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1962/03/12 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第16号
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1962/03/12 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第16号

#1
第043回国会 大蔵委員会 第16号
昭和三十八年三月十二日(火曜日)
   午前十時三十七分開会
  ―――――――――――――
  出席者は左の通り。
   委員長     佐野  廣君
   理事
           柴田  栄君
           西川甚五郎君
           柴谷  要君
           渋谷 邦彦君
   委員
           青木 一男君
           太田 正孝君
           高橋  衛君
           津島 壽一君
           林屋亀次郎君
           日高 広為君
           堀  末治君
           森部 隆輔君
           佐野 芳雄君
           永岡 光治君
           野々山一三君
           原島 宏治君
  政府委員
   北海道開発政務
   次官      小西 英雄君
   北海道開発庁総
   務監理官    小島要太郎君
   大蔵政務次官  池田 清志君
   大蔵省主計局法
   規課長     上林 英男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       坂入長太郎君
  参考人
   北海道東北開発
   公庫副総裁   岡田 包義君
   北海道東北開発
   公庫理事    勝原  啓君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○租税特別措置法の一部を改正する法
 律案(内閣送付、予備審査)
○所得に対する租税に関する二重課税
 の回避及び脱税の防止のための日本
 国とタイとの間の条約の実施に伴う
 所得税法の特例等に関する法律案
 (内閣送付、予備審査)
○北海道東北開発公庫法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○産業投資特別会計法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 去る三月八日予備審査のため付託されました租税特別措置法の一部を改正する法律案及び昨十一日予備審査のため付託されました所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とタイとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案の二案を一括議題とし、両案につきまして提案理由の説明を聴取いたします。池田大蔵政務次官。
#3
○政府委員(池田清志君) ただいま議議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案外一法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 最初に、租税特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 政府は、昭和三十八年度税制改正の一環として、さきに提出いたしました所得税法の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案に引き続き、ここに、この法律案を提出いたす次第であります。
 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。
 第一は、利子所得及び配当所得に対する特別措置であります。
 現行法では、本年三月三十一日までに支払いを受けるべき預貯金等の利子所得について、他の所得と区分して一〇%の税率により所得税を課すこととしているのでありますが、現下の経済情勢に顧み、貯蓄奨励の見地から、分離課税の特例は、なお二年間これを存置するとともに、その税率を五%に引き下げることとしております。また、配当所得につきましては、本年三月三十一日までに支払いを受けるべきものに対して一〇%の軽減税率による所得税の源泉徴収を行なっているのでありますが、この特別措置につきましても、利子所得に対する取り扱いとの権衡を考慮し、その税率を五%に引き下げつつ、なお二年間存置することとしております。
 第二に、譲渡所得に対する課税の特例の改正であります。現在、資産の譲渡による所得に対する課税上の特例措置といたしましては、土地収用等の場合の圧縮記帳ないしは二分の一非課税の制度、市街地開発等一定の政策目的に沿う資産の買いかえの場合の圧縮記帳、個人の居住用資産等の買いかえの場合の圧縮記帳等の制度がありますが、当面要請されている公共施設等社会資本の急速な充実、産業設備の整備強化等に資するため、これらの特別措置につき次のような整備拡充を行なっております。
 すなわち、その一は、収用等の場合について、その収用等が高速自動車国道、一級国道、国鉄の主要幹線鉄道に関する事業等特定公共事業の遂行に伴うものであるときは、昭和三十八年から三カ年間、これらの事業者が買い取り等の申し出をした日から一年以内に譲渡をした者に限り、従来の特別措置に加えて、その譲渡所得のうち年七百万円以下の部分について課税を免除することであります。
 その二は、収用等のように譲渡が強制的に行なわれる場合以外の場合について、従来の市街地開発等一定の政策目的に沿う同種資産の買いかえに限り特例を認めていた制度を拡充して、昭和三十八年から三年間に限り、事業用の土地、建物、構築物、特定の機械及び装置、船舶及び鉱業権等を譲渡し、これらの資産を買いかえまたは交換により取得したときは、圧縮記帳を認める制度を創設することであります。
 その三は、個人の居住用財産の買いかえの場合の課税の特例に関する改正でありますが、これは、現在、譲渡資産が現に居住の用に供されている土地または家屋である場合に限られておりますものを、土地または家屋であれば現に居住の用に供していないものであってもよいこととして、その適用範囲を拡張しようとするものであります。
 第三は、中小企業及び農林漁業の振興に資するための諸特別措置の新設であります。
 まず、その一は、政府がさきに提案し、別途御審議を願っている中小企業近代化促進法に関するものでありまして、中小企業の国際競争力の強化に資するため、同法により昭和三十八年四月一日から三年間に指定される指定事業を営む中小企業者の機械設備及び工場用建物について、指定後五年間、その償却範囲額を三分の一増額することを認めるとともに、指定事業を営む中小企業者が承認を受けて合併し、または現物出資をした場合に、清算所得のうち評価益からなる部分について課税を繰り延べ、または出資により取得した株式について圧縮記帳を行なうことを認めることとしております。
 その二は、森林組合合併助成法に関するものでありまして、森林組合が認定を受けて合併する場合には、清算所得課税につき評価益からなる部分の課税の繰り延べの特例を設けるとともに、合併組合が被合併組合の欠損金を引き継ぐことを認めることとしております。
 その三は、農業生産法人に農地等を現物出資した場合の所得税の納期限の特例であります。昨年、農業経営の近代化をはかるため、農地法及び農業協同組合法が改正され、農業生産法人につきまして特に農地の取得が認められることになりましたが、これに即応して、個人が昭和三十八年から三年間に農業生産法人に対して農地等を現物出資した場合には、その譲渡所得に対する所得税の納期限を一定の要件のもとに延長することを認めることとしております。
 その他登録税につきましても、中小企業近代化促進法、森林組合合併助成法の規定により法人の設立または合併のあった場合等における登記、農業生産法人が現物出資により取得する農地等の取得登記について軽減または免除することとしております。
 第四は、科学または教育の振興に資するため、国または地方公共団体、試験研究法人及び学校法人に対して相続人が相続により取得した財産を相続税の申告期限までに寄付したときは、その寄付財産について相続税を免除する特例を設けることであります。
 なお、以上のほか海運業の再建整備に関する法律の規定により法人の設立または合併のあった場合における登記、及び災、害危険区域または防火地域内に新築した耐火構造の中高層住宅の保存登記について、その登録税を軽減することとしております。
 次に、昭和三十七年度末に期限の到来する特別措置のうち、特定のものについての期限の延長であります。
 貿易の振興、企業設備の合理化等当面要請される諸施策との関連を考慮し、新技術企業化用機械設備等の特別償却制度については三年、輸出取引がある場合の特別償却及び所得基準における輸出所得控除額の計算の特例措置については一年、重要外国技術使用料に対する課税の特例措置については二年、航空機の燃料用等の揮発油に対する揮発油税及び地方道路税の免税制度については三年と、それぞれその適用期限を延長することといたしております。
  ―――――――――――――
 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とタイとの間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案につきまして申し上げます。
 政府は、今回、タイとの間に所得に対する租税、すなわち所得税及び法人税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約に署名し、その締結の御承認方につき別途御審議を願っているのでありますが、この条約に規定されている事項のうちには、さらに法律の規定を要するものがありますので、これにつき所要の立法措置を講ずるため、ここにこの法律案を提出することとした次第であります。
 この法律案は、配当、利子、工業所有権の使用料等に対する所得税法及び法人税法の特例を定め、源泉徴収所得税並びに申告納税にかかる所得税及び法人税の軽減を行なうことを規定するものであります。
 すなわち、わが国の所得税法及び法人税法によれば、非居住者または外国法人の取得する配当、利子、使用料等の所得については、その収入金額に対し二〇%の税率で源泉徴収所得税を徴収し、その者がわが国に支店等を有して事業を行なっている場合には、その支店等の他の所得と総合合算の上、課税することとなっております。これに対して、今回の条約におきましては、タイの居住者または法人が取得する配当に対する税率は、子会社たる法人からの配当、産業的事業に従事する法人からの配当または子会社たる産業的事業に従事する法人からの配当の区分に応じ、それぞれ二五%、二〇%または一五%を、これらの者が取得する使用料等に対する税率は一五%をこえてはならないこととされております。また、タイの金融機関がわが国の産業的事業に従事する者から支払いを受ける利子に対する税率は一〇%をこえてはならないこととされております。この法律案は、この条約の規定に従い、産業的事業に従事する法人からタイの親会社に支払われる配当及びタイの居住者または法人に支払われるわが国に源泉のある使用料等に対する源泉徴収所得税の税率を一五%と定め、また、わが国の産業的事業に従事する者からタイの金融機関に支払われる利子に対する源泉徴収所得税の税率を一〇%と定めることとしております。さらに、タイの居住者または法人が取得する配当、利子、使用料等の所得でこれらの者の恒久的施設に帰せられないものに対する申告納税にかかる所得税または法人税の税負担についても、条約の規定するところに従い、配当にあっては、その区分に応じ、二五%、二〇%または一五%を、利子にあっては一〇%を、使用料等にあっては一五%をそれぞれこえないよう、その税額を軽減することとし、その他条約を実施するため所要の規定を設けているのであります。
 以上、租税特別措置法の一部を改正する法律案外一法案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げました。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(佐野廣君) 以上で両案の提案理由の説明は終わります。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(佐野廣君) 次に、北海道東北開発公庫法の一部を改正する法律案及び産業投資特別会計法の一部を改正する法律案の二案を一括議題といたします。
 両案につきましては、すでに提案理由の説明は聴取いたしております。また、両案は去る三月八日、衆議院から送付せられ、本委員会に付託されました。
 それでは、両案につきまして順次補足説明を聴取いたします。北海道開発庁総務監理官小島要太郎君。
#6
○政府委員(小島要太郎君) 北海道東北開発公庫は、北海道東北開発公庫法に基づき、北海道及び東北における産業の振興開発を促進し、もって国民経済の発展に寄与するため、長期の資金を供給すること等により、民間の投資または一般の金融機関の金融を補完または誘致し、主として第二次産業の開発振興に寄与することを目的といたしまして、昭和三十一年六月八日に設立され、同年七月一日から業務を開始し今日に至っております。
 公庫の資本金は現在二十五億でございますが、三十七年度末における出融資残高は七百七十八億円に達する見込みでございます。このような巨額の事業規模に対しまして、今後経済の変動に対処するためにも、また北海道及び東北地方における鉱工業の進展に対処いたしまして公庫がその使命を達成するためには、資本の充実をはかり経営の健全性を維持していくことが必要でございます。
 次に、公庫は、その原資調達の方法といたしまして、政府資金の借り入れと民間資金の活用によりまして資金需要に応じているのでございますが、その大半を債券発行に依存しておるのでございます。公庫は資本金の額の二十倍に相当する金額を限度といたしまして北海道東化開発債券を発行することができるようになっておるのでございますが、現在の資本金における債券発行限度は五百億円でございまして、その発行高は三十七年度末において四百九十二億円に達する見込みでございます。したがいまして、公庫法の第二十七条に規定いたしておりますところの債券発行限度額にほとんど到達するのでございます。そこで、今後とも引き続き民間資金の活用をはかり、債券の発行を行なって参りますためには、公庫の資本金を増傾いたしまして、債券発行額を拡大する必要がある次第でございます。これが今回の法律改正をお願いいたしておる理由でございまして、何とぞよろしくお願い申し上げます。
#7
○委員長(佐野廣君) 上林法規課長。
#8
○政府委員(上林英男君) ただいま議題となりました産業投資特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を補足して御説明申し上げます。
 提案にて申し述べましたとおり、今国会において御審議を願いました昭和三十七年度一般会計補正予算第二号におきましては、一般会計から産業投資特別会計の資金への繰り入れ三百五十億円、またただいま御審議を願っておりまする昭和三十八年度一般会計予算におきましては、一般会計から産業投資特別会計の歳入への繰り入れ四百九十七億円を計上いたしております。
 この法律案は、これらの措置に伴い、予算の定めるところにより一般会計から産業投資特別会計の資金及び歳入に繰り入れることができるよう、産業投資特別会計法に所要の整備を行なおうとするものであります。
 なお、従来は、御承知とおり、一般会計から産業投資特別会計の資金及び歳入への繰り入れにつきましては、そのつど所要の措置を講じて参りましたが、最近産業投資特別会計に対する出資の需要額は年々増大する傾向にあり、また今後もますますその重要性を加えるものと考えられ、これに応ずるためには、一般会計から産業投資特別会計への繰り入れがますますその必要性を増加するものと考えられます。したがいまして、今後この繰り入れにつきましては、予算により御審議願うことは当然でございますが、予算により御審議をいただきました場合におきましては、その定めるところにより繰り入れを行なうことができるよう改正をいたしております。
 以上簡単でございますが、補足説明を申し上げました。何とぞよろしくお願い申し上げます。
#9
○委員長(佐野廣君) 引き続き、北海道東北開発公庫法の一部を改正する法律案の質疑に入ります。
  ―――――――――――――
#10
○委員長(佐野廣君) この際、参考人の出席につきましてお諮りいたします。
 本案の審査のため、北海道東北開発公庫の役職員を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 本日の出席は北海道東北開発公庫副総裁岡田包義君、北海道東北開発公庫理事勝原啓君以上であります。
  ―――――――――――――
#12
○委員長(佐野廣君) それでは、御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#13
○柴谷要君 最初に、本法律の中に示されております主務大臣というのは、内閣総理大臣並びに大蔵大臣だと思うが、それで間違いありませんか。開発庁次官にお尋ねしたいのですが。
#14
○政府委員(小西英雄君) ありません。
#15
○柴谷要君 そうなりますというと、本法律案の改正ということになれば、当然主務大臣が提案説明をし、大臣ができなかった場合は次官がやらなければならないと、こう思いますが、開発庁次官が提案説明をやられたという理由はどこから成り立ってくるのか、お尋ねしたい。
#16
○政府委員(小西英雄君) 大臣にかわって私が御説明申し上げました。
#17
○政府委員(小島要太郎君) ただいまの御質問の点でございますが、主務大臣はただいまお話しのとおりでございます。そのうちこの一般問題につきましては、この総理府の中の北海道開発庁と経済企画庁との関係におきまして、一般問題は北海道開発庁がその責めに任ずる取り扱いになっておりまして、したがいまして、北海道開発庁から提案理由の説明を申し上げました次第でございます。
#18
○柴谷要君 北海道東北開発公庫法という法律の中に、いいですか、主務大臣として責任を負う事項がるるこう書いてある。そうすれば、本法律案の改正にあたっては、当然明記されている主務大臣、内閣総理大臣並びに大蔵大臣、これがこの法律に対する権限者だ。その人がいないならいざ知らず、大蔵大臣がおり、次官がいるのにかかわらず、この法律案の提案説明が他の庁によって行なわれた。どうも理屈に合わぬと思います。この点、池田政務次官はどうお考えになっておられるか、ひとつ……。
#19
○政府委員(池田清志君) 法律の中におきます主務大臣は御指摘のとおりでございます。御提案の説明を申し上げましたのが開発庁の長官の関係であったということを御指摘いただいておるのでございますが、私どもといたしましては、やはり国会に対します分担と申しましょうか、主として中心になっているところというものがありますので、それに従いまして、北海道開発庁が主としてやっていただきます関係上、そういうことになったのじゃないかと想像いたします。
#20
○柴谷要君 私は今、勉強したいものだから、こういう質問をしているのですが、それじゃ私は納得いかないと思います。だから、何かこういう規定があって、こういう担当で、そうしてこれをこういう状態だから提案の説明は開発庁次官がやってもいいのだ、あるいは開発庁長官がやるのだ、こういうふうにきちっとあればいいのですが、どこにもないでしょう、いろいろ勉強してみたのですが。だから、私はやはりこの法律の責任者である大蔵大臣なり総理大臣、それにかわる人が提案説明されるのが私は順序ではないか、こういうふうに思っておるわけですから、ひとつ勉強の意味で聞かしていただきたいのですが、ただいまのお二方の御答弁では納得いきませんので、もっと私も研究してみたいと思います。
 そこで、第二の質問になりますが、少し具体的な質問でおそれ入りますけれども、懇切丁寧に御答弁願いたいと思います。公庫法の第三条に、「主たる事務所を東京に置く。」となっておる。北海道東北の事業をやる主体を、東京において事務所を設けておる。必要があれば従たる事務所を主務大臣の認可を得て設けることができるという法律になっておる。一体、東京に置いて陣頭指揮ができるのか。北海道東北開発のために東京に事務所を置いて、総裁以下、副総裁、理事四名、監事二名というのが常時東京にいて、そうして東北、北海道というものの実情というものを把握をしながら、大所高所からながめてりっぱな業績を行なうことができると思うのか。事務所の設置なんかにはけちを言うわけじゃありませんけれども、どうも納得いかない。これらについて開発庁なり大蔵省の見解を、まずひとつ聞かしていただきたいと思います。
#21
○政府委員(小西英雄君) 柴谷委員の御指摘のように、実際北海道東北開発公庫という名称からしても、当然北海道、あるいは北海道と東北の中間に地理的には置くもののように考えられますが、実際に公庫の融資の対象となる多くの会社が、ほとんどが東京に本社を置いておる。いろいろな首脳部との金の貸し借り等についてもほとんど東京が多いために、そういうふうな実際のあれとは違った観点になっておるということは、これは事実でありまして、貸付の総額の相当なものがほとんど本社を東京に置いておる。北海道に主たる貸付先の王子とか、あるいはパルプ関係の会社とか、ほとんど東京に本社がある。あるいは金属鉱山等におきましても、北海道に貸しておる対象がたくさんありますが、その多くは東京に本社を置いておる関係上、こういうふうな、実際と理論上とは違うところに本店を置いておるということになっております。
 こういう点について、陣頭指揮についての金融機関としての仕事につては、柴谷委員もよく御存じのように、これは現場の指揮ではなくして、いろいろ会計法上、その他いろいろの問題等についても、東京におるほうが便利でいい。われわれも、札幌とか仙台に本店を置くべしという見解をとっておったこともありましたが、いろいろ業務上の内容を検討いたしますと、これは東京が至当のように考えられておるわけであります。
#22
○柴谷要君 今や、御承知のとおり、東京は一千万以上の国民にふくれ上がり、交通はごらんのようにこういうふうな実情にあります。ましてや、こういう基盤を東北、北海道に置くような事業体においては、むしろ地方の適当な所に主たる事務所を持たれて、そうして陣頭指揮をされたほうがよかろう、こういうふうに考える。特に通信の発達した今日ですから、あえて東京におらなくても、御趣旨のようなことは十分できると思いますが、マンモス東京といわれておるようなところを多少でも緩和するという意味におきましては、こういうような事務所は早急に移されるほうが賢明ではないか。その御意思ありやいなや、承っておきたいと思います。
#23
○政府委員(小西英雄君) 御指摘の点、最も敬服する御意見でございますので、今後これはいろいろ機構上の問題、あるいは政府機関がいわゆる中央集権で困っておる、いろいろな点について役所もなるべく東京を離れて周囲に移したいという考え方がございますので、われわれ監督庁におきましても、本店の位置については十分考慮いたしたい考えであります。
#24
○柴谷要君 公庫法第十条に「役員の任命」という項がございますが、総裁と監事は、これは主務大臣が任命する、その他副総裁並びに理事等については、総裁が人選をし主務大臣の認可を得て命ずるというふうになっておりますが、総裁と監事は主務大臣がやり、あとは総裁の選任によってきまる、こういう役員選出方法になっておりますが、主務大臣が総裁並びに監事を選出し、あと副総裁、理事を総裁が選ぶという方法をとった理由ですね、こういうものについて次官にひとつお尋ねしたいと思います。
#25
○政府委員(小西英雄君) 御承知のように、総裁、副総裁、理事は、部内の業務に精励して、特に貸付その他についてよく検討する建前で、これは部内的な一つのものと見てよろしいのですが、監事は会社における監査役のようなもの、そういう建前から、総裁、副総裁と同等の資格において、いろいろ不正行為が起こるとか、その他国損の生ずるようなことのないような意味から監督しなければならない建前上、さような考えに立って、総裁、監事は主務大臣があれをやるようになったと考えております。
#26
○柴谷要君 現在、総裁、副総裁、理事四名、監事二名というのは、欠員は一人もなく、全員おそろいでございますか。
#27
○政府委員(小西英雄君) そろっております。
#28
○柴谷要君 役員になれる人となれない人がある。たとえばいろいろな公職を持っておったり、地方議会の議員であるとか、長であるとか、こういうことでございますが、法律に示す中に「政党の役員」という号がございますね。政党の役員は公庫の役員になれない、その政党の役員という限界でございますね。たとえば、どんな名前でも政党の役員という名がつけば、総裁からはじめてずっと地方支部からあるわけですね、そういうのは全部なれないのか、一定の限界が、政党の役員としては限界があるのかどうか、これをひとつお聞かせ願いたい。
#29
○政府委員(小西英雄君) 御指摘の点でございますが、政党といえば、やはりちゃんと国会議員を何名以上、あるいは政党として届けている範囲のものをさしたのでありまして、何々党、何々党と個人がかたったり、あるいは認められていない政党の役員というものは、限界が最近割合はっきりしているのじゃないかと思います。そういうふうに政府が認めた政党の役員ということの者がこれになれないということだと解釈いたしております。
#30
○柴谷要君 たとえば、例をもって申しますと、社会党でいえば河上委員長以下ずっと書記長、執行委員、これはなれないと明記されている。たとえば目黒区支部の支部長、あるいは支部の書記長、こういったような肩書きのある人でもなれないのかどうか、これをお尋ねする。たとえば、その下に班がありますね、班長とか。これもやはり政党から見れば正式の役員として届けている。そういうものまで考えられるのか。おのずから具体的な限界があるのじゃないかと思いますが、その点はいかがですか。
#31
○政府委員(小西英雄君) そういう点についての詳細な各支部の役員等ということについては、これは私たち詳しく存じておりませんので、明細にひとつ調査の結果を文書でお知らせ申し上げたいと思います。
#32
○柴谷要君 それでは、早急にひとつその点をお願いしたいと思います。
 次は、昭和三十七年度の事業計画でありますが、これは公庫の方にお尋ねしたいと思う。三十七年度の事業計画は、政府借り入れが二十億、公庫債発行が百四十億、うち政府引き受けが六十億ということになっているわけであります。それから、自己資金七十億、計二百三十億を原資として、予定されているのは、出資を三億なり、貸付を二百二十七億行なうというのが三十七年度の事業計画であったはずであります。まだ三月三十一日末になりませんから、トータルはしておらぬと思いますけれども、この事業計画に基づいて三十七年度の運営をなさってきたと思う。今日までの実績、これらについてひとつ公庫から詳しく説明をいただきたい。
#33
○参考人(岡田包義君) 三十七年度の事業は、公債の募集、あるいは自己資金、政府出資、いずれも滞りなく予定どおり入っております。それから、貸し出しのほうでございますが、これもこの三月末には全部完全に融資済みになる予定に相なっております。
 なお、この水産加工に幾ら、鉱山に幾らということの御質問でございまするならば、早急に書面で申し上げさしていただきたいと思います。
#34
○柴谷要君 実はそういう御答弁がありましたので、つけ加えておきたいと思うのですが、この貸付金の最高から最低まで順序を得て並べて、どこに幾ら貸し付けた、どこに幾ら貸し付けたという、その明細が出ますか。
#35
○参考人(岡田包義君) 申し上げます。個々の会社につきまして幾ら々々ということを、もちろん秘密事項ではないわけでございますが、業種といたしまして鉱山に幾ら、たとえば冷蔵庫にどう、船にどう、こういう種類分けで一応申し上げさしていただきたいと存じます。なお、個々の会社について御必要のは、また先生のところへ参りまして、それはいかようにも御説明を申し上げさしていただくような工合にお取り計らい願いたいと存じます。
#36
○柴谷要君 私の要求いたしますのは、確かに鉱工業生産、あるいは畜産、あるいは観光事業、こういうふうに大ざっぱなやつは今日まで勉強しておりますので、うすうす概略はわかっている。そこで、私の知りたいのは、何々鉱業の何々会社に幾ら、たとえば地方交通機関の何々系統に幾ら、こういうふうに最高から最低まで列記をしたものにしていただきたい、こういうことであります。
#37
○参考人(岡田包義君) 承知いたしました。
#38
○柴谷要君 それでは、その資料をいただくことにして、内容を検討いたしたいと思います。
 次には、公庫の事業益金でありますが、三十七年度の予定によりますというと、大体五十七億一千六百二十万という金が公庫の事業益金として入る見通しになっております。これは三十七年度の予算でありますが、これは数字どおりぴったり入ってきているとは思いませんが、事業益金は一体、今の段階で初期の目的を達せられ、いわゆる予算の数字に近いものになるのかならぬのか、これからひとつお尋ねをしたいと思います。
#39
○参考人(岡田包義君) 予定どおり、見込みどおり益金が入る見込みに相なっております。そうして、うち二億五千は国庫納付金として納める予定で、これも予定どおりに相なっております。
#40
○柴谷要君 公庫の事業益金五十七億一千六百二十万、大体予定どおりにいく、こういうお話でございますが、公庫の雑収入の中に運用収入というのがあるわけです。運用収入というのは大体四百九十五万という予算が組まれておる。これをひとつ、運用収入とは一体どういうところから入ってくる収入か、そうして四百九十五万という予算に近い数字が出てくるのか出ないのか、これをひとつ聞かしてもらいたい。
#41
○参考人(勝原啓君) お答え申し上げます。運用収入というのは、公庫の資金に一部余裕ができました場合に、各種の国債にこれを運用することが認められておりまして、そこから入ってくる収入でございます。
#42
○柴谷要君 予定どおり入るのか。
#43
○参考人(勝原啓君) はい、入ります。
#44
○柴谷要君 そのほかに雑収入という欄があって、百二十万という予算が計上されておる。その雑収入というのは一体何から入ってくるのか。
#45
○参考人(勝原啓君) こまかいものでございますが、不要物品の売り払いといったものとか、あるいは社宅を貸し付けておりますが、それなんかのいわば家賃収入、そういったものでございます。
#46
○柴谷要君 家賃をあげて年間百二十万、あるいは物品を売って百二十万ということですが、一体何戸戸数をお持ちになっておって、一体何間くらいのものを幾らで貸しておるのか、それをちょっと聞きたい。
#47
○参考人(勝原啓君) 総戸数は、ちょっと正確な数字は覚えておりませんが、これはまた東京、札幌、仙台合わせまして、大ざっぱに見当をつけまして五十前後あると思います。正確な数字は覚えておりません。
 それから、面積につきましても、いろいろ職員のいわば職階に応じまして、大小、家族の大小もございますしありますので、一定しておりませんが、十二、三坪のものもございますし、二十坪、十七、八坪のものもございますが、大体そういう範囲でやっております。
 それから、家賃につきましても、これ全部公庫が新築したものばかりではございませんので、古いものもありますし、新しく新築したのもあるといった工合で、一定の基準で坪当たりのものは確定しておりませんが、その古い新しい、便利にできているいないというようなものも勘案しまして、多少ウエートをつけまして、坪当たりが大体百円前後になっておると思います。
#48
○柴谷要君 実はこういうこまかいことを聞くのは、職員の利益を守るために貸家等がたくさんできることは非常に望ましいものですから、こういう質問をしたわけです。そういう意味からもう少し詳しいデータが必要だと思うので、これは時間は幾らかけてもけっこうですけれども、ひとつ実情を教えていただきたいと思います。
 次は、役員給というのが予算の中にありますが、二千百四十万六千円、これは八人の役員の方の総計だと思いますけれども、一人平均月に二十二万三千円、最近また決算委員会でいろいろ、公庫その他政府関係の役員の方の手当が高いとかなんとかいう話が出ておりますが、公庫のほうはあまり高くなくて非常にじみなものでございますが、これは月の手当並びに期末手当一切を含めて平均が二十二万三千円、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#49
○参考人(岡田包義君) そのとおりでございます。
#50
○柴谷要君 それでは、次は職員の特別手当というのがあるのですが、期末手当千九百四十七万四千円、職員数にしまして二百三名、一人平均九万六千円という額になる。この九万六千円は夏と冬とに分けて支給をされる金額、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
#51
○参考人(勝原啓君) そのとおりでございます。大体公務員の支給に準じてやっております。
#52
○柴谷要君 それから、期末手当は今申し上げたようなものでございますが、次に奨励手当というのがある。奨励手当五百五十一万一千円、二百三名の職員に分けますと一人二万七千円。この奨励手当というのは一体、国家公務員の支給の何に該当するのか、あるいは地方公務員なり公共企業体の職員の支給の中の何に該当するのか、それをひとつお聞かせ願いたい。
#53
○参考人(勝原啓君) 公務員の例になぞらえますならば、勤勉手当に相当するものだと思います。
#54
○柴谷要君 これを両方合わせますと十二万三千円、これは公務員並みとおっしゃいましたが、そのとおりでございますか。間違いありませんか。
#55
○参考人(勝原啓君) 公務員にほぼ準じております。
#56
○柴谷要君 他の、たとえば一つの例ですけれども、国民金融公庫などはこれより少し率が高い。金融機関のほうは高いと思うんですが、これは公務員並みということで支給されて、職員のほうから何か要求なり異議は出ておりませんですか。これをひとつお聞かせ願いたい。
#57
○参考人(勝原啓君) 特別な不平というものは参っておりません。
#58
○柴谷要君 次は時間外手当でありますが、八百七十七万四千円、こう予算に計上されておりますけれども、一人当たり何時間くらいの超過勤務をやっておるのか、そういうデータがありましたら、お知らせ願いたい。
#59
○参考人(勝原啓君) 大体、月十時間平均ということになっております。ただ、職員によりまして特殊な勤務形態をする、たとえば運転手というものがあります。そういうものに対して五十時間程度のものを考えておりますけれども、大体その他の普通の一般職員につきましては、一人当たり月十時間ということでございまして、大体その範囲で済んでおるように考えております。
#60
○柴谷要君 この時間外手当支給の対象はどの程度の人からですか。課長さんとか部長さんとか、そういう方も含めて役員の人を除いた以外の人は全部超過勤務の対象になっておりますか。
#61
○参考人(勝原啓君) 課長以上の役職というか、役づき職員には超過勤務手当は支給いたしておりません。
#62
○柴谷要君 そうしますと、課長以上を除きました一般の職員の、支給対象になりまする職員数は幾らくらいになりますか。二百三名ということに予算上なっておりますが、実質的に超過勤務手当を受ける職員数。
#63
○参考人(勝原啓君) 百九十四名であります。
#64
○柴谷要君 大体、北海道東北開発公庫の国会で審議をする場合には、こんなこまかいことは聞かれないなんて思って用意をしてこないようですけれども、それではいけませんね。もっとこまかく聞きたいことがありますけれども、これ以上時間がかかってはどうにもならない。だから、大ざっぱに一瀉千里にいきますけれども、しかし用意だけはして国会に臨んでいただきたいことを要望しておきます。
 それから、退職手当百九十三万一千円というのがありますけれども、三十七年度に何名退職されて、その人は勤続何年で、どういう役職の人か、これをひとつお願いします。
#65
○参考人(岡田包義君) 職員の退職いたした者でございまするが、三十七年度を区切って申し上げますると、二十人、その支給額が二百六十六万円、それから役員のうちで三十七年度に退職いたしました者が一名、その退職支給額が八百三十九万円でございます。役員のほうで申し上げますると、その一名は六年四カ月勤務いたした者でございます。
#66
○柴谷要君 数字で見ると、二十人で退職金二百六十六万、役員一人で八百三十九万、こう見るというとたいへんおかしなように聞こえますけれども、北海道東北開発公庫役員退職手当の支給に関する基準というのが設けられて、それで支給をされたと思いますから、この金額についてはとやかく申し上げませんが、この基準の内容、これは主務大臣の承認を得た内容でありますけれども、どうも役員の方の優遇が行なわれて、下級職員の、まあ四カ月、一年なんというのは常識的には別問題ですけれども、職員でも勤続をされ精勤をされた人の退職金としては、この基準でいくというとちょっと低いような感じがする。役員の人のを低いとは言いませんが、ひとつこの問題はもう少しお考えになってもいいんじゃないか、公庫の実情からいきますと。こういうことを実は申し上げたい。そういう意味でお尋ねをいたします。今申し上げたことをひとつ頭に置いて、将来の運営その他についてもひとつお考えを願いたいと思う。
 その次は、借入金でありますけれども、借入金の利息支払いは十六億三千六百五十万、こういうことになっておりますが、借入金の利息は大体その程度で本年はよろしいのでございますか。
#67
○参考人(勝原啓君) 大体その範囲内で終わると思います。
#68
○柴谷要君 そうしますると、公社の事業益金が先ほども申し上げたような数字五十七億一千万をこえておる額でありますが、事業損金のほうは大体四十七億八千万程度で終わっていくと思う。そうなりますると、ここに剰余金が出るわけですが、この剰余金は国庫に納入する、こういう形になるわけです。これは全額国庫に納入される金額でございますか。
#69
○参考人(勝原啓君) 全額でございませんで、一応出ましたいわば荒利益といいますか、その差益から償却引当金に組み入れられることが認められております。これはその年度末の貸付残高に対する千分の十五ということになっておりまして、ただし総額が千分の三十に抑えられておりまして、その関係でその償却引当金に組み入れられたあとが国庫に納付されるわけでございます。
#70
○柴谷要君 国庫に納付される金額は、大体概算でどのくらいになりますか。
#71
○参考人(勝原啓君) 本年の見込みで申し上げますと、先ほど申しましたとおり、大体二億五千万円程度になろうと思います。
#72
○柴谷要君 二億五千万円の国庫納入は、本年の五月三十一日までに国庫に納めると、こういう法律になっておりますね。
#73
○参考人(勝原啓君) さようでございます。心柴谷要君 そこで、これは大蔵省にお尋ねしたほうがいいと思いますが、五日二十一日というと、昭和三十八年度に金が入ってくるわけです。ところが、法律は、前年度の国の金になると、こういう法律上の文面になっている。そうすると、三十七年度は一切済んでしまって三十八年度に入っておるのだが、前年度の収入として国庫に入ってきた金は一体どういうふうに処理をされるのですか。それを教えていただきたい、政務次官。
#74
○政府委員(池田清志君) 剰余金の問題は、決算終了後の剰余金と決算前の剰余と認められるようなものとございますね。決算前の剰余と認められるようなものは、あるいは補正予算等でお許しをいただいておきめをいただきまするが、決算後の剰余金につきましては、その行き先がちゃんと法律上きまっておりますわけで、それに従いましてやっておるものと思いますが、なお詳しいことは事務当局から御説明申し上げます。
#75
○柴谷要君 法律が明記しているのですね。北海道東北開発公庫は、五月三十一日までに決算をして国庫に納めなさいと。納めた金は、いいですか、その納めたときの前年度の国の収入になる。一体どこへ金を持っていくのですか、もう三十七年度は済んじゃっているのですから。それをちょっと、わからぬものですから教えて下さいというのです。わかるようにひとつ説明を願いたいと思う。次官でなくても、大蔵省の頭のいい人でけっこうですから。
#76
○政府委員(池田清志君) 専門家が参っておりませんで、たいへん手間どりまして申しわけございません。今のお尋ねのとおり、ことしのことについて申し上げますと、五月十五日で締め切ると、こういうことで、そこによって現われましたものは、剰余は三十七年度のものとして計上されてあり、そこに剰余を得たものは、いわゆる決算上の剰余といたしましてはその剰余金の行き先がきまっておりまして、三十八年度の財源として使うと、こういうことであるというわけでございます。いずれ詳しいことは専門家が参ってお答えいたします。
#77
○柴谷要君 次官、記録に残して置いて、あとで見てごらんなさい。えらい違いですよ。私がここで申し上げると、あとの大蔵省の答弁がおかしくなりますから言いませんが、これは少し勉強して法律を改正したほうがいいです。これは太田先生、変えるようにひとつ御努力願いたいと思います。ばかなことがしてあります。
 それは、そんなことはやめにいたしまして、今度は開発庁にお尋ねいたしますけれども、第二次北海道東北開発計画というのが今計画をされていると聞いております。しかも、その計画によりますというと、三兆三千億の予算を必要とすると、こういうことになっている。もちろん、政府の出資もあるでありましょうし、民間からの資金の集め方もあるでしょうけれども、このような第二次北海道東北開発に関係をいたしまするその元締めであるいわゆる北海道開発公庫なるものが果たすべき役割は、一体その計画の中でどのくらいウエートを占めているか、また計画が将来その計画に乗ってやられんとする考え方、こういうものをひとつお聞かせを願いたいと思う。
#78
○政府委員(小西英雄君) 柴谷委員のお尋ねに対して、大体総論的にまず申し上げて、個々にはまた一問一答でお答えしたいと思います。
 第二期北海道総合開発計画は北海道開発法に基づいて樹立する総合開発計画でありまして、期間は大体昭和三十八年度から四十五年まで八年間であります。この計画の目標とするところは、産業の構造の高度化を主軸として経済規模の飛躍的拡大をはかり、国民経済の安定的高度成長に積極的に寄与するとともに、北海道の自立発展の基礎を固めることを目標としております。すなわち、目標年次昭和四十五年における経済の規模は、昭和三十五年度を基準に考えましての、農林水産と鉱工業を合わせて生産額は二兆円をこえ、道内生産の所得総額は一兆四千億に及び、基準年次の昭和三十五年度に比しましてほぼ二・五倍に達する見込みでやっておるわけであります。この達成のため、八カ年の所要資金の総額は、そこに示しておるように三兆三千億を考えておりまして、その内訳は、行政投資として九千四百億円、政府企業、民間企業投資等二兆三千六百億円となっておりますが、この計画達成のために政府は行政公共部門の計画的推進、政府関係金融機関の活用等、行政上、財政上の適切な処置を講ずる考えでおりますが、公庫もその財政投融資を通して民間投資または一般の金融機関の行なう金融を補完または誘致して、主として第二次産業の開発振興に寄与する考えを持っておるわけでありますが、その計画そのものが、これは学識経験者、いろいろな機関を通しての総合的目標でありまして、今八カ年の間に具体的にどこがどうだと、大体の荒筋は考えてやっておるわけでありますが、これはあくまでも予定であり、また時代の変転によって、たとえば当時石炭が北海道において二千五百万トンをさらに上回るように考えておった点等があったり、あるいは非鉄金属等が自由化とともに、今まで考えられておったものが、それほどこれに資金を投入してもむずかしいのじゃないかという点等も出ておりますが、大体農林水産その他四次産業等における拡大等を見まして、大体その目的が達成できるという考え方を開発庁は持っておるわけであります。
#79
○柴谷要君 大体の構想を承りましたが、私はここでひとつ意見を申し上げたいと思うのですよ。というのは、御承知のとおり、北海道という特殊な地域条件にありますと、投資をしても、内地で投資をしたのと様相が違いまして、莫大な金をかけても、その翌年訪れても、膨大な金が入ったけれども北海道はまだおくれているじゃないか、何もできていないじゃないか、こういう一般の人の常識があるわけですところが、東京なら東京に投資をしますというと、すぐビルになって現われてみたり、活発な活動が展開されるので、なるほど金をつぎ込んだだけの効果があったということが身近に感ずる。ところが、あの広範なる北海道の開発というものについては、容易ならぬ決意をし、長期計画を立てていかないというと、なかなか北海道というところは開発ができないのじゃないか、こう思うわけであります。そういう意味から、とかく北海道開発等については、目に見えないものですから、批判的な声も多いようでありますけれども、政府はそういうことではなしに、ほんとうに北海道の特殊事情なり、東北の寒冷地における特殊事情というものを十分勘案をされて、これから立てんとする第二次計画については万遺漏なきを期してもらいたい、こういうことをひとつ要望しておきたいと思う。
 そこで、最後の質問になりますけれども、本公庫が設立をされて以来、第一条の目的に向かっておのおの努力をされてきたと思いますけれども、所期の目的どおりにいっているか、あるいはまだまだ不足の部面があるけれども、今後の努力によってそれをカバーすることができるというふうにお考えになっておられるかどうか、ひとつ公庫の決意のほどをお聞かせを願って私の質問を終わりたいと思いますが、御答弁をいただきたいと思います。
#80
○参考人(岡田包義君) 公庫の設立をしていただきまして以来、ちょうど七年に相なります。東北だけで申しますと、六年に相なります。で、ちょうどこの現在の貸し出し残高でありませんで、累計で申しますると、合計いたしまして千億に金額にいたしますとなっております。東北と北海道の割合は、東北が四・五、北海道が五・五くらいの割合に総額はなっております。ところで、この約千億を投資いたしましたといいますことを解剖いたしてみますると、約この倍の、千億プラス多少のアルファが協調融資あるいは自己資金等で入っておりまして、総額二千億をちょっとこえておる見当になっております。
 で、推測いたしますのに、大体生産額は、その二千億の年々生産額があがっておるようにまあ考えておるわけでございます。ところで、それぞれ、北海道におきますれば、主といたしまして、各方面に出しておりまするが、まず北海道のビート工業、あるいは木材加工、あるいは交通をよくいたしますための船舶等に特に考えております。東北におきましては、新潟の天然ガス、あるいはメタル・マイン、木材工業等に特に考えておるわけでございまして、一応この千億の効果につきましては、まずまず適当にいっておるのではないかと考えておる次第でございまするが、何分年々その需要量は、こういう背景にございましても、公庫に対します資金需要量は、圧縮いたしましてごくまじめなものだけを計算いたしましても、倍以上の要求額に相なっておりまして、その資金の不足をわれわれは苦心をいたしておるような次第でございます。のみならず、まず北海道、東北の産業状態からいきましても、また近ごろ特に皆様方の御心配になっております格差を是正するような意味合いからいきまして、まだまだこの資金量をふやしていただきとうございますし、またいろいろ各方面から公庫の運営につきましても御注意をいただきまして、ますますそごのないように効果を十分に発揮いたしますように御指導、御援助、御批判を賜わりまして、さらに努力いたしたいと決心しておる次第でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
#81
○政府委員(小西英雄君) 柴谷委員の非常なる詳細にわたる御注意を賜わりましたことをいろいろ今後に残して、十分検討して意に沿うようにいたしたいと考えております。
 なお、北海道東北開発公庫の目的は、法律にもあるように、地域差をなくし、あるいは北海道、東北を開発するのが主たる目的でありまして、公庫自体の考え方についても十分、大蔵省当局等の御注意もあるので、非常に慎重を期しておるわけであります。その証拠に、わずか七年間の間に、その利益金は大体十億程度返しており、これらについて検討してみますと、非常に堅実な運営をしていると一面言われるわけでありますが、堅実なということは、一般金融機関においてこれは言われることで、北海道開発公庫のようなところは、非常に一般民間が出しにくい金を安く出すという意味合いから考えてみますと、これはなかなか、それを返す金があれば、今八分七厘の利子でありますが、これをさらにその資金が余剰ができないように安くするとか、あるいはもう一つわれわれのほうから考えますと、少し広範囲に小さなものに貸して、多少回収が不能――不能ということはどうかと思いますが、回収しにくいような点にまで手を伸ばして、あるいは一千万円以下の資本であっても、あるいは三百人以下の従業員に対しても貸し出しをしたらどうかというふうに、いろいろ検討しているわけでありまして、ただいま詳細な御指摘、御注意がありましたことを十分監督官庁として考えてみまして、今後に処したい考えでおります。どうもいろいろありがとうございました。
#82
○永岡光治君 あまりよくわかりませんから、ひとつしろうとの質問をするという建前で、御答弁いただきたいと思うのであります。この提案理由の説明によりますと、真ん中からあとに、今後、北海道及び東北地方における鉱工業の進展に対処して、公庫がその使命を達成するためには、資本金の充実をはからなければならない、こういう提案理由になっているのですが、今小西次官の話を聞くと、最初のほうの金へんの鉱業ですね、それはどういうふうな進展と把握しているのですか。あなたのあれですと、非鉄金属等の自由化に伴ってあまり大きな伸びがないのじゃないか、むしろ融資が少なくていいのじゃないかという説明をさっきも述べております。石炭の問題にしても、そう大きな増産はないのじゃないか。そういたしますと、私の聞きたいのは、それをひっくるめて「鉱工業の進展」という表現で表わしておりますが、具体的にどうあなた方は把握しているのですか。この進展に伴い金が必要だと言うのですが、どういう把握をしているのですか。具体的に金属鉱山あるいは石炭は――鉱山なり、あるいはその他のテクニカルの工業は、どうあなた方は進展を把握しているのですか、それをひとつ明確にしていただきたい。
#83
○政府委員(小西英雄君) 御指摘の点でございますが、非鉄金属にいたしましても、いろいろ旧式な機械でやってはなかなか採算が合わないから、それはいろいろな面で合理化して、それに資金を出す。あるいは石綿、水銀等においても、いろいろな今までの設備が非常に古くなっておる点を、その量のいかんを問わずこれを安く採算ベースを合わすために、公庫のほうの資金が要ってくる。たとえば石炭の専用船を造る場合についても、苫小牧という港がりっぱにできて、そこと東京あるいは阪神のほうと航行する船についても、専用船にすれば一トン当たりの単価が安くなる。かような意味合いから、逆にいろいろな面でむしろ資金が多くなってくる。今後の行き方については、そういうふうな合理化資金に相当金が要るので、一面石炭についても、たとえば今まで二十トンのものを三十トンにするための資金、これはまあ石炭資金は別に開銀のほうに考えておるわけでありますが、さような付帯設備、あるいは石炭を石炭そのもので使わぬで、化学原料、あるいはこれを原料としていろいろやってくる等の仕事については、相当な金がふくらんでくるわけでありまして、決して萎縮してだめという意味合いの、ちょっと言葉のあやが悪かったと思いますが、そういう点は是正いたしておきますが、今後東北、北海道に対しては現在以上の金を入れなければ一般のあれとついていけない、伍していけないという状態かと考えております。
#84
○永岡光治君 そうすると、その進展ということは、機械の導入とかそういうものを含めておるようですが、私の聞きたいのは、そういう抽象的な言葉でなしに、進展とは一体、たとえばお金の規模ですればどの程度のあれを把握しているかということを聞いておるのです。たとえば一千億要るから十億なら十億増資しなければならないのだ。その進展ということには、およそ私は単なる言葉でなしに、相当の進展という以上は、どういうものをどういうふうに考えているかということが具体的にあるだろうと思うのです。特に経済企画庁たんですから、私はあるだろうと思います。それをどういう工合に把握しているのか、こういうことを聞いておるのです。
#85
○政府委員(小西英雄君) それは先ほど申し上げたように、石炭専用船を特別に造るとか、あるいは石炭の運搬設備等、あるいは荷役設備等についても、具体的に、港ができればクレーンが何台要るかというふうな具体的なものがこまかく公庫のほうに申し込まれておりますので、もし、そういうふうな申し込みの状況等は、これは資料をもって詳しく提出いたす考えでございます。
#86
○永岡光治君 それでは、この申し込みの大よその規模、年次もあわせまして、大体あとで資料いただけますか。
#87
○参考人(岡田包義君) 承知いたしました。
#88
○永岡光治君 それでは、次にお尋ねいたしますが、これもやはり私しろうとでありますからお尋ねするわけでありますが、最後の三行になるわけですけれども、この政府の「出融資残高は七百八十億円に及ぶ見込みでありますので、このような巨額の事業規模に対しましても自己資本の充実をはかっておくことは緊要のこと」だと。自己資金をふやさなければこれは果たせないのですか。目的を果たせないかどうか。
#89
○参考人(岡田包義君) 公庫法に、公庫の債権発行限度は資本金の二十倍以内とすと、こうあるわけでございます。ところで、一面、公庫の収入予算のほうは、三十八年度の予算にいたしましても、自己資金の七十億のほかはほとんど公債発行に財源を求めておるわけでございます。ところで、現在の当公庫の資本金は二十五億でございまして、それに二十倍掛けますと五百億が現在は限度であります。ところが、五百億ほとんど債券発行済み、五百億のほとんど満ぱいになっておるわけであります。よって、今度十億増資していただきますると、十億掛ける二十倍の二百億が、新たに債券発行能力が出るわけであります。その能力を活用いたしまして、三十八年度の公債発行を可能ならしめよう、こういう意味合いでございます。
#90
○永岡光治君 それはその次の理由に書いてある、今の説明は。債券を発行するについては資本金の二十倍でやらなければならぬが、それが必要があるんでそのために資本を増すんだ、こう書いてある。それはわかっているんですが、その前の七百八十億もあるから、それに対応するために自己資本をふやさなければやっていけないんだ、それは緊要のことだがと、こう言っておるので、それはあまり緊要でもないんじゃないか、そのことは。それは一千億であろうと二千億であろうと、資本金は少なくたって私はやっていけると思う、道がありさえすれば。それですから、あとの理由が一番大切なんじゃないですか。前のほうはそういう意味じゃないんじゃないかという気がしたものですから、聞いておるわけです。「緊要のこと」、こう書いてある。あとの理由はなくても、これは緊要なんでしょう。そういう意味に取れたらどうなんですか、やっぱり緊要なんですか。だから、わからないから知らしてくれ、こういうわけです。民間会社でもやっぱり、資本金一千万円でも、三億も五億もやったりするのがたくさんある。三十倍、五十倍もやっておる。お宅の場合は七百八十億もあるんだから、それに対応して二十五億では少ないからこれを三十五億にする、これを緊要なんだと言っておる。そうなんでしょうかという気がしたんです。
#91
○政府委員(小島要太郎君) お尋ねの点でございますが、私ども自己資本の充実ということをまことに大切なことと考えておるわけでございます。ここに緊要という字句が使われておるわけでございますが、まあ私どもの気持の本体といたしまして、まことに大切なことであるというのがその実態でございますが、ただ、何分にもこのように事業規模が拡大して参ります。それに対応しまして、今この十億の増資をすることがこの時期としてぜひやっておくべきこと、こういう気持でございます。その意味からいたしまして、今急いでやりたい、そういう気持を織り込みまして、ここに緊要という字句が使われている、こういう次第でございます。何とぞよろしく。
#92
○永岡光治君 これを追及することは差し控えますが、そうすると、十億増資する場合の出資はどういうことを考えておられますか。出資の先ですね、どういうところからどういう金を出資されるのか、その計画ですね。
#93
○政府委員(小島要太郎君) 大蔵省の問題でございますが、産投特別会計からこの十億円の出資金を払い込んでいただくということになっておるわけでございます。
#94
○永岡光治君 それでは、ついでにお尋ねいたしますが、政府のそういった出資なり融資なり、今産投の十億という話がありますが、これの利子は何ぼになっておりますか。
#95
○政府委員(小島要太郎君) これは、出資の部分につきましては利子はないことになっております。
#96
○永岡光治君 融資は幾らですか。
#97
○政府委員(小島要太郎君) お尋ねの趣旨は、政府借入金、この公庫が受けます政府借入金のことかと存じます。政府借入金は年に七分ということになっております。
#98
○永岡光治君 政府の借入金で、大体それと出資でまかなっておると理解していいかどうか、それが一つ。そうしますと、今公庫が貸し出す場合は八分七厘で運用しておる。そして政府から融資してもらうのが七分一厘ですか……。
#99
○政府委員(小島要太郎君) 七分です。
#100
○永岡光治君 七分ですか。すると、一分七厘の差益、こういうことになるのですね。それで運営しておる、こういうふうに理解していいのですか。これは念のために伺います。
#101
○参考人(岡田包義君) 公債発行は、政府にしていただくのも七分、それから一般公募も七分でございまするが、一般公募のほうは手数料等が要りまして、原価は平均いたしまして七分三厘ぐらいに公庫にとっては相なっております。八分七厘引く七分三厘の差益で運用しておる、こう御理解願いたいと思います。
#102
○永岡光治君 もう一つ念のために伺いますが、大体今いろいろな公庫ができておりますが、借り入れの利子、それから運用の利回わりですが、おおよそこの程度ですか。この開発公庫だけに限って特殊の事情があるかどうか、あればその点をお知らせ願いたい。
#103
○参考人(岡田包義君) 当公庫におきましては、これまで本年度の国庫納付金予定の二億五千を加算いたしますると、十億、過去のものを加えまして国庫納付金をいたしておることに相なっております。したがって、政府出資の二十五億に対しまして一億五千万の国庫納付金で、国庫納付金をまず配当と見ますれば、相当の配当をいたしておるわけでございます。ところが、多少手前みそに相なるわけでございますが、国民金融公庫、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、医療金融公庫、公営企業金融公庫は、これまで国庫納付金をどれもいたしておりません。ちょっと御参考までに、ちょっと手前みそになりますが……。
#104
○渋谷邦彦君 二、三の点について公庫の方に伺いたいと思います。十九条の中に、「産業の振興開発のため特に必要な事業で主務大臣の指定するもの」、こうありまして、いただきました資料に基づきますと、業務の状況の中に、主務大臣の指定する事業というのが、非常な件数と金額に上っておるようでありますが、この内容について、どのような事業所が指定されておるのか、その数及び種類、その業務の内容、これについてお伺いをしたいと思います。
#105
○参考人(岡田包義君) 今日まで指定されておりますものは、化学工業、ゴム製品製造業、窯業、土石製品製造業、鉄鋼業、非鉄金属製造業、金属製品製造業、機械製造業、電気機械器具製造業、輸送用機械器具製造業、製氷冷凍工業、合成繊維漁網等製造業、及び苫小牧市における港湾整備に付帯する工業用地造成事業及び工業用水事業、及び国際観光旅館業、以上でございます。
#106
○渋谷邦彦君 今のは業種でありまして、私がさらにお伺いしたいことは、どのくらいの事業所があるか、指定を受けている事業所は。
#107
○参考人(勝原啓君) 事業所の指定ということでございましたが、業種を指定されますと、当然公庫の融資対象の事業になるということで、事実上貸付ができることになるわけでございまして、今の御質問に対する直接の御返事になるかどうかわかりませんが、今申し上げました業種に対して貸し付けました件数を申し上げたいと存じますが、よろしゅうございますか。
#108
○渋谷邦彦君 はい。おもなものだけでけっこうですから。
#109
○参考人(勝原啓君) 化学工業で六十八件、それから、大きいものから言いますと、窯業、土石製品製造業というのが五十四件ございます。鉄鋼業が五十五件、それから製氷冷凍工業というのが五十六件、それから機械製造業が三十五件、一応件数の多いものから申し上げますと、そういうものが多うございます。
#110
○渋谷邦彦君 先ほども同僚議員のほうからお話がありましたが、東北、北海道の開発は日本の産業界の発展を左右すると言ってもいいくらいに大事な位置を占めておると思います。したがいまして、この融資に伴う実効というものが、何といってもいろいろと注目の的ではないかと思うのですが、今日まで、三十一年から開設されましてどのような実効があがったか、そのおもなるものを一、二ここに抽出していただいて、概略でけっこうですから、御説明いただければ幸いでございます。
#111
○参考人(岡田包義君) まず北海道で申し上げたいと存じます。大企業ばかりに片寄りませんように、地方産業にも配慮いたしましてやっておるわけでございまするが、まず大きいものより申し上げますると、ビート工場がたとえば芝浦精糖、台湾精糖、あるいは大日本製糖、日本甜菜糖の拡充等に相当まとまって資金を融資いたしました。それから、本州製紙、大昭和製紙、国策パルプ等に対しましても、相当まとまりました資金を出しました。それから、造船にいたしますと、函館ドック等にまとまったものを出しました。それから、船にいたしますと、二、三千トンの石炭専用船を主といたしまして、北海道、東北、あるいは東京の船を六十ぱいほどめんどうを見ております。それから、地方産業にいたしましては、根室、釧路、函館方面を中心といたしまして、冷蔵庫に融資いたしました数が、約四十億ほど冷蔵庫にいたしております。それから、バス事業あるいは自動車整備事業等にも、一件何千万円より一、二億という程度出しております。
 次に、東北におきましては、新潟の天然ガスを中心にいたしますケミストリー、肥料等、東洋ガスとか日本ガス等相当まとまったものを出しております。それから、白河パルプその他のパルプ、それから花巻にありまする谷村株式会社新興製作所、それから同和鉱山その他のメタル・マイン、かようなものが大口の主たるものでございます。小口にいたしますと、バス事業その他、これも相当片寄らないように配慮いたしましてやっておるような次第でございます。
#112
○渋谷邦彦君 今の御説明ではちょっと足りないと思うのですが、私の伺ったのは、どのようなきき目があったか、実際の産業がどのように伸長したかということをお伺いしているわけです。
#113
○参考人(岡田包義君) 公庫の融資いたしましたものは、ごく例外はないとは言えないわけでありまするが、大部分予期のとおりに、各鉱山にいたしましても、インダストリーにいたしましても、ケミストリーにいたしましても、予期のとおりに、公庫の貸しますときの研究あるいは説明、その見込みどおりにほとんど全部動いておりますから、まずは大体においていいのではないかと考えておる次第でございます。
#114
○渋谷邦彦君 決して満足な御回答ではないと思いますが、話題を転換いたしまして、この趣旨説明の最後に、三億円程度の焦げつきがあるように出ておりますが、この内容について、またどういう会社に貸し付けた結果こうなったのか。最初からそういう見込みがもちろんあって貸したわけではないでしょうけれども、その点についての概要を御説明いただきたいと思います。
#115
○参考人(岡田包義君) 御指摘の焦げつきの点でございまするが、まことにこれは国会の皆さんに対しても世間に対しましても申しわけない次第でございまするが、北海道におきましても、東北においても、ごく若干あるわけでありまするが、いずれもこの始末といたしましては、更生会社を裁判所に申請いたしまして、更生会社として大部分を処置いたしております。それから、ごく一部はもう競売いたしまして、その始末をつけたのも一件ほどある次第でございます。
#116
○渋谷邦彦君 大体わかりましたが、とにかく金の出どころが産投から出るわけでありますから、こういう点については十分に配慮していただきまして、焦げつきのないようにやっていただきたいと、かように思います。
 それから、最後にお伺いしたいことは、東北と北海道の貸付状況を見ますと、ちょっと不均衡のように見えるのですが、この原因はいろいろ産業の種別等の条件によってあるだろうと思いますが、公庫のほうとしての御見解を伺っておきたいと思います。
#117
○参考人(岡田包義君) お答え申し上げます。まず現実を申し上げますると、予算を五〇、五〇、支出の方を五〇、五〇に分けまして、それで半分を北海道、半分を東北へ支出するといたしております。これを結果から見ますると、北海道におきましては、事業総額に対しまして公庫の融資額が五割近くに相なっております。東北におきましては、平均いたしまして三割五分見当に相なっております。形におきますると、北海道のほうが有利、東北のほうが比較的不利の結果に相なっておるわけでありまするが、それだけまた見ようによりますると、北海道のほうが東北よりも平均いたしまして工場の経営、立地条件が多少東北より悪いからして、さような点を考慮いたしますると、この今の五〇、五〇で貸し出し率が多少相違しているのがむしろ公平ではないかと考えているような次第でございます。
#118
○渋谷邦彦君 五〇、五〇に分けられたのは、公庫のほうの判断によって分けられたのですか。
#119
○参考人(岡田包義君) 結論におきまして、公庫の判断でさように内定――内定といいますか、五〇、五〇に分けて運行しているわけでございますが、その経路におきましては、各方面の御意見を伺いまして、それを十分参考にいたしまして、最後の結論は公庫の責任におきましてさように決定いたした、こういう次第でございます。
#120
○渋谷邦彦君 その決定事項に対しまして、たとえば北海道のほうに余分の融資を必要とする場合に、このワクをはみ出して、東北に割り当てられたワクから北海道のほうに出すというようなことは考えられませんか。
#121
○参考人(岡田包義君) それは時と場合によりましてはさようなことも、生き物でありますから、考えなければならぬと考えておりますけれども、今日及び最近の事例におきましては、さようなことをいたしませんで、五〇、五〇に分けておりまして、特に困るときは今の例外にしなければならぬかと思いますが、たいていのことは、たとえば三十七年度でまかなえるものは三十七年度の四月、五月に早く事実三十八年度の金を出すことを予定いたして出すというような操作を考えまして、実情には借り手のほうの困らないように運行におきましてやっておる次第でございます。今後もさようなことで大体実情に合わしていけるのではないかと考えております。
#122
○太田正孝君 どうも私は今聞いておりまして、どうも政府委員のほうの答弁がはなはだ不完全だと思います。あれでは御不満足な方が多いと思います。ことに一番しまいの渋谷さんの質問に対する北海道と東北との資金の割合問題は、最も重要な問題だと思うのです。どうかああいう点について、参考資料でも何でもいいですから、的確に早く出すことを希望しておきます。
#123
○参考人(岡田包義君) 承知いたしました。
#124
○委員長(佐野廣君) 他に御発言もないようでございますから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述へを願います。――別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#126
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。北海道東北開発公庫法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#127
○委員長(佐野廣君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#128
○委員長(佐野廣君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十九分散会
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ソース: 国立国会図書館
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