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1962/06/06 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第26号
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1962/06/06 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 地方行政委員会 第26号

#1
第043回国会 地方行政委員会 第26号
昭和三十八年六月六日(木曜日)
   午前十時二十五分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     石谷 憲男君
   理事
           西郷吉之助君
           林  虎雄君
   委員
           北口 龍徳君
           沢田 一精君
           安井  謙君
           秋山 長造君
           小柳  勇君
           鈴木  壽君
           松本 賢一君
           基  政七君
  政府委員
   運輸省鉄道監督
   局民営鉄道部長 佐藤 光夫君
   自治政務次官  藤田 義光君
   自治省財政局長 奧野 誠亮君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
  説明員
   運輸省自動車局
   業務部長    坪井 為次君
   自治省財政局公
   営企業課長   吉瀬  宏君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方公営企業法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(石谷憲男君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方公営企業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。自治省当局のほか、運輸省から坪井自動車局業務部長が出席いたしております。なお、前回御要求のありました資料は手元に配付いたしております。それでは、御質疑の方は順次御発言を願います。
#3
○秋山長造君 資料を二ついただいたわけですが、この自治省のほうから公営企業の運営方針という資料を出されたのですか、四月の終わりか五月の初めごろに。
#4
○説明員(吉瀬宏君) 先生の御質問の運営要領と申しますか、四月の二十日に自治事務次官の名前でお手元にお配りしましたような「地方公営企業再建整備措置要領」というものについて通達を流しております。各都道府県知事、六大市長にあてて通達を流しております。内容は、お手元にお配りしました内容でございます。
#5
○秋山長造君 地方公営企業に対する自治省の何か地方へ出されたものというのは、これだけですね。
#6
○説明員(吉瀬宏君) 最近の地方公営企業に関しての通達は、この再建整備措置要領に関する通達でございます。
#7
○秋山長造君 ちょっと簡単でいいのですが、この資料の説明をしていただけませんか。
#8
○説明員(吉瀬宏君) お手元にお配りしております「地方公営企業再建整備措置要領」、これは現在経営が非常に不振になっております地方公営企業の再建につきまして、各地方団体がいろいろ鋭意その再建に努力し、また建て直しに苦慮しておるような状況であります。まあ、国のほうといたしましても、この地方公営企業の再建について十分協力していきたいということで、その再建整備措置要領を設けて、ことしの四月二十日に関係の地方団体に通達をいたしたわけであります。その内容といたしますところは、お手元にお配りいたしておりますような内容でございますが、第一の目的といたしておりますところは、「地方公営企業法の規定を適用している企業で、いちじるしく経営状態が悪化しているため、みずから企業再建計画を策定し、企業の再建を行なおうとするものについて、企業の再建上必要な援助指導を行なうことにより、その再建整備を促進し、もって経営の健全化に資することを目的とする。」、これが目的でございます。
 どういうものが対象になってくるかということは、原則として企業の再建計画における初年度の直前の事業年度、たとえば三十八年度から計画を立てようとしますには、三十七年度ということでございますが、その末日において、地方公営企業法第三十二条の二の規定により繰り越した欠損金、いわゆる繰り越し欠損金のある企業で、前の事業年度の末日における流動負債の額から流動資産の額を控除して得た額、いわゆるこげつきの不良債務というものでありますが、それの、前事業年度の営業収益に対する割合が一〇%をこえ、かつ再建に要する期間が三年以上であると認められる企業、そういう範囲にいたしてございます。それで、このなお書きのところは、その適用の前年度まではいわゆる官公庁会計でやっていったものが、企業再建計画の初年度から地方公営企業法の規定を適用したような企業については、どうするかということを書いてあるわけであります。その事業年度の直前の事業年度、三十八年度からやるとすれば三十七年度でありますが、決算で歳入が歳出に不足する企業で、その際の開始貸借対照表における不良債務の額が、その前会計年度の現年度分の主たる経常収入に対する割合が一〇%をこえる企業とするということにいたしております。そして、この企業再建の措置を新たに適用することができる企業というものは、原則として昭和三十九年度までの年度を企業再建計画の初年度として企業再建を行なう企業とするということであります。これは「原則として、昭和三十九年度まで」と書いてございまして、三十八年度、三十九年度を最初のスタートの年度とする企業だということであります。
 そうして、再建の期間というものはどのくらいに考えておるかということは、おおむね六事業年度の範囲内を目途として策定するものとするということにいたしております。
 これを要約いたしますと、これは地方公営企業法の規定を適用して、その経営成績なり財政状態を常に把握しながらやっていく企業というものが対象でありまして、その企業は、再建計画の初年度の直前の事業年度で繰り越し欠損金のある企業だということ。それから、いわゆる流動負債の額から流動資産の額を引きました不良債務の額が、営業収益に対しておおむね一〇%だということ。それから、再建の計画が三ないし六事業年度程度の期間で再建をするという範囲の企業ということにいたしております。
 それから、その次の4のところの「企業再建計画の策定及び確認」というところでございます。再建要領に基づいて計画的に企業の再建を行なおうとする場合においては、その企業を経常する地方公共団体の長は、そこに書いてありますような、企業再建の基本方針、企業再建に必要な具体的措置というような事柄を、その内容といたします再建計画を立てていただきます。そして、地方公共団体の議会の同意を得まして――その同意を得た上に必要な資料を添えまして自治大臣に提出し、その確認を受けるということであります。その再建計画書を提出する場合には、六大市を除いた市町村は、都道府県知事を経由する。都道府県知事は、市町村のその企業再建計画に対する意見を付するということにいたしております。ただ、こういうような成規の手続に至る前に、いろいろ長期にわたる再建計画を立てる場合、事務的な打ち合わせ等の必要な場合、その次の(2)に書いてありますように、企業再建計画の適確な策定と確認事務の円滑な遂行を期するため、地方公共団体の長は、その議会の同意を得る前に企業再建計画について、事前に自治大臣に協議するということにいたしております。この場合にも、市町村にあっては、都道府県知事を経由する、都道府県知事は意見を付するということにいたしております。軽微な変更の場合を除きまして、企業再建計画の変更の場合の手続も、計画策定の手続に準ずるということを書いてあるわけであります。
 企業再建計画は、過去に生じた繰り越し欠損金、それから不良債務を年次計画によって解消することが目的であります。このためには、原則として再建期間中の各事業年度について当年度純利益を生ずるように運営していく、これによりまして繰り越し欠損金を漸次補てんしていくとともに、企業の内部留保資金等をもって不良債務を計画的に解消するということが計画の作成の基準と申しますか、内容をなすものであります。
 再建達成のためにどういう援助措置をして参るか――まあ自治大臣は、そういうものの企業再建計画を確認した場合には、再建計画の達成のために必要な政府資金のあっせんそのほかの援助措置を講ずるということであります。そうして実際にこれを実施していく場合には、予算の調製なり、あるいはそのほかの今後の企業経営というものは、この再建計画に基づいて実施するという建前にいたしてあります。それから毎年、この再建企業は、前年度における企業再建計画と決算との関係を明らかにした実施状況というものを自治大臣に報告する。市町村にあっては、この場合も都道府県知事を経由するということにいたしておるわけでございます。
 これが地方公営企業の再建整備についての措置要領のごく概要でございます。
#9
○秋山長造君 ありがとうございました。そうしますと、この前の審議でも出ておりましたように、交通事業、それから病院事業というものが主としてこれに該当するのだろうと思うのですが、大体そういうことになりますか。
#10
○説明員(吉瀬宏君) まあこれは、各企業が今後自分で再建計画を作って出して参るわけでありますが、お認めのとおり、交通事業とか、病院事業とか、そういうような事業が中心になるものであろうと考えるわけでございます。
#11
○秋山長造君 この再建計画をやる場合に、自治大臣にあらかじめ協議し、またその計画を提出し、確認を受けるということになりますから、自治大臣の地方公営企業、特に赤字企業に対する統制力というか、規制力といいますか、それが非常にまあ強くなるわけですね。その強くなる裏づけとして、六項にあげていられる「資金のあっせんその他の援助措置を講ずる」という裏づけが出てくると思うのですが、その「資金のあっせんその他の援助措置」というのは、具体的にはどういうことをやられるのですか。
#12
○政府委員(奧野誠亮君) この前の委員会でも申し上げたと思いますが、赤字を立て直すために一般会計がどういうような形において援助をするか、やはり一般会計の援助を待たなければ再建できないような状態に陥っておるものもあろうかと思うのであります。そういう場合には、それに応じまして、国のほうでもその地方団体の一般会計に対しまして援助をしてよろしいのじゃないかと、こう考えるわけであります。その方法は、やはり特別交付税の交付であろうかと思います。もう一つは、再建しますためには、積極的に企業の経営を改善する、言いかえれば、病院の場合には、むしろ増築、増床をするという必要があろうかと思います。交通事業の場合に、バスを改良するとか、あるいは軌道をトロリー・バスに切りかえるというようなこともあろうかと思うのでありますが、そういうような再建事業につきまして、地方債の資金を世話していくということもあろうかと思うのであります。そういう方法を考えておるのであります。
#13
○秋山長造君 そこで、この前の沢田さんの御質問の繰り返しみたいなことになるのですけれども、お許し願いたいと思うのですが、今度の十七条の二ですね、十七条の二の二項にある「災害の復旧その他特別の理由により」云々と、その「その他特別の理由」という中に、これは入っているわけですね。そこでまあ自治省から示された再建整備措置要領に基づいて再建していこうという公営企業については、この十七条の二の二項の適用が当然考えられるわけです。そうして、その場合には特別交付税でその資金の手当をしてやろう、こういうことになってくるので、その金額、内容にもよりましょうけれども、一応それで筋は通るわけですね。ところが、この措置要領に今示されたようなところまではいかないが、しかし、実際には赤字を抱えて、そうして、なかなかこれは独立採算ではとてもどうにもならぬというボーダー・ラインの企業が相当あると思うのです。そういう毛のについてこの一般会計から補助をせざるを得ないという場合、これは二項の「その他特別の理由」ということに一体該当するのかどうか。それからまた、そういう場合も該当するにしても、どうせ公営企業が赤字で困っているような、しかも、それに対してどうも具体的な対策がなくて困っているような地方団体では、どうせ一般会計にそう余裕があるわけではない。だから一般会計からやむを得さる措置として補助をやれば、当然それだけ一般会計に穴があいてくると思う。そこでやっぱり、そういうものに対しても交付税でみてやるというような一これはあまり手放しでやると安易に流れるということはよくわかりますけれども、相当厳しい限界というものを設けなければならぬでしょうけれども、やっぱりこの交付税でその裏づけをしてやるということでなければ、なかなかこれは再建ということがむずかしいのではないかというふうに思われる団体が、相当あるのじゃないですかね。そこら辺はどういうふうに考えておりますか。
#14
○政府委員(奧野誠亮君) 「その他特別の理由により」補助する、補助しないは、当該団体の認定によることでございますので、今回のような再建計画を立てる団体であるかいなかは問わない、こう考えておるわけでございます。
 なお、自治省といたしまして、積極的に援助をしていきたいというのは、重症患者を考えておるわけでありまして、それはやはり思い切ってめんどうをみざるを得ないのじゃないか。そのかわり、企業においても相当の決心をしてもらいたいということでございます。しかし、それ以外の企業につきましては、自治省としては無関心でいるかといいますと、もとよりそんなことはございませんで、今でも十分相談に乗っておるわけでございます。また、それによりまして必要な措置、あっせん協力もして参っておるわけでございまして、その態度は今後といえども変わらないわけでございます。
#15
○秋山長造君 ただ、「その他特別の理由により」云々という、この内容をどの程度に広げるかということは、地方の自主性にまかせておるということでありますが、これは地方としても自主性にまかせられて、ありがたいようなものであるけれども、また、その裏づけがなければ――うっかり一般会計から補助をせざるを得ないが、あと別に何も裏づけが全然ないということでは、そううっかりやれぬというようなことになって、結局宙ぶらりんで非常にとまどうような状態になってくるのじゃないかというように思うのです。ですから、この二項というものを特に設けて、「その他特別の理由」ということを特に法律の明文にうたう以上は、私は、あまり地方も他力本願では困る、何らかの制限を運営の上で設けなければならぬでしょうけれども、しかし、建前としては一般会計から補助した場合には、資金のあっせんのみならず、交付税でみてやるのだ、ある程度はみてやるのだということがないと、なかなか実際に生きてこないのじゃないかという気がするのですがね。
#16
○政府委員(奧野誠亮君) 十七条の二の二項の補助は、赤字に陥った場合に補助をするということばかりではございませんで、たとえば学校等が、たまたまその団体がバス事業を行なって、通学バスが割にいわば不採算路線かもしれませんが、特別なところを走らせる、そのかわりその部分については一般会計が補助していくというようなことも、特別な理由による補助である、こう考えておるわけでございます。こう考えましたときに、独立採算の規定を新たに起こしたわけでございます。下水道事業でありますとか病院事業でありますとか、そういうものにつきましては、当然当初から一般会計からある部分の分担をする建前で、ある程度補助してやる、こういうふうに考えておるのでありまして、特別の理由がなければ補助しないのじゃなしに、当然一般会計がある程度分担するという建前で差しつかえないと思います。したがいまして、そういうものについて十七条の二の規定は適用されていないわけであります。そこで公営企業は独立採算でやらなければならない、一般会計から補助を受けなければならない場合には特別な理由があるときでなければなりません、こういう建前を掲げているわけであります。赤字企業に陥った場合に補助するのだということだけではなしに、今申し上げましたようなことも含めまして、規定をいたしたつもりでございます。
#17
○秋山長造君 赤字企業でない場合の、特に新しく事業を拡張するとか、なんとかいう場合に一般会計から補助するという場合には、どうですか、交付税でみるのですか。
#18
○政府委員(奧野誠亮君) 公営企業は独立採算の建前を取っているわけでございますので、原則として、一般会計が補助したからといって、特別交付税でそのめんどうをみるということは考えていないわけであります。例外的にそういう問題が起ころうかと思いますけれども、一般的にはおくまでも独立採算でやってもらおう、こう考えておるわけであります。
#19
○秋山長造君 それは、ごもっともだろうと思うけれども、例外的にはあり得るという――例外は認めているわけですか、たとえばどういう場合。
#20
○政府委員(奧野誠亮君) 例外に関しましては、こういう問題が起ころうかと思います。現在すぐそのめんどうをみるのだ、こうお取りになっては困るわけでございますが、炭鉱の水道がございます。これを地元の市町村に引いてもらいたいということが起こっております。引きましても、すぐに独立採算でやっていけないという心配をいたしておるわけであります。その場合に、その水道のめんどうをみていくということじゃなしに、炭鉱所在の市町村全体の財政を考えまして、ある程度のめんどうをみていかなければいかないということを内部で議論をしております。しいて申せば、そういうこともあろうかと思います。
#21
○秋山長造君 局長のおっしゃることはわかりましたが、しかしやはり突きつめていきますと、この二項の場合に一番ひっかかってくるのは赤字を出している場合、しかも今の重症というところまではいかぬ、だからといって、頓服ですぐなおるというようなものでもない、かなり慢性的なものだというような場合に、どうしても一般会計から補助をしてでも何とか手当をしなければならぬという場合が多いのじゃないかと思う。そういう場合がやはり一番問題になってくるのじゃないかと思うのです。この中で、そういう場合に低利資金のあっせんということは、これは当然おやりになるのですか。それからさらに交付税で若干でも見てやるということは考え得るのですか、どうですか。何かそういうことが、これもさっきも言いましたが、あまりもうそれが当然の原則だということになってしまうと、安易に流れるということになるから困るだろうと思う。しかしまた、全然そういう国からの手当も何もしてやらぬということでも、また実際問題としてどうにもならぬということではないかと思うのですが、当然見てやるかどうかは別として、やっぱり一応は考えてやるというくらいな建前になっていないと、なかなか思うように企業の健全化ということができぬのじゃないかという気がするのです。
#22
○政府委員(奧野誠亮君) 繰り返し申し上げますように、十分相談には乗っていきたい。今までもそうでございますし、今後もそうしたいと思います。ただ、そういう場合に、かりに一般会計が事業会計に援助する、その場合には、そういう部分について特別交付税でめんどうをみるということは、これは私は差し控えるべきだと考えております。やはり企業の再建ということになりますと、なみなみならぬ努力が当該企業にとっては必要だと思うのでございます。やる以上は、やっぱりちゃんと再建計画は立ててもらいたい。再建計画を立てるについてはきびしい問題の解決にも迫られるだろうと思うのでありまして、そういう場合にはそのかわり国のほうでも十分なめんどうを見ましょうという態度を明らかにしていきたい、こう考えておるわけでございます。十分な覚悟で再建計画を立てるということでもないのに、国がめんどうを見るということじゃいつまでたってもだらだら赤字経営が続いたりしまして、解決にならないのじゃないかという心配を持っているわけでございます。
#23
○秋山長造君 その点も理解できるのですが、ただこの再建計画を立てるという場合も、この措置要領の条件に沿った再建計画を立てている場合と、それからこの条件には沿わぬけれども、しかし自主的な再建計画を立てていく場合と、その二つあると思うのですよ。それで、この自治省から示された措置要領に基づいて立てる再建計画の場合は、まあ十分か不十分かは別として、一応それで説明がつくわけなんですね。ところが、これによる再建計画ではないが、しかし自主的に再建計画を立ててやろうという場合に、その一つの方法として、この二項に基づいて一般会計から若干の補助をせざるを得ないというような場合、そういう場合のことがやっぱり一番問題になってくるのじゃないかと思うのですが、そういう場合には、まあ局長の御答弁では、当然交付税で見てやるというような建前はそれは困る、間違いだ、そういうこともわかります。一応あなたのほうのお立場はわかるのですが、ただしかし、そういう再建計画を立ててやろうとする場合、補助を一般会計からやった場合にも、事と次第では――建前ではないけれども事と次第ではやっぱり十分相談に応じてやる、つまりその相談に応じてやるという意味は、必要によっては交付税で見る場合もあり得るという程度のことにはなるのですか、どうですか。
#24
○政嗣委員(奧野誠亮君) お話のような例があってもいいと思いますが、そういうものについても見るのだということは、私は差し控えるべきだと、こう考えておるのであります。常に親切な態度で相談に応じていきたい、こう考えております。今までの例で申し上げますと、公営企業会計ではございませんけれども、一般会計の赤字の際に地方財政再建促進特別措置法、それをずばり適用する期間の切れたものにつきましては自治大臣の承認を得させまして、必要な再建措置の援助をやってきたことがあるわけでございます。現在もやっておるわけでございます。その場合でも、軽微なものにつきましては、そこまでの措置はしないでもよろしいじゃないか、むしろ自主的に再建的な運営をしなさい、そのかわり、こういうものについても財政資金を利用したほうがいいじゃないかという式の相談相手になり、また御援助を申し上げておるつもりでございます。今度の場合でも、赤字財政再建に三事業年度以上かけなければ、とても再建ができないというものについても取り上げようとしているわけであります。したがいまして、また、話し合いによりましては、二事業年度で片づけられるじゃありませんか、それじゃこういううるさい手続じゃなしに、自主的にやりなさいよ、物によっては地方債を許可するとか、いろいろな援助の方法もあわせ講ずるという相談になっていくものもあろうかと思うのであります。ただ一般的に、特別交付税でそういうめんどうを見ますということは、われわれはいろいろと弊害もあろうかと思いますので、そういうことは穏当ではなかろうと思います。ただ例外的にはそういうものもあっていいと、こう考えております。
#25
○秋山長造君 それから、次にお尋ねしますが、この前沢田さんの御質問に対する御答弁で、今度独立採算という見出しをつけて十七条の二を新しく入れたのは、従来この地方公営企業法のあっちこっちに分散して独立採算の規定があったのを、ここに一まとめにしたのだというような御答弁があったように記憶するのですが、今度ここに特に独立採算という見出しをつけて、この一カ条を挿入されたということ、特に独立採算という見出しですね。これを見ますと、非常に独立採算というものを強く打ち出されたという感じを受けますね。もちろん公営企業ですから、第三条に(経営の基本原則)として「経済性」ということを強調しておられる。その経済性ということが独立採算ということになってくるのは、これは当然のことだろうと思うが、ただ経済性だけでなしに、同時に、基本原則のもう一つの柱として「公共の福祉」ということがうたわれておる。公共の福祉ということは、もっと端的に言えば住民の福祉、住民の利便ということだろうと思うのですが、この公共の福祉、住民の利便ということが強調されないで、独立採算ということだけが非常に強く今度の改正で強調されているという感じを受けるのですがね。そうしますと、これはさっきの議論に返るわけですけれども、一般会計からの補助ということについても、いろいろな障害が出てくるようにも思われるし、それからまた企業の種類によって、もうその企業の建前というか、性格上から言って独立採算で当然やれる、また実際にもやれるという事業がある。それからまた、たとえば交通事業なんかのように、なかなか今の経済状態の中で独立採算を貫くということもむずかしい。むしろ企業性も企業性だが、同時に住民の福祉、住民の利便ということに重きを置いて、そして独立採算ということをあまり強いワクにはめてしまわないで、必要に応じては、この住民の福祉という建前から一般会計からどんどん補助をしていくということも、やむを得ぬという事業も多いのじゃないかと思うのですよ。だから住民の福祉ということを強調しないで、独立採算ということをわざわざ見出しを新しくつけて強調されるという一点、どうも何か矛盾したような感じを受けるのですがね。
#26
○政府委員(奧野誠亮君) 先ほどもちょっと触れたことでございますが、特に独立採算の規定を十七条の二に一つにまとめましたのは、準公営企業についても企業経理を適用していこう。そういう場合にはこれは独立採算を建前にしていないわけでございますので、その部分だけは適用から除外しなければならない、こういうことで、ここに一まとめにしたわけでございます。したがって、準公営企業について企業経理を適用されるけれども、十七条の二だけは適用していきませんよと、こう断わっておるわけでございます。
 従来十七条には(特別会計)という見出しで、特別会計のことと独立採算のことを二つ書いておったわけでございます。そのうち独立採算のことだけを十七条の二にし、特別会計のことを十七条に残す、こういう振り分けをしたわけでございます。そして見出しに(独立採算)と、こうつけたわけでございまして、特に独立採算を強化するというような式のことは全然考えていない。したがってまた、準公営企業についてわざわざこの適用を規定していないのだという断わりが、一応公営企業の中に入ってきたという格好になってきたわけでございます。
#27
○秋山長造君 ただまあ準公営企業は適用されないということはわかります。純然たる公営企業の中で特に交通事業ですね、交通事業の場合は経理がルーズだからこんなに赤字が出るとは言い切れないと思うのですよ。やっぱり今のいろいろな経済状態の中で、この公営の交通事業というものを経営していくということが非常にむずかしいものがある。じゃあ民間におろしてしまったらいいじゃないか――そうはいかぬ、公共の福祉、住民の福祉という建前から、やっぱり公営企業として維持していく必要があるというのが現状だろうと思うのですよ。その場合に独立採算ということを特に強化したとか強調されるつもりはないとおっしゃるが、しかし、この自治省の指導方針なんかも相当きびしいものだし、この再建措置要領なんかが出るぐらいですから、相当きびしく指導されていくだろうと思うのですが、そうなりますと、結局料金の値上げだとか、あるいは人員の整理だとかというようなことが一番手っ取り早い。悪く言えば安易な逃げ道になるわけなんで、そういうところに追い込まれていくのではないかという気がするのですがね。ところが料金の値上げにしても、これは何年来ストップされておるという話がありましたが、それはまあ過去においてそういういきさつがあったにしても、しかし、だから今日上げていいということにはならぬので、現に内閣のほうでも公共の物価問題が新しくクローズ・アップされて、公共料金の値上げというものは絶対に押えていくというような方針を、またあらためて打ち出されておるようなときですから、過去のいきさつがどうあろうとも、地方公営企業についてだけ公共料金を例外的に値上げを認めるということには、なかなかこれは難点があると思うのです。だから何かこの交通事業なんかに対して有力な手を打つ必要があるのではないか、私の質問も少しばくぜんとしておるけれども――という気がするのですよ。交通事業に対する対策として、まあこの融資のあっせんとか、あるいは措置要領に沿った再建整備計画を作る場合には、特交で見るという程度のこと以外にはないのですか。
#28
○政府委員(奧野誠亮君) 財政再建ということで考えていまする措置は、全く臨時的なことでございます。今秋山さんのおっしゃっているのは、あるいは恒久政策、長期にわたる問題としてお話になっているのじゃなかろうかと、こう考えるわけでございます。別途、公営交通の財政をどうしていくかということにつきましては、いつかも申し上げましたが、現在調査会が設置されておりまして、そこで検討しているわけでございます。その場合に、都市交通においては、大都市にあっては特に地下鉄に移行していくであろうと考えられますし、地下鉄の場合には一メートル建設するのに三百万円からの金がかかるというような状態になってきているわけでございますので、ある程度一般会計から援助をしていかざるを得ないのではないかと、こういうふうにも考えられるわけでありまして、そういうことにつきましては、ある程度考え方をまとめまして、その考えにしたがって自治省としても努力をしていくし、地方公共団体においても努力をしてもらいたい、こう考えているわけであります。現在大都市のバス料金につきまして、料金改定の認可がまだされていないままできているわけでありますけれども、かりに原価を割る料金であっても、国の事情でそれがどうしても値上げを認めないというようなことが長く続く場合には、私はやはり国としてその財政をどうするかという措置を立ててもらわなければ、つじつまが合わないのではないかという考え方を持っているわけであります。まだそこまでの段階には至っていないので、とにかく料金を上げるべきか、上げるべきでないかを人件費の問題その他を通じまして検討しているわけでありまして、そういうことが実態ではなかろうかと思います。長期的に、物価政策のために原価を割っているにかかわらず引き上げまかりならぬということならば、私は国においてそれ相当の措置がとられなければいけないのではなかろうかと、こう考えておるわけでございます。
#29
○秋山長造君 都市交通の問題は、もう確かにただ料金を上げるとか上げぬというような問題だけでは解決せぬと思います。局長のおっしゃるように、交通政策全般の問題から、やっぱり根本的に検討をしてかからなければならぬ問題だろうと思いますので、その点は局長のおっしゃるような線で、ひとつ十分今後早急に検討していただきたい。その結果を待ちたいと思います。
 この際、もう一つお尋ねしたいのは、まあ中央ではそういうように調査会なんか設けて、この検討をされているのですが、地方で、地方の公営企業の経営について、学識経験者といいますか、そういう専門家を集めて一つの審議会のようなものを設けて、そして、そういう専門的な立場から公営企業の健全な運営発展というようなことをはかっていくというような必要があるのではないかということを考えるのですがね、それで、社会党が衆議院のほうで独自の改正案を出しておりますが、その中にも地方公共団体に公営企業審議会を設けたらどうかという構想を盛り込んでいると思うのですが、これについては局長はどんなお考えを持っておられますか。
#30
○政府委員(奧野誠亮君) お話のように、衆議院の地方行政委員会で御決議いただいておりますので、その精神に即して善処していかなければならないと考えております。ただ、公営企業全般につきまして、一々公営企業審議会を作って、そこに審議を求めていくということは、現在議会制度におきまして常任委員会方式が採用されております際に、穏当ではないのではないかという気持を持っているわけであります。衆議院の地方行政委員会の決議の中には、特に必要がある地方公共団体についてのみそういうことが求められておりますので、それならわれわれも、ごもっともではなかろうかと、こう考えておるわけであります。言いかえれば、思い切った財政再建の措置をとらなきゃならぬとか、根本的な方向転換をやらなきゃならないとかというふうな場合に、衆知を集めてその方策を打ち立てていくという必要が起こってくるのじゃないかと考えておるわけでございます。通常の場合にはそこまでのことは議会制度との関係からいっていかがなものであろうか、こういう感じを持つわけでございます。
#31
○秋山長造君 私の言うのは、似たような似てないようなことなんで、決議は一応別なんです。社会党が改正案を出していますね。改正案の中で、決議のほうは必要に応じて、特別の必要がある場合ということのようですけれども、社会党の改正案のほうは、それを原則として公営企業審議会を設ける、それは重要事項についての調査、審議ということを出しておる。今の御答弁によりますと、それは少し行き過ぎではないかというお考えのように受け取れるんですが、そういうことなんですか。
#32
○政府委員(奧野誠亮君) 私はそのように考えております。
#33
○鈴木壽君 今、バス等の料金の問題も出ておりますが、運輸省のほうにこの際聞きたいと思います。今の都市交通の赤字の問題、これはバス料金等が十年も前にきめられたそのままになっておって、いわば現状に合わないのだ、原価を割っているのだ、そういうところからくるというのが一般的な見方のようであります。そこでお聞きしたいのは、私、バス料金を上げろとか上げるべきでないとかいう前提をもってでなしに、運輸省として一体、これは料金の改訂の申請があった場合に、大臣が認可する仕組みになっておりますから、すでに東京とかあるいはその他の大都市におきましても改定の申請を出しておる。それが現在まで認可されないでおかれておるのであります。そこで、運輸省としては一体どう考えておられるのか。改定をし――もっとはっきりいうと料金を上げなきゃいかぬというふうに考えておるのか、あるいはその必要がないというので認可をしないのか。そこら辺について、まず考え方をひとつ最初に聞かしてもらいたいと思います。
#34
○説明員(坪井為次君) バス運賃の改定の問題でございますが、公営企業につきましては現在処理状況を申し上げますと、公営バスを営んでいるものが五十三ございます。そのうち運賃改定の申請がございましたものが四十四、そのうちにすでに認可になりましたものがきょう現在で三十六ございます。残るところ九つがまだ認可されないという状況でございます。この九つのうち、札幌、秋田、若松につきましては、まだ市の議決が得られておりませんので、処分ができない。それから残りの五つにつきましては、東京を初め五大市という状況になっております。それで五大市につきましては昨年の暮れに、われわれのほうとしましては一応の原価計算をしました結果、赤字であるということについては、われわれの資料に基づいて出されたわけでございます。それで企画庁とただいま協議をしておりますが、その際問題になっておりますのは、特に東京につきまして、東京都営と、私営といいますか、私企業の、民営の九社が、路線が競合関係にございまして、同一路線は同一運賃であるという原則から、両者一緒に審議するということになりまして、いろいろと両方を総合比較しました結果、収益率といいますか、キロ当たり収入においては、相当都営が恵まれているにもかかわらず、非常に大きな赤字になっているというようなことから、公営企業の経済性という建前から、さらに問題を掘り下げてはどうかというようなことで、ただいま検討中でございます。
#35
○鈴木壽君 そうしますと、一応あなた方の計算からいうと、採算を割っているような現状での料金だ、したがって一応引き上げなければならぬというような考え方には立っているが、しかし民営のものとのかね合いもあって、それとの比較検討なり、総合的な立場から、まだ結論を出すに至っておらない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#36
○説明員(坪井為次君) 民営につきましても、やはり現在まではとにかくやっておりましたが、今後においては赤字が予想されるという状況でございます。しかし、その内容について、赤字の程度といいますか、経済性といいますか、そういったものが非常に格差があるのではないか、そういう批判があるわけでございます。
#37
○鈴木壽君 だから民営というのも将来必ずしも採算のとれた、あるいは黒字で経営できるとはいわれないような状況だ。しかしまた、民営を都営の場合について比べてみた場合に、その経済性という点からは問題がある。都営のほうがまあいわば不経済的な運営、そういうあり方じゃないだろうか、こういう問題もあるから、もう少し検討する、こういうことなんでしょう。
#38
○説明員(坪井為次君) そうです。
#39
○鈴木壽君 これはあれですか、いわば経済性というような問題になりますと、いろんな要素があるし、また見方も出てくると思うのですがね、あなた方としてはどういうふうに考えられているのですか、都営が経済的にそういう状況に運営されているということについては。
#40
○説明員(坪井為次君) われわれは一応原価の上で数字をはじきまして収支を見ますと、そういう結果になるということで、その原因について、われわれとしては一応の査定を加えまして、標準原価というものを考えるわけでございますが、その場合に、人件費等につきましてはわれわれの方式がございまして、それによって査定をしまして、一応平年度の原価というものを作り上げる。その上で必要なものは認可せざるを得ない、そういう考え方で一応は全部定めておりますが、五大市につきましては、その点につきましていろいろと物価抑制の見地からも非常に大きな問題になりますので、特に検討されているというふうに考えます。
#41
○鈴木壽君 まだ改定料金の認可という方向は出てないというふうに考えていいのですか、いかがですか。
#42
○説明員(坪井為次君) 方向が出ていないといいますか、われわれとしては一応ただいま申し上げましたように、原価上はやむを得ないというふうには思っておるのですが、そこに問題点があるということで、さらにその原因について、いろいろと機関を設けて検討するという状況でございます。
#43
○鈴木壽君 これは、あなたとしてお答えになれるかどうか、失礼な言い分でありますが、経済企画庁の長官はこういう、たとえば都営のバス、交通事業のこういうふうな料金の値上げの問題について、どうも人件費がべらぼうに高い、民営のものと比較した場合に。だから、こういう問題を解決しない限り値上げを認めないのだというような意味のことを言っておられますね。だから問題というのは、そういうところにあるわけなんですか、これはどうです。役所が違うし、どういうふうなことで今言ったような――宮沢さんはそういうことを言っているが、あなた方の見方はどうなんですか。
#44
○説明員(坪井為次君) 公共企業の料金改定につきましては、政府の物価政策の見地から、本来は運輸大臣の権限で行なえるのでありますが、必要やむを得ざる場合以外は抑制するというただし書きによって現在運営されております。その意味で企画庁に相談しているわけでございます。企画庁の内部の意向というものについては、私どもはあまりよくわかりません。
#45
○鈴木壽君 これは、あなたにこういうことを聞いてもわからぬと言われればそれまでですが、いずれあとで企画庁の長官なり、あなたのほうの大臣にも来ていただきますが、政府のいわゆる物価政策として公共料金は引き上げることまかりならぬ、こういうのであれば、またそれはそれなりに、これは問題の解決の方向は、それなりに出てくると思う。それから、上げなければならぬけれども問題があるからというようなことなのか、そこらがどうもはっきりしないことなんで、私は端的に、今もあなたがおっしゃったように、料金認可の権限は運輸大臣にありますから、運輸大臣は上げなければならぬというふうに認めているけれども、しかし、今言ったような政府の物価政策、公共料金の引き上げをしないという、こういう原則から、もう一歩も出られないのだというような立場で、政府全体としていわゆるストップをかけているのか、そこら辺を私ちょっと、もう少し聞きたいわけなんで、あなたは、さっき民営と都営、まあ東京都の場合でいうと民営と都営との間の経済性の問題とか、いろいろあるようであります。原価は割っているのだから、何とか引き上げなければならぬじゃないかとは考えておるけれども、しかし、一方にそういう問題がある、こういうことも言っておられるのですからね。単にそういう点だけであるのかどうか、そこら辺どうも私ども理解ができないと思うのです。さっきも言ったように、私は何も上げろとか上げるべきでないとかいう前提をもって、少なくとも今あなたに聞いているのじゃなくて、いったい状況はどうなのだ、こういうことで聞いておるわけなんでありますが、これがはっきりしないと、都市交通なんかのいわゆる赤字の問題は、この前にも出ましたし、さっき秋山さんと奥野さんとの間のいろいろな質疑の中にも出ましたように、これは単に赤字を解消して再建をしていくのだとか、独立採算がどうだとか、公共性がどうだとかいったって問題は解決しないのですよ。ほんとうに公共性に徹して、今言ったように、しかも一方には国の物価政策というような点から公共料金の引き上げはもう一切まかりならぬ。こういう中で、なおかつ、そこに赤字があるという場合にいったいどうするのか。これは答えは案外簡単に出てくるのですよ。そこら辺が私ども、実は問題が問題であり、いろいろ各方面から病院なりあるいは都市交通の問題等、いわゆる公営企業のこういう赤字問題が大きくなっているときだけに、これははっきりしなければならぬ段階に来ておるのですよ。そういう意味で、料金の引き上げ改定についての申請を――もうことしは三十八年ですから、東京都から三十六年に出ているので、もう二年もほったらかされている。あるいはその他の四大都市からも出ておるのでありますが、そういうものが何らの見通しといいますか、あるいは確たる方針がないままに、こういうことになっているということは、私はおかしいと思うのです。しかも問題の解決に何ら方向を見出だすことができないという、こういうことになってくると思うのですから、そういう意味でお聞きしているのですが、事務的にはあれですか、坪井さん、一応あなた方としては原価計算の上からすれば、現在のところはいわば採算割れするような料金だ、しかし、他の民営との関係からいって何といいますか、経済性といいますか、そういうところには多少問題があるようだから、こういう問題は少し検討さしてもらいたいと思って、まだはっきりした態度をきめかねておる、こういうことなんですか、事務的なあなた方の段階でのお話をひとつお伺いしたいと思う。
#46
○説明員(坪井為次君) 五大市の原価計算につきましては、昨年の暮に一応作業を終わったのでございます。そのときに、そういった問題点が出まして、さらに三十七年の計算もぼつぼつ出そろうものですから、それらを含めまして、民営のバスも、それから都営につきましても、さらに新しい資料に基づいて今追加の作業をやっております。
#47
○鈴木壽君 これはまあ、政府としての政策というような問題もあるようでありますし、運輸省だけの、あなた方の段階だけでのきめ方というのもできないようでありますから、いずれ次の委員会等におきまして、私は経済企画庁長官、それから運輸大臣においで願って、考え方をお聞きしたいと思います。いずれにしても、とにかく、さっきも申し上げましたように、はっきりしなければ、赤字だ赤字だ、それをとうするといったところで――地方団体が一般会計から繰り入れするとかなんとか言っても、あるいは補助するとか言っても、たとえば東京都なら東京都、これは相当大きな赤字ですね、御承知のように。この赤字はいくら大きな東京都だって容易でないと思うのです。ですから、いつまでたっても、そうすると赤字が消されないままに、いわゆる累積赤字がだんだん大きくなっていく、こういうことになってくると、おしまいにはこれは手をあげてしまわざるを得ないということになってくると思うんです。ですから、こういう問題について、私はさっきも言ったように、この際上げるべきだとかなんとかいうことを別にして、どうするのだということをはっきり政府が、認可する側ではっきりした態度を示さないと、問題というものは、なかなか、泥沼に入っていくような格好になってくるのだ。そういう点から、私は現在の料金改定の申請に対して運輸省としてはどう考えて、どういう作業をしているのかということをお聞きしてみたわけなんであります。いずれ委員長にもお願いしますが、問題は重要な問題であり、これは公営企業、単に東京のバスとか大阪のバスとか、こういう問題でなしに、やはり公営企業のあり方ということについて、それと料金との関係、あるいはサービスとの関係、これは大事な基本的な問題になってきていると思いますので、あとで両大臣の出席を当委員会にしていただくように委員長に毛お願いをしておきます。運輸省関係はよろしゅうございます。
#48
○沢田一精君 先日は自治省にお尋ねをしたわけですが、運輸省からおいでになっておりますから、私からもちょっと関連をしてお尋をいたしたいと思います。
 公営企業のうちで交通事業が、最も赤字が多くて問題になっているわけですが、ただいま鈴木委員の御質疑を聞いておりましても、どうも運輸省の答弁というものが非常にあいまいな感じがするわけです。これはバス料金の決定というようなものは、おたくの権限であるわけです、運輸大臣の権限であるわけです。経済企画庁というようなものは単に協議の対象になっておるにすぎないと、私はそう思うわけですが、それならばやはり先ほどからお尋ねがありましたように、運輸省としても単に権限だけを広げて、そして確たる方針がないということが非常に問題をややこしくしているのじゃなかろうかと思うわけです。事務当局には、やはり公営のバス料金あるいは民営のバス料金についてもこうあるべきだという結論を早く出していただいて、それから先、政策的なこと、政治的な配慮というものは、それは各省大臣間の折衝等できまると思いますけれども、早くやはりあるべき姿というものをつかんでいただかなければ、これは公営企業の将来というものも非常に問題だと思うわけなんです。そういう意味から簡単にお尋ねをいたしますが、バス等の料金決定については、運輸省御当局としては一般私企業と公営企業と全く同じ取り扱いをしておられるかどうかということを、まずお尋ねいたします。
#49
○説明員(坪井為次君) 全く同じ扱いをしております。
#50
○沢田一精君 それでは公営企業という、住民の福祉の増進、あるいは特に民営では手が出ないような不経済路線と申しますか、そういったものも、特に住民の利便のために公営で交通事業を営むというような際にも、おたくとしてはもう全く何らそこに特別な配慮、取り扱い上の差異というものは、お考えになっておらないわけですね。
#51
○説明員(坪井為次君) 不採算路線を公営が営んでおるという場合におきましても、われわれのほうの原価の上でそれが現われてくるわけであります。当然民営と同じように、その原価に基づいて、適正な原価を償うものであるという主義によってやっておるわけであります。
#52
○沢田一精君 申請があった四十四のうち、すでに三十六は認可した、料金改定した、そういう御説明がありましたけれども、その料金改定によって三十六の公営企業については赤字が解消し、あるいは経営のめどがついたと、こういうふうにお考えになっておりますか。
#53
○説明員(坪井為次君) 大体そのように、原価の上で償えるように査定した次第であります。
#54
○沢田一精君 料金決定については、おたくの大臣の諮問機関である運輸審議会の答申を待たなければならぬと思いますけれども、運輸審議会は現在のところ、どういうメンバーで構成されておりますか、御説明を簡単にお願いします。
#55
○説明員(坪井為次君) メンバーで構成といいますと、名前をあげればよろしいわけですか。
#56
○沢田一精君 いいえ、どういう経歴の人で、どういう御専門の人であるかということ……。
#57
○説明員(坪井為次君) 会長は谷村先生で、これは最高裁の方であります。それからあと六名、青柳委員はこれはもと国会議員であり、その前は山口県の副知事をやっておられた方であります。それから相良委員は、これは昔鉄道省におった方、それから中大路委員はこれも国鉄であります。それから長井委員は運輸省の海のほうの系統の出身であります。それからもう一人菊川委員、これは組合関係であります。そういった方面の方、それからあとは運輸次官であります。
#58
○沢田一精君 先ほど来話が出ておりますように、料金の問題は非常に大きな問題になってきておるわけなんですが、そういう現在、どういう人たちであるかということは私もよくは存じませんけれどももやはり数多く全国各地から出て参ります際に、一々専門的に原価を検討し、そうしてどの程度で企業として成り立っていくかということについての専門的な、そういう御判断は十分できておるわけなんでしょうけれども、どうも大事な審議会あるいはそれを補佐された皆さん方が、先ほどから申し上げるように、バス料金のあるべき姿と申しますか、はっきりした方針が出ていない。しかもこれは財政的に非常に心配をし、めんどうを見ておられるのは自治省当局なんですけれども、そういったところとの連係というものが、従来の事務取り扱い上は非常に乏しいのじゃないか、こう思うわけなんですけれども、公営企業の交通事業の料金決定等について、自治省と従来緊密な連係をとっておやりになっておるのかどうか、その辺はいかがですか。
#59
○説明員(坪井為次君) 十分連係はとっておるつもりでございます。
#60
○沢田一精君 具体的にはどういう事務処理をなさっておるわけですか。
#61
○説明員(坪井為次君) 具体的には大体申請が出まして、われわれのほうで申請どおり認める場合にはあまり問題もございませんので、特に協議をすることもなく進めておりますが、特に問題になりましたような五大市のような場合には、運輸省だけで処理できぬ問題について自治省と相談している次第であります。そういう格好になっております。
#62
○沢田一精君 五大市の問題――東京都の問題について自治省と具体的に、従来継続的にお話し合いになっておるという事実はほんとうにあるわけなんですか。
#63
○説明員(坪井為次君) 積極的にこちらから御連絡申し上げるというよりも、われわれのほうは、われわれのほうで作業をしまして、そしてわれわれだけで企画庁と話がつけばそれで一応済むものですから、ただ企画庁のほうでいろいろと問題を指摘されましたので、これは運輸省だけの問題でないということになったわけでございます。そういうふうに思っております。
#64
○沢田一精君 まあ多くは申しませんけれども、先ほど来鈴木委員の御質疑もあったように、やはり皆さん方事務当局としては、公営バスあるいは電車、そういうものについて料金はこうあるべきだ、まあ原価に立脚いたしましてそういうものを出されて、そうしてはっきりした方針を早くおきめになってもその上に立って自治省と十分連絡をとられて、それじゃむやみに料金を上げられないから、それじゃその赤字の部分はどういう方向で、どういう方針で補てんをし、あるいは援助をしていくかというようなことをやはり親身になってお考えいただかなければ、いつまでも問題は解決せぬのじゃないかという気がするわけなんです。ただ運輸省としては料金決定はおれの分野だというようなことで、権限だけを振り回し、あるいは権限だけを広げるというような仕事を毎日やっておられるということであれば、これは非常に困ったことだと思うわけなんです。その辺は、鈴木委員と同じような気持で私も強くひとつ御要望を申し上げ、早く結論を出していただく。そのためには、自治省当局とも今までより以上に緊密な連係をとって、健全な公営企業の発展ということに努力をしてもらいたいとお願いをするわけです。
#65
○鈴木壽君 やめようと思ったのですが、大事な点だと思いますので、これは運輸省と、それから自治省のほうと、両方に要求しますが、まあその前に――私あとで別の問題が一つありますが、その前に今の公営企業の経営の問題で、まあいろいろあちこち困った問題が出ているのです。そういう問題に関連して、今のたとえば大都市のバス料金の問題等について、自治省のほうで一体どういうふうに考え、その考えたことについて、また料金決定の直接の担当である運輸省のほうと、どういう話をしたのか。したことがあるのですか、ないのですか、それはいかがです。
#66
○政府委員(奧野誠亮君) 率直に事務当局間の話し合いを申し上げておきたいと思います。運輸省との間では、私と自動車局長との間で昨年中に解決しておったはずでございまして、経済企画庁のほうから話が出ましたのもその後でございます。その際に私は、経済企画庁から異議を言われるのは、この際上げるという点からだけのことでしょうとだめ押しをいたしました。そのとおりであるということでございました。その際に人件費が高いという問題がございまして、それについては今直ちに、かりにそうだとしても職員の整理をする、あるいは減俸をするということで解決しようとしたってできないことじゃないか。これは経済企画庁も同感でございました。自治省としては、ひとつ調査会を作って根本的に解決する。同時に合理化について積極的に努力をしていく。だからぜひ年度内に料金の改定をする、そういう約束をしてもらいたいということを申したわけでございました。しかし事務的にそう今すぐ、ここで返事をするということはむずかしいのだということでございました。同時に、このような状態で料金改定をしたのでは、すぐまた料金改定が繰り返し出てくるのじゃないだろうかという心配が経済企画庁のほうからございました。それについては、調査会を設置し、根本的な合理化をやっていく。そしてそういうことのないように努力をしていく。どちらにしても、そういう努力をしても料金の改定をしないで済ませられるような状態ではない。これは両者同意見でございました。とにかく自治省としては今申し上げましたような努力をしていくわけだから、ぜひ年度内に改定をするという約束をしてもらいたいということを繰り返し私は要望いたしました。経済企画庁の事務当局のほうでは、それについて確たる返事を与えないままできた。しかし自治省としては、約束をしたとおりの方向を歩んで参ってきているつもりでありまして、すでに調査会も設置し、個々の団体につきまして根本的な合理化対策を立てさせてきているというつもりでおるわけであります。それらにつきましては文書をもって経済企画庁のほうにも申し入れをいたしたわけであります。それらの文書は、また運輸省のほうにも届けておるのでございます。
#67
○鈴木壽君 そうすると、自治省の態度については今お聞きしたのですが、運輸省としては、これは都市交通の中のバス料金の問題だけに限って申し上げますが、バス料金の改定についてはやっぱり引き上げるべきだという態度だけは出ておったのじゃないですか。どうなんです、それは。
#68
○説明員(坪井為次君) 一応企画庁に持ち込む前に、大臣のところにその数字を持っていきまして、企画庁のほうにこういった数字で折衝するという格好になっております。
#69
○鈴木壽君 そうしますと、さっきのあなたのおっしゃったことと、私、聞き違えたのかな、違うのですね。原価を割っているということについては、そういう結論は出たのだが、しかし民営との関係があって、経済性の問題等からして、まだ結論が出ないのだという、こういうお話でしたね。それはどうなんです、その点は。
#70
○説明員(坪井為次君) それは企画庁に持っていっての後の話でございます。
#71
○鈴木壽君 そうですか。それじゃそこをはっきりして――私あるいは聞き取り方がまずかったかと思いますが、はっきりしなかったのです。だから私は最後に、あなたにはっきりしなければいけないのじゃないかと、政策の問題なりあるいは政治的の配慮ということは別として、はっきりしなければいけないのじゃないか。こう申し上げたし、今沢田さんもそういう意味のことをおっしゃられたと思うのですが、まあその点はいいです。あとでまた。
 そこで料金決定に当たっては民営の場合も、こういう公営の場合も同じだ、仕方は同じだということをさっき沢田さんの御質問にお答えになりましたね。そこで双方、自治省にもお聞きしたいのだが、公営企業法の中の二十一条には、「料金は、公正妥当なものでなければならず、且つ、これを決定するに当っては、地方公営企業の収支の均衡を保持させるように適切な考慮が払われなければならない。」と、こういうふうになっている。それから道路運送法の中には、第八条の二項に、料金の認可という項目で、「能率的な経営の上における適正な原価を償い、且つ、適正な利潤を含むものであること。」と、こういうのがありますから、運輸省としては能率的な運営の中で適正な原価を償い、かつ利潤をも見れるように料金の認可をするんだと、これが中心だろうと思いますね。したがって民営の場合はそのものずばりでいいと思うのです。しかし公営企業法の中にある料金のこれとは多少私は違うというふうな感じを受けるのですが、そこら辺はどうです、法律の規定そのものからして利潤の追求というようなことは。もっと端的に申し上げますと、公営企業法の料金決定の場合には、私はあまり出ていないと思うのです。そして公営の場合には利潤の追求ということは、前面に出すべき問題じゃないと思うのです、場合によっては結果として出てくるかもしれませんけれども。私は、あなたのさっきの料金決定については、民営の場合といえども、あるいは公営企業の場合であっても、同じく区別をつけないでやるんだと、こういうことからしますと、ちょっと考え方としておかしいところが出てくるのではないかと思うのです。これは私今申し上げましたように、一つは道路運送法の第八条、一つは地方公営企業法の第二十一条を見ての感じですが、そこら辺ひとつ自治省と両方からお聞きしたいと思うのですがね。
#72
○説明員(坪井為次君) 道路運送法の第八条は、ただいまのお話のとおりでございまして、これは一般的に規定しまして、民営につきましては適正の利潤まで原価の上でわれわれのほうとしては算定しております。しかし公営につきましては、この項目は適当でないので、われわれのほうとしては原価の上でそういったものは計算しておりません。しかしそのほかの第二号、第三号あるいは四号といったようなものにつきましては、全部民営と公営と共通したことをやっております。利潤だけは違うということです。
#73
○鈴木壽君 自治省のほうから――これはどういうふうにお考えになっているか、二十一条について。
#74
○政府委員(奧野誠亮君) 料金は、原価を割るものであってはならないということを基本にして、この規定を置いておるというふうに考えております。
#75
○鈴木壽君 そうするとやっぱり、運輸省の坪井さんにお聞きしますが、料金決定はこれは多少違う性質のものじゃないですか。あなたは民営であれ、公営企業で行なうこういうバス事業であれ、同じように差別をつけない料金決定をするというふうにさっき沢田さんにお答えになったように聞きましたが、そうすると、いや利潤のほうは別だと、いわゆる原価そのものについてはこれは同じでしょうから同じに計算するかもしれませんが、一方では利潤をくっつける、一方では利潤を見ないでやるのだと、こういうことになると、同じ料金の決定なりあるいは認可ということにはならぬのじゃないですか。
#76
○説明員(坪井為次君) お話のとおりでございまして、私の言葉がちょっと足らなかったのでございますが、第八条全体を私は申し上げたのでございまして、公営企業につきましては、われわれのほうの原価には利潤は算定してございません。その点は多少違います。
#77
○鈴木壽君 それは坪井さん間違いないですね、あなたの今のお答えは。
#78
○説明員(坪井為次君) 間違いありません。
#79
○鈴木壽君 そうすると、公営のバスについては、したがって民営のバスとは料金のきめ方というものは違うのだと、これははっきりしていますね。
#80
○説明員(坪井為次君) まあ利潤をわれわれのほうは、公営企業については見ないほうが適当であろうと思っておるのでございまして、見てはならぬということではないと思いますが、事実上見ておりません。
#81
○鈴木壽君 いや、だからどうも私言葉じりを取っつかまえるようで悪いのですが、やっぱり根本的な公営企業のあり方という問題について、一体どういう性質のものかということについてはっきりしたいために、したがってそのはっきりさせる一つの要素として、この料金問題というものは考えられなければならないと思うのです。だからそういう意味で私はお聞きしているのでありまして、ある市からバス事業ならバス事業の料金改定の申請をしてきた、これは地方団体で申請をしてきますね。これをあなたのほうでいろいろ検討の上に申請どおりの場合もあるでしょうし、場合によっては申請額を下回るような認可の仕方もあると思うのですね。これはまあそのとおりだと思うのですが、その場合に、民営の場合と違って、利潤というものを含めない計算でいくのだと、こういうことなんですね、はっきりしていただけば。その点を念を押しておきます。
#82
○説明員(坪井為次君) 公営企業については、原価の上で利潤を見てございません。
#83
○安井謙君 ちょっと関連。原価というとどこまで入るのですか。その償却金利までは入れた観念で見るのですか、公営企業の場合。
#84
○説明員(坪井為次君) 入っております。
#85
○鈴木壽君 これは私全部検討したわけじゃないのですけれども、ある公共団体のある地域の中に公営の毛のもある、それから民営のものも路線の獲得をして入っておると、同じ路線を双方の車が走っていると、こういう場合が至るところにあるわけですね。料金を見ると同じですね。これはそこだけが同じなのか、これはちょっと私はわかりませんが、同じですから、何々市営のバスの料金が二十円なら二十円としますと、何々交通株式会社のバス、これもやはり二十円と、こういうふうで走っておるのが、私の見ておる狭い範囲からのそれなのですが、その点からすると、私ちょっと少しぐらい違ってもいいのじゃないかと思うのですがね、どうなんです、これは。
#86
○説明員(坪井為次君) これは公営と民営の場合、あるいは民営同士の場合でも、それぞれ原価が各社ごとに異なっておるわけでございますが、ただ同一路線を両社がやる場合にはいずれかに調整する。これは不当な競争をしてはならぬ、あるいは差別してはならぬということで、その路線についてだけ調整を行なう。会社全体あるいは公営企業全体としましては、原価はこれこれでもこれこれの賃率であるけれども、そういった具体的な競合関係の路線については調整の道が使われる、そういう順序になっております。
#87
○鈴木壽君 その料金決定の、民営とそれから公営の場合のことはわかりました。しかし、先ほども申し上げましたように、これはいろいろな問題がございますので、いずれ後の機会に関係大臣に出席をいただいてお聞きして参りたいと思いますから、よろしくお願いします。
#88
○松本賢一君 ちょっと関連してお尋ねしてみたいのですが、この企業法の第三条、さっき秋山さんからお話しのあった第三条ですが、これにある経済性という問題と、それから公共の福祉という問題と往々にして矛盾することがあるわけですね。公共の福祉を考えると、みすみす損をしなければやっていけないというような場合があるわけです。どの事業にでもあるだろうと思います。これを原則として独立採算をとるということになっているのですが、そうすると、この考え方というものは、もうかるところでもうけて、損するところでは損をして、そうして結局は独立採算でつじつまを合わせなければならぬということになると思うのですが、そういう点、自治省の方、そういう考え方でこの法律はできておるのでしょう。とすれば、今の料金の決定等も、やはりそういうことでなければならぬと思うのです。やはりもうかるところじゃもうかるし、損するところでは損するということで、プラス。マイナスつじつまを合わしていくということなんでしょう、やはり公営企業というものの建前は。どうですか、部長さん。
#89
○説明員(坪井為次君) バス事業につきましては路線によって収益性が異なりますが、それらを一本のバスの事業として見まして原価計算をして賃率を出す。したがって、その賃率によりますと、収益の高いところも、また低いところも出るわけでございますが、それらは一本として原価計算してみる、こういうわけです。
#90
○松本賢一君 そこで、これも公営企業の経済性という問題に関連してお尋ねしてみたいのですが、路線の認可というものがあるわけですね、パスなんかの。これは、こういう例があるのですよ。私の選挙区の一部の例なんですが、呉と広島の間のバス路線ですね、これは国鉄と呉市営と、それから広島電鉄という民営と三つが走っているわけなんです。これは非常にもうかる路線なんです。ところが、これを国鉄が、おそらく八〇%ぐらい持っているわけなんですね。あとのわずかのところをほかの二つが分け合って認可を取っているということなんで、常に不平が出てくるわけですね、国鉄以外のところから。こういうことに対して国鉄のほうの理屈はどこにあるかしりませんが、民営なり公営企業のほうからの理屈とすれば、鉄道路線と全く並行した路線であるのに、国鉄がそんなにバスに力を入れなくてもいいじゃないか、鉄道のほうを強化すべきじゃないか、バスのほうは民営なり公営なりにまかせるべきじゃないかということを、常に議論しておるわけなんですが、これが経済性というか、収益性というものに大きく響いてくるわけです、公営企業のほうからいえばですね。非常にもうかる路線なんですが、そういう場合に路線認可というものは、どういう基準によってそういうふうな定め方がされるのですか。
#91
○説明員(坪井為次君) ただいまの御質問ですが、非常に経済性の高いところを営ましてもらえば、非常に内容的に企業内容がよくなるという御質問かと思いますが、われわれのほうの路線の免許につきましては、運賃を必ずしも開運しないで、企業の分野といいますか、そういった見地から調整を行なっておるわけであります。たとえば今の広島−呉間ですか、これにつきましては、昔から国有鉄道が営んでおる。これにつきまして呉市営と広電が後になって運行するようになった。そういったような状況でございまして、直ちに国鉄を撤収させるというようなことは、現実論としてできないし、また、そういった呉市営なり広電の線をもっとふやすということにつきましても、やはり既得権者としてのバランスの上で従来できておりますので、そう簡単に、片方が赤字だからといってふやすというような措置はとっておりません。
#92
○松本賢一君 赤字という問題と必ずしも直接関係はないのですが、一方、国鉄として、国鉄バスというものを作った本来の考え方というものは、鉄道は敷きたいけれども、なかなか敷けないといったようなところをバスでやるといったような考え方が、本来の考え方じゃなかったかと思うのです。また、そういうふうに私は説明を聞いておるわけです。しかし今の例は、全く鉄道路線と並行した路線なんです。くっついて走っている路線なんです。とすれば国鉄はこの路線のバスというものに力を入れなくてもいいじゃないか、バスは簡単にだれでもやれる仕事なんだから、そうだとすれば、民営なり公営企業なりにまかせておいてもいいじゃないかということが始終言われておるわけです。そうすると、運輸省として、この路線というものを国鉄のほうに、そういうふうに重点的に認可していかれるということが、何かそこに割り切れないものがあるのじゃないか。これがまたもひいては民営なり公営なりの経済性にも響いてくるということになるわけなんで、そういう点についてはいかがですか。
#93
○説明員(坪井為次君) 国有鉄道のバス事業につきましては、日国法に「鉄道事業に関連する」という規定がございまして、その「関連する」という意味が、いろいろと解釈が問題にはなっておりますが、われわれとしては民営なり公営に著しい圧迫を加えるようなことのないように、新しい免許については慎重に扱っております。しかし、この呉線につきましては、従来どういう関係か、古くから国有鉄道がやっておるというように聞いております。
#94
○松本賢一君 これは、うわさに聞くところによると、国鉄の政治力というものが大きく働いておるから――まあ、だんだん人がふえてきますから、路線を常に増加していかなければならない、回数をふやしていかなければならない、そういうときに、やはり国鉄の回数が一番たくさんふえるわけなんですよ。ですから、そういう点を、どうも一般の人からいうと納得のいかないものがあるわけなんです。そういう点について、認可の方針をもっと再検討してみるお考えがあるかどうか、ひとつお伺いしてみたいと思います。
#95
○説明員(坪井為次君) ただいま申し上げましたように、国有鉄道が新たに路線を拡張する場合には、われわれとしては、民営企業なり、そういったものに圧迫にならぬように、また日国法の「鉄道事業に関連する」という規定に該当するかどうかということ等を厳重に審査した上で認可していきたいと思っております。
#96
○松本賢一君 じゃ、この程度できょうはけっこうです。
#97
○委員長(石谷憲男君) 本日の審査は、この程度にいたしたいと存じます。次会は、六月十一日(火曜日)午前十時に開会の予定でございます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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