございましたが、それであればそれでやむを得ませんけれども、私としては何かそれでは少し、今もう指定になって、これから仕事をしていくという場合に、出たとこ勝負では私はいけないと思いますが、そういう点あらためてお伺いします。
#101
○国務大臣(篠田弘作君) 御承知のとおり、指定になりましてすぐ全部の事業というものがくつわを並べて開始されるわけではないのでありまして、同じ産業都市でありましても、やはりどんなに少なくも土地の造成をして受け入れ態勢を、港湾なら港湾の整備をする、道路の整備をする、あるいはまた、鉄道の整備をするというようなことをやりまして、事業ができ上がっていくのには少なくとも五、六年はかかる、こういうふうに考えられます。私たちが過去においてやりましたのもやはりそうでございます。そうしますと、初年度から何百億とか何十億という金は必要としないのが通例でございます。そういう意味におきまして、大体先ほど秋山さんもおっしゃいましたように、この起債によると一カ所十五億程度というお話でありましたが、それくらい初年度にあれば事業というものは開始できる。起債ばかりではもちろんありませんで、融資もある程度あるでありましょうけれども、そういうまあ考えでおります。初めからそう膨大な金を一ぺんにつぎ込んでいく必要はないであろう、こう思っております。しかし終局的には今おっしゃいましたぐらいの金はどうしても必要である、こういうふうに考えます。
#102
○鈴木壽君 私、これはさっきも言ったように、これ以上この問題でどうのこうのと言っても始まらないような気もいたしますが、これを初年度、たとえばまあことし指定になって直ちにその膨大な事業が施行できるものでもなし、おっしゃるとおりだと思うのです、その点は。したがって、私は初年度からたとえば五十億つぎ込めとか、百債つぎ込めとかということでなしに、ただ事業の一つの見通し、あるいは計画の上に立った資金なり、そういう関係というものは、一応考えておかなければならぬじゃないか。私、これは地方団体にとってもたいへんな問題だと思うのです。国はどの程度出すか、これもまたはっきりしない。そもそも全体の事業量というものも、どうもさっぱり見当もつけていない。こういうことで発足して、さて仕事をやろうと思って、こういう事業団を作ってみた。実際は仕事ができないじゃないかというようなことになっても困るし、まあ何とか事業が進められるとしても、さっきも言ったように地方団体の持ち出しというものは、私はこれは相当大きな問題になると思いますから、こういう問題についても一つのやはり見通しというものは、私は持っておらなきゃならぬじゃないか、こういうふうに思ってお伺いをしたのでありますが、これはかりに十カ所指定になるにしても、きちっと十カ所、一カ所五百億、こういうふうにはかったようにやられるべき筋合いのものでもないということも私わかりますが、大体のめどというものはつけておく必要があると、こういうふうに思ってお聞きしてみたわけであります。
#103
○国務大臣(篠田弘作君) 先ほど申し上げましたように、今事務的な段階でいろいろ意見の交換をしております。正式な報告ではございませんが、その中に非常に何といいますか、予算を少額に議論しておる者もあるし、また想像以上に膨大な予算でなければできないと議論をしておる人もあるという段階でありまして、私たちはまだ閣僚懇談会を開いておりませんから、よくわかりませんけれども、企画庁あたりで今数字について練っておる段階――お互いに議論をしておる段階であろうと思います。先ほど申し上げたのは、私がやはり多少地域開発に関係をしておる立場から、どうしても最小限度そのくらいはなければだめだろう。そういう意味で申し上げましたので、いよいよ産業都市が指定されるまでに数字が全然出てこないという段階、そういうものではなくして、まだ今数字を出せないという段階ではないか、こういうふうに考えております。
#104
○鈴木壽君 ただ、私はそういうようなお話を聞きますと、たとえばさっき秋山さんからも話がありましたが、地方債計画というもの――開発事業債というもので四百二十九億新たに見た。もちろん、これは従来からやっておる仕事の分の起債も含めてのことでありますけれども、なお、そのほかに、たとえば上水道なり工業用水道なり、そういう問題について、まあ別々にワクがありますが、こういうふうに四百二十九億、工業用水道なりその他の起債のワクの中から試算当時ほどの程度予定しておるのか。私は予定しておると思うのです、四百二十九億という数字が出てくるのですから。とすれば、私は、ある事業の大体の見積りというものが頭にないと、こういう数字は出てこないと思うのですよ。そこら辺は何べんも申し上げますように、きちっとこの地域――まだ地域の指定にもなっておりませんときですから、この地域はこれくらいで、この地域はこのくらいでということは、もちろんこれは今ごろ言ったって、できるわけでもないのでありますけれども、たとえばさっき私が言ったように一カ所に五百億、十カ年、平均一年五十億、こういうような一つの大きなめどでもあれば、そこからいろいろな仕事に必要な起債なり、そういうものをはじき出す根拠が出てくると私は思う、またそうでなきゃならぬと思うのですが、そこら辺の関係はどうなんですか。
#105
○説明員(松島五郎君) 十カ所なら十カ所とすれば、幾らかのめどがあるはずではないかというお尋ねでございますが、新産業都市が指定になりますならば、その前の段階として少なくとも大体このような計画でやっていくということを前提にしての計画は、後ほど立てることになっておりますけれども、実際問題としては、指定をする段階において、大体の見当くらいはつけて指定をするということになるだろうと思います。これは事務的な問題であります。そういう段階まで来ますと、大体一カ所どのくらいかということは言えようかと思いますが、現在私どもが作業いたしました昭和三十八年度の地方債計画の段階におきましては、実際そういう段階に至っていなかったことは、御承知のとおりでございます。したがいまして、それぞれの団体によりまして非常に実情は違うわけでございまして、まず土地を造成したいという団体もございますし、また、ある団体においては工業用水をまずやりたいという団体もございます。したがいまして、すべての事業が一定の計画のもとに一斉にスタートするわけじゃございませんので、それからまた、事務的には先ほど申し上げました事情もございますので、それぞれの団体で一応計画しております事業を参考にいたしまして、積算をいたしたわけであります。したがいまして、新産業都市だから一カ所幾らというような、あらかじめワクをもってやったのではなくて、個々の団体の事業の実施計画なり、資金計画なりを積み上げましていたしたものでございます。しかも、それが十カ所と私ども今の段階であらかじめきめているわけでもございません。一カ所幾らというふうにはちょっと申し上げにくいのであります。
#106
○鈴木壽君 私のお聞きするのは、一カ所幾ら――まだ場所もきまっていないときに一カ所幾らという、こういうところまで予定しているとは私も思いませんが、従来の起債計画を作られる場合に、たとえば工業用水なら工業用水、上水道なら上水道、これは過去のいろいろな実績なり、あるいは事業の進捗率等からはじき出して、それは満足な格好にはいかぬにしても、ことしは何%くらいに伸ばすというようなことでやってこられたと思うのです。ただしかし、この問題に関する限り、何かお話を伺いますと、全然つかみといいますか――そこに適当な、今までの関連している事業のやつで二百八十何億ですかあった。これからその程度初年度やっていこうじゃないかというふうに、全然根拠のないつかみになったのじゃないか、こう思うのです、それ以外には考えられませんね。
#107
○説明員(松島五郎君) 新産業都市の建設という問題は、かりに今ここで指定になりましても、まだ起債だけで仕事がやれるわけではなく、港湾等につきましては、それについての国の事業費なり補助金なりというようなものが関連をいたしてくるわけでございます。また工業用水につきましても、同様の問題があるわけでございます。したがいまして、国の予算との関連というようなことも考えなければなりませんので、そういう点を考慮し、かつ各団体の事業予定額あるいは資金計画というようなものも参照いたしまして、積算をして参った次第でございます。ただ土地の造成のような場合には、造成費そのものは、直接現金を必要といたしますので、この地方債計画の中で処理をしていくことになろうかと思いますけれども、土地の買収費というものは、従来も交付公債という制度のワク内で運用している実績もございますので、そういった面を考慮して今後具体的な問題に対処して参りたい、かように考えておるのでございます。
#108
○鈴木壽君 ただ、私も三十八年度の地方債計画を見た場合に、いわゆる開発事業債が四百二十九億出たものですから、これは相当固まっているな、こういうふうに思ったのですが、そういうことは、今のお話からしますと、まだ固まっておらないということはわかりましたけれども、しかし私は何べんも申し上げますように、一応の十カ所程度というのは、これはずっと前の、去年からの方針ですから、そういうものに、大体一カ所どの程度の仕事なり、あるいはそれに必要な資金の量というものが見当づけられて、その結果はじき出されて、起債の必要額についての計画に入れられたのだと、こういうふうに思っておったのですが、話を聞くとどうもそうでないようでございますから、その点はこれで打ち切ります。
#109
○松本賢一君 ちょっと関連して。参考までにお聞きしておきたいのですが、今まで新産業都市に指定してくれという申請がたくさん出てきておると思うのですが、それに計画がついておるわけですね、建設のためにこれだけの費用が要るというようなことは、おのずからそういう申請書に添付してあるわけでしょう。その中で非常に大きいものと小さいものとあると思うのですが、どこそこは幾らということじゃなくて、こういうこんな大きな金額で出てきておるところもある、こんな小さいところもあるという例があったら二つ、三つ教えて下さいませんか。何県のどこそこということじゃなくていいですから。
#110
○説明員(林忠雄君) 申請を出して参りましたところで、おのおの自分のところでこういうことにしたいという一応の計画は添付して参っております。正確なことはいずれ後ほど資料としてお答えしたいと思いますけれども、大きいところは三千億から四千億ぐらいの計画がございます。
#111
○松本賢一君 小さいところはどのくらいですか。
#112
○説明員(林忠雄君) 千億程度のものを考えておるようです。
#113
○鈴木壽君 せんだってお尋ねして、なお資料としてお願いした、政令で定める事項の予定しておられることにつきましてちょうだいをいたしました……、ただ今これ全部をやっておるわけにもいきませんが、二百三十五条の、せんだってもちょっとお聞きした金融機関の指定の問題ですが、現在の施行令の中に相当詳しく出ておりますね、施行令の百六十四条から百七十条までですか、そうすると、今度の改正は、全然改正じゃなくて新たに二百三十五条としてそれが出てきたわけなんですが、施行令の関係では現行のこれをあまり変えない形でやっていくと、こういうことですか。そこら辺どうですか。
#114
○政府委員(佐久間彊君) 大体、現行の施行令をそのまま踏襲をして参りたいと思います。
#115
○鈴木壽君 そうしますと、もう一度お聞きしますが、第百六十四条から百七十条までありますが、もし現行のこれとこういう点が違ったものにしたいという予定があるというようなことはございませんか。
#116
○政府委員(佐久間彊君) 大体はそのとおりに考えておるわけでございますが、たとえば現在は金庫という言葉を使っておりますが、これは沢田委員の御質問に対してもお答え申し上げましたが、出納長、収入役が直接指定金融機関に小切手を振り出すことができるようになっております関係から、金庫という名称は適当でないということで、その名称は変えることにいたしておるわけでございます。そのほかの点では、先日の委員会で御指摘のございましたように、答申におきましては、指定金融機関にいたします場合に、都道府県及び五大市の場合には普通銀行のうちから指定するのを例とするものとするという答申がございましたので、その趣旨を改正の上にどう扱ったらいいかということが一つの問題点になろうかと思っております。
#117
○鈴木壽君 そうしますと、現行の施行令では百六十六条に「金庫事務は、普通地方公共団体の長が議会の議決を経て定める銀行又はその他の者をしてこれを取り扱わしめる。」と、これを今のお話ではどう考えたらいいか、答申は普通銀行を指定するのを通例とするというような、ああいう書き方でございますが、それも今書き改めようかどうかということなんですか。
#118
○政府委員(佐久間彊君) 現在「銀行又はその他の者」といたしておりますが、「銀行又はその他の者」、これはそのまま存置をすることにいたそうと思っておりますが、その上に都道府県、五大市について答申の趣旨をどう扱うかということを検討いたしたい。これにつきましては、いろいろ御意見もあちこちから私ども伺っておりますので、慎重に検討してみたい、かように考えております。
#119
○鈴木壽君 これは意見にわたるのですが、現行施行令の百六十六条、これでただ実際にどういうものを都道府県なりで指定するかについては、それぞれ考え方もあるでしょうし、あるいはこの答申の趣旨に沿った扱いをしようとか、あるいは場合によっては、そうでないものも出てくるかもしれませんが、いずれにしてもそれは地方団体の自主的なそれにゆだねて、現行の百六十六条のこの指定の問題については、これで足りるのじゃないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
#120
○政府委員(佐久間彊君) 結局問題は、この答申の趣旨を政令の条文の上に書くか、あるいはこれは一つの運用の心がまえとして考えて参るかという点でございまして、この点は政令の問題でございますので、政府部内でまだ結論は出しておりませんけれども、ただいま先生のおっしゃいましたように、政令の上では現行どおりで、あとは運用の心がまえというようなことでもいいじゃないかというようなお考えも、私どもも、これも一つのお考えではなかろうかと思っておりますので、それらの点は十分各方面の御意見を伺った上で、慎重にひとつ検討して参りたいと思います。
#121
○鈴木壽君 実は私、せんだってもちょっと申し上げておきましたが、これは今一々全部これをやっておるひまもございませんから、地方団体のいわば自主的な運用なり、そういうことにまかせていいことまで政令で一々きちっと、こういうふうにやらなければならぬということになりますと、どうも少し行き過ぎじゃないだろうかという感じを持つものが、ほかのにも実はあるのです。ですから、そういう点は地方団体の、今言ったような自主性なり、そういったものを信頼するという建前――あまりいいかげんなことはいたしませんから、そういうことが必要じゃないだろうかと思うのです。むしろ逆に申し上げますと、いろいろな政令を定めておいたにもかかわらず、かえってそれが守られない、たとえば契約の問題なんか、一般競争入札なり、指名入札なり、こういうような問題になりますと、幾らこういうことできちっとやっておいても、いわゆる特別な事由とかなんとかいうようなことで、一般競争入札がほとんど行なわれなかったりする。そういう事例がたくさんあるわけですよ。ですから、そういうことからいっても、あまりこまかいことまで政令等によってきめることは、むしろ私どもこの際、避けるべきでないだろうかというふうな感じを持ちます。このたくさんの、政令にゆだねる事項の内容はまだわからないうちですが、そういうふうに思う個所もあるわけでございまして、そういう点、ひとつ、いよいよ成文化される場合には、十分御検討いただきたい問題として私は申し上げておきたいと思います。
#122
○秋山長造君 今の金庫という名前がなくなるのですか、どういう名前になるのですか。
#123
○政府委員(佐久間彊君) 今の本金庫に相当いたしますものを指定金融機関、支金庫に相当いたしますものを指定代理金融機関、収納取り扱い金庫に相当いたしますものを収納代理金融機関、そういう名称にいたしたいと思います。
#124
○鈴木壽君 それから、監査委員の数の問題ですが、町村では一人でもいいということもありますね。これはやはり、せんだってから監査委員のいろいろ話がありましたが、仕事なり任務なり、これは小さいところだから一人でもいい、しかも、それが議会から出ている人でもいいというようなことでなしに、もっと監査委員制度というようなものの効果を発揮させるためにも、私はやはり一人でなしに複数のほうがいいと思うのです。ですから、これは今言ったように意見になってしまいましたが、どうでしょう、むしろ私は、監査委員が一人の場合は、一般のいわゆる学識経験者といわれるような人たちが出て、議会はそれなりにまた監査についても権能を持っておりますから、議会出の人はそれはそれとして、ぜひ一人でなければならないという場合には、私は一般の学識経験者のほうから出すべきじゃないかと思うし、さらにもっと進めて、そういう者と二人置けるような、こういうことにやはりいったほうが、監査そのものからいってもいいんじゃないかと思うのです。その点どうでしょうか。
#125
○政府委員(佐久間彊君) 私どもといたしましても、町村におきましても、できますれば複数の監査委員が置かれることが望ましいと考えております。したがいまして、法案では、「条例の定めるところにより二人又は一人とする。」ということで、二人置くことも可能なようにいたしているわけでございますから、指導といたしましては、置けるところはなるべく二人置くようにという指導はして参りたいと思います。ただ、町村の中で、非常に小さな町村におきましては、現在地方自治法の中で助役も収入役も置かなくてもいいというような制度にもなっておりますから、そういうところで監査委員だけは二人必ず置かなければならぬということも、制度のバランスの上からいたしまして適当でもないと思いますので、制度といたしましては、一人でもいいというふうにしておくことが適当であろう、かような考え方をいたしているわけでございます。
#126
○鈴木壽君 お話のように、制度全体を見た場合に、バランスのくずれるようなこともあると思いますが、ただ、いわゆる監査という仕事は、単に計数のつじつまが合ったり、何とかいうことだけに限られるべきではなくて、もっとほんとうに、いわゆる監査そのものの建前なり、あるいはねらいというものを生かすためには、私はやはり単数の、しかも議会から出る一人というような形でないほうが、よい効果をあげることができるのじゃないだろうか、こう私は思っております。しかし、今これを二人に直せというところまではちょっと申し上げませんが、やはり運用の面で、条例を作っていく場合の、ひとつのあなた方の指導の態度として、そういうことをやりながら、ひとつ将来の問題として検討していくべき問題ではないだろうかというふうに思いますから、その点ひとつ考えていっていただけばと思います。何かそういう者があることが、せんだってもいろいろ話が出ましたが、あまり好かれないような、何かじゃま者扱いにされるような理由もないわけではないと思いますが、しかし、監査そのものはもっと大事なものだという建前で、ほんとうに公正に監査がされて、住民が安心できるような、そういうものにするためには、やはりこの制度というものをほんとうに生かすような方向で考えていかなければならぬ、こういうような気持から申し上げたわけです。
#127
○委員長(石谷憲男君) 他に御質疑はございませんか。――他に御発言もないようでございますので、法案についての質疑は終了したものと認めます。
 これより法案について討論を行ないます。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。別に御発言もないようでございますから、討論は終局したものと認め、これより採決を行ないます。
 地方自治法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。
 本案を、原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#128
○委員長(石谷憲男君) 全会一致であります。よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案の審査報告書につきましては委員長に御一任願います。
 本日は、この程度にいたしたいと存じます。次会は、五月二十三日(木曜日)午前十時より地方財政法の一部を改正する法律案の審査を行なう予定でございます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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