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1962/03/12 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 石炭対策特別委員会 第3号
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1962/03/12 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 石炭対策特別委員会 第3号

#1
第043回国会 石炭対策特別委員会 第3号
昭和三十八年三月十二日(火曜日)
   午後零時五十四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     堀  末治君
   理事
           徳永 正利君
           大矢  正君
           石田 次男君
   委員
           鹿島 俊雄君
           川上 為治君
           岸田 幸雄君
           高野 一夫君
           二木 謙吾君
           松野 孝一君
           武藤 常介君
           吉武 恵市君
           阿具根 登君
           阿部 竹松君
           大河原一次君
           柳岡 秋夫君
           田畑 金光君
  国務大臣
   通商産業大臣  福田  一君
  政府委員
   通商産業政務
   次官      上林 忠次君
   通商産業省
   石炭局長    中野 正一君
   通商産業省鉱
   山保安局長   八谷 芳裕君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改
 正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○産炭地域振興事業団法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
○炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(堀末治君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。
 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案(閣法第一一号)
 石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案(閣法第一二号)
 産炭地域振興事業団法の一部を改正する法律案(閣法第一三号)
 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案(閣法第一四号)
 以上、四案を一括して議題といたします。
 本件につきましては、先般提案理由及び補足説明を聴取いたしておりますので、本日は、これから直ちに質疑に入ります。質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#3
○大矢正君 通産大臣にお尋ねしますが、きょうは時間がわずかしかありませんので、二点だけお尋ねしておきたいと思います。
 第一点は、三十七年度の石炭生産と、それから需要の見通しはどの程度になっておるか、その点からお伺いをいたします。
#4
○政府委員(中野正一君) 三十七年度につきましては、先般資料要求もございましたのでお手元に差し上げてあると思いますが、お手元にお配りしてあるものは、石炭の需給見通し、三十六年度の実績と、三十七年度の実績が書いてございます。これは先月の二十六日に、石炭鉱業審議会を開きまして、三十七年度のいろいろの問題を、合理化計画等を御審議願いました。その際に、提出した資料でございまして、これによりまするというと、供給が精炭で――まん中ごろにございますが、三十七年度の五千四百万トン、それから需要の、消費のほうでございますが、これは精炭で五千三百三万六千トンということで、約百万トンばかり需要が少なくなっておりますので、その関係でこれは繰り越し貯炭が約百万トン程度ふえることになっておるわけでございます。
#5
○大矢正君 三十七年度は、おおよそこれでわかりますが、三十八年度の今のと同様な内容をひとつお答えいただきたいと思うのですが。
#6
○政府委員(中野正一君) 三十八年度につきましては、先般衆議院でもいろいろ御質問があったわけでございますが、実は今審議会で御審議願うべく各方面と折衝を続けておりまして、まだ需要の最終的なものはでき上がっておりません。それで実は、先生から資料要求もございましたのですが、まだ資料として提出できないことを御了承願いたいと思いますが、ただ、実はこれは前の臨時国会のときに、たしか大矢先生からお話がありまして、そのときに三十七年度の見通し、三十八年度の見通し、なお調査団では四十二年度まで一応見通しをつけておりますので、それを出してくれ、こういう御要求がありまして、その当時でございましたので、実は調査団のベースの数字を、三十八年度から四十二年度までについて調査団当時考えた数字をもととして資料を提出したわけでございます。
 今、ちょっと簡単に御説明を申し上げますと、まず一般炭の中で一番大きなものは申すまでもなく電力でございますが、これにつきましては、十一月二十九日の閣議決定にもありますように、昭和三十八年度に二千五十万トンを九電力に引き取ってもらいたいということでございましたが、そのとおりの数字になっております。したがって、電力につきましては、三十八年度は九電力で二千五十万トン、これは全体の数量としてきまっております。ただ九電力の各社別の割当は、今公益事業局が中心にやっておりまして、近くこれは決定するのではないかと思います。その他の電力は二百八十六万トンばかりでございます。これを足したものが電力ということで、お手元に差し上げております表の右のほうの欄の千九百四十三万五千トンというのが、三十七年度の計画になっております。それより電力は相当ふえるわけでございます。約三百万トン以上ふえるということになります。
 それからセメントでございますが、これはことしは約三百万トンでございますが、これは今、どういうことになるのか、相当程度重油に転換いたしておりますが、産炭地に石炭専焼のキルンを作るべく勧奨をしておりまして、これには開発銀行の金がつくということで、できるだけセメントの需要が落ち込むのを防ぐ。また暖厨房炭につきましては、いろいろの対策を講じまして、これが減らないように、むしろふやすようにいたしたい。ただ、一般炭のその他のいわゆる燃料として使われておるものでございますが、これの落っこち方がわれわれが調査団のベースで考えておりましたものよりも、やや急激である、これはいろいろの理由、油に食われるということもございますが、一つにはやはり景気調整の影響で操短等、たとえば繊維、紙、パルプ、食品料等につきまして、ある程度操短してやる場合に、どうしてもやはり石炭をたいておるボイラーのほうを先に落とすというふうな関係もございまして、景気調整の過程で非常な影響を受けておるのではないか、これからも半年程度は、そういう情勢が続くんじゃないかということで、ここらの見方が非常に重大になってくる。それから原料炭でございますが、原料炭につきましては、やはりこれは鉄鋼が対象でございますが、これがやはり出銑ベース、銑鉄の生産ベースというものがまだ最終的にきまっておりませんので、できるだけこれは輸入炭を削りまして、国内産の弱粘結炭を優先的に引き取らせることが閣議決定にもなっておりますので、その方針で通産省が関係方面と折衝いたしまして、四月に開かれる石炭鉱業審議会でお諮りしたいということで、先般も五日の日に石炭鉱業審議会の需給部会を開いていただきまして、そこでいろいろ需要方面の方々にも集まっていただき、また専門の第三者の学者の方々にも集まっていただいて、いろいろ議論していただいておるわけであります。
 そういうことで、五千五百万トンの需要確保ということをさしあたりわれわれとしては、それに向かって努力を払っておる次第でございます。
#7
○大矢正君 三十八年度の見通しというのは、まだ明確に出ないようでありますけれども、三十七年度の実績を見ますると、需要が生炭で五千三百万トン、こういうことになっておるわけですね。そこで、政府は前々から総理を初めとして五千五百万トンの需要は、最低限これを確保するという強い意思の表明がなされておるわけなんですが、事実これでいくと、二百万トンばかりその政府の需要見込みといいますか、あるいは需要確保するという面からいくと、減っているわけですね、現実問題として。そこで、これは一体どういうことになるのですか。結局五千五百万トンという目標はあるけれども、かりにそれが五千三百万トンになっても五千二百万トンに需要が減ってもしかたがないという考え方で対処されるのかどうか。通産大臣ひとつお答えいただきたい。
#8
○国務大臣(福田一君) 御承知のように三十七年度は、ある意味で経過年度でございます。四月六日の閣議決定に基づいて調査団が調査をされて、それから十一月二十九日に閣議決定をしたというわけです。それから、今度は法案を出しまして、法案が今参議院に回ったというような段階に相なっておるのでありまして、方針としては五千五百万トンということで、方針といいますか、考え方としてはおりましても、確定したというのは、何といいましても昨年の年度末、政府としての態度をきめたのは年度末と言わなければなりません。しかも今度は、それに基づいて法案が出ています。こういうふうにして、なお、私は法案に籍口してものを言っておるわけではございませんが、三十七年度の分については、これはどうもいささか実績、いわゆる一応の予定というものと食い違っておっても、これは経過の年次として認めていただかざるを得ない。
 そこで今度は、将来三十八年度になりますと、今度は、これはやはり一応生産は五千五百万トンということを目標にしてやっていく、需要は、それよりも減るということはあり得ると思うのです。その場合に、どう処理するかということになれば、あるいは貯炭のほうをとりますか、あるいは山元貯炭のほうをとるか、あるいはその他、国において何らかの措置をとるかというような問題等も考えていかざるを得ないと思いますけれども、私は三十七年度については、そのようにやむを得なかったと考えておるわけであります。
#9
○大矢正君 かりに三十七年度が五千五百万トン使えない、それだけの需要がないというのに、三十八年度は五千五百万トンの需要は絶対あるという結論は出てこないんじゃないかと思うのですね、現実的には。だから、そういう想定からいくと、確かに一般炭としては電力が、割当をして、それを消化してもらうというようなことが、よしんばできたとしても、出されている資料を見ましても、年々これは電力以外は、もう需要が減ってきているわけですね。それを新たに需要を造出するなどということは非常に困難な問題だと思うのですが……。
 そこでお尋ねをしたいのは、かりに三十七年度で政府は五千五百万トンという想定を一応は立ててくれたのだが、実際には五千三百万トンしか、需要がなくて二百万トン貯炭ができるということになった際に、政府として、その貯炭に対して何らか具体的な措置をするような考え方だったのですか。そうでないと、二百万トンかりに貯炭ができるということは、企業にとっては非常に大きな負担になるわけですね。ですから、そういう意味におきましては、やはり五千五百万トンという最初政府の責任を持った見通しが立てられたとすれば、当然のこととして、やはりもし需要がない場合には、裏打ちをしてやらなければいけないのじゃないか。
 今、私が申し上げたのは三十七年度ですが、三十八年度についても、同様なことが言えるわけですね。今、通産大臣は、これから先のことだから、需要の造出に努力をされるという気持はわかりますが、万が一、これが三十七年度と同様な結果になった場合に、またもや生産制限その他をやらなければならんというような結果になって、そのことがまたコスト高になっていくわけで、炭鉱の合理化というものが、現実的にはまた、そこでおくれるということにもなっていくわけですが、そういう意味で、ひとつ通産大臣のお答えをこの際承っておきたいと思うのです。
#10
○国務大臣(福田一君) 三十七年度につきましても、昨年の暮れ以来、もし貯炭といいますか、需要と生産が合わないというものが出てきた場合において、百万トンぐらいどうも残るのじゃないかという見通しを夏ごろから立てていました。それが現実に、一応その数字になって出てくるかと思うのであります。これは何らかの金融措置を考えてやる、こういうことになっておるわけであります。
 それから三十八年度については、先ほども申し上げましたが、需要と計画との間にアンバランスができた場合は、やはり政府において、少なくとも金融等の問題を考える必要があるし、私はある程度は、政府における貯炭という問題も考えていいと思う。これは物理的な問題がございますから、百万トンや二百万トンぐらいふえる分は、今、まだかかえられます、需要先のところでかかえられますが、ところが二年も三年も、こんなことが続いたら、とうていかかえられるものじゃない。そうすれば、そこにおいて何らかの措置をとるということでやっていけると思うのです。三十八年度については、まだまだその程度はやれるという観測でおります。やれるという意味は、持っておられるということです。生産はしたけれども売れない。売れないというのは、金さえ融資をすれば、何とかなるのじゃないかという考え方であります。しかし、その後になりますと、ことしの暮れあたりになってみて、どうしてもやはりまだ需要がついてこないということになれば、政府において貯炭をするというふうな問題とか、あるいはもう一ぺんここで、今度は需要を何か積極的に起こすということは考えなければいけないと思っています。しかし五千五百万トンという数字は、一応押えておるのですから、これをくずして、この問題の処理をしていくということは私は非常に困難じゃないか。それは無理がかかる。少なくとも五千五百万トンという数字は確保していかなければならぬ、こういう考え方であります。
#11
○大矢正君 大臣の答弁が非常に上手で、責任を負うと言われておるのかどうか、その辺がはっきりしないのだが、五千五百万というのは、政府が責任を負ってくれるのですか。というのは裏を返して言うと、五千五百万トンの需要がなかった場合は、百万トンなり二百万トンなり貯炭として残った場合において、政府の責任として措置をしてくれるのかどうか。置場がないということは、それは二百万トンや三百万トンの置場がないということはない。港に行ったって、山に行ったって、置場のあるなしの問題じゃなくて、五千五百万トンの需要が実際にないということになった場合に、またもや生産制限をしなければいけないということが問題なのだ。今経営者の内部で、五千五百万トン政府が何とかしてくれるといったものの、その気になって石炭を出してみたところが、貯炭が二百万トン、三百万トン出たということになったら、金利負担がたいへんだ、とてもじゃない、生産制限を今からやったほうがいいのじゃないかという議論がたたかわされておりまして、片一方、政府が五千五百万トン責任を負うと言った、だから、この際負ってもらうという意味で、生産計画を立てるべきじゃないかという意見が分かれて、石炭協会自身が結論が出ないところだ。ですから、将来こういうことになるだろうか、ああいうことになるだろうかということでなくて、こうする、ああするということを明確にしてもらわなければならない。貯炭融資するかしないか。
#12
○国務大臣(福田一君) 三十六年度、三十七年度においても貯炭融資をしていることでありますから、三十八年度において貯炭融資しないというわけではありません。しかし、私がここで考えなければならないこと、われわれが責任を持つという意味は、政治責任ということでありまして、それではその場合にやらないのかというと、もちろんやるのでありますけれども、経営者が、全然そんなものは政府が勝手にきめた計画なのだから、その分だけは政府で引きとってくれと言われても、そういうことになったんでは、なかなか問題が起こると思う。少なくともわれわれとしては融資をするというくらいの段階までは、われわれとしては一応の責任をもっていく、こういう意味であります。
#13
○大矢正君 そうすると、融資するというのは、どこが融資するのですか。
#14
○国務大臣(福田一君) それはやはり石炭を合理化するので、ずっといわゆる普通の銀行等でも、昨年でも、やっぱりちゃんと融資をしているわけなのであります。今年度もやはり、私は、その融資は協力をしてくれると思っております。
#15
○大矢正君 それは、市中銀行からコマーシャル・ベースで金を借りる、それは政府の融資じゃないですから、だから大臣がそう言われるからには、いずれか政府の金融機関等を通じて、別個に、これは貯炭の分だという形で融資するというような方法を考えておられるかどうか、市中銀行から金を借りるというのは、あたりまえの話で、政府が何も言わなくたって貸すでしょうし、よしんば、また逆の意味で言うと、その会社の採算がうまくないとか何とかいったら、金を貸さないと言うかもしれないし、そういうことじゃなくて、現実に貯炭を持った場合には、政府が責任を持って融資をする、融資するとすれば、どこがするのかということを明らかにしてもらわないと、これは今までも貯炭融資なんということはやってきていることなので、ただ、政府がやるのかどうかということが問題なのです。市中銀行がやるのはあたりまえで、そういう答弁を聞いているのじゃない。
#16
○国務大臣(福田一君) 今まででも、政府がやってもらいたいという話があったからであり、われわれがそういうことをしなければ、貸しはしません。
#17
○大矢正君 それはしかし、大臣おかしいじゃないですか。それは結局、大臣が言おうが言うまいが、市中銀行から金を貸す場合には、それがはたして返済されるものかどうかというような立場に立って見て、返済可能だということになれば貸してくれるので、幾ら大臣が言われたって、返済不能ならば金を貸しっこないですよ。だから、そういうようなあやふやなことではなしに、五千五百万トンの政府は需要を確保するといったのだから、かりに百万トンでも二百万トンでも貯炭ができたという段階においては、政府みずからが政府の金で買い上げるとか、ないしは政府の機関を通して融資をするとか、その際に、金利の負担はどうとかいうようなことを具体的にきめてもらわなかったら、生産計画が立たないでしょう、大臣。五千五百万やってみろといった。やったところが、三百万トン貯炭ができた。これはたいへんな金額です。三百万トンといったら百億くらいになるのです。三百万トンという数字は。百億の金が寝てしまうのですからね。これはたいへんなものです。金利にしても莫大なものです。そうなったら、これは幾ら合理化しても、片っぱしから合理化計画が狂ってしまう、資金面においても、生産面においても。だから大臣、どうですか、政府が責任を持って貯炭の分については、平常の貯炭の分は別として、ほんとうの需要が減退をしたことによって生じてきた貯炭に対しては融資をするという、はっきりした腹を持ったらいかがですか。これをやらないと困りますよ。
#18
○国務大臣(福田一君) 私は今のこの段階において、今までやって参りましたような方法で、三十八年度についてはやっていく、それほど大きな影響はないと思います。また、石炭に対しましてわれわれは、こういう特別な措置をとっていません。石炭にだけ、それほど優遇するような都合のいいことを言って、ほかの産業にとっては、どうなのかという問題が私は起きてくると思います。この問題も、われわれは政治家としては考えていかなければならないと思います。
 今われわれが考えておるのは、石炭が私企業として一応合理化していないので、私企業として育てていこうという建前ですから、すべて政府の責任においてやらねばならないという、この考え方に立って問題の処理をするということは、私はいささか行き過ぎになると思っております。したがって、貯炭が、いわゆる百万トンなら百万トンなりの貯炭ができたというような場合においては、少なくとも金を貸すという形で、一応この問題の処理をしていく、しかし、本年の暮れになりましても、まだとても、また、来年も非常に工合が悪いというようなことになれば、その場合においては私は、生産計画の五千五百万トンというものがスロー・ダウンしたのでは、それでは困りますので、そのほうは、ずうっとやるということになれば、やはりあまり分だけは、何か処置をしなければならない。そうなると、物理的な問題も出てくると思います。
 そこで、こういう問題も含めて、今実は私は、石炭局のほうに研究をさしており、何か貯炭の方法を考える必要があるだろうということでやっておるわけでございます。この今の段階におきましては、私は、大体ことしだって、やはり融資をしておるのでありますから、来年から――今年といいますか、ことしの年度三月末においても、そういう問題を考える必要があると思いますので、まだ具体的には聞いておりませんけれども、どういうふうになるか。この本年末あたりにおいて、また、そういう問題を考慮することが起きると思います、今までの見通しでは起きると思います。しかし、その場合に政府が、何か開発銀行とか何とか、国の金を石炭業者のところだけに貸してやるというような考え方は、私はいささかこの問題を処理する全体の空気として行き過ぎではないか、こう考えておる次第でございます。
#19
○大矢正君 大臣のお答えは、どうも僕はおかしいと思うのは、政府が、たとえば計画がないとか、方針がないとかという前提であれば、これは私企業なんだから、もっと生産を減らせばいい、貯炭があったら、自分で融資をしてもらってやればいいということで話は通るのですが、そうじゃなくて、政府は五千五百万トンの需要を確保すると、責任を持って確保すると言ってきたのです。総理だってそうです。五千五百万トンの線は確保すると言っている。それに沿うて、かりに生産計画を立てて五千五百万トン出したときに、貯炭ができたら、政府が責任を負うのはあたりまえです。それをやったからといって、何のかんの他の企業、産業から、とやかく言われる筋の問題じゃないのですが、どうも大臣の考え方はおかしい。あなたの言われることは、一般論としてはわかる。五千五百万トンの需要を確保するとか確保しないとか、態度を決定する以前の話ならわかりますが、五千五百万トンの需要を確保すると言っておるのですから、言っておるのに、あまった場合に、それに対して対策ができないというのはおかしい。これは幾ら僕が言っても、大臣は今の答弁しかお答えにならないと思われますので、ほかの人が聞いてもおかしいと思う。責任がないのです。五千五百万トン、五千五百万トンと言って、一体、何ですか、そもそも。
#20
○国務大臣(福田一君) 私は努力目標だと思います。
#21
○大矢正君 これはきょうだけではないから、また、あらためて質問をいたしますが、二点目の問題は、通産省にスクラップ計画というのがおありになるでしょう、局長でけっこうです、お答え願いたい。
#22
○政府委員(中野正一君) スクラップというのは、調査団の段階におきまして、いろいろな調査をやっていただく際に、参考資料として先生方の御審議を願う材料として出したものはございます。これはしかし、公表はもちろんする性質のものじゃございません。いろいろな技術的関係、経済的な関係、いろいろな観点から検討した資料を出しまして、その結果として、一応調査団とすれば、御承知のように生産減の分で四十二年度までに千二百万トンのスクラップ化をやるべきである、またそれに応じたビルドをやるということが、石炭産業を自立と安定に持っていく基本の線であるということがうたわれておるわけであります。その意味での全体的なスクラップ――この程度のものをスクラップしなければいけないということは、政府としても、との答申を尊重する建前をとっておりますので、そのベースで、われわれとしては考えていきたい。ただ、毎年のスクラップ・アンド・ビルドの計画につきましては、石炭鉱業審議会で毎年の石炭産業の合理化実施計画というものを立ててきめていただく。しかも今度の法律案の改正で、今提案をしておりますように、その際には近代化の計画、それから整備の計画、整備というのは、閉山と合理化に伴う人員の減少という両方の意味を含んでおりますが、その整備の計画を毎年立てる、そのときに政府としては、いろいろなデータを調整をいたしまして、特に大手炭鉱のおもだったものにつきましては、これは当然、会社のほうからも話がございますし、組合のほうからも話がきますので、また、地域経済に及ぼす影響等もいろいろと十分考慮して検討をする、その結果、全体的なスクラップのスケールはどのくらいにすべきかということを案を作りまして、これを今度の計画からは、これは三十七年度でもそうでありましたが、いわゆる地域別、炭田別に、それを展開いたしまして、審議会で御審議を願う、こういうことを言っているわけであります。
#23
○大矢正君 今局長は、スクラップ計画というものは審議会に提案はした、しかしそれは一般に公表できないのだというお話なんですけれども、炭鉱の経営者は、これはまだ、通産省のスクラップ計画の中に載っているんだと、お前のこの山は載っているんだ、この山は載っていないんだと言って、個々に労使間で話し合いをしているわけですね。そうすると、それはあなたのほうで、幾ら秘密にしているとしても、現実には通産省のスクラップ計画というものを前提にして、今労使で話し合いが進められておるんですよ。この山は、とにかく通産省がつぶすと言っているんだから、仕方がないから、つぶそうじゃないかという話を現実にしているんですよ。
 そうすると、あなたの言われることとはちょっと僕は話が合わなくなると思うのだけれども、ほんとうに公表ができないもんだったら、石炭の経営者も知っているわけないじゃないですか、公表しているから知っているんでしょう。
#24
○政府委員(中野正一君) 私が先ほど申し上げましたのは、審議会ではなくて、有澤調査団がいろいろ御調査されるときに、通産省としていろいろな観点から、先生方から御要求のあった資料を提出したという意味合いでございます。審議会でなく。
#25
○大矢正君 いや調査団でもいいです、同じです。
#26
○政府委員(中野正一君) だから、この山はつぶすべきであるとか、残すべきであるということを通産省のほうできめているわけじゃございません。ただ調査団の段階で、いろいろの資料を作成し、それから同時に調査団が現地へ参られて、いろいろな調査をされて、その結果として、この山はこれはなかなか今後やっていくのはむずかしいぞよ、あるいは技術的に見てだめじゃないかという意見は、これは必ずしも全部の先生方の意見が一致しているとは限りませんが、そういう意見が出ていることは、私どもも実際耳にしておりますから知っております。しかし通産省のほうで、この山はやめるべきであるとか、やっていけということは、役所のほうで、どうしてそういうことを正式に言えるか、私は言える性質のものではないと思います。これはあくまでも企業が自主的に、これは調査団の報告書に、はっきりその点は、いっているとおりに、企業が自主的に労使の話し合いの上で、個々のスクラップなり合理化の計画は決定すべきであるということは、はっきり調査団は申しておりますように、通産省としても、その方針に従って実施をして参りたい、こういうように考えております。
#27
○大矢正君 たとえば三井の場合には、美唄とか田川とか、北炭の場合は空知とか神威とかいうふうにして、現実的には労使の間で、その山を閉山する、しないという議論をしておるわけです 経営者側から提案をされて。そうすると、審議会でも別に議論をしているわけではないし、通産省に方針があるわけでもない――スクラップにする……。にもかかわらず、労使間でそういう話が進められているということは、通産省の立場から見た場合、どういうふうにお考えになりますか。
#28
○国務大臣(福田一君) 私は、経営者が自分のところの従業員と、将来の経営の方針について話し合いをすることは、少しも差しつかえないと思っております。
#29
○大矢正君 話をするのは差しつかえないけれども、それじゃ審議会というものは、一体何をするのですか。労使できめられたことを、あとから確認するのですか。そうじゃないでしょう、それは調査団の報告にもありましたとおり、審議会というものは、地域別、炭田別に計画を立てなさい、それに基づいて、今度は労使間で話が始まるのだから、最終的には話がついたら、もう一ぺん審議会に戻ってきて、そこで確認するということになるのではないですか、手順としては。
#30
○国務大臣(福田一君) 今やっておられる話し合いを、私たちは公的に何も認めておりません。審議会があってから、労使が正式に話をして そして話し合いがまとまったと、こう言って来られたとき、初めて私たちは、これを取り上げていく形になる問題でございます。
#31
○大矢正君 その審議会というものは、計画と方針を出すわけでしょう、計画、方針がないのに、山を勝手に、自分の山はうまくないからつぶすということは、方針としては合わないのではないですか、もしそうだとすれば、通産省から、もう少し待て、審議会の結論が出るまで、その話は待てというような態度があってしかるべきではないですか。やるのは勝手にやりなさい、こっちはこっちで計画を立てるというなら話にならないです。
#32
○国務大臣(福田一君) 私は石炭を国管をしておるという考え方であれば、あなたのおっしゃるとおりだと思います。しかし、石炭は自由企業でありまして、やはり労使間において相互に話し合いをしておくということは、何も私は不都合なことではない、しかしこれをスクラップ・アンド・ビルドする場合にあたっては、私たちとしては、審議会の議を経てからやるということになっておりますから、私たちがそれをやる場合には、審議会がきめて、そしてたとえ前に、どういう話があろうとも、その審議会の後に組合と会社側とが話し合いをする、そしてこうするということになったとき、初めてわれわれは取り上げていく、こういう形になっておるのであります。
#33
○大矢正君 最後に、別に質問するわけではないですが、今の通産大臣の議論というのは、私ども、何も国管という前提に立って言っているのではなくて、政府の方針として、審議会で地域別、炭田別にスクラップ計画を立てるのだ、それに基づいて労使で話し合いを進められると、こういうふうにあなた方答弁をされてきて、そういう方針のもとに今日まで臨んで来られたのだから質問しているのです。それなら、方針が出るまで勝手に先走りしないで、方針がきまってからやると、どうして言えないか、何も国管なんて考えていないですよ、そうじゃなくて、政府が、そういう方針だからと出した限りにおいては、政府の方針が出るまで、そういうものは実際は行なわれるべきではないのではないですか、もし行なわれているとすれば、通産大臣は、今しばらく見合わせるべきだということを申し上げたのです。別に、これは質問ではありません。
#34
○田畑金光君 私も、大矢委員の質問に関連をしてお尋ねをしておきたいと思うのですけれども、その前に資料をもらったのを拝見しておりますが、石炭需給見通し、(イ)が石炭需給総括表、何が産業別消費内訳、これを見ますと、石炭の需給の推移というものがよくうかがえるわけで、これを見ただけでも、今後の石炭産業というものに対するいろいろな問題が提起されてくるわけですが、より正確に理解したいと思いますので、ここの表の問題点を局長からでいいですが、局長、ひとつ説明をしてくれませんか。あなたが見られて問題になるような、これが問題だという点をわかりやすく、ひとつ。
#35
○政府委員(中野正一君) お手元にあります石炭需給見通し、これは先ほども御説明いたしましたように、先月の二十六日に石炭鉱業審議会に提出をした資料の一部でございます。まず左側の需給総括表でございますが、三十六年度と比べまして、まず先ほど来問題になりました貯炭でございますが、これが最初に供給面として繰入貯炭と生産と、こういうふうに分けて、それから輸入炭と、こういうふうに三つになっております。繰入貯炭につきましては、三十五年度から六年度に持ち越した炭が国内の炭で、業者貯炭が百二十六万トンというのが出ているわけです。それから大口需要家のほうに四百三十三万トン程度の繰り越しが三十六年度にあった。※じるしは、右の注にありますが、輸入炭でございまして、国内炭の外数になっております。そして生産が精炭が五千五百四十一万トン、これは精炭でございます。それから、その他――その他というのは雑炭でございます。雑炭がその他になっているわけですが、これが四百五十万トンばかりあって、全体で五千九百九十万トンあります。それに輸入炭が千二百万トンということで、供給の計が、国内炭で六千五百万トン、輸入炭で千三百万トンと、これだけの供給があって、これに対して需要がどうなっているかということが下の欄にございまして、これが消費と繰越貯炭になっておりまして、上の供給から消費を引いたものが、三十七年度に対する繰越貯炭ということになるわけでございます。これが先ほど御説明いたしましたように消費が約五千三百七十万トン、これは精炭でございますが、それから雑炭が四百五十万トン、その結果として三十七年度に繰り越しされる繰越貯炭の業者手持ちが百九十五万トン、それから大口工場が五百四十万トンということになって、この繰越貯炭の数字が、三十七年度実績の一番上の欄にいくわけであります。これだけは余って翌年度の、三十七年度の繰越貯炭になって、一番上に業者貯炭と大口工場の貯炭、こういうことになって載っております。それから、生産が先ほど申し上げましたように精炭で五千四百万トン、雑炭が四百万トン、合計五千八百万トンの生産があって、それに輸入炭を加えたものが全体の供給。これに対して消費でございますが、三十七年度は、先ほど御説明をいたしましたように、景気調整の非常な影響を受けまして、精炭で五千三百万トン、その他で約四百万トンという需要になりまして、その結果として繰越貯炭が業者のほうで三百十八万六千トン、したがって、これは左の欄のほうと比べていただけばわかりますように、約百万トン貯炭がふえたということになって参りまして、これは大臣が御説明なさったように、去年の七、八月ごろ非常に貯炭がふえるということで、生産制限を片方でやりますと同時に、市中金融機関に、通産省として強い要請をいたしまして貯炭融資をやっていただいておるわけであります。その結果、貯炭は百万トン程度ふえまして、繰越貯炭が業者で三百十八万トン、大口工場で約五百万トンというものが繰り越しになってきておるわけでございます。
#36
○田畑金光君 そのあたりでけっこうだと思いますが、今局長の御説明のとおり、繰越貯炭が業者あるいは工場手持ちを入れて八百三十万トンにのぼっておるわけで、これは正常貯炭という観念から見た場合に、どの程度過剰と見るべきなのか。今お話は百万トン前後というようなお話でしたが、百万トン前後の過剰貯炭で新たな年に、三十八年度に繰り越すと見ていいのか、この点はどうでしょうか。
#37
○政府委員(中野正一君) これは、正常貯炭がどの程度かということは、人によっても見方が違いますし、なかなか判定はむずかしいと思いますが、役所ベースで今までいろいろ議論をしております際には七百五十万トンから八百万トン、需要家の手持ちと業者手持ちと合わせまして、その程度が大体ノーマルではないかというふうに見ております。したがって、この貯炭は三十七年度末が、このとおりの数字になれば、やや過剰ぎみというふうにお考えになってもいいのじゃないかと思います。
#38
○田畑金光君 これから三十八年度が始まっていくわけですけれども、例年のことですが、夏向きで、石炭の需要は季節的にも下向いていくということが予測されるわけです。それから重油に対する需給の見通しというのをみると、この面は著しく需要がふえていくということが資料の中にもはっきり出ておるわけです。そこで一つは、今年の経済活動の動きというのが、どういうカーブを描いていくかということによって、石炭の需要に対する影響ということも予測されようと思っておりますが、三十八年度については、これは先ほど質問でお答えになったかもしれませんが、どういう需給関係をもとに石炭局としては計画を立てておられるのか、明らかにしてもらいたいと思うのです。
#39
○政府委員(中野正一君) 三十七年度につきましては、今先生の御指摘にたりましたように、やはり景気調整の影響を、相当私は受けておるというふうに見ております。三十八年度は、御承知のように、下期好転といいますか、秋口からよくなる、もうちょっと早くよくなるのではないかという経済企画庁あたりというか、いろいろ関係者の間でも、そういう議論がされておるようでありますが、そこらとも非常に影響がございます。と申しますのは、このうち電力は、先ほどちょっと申し上げましたが、来年度は二千五十万トンということで給電量がきまっております。それからセメントも、これは調査団の段階で見通したものよりは非常に需要も強うございますので、できるだけ石炭を使う気分を出させるという行政指導をやっておりますので、調査団ベースで考えたよりは、やや楽観できるのじゃないか、手の打ちよういかんによってはですね、ただ暖厨房用炭につきましても比較的需要は強く、先ほどもちょっと貯炭が相当ふえておるということを申し上げましたが、そのうちの大部分は、いわゆる原料炭でございまして、これももっぱら鉄鋼の生産が、当初、われわれが三十七年度について考えたものよりも、うんと減っておりますので、減産をやっておりますが、その影響は非常に強く受けております。それにもかかわらず、鉄鋼業としては六百六十万トンの本年度の国内炭の引き取りの長期的な契約というと悪いかもしれませんが、取りきめでございますね。この線に沿って引き取っております。それだけ輸入炭のほうを減らしております。そういうことで、鉄鋼あたりの出銑がどうなるかということで、それも実は、最終的にまだ、鉄鋼業界なり通産省としてもきめられないような状況でございます。しかし、今計画を作るとなると、どうしてもやはり鉄鋼業界としても、需要の先行きについて非常に悲観的でございますので、少し低目の出銑計画が出てくるのじゃないか、したがって、これは下期あたりになってもう一度やはり見直すことをやる必要があるのじゃないか、景気が予定どおりに上昇カーブに行けば、これは鉄鋼の生産もふえてくるのじゃないかというふうに期待しておりますが、そこらで見方が非常に違って参りまして、いろいろな計算をやっておりますが、五千四百万トンという数字も出ております。五千五百万トンに近づけた、努力目標として近づけた数字も今作って、いろいろ各方面と折衝いたしております。
 ただ、先ほどもちょっと御質問にもございましたが、来年の見通しについて、石炭業界は非常に悲観的な見通しをしておることは、これは何も一致した意見じゃありませんが、業界の人が相当悲観的な見方をしておられることは事実でございまして、それで新聞あたりにも、ちらちらと出ておったかと思いますが、一説には五千二百万トンくらいしか実際の需要がないのじゃないかというようなふうな悲観論を言う方もあるのであります。政府としては、先ほど来大臣が御答弁になっておられますように、できるだけ五千五百万トンの線を確保するように、目下各方面と折衝をいたしておるわけであります。この間、五日の口に需給部会を開いていただきまして、各石炭鉱業審議会の先生方にも、いろいろディスカッション願った。これは予備的なディスカッションでございまして、何も三十八年度の問題をきめる会議じゃございませんが、その際にも、問題点を全部提出いたしましてやったのでありますが、なかなか五千五百万トンが簡単に確保できぬ、政府が幾ら努力しても、なかなかむずかしい問題じゃないかというような意見が相当あった次第でございます。何とか需要確保については最後までわれわれとしても努力を続けたいというふうに考えております。
#40
○田畑金光君 今、局長のお話で、セメントについても、急カーブの減少措置は防げた、ある程度需要業界との話し合いがついて、セメント部門の石炭需要についても、そう悲観的な見通しではないというお話ですが、この表によりますと、三十六年度のセメントの需要が三百七十四万トン、三十七年度が三百三万トン、約七十万トン減になっておりますね。三十八年度はどの程度セメント部門として、石炭需要の確保ができるという行政指導というか、話し合いになっているのですか。
#41
○政府委員(中野正一君) 実は調査団のベースでは、非常にセメントについては悲観的でございまして、四十五年度あたりになると、もう三十万トンくらいになるのじゃないかというようなこともありましたが、いろいろこれは努力をいたしまして、セメントについては四十二年度が百五十万トン、大体現在の半分程度でとどめたい、これには相当強力な行政指導を通産省なり、政府はやるべきであるというのが調査団の答申でございます。もちろんこれは、表に数字は出してございませんが、大体、そういうような感触で言っておりまして、この数字がどのくらいになるかということは、まあ今、いろいろ来年度のセメントの生産目標等々とにらみ合わせまして、あるいは産炭地に、どの程度セメント工場ができて、消費がふえるか、それからやはり産炭地以外のところでは、本年度の石炭から油への転換も、相当通産省としては努力をしたわけでありますが、どうしても転換をせざるを得ないという情勢になっている面もありまして、今のところは二百三十万トン程度には、これの減少に対し、二百三十万トンの程度の確保……。
#42
○田畑金光君 三十八年度ですか。
#43
○政府委員(中野正一君) 三十八年度が、その程度には何とかもたしたい、こういうつもりで作業をいたしております。
#44
○委員長(堀末治君) 速記をとめて。
  〔速記中上〕
#45
○委員長(堀末治君) 速記を起こして。
#46
○田畑金光君 局長に今の点、三十六年度から三十七年度の一年間、七十万トン減、またセメント部門の需要確保については、今、石炭局長お話のように、相当努力されているにしても、三十八年度は、また前年に比べると七十万トン減、こうなっていきますと、結局調査団答申のとおり、四十五年あたりには、これはもうセメント部門における石炭需要というものは、もうゼロにひとしくなりはせぬかという、急カーブで下っていっているわけですね。
 そこでその見通しはまさにそのとおりであろうと思いますが、よくセメントの石炭用キルンの増設というか、維持というか、これについて政府が強力な行政指導をされていると言われておりますが、強力な行政指導の内容は、どんなことをセメント部門になされておられるのか、その内容をちょっと御説明願いたいと思うのです。
#47
○政府委員(中野正一君) これは当初、従来からあります石炭のキルンの転換をとめるべきじゃないかという議論が相当、通産省でありまして、われわれもそういう議論をしたのですが、これはいろいろ業界とも話し合いをして見たのですが、どうしても、今の石炭と油の値段からいうと、相当値開きがありまして、非常にコストに響くということで、やはり産炭地から遠いところではどうしても、これは各業界の競争の問題もありますが、特に一部でありますが、輸出もやっておりますし、どうしても、これはそういう指導はできるだけやってはおりますが、これを何と言いますか、強権的にとめるという手も、実はもうないということで、今度は逆に、やはり経済的な合理性というものも、やはり今からやっていかなければならぬということで、やはり産炭地でやれば、油とそう価段も違わぬわけですから、しかもそれは主として石炭産業に従事している人が、直接の会社か、あるいは系列会社を作ってやらせるというようなことでやれば、安定した石炭のセメント用需要が確保できるのじゃないか、こういうことで、先般来通土産省では産炭地にセメントの石炭専焼のキルンを作る場合には、これに優先的に開発銀行の金をつけるという方針をきめまして、実はそれまでは、そういう例は多くないのですが、産炭地で重油を使うキルンに政府資金を一部出したというようなこともありまして、そういうことでは非常に困るということでありまして、九州では、たとえば麻生産業であるとか、宇部興産であるとか、それから三菱も、たしかそうだったと思いますが、いわゆる三井鉱山ですね、そういうところが、今名乗りを上げて、石炭専焼のキルンを増強したい。セメントの需要は御承知のように、相当まだふえて参りますから、その意味で、そういう積極的なひとつの応援をして、セメント用の石炭需要を確保したいということで指導をやっておるわけでございます。
#48
○田畑金光君 そうすると、このように理解してよろしいわけですね。既存のセメント業界で、石炭のキルンを他に転換するについては、私企業の立場もあるし、輸出産業という性格もあるし、政府としてはもなかなかそれを抑えることはできない、その部門においては、どんどん減っていくわけですね。私の知っておるある大手の会社等でも、秩父セメントに年間二十万トン石炭を入れていたが、過般来、これがとめられた。こういうことで、大手の会社であっても、非常な需給関係のアンバランスを招いておる事例を私は見ておるわけです。
 そこで政府の方針としては、結局産炭地等で石炭業者がセメント産業等、従来やっておる、あるいは今後興していく、そういう場合に、増設、新設に対して、金融面のいろいろな援助措置、その他を講じて、セメント部門における石炭需要の確保をはかっていきたいもそのあとのほうに重点を置いてやっていこうというわけですね。
#49
○政府委員(中野正一君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
#50
○田畑金光君 そうしますと、今具体的な事例として、宇部興産であるとか麻生産業とか例をあげられましたが、石炭業者で、現在セメント産業を現にやっているところは、どういうところなのか、これから新しく興していこうというのは、どういうところが名乗りをあげてきておるのか、その辺をひとつ御説明願いたいと思います。
#51
○政府委員(中野正一君) ちょっと私も正確には……、またよく調査をいたしてからあれしたいと思いますが、私が今、ちょっと気がついているのは、たとえば麻生産業、それから三菱セメントでございますね、これは三菱鉱業の子会社になっているのじゃないかと思います。それから宇部興産、そういうところだと思います。またこういうところが、みな増設なり新設の計画を持っておるようであります。それから三井鉱山も、また最終的には決定しておりませんが、これも三井セメントと別会社になるのか、そこらもよくわかりませんが、いずれにしても三井鉱山の系統でセメント工場を新設したいという計画を進めておることは聞いておるわけでございます。
#52
○田畑金光君 その場合、新設あるいは増設について、開銀のほうから建設費等については、融資の便宜をはかるというお話ですが、これは話がついておるのか、そうやりたいという政府の希望を、先ほど来答えておられるのか、その点は、どうなのですか。
#53
○政府委員(中野正一君) 方針は、先般きめまして、関係方面にもお願いをしておるわけでございまして、ただ、具体的にどこの会社がどの程度の計画を進めて、たとえば開発銀行へ申請をして、通産省が推薦をしたとか――今一部、麻生産業なんかについては、相当計画が進んでおりますから、やっておると思いますが、この点は、まだそういう計画は、はっきり出て参りますれば、通産省で検討して、そうして開銀は推薦制度になっておりますから、当然開発銀行としても、こちらの意見も十分聞いてやってくれると思いますので、そういうふうに取り計らいたいと思います。
#54
○田畑金光君 通産大臣はまだ来ませんか。
#55
○委員長(堀末治君) 間もなく参ります。
#56
○田畑金光君 それで、通産大臣がおられたところで、大臣の答弁をお聞きしたほうが、だんだん政治的になっていく問題ですから、いいと思いますけれども、先ほど大矢委員の質問にお答えになって――聞いておりましたが、電力との話し合いですね、九電力会社との話し合いですが、三十八年度に二千五十万トン、電力会社が引き取ることは約束してくれた、こういうわけですが、それはけっこうなことでございまして、三十八年度二百五十万トン、当初予定よりも余計九電力会社が引き取るわけですが、その引き取るために、電力会社が経理上幾らマイナスをかぶることになるのか、そのマイナスについて、政府はどういう補償措置を講ずることに話し合いがついておるのかその点をひとつ。
#57
○政府委員(中野正一君) 今の最初の御質問の点は、油の値段をどう見るか、どういうたき方をするかということによって非常に計算のむずかしい問題でございまして、相当なやはり油をたくかわりに石炭をたくという計算をしてみれば、これは相当の負担増になることは間違いないのですが、これはいろいろな計算はございますが、これに対しては、政府としては、そういう計算上出てきた負担増を全部見てやるというようなことでなくて、これは政府の方針として先般きまりましたように、原油関税の戻しを、今まで四%戻しておりましたのを六%追加をいたしまして、一〇%の関税の戻しを現実に電力会社にするということで、いわゆる負担増対策というものは、これで解決したというふうに見ておりますし、また電力業界のほうも、そういう政策を政府でとってもらったこととも関連をして、三十八年度の二百五十万トンは必ず引き取る。それから四十二年度の二千五百五十万トン、それから四十五年度三千万トンの引き取りにおきまして協力をする。したがいまして、今後の石炭専焼の発電所を、どういうふうに作るかということも、二百五十万トンの引き取りの問題が片づきますれば、直ちに九電力としては、計画の組み直しを、将来の発電所建設計画の組み直しをやる、こういうことになっておるわけであります。
#58
○田畑金光君 ちょっと速記をとめて……。
#59
○委員長(堀末治君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#60
○委員長(堀末治君) 速記を始めて。
 本件に対する本日の質疑は、この程度にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○委員長(堀末治君) 御異議ないものと認めます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時一分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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