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1962/06/20 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第29号
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1962/06/20 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 大蔵委員会 第29号

#1
第043回国会 大蔵委員会 第29号
昭和三十八年六月二十日(木曜日)
   午前十時四十一分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
 六月十三日
  辞任      補欠選任
   日高 広為君  森田 タマ君
   森部 隆輔君  中上川アキ君
 六月十四日
  辞任      補欠選任
   永岡 光治君  木村禧八郎君
 六月十五日
  辞任      補欠選任
   森田 タマ君  日高 広為君
   中上川アキ君  森部 降輔君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     佐野  廣君
   理事
           柴田  栄君
           西川甚五郎君
           柴谷  要君
           渋谷 邦彦君
           永末 英一君
   委員
           青木 一男君
           太田 正孝君
           川野 三暁君
           津島 壽一君
           日高 広為君
           堀  末治君
           森部 隆輔君
           木村禧八郎君
           佐野 芳雄君
           戸叶  武君
           野々山一三君
           大竹平八郎君
           鈴木 市藏君
  国務大臣
   法 務 大 臣 中垣 國男君
  政府委員
   法務省刑事局長 竹内 壽平君
   大蔵政務次官  池田 清志君
   大蔵省主計局給
   与課長     平井 廸郎君
   大蔵省銀行局長 高橋 俊英君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       坂入長太郎君
  説明員
   法務省刑事局総
   務課長     辻 辰三郎君
   大蔵省主税局国
   際租税課長   林  大造君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○金融緊急措置令を廃止する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○所得に対する租税に関する二重課税
 の回避及び脱税の防止のための日本
 国とマラヤ連邦との間の条約の実施
 に伴う所得税法の特例等に関する法
 律案(内閣提出、予備審査)
○租税及び金融等に関する調査
 (公団に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(佐野廣君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十四日、永岡光治君が辞任、その補欠として木村禧八郎君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(佐野廣君) 金融緊急措置令を廃止する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、本案に対する質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#4
○柴谷要君 法務大臣御出席をいただいておりますので、二、三御質問をいたしたいと思います。
 金融緊急措置令を廃止する法律案でございますが、もちろん、このような古い法律案であり、今日すでに効力を失しているといわれる法律案でございますから、廃止することには全く賛成でございます。しかし、今いろいろと国会の中で議論をされております問題は、廃止する法律案の附則に1、2、3とございますが、第三点の「この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。」と明記されております。前回の委員会で刑事課長から私は、本日御出席の課長さんの私見でよろしいから、これらの問題について意見を伺いたい、こういう質問をいたしました。ところが、特に大臣からこの問題については詳しく説明をしてくるようにという話があって、私はこれから答弁をいたしますと、こういう前段でございました。その点について、私は出席されておりまする政府委員にお尋ねをするのでありますが、当時大臣は御出席になりませんから、大臣の気持を聞こうと思わなかったのでありますけれども、刑事課長のそのような御答弁がございましたので、あらためて大臣にお伺いをいたしたいのであります。
 私の質問の要旨は、一体この経済法律が廃止される場合に、三項というものがいつもあるのかないのか、法律もあるのかどうか、こういう点を明確にしたいために質問申し上げた。ところが、これに対して御出席にならない大臣の意思として、十分説明してこいという御下命であったように聞いておりますけれども、そのように扱われた大臣のお気持をまず最初にお尋ねをしておきたい、こう思うわけでございます。
#5
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。先回、当委員会から出席を要求されたのでありますが、ちょうどその日に衆議院の内閣委員会におきまして法案が審議され、場合によっては採決までに至るというような状況にございまして、委員長に申し上げて出席のできない旨をおわびしたのでありますが、刑事課長をこの委員会に出席をさせまして、第三項を設けた理由についてはいきさつがあるから、そのいきさつを努めて詳しく御説明を申し上げるように、もしお尋ねがあったら、そういうお尋ねに対しては詳しく御説明をしていただきたいというようなことを申し上げて、課長をこの席に出席をさせたわけでございます。
#6
○柴谷要君 御承知と思いますけれども、私どもこの法律案が提案された際に、調べるところは十分調べ、この法律案は緊急に委員会の議決をしよう、こういう気持で実はおったわけであります。ところが、がぜん、どうも三項の問題をめぐりましては、法務大臣は、院議で決定をされるならば削ってもいいと、こういうような御所見をお持ちになっておられるというようなことが風のたよりで聞こえたわけであります。そういうようなことになりますと、参議院ではまだ審議中のことでありますから、できることならば、多数の方の御意見がそういう方向に向かっているならば、十分審議をしようということで、ここ数日来日子をかけているわけであります。一体、風のたよりで伝わってくるような御見解を大臣は今日お持ちでございますか、この点をひとつ明確にお答えいただきたいと思います。
#7
○国務大臣(中垣國男君) お答えをいたします。この法案は御承知のとおりに政府提案でございますので、担当しております私といたしましては、この法案が通過することを望んでおるわけであります。私がただいま御指摘のような意向を述べましたのは、若干違いがあるようでありますが、もしこれが国会で議決がこの法案の内容どおりいかないような場合に、あらためて単独法でこれを国会に直ちに提案して、可決を願う、御審議を願う、そういうようなことは今自分は考えてはいない、こういうことを申し上げたわけでありまして、どこまでも院議は尊重しなければならない、そういう建前で申し上げた次第でございます。
#8
○柴谷要君 大臣の御見解十分わかりましたので、たいへん私どもの審議の上に参考になったと思います。この点まことに敬意を表したいと思います。
 そこで……
#9
○木村禧八郎君 関連して。ただいまの御答弁、ちょっと理解いたしかねるのですが、大臣が、この法律案を政府提案として出されて、あくまでも成立をはかる、期待するのが本筋だと思うのです。ところが、今の御答弁ですと、万一これがだめになった場合を予想して、そうしてだめになった場合はあらためて提案をする意思はないということは、何かそこにすっきりしないものがあると思うのです。そういう後段の御説明は必要がないのじゃないかと思うのですね。あくまでもこの成立を期待するから御協力願いますというのが、普通の答弁だと思うのです。その後段のようなお話が誤り伝えられたのが、ただいま柴谷委員が御質問されたようなことになってきたと思うのです。その点はもう少しはっきりと御答弁を願いたいと思います。
#10
○国務大臣(中垣國男君) お答えを申し上げます。まあ御指摘のとおりでございまして、政府が提案しました以上、それを主管しております大臣といたしましては、これを通すことが最高の最大の任務であります。私がなぜ、この法案がもし通過しなかった場合に、あらためて政府が単独立法で再び国会にこれを御審議をいただくという考えは今のところないと申し上げましたのは、これには若干前段がありまして、私に意見を尋ねられた方は、これはとうてい参議院では通らないであろうと、参議院で通過しない場合に、大臣はたとえば次の国会でこれを再び提案するといったような考え方があるかどうかというようなお尋ねでありましたので、そのような考えは今のところは持っていない、こういうことを実は申し上げたのでありまして、決してその事前に、御審議の最中に、通らなければ通らないでもいいというような意味のことを申し上げたのではないのでございます。
#11
○木村禧八郎君 その参議院通らぬであろうという、そういう憶測なんでしょう。それはどなたがそういうふうに言われたか、それは党内のお話かどうか知りませんけれども、これは参議院の当委員会の自主性を非常に、何というのですか、に対してどうも心よからぬそういうお話だと思うのです。これは十分にこの委員会で審議をして、そうして審議の内容によって各人みな自主的な判断をすべきものなんです。初めから通るとか通らないとかということを口にすることは、どうも不謹慎だと思うのです。何かそれによって空気を支配するようなことにもなりかねないと思うのです。これはそういうお話があったら非常に不謹慎だと思いますので、そういうことに大臣が、何ですか、お気持が左右されるというのもおかしいわけでして、あくまでもこれは成立をはかり、実現を期したいというだけでよろしいのではないかと思うのです。どうもあとで、おそらく、柴谷委員その他から御質問がありますれば、だんだんその経緯もわかってくるでありましょうが、何か割り切れないものが感じられますので、その点もう一度あらためて大臣からお聞きしたいと思います。
#12
○国務大臣(中垣國男君) 先ほども申し上げましたように、これは公式にそういう意見を私が聞いたのではないのでありますが、衆議院の某君が、ある私の友人がやってきまして、これは非常に問題点が多いとされておるので、これはおそらく通らないのじゃないかと予想される、そういうときに大臣としてはこの法案を単独立法で再び国会に提案される意思があるのかないのかと言ったから、いや、今のところはそういうことは考えていない、こういうことを僕個人の個人的な立場として申し上げたのでありまして、決して参議院の自主性を私が軽視したわけでもなんでもないのでございまして、そういうようなことがありましたので、私はなお心配をいたしまして、課長に、なぜこの第三項を設けるかということについては十分な説明をしてもらいたいということを、実は私がこの委員会に出席できなかったものでございますから、そういう注意を実はしたのでありますが、政府といたしまして出した以上は通していただくということが、これがすべて私どものお願いでありまして、何とかしてこれが通らぬほうがいいのだというようなことは全然私は考えておりません。その点は御了解をお願い申し上げたいと思います。
#13
○柴谷要君 どうも、お話を聞いておりますというと、参議院の審議を見抜いて、何か参議院ではこれは通らない、こういうふうに決定づけて、大臣のところへ次の点は何かというような質問にいかれたというのですが、これは国会議員であるとするならば不謹慎きわまると私は思います。そういうようなことを大臣は聞かれて、まともな答弁をするようなお方ではないと、こう思うのですが、あくまでも政府提案の法律案は衆参両院とも通してもらう、これに全力をあげるのだという答弁だけで事済むのじゃないか。かようなことがありますゆえに、たいへん参議院の審議に迷惑がきているわけです。
 実は昨日、私のところへ、参議院ではこの法律案をめぐって柴谷がたいへん反対をしておる、だから説得をしなければいかぬということで、私に電話がかかってきた。何と申し上げましても、審議中でありますから、賛成、反対は審議の過程においてきまっていくものと思います。まだ私どもは賛成、反対、こういうような明確な態度をきめておりませんが、本日法務大臣の御出席をいただいて十分審議した上で、この法律案に対する最終的態度を党としてきめていきたい、こう考えております。しかし、私どもはこの法律案を手がけたときから、この問題に対しては一つの個人としての見解を持っておりましたけれども、しかし、その間に何か参議院の審議を無視するようないろいろな問題が出ておることは非常に私は遺憾に思うわけです。これらの問題は、今まで数多くの法律案を手がけてきたけれども、この法務省関係の問題に限ってこういう問題が起きたことは、まことに遺憾だと思います。
 そういう点から、ひとつ実例をお尋ねしたいのでありますが、現在第一審に係属中の事案としてあげられております問題で、東京の関係、これはまあ名前はこの際控えますけれども、銀行の頭取が現金八百万円、小切手二千百五十万円の収受をした。いわゆるこれは収賄であります。ところが、贈賄側は現金一千万円の贈与だと、こういうことになっておる。会社の社長さん。そうすると、収賄した額よりも贈賄の額が非常に少ない。こういう事案があるわけでありますけれども、差しさわりのない範囲で、これらの事件は一体どういう状態で生まれた事件であるか、ひとつこれは大臣にお尋ねすることは無理であると思いますから、刑事局のほうからひとつ克明に御答弁いただきたい、こう思うわけです。
#14
○説明員(辻辰三郎君) お答えいたします。現在東京地裁に係属いたしておりますただいま御指摘の事件につきまして、その公訴事実の概要を御報告いたします。
 まず、収賄側でございますが、銀行の代表取締役が取引先の会社役員二名より、株式買い取り資金として四億円の融資を受けるに際し好意ある取り計らいを受けたことの謝礼として、昭和三十五年五月下旬、現金八百万円を収受した、これが一つの事実でございます。それから、この銀行代表取締役に対しまする第二番目の公訴事実といたしまして、取引先会社十二社の各役員より、銀行より融資を受けるに際し便宜な取り扱いを受けたことの謝礼及び将来も同様の取り扱いを依頼する趣旨で、昭和三十三年十二月四日ごろから昭和三十五年八月二十五日ごろまでの間、前後二十回にわたり合計二千百五十万円を収受した。この二つが銀行代表取締役に対する公訴事実の要旨でございます。
 次に、銀行の支店長が起訴されておりますが、この銀行支店長に対します公訴事実の概要は、この銀行支店長が取引先の会社役員二名より、株式買い取り資金として四億円の融資を受けるに際し好意ある取り計らいを受けたことの謝礼といたしまして、昭和三十五年五月下旬現金二百万円を収受した、これが銀行支店長に対します公訴事実の概要でございます。
 それから、この銀行代表取締役に対します公訴事実の一点と銀行支店長に対します公訴事実に見合うものといたしまして、贈賄者側の起訴事実の要旨を申し上げますと、この会社役員二名が共謀いたしまして、銀行代表取締役及び支店長に対し、先ほど申しました銀行代表取締役に対する第一の公訴事実及び銀行支店長に対する第二の公訴事実、これに見合うものといたしまして合計一千万円を供与した、これが贈賄側の公訴事実の要旨でございます。
#15
○柴谷要君 このような事実が生まれて、今日第一審で審理中の問題でございますが、かりにこの法律案が政府提案どおり国会を通過したということになりますというと、引き続きこれらの事実に対しましては結着をつけていかなければならぬと、こう私は思うのです。ところが、三項がかりに消えたということになりましたら、これらの事案は一体どう取り扱われてくるのか、この点をひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#16
○国務大臣(中垣國男君) もしこの法案の中の第三項が通過せず、経過規定がもし設けられないようなことにでもなりました場合には、免訴になる可能性もあると思います。しかし、その免訴になるかどうかということは裁判所のほうで最終的には決定するものでありますから、法務大臣あるいは法務省としてこれは免訴になるだろうという断定は下しがたいのではなかろうかと、かように考えております。
#17
○野々山一三君 関連質問。そうすると、刑事訴訟法の三百三十七条の二号にいうところの、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律廃止に伴って刑が廃止された場合をこれは予想しての規定だと思います。そういう場合ですけれども、この場合には判決で免訴を言い渡さなければならないということを法律で規定されていますね。裁判所が免訴を言い渡すであろうというその関係の問題ですけれども、当然これはこの法律に明記されているのですけれども、それは今の答弁とどういう関係になりますか。
#18
○説明員(辻辰三郎君) ただいま御指摘の点でございますが、犯罪後の法令により刑が廃止されたという場合には、御指摘のとおり、刑事訴訟法三百三十七条の二号によりまして、裁判所は「判決で免訴の言渡をしなければならない。」というふうに規定されております。これはそのとおりなんでございますが、一つの法律理論といたしまして、いわゆる限時法と申しますか、一定の期間を限りまして法律が最初から施行されておる、こういう最初から一定の期間のみに施行するのだと、こういう法律の場合におきましては、かような経過規定がございませんでも、廃止後においてその法律が施行されておりました当時に犯されました犯罪につきましてはなお有効に処罰できる、こういう有力な学説がございますが、この限時法の理論、これがこの経済罰則に関する法律に当てはまるかどうかという問題が、一つ理論上の問題として残るわけでございます。そういう点を考えまして、先ほど大臣の御答弁のような線と申しますか、ことが出てくるわけでございます。
#19
○野々山一三君 それは一つの学説の一面だと思いますけれども、逆に、こういうような経済罰則というものはむしろ限時法じゃないという学説もあるわけでしょう。そういう学説、あなたは一面の学説だけをとって言われるのだけれども、別に限時法じゃないという学説があるわけで、その論からすれば、当然表から三百三十七条の二号ですね、二号の先ほど言われた犯罪後の法令により刑が廃止された場合ということが適用されるだろう。つまり、学説は両者争っているわけであって、現在の時点では当然その争いの中であるとしても、法律が明記をしておるということからいけば、今あなたのおっしゃる理屈だけでは通らないのじゃないか。これは理屈の問題ですよ、賛否は別として。もう一回……。
#20
○説明員(辻辰三郎君) 御指摘のとおり、この経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律が限時法に当たるかどうかということにつきましては、ただいままで判例がございません。したがいまして、裁判所がいかように判断するかということは将来の問題に属するわけでございます。
#21
○木村禧八郎君 委員長、ちょっと……。この時限立法ですね、限時法ですか、限時法であるかどうかは将来の問題に属するというんでしょう。しかし、常識からいって、この法案は三項を入れておるわけですからね。三項を入れておるということは、これは……。それから金融緊急措置令ですか、緊急ということになると、これは時限的な考えが可能になってくる。その判断の問題になりますがね。そうなると、これはいろいろにそこに、裁判所は厳正にいろいろ判断するでしょうけれども、いろんな圧力が反映する可能性もないとも限りませんよ。そういう点は非常にこれはすっきりしないわけですよ。もっとすっきりするような措置が必要ではないかと思うのですが、その点どうなんですか。
#22
○説明員(辻辰三郎君) 限時法の理論といいますか、この経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律が限時法であるというふうに裁判所が判断いたしますならば、この附則の規定を待つまでもなく処罰ができるわけでございますが、この附則がありますことによりまして、この限時法の理論をとるかとらないか、そういうことにかかわりなく、本法の施行中に犯された犯罪について裁判所が処罰できる、処罰しなければならない、こういう結論になるわけでございまして、さような観点からこの附則が設けられているわけでございます。
#23
○柴谷要君 東京の事案を一つお尋ねしたのですが、これは非常に額の大きいものをお尋ねしたのですが、次はちょっと小さなものです。最初は銀行関係、次は相互銀行関係の係属中の事案をお聞きしたいと思いますが、京都において昭和三十三年、四年に現金四万円並びに商品券一万円、服地二万四千円相当額のものをもらった人、それからそれを贈った会社の取締役、こういう問題があります。その事案のひとつ説明をお願いしたいと思います。
#24
○説明員(辻辰三郎君) 御報告申し上げます。ただいま御指摘の京都の事件でございますが、収賄側の公訴事実の要旨を申し上げますと、相互銀行支店当座預金及び給付金係が、昭和三十三年十二月下旬ごろから昭和三十四年十二月三十一日ごろまでの間、三回にわたり銀行取引先より、右支店における当座取引の際当座過払いによる浮き貸し等の便宜な取り計らいを受けたこと等の謝礼並びに今後も同様の取り扱いを受けたい趣旨で、現金四万円、商品券一枚、これは一万円でございますが、洋服生地を収受した、これが収賄側の公訴事実の要旨でございますが、これに見合います贈賄側の要旨は、右支店取引先の会社代表取締役が、先ほど申しましたように、現金、商品券、洋服生地を供与したという事実でございます。
#25
○柴谷要君 引き続き、恐縮ですが、次は保険会社関係の問題を一問お聞きしておきたい。甲府に起きた事件でございますけれども、昭和三十三年十二月二十七日、これは営業所長が現金五十万円を収受した、贈ったほうは会社の社長であり、同じく現金五十万円を贈ったことが明白になっている、この事案でございますが、保険会社からどういうことでこういう問題が起きたか、それをお尋ねしたい。
#26
○説明員(辻辰三郎君) 御指摘の甲府の事件でございますが、収賄側につきまして申しますと、海上火災保険株式会社営業所長が、同社との間に建物、機械類及び原料、製品について合計八千六百十八万円の保険契約を締結していた某会社の工場が全焼し、その火災保険金を支払うに際し、この会社の代表取締役社長及び事務長に対しまして、この営業所長が右保険金支払いのための保険契約の瑕疵、損害の調査査定につきまして有利な取り扱いをすることを暗示いたしまして、その報酬として現金五十万円の供与を要求いたしまして、昭和三十一年八月二十四日現金五十万円を収受した、これが収賄側の営業所長に対する公訴事実の要旨でございます。
 それから、この収賄側につきましては、会社の職員が収賄側の幇助として起訴されておりますが、その幇助の事実は、右海上火災保険株式会社営業所職員が先ほど申しました営業所長の収賄につきまして取次をしてこれを幇助をした、こういう事実で起訴されております。
 それから、この二つに見合います贈賄側といたしましては、先ほどの会社側の代表取締役及び事務長は海上火災保険株式会社営業所長から先ほど申しました要求を受けまして、先ほど申し上げましたような趣旨でわいろとして現金五十万円を供与した、こういう事実でございます。
#27
○柴谷要君 現在、事案として取り扱われておりますのは八十八件でございますが、その中で十一件まだ未処理というのがございますけれども、その未処理になっておる理由をひとつお聞かせを願いたい。
#28
○説明員(辻辰三郎君) 先ほどの未処理ということになっております事件につきましては、その後捜査その他検察庁の処理によりまして現在全部既済と、未済でなくなりまして、既済になっております。そのうちから新たに起訴いたしたものはございません。
#29
○柴谷要君 そうしますると、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律違反人員は現在何件残っておられるのか、起訴、不起訴合わせてどのくらいあるのか、お聞かせを願いたいと思います。
#30
○説明員(辻辰三郎君) 乙号二十四号の関係で申しますと、二十六名でございます。
#31
○大竹平八郎君 関連。今、柴谷委員からのお尋ねのこの未処理の問題ですが、現在一審で係属中のものが四十八名、二審で十名、それから最高裁に上告中のものが十九名、残十一名となっているのですが、この十一名というものは不起訴が決定したものなんですか、その点はっきりして下さい。
#32
○説明員(辻辰三郎君) 先ほどお答えいたしました未処理のものが既済になったと申しましたが、これは二十四号関係について申し上げたわけでございまして、この二十四号関係のものにつきましては、一名が所在不明で中止処分にいたしましたほかは全部起訴猶予処分にいたしております。
#33
○柴谷要君 それでは、本件に関係いたしまする事案の問題については大体わかりましたので、一つだけ最後にお尋ねしておきたいと思うのですが、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律の第二条に、「臨時物資需給調整法〔昭和二一年九月法律第三二号〕」というのが六法全書の中に明記されているのですが、この法律は現行生きているのですか。この点をお尋ねしておきたい。
#34
○説明員(辻辰三郎君) 現在失効いたしております。
#35
○柴谷要君 現在法律としてあるわけですか。
#36
○説明員(辻辰三郎君) 法律としては効力がございません。
#37
○柴谷要君 そういう件名の法律はないのでしょう。
#38
○説明員(辻辰三郎君) さようでございます。
#39
○柴谷要君 そうしますというと、経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律第二条に明記してありますね。これは第二条にちゃんと明記してある。ない法律が明記されているというのは、これは一体どういうことなんです。この法律は廃止されたと私は承知をしておるのですが、これはどういうことなんですか、お尋ねしておきたい。
#40
○説明員(辻辰三郎君) 御指摘のとおり、臨時物資需給調整法は失効いたしておりますが、この経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律の第二条のこの該当部分でございますが、「臨時物資需給調整法其ノ他経済ノ統制ヲ目的トスル法令ニ依リ統制ニ関スル業務ヲ為ス会社若ハ組合」云々とございまして、この「其ノ他経済ノ統制ヲ目的トスル法令ニ依リ統制ニ関スル業務」というところにおきまして、なおこれに該当するものがある、かような意味で経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律の二条が生きているということになると考えております。
#41
○柴谷要君 それは二条は生きていることはわかるのですよ。わかるのだけれども、現行ない法律がここにうたわれて、「其ノ他」となっているわけです。そうすると、臨時物資需給調整法という法律はまだ生きているように何人も思うわけですね。ところが、現在はもうすでに廃止されている。こういう事態がここにあるわけですけれども、こういう条文を改正するとか修正するとかいうことの御意思は法務省にはないのでございますか。これを伺っておきたい。
#42
○説明員(辻辰三郎君) この経済関係罰則ノ整備ニ関スル法律につきましては、法務省の立場におきましてこの改正につきまして検討中でございますので、その際には当然検討の対象として考えるべきものと考えております。
#43
○柴谷要君 それでは、いつ検討されるか。結論が出るまではこのままうたわれておる。私のようにしろうとは、法務省で扱われておるものならば万が一、一字でも間違いないだろうと思って、この法律がどこにあるのかと思ってずいぶんあせって見ましたけれども、ないのですね。新たに六法全書を買い込んで見たけれども、こういう法律はない。ですから、国民全般が知らなければならぬ法律にない法律が書かれているということになりますというと、法律の威信にもかかわると思いますので、適時随時にこういう法律がなくなった際には何かと処置をしてもらいたいという要望を私は付して、質問を終わりたいと思います。
#44
○大竹平八郎君 一点お尋ねいたしますが、罰則の中に、今まで柴谷委員が申し上げた収賄、贈賄の問題なんですが、第六条に職務上の秘密漏泄、竊用という文句があるのですが、今からこの法律を見ますと、まことに何といいますか、昼あんどんのような気がするのですが、こういうことが書いてありますね。「公務員若ハ公務員タリシ者又ハ第一条若ハ第二条の営団、金庫、会社及組合並ニ此等ニ準ズルモノノ役員其ノ他ノ職員若ハ役員ノ他ノ職員タリシ者自己又ハ第三者ノ利益ヲ図り重要物資ノ生産、配給又ハ消費ノ統制其ノ他経済ノ統制ニ関スル行政庁又ハ当該経済団体ノ重要ナル秘密ニシテ職務上知得シタルモノヲ漏泄シ又ハ竊用シタルトキ八五年以下の懲役ニ処ス」、これは戦時中は相当あったと思うのですが、こういう経済機関の中の秘密漏泄というものは、こういう重く規定をしてあるのですが、これは事実上どのくらいこれに引っかかったものがあるのですか、また現在その係争中のものがあれば、ひとつその統計を示してもらいたい。
#45
○説明員(辻辰三郎君) ただいま詳細な統計は持って参りませんでしたけれども、最近はこの条文によりまして処理された事件はないと思います。
#46
○大竹平八郎君 従来のおおよそのあれはわかりませんか。
#47
○説明員(辻辰三郎君) 制定当時が戦争中になります関係で、資料が喪失いたしたりしておりますので、その当時のことは現在わかりませんが、ここ約十年くらいはこの条文では一件も処理されておりません。
#48
○大竹平八郎君 そこで、柴谷委員の指摘いたしましたとおり、こういう法律が一応まだ、このままこの件が通れば、生きていくということになると、非常にちぐはぐなものになるわけですね。そこで、どうしても全面的な改正というものが行なわれなければならぬと思うのでありますが、この点ひとつ法務大臣から御答弁願いたい。
#49
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。この問題につきましては、法務省におきまして全面的に検討をしておるところでありまして、なお特段の激励をいたしまして、早目に結論が出るように努力いたしたいと思います。
#50
○野々山一三君 先ほどの議論の続きみたいで恐縮でございますが、刑訴法の三百三十七条の二号の規定というのは、もともとその後刑の廃止があるという場合を予想して作られた規定だと思うのです。そういう考え方は間違いですか。
#51
○説明員(辻辰三郎君) 仰せのとおりと考えます。
#52
○野々山一三君 そうすると、もう一回、この間も少し議論したところなんですが、三項を残さなければならぬという積極的理由は一体どこにあるのですか、明快にひとつお答えをいただきたい。刑事訴訟法の体系からいって、法理論からいって、一体この法律で三項を残さなければならぬ積極的な理由は何か。
#53
○国務大臣(中垣國男君) 刑法の理論的な立場に立ってのお答えは、また専門的な立場で課長にしてもらいますが、この法案を審議をいたしまして、閣議でいろいろ検討いたしましたときに、いろいろな理由があったわけでありますが、一番大きな理由といたしましては、裁判に非常な日にちがかかり、遅延しがちであるというような点も影響しておるかと思うのでありますけれども、すでに裁判に服しておる人たちがおり、なお同じ事件に関連いたしましてまだ係争中のものもある、法廷で争っておるものもある。そういたしますと、この際これを全部訴訟中のものが免訴になるというようなことにでもなりますと、科刑の上で非常に不公正になってしまうというような点が指摘をされまして、この際は第三項はやはり経過規定として設けるべきではなかろうかという点が一番大きなあれになったんです。
 それから、もう一つの点は、やはり国民の世論と申しますか、感情等も考えなければならないのでありまして、先ほど課長が答弁いたしましたように、現在二十六名の人が法廷に立たされているわけでありまして、そういう人たちを全部免訴にするために、いわゆる特定の人を助けるためにこういう金融緊急措置令の廃止ということで、そういう感じを与えるということは、政治の姿勢をただすという意味からも適当ではない。であるから、やはり第三項の経過規定というものは設けるべきであるといったような、これはごく常識論的な立場に立っての検討であったんでありますが、そういうことが一つの思想的な土台になりまして、こういう措置をとるようになったんであります。
 実は法理論のほうは、どうもしろうとですので、私、お答えできませんので、また課長から答弁させます。
#54
○野々山一三君 かりに限時法だという説をとって、そうして一定のもとになる金融緊急措置令というものはもうすでに数年前になくしてもいいという意見が提示された、そうしてここへきてようやく廃止ということになった。ところが、その裏打ちとなり、その権威を守るためにという罰則にかかっているものがそのまま係属をしているから、これは罰則をとってしまえば免訴になるから、均衡を失したり国民感情からいってよくないことが起こるのでということが理由であるならば、もとの法律そのものはもう使う価値はないけれども、あとのものが残っておって、それが問題だというなら、ここ数年もとになっている金融緊急措置を持ってきたのだから、ここへきて廃止して、罰則だけ残すということは、かえってあとが問題になる。それによって刑事訴訟法の基本的体系を変化さしてしまうような、論理的な体系を変化さしてしまうようなことにまで及ぶならば、何も数年間もうあまり効果がないといわれている緊急措置令の廃止の意見が出ているにもかかわらず、今日持ってきて、それを今ここでやらなければならぬということはないと思うんです。刑事訴訟法の体系をくずしてまでここでやらなければならぬ理屈はないんではないか。この点はやはり刑事訴訟法なり刑法の将来というものを考えても、もしあなたのおっしゃられた前段の理由の三項を置いておかなければならぬといわれる理由、それが係属中のものと済んでしまったものとの不公正といろことに理由があるならば、何も緊急措置令というものを、今数年前に要らなくなっているものだという説明が行なわれたのでありますけれども、ここ数年残しておくということだってあり得るじゃないか。なぜ法律体系をくずしてまでそういうことをおやりになるか。そういう意味からいうならば、逆にいうならば、百年の大計である刑法体系というものを守るということに、なぜもっと法務大臣としては積極的な意図を持たれないのか。そのために緊急措置令があまり直接的効果がないのだけれどもという理由を殺してでも、そのことは何も言わないでも、罰則を守っていくというために緊急措置令を残しておくというか、どちらか二つに一つ、積極的な立場をおとりになるととが筋が通るのじゃないかという気持がするのでありますが、その点いかがでありますか。
#55
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。御指摘のとおりに、三年前からこの金融緊急措置令を廃止したらどうかという議論が国会の衆参両院で行なわれたことは私も承知をいたしております。これは御承知のとおり、金融準則と申しますか、金融の順位等を定めるようなそういう重要な関係がございまして、金融状態が比較的円滑にいくようになったという今日におきましては、どうも業種別にそういう金融に順位をつけたりするようなことはもう適当でないという、そういう観点に立ちますと、この関係のものは廃止したほうがいいんじゃないかということが、最近に至りまして、そういう金融情勢と申しますか、経済情勢から見て判断をされてきたわけであります。そこで、しかしながら、こういう訴訟中のものもあるのであるから、これはしばらくこのままにしておいたらどうかということになりますと、やはりすでに実質的には金融緊急措置令を設けました意義というものは失われておる、そういう失われておるけれども、新しい犯罪、新しく法に触れる、そういう犯罪になるようなそういうことが残されておるというのは適当でないのではないかということでありまして、第三項の経過規定を設けましたのは、新しくこういう問題で、そういうもう犯罪として本質の失われたような、そういうものが今後なお出る可能性のある根拠はなくしたほうがいい。しかし、この法律の有効期間中に起きた問題に対しては、これは先ほど申しました二つのような理由で、やはり経過規定を設けたほうがいいんじゃないかということでありまして、刑法の体系から申し上げますと、確かに御指摘のようなこともあろうかと思うのでありますが、この際はやはりわが国の経済並びに金融諸情勢、そういったものを考慮に入れまして、すでにこの措置令は廃止する時期が到来をした、そういう見地に立ちまして廃止に踏み切ったわけでございます。
#56
○野々山一三君 これは水かけ論になるかもしれませんけれども、この種の法律、つまり今は生きておってもある時期が来たら殺すということは、法律によっていろいろあると思うのであります。そういうことは将来たくさん予想されるので、刑訴法の体系というものはできているわけです。それを、おっしゃるように、今その必要性がなくなった法律を生かしておいて、その法律によってなした事案、犯罪について、それを経過的にという例外を設けるの急のあまりに、今後の刑法体系そのものがくずれる前例をここで作るということは私は好ましいことじゃない。このことの性質がいいとか悪いとか、いろいろ議論があります。しかし、刑法の秩序というものは、あるいは刑訴法の秩序というものは、やはり守ってもらうという前提がない限り、これからいろいろ法律を殺したり生かしたりすることについて、もしこれが例外々々といって、罰則だけが残っていくということは、根本的な議論が私はあると思う。たまたまこれが経済罰則であり金融緊急措置令というちょっと特殊なものであるから、割合これが政治的姿勢という言葉で論じられるかもしれないけれども、たとえば労働事案だってそうだし、そのほかの事案だって幾らだってこういうことは起こることであります。したがって、私は、これはもう今法務大臣の見解はわかったので、これ以上議論したって水かけ論でございますけれども、基本はやはり刑事訴訟法の体系というものをくずさないという大原則を守ってもらうように、法務省当局はやはりもっと積極的に考えてもらわなければ、今後われわれがいろいろな法律をつぶそうじゃないかといっても、あなたのほうをそのまま是認すれば、それが前例になってくずせなくなる。非常に大きな支障を来たすということになりますから、これはひとつ再考を促したいわけです。
#57
○国務大臣(中垣國男君) お答えいたします。全く今の御指摘の点は私も同感であります。そこで、この種の経過規定というものを置くか置かないかというのは、これはまあ御承知のとおりに、立法政策の問題ではなかろうかと思うのです。でありますから、このこと自体が他のたとえば前例になるとか、そういうような性質のものではないと考えております。
#58
○木村禧八郎君 ただいま資金融通準則ですか、準則によって、産業資金貸し出し優先順位規制というのがありますね、甲、乙、丙とか。それは生きておって、そうしてそのとおりにやはり銀行が選別融資ですか、やっているのですか、実際には。
#59
○政府委員(高橋俊英君) 融通準則は全面的に死んでいるわけじゃございません。やっぱりそこで動いております。ただし、それは甲と乙とにはむろん差別はないわけです。丙の場合は金利の面で、自主申し合わせの線がたとえば二銭一厘になっておりますが、普通の並手の金利がそれが丙に属するやつの場合は、それよりも高くてもよろしい。さらに臨時金利調整法の最高限が二銭六厘でございますから、それは臨時金利調整法の最高限度のあれものがれておるわけです。ですから、三銭で貸してもかまわない、金利の面。それから、丙については、これは銀行についてでありますが、毎月の資金貸し出し増加額のうちの一五%をこえてはならぬと、こういう制限がありまして、それを日本銀行に報告することになっております。そういう点で、まあ丙について制約は残っております。丙の中身につきましては多分にこれは問題があるのでありまして、だからこそ、今回はまあやめようということになったわけでございます。
#60
○木村禧八郎君 実際の運用としてはそういう順位はありますけれども、そんなら、これはずいぶん、もっと前から問題になるべきはずであったのですが、今まで廃止にならないで延びてきたことについては、そこは実際運用面について別に今支障もないようにやられているじゃないですか。実際はそんなに支障があるのですかね。僕は実務を知らないものですから……。
#61
○政府委員(高橋俊英君) まあ一五%以内といいましても、実績はそれよりはるかに低いわけでございます。そういうものに対する貸付が、だからそういう点からいえば支障がないといえばいえるのでございますが、業種別に一つ一つ取り上げてみますと、今ごろ業種が丙であるのはまことにおかしいというものが幾つもあると思います。ですから、まあ非常に統制経済下のころの何しろ立法でございますから、まああの当時と比べて戦後十数年もこれだけたちまして、そのころとしてはあるいは不急不要といわれたものであっても、今日においてはそれはそうでないというふうなものがありまして、それを一々準則を変えて追いかけていくというのはまあ妙なことじゃないか。そんなことをしなくても、銀行でも相互銀行でもみなそうですが、自主的に資金調整委員会を作っておりまして、まあ重点的なものには大いに協力して貸すし、不要なものは遠慮していこう、こういうふうに自主的にやっておりますので、あえてこの準則を一々改正するようなめんどうくさいことをしなくてもいいし、また、それをそうでなくて、自主的なそういう判断にまかせるほうが時勢に合っているじゃないか。そういう意味におきましては、廃止したほうがいいという結論になっております。
#62
○木村禧八郎君 ちょうど食管法みたいなもので、米のやみ取引の実は食管法のようなものではないかと思うのですが、それはともかくとして、この順位表、これがなくなった場合に、ただそのままそれっぱなしで、何かこれが廃止になった場合に適正な融資を確保するということは、もちろん戦時中と違うんでしょうが、何か手当をする必要があるのじゃないか。それは何か考えておりますか。
#63
○政府委員(高橋俊英君) その点につきましては、すでにもう銀行のほうでも、私どものほうに向こうから相談がありまして、お互いの考え方としては、なるほど丙というふうなはっきりしたあれは、基準はしていないかもしれないが、おのずから不要不急ということが客観的にあるだろう、例を申せばいろいろあるわけでございますが、おのずからこれはいかなる時代においてもあまり重要と申せない、その反対であろう、そのときどきにおいて経済情勢の変化によりまして重点産業が変わって参りますので、こういうものは資金が不足ぎみであるけれどもどうしてもみんなで協力して金を作らなければならないというようなものもある。そういう意味におきまして、その順序というわけには参りませんが、大体重点的なもの、非常に不要と考えられ不急と考えられるもの、その中間にいるもの、そういうようなものは当然考えていかなければならない。そういう点を、私のほうで積極的に業種をこちらからあげてどうこうということはなるべく控えたいと思いますが、銀行側の判断等に私どもの意見を述べることはあります。そういうことで、不急なものはむしろできるだけ控えるというふうなことにおいては十分やっていける体制を整えております。
#64
○委員長(佐野廣君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#65
○委員長(佐野廣君) 速記を始めて。
#66
○木村禧八郎君 最後にひとつ、今の点もう少し具体的に説明していただきたいのですがね。今後の金融の行政指導の問題ですが、そういうことになると思うのですが、まだ固まっていなければしょうがないが、何か固まっておれば、こういう方向でいくのだということを御説明願いたい。
#67
○政府委員(高橋俊英君) 先ほど申しましたように、まだはっきり固まってはおりませんが、銀行側においてもその点をすでに検討中でございまして、案ができ上がったら行政当局のほうにも相談をする。ただ、せっかく融通準則を廃止しておいて、なお今までのたとえば不急に属するものを一々業種別にあげていくことがいいか、あるいはせいぜい例示の程度にとめておいて、それに類するようなものは不要不急であるというふうにするか、そういった点がまだ煮詰まっておりません。
 ただ、非常にむずかしい問題は、自主調整の、自主申し合わせの金利がございます、二銭一厘。今まで三銭でも借せた。丙種は二銭五厘ぐらいが中心でございます。二銭六厘ぐらいにしなければならないけれども、二銭一厘にする必要があるだろうかというので、やはりこれは自主申し合わせにすぎませんから、そういった不急業種については二銭一厘の範囲外でいいじゃないかという考えもあるわけでございます。そういうことから、ある程度範囲をきめておかないと金利の点で適用上むずかしい問題が起こる、こういうことで、皆さんの御意見その他を伺いまして、さしてなければ、典型的にだれでもがこれは不急であるというふうなものはおのずから出て参るでありましょうから、そういうものを明示することによって、そういったものは自主申し合わせの金利よりも高くていい。そういう金利の点で範囲をある程度きめなければならぬ。ちょっとその点が煮詰まっておりませんが、考え方はそのような……。
#68
○委員長(佐野廣君) 本案につきましては、本日はこの程度にいたします。
  ―――――――――――――
#69
○委員長(佐野廣君) 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とマラヤ連邦との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案を議題といたします。
 本案は去る十二日予備審査のため本委員会に付託されました。
 それでは、これより本案の提案理由の説明及び補足説明を聴取いたします。提案理由につきまして、池田政務次官。
#70
○政府委員(池田清志君) ただいま議題となりました所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とマラヤ連邦との間の条約の実施に伴う所得税法の特例等に関する法律案について、提案の理由及びその内容を御説明いたします。
 政府は、今回、マラヤ連邦との間に所得に対する租税、すなわち所得税及び法人税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための条約に署名し、その締結の御承認方につき別途御審議を願っているのでありますが、この条約に規定されている事項のうちには、さらに法律の規定を要するものがありますので、これにつき所要の立法措置を講ずるため、ここにこの法律案を提出することとした次第であります。
 この法律案は、配当に対する所得税法及び法人税法の特例を定め、源泉徴収所得税並びに申告納税にかかわる所得税及び法人税の軽減を行なうことを規定するものであります。
 すなわち、わが国の所得税法及び法人税法によれば、非居住者または外国法人の取得する配当については、その収入金額に対し二〇%の税率で源泉徴収所得税を徴収し、その者がわが国に支店等を有して事業を行なっている場合には、その支店等の他の所得と総合合算の上、課税することとなっております。これに対して、今回の条約におきましては、マラヤ連邦の居住者または法人がわが国の法人から取得する配当に対する税率は、通常の場合については一五%、特定の子会社たる法人からの配当については一〇%をそれぞれこえてはならないこととされております。
 この法律案は、この条約の規定に従い、わが国の法人からマラヤ連邦の居住者または法人に支払われる配当に対する源泉徴収所得税の税率を、通常の場合については一五%、特定の子会社たる法人からの配当については一〇%とそれぞれ定めることとしております。さらに、マラヤ連邦の居住者または法人が取得する配当でこれらの者の恒久的施設に帰せられないものに対する申告納税にかかわる所得税または法人税の税負担についても、条約の規定するところに従い、その区分に応じ、一五%または一〇%をそれぞれこえないようその税額を軽減することとし、その他条約を実施するため所要の規定を設けているのであります。
 何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願いいたします。
#71
○委員長(佐野廣君) 林主税局国際租税課長。
#72
○説明員(林大造君) ただいま政務次官より提案理由の御説明をいたしました法律案につきまして、補足的な説明をさせていただきます。
 この法案が特例を設けようとしております日本とマラヤ連邦との間の条約でございますが、本件は別途外務委員会のほうで御審議を願っているわけでございます。この条約は同種の所得税に関する二重課税の防止の条約といたしまして第十二番目のものでございまして、ただいままでに日本は、アメリカ合州国、スエーデン、パキスタン、ノルウェー、デンマーク、インド、シンガポール、オーストリア、英国、ニュージーランド、タイと、合計十一カ国と租税条約を締結いたしまして、このマラヤとの条約が第十二番目になるわけでございます。以上十二件のうち最初に申し述べました七件はすでに発効いたし、またオーストリア、英国並びにニュージーランドの三カ国につきましては、今国会で御承認を得まして、すでに批准書の交換を了し、現在発効いたしました。したがいまして、現在発効しております条約は十あるわけでご、さいまして、残りの、タイとそれから本件マラヤとの条約が、ただいま国会で御審議を願っているわけでございます。
 で、このマラヤとの条約は、いわゆる東南アジア諸国との間の租税条約といたしましては五番目になりますが、さきに締結し現在発効いたしておりますシンガポールとの間の租税条約とほぼ内容が同様でございます。と申しますのは、シンガポールとマラヤとは所得税制もきわめて類似しておりますし、また近い将来マレーシア連邦の設立の動きもありますことからもおわかりのように、その租税政策において種々類似した点があるわけでございます。したがいまして、この租税条約の内容も、シンガポールと日本との間の租税条約とほぼ同様でございます。
 で、今回審議をお願いいたしましたこの法律案は、その租税条約の第七条の関係で必要になりました規定でございます。で、租税条約の第七条によりますと、一方の締約国の法人から支払われます配当につきましては、親子会社間は一〇%、その他の場合には一五%以下に税を軽減するという規定がございまして、その「以下」という場合にどこまで軽減するかは、おのおのの国にゆだねられているわけであります。そこで、わが国といたしましては、この条約で約束されました限度である親子会社につきましては一〇%、その他の場合におきましては一五%を徴収するという趣旨をこの法律案でうたっているわけでございます。
 条文は四カ条からなりますが、第一条は、その法律案の趣旨を述べております。第二条は、源泉徴収に関する軽減の規定でございます。第三条が、申告いたしました場合の所得税及び法人税に関する軽減の規定でございます。で、第四条は、その他こまかい手続は大蔵省令にゆだねるという規定でございます。
 以上がこの法律案の内容でございまして、補足的に説明さしていただきました。
#73
○委員長(佐野廣君) 以上で本案の提案理由の説明及び補足説明は終わりました。
 本案につきましては、本日はこの程度にいたします。
  ―――――――――――――
#74
○委員長(佐野廣君) 次に、租税及び金融等に関する調査を議題といたします。
 公団に関する件について質疑の要求がございますので、これを許します。永末委員。
#75
○永末英一君 公社、公団が非常に数多く設けられるのはこのごろの特徴でございますが、これに見合って財政投融資がこれに投下されております。ところで、この公社、公団の監督等について、一体政府側のどういう機関がどの程度の権限をもってやっておるか、なかなか不分明な点がございまして、議会側におきましても、財政投融資はその計画書が提出されるだけである。それからの執行等については委員会等でそれぞれの項目をあげて質問し内容を明らかにするという程度のことしか行なわれていないようで、はなはだ遺憾だと存じておりますが、本日は、その中で一点、公社、公団の退職金、特にこれは役員の退職金というものについて、法律を調べてみますと、退職金の支給並びにそれの変更等をやろうとする場合には、それぞれの公社公団が監督を受ける主務官庁の大臣の承認を受けなければならないと、こういう規定が全部設けられていると私は見るのでございますけれども、その場合に、そういう規定を持たないで役員の退職金を支払っている、そういう政府関係機関があるということを伺いました。その事実をひとつ明らかにしていただきたい。
#76
○政府委員(平井廸郎君) ただいま御質問の点は、主務大臣の認可制度のもとに退職手当を支給しているという問題について、そういう規定なしに退職手当等を支給している事実、実例はないかという御質問であろうと思いますが、少なくとも公庫、公団等のほうは、公社等についても同様でございますが、役員の退職手当を支給する前に少なくとも退職手当の基準については一応御決定を見ておるものというふうに思っております。
#77
○永末英一君 非常にばく然たるお答えでございますが、全部の公団がこの法律に規定してあるような明文の基準をちゃんと設けて、だれでもがわかるようになっておりますか。
#78
○政府委員(平井廸郎君) これは政府関係機関と申しましても、きわめて種類が多いわけでございまして、すべて一律ではございません。典型的な例をとって申しますならば、公社とかあるいは公団等の場合におきましては、役職員の退職給与基準につきまして主務大臣が認可制をとりまして、かつ、それについて大蔵大臣が協議にあずかるという建前をもっておりますので、その限りにおいては法律に基づいて明確になっておるということが申せようかと思います。一方、公庫等につきましては、公庫とかあるいは輸開銀等につきましては、そういった法律上退職手当基準をきめるとかというような規定はございません。ただ、たとえばこれらの機関につきましては、予算において給与予算なり何なりをきめて参る建前でございますが、その予算の決定にあたりまして当然そういったものについて事前にきめておくということはあるわけでございます。また、これらのものにつきましては、それでは具体的には何ら基準がないのかということになるわけでございますが、たとえば輸開銀であるとか公庫の場合でございますが、定款におきまして、輸開銀の場合におきましては定款について大蔵大臣が承認するという規定がございまして、その定款の中で役員の給与並びに退職手当については準則を定めるということになっておりまして、その準則を具体的に承認するという形をとっておるわけでございます。
#79
○永末英一君 私の伺いたいのは、政府関係機関はたくさんございますが、そういう役員の退職金の基準について明文で規定をし、職員でも一般国民でも明確になっているものがあるということを承知しております。しかし、同じ性格を持っている政府機関にして、そういうだれでもわかるように明文で規定をしていないものがあるということを聞いているので、あなたはそういうものがあるということを承知ございませんか。
#80
○政府委員(平井廸郎君) 政府関係機関が成立いたしまして発足いたしましたといたしましても、その段階において直ちにそういった明文化されたものが全部でき上がっているわけではございません。また、実態的に見ましても、直ちに役員の退職という事態も発生しないわけでございますから、そういう必要も必ずしもないわけでございます。ただ、具体的にある程度の規定の整備を行なっている過程におきましては、当然役員等の退職手当についても先ほど申し上げたようなそれぞれの手続によりましてきめられているわけでございます。
#81
○永末英一君 きのうやおとついできた政府関係機関で、役員がきまってもまだ退職事実が発生していないから、まだ規定がない、それはあり得ると思うのです。しかし、すでに何年もたって、その公団なりで役員の退職が発生しておるにかかわらず、いまだにその明確な明文の規定を持っていないということがあると聞いておるのですが、あなたはそれについて御存じございませんか。
#82
○政府委員(平井廸郎君) 私どもが知っておる範囲では、そういうことはないやに伺っております。
#83
○永末英一君 住宅公団なんかにはちゃんとした明文の規定はございますか。
#84
○政府委員(平井廸郎君) 私、手元に正確なものございませんから、あるいは間違っているといけないと思いますが、一般的に公団等についてはそういう規定は設けられておるはずでございます。
#85
○永末英一君 これ、私ははっきりしたことを質問しているのですが、答弁はかく、委員長お聞きのとおりはなはだぼんやりして、はずであるという程度の答えしかございません。この点は明確にしていただきたい。その明確な事実が委員会に報告をされて、質問を続行していきたいと思いますので、本日のところは仮定に基づいて質問をするわけに参りません。委員長、ひとつこの点を明確に委員会に報告をしていただくよう要求いたします。
#86
○委員長(佐野廣君) 永末委員は資料の要求をされますか。
#87
○永末英一君 それがはっきりしないと質問ができないわけです。それが出てから、質問を続行さしていただきたい。
#88
○委員長(佐野廣君) それでは、資料の要求をして下さい。
#89
○永末英一君 一切の公社、公団で、法律の今申し上げましたような規定に基づいてどういう規定を明文で設けているか、この資料の提出をお願いいたします。
#90
○委員長(佐野廣君) 本件につきましては、この程度といたします。本日はこれにて散会いたします。
  午後零時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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