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1962/05/23 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 石炭対策特別委員会 第8号
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1962/05/23 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 石炭対策特別委員会 第8号

#1
第043回国会 石炭対策特別委員会 第8号
昭和三十八年五月二十三日(木曜日)
   午前十一時三十六分開会
  ―――――――――――――
   委員の異動
 四月一日
  辞任      補欠選任
   森 八三一君  大竹平八郎君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     堀  末治君
   理事
           徳永 正利君
           剱木 亨弘君
   委員
           川上 為治君
           亀井  光君
           岸田 幸雄君
           高野 一夫君
           二木 謙吾君
           武藤 常介君
           吉武 恵市君
           阿部 竹松君
           大河原一次君
           柳岡 秋夫君
           二宮 文造君
           田畑 金光君
  衆議院議員
   発議者     多賀谷真稔君
  国務大臣
   通商産業大臣  福田  一君
  政府委員
   通商産業省石炭
   局長      中野 正一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞壽君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改
 正する法律案(内閣送付、予備審
 査)
○石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を
 改正する法律案(内閣送付、予備審
 査)
○電力用炭代金精算株式会社法案(内
 閣送付、予備審査)
○石炭鉱害賠償担保等臨時措置法案
 (内閣送付、予備審査)
○臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正す
 る法律案(内閣送付、予備審査)
○石炭鉱業経理規制臨時措置法案(内
 閣送付、予備審査)
○重油ボイラーの設置の制限等に関す
 る臨時措置に関する法律の一部を改
 正する法律案(内閣送付、予備審
 査)
○産炭地域の中小企業者等に対する特
 別措置法案(衆議院送付、予備審
 査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(堀末治君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。四月一日、森八三一君が委員を辞任され、その補欠として大竹平八郎君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(堀末治君) 次に、理事の補欠互選についてお諮りいたします。ただいま御報告いたしましたとおり、大竹平八郎君が再び委員になられましたので、この際、理事の補欠互選につきまして、慣例によって委員長から理事の補欠に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(堀末治君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(堀末治君) 次に、石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案、電力用炭代金精算株式会社法案、石炭鉱害賠償担保等臨時措置法案、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案、石炭鉱業経理規制臨時措置法案、重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案(いずれも予備審査)の七法案につき、便宜これを一括して議題といたします。
 それでは提案理由の説明を順次お願いいたします。福田通産大臣。
#6
○国務大臣(福田一君) 石炭鉱山保安臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
 石炭鉱山保安臨時措置法は、転換期における石炭鉱業の保安対策として、保安を確保することが困難な石炭鉱山における鉱業の廃止を円滑に行なわせること等を目的として、昭和三十六年十二月二十五日から、昭和三十八年十二月二十四日までの限時法として制定され、自後、保安確保上著しい効果を上げて参ったのであります。しかし、その後、石炭鉱業にかかわる経済情勢が著しく変化し、これに伴って、現行法の有効期限後に当たる昭和三十九年におきましても、保安上すみやかに鉱業を廃止させることを必要とする事態に至る石炭鉱山が、なお少なからず発生するおそれが出て参りましたので、このたび、本法の有効期限を昭和三十九年十二月二十四日まで一年間延長して、以上のような事態に至る石炭鉱山における鉱業の廃止を円滑に行なわせる等の措置を講じて、保安の確保に万全を期することとした次第であります。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。
 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 石炭鉱業の不況の実情に対処して、政府におきましては、従来から施策の充実に努めてきたところでありますが、昨年末、石炭鉱業調査団の答申に基づき、石炭対策大綱を閣議において決定し、今後の石炭対策の基本方向を確立した次第であります。
 石炭鉱業の自立と安定をはかるためには、需要の確保を初めとし、近代化、合理化による生産体制の確立、資金の確保、雇用の安定等の諸対策を総合的に講ずることが必要でありますが、これらの対策を一そう推進するための立法措置として、石炭鉱業合理化臨時措置法の一部改正を提案した次第であります。
 との法律案の内容の第一点は、法律の目的を拡大し、単に石炭鉱業の合理化のみならず、その安定をもはかるべきことに改め、これに伴い、石炭鉱業審議会は、石炭鉱業の合理化に関する重要事項のみならず、その安定に関する重要事項をも調査審議するものとしたことであります。
 その第二点は、石炭鉱業の開発増強及び合理化整備の緊要性にかんがみ、石炭鉱業合理化実施計画の一部として整備計画を定めることとするとともに、これに伴い、炭鉱離職者の再就職計画を定めることとしたことであります。
 その第三点は、石炭鉱業における請負夫の使用は限定的に認めることとし、一定の坑内作業について請負夫の使用を事前承認にかからしめることとしたことであります。
 その第四点は、電力用炭を中心とした石炭需要の確保と炭価の安定をはかるため、従来の標準炭価制度にかえて基準炭価制度を設け、政府は、毎年、石炭鉱業審議会の意見を聞いて、石炭の販売価格の基準額を定めるとともに、従来の勧告と指示のほかに、基準炭価によるべきことを勧告することができることとしたことであります。
 その第五点は、石炭鉱区の調整を、従来のように、未開発炭田の指定地域に限らず、広く一般的に行ない得ることとしたことであります。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さるようお願い申し上げます。
 電力用炭代金精算株式会社法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 石炭価格の安定と需要の確保は、石炭鉱業の自立と安定をはかるための諸施策の前提となるものであります。政府は、このだめに電力、鉄鋼等、大口需要業界に対して石炭の長期引取りの増量をかねがね要請いたしております。また、一方、石炭の流通合理化の推進をはかっておりますが、その推進母体の実現が望まれておりました。そこで、石炭の長期引取契約の履行を促進し、また、引取炭価の安定的維持に資するとともに、流通合理化の推進のための立法措置として電力用炭代金精算株式会社法案を提案した次第であります。
 この法律案の内容の第一点は、電力用炭代金精算株式会社の組織及び事業等についてであります。
 この会社は、電力用炭の代金の受け渡しに関する事業及び石炭の流通の合理化に資するための銘柄整理、輸送の共同化、配船調整、流通合理化設備の管理、運営等の事業を行なう一部政府出資の株式会社であります。
 この法律案の内容の第二点は、電力用炭代金の受け渡しの規制についてであります。電気事業者及び石炭の販売業者は、電力用炭の代金の受け渡しをしようとするときは、電力用炭代金精算株式会社を経由して行なわなければならないことといたしました。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さるようお願い申し上げます。
  ―――――――――――――
 石炭鉱害賠償担保等臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 最近における石炭鉱業の整備の進展に伴い、事態の変化に即応した有効適確な鉱害対策を求める地域社会の声が高まっていることは、御高承のとおりであります。
 特に、炭鉱閉山後において発生する鉱害の処理及び石炭鉱業の資金事情の悪化による賠償遅延によって、現地の生活不安は深刻なものとなっているのでありまして、この際、鉱害賠償資金の確保をはかり、鉱害処理を確実に、しかも、円滑に行なわせるための対策を講ずることがぜひとも必要であると考えられるのであります。
 この法律は、このような現状認識に立ちまして、十分な鉱害賠償のための担保をあらかじめ積み立てさせ、賠償担保制度を充実させるとともに、その見返りに、担保として積み立てられた資金に政府資金を加えたものを財源として、長期低利の賠償資金融資を行ない、鉱害の被害者の保護を手厚くすると同時に、石炭鉱業及び亜炭鉱業の健全な発達に資することを目的とするものであります。
 この法律案の主要な内容の第一点は、石炭または亜炭を目的とする鉱業権者または租鉱権者は、その鉱区または租鉱区に関する鉱害の賠償のための担保として、毎年度、将来発生することが予想される鉱害量に即して、鉱害賠償積立金を積み立てなければならないことといたしたことであります。この鉱害賠償積立金は、鉱害賠償の担保でありますので、被害者は、これについて従来の供託金と同様に、優先弁済を受ける権利を有することとしております。
 第二点は、この法律の目的を実現するため必要な業務の実施機関として、全額政府出資の特殊法人鉱害賠償基金を設立し、鉱害賠償の担保の管理及び鉱害賠償に必要な資金の貸付の業務を行なわせることとしたことであります。
 なお、この法律は、石炭鉱業及び亜炭鉱業による鉱害について特別措置を必要とする期間の暫定措置とする観点から、臨時石炭鉱害復旧法の期限に合わせて、昭和四十七年七月末までの措置とすることといたしました。
 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。
  ―――――――――――――
 臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 臨時石炭鉱害復旧法が昭和二十七年に制定されて以来、石炭鉱害対策は、これを中心として展開されてきたのでありますが、政府といたしましては、昨年三月末に答申を得ました石炭鉱害対策審議会の結論を中心に、最近の鉱害処理対策に関する種々の要請を勘案いたしまして、臨時石炭鉱害復旧法の改正につき検討を加え、ようやく成案を得ましたので、改正案を国会に提案し、御審議を願うこととした次第であります。
 改正案の第一の要点は、鉱害の復旧工事を施行する際に、その土地を従前の用途のまま復旧することが著しく困難であり、または不適当であると認められる場合は、それにかえて、他の用途に供される土地として復旧する工事を施行することができることとしたことであります。
 第二の要点は、閉山炭鉱の鉱害復旧を促進するための措置として、閉山炭鉱の鉱害が発生している地域であつて、鉱害復旧を急速に行なう必要があるものについては、まず通商産業大臣が地域指定を行ない、その地域内の被害者が被害者総数の多数の同意を得て申し出をした場合には、鉱害復旧事業団は、その申し出を十分に考慮して復旧計画を作成しなければならないこととしたことであります。
 改正案の第三の要点は、鉱害復旧事業団に対する国庫補助を増額して、無資力鉱害に伴う被害者救済措置の充実をはかることとしたことであります。
 その他この改正案では、賠償義務者がいなくなった鉱害を復旧の対象に加え、農地復旧の際の納付金算定基礎の修正を行ない、また、鉱害に関する科学技術による調査を行なう鉱害調査員の制度を法制化することといたしております。
 以上がこの法律案の内容及びその提案理由であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。
  ―――――――――――――
 石炭鉱業経理規制臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 御承知のように、石炭鉱業は、世界的なエネルギー革命の影響を受けて、非常な苦境に当面しておりますが、その自立と安定をはかるため、政府といたしましては、昨年末、石炭鉱業調査団の答申に基づいて石炭対策大綱を決定し、今後の石炭対策の方向を確立するとともに、石炭の需要確保、生産体制の確立、雇用の安定、資金の確保、産炭地域の振興等につきまして、できる限り手厚い対策を講ずることとし、とれに必要な予算、立法措置等につきましては、本国会に提案して御審議をお願いしている次第であります。
 石炭鉱業に対しては、このような手厚い助成措置を講ずることによって、初めてその経営と雇用の安定をはかり得るのでありますが、これらの措置が十分の効果を上げるためには、これを受ける石炭鉱業の側において適正な経理と妥当な事業運営が行なわれることが同時に必要であります。この見地から、石炭鉱業の経理の規制に関する臨時立法措置としてこの法律案を提案いたした次第であります。
 この法律案の内容は、この法律の規制対象については、石炭鉱業合理化事業団並びに日本開発銀行から相当多額の資金を借り入れている石炭企業を指定会社として指定するとともに、指定会社は、その利益金の処分について通商産業大臣の認可を受けなければならないこととし、また、毎営業年度、その事業計画と資金計画を通商産業大臣に提出させて、必要がある場合にはその改善勧告ができるものとし、これらの措置により、石炭鉱業の合理化の円滑な実施と、資金の効率的運用をはかることといたしております。
 なお、通商産業大臣は、毎年定期的に指定会社の業務及び経理の監査を行ない、経理規則の実効を期することにいたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さるようお願い申し上げます。
  ―――――――――――――
 重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。
 重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律は、昭和三十年に石炭鉱業合理化臨時措置法が制定されました際に、石炭と競合関係にある重油を使用するボイラーの設置を制限することによって、適正規模の需要を確保して石炭鉱業の合理化達成に寄与することを目的として制定され、次いで昭和三十五年に石炭鉱業合理化臨時措置法の一部改正に際し、この法律の有効期限を三年間延長して、昭和三十八年十月三十一日まで効力を有するものとしたところであります。
 この間、政府におきましては、石炭鉱業の自立と安定をはかるため、施策の充実に努めて参りましたが、エネルギー事情の変動等もあって、石炭鉱業の不況の実情はいよいよ深刻化したのであります。政府としては、これに対処して、昨年来、石炭鉱業調査団の答申に基づき、石炭対策大綱を閣議において決定し、今後の石炭対策の具体的方向を確立した次第であります。
 この石炭対策大綱に基づく諸措置を講ずるための所要の立法措置につきましては、さきに石炭関係の六法律案を初めとする諸法律案をこの通常国会に提出いたし、御審議いただいておりますが、今回さらに石炭需要確保対策の一環として、この法律の有効期限をさらに昭和四十二年三月三十一日まで延長することとした次第であります。
 なお、この法律の有効期限の延長にあたりましては、石炭鉱業の自立と安定の達成の障害とならない範囲内におきまして、この法律の規制対象から除外される小型ボイラーの範囲を拡大することとし、中小企業の合理化、近代化に配慮いたしております。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。
  ―――――――――――――
#7
○委員長(堀末治君) 次に、産炭地域の中小企業者等に対する特別措置法案を議題といたします。
 発議者から提案理由の説明をお願いいたします。衆議院議員多賀谷真稔君。
#8
○衆議院議員(多賀谷真稔君) 産炭地域の中小企業者等に対する特別措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、石炭鉱業の不況によりまして、産炭地域内に事業場を持っている中小企業者は、購買力は減退し、土地、店舗の担保価値は低下し、事業の経営は著しく困難を来たし、閉店、倒産も相次いでいる実情にあります。終、閉山する炭鉱の石炭業者及びその労働者に対しましては、不十分とはいえ、一応終、閉山対策が講ぜられているところでありますが、これらの中小企業者とその労働者につきましては、今日まで何らの施策もとられていないのであります。政府の調査によりましても、産炭地域における中小企業者の炭鉱への売掛金は百二十億円にのぼるといわれ、そのうち、約二割は取り立て不能という深刻な状態に置かれております。政府の合理化計画では、今後炭鉱の整備は一そう急激に行われようとしておりますので、関連中小企業者の受ける犠牲はさらに大きくなることは必至であります。したがって、炭鉱合理化のしわ寄せを直接受けるこうした中小企業者並びにその事業場に働く労働者に対して特別の考慮を払うことは、国のなすべき当然の責務であると思うのであります。ここに、本法案を提出した次第であります。
 以下、簡単に本法案の内容について御説明申し上げます。
 第一に、石炭鉱業合理化事業団は、採掘権を買収した石炭業者及び廃止事業者が、産炭地域内に事業場を有する中小企業者に対して、負担している代金支払債務については整理交付金の別ワクを設け、代位弁済をすることといたしました。
 第二に、田は、産炭地域の中小企業者が、石炭不況によって移転または事業の転換をする場合、及び石炭鉱業にかかる売掛金の回収が困難なために事業経営に支障を来たしている場合、これらの中小企業者に対して、国民金融公庫、中小企業金融公庫の貸し付ける資金ワクの増大、貸付条件の緩和及び手続の簡素化をはかるよう努力することといたしました。
 第三に、産炭地域の中小企業者に対する資金の融通の円滑化をはかるため、中小企業信用保険法の特例を設け、産炭地域関係保証については、一般の保証の付保限度額と同額の付保限度額を別ワクで設けるほか、保険金額の填補率を百分の九十に引き上げ、また、保険料を引き下げる措置を講ずることといたしました。
 第四に、国は、石炭鉱業の不況によってその事業を廃止した者に対して廃業手当を支給することといたしました。
 第五に、雇用促進事業団は、廃止中小企業者及びその労働者を雇い入れる事業主に対して、雇用奨励金及び労働者住宅確保奨励金を支給することといたしました。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重ご審議の上、ご賛同下さるようお願い申し上げます。
#9
○委員長(堀末治君) 次に、各法案の細部について補足説明を要する点がございますから、政府委員のほうから説明を願います。
#10
○政府委員(中野正一君) それでは、お手元にお配りしてあります資料に基づきまして、簡単に御説明申し上げたいと思います。
 最初に、石炭鉱害賠償担保等臨時措置法案について御説明申し上げます。その中に法案の要綱がございますので、その要綱をごらんいただいたほうがわかりいいかと思います。提案の趣旨につきましては、先ほど来、大臣が御説明されましたので、重複する点は省略したいと思います。
 第一は、鉱害賠償の担保の積み立てということで、従来、御承知のように、供託金制度というものがございましたのですが、これを変えまして、鉱害賠償積立金を、将来発生すると予想される鉱害の賠償に要する費用の二分の一以内で通商産業局長が毎年算定いたしまして、それを鉱害賠償基金――今度この法律によりまして特殊法人を作りますが、ここに積み立てられる。従来の供託金からいいますと、大体今度の積立金は供託金予算の三倍程度のものになるのじゃないかというふうに一応予想いたしております。
 それから、もちろん以下にありますように、被害者は優先弁済を受ける権利がある。鉱業権者なり租鉱権者は、鉱害賠償を実施したならば、その積立金ですから、その積立金を取り戻せる、こういうことになっております。
 それから鉱害賠償積立金の基金に積むわけでありますが、これに対しては一定の利子を支払わせるというつもりでおります。従来の供託金は二分四厘ぐらいでございますが、今度の積立金につきましては四分五厘程度の利子をつけてやるという考えでございます。
 第三の、賠償基金でありますが、これは政府が三億出資をいたして特殊法人を作りました。それに今申し上げました毎年鉱業権者が積み立てる金が大体五億ぐらいというふうに考えております。それから、それ以外に、従来の鉱業法によりまする供託金制度を、これは法務省に積んでおるわけでありますが、これが大体五億弱今残っておるのでありますが、これを全部今度の基金に引き継ぐということになりますから、政府出資が三億、積立金が約五億、供託金の残りが約五億ということで、約十三億近い金が基金にできるわけでありまして、これを運用いたしまして、鉱害賠償をやる場合に、それに必要な資金を低利で鉱業権者なり租鉱権者に貸してやる。これは大体今のところでは金利は六分五厘ということで考えております。
 それから、基金の機構につきましては、できるだけ簡素、強力といいますか、要するに、非常に簡素なものにいたしたいということで、役員として理事長一人、理事二人、監事一人、理事長は、実はこれは鉱害復旧事業団の適当な方に兼任していただくというつもりであります。
 それから、なお、この基金につきましては長期、短期の借入金ができ、また、債券も発行することができるという規定にいたしておるわけであります。そういうことで、供託金制度との関係は、この法律は昭和四十七年七月末までありますので、その間は、現在の供託金制度は積立金にかわるわけでありますから、眠らせる、こういうことであります。
 もう一つは、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案でございますが、これも要点は大臣がいわれましたが、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案要綱をちょっとごらんいただきたいと思います。
 第一に、復旧工事の特例、従来は、農地でありますと、必ず農地に復旧するということが法律の建前であったのでありますが、これを、たとえば農地に復旧することが非常にむずかしい、あるいは不適当であるという場合には、ほかの、たとえば宅地でございますが、宅地にできる。
 二番目が、鉱害復旧を特に急速に急がなければならないときは、通産大臣が地域指定をいたします。そして、その地域の被害者の三分の二以上の同意があれば、復旧事業団に復旧工事を早く着工させるようなことができるという規定が第二でございます。
 第三は、賠償義務者が、解散したというようなことで、実際上いなくなったというような場合には、従来の無資力鉱害の扱い――無資力鉱害になりますと、国と地方公共団体が、鉱業権者がいないわけでありますから、これにかわって鉱害復旧工事をやるわけであります。それの金を出すわけでありますが、そういう解散した場合毛無資力扱いにする。
 それから、納付金の算定というのは、従来は、農地の復旧につきましては、復旧費が反当たり二十五万円までのものしか復旧工事の対象にならない。したがって、国庫補助の対象にならないということになっておったのでありますが、これを反当たり復旧費は三十五万円かかってもこれを補助対象にする、第四の納付金の算定というのはそういう意味でございます。
 第五は、無資力鉱害になった場合に、たとえば暫定補償が出ようがない、あるいは灌漑排水施設をやって、鉱業権者がその維持管理の金を出しているわけでありますが、その鉱業権者が無資力になったり、解散していなくなったのでありますから、そういうものについては、国が灌漑排水施設の維持管理費を出す、あるいは無資力の場合も、暫定補償につきましても国が出すということにして、これは鉱害復旧事業団に対する国庫補助をふやす、そうして法律改正でそういうものにも金が出せるということにいたしておるわけであります。
 最後に、鉱害調査員が現在ありますが、これを法制化するというのが臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案の中味でございます。
#11
○委員長(堀末治君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#12
○委員長(堀末治君) 速記を始めて。
#13
○二宮文造君 要望ですが、小野田の大浜炭鉱ですか、あの事故につきまして、次の委員会にでも説明を受けたいと思います。
#14
○委員長(堀末治君) いずれ理事と協議して……。
 本日は、ただいまの説明を聴取しておいて、八法案に対する質疑は次回以降にいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(堀末治君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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