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1962/05/28 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第23号
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1962/05/28 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第23号

#1
第043回国会 地方行政委員会 第23号
昭和三十八年五月二十八日(火曜日)
   午前十時二十八分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     石谷 憲男君
   理事
           小林 武治君
           西郷吉之助君
           林  虎雄君
   委員
           沢田 一精君
           館  哲二君
           秋山 長造君
           鈴木  壽君
           松本 賢一君
           鈴木 一弘君
           基  政七君
  政府委員
   自治政務次官  藤田 義光君
   自治省財政局長 奧野 誠亮君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方財政法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(石谷憲男君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方財政法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行ないます。御質疑の方は順次御発言を願います。
#3
○秋山長造君 簡単にちょっと二点ほど御質問したいのですが、今度のこの高等学校の建設費を住民に負担させてはならぬということは、これはもう当然でもあるし、この委員会でも年来言ってきたことでもあるし、これはもう趣旨は全く賛成なんですけれども、ただどうもやっぱり感じとして抜け道が残っておるのじゃないかという気がするのですね。たとえば「負担を転嫁してはならない。」という、その負担を転嫁するという意味ですが、自発的な寄付は、これは負担の転嫁ということには入らぬのだろうと思うのですがね、その点いかがですか。
#4
○政府委員(奧野誠亮君) お話しのように、全く自発的な寄付まで禁止をする意思はないわけでございます。ただ、自発的の格好をとりましても、それがたとえばPTAの会に拠出額を割り当てる、こういうふうなものはPTAそのものが自発的に寄付したという格好をとりましても、会に割り当てられておるものでありますので、われわれは自発的と考えない、また一般的にもそう考えられていると思います。こういうものはとめていきたい、こう思っております。
#5
○秋山長造君 市町村の場合はどうですか。
#6
○政府委員(奧野誠亮君) 府県と市町村とについては経費の負担区分があるわけでございますので、市町村が自発的に寄付するということは、われわれとしては考えられないと思っております。
#7
○秋山長造君 だって、県立の高等学校だったら市町村と県との間に負担区分というものはないじゃないですか。
#8
○政府委員(奧野誠亮君) 府県立高等学校の経費は府県、市町村立高等学校の経費は市町村という建前で基準財政需要額も算定されておるわけであります。市町村がどうしてもやりたいという場合には市町村立高等学校にせざるを得ないじゃないか、こう思っておるわけであります。
#9
○秋山長造君 財政局長の趣旨、わかりました。私ちょっと勘違いしておった。県立の学校の建設事業費は市町村にも負担させるということはだから禁じられている。ところが、実際には市町村が自発的に寄付をするという形をとる場合が多いんじゃないかと思うんですが、その場合にはもちろんつかみ金でなしに、市町村の予算にはっきり計上をしなければならない。その予算ではっきり計上するというような形をとる場合は、これはもういかに自発的であろうとなかろうと、これはこれで禁じられるということになるのですか。
#10
○政府委員(奧野誠亮君) 従来でありますと、府県の建設的な事業について受益のある市町村に対して負担を求めることができたわけであります。その場合に、府県が条例を制定いたしまして、負担の額を定める、これが筋道だと思います。そういう格好で府県立高等学校の経費を市町村から出さしておった、こういうところもございますし、そういう条例を制定しませんで、御指摘のように、自発的な形で市町村から金を出しておったというところもあるわけでございます。しかし、基本的には地方財政法にもあります、今申し上げましたような建設事業について市町村に経費を持たせることができるのだという規定に、もとを発しておったわけでございまして、そこで、そういうものから除くことによって、市町村から金を出さしてはならない。同時に府県と市町村間において財政の秩序を守るようにしなければならないという規定を先年入れたわけでございますが、この規定もそれとあわせまして役立ってくる。したがいまして、市町村に、自発的な格好をとりましても府県立高等学校の建設の費用を出させるということはできない、こうわれわれは考えているわけであります。
#11
○秋山長造君 去年、やっぱり同じような高等学校の問題についてずいぶん通常国会で私質問をして、そうしてまあ、こういうことが起こるのは、結局高校急増という問題を、義務教育でないからということだけの理由で国が全然金を出さない、補助金を出さないというようなところにあるんじゃないか。したがって国でいかにやかましくいってみても、結局実際には市町村へ負担をかけ、あるいは住民負担に転嫁するという形が、何らかの形において行なわれるということにならざるを得ぬのじゃないかということをお尋ねしたんですが、そのときに財政局長は、まだ高等学校の増設について地方がどういう実体か、地方の実体がまだ今の――去年の今の段階ではつかみかねているので、さらに十分実情を調査した上で、地方財政計画を手直しする必要があれば手直しする用意はある、というような御答弁があったことを記憶しているんですが、その後お調べになったのですか。いわゆる高等学校の急増対策費が、どの程度市町村なり住民に転嫁されたか。
#12
○政府委員(奧野誠亮君) 今のような経過を経まして文部省でも調査をし、自治省でも調査をいたしたわけでございます。その結果に徴しますと、政府が考えておった額を下回っている団体もあるし、上回っておる団体もございます。しかし総体として不足だということから、例の急増対策の計画そのものの手直しをいたしまして、地方債の増額を行なったのであります。三十八年度からは国のほうの補助単価も若干引き上げられて参っておるようであります。また同時に、土地などにつきましては地元の寄付を求めておるところが非常に多かったわけでございますので、府県が校地を購入する限り所要の経費については全部地方債を許可いたす、こういうことを伝えて参ったのでございます。その結果、相当の起債の要望がございました。そこでさらに、それはほんとうに将来とも元利を府県が負担していくものであるかどうかという確かめを行なったわけでございます。市町村に負担させない、ほんとうに府県が元利を負担していくのだというような一つの誓約書みたいなものをもらいまして、起債を許可しておるのであります。しかし裏話がいろいろあるようでございまして、私たちが考えておるようにすっきりしていない。しかし一応そういうものについての財政的な手当はいたしたつもりでございます。
#13
○秋山長造君 私のお尋ねするのは、もっと具体的なことなんです。そういう実体を調査されて、三十七年度に府県立高等学校の新設費のうち、どの程度のものが市町村なり住民の負担で行なわれておるかという、何か数字が出ないかということです。
#14
○政府委員(奧野誠亮君) 参考資料としてお配りしているんじゃないかと思うのでございまするが、三十六年度の実績で市町村に転嫁いたしましたものが二十七億七千万、住民に転嫁いたしましたものが四十七億八千万、総計いたしまして七十五億五千万になったわけです。三十七年度はこれよりも若干上回っておるわけであります。ただ、まだ決算のほうができておりませんので、正確にはわからないわけでございます。
#15
○秋山長造君 この三十六年度の事業費の総額は幾らですか。
#16
○政府委員(奧野誠亮君) 今調べましてから、お答えさせていただきます。
#17
○秋山長造君 これは数字が出ないと、はっきりしたことは言えませんけれども、三十六年度が七十五億五千万円で、三十七年度がさらにそれを上回る八十億なら八十億ということになりますと、これはやはり総事業費の相当な割合を占めるのじゃないでしょうか。半分くらいになるのじゃないですか。あるいはもっと上回るくらいな割合になるのじゃないかと思うのです。それで国立の学校で府県に負担させる場合も、もう大体文部大臣の不用意に発言されていることを聞いておりましても、国立学校を作るのだったら用地だけは地元が負担するのは当然だ。寄付するのは当然だという前提で、当然のことのように、事もなげに発言をされておられるんですが、やはりそれに右へならえして、府県立の学校の場合は、それは用地だけは市町村が負担するのはあたりまえだ、こういうことになっているのじゃないですか。その結果、こういう大きな数字になって出てきているのじゃないかと思うのですが、そうじゃないでしょうか。
#18
○政府委員(奧野誠亮君) さっきお尋ねになりました高等学校費の総額でありますが、三十六年度の決算で都道府県分が九百九十四億円、そのうち普通建設事業費が二百二十五億円ということになっています。
 なお、今お尋ねの寄付の内容でありますけれども、御指摘のように新増築をいたします場合に、校地は原則として地元に負担させておったようであります。しかし、三十七年度は総額で、ちょっと今正確な数字を覚えておりませんが、五十億内外の地方債を許可したわけでございますので、その限りにおいて市町村の負担が軽減できるということでございます。
#19
○秋山長造君 ただ府県の場合は、まあ地方債も結局は府県の負担にはなるわけですけれども、当面を切り抜けるためには、これは自治省に有利な便法なんですね。ところが、市町村のほうの負担は、これは起債というわけにいかんわけですから、現金を出さなければならんでしょう。だから、実質的な負担の重さが非常に違うのじゃないでしょうか。これは私は、あまりよその例をこまかく知りませんけれども、たとえば私の地元の岡山県なんかの場合を例にとりましても、去年、岡山市に高校急増対策として工業高等学校一つと、普通高等学校一つと、二校作ったわけです。二校作って大体三億円です。事業費三億円のうち大体半額の一億五千万円がやはり市町村の負担――主として用地ですけれども、市町村の負担になっているんです、これをあながち筋として間違っているとは言わないけれども。現地の実情からいうと、だから反対だというわけにもいかんのですね。やはり、そうであっても、また子供を持っている一般の父兄というものは非常に喜んでいるわけなんです。そこがこういう問題の非常にむずかしいところなんですね。結局一口にいえば地方に財源がない、県にしっかりした財源がない。しかも、高校急増対策を何とかやらなければいかん。一般父兄からも要望がきつい。中央からは思うほど金をくれない。したがって、もう仕方がない。背に腹はかえられぬということで、それはよいこととは思わぬが、相当な市町村負担をかけてでもやらざるを得ぬ。また市町村のほうも、どうもそれは筋が違うと思いながらも、情勢上、どうもやむを得ぬ羽目になって、これはぶすぶすいいながらも負担せざるを得ないというようなことで、解決されていっているというのが実情じゃないかと思うのです。これはどこかで悪循環を断ち切らなければ――これは法律できめることはもちろんけっこうなんですけれども、これできめたからといって、すぐにどれだけの効果が上がるかということは、非常に地方の実情からいうと疑問だと思うのです。これを今の状態のままで、厳格にこれを励行しようとすれば、もう校舎なんか建てんでもいい。急増対策なんかほうっておけと、こういうことにならざるを得んと思うのですね。そこらがどうもこの問題のむずかしいところだと思うのです。だから、この改正をやられるならば、そしてその実効をあげようと期待されるならば、同時にその裏づけとしてのあらゆる財政的な措置というものに、さらに一段の奮発をしてもらわなければ、これはむずかしい。まあ、さっきも言いましたように結局、何か形を変えて、とにかく実質的に市町村負担なり住民負担に転嫁されるということが、やはりこれは断ち切れんのじゃないか、という気がするのですがね。
#20
○政府委員(奧野誠亮君) 現在、府県立高等学校でありましても、地元に土地を提供させるとか、あるいは改築の場合には三分の一を地元に出させるとかいうようなやり方をしております。新増築ができない、それは一体どこの責任であるのか。土地を提供しない地元市町村に責任があるのか。あるいは新築に踏み切らない府県に責任があるのか。若干混淆しているのじゃないかと思うのです。責任の帰属を行政上も財政上も明確にしていく、住民からいたしましてどこに問題の解決を求めていくべきか、はっきりさせなければいけないんじゃないか。こういうような考え方を、私たちとして従来からとってきておるわけでございます。今度の改正は、そういう意味におきましても、一つの前進ではなかろうかと思っております。
 ただ、責任の帰属を明確にいたしましても、財政的な措置が伴わなければ、何にもならないわけでございますので、すでに一昨年から土地の購入については地方債をつけるという体制をとりまして、あえて市町村に無理をさせないでも、資金繰りは県のほうでつけられるのだという態度をとったわけでございます。同時に、この元利償還は地方財政計画を立てていく場合には、必ず算入していくわけでございますので、その元利償還の負担も頭に置いて、毎年地方財政上の措置をとっていくということになっていくのではなかろうかと考えておるわけでございます。今後におきましても、さらに財政上特に高等学校については配慮していかなくてはならないだろうと、こう考えておるわけでございます。
#21
○秋山長造君 それからやはり、この高等学校の問題は、自治省の関係の問題であると同時に、やはり文部省の関係の面も非常に大きいんですね。文部省あたりの指導の仕方というか、考え方というものも、よほどこれは根本的に改めてもらいませんと、自治省のほうだけで財政法で負担区分を明確にする財政秩序を確立するのだという、この筋論だけでこういう改正をやられましても、これをほんとうに文部省に腹の底からやはり協力するという気持になってもらいませんと、なかなかこれはあるべきことではあるが、実効がむずかしいんじゃないかという気がするのですが、その点については文部省関係は、これは十分了承して賛同しておるわけですか。
#22
○政府委員(奧野誠亮君) 政府としてこの法律を提出しておるわけでございますので、文部省のほうも当然そうであるはずと確信しておるわけであります。税外負担の解消ということを強く主張していただいたのは、私、戦後当委員会であったということを記憶いたしておるわけでございまして、しばしば法務省なり警察当局を呼びつけて、いろいろ御詰問されておったことを拝聴しておったわけでございます。そういう皆さんたちの御努力によって年々解消されて参っておると思うのでありまして、一片の法律ですぐすっきりすると、こういう安易な考え方を持っておるわけではございませんけれども、これを契機に税外負担の解消はさらに強く前進していくんではないだろうかと考えております。また政府部内におきましても、そういう方向に努力してもらうように私どもも呼びかけていきたいと、こう存じております。
#23
○秋山長造君 これは役所同士の面もありますから、あんまり立ち入りたくないけれども、大体こういう法律というのは、自治法とか財政法とかいうのは自治省のあれは法律だと、それから学校教育法だとかなんとかいうあれは、文部省の法律だというようなことで――これは、法律は政府の責任で出されるわけですから、きめたら、これはもう政府のどこの役所もけんけん服膺せねばいかんはずですけれども、やっぱり実際にはやや実情は、あれは奥野局長が一人で張り切っておるのだというようなことになる面があるのじゃないですか。だから、そういう面はよっぽどひとつ文部省に徹底をさせて、そうしてただ形式的に守るということでなくて、実質的にもそういうことでなければ、この高等学校の問題はもうほかにはやる道はないのだ、この財政法の線に沿ってやるのが当然の前提だというところまですっかり徹底させていかなければいかぬと思う。それはまた、文部省自身がやっている国立工業高等専門学校の問題にしても同じことで、自治省のほうでは奥野さんが年来大いに頑張られて、あの用地の問題なんかについても多少は今度は改めて、ただ用地は地元寄付だということだけでなしに、まあできるだけ国有地あたりと交換をするというようなことで、実質的には少しでも地方の負担を軽減するようなやり方になったというお話もあるのですけれども、ただもうこれも、何かこれは設置される場所によっては、そういうことがわれわれ円滑にやれるところもあるでしょうけれども、また場所によっては、なかなか言うてみてもそうはいかぬで、そんなことをしておるうちに期限が来てしまうので、もう手っ取り早く、用地は当然地元負担ということで、しかもそれを全県下の市町村に頭割りに割り当てて、そうして実質的には強制寄付のような形でとりあえず四月開校、発足というようなことをやっている例が多いのじゃないですか。
#24
○政府委員(奧野誠亮君) 先年、地方財政法を改正いたしまして、河川、道路等の経費につきまして府県から市町村への転嫁を排除したことがございます。その際にも建設省の事務当局は、正直なところ、ずいぶん抵抗して改正をいやがったのでございます。しかしいろいろ話し合った結果、納得してくれました。その結果その法律が施行されましてから、それまでありました、当時の金で四十億程度の金じゃなかったかと思うのでございますけれども、府県から市町村に転嫁されておったものがぴたりととまったわけであります。それだけ市町村の負担が軽減されたわけでありまして、今度の場合にも、率直に申し上げまして文部省の事務当局はこの法律改正を当初非常にいやがりました、難航しておったのであります。しかし、いろいろ話し合った結果、納得してくれたわけでございまして、その結果提案できたわけでありますけれども、これが法律になって出て参ります場合には、やはり府県、市町村のことでございますので、法律は守ってくれると、こうわれわれは考えておるわけでございます。ただ安易に考えておるわけじゃございませんけれども、府県の当局者も法律の建前、改正の趣旨に即して、必ずやそのまま運営してもらえるものだろうというふうに確信しておるわけでございます。また、そういう方向にわれわれとして注意を喚起し、努力を続けていきたい、こう考えております。
#25
○秋山長造君 今度の二十七条の三の条文についても言えることですが、特に現行の十二条ですね、十二条なんかの規定にしても、ここにトンネルが残らぬようなもっと強い規定というものはできないのですか。まあただ、負担させるような措置をとってはならぬとか、負担を転嫁してはならぬとかいうような規定は、すなおに読むと、それで全部とまるように思うけれども、よく考えてみるとなかなか抜け道があるので、これは同じやるならもう少し抜け道の残らぬ改正をやられるべきじゃないかと思う。あるいは今はまあ過渡的にこの程度の規定にしておいて、さらに次の段階にはもっと徹底した規定にするという何か見通しを持って、段階的にこういう形で当面を切り抜けていとうとなさっておるのかどうか、その点を……。
#26
○政府委員(奧野誠亮君) 今の地方財政法の全体の体系から考えますと、こういうような改正の形式をとることになるだろう、こう思っておるわけでございます。同時に、刑事法規じゃございませんので、私たちやはり法律の改正を通じて、ものの考え方というものを鮮明にしていくのだ、こういうことではなかろうかと思うのでございます。やはり基本的には住民の良識によって財政の運営をしていく。その場合にこの法律改正を通じて、ものの考え方というものを徹底させていくのだ、こういうふうに思っているわけでございまして、そういう趣旨の徹底にも十分努力をしていきたいと、かように考えております。
#27
○秋山長造君 去年、三十七年度に国立工業高等専門学校が十二校できましたね。あの経費のうちで地元負担に転嫁された経費がどのくらいになるか、わかりますか。
#28
○政府委員(奧野誠亮君) ちょっと古い数字でありますので、正確でないかもしれませんが、国有地を使っていますのが佐世保、新居浜、宇部、長岡ということになっているようでございます。それからあとの部分は誘致期成会でありましたり、旭川のほうでは旭川振興公社ということになっております。大体そういう性格のものでありますので、このうち相当数は転嫁されているのじゃないだろうかという心配を持っているわけであります。ただ明石などにつきましても最近問題が解決したような話も伺っておるわけでございますが、詳しい内容は最近には調べていないわけであります。
#29
○秋山長造君 まあ大体何でしょう、去年当時、朝日ジャーナルか何かにざっとした数字が出たことがありまして、それをもとにして局長に御質問したと記憶しているのですが、それが厳密な数字かどうか、それはわかりませんけれども、そのとき私あげた数字によると、用地費はもう全部地元負担で、大体県、市町村という地元関係で、これはもうどこでも莫大な数字――何千万円から始まって一億、二億というような数字が当時出ておったと思うのです。だからもう、これは十二校全部合計すると、これは相当な十数億という数字が出るくらいだろうと思うのです。その点が三十八年度は、今の国有地と交換をするというような便法をとって、若干改善されるという見通しのようですけれども、まあしかし、それもそう根本的に改善されるというほどの状態では実際にはないだろうと思うので、この十数億というものががたっと減って、地元負担が数億になったというようなものじゃないだろうと思うんですが、おそらくやはり十億やその上の数字というものは出てくるんじゃないでしょうかね。
#30
○政府委員(奧野誠亮君) 国会でのたびたびの論議を通じまして、文部省の考え方もずいぶん変わって参ったと思います。自然文部省としてもその後かなり努力してくれているものと、こうわれわれ信頼いたしているわけでございます。昨年の十一月の文部省調べの資料で、三十八年度の予定されておった校地の状況を御参考に申し上げますと、鹿児島は国策パルプの寄付、大分は開発公社の寄付、有明地区は三井鉱山の寄付、高知は国有地、徳島の阿南は国有地、松江は開発公社の寄付、米子は農業協同組合の寄付、呉は国有地、岡山、津山は国有地と県有地の交換の交渉中、岐阜は国有地、豊田はトヨタ自動車の寄付、長野は国有地と私有地との交換、宮城の名取は開発公社の寄付、鶴岡は開発公社の寄付、秋田は国有地と私有地との交換、八戸は開発公社の寄付と、こういうようなことになっているようでございます。富山については、書いてありませんのでわかりません。その後なおもっと問題は秩序正しい方向に進展をしてきているものだと、こうわれわれは考えておるわけでございます。相当努力してくれている跡は見られるというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
#31
○秋山長造君 まあその点は、私も実情をつかんでないから、まあ今財政局長のあげられた点はお聞きしておきます。ただまあその中で、たとえば開発公社んかが寄付しているというのは、早急に市町村の寄付がはかどらぬものだから、まあとりあえず開発公社に肩がわりをさしておいて、あとでまた寄付が集まればそれでこう穴埋めをしていくというような便法として――県の一般会計から出すとやはり目立ちもするし、またいろいろ差しさわりがあるので、とりあえず開発公社に肩がわりさしておけというような便法でやっているような例もあるんじゃないかと思うんですがね。まあしかし局長のおっしゃるように、文部省のほうでもだいぶ考え方が変わってきておるということは喜ばしいことだと思いますので、ひとつその趣旨をさらに早急に徹底さして、この法律改正を実効あらしめるように、ひとつ御努力を願いたい。私はもうこれでやめます。
#32
○林虎雄君 秋山委員の質問に関連しまして、一つ二つ承りたいと思いますが、この財政法の改正で、高等学校の施設に対して市町村並びに市町村住民に負担さしてはならないという法律、これはまあ都道府県と市町村間の財政秩序の適正化をはかるという意味でけっこうだと思いますけれども、秋山さんからも質問の中にありましたように、まああいまいということはありませんけれども、負担を転嫁させてはならないとかいうように、何か強力性のあるかのごとき印象も受けるわけであります。そこで長野県の場合など、例をとって申し上げますと、高等学校の数が人口に比しまして非常に多いわけですね。多いのは従来市町村立とか、あるいは組合立というような高等学校が長野県にはたくさんあったわけですが、それが終戦直後に財政的な困難、あるいは教職員の待遇の均等化とか、あるいは学校の格上げといいますか、市町村立より県立がいいというようなことで大きな世論になりまして、結局、県が市町村立はその全部というくらい県立に引き上げて、引き受けてしまったわけです。そうなりますと、財政的にとてもやっていけないので、当時としては条件として、用地の関係とか、あるいは施設とか、その他施設の整備充実に対しまして地元が負担をしよう、寄付をしようというような条件で、これをのんだというのが当時の沿革のように記憶しておるわけであります。その後、当該市町村がそのまま地元負担なるものを履行した市町村もありますし、それから、たまたま例の財政再建にひっかかりまして約束を履行しないままに推移してきた高等学校もあると思います。ところが、ようやく最近では財政的にも一応地元負担ができるような段階になっておるところもあると思いますが、そういうときに地元負担はしてはならない、地元に転嫁してはならないということになりますと、先にまじめに履行した市町村の関係と、それから財政的な理由もあったでしょうが、今日まで遷延したところと非常に不均衡ができるわけですが、これはどういうふうに考えたらいいでしょうか。
#33
○政府委員(奧野誠亮君) 転嫁してはならないという表現について御疑問があるようでございましたが、自発的な寄付までとめることは行き過ぎだと考えますので、自然こういう表現になるのではなかろうかと考えておるわけでございます。
 第二点の、履行した団体と履行しない団体との均衡問題でございますが、私たちは従来の話し合いの結果の債権債務、それまでこの法律で解消させるというようなことは考えていないわけであります。しかしながら、こういう建前が明らかにされた以上は、これからの履行に属するもの、それはなるべくなら免除してもらえないものだろうか、府県が市町村に対して免除してくれないだろうかという期待を持っているわけでございます。ただ、すでに履行期が来ておったのだ、ただ延滞しておったのだ、こういうものは私はそういう性格のものとは別のものではなかろうか。そういう考え方をとるならば、不均衡という問題は起こらないのではないだろうかというふうにも思うわけでございます。すでに履行期が来ておったのだけれども履行してなかったのだ、債務が残ったままでおったのだと、それはやはり一応履行してもらうということであって、筋道はおかしくないのじゃなかろうかと考えております。それは昔の約束でありましても次々と将来に履行期がくる、そういうものはなるべくならばやめてもらえないものだろうか、という希望を持っておるわけでございます。
#34
○林虎雄君 大体高等学校は、先ほどもお話のありましたように義務制ではないのです。ところが、義務制でないけれども、今日では義務制と同じような傾向をたどっておるようです。特に高校急増対策とか全入運動というふうに、義務と同じような方向にいこうとしておるわけですが、そういう義務制でないというところから受益者負担という意味で、市町村の負担というものは当然だというふうに一応前に考えておったでしょうが、今日ではこの法律のように区分ははっきりしなければいけないということは、よくわかるわけであります。そこで、長野県の例だけとって恐縮でありますが、そんな関係で、市町村立も一貫して、ある程度の改造、増築等はいたしましたけれども、八十何校あります学校がだんだん腐朽して参りまして、現在では一年に二校ぐらいずつ改築に迫られているわけです。そうなりますと、二枚ずつ毎年改築していくということになりますと、長野県あたりでは四十年ぐらいかかるということになりまして、それでは腐朽度がはなはだしくて、とても待っていられないというような学校がたくさんあると思いますが、そういう場合に、従来ならば地元負担というようなことで、何とか切り抜けてきたのが、これから県の財政だけでやっていくということになりますと、国のほうから財政的なめんどうを相当みていただかないと、たくさんの高校をかかえておる県などは、財政的に、義務教育でないのに、財政負担が非常に片寄ってかかってしまうということになると思います。財政的なめんどうをみるということについては、当然、国のほうでもこの法律を出すについては考えておられると思いますが、具体的にどのようなお考えを持っておいでですか。
#35
○政府委員(奧野誠亮君) 先ほどもちょっと土地の購入費につきまして、積極的に地方債を許可してきたということを申し上げたわけでございますけれども、今後も、これは続けていきたいと思います。同時に、元利償還額は地方財政計画に当然に計上して参るわけでございます。なおまた、高等学校の教育というものが義務教育的なものになってきたという御指摘がございました。これは、一般的に地方行政の水準が向上していくという中の一つの問題ではなかろうかと考えるわけでございます。行政水準が向上していく、また向上させなければならないといたしますならば、それに関連する財政需要額も地方財政計画に見込んでいくべきだと考えます。また見込まれたものは、地方財政計画に算入することが可能であるわけでございますので、そういう態度でわれわれは財政上の措置を考えていきたい。財政需要額と見合って税制も考えていかなければならない性格のものだと考えております。
#36
○林虎雄君 もう一つ承りたいと思います。他の府県と長野県と比べた場合に、割合に長野県は高校の数も多いわけですが、それでも高校全入運動とか、あるいは急増対策、そういう世論というものは他府県に負けない強いものがあるわけですが、長野県の場合の、現在の高等学校の数に対しまして、今後、新しい高等学校を作ろうというような具体的な動きがあった場合に、これを、他の府県と比較して多いからというので、制限をするようなお考えがあるかどうかという点を承りたい。
#37
○政府委員(奧野誠亮君) 自治省が教育の実態につきまして、かれこれ指導がましい態度をとるということは、何よりも避けたほうがいいのではなかろうかと、こう思っております。しいて自治省が特定の考え方を出すといたしますならば、地方債の許可の面を通じてのことではなかろうかと、こう考えます。現在までのところは、急増対策で一応地方債を予定しているわけでございますが、これは全部基準財政需要額に按分して府県に配分いたしております。それを府県がどの高等学校に使おうと、府県の言うがままに許可をしているわけであります。少なくとも高校急増対策期間中は、こういう態度をとっていきたい、こう考えております。
#38
○鈴木壽君 今のお話から私も二、三お聞きしたいのです。財政的な措置の問題で起債を見ると、特に土地購入費なんかの場合に元利償還費等も財政計画に見ているのだと、こういうお話でありますが、財政計画に見たって、これは実際の問題とすれば、どういう効果があるのか、確かに起債を許すという、そのことについては効果があるわけでありますが、財政計画に見ただけで、一体それがどういうふうな効果を生ずるのか、具体的に今どうなのですか。
#39
○政府委員(奧野誠亮君) 地方財政計画がどうなる、言いかえれば地方財政の見通しがどうなるということから、増減税の問題の考え方もきまって参りましょうし、国の予算編成の考え方もきまってくる、こうわれわれは考えているわけであります。大蔵省が国の予算の編成に取りかかる場合も、地方財政がどういう見通しになるかということを考えないで予算編成に取りかかることはあり得ない、事実向こうもいろいろ見当はつけているようであります。そういうところから、国の公共事業の分量、地方負担の能力から見て、どの程度まで持っていけるかということもありましょう。あるいは負担率の増減の問題もありましょう。あるいは国税、地方税を通ずる増減税の問題もありましょう。やはり見通しがありませんと、いろいろな問題が考えられない。見通しを得て、いろいろな問題を決定していくことができるわけであります。その見通しの中に、この元利償還額を地方団体の財政需要額として算入していくということじゃないかと考えております。
#40
○鈴木壽君 それは、見通しなりその計画によってとられるべき具体的な対策、そのことのためには必要でしょう。けれどもしかし、それによって、今直ちに起債の元利償還をみるということだけで、すぐに地方団体の財政の上には直接に響いてきませんね。いろいろあなたのおっしゃるように、税の問題なりあるいは交付税の問題なり、そういうものを一般的な立場でとらえる場合には、そういう計画は私は役に立つと思うのです。私は今何かそういうことで、たとえば元利償還費というものを財政計画の上でみているのだということで、すぐ地方自治団体が、それによって、たとえば問題になっているこういう広い意味での税外負担なんというものの解消に役立てるという、そういう直接的な効果が出てこないのじゃないか、こういうことじゃないかと思うのです。
#41
○政府委員(奧野誠亮君) 税外負担の解消に役立てるためには、地方債を許可するということだろうと思うのでございます。資金繰りがつけば、いやがる市町村に無理に負担を転嫁させないということがいえると思うのです。税外負担を解消するために地方債政策をとる。将来しかし問題が残るじゃないか――その元利償還については、そのかわり地方財政計画に算入していくわけですから、全体としてはその負担を考慮して財政措置をとる、こう申し上げているわけであります。直接的には地方債を認めるということだと思います。
#42
○鈴木壽君 こういう問題の解決は、先ほどからいろいろお話が出ておりますが、法律改正なり、いろいろなそういう法令の面からの規制だけでは、効果が上がらないだろうと思うのであります。したがって、今問題にしましたような起債の問題なり、その他一般財源の面でこれを考えていこう、こういう両面のそれをとらない限り、なかなか効果が上がらないのじゃないかと思うのであります。今までもいわゆる税外負担の解消のために、この地方財政法の改正もありましたし、それから、それに伴って裏づけをするような財政的な措置というものも若干とられてきておるのでありますが、こういうものをもっと進めていかなければならぬのじゃないだろうか、こう思うのであります。そういう面からちょっとお聞きしたいのでありますが、たしかこの前は昭和三十五年であったと思います。地方財政法の二十七条の二、三についての改正が行なわれたと思います。その際に、地方財政計画には、三十五年度には税外負担の解消の対策として九十億円の計上をしたように説明があったのであります。実際には地方交付税の算定には七十億円が入っておったと思います。たしか七十億円だったと思います。府県分で土木費が十五億円、市町村分として消防費が八億円、教育費が三十四億円、その他十三億円、計七十億円の措置がされておったと思うのです。三十六年度も同様になっておったようであります。三十七年度のものを見ますと、地方財政計画上では百億のそれを見ておりまして、交付税の算定には百一億円措置されておるようであります。もし私の数字が違っておればあとで訂正してもらいますが、この百一億円の内容は、府県分、高等学校費として十七億円、市町村分として消防費が四億円、小学校費四十九億円、中学校費二十八億円、その他三億円、合わせて百一億円が措置されておったようであります。私、これで十分だとは決して言えないと思うのでありますが、こういうふうな、さっき言ったように特に一般財源の面でこういうふうな措置がとられることが、この法改正の趣旨あるいは効果を促進することになる、こういうふうに私言っていいのじゃないかと思うのですが、三十八年度はどういうふうになっておるのか、私まだ調べておりませんが、一つは財政計画上どの程度見ておられるのか、一つは交付税の算定上どの程度見ておられるのか、三十八年度は。
#43
○政府委員(奧野誠亮君) 三十八年度につきましては、特にそういうような立て方をいたさなかったわけでございます。ただ、そういうような方向もねらいまして、基準財政需要額の増額にあたりましては、物件費を増額いたしましたり、中学校の建築費、設備費の増額を行なったりいたしております。住民に負担が転嫁されやすいような性格の経費について約八十一億円の算入をいたしておるわけでございます。
#44
○鈴木壽君 これは費目の立て方はいろいろあってもいいと思いますが、三十七年度までとられてきたこういうふうなやり方が、さっき私申し上げましたように、税外負担の解消のためには非常に役に立つと思うのであります。現にあなた方がお調べになった昭和三十五年度決算から拾ったもの、それから三十六年度の調査からしますと、三十五年度の税外負担の数字から三十六年度の数字を見ますと、あまりこれは大きな減少を示しておりませんけれども、大体約五十億円近くの減少、四十八億円ですか、これを見ておるのであります。これは今言ったように、単に法令が改正になったということだけでなしに若干でも一般財源の面で見ておった、こういうことからくるそれじゃないだろうかと、こういうふうに思うのです。しかもこういう方向につきましては、たしか三十五年度の法改正のとき、奥野さんの説明、御答弁からしましても、こういうものをもっと進めて参りたい、こういうことをおっしゃったように私記憶しておるのでありますが、何か三十八年度になると、かえって後退したような感じを受けますが、いかがでございましょう。
#45
○政府委員(奧野誠亮君) 今回の法律改正が示しておりますように、府県立の高等学校の建築事業費の転嫁を排除したい、これが残されている中で一番大きなものだろう、これに眼目を置きまして、税外負担の整理をしていくという態度をとったわけでございます。そういたしますと、ある程度地方債を利用することが負担の解消に役立つのじゃないだろうかと、こういう考え方を持っておるわけでございまして、そういう意味で、昭和三十八年度におきましても、少なくとも土地の購入費につきましては地方債計画のワクの外で許可していきたい、こう考えておるわけでございます。なお、学校の建築費につきましても、相当の地方債を予定していますことは御承知のとおりであります。こういう点を通じまして、積極的に努力を払っていく覚悟をいたしておるわけであります。
#46
○鈴木壽君 今回、特に高等学校関係を中心に考えられたようであります。そういう点から言いますと、これはたくさんある問題の中で、どれもこれもというふうに一せいに取り上げて全部を解消するというのは、これまたむずかしいと思いますので、ねらいとしては私はそれでいいと思うのでありますが、ただ、そのために、従来進めてきた、たとえば市町村の教育機関の関係とかその他のものが、またなおざりになるというようなことも出かねないのじゃないか。これは今言ったように、一般財源の充実という点からいって何か後退しているような感じがしますものですから、そういう問題がまた起こってきやしないだろうかと、こういうふうに思うのであります。起債の問題にしましても、確かに土地購入費の起債を認める、それはそれなりでけっこうでありますが、ただそれだけで今の高等学校の問題一つを取り上げてみても、それだけではこれは解決できないのじゃないかと思うのであります。さっきから、いろいろな方から具体的な例示もありましたが、特に今回、昨年、一昨年あたりからの高校急増対策に伴っての地元負担あるいは住民負担、こういうものが非常に大きな問題なわけであります。昭和三十六年度で、これは狭い自分の目の届く範囲しか私、調べられませんでしたから、それだけの調べでありますが、秋田の場合、三十六年度でいわゆる高校関係の建築にあたって寄付金によっておるものが――事業費が四億九千六百万円なのに寄付金によっておるものが一億三千百八十三万円、事業費の二六・六%であります。三十七年度では七億の事業費のうち一億五千万円――二一%、三十八年度が六億の事業費のうち一億一千三百万円――約二〇%、こういう大きな寄付金に頼っておるのであります。これが高校建築なりそれに伴う全部のいわゆる寄付金かというと、そのほかにまだ、金でなしに物による提供もあるのであります。それをまた、もし金に換算するとすれば相当な額になるのであります。こういうふうになってきますと、土地購入費だけを起債で見るのだと、こういっても、なかなか府県自体に今度のこういう法改正によって負担させることができないのだ、こういうことになりますと、実際の問題として地方団体の金のやりくりの問題としても困った事態が出てくるのであります。ですから、私さっきから申し上げておりますように、この全部、百パーセントと、こういう意味じゃございませんけれども、できるだけそういう寄付金に頼っておったようなものも、一般財源から出せるような、そういうような財政の状況になるように、国としてもいろんな面でこれはみていく必要がある。特に、さっきから私申し上げておりますように、交付税の算定の中にこういうものを入れるとか、いろいろな方法があると思うのですが、なにも私、補助金として全部出せ、こういう意味じゃなしに、一般財源の充実という面でこれは考えていかないと、結局は、どこかにやっぱりその負担をころがしていくというふうなことになりかねないと思うのであります。そういう面で一般財源の充実というものを、私は、さっきも秋山委員からも要望があったのでありますが、もっと考えていかないと、せっかくのこういう、りっぱなといいますか、筋を通した法改正を行なっても、そのまま忠実に行なおうとすれば仕事そのものがストップしたり、あるいは仕事を進めようとすれば、また何らかの形において、どこかに負担をさせなければならないというようなことが起こってきやしないだろうか、こういうふうに思うから申し上げたのであります。そういう点について、一般財源の充実という点について私はもっと前進した格好で考えてもらう必要があるのじゃないか、こう思うのです。いかがでございましょうか。
#47
○政府委員(奧野誠亮君) 御指摘のとおりだと考えております。地方財政の現状なり、あるいは行政水準を高めていくために地方財源を総体として確保していきたい、自治省としては強くそういうことを希望しておるわけでございます。そういうこともございまして、一方減税の要望も強いわけでございますが、なかなか積極的に地方税を減税するという態度はとりかねておるわけでございます。電気ガス税の減税にあたりましても、国からたばこ消費税で補てんをしてもらうというようなことで、ずいぶん論議はあったわけでございますけれども、そういう態度をとったわけでございます。積極的に地方財源を持ち出して減税をする余裕というものは、なかなか今の地方財政にはないんじゃなかろうかというような感じを持っておるわけであります。なお高等学校の問題につきましては急増対策で財源措置をしながら、従来の高等学校の基準財政需要額はそのまま据え置いておくというようなことで、むしろ高等学校の経費につきましては、基準財政需要額の算定面におきましても若干プラスをして算定をしているという態度をとっているわけでございます。先ほどもちょっと申し上げましたように、義務教育の関係につきましても物件費や設備費について増額をはかるという態度をとったわけでございます。税外負担の解消を容易ならしめるという方向で、基準財政需要額の算定にも工夫を払って参りたい、かように考えております。
#48
○鈴木壽君 高等学校のいわゆる急増対策の問題にしましても、やっぱり国の計画というものが実情に合わないために、もっとはっきりいうと、入学率の問題なり、あるいは校舎の需要の関係からいっても、なかなか計画の中では処理しきれない、そういう面がたくさんこれは出ておるのであります。したがって、高校急増対策で財政措置として、たとえば起債の問題なり、あるいは一般財源として交付税の中に九十一億円をみておる、こういってもなかなかそれでは不十分ですね。実際はあれは一方に、地元でぜいたくな計画をやっているのじゃないかというふうな見方も、あるいはあるかもしれませんけれども、しかし実情はそうじゃなくて、やはり必要に迫られて国の計画以上にやらざるを得ない、こういう現実だと思うのであります。そうしますと、今言ったように、起債の問題でも、あるいは交付税でみておる九十一億円、こういうものも現実にはやはり足りないのだ、こういう問題がどこでも起こっておると思うのです。これはまあ、国としての全体的な計画を立てておる関係で、今すぐこれを直すというようなことは、あるいは不可能かもしれませんが、これは知事会あたりで調べました全国的なそういう数字を見ましても、これは明らかに現実と合わないんだということだけは、これは認めなければならぬと思うのですが、こういう点についていかがでございますか。
#49
○政府委員(奧野誠亮君) 今お話しになりましたような問題もございまして、全体計画の五百五十二億円を百二十九億円ふやしまして六百八十二億円にしておるわけでございます。今後また、いろいろの問題が起こって参りますならば、それに応じまして高等学校の急増対策が円滑にいきますように、自治省としては配慮していかなければならない、このような覚悟でやっておるわけであります。
#50
○鈴木壽君 私、こういうふうな財政秩序の適正化といいますか、あるいは明確化といいますか、こういう問題で今般の法改正は非常にけっこうだと思うのであります。と同時に、これは国、都道府県と市町村あるいは住民との関係からだけでなしに、私は国と地方団体、あるいは場合によっては住民の負担にもなることが出てきますが、まあ国と地方団体との関係、こういう面でもひとつ一歩を進めてもらわないと、片手落ちといっちゃ悪いかもしれませんけれども、私はほんとうの意味での財政秩序の適正化なり確立というものはできないと思うのですが、これは政務次官いかがですか。私もう一度はっきり申し上げますと、こういうことに手をつけたのは、私、今言ったように非常にけっこうだと思うのです。ぜひ、こうなければならぬと思いますが、さらにさっき秋山委員から指摘されました工業高専の問題、これは一つの例でありますが、こういう問題、その他いろいろこれは問題があるのであります。国が地方団体に負担させてはいかぬような、そういうものまで負担させる、こういうことについて私やっぱりこの際、手をつけて、そういう悪い関係というものを断ち切らないと――府県と市町村あるいは住民との関係、これだけに手をつけておったのでは、私は片手落ちになると思うのですが、いかがですか。
#51
○政府委員(藤田義光君) 鈴木委員の御指摘の趣旨に私全く賛成でございまして、自治省としましても今回の地方財政法の一部改正だけで満足しているということでなしに、国と地方を通ずる財政秩序全般の根本的な確立というようなことは、現在進行中の地方制度調査会の事務再配分と関連しまして、根本的に検討しつつ順次実現できるものから法文化していきたい、あるいは具体化していきたい、こういう方針でございます。
#52
○鈴木壽君 従来の個別的な問題としては、これは自治省としてもう十分取り上げ、関係各省との間にいろいろ折衝をし、話を進めてこられたものがあったと思います。たとえば一例を義務教育諸学校の建築単価の問題なり、そういうふうな問題を取り上げてやってきた事例もあると思うのでありますが、現在、今言ったような面で、国と地方団体との負担の適正化といいますか、あるいは財政秩序の適正化という面で取り上げておられるような、そういう問題はございませんか。今具体的に何か取っ組んで一つ一つ解決して参りたいという、こういうお話でしたから、何か今取り上げてやっておられるようなことがございませんか。
#53
○政府委員(奧野誠亮君) 国と地方の間の負担の適正化という問題につきましては、補助単価の是正の問題、これを三十八年度の予算編成にあたりまして強く主張したという点でありまして、公営住宅でありますとか、あるいは学校建築でありますとかというようなものにつきまして、一〇%内外の増額が行なわれておるわけでございます。今後におきましても、さらにこういう面については一そう努力を払っていきたい、かように考えております。
#54
○鈴木壽君 三十八年度で補助単価の問題なんか、若干これは改善されたようでありますし、今のお答えからいっても、そういうふうに思うのでありますが、従来のいわゆる超過の負担の問題、これはやはりぜひ解決するようにやらないと、さっきの片手落ちという言葉は少しおかしいのでございますけれども、ほんとうの意味での財政秩序の適正化というものは行なわれないと思うのであります。三十八年度で単価の改訂が行なわれておりますから、どういう数字が今度出てくるかわかりませんが、三十五年度、六年度、七年度のは、まだ私持っておりませんが、こういうのを見ますと、これはほうっておけないという感じです。特に国庫補助職員の問題で、これはたいへんな各地方団体で負担をしておるわけなんです、府県の段階で。三十八年度で改訂が行なわれたことによって、国庫補助職員等の問題については問題がなくなるというふうにお考えになっておりますか、いかがですか。それからもう一つは、補助事業のそういうことについてどうでしょう。
#55
○政府委員(奧野誠亮君) 補助職員につきましては、国家公務員の給与改訂が行なわれましたので、それに準じた引き上げが行なわれたにとどまっておる、こう考えております。したがいまして、建築費や職員につきましての実際の所要額と補助基本額との間には、若干なおズレがあるというふうに私たちは見ておるわけであります。
#56
○鈴木壽君 これはもちろん、あなた方は十分お調べになっておると思いますから、今、私こまかいところまで数字をあげて言うのを略しますけれども、これも私、一つの県で調べたんですが、国庫補助職員等についてやはり超過負担をしておるのが、三十五年度では八千百八十八万円の負担をしております。三十六年度では一億二千百三十九万円、これは給与に関する問題だけで、一府県でこの程度の超過負担をしている。こういう数字なのでございまするから、これは全国的に見ますと、たいへんな数字になると思うのです。これは知事会の調べでありますが、三十五年度の今の補助職員関係の超過負担が百十二億円になっております。補助事業関係のが約三十億円。これだけのいわゆる超過負担をしなければならぬということになりますと、財政秩序の問題もさることながら、地方団体の何といいますか、財政そのものがたいへんなことになっておると思うのであります。これは自治省だけでは何ともできない問題でありますけれども、しかし自治省が中心となって関係府県のこういう補助職員の単価なり、あるいは補助事業に対する単価の問題等、これはほんとうに再検討して、抜本的にやらなければならない段階だと私は思うのであります。そういうふうに問題を取り上げてやっていくような御意向はございますか。政務次官いかがですか。
#57
○政府委員(藤田義光君) この問題は非常に大きな、しかも重要な問題でございますが、自治省だけではなかなか実行できない面もあると思いますので、鈴木さんの意のあるところは十分われわれくんで措置したいと思いますが、政府全体の各省に関連した問題でありますから、何か総合的な調整機関を設けるなり、あるいは結局は国会でこういう点をひとつ徹底的に究明していただくとともに、政府でも何かの措置を考えるということが必要じゃないかと思います。
#58
○鈴木壽君 なかなかめんどうなことでありますし、私も申しましたし、またあなたもおっしゃっておるように、これは自治省単独でやられる問題ではないのでありますけれども、しかし地方財政という建前から、あるいは財政秩序の適正化という建前から、やはり主導権は自治省がとっていただきたいと私は思うのですが、もちろんこれは国会で問題にするのはいいわけなんでありますが、これをこのままにしておいて、いろいろなことを言っても、むしろ今地方団体では、今回の地方財政法の一部改正、これはけっこうだ、けっこうだがしかし、国がわれわれに負担をさしておる不当なこういう問題についても、これは解決してもらわないと困る、これは率直な地方団体の言い分ですよ。一方には締められて市町村とか住民から負担を取れないようになる。これは建前からすると当然ですけれども、そういうような締め方をしておいて、上のほうから自分たちが依然として出させられる、こういうことではかなわぬという、これは率直な地方団体の持っておる考え方なんですね。たとえば学校等についての地元負担なんかも、何もやらせたくて、それがいいことだと思ってやらしておるのではなくて、やはり苦しいところからきておるのだ、苦しいことの一つが今言ったこういう面からも出てきておるのだ、こういうことなんですね。これはいろいろな面からいって、私はほんとうに真剣に取り上げて抜本的な対策を講じ、こういうことのないようにしてもらう必要があると思うのです。私は職員の、たとえば統計調査職員とか外国人の登録事務職員とか、これは全部とってみましたが、ばかげた負担をしなければなりませんね。特にぜいたくにして金をよけいにしておるのじゃないのですよ。ただしかし補助率がきまっていない、あるいはまた単価がきまっていない、それだけではやれないのだ。こういうことから、やむを得ずして、そういういわば超過負担をしておるわけなんでありますが、これはたくさん――四十幾つありますかな、この補助職員のこれは、やはり各省関係にわたって徹底的に洗ってみる必要があると思うのですが、そういうことを積極的におやりになる御意図はございませんか、どうです。
#59
○政府委員(藤田義光君) 私、自治省に在職して十カ月ばかりの間に、ただいま御指摘のような問題もいろいろ矛盾を感じておるところでございますが、一番、我田引水になりますが、こういう問題に対して積極的に矛盾を解消しようという熱意と行動をしておるのは自治省でありまして、ほかの関係政府機関が非常にこういう問題に対して消極的でございまして、特に大蔵省のこういう補助職員に対する予算の出し方に関する根本的な考え方に私も非常に疑問を持っております。大体恩恵的に自治体に出してやるんだというような気持が相当強い。これは幸いに臨時行政調査会も現在作業を始めておりますし、また地方制度調査会も始めておりますので、自治省が中心になって、こういう矛盾の解消、もちろん自治体の財政問題でありますから、提唱する前にまずこういう総理の諮問機関で強力にひとつ一応答申していただきたい、戦術といたしましては。しかる後に自治省がこれを受けて立つという形式のほうが関係各省に対する目的達成に非常にスムーズにいくのじゃないかというふうな気持がいたしております。もちろん御指摘のとおり、自治省が陣頭に立って、何かこういう問題に対して直ちに総合的な調査研究を始めるということは、毎日の行政事務の中で考えていくべきであると思いますが、やはり根本的な解決は、今申し上げたような総理の諮問機関等を動員して、ひとつ強力な答申をいただく、そのためには国会でも相当圧力を加えていただきたい、こういうふうなことを考えておるわけでございます。
#60
○鈴木壽君 最近、地方制度調査会等でこういう問題について具体的に取り上げられておる事例がございますか。というのは、事務の再配分とか、やれそれに伴う財源の問題とか、税の問題とかいう、いわば一般的な、これはもちろん基本的な問題ですけれども、そういうことについてはいろいろやっておられますが、今の当面のこういうことを、一体そういう今の事務再配分なり財源関係の中で、どうこなしていくかというような具体的な問題について、最近何か取り上げられた事例がございますか。
#61
○政府委員(藤田義光君) 今開会されております第九回の地方制度調査会は、もう一回総会をやりまして、その後に小委員会を開会するという段階でありまして、小委員会に入りましたならばただいま御指摘の補助金の整理問題、その他事務再配分に関連して徹底的に掘り下げようという計画がございますが、去年の十月一日に答申されました地方制度調査会の答申の中に、地方財政に関する当面の措置についての答申、この中にも一部御指摘の点は入っておりまして、その一翼として今回この地方財政法の一部改正をとりあえず取り上げるということでございまして、ただいま作業中の第九回地方制度調査会が作業を終わりますと、鈴木先生の御指摘のような問題についても相当掘り下げた答申が出てくるのではないかと期待をいたしております。
#62
○鈴木壽君 これは全国的には知事会で調べたこれでしか私見ておりません。したがって、これをもっとよく洗ってみたら多少数字等についても考えなければならぬ問題が出てきたり、異同があったりするんじゃないかと思いますが、三十五年度のそれを見ましても、三十六年度のそれを見ましても、これはさっき申し上げましたようにこのままほうって置けない問題だと私思うので、これは私、さっき政務次官がおっしゃったような国会で問題にしてくれとか、あるいは内閣の審議会等においていろいろ検討してもらいたい、こういうことなんでありますけれども、やはり自治省として常にこういう問題を掲げて各省との間にいろいろ折衝をする、特に大蔵省が問題であるならば大蔵省に対しても強力にやっていくというかまえが、やっぱり私はほしいと思うのであります。この点は、時間もなくなりましたが、しばしば問題になっているところでありますけれども、私はあらためて、こういう問題についてお互いに、これは取っ組んでいかなければならぬという意味で、自治省としてもさらに努力をしてもらいたいということで、この問題については一応終わりたいと思います。いろいろと数字を見ておって、特に具体的に公営住宅の問題なりいろいろ問題があるんですね。しかしまあ、今言ったように時間の関係がございますから、きょうはこの程度でこの問題については終わっておきたいと思いますが、ぜひ、ひとつこういうことをやらないと、さっき言ったように財政秩序の確立とか適正化とか言っても、単に今回の改正によって、地方団体、府県の段階において一応筋が通ったようなことになってはいるけれども、この問題は、私は国、地方団体あるいは住民の全部を通ずる問題として考えていかなければならぬと思うのです。そうでないと、部分的にそこだけやっても、なかなかこれは効果があがらない。一貫したいわゆる筋の通った措置にはならぬと思いますから、この点を私は強く申し上げて、これからの善処を望みたいと思うのでありますが、最後にひとつ御決意のほどをお伺いして、きょうは一応終わりたいと思います。
#63
○政府委員(藤田義光君) 全く同感でございまして、私はこれらの諸経費の政府の支出にあたりましては、恩恵的に補助しているのではない、地方団体が国民のために行なっている事業費を国が分担するのだ、そのかわり、これらの経費は国民が国税や地方税で納めているのだ。こういう基本的な感覚で政府全体が取り組んでもらいたい。お示しの今後の決意といたしましては、自治省も従来とも取り組んで参りましたが、今後もますます、こういう地方財政法の一部改正法案が通過しました際におきましては、国と地方公共団体の財政秩序確立という問題にも真剣に取り組んで参りたいと思います。
#64
○委員長(石谷憲男君) 本日の審査は、この程度にいたしたいと思います。次会は、五月三十日(木曜日)午前十時より開会の予定でございます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十二時散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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