くにさくロゴ
1962/02/19 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第8号
姉妹サイト
 
1962/02/19 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第8号

#1
第043回国会 大蔵委員会 第8号
昭和三十八年二月十九日(火曜日)
   午前十時三十三分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
 二月十八日
  辞任      補欠選任
   吉武 恵市君  堀  末治君
 二月十九日
  辞任      補欠選任
   日高 広為君  吉武 恵市君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐野  廣君
   理事
           柴田  栄君
           西川甚五郎君
           柴谷  要君
           渋谷 邦彦君
   委員
           青木 一男君
           太田 正孝君
           高橋  衛君
           津島 壽一君
           平井 太郎君
           堀  末治君
           吉武 恵市君
           野々山一三君
           野溝  勝君
           原島 宏治君
  政府委員
   宮内庁次長   瓜生 順良君
   大蔵政務次官  池田 清志君
   大蔵省管財局長 白石 正雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       坂入長太郎君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○外貨公債の発行に関する法律案(内
 閣送付、予備審査)
○所得に対する租税に関する二重課税
 の回避及び脱税の防止のための日本
 国とニュー・ジーランドとの間の条
 約の実施に伴う所得税法の特例等に
 関する法律案(内閣送付、予備審
 査)
○国有財産法第十三条第二項の規定に
 基づき、国会の議決を求めるの件
 (内閣提出)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨二月十八日吉武恵市君が辞任され、補欠として堀末治君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(佐野廣君) 外貨公債の発行に関する法律案及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュー・ジーランドとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案、以上予備審査の二案を一括議題とし、順次両案の提案理由の説明を聴取いたします。池田大蔵政務次官。
#4
○政府委員(池田清志君) ただいま議題となりました外貨公債の発行に関する法律案及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュー・ジーランドとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
 最初に、外貨公債の発行に関する法律案につきまして、御説明申し上げます。
 政府は、さきに、昭和三十三年度におきまして、産業投資特別会計の貸付の財源に充てるため、戦後最初の米貨公債を発行いたしましたが、その後、数次にわたる政府保証外貨債の発行により、海外起債市場の開拓につき努力を重ねて参りました。そして今後は毎年度、ある程度外貨公債を発行し得る見通しを得ましたので、この法律案を提出した次第であります。
 この法律案の概要について御説明いたしますと、まず、政府は、産業投資特別会計の貸付の財源に充てるために、予算をもって国会の議決を経た金額の限度内で外貨公債を発行することができることといたしております。
 次に、本公債の消化を円滑にするため、その利子及び償還差益に対する租税その他の公課につきましては、従来の例にならい、非課税措置を講ずることといたしております。
 以上のほか、本公債の発行による収入金を産業投資特別会計の歳入に受け入れることとする等同特別会計法に所要の改正を講ずることとしているのであります。
 なお、この法律に基づきまして、昭和三十八年度の外貨公債の発行限度額につき、別途、昭和三十八年度特別会計予算総則により国会の議決を経ることといたしておりますが、その発行収入金は、これを産業投資特別会計から、日本開発銀行及び日本道路公団に対して貸し付けることといたしております。
  ―――――――――――――
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュー・ジーランドとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案について、御説明いたします。
 政府は、今回、ニュー・ジーランドとの間に所得に対する租税、すなわち所得税及び法人税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約に署名し、その締結の御承認方につき別途御審議を願っているのでありますが、この条約に規定されている事項のうちには、さらに、法律で具体的規定を要するものがありますので、ここにこの法律案を提出することとした次第であります。
 この法律案は、配当に対する所得税法及び法人税法の特例を定め、源泉徴収所得税並びに申告納税にかかる所得税及び法人税の軽減を行なうことを規定するものであります。
 すなわち、わが国の所得税法及び法人税法によれば、非居住者または外国法人の取得する配当所得に対しては、二〇%の税率で源泉徴収所得税を徴収し、その者がわが国に支店等を有して事業を行なっている場合には、その支店等に帰属する他の所得と総合合算の上、課税することとなっております。これに対して、今回の条約におきましては、ニュー・ジーランドの居住者が取得する配当の所得に対する税率は一五%をこえてはならないこととされておりますので、条約の規定に従い、源泉徴収所得税の税率を一五%と定めるとともに、他の所得と総合して課税する場合にも、配当所得に対する申告納税にかかる所得税または法人税の税負担が一五%をこえないよう、その税額を軽減することを規定し、その配当所得に対する税額を算定するための計算規定を設けているのであります。
 以上、外貨公債の発行に関する法律案及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュー・ジーランドとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案につきまして、その提案の理由を申し上げました。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願いいたします。
#5
○委員長(佐野廣君) 以上で両案の提案理由の説明は終わりました。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(佐野廣君) 次に本院先議の「国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」を議題といたします。
 本件については、すでに去る二月八日提案理由の説明及び補足説明は聴取いたしております。
 それでは、これより本件の質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#7
○柴谷要君 本法律案は、皇室が財産を取得するために国会に議決を求めてきた案件でございますが、との法律案の内容を検討してみますると、二重橋の新設外三件、計四件の皇室が取得いたします財産の総額は三億八千八百四十二万七千円と相なるわけでありますが、二重橋のかけかえ外三件が、新設なり、あるいはかけかえ等の問題に関連いたしまして実際に必要といたしまする予算はどのくらいでございますか、これをちょっとお伺いいたします。
#8
○政府委員(瓜生順良君) この皇室用の財産として取得される金額は、そこにあがっている金額であります。工事費ということになりますと、たとえていいますると、二重橋のかけかえのような場合、撤去するほうの経費は、これは財産として取得するという場合には省かれております。そこで、二重橋の関係のかけかえには、予算としますと、一億二千八百三十三万四千円というのがあがっております。これは撤去の分を含んでおります。そこで、この取得の場合の金額とちょっと差があると思います。
 それから、宮内庁病院の新設とか、東側地区のほうの幹線道路の工作物の取得の関係とか、それから正倉院の東宝庫の空気調和施設の取りつけというのは、予算はこの取得金額と同じでございます。
#9
○柴谷要君 俗に世間で二重橋、二重橋と言っておりますのは、まず皇居の前に行きました際の前に建っております橋を大体二重橋と、こう国民は今日考えていると思います。過日機会を与えられまして皇居内の視察をいたしたのでありますが、その際に詳しい御説明がございました。今回のかけかえになりますいわゆる鉄の橋のほうが実は二重橋である、こういうお話を実は承ったのであります。このようなことが、国民の非常に関心の深い皇室のことでございますが、この二重橋は依然として今日国民が持っておるような感覚で過ごさせていいものかどうか。新しく規定して、二重橋はここが真の二重橋である、こういうふうに教えていくのが正しいのではないかという感じを実は持ったわけであります。常識的にいいますと、皇居の前で写真をとりますときに、二つ、前のほうの橋とうしろ、中にかかっております鉄橋との二つが、全部写って、これが二重橋なのだと考えている人もあれば、それから表橋のほうが二重橋なのだと、こういうふうに感じている国民もいるようであります。こういうふうに幾つかの見方をしておるようでありますが、これに対する宮内庁としての見解はどのようにお持ちでありますか、お聞かせを願いたいと思います。
#10
○政府委員(瓜生順良君) 公式には、二重橋という言葉、名称がどれをさすかというようなことを、告示をされたり、あるいは特に登録をしているというようなことはないのでございます。しかし、沿革的にいいますと、二重橋というのはどれかというと、まあ現在かかっている鉄橋、あれが以前に二重橋といわれておったところの橋なものですから、あれが二重橋だというふうにわれわれは考えて、この提案の際にもそういうふうに書かれておるわけであります。
 いろいろ昔の記録などを見ますと、ちょうどあの鉄の橋は徳川時代には西丸下乗橋というような別名があったのであります。なお、江戸時代からの文献によって見ますと、この明治のころにかけかえる前の木造の橋は、下のほうに一つ橋がありまして、その橋の上にもう一つ橋脚を建てて、その上にまた橋があるようになっていますが、これはその当時、あの堀が相当深かったものだから、そう下まで木の脚を持っていけなかったためだろうと思います。それで、下のほうに橋を作り、その上にまた脚を建てて木の橋を作る。そうしてみますと二重になっておりますから、それで二重橋というような呼び名があった。で、明治になってその木の橋をこわしまして、鉄の橋にいたしましたときには、その形態は踏襲はしていないわけであります。ではありますが、前の橋が二重橋だったものですから、それで二重橋というふうにあとでできた鉄橋を言うこともあったのです。しかし、一般の世間では、いろいろ二重橋という場合に、今先生がおっしゃったように、下のほうに石橋があり、上のほうに鉄橋がある。ちょうど二つの橋が見えるから、それで二重橋だというふうに言うのだという人もおりますし、しかし、また人によると、下の石橋のほうが眼鏡のようになっておりますから、あれが二重橋だというふうに言うこともございます。たとえていいますと、麹町区の歴史を書いた麹町区史というのがありますが、その中に、宮城正門前の石橋を二重橋と呼ぶのが一般の習慣になっているが、本来の二重橋はもう一つ奥の橋なのである、というふうに書いてあります。
 この呼称については区々まちまちでございます。公式には、先に申し上げましたように、何も告示をしたり登録したりしたものはないわけであります。国有財産の台帳の記載を見ますと、単に「種目橋梁、細部鉄骨造り」と書いてあるだけで、名前は書いてございません。ただいま問題になっております二重橋のほうは、下のほうの石橋は「種目橋梁、細部石造り」と書いてあって、これも名前はない。いろいろ宮中の行事の際に使います場合には、橋のことを書く必要はない。正門からお入り下さいということで、正門ということは必要ですけれども、橋の名前はきちんとする必要がなかったもので、そういうふうにあいまいになっておりますが、今先生がおっしゃるように、どうするのかという問題になりますと、まあ一応考えられるのは、今の二重橋といわれているのは正門内鉄橋といいますか、それから下のほうの石の橋は正門前の石橋というふうに称すべきじゃないかと思います。しかし、世間で二つ重なっているから二重橋というような通称がございますが、それは尊重していいのじゃないか。ちょっとそのあたりのところで、二重橋はどれだというようなことのはっきりした点が、公けには必要がないものですから、呼称については尊重するという程度ではなかろうかと思っております。
#11
○柴谷要君 そこで、今回の議決を求めて参りました二重橋の新設というのは、二つ目の鉄橋、これの改造について、実は視察をさせていただきましたときに痛切に感じましたのは、原型そのままで新設をする、こういうことで、まことにけっこうだと思います。そうなりますというと、奥に見える椿が新装がなった。ところが、表橋の石橋のほうは非常に堅牢なものですから当分手を入れない。しかも、長い歴中を持っておりますので、これに取りつけてありまするシャンデリアといいますか、照明装置等もかなり古いものになっている。こうなるというと、奥の鉄橋が新設をされ、原型のままであっても新しいものになる。こうなりますというと、石橋にかかっております承のと対比して、非常に奥のほうがりっぱで前のほうが見劣りがする、こんな感じが実は視察の際にしたわけです。そこで、予算の関係もあるとは思いますが、石橋のほうのつまり照明、これらの問題について同時にやられたほうがむしろいいのではないか。特に来年度はオリンピックも東京に開催をされますし、外人の観光客も非常に多くなるのではないか。特に関心の高い宮城前に来られる観光客が非常に多い。そうなると、奥のほうは新装がなったけれども、前のほうは何ら手が入れてない、こういう形になると思うので、実は同時にやられたらどうか。前の橋は堅牢のものでありますけれども、上の装飾的なものについては一緒にやられたらどうかという感じがしたわけでありますが、宮内庁としてはこれに対してどのようなお考えをお持ちであられるか、これをちょっとお聞かせいただきたい。
#12
○政府委員(瓜生順良君) この鉄橋のほうの関係と下の石橋の関係の調和の点、これは現在の調和をしている形を将来も残していこうという構想で、上の鉄橋のかけかえの場合にも、現在のデザインを変えないように、こまかい点ではいろいろさらに改造しますけれども、そう考えておるわけでありますが、その場合に、今先生がおっしゃるように、同じデザインでも上のほうが新しくなる、特に電灯の装飾あたりが上のほうが新しくなると、下のほうが古いから、調和が悪いのじゃないかという御意見、その点はごもっともな御意見と思うのであります。で、下の石橋のほうの飾り等についても将来考えよう。で、三十八年度の予算要求をします際には、この鉄橋のほうが非常に弱いし、これを取りかえるということで、これはぜひつけかえなくちゃいけないというので、その緊急度のあるほうをまず考えまして、この予算の要求もし、工事を進める段取りをいたしましたが、下の石橋のほうはまだまだがんじょうであります。橋としての寿命はまだ十分あるわけであります。ただ、飾り等の関係が、御指摘になっておりまするが、この点同時にやるという考えもこれはあるわけでありまするが、まあ上のほうをやってみて、それとの調和を考えて、どうもやはりこういうふうにしたほうがいいのじゃないかというふうな調和を考えながら、下の石橋のほうの飾り等も今度つけかえる。なお、飾り等のみならず、正門の周辺をいろいろ塗り変えたり、いろいろきれいにしなければいけないと思います。そういう工事が先行きあると思いますから、そのときに一緒にその問題もいたしたい。したがって、宮殿が完成する前にはそのことをやりたいと思っております。これは予算をまた大蔵省のほうへお願いするわけですが、大蔵省のほうも考えていただけるものと思っておりますから、同時ということはちょっと今のところは考えていないわけであります。
#13
○柴谷要君 ちょっと大蔵省にお尋ねしたいのだが、次官、私ども視察をしまして、今申し上げたような認識を強くしたわけです。どっちみち、石橋のほうはまだまだ寿命がありますから、かけかえなんということは当然考えておりませんが、外見的に見た場合に、新の二重橋と表橋の調和ということを考えますと、いずれの日か投じなければならぬ経費じゃなかろうかと思います。そういうような点を考えるというと、来年度非常に多くの観光客も来る、その際に十分間に合うようにさしてやったらどうか、こういう感じを強くしたのでありますが、所定の予算の決定をされた以上は、なかなかできないという御答弁があったような状態でありますけれども、この金額はさほど大きなものでないということを私聞いて参りました。大蔵省においてしかるべくこれらの点も考慮する余地があるかどうか、ひとつ次官として御答弁いただきたいと思います。
#14
○政府委員(池田清志君) 柴谷委員の御高見拝聴いたしまして、ごもっともだと思います。先般また現地を御視察までいただきまして、現地におきまする新しい知識を持っての御発言でございまして、大いに私ども尊重したいと思います。ところが、今回御審議をいただいておりまするのは、上の鉄橋をかけかえようというのでございます。これはもう御承知のように、皇居造営のための資材等を運搬するために、強度が弱っているから、そこにかけかえまして、なおその橋が将来に残るようにしよう、こういうのをとりあえずやらしていただいておるわけであります。
 皇居造営は、御承知のように数年にもわたりまするので、皇居造営を中心といたしまして、皇居内全般の整備もいたさなくちゃならないということを、私どもも大蔵省、宮内庁、あるいは皇居造営の審議会、そういうところではいろいろと話し合いをいたしておるところです。柴谷さんの御意見は、オリンピックもあるから、外客も来るから、それに間に合うように、石橋の保飾等も考えたらどうかというようなことでございます。これはまことに傾聴に値する御意見でございますが、三十八年度の問題といたしましては、国会で御審議をいただいているとおりに私ども政府は考えておりますが、将来の問題といたしまして、瓜生次長もお答えいたしましたように、御期待に沿うことができると思います。
#15
○柴谷要君 実は、初めて皇居内を視察さしていただいて、外見で想像しておりますよりも皇居内は非常に御質素であるという感じを強くしたわけです。それだけに、むだな経費をお使いになっている様子もないし、国民の非常に最近高まりつつある感情から考えまして、適切な時期ではないかと思いましたので、かような発言を申し上げたわけでありますが、どうかひとつ、大蔵省でも宮内庁とお話し合いを進められて、できることならば調和のとれた工事を促進していただくようにお願いをしたいと思います。
 それから、最後に、十万坪開放されて、都民のいこいの場所になるというお話も聞きましたが、これが真に都民に開放されていこいの場所になるのは、大体何年後にきちっと整理されてなるのか、これだけ承りまして私の質問終わりたいと思いますが、この見通しについてお答えをいただきたいと思います。
#16
○政府委員(瓜生順良君) 東側地区の公開の時期でございまするが、東側地区の、皇居付属庭園としてほんとうに全部完成するのは、宮殿の造営が終わった後になります。といいますのは、宮殿ができてからこわす建物があるわけですから。しかしながら、それはごく一部でございまするので、大部分が完成いたしまするのは昭和四十年度という目途でおります。これは四十年度という目途にしておりますのは、三十九年秋にオリンピックがあります。先生ごらんをいただきました馬場のところ、うまやの一部は、オリンピックのほうの馬術の関係で、練習したりいろいろ利用される関係があるから、残しておいてほしいというお話がありました。その関係でその部分は手がつけられませんので、このあたりはオリンピックが済んでからということになります。そうすると、結局四十年度。四十年度に大体が完成する。一部残りますのは皇宮警察の今入っておりますもと枢密院の建物、ああいうものは宮殿ができてからでないと移るところがないものですから、あれは残りますけれども、あの部分だけは残りますけれども、大部分ができれば、そういうような、四十年度にできたところで公開ということを考えております。
#17
○西川甚五郎君 管財局長にお尋ねしますが、国有財産法の十三条において、皇室の財産の取得、あるいは皇室の財産にしようとする場合には、三百万円以上、あるいは全額が三千万円、その場合には国会の議決が要る、こういうことですな。これは昭和二十三年にできたものですが、それからの物価指数からみれば、この三百万円あるいは三千万円は物価指数と合わずにあまりに少額じゃないかと、私はこう思うのです。たとえば、今コンクリートの建物を建てても、いいものだと坪二十五万、あるいは安くても二十万。そういたしますと、十坪くらいの建築をするものに対して、皇室財産としてこれを国会の議決を経るということは、あまりに金額が小さいのじゃないか、こういう点ですな、これはひとつ政府としてもう少し金額を、たとえば、三百万円を千万円にし、あるいは三千万円を一億にするとかというように、物価指数に合うような金額に変えていただくのが当然かと思いますが、これは管財局長、どうですか。
#18
○政府委員(白石正雄君) お尋ねの点はまことにごもっともだと思います。そもそも、国有財産法第十三条の規定は、皇室用財産につきましては特に国会の議決を経て取得を行なうという、慎重を期した規定でございまするので、できる限り国会のそういった議決を尊重するという趣旨で立法せられているわけでございまするが、同時にまた、一々こまかいものにつきまして、また国会の議決をわずらわすというのはいかがかというような考えもございまして、現行法は、そういった諸般の情勢を考慮して昭和二十八年に改正いたしました次第でございまして、この趣旨につきましては、今お尋ねのとおりでございます。昭和二十八年からすでに相当の年数もたっておりまするので、これらの点につきまして、またさらに検討すべき時期に到達いたしておると考える次第でございまするので、御趣旨に沿いまして、私ども慎重に検討いたしたいと考えておる次第でございます。
#19
○西川甚五郎君 せっかく白石君のような管財局長もできたのだから、この際十分検討せられるように。やっぱり物価指数に合うような法律にお変えになるべきだと、こう私は考えますので、申し上げておきます。終わります。
#20
○原島宏治君 現在の病院ですが、その既略を、建坪とか延べ坪とか、あるいは収容人員等、簡単に御説明願いたい。
#21
○政府委員(瓜生順良君) 現在の宮内庁病院は、これは以前倉庫であったものの一階、二階を利用していて、三階は依然として倉庫になっておりますけれども、建物は鉄筋コンクリートで、病院として使っておりまするのは、地下の一部、これはいろいろな調理なんかをしているところが約五十平方メートル、それから一階の半分、これが病室、レントゲン室等に使われておりますが、これが五百五十平方メートル、それから二階の全部が治療室、受付、薬局、事務室、詰所などに使われておりますが、これが千百平方メートル、そのほかに洗たく室、入浴室とか、そういう木造のものが百平方メートル、全部合わせますと千八百平方メートル、坪にしますと五百四十五坪であります。
 現在従業員といたしましては、医者は常勤の人が七名、非常勤の人が十名ということで、そのほかに看護婦とか薬剤師その他の職員がおります。
 利用は、三十六年度を見ますと、外来の患者が延べで二万四千人、入院患者が延べで四千百四十人というようなことになっておりまして、この利用者の約半数は外部の方で、半数は宮内庁の職員とか皇宮警察の職員、その家族というようなことで、皇族の方が利用せられる場合、これも宮内庁関係の中に入りますけれども、半数は外部の方、半数は内部の者というようなことになっております。
#22
○原島宏治君 収容能力はどれくらいですか。
#23
○政府委員(瓜生順良君) 収容能力は、入院のベッドの数ですが、これは二十ベッド。ベッド数はそう多いほうではございません。小型のものであります。
#24
○原島宏治君 これは撤去するわけでしょうが、新しい病院ができてからになりますか。
#25
○政府委員(瓜生順良君) 新しい病院ができますると、これは撤去いたします。あの倉庫もこわす予定になっております。あのあたりを皇居付属庭園として公開して、きれいな緑地にするには、ごらんになりましても、あまりきれいな建物ではありませんので、こわしたほうがいいということになっております。
#26
○原島宏治君 いつできた建物ですか。
#27
○政府委員(瓜生順良君) これは建物としては宮内省の倉庫としてできたのが初めで、これは倉庫としてできたのはもう明治のころで、古いものであります。病院が入りましたのは、これは戦後であります。戦前はその外のほうにありました。ちょうど終戦の当時には、帝室林野局と一緒に、つまり今パレス・ホテルと言っておりますが、その前にホテル・テイトというのがございました。あのホテル・テイトの建物が宮内庁病院だった。それがまあ進駐軍が入るから、あれを軍の用に供するから早く立ちのけといわれまして、それで行き先がないので、この倉庫の中に移ったというようないきさつになっております。
#28
○渋谷邦彦君 正倉院の東宝庫空気調和装置について二、三お伺いいたしたいのでありますが、今回の調和装置に関しては、自動車等の排気ガスが非常に著しい、それによっての汚染がはなはだしいために、宝物がそこなわれる、こういう理由のようでありますが、現状としてはどういういたみの状況であるか、これをひとつお聞かせいただきます。
#29
○政府委員(瓜生順良君) この正倉院の宝物の関係のいたみ工合につきましては、これはいろいろ学者のほうにお願いいたしまして、金属のものはどう、それから織物なんかはどうとか、いろいろ見本的なものを、正倉院の庫外、あるいはその宝庫の入口にいろいろ置きまして、検査をいたしております。この宝庫の中で、去年できました西宝庫、これは新しい機械による空気調和施設のできた宝庫でありますが、この宝庫でありますると、いろいろ塵埃、ガスの関係はまあゼロに近いわけであります。非常にまあ完全であります。で、もう一つの、今お願いしようとするのは、これは昭和二十六年に作ったもので、これは自然換気で、自然の空気が入って換気しているわけですから、ほこりとかガスの一部が入っております。その試験の場合には、むき出しに何か置いて試験いたしますと、やはり害があることがわかります。実際はそういうような宝物は、さらにからびつの中に入れたりしてありまするから、外に出ているもののように、目に見える被害というのはありませんけれども、しかしながら、そのからびつの表とか、あるいは裏側あたりにカビがくるとか、あるいはそこらあたりについて科学的に試験をすると影響がある、内部についてのものについても長い間にはやはり悪い影響があろう 二、三年の目で見ますると、すぐにはわかりません。長い間にはやはり影響があろうから、やはりこれは近代的な、科学的な空気調和施設をいたすべきだというので、今度お願いしている次第でございます。
#30
○渋谷邦彦君 大体、ただいま申された科学反応については、きわめて大ざっぱなんで、ちょっと一部納得しかねるところもあるのですが、確かに文化財として永久保存しなければならないという場合には、相当の考慮が払われていいはずであります。そうした場合に、やはり具体的にどのような科学反応があったのか。もちろん、その一年や二年ではとうてい判断がつかないと思うのです。そうした点についても、重々これは考慮してしかるべきじゃないか、かように思いますが、ここの環境が、二十七年度に新築されたときにそうしたことに考慮が払われたかどうか、非常に疑問でありますが、現在、非常に観光客が多い。参考までに、現在一日の交通量はどのくらいあるか、こうした点についてお知らせいただければ、たいへんありがたいと思います。
#31
○政府委員(瓜生順良君) 手元に正確な数字を持っておりませんですけれども、一番あそこの関係に直接影響のありますのは、正倉院の横を通って山の上に行く、観光道路を通っていく自動車であります。これはバスがあり、普通の乗用車もあります。時期によって、観光シーズンには非常に多い。私の記憶ですが、多いときは数千台ぐらい通る。記憶ですから、ちょっと正確を期しがたいと思いますが、私の記憶ではそういうふうに思っております。ただ、そこの横を観光バスが通ったり自動車が通ったりするだけでなくて、大仏殿のところをたくさん観光客が見えております。奈良市全体として空気が濁っているということも考えなければいけないので、横を通るだけではありません、そういう奈良市全体の部分でございますると、年々ふえてくる。それに対する防衛施設としてやはり近代的な空気調和施設をしようということに踏み切ったので、昭和二十六年に東宝庫を作りましたときにはそれほどでもなかったのですが、そのころはとりあえず自然換気でやってみよう、自然換気でも従来あった――今お願いする東宝庫というものは以前は仮倉にあったものが多いのです。かりの木造の倉にあったのが多いのです。校倉のほうにありましたものは去年完成しました西宝庫のほうに納めるというので、校倉の関係のものにつきましても、これはだんだんこの校倉のほうの関係を早く考えなければいけないというので、それが去年の春に空気調和施設でできたいい宝庫を作って、そこに移して、校倉宝庫は宝庫として文化財ですから、中はないが、倉そのものであるということでやっているわけです。
 なお、今自動車の数が出てきましたが、昭和三十年には月平均八百五十台であったものが、昭和三十五年には七千五百台にも達したとありますから、数千と申し上げたのは大体合っていたと思います。
#32
○渋谷邦彦君 正倉院のほかに、このような環境に置かれているものはほかにございますか。
#33
○政府委員(瓜生順良君) 宮内庁のほうで管理しておりまする文化財としては、そのほかにはございません。
#34
○渋谷邦彦君 装置の予定価格、これと、設備にかかるいろいろな費用について内訳が出ておりますが、この予定価格は作業費とそのような諸掛りが含まれた費用でございますか、この点お聞かせいただきたいと思います。
#35
○政府委員(瓜生順良君) これは注文いたします際には作業費毛含んで請負っていただきまするから、含んでおります。
#36
○委員長(佐野廣君) 他に御発言もないようでございますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#38
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。「国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件」を問題に供します。本件を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#39
○委員長(佐野廣君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#40
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十五分散会
  ―――――――――――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト