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1962/07/06 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 災害対策特別委員会 第11号
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1962/07/06 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 災害対策特別委員会 第11号

#1
第043回国会 災害対策特別委員会 第11号
昭和三十八年七月六日(土曜日)
   午前十一時六分開会
  ―――――――――――――
   委員の異動
 七月五日
  辞任      補欠選任
   小林 篤一君  森 八三一君
 七月六日
  辞任      補欠選任
   館  哲二君  坪山 徳弥君
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     辻  武寿君
   理事
           藤野 繁雄君
           米田 正文君
           吉田忠三郎君
           村尾 重雄君
   委員
           井川 伊平君
           稲浦 鹿藏君
           小柳 牧衞君
           坪山 徳弥君
           林田 正治君
           森部 隆輔君
           瀬谷 英行君
           武内 五郎君
           矢山 有作君
           森 八三一君
           岩間 正男君
  政府委員
   大蔵政務次官  池田 清志君
   大蔵省法規課長 相沢 英之君
   農林政務次官  大谷 贇雄君
   農林大臣官房長 桧垣徳太郎君
   農林省農林経済
   局長      松岡  亮君
   建設政務次官  松沢 雄蔵君
   建設省道路局長 平井  学君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○積雪寒冷特別地域における道路交通
 の確保に関する特別措置法の一部を
 改正する法律案(内閣提出、衆議院
 送付)
○天災による被害農林漁業者等に対す
 る資金の融通に関する暫定措置法の
 一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○豪雪に際して地方公共団体が行なう
 公共の施設の除雪事業に要する費用
 の補助に関する特別措置法案(内閣
 提出、衆議院送付)
○昭和三十八年四月から六月までの長
 雨についての天災による被害農林漁
 業者等に対する資金の融通に関する
 暫定措置法の適用の特例に関する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(辻武寿君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の変更について御報告いたします。七月五日、小林篤一君が辞任され、森八三一君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(辻武寿君) 積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案、豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法案、昭和三十八年四月から六月までの長雨についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案、以上内閣提出、衆議院送付の四法案を一括して議題といたします。
 まず、豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法案及び昭和三十八年四月から六月までの長雨についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特別に関する法律案については、提案理由の説明を聞いておりませんので、この際、両案について政府から提案理由の説明を聴取いたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#4
○委員長(辻武寿君) 速記を起こして。
 大谷農林政務次官。
#5
○政府委員(大谷贇雄君) ただいま提案になりました昭和三十八年四月から六月までの長雨についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定指置法の適用の特例に関する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 本年四月から六月にかけまして関東以西の名地においてまれに見る長雨が続き、六月十日現在の調査結果によりますれば、農作物被害総額は七百二十六億円に達し、特に麦につきましては四百六十三億円という従来例を見ない被害額となっており、被害規模がきわめて大きいと同時に、被災地域も関東以西のほとんど各県にわたる広範囲に及んでおります。これがため、政府におきましては各般の施策を講じて事態に対処しておりますが、今回のごとく、麦、菜種等の主要な裏作物等に乏しい被害を生じますと、今後の再生産に及ぼす影響が甚大であるばかりでなく、農家経済への影響も無視しがたい実情でございまするので、天災融資法の適用に特例を設け、被害農業者に低利資金を融通する等の措置を講じまして、すみやかに農業の再生産の確保と民生の安定をはかろうとするものであります。
 特例の第一点は、特別被害農業者の範囲を拡大することであります。天災融資法では、農業粗収入の五割以上の損失額がある場合に限り、特別被害農業者として、三分五厘の低利資金を借り受けることができるようにしておりますが、今回の特例措置では、このほか、天災融資法の被害農業者であって、麦等の主要な裏作物の収入が八割以上失われる場合にもこれを特別被害農業者として取扱い、三分五厘の資金を融通することができるようにするものであります。
 特例の第三点は、以上の特別被害農業者に貸し付ける三分五厘の経営資金につきましては、被災者の負担緩和をはかるため、特に六カ月以上一年以内の据置期間を設けることとするものであります。
 以上がこの法律案を提案いたします。理由及びその内容であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さいますようお願い申し上げます。
#6
○委員長(辻武寿君) 池田大蔵政務次官。
#7
○政府委員(池田清志君) ただいま議題となりました豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 本年一月北陸地方を中心に発生した豪雪に際して、公共の施設の除雪事業に関し、地方公共団体において多額の費用を要したことにかんがみ、政府は、別途提案して御審議を願っております積雪寒冷地域における道路交通の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案により、道路の除雪事業を一そう推進するとともに、道路以外の公共の施設に除雪事業についても、新たに国庫補助の道を開き、これによって地方公共団体の事業費負担の軽減に資するため、本法律案を提出いたすものであります。
 次に、本法案の内容について申し上げますと、国は、政令で指定する豪雪に際して地方公共団体が行なう学校その他の公共の施設で政令で定めるものの除雪事業で、他の法令に国の負担または補助に関し別段の定めがあるものを除き、これに要する費用が平年に比し著しく多額である場合において、当該地方公共団体の財政事情等を勘案し特に必要があると認めるときは、その除雪事業に要する費用について、政令で定めるところにより、予算の範囲内において、その二分の一以内を補助することができるようにしようとするものであります。
 以上が、この法律案の提案の理由及び概要であります。何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成下さいますようお願い申し上げます。
#8
○委員長(辻武寿君) それでは、四法案を一括して質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
#9
○藤野繁雄君 去る六月の十九日には、参議院本会議で長雨等による被害の緊急措置に関する決議がなされまして、これに対して池田総理大臣は政府の所信を表明されたのであります。私は右の参議院の決議にふさわしいところの法律案が提出されるものと信じておったのでありますが、今回提出されました法律案を見てみまするというと、長雨のみの対策で、関東地方における突風及び降ひょうの被害、北海道の旱害及び強風害奄美群島の旱害等に対する対策が落ちておるのであります。その理由はどこにあるのか、これをお伺いしたいとまず考えるのであります。
#10
○政府委員(桧垣徳太郎君) 今回提案をいたしまして御審議を願っております長雨等による被害に対する天災融資法の適用に関する特例の法律案の趣旨は、申し上げるまでもなく、従前の天災融資法の対象になりますような災害と著しく様相を異にしておるのでございまして、その第一点は、西日本を中心にいたしまして、裏作物であります麦、菜種等の被害がかつて前例を見ないような壊滅的な被害であるということ。それからさらに、その被害の範囲は、関東以西のきわめて広範な地域に及んでおりまして、したがって、農作物の被害額も七百二十六億、ただいま政務次官から提案理由で申し述べましたように、多額の金額に上っておるのでございます。一方、そのような未曽有の長雨被害であるにかかわりませず、麦、菜種等の裏作物が年間農業総収入の中に占める比率が比較的に小さいという事情で、この被害の実態から見ますと、一面において、きわめて激甚な災害であるにかかわらず、三分五厘の低利の天災融資を受けられる農家の範囲が局限をされるという事態が生ずるわけでございます。
 で、これらの諸般の事情を考えまして、農家経済に対する影響、農業の再生産に対する意欲の不振、またきわめて広範な地域にわたります災害であるために、民生の安定という観点からも、この際三分五厘の低利率の適用の範囲を、長雨という異常な災害に対して範囲を拡充するという措置をとる必要があるというふうに考えまして、この法案を提出いたしたのでございます。
 一方、関東におきます降ひょう、突風、北海道におきます強風の被害、さらに、被害の実情が最終的に判明をいたしておりませんが、県等の報告あるいは統計調査部の中間報告等で鹿児島県の奄美大島等についても早害の相当局部的に激しい被害が起こっておるということでございまして、長雨のただいま申し上げました被害は、これは言葉が適当でないかもしれませんが、一種の局地的被害でありまして、その間に画然たる災害の性格の違いがあるわけでございます。従前、局地的な激しい被害に対しましては、現行の天災融資法をもって対処いたして参っておりまして、そして現行の三分五厘適用の特別被害農業軒に対しては、これは低利率の金利の適用をするという措置をとって参ったのでございまして、そこに災害の特異性を長雨について認めました関係上、今回の長雨についての適用特例を立法化をいたした次第でございます。
#11
○藤野繁雄君 当特別委員会では、まず関東地方の視察をやった、四国、中国もやったのでありますが、今問題になっているのは関東地方でありますから、栃木、群馬、埼玉、それから北海道、こういうふうなことになっているのでありますが、承るところによれば、六月二十一日にこの四地区について――あるいはそのほかにもありますが、四地区にはすでに政令を出している、こういうふうなことであるのでありますが、今申し上げた栃木、群馬、埼玉と北海道は、現在出された六月二十一日の政令によれば、特別被害農家と被害農家に対する融資は六分五厘と三分五厘になりますが、栃木、 寸、埼玉というところは長雨の被害も受けている。それから、今申し上げた突風、強風、降ひょうの被害も受けている。それで、これはそういうふうなことになれば二重になってくるのですね。そういうふうなところの特別被害農家の査定はどういうふうにされるのであるか、承りたいと思うのであります。
#12
○政府委員(松岡亮君) これは当然、その適用になります災害の別に従いまして、災害ごとに査定をいたします。
#13
○藤野繁雄君 災害別にするというようなことであったならば、長雨の被害があると、それから突風、降ひょうの被害もあるというふうなことであれば、一つでは激甚にはならないけれども――特別被害農家にならないけれども、二つ合わせたらば特別被害農家になるというようなケースが出てこないとも限らない、また出てくると考えられるのであります。そういうふうな場合にも、二つ合わせた場合は――別々では該当せないですから、二つ合わせれば該当するけれども、それは特別被害農家としては認めないと、こういうふうな方針であるかどうか、承りたいと思うのであります。
#14
○政府委員(松岡亮君) それは当然、法律の適用上は災害ごとに考えるべきであろうかと思うのであります。しかしながら、実際に査定をいたします場合に区別できないという技術上の困難が出て参りますのと、実態的には農家としては非常に気の毒な状態、そういう事態を勘案いたしまして、できるだけ農家には親切な考え方で処理すべきであろうと、こう考えております。
#15
○藤野繁雄君 それから、長雨に対する暫定措置の法律で、「その他政令で定める農作物」と、こうなっているのですが、「政令で定める農作物」とはどういうふうにお考えであるか、承りたいと思うのであります。
#16
○政府委員(桧垣徳太郎君) 今回の長雨によります被害は、非常に広範な作物につきまして被害が起こっておるわけでございますが、代表的なといいますか、最も大きな被害農作物は申すまでもなく麦類でございまして、麦は法律上の対象作物としてあげましたが、政令に定めます場合には、少なくとも菜種については政令で必ず指定作物にいたしたいというふうに考えておりますが、そのほかに蔬菜の被害も相当に多額に上っておるわけでございます。ただ、蔬菜を対象作物にすることが適切であるかどうかは、災害の実情をもう少しよく把握をいたしました上で決定をいたしたい。と申しますのは、法律の規定が、ごらんのとおり、裏作物の合計平年収入額の八〇%以上ということをいっておりますので、蔬菜の被害が、それほどの水準に達しておるのかどうかは、全体の統計的な数字を見ますと疑わしい点があるのでございます。したがいまして、蔬菜を入れることがこの法律のねらっております趣旨に沿うかどうかという点をもう少し詰めたい。なお、専業蔬菜農家で壊滅的な被害を受けておるという地帯もございますので、これらについては、政令指定の際に、専業的な蔬菜農家の壊滅的な被害に対して低利率の適用ができる方途と、それから一般的に蔬菜を入れますとむしろ適用範囲が縮まるという問題との調整をはかった上で政令で指定をいたしたい、かように考えておるのでございます。
#17
○藤野繁雄君 さっきも例をとりました栃木県のような、あそこの特産物の大麻が非常にやられておる。それから農林省の所管じゃないというのでありますが、大蔵省の所管のタバコがだいぶやられております。それで、そういうふうな大麻のようなものは、その地方の状況に応じて取り入れるということで、あるいは地方によってはその他の農作物があるから、その地方々々の実情に応じて政令で定むる農作物には定めていくのだ、こういうふうな方針であると承知してよろしゅうございますか。
#18
○政府委員(桧垣徳太郎君) それほどこまかく指定をすることは、むしろ法の運用上適切ではないのではないかと考えております。もし、これは政府部内の意見調整もまだいたしておりませんし、被害の実情等についての分析も終わっておりませんので、現在必要があればそういう規定をしたいという程度の私の見解ということでお聞き取りを願いたいのですが、私の考えでは、主として蔬菜を栽培している農家については蔬菜ということを入れて、副業的な蔬菜等は被害率の計算の中には入れない。ただいま各種の特産物等もございますが、法律で定めております麦、それから政令で定めております作物の合計の八割以上の被害があれば、三分五厘の適用が受けられるようになり、所要の資金量を計算いたします。災害額にはその他の作物を全部入れて計算をするというふうなことで運用していきたいというふうに考えております。
#19
○藤野繁雄君 そうすると、大蔵省の関係するタバコはいかがですか。
#20
○政府委員(池田清志君) 長雨等によりましてタバコが相当の被害を受けておりますることは、お示しのとおりでございます。大蔵当局と申しましょうか、専売公社におきましては、その実情等の検討をいたしまして、長雨等に対する政府の施策として、この国会でお許しをいただいておりますこういう事柄と同じような程度にまで、専売公社といたしましても努力して参りたいと、こういう考え方を持っております。
#21
○藤野繁雄君 今のは、立法化されますか、あるいは行政措置でやられますか。
#22
○政府委員(池田清志君) 今のタバコにつきまして特別の法制をお願いするという準備はいたしておらないのでございます。タバコは御承知のように、収穫をいたしまするのが夏から秋にかけてでございまして、その被害の状況等もまだ全体としてつかめておらないという今日の実情でありまするので、これに対して早急に今日法制を整備するという段階に至っておらないのでございます。
#23
○藤野繁雄君 次には麦わらですね、麦わらの処理でありますが、激甚災害法では堆積土砂の排除に対しては助成がある、また豪雪の場合におきましても堆積土砂等の等の字のうちには雪も含む、こういうふうな解釈もされた。そういうようなことから考えてみますというと、麦の畑の中に麦わらがあって次の農作業に支障があるとしたならば、これは堆積土砂と同様に扱わなくちゃいけない、こう考えるのでありますが、そういうふうな点についての政府のひとつ見解を承りたいと思うのであります。
#24
○政府委員(桧垣徳太郎君) 藤野先生の御質問は収穫皆無もしくはそれに近いような麦作について麦稈の処理をするということは、次のあと作のための障害になるものを取り除くことであるから、積雪の排除あるいは堆積土砂の排除等と同じように考えるべきじゃないかという御質問かと思われるのでございますが、これは農家の立場から言えば一種の障害物であるということについては、私は間違いがないだろうと思うのでございますけれども、堆積土砂の場合には、私が申し上げるまでもなく、これは農業の生産基盤であります土地そのものの機能の重大な障害になっておる状態を排除いたしまして機能回復をはかるという性格を持ち、かつその負担も個々の農家の負担としては非常に大きいものである場合が通常でございまして、したがいまして、その場合にも相当大きな負担になるであろうというような基準を定めて、これに対して助成の措置をとってきたのでございます。また、法律等の扱いもそういう考え方で組み立てられている。積雪の場合は、私は遺憾ながら十分存じませんが、私の直観的な感じから申しますと、これは一種の公共的な機能障害というものを回復される措置ということでありまして、それらの観点から見ますと、いわばその他のあと作のために麦わらを取り除く、あるいは取り除いてやるというようなこととは、相当に性格的に違うのではないだろうかというふうに思われるのでございます。
 それといま一つ、これは各方面からいろいろ検討の示唆をいただきまして、検討もいたして参りましたが、助成ということになりますれば、助成の対象を明確に把握することでなければ、これは国費をもって助成するということに適切でない、そういうような観点から今回の長雨による被害麦稈の処理というものについては、それぞれの農家、それぞれの圃場ごとに区々まちまちでございまして、これを一定の形でとらえるということははなはだ困難であるというふうに担当の部局も言っておるのでございまして、むしろ私どもとしては、今後の稲作の生産の確保に前向きにいかなる援助、助成することが、国民経済的に見ましても、あるいは農家の立場にとりましても有効であるかというような判断で、今後の生産確保のためのしかるべき助成というような問題に重点を置いて考えて参りたいというふうに思っております。
#25
○藤野繁雄君 今の問題は、麦について言えば、種をまいた、肥料をやった、今すぐ現金化する、その現金が取れない、次に田植えをしなくちゃいけない、そこに寝ているところの麦稈を取り除かなくちゃいけない、人手不足のために人を雇う、人を雇ったならば一反のところで少なくとも二千円以上の費用をかけなくちゃいけない、今度は米を作るのについてはまた肥料も出さなくちゃならない、こういうようなことであれば、収入のないところに資金を投じて、それから収入がないところにまた資金を投ぜなくちゃならないというような現在の状況だから、これは何とか考慮する必要があろうと思うのでありますから、政府のほうにおいても検討をお願いしておいて、次に移ります。
 今度の麦の収入がなかった結果、農協倉庫にいかなる影響を及ぼしているかということであります。それは、倉庫は政府の指定倉庫なんです。政府のもの以外には入れることはできないのです。しかるに、一例をもって申し上げましたならば、私の県の長崎県の小野というのは一番大きな農協なんです。これが、麦は平年であったならば一万五千俵入るのです。それが入庫皆無なんです。菜種が二千俵入るのです。これも入庫皆無なんです。それで、その倉庫にどのくらいの米や菜種が入っているか、麦が入っているかということは過去の実績によってわかるのでありますが、こういうふうな政府の指定倉庫であって、政府のもの以外には入れることはできないところの倉庫に、今度の長雨のために入庫が皆無であるとしたならば、政府はこれに対して何とか考えなくちゃいけないと思うのでありますが、政府の所信を承りたいと思うのであります。
#26
○委員長(辻武寿君) 委員の変更について御報告します。
  ―――――――――――――
 本日、館哲二君が辞任され、坪山徳弥君が選任されました。
  ―――――――――――――
#27
○政府委員(桧垣徳太郎君) 長雨の結果、麦、菜種等の甚大な被害が起こり、したがって収穫物はほとんどとれないというようなことから、農業協同組合の倉庫に集荷するものが減って、したがって農業協同組合の収入が減少するということは、これは藤野先生が憂えていらっしゃるとおりであろうと思います。ただ、農民の収入、収穫の減少ということの間接的な影響としまして、農業協同組合の収入が減少するという事態に対して、財政等の援助で直ちにこれを補てん充足するというようなことは、私はなかなか困難でありまた適切でもないのではないかと思いますが、農民の収入の減少等の影響で預金の引きおろし等も一方あることは想像されるのでありますから、今後の農協の事業運営のための所要の資金でありますとか、あるいは諸払いのための資金運営であるとかというようなことにつきましてはこれは系統農協――中金をピークといたします系統農協の資金繰りので、それらの支障を生じないように、私どもとしても十分指導を加えて参りたいと思っております。
 なお、政府倉庫であるという意味は、私の理解する限りでは、米麦等食糧管理特別会計の物資の委託を受けて保管をすることに適格な倉庫であるという意味であって、そのこと自身が他の物資の保管を規制するとか、あるいはそれについて制肘を加えているというふうには理解をいたしてないのでありますが、定款による規制でありますとか、あるいはいわゆる営業倉庫ではないというような事情からくる農協倉庫の運営上の困難な問題という点は、これはあろうかと思いますが、これはなお私どもも法制上その他の点で検討を要するというふうに考えております。
#28
○藤野繁雄君 今即答はできないでしょうから、これについても、ひとつそういうふうな要望があるということを確認して御検討をお願いします。
 次は、今回の麦の災害のために、農業共済団体はいろいろと事務上について再検討を要することが多々あると思っておるのであります。その点からいえば、予算の範囲内において仕事をやっている農業共済団体は、それだけの費用が赤字になってくるのであります。これについては、ほとんど農業共済団体というものは政府の補助金によってできているのでありますから、その赤字は政府が責任を持ってカバーしてやらなくちゃいけないのじゃないか、こう考えるのでありますが、この点についての御意見を承りたいと思うのであります。
#29
○政府委員(松岡亮君) 農業共済団体の事務費に対しましては、年間、水稲、陸稲、麦及び蚕繭等その共済の実施に必要な事務費を大体予定いたしまして、それに対して国庫補助を行なっておるわけですが、今回の長雨によりまして損害評価の回数とかそういうものが増加したことは、よく聞いておるのでございます。したがいまして、麦につきまして予定されたものより多く支出されつつあるということが推定されるわけでございますが、ただ年間の米や何かも含めました事務費を配分いたしておりますので、今後水稲などについての災害がどうなるかということも考え合わせなければならぬわけでございます。そこで、今実態については調査を進めておりますが、今後の推移によりまして、真に不足が出るという事態になりましたならば、必要な経費につきましては要求いたしたいと考えております。
#30
○藤野繁雄君 次は、この長雨のために水稲に与える影響なんです。長雨のために稲は徒長してしまって、現在の状況からいえばいもち病が発生している。このいもち病を除ぐためには、何といっても鉄等の微量要素を施さなくちゃいけない。健全に育つためには、微量要素以外には私はいもち病を根絶するところの方法はないと思っておるのでありますが、そういうふうな準備があるかどうか。また、今のところでは、新聞にも書いてあるように、土壌がどういうふうな状態になっておるかと、硫化水素が次から次へできて根が腐れてしまうから、秋落ちになってくる。この秋落ちの防除もしなくちゃいけない。別な言葉で言ったらば、鉄によって硫化水素を発生しないようにしていかなくちゃできないというように考えるのでありますが、こういうふうなのは、平素からは必要がないが、特に本年必要としたならば、そういうふうな微量要素に対する政府の準備及びこれに対する助成というようなことを考えておられるかどうか、お伺いしたいと思うのであります。
#31
○政府委員(桧垣徳太郎君) 私、技術の専門家でもございませんために、十分なお答えはいたしかねると思いますが、御指摘のように、ことしのような気象のもとでは、いもち病等の発生が、平常の年よりも多発するであろう、また多発の傾向が出ておるということは事実でございます。また、異常気象のもとでは、どうしても硫化水素の地中における発生、滞留が大きくて、したがって、根腐れ、あるいは秋落ち病の現象が起こり安いということも考えられるのでございます。いもち病の発注等につきましては、多発を防止するための技術的な指導をいたしまして、できる限り水銀剤等の散布によるいもち病の発生、拡大を押えるというようなことをして参りたいし、またそのことについて政府内でよく検討をいたしまして、助成の道も農林省としては講じたい、こういうふうに考えておりますが、微量要素の結合に対する措置ということになりますと、これは藤野先生のほうがお詳しいわけでございますけれども、いもちに対する抵抗力をつけるための微量要素といえば、おそらく、珪酸でありますとか、あるいは苦土の系統のものでありますとか、こういうようなものでありましょうし、または硫化水素の発生を防ぐということになりますと鉄分の投与によって硫酸分の酸素との結合を防ぐということになるであろうと思います。ただ、すでに植付以後の今日になりましては、それらの微量要素を補給すべき資材の投入ということは不可能であろうと思われるわけでございまして、それは次の耕期――すき起こす耕期でなければ、時期としてもはやないと思われるのでございますが、それらの必要な資材等の手当につきましては、農林省としても、計画的に、遺憾のないようにいたしたいというふうに考えておりますけれども、目下のところ、それらの資材については、御承知の、農業改良資金の技術導入資金ということで、無利子の金融によって対処いたしたいというふうに考えておるのでございまして、特に補助等のことは、目下のところ考慮をいたしておりません。
#32
○藤野繁雄君 今のいもち病の問題は、それでいいかもわかりませんが、ただ秋落ちに対する対策はこれからやるんだから、その点は十分検討していただきたいと思います。
 次は、長雨による漁業被害をどう考えておるか、あるいは塩業をどう考えておるか、こういうふうなことについては、対策を政府は講ぜられるのか、講ぜられないのか、これをひとつお伺いしたいと思うのであります。
#33
○政府委員(桧垣徳太郎君) 塩業につきましては、大蔵省のほうから御答弁があるかと思いますが、長雨による漁業被害と申しますのは、いろいろな形のものがあるだろうと思うのでございます。長雨それ自身によります、いわゆる淡水養漁あるいは鹹水養魚等で養魚中の魚類に被害が生じたというような場合には、これは天災融資法の対象として、資金供与をいたしたいというふうに考えておりますが、必ずしも長雨それ自身直接であるかどうかは明確でございませんけれども、鳥類、島根の沖合い等で、いわゆる冷水、海況異変というようなことから、魚獲高が非常に落ちているというような事実もございますので、これらにつきましては、目下その魚獲減少の事実についての調査を、農林省の出先でございます統計調査部及び水産庁の本庁からも職員を派遣して、調査中でございます。それらの調査結果を待ちまして、沿岸漁民に対します資金供与等の方策について今後検討いたしたい。また、すでに借入しております各種の資金についての延納の措置等については、関係機関に善処方をすでに連絡をいたしまして、対処いたしたいというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、海況異変等による漁獲の減少という問題は、必ずしも長雨と直接に結んだものではございませんが、この被害につきましては、実態の把握の上で、必要な措置をとって参りたいというふうに考えているわけでございます。
#34
○藤野繁雄君 塩業は。
#35
○政府委員(池田清志君) 長雨によりまして、製塩事業が相当の影響を受けることは、御指摘のとおりであります。通常の気象でありましたら、塩の結晶がよくて、相当の生産量もありましょうが、長雨のために、結晶も悪く、あるいはまた融解するといったようなこともあろうかと思います。したがいまして、長雨によりまする影響を受ける状態であることも、御指摘のとおりです。
 このことにつ きまして、政府の態度いかんということでございますが、専売公売のほうからこれにつきまして私はまだ何らの報告も受けておりませんけれども、私の一存といたしましては、やはり長雨という原因によって製塩業がマイナスの影響を受けたとするならば、これに対しまする対策といたしましては、今お示しいただいておりまするその線に沿うてやるべきである、こういうふうに私は理解いたします。
#36
○藤野繁雄君 長雨はこのくらいにしておいて、次は天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案、このうちでただ一点だけお伺いしたいと思うのであります。それは政令で定める面積以上ということはは幾らに予定しておられるか。
#37
○政府委員(松岡亮君) これは、この改正の目的が、樹園地をなしている果樹に対して救済の手をのばすということでございまして、庭先等にある果樹まではこの措置はとらないという趣旨で、大体五畝未満のものをはずして参りたい、こういうことでございます。
#38
○藤野繁雄君 それから、豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法案、これはさっき都合があって提案理由の説明をお伺いしなかったのでありますが、この法律を見てみますというと、政令とか何であるとかいうようなことで、ひとつもどこをとっていいかわからない。であるから、個条書きに質問しますから、一括して御答弁を願いたい。
 それは、「政令で指定する豪雪」というのは、この間の豪雪ですね。それから「政令で定めるものの除雪事業」平年に比し著しく多額で、特に必要があると認めるとき、政令で定めるというような、それは一体どういうふうなものであるか、具体的にその政令があったらば、政令を承りたい。政令がなかったらば、政令はどういうふうに作ろうと思っているのであるか、その内容をお示しをお願いしたい。
#39
○政府委員(相沢英之君) この法律が政令に譲ったり、あるいは「平年に比し著しく多額」というような抽象的な規定になっている点が多いために、その内容がはなはだ明確でないという点の御不満は、ごもっともであると思います。実はそういうことをはっきりと規定することが技術的にも困難であるという理由が、この法律を提案するに至るまで相当な時日を経過した理由になったわけであります。しかしながら、御質問の点につきまして具体的に申し上げられるものについて御説明をいたしますと、まず最初の、「政令で指定する豪雪」と申しますのは、これは、この法律が「公布の日から施行」でございますので、今後における豪雪を予定しておるわけであります。どういう程度の積雪量なり何なりがあった場合に豪雪と指定するかという点、その基準につきましては、今後なお政府部内で検討することになりますが、形としましては、一定の基準を設けて、それに該当する場合にこの法律を発動するという形ではなくて、具体的に、たとえば本年一月の豪雪というふうに、その豪雪そのものを指定する――ちょうど天然法の場合と同じように、その災害自体を指定すろ、こういう形になると思います。
 それから、「学校その他の公共の施設で政令で定めるもの」、これは地方公共団体が設置する公共の施設でありますが、そのうち除雪事業に対して補助を行なうを適当と認められるもので現在関係各省間で意見が一致しておりますものは、学校のほか、公民館、図書館、体育館、博物館といったような教育施設、それから厚生省の関係で、養老施設、教護施設、厚生施設、乳児院、母子寮、養護施設、精神薄弱児施設、精神薄弱児通園施設、盲ろうあ児施設、虚弱児施設、肢体不自由児施設、肢体不自由者更生施設、失明者更生施設、その他の社会福祉施設、そういったものを現在考えております。
 それから、除雪の「費用が平年に比し著しく多額である場合」、これもなかなか具体的に規定することが困難なので、こういった抽象的な表現になっておりますが、これはその絶対額がどの程度になったら「多額」と見るか。これは具体的な適用にあたりましては、やはりその次にございますとおりに、「当該地方公共団体の財政事情等を勘案して」多額であるかどうかということを判断することになると思いますので、たとえば除雪の費用が当該都道府県の基準財政需要額、あるいは基準財政収入額、そういったものに対する割合が一定の率以上になった場合等を考えているわけでありまして、でははたしてその率がどの程度になったらばここの法律を適用するかといったような点につきましては、なお今後慎重に検討してきめたい、かように存じております。
#40
○森八三一君 先刻来藤野委員から詳細に質問がありました。私農林水産委員会関係で中座いたしましたので、あるいは藤野委員からお尋ねがあったことかと思いますが、もし重複をいたしておりますれば、委員長から御注意をいただきます。
 そこでお伺いいたしたいことは、昭和三十八年四月からの長雨についての融資に関する暫定措置法の適用の特例でありますが、この説明の中に、「麦等の主要な裏作物の収入」、この「等」の中ですね、これは何を意味しておるのかということをまず最初にお伺いしたい。
#41
○政府委員(桧垣徳太郎君) 先ほど藤野先生の御質問にお答えをしたところでございますが、麦以外の作物としましては、政令で菜種は必ず指定をいたしたい。蔬菜については、これは蔬菜の被害の実態のその後の調査も統計調査部でやっておりますので、その上で、十分検討の上で、この低利率の、被害農家の範囲が狭くなるようなことのないような観点から蔬菜の指定の問題を扱いたいというふうに考えておりまして、ただいま私が、まあ私案の程度でございますが考えておりますのは、場合によりまして、主として蔬菜を栽培する農家にあっては蔬菜というようなことを考えてみたらどうかというふうに思っておるのでございます。
#42
○森八三一君 まあお話で大体理解をいたしましたが、この法律の特例を設けましたゆえんのものは、今回の長雨によって各農家の諸君が非常に難儀をしておる、その難儀から立ち上がって新しい再生産に意欲を持って臨んでいくというようにいたしまするために措置をするということにあるわけでありますから、ただ形にとらわれてどうこうという議論ではなくて、今お話しのように、実態が難儀をしておるという事実に立って措置をされたい。そのためには、政令で御指定になりまする「等」の中には、菜種あるいは蔬菜等ですね。具体的にこの法律の精神が生かされていくような指定がされるということを強くお考えをいただきたいと、ただいまの御答弁はそういう趣旨であったと理解をいたしますので、そういうように善処をしていただきたいと思います。
 それから、その次にお伺いいたしたいのは、藤野委員からもちょっと御質問があったようでありますが、ともするとこの災害対策というものは、災害が起きてしまった、その跡始末に重点が置かれる。これはまあ事の性格上当然かと思いまするけれども、私どもは、あるいは起きるであろう、それも雲をつかむようなことは考えませんけれども、ある程度予測のできることについては、前向きに災害を防止するということがほんとうの政治であろうと思うのです。これは、農林当局におきましても、各省におきましても、そういう観点で絶えず気を配っておっていただくことと思うのです。
 そこで、現在の気象条件から考えますれば、ことしの表作と申しまするか、稲作は、おそらく非常な不作という状況になるであろうと私は想像いたしておる。これが今後の施策いかんによっては、これをある程度軽減し得ることもまた今日の科学技術の進歩によっては可能であろうと思うのです。で、もし不幸にしてこれが放置せられて、相当量の米の減収という事態を発生いたしますれば、最近における経済の伸長に伴って外貨保有も十九億ドルというようなまことにありがたい結果は示されてはおりまするけれども、必ずしもその程度の外貨事情ではたいへんな問題にぶつかってくるという危険を私は感じます。そこで、これから収穫せられるべき主食である米の被害を可能な限り減少する施策というものをこの際徹底して講ずべきであると思う。そのためには、何と申しましても、異常天候による病虫害の発生が一番大きな被害をもたらすものと私は考える。でありますので、それに対する対策をすみやかに立てねばならぬと思うのです。これは当然、そういう措置を講ずることによって農家諸君の所得がふえるのですから、黙っておってもやるのがあたりまえだと言ってし願えばそれきりなんです。しかし、国全体の経済を考え、主食である米というものを考えまする場合には、そういう常識議論だけで割り切ってしまうべき筋合いではないと私は思うのです。そこで、病虫害防除等に対する助成の道を講じまして、そのことに精進をするような意欲をかり立てていくということが、これが一つの大きな私は焦点の緊急を要する問題であろうと思うのですが、それに対する具体的なお考え。先刻の藤野委員に対するお答え――そういうことについても助成の道を開きたいと考えておるとか、研究をしようとかいうような御答弁であったかと思いまするが、これは時期が迫っているのですから、これから一カ月も先に行って、こうしましょうとおっしゃってみたって、そはあとの祭りなんです。今、今日直ちにそのことを実施いたしますることが大切なんです。じんぜんと日を送って研究する、調査をするということでは、これは問題になぬ。その辺はどうなんですか。
#43
○政府委員(桧垣徳太郎君) 全般的な問題としまして、この長雨等の災害にあを受けましたやや異常な気象のもとでの稲作の生産の確保という問題は、農林省としても、真剣に考え、かつ体制をとっているのでございます。省内も、災害対策本部を設けまして、その中に長期気象の予測に基づいた技術的な次善の対策をどうするかということを検討し、かつそれを指導するための方針を定めまするよう、技術対策特別委員会を設置しまして、省内の技術者を結集して、これに当たらせているような次第でございます。なおまた、地方農政局にも、農林省の農事試験場等の職員を加えました技術対策本部を設置をいたさせまして、前向きの施策に遺憾のないように対策をとっているのであります。
 いもちにつきまして、御指摘のように、すでに多発の傾向が主として西日本を中心に発生をいたしておりまして、これに対して、いもちの発生動向等の予察、それの公表等、時期を失しないようにいたして参っているのでございますが、最近、農家あるいは農業団体等の努力の成果、それと若干の天候の持ち直し等で、いもちがやや停滞的な形になっている地方がございますが、なお進行型のいもちも見受けられますので、御指摘のように、機を逸することなくその防過に努めたいと思っております。そういう体制をとって参りますと、農林省といたしましては、今回の異常な災害あとの農業経営という立場、また現在日本のとっております経済的な観点から申しましても、このいもち病等による被害の減少を最少限に食いとめるということがきわめて重要なことであるというふうに思いますが、農林省としては、いもち等の病虫害防除のための助成措置というものについては、財政当局ともよく連絡、検討をいたしまして、現に相談をしているわけでございますが、必要な助成措置を講じたいというふうに考えているのでございます。
#44
○森八三一君 これは、今のお話で、抽象的に了解をいたしましたが、非常に時期を尊ぶ問題ですから、研究調査に日が暮れて、案ができて、財政当局と話がまとまって、そのことが未端に届いたころは、あとの祭りということになる危険を私は感じますので、幸い大蔵政務次官もいらっしゃいますが、これはほんとうに機を逸せずやっていただきたい。そのことは、先刻申し上げましたように、普通の考えからいけば、病虫害を防除して収穫のふえるということは、その耕作者自身の利益になることですから、私企業として当然自分が始末すべきだという議論はわからないではありませんけれども、わずかなあと押しをすることによって全面的に効果が上がってくるということになりますれば、国全体を通じての利益というものは非常に大きいものだと思うのです。ことに、今日のようにだんだん農業経営が零細化されてくる、あるいは飯米農家というような諸君がたくさん存在しておるという現状を考えますると、非常に残念なことですけれども、米の収穫というものに専業農家ほど情熱を燃やしておらぬという状態も存在しておるんですから、そういう人はやれといっても頭が違うからなかなかやらない。そこに病虫害が発生する、蔓延するということになるんですから、そういうことを考えますと、何としても一斉防除をある程度強制的にやるということは私は大切だと思うのです。そのためには、苦しい財政の中からでも援助の手を差し伸べるということが、そういう形をとって一斉防除に向かわせるてこ入れになると思いますので、農林当局との打ち合わせがございますれば、ほんとうに機を逸せず財政措置を構じていただきますように、特に私は希望いたしたいと思いますが、そういうふうにやっていただけますか。
#45
○政府委員(池田清志君) 長雨によりまして稲のほうがたいへん影響を受けておりますことは、御案内のとおりであります。苗が徒長をいたしましたり、分けつが悪かったり、あるいは病虫害がすでに発生いたしましたり、あるいはまた苗が欠乏してしまったというようなことは、すでに長雨の影響だと思いけす。それらの影響を極力少なくしていくようにするというのが今後の稲に対するところの農政でなくてはならぬと、こう考えます。それにつきましては、御指摘の病虫害の防除のごときは、時を逸せず早急に有効なことをやるべきです。これについては、農林、大蔵事務当局の間で、せっかく相談をいたしておりますが、それによりまして財政措置を必要とするということになりました暁におきましては、その線に添いまして財政措置をすることにやぶさかでございません。
#46
○森八三一君 今回の長雨によって、麦の産地の農民諸君が直接の被害をこうむっておることは、申すまでもございませんが、その結果自己の食糧の麦に非常に不足を来たしておるという現実が存在をしておる。そこで、そういう被災農家に対しましては、飯用の麦を払い下げる、あるいはまた家畜に要する飼料用の麦を手当をしてやらなければいけないのではないかということで、各種の委員会におきましても、政府に強くそのことが要請されて参っておることは、御承知のことと思います。そこで、当局におきましては、その事態の現実に即しまして、政府所有麦の特価払い下げをしようという措置をしていただいておるとは思いまするが、そのやり方ですね、私は必ずしも精麦という形にして配給しなければならぬというのではなくて、われわれの子供のときには、麦それ自体を、えまし麦といいますか、煮て飯用に供したのでありまするし、また精麦することによって生ずる副産物のぬかとかふすまとかいうものが、これは直接えさとしては貴重な存在であることでもございますので、せっかく親心をもって政府所有麦を被災農家に払い下げるということになりまする場合における行動としては、直接被災農家に払い下げる。といって、個々の農家ではそういう施設を持っておりませんことでもございますので、そういう諸君の団体である利用者団体に払い下げする道を講ずべきであると思いますが、そういうような計らいができるのかできぬのか、その後の情勢がどうなっておりますか、お伺いいたします。
#47
○政府委員(桧垣徳太郎君) 今回の長雨で麦が非常な被害を受けました結果、農家自身の飯用の麦に困難を来たす、不足を来たすという事態が生じておることは、私ども十分承知をいたしております。そこで、食糧庁におきまして、すでに麦製品、精麦あるいは製粉等を工場出し値でもって系統農業団体等へあっせんをいたしまして、系統農協は実費の程度の扱いをいたしまして、原価で農家に届くようにするというあっせん指導をいたして参っておるのでございます。ただ、御指摘のように、地域によりましては、麦製品の流通加工等の実態が、製品による供給ということを適切としないというような場所も必ずしもないとは言えないわけでございまして、そういう原麦による払い下げを最も適当とする、またそのことでなければうまく流通が確保できないというような事情のところにつきましては、お話にございましたように、農協に原麦の払い下げを行なうということも政府としては措置をいたしたいということで、各都道府県当局とそれらの問題をよく連絡協議をしつつ取り進めて参りたいというふうに考えておるのでございます。
#48
○森八三一君 今のお話の後段のほうが被災農家に対する施策なんですから、被災農家諸君がどういう形で政府の麦の払い下げを受けたいかを考え、その考えに即して払い下げをしていくというルートが優先すべきであって、既存の精麦流通機構というものからやっていくことが優先するのではない、その逆の形を考えるべきだと、私はそう思う。このことは、決して既存の流通機構の業者諸君をどうこうするということではないんです。通常の流通数量に食い込むわけではないんです。災害のために発生したプラス・アルファの配給をどうするかということなんですから、商権を侵害するとかいう問題ではないはずなんです。ですから、被災農家はどういうルートで受けたいかということを中心に考えてやるということでなければ、実態に私は合わぬと思うんです。ですから、あとのほうで、研究をして、府県とも連絡して、そういう希望のあるところにはそういう措置もとりたいというお話でございましたから、わからぬわけではございませんけれども、どうも施策が、前段のほうが重点であって、後段のほうが従になっておる、つけ足りになっておる。これは、この際における政策としては、本末転倒しておると私は考える。それはどうなんですか。
#49
○政府委員(桧垣徳太郎君) これは私の表現が十分でなかったかと思いますが、加工業者等の商権の問題でありますとか、あるいはそういう企業の特別な保護的な配慮というようなことで考えておるわけではございませんで、麦あるいは麦製品の流通の実態というものが最も円滑に行なわれるような見地から被災農家に対する食糧麦の手当をすることが、合理的であり、また場合によっては経済的でもあるというような見地で申し上げましたので、森先生のお話のように、買い受けを希望する被災農家の立場に立って、この措置に誤りないように努めたいと思います。また、そういうふうに担当部局に対しましても十分先生のおっしゃることを伝えたいと思います。
#50
○矢山有作君 関連して、官房長に。今の御答弁なんですがね。農林大臣のほうは本会議における答弁ではどういう答弁をしているかといいますと、精麦業者にまず払い下げをする。そこの工場を通じて買っても今の計算でいけば十円くらい安くなるんだから、それでやるんだと、こう言っていらっしゃるんですよ。そうすると、農林大臣はあくまでも麦の払い下げについては今言ったことを基本にしておられるんで、そうすると官房長のお話といささか食い違ってくる。私は官房長の話を歓迎するんですが、その辺はやっぱりはっきりしていただかぬと、ちょっとおかしくなると思うんですがね。
#51
○政府委員(桧垣徳太郎君) これは、私が申しましたことと、大臣の本会議における答弁との間に、私は実体的に差異はないと思っておるのでございます。大臣が申しましたのは――これはやや具体的になりますが、現在のたとえば大裸麦の末端の製品流通価格はキロ当たり大体五十三、四円というようなことであって、工場の出し値約四十円という価格で、それを系統が実費程度の扱い料で末端まで届けるならば、それは四十三、四円ということになるだろう、したがって通常の流通の場合に比べてキロ当たり十円前後安価に農家に届くはずである。そういうことを考えますと、私の答弁の中でも抽象的に申し上げたのでございますが、高能率工場で加工いたしまして農家まで届けるほうが、細分された原麦が末端まで行って低能率な加工が行なわれるというよりも、より経済的であるということもあり得るわけでございますから、いずれの方法が農家にとって有利であるかということは、関係都道府県の意見をよく聞きまして、農家の立場からいって有利な方法を採用して措置をしたいということでございまして、私は大臣の答弁との間に食い違いはないと考えております。
#52
○矢山有作君 これで終わりますから。今おっしゃった答弁でけっこうだと思います。やはりこれは被災農民の立場に立って、その希望をいれて、それは優先的な扱いをする、こういうふうにしていただきたいと思います。
#53
○森八三一君 それで尽きましたが、お話を聞いておりますと、精麦の価格が合理化工場でやった場合とそうでないところでやった場合と違う、これは私にもわかります。わかりますが、農家の諸君は精麦して口に入れるものがほしいだけでなくて、それから生ずる麦ぬかというものが、これは家畜の飼料として欠くべからざるものとして大切なんだ。なるほど精麦は規模の小さいところでやったよりも合理化工場でやったほうが安いけれども、副産物のぬかのほうがべらぼうな価格で飛び込んでくるというと、合計して総合した場合には高いものをつかんでしまう結果が起きるという事実がある。そこで
 農家の諸君は、精麦のほうは自分でやったほうがちょっぴり高くなるけれども、残るぬかなりふすまのほうでうんともうかるからそのほうを希望する。ところが、中央庁のほうは、ただ精麦だけをにらんでしまって、残る副産物のほうを忘れてしまって議論するから、ともすると精麦のほうがいいということになってしまうきらいがある。そこで、私は、最後にお話しになったそういうことの判断は、直接被災する農家が考えることなんです。農家の諸君がちゃんとよく計算をして、まる麦でもらっておれがやるというほうを希望したら、それのほうをやってやる、精麦をほしいというやつには精麦をやるということで、選択権は農家にあるというふうにこういうふうに御答弁を理解いたしましてその趣旨で私は納得いたしましたから、そういうふうにやっていただくということであると了解いたしますので、もし違っておるようなら御答弁いただきますが、そうだというならもう御答弁要りません。
#54
○政府委員(桧垣徳太郎君) 個々の農家の意見について一々希望を徴してやるというわけにはなかなか参らぬと思いますけれども、農家を代表して要望する組織等も少なくとも完全にできておるはずでございますので、農家の要望が全般的にこうであるというふうなことでございますれば、それを尊重して措置をさせたいと思います。
#55
○森八三一君 ただいまのお答えではけっこうですが、それはもちろん、一人々々顔形も違うし、意見も違うのですからね。それは、市町村には市町村役場というのもございますし、農業委員会というのもある、農業協同組合もある、いろいろ農民を組織する団体があるのですから、そこで書大公約数を求めて民主的にどうという方向を決定するのでありますので、その方向に従って行なうということでけっこうで、一人々々の意見を聞くということを申し上げておるのじゃございません。
 その次に、最後にお伺いいたしたいことは、これも藤野委員からお尋ねがございましたが、こういう事態になりましたので、麦の産地におきまする麦の政府売り渡し等の数量は極端に私は減ると思うのです。といたしますると、常時政府の下働きをいたしておりまする農業倉庫の運営に非常に重大問題が起きるわけです。この補完的なことをやってやらなければ、これは日本の食糧問題にも大きく申しますれば影響してくる問題だと思う。それにつきましては、そういう点は調査をして善処をいたしたいという趣旨の答弁と了承しました。これはきょう右から左へ病害虫防除対策の時期を失せずという火のついた問題ではございません。よくお調べ願った上で、その実態に即応する措置をやってもらえればよろしいので、他日でけっこうと思いますが、そういう線に沿って措置をするというお気持がはっきりあると了解していいかどうか。
#56
○政府委員(桧垣徳太郎君) 先ほど藤野先生の御質問にお答えいたしました部分は、これは省略をさしていただきまして、農協の倉庫等が遊休化をする、したがって収入が減少するということについて、政府として今直ちにどうということは、これはなかなかむずかしいけれども、それらについて政府としてできる限りの配慮をして、遊休化いたします農協の実態、それから政府として措置できる範囲の貨物等について、可能な限り農協の運営の支援になるようなことを考える。こういうふうな御趣旨と理解をいたしますので、政府といたしましても、関係農業団体等ともよく意見の調整をはかりまして、そういう線で考えさしていただきたいと思います。
#57
○森八三一君 今回の一連の施策によって、長雨なり、豪雪なり、不可避的な被災者に対してさまざまな手当が講ぜられますので、非常にけっこうだとは思いまするけれども、この施策だけでは、この不測の天災から立ち上がって再生産に喜んで出発をしていくということになりまするためには、きわめて不十分だと思うんです。そこで、端的に申しますれば、これは両院のお互いの仲間の中でもしばしば議論したことではございますが、救い得ない部分を補完する意味において、見舞金と申しまするのか、補助金と申しまするか、利息のつかぬやりっきりの金をある程度交付してやるということが一番ふさわしい対策である、これをやることによって初めてとの一連の施策に血が通ってくるし魂が入るんだ、こういうふうにわれわれは理解しておったんです。おそらくこれは政府当局ではやっていただけるものと期待しておったが、それが出てこないということですが、これはもう脈がとまってしまったのか、まだそういうことについても十分資料がまとまっておらぬので研究中ということなのか、あるいはこの一連の施策だけでもう十分だというふうに割り切られたのか、その辺はどうなんですか。これはもう官房長に聞く問題じゃなくて、大臣に聞かなければいかぬのですが、私はこの程度のことではまだ不十分だ、だから端的に言ってみれば、一反歩一万円くらいやって、さあしっかりやれというあたたかい思いやりの施策が――政府もおっしゃっておるように、明治以来の大災害というんでしょう、だから、おそらく同僚の中でも若い議員の先生は明治生まれの人はいないんだから経験のないことですがそれほど長期にわたっての大災害なんだから、これは思い切ったことをやらなければ農家諸君は納得をしないと思うんです。これは官房長に聞くのはちょっとむずかしいことと思うが、しかし、事務当局としてそこまであたたかい思いやりがあって、何とか考えましょう、上のほうで聞いてくれぬ場合は別ですよというならけっこうですが、どうでしょう。
#58
○政府委員(桧垣徳太郎君) お話のとおり、ただいまの森先生の御質問に答えるにはあまりに私の地位は低過ぎると思うのでございますが、ただ、お耳に逆らうことになるかと思いますが、災害等による収入の減少に、何らの制度的なものによらずして、見舞金あるいはつかみ銭というような形で交付いたしますことは、これはどうも行政的感覚から申し上げますと適切ではないのではないか、財政の支出ということを考えますれば、これはやはりそれぞれ計画的な前向きの事業等を考えて、それに対する援助ということであれば、これは筋も立つかと思うのでございますが、一方農業災害補償制度が麦についてはあるわけでもございますし、やはり何らの理由のないものに対して給付がされるということは、これはたとえ災害でありましても、私は問題であろうというふうに考えておりまして、事務当局、行政当局としては、同じ財政の支出をするのであるならば、これは生産の確保なり、あるいは生産の基盤の整備なり、そういう前向きに財政の支出をすべきではなかろうかというふうに考えておるのでございます。
#59
○森八三一君 多分事務的にはそういうお答えがあるであろうと私も想像しておりましたが、そのお答えの出てくる根本には、やはり日本農業なり日本農民が果たしてきた非常に大きな貢献というものが忘れられておるし、今後また日本農業、日本農民が日本国家のために果たしていかなければならぬ非常に大きな責務というものは私は考えておられると思う。今日非常に経済が高度成長したと喜んでおりまするけれどもこういうような高度成長がどこから一体出てきたのか、それは農村、農民が人的資源を常に培養しながら供給をしたその間にはいわる潜在失業者といいますか、居そうろうをかかえ込んで歯を食いしばってやってきておった功績、戦後における食糧の非常に困難なときにあらゆる悪条件を克服しながらこれまた食糧の増産に励んだ、そのことが国際収支にどういう影響を持ってきたかということを考えますと、これも今の隆盛を来たした非常に大きな根源なんです。そこのところに出ている農民、農業の功績というものを考えますれば、こういう非常事態、明治以来の不作ということに直面している、それに報いる何らかの対策を講ずるということは、規則や法律やそんなものではなしに、もう少し大きな観点に立って私はいくべきだと思います。このことを事務当局である官房長にお伺いいたしますことは、あまりにも発展し過ぎた議論になりますから、これは政治論になりますから申し上げませんが、やはり事務当局でも少しはそういう考えで動いていただくということにならなければいかぬという感じを持つわけです。このことは希望ですから、今ここで結論を出そうとは考えません。
#60
○矢山有作君 それじゃ、この間の委員会で基本的な問題をいろいろお伺いしたのですが、なかなかわれわれの満足するような結論の出たものはないわけです。今法案が二つ提示されておりますから、その法案の内容について一つ二つだけ伺っておきたいと思うのですが、三十八年四月から六月までの長雨についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案ですが、これの中で第二条に天災による麦その他の政令で定める農作物の減収による損失額の合計が云々というのがありますね。この「麦その他の政令で定める農作物」というのは、今どういうようなものを予定しているのか、ちょっと伺っておきたいのですが。
#61
○政府委員(桧垣徳太郎君) 先刻来、この点は、藤野先生、森先生の御質問にお答えをして参ったのでありますが、法律では麦ははっきり法定の作物としてあげておりますが、そのほか政令では菜種は必ず指定をしたいというように考えております。そのほか考えられますのは蔬菜でございますが、蔬菜につきましては、およそ蔬菜全部を指定いたしますと、蔬菜の被害の実態は、はたして合計額の被害率を出す場合に、この法律はできるだけ低利率の資金を借りられる農家の範囲を広げようという趣旨のものでございますから、そういう結果になるかどうかいささか疑問がございますので、その点は、六月二十日現在の自後の調査の集計をいたしておりますので、その結果を見まして判断をいたしたい。ただ一部の県、あるいはどの県にもあるかと思いますが、野菜専業的な農家で非常に壊滅的な損失をこうむったというような農家が本法の特別被害者たることを得ないというような事態があります場合には、何らかの工夫を要するというふうに考えておりまして、私の私見の段階でございますが、さようなことが明らかになって参りますれば、主として野菜を栽培する農家にあっては蔬菜というふうに規定をしてはどうかというふうに考えておる次第でございます。
#62
○矢山有作君 前に出ておらなかったので、あるいは重複するようなことになって申しわけないことになると思うのですが、ひとつそういう点はお許しいただきたいと思うのです。
 先ほど菜種は入るだろう、それから蔬菜も物によっては入るようになるとおっしゃったのですが、実は工芸作物の問題についてもいろいろお考えいただかなければならぬ問題が起きているわけです。今度の長雨の災害というのは非常に広範囲でありますだけに、たとえど、地元のことを申し上げてまことに失礼なんですが、岡山県の南部のほうですと、零細な沿岸漁民が漁業に出ても収獲がない、そういう問題がある。そこへもってきて沿岸漁業が御存じのように非常に衰退をしておりますので、その地区では除虫菊を作ったり何かああいったことをやっている。ところが、そういうものがほとんど壊滅的な打撃を受けている。ところが、こういうやつは案外地元からのそういった詳しい事情というものがお調べがつきにくいところがあると思うのです。したがって、そういった問題とか、あるいはたとえばイグサなんかの問題でも、すでにもう六月の中ごろにわれわれが実地視察に参りましたときも、相当分けつ状態が悪いので、収穫減になるだろうという問題が出ておったわけです。ところが、その後依然として天候がこういう状態ですと、やはりイグサなんかの減収という問題が出てくるのではないか。その他工芸作物たくさんありますが、そういった面に対してもやはり御配慮いただかぬと、大きいものだけはばっと大づかみに救済をされるけれども、ほんとうに困るようなものであって目立たないものが残されてしまうような気がするのですが、今後そういう作物の点についてもずっと御検討していただいて措置がとっていただけますか。
#63
○政府委員(桧垣徳太郎君) まず全般的な考え方としまして、麦、菜種、かりに蔬菜というようなものを政令で指定いたしました場合に、それらの指定作の被害物が八〇%以上あったということになりますれば、同じ農家が他の作物も作っていて、その作物にも被害があったという場合には、その被害額は融資の対象の被害として取り扱う、したがって低利率の資金を供与するという考え方に立っておるわけであります。したがいまして、今お話に出ました、一例としてお引きになりましたイグサについても、麦、菜種等で特別被害農家の資格を得れば、イグサの被害部分もこれは三分五厘の資金供与の対象にするという考え方でございます。それから除虫菊も実は考えてみましたのですが、除虫菊の場合にも麦作との組み合せが多いのではないだろうか。かりに麦作との組み合せが少ないということになりますれば、一年一作の作物でございますから、あれだけの被害はこれは本法の年間農業収入の二分の一以上というのに当るはずだということを考えて、今まで政令にあげる作物として申し上げてなかったわけでございます。で、今後の被害の事情が判明いたしますれば、そういうマイナス・クロップにつきましても、できる限り救済ができるというような建前で検討はいたしたいというふうに考えております。
#64
○矢山有作君 それでもう一つ。この天災融資法による貸付期間というのは、本法に五年以内となっていますね。ところが、実際に五年一ぱいの貸付をやっておりますか。
#65
○政府松委員(松岡亮君) これはそれぞれの事態によって必ずしも一様ではございません。激甚災等の場合は四、五年、あるいはものによっては七年というものもあります。
#66
○矢山有作君 その点で、今度の災害というのは非常に広範なわけですから、しかも非常に大きいのですから、貸付期間を本法に定められたぎりぎりの貸付期間というものはこの際とっていただきたいと思うのですね。今までのように二年だとかあるいは三年というふうにやられますと、なかなか現在の災害実態から農家が負担にたえられないのではないかと思いますから、その点どういう取り扱いをされますか。
#67
○政府委員(松岡亮君) できるだけそういたしたいと存じておりますが、この特例法にもございますように、従来の運用よりは据置期間を設けたという点だけでも相当な差がございます。
#68
○矢山有作君 まあ据置期間が一年できたわけですから、それはないよりましだ。ですから、それに合わして本法に規定しておるのですから、災害実態からして、制限一ぱいの貸付期間はこれを実施する、こういうふうにしていただきたいと思います。それから同時に、天災融資法の一部改正法律案なんですが、これに果樹、茶樹、桑樹が今度対象になるわけですが、その栽培面積が政令で定められることになっているのですが、これははどのくらいの面積を予定しているのですか。
#69
○政府委員(松岡亮君) 先ほどもお答えいたしましたが、五畝以上の面積を予定いたしております。
#70
○矢山有作君 私どもが従来災害対策として主張して参りましたのは、 なるほど天災融資法の一部改正もやっていただいた、さらに先ほど言いました暫定措置法も出来たわけです。しかしながら、この前農林大臣に来ていただいたどきもいろいろ議論をしたのですが、今度のような大災害に対して、こういうような災害対策で実際に再生産を確保することができ、さらに農民の所得を他の産業従事者と均衡させるというようなことは、私はとても考えられないと思うのです。そういう点で、先ほど森委員のほうで、見舞金でも出したらどうかというような話もあったわけですが、われわれとしては、農林経済局長も御存じのように、この前改正された農災法にしたところで、あなた専門家なんで一番よく知っておられるように、非常に不備なものですね。たとえば麦の場合だって加入率は低いし、まして果樹、蔬菜、こういうものは対象になっていないわけです。そうすると、この程度の措置をしたことで、はたして先ほど言いましたような問題に沿うことができるか、こういうことになりますと、多分に疑問があると思うのです。そういうことで、見舞金を出すのはもちろんですが、さらに一歩進んで、こうしたおくれた産業である農業災害に対する対策としては、むしろ国家的な補償措置をとるべきだという問題をあげ、さらにまた天災融資法などで救済されない部面に対しては無利息融資も考えていいのじゃないか、こういう問題もあげたわけです。それからさらに、災害をしょっちゅう受けておるところでは、融資を受け、また災害でやられるというようなことになって、その借銭払いにすら追われているというのが実態じゃないかと思うのです。そうすれば、そうした災害の処理の問題についても考えなければならぬ。こういうもろもろの点をあげられているわけですが、これに対しましては、この間の農林大臣の答弁で、それはお前とわしの思想の違いだと、こうおっしゃられた。ところが、これは思想の違いじゃないので、考え方の相違であって、しかも農業団体等からは大災害に対する国家補償ということはすでに前々から決議をしてあげられてきているのですから、だから、この問題についても、今後やはり農業というものをほんとうに他の産業に比して遜色のないように振興さしていく、農業基本法の立場というものを貫こうということになれば、私は、先ほど森委員のおっしゃったように、今の制度でできないのだ、今の法律でできないのだというのでなしに、積極的に考えていただきたい、こういうふうにわれわれとしては思っているわけです。しかし、ここに出てきた法案については、これでも一歩前進なんですからけっこうだと思いますが、あわせてこの法案について申し上げたいのは、実際にこれを適用して参ります場合に、案外基準というものを締めつけて、実際に貸付をやる場合にはなかなか借りたいと思っても借りられないという状態が往々にして起こりがちなんで、したがってこういう問題については十分罹災農民の立場に立っての処理をしていただきたい、こういうこともひとつお願いしておきたいと思うのです。
#71
○政府委員(松岡亮君) 罹災農民の立場に立ってできるだけ希望に沿うように努力せよというお尋ねでございますが、全く私どもも同様に考えておるわけでございます。
 それから前段のほうの点につきましては、これはさっき官房長から申し上げましたが、私も官房長と同様身分が低くて、ちょっとお答えするには問題が大き過ぎると思うのでありますが、ただ一つつけ加えて申し上げますと、農業災害補償法の改正法律が今回の長雨災害に適用されることができたならば非常に有効であったと感じておるのであります。現在の農業災害補償法は長雨災害のような場合に最も適しておるという感じを持っておるわけでありますが、広く広範にやられているという点でございますし、施設災害がないということからいいまして、最も適しておると考えておるわけでありますけれども、特に改正によりまして補てん率を相当大幅に上げておりますので、非常に有効であったという点が残念に感ぜられるのであります。
#72
○矢山有作君 それに対してわれわれのほうからとやかくいう必要もないのですが、しかし、あの改正ができておったら有効だったなんということは、僕は今の麦の共済の加入状態やその他からいってなかなか言えないのじゃないかと思いますし、それからあれがたとえできておったにしたところで、果樹その他の問題等については全然適用にならぬわけですから、提案なさったあなたのほうじゃ、そうおっしゃるのはあたりまえだろうけれども、あの改正案ができたからといって、そう大きな私は前進にはならぬと思うのです。それよりも、そこまで農林経済局長が真剣にお考えになるのなら、今農林省でもいろいろ研究しておられる果樹その他の共済の問題等を取り入れた制度を積極的に早くやれるようにしていただきたいくらいなんで、この間の答弁の中でも、いつになったらやれるのだと言ったら、いつになったらやれるかちょっとわからぬと、こういうわけなんです。そういうことでなしに、もっと目鼻をつけて積極的な姿勢をとっていただいたらいいと思うのです。これは答弁要りませんから。
#73
○委員長(辻武寿君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#74
○委員長(辻武寿君) 速記を起こして。
 他に御発言もございませんようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
 委員長(辻武寿君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#75
○委員長(辻武寿君) 速記を起こして。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○委員長(辻武寿君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#77
○委員長(辻武寿君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 次に、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#78
○委員長(辻武寿君) 全会一致でございます。よって、本案は原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、豪雪に際して地方公共団体が行なう公共の施設の除雪事業に要する費用の補助に関する特別措置法案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#79
○委員長(辻武寿君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、昭和三十八年四月から六月での長雨についての天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法の適用の特例に関する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#80
○委員長(辻武寿君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第百四条により本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成、その他自後の手続につきましては、慣例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議がございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#81
○委員長(辻武寿君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#82
○委員長(辻武寿君) お諮りいたします。災害対策樹立に関する調査を従来から調査いたして参りましたが、会期中に調査を完了することは困難でありますので、本院規則第五十三条によりまして継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
#83
○吉田忠三郎君 ちょっとその点、いつもの形式的に、毎回、この委員会はそういう慣例かもしらぬけれども、やはり問題が起きて初めて現地調査とか何とか、これでは僕はいかぬと思う。ですから、少なくとも閉会中といえども特別委員会でも調査できるし、とりわけこの奄美大島の地域についても、これは今数分前にここで附帯決議などをつけようとした問題なんですよ。こういう地域が明らかにあるわけですから、本委員会としては、当然日取りをきめて委員を派遣して調査をすべきなんです。私はこれを動議として提案します。現実にこういう問題が起きているでしょう。あなた方今これを数分前に附帯決議として、奄美大島地域における本年四月以降の旱魃何々というようなことを書いてある。こういう問題がある、現実に。ないんじゃない、あるのだから、当然委員派遣をして調査をする、こういうことにしなさいよ。
#84
○米田正文君 要するに、委員長の今言っているのは、休会中に調査を継続してやろうという趣旨ですから、今言っている意見はこの中に含まれることですから、それは異論はないことだと思います。そのほうを先にひとつきめていただいて、その上で、どこに行くとか、どういうものを調査するとかということはあとの協議に願うことにしたらよろしいと思うのですが……。
#85
○吉田忠三郎君 あなたのそういう考え方じゃないから、僕は言っているのです。これは問題が起きたら調査するのだということになっている。そういう話なんだ、さっきから理事会の中で。だから、僕は、こういう現実に、問題は、数分前に本委員会で、決議しなきゃならぬと、こういうことを出しておいて、そういうことをやっておるところに、僕は問題があると思う。
#86
○森八三一君 一応きょうで国会は終わるわけですから、閉会中における当委員会の行動については、議長にそれぞれ委員会の決議をもって要求書を出しておかなければなりませんから、そのことはそのことで御決定を願って、それから今御発言のその内容をなす具体的な調査等については、これはここで討論してどうするということがよろしいか、またそのために、理事会という存在もあるわけでございますから、引き続き理事会で十分御検討願って、決議をした閉会中における調査について、具体的にいかようにすべきかということを御相談願うということが、私はこの際の措置としては一番いいと思う。
#87
○吉田忠三郎君 委員会の運営上の話としては、それはそれでけっこうだと思う。ですけれども、今後ひとつ自民党の諸君もまじめになっていただきたいのですが、わずか数分前に――これをあなた方読んでいますか、これは今私の反対によってこれを撤回したんだけれども、地域をきめて、政府は奄美大島地域における本年四月以降の早魃による農産物被害の激甚何々という短文の決議文をここに提案した――理事会に、こういう特定の地域を出してやってはいかぬと、僕はこういうことになっていろいろ議論したけれども、結果的には中身は意味のないようになったから、撤回すべきだということになったんですが、だから、こういう特定の地域を決議しなければならないという問題があるならば、何も理事会でやらないで、具体的に君たちのほうで知っているはずだから、これは当然委員会の運営として、委員会でみんなが民主的に討議したり、相談したり、検討して物事をきめるということが一番いいことじゃないかと思う。それが本来の委員会の運営のあり方だと僕は思う。だから僕は言っている。あえて、先生が言われるように、理事会でやるということについては反対するわけではない。筋道としてはそうであるけれども、そういうことに対しては私の言うのが筋ではないか、常識ではないか――こういう問題というものは。
#88
○森八三一君 僕の申し上げているのは、具体的に、今例示されているものもあるし、その他にも調査を要すべきこともあると思いますので、そういう一切を含めて理事会で十分御討議を願ってやるということが、この際としては一番ベターではないかと思うわけでございまして、そういう計らいを願ったらどうかと思います。それで、あとで委員会が開かれますれば、もう一ぺん委員会に諮ってその協議の結果を御報告願うことが必要だと思いますが、その時間的余裕がないということだと思うのです。ですから、この場合の扱いについては、理事会で今後よく御相談願うことになりますから、委員長に御一任し、内容としては理事会で十分討議を尽くしてやってもらうということにして、委員長に御一任するということがこの際としてはいいと思うのです。
#89
○吉田忠三郎君 とにかく、こういう問題は、常に形式的にやるということには、この際反省すべきだということを僕は言ったのです。
#90
○委員長(辻武寿君) それでは、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(辻武寿君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 なお、報告書の内容及び手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#92
○委員長(辻武寿君) 御異議ないと認めます。
 よってさよう決定いたしました。
  ―――――――――――――
#93
○委員長(辻武寿君) 次に、委員派遣についてお諮りいたします。
 閉会中の委員派遣につきましては、委員長にその取り扱いを御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#94
○委員長(辻武寿君) 御異議ないと認めます。
 よってさよう決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後一時十九分散会
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ソース: 国立国会図書館
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