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1962/03/25 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第20号
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1962/03/25 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第20号

#1
第043回国会 大蔵委員会 第20号
昭和三十八年三月二十五日(月曜日)
   午後一時二十一分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐野  廣君
   理事
           柴田  栄君
           西川甚五郎君
           柴谷  要君
   委員
           太田 正孝君
           川野 三暁君
           高橋  衛君
           津島 壽一君
           林屋亀次郎君
           日高 広為君
           堀  末治君
           森部 隆輔君
           佐野 芳雄君
           戸叶  武君
           野々山一三君
           大竹平八郎君
  政府委員
   大蔵政務次官  池田 清志君
   大蔵省主税局長 村山 達雄君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       坂入長太郎君
  参考人
   一橋大学教授  木村 元一君
   武蔵大学教授  佐藤  進君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○所得税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○法人税法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○租税特別措置法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の三案を一括して議題といたします。
 三案は去る三月二十二日衆議院から送付せられ、本委員会に付託されました。また、三案に対する提案理由の説明及び補足説明はすでに聴取いたしております。
 本日は、参考人として木村一橋大学教授及び佐藤武蔵大学教授の御出席をお願いいたしまして、これらの三案につきまして御意見を承りたいと存じます。
 参考人の方にごあいさつ申し上げます。本日は御多忙中のところを御出席いただき、厚くお礼を申し上げます。本委員会に付託されております税関係三法律案につきまして、参考人の方から御意見を承り、委員会の審査に資したいと存じます。
 それでは、委員会の議事の順序につきまして申し上げます。初めに参考人の方から二十分程度御意見を順次述べていただき、しかる後委員から参考人の方に質疑をしていただくことにいたします。
 それでは、まず木村教授からお願いをいたします。
#3
○参考人(木村元一君) ただいま御指名いただきました木村元一でございます。所得税法並びに法人税法、あと租税特別措置法につきまして政府のほうで御提出になりました案、それについてどういう考えでいるかということを述べるわけでございますが、一つ非常に問題になっております点で、所得税の減税が今年行なわれる場合に、一般的に減税をするのか、あるいは政策的な減税をするのかということが、大きな関心をもって論議せられてきております。もとより、税法の改正と申しますのは、単年度だけを見ましてとやかく言うわけには参りませんので、日本の場合で申しますと、シャウプの税制改革から今日まで十数年の間にたどってきた経過の中で問題を取り上げなければならないと思うのであります。しかし、本日は時間もございませんので、そういう大きな背景は私の頭の中にだけあるということにしまして、ここではさしずめの問題について少し申し上げたいと思います。
 率直に申しまして、このたびの減税が、租税特別措置法等との関連におきまして、利子の源泉分離を従来まで一〇%でやっておりました。税制調査会のほうでは、いろいろな事情を考えまして、期限が到来はするけれども、この一〇%の特別措置というものは今後二年延ばそうではないか、延ばしても差しつかえなかろうということで答申が出たはずでございますが、政府の原案の段階に参りまして、さらに一段と預金の優遇措置を強化するという形で、一〇%でありますものを五%まで引き下げをすると、こういうことになっております。また、それと関連いたしまして、配当の源泉課税分でありますが、これは本来ならば二〇%源泉で差し引いておる、それを特別措置でもって一〇%にしておったのであります。この分を税制調査会のほうでは、従来どおり特別措置としての一〇%減税といいますか、徴収額を減らすということは、まあ二年ぐらい期限を延長しましょうと、こういう答申であったのでありますが、利子の優遇措置と関連いたしまして、配当のほうも五%に源泉徴収率を下げたのでございます。
 そのほうの財源との振り合いがあったものかどうかは私つまびらかにいたしませんけれども、そちらに減税財源が回りました関係もありましょう、所得税の一般減税の分につきましては、税制調査会の答申に比べて減税の幅が縮まっております。これは御案内のことと存じますが、基礎控除、配偶者控除、扶養控除、専従者控除、そのおのおのについて税制調査会のほうでは控除額を引き上げるように提案しておったのでありますが、改正案では、提案の幅が、基礎控除は別といたしまして、扶養控除にいたしましても、配偶者控除にいたしましても、一万円ほど控除額を上げたらどうかという調査会の提案に対しまして、それぞれ五千円にまあ値切って引き上げをすると、こういう事情が出て参りました。
 まず、この預金に対する優遇措置につきまして、意見を少し述べさせていただきたいのでありますが、私どもの見るところないしはいろんな調査資料からいたしまして、預金の増加というものは大体国民所得の函数で考えることが適当ではなかろうか。もちろん、いろんな事情が入って参りますから、国民所得が一割伸びたから預金もすぐ一割伸びるというふうに見えることはできませんけれども、従来の統計で預貯金の伸びを見て参りまするというと、税制上の措置が変わったために特に預金がふえたとか減ったとかいう事情は、どうも見分けることができにくいのでございます。そういう関係で、そもそも預金を特に優遇しなければ日本の資本蓄積が十分できないという考え方、これに対しては根本的に私は疑問を持っておりまして、でき得べくんば、従来の特別措置でありますところの一〇%源泉分離ということ自体もいかがなものであろうか、本来ならば源泉分離ということをやらないで、総合的に課税するのが本筋ではないであろうか、このように私は考えていたのであります。
 ところが、御案内のとおり、昭和十六年に国民貯蓄組合の制度ができまして、その取り扱い方がややもするとルーズになって参りました。大きな預金額を小さく小分けにして税金を免れるというような風潮がだんだん出てきておりました。ことに他方において郵便貯金のほうの利子というものが、これは沿革がたいへん古いのでありますけれども、免税の扱いになっておる。で、郵便貯金のほうも増加させたいという趣旨から、だんだん預け入れ限度というものの引き上げが行なわれて参りました。その引き上げが行なわれますと、すぐ均衡の問題が出て参りまして、銀行のほうでも郵便貯金に相当するぐらいの金額は同じ扱いにしてはどうかというふうに、そういう理屈からして、だんだん郵便貯金の預け入れ限度がふえるに従って国民貯蓄組合で免税扱いになります金額もふえてくる。現在はそれが五十万円になっております。もちろん、その五十万円という金額が、今の段階においては相当な金額であるけれども、将来いつまでもこれで相当大きな金額であるというようなことは私申しませんけれども、現在の段階ではかなり大きな金額になっております。それで、まあ五十万円の預貯金を持っておる階層はどのくらいのところにあるかということを調べてみますと、かなり高うございます。こちらの調査室のほうでの数字で申しまして、まず所得階層で八十万から九十万円の人が貯蓄保有額として約六十万円を持っておる。しかし、この場合の貯蓄というのはいろんな形のものが入っておりますので、課税対象になります分としましては、そういう意味の預貯金というのは、もっと階層の高いところでそれだけの貯金が行なわれているように思うのであります。
 そういうわけでございますので、免税措置――今の五十万円の免税措置だけでも十分少額の貯蓄者に対する優遇ということは行なわれておるのであります。それ以上の所得階層の持っております預貯金に対しましては、担税力の観点から申しまして、特別に減税をして差し上げる必要はないのではないか。当議会におきます大蔵大臣の答弁などを拝見いたしますというと、特に自由化の問題に関連して資本の蓄積の重要性ということが強調せられ、その一環として貯蓄の増強の必要が強く叫ばれておりますけれども、戦後今日までの政策の目標になっておりましたものは、多くの場合に資本の蓄積ということであります。絶えずその点が強調されながら今日まできて、さらにまた自由化というような事態が出て参りますと、輪をかけた資本蓄積の要求というものが出てくる。これは考えようによりましては、税のあり力を、臨時に変えると言いながら、実は実際問題としてはほとんどまあ絶えず変えてきておる。いつかはそういう特別措置というものはなくすのだとおっしゃりながら、根が生えてしまって、なかなか動かない姿になっておる。これを少なくとも税制調査会のほうでは、まあこの際だから従来の一〇%源泉分離を取り払うというところまではちょっと工合が悪いようだけれども、それをさらに推し進めるというような形にすることには反対であったわけでありまして、今度の措置は少し行き過ぎているのではないかと思うのであります。
 それから次に、それと関連しまして、配当について、特別措置の改正で、やはり預金に右へならえいたしまして、一〇%の源泉分を五%に下げる。このほうは預金の場合と違いまして、源泉で分離課税をするという趣旨ではございませんので、したがって、前取りの一〇%を五%に下げるだけである、こういうまあ仕組みにはなっておるのでございます。けれども、数字に当たってみますというと、一〇%を五%に下げて源泉で減収になる分、それから後になってその所得者が申告して参りましたときに総合課税をしましてその分で増加してくる分、これを差し引きいたしますというと、初年度においても百――失礼いたしました。幾らでございましたかね、時間の関係がありますので、数字は資料について見ていただくとしまして、とにかく相当の減収になります。それが翌翌年度また納税期の関係で入って参ります面もありますので、かなりまあカバーされるかもしれないのであります。減収分はあとで取り返すことができるかもしれないのでありますが、しかし、やはり大きな減税になっている。
 この減税につきましては、二通りの考え方がございまして、現在、株のほうの源泉分並びに法人と個人との二重課税廃止に伴う配当控除という制度がございますのでありますが、この実情は証券業界の方がよく申されますように、ごくわずかしか株を持っていない人は、源泉で幾ら取られようが、自分の所得税を申告いたしますときに申告いたしません。したがって、取られっぱなしになっておる。また、配当控除の申告をしないと戻してもらえませんものですから、申告しない人の二割の配当控除分と源泉分の従来の一〇%、合計三〇%だけ余分に取られたような形になっております。その意味から申しますと、源泉で徴収するものを一〇%から五%に下げるということは、先取りで返さないで取り過ぎになる分が減るということになりますので、この点はさして弊害がないように見えるのであります。けれども、これは税の仕組みの問題として考えましたときには、必ずしも一〇%を五%に下げるのがいいとばかりは私は言えないと思うのです。ことに今、御承知のように、日本ではキヤピタル・ゲイン、つまり株を売りましてもうけたお金というものは、ごく少額の有価証券移転税によって幾分まあ税金が取られておりますけれども、この分については所得税のほうでは全く課税所得に入れておらない。これはシヤウプの税制改革のときの一つの大きな眼目でありましたところの所得税の総合累進制という考え方、これに対する一番大きな穴になっているわけでございます。そんなわけで、すでに相当お金のある人、担税能力のある人には有利な税制になっておりまするのに、さらに加えてこのような方向で税制のゆがみを強めるということは、私としてあまり賛成できないのであります。
 次に、今度の所得税の一般的な減税の問題について、若干私の考えを申し上げますと、御案内のとおり、ここで議論されますものは国の予算であり国の租税でございます。したがって、これから私もおもにその点について申し上げますが、国民の立場に立ってみますというと、単に国税、地方税だけが直接税ではない、ほかにもたくさんありますし、ことに今、住民税との関係が私は重要だと思うのであります。一般の納税者の立場に立ってみますというと、国税で若干の減税が行なわれましても、地方税のほうで伸びて大きくなってくれば、ほんとうの減税にあずかったという気持は持てない。これは当然のことだと思うのであります。
 で、今までは地方税においては課税方式が種々ありました。こまかく分けると五通りの方式があったのでありますが、そのうちの一つは、国税の所得税の何%という取り方をする取り方があったわけであります。この方式で参りますというと、国税のほうで何らか税制の改正が行なわれますというと、そのまま地方税のほうにも影響を及ぼして参りまして、基礎控除が上がれば上がったなりに、住民税のほうも減少すると、そういう仕組みになっておった。ところが、実施は昭和三十七年からでありますが、この関係を遮断いたしまして、基礎控除で申しますと、国税のほうがたとえ十万円になりましても、十一万円になりましても、地方税の住民税の場合は九万円に据え置いてしまうと、こういう方式が確立して、従来の国税の所得税の何%というかけ方を廃止してしまったのであります。
 つまり第二課税方式というほうに大体統一をいたしまして、国税との関係を遮断したと。その結果、国税で減税が行なわれましても、地方税のほうでまた特別に考慮しなければ、つまり地方のほうでも減税をするのだということで税法の改正を行なえばいいのでありますが、それに見合った改正が行なわれませんというと、国税のほうだけは減ってくるけれども、地方税のほうは一向減らない。ことに最近問題になっておりますように、名目所得の増加に対応した実質の負担増加分を何とか減らそうというのが今度の税制調査会の答申の眼目であったわけでありますが、そういう考慮が地方税の場合にはほとんど全部及んでいないという実情がございます。
 さらに、その第二課税方式のかけ方にいたしましても、本文方式とただし書き方式という二つの方式がございまして、この間の格差、つまり貧乏な市町村ほど重い税金のかかるような課税方式をとっておりまして、これは所得階層によっても違いますけれども、この本文方式でいけば一納めて済むところを、ただし書き方式でいきますと二・五ぐらい納めないといけないというような格差が出てきておるのであります。
 で、そういう点を考慮いたしますというと、当議会でいろいろ議論になっておりました、名目所得の増加に伴って生ずる実質負担の増加分を今度の改正で消すことができるかできないかというふうな問題は、実際には無視されておる、そういう問題はないかのごとく扱われておる、こういう感じを持つのでありまして、願わくは、税金の問題は国税だけできれいごと――きれいごとかきたないことか知りませんが、そこだけでお考えにならないで、全体で考えていただくということが私は大事ではないかと思うのであります。これはしかし、前置きでございますが。
 今度の政府原案で、基礎控除は別として、扶養控除、それから配偶者控除、専従者控除等の控除の引き上げが幾らか低目に押えられてしまったということで、こまかな数字を出していろいろ議論をしております。つまり、見込みの物価騰貴率というものと実質とは違うではないかと。また、昭和三十七年度において、初めに予想しておった物価騰貴よりも、もう少し高い消費物価の値上がりが起こっておるのではないか、それをカバーできるほどに減税措置か行なわれておるかどうか、いろいろ問題になっておるのであります。これはしかし予測の問題に入りますので、私も正確なことを申し上げる力も、またデータもないのであります。けれども、ただ注意をしておきたいと思いますことは、日本の現在の統計では、階層別の消費物価の統計というものが実はできておりません。したがって、私どもも、卸売物価でどのくらいの――まあ三十八年度は幾らか減るというような計算が出ておりますが、卸売物価で見るとか、あるいは小売物価で見るとかしておるだけでございます。おしなべて申しますというと、大量生産のききます最近の電気製品であるとか、自動車とか、カメラとかいうようなものは、技術革新その他の影響もありまして、昔よりもいいものがだんだん安くなってくると、こういう傾向は私どもも実感としてあるのでございます。けれども、他方において生活必需品、食料品であるとか、あるいは日常生活上の必需的な支出、サービス関係の代金、こういうものの値上がりは、御存じのとおり、非常に高いのでございまして、それが各所得階層ごとにどのような消費支出金額の増加を来たしておるかと、その点の調査資料が現在のところ整っておりませんので、私もはっきりしたことは申し上げかねるのでありますけれども、単に全般的な消費物価の値上がりによる名目所得の増加分、それに見合って累進税がかかるために生じてくるところの実質的な租税増加分、これを計算いたしますときに、一本のパーセンテージで出しておるというところに何か問題があるのではないか。つまり、扶養控除の幅、あるいは配偶者控除の幅を、税制調査会で答申したよりもあるいはさらにもっと大きくしなければ、実質増税分を帳消しにすることがあるいはできないという事情ができておるのではないか。私自身もデータのないのに申しまして、はなはだ恐縮でありますが、一般減税の幅の減ったということに対しては疑問を持たざるを符ない。その理由として一つ申し上げた次第でございます。
 なお、時間がだいぶ予定よりも過ぎましたので一点だけつけ加えさしていただきたいのでありますが、日本のように経済の成長がとにかく相当高い国で資本蓄積の必要が説かれるということはよくわかるのでありますが、しかし、高い成長率というものはいろいろな事情からできておるのでありまして、税制上の問題からそれにどれだけの影響力を与え得るかということは、私としては疑問を持っておるのであります。種々先ほども申しましたように、資本蓄積のための税制上の優遇策ということが強調されておりますが、ただ一つここで申し上げたいと思いますのは、ほかにどのような優遇環を講じないといたしましても、資本蓄積に対して税制は有利に作用しておる面が、あるということを申し上げたいのであります。
 回りくどくなりましたが、かりにここに船会社があるといたします。他方には船会社ではないけれども船を持っておる会社があるといたします。御承知のように、船会社のほうは今欠損でございます。ところが、船を持っておるほかの会社、石油なら石油の会社が船を持っておるというときに、その石油のほうはもうかっておるといたします。そのときに減価償却を税法上は当然のこととして認めておりますのですが、減価償却にもいろいろありまして、最初にたくさん償却ができるような方式、定率法の方式と申しますが、これが一般に採用されておるといたします。そうしますと、船会社のほうでは償却をしようにもなかなか償却がで言いというところから不利になって参りますが、石油会社がタンカーを造りました。それに対して相当額の償却をしましたということになりますというと、その償却分は社内留保になって、その会社の成長を非常に助けることになるのでありまして、ある計算によりますというと、初め十ぱいの船を買って償却をやる。その償却した資金でもってまた船を買って償却をやっていくという形にいたしますというと、初め十ぱいの船が後には二十五はい、三十ぱいまで増加していくことができるのであります。これが今船会社と石油会社を比較しましたが、日本の全体の企業をとってみますと、どの企業もちぐはぐはありますけれども、とにかく高い成長にささえられてここまて伸びてきておる。これは税法では、本来ならば所得になるべきものが所得とみられないままに資本が強化されているという面が相当あるのでございます。
 この点を強調いたしますと、預金の優遇だとか、その他の優遇策を特に講じなくても、財産を持ち、資本を持っておるところでは、租税上優遇策がおのずから行なわれておる、こういう事情があるのでございます。そういう点を考えますというと、いまさらあまり、何といいますか、大きく優遇策、優遇策ということに対しましては、大きな疑問を持っておるのであります。
 たいへん時間を超過いたしましたので、一応ここで私の公述を終わらせていただきたいと思います。
#4
○委員長(佐野廣君) 次に、佐藤教授にお願いいたします。
#5
○参考人(佐藤進君) ただいま御指名を受けました佐藤であります。昭和三十八年度の税制改正に伴う所得税法、それから法人税法及び特別措置法、これらの改正案に対する私の意見を、次の二つの点についてまとめてみたいと思います。
 第一の点は、昭和三十八年度の減税及び税制改正案の基礎になっている税の自然増収というものについての考え方であります。第二点は、近年とみに見失われつつあるように見えます租税の公平という観点についてであります。
 第一点の自然増収というものの考え方につきまして、昨年末以来の減税論議で、減税をどの程度の規模のものにするかということについて、そのキーポイントをなしたものが三十八年度の税の自然増収見込みでありました。そうして、今回の予算の編成作業の当初の段階から、次年度の、つまり三十八年度の予算の財源になる自然増収は非常に少ないものであるということが、いろいろ大蔵当局などから説明され、その上で各種の金づくり政策というものが工夫されたのでありますが、ともかく税の自然増収は二千億円から二千三百億円くらいがぎりぎり見積もった線だと説明されていたのであります。こういう少ない自然増収見込みが基礎になって、税制調査会も、一般減税では三百九十三億円というような控え目な減税勧告をしたのであります。ところが、予算決定のぎりぎりになりまして、三十八年度の税の自然増収は三千百億円をこえるという、見込みの改訂が行なわれました。こうして自然増収の見込みが大幅に増加されながら、一般減税は三百九十三億円の勧告から二百七十五億円の政府案に逆に減らされるという結果になりました。こういう事態をどういうふうに考えたらいいのか。一般の国民にとってみますと、これでは、いわば狐につままれたようなものであります。財源がないから減税ができないと言われたのに、今度は財源はふえたけれども、減税はもっと小幅にするというのであります。
 そもそも、税の自然増収というのは、こういうふうに人為的に増減できるものか、そうあっていいものか、それらはともかくとしまして、過去十数年間の予算の編成、執行の過程では、この税の自然増収見込みを基礎にした歳入予算は、予算の執行の過程で必ずといっていいほどふくれている。つまり、当初の予算の基礎になる自然増収の見込みは、必ずといっていいほど控え目なものであるということです。この控え目な自然増収の見込みが、予算の執行の過程でだんだんと大きくなる。それから、補正自然増収というものが生まれ、それが補正予算の財源になる。そしてこの補正後の予算執行の過程で、また予測されなかった自然増収が生まれる。これが決算増収あるいは決算剰余金という形になります。実例によって示しますと、たとえば昭和三十五年度予算の国税の当初の自然増収の見込みは二千九十六億円であったのが、補正自然増収で千八百七十九億円、決算増収で九百三十七億円、合計四千九百十三億円、つまり当初の自然増収見込みの約二・五倍という額になり、それは三十六年度予算について見ますと、当初の自然増収見込みが三千九百三十億円であったのが、補正自然増収で千五百四十六億円、決算増収で千九百六十六億円、合計七千四百四十三億円、つまり当初見込みの約二倍。昭和三十七年度の現在の予算では、当初の自然増収見込みは四千八百二億円であったのが、第二次補正予算までで約千三百億円以上の補正自然増収がありました。なお、大蔵省の去る二十二日の発表によりますと、なお決算増収といたしまして百億円余りが見込まれているといわれております。自然増収というのは、どんなにぎりぎりに見積もっても、必ずといっていいほど追加的な自然増収が出るのであります。
 ここで問題になりますのは、必ず追加的な自然増収が出るような歳入予算の編成は、これをチェックするような方式をこの際考えておくべきではないかということであります。もしぎりぎりの歳入見込みということが事実であるならば、それ以上に取れた自然増収分は、予算超過あるいは見込み違いということで、還付方法を検討すること、この際は全額納税者に還付すること、これをわかりやすい言葉でいえば、年度内減税というような形で行なうことが現状では最も望ましいと思われるのであります。わが国の財政法上の規定及び慣行では、歳出予算の編成と執行にはかなり厳格な規制があるけれども、歳入予算についてはその編成がきわめてルーズであり、歳入予算の執行の過程で生ずる見込み違いについても、これを規制する何ものもありません。すみやかにルールを確立すべきであります。
 この際、歳入予算も歳出予算も、同じように国民の労働の結晶からなる貨幣の取り扱いに関するものであり、特に租税収入の予算につきましては、その編成の当初から細心の注意を払い、歳入予算の審議と、これを基礎にした減税案の審議に十分な時間をかける必要があると思います。昭和三十八年度の国税の自然増収は三千百億円で、このうち約五百四十億円を減税に回すのでありますが、もし三千百億円以上の増収があったら、その見込みは多分にあると思うのでありますが、より以上の減税を行なうつもりがないかどうか、こういう点もあわせて確認してもらいたいものであります。昭和三十八年度の政府の租税印紙収入見込みでは、税収の弾性値を一以下、限界租税函数を一二%程度しか見ておりませんが、これでは少な過ぎるように思うのであります。
 こういう点の審議はそれぞれの専門家にまかせるといたしまして、次に第二点、租税の公平についての配慮の問題があります。
 今日、税金は能力のあるところから取る、われわれはこれを応能原則と呼んでおりますが、このことはすべての人が認める課税上の大原則であります。これが現代における租税の公平ということの意味でもあります。この際は中小所得者、低所得者の減税が最も重要となります。
 中小所得者の減税について、今回の改正法案は、所得税における各種控除の引き上げと、法人税における同族会社の留保所得の改正を取り上げておりますが、これらはどう見ても中途半端な改正としか思えません。所得税の改正についての税制調査会の答申は、きわめて控え目なものでありましたが、これがさらに削られ、中山税制調査会長が衆議院の大蔵委員会で述べられましたように、またただいま木村先生がおっしゃったように、物価騰貴による実質的な負担増をも調整できるかどうかわからないような小規模な減税となったのであります。税制調査会の見積もりによりますと、三十七年度から三十八年度にかけての所得の伸びは一一・一%、消費者物価の値上りは五・三%でありますが、こういうような見積もりを各所得階層に一様に適用している点は疑問であります。物価騰貴と生計費の値上がりが最も切実なのは中小所得者であります。ともかく調査会は、消費者物価の値上がりが特に中小所得者階層に切実に影響することを認めまして、課税最低限の引き上げをねらい、名和控除、つまり基礎控除、配偶者控除、扶養控除、事業所得者の場合にはそのほかに専従者控除、それぞれ一万円ずつの引き上げを勧告したのであります。ところが、政府案では、基礎控除だけが一万円、あとは五千円という切り刻みを行ない、これで約百億円の財源を浮かせたのであります。消費者物価の値上がりについて、政府は二・八%というような甘い見込みを立てておりますが、消費者物価騰貴の影響は特に中小所得階層の家計を圧迫するものであることを確認いたしまして、これに対する調整措置を準備する必要があります。
 で、この際は、控除引き上げのほか、なお最低の所得税率が八%という税率をもあわせて再検討する必要があるであろうかと思います。これはこの数年間、所得税の納税人口が減泉徴収を受ける給与所得者において毎年一割程度ずつ増加し、三十八年度において所得税納税人口は千七百万人をこえるという現状にかんがみまして、考慮をされなければならないことであります。一般減税については、このほか法人税で同族会社留保所得課税の軽減が行なわれておりますが、この改正の趣旨がもし個人企業との税負担の調整にあるのならば、もっと抜本的な法人税率と所得税率の調整または両税率の適用に関する選択権の付与等を考えたほうがすっきりするでありましょう。
 租税の公平は、大所得と中小所得、法人所得と個人業種所得、あるいは給与所得と申告所特等の間で破られておりますが、この租税の公平をより根本的にかくらんしているものに租税特別措置があります。そして今回の改正における利子所得と配当所得の優遇は、わが国の税体系を救いようのないほどに促したものといっても言い過ぎではありません。利子と配当は不労所得であります。最低生活費等とは関係のない担税力を持った所得であります。応能課税の原則からいえば、不労所得に重課し勤労所得に軽課するというのが先進国で打ち立てられた課税の原則でありますが、わが国では全く逆のことをやっておる。それがむしろひどくなりつつあるのであります。
 現行利子課税は一〇%の源泉分離課税で、総合所得税の対象にはならないのでありますが、昭和二十七年までは源泉徴収二〇%の合算課税または五〇%ないし六〇%の源泉選択制をとっておりました。昭和二十八年以後、合算制及び源泉選択制が廃止され、源泉分離課税が導入されたわけであります。昭和三十年及び三十一年には利子所得課税の全免制が行なわれたりいたしました。昭和三十四年以後一〇%の分離課税が一年々々と延期されて今日に至ったのでありますが、これが今回の改正案では、五%の源泉分離課税、ただし二カ年ということになりました。こういう措置にはほとんど納得のいく根拠が発見できないのであります。大義名分は貯蓄増強ということでありますが、貯蓄額は可処分所得に比例するものということは、今日だれもが知っております。そのためには、むしろ中小所得者の一般減税を行ない、可処分所得の増額をはかるのが上策ではないかと考えるのであります。
 配当所得につきましても、同様にこれを現在以上に特別に優遇せねばならない根拠はありません。配当所得は現在、源泉徴収一〇%の上、総合課税分に対して一五%の税額控除が認められております。法人の配当所得に対する法人税率は、なお昭和三十七年以降基本税率よりも約一〇%低い軽減税率が採用されております。しかし、こういう配当優遇措置が企業の自己資本充実という大義名分の実現にどれだけ効果があるのか、これまた疑問なのであります。今回の配当所得の源泉徴収率の半減、つまり一〇%から五%へというのは、それだけをとってみますと、配当所得の集中率が次第に増大している現在、つまり配当所得の約七二・五%が二百万円以上の所得者の所得となっておるわけでありますが、こういうふうに配当所得の集中率が次第に増大し、その上その上積み実効税率は、これまた税制調査会の資料によりますと、約四一%ということでありますが、こういう状態にある今日、実勢に逆行するものといわざるを得ません。
 したがって、利子所得につきましては特別措置を廃止して、昭和二十七年以前の合算あるいは総合所得税に戻すことが必要であり、配当所得につきましては、これまた特別措置を廃し、少なくとも税法上の源泉徴収率二〇%に引き戻すことが望ましいと思われます。応能課税という所得税法の本来の建前が特別措置によりすでに乱されている現在、これをさらに乱すような措置は望ましいことではございません。
 最後に、各種の新しい特別措置についてでありますが、その中の一つに、土地収用に伴う譲渡所得税の軽減というのがございます。これは各種の公共用地の公共収用による土地の販売者に譲渡所得税の減免、つまり七百万円までの譲渡所得は免税を行なうものであり、当初は特定の公共用地の収用の場合にだけ限られておりましたが、一月に入ってからの経済閣僚懇談会というところで一般事業用の固定資産の買収の場合にも拡大されたものであります。こういう措置はそもそもかなりおかしなものでありまして、一般に公共事業が施行される場合にはその土地の価格が値上がりし、その収用に伴う譲渡価格も割高になるのが普通であります。そこにはキャピタル・ゲインが発生するのであります。そして現在でもすでに、公共収用の場合は譲渡所得には買いかえの場合には免税、買いかえのない場合にも二分の一免税というような特例があるのであります。公共投資をスムーズに進行させるためという理由で政府が取り上げた措置にもいささか行き過ぎたものがあり、ましてや一般事業用の固定資産の譲渡に対してもこれを拡大するなどというのは、あまりにも偏企業的な政策態度の現われではないかと思われるのであります。
 最後に、輸出所得控除、輸出に関する割増し償却については、なお一年の継続がはかられております。輸出補助を廃止するということは、昨年秋池田・マクミラン会談で約束されたと伝えられることでありますが、この二百二十五億円に上る所得税、法人税の減免をあと一年で廃止したあとどういう制度で切りかえるのか。もし一年後に廃止するつもりならば、むしろこの種の補助金を少しでも切り詰める方針を現在打ち出すべきではなかったかと思うのであります。
 その他、新しくつけ加えられました特別措置については省かせていただきますが、特別措置があくまでも建前からいって特別のもの、あるいは臨時的のものである以上、これを整理するかまえを示すことが望ましいのであります。しかし、実際には各種の圧力団体の運動によりまして、毎年追加され、複雑さを増している状態であります。租税特別措置法は廃止することが望ましいのであります。所得税、法人税その他の関係でどうしても必要な租税特別措置法の規定は、それぞれの税法中にはっきり組み入れるか、あるいは特別措置としては廃止し、補助金の形に切りかえたほうがフェアであると思います。特別措置をわが国のように大規模に採用し、これをますます拡大しているような国は世界中どこにもありません。そういう意味で、わが国は国際社会の弧児であるともいえます。そしてこの租税特別措置が特にわが国の場合高額所得者及び大企業に有利であることはまぎれもない事実なのでありますから、こういう観点から租税の公平をもう一度根本的に検討をすることを望みたいのであります。
 なお、十分言い尽くせない点もありますが、さしあたりこれで私の意見を終わらせていただきます。
#6
○委員長(佐野廣君) 以上で一応参考人の御発言は終わりました。
 引き続き、ただいまの参考人の方の御意見に対し御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#7
○戸叶武君 両講師が指摘しているように、資本蓄積というものを中心に、戦後、日本の政府は経済政策を推し進めてきておりますが、資本蓄積という名のもとに、事実上は大企業、独占企業に対する優遇措置が具体的に講じられてきたのですが、資本とは何ぞやという問題にもなりますけれども、もうすでに、西ドイツの経済復興の基本的な考え方でも、エアハルトさんなんかは、やはり大衆購買力というものが国民経済を刺激し、生産を高め、並びに国民経済を拡大していくんだ、それに伴う完全雇用の体制もそれによって確立するのだというふうに、生産に従事する大衆に基盤を置いて問題を処理しているのですが、日本ではそういう国民全体に対する信頼感と愛情を持たないで、古い形のというか、逆な形の資本蓄積の方式がとられているのですが、こういうやり方をやっている国が、先進国で日本以外にありますですが、そのことお聞きしたいと思います。まず、木村さんからお聞きします。
#8
○参考人(木村元一君) 私、残念ながら、あまりよその国のことを知らないのでありますが、イギリスにしても、フランスにしても、イタリイーにしても、アメリカにしても、税金というもののあり方からして、資本に対してそれでなくても有利になっておるということは事実だと思うのでございます。お答えになるかどうか知りませんが、特に日本ではその傾向が若干強いということは言えると思います。けれども、ほかの国でも、輸出の振興だとか資本の蓄積に対して相当考慮を払っているということは事実であろうと思います。
#9
○参考人(佐藤進君) 資本蓄積に及ぼす財政政策のあり方というような点から、幾つかの方策が考えられますが、わが国で採用されて、戦後引き続き拡大されているものに、大体、三通りでございます。第一が補助金政策であります。これは終戦直後、価格差補給金、それから現在も海運助成、そういうような形での補助を、工業補助というものを行なっております。それにかわりまして、だんだん増大してきておるものに、財政投融資による低利資金の企業に対する貸付というものがございます。それと同じような意味で、マイナスの補助金という形をとっておるものが租税特別措置ではないかと考えられるわけであります。
 で、これらの措置は、財政投融資計画につきまして毎年拡大され、租税特別措置についても毎年拡大されてきておる。財政投融資計画につきましては、その性格が重要産業向けのものから国民生活に直結するようなものへというような形で変わってきたというようなことをいわれておりますが、やはり重要産業向けの資金の供給、これは輸出産業及び重要産業に対するもの、率は減っておりますけれども、額からいえば毎年ますます増大しつつある、こういう現状であります。租税特別措置についてもこれであります。現在提案されているものによりまして、またもや約三百億近い平年度の増になる。総額で約二千億円の減収、これが大体どちらかといえば大法人、大会社、そういうものに利用されているのじゃないかと思います。
 で、こういう制度は、私が参考意見の一番最後に申し上げましたように、現在の段階では日本独自のものではないかと考えられるわけであります。西ドイツにおきまして、租税特別措置に類したものがございます。一覧表のリストでも何十枚というほどのものがございますけれども、それらの内容を見ますと、初期の段階においては建築活動及び海運助成、そういうようなものに対する特別措置が大規模に実行されましたが、その後次第に改正されて、現在では通行税の一部、たとえば通勤の勤め人に対する通行税の軽減とか、農産物の売り上げ税の免税とか、それからおもしろいのは炭鉱労働者の所得税の減税、そういうような、どちらかといえば社会保障的、社会政策的な意味での減税というものがわずかに残っているだけであります。が、日本と同じような特別措置を持っているところが、フランスにおきましては、各種の準備金――景気変動準備金だとか、日本でも貸し倒れ準備金だとか、そういういろいろなもの、そのほかに特定の産業といたしましては、自動車だとか、それからフイルム産業とか、そういうものに対する助成金がある。これがドイツとフランスとで、現在EECの内部での税制の調整という問題で、企業に対する特別の措置はやめるというので、フランスもそういう特定の工業の補助金はやめる、ドイツではもうそういうものはないのだと、こういうような立場をとっております。基本的に見まして、ドイツにおける資本蓄積が大衆購買力の増大、設備投資よりも民間消費、そういう方向でやってきたという形のものではございません。西ドイツの資本蓄積は全く典型的な資本蓄積の方式、日本でやってきたと同じような方式、それがやや最近変わってきた。こういう形式で、むしろはっきり日本と違った形での資本蓄積をやっているのは、スカンジナビアの諸国とかイギリス、そういうところであると思います。
#10
○戸叶武君 佐藤さんが、特別措置を廃止して補助金の方式でやったほうが問題が、大企業優遇の場合でも明らかになるから、そのほうがいいのじゃないかというようなことを結論的に述べられましたが、日本でも戦後中小企業や、それから落ち込んでいる農業部門や、そういうところへ、格差を是正しようという目的でしょうが、いろいろな補助金があったが、それをほとんど切られてしまっている。そうして大企業に対する特別措置のほうがぐっと伸びてきたのですが、これが貿易自由化の問題並びに高度、経済成長のささえの問題として、両方から一つの問題になると思いますが、イギリスでも、立ちおくれている農業に対して国の予算の五%の補助金を振り向けておるし、またデンマークのような国においても、角度は別ですが、今までの輸出産業として非常な重要性を持った酪農が工業部門に追い越されてしまったので、今度は国の予算の六%からの補助金を出してそれをささえているような方式をとっておりますが、こういう面で非常によその国のやっているのと日本の間とに逆な現象が起き、しかも、このEECの問題でも貿易自由化の問題にも対応するのに資本蓄積というところに重点を置いて、高度経済成長においても非常に今問題化されつつあるのは、深刻な問題は、ぐっと伸びてきた産業はすばらしい成果を上げているが、落ち込んだ産業は非常なみじめな状態にあるのですが、その格差の是正というのは、少なくとも税制措置その他において十分なされなければならないのですが、それが逆に矛盾が拡大されているような方式に突っ走っているのですが、これをどういうふうに処理されていったらいいですか。一番具体的に露骨にわかるのは、補助金方式のほうがもっとはっきりわかるから、その方式のほうが不明朗でなくていいというのでしょうか。また、そういう方式において、今後において貿易自由化の問題、あるいはEECなどを中心としたような国際的な貿易の波動に対処していけるかどうか。そういう点をお聞きしておきたい。
#11
○参考人(佐藤進君) 租税特別措置を全面的に廃止したらいいのではないかという私の考え方は、租税特別措置の一覧表を拝見いたしますと、いろいろな形の、租税特別措置法に基づくもの、所得税法に基づくもの、所得税法施行規則に基づくもの、あるいは関税定率法に基づくもの、あるいは国民貯蓄法に基づくもの、そういうものがいろいろございます。それらの中で、租税特別措置法に基づくもので、しかも期限がないものというようなものもございます。たとえば価格変動準備金とか特別償却関係、合理化機械の特別償却、そういうようなもの、これは期限がないというのは、ある意味でこれは所得税法か法人税法かの中にそのまま組み入れても一向差しつかえのないようなものを、なお特別措置法の中に残しておる。そういう意味では非常に複雑になっておる。で、所得税法ないし法人税法というので、それぞれ課税標準、税率、その趣旨というようなものをきめ、そこに現われておる租税の公平の観念というものが別の法律によってくずされておるのは好ましくない。そういう意味で、租税特別措置法がだんだん拡大されて現在に至ったのは大体昭和二十五、六年のころからと思いますが、それ以来すでに十数年たっておる現在、この法律そのものをもう一度考えたほうがいいのではないか、こういうことでありまして、その一つの方策として、こういう種類の特別措置法による減収分というのは補助金であり、ある意味で隠された補助金、見えない補助金、そういう形で助成するというのはあまりフェアではないんじゃないか。もっとはっきり、ほんとうに助成するつもりなら補助金を出してやったほうがいいんじゃないか。そういう意味でありまして、それらの何が自由化とか資本蓄積とか、そういうもので万年非常事態を日本の経済が繰り返していかなければならない状態かどうかという点に非常に疑問を持つ、という趣旨であります。
#12
○野々山一三君 これは個人的な意見でもけっこうですけれども、参考までにお伺いしたいんですが、政府は、調査会の答申をされました利子所得、配当所得に対する特別措置に、さらに加えて軽減をするということをやられておるわけであります。さらにその先に対して、この種の課税は廃止するというような――本来もう廃止したほうがいいんだというような考え方を大蔵大臣が議会で述べられた。こういうことが一つある。それからもう一つ、相当ほんとうに深く専門的に掘り込まれて調査会としての答申を出されたわけですが、しかし、両先生御指摘のように、出されております法律案の内容そのものから見ますと、いわゆる額に汗して働く労働者、農民、市民、中小企業、零細企業者に対する減税措置というものがあまり見られなくて、むしろ不労所得あるいは高額所得の者だけが優遇されているような結果が起こったわけです。
 で、これは私の推量でございますけれども、調査会の答申の各面にわたる傾向から見ますならば、租税公平という原則とあまりにも優遇措置をとり過ぎてはいないかという思想が背景にあるんじゃないかと思うんです。相当食い違ったわけでありますけれども、これから根本的に税制調査会が将来の税制そのものについて検討を加えられるわけですけれども、一体調査会そのものが今どういうような心境、といえば語弊があるかもしれませんが、調査会と政府のやっておることとの間に、ごく常識的に世間から見ますと、相当食い違いがあるんで、これは工合が悪い、こういうような議論が相当あるんじゃないかと思うんですけれども、言えるところだけでけっこうでありますが、その点をあわせて事情をお伺いいたしたいと思います。
#13
○参考人(木村元一君) 二つ御質問があったと思うのですが、一つは、利子、配当課税などについては、将来全廃したらいいという大蔵大臣の御発言があったそうでありますが、それに対してどう考えるかということと、もう一つは、特別措置などは整理したほうがいいじゃないかという考え方がおそらくは税制調査会に大いにあるんじゃないか、それが無視されているということに対して、税制調査会としてはどういう気持でいるのかという二つだと思います。
 税制調査会は、御存じのとおり、三十人もの委員の方がおられまして、それぞれ中には、その業界方面の事情に非常に詳しい方というような資格でお出になっておる方もあるように私は聞いております。したがって、調査会としてどういう気持でいるかということになりますと、やはり中山会長の口を通じてでもお伺いしていただくしかないんでございますが、私も調査会の委員の一人でございます。したがって、私が申し上げることが税制調査会の気持であるというふうにとられますと、たいへん困るのでございます。ただ、私は個人といたしましては、調査会の席でも、常にこういうことを強調しております。つまり、たとえば利子の減免をやれば、銀行その他金融機関におられる方は非常な励みを感じまして、政府のほうでもこれだけ力を入れているんだからもっと預金の増加に努力をしたいという気持を持つ。その持ち方をささえてもらいたいということで、自分の責任を遂行する上からも、こういう減免の要求を出されるということは、これはよくわかる。私も、かりに銀行のほうに関係しておったとすれば、そういう気持を持つかもしれない。けれども、その場合に、一つどこかに税法上に穴をあけますというと、現に見られますように、利子に穴をあければ今度は配当にも穴をあけなければならない、配当に穴をあければまたほかのほうについても穴をあけなきゃならぬということで、自分の目で見たときにはそれが正当であっても、影響するところは非常に大きいのであります。したがって、税制調査会での発言なり、方針をきめる場合には、どこまでも全体を見渡した立場から発言していただかないと困るじゃないかということは絶えず私申しています。
 で、したがって、これから申し上げることも私個人の意見になるんでありますが、将来もし利子、配当に対する課税を全免するというようなことが、かりにそういう意向が税制調査会あたりに出たといたしますれば、私は全面的に反対して、力の限り反対いたします。しかし、きまったことは、調査会できまることでありますから、これはどうも個人の力ではどうにもならないんだということで、自分をあきらめるしかない。
 それから、もう一つは、税制調査会の意向と政府の意向との間に差ができるということについての感想を求められたのでありますが、これも私は個人として申し上げるのであります。おそらく税制調査会がまともにできて参りましたのは、私どもの先生でありました井藤半弥教授が会長になられた年の税制調査会あたり、まあその前原さんの調査会がございます。そのあたりから正式の意味の、つまり権威のあるといいますか、何といいますか、おざなりではない調査会ができましたのは昭和三十一年ごろからでございましょう。三十二年には税制調査会としての答申ができて、それを政府が受けて案をお出しになるという形ができたように記憶しております。その場合に、この調査会の意向と政府の意向との間には、非常に一致しておったときもあれば、それからやや違っておったときもあるということで、傾向としてだんだん調査会の意向が無視せられるほうに向かっているとも言えないし、ある場合には非常によく聞いておる場合もある。
 で、そういう意味で、ことしなどは、私どもとしては当初に、先ほど佐藤委員のほうからもお話がありましたように、自然増収の見積もりについて委員の中では二千億ないしは二千三百億が少な過ぎるんではないかということを強く言う方もおったのでありますか、何にせよ二兆二千億の総税収、地方税を入れますと三兆二千億になります。そういう大きな金額に比べますというと、見積もり金額の食い違いがある程度出るということは、私はやむを得ないのじゃないか。われわれ経済学をやっているものとしましても、実はここ五、六年の間の経済成長というものがこんなに早くなる、大きくなるということは、お恥ずかしいことですが、予想しておりませんでした。もちろん、国民所得の伸びというようなものは、穴を掘って穴を埋めても国民所得はふえるのでございますから、実質的に国民の福祉と繁栄をさせるような意味での国民所得の数字というものと、それから単に数字上出てくる経済活動の表現としての国民所得とは違いますから、国民所得が伸びたことがいいとか悪いとか、またこういう伸ばし方がいいか悪いかは別としまして、あるいは予想以上に伸びておる。ところが、その場面々々へ参りますと、今年はもう少しの伸びが縮むのではないか、あるいは場合によるというと、過剰生産、恐慌みたいなものが起こるのではなかろうかということも、その場面場面で私どもやはり感ずるものでございますから、データもないし、そういう不安もありますしで、二千億では足らぬ、もっと自然増収が出るはずだと幾ら言うても、これは水かけ論になってしまいますし、結局責任のある税務当局のほうで、まあこれならば間違いないという数字として二千億ないし二千三百億という数字を出していただきますれば、これを信用せざるを得ないという事情がございます。まあ私、確かに今までは自然増収の幅の見方なんかについても相当間違いがあったということはありますが、これはおそらくどなたがやっても間違えるということもある。全部じゃございません。もっと正確にやろうとする人がおれば、もう少し、正確になったかもしれませんが、しかしまあだれの予想もつかなかったような成長が出てきて、先ほど御指摘もありましたように、まことに大きな数字になっております。
 そんなような事情を考えますると、今後におきましても、数字の面、減税の幅の面、その他につきましては、私は調査会の意見と政府の実際に提出される案との間に差異ができるということは、これはあり得ることじゃないかと思います。けれども、しかし筋の問題といたしましては、今度の政府の扱い方に対しては、個人としては非常に不満を持っております。今後これがもし利子、配当所得全面非課税というような方向にいくという案が、かりに調査会に出ました場合には、できるだけ反対をさせていただくと、そういう気持でおります。
#14
○野々山一三君 佐藤先生、先ほど外国の事例を非常に深く研究しておられる。私、参考までに伺いたいのですが、配当所得、利子所得など特別措置はもう将来廃止ないしは整理しようというお説なんでございますが、有価証券の譲渡所得などに対しまして、かつて日本も課税をしておった、それがまあとめておるのでございますけれども、外国の事例で、おもなところでけっこうでございますけれども、有価証券の譲渡所得に対して課税をしておるようなところがあるか、どの程度の課税をしておるか。それから、調査会で、木村先生、こういうものは復活しろというような積極的な意見がなかったかどうか。それから、これは非常に膨大なものでございまして、こり譲渡による所得はもう非常なもの、しかも投資でブームというものが大衆化しておる点もございますけれども、しかし、また逆に集中化しておるという面もございまして、復活するという考え方は、一体今日の事情でどういう影響を持つのか。ぜひその点につきまして、両先生からひとつお伺いをいたしたいと思います。
  〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕
#15
○参考人(佐藤進君) 私は政府の税制調査会の委員ではございませんので、そういう関係で、これら利子所得、配当所得に関するいろいろな資料というものを全く入手しておりません。そういう意味で、木村先生が先ほど話された以上のことを申し上げられません。
 それからキャピタル・ゲインの課税問題は、昭和二十五年のシャウプ勧告税制において実現され、それがたしか昭和二十八年か九年まで続けられた。キャピタル・ゲインと同時に、キャピタル・ロスをも把捉をする、そういう意味で公平な税制をとる、そういうことでございますが、これは私のあれといたしまして、理論的に申しますと、日本の所得税の基本的な考え方について、所得というものはどういうものかということについて、二つの学説がある。毎年定期的に入ってくるもの、源泉説あるいは周期説、それに基づく所得といいますと、いわば必ず毎年入ってくる所得、しかしそれでは、たとえば一時所得とか投機所得とか譲渡に伴う所得、そういうものは把捉できませんので、これを把捉するには、年間の資産ないし所得の増加に比例したそういう所得を所得税の対象にすべきである。そういう意味で、日本の税制は、シャウプ勧告で築かれた税制は、いわばより進んだところの純資産増加税、一時所得、投機所得をも把捉する、そういう体制をはっきり確立しているわけであります。で、こういう意味で、一時、投機所得をも把捉するというようなやり方は、ドイツの財政学者によって基礎づけられ、ドイツの第一次大戦後の税制でそういう形のものが確立されたと考えていますが、それがある意味で理論的には一番進んだ体制である。そういう意味で、ぜひそういう有価証券、特に一番大きな収入の源泉になるそういう株の売買差益、そういうようなものは何としてでも把捉しなければいけない、そういうふうに考えます。
 しかし、これは実際言うことは非常にやさしいけれども、把捉することは非常にむずかしい。それはやはり、現在の経済体制というものは、信用経済といいますか、資本主義が次第に発達して、有価証券及び貨幣経済というような経済の境の中においては、たとえば現金に課税することはできないように、やはり有価証券にも課税することは非常にむずかしい。利子所得の場合も同じである。そういうことに関連して、私があるそういう雑誌等で読んだ限りでは、配当所得は実際申告して把捉されるのは全体の四割程度である。あと六割というのは、みんな合法的あるいは非合法的に脱税をしておる。これは配当所得の場合でありますが、有価証券の譲渡についての利益については全然課税されておらない。そういうのは、やはりある意味で非常に好ましくない状態であると考えております。
  〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕
 それから、配当所得課税の問題につきましては、配当所得につきましても、これまた理論的にむずかしい問題があります。法人を一つの納税力を持った主体、実在と見るか、あるいは法人は個人の集合であると見るか、そういうような意味でいいますと、日本の現在の体制は一応法人擬制説というものを採用している。法人の段階で税金をかけたならば個人はもう納める必要はない、そういう建前になっているわけでありますが、いろいろそういう法人課税あるいは企業課税、そういうものとして日本の税制と外国の税制とどういう点で違うかというところは、現在調査中でもありますが、これはまだそれぞれの学者の人の中で私の意見を確かめているわけではありませんが、日本の法人所得税の中においては企業間の配当の免税という制度がありまして、企業が持っている株であれば、その配当は全額免除。これは非常に特例というか、外国ではやはりそれを全面的に非課税措置をとっているというところはあまり見受けられません。そういうのも含めて、日本の法人税は、法人税と法人事業税と、それからもら一つは配当所得税、それらをあわせて考察しなければならないわけでありますが、法人税率について見ますと、二百万以上の所得について三八%、それ以下は三三%ですか、それが、配当所得――配当分になりますと一〇%ないし九%の軽減税率。これはドイツの制度のまね。これは全くのまねであると思いますが、そういう、税率というのは非常に低いものであります。三八%の法人税率を取っているというようなのは、おそらく世界じゅうを探しましてもあまりない。大体EECの国の法人税の標準税率が、五〇%が基準であります。それに対してドイツの場合には約五〇%、四五%でありますが、それの法人税率と、それから配当分に対しては一五%の軽減税率を適用している。これは非常に大きな格差がありますね。しかし、そういう格差をとっても、企業の証券市場の開発あるいは株式による自己資本の調達というようなものの効果はあまりない。何か今回の――去年そういう差別税率が採用され、ことしは配当も源泉徴収が半分になるというような、そういう措置を見ますと、何か直接的に利益するのはだれなのかというのは非常に問題でありますが、やはり株屋さんへの景気づけというような、そういう感じが私はいたします。
 それと同時に、利子所得と、それから配当所得を同じような――これは税を把捉する体制が違うわけでありますから、バランス論というのは成り立たないと思いますが、政府の考えている、特に池田首相の考えている低金利政策というものが、大きなこれらの法律の改正の、田中大蔵大臣のそういう発言にも現われているような、そういう考え方の基礎になったのじゃないか。低金利政策を実行するためにだんだん地盤を作っていく、そういう環境づくり。預金の利子も下げる――預金利子所得税を下げる、そういうものを含めて将来は預金利子を減らす。それから、貸付利子を減らしていく。そういうようなことをだんだん考えているのじゃないかと思いますが、これについては、やはり金利の問題そのものとして議論しなければならないけれども、非常に問題がある。低金利政策は、すでにわが国で何回か失敗を繰り返しているのであります。そういうことも考えなければいけないのじゃないか。
 たいへん大ざっぱな話になりましたが……。
#16
○参考人(木村元一君) 今の御質問に対して佐藤さんのほうからお答えがありましたが、私に対する質問としまして、外国の事例がどうであるかということが一つ、それから税制調査会の中で復活論があるか、この二つについて……。
 少し今手元に持ってきております資料が古いのでございますが、アメリカでは原則として全額課税でございます。ただし、六カ月以上保有しておりました場合に、それを売ってもうけた株式の譲渡利益は半額を課税いたします。非常に小さな所得者で十五ドル未満の配当しかないものは免税でございます。それから、西ドイツではやはり課税いたします。ただし、六カ月以上やはり持っておりました人、まあ貯蓄的な意味を持たしたものでありまして、絶えず売り買いをしてもうける人の譲渡利益を職業的な一つの所得源泉と見て課税する、こういうことになっております。それから、フランスでは少し条件がありますが、全額に対して低率の税金をかける、八%の税金をかける、こういう方式であります。
 なお、御承知のように、この税金は日本の場合には有価証券移転税と振りかえ――じゃない、何といいますか、こっちをやめるからこれを復活するという形でありますが、多くの国では両方を課税しております。日本のように総合課税からはずしたからというので有価証券移転税を復活したというのではございません。これはシャウプの勧告のときに、有価証券移転税は廃止しろ、そのかわり――かわりじゃございませんが、もっと強く総合課税の中に入れなさいと、こういう勧告であったものでありますから、後昭和二十七年でしたか八年でしたか、あれは税法上はございましたけれども、総合課税はほとんど実施できなかったのであります。御承知のように、あの当時はまだ食糧も不足しているような状況で、ことに株式の民主化ということで一ぺんに株主がふえる、証券業者のほうはお客さんをたくさん抱えて、一々どの人がどれだけもうけたかということをプレスするだけの機構も、設備も、またその意思もなかったのであります。最近のように機械化がされて参りまして、計算手続がかなり敏速に行なわれるようになれば、昔のような苦情は私はなくなっているのじゃないかと思いますけれども、しかし、どこの国でも租税を確実に取るということについては、今佐藤さんのほうからもお話のありましたように、実務の面では必ずしも円滑にいっているとは言えないのであります。ことにこの譲渡利得を所得税の対象にいたしますというと、必ず譲渡損失を損失として認めてあげなければなりません。そうなりますと、納税道徳あるいは徴税機構その他の観点から申しまして、どうしても損失のほうは必ず申告をして参りますけれども、利益のほうはなかなか申告をして参りません。でありますから、源泉徴収制度ができたときの事情など等とかみ合わせてみますと、徴税機構においてチェックするシステムができていないと、これはなかなか円滑にいかぬということはあると思います。これは外国の事情に関して幾らか私の意見を入れて申し上げたわけであります。
 それから、税制調査会においてこれの復活論があるかという御質問でありますが、現在のところ全然ございません。機会があれば、私、出したいと思っておりますが、なかなかこういうところまで調査会で論議をするような気風が出てくるかどうかさえも私は疑問に思っております。当然のこととして、こういう税金はとてもだめだという考え方のほうが強いように私には感じられております。
 以上、お答え申し上げます。
#17
○委員長(佐野廣君) 他に御発言もないようでございますから、参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人の方には、お忙しい中を長時間にわたり貴重な御意見を述べていただき、委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。
 それでは、本日はこれをもって散会いたします。
   午後三時七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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