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1962/05/17 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 災害対策特別委員会 第7号
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1962/05/17 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 災害対策特別委員会 第7号

#1
第043回国会 災害対策特別委員会 第7号
昭和三十八年五月十七日(金曜日)
   午後一時三十分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
 四月九日
  辞任      補欠選任
   青田源太郎君  重政 庸徳君
   平島 敏夫君  井川 伊平君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     辻  武寿君
   理事
           藤野 繁雄君
           永岡 光治君
   委員
           天埜 良吉君
           井川 伊平君
           稲浦 鹿藏君
           熊谷太三郎君
           小柳 牧衞君
           館  哲二君
           林田 正治君
           森部 隆輔君
           武内 五郎君
           小林 篤一君
  政府委員
   内閣官房内閣審
   議室長兼内閣総
   理大臣官房審議
   室長      松永  勇君
   総理府総務長官 徳安 實藏君
   農林大臣官房長 桧垣徳太郎君
   農林省蚕糸局長 久宗  高君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       鈴木  武君
  説明員
   経済企画庁総合
   開発局参事官  真島 毅夫君
   建設省都市局参
   事官      大塚 全一君
   建設省道路局次
   長       尾之内由紀夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○災害対策樹立に関する調査(雪害対
 策等に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(辻武寿君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の変更について御報告いたします。
 四月九日、青田源太郎君、平島敏夫君が辞任され、重政庸徳君、井川伊平君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(辻武寿君) 災害対策樹立に関する調査として雪害対策等に関する件を議題といたします。
 この際、徳安総務長官から、激甚災害に対処するための財政援助等に関する法律、その他雪害対策に関する件について、御説明願います。
#4
○政府委員(徳安實藏君) 豪雪関係につきまして、たいへん皆さんに御協力いただきましてありがたく、厚くお礼申し上げます。
 その後、政府におきましても所要の作業を進めまして、できるだけ御期待に沿うように努力しておるわけでございますが、最も問題になっておりました除雪に関する費用の問題でございます。政府のほうで各関係省で協議をいたしておるのでありますが、いろいろな困難な問題に逢着いたしまして、ただいまなお最後の結論は見ていないのでありますけれども、大体の模様を申し上げますれば、この除雪に対する費用の財政処置が必要でありますことは、もうこれは、私どもはもちろんでありまするし、皆様のお気持と同感でございますけれども、どの程度の災害があれば激甚災害にすることが妥当であるか、場所によりまして積雪にも非常に差がございますし、また、同じ県内におきましても、やはり場所によりましては、三尺積もる所もあれば一尺の所もあるというような点もございまして、それらの点をどこを抑えて判定するかというような問題が実際問題として非常にむずかしいようでございます。また、補助金を交付することにつきましても、御承知のように、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律、こういうむずかしい法律ができておりまして、これは皆さん御承知のとおりでございますが、そこで、この法律を適用されました時分に、除雪の費用に対する抑えと申しますか、査定等につきまして、一体政府職員がどの程度に責任を持てるか、そうしてどの役所が予算執行の任に当たるかというような問題が、役所側では非常に大きな問題になっておるようでございます。言葉をかえて申しますと、こうした法律によりまして、手続として証拠書類をそろえましたり、現地を調査してから補助額の否定をするというような形になっておりまして、雪は一日ほっておけばすぐ解けてしまいます。きょう三尺降ったと思えばあすは五尺になる場合もございますし、そういった点を何日でどこで抑えるか、それに、はたしてそのような証拠を、雪がうんと降りましたときの県庁の報告だけを証拠にし得るかどうか、そういう報告だけで処理し得るかどうか、過去における実績を見ますと、県庁を決して軽く見るわけではございませんし、その報告を軽視するわけではございませんが、ややもすれば過大なものもありましたり、あるいは実際よりか少し違ったような報告も来ておる場合もございまして、政府がこうした厳重な補助規定を適用する場合に、少しも心配なくやり得るか、もし間違いましたら担当者が処罰を受けなければならぬ、こういうふうな関係もございまして、そうした点に非常に難色を示しておるわけでございます。そこでどういう工合に、しからば、どうすれば皆様のお考えに適応するようになるかということで考えてみたんでありますが、今の場合では、積寒道路法による指定路線をできるだけ拡大をするというような処置をとる、あるいは除雪機械でありますとか、防雪施設、除雪施設等を相当金を使って整備をどんどんやって、それから、国の道路の直轄管理区域というものの現在出しております国の補助金を三分の二に改正する、道路改良事業をできるだけ推進する、こういうようなことによりまして、常に雪害対策を講じていく、それで足らざるものは特別交付税によって財政援助を行なう、こういうようなことならばどうにか無難ではなかろうかという考えのようでございますが、しかし、自民党を初め与野党の方々からも、この際こそくな手段ではいけない、そこで、激甚法第三条の土砂等の適用ということもあまり芳しいことではないから、別に一条を起こして、そして除雪費をはっきりと激甚災害法のほうに入れるようにすべきであるという方針がありまして、この点につきましては、ただいま与野党とも、衆議院のほう外御相談中でございまするし、私どものほうにも御相談がございまして、今両方で協議中でございます。で、何とかせなくちゃならぬということは、もう与野党とも一致した意見でございますし、私どもも決してこれには異議ございませんので、何とかしたいということを考えているわけでありますが、何しろ実際問題として扱うのに非常に困難が伴う問題等がございまして、ただいままだ一致点を見出しておりませんが、これは衆参両院はもちろん与野党で話し合いをしていただいておりますので、これは皆さんもよく御承知だと思いますが、近く衆議院のほうで会議をお開き下さいまして、私どものほうとの調整をしたいということで御連絡も来ておりますので、できるだけ各党の御意見を尊重いたしまして、その御趣旨がこの法の上にも盛られまして、しかも、それを適正に施行する上において妥当を欠かないように万全の用意のもとに進めていきたい、かような考え方でおります。非常に一刀両断の処置で明快にこうしますということがはっきり言えませんことは、まことに残念に思いますけれども、こうした点について意のあるところを御了解いただきまして、これはしばしば申し上げますように、お互いに国会に籍を置きます者は皆同じような考え方でいるわけでありますから、相携えて御相談願いまして、私どもも各党間でお話ができましたものは尊重をいたしまして、それに従っていくことは当然のことでございますから、今後そうしたものにつきまして速急に話を詰めまして、そうして御審議を願うものは御審議願うような準備をいたしたい、かように考えているわけでございます。
 そのほか、問題になっております農林省関係の積雪のための果樹被害に対する問題でありますとか、あるいは積寒道路法の一部改正によりまして、今申し上げましたような補助率を上げますとか、あるいはまた積寒道路法による指定路線を拡大するという問題でございますとか、あるいは除雪機械だとか防雪施設等に対しまする問題、これは建設省の関係でございますが、そうした問題でありますとか、地方鉄道に対する低利融資及び補助の問題等、あるいは除雪のために一時休業された方に対する失業保険金を支払うというような問題等につきましては、おのおの各主管省で御協議を願い、あるものは成案を得、あるものはどんどん進行いたしまして協議を行なっているような状態でございますので、むしろ私のほうよりか各関係の省から、それぞれ専門的に御説明を申し上げて御了解を縛ることが妥当だと思いますので、そちらのほうから御説明をしていただくことにいたしたいと思います。
 この問題につきましては、たいへん御心配をかけておりますが、法の上において非常に困難な問題もございますけれども、できるだけ御趣旨を尊重いたしまして、許す限りの運営によりまして御期待に沿うように今後も努力いたしたいと思います。
#5
○委員長(辻武寿君) 御質疑のおありの方は御発言を願います。
#6
○藤野繁雄君 ただいま総務長官から、いろいろと御苦心の点を述べられたのでありますが、また、私らの過去における委員会で要求した点について進めていただいているということは、まことに喜びにたえません。その激甚災害法の現在の法律では、今、総務長官がお話しになった豪雪等に対する問題は、まだ法の点において十分に明確でないから、すみやかにこれは法律を改正をするようにしていかなくちゃいけない。しかし今のお話では、与野党でこの問題について検討し、また政府においても検討中であるということでありますから、すみやかに成案ができて再び今回のような被害をこうむらないように進めていっていただきたいということをまず希望を申し上げておきます。
 次に、この問題と関連いたしまして、私はこの前の委員会においても申し上げたのでありますが、豪雪があった場合においては、その豪雪を、どうやったらばできるだけすみやかに、簡易に除去することができるか、こういうふうなことを考えなくちゃできない。そのためには、どうしたって、現在の市街地の状態が、これらの除雪に適合しないような区画整理ができているのでありますから、この際においては、除雪をすみやかに、かつ被害が少ないようにするということであれば、区画整理をしなくちゃできない。それであるから、激甚災害の除雪の問題は、一方においては、堆積土砂というようなものと同じようにこれを考えると同時に、土地の区画整理をやって、そして除雪ができるようにしていかなくちゃできない。しかるに、現在の区画整理については、法律によってみまするというと、二分の一の補助であって、このくらいの補助では思い切った区画整理ができない。であるから、この際においては、区画整理をやると同時に、それに対しては、政府の補助金を増すように、激甚災害法の改正の際にあわせてすべきものである。そして再び激甚なる被害をこうむらないようにしなくちゃできない、こういうふうに考えておるのでありますが、区画整理に対する政府の考えをお伺いしたいと思うのであります。
#7
○政府委員(徳安實藏君) ただいまのお説はごもっともでございまして、河野建設大臣が災害の本部長でもございますし、災害の各都市を訪問されまして、つぶさにその実情を見てこられまして、強くただいまのお話し合いの点を力説なさっておるのでございます。したがって、政府の施策としましては、今後に残されている大きな問題だと思いますが、その考え方なり進行状態につきましては、むしろ私よりか建設省のほうから御説明を申し上げたほうがいいと思いますから、そちらのほうから、ひとつ御報告をするようにいたしたいと思います。
#8
○説明員(大塚全一君) 今のお話ですが、豪雪以来、私のほうでは、都市計画の街路網等の問題が、必ずしも雪に適しなかった面もあるので、そういう面に関しましては、鋭意検討を進め、修正していくものは修正していくように現在取り計らい中でございます。
 それから、今お話のございました区画整理の問題でございますが、これはもう先生方に私どもから申し上げるのはおかしいのですが、区画整理は、元来が土地の所有者の方から土地を出していただいて、公共用地を作り上げていく仕事でございまして、何と申しますか、いわば土地の値上がりによって採算がとれるというのが一つの原則になっておりまして、それが戦後、都市内で区画整理を行なうというようなことになりますと、非常に高価につくというようなことから、区画整理に対して補助の道を開くようなことになっておりますけれども、土地区画整理には、二つございまして、一つは、土地の方が集まって組合を結成してやられる区画整理がございます。いま一つは、公共団体が施行する区画整理で、特定の基準に合ったものを補助でやっていくというものがございます。現在、土地区画整理につきましては、実は区画整理組合を始めますまでに、必要な経費がなかなか作りにくいのでございます。それで、その区画整理組合の設立のためには、区画整理組合を設立させるための運営費的なものが初めに必ず要るのでございますが、これを現在私のほうでは貸付をして、それから国が二分の一出し、地方公共団体が二分の一を出して貸し付けていって、ある年限で返していただくような形での助成を本年度からやっていくような形になっておりますが、今のお話の豪雪に対しまする区画整理に対しましても、そういう問題も千分に考慮に入れて、適切な方法で区画整理が進むようにいたしていきたいと思っております。
#9
○藤野繁雄君 今、区画整理についていろいろお話を承ったのでありますが、区画整理をやったために、土地の値段が上がるから、それによってある程度の負担はできるじゃないかということでありますけれども、しかし、実際にやる場合においては、非常にその負担が重いのでありますから、現行の国の負担であるとか、あるいは補助というものは、現在よりも増していかなくちゃできない。そうして、すみやかに進んで区画整理をやって、再び今回のような苦しみを受けないようにするように仕向けていかなくちゃできない、こういうふうに考えておるのでありますから、一そうこの点についてはひとつ御検討を願いたいと思うのであります。
 それから、その次には、この前から問題になっている中小企業の金融の問題、これは、政府の調査したところによると二十億だと、だからこれは激甚災害に指定する金に対しては不足する、しかし一方において、除雪の費用が四十億もかかるということであるから、この二つを合わせたらば六十億くらいになるでしょう。そうしたならば、激甚災害に指定していいじゃないか、こういうように考えているのでありますが、この中小企業の金融に対するその後の考え方がどういうふうになっておるか、お伺いしたいと思うのであります。
#10
○政府委員(松永勇君) 中小企業の問題につきましては、通産省で検討して参っておるのでございますが、ただいま委員が参っておりませんので、後ほどに譲っていただきたいと思います。
#11
○藤野繁雄君 次に、この前の三月二十一日の委員会のときに、私質問しておいたのでありますが、私などは、災害を未然に防止するためには、どうしたって都道府県に防災会議を作って、完全に運営をしていかなくちゃできない。しかるに、その当時では、香川県のみができてないということであったが、現在、香川県にもできているかどうかということをまずお尋ねします。
#12
○政府委員(徳安實藏君) 先般の御質問にお答えいたしておいたわけでありますが、ただいま聞いてみますと、まだ香川県だけは、正式の届出がないそうでございます。
#13
○藤野繁雄君 どうしてできないのですか。それは政府は督励しておられないのですか。あるいは香川県は必要なしと認めておられるのですか。
#14
○政府委員(徳安實藏君) 督促はしているのだそうでありますが、こちらのほうで現地まで行って調査をいたしておりませんので、その理由等につきましても、あるいはできない事情があれば別でございますが、別にこちらのほうで相当と認めるような事情もまだ届いていないそうでございます。まことにこれは怠慢のようでありますが、実は昨日でございましたか、消防庁が主宰になりまして、全国の防災に関する関係の主管課長会議が招集されまして、私も参りまして、災害あるいは防災関係について強く要請もし、お話をしておいたわけでございますが、多分、香川県からも見えておったと思いますから、さっそく御連絡をとりまして、納得のいくように、また、どういう理由で出ておりませんのか、取り調べましてあとで御報告するようにいたしたいと思います。まことに申しわけないと思います。
#15
○藤野繁雄君 本年は、現在までの状況からすれば、すでに大雨が降って、災害が起こりつつあります。まことに憂慮にたえません。こういうふうなことであれば、今年はどんな豪雨があって被害が起こらないとも限らない。そういうふうな場合においては、まず節一に活動しなくちゃいけないのは、市町村の防災事業であります。この前にお尋ねした際においては、市町村における防災会議はまだあまりできていない、こういうふうな御答弁であったのでありますが、現在町村における防災会議の状況がどういうふうであるか、そして、現在できていないということであったならば、本年非常に雨が多くて危険な状態にあるのに対して、対策はどう立てておられるのであるか、これも承わりたいと思うのであります。
#16
○政府委員(徳安實藏君) 地方のそうした問題につきましては、消防庁長官が責任者になって処理しているわけですが、きょう来ておらぬものでありますから、すぐお答えできないようですが、書類も来ておるようでございますから、後ほど詳しくひとつ、できている県、できていない県、市町村等のできております数、そういうものを数にいたしまして御報告することにいたしたいと思います。
#17
○藤野繁雄君 それだったら今のは資料として提出して下さい。
#18
○政府委員(徳安實藏君) 承知しました。
#19
○藤野繁雄君 次には、農林省関係の問題でありますが、今回の豪雪等に対する激甚法の適用は、今私の知っている範囲ならば、天災法だけが取りしげられておる。その天災法だけが取り上げられておるのでありますが、天災法の現在の法律では、果樹であるとか、お茶であるとか、あるいは桑であるとか、あるいは山林の幼木等に対する対策が立っていないように考えられるのであります。でありますから、この点についても、与野党で検討を進められておるのでありますが、私も果樹の災害の特別小委員として検討しておるのでありますが、現在どのくらいの程度まで進んでおるか、また、どういうふうに法律案を作ろうとしているのであるか、あるいは改正をしようとしているのであるか、それらの点についても、ひとつ今日までの経過を承わりたいと思うのであります。
#20
○政府委員(桧垣徳太郎君) 藤野先生から御指摘がございましたように、現在の天災融資法の融資対象となる災害は、特殊のものを除きまして、収穫被害というものを対象にいたして災害額を積算する、また、それに基づいて融資をするということに相なっているのでございますが、今回の豪雪害にあたりまして、果樹、茶、桑等の永年作物の木それ自身、つまり樹体に対する被害が相当に出ているのでございますが、これは天災融資法にいう災害被害額の中に入らないということになっている点、その他農民の方々からも指摘されているのでございますが、その点につきまして、農林省にも、かねがね与野党の方々からも検討を要請されて参ったのでございますが、現在の段階までのところ、行政庁の立場としては、樹体の損害額の認定という点にきわめて困難な問題がございまして、したがいまして、その問題を行政庁として、端的にいえば、政府提案による天災法の改正を用意するということになりますと、政府部内の意見統一といいますか、その問題は、被害認定という行政行為の技術的な検討調整という点になかなか難点が多く、短時日の間にこの問題を解決することは困難であるということが明瞭になって参ったのでございます。現在自民党のほうで御検討になっております改正法案の内容につきまして、私どもも意見を求められて参っているのでございますが、私が承知いたします限りにおきましては、党の小委員会で御用意なさりつつある改正法案の内容は、永年作物について、成木、未成木を問わず、樹体の損傷も天災融資法による被害額の算定に加えることにし、その被害額が被害前の価格の再分の三十五をこえる場合には、当該農業者を融資を受けられる対象とする、かつ、その被害率が百分の五十をこえる場合、開拓者にあっては百分の四十をこえる場合には、特別被害者として扱うということ、それから果樹の被害の場合には、通常の一般営農の場合よりも経営費が高いのが通例でありますために、現在の普通被害者の場合の融資限度十五万円を、果樹の場合には、五十万円に引き上げる、激甚災の指定を受けたときは、果樹につき五十万円になっておりますのを、七十万円に引き上げるという内容の改正を御検討中のようでありまして、私どもはそれに対して意見を求められております。ただいままで私どもが意見を申し上げて参りましたのは、根本的に行政庁として、被害額の認定という点について、現段階において、かような方法によって合理的に被害の認定をすることが可能であるということを申し上げる確たる自信は現在のところございません。遺憾ながら、そういう点は、なお今後検討を要しますが、現段階においては、そういう技術的難点が残っておるということ、それから成木につきましては、収穫被害の関係ですでに天災融資法の融資対象となり得るわけでございまするので、実質的に法の盲点となっておるのは、未成木の永年作物について、まさに天災融資法を受けられる全くの道がないということが盲点になっておるのではないでしょうかという点を申し上げております。
 また、融資の限度につきましては、これは農家が必要とする金額まで限度を引き上げることについては、きわめて当然のことと存じますが、農林省の統計調査部の調査に基づいて果樹農家の経営費の支出を見ますと、現金支出に当たります分は、おおむね三十五万円程度であるということでございますから、一般普通被害の場合の限度五十万円というのは、三十五万円というわれわれのつかんでおります現金支出経営費というものを考えますと、何らかそこにめどが考えられるのじゃないでしょうか。したがって、激甚法の指定を受けましても、現在の五十万円というワクは、特殊の事例の場合はいかがかと思いますが、おおむねは五十万円の現行の貸付限度で対処できるのじゃないでしょうかという点を、まあこれはわれわれ政府側といたしましては、何と申しますか、いささか事務的な意見にわたるかと思いますが、さようなことをまあ申し上げて、法律案の編成過程等におきましては、われわれの了知をいたしております事柄を御参考に申し上げて参っておる段階でございます。
#21
○藤野繁雄君 今の問題で大体の成り行きは承知したのでありますが、成長部門である果樹その他でありますから、すみやかにこれが実現するように、政府のほうにおいても承知をせられて、すみやかに実現するようにお願いしたいと思います。
 次は積寒道路の問題であるのでありますが、積寒道路がどういうふうな状況に進んでおるか、具体的に説明をお願いしたいと思います。
#22
○説明員(尾之内由紀夫君) 積寒道路につきましては、御承知のように道路整備五カ年計画によりまして、全体の事業総ワクがきめられております。三十八年は、その計画に従いまして三年目ということになりますが、その事業をおおむね予定どおり実施するということで予算化が行なわれ、まあ来たるべき冬期を迎えまして準備を進める、かようなことになっております。
#23
○藤野繁雄君 そうすると、積寒道路は、現在の予算の範囲内においてやられるんですか、あるいは積極的に何かプラスをしてやろうとお考えになるか、その点はいかがです。
#24
○説明員(尾之内由紀夫君) 積寒道路につきましては、ただいま申しましたように、既定計画がございますので、若干従来よりも繰り上げ的と申しますか、進度を早めるというような意図は持っておりますが、根本的には、やはりこの計画を改定いたしませんと、前回のような豪雪に対処することは不可能かと思いますので、実は、来年度からは新しい計画を作るべくただいまいろいろ準備しておるわけでございます。したがいまして、三十八年度といたしましては、申し上げましたように、既定計画のワク内でそれをできる限り繰り上げて実施する、こういう考え方に立って進んでおるわけでございます。
#25
○藤野繁雄君 次は、豪雪地帯対策特別措置法です。これについては、新聞の報ずるところによって模様を見ますというと、大体基本計画であるとか、指定基準の草案ができて審議中であるというのでありますが、その状況をひとつ御説明を願いたいと思います。
#26
○説明員(真島毅夫君) 豪雪地帯対策特別措置法は、昨年制定公布されまして、その法律に基づきまして、この審議会で今後の豪雪地帯の指定及び基本計画の策定につきまして、昨年末以来検討を進めて参ったのでございますが、せんだっての十日の審議会におきまして、豪雪地帯の指定の考え方について、大体意見の一致を見たわけでございます。で、この法律によりますと、豪雪地帯といたしましては、「積雪が特にはなはだしいため、産業の発展が停滞的で、かつ、住民の生活水準の向上が阻害されている地域」を指定する、こういう建前になっておりますので、そういう観点からいたしますと、積雪の深さ、積雪の期間ということが、この産業活動なり住民の生活向上の阻害要件になっておるのではないか、そういう観点から、気象庁におきまして、開設以来今日まで持っておられます積雪につきましてのデータを検討していただきまして、累年平均の積雪の深さがどういうふうに全国的に分布しておるかという、そういった等値線を描いて、さらに累年平均の積雪の日数がどういうことになっておるか、また、この積雪の終日がどういうふうになっておるか、これらのことを検討していただいたわけでございますが、先ほど申しましたように、積雪の深さと期間ということ、東北、北陸等におきましては、積雪はかなり深いわけでございますが、その期間は北海道等に比べて短い。北海道等におきましては、積雪の深さはそれほど深くなくても、寒いためにその期間が長い、それが工業その他に影響を及ぼす、こういう実情でございまして、指定する際には、その両者の要因をかけ合わせた考え方でやるのが適当である、こういう結論に達しまして、積雪の深さと、積雪の期間の相乗積、これを積雪の積算値というふうに気象庁のほうでいろいろ検討の結果、そういう数値を出されました。で、そういう数値が全国的にどういうふうに分布しておるかということの御説明を受けまして、それに基づいて、大体地域の指定といたしましては、年間に五千センチメートル日以上の積算値を示しておる地域を豪雪地帯とするのが適当ではないか、これは先ほど申しましたように、北海道と東北、北陸等においては若干事情が異なりますが、東北、北陸等におきましては、大体一メートル以上の積雪地がほぼそれに該当する、北海道等におきましては、若干一メートルには満たないけれども、しかし、その期間が長いために、大体それらの地域が該当するのではないか、こういうことになったわけでございます。それからもう一つは、現実に雪が積もっております状況は、必ずしも都道府県とか市町村の行政区画とそのまま一致しておるわけではございません。これは、地形その他の状況によって分布がかなりばらばらになっておるわけでございますけれども、現実にこの豪雪地帯対策を考えて参ります観点からいたしますと、やはりその対策を実施いたします主体は、都道府県あるいは市町村ということになるのではないか。したがって、そういう観点からいたしまして、その府県の大半が含まれておるような地域は、全県これを指定したらどうかというふうに考えております。その基準といたしまして、大体、全県面積の三分の二以上がただいま申し上げました五千センチメートル日の積雪値を示しております地域は、全県で指定してはどうか、こういう観点。
 それからもう一つは、そういうふうにやって参りますと、大体全国の中で八県ばかりが――府県で申しますと、北海道、青森、秋田、山形、新潟、富山、福井、鳥取、これらの地域が、大体全県それに該当する、こういうことになるわけであります。ただ、石川、岩手の両県におきましては、面積の点では三分の二には達しませんけれども、隣県との地域的な一体性あるいは社会、経済的な事情等からいたしまして、これらはやはり三分の二以上占める地域と同じように、全県指定という取り扱いにしてはいかがかと、こういうことであった。で、それで合わせて十県でございます。
 それ以外に、その県の一部でも五千センチメートル日という積算値に該当いたします府県が十四県あるわけであります。で、それらにつきましては、全県指定というわけには参りませんが、該当する市町村について、その市町村の三分の二以上がやはり該当しておるならば、その市町村を指定してはどうか、こういうようなお考えが審議会で承認されました。で、今後の手続といたしましては、それに基づきまして政令を作り、そうしてその政令に基づいて、具体的に全県指定あるいは部分的な市町村の指定を行なう、こういう段取りになっておるわけであります。
 なお、それと並行いたしまして、先ほど御指摘がございましたように、基本計画の策定を急がなければならないということで、これにつきましては、現在関係者省とも打ち合わせいたしまして、その中に盛り込むべき事項等を現在列挙して審議会に御審議の材料として提供いたしておるわけであります。これは、来週二十二日から小委員会を開きまして、できるだけ早い機会にその草案を作り、関係各省とも打ち合わせいたしまして、なお、審議会で練り上げて基本計画を作りたいということでございます。
 なお、御参考までに申し上げますと、この地域指定と関連いたしまして、基本計画の中に盛り込まれるべき内容によりましては、地域、地帯内を一律的に考えず、重点を置くところを段階をつけてやっていったらどうか、こういう御意見もあるわけでございますが、これらは、今後基本計画の内容の審議と並行して検討していただく、こういう段取りになっておるわけでございます。
#27
○藤野繁雄君 今御説明の資料は、後刻書類でひとつ御提出をお願いいたします。
 それからその次には、私などが最初考えておったのは、今は雪が積もっておる、この雪が解けたならば、その際においては非常な損害があるであろうと予想しておったのでありますが、案外被害が少ないような気がするのであります、新聞その他の報道によれば。それで、私がここでお尋ねしたいのは、従来農作物その他が雪でおおわれておったのが、雪が解けたが、その後の被害は一体どういうふうな程度であるかということ。それから、融雪によって川の水が流れてきて、そうしてがけくずれがあるとかなんとかというようなものがあるだろうと予想しておったのが、割合に少ないようだが、そういうふうな点は一体どういうふうな状態であるのか。すなわち、雪が積もっている間はわからないが、融雪したならば、その結果が現われるということを、委員会でもたびたび報告しておられるのでありますが、その後の状況を、農林土木その他について、建設その他について、ひとつ御説明をお願いしたいと思うのであります。
#28
○政府委員(桧垣徳太郎君) 農林省関係の農作物に関します被害は、前回と申しますか、これはちょっと調査期日は後ほど申し上げますが、前回までに御報告申し上げました数字は、おおむね二百四十億程度という推算をいたしておったのでございますが、三月下旬に農林省の各統計調査所で調査いたしました数字を取りまとめてみますと、おおむねこれが最終の数字と思われるのでございますが、二百六十八億ということで若干の被害の増大が見られるのでございます。
 施設の災害は、今調べまして、最近のものを御報告申します。ちょっとお時間を拝借いたします。
#29
○藤野繁雄君 建設の被害は。
#30
○委員長(辻武寿君) 河川局の方が来ていないので、呼びに行っております。
#31
○政府委員(桧垣徳太郎君) 先ほど約二百四十億程度の農作物の被害推算と申しましたのは、三月十日――これは統計調査所において多少の違いがございますが、三月十日前後に集計したものでありまして、その後月末に取りまとめたものの荒が約二十億ということでございます。
 それから、施設災害につきましては、三月の十日前後に御報告申し上げました数字は、約四十三億でございましたが、その後融雪等で若干の施設関係の被害の増大がございまして。五月九日の原局からの報告によりますと、約六十三億でございまして、おおむね二十億程度が被害の増大ということになっております。
#32
○森部隆輔君 今のに関連して。農作物の被害のことを、今の数字は雪の害なんですか。雪の寒気のために、非常に酷寒のために、たとえば今まで九州地方であるとか、そういうような暖かい地方でも、果樹なんか相当やられたと思うのです。非常に酷寒類なんかいたんでいると思うのです。そういう被害は入っていないのですね。
#33
○政府委員(桧垣徳太郎君) ただいま御報告申しました二百六十八億という数字の中には、先ほど藤野先生の御質問にお答えいたしました中で触れました樹体損傷の評価分だけを除きまして、一切の農作関係の被害が含まれております。
#34
○藤野繁雄君 今後の寒波において思いもよらないところの被害が出てきているのです。そんなことがあろうかという被害があるのです。それはカンショの種イモなんです。今、私の手元の調査した資料によって見るというと、種イモの被害の総トン数は、三千五百五十七トンになっている。それは寒波のために種イモが全部腐れてしまった、こういうふうなことが農林省にはわかっておって二百六十八億というような数字があがっておりますか。
#35
○政府委員(桧垣徳太郎君) ただいま樹体損傷以外の一切の農作被害が入っていると申しましたが、農林省の被害統計の方式が、圃場における農作物被害集計ということになっておりますので、苗床におきますカンショの苗の種イモの被害というものはこの中に入っていないと思います。なお、統計調査の詳細な調査の方式について確めました上、間違っておりますれば訂正いたしますが、私の理解では、苗床分は入っていないというふうに考えております。
#36
○藤野繁雄君 今のところは苗床じゃない、貯蔵鷹の中で腐れてしまった、寒波のために、そうして種イモを植えつけようと思っても、まきつけることができないのが現在の状況です。これはよく調査して下さい。お願いいたします。
#37
○政府委員(桧垣徳太郎君) 御指摘のような被害でございますれば、これはすでに収穫されたものの被害でございますので、ますますただいま申し上げました二百六十八億の中には入っていないということは明瞭と思います。
 なお、カンショの種イモについて被害があったということは、確たる数字の報告は受けておりませんが、本年度のカンショの作付等に若干の影響がありそうであるという報告を地方から受けておりますが、詳細調査が可能でありますれば、早急にその辺の調査もいたし、また、種イモの需給の調整と申しますか、流通の疎通についても、できる限りの措置をとらせるようにいたしたいと思います。
#38
○委員長(辻武寿君) 建設省関係は、今、河川法その他の関係で担当汗がいないということでございます。
#39
○武内五郎君 総務長官に御出席を願っておりますので、二、三お伺いしておきたいと存じます。
 政府では、雪、害対策の基準、めどというようなものの把握が困難であると仰せられて、したがって、その施策がどの程度のものであり、どこに根拠を置くか、難航をしているというお話があったのですが、今、企画庁の総合対策特別措置法に基づく豪雪対策審議会の地域指定に関する答申案が出たはずであります。したがって、積雪度または寒冷度に対する対策の基準が一応把握できた、その答申に基づいて雪害対策の施策をとられるのかどうか。早くそういうふうなことになっていくようにお願いしたいのですが、どういうふうになるのか。それから、たとえば、除雪費の問題でありまするが、これはもう各市では、ことに町村では、この除雪費の問題は非常に大きな負担になるのであります。この除雪費をどこにどういうふうにめどを置いて出すかということについての把握が困難であるということをおっしゃっているのですが、すでにそういうふうな答申も出ておることであり、これを尊重されて対策を立てられるのかどうか、一応お伺いしておきたい。
#40
○政府委員(徳安實藏君) ただいまの御質問ごもっともだと思いますが、適正な査定というような関係につきまして、役所側のほうに、今の法律の建前からいって、自信が持てないという考え方がございまして、そういう無理をしいるわけにもいきませず、といって、今のような状態ではほうっておけませんので、これをいかに合理的に私どもの気持を実際に表わすことができるかということに苦心しておるわけであります。先ほど申し上げましたように、ただいま与野党で御相談いただいております法律案、これも私どもが拝見いたしましてただいま検討中でございますので、こうしたことが、実施する段階において、そうめんどうでない、やり得るという自信がつきますれば、これはもうけっこうだと思うのであります。そうした点につきまして、これを施行し実施する政府側と、それから実際の実情を把握されて、この困っておるものを救済せねばならぬという国政一般に対する重大な責任をになっております各議員各位のお考え方と、どこでマッチさせるかということについては、苦心をしておるわけでございまして、野放図な計画というわけにも参りませず、先ほどお話し申し上げましたように、大よそ三分の二以上、この程度の雪の降るときはどこどこの県だというようなことは、これはもう大体過去の実績なり積雪の状況等によって判断して、指定等はできるわけでございますけれども、しからば、今度は除雪という問題になりますと、先ほど申し上げましたように、降ったその除雪の算定する時日そのものを押えていかなくちゃならないというような関係になりますので、そうすると、その時限に、はたして政府の役人が完全な責任を持つような意味においての査定ができるかどうか、あるいは、場所によっては同じ県でも三尺の所もあるし、一尺五寸の所もある。きょう降ったかと思えば、あす行ったときにはもう太陽が輝いてだいぶん少なくなっているというような場所もございますれば、また積雪する所もあるし、そういうような関係から非常に困難だという実情を事務当局は訴えておるわけでございまして、そうした点をどこで押え、どこでこの法律の適用を危険のないようにするかというところに非常に苦心があるわけでございます。これは決して私どもの、事務当局の考えておる事柄が一番いいんだとか、これ以外にはないんだという考え方で押し切っているわけではありません。党の話や、各与野党でお話になっておりまする事柄が、実施においてできるんだということが十分わかりまして話し合いができますれば、もちろんその多数の御意見の、院議に従っていくということは当然のことでありますから、それに従っていくという考え方で、今謙虚な気分で両方で話し合っているわけでございますから、決して政府のほうで一がいなことを言って推し進めているというわけではございません。その内容等につきましては、むしろ私よりか事務当局の責任者からお話ししたほうがあるいはおわかりが早いかと思いますから、室長のほうからお話し申し上げますから、ひとつお聞き取りいただきたいと思います。
#41
○政府委員(松永勇君) 総務長官から申し上げたことで大体尽きているわけでございますが、私たち内閣審議室で各省の担当者を集めましてその対策をいろいろ協議いたしました際に、豪雪の除去というものを災害復旧として行なうということには、先ほど総務長官から申し上げましたように、技術的な困難さがある。すなわち、災害復旧として行なう場合には、事業費の査定を行なわなければなりません。その査定というのが、ほうっておけば解ける、あるいは積もったのがもとが幾らあったか、その豪雪の状態の段階で適時に査定するということがなかなか困難な事態になっておりますので、したがって、先ほどのような、あとから都道府県の報告を信用するかしないか、それを証拠書類とするかしないかというような非常に困難な問題がある。しかし、その問題の解決をしなきゃならないという事態はそこにある。これを解決するのに、災害復旧といううしろ向きの対策よりも、その豪雪の防除という方面で対策を考えたほうが仕事としてはやりいいし、よりいいんではなかろうかという意見がございます。そこで、雪が非常に積もりますのが、広場あるいは道路、それから各人家から除雪された雪も主として道路上にそれが持ち出されてくる。で、そういう道路の除雪ということを基本的に考えていく。それがためには、現在ございます積寒道路法というものの活用をもっと拡充していくべきではないか。で、先ほど建設省のお話がございましたように、今後この積寒道路法の適用範囲を広げていきたい。これは大蔵省も入りました連絡会議では、その方向で今後検討しようということになっております。先ほど豪雪地帯特別措置法に基づいて、各地域の積雪の度合いが年間の気象条件から出てきておる。これをどう使うか、これは、もしそういうものが非常にいいものが出て参りますと、先ほどの積雪寒冷地帯の道路の指定をやっておりますのを今後広げていく際に、そういうデータを活用して、そしてこの道路の積雪を、雪をおろすという措置を進めていきたい。それからもう一つは、この雪の除去の除雪機械というようなものも今後補助をふやして、こういう豪雪地帯に機械の装備をさせたい、あるいは除雪の施設等の整備を、この積寒道路の法律の予算を増額してやっていきたいということ。それからもう一つは、国の直轄区域を拡大して、国が直接その除雪をやっていくという範囲も広げていきたい。それから、それでもなおかつ、こういう地域につきましては、公共団体の負担は相当大きいということは考えられますので、まあいろいろな点で国が見た分野でなお相当不十分な点もあろうから、本年度実施しましたような、特別交付税によってその裏づけを見ていきたい。こういう方式で除雪を、豪雪に対する対策を前向きで措置してはいかがだろうかということを検討しておる次第でございます。
#42
○武内五郎君 これは長官の言葉じりをつかまえるわけじゃございませんが、きのう降ってきょうは雪消えになるというような状態もあり得るので、その積雪等のめどを把握することは困難だとおっしゃるのですが、それは全く実は雪を知らないからの言い方だと思います。これはたとえば東京都のようなところに降ったものではそうなって参りましょう。新潟、富山その他の東北地方に降る雪というものは、そういう状態にないのであります。すでにもう雪が降ることによって交通の大きな障害を受ける、果樹農作物の災害を受ける、また、いろいろな経済活動その他における被害を受けて参る、私は、そういうふうな雪に対するそういうものの考え方では、雪害の対策は立たないと思います。これは改めていただかなきゃならぬ。そこで、一応もう一ぺんお伺いしたいのですが、今豪雪対策審議会の地域指定に関する答申案が出たことについてのいいデータが出たらこれを参考にするとおっしゃっておりますが、いいデータが出たらというのではなくて、すでにこれはいいデータに基づいて権威ある答申であることにおいては尊重しなきゃなりません。その点どう考えるかというのが第一点。
 第二点は、今、審議室長のいろいろな施策についてのお話があった。これはいつから実施に入る予定なのか、その点お伺いしたい。特に私は、今室長が強く主張された中には、道路交通の確保の問題が、やはり強く出ております。道路交通の確保のためには、私は、豪雪地帯においては、無雪道路が理想だと思うのです。無雪道路はすでに一部できております。しかも、私の住んでおりまする新潟県の北魚沼郡の小出町を起点として、奥只見の発電所まで、九十何キロという道路は無雪道路であります。山岳を縫って、頂上まで無雪道路であります。あの豪雪の日に、一時間も交通が途絶しておりません。だから、もうすでに模範道路がある。そこで、私は、一歩進めて、今、室長がお話しになったいろいろな施策の、そこまで拡大して考えていく計画を立てるお考えがあるかどうか、まず、その点をお伺いしたい。二点です。
#43
○政府委員(徳安實藏君) ただいま御質問の、審議会を尊重するか、あの答申を尊重すべきじゃないかというお話、ごもっともでございます。もちろん、それは、その対策の上に、必要な面につきましては、十二分にそれを尊重して対策を練ることは申し上げるまでもないことでございます。もちろん尊重いたします。ただいまの施策の点につきまして、いつから実施するかというお話でございますが、もし、各党で話がつきまして、法律が本国会で通過いたしましたら、もちろん、施行と同時に、その法律の精神に従いまして実施することは当然でございますが、年の中途でございますから、予算処置等の必要なものでございまして、緊急のものでございますれば、もちろん、予備費の流用もできると思いますが、そうでなければ、恒久的な対策として考えます場合には、次年度の予算に、その大きな施策を伴った予算措置を講ずるということになろうかと思います。
#44
○武内五郎君 次に、私は、先ほど藤野委員からも質問が出ておりましたが、藤野委員は区画整理というお言葉を用いておりましたが、市街地における路上の雪の排除には、やはり都市計画また区画整理等によって、市街地の道路の整備が必要であると考えます。少なくとも除雪機が自由に活動できる道路の計画が今後考えられなければならない。たいていの、今日までの豪雪地帯における都市等の道路は、十分、除雪機の活動ができないような狭隘な道路であります。したがって、路上に降った雪、その上に、さらに屋上からおろした雪で、今までは三カ月以上もほとんど自動車が通らないというようなのが実態であります。したがって、まず第一に、市街地の道路は、除雪機が自由に活動できるような広さの道路を考えていかなければならない。それから第二は、排除されたる雪は、遠隔距離に運搬するよりも、その場で流雪溝に流してしまって排除できるという計画が、私は絶対必要だと思います。そこまで考えておるのかどうか、お伺いしたい。
#45
○政府委員(徳安實藏君) これは建設省のほうから御答弁すべきだと思いますが、便宜私から御答弁申し上げて、足らないところは建設省からお話し願えればと思います。
 先ほど御説明申し上げましたように、今回の豪雪につきましては、河野建設大臣がみずから本部長となって、現地を親しく見られまして、私どもの会にはもちろんのこと、あらゆる機会に、ただいまお話のような点を力説されております。で、その精神は建設省のほうにも十分伝わっていると思います。したがって、対策本部といたしましても、今後は、その方針に従いまして、おそらく建設省が都市計画なり、あるいは区画整理等を認可されます場合には、そうしたことを十二分に勘案して措置されるものと考えておりますし、また、そうあるべきだと思います。詳しいことは建設省のほうからお話があると思います。
 それから、先ほど申し上げましたように、除雪対策の一環といたしましては、除雪施設というものは大事でございますが、その中に当然これは流雪溝の設置が含まれておりまして、これも建設省のほうで、そうした場合におきましては、十二分に道路建設に伴って考慮されていくということも、これも常に今回の災害を目のあたりに見られて、力説されているところでもありますから、対策の一環としては、これも加わっておりますので、御心配はないかと思いますが、詳しいことは建設省のほうから御説明願いたいと思います。
#46
○説明員(大塚全一君) 今の問題につきまして、都市計画のほうは、先ほどもちょっと申し上げましたように、豪雪という経験を生かしたような町づくりのプランニングに、修正を必要とするものはするような方向で、現在鋭意努力中でございます。で、大体、今までの都市計画の方向は、雪の地帯につきましては、やはり雪を前提にして組んではあります。しかし、ああいう平地豪雪というような経験が、比較的その計画をやりました年限の中に、少なかったようなところもございます。したがって、そういう場所に対しましては、都市計画を改定する方向で現在調査を進めて、それぞれの方向で努力をいたしております。
#47
○武内五郎君 なお、つけ加えて、今の問題につきましてお伺いいたしたいと思います。その都市の道路に、流雪溝を必ず付設するという構想がどうしても必要であると同時に、それと長岡市のようなところでは、路上に噴水除雪施設を持っております。これはもう全然今日までは地元の負担――これはもうどこからも助成を受けていない。流雪溝を設置するにしましても、また噴水流雪施設を設置いたしまするにしても、また除雪機を配置するにしても、いろいろな費用がかかるのですが、これらの費用についても、やはり国でその助成のための負担的な努力は考えられますか。
#48
○説明員(尾之内由紀夫君) 市街地の除雪につきましては、ただいまお話のございました流雪溝、それは積寒法によりまして、凍雪害の防止の中で流雪溝を含むということになっておりまして、私どもも積極的にそういう施設を作るように指導いたしております。今後そういう個所がどの程度出てくるか、ただいま調べております。ただ、いろいろ水の問題がございまして、そのほか地形的な条件もございまして、どこの町でもというわけにはいかないかと思いますが、そういうことが可能な個所におきましては、今申しましたような方法で施設をすることを指導したいと思っております。
 それから長岡市で実施いたしまして、前回の豪雪でその効果を示しました地下水で雪を解かす施設、これにつきましても、そういうことが可能な場所につきましては、積寒法におきまして助成できるようなこと、あるいは直轄事業において、みずから施設するというようなことができるように考えたいと思いますが、それらにつきましては、ただいま研究いたしておりまして、どういうような構造のものが最も妥当であるかというようなことにつきましていろいろ調べておりますので、これにつきましても、今後そういうことをできるだけやるように指導するという前向きの方向でいきたいと考えております。
#49
○武内五郎君 積寒道路法に基づいて積雪地帯における道路には流雪溝の設置を考えられるようでありますが、たとえば国道十七号線、これはあの三国峠において最近まで雪をかぶっておった。最近、ここもたぶんようやく通ったかどうかわかりませんが、私、上京する前までは自動車が通っていない。たとえばこの十七号線は、東京−新潟間を結ぶ今の最短距離です。しかも、国道であって貨物の輸送は非常に最近ひんぱんになって参りました。これはもう重要な産業経済に大きな影響を及ぼす道路になっております。そういうような、最近まで道路の上に雪があって自動車が通れないというようなままで今日まで置かれているということは、やはりどうしても北陸地方の経済的な歩みというものはおくれてくることになる。そこで、この十七号線のような少なくとも幹線道路には、必ず流雪溝またはスノー・セットによって、なだれ等の防止を考えなければならぬと思いますが、たぶんその計画もあろうと存じますが、すでに今日進めておりまする十七号線等の工事の状態を見ますと、私はやはりあれは流雪溝ではないと思う。単なる小さい側溝だと思う。あれで雪が流れると思ったらこれは大間違い。先ほど総務長官に申し上げたように、雪を知らない計画じゃないかと考えるのでありますが、それらについて一応今三十八年度、第三年目の積寒道路五カ年計画の年なのだそうですが、しかも、それを進行速度を早めてできるだけ早く完成させたいというお考えのようですが、今ここで私は百尺竿頭一歩を進めて、あの今日側溝のような状態になっておりまする計画を、流雪溝として計画を進めるようにしなければならぬと思いますが、そういうような積極的な考え方に立って新しい構想が立つかどうか。
 それから、先ほど申し上げましたような、新しい計画を練りつつあるとおっしゃっておりますが、その新しい計画の中に、そういう計画と、さらに無雪道路の計画が含まれているかどうかお伺いしたい。
#50
○説明員(尾之内由紀夫君) 国道十七号線につきましては、まだ第一次的な道路の改良が済んでおりませんので、今回の豪雪の場合はもちろんでございますが、従来も四月ごろまで交通が途絶しておったという事実がございます。これは別に、積寒法というよりも、むしろただいま申しました第一次的な改良、改築をするということのほうが前提でございまして、鋭意、直轄で十七号線の改築を進めております。この対策といたしまして、場所によりましては、市街地のような場合には、側溝を大きくとりまして、できれば、ただいま申しましたような流雪溝にしたいということでございますが、また、山岳部におきましては、主要な個所にはなだれスノー・セットというようなことをやりますが、家屋の連檐しておりません地域におきましては、やはり一般的な機械除雪によるのが常道かと思いますので、すべて側溝を流雪溝方式に補修するということは、場所によってそれぞれ条件が違います。そういうことを配慮しつつ、各地域ごとに適当な改築をするということで、これは道路改良事業としてそういうことを考えておりますが、今回のような豪雪もございましたし、市街地内におきましては、なお側溝その他におきまして不十分な面がございますならば、今後の計画におきましては改めて参りたい。たとえば路肩などにつきましても、やや従来の企画では狭かったというようなことが反省されておりますので、今後やるものにつきましては、そういう路肩などもなるべく広くとる。側溝につきましても同様でございます。そういう考えでさっそく、まあ、ただいま実施しております改良事業を、改めるべきところは改めて参りたい、かように考えております。
 それから新しい計画において、いわゆる無雪道路ということについて考えておるかという御趣旨の御質問でございますが、この無雪道路と申しますのは、結局除雪のキロ当たりの経費をどの程度見るかということにもなろうかと思います。これは幹線の道路につきましては、一級国道のような場合には、できるだけ直轄区間を今後延伸いたして参りまして、これは補助じゃございませんので、できるだけ完全な除雪のできるほうへもって参りたいのでございますが、まあ補助の補助率につきましては、先ほど来いろいろお話がございましたように、なかなか補助費の算定といいますか、幾ら除雪にかかったということにつきまして、計数的に査定することもむずかしい問題がございます。従来どちらかといいますと、最小限度の除雪費を見ておった、キロ当たりそういった単価を見ておったということでございますが、これも雪の冠によりましてかなり予想が変わって参りますので、予算上はたいへん組みにくいといいますか、見積もりにくい問題があるのでございます。まあ、そういうような点を含めまして、先ほど内閣の審議室長のほうからもお話がありましたが、そういうことも含めましてただいまいろいろ検討しておる、こういうことでございます。
#51
○武内五郎君 次に、先ほど総務長官が、雪のために職場が休んだ、あるいは通勤できなくてやむを得ざる欠勤になったというものに対する救済の困難であるということをお話しになったのですが、事実そのとおりであります。そのとおりでありまするが、前回、これは総務長官ではなかったんですが、失業手当に準じて処置をとりたいというお話を承って、実は私はそれを了とした。事実、本年度の豪雪の際に、一カ月以上休んだ工場が相当あります。一カ未満の工場なんかの報告を入れますと、かなりの数になるんじゃないかと思います。したがって、そこに働かなければならない職員、従業員等は、いろいろな点で困っておることはもう事実なのでありまするが、まず第一に、収入が減ずるという点等に対する何らかの経済的な救済の道がなければならないと思うのでありまするが、今、長官は、きわめて困難なお話でありまするが、困難であることは私どもよくわかりますが、前回、失業手当に準じた措置を講じたいというお話であったので、私どもは、あの当時事情を十分勘案して了とした。今そういうお話であるとすれば、まだ対策が立っていないと考えられますので、どういうふうな実際の事情になっており、どういう措置をとっていかれる考えであるかお伺いしたい。
#52
○政府委員(徳安實藏君) きょうはお呼び出しがなかったので、労働省のほうから来ていないようでございますから、詳しいことは私にもまだわかっていないのでありますが、これが問題になっておりますことは、今お話のとおりでございまして、最初からこの問題については、私どももしばしば御陳情も受け、皆様方のほうからもお話を受けておるわけであります。今のお話については、答弁したということにつきましては、私ではなかったと思います。あるいはほかの方ではなかったかと思いますが、いずれにいたしましても、政府側から答弁したとしますれば、責任があるわけであります。そこで、現在御承知のように社会労働委員会のほうで、これは衆議院だと思いますが、失業保険法の改正を今審議中でございます。この改正によりますと、激甚災害等の場合におきましては、一時休業者に対して、失業保険を支払うことができるというような文字を附則に入れることになって、それが今審議中でございます。そこで、これが通りましたら、今春の豪雪の際における休業に適用せよという御意見もあるわけでございまして、政府のほうでも、この問題につきましてただいま検討中だということでございます。絶対にだめだというお話を申し上げているわけではございません。これを契機にいたしまして、この問題についても検討しておるという工合に御了解願えればけっこうだと思います。
#53
○武内五郎君 農林省のほうに伺います。
 先ほど果樹の災害について藤野委員からお話があったんですが、果樹は農業災害には適用されておりません。そこで、果樹に対する救済というのは、わずかに激甚地指定の場合における天災融資によるだけで、それでは私は恒久的な対策でないと考える。恒久的な対策――果樹栽培についての災害の際の救済の道を確立するという立場から、農業災害補償制度の改正が必要だと思うのですが、その点についての考え方、並びに考えがあったなら、準備しておるかどうかをお聞きしたい。
#54
○政府委員(桧垣徳太郎君) 御指摘のとおり、現行法によりますれば、果樹の収穫被害は、農業災害補償制度の対象となっておりません。これは、いろいろ経緯もあることでございますが、現在では制度の対象になっておらないということは事実でございます。そこで農林省といたしましても、先年来、果樹の収穫被害を農業災害補償制度の対象にする必要があるかどうか、また、することができるかどうかということについて、内部の検討を進めて参ったのでございますが、現在では、種々の条件が整うならば、果樹の災害補償制度を設けたい、あの制度の中に入れたいということで、御承知のように、災害補償制度は一種の保険システムをとっておるのでございますから、災害の程度、頻度、あるいはそれに伴います料率、あるいは救済金額というような問題を現実のデータに基づいて分析をいたしたいということで、本年度の予算に、果樹の災害補償制度を創設することを目途とした調査費を計上いたしまして、ここおそらく二、三年はかかるかと思いますが、基礎的なデータの収集、分析のための作業を始めることにいたしております。
#55
○武内五郎君 森林災害も相当大きい。特に十年未満の立木の被害というものは実に多い。これはまあ俗な話でありますが、新潟県で、男の子と杉の木は育たぬという話があります。育たぬわけなんであります。町で木が折れてしまうのです。こういうような森林に対する救済の道は今あるかどうか。
#56
○政府委員(桧垣徳太郎君) 御承知のとおり、先年森林火災保険法の改正を国会にお願いいたしまして、新しく森林保険法と法律の名称も変更いたし、従前は、森林火災についての保険制度、こういうものを、自然災害を含めた森林の災害保険を国営によって創始することになっておるのであります。したがいまして、今回の雪害につきましても、被害の判明次第、この適用を受ける森林につきましては救済の、救済といいますか、保険の方法をとるということによって対処できると考えております。
 なお、つけ加えまして、現在積雪のために幼齢木の、何といいますか、樹木を起こす作業を必要とするそうでありまして、それについて有効な方法で、かつ、助成をすることが将来奨励的な意味も持ち得るということであるならば、予備金支出等で助成をすることも考えてみたいということで、目下大蔵省とも連絡検討中でございます。
#57
○武内五郎君 最後に、私総務長官にお伺いしたいのですが、豪雪地帯について、これはきたない話ですが、汚物の処理、きょうは厚生省から見えておらないから総務長官からひとつ十分御努力をお願いしたいのですが、人ぷん等の汚物の処理は、豪雪地帯はもとより大問題です。ところが、その被害の最も大きいのは、やはり何といっても都市でありまするが、なお、このほかに各小さい町村等においても、同じような程度の困難性があります。これを具体的に今どういうふうな対策を持っているか、おわかりにならなければならないでけっこうですが、どういう対策を立てて、町村に処理の施策を実施するための助成をするということをお話し願いたいと思います。
#58
○政府委員(徳安實藏君) ただいまの御質問も、今回の災害が起きまして以来、各所で叫ばれたことでありますし、政府のほうでも現地に調査員を派遣いたしまして、帰った諸君の異口同音に叫ばれ、報告を受けた点でございます。これは厚生省の関係でもございますので、そうした現地の実情にかんがみまして処置をされるように、おそらく研究はしていただいておると思いますが、ただいままだ対策本部には、かようなことに決したという通知も来ていないのでございますけれども、お話をしているのでございますから、さっそく厚生省のほうによく話をいたしまして、これに対する施策をできるだけ早く講じますように連絡をいたしたいと思います。
#59
○委員長(辻武寿君) ほかに御発言もございませんようですから、本件につきましては、本日は、この程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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