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1962/06/11 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 社会労働委員会 第22号
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1962/06/11 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 社会労働委員会 第22号

#1
第043回国会 社会労働委員会 第22号
昭和三十八年六月十一日(火曜日)
   午前十時四十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     加瀬  完君
   理事
           高野 一夫君
           徳永 正利君
           阿具根 登君
           藤田藤太郎君
   委員
           加藤 武徳君
           鹿島 俊雄君
           亀井  光君
           紅露 みつ君
           竹中 恒夫君
           丸茂 重貞君
           山下 春江君
           山本  杉君
           横山 フク君
           杉山善太郎君
           柳岡 秋夫君
           林   塩君
           村尾 重雄君
  国務大臣
   厚 生 大 臣 西村 英一君
  政府委員
   警察庁保安局長 大津 英男君
   厚生政務次官  渡海元三郎君
   厚生大臣官房長 熊崎 正夫君
   厚生省公衆衛生
   局長      尾村 偉久君
   厚生省環境衛生
   局長      五十嵐義明君
   厚生省医務局長 尾崎 嘉篤君
   厚生省薬務局長 牛丸 義留君
   建設省都市局長 谷藤 正三君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       増本 甲吉君
  説明員
   法務省刑事局青
   少年課長    桂  正昭君
   大蔵省関税局監
   視課長     丸山 幸一君
   厚生省医務局医
   事課長     上村  一君
   海上保安庁警備
   救難部長    猪口 猛夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○生活環境施設整備緊急措置法案(内
 閣提出)
○清掃法の一部を改正する法律案(藤
 田藤太郎君外四名発議)
○社会保障制度に関する調査
 (結核予防法の施行状況に関する件)
 (医業類似行為等に関する件)
○麻薬取締法等の一部を改正する法律
 案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(加瀬完君) ただいまより開会いたします。生活環境施設整備緊急措置法案及び清掃法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 前回に引き続き、質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#3
○柳岡秋夫君 生活環境の整備と申しますか、公衆衛生を確保して国民の生活と健康を守っていくというからには、今非常に重要な問題になっておりますけれども、この生活環境の施設の整備あるいは拡充をし、これを強化していくということは、一体どこの責任なのかどうか、私どもとしては、これは個人に帰せられるべきものではなくして、あくまでも地方自治体なり、あるいは国として、いわゆる公共団体として当然やらなきゃならない仕事ではなかろうかというふうに思うんですけれども、そういう責任の所在は一体どこにあるのかどうか、そういう点について大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
#4
○国務大臣(西村英一君) その責任でございまするけれども、やはり事によっては、個々の人がやはり生活環境をよくしていくという責任はありましょうし、また、それを統一的に社会共同体としてやらなきゃならぬこともありましょうし、また、さらに、それでもできないというような場合には、国としてもやはりその責任の一半を負担しなければならぬというところもあるので、大体生活環境をよくするのを一つのものに全部負わして、それの責任、こういうふうにもいかないのではないか、そのことによってそれぞれ責任の分担があるんじゃないかというように私どもとしては考えられます。
#5
○柳岡秋夫君 問題によってそれぞれ違うと言いますけれども、しかし、私どもは、そういう人間の生理現象として屎尿の問題は、これはだれにもあることだし、また、ごみの問題にしても、生活をしていく上からには、当然何人もこれを排出しないという人はいないと思います。そういう生活の中から当然生まれてくる問題について、また、必要とする下水についても、上水道にしても、全然それを必要としないというような人はだれもいないわけです。ですから、国民は、すべてそういうものをやってもらうために税金というものも私は納めておるんじゃないかと思うんです。したがって、税金を納めている以上、それは市町村なり、あるいは国として、当然公衆衛生の立場から、これを責任を持って施設の整備拡充をしていくということがほんとうの本来の姿ではないかと私は思うのですけれども、今の大臣の御答弁ですと、何か個人にもそういう責任があるというようなお言葉でございまして、そういうところから、私は、受益者負担というようなこと、手数料の徴収ということも出てくるのではないかと思うのですが、そういう点はどうですか。
#6
○国務大臣(西村英一君) ちょっと質問の要点がわかりにくいのですが、受益者負担という――私がそれぞれによって責任があると申し上げましたのは、やはり人間が生活をしていく上に、それらの不衛生なものが発生していくのでございますが、それは個人としてでき得るだけの範囲においてやらなければならない。たとえば税金を出しておっても、やはり個人のでき得る範囲内においてやらなければならないということは、これは常識であろうと思うのです。しこうして、税金を出しておることだし、全般の大きな公共的な共通の問題になれば、それぞれ税金を納めておるのでございまするから、やはりその社会全般の責任として、そういう方が大部分の責任を持ってやるということになるのではなかろうかと思いますが、今ちょっと御質問が端的に要点がわかりませんですが、もしもう一回お話し願えればお答えいたします。
#7
○柳岡秋夫君 ちょっと質問がわかりにくかったと思いますけれども、こういう仕事をやるには、当然市町村なり国の責任としてやるべきことではないかということですね。結局国民に、あるいは個人にそういう責任を負わすような環境の施設の整備ではなくして、当然国なり市町村として、国民は税金を納めているのですから、こういう施設をどんどん改良なり整備していくということがあたりまえではないか、こういうふうに実は私は思うのです。
#8
○国務大臣(西村英一君) そういう意味におきましては、大部分の責任は、社会生活の単位であります地方公共団体がこれは大部分の責任がある、かように私も思う次第でございます。
#9
○柳岡秋夫君 次に、今度の法案によりますと、五カ年計画というものを作ることになっておりますが、その五カ年計画の初年度は三十八年ということになっております。ところが、もうすでに三十八年に入っております。しかも、予算は通っております。そうしますと、この予算との関連において、この五ヵ年計画は、予算をきめる際に、当然この五ヵ年計画というものを想定して予算を決定したものかどうか、その点をお聞きしたいのです。少なくとも、法律がまだきまらないうちは、そういう予算というものは、これがどういうふうにこの委員会の中でいろいろな意見が出て修正されぬともわからないわけですが、そういう場合に、予算がすでにきまっているということは、ちょっとあまりにも委員会の権威と申しますか、われわれの立場を無視したやり方ではないかというように私は思うのですけれども、五ヵ年計画と予算との関係についてお伺いしたいと思います。
#10
○国務大臣(西村英一君) 実は、予算が、私たちの思うように、まあ十分な予算が獲得できるならば、これは正直な話ですが、あえて五ヵ年計画と言わず、三ヵ年計画ででも、早く整備したいということでございます。しかし、いろいろ御承知のとおり、予算は他のものによって制約がされるのでございます。しかし、少なくとも、焦眉の急であるこの清掃事業については、どうしても早目にやりたい、五ヵ年計画ぐらいでやりたい。こういうことは、まあむしろ三十八年度の予算が思うようにいかなかったということにもよるが、これはちゃんと五ヵ年できめておいて、その目標の達成には進みたいということになったのでございます。元来から言いますれば、五ヵ年計画をするならば、その事業量をこなす金というものは、平等にいくべきじゃないか、均等割りで普通はいくべきではないかという御議論もございます。その御講論もございまするが、一方、予算上の非常な制約もございますので、結局本年度は五ヵ年計画には実はふさわしくないような少額でございます。しかし、これとても、従来の三十七年度の予算に比べれば、相当の増額でございます。しかし、かような観点から、むしろ五ヵ年計画といたしまして目的の事業量は達成したい、しかも、それを厚生省が考えるのみならず、閣議の決定に持っていって達成の計画をオーソライズしたい。それには一つのちゃんとした法律の規制によってこの目的を達成したい、こう思っておるわけでございます。
 しかし、また、一方からのその非難は、それでは君、五カ年計画というものは予算をとるための手段じゃないかと、こういうような批判も受けるかと思います。まあそういう批判は批判といたしましても、目的量の目的達成を五カ年でしたいということが主眼でございまするから、それを十分権威あるものにしたいというのが今度の法律案の提案の趣旨でございます。従来、港湾の整備にいたしましても、あるいは治山、治水の整備にいたしましても、やはりそういうような法律が建前になっておるのでございまして、そういうような前例も考えまして立案をして提案をいたしたような次第でございまして、目的とするところは、この五カ年の同にわれわれの最終的な目標に到達したいと、かように考えておる次第でございます。
#11
○柳岡秋夫君 そうしますと、すでに厚生省としても要求をして、予算が国会を通過したわけですが、その予算を要求する際の厚生省のこの五カ年計画の初年度の計画なり、あるいは五カ年計画の展望というものを持っていなければ、この本年度の予算というものは要求できないと思いますが、その内容についてお伺いしたいと思います。
#12
○政府委員(五十嵐義明君) 御指摘のとおり、私どもこの三十九年度の予算要求にあたりましては、大臣からただいま答弁がございましたように、五カ年間で私どもの考えております緊急に汚物を衛生的に処理しなければならないという目標を立てまして、その予算の要求をいたしたわけでございますが、その目標と申しますのは、一応昭和四十二年、五カ年計画の終わりであります年度の人口を九千九百七十六万と見込みまして、その中で、特に緊急に衛生的に処理しなければならない人口を約その八割、八千万とおよそ見込みまして、その八千万の人口の生活に伴って排出されます汚物、すなわち、屎尿、ごみ等を衛生的に処理したい、こういう考え方で予算の要求をいたしたわけでございまして、その衛生的に処理いたします内容といたしましては、屎尿につきましては、最も理想的な形として、建設省の下水道の管渠と結びつきます水洗便所並びに終末処理場、これによります処理、それから、くみ取りまして消化槽で処理いたします屎尿処理施設、それから、ごみにつきましては、大部分を焼却施設で処理したい、こういう考え方で予算の要求をいたしたわけでございますが、先ほど大臣からも答弁がございましたように、その要求の金額にいたしましては、実際に御決定いただきました予算、また、起債のワクは、必ずしも十分であったとは考えられないわけでございますが、なおこれを第一歩といたしまして、従来とも、かなり急角度にこの汚物処理施設の整備に要しまする財源が伸びてきておりますので、この五カ年間にぜひ目標を達成したい、かような考え方でおるわけでございます。
#13
○柳岡秋夫君 そうしますると、今、局長は三十九年度と申されましたが、三十八年度でございますね。
#14
○政府委員(五十嵐義明君) 三十九年度と申し上げましたのは間違いでございまして、三十八年度を初年度とし、四十二年度を終年度といたします五カ年計画でございます。
#15
○柳岡秋夫君 そうしますと、三十八年度を初年度とする五カ年計画を一応厚生省として腹案を立て、大蔵省に予算要求をした。ところが、起債にしても、厚生省が考えておる事業量を全うするには非常にこの三十八年度の予算は少ない、こういうことを今、局長も言われた。そうすれば、私は、この五カ年計画というのは、今までの政府のこういう生活環境整備に対する施設に対する認識ですね、政府の認識の度合い、あるいは社会保障全般に対する政府の予算の率、そういうところから見ましても、三十八年度計画どおりに予算がもらえなかった。したがって、三十九年度からは三十八年度の不足分も埋めて、さらに完全な五カ年計画が達成できるような予算を獲得すると言っても、私は、そう甘い観測は持てない、こういうふうに思うのです。そうしますと、この五カ年計画というのは、何か今までと同じように、計画倒れに終わる心配が私はあると思うのですが、そういう点は大臣いかがですか。
#16
○国務大臣(西村英一君) この目的量を達するには、初年度は非常に予算が少ないから、ずっと年度を追うて予算が大きくなるということになろうかと思います。実は、予算折衝のときは、まあこの問題のみならず、ヤマをかけるわけじゃありませんが、希望をやはり申し上げましたが、予算概算はどうしても多くなるわけでございます。いろいろ大蔵省と折衝しまして、その折衝の内容は詳しくは申し上げられませんが、これを初めにずっとこなしていくか、あるいは平年度化していくか、初め少ない予算で、しり上がりにやるかというようなことで非常な議論をいたしたのでございます。私は、だんだん考えて参りますと、実は、この屎尿処理というようなものの技術は、日本ではいろいろの方式があるのでございます。したがいまして、今までやっております実績等をたんだん聞いて参りますと、これでは非常にやり方に、あるいは金の使い方に考慮をしなければならぬ。そうして初めからぶっつけて大きい予算でなくてもこれはいいんじゃないか、こういうようにも考えられました、しかし、この五ヵ年の間には、目的のこの総量だけはぜひこなしたい、すなわち、衛生的にやるためには、下水道によるこの終末処理の方法と屎尿処理等によって大部分の人口を五ヵ年にこなしたいということは、ぜひ守りたいと思いまするから、今年度の予算の少なかったときは、来年度、再来年度これを獲得いたしたいのでございまして、この計画を水泡に帰さないためにも、法律でこの計画の目標と計画の事業量を、皆様方に御賛成をいただきまして、きめておきたいと考えて、この計画は水泡に帰さないように努力するつもりでございます。今三十八年度の予算では少ないと申しましても、三十七年度、従来に比べれば相当の、五〇%の増でございます。一般の予算の伸びは一七%の増なのにもかかわらず、環境衛生費については五〇%の増でございます。この予算で今年度ただいま実行計画を作っております。この実行計画につきましては、後ほど政府委員から説明させてもよろしゅうございまするが、やはり要求個所は相当にありますけれども、大部分要求個所に沿うような施策ができる。これは単年度でもって事業はできませんから、やはり二年計画、三年計画だろう、大きいところはやはり三年計画でございますし、小さいところは二年計画、初年度一ぺんに予算が出て、今年度予算を配賦して今年度でき上がる個所は少ないので、大体は二年、あるいは大きいところは三年かかりまするから、今年度皆様方の十分な御協力を得まして、この五ヵ年計画は水泡に帰さないように、次年度からは十分の予算を獲得したい、私はかように考えておる次第でございます。
#17
○柳岡秋夫君 予算についてもう一つ確認しておきたいのですが、そうしますと、五カ年計画の厚生省のこの専業量、最終目標等につきまして、一応閣議決定をなされたのですか、それが一つと、それから、大蔵省との関係において、当然閣議決定がなされれば、この一千九百五十億円という予算も、これは政府として当然ある程度の確認はなされておらなければならないと思うのですが、そういう点は閣議の中でどういうふうになっておりますか。
#18
○国務大臣(西村英一君) 閣議決定はまだしておりません。この計画をきめて閣議に出して決定するわけでございます。しこうして、今一千億何がしという数字を上げられましたが、そういうものは、たとえば終末処理をいたしますのに一千億くらいの金が要るだろうということで、これは厚生省だけの試案でございまして、概算の試案でございまして、しこうして、この法律が通りますれば、この法律に基づきまして五つの計画を出す、下水の整備計画、下水に応ずるところの終末処理の計画、屎尿処理の計画、その計画を出しまして、それの決定を受けるわけでございます。予算につきましては、やはり大ざっぱな概算を、全体の額はわかっておりましても、予算の立て方が単年度の予算の立て方でございますから、三十九年度は三十九年度の予算として予算折衝いたすわけであります。終局においては五ヵ年の最終目標の事業量に達したいのだ、こういう考え方を持っておるわけであります。
#19
○柳岡秋夫君 これから五ヵ年計画を作っていくのだ、こういうお話に私は了解したのですが、そうしますと、五ヵ年計画を作る基本的な考え方として、私は、やはり政府の所得倍増計画、それに基づくところの新産業都市計画、ふるいは首都圏整備計画、いろいろおると思うのですが、そういう政府の今後の国土総合開発にのっとったもろもろの計画があるわけですが、そういう計画との関連を、私は、当然この生活環況の整備計画にしても、関連づけてやっていかなければ、また同じような事態が五年後には起きて、依然として解消されない、こういうことになろうと思うのですが、その五ヵ年計画を作る基本的な考え方についてお伺いしたいと思います。
#20
○国務大臣(西村英一君) 事業量は、一応人口的に、四十二年度の人口が約一億、それの人口の八割くらいは、これは衛生的に処理したい、いわゆる八千万、ところが、今、衛生的に処理されておる人口三千万人を引きますと、約五千万人くらいに相当するものを将来やらなければならぬと思います。しこうして、今申されましたように、この五千万人と一口に申されますが、これが地域的にどういう工合に今後移っていくか。今お話のありました新産業都市等は、これから興こってだんだん人口が稠密になるところでございます。そういうところは今後の変化を見まして、やはりそのとき、その年に応じてやらなければならぬことでございまするから、地域的な問題とか何とかいうようなことは、これからいろいろ修正をしていかなければならぬと思います。しかし、人口の点からいえば、これは動かぬところでございまして、全人口の約八割くらいを処理するという考え方にはあまり誤差はないだろう、かように考えておる次第でございます。この八割の人口は、現在の特別清掃地域内の人口が大体それくらいになるということでございます。面積から申しますれば、ごくわずかな面積になろうかと思われますが、だんだん地域的のことにつきましては、やはり計画も修正をし考えていきたい、かように思っておる次第でございます。
#21
○柳岡秋夫君 そうしますと、この五ヵ年計画は現在行き詰まっておる不完全な生活環況施設を、まず五ヵ年かかって整備をしていくということがこの五ヵ年計画の内容なんですか。私どもの考えるには、やはりそれも必要であるけれども、今後日本の国土総合開発によってそれぞれ各地に団地もできましょうし、工業都市もできましょうし、そういう新産業都市なり、あるいは首都圏整備計画に従ってのそういうような一連の計画にマッチをした生活環況施設の整備計画というものを当然政府としては立てなければ、いつまでたってもこういうような行き詰まった状態を解消することができないのじゃないか、こういうふうに思うのですが、そうすると、今の大臣の説明ですと、そういうのはそのときどきによって解消していくのだということになりますと、これから作ろうとする三十八年度の五ヵ年計画の初年度の計画、あるいは三十九年度にしてもそうですが、おそらく五年間かかっても、今の行き詰まった、あるいは不完全な施設を完全にしていく、八千万人の汚物を処理していく、こういうような非常に大きな事業はおそらく五ヵ年はかかると思うのですけれども、そこに重点があるということでございますか。
#22
○国務大臣(西村英一君) それは私ちょっと言い方が悪かったかもしれませんが、人口で抑えておりまするから、四十二年は一億になるだろう、九千九百七十六万二千人、これはもう人口でその八割、その人口を処理するというその人がどこにおるかということでございまするから、今言いました新産業都市ができましても、それは十分考慮をしての人口でございます。しかし、どこにどういうふうな施設を急がなければならぬかとか、極端なことを言いますと、その八千万人の人間が農村にずっとちらばってしまって都会に集中しないか、都会に全部が極端に一ヵ所に集中してくるかということによってディテール、明細が変わるということを言ったのでございまして、全体の処理人口としては、十人今あなたのおっしゃいました団地とか、あるいは新産業都市とかいうようなことを十分考えての処理場の目標になっておるわけでございます。
#23
○藤田藤太郎君 関連。この前も私はそこのところがよくわからぬのですが、九千九百七十六万人の四十二年の推定人口のうちで、八千万人の分だけやるということなんです。
 そこで、あなたのあとのまた答弁を聞くと、その内訳らしいことをおっしゃる。水洗便所は千八百万人、屎尿は三千万人、ごみは五千五百万人と、こうおっしゃる。それで、八千万人というのは何を計算するのかということが私はわからなくなってくるわけなんです。八千万人というのは、この四つの五ヵ年計画、ごみと屎尿、屎尿の問題は水洗便所を意味しているのか、くみ取りだけを意味しているのかよくわかりませんが、このごみと屎尿と下水と終末処理という四つのものは、八千万人は完全に五ヵ年計画でするということなのかどうか、そこらあたりはもう一度言ってもらわないと私はわからぬと思う。なぜ私はこういう疑問を持つかというと、たとえば大都市だけを今ここで見てみましても、東京が一千万といわれておる。東京の都市で旧二十三区の二百二十三万人水洗便所、大阪は百二十三万、名古屋はだいぶ進んでいますけれども九十八万、ところが、横浜は八万九千人、京都は十一万人しか水洗便所ができていないのです、あなたの報告を聞くと。そうなると、なおさら疑問を持つわけですが、その五ヵ年におやりになるのは、実際何と何と五ヵ年でどれだけやるのだ、年次的にはどうなんだということが明らかにならないと、これはわれわれが法律を作る立場からしてよくわからぬ、こういうところなんですよ。これはどうなんですか。
#24
○国務大臣(西村英一君) この計画を全般的に、たとえばごみは別として、屎尿処理だけについて申し上げますと、この計画をする場合に、対象人口、つまりどれだけの人口を当てにしてやるかということでございます。これはやはり、たとえば下水管でもって屎尿処理、終末処理をやる場合には、それによって処理できる人口は幾らであろう、こういうことで計算をいたしております。面積でやる場合もありますけれども、人口でやる場合もある。昭和三十七年末の、つまり下水道の終末処理でもってやっておる人口は幾らあるかというと、七百万人くらいある。下水道による水洗便所であって終末処理をやっておるところが七百万人、これは全体の二三・三%ぐらいになっています、今の衛生処理をしておるやつ全部を一〇〇%としまして。屎尿をくみ取って、ある一ヵ所に持っていって衛生的な処理をする、これが約二千万人ぐらいの人口が今くみ取って衛生的に処理をいたしております。これが六六・七%ぐらいになっております。第三の、屎尿浄化槽、自分の家だけでもって衛生的にやっておる、この屎尿浄化槽によるものが三百万人の一〇%ぐらい、一割ぐらいになっておって、これが昭和三十七年末の衛生的に処理されておる全部を一〇〇%とすればそういう割合になっておるわけでございます。しこうして、この五ヵ年計画の最終には人口もふえます。その人口を今言いましたような終末処理で何人処理するか、屎尿の消化槽で何人処理するか、こういうような計算をいたして参ったのが、大体下水道によって処理するものが二千五百万、三一・二%ぐらいを処理される。それから、屎尿消化槽施設が約五千万人、六一・八%、屎尿浄化槽によるものが五百六十万人で七%ぐらい、計八千万人の人口である。この八千万人の人口は、昭和四十二年の人口の八〇%ぐらいになろうというのでございまして、したがいまして、これは非常に大ざっぱな数でございまして、この人口の移り変わりがどうなるかということによって多少は変わりますけれども、大体こういうようなことでいけるのではなかろうか、また、しなければならぬと考えておるわけでございまして、はなはだ説明がまずいからおわかりにくいかと思われまするが、資料をお出ししてもいいわけでございまして、そういう人口でもって大体考えていっておるのでございます。これを面積にいたしますると、それらの八千万人の処理される面積は非常にわずかなことになるわけでございます。日本の全面積から比べますと、非常にわずかな面積になるわけでございまして、一応おわかりになるかどうか知りませんが、そういうような計画をいたして最終目標を立てて五ヵ年計画でやりたい、かように考えておる次第でございます。
#25
○藤田藤太郎君 今この表が出てきましたので、今おっしゃったことと大体符合しておるわけですが、屎尿消化施設というのは、これは消化装置をこしらえて、くみ取りして運ぶというその消化装置、水洗便所をさしているんではないんですね、どうですか。
#26
○国務大臣(西村英一君) くみ取ってやるやつが屎尿消化槽です。それから、自分の家だけでもって処理する、これが浄化槽です。これは浄化槽と消化槽とは全然。やり方が違うわけです。大ざっぱな数字ですが、多少の変更はあるだろうと思っておりますが、大体こういうことを目標にいたしております。それから、水洗便所は全部下水道のほうにかかっているわけでございます。下水道にかかっていって、そうして最後の処理場が終末処理場でございます。
#27
○藤田藤太郎君 そうすると、屎尿浄化槽というのは、独立した家屋の終末を自分で浄化槽を作ってやることでしょう、消化槽というのは、屎尿の消化槽を公共の施設として作るということ。それで今あなたのおっしゃった水洗便所というのは、終末処理の下水道のほうへいくわけですけれども、水洗便所はこの五ヵ年計画でどれだけの人が対象になっているんですか。今何人で、四十二年には何人だ、これをちょっと説明して下さい。
#28
○政府委員(五十嵐義明君) 下水道終末処理場の整備につきましては、この資料にございますように、到達目標を二千五百万と見ておるわけでございます。現在、水洗便所につながってこの形で処理しております人口は、この資料にもございますように、七百万でございまして、今後一千八百万人の整備を必要とするわけでございますが、でき上がりました形で昭和四十二年度の姿を見ますると、管渠の整備と、それから終末処理場の整備との調整の問題がございまして、技術的には管渠の一部がおくれて、終末処理場のほうが先にできる部分、あるいは管渠の部分が排水等の目的を持って先行する部分等がございまして、若干数字に食い違いが出て参りますが、四十二年にでき上がりました姿では、二千五百万人のうち、二千百万人が水洗便所で終末処理場につながる、四百万人は、終末処理場はできますが、私どもの言葉ではマンホール投入と申しておりまして、一応普通のくみ取り便所からくみ取ってきてマンホールに投入して終末処理場で処理する、したがいまして、その四百万人の分は、管渠ができ上がりましたときに完全な形で水洗便所になるということでございまして、それまでは終末処理場の四百万人分は、屎尿消化槽と同じような役割をしばらく続ける、こういうことになるかと存じます。
#29
○藤田藤太郎君 私は、今おっしゃった水洗便所、それから屎尿消化槽の計画と何ぼということがこう書いて、緊急五ヵ年計画の計画人口と到達目標というのは並んでいたのですが、到達目標というのは、五ヵ年計画で到達する目標なのか、五ヵ年緊急計画といって、大体五八%とか三六%とが書いてある、これちょっと説明して下さい、どういうことなのか。
#30
○政府委員(五十嵐義明君) 表の一の「事業の目標」について御説明を申し上げたいと思います。左のほうの区分に「下水道終末処理場整備事業」というのがございまして、この整備事業の五ヵ年計画の到達の目標は、全部含めまして、国民の中の二千五百万人分を終末処理場で処理する、これを目標といたしております。これが昭和四十二年の到達目標でございます。そのうち、昭和三十七年度末までにすでに計画済みになっております人口がその次の欄にございます七百万でございまして、これを差し引きますと、今後三十八年度から四十二年度まで五ヵ年間にわたりまして整備を要する計画の人口が一千八百万人、かようになるわけでございます。以下、同じように「屎尿処理施設整備事業」につきましても(イ)の屎尿消化槽等の施設につきましては、到達目標が四千九百四十万人、これに対しまして、現在まで二千五万人が計画済みでございますので、差引二千九百三十五万人の整備を要する。屎尿浄化槽につきましては、これは自家用でございますが、五百六十万人を目標にいたしまして、現在三百万人が整備されておって、今後二百六十万人を整備する。合計いたしまして、到達目標は、昭和四十二年度には八千万人の屎尿につきまして、以上述べた統合によって百パーセントに衛生的に処理いたしたい、それに対しまして、三十七年度までに計画が済んでおりますものは三千五万人、これを差し引きますと、今後五ヵ年間に約五千万人、四千九百九十五万人を整備していく必要がある、かような意味でございます。
#31
○藤田藤太郎君 いずれ私は、あとでこの問題の計画の費用や、それから地域的にそれがどういう形で完成していくという面、こういうものを私はいずれお聞きしたいと思いますけれども、関連質問ですからこれでやめますけれども、一つの例を私は申し上げますと、私のところは三万二千人ほどの市ですけれども、私たちやかましく言って、そうして屎尿消化槽の建設等をみんな寄ってやかましく言いましたので、やることになりました。それは膨大な金が要っているわけです。政府はその実行単価で補助しないわけですから、これは市民の負担が非常に大きくなって困っておるというのが現状です。ですから、いずれこれは予算計画その他で、この全体の数字でいいかどうかということを議論しなければなりませんが、年度ごとにどれだけ国が費用を負担して、そうして市町村でどれだけ負担する。名目の単価の実績単価からすれば、これは率にしたら三分の一といっても三三%ですけれども、二〇%にも当たらないというのが現実の姿なんですから、そこらあたりをどう見ておるかということを何かに書いて、初年度から五ヵ年計画の年次ごとに、どの地域でどういう工合にやって、屎尿の問題をどうするということを出していただきたいと思う。これは出していただかなければ、ただ閣議で決定するのだということで、この目標が出てきましたが、これでいいのかどうかという議論もこれから出てくるわけですから、問題は、ここに出ておる分だけでも、予算措置をどうするかということが、ある程度明らかにならなければ、私は、尋ねられても答えることができない。内閣で、ただこれから五ヵ年計画を計画して相談しておやりになるのだということ、こういうことだけでは私はいかないと思う。だから、この点を次の機会までに明らかにしていただきたい。それだけを申し上げて質問を終わります。
#32
○柳岡秋夫君 今、藤田委員の言われたように、私もその点をお聞きしたいと思うが、あとで資料が提出になれば、詳細にまた資料で聞きたいと思いますが、政府の五ヵ年計画と下水道法あるいは清掃法の関係もあると思いますが、各地方公共団体でそれぞれ事業計画を作って、都市計画法に基づいて、そうして政府に認可の申請をして、政府が認可をして事業が行なわれる、こういうことになると思うが、そういう公共団体の事業計画とこの五ヵ年計画との関連はどういうふうになっておりますか。
#33
○政府委員(五十嵐義明君) この点につきましては、昭和三十八年度の予算を要求いたします際に、全国の各市町村に呼びかけまして、今後五ヵ年間に整備を要する施設の資料を集めたわけであります。それを基礎にいたしまして、私どもの構想しております五ヵ年計画の目標を一応立てたわけでございます。したがいまして、この五ヵ年計画と、それから各地方の公共団体で考えております計画とは、これは一致したものである、こういうように考えております。
#34
○柳岡秋夫君 そうしますと、今後各地方公共団体においていろいろ計画を立てて、おそらく認可の申請をしてくると思いますけれども、その場合に、厚生省の立てる五ヵ年計画と地方公共団体の立てる計画との問が完全に一致すれば問題はないと思いますけれども、おそらく予算等の関係もございまして、矛盾することがありはしないかと思うのですが、そういう矛盾をした場合には、一体どちらが優先するのか、それをお聞きしたい。
#35
○政府委員(五十嵐義明君) 従来の実績にかんがみましても、市町村、地方公共団体の計画と私どもの考え方との間には、十分話し合いを行ないまして、納得の上で予算の配賦等も実施して参っておるわけでございますが、この非常にこまかい場所の問題でありますとか、技術の問題でありますとか、いろいろと話し合わなければならない問題はあろうかと思いますが、しかしながら、この五ヵ年計画で計画いたしておりますようなこの事業目標というようなことにつきましては、これは先ほど申し上げましたように、地方公共団体の計画を積み上げたものでございますので、これを年次別にどのように緩急順序をつけまして処理していくかというようなことにつきましては、この予算記載との関連が出て参るわけでございますが、しかし、ただいま御指摘になりましたように、市町村の計画と私どもの五ヵ年計画とが、基本的に非常に大きな食い違いができるとか、非常に矛盾したものになるとかということは、これはないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
#36
○柳岡秋夫君 そうしますと、まあ政府で費用の補助をする場合は、必ず五ヵ年計画の中に入った事業でなければ費用の補助はしない、こういうことになりますか。それとも、政府の計画に入らない場合でも、政府で何らかの資金の融通なり、あるいは国有地の無償貸付なり、そういうような施策を考えておるわけですか。
#37
○政府委員(五十嵐義明君) 私どもの考えでは、地方公共団体がこの生活環境施設を整備していこうという計画を持ちました場合には、これはすべて五ヵ年計画のワクの中に入る、このように考えておるわけでございまして、補助金も起債も要らない。ですから、別にやるというような事業は、これは出てこないのではないかというふうに考えております。
#38
○柳岡秋夫君 そうしますと、再度確認しますけれども、地方の自治体あたりで、いろいろ計画に基づいてこういう生活環境施設の整備拡充をしていく場合は、ほとんど政府計画に入って、それぞれの公共団体で計画にそごを来たす、こういうことは絶対ない、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
#39
○政府委員(五十嵐義明君) 五ヵ年計画のもとになりましたのは、地方公共団体の計画のいわば積み上げ、積み重ねでございますので、したがいまして、先生のおっしゃいますように、大きなそご、矛盾がくるということは、私どもとしては考えていないわけでございます。
#40
○柳岡秋夫君 そこで予算との関係が私は非常に不安になってくるわけなんです。おそらく各地方自治体とも、膨脹していくこの人口の中で、公衆衛生を確保して市民の生活と健康を守っていくということになりますると、相当膨大な計画というものが今後どんどん出てきやしないかというふうに思うのです。そうしますと、その計画に基づいて五ヵ年計画というものが一応考えられるということになりますれば、この補助金の問題にしても、相当大きな予算を私は要してくるのじゃないか。したがって、この法案で必要な措置を講ずるというふうになっておりますけれども、必要な措置が講じられない場合がありやしないか。この点は予算との関係が私は非常に不安なんですが、今後閣議決定をして、大蔵省との間で必ずこの事業目標を達成するような予算の確保をできる確信が大臣にあるのかどうか、その点をひとつお伺いしたいと思うのです。
#41
○国務大臣(西村英一君) 実際、町村の負担とこの補助の率は三分の一というけれども、三分の一にならないじゃないかということをよくいわれます。それは、そういうふうに、たとえば三万の都市ですと、一人が一リットルですから、この屎尿のこれは三十キロの設備になるわけです。三万の都市くらいですと、それから排泄する屎尿の量は千人一キロリットルというふうにふんでおりますから、一人一リットル。そうすると、三万の都市というと、一日に排泄する量は三十キロリットルの屎尿を処理する能力の施設をするわけです。ところが、町によってその施設をどこにするかとか、どういうあれをするか、いろいろ各所全部違うわけです。土地の値段も違いましょうし、いろいろ違うわけです。したがいまして、補助は、ある基準単価をきめてやっておるわけで、基準単価につきましては三分の一というのだけれども、実際に町では、欲のあるところは公園地帯にしたいとか、道路のつけかえをどうとか、全体をやった場合にはたくさんの金が要るということになって、実は三分の一、三分の一というけれども、ごまかしているのじゃないかと、こう言われるけれども、それはごまかしておるのじゃないので、実際の総事業量というもの全部の三分の一ということにはなっておらないわけでございますが、その点が実際とわれわれの言う三分の一と違うのでございますから、その辺は御了承を願いたいと思います。いろいろな町の事例を伺って、ちゃんと実際にかかる費用をこれは比べて補助率をやっております。しかしながら、全般的な御意見といたしまして、この予算の獲得かできるかということに対しましては、ぜひとも私ともこの目的達成のために十分な予算の獲得をしたい、かように考えておるわけでございまするが、それの裏づけになるのは、やはり計画全体をちゃんとこれは了承してもらわなければならぬ、閣議決定をしてもらわなければならぬということがどうしても出てくるのでございます。もしそうでないと、これは厚生省の試案だけになりまして、はなはだ権威のないものと申しますか、はなはだ弱いものになろうかと思うので今回の法律を提案いたした次第でございます。およそ今までの緊急整備の法案にいたしましても、治水、治山の十ヵ年計画の法案にいたしましても、およそこういうような方向をとっての法案ではなかろうかと思っておるのであります。そういう点を多少見習って今度の法案の提出にも参考にいたしたような次第でございまして、予算の点は、私といたしましては十分責任を持ちたいと、かように考えておる次第でございます。
#42
○藤田藤太郎君 今、厚生大臣が、閣議決定ということで計画が立つのだから、それまでは厚生省の試案であるからというお話がありましたが、この法律の建前からいったら私はそうだと思います。大臣のおっしゃるとおりだと思います。この法律に基づいて閣議決定をして、そして計画が立つ。しかし、この環境衛生行政を担当されておるのは厚生省なんですから、厚生省が計画をして、それを実施しようという具体的な問題が閣議で了解され、決定されるということなんです。だから、その根もとの法律を作るのでありますから、ここで要するに厚生省の言われておることは、自然国の施策になるという前提のもとに、どれだけのことをおやりになるのかという質疑が行なわれておる。それを腹の中に入れて、それじゃそれをより有効に閣議決定をして、法律を生かしていただきたいというこの関連の審議だと私たちは了解をするわけです。そういうことなんです。だから、そこで今のような柳岡委員や私の疑問が出てくる。五ヵ年でどれたけおやりになるのですか、費用はどうするのですか、こういうことになる。私は、あげ足をとるわけじゃありませんけれども、基準単価と実行単価との差があるけれども、基準単価で十分にやれるのだけれども、公園や道路や何かつけて、それを附帯工事も一切に含めるから実際の基準単価ではいかぬようになるのだ、こういうこともおっしゃるわけですけれども、そんなことをおっしゃるなら、政府がどの計画もお立てになったら、政府の直轄工事で市町村の工事をみんなおやりになったらいいと私は思う。私は、この種の事業というものを、何も国が全部負担せいとは言いません。何といってもこれは市町村の固有の事務でありながら、市町村が利益を受けるわけでありますから、だから、私たちも限界はあると思っております。その限界として国の負担五〇%、市町村の負担五〇%でやらなければならない、それでなければ実際にできない。それも実行単価で見積りをやるべきだとわれわれは考え、清掃法の改正案を出しているわけです。しかし、厚生省は四分の一と三分の一の負担分をお分けになっているわけですけれども、今は基準単価の押え方が安いものですから、実際にできていないというのが事実だと私は思うのです。それを大臣は、公園や道路やの付帯工事を含めては基準単価でいかなくなるのだなんという認識では困るのであります。ひとつ大臣は現地を見ていただきたいと思う。現地を見て、今の請負関係からいって、そんなことでは工事はできないという認識を新たにしていただきたい。私は、だから、これが国家の補助と援護との関係ですぐつらねて議論はいたしませんけれども、基準単価と実行単価との面は、大臣のようなそういう認識で、今の基準単価で何でもやれるのだという認識で物事をお考えになっておったら、私はたいへんだと思う。これは単に清掃、下水、終末の環境衛生の工事ばかりじゃないと思います。公共建物、学校建物その他もそうだし、基準単価と実行単価の差によって市町村がより以上の負担をかぶっているということは、これは、だれに聞いてもそのとおりだという答えしかできないというのが事実なんです。私は、厚生大臣がそういう私の聞いたようなことをおっしゃったのかどうか知りませんけれども、私には、そう聞こえたから今のような反発をしたいわけなんです。だから、その点は実効が上がるように、私たちは、少なくとも国と地方自治体とが五〇%と五〇%の負担をして、市町村の固有事務であるけれども、これくらい負担をしなければ実際の地方自治体の今日の財源ではできないと思っております。しかし、政府の出しておられる四分の一、三分の一にいたしましても、それが実行単価による国の負担というなら、私は、市町村はより助かると思いますが、実際問題としてそれができないところに問題があるということであります。大臣から、私の聞いたように、公園だとか道路負担事業までそれを一緒にやるから基準単価でできないようになるなどと、こういうことをおっしゃるとするなら、どうぞ政府の直轄土木建設事業をお起こしになって、政府の基準単価をお作りになったものでひとつその工事の完成をしてもらいたい、実現をしてもらいたい。これを私は言いたくなってくるわけです。どうでございましょう、最後に。
#43
○国務大臣(西村英一君) まあ実際の単価と開きがあるということの一例を言ったんで、今藤田さんがおっしゃいましたような、実際の実状と合わぬ単価というものが行なわれておる場合もありますので、その点につきましては、地方公共団体の負担を軽減するように、われわれといたしましてはせっかくあらゆる面で努力をして参りたい、かように考えておるわけでございます。
#44
○委員長(加瀬完君) 右法案に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。
  ―――――――――――――
#45
○委員長(加瀬完君) 次に、結核予防法の施行状況に関する件。
 柳岡委員より質疑の通告がございますので、これを許します。
#46
○柳岡秋夫君 時間の制約がございますので、端的に一、二の問題について、現在の結核の対策についての御所見を伺っておきたいと思います。
 御承知のように、結核が社会病として、社会全般の責任として、結核の予防、あるいは治療、あるいはあと保護、こうした一貫した国の適切な政策というものが要請をされておるわけでございます。したがって、結核予防法も三十五年に改正されまして、そして全額公費負担と、こういうふうなことに相なっておるわけですが、最近、結核予防法三十五条による命令入所の問題について、厚生省は予算がないからというような名目で、この命令入所の引き締めをやっておると、こういうことがいわれておるわけですが、この結核予防の対策、あるいは結核対策について、基本的な問題として、大臣の当面する結核対策の重点的な施策というものはどういうものをお考えになっておられるか、この点をまずお伺いしたいと思います。
#47
○国務大臣(西村英一君) 御承知のとおり、非常に結核の撲滅に対しまして政府は従来力を入れ参りました。それで、一般的には、日本は非常に結核は、もう極端に言うと、峠を越したのじゃないかというような風潮さえあるように見受けられましたが、実はそうではないのでありまして、いま一歩というところにきておるのでございます。したがいまして、私は、いま一歩というところでございまするから、非常に力を入れなければならぬと思いまして、実は、今年度の予算におきましても、昨年より相当にこの命令入所の数をふやしたわけでございます。今その点は政府委員から説明させますが、相当に命令入所の数をふやしました。したがいまして、予算も相当結核においてふえておるのでございまして、ぜひともこれを撲滅したい。実は、そういううわさが、もう日本は相当に結核は少ないと、もう峠を越したのだというような風潮があるとみえまして、これはごく内輪の話になりますけれども、ある病院でアメリカからの結核の補助を受けておる病院があります。ところが、向こうの方が来て言うのには、日本はもう非常に峠を越したのだから補助を打ち切ったらどうかというようなことまで言われたことがありますが、とんでもない話だ。もう今、日本は最も結核の撲滅に力を入れておるところであるから、いましばらくひとつ援助してもらいたいということを言ったことがあるのであります。どうかしてもう少し力を入れまして、撲滅に向かって進みたい。相当そのためには入所患者を三十八年度はふやした。数は後ほど政府委員から答弁させます。
#48
○柳岡秋夫君 数をふやしたということを言われましたのですけれども、私どもが把握しておるのでは逆なんです。それはそれでまたやりますが、しかし、私は、今、大臣も言われましたように、確かにまだまだ結核の問題については、国としても、あるいは社会全体としても、もっともっと力を入れて撲滅のためにやっていかなくちゃならぬと、こういうふうに私も考えます。
 そこで、厚生省は、三十七年の一月に、この命令入所の問題について、予算とその運用方針について通達を出しております。それによりますと、三十七年三月末の命令計数を一〇%程度縮小する必要がある、こういうふうな内容になっておるわけですが、それを同時に、三十七年の三月三十一日に、やはりA患者層、B患者層という分け方をしまして、そして特にB患者層につきましては一そうの引き締めをすると、こういうような通牒を厚生省は出しておるわけですが、これはどういう理由でこういう通達を出されたわけですか。
#49
○政府委員(尾村偉久君) 三十七年の一月の通牒の点でお答えいたしますと、これは三十六年の十月から、五万三千名の非常に増加いたしました命令入所患者の予算が通過いたしまして、これを実施したのでございますが、この内訳には、いわゆるA患者、B患者というものが予定されておりまして、これは国会を通るときもそういうような御説明でございましたように、いわゆるA患者といいますのは、ごく所得の低い、生活保護該当ないしはこれの少し上の者、それからB患者というのは、それ以上の所得のある者と、こういうような形で、二本立てで予算が通過した。それが実際に三十六年の十月に実施してみますと、上のもののほうが予算上の数よりも非常にふえてきたという形で、これはやはり成立した予算五万三千のワクの中では、その予算通過のワクに入れにゃいかぬということで、その現実のふえつつある趨勢を一定度三月までにおさめにゃいかぬということで、今御質問のありましたような通牒を出しております。ただし、Aのほうにつきましては、最初から、現実に一番困っておって、しかも、感染源で、狭い家の中で感染しておるのであるから、これがふえたならば補正をするという形で、これは逆に二千名ほどふえまして、B患者のほうとは無関係に、ふえたものは補正をいたしました。これは三十七年度も同様で、それぞれのA、Bのワクを用いるけれども、Aについては、これはその該当患者がふえたというので、三十七年度もまた十六億ほどこのAにつきましては、オーバーしたものについては補正をした、こういうような形でございます。やはりこれはばく然と、一本でなく、やはり低所得で一番困難をしており、一番感染の危険のあるものに重点を置く対策、いわゆる重点をそちらにより置いたものでございますのでかような結果になったわけでございます。本年度は、前年度の六万三千から九万三千という、五割も非常に大きな増ワクをいたしまして、ただし、その場合にも、そのうちの七万二千ほどはA患者、一番気の毒な連中を早くこれを収容する。二万一千ほどがBということでございますので、現在B該当、すなわち一定の所得以上これは上までずっとあるわけでございますが、これが命令入所を受けて、この感染源対策に乗りたいというものはふえておりますが、この増は第二次的にまた将来考える。本年度は、とりあえず一番低所得の七万二千人のワクを十分使う、これでかなりの対策が進むと、こういう形で現在実行中でごございます。
#50
○柳岡秋夫君 今、局長の答弁によりますと、この法案が改正されたときに、すでにA患者、B患者の区分けがあったんだ、こういうふうなお答えのように聞こえましたがね。しかし、三十六年の十月に実施をしたときは、住民税、所得税など合算して年額六千六百円未満の納税世帯者からのこういう患者に対しては命令入所をさせるんだ、こういうふうなことで実施をしているわけです。それがやってみたところが、予算が足りなくなったから、今度はA患者、B患者と分けて、B患者を押えていくんだ、こういうことでは、当時三十六年の五月十日に衆議院の社労委員会でわが党の大原委員が、これをやっていきますと、予算的にも非常に義務支出がふえてきて困るじゃないですかと聞いたら、そういう場合には幾らでも予算を補正をしてやりますよと、こういうふうに尾村公衆衛生局長も古井厚生大臣も答弁しているわけです。そうしますと、その法律を改正した当時の政府の考え方が最近変わってきた。しかも、最近じゃなくて、三十六年の十月から実施をして三十七年の一月に、半年もたたないうちに政府の方針が変わってきた、こういうふうに私ども考えざるを得ないんですが、その点はどうなんですか。
#51
○政府委員(尾村偉久君) お話のとおり、確かに法律の面では六千六百円の線を引いて、命令入所をかけて入った場合に、それ以上の収入のある者は一部の徴収をするかしないかという線のみでございまして、法律の面では、命令入所は、これは衛生的な見地から、家庭において菌を排出して伝染のおそれ濃厚のものからかけるということで、衛生対策としてお通し願いましたので、法律の面で、必ず幾つかの部類分けにしてということは出ておりません。しかしながら、三十七年度予算を御審議願うときに、この予算はAとBが節で分かれておりまして、A何万人、B何万人という予算ワクでこれが国会にも提出されまして御審議を願いまして、このときには、私どものほうから、やはりこの家庭環境と、それから感染濃厚というものから考えると、低所得の方をとにかく万全に、まず同じワクならば優先するのだ、そういう形で全体の約七割以上がAという一定以下のもの、こういうことになったわけです。こういうことでございますので、あるいは三十七年度予算のときから変更したと申せばさようなことが申せますが、さような形でございまして、三十八年度予算も同様にいたしまして、七万と二万のワクで組まれております。ただし、七万のほうは、現実にその該当者もふえればこれは補正をする、こういうような予算上の約束ずくでいっているわけでございます。
#52
○柳岡秋夫君 予算の中でそういうふうな分け方をしてあったのだ、こう言われるわけですが、しかし、大臣の先ほどの結核対策に対する基本的な考え方等からいきまして、あるいは最近の結核患者が依然としてふえておる、しかも、低所得の階層に漸増のきざしがあるということは、厚生省が出しておるこの白書の中でもはっきりしているわけです。したがって、私は、ほんとうに結核の撲滅をはかろうというならば、これは法の運用は、もっとあたたかい気持をもって運用をして、三十六年の十月に実施したときは、やはりそういうA、Bの一応節の分け方があったとしても、全員公費負担ということでやってきたわけですから、これは当然予算も十分にとって、そしてこういうA、Bの分け方をせずに、全額公費負担でめんどうをみていくということがほんとうのあたたかい政治ではないか、私はこういうふうに思うのでございますが、しかし、いずれにしても、今言ったような形で、B患者というものは、最近は予算がないということで、非常に圧迫をされてきておる。しかも、東京都の場合を見ますと、三十七年度はB患者のワクが三千百二十一名、こういうことになっておりましたけれども、今回の三十八年度になりますと、厚生省は、予算がないというようなことから、これを千七百三十六名に減らした、こういうことになっております。そうしますと、当然約千四百名に上るこの入院患者、B患者がこの自己負担をしなくちゃならぬということになって、退院をするか、あるいは自己負担をするか、どちらか迫られてきておる。しかも、こういう方は、先ほど申し上げましたように、一番最初の住民税、所得税などの合算年額が六千六百円未満の納税者だ、こういうことになれば、いかに低所得の階層の方であるかということがわかるわけです。そういう低所得階層の方を、こうやってさらにワクを減らして、そして強制退院をさせるか、あるいは自己負担をさせるかというような窮地に追い込むということは、私は、厚生大臣が先ほど言った結核対策に対する基本的な考え方からいって矛盾をしておる。もっとあたたかい政治をやっていいんじゃないか、私はこういうふうに思うのですが、こういう点はどうですか。
#53
○政府委員(尾村偉久君) お説のとおり、確かに二方一千のBワクが三年間変わらぬ、三年次にわたってほとんど変わらぬということは、これはわれわれのほうも非常に残念に思っております。これは政府の予算上の都合でこういうふうにわれわれ自身もやむを得ぬ、財源の総ワクの中ではA重点主義で、Aをどんどんふやしたわけでございますが、しかし、Bも当然これはまだワクが必要でございます。さような意味で、今後Bワクも、Aと同様に、必要なワクを増加するということには大いに努力をいたしたい、こう存じております。それから、全体の総ワクは二万一千、減っておらぬのでございますが、これは県ごとの死亡率の推移並びに届け出患者の推移、それから、最近は、ほぼ百六十万人の有症患者登録が終わりましたので、保健所ごとにつかみました管理患者の中でのこの重症者、すなわちAとBの比率というものを参考にいたしまして、逐次是正をしておるわけでございます、按分比例を。その結果、東京都初め、幾つかの県では前年度よりも比率が落ちる、そのかわりに、今まで放置されておりました県につきましては、妥当なそれに合わせたものの比率をやるという、按分比例の実績に基づく資料がえをいたしましたので、県によりましては不満がある、県によってはふえて非常にやりやすくなったと、こういうことが起こったわけでございます。これはやはり今の総ワクがふえないときに、一方のワクの中で操作いたしますと、必ずプラス、マイナスが出るということで、遺憾に思っております。今後是正のためにも、Bワクの大きな増加ということを、来年度予算も組むわけでございますが、これはぜひ努力したい、こう存じております。
#54
○柳岡秋夫君 私は、B患者にしても、これは結核の性質上、一年や一年半、あるいは二年で完全になおるとは考えない。当然長い期間の治療、それから、あと保護等も完全にやらなければ完全に社会復帰というものはできないわけでありまして、そういう意味で、今Bワクのワクを減らして、そしてB患者を非常に窮地に追い込むというようなことは非常に遺憾だと思います。しかも、厚生省は、東京の場合千七百名ですか、こういうB患者のワクがオーバーしておる、したがって、そのオーバーのものがとれるまで新しい入院患者は入れないのだと、こういうことを厚生省は言っておるというのですが、これはどうですか。それはおかしいじゃないですか。
#55
○政府委員(尾村偉久君) これは今申し上げましたように、患者数というよりも、これはワクはベッド数でございまして、一年間を通じて一ベッドが経営できるだけのいわゆる医療費を一県あたりとして持っておるわけでございます。したがいまして、このワクが千七百なら千七百東京都が与えられますと、ここで退院した者のあとは新患者が入られるわけでございます。ただ、常時入っておる千七百名、いつでも入っていいわけでありますが、それを二千にふやすということは、予算措置がないので、不可能でございます。全然新患者をあと入れられないわけでなくて、回転によっての部分は、これは回転によって新患者を在宅からとると、こういうことでございます。
#56
○柳岡秋夫君 どうも回転にすれば新患者を入れられるのだと、こう言うけれども、先ほど言ったように、結核はそう短期間に回転できるというものでもないと思うのですよ。それで、非常に先のこともありますから、移りますけれども、どうも政府の考え方が矛盾をし、そして結核患者に対する法律上の権利と申しますか、法律上政府が当然やらなければならない仕事についても、何か運用の面で締めつけをして、そうして完全な結核対策というものが行なわれていない、こういうふうに私は思うのです。
 そこで、先ほど局長は、来年度はワクを拡大するように努力をしたいと、こう言うのですが、この法律の三十五年に改正をされたその当時に戻って、ひとつ六千六百円というのは、おそらく今の物価値上がり、あるいは名目所得の上昇からいって、これは七千円、八千円になるかもしれませんが、そういう低所得の階層の者に対しては、AもBも区別をしないで、全部公費負担としてめんどうをみていくと、こういうような考え方を、三十九年度の大蔵省との折衝においても、厚生省の強い方針として打ち出す考えはございませんか。
#57
○国務大臣(西村英一君) 実はA、Bの問題でありますが、結核患者の強制入所を相当に今年はふやしたつもりでありまして、おほめにあずかってもいいのじゃないかというくらいに思っているのであります。A、Bを通じて九万何千人で、三万ぐらいふえているのです。
#58
○柳岡秋夫君 それだけ結核患者が多いのです。
#59
○国務大臣(西村英一君) ところが、今A、Bの問題で御質問でありましたが、私は、先ほども申しましたように、結核はいま一歩というところでございますから、今後予算折衝につきましては、来年度も十分考えたい、何とかしてひとつ撲滅したいということで、予算上も十分力を入れたいと思います。今年も、今申しましたように、強制入所の患者をふやしまして、そうして早く結核を撲滅したいということで、そのために相当予算も増加しているような次第であります。来年度につきましてももう少し強化したいというふうに、かように考えているのであります。
#60
○柳岡秋夫君 あと二つほどあれしますが、三十八年度におきまして、生活保護を受けている患者で、四月一日から結核予防法に一万五千人ほど移しかえるという方針が出されているのでありますが、これは患者の療養の既得権と申しますか、すでに与えられている権利というものを著しく奪われるというような事態が起きるのじゃないかというふうに思うのです。たとえば生活保護の場合には、医療費の支払いに困る者については医療扶助と生活扶助というものが受けられるようになっておりますね、あるいはその他日用品の問題等についても、生活保護の場合には、結核予防法との関連から申しますと、非常に違ってきているのです。法律の目的からいっても、生活保護のほうは自主というものが目的になっておりますけれども、結核予防法のほうは結核の予防、治療の普及というようなことが目的になっておりますから、そういう法律の目的からいっても、この生活保護を受ける者と、それから結核予防法の適用を受ける者とでは内容が違うわけです。それを生活保護のほうから結核予防法のほうに移しかえるということは、一体どういうことでそういうふうなことをやっておられるのか、お伺いしたいわけです。
#61
○政府委員(尾村偉久君) 結核対策の上で感染源患者を十分に一元的に把握する。これによりまして感染者がまた家庭等にあって感染の状況を起こして、再び第二、第三の犠牲者を出さぬというのが一つの目的でありますから、さような形から管理を十分にいたしまして、家族をも医学的に十分保護しようという形におきまして、すでに入院中の生活保護患者につきましても、排菌患者、いわゆる開放性の感染源のある患者が途中で自ままに出ないという形が、知事が命令入所をかけて、医療給付に関する限り、この予防法でいく、こういう形でございます。したがいまして、従来、生活保護法によりまして併給されている、あるいは医療扶助を受けているという者の中から、入院に要する医療給付のみを結核予防法に切りかえたわけでございます。その他の生活保護階層としての生活扶助、日用品費、そういうものは十分権利として生活保護のほうに残るわけでございます。ただし、生活保護のほうは全部申請主義でありますから、新たに入った者については、福祉事務所が知らないとこれはだめでございますので、病院なり、あるいは本人からこれを通知する、こういう形で、そこらが継続されるわけでございます。一切既得権は剥奪はしない、医療給付の部分だけを、これは現物給付でございますが、これを生活保護の道から、結核予防法の三十五条による支給、こういうことに、しかも、これは全部病院に払う、それだけの差でございます。
#62
○柳岡秋夫君 そうしますと、今までの既得権は一切剥奪はしない、こういうことを確認してよろしいわけですね。
 最後に、それでは時間の関係で迫られておりますから、一つだけお伺いしたいのですが、今度五月一日から、御承知のように、結核に対してエチオナミドの服用ですか、これができるわけですね。これに対して非常に予算的な問題から、私は、現在きまった予算では、適用患者の数と比較して、不足をしているのじゃないか、不足をするんじゃないか、こういうふうに思うのです。たとえば三十七年度の実施計画等を見ましても、この医学基準に対する合格率というのは申請の九八%、百二十三万件でございますが、予算に対しての承認率というのが六七%で、八十三万件になっております。ところが、三十八年度の予算はそれよりも下回わって七十二万件、こういうふうになっているわけですね。したがって、せっかくいい薬を使うことができるようになっても、予算がないために使えない、こういう事態が出てくると思うのですが、この予算の増額ないし追加予算を組むとか、そういうような考え方をお持ちでないかどうか。
 それから、五月一日ということになっておりますけれども、これは当然予算は四月一日から実施ですから、四月一日からこれを実施するという考え方はないか、この点大臣のほうからお聞きしたいと思います。
#63
○国務大臣(西村英一君) 予算が不足するというようなことは、四月からの予算がありますので、これは私はないと思います。
 それから、もう一つ、四月からさかのぼるということでございますが、これは、実は、結核治療の基準が五月からになっておるわけでございます。したがいまして、五月に基準を公布したのでございまするから、そういう意味から四月にさかのぼるということはできませんと思います。
#64
○柳岡秋夫君 きょうは具体的にもっと立ち入って御質問したいと思ったのですが、時間の制約がございますので、これで打ち切りますが、またいずれこの問題については、もっと結核対策の政府の政策についての論議をして参りたい、このように考えておりますので、その点お含み願った上、私の質問を終わりたいと思います。
#65
○委員長(加瀬完君) 本件に関する質疑はこの程度にとどめ、午後は一時に再開いたすこととし、暫時休憩いたします。
   午後零時十二分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時三十一分開会
#66
○委員長(加瀬完君) ただいまより再開いたします。
 麻薬取締法等の一部を改正する法律案を議題といたします。前回に引き続き、質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#67
○山本杉君 麻薬の問題は大体済んだようでございます、皆様の御質問が行き届いておりますから。大体私たちが期待したような段階にまでいったと思いますけれども、また一、二点ちょっとお伺いしてみたい点がございますから、きょうはそれを伺わせていただいて、簡単な質問でございますから、要点だけをお答えを願いたいと思います。というのは、この前お話が出ておるのでございますが、入院の期日の問題、それから、もう一つは、アフター・ケアの問題、で、今度入院のほうを含めまして六十日間の治療期間ということになっておるのですけれども、それのそうきめた理由については、この前、藤田さんの御質問に対してお答えがあったようでございましたが、その点をもう少し突っ込んでお話を願いたい。はたしてそれでいいものかどうか。
#68
○政府委員(牛丸義留君) 第一点の、入院期日の問題でございますが、これはいろいろと考え方があるわけでございますが、私どもも、精神医学会その他の専門の先生方にもお集まり願いまして、入院の、結局、医療上のアフター・ケアまで含めた治療という観点からどの程度が適当であるかということで、いろいろ御検討願ったわけでございますが、結局、一番最初、麻薬の禁断症状を起こしまして、そうしてその症状がとれる期間というのは大体三週間ないし四週間くらいでございます。これは従来精神衛生法によっては、その期間だけが精神衛生法による初期入院期間、それから、そういう禁断症状を治療いたしまして、そして今度麻薬に対する精神的な、あるいは肉体的な、麻薬を欲求するいわば依存度といいますか、依存性といいますか、そういうふうなものを克服していく治療期間というものが必要になってくるわけでございます。その期間は、これは人によって、その中毒の程度なり、あるいはその人の体質その他によっても違うということでございまして、早ければ二ヵ月くらいでそれは脱却できる。しかし、重症な者でも、そういう禁断症状がとれた後四ヵ月、五ヵ月くらいの期間を続ければ、そういう身体的な、あるいは精神的な麻薬に対する依存性というものは脱却できる、その期間を六ヵ月というふうに区切ったわけでございます。これはそれ以上の問題は、むしろ社会復帰上の問題としていろいろとやっていかなければならぬ、したがって、私どもは、それ以後の問題は、入院治療という観点よりも、むしろ社会に復帰して、そして麻薬に対する誘惑とか、そういうふうなものを脱却する措置、いわゆるアフターケアの問題としてそういう問題を考える必要がある。それで、アフター・ケアにつきましては、ただいま法律の制度としては、相談員というものを各主要府県に置きまして、そうしてそういう方々の、いわばボランティアの活動によって相談の事務にあずかってもらう、そうしてその人からいろいろと社会環境の、たとえばもとのところに戻ってしまったら同じような結果になるから、職業をあっせんするなり、あるいはその他の地域に移って仕事をするなり、そういう問題を相談員の力によっていろいろとそういう相談をしていただいて、そうして退院後は再び麻薬中毒の誘惑にかられないようにしていく必要があるのじゃないか、そういうふうな相談員の活動、これはもちろんそのほかの民生委員の活動なり、職業紹介等の仕事も必要でございますが、その中核に麻薬相談員の制度を置いて、そうしてアフター・ケアの仕事をやっていただくようにしようというのが今回の法律改正の考え方でございます。
#69
○山本杉君 この前のお答えもその程度であったと思います。きょうさらに伺っているわけなんですが、中毒患者として名簿に載っているのは九千五百五十五人であるとおっしゃいましたね。この中毒患者で住所不定の者と、住所のきまっている者とあるわけでしょうが、この数字もこの前お答えがございましたが、この人々に対して全部収容してあれしようという考えで、結局徹底的になさろうというのですか、どうですか。禁断症状がなくなるのは三週間ないし四週間とおっしゃる、この前は二週間ないし三週間とおっしゃった、これは人によって違うからどうでもいいが、禁断症状がなくなってから、麻薬に対する依存度というものをその性格の中から取り除こうという点では何とか干渉しなければならない、それをどういう形でおやりになるか。麻薬の法律改正をして、麻薬禍から国民を救おうという私どもの期待に沿えるようにしていただけるのか、そこをひとつお聞きしたいのです。
#70
○政府委員(牛丸義留君) 現在、中海者として名前が知れているのは、ただいま山本先生の御指摘になった程度の人数が掌握されているわけでありますが、これは過去におきまして実際にあたって得たもののいわゆる統計でございますので、現在それがそのとおりの住所なり、あるいはそのとおりにいるかということは、さらに確認をする必要があるわけであります。そういう仕事はまた一面においては必要でございます。しかし、それはとにかくといたしまして、とにかく現在掌握し得る中毒忠君につきましては、審査委員会の決定に従って、鑑定医の鑑定によって入院治療をする必要がある、その程度の中根患者につきましては、これはその入院を要する期間は、強制的に病院に収容をして治療を徹底的にして、それから社会復帰をさせるという考え方で今度の法律改正をお願いいたしたわけでありまして、御指摘までもなく、私どもとしては、そういう中毒患者を、一日も早くこちらの把握できるものから強制入院の措置を講じまして、そうしていわば麻薬の需要の根源を断っていく、そういうことが必要であるというふうに考えて、これは徹底的にやっていきたいと考えております。
#71
○山本杉君 今、局長のお答えでは、九千五百五十五人ですか、この数は過去において把握したものであって、現在は、そうとは限らないしするのだというおっしゃり方でありますが、一般民間の方の話を聞きますと、もっともっとたいへんな数字なんであります。麻薬の中毒患者というのは。厚生省が責任を持ってつかんでいらっしゃるのはそれだけ、たということでありながら、現在その程度のものかどうかわからないということになりますと、せっかく法律を改正して麻薬禍を取り除こうとしても、このことがいいかげんである限りにおいては中毒患者がなくならないのじゃないかという気がいたしますが、この辺はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#72
○政府委員(牛丸義留君) 正確に表現いたしますと、結局そのつどのリストでございますので、現在私どもが持っているリスト、それから警察庁で作られたリストを交換をして、それを確かめるなり、そういうふうな現在作業をやっているわけでございますから、定住しているようなものならおそらくこれは変わりはないと思いますが、必ずしもそのとおりだということは正確には言えないというふうに申し上げているわけでございまして、しかし、相当のものはおそらくそのとおり把握できる数でございますから、そう大きな開きはない、だろうというふうに考えます。したがって、そういうふうな把握できている患者から、逐次そういうふうな今度の法律制度に基づく強制入院の措置を講じていきたいというのが私どもの考えでございます。
#73
○山本杉君 この前、丸茂さんから御質問がありましたのは、医者が一回見て麻薬患者かどうかということがわからないでもしも注射した場合には、それが犯罪行為になるのだからというようなことでいろいろ御質問が出ておったのですけれども、一応そうやって治療を受けて、そうして中毒患者でないということになったら、その人をリストに載せて、そのリストをほうぼうへ通達する。たとえばこういう人がいるのだから、この人は気をつけて下さいというような通達ができないという限りにおいては、私は、せっかくやったこともずいぶんむだになりはしないかと思うのです。私ども開業時代に、ずいぶん麻薬患者にだまされております。麻薬の中毒患者というものはうそをつくという、そういう特別な性質がありますから、それで遠慮なく、こういう人はという、そういうふうなことをするわけにはいかないものでしょうか、そこをひとつ。
#74
○政府委員(牛丸義留君) これは前回もただいま御指摘のようにお答えしたわけでございますが、強制入院をしまして治療を受けまして、そうして退院をして社会復帰をした、そういうもとの中毒患者を、そのままの形で、はたしてそういうことを通告できるか、これは法律上もいろいろと問題があると思います。しかし、ただいまの御指摘のそういう必要性というものは、私どもは十分わかるわけでございますので、法律との関連で、多少研究を要すると思いますか、何らかの手段でそういうふうな実態が各麻薬取り扱い者である医師の方々にわかるような方法は研究していきたい、そうして、なるべくそういう御趣旨に沿うような措置で行政をやっていきたいというふうに考えております。
#75
○山本杉君 法律的に、その法律の裏づけがむずかしくて徹底的にできないのだとおっしゃるのですが、話がちょっと飛んで、アフター・ケアの問題になりますけれども、アメリカで五年間収容をして、そして社会へ復帰させても、そのほとんどはまたもとの中毒患者になってしまうのだ、八〇%ぐらい戻ってしまうから、だから経費をかけるだけつまらないから、日本ではそういう方法をとらないで、アフター・ケアの費用を省くためにそういうふうにするのだというようなこの前御回答があったと思うのですけれども、それはどうなんでしょう。この問題は法律の裏づけがないから思うようにできないのだと言いながら、アフター・ケアのほうはそういうふうな説明をなさる。ちょっとそこのところがわからないのですが。
#76
○政府委員(牛丸義留君) まあアメリカのレキシントンの収容所で五年間収容されておることはこの前申し上げたとおりですが、それが金がかかるから、かからない方法でやるというような趣旨で申し上げたわけではないわけでございまして、要するに、麻薬中毒の入院治療の期間というものは六ヵ月で十分であるというふうに私どもも専門家の意見を聞いてそういうふうに判断をして、それでアメリカの例を申し上げましたのは、結局、長期間強制収容いたしましても、社会へ復帰したあとがやはり問題であるという点が私はむしろポイントになるのじゃないか。したがって、長期間収容するということの必要性は否定はしませんけれども、そういう収容所を離れて社会復帰をしたあとの措置を十分にやっていく必要がある。そういう点で申し上げたわけでございまして、長くかかるから、それは経費上というような趣旨でアメリカの例を申し上げたわけではないわけでございます。
#77
○山本杉君 それじゃ伺いますけれども、そのアフター・ケアに入ったその中毒患者の一応入院治療した者、それを相談員だけでできると思っていらっしゃいますか。
#78
○政府委員(牛丸義留君) これはまあ私どもも初めての試みでございますので、これではたして十分であるかどうかということについては、ここで確信を持って申し上げることは、これは率直に申し上げて、できないと思います。しかし、いろいろと方法があろうかとも思いますけれども、それはひとつ私ども、今並行してそういう点を勉強をいたしまして、よりよい方法がありましたら、これはそれをひとつ採用さしてもらおう。しかし、とりあえずは、とにかくそういうアフター.ケアのための相談員制度でもって社会復帰のお手伝いをするようにしていこうということであります。
#79
○山本杉君 その相談員というものが活用される段になりますと、これはケース・ワーカーでございましょう、どういうふうな形でそれは進めていこうとなさるか。
#80
○政府委員(牛丸義留君) 現在、相談員は、これは麻薬の濃厚府県でございます八府県に設置しております。したがって、八府県では十分ではございませんし、さらに拡充をする必要があるかと思いますが、それまでは民生委員なり、そういう方々にお願いをするということで、まあ一時それまではお願いをする以外はないと思いますが、結局その相談業務といいますのは、入院の治療に関する入院前の問題と、それから、退院後のそういう新しい職場を見つけてやるとか、あるいは家庭的ないろいろな問題とかいうようなことに対して相談に乗ってあげる。そういうケース・バイ・ケースによってケース・ワーカーの仕事をやっていただくというふうに考えておるわけでございます。ちょっと例は適当でないかもしれませんけれども、大体社会事業における民生委員の活動というようなものと性質は類似しているものというふうに私どもは考えておるわけでございます。
#81
○山本杉君 相談員をこの濃厚八府県に設置するとおっしゃるんですけれども、患者のほうは、とにかくここがうるさくなれば全国へ散らばるだろうと思うんです。そうしますと、全国では民生委員をたよってそれはなさるとおっしゃるけれども、今の民生委員というものはそこまで手が伸びるかどうか。そうすると、私は、やっぱりこういう人が全国に散らばって、こういうところへ行っておるというようなことでリストをこしらえて、そうしてやっぱり開業医なり何なりの協力も得なければうまくいかないんじゃないかしらという気がするんですが、さっきの御説明によりますと、法律上の問題があってそれはできないとおっしゃる。そうすると、結局、私は、ほんとうの国民としての被害を受けるほうの、その何といいますか、麻薬中毒者というものに対する手が思うように伸びないんじゃないかという気がするんですけれども、そこはどうなんでしょうか。
#82
○政府委員(牛丸義留君) 元中毒患者といいますか、結局、退院をした患者名簿というような形で御報告し、お知らせをするというような、そういうことはできないということでございますから、先ほどもお答えいたしましたように、実態的にそういう人たちの名前がわかる方法は考えていきたい。各麻薬取扱者であるお医者さん方にも、そういうことがわかる方法は考えていきたい。しかし、ただ、こういう者が退院をしてきたというようなことを、県なら県が、各県内の麻薬取り扱いの開業医の方々に通報するというような形は、ちょっと法律上疑問があるという点でございますから、実態的には、各取扱者の方々が、そういう麻薬中毒であった人たちの実態がわかるような方法は講じていきたい、そういう意味でございます。
#83
○山本杉君 もう一度重ねて伺いたいと思うんですが、民生委員にどの程度に期待をなさろうというんですか、そこをひとつ聞かせて下さい。
#84
○政府委員(牛丸義留君) これはまあ実際に私どもが神戸なり横浜で体験している事柄を申しますと、非常にいい効果を示しておるわけでございます。したがって府県によっては非常にバラエティはあると思いますけれども、結局、身の上の相談に乗っていただくということを主体にしてお願いしていきたいというふうな考えで現在はおるわけでございます。
#85
○山本杉君 将来アフター・ケアの施設をお作りになるつもりはございませんか。
#86
○政府委員(牛丸義留君) これは検討していきたいと思います。
#87
○柳岡秋夫君 今度の法の一部改正案の要綱は、一つには、麻薬の監督、取り締まりの強化の問題、一つは、中毒者の入院措置の問題、三つ目には、罰則の強化というように分かれておるわけですが、まず、最初に、取り締まり、監督の強化についてお伺いしたいわけです。
 昨年の臨時国会等におきまして、あるいはその前におきまして、麻薬の問題でこの委員会でいろいろと論議をされました。そして、私どもも、神戸なり、あるいは大阪等でそれぞれ実態を調査をいたしまして、各関係府県の意見等も聞いて参りましたし、また、それに対して、停止省なり関係各省のお答え等もいただいておるわけですが、この取り締まりの強化について、まず第一に必要なことは人員の増員であると、こういうことがいわれております。第二には、そういう人員を増加するためには、どうしても取締員の待遇をよくしていかなければならないということもいわれております。また、取り締まり費の増加、あるいは機動力の増強、こういうことが各府県の一致した要望として出されておるわけです。これに対して、厚生省、あるいは各省におきましては、その回答の中で、非常に積極的な意向を示されて予算要求をされたわけでございますが、ところが、実際に予算の中に盛られたこれらの増員の内容、あるいは待遇の内容を見ますると、私は、必ずしもあの当時示された厚生省初め各省の意気込みからして、だいぶ後退をしておると、こういうふうに思うのです。特に、厚生省関係で申しますれば、この取締官の増員にしても、要求としては百三十人ぐらいふやしたいと、こう言っておりましたけれども、わずかにその一割の十三人しかふえておらない。あるいは取締員の増員にしても、二十二人増員したいと、これは最小限度の人員要求だと、言っておりましたけれども、予算上は十八人しかふえておらない、こういうことでございます。おそらく警察庁にしても、あるいは海上保安庁の関係にいたしましても、同じような内容になっておるのじゃないかというように思うのですが、これで一体、麻薬の取り締まり、監督の万全な措置をとれるかどうか、こういう点ついて、まず、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
#88
○国務大臣(西村英一君) 仰せのごとく、予算概算要求におきましては、麻薬関係省それぞれの要求をいたしましたが、最終的には、今申されましたように、相当数減ったわけでございます。しかし、全般として見ますれば、全部で六百三十八人ほどふえたわけでございまして、実は、政府といたしましては、人員増加はまかりならぬというときにこれだけの人員を増加したのは、相当な思い切ったことをやったと思うのであります。大蔵省をほめるわけじゃございませんが、実際は相当に増加になったと思うのでございます。したがいまして、私たちは、これによりましてもどうしてもまだ手薄である、人間が足らないというようなことでございますれば、ぜひとも引き続いてこの人員の要求はするつもりでございますが、ひとまず予算の面におきましてさような結果になったのでございまして、これによって欠陥があれば、今後増強をいたしていくのだと、かように考えている次第でございます。
#89
○柳岡秋夫君 取締員の指導能力を上げるためには、やはり待遇改善ということが叫ばれているわけですが、この待遇についてはどういうふうになっておりますか。
#90
○政府委員(牛丸義留君) 取締員は、これは厚生省の所属でございますが、厚生省職員――国務公務員の一般職のほかに、警察官に準ずる調整号俸の規定がございまして、そういう面で、俸給面の待遇は、一般の俸給よりもそれだけ増額されているわけでございます。それから、活動面におきましては、これは今まで取り締まりの旅費なり、あるいは取り締まり活動費などが非常に少なくて、私どもも非常にその点を苦慮しておったわけでございますが、三十八年度予算におきましては、これで十分だとは申し上げられませんけれども、たとえば取り締まり旅費等につきましては、前年度五百六十四万円のものを一千八十七万円、活動費におきましては、前年度二百二十三万円のものを一千二百五十三万円というふうに、大幅な増額をみて、そういう面で、取り締まりの実際の面における活動力は相当従来よりもできてきた、それで、これはいわゆる待遇とは少し――業務上の問題でございますが、要するに、今まで非常に活動を阻害しておったものを、予算上の措置によって、従来よりも十分な活動をするようにしていくことはできたのじゃないかというふうに考えております。
#91
○柳岡秋夫君 この麻薬の取り締まり、あるいは監督という面で、特に海外からの密輸、そういうものをいわゆる水ぎわ作戦によって食いとめるということが最も大事だということはいつも言われているわけでございますが、それには、やはり機動力の問題にしても、海上保安庁の方がおられますかどうか知りませんが、自動車もないとか、いろいろ現場へ行きますと聞いているわけですね。そういう機動力の強化の面について、どういうふうに各省で強化をされていこうとされるのか、その点をひとつお伺いしたいと思います。
#92
○政府委員(牛丸義留君) 厚生省関係で、捜査用の器具、機材の整備というものが機動力に直接関係があるわけでございますが、本年度予算におきましては、捜査用の自動車を十一台、それから、鑑定のための車を六台、オートバイを四台、そういうふうな車の新規の整備をすると同時に、無線機、録音機等におきましても、無線機を六台、それから、録音機を八台というように、その他カメラ等の整備をするというような予算を今度の予算で計上しているわけでございます。
#93
○説明員(猪口猛夫君) ただいまお話のありましたように、麻薬取り締まりのために必要な水ぎわ作戦に私のほうでは全力を費やしておるのでございますが、先ほど先生がおっしゃいましたように、その根本は、やはり機動力の増強いかんによるといえます。私のほうでは、先日もこの委員会で御説明したと思いまするが、まず、巡視船艇の増強整備が必要なわけでございます。海上保安庁といたしましては、長期計画を立てておりまして、ことに速力を増強するということに重点を置いております。それの対象になります巡視艇を向こう五ヵ年の間に約六十八隻増強する考えで、毎年大蔵省と折衝してきておる次第でございます。しかし、事実はなかなか思うようにはいっておりませんで、まことに残念でございます。しかし、その実現に邁進したいと考えておる次第でございます。そのほか、陸上におきましては、警備用自動車、あるいは携帯用無線、その他鑑識機械等につきましてもそれぞれ計画をいたしておりまして、大蔵省と毎年予算折衝をしておるのでございますが、これも十分に得ておりません。しかし、三十九年度におきましては、従来のようなことではなく、少なくとも前進した予算を獲得したい、こう考えて、目下その準備にいそしんでおる次第でございます。
#94
○柳岡秋夫君 こうした取り締まりのためには、この人員の問題、それから機動力の問題とともに、やはり捜査手続、あるいは捜査規定というものが問題になってくると思うのですが、今度の場合、こういう捜査手続、あるいは規定の改正というものは行なっておらないわけですね。あるいは関税法にも関係があると思うのです。やはり事前に水ぎわ作戦によって密輸を食いとめるということになれば、現在の関税法で十分であるかどうかということも問題になるかと思いますが、そういう各規定、あるいは法律は現在のままでいいとお考えですか、それとも、これを改正する必要があるというふうにお考えですか、その点関係の各省からお伺いしたいと思います。
#95
○説明員(丸山幸一君) 関税法につきまして、現在、一般の検査、あるいは密輸の疑いのあるものにつきましては、それぞれの条文に従って検査、質問、あるいは、さらに犯罪容疑の濃いものにつきましては、捜索令状、逮捕状その他を用意して検査しております。現在の段階におきましては、関税法規を改正するつもりはございません。
#96
○柳岡秋夫君 関税法規につきましては、私は、前に見た大蔵省の関税局から出した資料では、関税法の改正は必要であるというふうに書いてあったと思うのですが、今の御意見によりますと、必要ではない、こういうお答えなんです。これは前に出した大蔵省のお答えのあれはどういうことで必要なのですか。
#97
○説明員(丸山幸一君) 私、最近かわって参りましたので、前任者がどういう答弁をしたか、資料を持ち合わしておりませんので、また調べました上で、御返事をいたしたいと思います。
#98
○柳岡秋夫君 警察庁の方おられますね。今のに関連をしまして、この麻薬取り締まりについての捜査手続、あるいは規定等は現行のままで十分やっていけるというふうにお考えですか。
#99
○政府委員(大津英男君) 現在の捜査手続のままでも、警察庁といたしましては、厚生省その他の機関と協力いたしまして、犯罪の捜査ということを進めて参りたいというふうに考えておりますが、いろいろ麻薬取締法の罰則の強化というようなこともございまして、こういうような面から今後犯罪の動向というものも変わってくる。そういうことになりますと、これに対応していろいろまた潜在化したものに対してどういうふうにやっていくかというような点はさらに検討を要するものもあろうと思うのでございますが、現在の段階におきましては、今までの法の建前で一応やっていっていいのではないか、今後、改正後どのように麻薬犯罪の動向が変わっていくかというようなことも見きわめまして判断いたしたいと思っております。
#100
○柳岡秋夫君 この出された資料の中で、特に最近は麻薬の入手困難な状態から、麻薬取扱者を脅迫したりしている。それで、特にそういう関係からもあると思いますが、麻薬の不正施用に対する問題でございますけれども、医療関係者による麻薬犯罪というものがだいぶ多い、こういうようなことが調査の中で出ております。麻薬取締法の中にも、帳簿の記載義務とか保管義務、あるいは、また、中毒者の発見、届出義務、こういうものが規定されているわけでございますけれども、こういう各義務履行は完全にやられていない、こういうことがいわれております。これはやはり厚生省として監督は不十分な面があるのではないか、こういうふうに思われるのですけれども、この点はいかがですか。
#101
○政府委員(牛丸義留君) 医療関係者の麻薬事犯は、三十七年の事案の内容を見ますと、帳簿の記載その他の形式的な麻薬違反の事犯が二七%でございました。約三割近いものがあるわけでございます。これは私ども十分指導、監督が悪いというおしかりを受けましたら、これは甘んじて受けなければならないと思いますが、この点につきましては、私どもも各府県の取締員を通じまして、十分将来こういう事犯がないようにはお願いをしていきたい。また、各関係の府県の医師会等におきましても、そういう点の御協力をお願いしたいと思いまして、現在もそういう点は連絡しているわけでございます。
 それから、脅迫によってお医者さんが結果的に違反をするというようなことも将来またふえる傾向があると思いますが、これにつきましては、これはこの前も丸茂委員からの御質問もございましたように、私どもも十分その点については気をつけていきまして、そして、たとい違反になった場合の措置につきましても、十分な医療担当者に対する保護は講じていきたい。現に、麻薬取り締まりのそういう点に関しまして、この前ちょっと申し忘れましたけれども、ことしの四月二十六日に厚生省の医務局長から、「麻薬犯罪の取締りに伴う医師の保護について」という通牒を、各都道府県知事に対してそういう通牒の上、十分そういう脅迫によってお医者さんが巻き込まれた場合の措置等についての通牒も出しておるわけでございまして、その点についても、将来も十分気をつけていきたいと思います。
#102
○柳岡秋夫君 警察庁保安局で出されたこの資料によりますと、そうした厚生省の監督が不十分であるからそういうところにそういう事態が起きるのだというような内容のものが出ております。しかも、医師の免許を持たない者が施用者免許を受ける、また、免許を持たない者が他人の施用者免許で不正施用をするというような事例もあるというふうに書いてあるわけです。したがって、医師免許についても、厚生省はやはり十分な確認を行なっていないのではないか、こういう疑問もやはり起きるわけですが、そういう点についてどうですか。
#103
○政府委員(牛丸義留君) これは麻薬取り扱いの申請書には、医師の免許証の写しを添えるということにもなっておりますし、むしろこの前は、それがあまり毎年そういうふうにしないでもいいじゃないかという手続上の簡素化の議論も出たくらいでございますが、その点は申請のときに確認をしておりますので、故意に不正施用をするというようなことが、これは監督上手ぬかりがあるかもしれませんが、申請の手続からいって、そういう点は検査できるような仕組みになっているわけでございます。
#104
○柳岡秋夫君 今この麻薬取締法の四十八条によって、麻薬の消費状況の報告を受けるということになっているわけですが、この消費量の多い麻薬施用者に対して、その実態を調査するとか、あるいは具体的に十分な監督をしていく、こういうようなことが行なわれておりますか、その報告に基づいてですね。
#105
○政府委員(牛丸義留君) 従来は、この規定の実際の運用といたしまして、長期運用の届け出を医療担当者のほうから出していただくような指導をやっておったわけでございます。しかし、そういうふうなことをやらなくても、これは取り扱いの状況というものは、大体取り扱いの数量というものはわかるわけでございますから、そういう取り扱いが非常に多いというようなものは特に注意をして、もしそういうものが不正との関連があるという場合には、取締員なり、あるいは取締官が指導なり監督をしていく、そういうふうな方向で防遏していきたいというふうに考えております。
#106
○柳岡秋夫君 今の御答弁ですと、これからそうやっていきたいと、こういうことでございまして、私は、やはり今回の改正で、免許の欠格条項を拡大することもありますけれども、拡大したところで、やはり法の厳正な運用ということを十分やっていかなければ何にもならないんじゃないか、こういうふうに思うのです。したがって、最近のように、お医者さんを脅迫して麻薬を使う、こういう人が多くなってきたんだということは、皆さん方から出される資料の中にもずっと出ているわけすでから、当然消費量が多い報告があった場合には、これはやはりそういう傾向ともにらみ合わして、十分な監督なり、あるいは実態調査をする、こういうようなことをやっていかなければ、この不正施用の問題も、あるいは麻薬中毒者を事前にというよりも、把握するというようなことも私はできないんじゃないか、こういうふうに思うわけです。そういう点について今後十分にひとつ気をつけていただきたい、こういうふうに思います。
 それから、今、麻薬施用の問題で、麻薬中毒に陥っている医者、あるいは麻薬の不正施用を行なっているような医者が国民の保健衛生の向上というような仕事に従事するということは、非常に好ましい状態とは言えないというふうに私は思うわけでございますけれども、この麻薬施用の免許に対する行政処分ですね、さらに医師の免許に対する行政処分、こういうのが一方では、たとえば麻薬施用免許者の行政処分は都道府県知事の権限でやっておられる。で医師の免許に対する処分のほうは厚生大臣の権限でやっておられる、こういうこと。それから、都道府県におきましても、麻薬は、薬事関係の課でもってそれをやって、医師の関係は、医事関係の担当の係といいますか、課でもって取り扱っておる。こういう関係があって、この麻薬不正施用の問題についても、何か医師の監督行政の面で、十分な連絡と申しますか、緊密な調査と申しますか、そういうものができない行政上の機構になっているんじゃないかというように思ってるんですが、そういう点のそごを来たすような実態は起きておりませんか。
#107
○政府委員(牛丸義留君) これは医師の免許そのものは、これは厚生大臣が免許をするわけでございまして、また、実際に開業をする場合でも、全国どこで開業をされるか、それはわからないわけでございますから、医師の免許は従来は厚生大臣、しかし、麻薬の取り扱いの免許は、これはその診療所なり病院という場所との関係がございますので、地域的な意味で都道府県知事が直接所管をする、こういう建前をとっておるわけでございまして、私は、この点は従来と同じように考えてよろしいんじゃないか。それから、麻薬の事犯によって、結局そのうちで重いものは、行政処分としては医師の免許取り消しという処分がございます。この場合は厚生省のほうで医道審議会の審議を経て免許の取り消し処分が行なわれるわけでございますが、これは三十六年まで今手元に持っておりますが、行政処分のうちで、免許の取り消しの事由で、三十五年が免許の取り消しが十五件ございますが、そのうちで麻薬関係によるものが十二件ございます。ほとんどが麻薬関係によって取り消しを受けておる。三十六年は十三件の免許取り消しでございますが、そのうちの七件が麻薬取締法違反によるものというようにして、医師の免許取り消し処分の大半は、麻薬関係の理由によるものが従来多いわけでございます。この業務が、一方は薬務課なり、そういうところで、一方は医務課ということでございますが、これは同じように衛生部の中に所管されておる二つの課でございますので、その点のそごは私は絶対にない、そこは同じ部長のもとで緊密な連絡をとってやっておりますので、その点の御心配は要らないというふうに考えております。
#108
○柳岡秋夫君 次に、強制入院措置についてお伺いして参りたいと思いますが、この強制入院措置の対象とする中毒患者の範疇ですね、これはどういうところに置くのかということです。これはこの法案の中にもありますように、中毒者に対しましては行動の制限を行なうとか、あるいは所持品をその病院で管理者が保管をする、いわゆる取り上げてしまう、こういうようなこともありまして、非常に基本的人権との関係も関連をしてくると思うのです。したがって、その措置入院をする中毒者の範疇というものをどういうところに置くのか、いわゆる鑑定を行なう診断の方法、あるいは基準、こういうようなものは政令で定める、こういうふうになっておりますけれども、どういうふうな内容のものを今政令で定めようとしておるのか、その点を明らかにしていただきたい。
#109
○政府委員(牛丸義留君) 御指摘のように、診断の基準等は政令で定めるわけでございますが、これは現在、精神衛生審議会の中に麻薬の小委員会を作っていただきまして、そこで専門の方々にいろいろと検討をしていただいておるわけでございますが、その大要は、まだこれは最終的にはきまっていないわけでございますが、大体の考え方といたしましては、まず精神衛生鑑定医が行なう診断というものは大体次のような基準によってやっていきたい。それは、第一は、麻薬中毒者であるという診断というものは、受診者に禁断症状が認められる場合、それから、受診者に麻薬の施用に起因する禁断症状以外の症状が認められ、かつ、麻薬に対する精神的、身体的依存があると判定をされる場合に診断を行なう。診断を行なう場合はこういう場合をさすわけでございます。それから、さらに入院措置を必要とする診断は、受診者が次のようなもののどれかに該当する麻薬中毒者であって、そうしてその中毒者の性向なり環境に照らして、その中毒者を入院させなければ、麻薬中毒のために麻薬の施用を繰り返していく危険が著しいと認められるような場合に行なう。その次のようなものといたしましては、第一に、禁断症状が認められる者、これははっきりするわけでございます。それから、禁断症状が認められない者であっても、麻薬の施用に起因する身体または精神状態の異常の程度、麻薬の施用歴等から判断して、禁断症状が認められる者と同じような者、あるいはそれ以上の麻薬に対する精神的な、身体的依存があると認められるような者、そういうふうな者を一応麻薬の診断の基準として、いろいろな診断方法がございますが、それによって診断をして判定をする、そうしてそれをさらに入院を継続させるためには、麻薬中毒審査会の意見を聞いて入院の継続をさしていく、そういう考えでございます。
#110
○柳岡秋夫君 もちろんこの麻薬に対する強度の病的刺激を有する者は、当然これは強制入院措置も必要であろうと思います。しかし、私は、そういう重度の中毒に陥る前、深みに入る前に、やはりそういう入る前の患者に対する措置というものも、厚生の面から考えてみましても非常に大切ではないか、こういうふうに私は思うのですけれども、軽度の中毒者に対する措置についてはどういうふうなことを考えておりますか。
#111
○政府委員(牛丸義留君) 重度、軽度の問題はなかなか判定がむずかしいわけでございますが、先ほど申し上げました入院措置を必要とするもののうちで、禁断症状がはっきりと認められるものは、これはもうただいま柳岡先生御指摘のとおり、重度のものとして、おそらく無条件でやってもいいと思いますが、そういうものが認められない場合でも、その次のそれ以外の場合でも、その人の性向なり環境、生活条件、そういうふうなものをして麻薬中毒に陥る危険があるというふうに認められるものは入院をさせるというような診断をする基準にしておりますわけでございますので、軽度のものでも、その人の置かれている生活環境なり性向等においては強制入院をするようにしようというのが今度のねらいでございます。しかし、さらに軽度のものというような場合には、これは強制入院をさせなくても、監察をするなり、あるいは一般の医師の治療によってそういうものをお願いして、あとを保護監察するというような方法は考えておるわけでございます。
#112
○柳岡秋夫君 今申されました中毒者の保護監察制度ですね、これはどうなっておりますか。
#113
○政府委員(牛丸義留君) これは私どもとしては、それが直接中毒者を保護監察するということ自体の職員はいないわけでございますが、結局そういうものは、一面におきましては麻薬取締法による犯罪を犯すものでございますから、そういう面で取締員なり取締官、あるいは警察官等も、常にそういう者を監察することが必要でございまして、そこから犯罪がさらに伏在していく。そういうものを防遏するために監察をしておるわけでございます。
#114
○柳岡秋夫君 厚生省で把握している中毒者の人員は、先ほど九千何ぼと言われましたけれども、実際は約四万人程度の中毒患者があるのじゃないか、こういうふうにいわれております。したがって、私は、やはり何の病気でも、早くなおすことが必要だといわれておりますけれども、やはり軽度の中毒者に対する保護監察制度というものを十分やっていただいて、深みに陥る前の対策を十分立ってもらいたい、こういうふうに思うのです。
 そこで、こういう強制入院措置の法律改正を行なったわけでございますが、こういう法の制定だけで、はたして入院患者がふえていくものかどうかということです。今でも病床が余っているということがいわれているわけですね、麻薬関係の病院で、そういうところの病床が余っている。これは、あるいは大都市において治療のために入院する中毒患者がだんだん減少している、こういうことがいわれているわけです。この原因は一体何だろうかということをやはり考えてみなければならぬと思いますけれども、やはり問題は、生活費の問題があろうと思うのですね。治療費は今度は大体公費でみるようになっておりますから問題ないと思いますけれども、生活費の保障ですね、その患者が入った場合に、あとに残された家族がどうやって生活をしていくかという問題もあろうかと思うのですが、そういう生活保障の問題、あるいは届け出の強化というようなこともやっていかなければ、単に法律を作ったから強制入院者がふえてきた、こういうふうにはならないのじゃないかと思うのです。こういう点に対する対策はどういうふうにお考えになっておりますか。それと、もう一つは、病院の施設の問題ですが、私ども垂水の病院に行きましたときでも、職員の中からいわれましたことは、医師とか看護婦、あるいは看護人、こういう方が非常に足りないということがいわれているわけです。したがって、強制入院措置で患者さんを入れても、それに対応する病院側の態勢というものがなければ、ほんとうの治療、あるいは更生指導というものはできないのじゃないか、こういうふうに思うのですけれども、そういう点についてどういうふうに対策を立っておられますか。
#115
○政府委員(牛丸義留君) 最初の、中毒患者とその残された家族の生活保護の問題でございますが、これは私どもが現在知り得ている範囲におきましたら、一家のささえになるような人が中毒患者というのは割合に少ないわけでございまして、世帯なり、家族構成からいいますと、家族からは、その人を入院さしてくれたら生活がそれだけ安定するからというようなケースのほうがむしろ多いのじゃないか。しかし、ただいま御指摘のような線ももちろんそれはあり得ると思います。しかし、そのために特に麻薬取締法で生活保護までは考えていないわけでございますが、そこは生活保護法なり、そういうものの社会福祉行政の面において十分手当をしていく必要があるのではないかというふうに考えております。
 それから、第二の、病院なり、そういうものの要員の確保ということは、これは非常にまあ私ども現在深刻な問題だと考えております。一般の病院におきましても、看護婦の確保ということは非常に現在問題でございますが、特にこういうまかり間違えば狂暴性を発揮するというような、あるいはその他いろいろなトラブルの多い病院でございますので、十分な確保をしていきたい。で、現在横浜なり、あるいは最近桜ヶ丘、東京におきましても新設がなされましたし、それから兵庫県の垂水病院を私ども見て参ったわけでございます。現在はその程度の施設でございますから、まだ数が少ないわけでございますから、幸い要員が大体確保されている。しかし、これから作るものに対しては、その点心配でございますが、幸い、国で作りましたのは精神病院、国立の精神の療養所に付設するということで、その点で職員の確保はできるのじゃないか。しかし、都道府県等の設置しますものにつきましては、その点は私どもも十分ひとつ努力をしていきたいというふうに考えているわけでございます。
#116
○柳岡秋夫君 私は、こういう法律を作ると同時に、やはりそれに対応する医療機関の整備拡充、特に要員の問題、こういう問題について、やはり並行的に計画をしてやっていかなければ、これは何にもならないと思うのです。今までの委員会の中でも、看護婦さんが非常に足りないとか、あるいは最近では国立病院の、特に結核なんかの病院の医師が非常に技術がまずいのかどうか、死ぬ人が非常に多いと、こういうこともいわれているわけです。そういうことでせっかくいい法律ができても、そういう片手落ちの面が非常に多いのじゃないかというふうに思うのですよ。ですから、看護婦さんの養成にしても、医師の養成にしても、看護人の訓練にしても、やはりこういう法律と同時に、並行して何らかの施設を作って、そして要員の充実なり養成をしていくということをひとつ考えてもらわなくちゃならぬと思うのです。
 そこで、一体、今年度の予算では、入院患者に対して、何名に対して何人の職員が予算上の定数として厚生省はお考えになっておるわけですか。
#117
○政府委員(牛丸義留君) 予算措置をいたしましたのは、これは施設に対する経費と、それから、あとは患者一人に対するまあ措置、命令入院費だけでございます。したがって、そういうその他の問題については、これは一般の病院の原則によるわけでございまして、国立療養所に付置します麻薬の病院につきましては、これは精神病院と同じように考えておるわけでございます。
#118
○柳岡秋夫君 まあ精神病院と同じようにといいますけれども、私は、精神病院以上に、この麻薬中毒患者の処置と申しますか、看護は容易ではないと思うのです。これは垂水の病院に行きましたときも、非常にその苦労を私ども聞かされましたけれども、ですから、よほどこれは精神病院以上に、待遇の面でも、あるいは定数の面においても考慮をしていただかなくちゃならぬと、こういうふうに思います。特に、この施設の面で垂水病院でいわれましたことは、病床は今度作りますけれども、エネルギー発散施設、発散機と申しますか何か知らぬけれども、エネルギーの発散施設みたいなものもやはり病院の中に作ってもらわなければ、もう壁からガラスからみんな割れてしまうと、こういうふうにいわれておるわけですけれども、そういう病院の整備についてそういうようなことも考えておりますか。
#119
○政府委員(牛丸義留君) まあこれは絶対にブロック以上、まあ私ども国立のものは鉄筋で考えておるわけでございます。それから、あまり大部屋を作らないようにということは、衆議院のほうでもそういう意見が出ましたが、私どもも、あまり大部屋を作らないで、なるべく小部屋にしたい。もちろん最初の禁断症状の場合には、これは個室で、一人々々しか入れない部屋でございますが、軽快に向かっても、あまり大きな部屋へたくさんの患者を収容すると危険があるのじゃないかというふうに考えて、なるべく部屋割りは小さく考えております。しかし、ちょっと御質問の趣旨がよくわかりませんが、そのほかに何かエネルギーの発散というような、建物がこわされないとか何かということに対しましては、十分これは金網を張るとか、その他個室には、これは鉄格子でございまして、そういう点は保護施設としては十分なことを考えておりますが、いわば気分を転換するような特別な施設というようなものは考えておりません。そのかわりに、別に、むしろ看護婦のほかに警備要員みたいなものを私どもとしてはぜひ当分の間は必要じゃないかというふうに考えておるわけであります。
#120
○柳岡秋夫君 現場と申しますか、病院の意向としては、そういう特別なエネルギー発散施設のようなものも考えてもらいたいと、こういうことも言っておりますから、ひとつ施設の拡充の際には十分御検討いただきたいと思うのです。
 次に、退院の基準についてお伺いしていきたいと思います。六ヵ月をこえることができないと、こういうふうにしておるわけでございますが、しかし、今までの病院における治療の状況等を見てみますと、退院後更生をするという割合が非常に少ない。一割にも満たないと、こういうことがいわれておるわけでございますが、はたして基準三十日、そして、さらに必要があれば六ヵ月までと、こういうことになっておりますけれども、先ほど山本先生からもいろいろ質問がありましたけれども、この期間で十分だというふうにまさかお考えではないと思いますけれども、今までの更生率を上昇させることができるのかどうか、今、垂水病院の例を見ましても、わずかに九%程度です。それを二割なり三割に上昇させることがはたしてできるのかどうか、こういう点はいかがですか。
#121
○政府委員(牛丸義留君) これは実際初めての経験でございますので、なかなかどの程度かということは、私どもも明言はできないわけでございますが、私も垂水病院その他の病院で実際にお医者さんもおたずねしてきたわけでございますが、その共通した一つの結論といたしましては、禁断症状がとれて、あと一ヵ月というのがやはり一番患者として出たがる期間だというふうに院長先生あたりも言っております。それで、現在は強制入院制度ではございませんし、それぞれ各患者の自発的な意思によって入院しているわけでございますから、たいていの者が、その禁断症状がとれて、いよいよこれから精神力との戦いといいますか、麻薬に対する依存性を何とかして克服していくその期間に、たいてい現在の麻薬の病院ではそこで出てしまうわけです。これはそれをとめるなり何らの権限もございませんし、もうなおったと言って、非常にうそを言うくせがございますので、もうすっかりなおったような格好をして院長先生に退院の許しを受けて出ていく、院長先生のほうも、それをさらにとめるだけの今のところあれがないということで、各病院とも、禁断症状がとれて、あと一ヵ月の期間というものを十分抑置するだけのものがあったら非常になおる公算は強いというふうに教えられております。私どももそういう観点で考えたわけでございますが、したがいまして、それは一ヵ月でなおる者もおるし、二月以上かかる者もおるわけでございますが、その期間を最長六ヵ月というふうにして、自分で、自分の意思でなおせない者も、そういう一つの制度の力によって強制的に一定の期間収容いたしまして、その期間、麻薬の依存性というものを脱却さして、その期間は大体三ヵ月ないし四ヵ月くらいでいいんじゃないかというふうに、専門家の方々から私どもはそういうふうに承っておるわけでございます。
#122
○柳岡秋夫君 先般、総武病院の院長さんなり、あるいは関係者に来ていただいて、中毒患者の治療、入院の状態なり更生の問題についていろいろ私ども見解をお伺いしました。その中では、やはり現在の一ヵ月なり、あるいは三ヵ月なり、あるいは六ヵ月ではなかなか着実に更生をして正常な職につくということにはならない、どうしても六ヵ月なり十二ヵ月は必要であるということを言っております。しかも、先ほど局長の話では、大体出た者はみんなまた麻薬を使っておる、こういうことも言っているわけですね。ならば、そのせっかく金を使って強制入院措置をさせて、そしてようやくこれから麻薬も切れてきたというときに出してしまって再び麻薬を使わせることになっては、こういうことになっては私は何にもならないと思うんですね。効果がないと思うんです、この法律の。したがって、当然この六ヵ月という期間ではなくして、ほんとうに更生できるようなそういう期間まで、私はせっかく強制入院措置をとるわけですから、そういう十分な治療のできる期間というものをこの際考えていくべきじゃないかと、こういうふうに思います。また、そのときの先生方のお話によりますと、生活指導療法というものが必要だ、こう言っているわけですね。生活指導療法をやるということになれば、当然この三ヵ月なり六ヵ月では足りないと、こういうふうに思うわけです。そういう関係もありまして、おそらく先生方は一年ぐらい必要だ、こういうふうに言ったんじゃないかと思いますが、この生活指導療法といものをこの入院期間中に見ておるのかどうか。
 それと、もう一つ厚生大臣にお伺いしたいのですが、この生活指導療法についての費用について、現在医療の点数に入っておらない、こういうふうに言っております。病院側のサービスでやっているのだ、こういうふうになっておるのですが、この生活指導療法に対する費用を点数に入れるお考えをお持ちでございますかどうか、その点をお伺いします。
#123
○政府委員(牛丸義留君) これはまあ治療の内容としては、結局、生活指導療法というのがどういう内容か、ちょっと私の考えておりますのと違うかもしれませんけれども、六カ月の期間で治療します治療内容の中には、単に薬物の投与だけではなくして、作業療法、その他その人の肉体の一般的な回復に対する療法というものも当然含まれているわけでございまして、そういうふうな療法を生活指導療法ということでありますならば、それは当然含まれているわけでございます。治療は、単に薬物の投与とか、あるいはその他の機械器具、薬物によるものだけじゃないわけでございます、現在考えておりますのは。しかし、健康保険との関係におきましては、これからこの法律が施行されたあとの強制入院期間における治療内容につきまして、点数設定されていないのもあるようでございます。で、これについては、これは健康保険の点数を設定していただくように私どもはお願いしたいと思っております。
#124
○柳岡秋夫君 入院期間の問題につきましては、ひとつ先ほど申し上げましたように、十分患者が更生し、正常な職につける、こういうようなことを十分考えて今後検討してもらいたいと思います。
 さらに、また、先ほどのお答えによりますと、相談員が退院後のめんどうなり指導をしていく、こういうことになっておりますけれども、やはり職業の補導とか、あるいは就職のあっせん、あるいは、また、そういうための補導施設の設置、こういうこともやはり考えていかなければ、この麻薬中毒者の措置に対する完全な対策だと、こういうふうに私は言えないのじゃないかと思うのです。そういう点も十分予算をとって今後考えていくべきであろうというふうに思います。
 最後に、罰則の問題について法務省の方にお伺いしていきますが、今までこの最高刑に該当するものが麻薬事犯としてあったかどうかですね。累犯加重の場合は、初犯の場合の、たとえば現在十年なら十年になっておりますけれども、これは再犯の場合には二十年というふうにできると思うのですけれども、そういうようなことが今までの事犯の中であったかどうか、そういうような点をお伺いしたいと思います。
#125
○説明員(桂正昭君) ただいまのお尋ねにつきましては、法定刑で懲役七年以下であったものにつきまして、懲役十年の言い渡しがあった例がございます。
#126
○柳岡秋夫君 十年が限度で、おそらくこういう麻薬事犯なんというのは、累犯あるいは再犯というのが非常に多いと思うのですけれども、そういう場合でも、今までは最高十年で終わっているわけですか。
#127
○説明員(桂正昭君) ただいまの規定で、営利犯として七年以下という形になっておりましたわけで、営利常習犯というのがさらに重くなっていたわけでございます。それに当たるような事犯としての併合加重といいますか、そういった形のは、常習犯という性質から、実際上ないわけでございましょうし、それから、現実につかまったものがそういう形でなかったのかと思いますが、先ほど申し上げたとおり、法定刑七年以下について、併合罪として十年があったと、それだけでございます。
#128
○柳岡秋夫君 それから、この法案の中で、新しく独立罪として麻薬の不正取引の周旋と、こういうことが書かれております。この不正取引の周旋というのはどういう定義なのか、お伺いしたいと思います。
#129
○説明員(桂正昭君) 周旋と申しますのは、第三者間の売買等につきまして仲立ち、あっせんをするのをいうわけでありますが、現場にあって直接関与、介入するということは必ずしも必要ではないということになっているわけです。そうして、なお、本罪が成立するためには、譲り渡す人間と譲り受ける人間の双方について依頼あるいは承諾が必要である。で、当初から双方から依頼して仲立ちをしたという場合に限らないわけでありまして、当初は一方からだけの依頼であったけれども、その後相手方の承認があったと、こういう場合も含まれるわけでございます。
#130
○柳岡秋夫君 最後に、厚生大臣にお伺いしますが、この麻薬に関する国際条約があるわけですね。これが一九六一年ですか、麻薬の単一条約というものが作られまして、日本もそれに調印をしているわけです。現在四十ヵ国のうち、十八ヵ国がこれを批准しておる、こういう現状でございますが、特に麻薬の非常な市場といわれる日本におきましては、いち早くこの単一条約には批准をすべきではないか、こういうふうに私は思うのでございますが、なぜ今もってこの単一条約に対して批准をしないのか、その点をお伺いしたい。
#131
○国務大臣(西村英一君) たいした理由はないのでございまして、少し手続が外務省でおくれておるということでございますので、この次の近い国会ではぜひとも批准をしたい、外務省もさように考えておりますし、私たちもさように考えておる次第でございます。
#132
○委員長(加瀬完君) 右法案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
  ―――――――――――――
#133
○委員長(加瀬完君) 次に、社会保障制度に関する調査の一環として、医業類似行為に関する件を議題といたします。
 質疑の通告がございますので、これを許します。阿具根君。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#134
○委員長(加瀬完君) 速記を起こして。
#135
○阿具根登君 大臣が御存じないと思いますから、お待ちしておったのですが、医業類似行為に関する件につきまして、三年前にこの法律案が改正されたときに、すでにこの法律案は三十年に成立して、三年、三年と六年を経過しておる。この経過を見てみると、この法律の期限ぎりぎりになって政府は出しておって、漫然としてこの法律を延期させるだけである。これを三回も延期させるということになったらば、国会の権威はどこにあるか、こういうことはまかりならぬ。だから、このたびは早急にこれを改正すべきである、こういう点が審議され、衆参両議院の附帯決議にもその意味が盛られております。そのときに大臣からの答弁で、特に政務次官の答弁では、石の上にも三年と言われておりますが、すでに六年たったやつを、さらに三年間このまま改正もしないということは考えられませんと、必ずその前には改正の法律案として御審議を願いますと、こういう約束をはっきり取りつけられておるわけです。ところが、来年は三年の期間が切れる年なんです。そうすると、今までのように来年の通常国会に出されるとするならば、大臣の言われた言葉は全くうそになってしまう。そうすると、今国会に改正法律案として出されなければならない約束であった。おそくとも今国会に出さねばならぬことになってくるはずです。だから、出すとすれば早急に出してもらわなければ、あと一ヵ月足らずの日数でございます。法案もたくさんだまっておるようです。審議する期間も少ないので、今国会に出せるのか出せないのか。出せないとしたならば、それではこの前の国会において明言されたことは一体どうなるか、その責任はだれが持つのか、その点についてまず御答弁を願います。
#136
○政府委員(尾崎嘉篤君) あんま、はり、きゅう、柔道整復師法の改正案が通過いたしましたときに、療術師の関係の処遇をはっきりさせろ、その法案を出すなりしてこの立場をはっきりさせろというお話がございまして、それに対しましては、三十七年の三月にあんま、はり、きゅう、柔道整復中央審議会という会を作りまして、あんま、はり、きゅうの問題と一緒に、療術師の問題もどういうふうにするかということを御審議願っておるところでございまして、ただいままでに十六回、毎月一回会合をやっておりますが、十六回審議をしていただきまして、ただいま療術師の問題を今御審議を願っておるところでございまして、その御結論をもとにいたしましてわれわれは措置をとっていきたいと、こういうふうに思っているわけでございます。なお、リハビリテーションの問題に関しましてOT、PTの関係の職種が新たに考えられておりまして、その関係との調整の問題もございますので、今次の国会には措置が取り得なかったのでございますが、できるだけ早くお約束の三十九年末までにはこの問題をはっきりさせたいと、こういうふうに思って努力をしておるところでございますから、御了承願いたいと思います。
#137
○阿具根登君 それでは、その審議会の審議状況と見通しについて御報告を願います。
#138
○政府委員(尾崎嘉篤君) この審議会は、ただいま申しましたように、中央審議会でございますが、十六回会合を開いておりまして、初め、あんま、特に盲人あんまの問題をいろいろ議論願っておったわけでございます。この一、二回前から療術師の問題に入って参りまして、この年内に大体御結論を得るかと期待しているわけでございます。
#139
○阿具根登君 盲人と療術と二つに分けて考えられておるということはよくわかりますが、厚生省自体の考え方はどこにあるのですか。厚生省は、この問題については、もう十数年やっておるはずです。厚生省自体がどういう考えを持って諮問されておるのか。今のように、指圧というものはあんまであるか、あんまと指圧は一緒であるか、盲人のあんまというものに対してどういう考えを持っておるのか、こういう問題があいまいであるから私は今日の状態を引き起こしておると思う。厚生省は一体どう考えておるのか。
 それから、あんまという起源について、ひとつ、そこで博識のあなたから御説明願いたい。私の知っておる範囲内においては、あんまというものは徳川時代か、あるいはその前かもしれません。目の見えない方々に、そのころ社会保障の制度もなかったので、特殊な作業として、目の見えない方々のみに許した職業だと、私はこういうふうに解釈しておる。そうでないのかどうか、その点ひとつ詳しく御説明願います。
#140
○政府委員(尾崎嘉篤君) 療術師の方方の処遇に対しましては、厚生省自体としてもいろいろ研究もしておりますが、なかなかむずかしい問題もございまして、その担当者とかのいろいろ意見もありますが、省としてまだ意見が出ていない状態でございまして、今の中央審議会に諮問しまして、その御審議の結果を待っておるわけでございます。
 それから、あんまに関しましては、お話のとおり、明治以前、徳川時代におきましては、盲人に対しましての一つの社会政策を加味しました方策といたしまして、これに独占をさせて治療をやらしておった、こういうふうにわれわれ承知をしておりますが、現在のあんまの方々の実態、これにつきまして、確かに治療というような立場での効果もあり、それによって病院等であんま、マッサージ、指圧等の方々に働いてもらっておる部門もございますが、一部には、また慰安というふうな立場で、宿屋とか温泉場等で活躍をなさっておられる方々もおられるのではないかと思います。それで、目の見えない方に対しましての、身体の障害を受けておられる方々に対しましての一つの社会政策としての立場と、医療上、患者に対してできるだけいい医療を与えるという立場でのいろいろの要求、この関係をどういうふうに調和さしていくかというような問題につきまして苦慮しておるわけでございまして、この点いろいろ検討は加えておりますが、もう少し結論には時間を待っていただければありがたいと思います。
#141
○阿具根登君 今言われたように、目の見えない方と目の見える方と同じコースで、職業の自由の選択だという憲法論を振りかざして今日のような状態に置かれておったならば、これは目の見えない方が負けることはわかっておる。そうするなら、身体障害者としての社会福祉立法を考えて、盲人の方が特殊な生活、最低限の生活になると思いますけれども、その生活権の確保だけはしてやるのか。そうでなかったとするなら、ハンディがついているものを一体どうするのか、こういうことになるわけなんです。そして、皮肉にも、あなた方が考えておるのは、名称はあんまです。先ほど言われましたように、あんまというのは、目の見えない方が、特に治療というんですか、慰安というんですか、そういう意味で、健康保持のために尽くされてきた役なんです。これを今度は目の見える人がやっていく。しかも、名称はあんまだ。そのあんまという名称の由来を見てからも、私は疑問なんです。そういう名称でいいのかどうか、こういう考え方が一つあるわけなんです。しかも、それに目あきの人、しかも、最近この問題でいつも問題になりますが、温泉等では、特に若い女性の方々がこういう仕事をされる。そうすると、目あきをみんなほしがる。めくらの方の仕事はあなた方の法律によってなくなってきてしまう。あなた方はあんまという名称で喜ばしておいて、そして目の見えない人を職場から追放しておることなんです。そして、宿屋等ではぴんはねもしてめくらの方々も働かしている。こういう実態を十分承知しておられながら、三年目、三年目、三年目と、九年たたんとする今日まで、まだ結論を持っておらない。一体どういう考えがあなた方にあるのか、私はどうしてもわからない。どこか反対側の圧力があるんですか、何かこの問題については。医業類似行為だからいろいろ問題はあろうと思う。で、九年もたった今日、まだ結論が出ておらない、どう考えてもおかしい。だから、あんまという名称をまず第一に考えてみたい。あんまという名称が、目あきにも、指圧にも、あるいは電気治療者にも、鍼炙にも、こういう問題で全部あんまという名称が唱えられるかどうか。指圧だけとったとしたところで、じゃ、あんまと指圧が一緒かどうか。国会の衆参両議員会館に治療に来てもらっているのは、あれはあんまか。私は、あんまの指圧はおらぬと思う。私がかかった範囲内ではみんな指圧です。なぜ指圧をあんまという名称で呼ばにゃいかぬか、その点一つ教えて下さい。たたく、引く、さするとか、そういう問題は、私はもうとうに知っていますから、そういう問題じゃない。そういう問題は、私は百も知って質問しているんですから。
#142
○政府委員(尾崎嘉篤君) まず、あんまの名称でございますが、あんまという徳川時代の言葉、これは私必ずしもよくわかりませんが、それからずっと続いておるんだろうと思います。多少変化はあったかもしれませんが、現在狭義のあんまの方と一緒にして、この法律では、指圧だとかマッサージ師をも一緒にして、あんまという包括的な名称で取り扱いをしておるというわけでございまして、この理由といたしましては、今お話しのように、押す、さする、なでる、引くとか、こういうふうないろいろな物理的の手技を行なうことによりましてからだの調子を整えていく、自律神経系の調子を変えていくというような考え方に基づくものとして、全体を一括してあんまという名称で、広い意味でまとめておる。この中には、お話のマッサージとか指圧も、広い意味では含める、狭い意味では対立するものになっている、こういうふうに考えているわけであります。それから、はり、きゅうの関係は、これは一応別に考えておる。それから療術師の光線関係とか何かをやっておられる方、これはまた別の範疇として考えておる。こういうふうなわけでございます。
 それから、九年間もかかっておるじゃないかというふうなお話でございますが、この点なかなか取り扱いがそれほどむずかしいものだというところだと思いますが、われわれのほうもできるだけ早く、いつまでもこう延ばしておってもしようがないし、御迷惑をかけるから、年内に結論をつけたいと、こういうふうに思って努力をしておるわけでございます。
 それから、あんまさんの関係の、目あきの方の、特に女性の目あきの方の問題、これにつきましては、今の法律が同じように許可をせねばならないようになっておりますので、そういうふうな関係でめくらの方も一緒にやっておりますが、将来におきましてこれをどういうふうに取り扱うか、あんまとマッサージ、指圧なんかの問題も分けていくかというふうな問題、療術師の問題と、さらにPT、OTの問題とともにあわせて、できるだけ早急に解決していきたい、こういうふうに思って努力をしておるところでございます。
#143
○阿具根登君 PT、OTの問題まできょうは入れる時間がないのですが、たとえば三越に入って、三越の階下を見てごらんなさい。指圧器具として専売特許の器具を売っておりますよ。これはあんま器具じゃないです。指圧です。しかも、専売特許を国が許しておるのです。だから、あんまと指圧をあなた方が一緒に考えるそのものがおかしい。一つの療術なら療術、美容なら美容という名称の中にあんまがあり、あるいは指圧があり、あるいははりがあり、きゅうがありと、こういうように羅列してくるならわかるのですよ。あんまが広い範囲だ。そういうような、何か昔のおる一部の人の郷愁かもしれない、あるいは、あんま学校の先生がそういう名称をほしがるかもしれない。そういう目あきの人の考え方をあなた方は考えておるけれども、実際問題として、そういうことをすでに実際許しておるじゃないか。それから、電気器具の問題でもそうですが、この前質問したときは、まだ最高裁から高裁に差し戻されて、判決が出ておらないからわからないと言われましたが、HS光線ですか、もうこれは完全に人体に無害だから、罰することまかりならぬということできめてしまった。こういう法律が出て何になるか。光線を使っても人間のからだに悪影響を及ぼさない、だからこれは無罪である、よろしいということになった。電気光線を使ってさえもそのくらいであったなら、現在あなた方が、あんまという名ならばよろしいと言う。指圧をあんまの免状を受けぬでやったら罰するというが、だれが罰するのですか。この法律はもう何にもならんでしょう、あっても。今のままでしたら、私ら法律を審議し、作った者の立場から見ても、この法律を守るなんてこと要りません。あんまの試験を受けること一切要りません。電気も光線も自由にやりなさい、人体に無害である限りは。こういう結論しか出せないのです。意味もない法律案をかかえて――あなた方はこれで告訴された。告訴されて負けているじゃありませんか。どうお考えになりますか。この法律があって何の役に立ちますか。もういっそのこと廃業にしますか。あなた方が作りきらんとおっしゃるならば、廃案にしたらどうですか。また三年延長なんてことは、まさかないと思いますが、いかがですか。
#144
○政府委員(尾崎嘉篤君) 今の先生のお話は、指圧、マッサージ、狭義のあんまというふうなものをあわせて、広義のあんまとして置く、こういうふうなこと自体がおかしいじゃないか、こういうふうなお話が第一点だと思いますが、まあ法律上そういうふうになっておりますのでこういうふうに取り扱っておりますが、あるいは広い意味で別の名称を用いたほうがいいではないかというような見方も、たとえば手技治療とかいうふうな名称を用いたらどうかというふうな考え方も出てくるだろう、こういうふうなことはわれわれも感じております。この点もあわせて検討しますが、先生がお話しのように、今の体系のままでいいかどうか、もう少しそこは国民の医療上に必要なものはきちんといくように、体系的に全体をもう一ぺん考え直す必要があるのではないか、こういうふうな気持ちもしないわけでもないわけであります。私、前にこのあんま、はり、きゅうの法律ができましたときに、話を横で聞いておりましたので、多少あやまちがあるかもしれませんが、たしか当時の占領軍総司令部の方は、東洋医学的なこういうふうなものを禁止して、特にあんま関係の問題を禁止しようとしておったと思いますが、それに対しまして、昔からの日本の伝統的にあります目の見えない方のあんま業に対して、厚生省側がある程度がんばりましてこれを残しておった。そのときの割り切り方があるいは十分ではなかったということはあるかもしれませんが、できるだけその点社会局等ともあわせまして、省としての立場をはっきりするように、できるだけ早くその処遇をはっきりさせるように努力をいたしたいと思って、今せっかく努力中のところでございます。
 なお、最高裁の判決において、これは何にもならないのじゃないかというお話でございますが、これは最高裁の判決は御承知でありましょうが、届け出を出していなかったからというだけで営業しておる者は違反だというのは無理ではないか、処罰するなら、やはりそこに有害だという証明をつけなければならないということでありますが、それだからといって、この法律か全然無効だというところまで議論を飛躍するのはいかがかと思います。やはり今の世の中において、いろいろ不十分な点はあっても、役に立っているのではないか、これをよりよくするように努力をいたしていきたい、こういうふうに考えておるものでございます。
#145
○阿具根登君 しかし、あなた方は盲人を守ると言いながら、職業の自由の選択だということで、盲人の職域の中に目あきを入れてしまったでしょう。だから、目あきを入れてしまったから盲人の職業がなくなってきた、これはアメリカが確かに入ってきたときに、この種の医業類似行為はやめたほうがいいといった、そのアメリカの言ったやつをはき違えないようにしてもらわないといけない。目の見えない人が笛を吹きながら仕事を探しておるのは残酷じゃないか、こういうことでさせてはいけないというのがアメリカの言い方なんです。日の見えない方が、仕事をしなければ飯が食えない、生活ができないというというあり方は考えなければならぬ、こういうことが根本をなしておるのです。そうして医業類似行為ということを言われたのですが、そうであるならば、電気、光線はほとんどアメリカからきたのです。日本で発明したものではない。アメリカからきたものを日本人がやっておる、アメリカ人がやってはいけないという理由はないわけです、そうでしょう。だから、はき違えないようにしてもらわないと困る。それなら厚生省の立場として、肢体不自由者と盲人に対しては、そういうあんまなんかしなくともよろしいというだけの生活を保障してやらなければいかぬ。保障をしてやらないとすれば、めくらの方はこれで十分食える、目あきの人はこれを侵害してはならないというところまで考えなければいかぬと思うのです。それが逆になっておるのです。しかも、せっかく法律を作って電気光線を作っても、人体に無害であるなら、これは処罰の対象にならない、こういうふうになっておるのです。それなら指圧の関係の人はあんまの試験、それも名目だけで、ただ受けてさえくれれば免状をやります、そうしてあんまの看板を掲げてやって下さい。そういう子供だましのことを九年間もやろうとするところに考えなければならないところがある。何でそんなことをするのか。あるいは指圧もマッサージもあんまだ、こういう気持の人もあるかもしれないが、それは一部の人です。もう御承知のように、今ごろ板前さんなんて言わないでしょう。床屋さんなんて言わない。美容師、理容師、調理師、こういうところの名前さえ変わってきておるのに、何で目あきの人がわざわざあんまという名をつけなければならないか。厚生省というところは、私はよほどつむじ曲がりだと思う、そうでしょう。床屋さんと言わないでしょう、理容師です。女のほうは美容師です。板前さんは調理師です、みんな。そういう近代的な言葉を使っておるのに、あなた方は、目の見える人まで、何もないのに、ただ厚生省の看板のものに、あんまの試験を受けたらあんまの名義をやろう、こういうようなことをやられているから、業界はちっとも法律を守らない、皆さんの言うことを聞かない。それで皆さんが怒って告訴されれば、告訴じゃ負けた。どのつらあって今まで延ばしておりますか。こういうぶざまなことをさらしておっては、だれも法律を守らぬでいいということになりますよ。たとえばあんまの試験を受けずに指圧をやり、電気、光線をやって処罰の対象にならないということになって野放しになったら、だれが迷惑を受けるか。もう来年十二月三十一日でこの法律は切れるでしょう。だから、私らがしょっちゅうやるわけにはいかぬから、一年一回ぐらい質問してみると、いつも同じ答弁だ。あしたは終わりになって、こんなことは新聞にもつかぬというようなやつは、あなたは仕事にもならないで、またしばらくして質問すると、あたふたと来て同じ答弁ばかりある。こういうことでは、あなた方は何をされておるかわからぬじゃないですか。だから、ちゃんとそのときも約束したように、決して三年目に出しません。私は念を押しておる。またあなた方は三年目にそういうことを出すでしょう、いや絶対そういうことはありません。それを読んで下さい、あのときの議事録を。念を押して私はこういうことを言って聞いている。今言っていることは、三年前にそういうことを言っておる。そこから大臣も次官も答弁されておる。こういうことを二度とお願いしませんということを言っておるのであります。ところが、来年になるじゃありませんか。来年になると、今のような状態では総選挙がある。業者の方々は、来年といったら、もう三年延長しかないと思うのです。選挙で議員さん方はうしろばかり見ている、こういうことを言われておるのですが、どうですか、あなた方そういうことできますか。今のままじゃだめだ、来年通常国会の初頭に出せますか、はっきりしておいてもらって、私は三時半まで質問せいと言われておりますからやめますけれども、はっきりして下さい。
#146
○政府委員(尾崎嘉篤君) まず、あんまさんの名称の問題が一番大きな問題だと思いますが、この点はあんま、マッサージ、指圧、さらに中でいろいろ細かく分ける点もありましょうが、それを全部こういうふうな身分法に書くか、また、まとめていくかというふうな問題がいろいろ取り扱い上の問題としてあるのじゃないか、こういうふうに思いますが、法律上も、あんまとして全部包括せられて規定されておりますので、今そういうふうな扱い方をしておりますが、将来につきましては、これをもう少し研究させていただきたい、ただ、厚生省といたしましては、今の原理が同じであるからまとめていいのじゃないか、こういうふうに今まで思っておったというところでございます。
 それから、盲人の問題と、それから療術師の問題が、少し医業類似行為の問題がお話の中でこんがらがっておったのじゃないかと思いますが、医業類似行為の問題につきましては、できるだけこの点PT、OTの問題とからみながら、医師の仕事の一部をどうするかというような問題とからみまして、立場をはっきりさせていきたい、こういうふうに思っております。
 それから、明年までにできるか、いつも同じような答弁をするというようなお話でございましたが、いつも同じ答弁じゃなかったと思います。中央審議会を作って十六回これをやって、本気で今やっておりますところで、明年以内にこの結論は出していきたい、来年はしっかりした立場を出していきたい、こういうふうにして、今せっかく努力中でございますので、この点御了解願えれば幸いだと思います。
#147
○阿具根登君 これでやめますがね、中央医療審議会、これは小委員会か何かでしょう。おそらく中央医療審議会のメンバーでこれやっておられるとは思わないのです。そういうことですね。そうしますと、そのメンバーを教えてもらいたい。お医者さんだけでやってもらっておったら、これはまた弊害がある、あるいはあんまさんの代表だけでやってもらっておったら、これまた弊害がある。ひとつどういう方々でやっておられるか。私ら十年この問題を審議しておるのだから、場合によったら私らを参考人に呼んでもらってもけっこうですよ。幾ら十六回やっても、結論が出なければ何十回やっても同じことですね。こういう意見を持っておる者の意見もたまに聞いてもらってもいいです。どういう方々が審議委員になっておられて、十六回やっても結論が出ぬというのは、えらい人々はなかなか結論を出し切らぬから、ひとつ名前と、その人の職業と教えて下さい。
#148
○政府委員(尾崎嘉篤君) 今の審議会でございますが、これは医療審議会とは別でございまして、あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法の第十三条にございますあん摩、はり、きゅう、柔道整復中央審議会でございまして、その審議会長は木村忠二郎先生でございます。それから、中には医者関係もおりますが、そのほか、あんま関係、はり、きゅう関係、柔道整復術関係、関係業界の代表者も入ってもらっております。今名前を十名ここでちょっと私申し上げ、私ここで全員は申し上げかねますが、必要がございますれば、説明員から、全部言えるかどうかわかりませんが、名前を述べさせていただきたいと思います。
#149
○説明員(上村一君) あん摩、はり、きゅう、柔道整復中央審議会の委員について申し上げます。
 会長は、今、局長から申し上げましたように、社会事業大学の学長の木村忠二郎さんです。それから医療関係者といたしまして、東京大学の大島教授、これは物療内科です。それから整形医科の三木教授。それから医師会の副会長の清沢先生、石原先生、それから鍼灸関係学識経験者としては、岡部という日本鍼灸学会の会長、それから鍼灸関係を含めたものの学識経験者として、東京教育大学の芹沢助教授、それからマッサージの関係として小守委員、それから、あんま、はり、きゅうを含めまして、養成所をやっております花田委員、柔道整復では魚住委員、それから盲人関係といたしまして、大野委員等でございます。大体こういう方に委員におなりになっていただいております。
#150
○阿具根登君 そうすると、指圧関係の人はおりますか。いわゆる指圧、あるいは電気、光線、こういう関係の人はだれがおりますか。
#151
○説明員(上村一君) 要するに、この医業類似行為としての指圧の代表という方はおいでになりません。つまり指圧に関して学識経験のあるのは、私どもの理解では、東京教育大学の助教授の芹沢先生であるというように考えております。それから電気、光線、温熱のたぐいでございますが、これは先生御承知のように、人の数だけ業態があるわけでございます。人の数だけ業態があり、しかも、あん摩、はり、きゅう、柔道整復師法では、あくまでも経過的な措置として認められておる地位でございますから、委員には入っていただいておりませんが、この方面の学識経験者としては、東大の物療内科の大島先生がおいでになると思います。
#152
○阿具根登君 一番問題になっておる指圧関係の人がいない。そうしてマッサージ関係の人はおる、あんま関係の人はおる。それはおかしいじゃないですか。問題になっているのは指圧でしょう、電気でしょう、光線でしょう。電気、光線がばらばらになっておるといいながら、一つの団体はあるはずなんです。その団体の責任者は当然入るべきなんです。指圧関係の責任者は当然これは入るべきなんです。そういう片寄った審議会をやっておられるから、自分たちの都合のいいのを出されるから、いつまでたってもできないのです。そうでしょう。問題の起こっておるのに、どうして――あなた方は、労働問題でも何でも、労使双方のときですね、中立委員の方をあげて、この人は使用者側の代表ですとか、労働者側の代表ですよといって、それはつまらぬですよ。やはり問題の起こっているところの方々が、その代表の方が集まって、お互いの意見を述べて、そこでお互いに譲り合うところを譲り合って、こうあるべきであろうということを、今度は中立委員の方が大所高所から結論を出して大臣に答申するなら答申すると、そうしなければ、これはあなた方、答申が出てきても、その法律に従わぬという人がたくさん出てきますよ。結局今までやった同じことの繰り返しになる、こういうことになるわけです。どうですか、今からでも委員の中にそういう人を入れてやらなければ、せっかく出てきても反対しますよ。何も責任負いませんから、代表を出していないのだから。
#153
○横山フク君 関連。ただいまの、審議会を作って、それでそうした医業類似行為者や何かのあり方をどうするとか、あるいはめくらの人と目あきの人たちのあり方をどうするとか、そういうことを審議する審議会ではないのじゃないですか。あれは法律によって当然きめられたので、その法律で規制されている業者の代表者が入るけれども、その業者以外の人は入らない。つまり保健婦、助産婦、看護婦審議会といったら、保健婦、助産婦、看護婦の人たちや医師たちが入って、そうして保、助、看婦のほうは国家試験ですけれども、国家試験とか、あるいは身分、業務違反をした、医師法違反をした、そういう人たちをどうするとかといった問題をきめるそういう審議会と同質のものの審議会であって、それは将来のあり方をどうするとか、類似行為者をどうするとか、三年間の時限がきたらそれをどうするとかいった問題を審議するところの審議会では私はないと思っているのですけれども、そうなると、その審議会でもってきめまして、来年までにはこうした結論を出すことができますというおっしゃり方は、少しあの審議会の内容からいって違うのじゃないかと私は思うのです。それから、審議会からいくと、阿具根先生のおっしゃったそういうものが入らないのがあたりまえであって、そういう審議会と、阿具根先生がおっしゃっているのと、法律でできている審議会、あなたが答弁する審議会というものとは、ちょっと意味が違うのだと私は思うのです。そこのところがどういうふうだか、おっしゃっていただいたらいいのじゃないか。そうでないと堂々めぐりばかりすることになる。
#154
○説明員(上村一君) あん摩審議会のその権限といたしましては、ただいま横山先生からお話しになりましたとおりでございます。したがいまして、私どもこの問題について、あん摩審議会に諮問しているわけじゃございません。事実上いろいろ御検討いただいておる。それを先ほど局長が申しましたように、いろいろと協議を重ねたということでございます。
#155
○阿具根登君 そういう審議会に諮問して九年間も待っているというから、よほど権威がある審議会につながっているのだと、分科会か何かかと思ったんですよ。そういう審議会にかけてべんべんとあなた方待っておるのですか。そうして議会をあなた方うそ言ってだましておるのですか。どういう権限がある審議会ですか、それは。そんな審議会の結論を待って大臣がそれを出すなんておかしいじゃないですか。それはおかしいですよ。それは答弁の間違いなら間違いで、はっきりしてもらわなければおかしいですよ。
#156
○山下春江君 ちょっと関連、今の答弁なさる前に。
 私は、参議院へ来てこの御審議をさしていただいたのは初めてでございますから、従来どのような審議があったかわかりませんが、衆議院ではかなりこれは苦労した問題ですが、阿具根先生がさっきから、厚生省は約束をした期日にどうこの問題を処理して出るかと言われたのに対して、局長は、審議会に諮問しているから、その答申を待ってという御答弁はいけないのであって、それはやっぱり今薬でサリドマイドとか、いろいろなことで、やはり厚生省が許可したということは、国民がもうほんとうに神様から許されたように目つぶしでこれを信用する。それほど高度な信頼を持っておる厚生省としては、その審議会の答申が出たからどうするとか、出ないからどうするとかいう問題にしては、あまりにも古い問題です。今ここらで、もうあなた方が責任を持って高度の解決をなさらなければならないときにきているのです。で、木村忠二郎さんということになれば、木村さんは厚生省においでになるときよりも、そとにお出になってから非常にこの方は、いわゆる漢方薬と言われた草根本皮等の非常に権威的な著書も出しておられます。したがって、人間のからだというものは、高度の今の医学だけでなく、もっといろいろな神秘的な影響を及ぼすことがその保健を維持できるという議論もあちこちにあります。たとえば私は若いときの知識ですけれども、二木謙三先生の玄米飯とか、あるいは西先生の冷たいふろと暖かいふろとちゃんぽんに入れとか、いろいろなことをいわれておりますが、年をとって私どもも保健を試みなければならないところに追い込められていろいろやってみますると、これは必ずしも今の新薬をばかばか飲んでいるよりも、非常に身体を別な意味で鍛えてくれている場面があるようでございます。そういうことの私は学問的なことはわかりませんけれども、今のような御答弁をなさっておられましては、それはもう厚生省が追い込められて、にっちもさっちもいかないところにもう遠からず迫い込められる。私も阿具根先生がおっしゃったように、この問題を解決してやらなければならないと考えておる一人の責任者でありますが、そういう意味から言いますと、今のような御答弁ではとてもまかり通られませんから、最高のひとつお考えを御決定願いまして、そうしてこの問題のすみやかな御解決の方途を御決心になることを、私は質問ではございませんで、あなたが今何か御答弁なさろうとする前に、私は強く要望をいたしておきます。
#157
○政府委員(尾崎嘉篤君) どうもいろいろお教えをいただきまして、ありがとうございました。私も先ほどの答弁必ずしも十分ではなかったかと思いますが、その中央審議会は十六回も論議しておるのです。これが大体年内に結論をいただけるだろうということが一つと、それから、もう一つ、PT、OTの身分に関連しての問題でいろいろ研究をしております。その関係のリハビリテーションの専門職種云々ということで研究しているわけでありますが、そういう問題がからみますことが一つ。それから、そういうことにから見まして、この類似行為の方々につきましては、医学上のいろいろ問題をからみ合わせまして、こちらで厚生省としての立場をきめていかねばならない、こういうふうにわれわれは考えているわけでありまして、また、目の見えない方々、あんまさん方の取り扱いにつきましては、私どものほうだけでなく、そういう人に対する援護をせられております、担当しております社会局ともいろいろ考えをまとめまして、省としての立場をきめていきたい、こういうふうに思っておるわけであります。ただ、これを中央審議会だけの答申を待っているわけではないのでありまして、その点私の言葉が足らなかった点はおわびしますし、ここで明らかにさせていただきたいと思います。
#158
○阿具根登君 それじゃ、あとでまた関連があるそうですが、私は今のあなたの御答弁でわかりました。きょうの質問もまずかったかもしれませんけれども、答弁も私たちの考えているようなものでなく、どういうふうに真剣にやっておられるかということが全く見えませんので、後日再度質問を許していただきたい。きょうはこれで私は打ち切ります。
#159
○藤田藤太郎君 ちょっと私も参考意見を述べますが、山下先生の言われたこと、全くそのとおりだと思うのです。これはきょうは申し上げませんが、ただ、私は、目の見えない人を社会保障で外国がやっているようにやるのかどうかという体系づけた上で、目あきのあんまとか何とかという、あんまか手技か、その結論を出す前にこの問題を十分に討論していただきたいと私は思うのです。それをいいかげんなことにしておいて、目の見えない人は野たれ死にするような格好にしておいては私はいけない。
 それから、もう一つ申し上げたいのは、あんまの免許があるというだけでたくさんの人をかかえて、免許も何もない人が自由自在にわれわれ議員の中まで出入りしているということに何らの監督もしておられない。そして片一方では、理屈をつけて三年ごとだと、こう言っている。問題は、そういう性質のものは人体に健康や潤いをもたらすというところから出発しているものですから、免許一枚あったら何をやってもいいということで、こっちは自由だ、こっちは免許がないからと言って、実際はそのほうが人体にはプラスをしているという現実を見ないで、そしていいかげんなことをやるということは、私はいかぬと思う。一々例をあげても、東京都で十人とか二十人とか、わっとかかえてたくさんやっていますよ。これは温泉地ばかりではありませんよ。東京都でやっている。似たようなことを自由にやっているじゃないですか。こういうことには一つも目をおあきにならないで、そしてどうなんだという、私もそういう不満を持っているのですが、まあきょうは申し上げませんけれども、そういうこともきちんとやっぱり割り切って問題を提起してもらいたいと思うのです。これだけ参考までに申し上げておきます。
#160
○委員長(加瀬完君) 本件に関する質疑は、この程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十七分散会
   ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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