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1962/02/05 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 社会労働委員会 第2号
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1962/02/05 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 社会労働委員会 第2号

#1
第043回国会 社会労働委員会 第2号
昭和三十八年二月五日(火曜日)
   午前十一時三十三分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 十二月二十四日
  辞任      補欠選任
   山口 重彦君  柳岡 秋夫君
 一月二十二日
  辞任      補欠選任
   小柳  勇君  阿具根 登君
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     加瀬  完君
   理事
           鹿島 俊雄君
           高野 一夫君
           阿具根 登君
           藤田藤太郎君
   委員
           紅露 みつ君
           竹中 恒夫君
           丸茂 重貞君
           横山 フク君
           杉山善太郎君
           藤原 道子君
           柳岡 秋夫君
           小平 芳平君
           林   塩君
           村尾 重雄君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 西村 英一君
  政府委員
   厚生政務次官  渡海元三郎君
   厚生大臣官房長 熊崎 正夫君
   厚生大臣官房会
   計課長     今村  譲君
   厚生省公衆衛生
   局長      尾村 偉久君
   厚生省環境衛生
   局長      五十嵐義明君
   厚生省医務局長 尾崎 嘉篤君
   厚生省医務局次
   長       鈴村 信吾君
   厚生省薬務局長 牛丸 義留君
   厚生省社会局長 大山  正君
   厚生省児童局長 黒木 利克君
   厚生省保険局長 小山進次郎君
   厚生省援護局長 山本浅太郎君
   社会保険庁医療
   保険部長    竹下 精紀君
   労働省労働基準
   局長      大島  靖君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       増本 甲吉君
  説明員
   農林省農政局植
   物防疫課長   石倉 秀次君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○社会保障制度に関する調査
 (厚生行政の基本方針に関する件)
 (昭和三十八年度厚生省関係予算に
 関する件)
 (農薬による被害問題に関する件)
 (雪害対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(加瀬完君) ただいまより開会いたします。
 本日の委員長及び理事打合会において申し合わせました事項について報告申し上げます。
 本委員会における定例日は、従来どおり火曜日、木曜日とし、火曜日は厚生関係、木曜日は労働関係の審査及び調査を行なうことに申し合わせをいたしました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(加瀬完君) 委員の異動についてお知らせいたします。
 去る一月二十二日、委員小柳勇君が辞任せられまして、その補欠に阿具根登君が選任せられました。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(加瀬完君) 理事の補欠互選に関する件を議題といたします。
 委員の異動に伴って理事が一名欠員となっておりますので、その補欠を互選いたします。
 互選の方法は、便宜その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(加瀬完君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 それでは私より理事に阿具根登君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(加瀬完君) 社会保障制度に関する調査を議題といたします。
 厚生大臣より厚生行政の基本方針についての所信を聴取いたします。西村国務大臣。
#7
○国務大臣(西村英一君) 第四十三回国会における社会労務委員会の御審議に先だち、この機会に厚生省所管行政に関し、所信の一端を申し述べたいと存じます。
 私は、昨年七月厚生大臣に就任して以来、厚生行政の責任者として直接その衝に当たって参りまして、この行政がいかに国民の日常生活に直結した問題を取り扱い、国民の健康と福祉に関係する重要な役割を持つものであるかをあらためて深く認識した次第であります。
 厚生行政は、今日、社会保障施策の中枢として、わが国政治の上でも重要な地歩を占め、池田内閣の重要施策の一つとされているのでありますが、この行政を国民の要請にこたえ得るよう、さらに推進するためには、なお今後の改善に待つべき事項が少なくなく、各位の変わらぬ御支援のもとに微力を尽くして参りたいと考えるのであります。
 今日、わが国経済は、諸外国にも例を見ない高度成長を遂げつつあるのでありますが、この経済成長に即応しつつ国民の生活の安定と向上を期することは、今後の厚生行政に課せられた大きな課題であります。また、近年における人口構造の変革、すなわち老齢人口の増加と幼少人口の減少の傾向、あるいは人口の都市集中、農村の構造的変化等は、厚生行政の分野において、新たな角度でその施策の推進を求めております。
 厚生行政は、これらの社会的、経済的な背景を十分考慮しながら、推進する必要があると存じますが、今後の厚生行政の方向に関しましては、昨年八月の社会保障制度審議会の勧告を初め、関係各審議会から貴重な指標が示されており、私はこれら勧告の御趣旨もできる限り取り入れて今後の厚生行政については、次のような施策に重点をおいて参りたいと考えるのであります。
 まず第一は、経済成長に伴う国民生活の向上に即応して社会保障水準の向上をはかることであります。生活保護制度については、昭和三十六年度以来大幅な基準引き上げを行なってきたのでありますが、経済繁栄の成長を貧しい人々にもひとしく分ち与えるよう生活保護の内容充実には今後とも特段の努力をいたす考えであり、明年度においても、さらに生活扶助基準の一七%引き上げを中心にその改善を行ないたい所存であります。また、同時に、これら被保護者以外の一般低所得者に対する施策についても十分の配慮を加えたいと考えております。すなわち、従来、低所得者対策というと、どちらかといえば、生活保護制度に重点がおかれ、いわゆる低所得階層に対する施策が不十分であった感がするのでありまして、この点は、先の社会保障制度審議会の勧告においても指摘されているところであります。私は、特に、この面における施策の立ちおくれを取り戻すことが緊要であると考え、その改善強化の方策につき検討を続けているところでありますが、低所得者及び母子等に対する更生資金貸付制度の充実、身体障害者、精神薄弱者等に対するリハビリテーション対策の強化、福祉年金、児童扶養手当の改善等明年度以降の施策に漸次その成果を生かして参りたいと考えております。
 このほか、社会保障水準の向上に関しましては、医療保険及び年金制度の充実が重要であることは申すまでもないところであります。医療保険制度におきましては、特に国民健康保険の改善をはかることが緊要であり、明年度においては、世帯主の全疾病に対する七割給付を実施するとともに保険料負担の軽減につき特段の措置を講ずることといたしたいと考えております。なお、医療保険における診療報酬の地域差の撤廃については、本年九月より実現いたしたい考えであります。
 また、年金制度につきましては、さきにも述べました福祉年金の年金額の引き上げを中心にその給付改善をはかる考えでありますが、さらに所得保障の充実を期するため、厚生年金保険の給付改善をはかるべく現在その検討に着手しているところであります。
 第二は、人口構造の変動に対処して、幼少年及び老人に対する施策を推進することであります。
 近年わが国におきましては、幼少人口が減少する傾向にあり、近い将来における若年労働力の著しい不足が予想されているのでありますが、わが国の繁栄を期するためには、次代のにない手となるべき幼少年の資質の向上と能力の開発をはかっていくことが必要であると考えるのであります。このため、文教施策等の推進と相まって母子保健対策、青少年の健全育成対策、心身障害児対策等については、特に今後力を入れて参りたいと考えております。
 反面、今後老齢人口の増加の傾向にかんがみ老人対策の充実強化についても積極的な方策を打ち出して参りたいと考え、今国会に老人福祉法案を提出いたすこととしております。
 第三に、国民の日常生活の基盤となる環境衛生施設の拡充をはかることであります。特に、人口の都市集中に伴い、都市における屎尿、ごみ処理施設、上下水道等生活環境施設の整備は、当面の緊急課題とされておりますが、農業技術の革新、生活改善等により農村においても、またこれら施設の整備は緊要とされてきているところであります。このため、明年度以降昭和四十二年度までに年次計画をもって早急な整備をはかることとして、その第一年度である明年度につき所要の財政措置を講ずることとしております。これに関連して緊急整備計画の裏づけとなる法的措置を講ずるようその準備を進めているところであります。
 また、環境衛生に関連しまして、都市における大気汚染、騒音などのいわゆる公害問題は、近時国民の日常生活に著しい支障となって現われております。昨年制定をみた「ばい煙の排出の規制等に関する法律」の施行に万全を期すことはもとより、さらに公害に対する適切な対策を講じまして、国民の要請にこたえて参りたい所存であります。
 以上申し述べましたほか、各種社会福祉対策の推進、結核対策、精神衛生対策を初めとする疾病予防対策並びに栄養改善、保健指導等国民の心身の健康を保持するための施策の充実、医療機関整備特に僻地医療対策の強化、戦没者遺族等戦争犠牲者に対する援護の拡充、さらに近時とみに深刻な問題となりつつある麻薬禍に対処して取り締まり体制及び中毒者対策の整備強化等、厚生行政における重要課題は決して少なくないのであります。明年度におきましては、私はこれら各分野についても一段と努力を重ねたいと考えているところであります。
 最後に特に申し上げたいことは、今後厚生行政が円滑に推進され、国民によく浸透した成果をあげていくためには、社会保障の第一線に立って活躍される「人」を十分確保するとともに、その資質の向上をはかることが肝要であると考えられることであります。なかんずく、看護婦、保健婦、助産婦等の婦人技術者、社会福祉施設従事職員等についてはことさらこのことが痛感されるのでありますが、今後とも所要の方策を十分研究いたしまして、その組織的かつ計画的な育成に格段の努力をいたして参りたいと存じております。
 以上、厚生行政の今後の方向につき所信の一端を申し述べたのでありますが、明年度における関係諸施策を遂行するため、提案中の昭和三十八年度予算案においては、厚生省一般会計分として三千三百十三億円が計上されており、これは、本年度当初予算二千七百二十三億円に比較して五百九十億円、国家総予算の伸び率一七・四%を上回る二一・七%の増となっており、国家予算総額において占める比率は一一・六%となっているのであります。
 また、今国会には、上述の諸施策に関連して、さきにも述べました老人福祉法案等のほか、国民健康保健法等の一部改正法案、国民年金法及び児童扶養手当法の一部改正法案、麻薬取締法等の一部改正法案その他数件の法案を提出し、御審議をわずらわしたいと考えております。
 厚生行政における諸問題の解決と、この行政の進展を期して、私は今後とも誠意をもって努力する所存でありますが、ここにあらためて各位の一そうの御支援と御協力を切にお願いする次第であります。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(加瀬完君) 次に、厚生省関係の昭和三十八年度予算について説明を求めます。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#9
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。
#10
○政府委員(今村譲君) それでは厚生省関係の昭和三十八年度予算について御説明を申し上げます。
 お手元に厚生省所管の予算要求額主要事項別調というのを差し上げてございます。
 二つだけちょっとお断わり申し上げたいのは、これは予算書に書いてあります項目が非常に多くて、説明上不便でございますので、結核は結核、精神は精神というようにまとめまして、それぞれ抜き書きして一項目にまとめております。そういう点で予算書と対照が御不便かと思いますが、例年こういう式でやっておりますので、御了承願います。
 それから前年度予算額というのがありますが、当初予算ではありませんで、現在までに成立した第一次補正後の数字との比較でございます。予算書もそうなっておりますので、御了承いただきたいと思います。
 それでは総括的なことを省略させていただきまして、目次が四ページまでございます。その次の昭和三十八年度一般会計予算要求額というところから、重点的に申し上げたいと思います。
 一番の結核対策費につきましては、結核医療費――結核関係が百一億ふえましたが、(1)の下の医療療養費、これが六億八千万ほどふえております。これは備考の下にありますように、基本的なものは件数、単価の増でありますけれども、医療基準の改定分、これが五億八千万、それから地域差撤廃分、九月からこれが二千二百万というふうに二つの要素がございまして相当額ふえておるわけでございます。
 結核医療基準の改正につきましては、生活保護とか各所に出て参りますが、概括的に申し上げますと、四月から結核医療基準を大幅に改正をするということで、それに伴う国庫負担の総額が十六億五千九百万、約十六億六千万というものが各項目に医療基準改定に伴うものが入ってございます。その内訳で一番大きいものが結核予防の八億八千万、生保の二億一千五百万というふうなものでありますが、これは国保にも響きますが、総体として四月一日実施で十六億五千九百万というのが、国の予算補助あるいは国の負担ということで入ってございます。
 それから地域差の撤廃につきましては、九月一日から実施ということでありますが、これが国庫補助のはね返りも含めまして、全体で三十八億円ございますが、これはそれぞれの項目に大きいものは書いてございます。
 それから従業禁止命令入所患者費、これは備考にありますように六万二千六百十六人が、九万三千四百人ということで、総体三万七百八十四人の増、ちょうど四九%――約五割増しというものを命令入所でふやしたということに相なっております。
 次のページに参りまして、これにつきましてのやはり医療基準の改定分が二億九千七百六十八万六千円、地域差撤廃分が四億六千八十一万九千円というようなものが入ってございます。
 それから(2)の国立結核療養所につきましては二十億ふえておりますが、特に計上経費について申し上げることはございません。ただ、患者食糧費が三十七年度では百十五円、特別食も含めて一本でございましたが、来年度からは患者食糧費は百二十円、それから特別食を必要とするものは百五十円四十銭ということで二段式に区分してございます。この点だけの療養所だけの増加で約二億五千万円でございますが、相当大幅な増額になります。
 それから、あと雑件は省略さしていただきまして、番号二番の精神衛生対策費、この措置入院費補助金につきましては二十三億円の増でありますが、対象は四万六千三百十五人から五万二千八百人、六千四百八十五人の増でございます。これはもっとふやしたいのでありますが、何しろベッドの制約がございまして、これ以上はとてもふえないというような状況で、ぎりぎりのところでございます。これも地域差撤廃分が二億二千九百万ということで、一番下の摘要欄に書いてございます。
 次のページに参りまして四ページでありますが、精神病院の整備費、これは去年より四百ベッド増ということに相なっております。五千三百万円の増、それから五ページの三番原爆障害対策費、これが三億四千万ほどふえておりまして、前年度より四六%の増ということに相なりますが、一番の医療費、二番の健康診断費交付金、これは件数単価の増で大幅でありますけれども、これは数字はそのとおり入っております。変わりましたのは、次に六ページにありますが、原爆医療手当交付金というのが、千七百万が三・二倍ほどになっています。これは従来原爆治療期間中の入院外来患者に、月二千円、千円というふうな手当を出してございましたが、これが本人は所得制限ゼロ――所得がないものというふうなきつい支給制限がございましたので、これは四十二万円まで、当該世帯、五人世帯でありますが、四十二万円までの収入のある人については医療手当を出したいということなので、大幅な件数の増、約九千件が二万八千件ということに相なっております。
 それから保健所につきましても、ほとんど前年どおりの予算でございまして、特に申し上げることはございません。職員数で三百人くらいふえたということと、多少補助単価がふえたということでございます。
 それから五番のらい対策費、療養所運営費は特に申し上げることもございません。患者の慰安金が国立療養所その他と比較しまして若干の増加をいたしております。
 それから九ページに参りまして六番の伝染病予防対策費、これも(1)、(2)の予防費補助金、隔離病舎整備費補助金、これはほとんど前年どおり。(3)の地方病予防費等補助金は、若干(1)にありますように、溝を掘って、排水溝工事でありますが、三千万円ほどの増、五割増しくらいの額になります。
 次のページの十ページの上から三行目でありますが、新規に鉤虫病予防費補助金というのがございまして、茨城とか埼玉とかというような四県につきまして、新規に保健所を中心とした鉤虫病対策をやりたいということでございます。それから(4)の予防接種につきまして、一億二千七百万円の増でありますが、ソーク・ワクチンは昨年は六千万が一億一千六百万、約倍でありますが、公費負担は三〇%で、ソークを赤ちゃんにどんどんやろうということでございます。それから(2)のインフルエンザ特別対策、これは新規と書いてございますが、実は三十七年度秋に予備費をもらいまして、これは五千三百万円ほどもらいまして、小中学生以下二千万の七五%ということでやりましたが、経過が非常によろしいようだということで、来年もこれは当初予算で認めようということでございまして、六千九百万というのが新規に入ってございます。
 それから(5)の急性灰白髄炎特別対策費補助金、これもポリオの生ワク投与の関係でございますが、本年度二月、三月大幅にやりまして、来年度は春にやりますのが千二百六十三万ということで、これは都道府県と国と折半ということで六千六百万、臨時予防接種扱いでございます。
 その次のページの十二ページの一番上でございますが、秋以降は、これは生ポリオ・ワクチンを医薬品ということにいたしまして、市場流通をやりますので、市町村が定期予防接種並みにしたいというので、これが市町村でありますが、二百九十四万ということで、公費負担三〇%、これが八百三十万ほど入っております。それからポリオ・ワクチンの買い上げにつきましては、明年度二百四十万人の買い上げを計上いたしております。秋以降の分は、一般市場流通の正規の医薬品ということになりますので、国家の買い上げにしないという方針でございます。
 それから環境衛生対策費につきましては、総体で十八億六千四百万というふうにふえておりますが、簡易水道が一八・六%の増であります。それから清掃でありますが、屎尿処理は昨年の十億がちょうど二十億というように倍にふやしていただいております。これはいずれも、五カ年計画ということで法案を御審議願うということでございます。
 それから、その下の下水道終末処理、これは建設省との関係もありますが、総体と世まして五億一千万円で四〇%の増でありまして、これも同じように五カ年計画、四十二年を最終とする五カ年計画ということで法案の御審議をお願いいたしたいということでございます。
 それから十四ページに参りまして、八番の公害防止対策費でありますが、これが三千七百万ということであります。いずれも昨年の煤煙規制法実施に伴う地域指定、あるいはそれに伴う実態調査、(1)、(3)、(4)、というのが、いずれも少額でありますが、実態調査であります。それから(2)は地方衛生研究所にしかるべき機械器具を買ってやりたいというものの補助、それから(5)だけは煤煙規制法の規制対象になっておりませんが、都市部におきまする自動車の排気ガスというのが非常に問題になっておりまして、附帯決議でもこれを至急検討しろということでありますので、これは約二千五百万円でございますが、とりあえず東京と下町とか工場地帯とかというように三カ所選びまして、厚生省の直轄機関でこれの分析、自記記録計を備えまして、分析検討いたしたいという予算であります。
 それから九番の医療機関整備につきましては、(1)の公立病院、これはほとんど前年どおりであります。それから(2)の僻地医療対策につきましては、内容はほとんど前年どおりでありますが、(1)の僻地診療所整備三十九カ所というのがございます。これは三十七年度を終期とする第一次五カ年計画二百三十七カ所、これが全部完了いたしまして、三十八年度以降第二次の僻地医療というのが百九十四カ所を策定いたしておりますので、それの五カ年分の一ということで三十九カ所が新規に認められたということでございます。以下運営費、それから車、船、ほとんど前年どおりでございます。ただ、次のページの一番上の摘要にありますように、僻地にお医者さんを持っていくというほどではないという場合に、マイクロ・バスを買いまして、これを病院に持ってくるということで、マイクロ・バス十九台というのが新規に入っております。
 十番の保健婦、助産婦、看護婦等の問題につきましては、医療従事者の、今大臣からお話のありましたように、需給の不足関係をどうするかという問題がございまして、昨年の二千二百万がちょうど七倍になっておりまして、一億四千万。中身は養成所の整備につきましては建物二カ所が十二カ所、四千万、これが十倍、それから新規といたしまして、いわゆる人体模型、机、椅子というふうな、いろいろな教材関係というふうなものを新規に六千八百万、これが認められております。
 それから貸費制度は、特に昨年入りました千三百三十人を二千三百人ぐらいに人数をふやす、貸付単価は従前どおり三千円、准看護婦は千五百円ということでございます。
 医療金融公庫につきましては、政府出資が二十六億、昨年より一億増ということで総体、財投も入れまして百十億の計算でございますが、三十七年度では、これの総体は九十億でございます。したがって、二十億の原資増加ということになるわけでございます。
 十二番の国立病院施設整備費の財源繰り入れ、これは病院特会のときに、内容をあらためて申し上げたいと思います、三億円ほどふえております。
 十三の麻薬対策費につきましては一億六千万が六億三千万ということで三・九倍の増ということでございますが、国会の強い御意向もあり、ことに取締り対策、それから中毒者対策というものを中心といたしまして、厚生省としてみますれば、画期的な増額になっておりますということでございます。内容は、都道府県におります取締員、これが十八人の増員。次のページが撲滅推進費、推進、撲滅PR、その他都道府県の協議会の費用、(3)の中毒者の収容施設につきましては、国立が二百ベット、一億円、都道府県立のものが二分の一補助で二百ベット、四千六百万円、それから新規に、そういう施設に入れました患者さんの医療費あるいは生活費というようなものを年間延べ千五百二十一人と見込みまして、その十分の八を国が持つということで六千八百万円というのが新規に入っております。麻薬取締官事務所につきましては、増員が、百六十六名のうち十三名増でございます。二億円ほどの増額分につきましては、これは捜査官あるいは施設整備とか、活動費の強化ということでございます。
 十四番の輸血事業改善対策費につきましては、前年どおり、ただ一台移動採血車がふえたということでございます。
 十五番から生活保護に入りまして、生活保護費七百二十二億というので、百十億の増ということに相なっておりますが、その内容といたしましては、次のページをごらんいただきたいと思いますが、対象人員百四十九万九千人、基準改定分は一七%というので四十七億六千九百十六万円の増、これは純増分でございます。勤労控除は、そのアップに伴って必然的に上がるもの、新規といたしましては二十一ページの(4)にございますが、未成年勤労控除制度の新設というのがございます。これは保護世帯の未成年の、若い人がたが働いてきたものを、全部収入認定して家族の収入として取ってしまうということはいかにも気の毒である。本人の修養なり、勉学なりというようなことのために若干残そうじゃないかということで、一人月二千円というものを二十才に達するまで所得なかりしものと見なすという格好の方法を考えようじゃないかという趣旨でございます。対象が約三万九千人、経費が三億九千三百万円、こういうことでございます。それから住宅扶助は変ったことはございませんが、医療扶助につきましては、結核の命令入所制度で非常にふえましたが、ふえてもなおかつ三十二億六千九百万円の増額でございます。この内容といたしましては、結核治療指針の改定分が二億一千五百万円、地域差撤廃分が六億七千七百万円、そのほかに(2)に書いてございますが、国保三月給付廃止分、国保は生保にすぐ落ちましても、三カ月間は国民健康保険の財政で医療給付をやっておったのでありますが、保険財政が非常に苦しいというので、すぐに生活保護のほうに切りかえ、国保は出さないということで、その部分の経費増が十億四千三百万ということで、国保財政緩和の観点から出てきたものでございます。そのページは特に申し上げることはございません。
 二十二ページの一番下の十六番、低所得階層対策費というのが三億ほどふえております。この内容といたしましては、世帯更生が六億から八億という二億円の増、内容はいずれも貸付限度額の引き上げが中心でありますが、新規といたしましては、転宅資金――住宅資金が一万二千円新設、それから去年から問題になっておりました高校生の修学資金が千円を千五百円、これは文部省と線をあわしてございます。それから(3)の母子福祉貸付金ですが、これは三億が四億に一億円増というので、これも転宅資金、一番下にあります修学資金というものが、世帯更生と同じでありまして、それ以外はいずれも貸付限度額を上げる、こういう構想でございます。
 それから二十四ページに参りまして、十七番の社会福祉事業育成強化費の(1)の社会福祉事業振興会出資金五千万円増、(2)の民間社会福祉事業助成費というので三億七百万の計上がしてございますが、摘要欄につきまして、一番の民間の施設職員の退職共済、これは前年どおり、ちょっとふえておりますが、摘要の(2)が新規でございまして、中央並びに県社協のいわゆる民間の自主的な活動を強化したい、援助したいということでございまして、(イ)(ロ)とありますが、(ロ)の都道府県のほうの二千五百八十八万でありますが、一県三人分の人件費、活動費、これにつきまして国が二分の一を見るというのが二千五百万円であります。それからそれの何といいますか、中央機関であります全社協につきましては、十人分の人件費ということで四百十二万ということで、合計三千万ということに相なっております。それから(3)は従来どおり、多少金額はふえましたが、(4)の老朽民間社会福祉施設整備費補助金というのが、二億三千四百九十万というので新規に入っております。
 これは御説明申し上げますと、従来老朽施設は社会局、児童局の一般の施設整備費の中に入っておったわけです。ところが老朽はどんどんたまって、どうにも手がつかないということでありますので、保安度調査をいたしまして、一万点が無失点、四千点以下の非常に危険なものだけを、まず認定いたしまして、それについては建てかえは二分の一国が持ち、四分の一は県が持ち、四分の一は自己負担ということであります。別ワクにする。四分の一の自己負担部分につきましては、金利を払う能力が社会事業施設に非常に希薄でございますので、とりあえずは年金福祉事業団から、振興会にその四分の一部分に相当する金額を融資をもって参りまして、それを民間に貸す。それを十年あるいは二十年償還でやって、利子補給は、追って一般会計あるいはしかるべき方法で利子補給をして差し上げる。したがって、元金だけでよろしい、こういう構想を出したわけでございます。全体が三百三十九カ所、五万八千坪というぐらいでございますが、五カ年計画でこれをやろうという考え方でございます。
 十八番の身体障害者保護費につきましては、四三%の増ということになっておりますが、(1)、(2)、(3)とも、特に制度的には、これというものはございません。ただ、件数増でふくらんでいる。(4)の施設整備費補助金につきましては、点字図書館四カ所、県では重度身体障害というものを、非常に人がいないせいもありまして、しぶるのでございますが、重度を、何とかしなければいかぬというので、二カ所モデル的にまず作らせるということで、これが二千六百五十万。その次のページのろうあ者更生寮というのが一カ所入っております。
 十九番に飛ばしていただきまして、精神薄弱者の援護、これも一億四千万がちょうど七千万ふえて五〇%増ということでありますが、内容につきましては、施設事務費、施設整備費補助金、その他、特に申し上げることはございません。
 二十の婦人保護費も、ほぼ前年どおりという格好になっております。
 二十一番の地方改善事業費につきましては、(1)の同和対策が一番大きく、一般地区は一億九千五百万、全体で七千万ふえておりますが、モデル地区は一億三千七百万ということで施策を進めて参りたいということでございます。
 二十二番の老人福祉対策費につきましては、三十五億が四十七億ということに、十二億七千万ほどの増でありますが、内容といたしまして、老人福祉費の補助金、老人の一斉健康診断は、六十五歳以上の老人を考えておりますが、それに対する健康診断の三分の一の補助を四千九百七十七万のそれから摘要の(2)の新規でありますが、老人クラブ、全国に一万六千ぐらいございますが、それに対する三分の一補助、九千七百万円。それから老人世帯家庭奉仕員、これは訪問して洗濯、炊事をして差し上げるということでありまして、おもに未亡人さんなんかのいい職業になっておりますが、それが二百五十人、これが倍で五百七名ということでございます。
 それから(2)の老人保護費補助金と申しますのは、従来生活保護法で老人ホームというのがございまして、大体六百カ所、四万三千人くらい入っておるわけであります。その人方の、いわゆる生活費――生活保護に準じた生活費。次のページにありますように、その施設の何といいますか、職員費それから物件費というふうなものを合わせまして、全部で老人保護費というのが二十九億が三十九億に上がって、約九億円ほどの増でございます。それから(3)の、老人福祉施設整備費は、五億円が一億八千万円ほどふえておりますが、とにかくこの部分につきましては、大いに建築を推進しようということでございます。新規といたしましては、看護老人ホームというのがございます。これは病院ほどではないが、半身不随――言葉は悪いけれどもたれ流し――相当医学的な看護を必要な御老人がおられるわけです。そういう人の看護に手厚い対策を立ててあげたいということで、新規でありますが、四カ所、六千三百万というのが入っております。
 それから二十三番の児童保護費につきましては、総体二十七億の増でありますが、保育所につきましては十億ほどふえます。このうちで給与改善が七億四千五百万円ということでございます。これは七億の使い道は、保育所の保母さんの丙地というのが単価が非常に低いわけです。丙地をまず理屈をいわないで乙地並みに引き上げる。そうして甲地と乙地だけにする。そうしておきまして、その上でつっくるめて八%のベース・アップをする、こういうふうな考え方をしておるわけであります。そうして丙地の保母さんも相当助かるのじゃないかということであります。それに関連いたしまして給食費、これは生活保護法との関連で、ある程度の増額ができております。収容施設につきましても十二億増でありますが、給与改善が二億四千七百万円、これは一率八%増。その次のページの飲食物費あるいは日常諸費、これは生活保護に準じて十一円二十一銭とか、それぞれ上がったのでございます。変わりましたのが就職支度金というのが、学校を出まして工場に勤める、服も要る、靴も要るというので、今までは予算措置がどうもうまくいきませんでしたが、ことしは五千四百件で一人一万円ということで新規に入っておるのでございます。それから(2)の特別保育対策につきましては、(1)、(2)、(3)、ほとんど前年どおりの格好でございまして、変わりましたのが三十三ページの(4)保母修学資金貸与費補助ということで、これは保母さん一人につき月額三千円ということで出発したのでございますが、総体一千人ということで千八百万円の計上をいたしてございます。(3)、(4)の母子保健指導費、未熟児養育費、体系としては、特に変わったところはございません。ただ、新生児の訪問、指導に行っていただく場合、五十円を七十円に直したというふうに、単価が一率に直ってございます。それから(5)の妊娠中毒症対策につきましては、新規で医療費四カ月分二千五百万円とありますが、これは妊娠中のいろいろ助言、指導をやりまして、入院をしなさいといっても、経済負担のために入院できないお母さん方がおられる。そういう場合に、低所得者につきましては、県費でまずその入院費を持ちまして、その十分の八を国が持ってやろう。しかし、四カ月分でありますが、対象人員九千九百人ということでございます。これは新規でございます。それから次の、三十四ページへ参りまして、児童福祉施設整備費補助、これは八千七百万の増でありますが、特に精薄、肢体不自由児を中心として施設を整備強化して参りたいということでございます。母子健康センターは、四十が五十で十カ所増。児童健全育成対策につきましては、(1)、(2)は前年どおり、(3)は新規でございまして、児童館の設置費補助の資金というのが入ってございます。まあ普通のれっきとした保育所でなくとも、地域における児童福祉活動のセンターにしたいということでございまして、これは幼児の集団指導とか、低学年の子供が学校の後に、そこへ遊びにくるとかいうふうな制度のものであります。民間保育所の小さなものなんか。これに吸収していったらどうか、救済したらどうか、こういうふうなねらいもございます。新設が九十と改築が五十、合計百四十、それに対する設備費と運営費でございます。それから(10)の重症心身障害児施設でございますが、前年六百万、研究委託費で出しておりましたが、今度は施設整備費補助も千九百万出し、それから、入っておる人方、子供さん方の経済状態に応じて十分の入の、児童福祉法と同じように十分の八の補助金を出したいというのが二千百万、これは関東地区、関西地区おのおの一カ所、合計百四十ベッドというように考えております。
 それから三十六ページの二十四、社会事業施設職員処遇改善費、これは総体が十一億六千万、保育所については、先ほど申し上げましたように、丙地を乙地に直して、その上に八%をかける。これは児童施設等の収容施設と同じように八%でございます。
 それから二十五番の母子福祉対策費につきましては、母子福祉貸付金、さっき申し上げましたが、(2)の母子福祉施設整備費補助は千五百万の増でありますが、これは新規でお母さん方のレクリェーションの拠点ということで、四カ所、二百坪ぐらいのものでやりたいというのが千五百万円、その次の母子福祉センターは前年どおり四カ所。
 次に三十八ページの二十六番でありますが、中央児童厚生施設、子供の国でありますが、これは前年どおり一億。
 二十七の児童問題研究所補助は、母子福祉の総合的な児童問題研究所を作りたいという補助が六千万円でございます。
 二十八番の児童扶養手当につきましては十三億のふえ、ちょうど前年の倍くらいになっておりますけれども、第一点は申請件数が最近非常にふえまして、十三万件が二十万三千件に、七万件ほどふえた。この関係のふえが約十億円、それから母子福祉年金をベース・アップをいたしますので、それに伴いまして給付改善として第一子に八百円を千円、六百円を七百円、第三子以降は四百円据え置き、こういうふうな改正をいたしたいというのでございます。そのほか所得制限等に対しましては、母子福祉年金のときに申し上げたいと思いますが、この改善に要します経費は二億七千三百万ということでございます。
 それから二十九番は、特に前年度に見ますとおり、新婚夫婦にパンフレットを配りまして、いろいろ指導したいというのが三百七十七万ほど入っております。
 三十の社会保険国庫負担金につきましては、各特別会計のほうで申し上げます。総体におきまして九億六千七百万円の増。
 それから三十一番の健康保険組合の補助でありますが、これも事務費は六千七百万ふえるということで、被保険者が約四十八万人の増、これはあとで申し上げますが、国保の被保険者がだんだん減りまして、都市の産業労働者のほうに入ってくる。したがって、政府管掌あるいは組合管掌のほうの健康保険関係に入り込む、こういう関係がございまして、単価は百四十円でございますが、六千七百万は人員増による増であります。次のページへ参りまして、給付費の臨時補助金、これは昨年より八千万減っておりますが、弱小の健康保険組合に対する臨時的な補助金だということで、最近の標準報酬のアップその他を考えまして、二億円でいいのではないかということでおさまった次第でございます。
 三十二番の国民健康保険助成費につきましては、総体六百六十五億で百十九億、約百二十億円の増額でありますが、内容としましては、所帯主の七割給付を十月から行なうという前提でございまして、療養給付費の補助金、いわゆる二五%分でありますが、それが四十三億四千八百万、それから財政調整交付金につきましては、摘要に書いてございますように四本ございます。従前分が八十二億、これは五分相当分でございます。それから給付改善分と申し上げますのは、世帯主に限り五割から七割に上げます。その二〇%部分のうちで、一五%は国庫補助でまかない、五%は保険料増徴その他でまかなうことになりますけれども、四分の三を国が持つというのが三十九億四千五百万円でございます。それから減税対策分四十一億八千万と申しますのは、米価引き上げその他に伴う低所得対策をどうするかということで入ったものでありますが、これは総被保険者四千三百万人の二〇%部分につきまして、いわゆる低所得部分でありますが、一人五百円の減税をするという計算で、四十一億八千万の金が入っております。それから地域差撤廃による保険料はね返り対策分というのが八億六千万円ほど入っておりますが、これは二割五分あるいは五分というのは、必然的にその部分は医療費の高騰分は入りますが、地域差撤廃によって保険料が増徴される被保険者の負担を軽くしたいというので、本年九月以降上がる部分につきまして、保険料を吸収するという意味で、別個に八億六千というものを組んでございます。以上の四点――財政調整交付金だけでありますが、四点を足しますと財政調整交付金は、百七十三億五千七百万という相当の金額が要ることになるわけでありますけれども、ただし予算化されるのは、その下に、財源△二十六億五千万というのがございます。これは現行の財政調整交付金の中で、あるいは制度の変更によりましてひねり出す、新対策の財源としてひねり出すというのが二十六億でございます。この論点は三つございまして、従前分の合理化というのは、財政調整交付金五分のうちで、支給方法を改善いたしましてひねり出すのが十五億、それからその次に、生保併給廃止八億七千というのは、さっき申し上げましたように、三カ月間、生保に落ちても国保でしょっておった、それをすぐに生保のほうに引き取ってもらうということで、生保に十五億入れておりますが、その見返りといたしまして八億七千ほど国保財政としては軽くなるわけでございます。それから継続給付期間延長は、現行保険で現在三年となっておりますが、これを五年にするということで、それの負担が二億七千三百万、以上二十六億五千万を差し引きますと、ちょうど財政調整交付金が百四十七億六百万という数字に相なりまして、これが従来の五分分を含めまして約二倍近くになったということでございます。それから事務費につきましては、百二十円を百三十円、それから保健婦の補助金は、人数は変わりませんが、次のページに参りまして、予算単価が十七万九千円、これではいかにも低いじゃないかというので、これは三十万三千円というふうに、相当大幅な増額をしていただいております。
 三十三番の国民年金の国庫負担金につきましては、拠出年金二十二億、これはほとんど自然増であります。それから四十五ページの(2)、福祉年金給付費財源繰り入れ、これは五十五億円の増でありますが、自然増が相当ございますのと、改善分というのは、摘要の上から三行目に書いてございますが、二十億三千三百万ほどございます。この内容といたしましては、年金額の引き上げ、これは九月から実施、老齢年金は百円のアップ、それから障害、母子、準母子は、いずれも三百円のアップということにしまして、そのアップ関係が、九月実施として十五億二千万、それから本人の所得制限緩和、これは九月、十五万から十八万、それからその次の、むすこさんが働いている扶養義務者の所得制限緩和でありますが、五十万円というのを六十万円、これも九月実施でございます。それから母子加算年令引き上げは、身体障害廃疾の子に限って十六才で打ち切るのは気の毒だ、二十才まで延ばしてやれば、二十才以降障害年金のほうに移行するというので、年令制限を延ばしていただいております。
 それから三十四番の留守家族等援護費につきましては、特に申し上げることはございませんが、四十七ページの摘要欄の上から二行目、療養手当というのが六百九十九万ございますが、これは引き続いて一年以上入院治療しておる者でありまして、その人が傷病の程度によって増加恩給などをもらっていない人は、やはり生活に困るだろうからということで、月二千円差し上げるという、こういう格好にして六百九十九万円を計上いたしております。
 それから三十五番の戦傷病者戦没者、これは七億四千八百万ほどの増でありますが、昨年の恩給増額関連の自然増が大多数でございます。次のページの、事項の(2)の法律の一部改正に伴う施行費というので七千七百六十七万というのがございますが、遺族年金、障害年金につきましては、これは法改正で御審議をお願いしたいと思いますが、第一点は、準軍属の処遇改善、いわゆる戦時災害要件の撤廃とかというものであります。それから(2)として、満鉄職員等、こういうものの処遇改善は、軍の指揮下にあって、実質上軍と同じような活動をしておったにかかわらず、対象にならないという人をある程度救いたい。それから、非戦地勤務有給軍属の処遇改善、これは旧令共済の特例措置法で救えない人を何とかバランスの取れるように救ってあげたいというのが二千二百万円、それから特例年金支給要件緩和と申しますのは、営内居住の軍人が、公務死ではありませんが、在職中あるいは退職後一年以内に、結核、精神が三年以内でありますか――死にました場合には、遺族に年金がいくわけであります。ところが、一年、三年というのは、いかにも短いというので、これを二年、結核、精神の場合には六年というふうに延長する、それによって救われるゆえんが出てくる、金額は少ないのでありますけれども、そういう四点の改正をお願いいたしたい。その関係の経費が六千八百万円であるということでございます。
 それから、三十六番の特別給付金の事務処理費につきましては、これは国債費をどうするかという問題はまだきまっておりませんが、いずれ法案の御審議をお願いすることになりますから、事務的なものを扱います厚生省としましては、この簡単な事務費だけ五千六百万というものが入ってございます。給付費はもちろん大蔵省の予算に入ります。
 三十七番は、特に申し上げることはございません。
 それから、三十八番の国立公園につきましては、六千八百万円とふえておりますが、特に制度的な変更はございません。
 三十九番の、休暇村の造成費についても、前年三千万が一千万ふえて四千万ということでございます。
 以上かけ足でございましたが、一般会計の省の予算を終わらしていただきまして、次のページの特別会計五本でございますが、それについて簡単に申し上げたいと思います。
 厚生保険特別会計の健康勘定につきましては、歳入歳出とも千七百四十七億ということでありますが、一般会計よりの受け入れば、前年どおり五億ということでとどまっております。被保険者数が前年より百四万くらいふえるという計算でございますが、この百四万と、組合にいきます四十八万人の合計百六十万人前後ぐらいは、いずれも国保のほうの被保険者の減は、農村から都市へ移動してくるというふうな格好に相なっております。
 それから次の五十三ページに参りまして、日雇健康勘定でありますが、これは十二億七千万円の歳入歳出の増でありますが、一般会計受け入れば三五%という定率のほかに、特別対策といたしまして、これは地域差とか、いろいろなアップとか、いろいろな関係がございますが、前年どおり五千万円の予算補助――三五%のほかに五千万円の予算補助がついております。合計三十七億千五百万、それから借入金でありますが、これはどうしてもつじつまが合いませんので、昨年は十五億借りたのでありますが、来年は二十三億、約八億円の借入増で経理をまかなおうという考え方でございます。
 それから年金勘定、業務勘定につきましては、技術的な問題で特に変わったところはございません。
 それから五十五ページにつきましては、船員特会でありますが、これも一般会計の受け入れが六億二千五百万ということでありますが、これは、法案の御審議をいずれお願いすることになりますが、漁船の一部について、適用範囲を若干拡大したという点、それから、船員失業保険の給付改善、いわゆる最高額のアップとか、扶養加算の新設とか、これは労働省と歩調を合わしたものでありますけれども、そういうふうなものがございまして、国庫補助といたしまして、七千六百万円ほどの増で、総計六億二千五百万というふうにふえてございます。
 それから次に参りまして、国立病院の特会でありますが、歳入歳出とも二百十一億ということでありますが、変わりました点は、一般会計の繰り入れが二十七億ございまして、前年より三億一千六百万円の増、そのほかに、(3)で借入金十億というのが書いてございます。これは、国庫繰り入れだけで、ぼちぼち病院整備をやりましたのでは、とても間に合わないというので、財政資金のほうから十億円を借りまして、できるだけピッチを上げまして、施設整備を行ないたいという考え方でございます。したがいまして、歳出の項で、摘要欄の(イ)(ロ)の一番下でございますが、施設整備費が、十億円を入れまして、三十五億八千二百万、これが前年度は二十三億五千万でありましたので、十二億二千八百万円の増ということでございますが、これは財投の十億新規に入ったものを含めてでございます。これだけ整備のテンポが上がってくるということでございます。
 それから五十八ページの三十八年度あへん特会というので、これは売り払いが五十五トン、それから買い入れが外国産五十六トン、国内――これは和歌山が中心でありますけれども、国内の買い入れが四トンということで予算を組んでございます。
 それから五十九ページの国民年金特会の国民年金勘定につきましては、特に申し上げることもないと思います。一般会計受け入れ百四十億、それから歳出につきましても、まだ十億ほどの歳出でございまして、本格的な給付には至らないということでございます。六十ページの中間の事項で、福祉年金勘定、これが総額として五十五億八千八百万の増でありますが、歳出部分としましては、従前分が三百七十億、改善分が二十億三千三百万、先ほど申し上げましたように、この二十億の内容は、給付改善、支給制限の緩和というふうなものでございます。業務勘定は、普通の事務経費でございますので、説明を省略さしていただきたいと思います。
 非常に取り急ぎましたが、以上で御説明を終わります。
#11
○委員長(加瀬完君) 午前の部はこの程度にとどめ、午後は一時三十分より開会いたします。
 これにて休憩をいたします。
   午後零時三十三分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十七分開会
#12
○委員長(加瀬完君) ただいまより開会いたします。
 午前中に引き続いて、社会保障制度に関する調査を議題といたします。
 阿具根委員並びに鹿島委員より質疑の通告がございましたので、順次これを許します。阿具根委員。
#13
○阿具根登君 厚生省から、ただいま資料をもらいましたけれども、まだ目を通しておりませんが、福岡県の三瀦郡の荒木駅のすぐ筋向かいにあります三光化学株式会社、この工場でPCPとBHCの農薬が製造されておりますが、それについて、人体に非常な影響があるという陳情を再三にわたって受けております。厚生省もこの陳情をお受けになったと思いますし、厚生省からは上田教授を派遣して調査をされたことがあるはずでございますが、その上田教授の調査の結果、あるいはその後の対策等について、厚生省から詳細報告を願います。
#14
○政府委員(牛丸義留君) 福岡県の衛生部のほうから、ただいま阿具根委員から御質問がございましたような連絡がございまして、私どもといたしましては、中央薬事審議会の臨時委員をやっていただいております東京歯科大学の上田喜一教授を現地に調査に行っていただきまして、そしてその結果をもとにいたしまして、さしあたり措置すべき点を県の当局に対して、私のほうから指示をしたわけであります。
 その内容は、次のとおりでありますが、その要点を申し上げますと、に対する改善の事項という点につきましては、換気装置については現在の換気能力が完全ではないというふうに視察の結果見られましたので、特にローラー室においてはPCPの空中濃度は二ないし二・七立方ミリグラムというふうに推定される。そういうことから作業の従事者はもちろんのこと、外気に漏洩すれば、保健衛生上危害を生ぜしめるような可能性があると思われますので、この点を十分能力を有する室内用の換気装置を設けるようにしてくれ、そういう点を第一点に。それから第二点は、ミストコレクターの洗滌装置についての指示をいたしております。これは従来の洗剤による方法は不完全であって、排気孔における濃度は二一六立方ミリグラムの高濃度である。その本体はPCP並びにPCP等の蒸気と考えられるので、弱アルカリ液等で洗滌吸収する方法を考慮すること。それから第三点は、排気孔についての措置を考える。それから第四点は、ローラー室について、特に清掃について十分留意すること。それから第五点は、乾燥炉において温度が異常に上昇したときは、異常高温を自動的に報知する等の装置を設けるようにしてくれ。それから附近の居住地区への漏洩を防止するため必要な試料の採取器を必要な個所に設けるようにしていただきたいということが、これが設備に関する改善の事項として、視察の結果、指摘された点でございます。
 それから第二点は、工場の操業管理に関する事項として、工場内の必要個所において、定期的に空気中のPCPの濃度を測定、記録して作業管理の適正をはかるようにすることが必要である。第二点は操業時間については、夜間時において、管理不十分のため、外気への漏洩の危険が考えられるので、特にその対策に留意することが必要であろう。こういう点を視察の上の専門家の指摘事項といたしまして、十分県当局を通じて、同工場が配慮するように指導していただきたいという通知を県の当局に出したわけであります。
 それに従いまして、昭和三十七年――昨年の十二月二十七日付で、福岡県の衛生部長から三瀦郡の筑邦町長宛てに、三井化学工業株式会社大牟田工業所久留米工場のPCP製造に関する問題について、というような通知、それから三井化学工業株式会社大牟田工業所所長宛て同衛生部長から、ただいま申し上げましたような設備並びに操業についての改善の事項を十分措置して、そしてその結果を報告するように、という指示を与えておるわけでございまして、現在私どもといたしましては、専門家の調査の結果、とりあえず、こういう措置をとったわけでございます。
#15
○阿具根登君 その県からの措置をとったというのは、去年の十二月ですか、今の話ですと去年の十二月ですね。
#16
○政府委員(牛丸義留君) さようでございます。
#17
○阿具根登君 そうしますと、この上田先生の報告書の中には、専門的な問題は避けるにいたしましても、住民に対する措置ということが書かれてあるわけですね。それによりますと、住民の一部にノイローゼによる過剰心配症が見られる。それから二番目に住民の健康診断は、そのほうについて云々ということがあるわけです。これは操業したのは去年の二月だったかと思うのですね。そうすると、その間に、これは一応私も調査してみたのですが、操業直後あるいは数カ月の間は、これは工場といたしましても、完備していない、いろいろな事故が起こる、故障が起こる、そういう点で有害のガスが出るということも、これはあり得ると思うのですね。それによって相当多数の人が苦痛を訴えておる。その苦痛に対してどういう処置をとったか、この第二項目、第一項目を考えてみる場合、住民がなぜノイローゼになるほど心配をしなければならぬか、そういう点をひとつも考えておられない。ただ科学的に、これを〇・〇五まではいいのだとか悪いのだとか、そういうものでなくて、住民はそこで何年、何十年と住む人なんです。科学者が行って一日か二日で結論をもってくる、それだけでいいのかどうか。そのときの風向きはどうであったか。そのときの操業状態はどうであったか。そのときの機械の工合はどうであったかという問題を調査するためには、今もらった資料によれば行かれたのが二日ですね。おそらく現場におられたのは一日だと思うのです。
 それだけでこれが研究だ、これが調査だということで、きめつけることができるかどうか。その後厚生省としては、どうされたか。今私のもとに、相当多数の人の症状を訴えてきておられる。鼻血が出る、のどが痛い、くしゃみが出る、そういう人たちに対しては、一体厚生省としては、どういう処置をとっておられるか、その点について御質問申し上げます。
#18
○政府委員(牛丸義留君) これは私どもといたしまして、二面から考えていく必要があると思います。一つは工場内の設備の改善という問題と、それからその結果生ずる、いわば公害に対する対策という二つの面から考えていく必要があると思います。
 それで、上田先生を昨年の十月、私どもとして現地の調査をしていただきましたのは、工場の設備並びに管理上において問題がないという点が調査の主体でございまして、これは私どもが管理しております、施行の責任を持っております毒、劇物の取締法に基づいて、そういう措置を講ずる必要があるという判定で行ってもらったわけでございまして、その結果、種々改善すべき点が出てきて、それに対しては、必要な指示をして帰って見えたわけでございます。私どもも、それは一つの、それとしてやらなければならないわけでございますが、しかし現実に、住民に対していろいろとなお問題点があるということも聞いておりますので、これは県の衛生当局とも、その後の観察、連絡をとるように言っておるわけでございますが、なお住民の健康診断なり、そういう点から見て必要な措置は、県当局を通じて、いわば公害の対策として、必要な措置を講ずる必要があろうかと思います。しかし、ただいまのところは、とりあえず、工場の設備を改善することによって、そういう害が生じないような措置をとることをとりあえず指示したというのが現状でございます。
#19
○阿具根登君 もちろん工場内の設備を変えられることは、それはそのとおりですが、こういう住民が非常な心配になっておる、また、そういうにおいがする。極端に言えば、非常に有毒なガスでにおいのしないのもある、今度は無害でにおいのするものもありますね。しかし住民というのは、今日まで、そういうにおいのするものは、これは聞いたことがない、そうしてその直後にこういう症状を呈するというようになってくると、まずそれに対する対策を立ててやらねばならぬ、ところがあなたのおっしゃるのでは、それは県のほうでやるように示達をしてもいいんだ、県のほうには、おそらく数十回陳情に行っていると思うです。県でできないから私らのところに来ておるわけなのです。だから、厚生省がこれだけの調査もされ、あるいは県に対して示達書も出しておられますが、出しっぱなしで、それだけで放っておかれる、県のほうでは、これだけのそれじゃ患者が出てきておるのに対して、一つも健康診断をやった形跡もないのですね。もしもそれが原因で病気ができておった、あるいは今はそういうガスは出ておらぬかもしれません。しかしこれはそういう機械だから、いつ出るかわからない、あるいは今も出ておるかもわからない。この前出たのが非常な何というか、神経を刺激して、これが他の病気を誘発するかもわからない、こういう状態にあるならば、まずこの人たちに対して健康診断は、これは当然厚生省が指示せなければならぬと思うのですがね。その県がやらないからといえば、県は厚生省だというでしょう、責任は一体どこにあるのですか、住民に対してですよ。工場内に対しては、また別に質問いたします。今の場合はまず工場内でなくて、住民が、この工場誘致に賛成された方が、こういうノイローゼになるような心配をされておる、これに対する対策は、それじゃ県に責任があるのか、厚生省に責任があるのか、それをお尋ねいたします。
#20
○政府委員(牛丸義留君) 責任という点でございますが、私は工場の施設が、工場のいろいろ製造の過程において廃棄されるガスなりそういう臭気、そういうものによる危害があるとすれば、これは第一次的には、その工場が責任があるわけでございまして、それに対して、私どもとしては毒、劇物の取締法によるその工場に対する指示権が薬務局としてはあるわけでございます。それから、したがってその指示を適切にしてないという意味の責任は、私どもは当然これは感じているわけでございますが、またその改善にさらに努力したいと思うわけでございますが、公害そのものに対する責任となれば、結局会社が持つ、その因果関係を、それじゃどういうふうに判定するかというような問題は、これは学問上の問題として、なお検討の余地があろうかと思います。
 しかし、それは別といたしまして、少なくとも私どもといたしましては、現状のままでいいと思っているわけじゃございませんで、第一回のそういう調査をした結果、とりあえず工場の設備の改善をする、なお、ただいま阿具根先生のお話のように、住民でそういう訴えがあるということでございますので、これは至急、県当局にも必要な健康診断なり、その他住民に対する適切な措置をとるように指示をしたい、かように考える次第でございます。
#21
○阿具根登君 県当局の話を聞いてみますと、PCPの被害だということがはっきりしておらない、だから健康診断できない、こういう考え方なのですよ。PCPの被害だと、はっきりしておれば、当然責任者が出てきますよ。だからPCPの被害だとわからないから診断ができないと言っているのです。僕は、それを上田先生のこの報告を見て、PCPの被害であろうがなかろうが、住民が安心して生活ができるためには、こういう環境の場合には、まず健康診断をやって、普通のかぜなら、あなたのは普通のかぜです、のどが痛いのはかぜですよ、という権威ある診察をやる、そうして安心をさせる、こういうのが、私は政治の親切なやり方だと思うのです。だから、あなたのその考え方によっていけば、責任は会社にあるのだ、この会社は自分のところは、前はガスが出たけれども、今は出ておりません、こういうことになっておる。そうすると県のほうでは、PCPの被害か何かわからないのに、そんな金かけられませんよ、こういう態度になってくるわけです。だから厚生省に処置をとっていただきたいというの、が私の質問する真意なんですよ、ほんとうは。現在のところ、だれも責任を持とうとしないのです。会社は、前は出たけれども、今は出ておりません、前に出たのに対しては、損害賠償も考えております、こういうことを言っておられるのです。それは被害者が出てきて損害賠償するのは、これは当然でしょう。そうなると、許可した諸官庁の責任も出てきます。これは毒、劇物取締法ですか、薬物取締法ですか、こういうので、そういうのが出てきたら、これは停止しているようになっておるはずです。そういう点もあるから、まず住民の方が自分のところに工場ができた、その工場のガスが自分たちのこういう鼻血が出るのはガスのためであるのか、あるいはそうじゃないのかというのをまず知りたいだろうと思うのです。それをだれも責任を持たずに――従業員だったら基準法でも、労災法でもやれます。住民だからできないわけです。その住民を安心させるためには、そういうガスが数回出た、しかも鼻血が出る、せきが出る、のどが痛いそういう再三の陳情があるなら、当然これは厚生省の手によって診断すべきじゃないかと思うのです。またそうでなかった場合には、県に対して、このものに対して診断せよ、早急に権威ある診療所において診察をせよ、ということがなからねば、次にこういう症状が出てきた場合には、一体だれの責任になってくるのですか、こういうことになっくると思うのです。だから、今の場合だれも診察していないのです。診察されておらないのです。
 そういう点について、厚生省は診察をするように考えておるかどうか、私のところにも相当来ております。これだけの人が症状を訴えておる。こういう人たちを国の機関で診断をする意思があるかどうか。それからさらに、半年なら半年してガスも出なくなったというあとで診察をしてみて、からだの調子も一つも変らない、あるいはさらに半年たったら、またガスが出てきた、あるいは――まあ私現地を見ておりませんからわかりませんよ、しかし住民の人の訴えを聞いてみると、夜中にはくさいガスが出ております、あるいは朝早く出ますとか、そういうことを訴えておるわけなんです。そうすると、これは昼の日中は出ない、夜は人手が薄いとか、あるいはその他の都合で、夜ガスが出ておるのじゃないでしょうか、寝ておる間に、それを吸っておるのじゃないだろうか、だから鼻血が出るのだ、こういうようなことが結論づけられてくるわけなんです。だから、これは住民といっても、そうたくさんおるわけじゃないのですからね。東京みたいに多いわけじゃない。だから、少なくともこういう症状を訴えられた方を、一応これは正式に、ひとつ健康診断あるいはこの病状診察をするということができるかできないか、それをお聞きしたい。
#22
○政府委員(牛丸義留君) 毒物、劇物取締法の指示とは必ずしも関係があるなしにかかわらず、私はそういう住民の苦痛を訴えるということに対する原因の究明ということは必要だと思いますし、この点につきましては、早急に県当局と連絡いたしまして、必要な方法によって、そういうものの健康診断をするように指示したいと、私は考えております。その結果によって工場に、なお施設を改善すべき点があれば、工場に指示しますし、その他必要な措置を県当局とも相談をして指示をしたいというふうに考えておるわけでございます。
#23
○阿具根登君 これはおわかりかどうかわかりませんが、この陳情されておるのを見てみますと、ほとんどの人が、大量に鼻血が出る。鼻血がとまらないので注射をしてとめてもらった。やっととまっても、すぐ鼻血が出る。鼻血が出る鼻血が出るというのが大部分なんですよ。このPCPのガスでは、鼻血が出ますか。
#24
○政府委員(牛丸義留君) これは相当の毒性がありますし、それから刺激性が強いわけでございますので、鼻孔とか、のどに対しての刺激は、私はあると思っております。
#25
○阿具根登君 それでは、これは、つい最近のものでございますが、それにしても九月から十月、ちょうど調査に行かれたころの陳情書でございますから、あるいは今の状態は変わっているかもしれません。しかし、ちょうど上田先生が調査に行かれたころの陳情書がここに――これは県に出してあった陳情書が私のところへ回ってきたのでありますが、だから、そういうおそれがあるなら一刻も早くひとつ、こういう方々の健康診断をやってもらいたい。そうして調査される場合に県がいっておられるのは事実でありますし、県からも会社に対して再三忠告されております。それに対して会社も再三返事をされて、会社も当時は、集塵装置が悪かった、今度は新しくなったから出ません。確かにそのあと、住民の方は非常に出ないということを言っておられる。しばらくすると、またにおいがし出した。また県のほうで、これはだめだ。そうすると、また今度は集塵装置を掃除する。すると、また出ないということが繰り返されておるわけです。県も相当、数回にわたって忠告をしておる。その忠告によって、会社も相当修理その他をやっておられることも一応報告書の中に入っております。しかし、そこまで再々ガスが出るというようになってくると、もっともっと私は基本的な問題があるんじゃなかろうかと思うわけなんですね。いずれにしましても、こういうものだから、一日か二日か三日行って、これで調査が終わったということでなくて、たとえば県の人なら県の人に、これを監督してもらう。あるいは調査してもらうなら、相当期間ここにおってみて、そうして調査してもらわなければ、先ほどから言いますように、風向きがあったり、あるいはなかったり、あるいは工場だって、故意に悪いガスを出すようなことはせぬでしょうけれども、しかし、それは機械の故障やその他で出るというようなことを、何カ月間かひとつとってみなければ、鼻血が出るのが、こういうガスに非常に左右されるのだ、このガスでは、そういう刺激がありますということは、今局長が言っておられるとおりだから、そういう心配がないように、ひとつ県当局なり、あるいは厚生省から調査官を派遣するなりして、少し長期間、たとえば一カ月なら一カ月、二カ月なら二カ月、まあそういうような調査の方法はないものかどうか。
#26
○政府委員(牛丸義留君) ただいまの調査を長期間やるという点は、これは上田先生自身も指摘されておる点でございますし、私どもは、これはぜひやる必要があるというふうに考えております。必要な個所に検査のための設備を置いて、そして長期的に観察をする。そしてその地点の濃度を、風向きなり天候その他のことを照らし合わせまして、長期的に観察して、そこから出るデータを出す。そういうことは、これは基本的に必要な条件でございますし、上田先生も、その点は指摘されておるわけでございますから、さらにそういう点を参考にいたしまして、なお必要な点は、それに即応して長期的な観察をする方法を講じたい。
 もう一つは、住民の健康診断、これもいろいろ技術的な問題があろうかと思いますが、その点は県の衛生当局とも、よく打ち合わせをしまして、適当な方法で住民の健康診断も行なうというふうに、私どもは早急に指示したいと思っておるわけでございます。
#27
○阿具根登君 農林省、それについてお考えがあったらお伺いいたします。人体にそれだけの関係があるということになって参りますと、これは農産物にも、相当な被害があるであろうし、農薬でございますから、農林省も相当研究されておると思いますから、農林省のほうからお答え願います。
#28
○説明員(石倉秀次君) このPCPは、昭和三十三年に畑作の除草剤といたしまして登録したのでございますけれども、非常に広範囲の雑草に有効でありますのと、特に昭和三十五年以降、このPCP除草剤は、水田のヒエを初めといたしまして、除草に非常に効果があるかたがた、このPCPは、一回の施用で、ほとんど稲作期間中除草の手間を省くことができますので、非常に量が増加いたしまして、現在では水田で、約百万ヘクタールの使用量に達しております。PCPは、先ほど厚生省の薬務局長からお話のありましたように、かなり人体に対する毒性の強い農薬でございますが、この農薬としての利用につきましては、両省の間でも十分協議いたしまして、現在このPCP農薬は、すべて劇物扱いになっております。なお、農林省として、このPCPを除草剤に登録いたしますと、農薬取締法によりまして、製造及び販売業者に対して表示の義務を負わしております。この表示の中に、PCPは劇物であるということ、それから先ほどお話のありましたように、皮膚、あるいは粘膜につきますと、かなり強い刺激がございますが、めがねをかけたり、あるいはマスクをかけたりして散布するようにという注意事項をつけております。またPCPは、漁介類に対して、相当強い毒性がございます。これを魚介類に対して被害を防止するために、PCPを使用しました水田の水が流れ出ないように、あぜを高くしたり、あるいはネズミ、モグラの穴等をふさぐというように、極力魚介類の被害の発生防止に努めて参ったのでございます。
 なお、このPCP除草剤は、現在、水溶剤及び粒剤がございます。このPCP水溶剤は、PCPそのものを水に溶かしまして、そして飛散することのないように散布するという形体のものでございまして、また粒剤は、これは手でまくのでありますが、普通の粉でありまして、まく際に飛散いたしまして、それが皮膚につきましたり、あるいは粘膜を刺激するということがありますので、特に粒形を大きくしまして、まいたものは、飛び散ることなく落下するというような形に製剤をいたしまして、極力このPCPを使う農家に対して危害のないように努めております。
#29
○阿具根登君 それは、PCPという農薬を使う場合に対する……、それはわかりますけれども、これが農作物等に被害を与えた場合にはどうか、そういう措置はどういうふうにとられておるか、そういうことなんです。
#30
○説明員(石倉秀次君) 今回、福岡県三潴郡の三光化学株式会社の工場からPCPが飛散しまして、周辺の農作物に対して多少被害が出たようでございます。これにつきましては、薬害の問題は、常にと申しますか、ほとんど大部分、県を通じまして当方まで連絡があるのでございますけれども、この件につきましては、当事者間の間で話し合いがつきましたせいか、県からは報告に接しておりません。
#31
○阿具根登君 新聞を拝見してみますと、何か賠償その他も考えてやられたようなことが出ておりますが、当事者間で賠償その他をやった経過を御存じだったならば、どの省でもけっこうですが、知らせていただきたい。――ないなら、私のほうで調査するからいいです。
 基準局出ていますね。基準局のほうは、おそらくこれは基準局まで耳に入っておらないと思うのですが、一般の住民の方に、これだけの健康上の苦痛を訴えられておるとするならば、これはこういう工場の性質上、当然基準局として調査されたことがあると思うのですが、調査したことがあるかどうか、一般従業員の勤労状態はどうなのか、出勤状態はどうなのか、あるいは勤務状況はどうなのか、そういう点をお知らせ願います。
#32
○政府委員(大島靖君) PCPに関連いたしまして、従業員に対する労働衛生上の問題は、かねて昭和二十六年ぐらいから問題になっておりまして、昭和二十七年の秋に、労働基準局長名をもって全国に通達をいたしまして、施設の改善、保護具の使用、健康診断の励行、こういう詳細にわたって指示をいたしたわけであります。さらに昭和三十四年には特殊健康診断項目の中に、PCPを追加いたす措置をとっております。
 ただいま御指摘の三光化学でございますが、これは従業員が現在百三十八名でございまして、そのうち男子が百十一名、女子が二十七名、年少者はございません。この中で、直接この工程に参加いたしておりますものが八十一名ございます。男子が六十三名、女子が十八名であります。ただこの女子は直接紛砕工程には従事いたしておりませんで、袋詰めにいたしましてあとの包装作業にのみ従事いたしております。こういう三光化学でございますが、現地の福岡の基準局で、この会社についてとりました監督指導の措置は、三十六年にこの工場の設置届が出て参りました。その翌日直ちに施設の監督を実施いたしております。それから三十七年、昨年の七月三日に、安全と衛生の監督を実施いたしております。それから八月の十二日から十九日にかけて、この工場が作業を中止いたしまして施設の改善をいたしたのでありますが、その画後九月二十六日にさらに衛生指導を行ないまして、昨年暮れの十二月十日に、熊本の局の衛生課長が熊本大学の専門家である野村教授と一緒に現場について監督をいたしております。
 監督の結果によりますと、健康診断でございますが、特殊健康診断実施項目の中に加えましたので、毎月一回従業員の健康診断を実施しております。この施設の改善をいたしました昨年の八月以降においては、由血球の減少の所見の現われた者はございません。労働環境については、恕限度以下の数値になっております。したがって、現在のところ従業員につきまして、PCPの労働衛生上の問題としては、特に異常はないと思うのでありますが、ただ阿具根先生、かねてこの問題については非常に御心配もなさっていらっしゃいますし、また、本日重ねて御指摘もいただきました。私どもといたしましては、毎月の健康診断の結果をよく注意いたしまして、異常所見の現われた場合、あるいは現われそうになった場合、適切な措置を講じていくように、万般の注意を怠らないようにいたして参りたいと思います。
#33
○阿具根登君 私も現地を調査しておりませんから、質問はこの程度で打ち切りますが、厚生省に申し上げたいことは、局長のお話を聞いておりましても、これは被害はないのだ、安心してよろしいということは言えないわけなんですね。ということは、住民が非常に心配をしている。こういう病気を引き出しておるということを肯定することになるわけなんです。肯定でなくても、そういう場合もあるかもしれない、あるいはまだガスが出ておるかもしれない、こういうことになるわけなんです。だから、基準局は従業員百三十数名ですから、これは簡単にできたかもしれませんし、あるいは直接作業をしておるのですから、こういうことをやられるのは当然だと思うのですけれども、住民にこれだけの心配があるとするなら、これは企業誘致したにしろどうにしろ、やはり住民の協力がないとするならば、私は工場といえども成り立たないと思う。まず住民の人に、権威ある調査をやり、診断をやり、安心しなさい、大丈夫ですというだけの責任があるお答えのできるように早急にしてもらいたい。それから、健康診断を早速やるように手はずを整えていただきたい。以上、二点を強く要望いたしまして、私近々調査に参るつもりです。そのあとでまた、あとの質問を続けたいと思います。きょうは、これで終わります。
#34
○藤田藤太郎君 私は厚生省にお願いしておきますが、水俣の水俣病の病源は、大体よい状態だと言われているけれども、実際上は、どうもやっぱり被害者が出ているように私は聞いておる。ひとつ来週の火曜日、厚生関係でこれがありますから、そのときまでに具体的に調べて、最近の調べた状況をここで御報告願いたい。これに関係して、お願いしておきます。
#35
○委員長(加瀬完君) 今の点政府何か……。
#36
○政府委員(五十嵐義明君) この点につきましては、御要求のとおり来週の火曜日に、資料を整理いたしまして御報告申し上げます。
    ―――――――――――――
#37
○委員長(加瀬完君) 鹿島委員。
#38
○鹿島俊雄君 本日、本院において豪雪対策に関する決議が行なわれました。かつその具体的な対策につきましては強い要望がされたわけです。これに対して池田総理からは適切なお答えもございましたし、政府もその措置につきましては、完璧なものがあろうと了承いたしますが、二、三、具体的な措置についてお尋ねをしておきたいと思います。
 第一点は、雪害地におきます保健衛生の維持強化の問題であります。聞くところによると、一部にチフス、赤痢等の発生があります。この実情並びにこの対策について具体的にどのようなことが行なわれておるか、まずお伺いいたします。
#39
○政府委員(尾村偉久君) 雪害地の一番心配でございますのは、今御指摘のとおり、赤痢、腸チブス等の伝染病並びに法定伝染病ではございませんが、インフルエンザ、あるいは悪性の感冒等の、こういうような悪疫でございます。現在まで把握いたしましたところでは、伝染病の中では赤痢が、先般新聞紙にも報ぜられましたが、富山の市立の愛育園という養育並びに養老施設で七十八名の収容者を持っておる施設でございますが、一月二十八日から収容児童、学童三十六名、それから保母一名、計三十七名の赤痢の発生を見ましたので、非常に心配いたしまして、直ちに県と市が協力いたしまして、この三十七名は保菌者並びに患者でございますが、直ちに市立の伝染病舎を持った大きな病院に収容隔離いたしまして、これは万全の治療を開始いたしましたので、もうすでに経過はよろしいようでございます。問題は、雪害と発生との関連が、他の地域にも非常に脅威でございますので、調査いたしましたところ、これは新収容児の一名に保菌者が入ってきたらしい、これが園内に逐次接触感染した可能性が多い。これが一番の可能性でございまして、その他、一時簡易水道が二日ほど停止した事実が、それから一週間ほど前にございまして、それに関係があるかということでございますが、それは直接潜伏期間その他から関係なさそうである、もっぱら接触感染らしいということでございますので、あと四十名ほどの残存者がございますので、便所の消毒、それから給食施設等の防疫措置は直ちに完了いたしまして、その後続発の見込みはまずないということで、この点は大体安心の程度になりました。
 しかしながら、こういうような例がございますので、冨山県下といたしましては、他の、ことに集団収容施設、あるいはその他の深雪地帯の家庭はどうかということで、これは相当に調査いたしましたところ、現在のところ、若干出ておりますが、これはいずれも散発でございまして、昨年のこういう豪雪でなかった同時期と比べまして、むしろ昨年より少ないということで、これは結果においては、雪のために出歩きができないために、集会等がむしろ昨年よりは少ない。ことに旧正月をひかえて、毎年多発の傾向があるわけでございますが、今年はむしろ逆に恵まれているので、現在は流行の兆はない、こういうことでございます。新潟、福井、石川県につきましても調査をいたしましたが、現在のところ、異常発生ないしは集団流行というものは、同様の事情で認められない、こういうことでございます。しかしながら、これは日がたちますと、問題は屎尿が停滞いたしまして、くみ取りができない。あふれてくる。そうなりますと、便所から周辺にしみ通っていくための汚染と、それからいよいよ大便ができなくなりますと、くみ取って雪の中に放置いたします。これによる散布の危険、これが非常に濃厚でございますが、伝染病対策としては、雪道の開通による屎尿くみ取りを適切に至急やるという方法、でなければ、臨時の便槽を設置する。これは環境衛生対策が前提になりますので、環境衛生局の係官が現地に行かれましたので、十分連絡をとって対処する。しかし、それにいたしましても、あふれる場合もありますし、やむを得ず放置する場合もあるということで、最小限度、便を消毒しておく。こうなりますれば、きたなくて不快ではありますが、伝染病の散布だけは最小限度食い止められるということで、便の消毒薬の確保をさせまして、現在四県とも、十分入手済みでございます。保健所にもある程度おろしておりますので、そういうような地帯を見つけ次第、逐次各家庭まで消毒薬を配給いたしまして投入しておくと、これだけの措置は現在厳重に指示をしております。
 それからなお、一番心配なのは、やはり集団収容施設でございまして、これは逆に外には出しませんけれども、一名出ますと、その中における蔓延というものは、水が不如意なこと、それから外とのいろいろな連絡、協力が困難なので一番危険でございますので、集団施設に特に目をつけまして、保健所から適切に給食と、それから環境衛生問題、ことに屎尿の始末、これの指導を重点的にやる、一般の家庭までは、とても雪のためにできないし、融雪時期が一番危険で、現在のところは、むしろ安全な状況というので、そちらは少し手を抜きまして集団施設中心に指導する、こういう方向で今指示をいたしております。
 それから、なお発生した場合に、早期発見をいたしましても雪道で閉ざされておりますと、せっかくの伝染病舎に、実は収容が困難で手おくれをいたしますので、今回の雪害中の一番容易に運べる伝染病舎というものを設定いたしておきまして、そこに輸送方法をあらかじめきめておくと、発生届出があったら、そこにふだんとは違った隣村でもいいから、一番運びやすいほうに臨時に収容する、これの手立てを今指示いたしております。
 それからなお、二月末から三月上旬になりますと、融雪時期で、このときが一番危険状態でございますので、現在、大体防疫班の編成を終わっておりまして、現在活動しておるのは必要ないのでありません、雪融けが早く始まるときもございますので、そういうところには、散布を防止するという意味で、重点的な消毒措置、それから豪雪のいろいろな始末、これの指導に歩く、こういう手はずだけは、現在整えて待機中と、こういうことでございます。
 それからなお、インフルエンザの心配もございましたが、昨年の十一月の降雪以前に、学童ほとんど全員にインフルエンザの予防注射を、この地方も完了いたしておりますので、現在のところ、まだインフルエンザによる悪性感冒は、全然発生を見ておりません。おそらくこのまま推移できると、あとはリウマチ性のような寒さと雪のための病気は若干ございますが、これは普通疾病でございまして、むしろ一般の医療の対策という考え方で、医務局のほうにいろいろお考えを願う、こういうことでございます。
#40
○鹿島俊雄君 非常に懇切に御説明がありましたので、よく了承いたしました。ただいまの御答のように、融雪期は特に問題と思いますので、一そうの御努力を願って悪疫発生の防止に努めていただきたいと思います。
 第二点は、これは少しく限局する質問ですが、医療機関に対する問題であります。特に私設保険医療機関がこの雪害により診療報酬請求書の作成提出、あるいは支払い事務が通信交通連絡の不可能なために、その事務処理が停止され保険医が経済的に困るという状態になってはならぬと思います。こういった点につきましては、保険局長も、適切な指示をとっていただいたと思いますが、現在支障なく措置が行なわれておるかどうかお答えいただきたいと思います。
#41
○政府委員(小山進次郎君) ただいま仰せのありました、大へんこれは大切な問題でもございますし、しますので、私ども現地の事情を聴取しながら、いろいろと手配をしております。ごく大まかに申し上げますと、さしあたり出て参ります問題は、前の月に見た診療についての請求書を、指定の期日までに届け出ることが実際上できにくい事情にあって、そのために支払いがおくれてしまうというようなことがあるかないかという点が一つ問題になるわけであります。
 この点は、特に支払基金のほうから、現地に十分指示を徹底させまして、普通の場合でありますと、医療機関が県の支部のほうに、何らかの方法で届け出るということをいたすわけでありますが、そういう普通の方法では届け出にくい事情がございますので、支払機関のほうから、各郡、市に出向きまして、一定の期日に、そこに届け出てもらう、その場合でも先生御承知のとおり、一般の例では翌月の五日までということになっておりますが、これをぎりぎりまで延ばしまして、十三日まで受け付けるということで極力正規の支払いが、いろいろな事情で提出できなくなるようなことを取り除くような方法、これは現実に、実は先生の御注意もあって、すでに数日前から講じて、大体、これは動きかけているようでございます。当座の問題としては、これでしのいでいけると思いますけれども、もしこういった事情が非常に長く続くような場合、一体、それだけでいいかという問題がありますので、これはよく現地の事情をさらに検討をさせております。もし今後も積雪が非常に続いていって、そういうことでは、どうも思うようにいかぬというようなことになるとすれば、場合によっては、やや無理はございますけれども、一回仮払いをするということについて検討をする心がまえで、これはすでに基金の本部に対して、それを指示しております。
 それから、まあお尋ねは今なかったのでありますが、前回御注意がでありましたので、あわせてその後の対策という意味で御報告申し上げておきたいと思いますが、実際問題として、この国民健康保険の被保険者なんかで、保険料を納めることができないというような者が出てきはしないか、これについては一体どう考えるか、そのほうがうまく納まらぬというと、回り回って医療機関のほうが困るという問題ができてくるのだという御指摘の問題、まことにごもっともな問題で、これも現地のほうに、それぞれ指示を徹底しておりますけれども、今の段階では、まだそこまで論ずるところまで情勢が進んでおりません。いずれにしてもこの問題は、納期が切迫して参りますときには表面化してくる問題でございますので、その場合には、従来の減免の措置を徹底させまして、この跡始末は、当然翌年度ということになりますが、その場合の調整交付金で十分考慮したいと思っております。
 なおそういうような事情で国民健康保険の場合などは、特に保険料の現実の納入が第四四半期では思うようにいかないために、結果として、保険の療養取り扱い機関に対する支払いの金がないというような事態が、これもないとはいえないわけでございます。その点については注意を十分いたしまして、もしそういうふうな事態になりそうであったならば、県として、しかるべき措置を講ずることを考える、どうにもしのぎがつかないような事情になりそうだったら、早目にひとつ中央に言ってこい、ということで、今情勢を見ているような状況でございます。
#42
○鹿島俊雄君 よく了承いたしました。次にもう一点お尋ねしておきたいことは、私的医療機関施設が雪害によって損壊をした場合には、医療金融公庫によって金融措置が講ぜられるわけですが、今回の雪害、降雪期間が長きにわたった地域、二十日間くらいにわたったところがざらにあると思いますが、ほとんど医療全般が保険医療でありますから、この間収入の道を断たれ、一部の保険医の中に、ある時期に生計つなぎ資金の必要が起こってくると考えます。その場合に、現在の医療金融公庫の業務運営ではつなぎ資金のような応急資金貸し出しが出来ない状況だと聞いております。これではこの医療金融公庫設立の趣旨からいっても納得が行かない。この際、公庫の業務方法書を改善して、かような場合緊急につなぎ資金を貸出すと云うことにすべきだと考えますが、この点について御意見を医務局長に承りたい。
#43
○政府委員(尾崎嘉篤君) 御質問の御趣旨は、病院、診療所、特に私的の医療機関だろうと思いますが、そこで豪雪によりまして医療の費用が要るのに、収入が断たれるので、つなぎ資金、短期資金を医療金融公庫から考えられないか、こういうようなお話でございますが、現在のこの緊急事態に応じまして、われわれのとりました措置は、まずお話のとおりに医療金融公庫は、設備とかまた運営資金にいたしましても、長期のものを目的として設立され、また業務方法書も、そういうふうになっておりますので、短期の関係は、従来は市中銀行とか国民金融公庫によって行なってもらうというふうに、業務の分担と申しますか、できておりますので、今回は二月二日に、医務局長から国民金融公庫総裁に依頼をいたしまして、「復旧資金とかまた運転資金の調達に困難をきたしているものができてくる可能性があるので、そういった場合には、実情を御賢察の上、医療機関等から降雪に伴う資金融資の申し込みがあった場合には、特別の御配慮を賜わりたくお願いする。」こういうふうにして依頼状を出し、また、こちらのほうから係官が参りまして御了承を得、下のほうに流してもらうように手筈をとっております。
 それから、損壊いたしました建物とか機械類の復旧のためには、これは医療金融公庫から特別の融資とかワクを考えていきたい。公的の医療機関にも、また補助金等で考える必要があれば考えていきたい、かように考えております。
 御質問の医療金融公庫のほうで短期のつなぎ融資をするという問題は、今回の問題とは別に新たな問題といたしまして、いろいろ研究させていただきたいと思います。
#44
○鹿島俊雄君 大体わかりましたが、私の申し上げるのは、直ちに医療金融公庫からつなぎ資金を出せというわけではない。今後の事態を考えて公庫が取扱えるようにすべきであると思う。御答弁のように早急に考究されたい。私の調べたところでは、国民金融公庫は、四四半期で三億か四億くらいは融資を考えておると言っております。しかし、これで要求の金融が十分にされるかどうか、私には疑問がありますので、当局はなお、国民金融公庫に貸し出し措置強化を交渉願いたい。
 非常災害時に対する業務方法書の改正につきましては、先程要要のとおり急速に手をつけていただきたいと思います。この際政務次官のお考えもお聞きして置きたい。
#45
○政府委員(渡海元三郎君) ただいま鹿島委員より、雪害対策につきまして、種々御質問がございまして、関係局長から御答弁させていただきましたが、本日、本院におきましても、決議案が上程され、総理が一括してお答えになりましたが、災害対策、特に応急対策につきましては、災害救助法の発動等、厚生省の受け持つ分野というものが非常に応急的に必要なんじゃないかと考えます。こういった意味から、十分督励いたしまして、善処するように考えているような次第でございます。
 なお、ただいま御指摘のございました医療金融公庫から短期融資を出したらどうかという点につきましては、今局長からお答えいたしましたが、下部機構の充実等の問題もございまして、さしあたり今回は国民金融公庫から出していただくように、大蔵省並びに国民金融公庫にも連絡をいたしまして、業務運営からも適切に処置していただくように連絡は十分とっております。
 なお、ワクの点も今後の推移によりまして、十分要望いたしていきたいと、かように考えております。
#46
○委員長(加瀬完君) 他に御発言もなければ、本日は、これにて散会いたします。
   午後二時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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