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1962/03/07 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号
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1962/03/07 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号

#1
第043回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号
昭和三十八年三月七日(木曜日)
   午後一時四十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     青柳 秀夫君
   理事
           小林 武治君
           成瀬 幡治君
           中尾 辰義君
   委員
           後藤 義隆君
           郡  祐一君
           斎藤  昇君
           増原 恵吉君
           吉江 勝保君
           秋山 長造君
           小酒井義男君
           林  虎雄君
           基  政七君
           市川 房枝君
  政府委員
   警察庁刑事局長 宮地 直邦君
   自治省選挙局長 松村 清之君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○公職選挙法改正に関する調査(地方
 選挙の実施等に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(青柳秀夫君) ただいまから、公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 公職選挙法改正に関する調査を議題といたします。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#3
○成瀬幡治君 私は、簡単に御答弁願うし、それから、よくわかるようにひとつ説明してもらいたいと思う。
 問題は、地位利用の問題なんですが、特に、今度の選挙法で、現職で立候補ができます。県知事を初め市町村長が現職であるわけです。そのときに、行政行為と、いわゆる選挙運動に関しての行為というものが混同をされはしないか。特に問題になりましたのは、例が悪いですけれども、たとえば宮城県で、県知事が、あるいは会館を建てた、あるいは橋を竣工したといって、名前入りの手ぬぐいを配ったり、あるいは、ふろしきを配るということは、そのこと自体、私は全部悪いと言うわけじゃないけれども、たとえば、案内状を出して、それに参画、出席をざれた人、あるいは案内状を出したけれども、それに参画を、出席をされなかった人に、あとから送り届けるというようなことはいいと思うのですよ。これが全町村、全体に配られる、あるいは地域全戸に配った、お祝いだからこれは差しつかえないのだという解釈も成り立つかと思いますけれども、その辺に関しては、どういうふうに行政指導上やっていっているのか。まず自治省のほうから先に考え方を承りたい。
#4
○政府委員(松村清之君) 今お話がございましたように、現職の地方団体の長が選挙に立候補しようとする際に、いろいろ知事あるいは市町村長としておやりになることが、選挙運動との関連において、問題と考えられるような事例もないことはないと存じます。ただ、この問題は、法律問題としては非常にむずかしい場合もあると存じますが、知事や市町村長が、従前の例として、あるいは他の地方団体等の例から見まして、同じようなことをいろいろな行事においてやっております。でありますならば、また知事、市町村長が行事の際にいろいろなものを配る、こういうことが議会できめられた予算の執行としてやっておられますような場合においては、一般的に、これは知事、市町村長の行政というふうに考えてしかるべきではないかと思います。
 ただ、法律論としてはそういうことでございますけれども、私ども公明選挙を推進する立場から申し上げますれば、李下に冠を正さずという言葉がありますように、選挙を控えてそういうことをされることは望ましいことではございませんので、できるだけ自粛していただくようにお願いしておるのでございます。知事、市町村長さんの中には、毎年やっているようなことでも、選挙を控える際には、特にそういうことをやめるという方も実際私は知っております。しかしこれは、万人にそういうことを求めることは、きわめて選挙という性格からして困難でございまして、結局毎年やっているようなこと、他の地方団体がやっておるようなことでありますならば、これはやむを得ない行政上の行為として認めざるを得ない、まあそういうふうに考えております。
#5
○成瀬幡治君 わかったようなわからぬような話で、どうも困るのですが、あなたは、今お聞きしますと、他の市町村長がやっておったらいい、それからもう一つは、毎年やっておったらいい、もう一つは、予算計上等がしてあればいい、こういうお話ですが、その予算のほうから話しをしましょう。
 たとえば、全町民に手ぬぐいを一本配るからという、そういう格好で予算計上がされずに、大づかみに、記念品として百万円計上した、その百万円の計上は百人を呼ぶのだ――百万円に対して百人というと一万円ぐらいのものになってしまうから、ちょっと例が悪いですが、百人を呼ぶために十万円を用意しておった。ところが、選挙があるために、今度は千円のものを五十円に下げて、そして全町民にそれを配布するというようなことも、市町村長の行政の権限においてやれることなんです。それから、議会の議決というものは、全員に配るのか、あるいは橋ができたために、そこに記念行事を行なうために、ある何人かという者をお祝いだからお呼びして、そしてその喜びを分かち合うというようなことをおやりになって、そこで記念品を出されることについては当然だから、そういう予算計上をする。ところが、今言ったようなことをやろうとすればできるわけです。だから、予算計上されれば、それをどういうふうに使ってもいいと、そういうことなんですか。だから抜け道は幾らでもあるということを言いたいのです。
#6
○政府委員(松村清之君) 予算計上してあります費用につきまして、これをどう執行するかということは、地方自治団体の予算、会計等のいろいろな規則に基づいてこれをやれば、これは合法的なわけでございます。それと選挙運動に関連するものとは、これは別個の問題だと思います。まあ選挙運動に関連する部面としては、これはなかなかむずかしい問題になる場合が多いわけでございますが、地方自治団体としての一般の慣例というのは、今申しましたように、当該地方団体として毎年そういうことをやっておるとか、あるいは他の地方団体でもそういうことをやっておるというようなことは、これは一つの地方自治体の慣例だと言えると思いますが、そういう慣例に反しないことでありまするならば、これは知事、市町村長の行政の範囲と、まあこういうふうに考えて差しつかえないと思います。ただ、そのときのいろいろな配布した物品、配布した数量等が一般慣習と違った、非常にきわ立ったようなやり方の場合に、これも具体的な事情によって、調べた上でないと判断はつきませんが、まあ問題になるのであって、一般的に行なわれる事柄でありまするならば、これは法律的にいろいろ申すべき事柄ではないと思います。
#7
○成瀬幡治君 私は、一つの町に例をとりまして、そこで橋をかけるとか、学校を作るとか、堤防ができるなんということは、何年に一ぺんとか何十年目に一ぺんのことだと思うんです。したがって、慣習があるとかないとかいうことは問題外です。しかし、その場合に、ふろしきを配るということもひとつやろうじゃないかという予算計上もされたと思うんです。そのときに、たまさか選挙の最中である。で、現職の町長が立候補しておる。だから町長の名前で全部ふろしきを配ってしまった。これは選挙違反だということをむしろ言うほうがおかしいと、取り締まれぬじゃないかというなら、そうはっきり言ったほうがいいんじゃないかと思う。それが何も、よその慣例に従ったらそれがどうだとか何とか、その慣例なんというのは、じゃどこの、隣のもう一つ両隣までいうのか、どこら辺のことを例にされるのか。ただいま申しましたような事柄は、十年に一ぺんか二十年に一ぺんのことなんです。前にやったなどというのは絶対にないと思うのです、そんなことは。だから、そういうことはいいならいいと、この解釈から読んでみて、それは行政行為だと、むしろはっきり言われたらよくて、そうじゃなくて、何かそういうことが取り締まりの対象になるかのごとくおっしゃられることがおかしいじゃないかというふうに逆に思われるのですが、どうでしょう。
#8
○政府委員(松村清之君) 今例にあげられましたような事柄は、当該町村ではまれな事例かもしれませんけれども、全国の地方自治団体を通じて見ますれば、これはしばしばある行事だと思います。したがって、地方団体の状況からいたしまして普通行なわれておるような状態でありまするならば、これは別に問題にする必要はないと思います。今のように、全国の地方団体は、普通参加者だけにやって、全町民に配るということはないのだ、そういうことでありまするならば、これが選挙を控えて全町村民に配るということでありますると、そこで初めて問題として、これが違法かどうかというのは結論としてむずかしいと思いますが、問題として考え得るのじゃなかろうかと、そういうふうに考えるわけです。
#9
○成瀬幡治君 あなたは二つの例を言われましたが、今言ったように、参加者にしか配っておらない所と全員に配っている所と、両方あるのじゃないですか。全国を全部調べているわけじゃないのですけれども、両方があったら、どっちをとりますか。
#10
○政府委員(松村清之君) 両方の例がありますれば、これはどっちでも私は差しつかえないと思います。
#11
○成瀬幡治君 わかりました。それじゃ、逆に言えば、だから、現職の町長が立候補しておる、そうしてそれにタイミングが合うように竣工式をやって、そうして全員に署名入りのふろしきを配っても、それが予算に計上してあれば、何ら選挙違反ものじゃないと、こういうことですね。
#12
○政府委員(松村清之君) そういう具体的の問題になると、なかなか……。
#13
○成瀬幡治君 いや、具体的な問題を聞かなければ意味がない。抽象論を聞いたってしようがない。
#14
○政府委員(松村清之君) いや、それが選挙違反であるかどうかということは……。
#15
○成瀬幡治君 第百九十九条違反かどうか。第百九十九条の中の「特定の寄附の禁止」以下ずっとありますね。それに関連したものになるかならないか。
#16
○政府委員(松村清之君) これは、もう一度繰り返すようでございますが、選挙の時期、それから配った内容、その物の値、そういうものを総合して初めて判断すべき問題であって、これを今、抽象的にそういうものが違反であるかどうかということを断定するのは、その他いろいろな事情を勘案して初めて結論づけられるのであって、ここではっきりともそういうものは違反だ違反でないとかいうことは、これは明確にお答えすることはできないと、かように考えております。
#17
○成瀬幡治君 いやいや、僕は少しも抽象論じゃないのですよ。具体的に言っている。期日は選挙期間中と言っている。現職の町長として、ふろしきというのは大体百円から百五十円、全町民に配っている。たとえば、それは学校の竣工式、あるいは橋がかかった竣工式、明確に言っているわけです。何も抽象のことを言っておりません。あんたがぼやかしておる。私は非常に具体的に聞いておる。それは違反か違反でないか、こう言っておる。
#18
○政府委員(松村清之君) これは違反であるかないかというのは、具体的に取り締まり当局のほうの判断に待たたければならないと思いますが、そういった事項のほかにも、まあ当事者の意思とか、そういった事柄もやはり調査して、あわせて考えるべき問題であって、ただこれとこれとがあったから直ちに違反であるとか違反でないとかいうことは断定できない、こういうふうに今申し上げておるわけでございます。
#19
○成瀬幡治君 あなたは、私がこのくらいはっきり言っておるのに、なお調べなければならないと言うのはおかしい。竣工式だと、予算にも計上してあるということはしっかりおわかりですね。期間は選挙運動の期間中だと、しかも、現職の町長が立候補している。学校が建った。これは三十年目に一ぺんだと、それで、全町民にふろしきを一枚名前入りで配ったと、どうなんですか。あなたのほうでこの解釈がいいか悪いかぐらいのことを言えなくては、何のために選挙局長をやっておるかわからない。
#20
○政府委員(松村清之君) いや、私どもは、そういう場合には、役所としての立場からは、選挙運動期間中であるし、そういう品物を全町村民に配るということは、選挙法の上に照らしていろいろ問題があるからやめるように、こういう指導をしているわけです。ただ、そういう指導はしておりますが、はたしてそういうことをやった場合に、それが法律に違反するかどうかということは、私はそれだけのことで断ずるわけにはいかないと思うのです。そのときの事情で、一体本人たちがどういう意思でやったのか、そのような竣工式をわざわざ選挙運動期間中を選んでやったのか、あるいはどうしてもその時期にぶつかったのか、そういういろいろな状況を考えて、初めて選挙法違反という断定が下せるのではないかと思います。したがって、ただ選挙運動期間中であるということとか、配ったとか、現職の町長が立候補したとか、それだけで私は断定できない。ただ、そういうことが適当でないことは、これはもちろんでございますから、そういうことがある場合には、私どもとしては、これは取り締まりの当局ではございませんから、指導的には、そういうことはやめるように、選挙が済んでからでもやるように、こういう指導はいたしております。
#21
○成瀬幡治君 竣工の期日をいつ持っていくぐらいのことは、入札の関係であり、町長と請負の関係なら、選挙期間中にしようが、それを一カ月ぐらいずらせようが、前にしようが、契約ですから、頭に入れておけば、いつでも正々堂々と選挙期間中にこれが竣工ができるようにすることは私は可能だと思うのです。ですから、それは善意とか悪意ということは別にして、そういうこともぴしゃっと契約どおり、選挙とは無関係にやれると思うのです。また、やったということが言えると思うのですよ。だからそういうふうに、選挙とは無関係にやりました、そういう場合にどうですか。あなたがいろいろとおっしゃるけれども、私は、いろいろの条件というものはないんですよ、はっきりしていることなんです。
#22
○政府委員(松村清之君) そういうふうに、仮定でございますが、もう竣工の期日はきまっている。それから、竣工式をやるのも、大体慣例として、でき上がった時からどの程度でやるかということもきまっておる。そうして当事者も、選挙に無関係でやるのだ。こういうようなことが前提になりますれば、今おっしゃった寄付禁止の問題、これはともかく選挙に関しと法律に書いてあるわけでありますから、選挙に関しないということがはっきりいたしておりますれば違法ではございません。
#23
○成瀬幡治君 だから、あなたのおっしゃるのは客観的なものではなくて、非常に主観的な解釈になってくると思うのです。それは本人の、町長の心がまえの問題になってくると思う。だから、そういうようなことは何をやっても差しつかえないんじゃないかという解釈になって、むしろ取り締まりのほうがそれはおかしいおかしいというのが、おかしい意見のようになってくると思う。もし悪意があっても、善意に強弁すれば幾らでも強弁ができるわけです、寄付の禁止の問題については。だから、取り締まりのほうの関係にもお聞きをしたいと思うのですが、これはどういうふうにおきめになるわけですか。
#24
○政府委員(宮地直邦君) 一般論として申し上げますと、警察としては、今自治省から言われた趣旨はごもっともだと思いますし、ただ、われわれの立場からいたしますと、適当であるか不適当であるかということでなくて、公選法に違反するか違反しないかという観点から事態を見ておるわけでございます。知事の選挙、あるいはこれは町長の場合もあろうかと存じますが、特に知事の仕事と申しますか、というものはわれわれの仕事ともやや違いまして、非常に広範囲な総合行政を担当する責任者、したがって知事の職務行為、仕事というものは、必ずしも法律的に明確にできない面があるということは、これまた事実でございます。したがって、選挙局長が申されましたように、われわれといたしましては、そういう地方の行政の責任者の仕事の範囲というものは、法律にある場合につきましては、もう疑いはいれませんけれども、社会通念に基づいて、その範囲を事実上われわれのほうで客観的に判断をして参らなければならない。その資料として、全国的な問題もございましょうし、その地方においての従来の例というようなものも一つの判断の資料となろうかと存ずるのであります。で、そういうふうにあらゆるこういう職務の範囲が法律で明確になっていないというようなものにつきましては、多角的にその実態を総合的に検討して、われわれのほうは、その知事の正当な職務行為であるかどうかということを検討を加えるのでございます。したがって、言いかえますというと、知事の名前でやることならば何でもいいというようなことではございませんで、やはりその行為が特定の選挙において投票を得る目的で行なわれたかどうかというところに焦点を合わして事案の真相を究明する、こういう態度であるのでございます。
#25
○成瀬幡治君 あなたは客観的とおっしゃるが、客観的に少しもなってないですよ。それは主観的になってしまうのですよ。だから私は、ある人はやられる、ある人はやられないというえこひいきな検察行政が行なわれ、警察行政が行なわれるということを心配して言っているわけです。ですから今、先に例をとりましたように、契約で竣工式を持ってくるということは、これは、知事であろうと市長であろうと、そういうことは合法的にできるわけです。しかも、申し開きがちゃんとできるようにできます。それから、配ったものも、例としては、今言ったように、学校の竣工なんということは二十年目に一ぺんか三十年目に一ぺんで、そう例のあることではない。しかし、隣の町は参加者だけに配った、ところが、片方の町のほうは全町民に配った、そういうことになっておった。それから、予算は大づかみに組んでありますから、これを全町民に配るか、それとも参列者に配るかなんということは審議していないのですよ。実際、御案内のとおり、議会でそんなことはやっていない。立案するほうも、やはり普通でいうなら、その予算の要求書を見れば、全員に配るなんというやり方ではなくて、これまたごまかそうとすれば幾らでもごまかせます。これは、いや全町民に配るためにこれだけの予算を計上した、これまた言えるわけです。ですから、そうなってくると、選挙期間中に、竣工式にふろしきを配っても、これは違反ですといって取り締まるほうがむしろ無理になってこやしないか。それを何か、いかにも取り締まれるかのごとくおっしゃるから、私たちも言いたくなるわけです。何か、いやそうじゃないのだ、これは案内状を出して参加者だけにしかやらないとか、あるいは選挙期間中にそういうことは前例がないからやめてもらう、選挙期間中にやったものは取り締まるのだとか何とかということを、基準を明確にされるならばいいですけれども、そこらあたりの風習や何かでやるとおっしゃるから、どうもわからなくなってくる。こういうことなんです。
#26
○政府委員(宮地直邦君) その点でございますが、たとえば、選挙運動期間中におきましての文書の配布のところの条項に、運動期間中に入りますというと、候補者その他家族の者は一切あいさつ状を出せないという規定がございます。こういうふうになっておることになりましたら、われわれもはなはだ取り締まりにつきましては、客観的水準があるのでけっこうだと思うのですが、これは、われわれのほうにおきましても、その実態が明らかでありませんために、今申したようなことを申しておるのであって、それは、なるほどわれわれのほうも、一末端の警察官の判断におきましてそういうことをやらせますというと、多分に主観的になるおそれはある。したがって、さような事件におきまして主観において判断されないように、これは警察組織において考えるように指導いたしておるのでありまして、組織において考え、少なくとも客観性を保つようにわれわれのほうは運営している。これは、決して警察官が好んで今申されたように主観的に判断をするのでなくて、選挙法の構成上そういうふうな判断を警察官はせざるを得ない。すなわち、ふろしきが配られたことがいいか悪いかという問題ではなくて、問題点は、特定の選挙において投票を得、または投票を得せしめざる目的をもってさような行為をしたかということの認定の資料としてそれらの事例が上がってくるから、今申したようなことを申して、必ずしも御満足いかないかと思いますが、それは、その客観性を保つことに、われわれ今選挙違反取り締まりについて非常に苦労をいたしているわけなんです。
#27
○成瀬幡治君 選挙期間中に、町長の名前で、現職町長で立候補するとかの場合に、ふろしきを配ったほうが、その町長にとって有利か不利か、あなたはどう思われます。一般的にどうですか。
#28
○政府委員(松村清之君) これは、その住民の水準にもよると思いますけれども、今の日本の現状から考えますれば、やはり有利になるのじゃなかろうか。こういうふうに考えます。
#29
○成瀬幡治君 有利なんです。だから、配るということは、あなたのほうの関係で、局長の話を聞いておると、投票を得ることが有利になるというなら、それはもう知的水準からいって、日本の選挙の水準からいって、配ったほうが有利にきまっているのですよ。それなら、みんな選挙違反だという格好でとらえなければならない。どこに基準を置くべきかということを明確にしてもらいたい。私はこう言っておるわけです。どっちにせよと言っても、それは無理かもしれませんけれども、有利になることはきまったことなんですよ。それがもし法的の解釈で、いろいろなことができないというなら、何かのここでひとつあなたのほうで取り締まりのほうとよく打ち合わされて、選挙期間中に、たまさか竣工式とかがあっても、そういう場合に、やった場合には、どう抗弁されても、選挙に有利にしようとする潜在意識があるものとして必ずこれは起訴する、送検をするよということを一本おっしゃるなら、私はそれでもいいと思うのですよ。それを何か、あっちに持っていったり、こっちに持っていったりされるから、さっぱりわからなくなる。こういうことなんです。どこかでものさしだけはしっかりしてもらいたい。こういうことです。
#30
○中尾辰義君 それに関連しまして、今の場合は、町長とか知事とか市長の場合ですが、今度は民間の場合に、かりに候補者が家を建てて落成式をやった。ここで、その人の社交によって違うでしょうが、五十名なり百名なり、あるいはひどい人は五百名呼んだ。そ、うして社交の程度で折詰か何か出してやったと、宴会をやったと。これはどうなりますかね。この点について選挙法上違反であるかないか。前回の場合はふろしきですが、私の場合は折を出して、ふろしきが折に変わっただけの話ですがね。同じようなことが言えるのじゃないか。
#31
○政府委員(宮地直邦君) 今の中尾委員の御質問でございますが、これは、時期によって二つに分けて考えなければならないと思います。選挙立候補届出以前の問題につきましては、さような場合におきましては、事前運動となる場合もあるということでございます。事後の場合につきましては買収になる場合もある。いずれもそれは具体的に判定しなければならない問題でありまして、成瀬委員からもいろいろ具体的な例を出されましたけれども、これは、われわれのほうの捜査といたしましては、確かにそういう点は捜査のきめ手の大きな資料かと思いますけれども、われわれのほうの捜査において、それをもって直ちにこれが公職選挙法違反ということの十分の条件にならないから、今のように具体的例を申されたけれども、そのほうがそれだけでは違反にならないとお答えした次第でございます。ですから、今の御質問につきましても、やはりその置かれた状況というようなものをさらに個々別々に判定せざるを得ないのが現在の公選法だと私たちは存じておるのでございます。
#32
○中尾辰義君 それで、その折の上に候補者の名前が書いてあった。そうしたら、それが選挙と関係なしにやったとした場合に、はたしてそれが選挙に有利になるかどうか。これはさっきの問題と同じです。
#33
○政府委員(宮地直邦君) 私のほうでは、選挙に有利になるか不利になるかという問題ではなくて、投票を得または投票を得せしめざる目的をもってやっておるかということで、その名前を……
#34
○成瀬幡治君 これは幾らやっても水かけ論で、変な話になってしまうから、どう見ても、私はほんとうに警察行政というものがえこひいきになると思うのです。ですから、こういう問題については、どうせ取り締まり本部等をいろいろ設けられたときに、いろいろな基準をおきめになると思うのです。そういうときには基準をきめられたら、との解釈はこうなんだということを、やはり自治省はこれにお出しになったものは選挙前に出された一つのいいことだと思うのです。ですから、親切にやってもらいたいと思うのです。そうでないと、おかしなことに実はなる。この問題について、ひとつ今後一ぺんよくお話し合いを両者でやっていただきたいと私は思うのです。そうでないと、聞いておっても、非常に主観的な、客観的客観的と絶えずおっしゃるけれども、野党のわれわれから見ると、非常に主観的に聞こえるのです。
 次にお尋ねしたいのは、バスで立会演説会場や個人演説会場に行かれますが、これはどうなんですか。これは戸別訪問になるかならぬか。
#35
○政府委員(松村清之君) ちょっと、それを具体的にお話し願いたいと思うのですが。
#36
○成瀬幡治君 あまり具体的に言っても少しも具体的と言わぬから……バスで行くということは、偶然に一致するわけがないと思うのです。
#37
○政府委員(松村清之君) だれかが連れていくわけですか。
#38
○成瀬幡治君 貸し切りバスに乗っていくというわけだ。具体的に言っても同じことだ。抽象的に聞いても同じだ。バスに乗っていくのはどうなんですか。
#39
○政府委員(松村清之君) それも、そのいろいろなバスの乗せ方によって違ってくると思います。
#40
○成瀬幡治君 バスで立会演説にいくということは、勧誘しなければだれも乗らぬです。バスの出ることも知らぬですよ。何か作為がなければ、バスをだれかがそこへ持っていって乗せる人がいなければ、そんな合法的にやれるものなら、そういう場合は違反じゃないということを説明して下さい。
#41
○政府委員(松村清之君) ただ立会演説会に出ることを勧誘するだけであって、投票を得ようとしていろいろその人に働きかけるのでなければ、むろん問題になるケースじゃないと思います。ただ、立会演説会を聞きにきてくれという趣旨のものでありますれば、問題にはならないと思います。
#42
○成瀬幡治君 それじゃ、候補者なりあるいは候補者を推薦している団体が、きょう何月何日に立会演説会がありますから、皆さんこのバスに乗って下さい。ただで乗せていきます。こういうことはいいのですね。定期バスじゃないのですよ。臨時バスですよ。戸別訪問の百三十八条第二項。
#43
○政府委員(松村清之君) 一般的に、候補者ないし候補者の運動員の方が、選挙民に、ひとつ演説会を聞きにいって下さい、こういう趣旨でありまするならば、これは個々具体的になると、ほかの条件が重なって問題になるかもしれませんが、一般的には差しつかえない事柄であると考えます。
#44
○成瀬幡治君 だれが自腹を切って、たとえば三千円なら三千円するバスを一台買い切って、ひとつ立会演説会に皆さん行ってくれという奇特な人がおりますか。そこには何らかの意図があるでしょう。無料で送り迎えした、そういうことは通りますか。
#45
○政府委員(松村清之君) 私、ただいま申し上げましたように、一般的には差しつかえないと思いますが、そのときの状況によっては、二百二十一条の第一項第一号に触れる場合もあり得る、こういうふうに考えられます。
#46
○成瀬幡治君 普通立会演説とか、あるいは個人演説会は、これは無条件ですね、いかぬということは。これはどうでしょう。個人演説会に貸し切りバスで乗りつけたらどうなりますか。
#47
○政府委員(松村清之君) これも、立会演説会の場合と同様に考えていいと思います。
#48
○成瀬幡治君 いいですか、個人演説会が。私は心配するのは、百三十八条の第二項でいかぬように思うわけですけれども、個人演説会がいい。個人演説会ならだれだれのものだということはちゃんとはっきりしていますね。演説会に来てくれというのは。
#49
○政府委員(松村清之君) そのやり方が百三十八条の戸別訪問に該当すれば、むろんこれは百三十八条の違反になります。
#50
○成瀬幡治君 個人演説会で、成瀬幡治のきょうは演説会がある、選挙期間中ですね。人に来てくれということは、黙っていちゃだれも来やしない。だれかがどこかで言いふらして歩かたければ、それが一人であるか十人であるか二十人であるかは別として、だれかが伝達しなければ来てくれないわけです。聞いてくれ。これは投票じゃないですよ。顔だけでも見てくれ。入れるか入れないかは別ですよ。そんなことがいいと言われたらみんなやりますよ。温泉に連れていくのと同じです。貸し切りバスで連れていくということは何にも違わない。それは百三十八条第二項に、「戸別に、演説会の開催若しくは演説を行うことについて告知をする行為又は特定の候補者の氏名若しくは政党その他の政治団体の名称を言いあるく行為は、前項に規定する禁止行為に該当するものとみなす。」と書いてある。
#51
○政府委員(松村清之君) したがって、百三十八条の二項というものがどういうことかにかかってくるわけですが、まあたとえば、トラックを停止して、その上で一回、何時から演説会をやるから聞いて下さいと、あるいは、たまたまどこかで立ちどまって、そとで一回だけ、演説会を何時から何学校でやりますから聞いて下さい、こういうことは、との第二項に触れないのじゃないかと思います。ただ、戸別に…
#52
○成瀬幡治君 それは、候補者が車の上でしか演説はできませんね、選挙法で。その言うことは差しつかえないですよ。私の言うのはそんなことじゃなくて、貸し切りバスを借りて、ある村に行って、そうして貸し切りバスに乗っていって下さいと、そうやることがいいか悪いかということです。利益提供にならぬですか。
#53
○政府委員(松村清之君) そういう場合は、利益提供というよりも、おそらく戸別訪問式に演説会の告知をやることに該当する場合が多いのじゃないかと考えられます。
#54
○成瀬幡治君 それじゃ、ちょっと具体的に言いますが、私がある村に行きまして、きょうは成瀬幡治の個人演説会をやりますと、何時から始まりますと、そうして貸し切り――ただのバスです。これに乗って皆さん遠いから来て下さい、こう言って、街頭演説は何べんでもやれるし、やって、そうして何時何分に正確にこのバスを持ってくる、金はもちろん私のほうで払いますけれども、そうして来てもらう。そういうことで、あるいはだれかが内緒でバスを借りて、そこに持っていって、みんなに言いふらして乗ってもらわなければ、そんな所からバスが出るなんというのは告知のしようがないですよ、みんなに。あるいは、たまさかそこに来たから乗りなさいと言って乗せるしかない。そういうことをやることが選挙違反じゃないのだと、やってもいいのだと、こういう解釈なのか。このことはいけませんと、このことはいいとなるのか、その辺はどうでしょう。
#55
○政府委員(松村清之君) ただいま申しましたように、そのような具体的事例の場合には、百三十八条の二項の戸別訪問の規定に違反する場合が非常に多いのじゃないかと、そういうふうに考えます。
#56
○成瀬幡治君 どうですか、取り締まりのほうは。実は、私のほうのある選挙で、個人演説会にバスで乗りつけておられます。私は、これは、だれが何と言ったって、バスでやったということは、個人演説会をポスターで知らしておいたから、それでバスに乗ってみんなが来たというわけです。たまさかみんながぞろぞろと来たら、そこへバスをとめておいて、あなたどこへ行きやすと、あすこの演説会に行くのだ、それじゃお乗りやすと、こう言って車に乗せていっている、だれかが、バスを提供しておる人があると思います。したがって、私はこれは選挙違反だと思います。あるいは、そうでなければ、何時何分にだれかの演説会へバスを出しますから、皆さん乗ってやってくれ、こう言って連れていく場合、そうでなければ、そんなことが偶然の一致として起こり得るはずはないと思います。
#57
○政府委員(宮地直邦君) やはりその場合に、その実態というものによりまして判断いたしますが、その場合におきましては、その集める方法において、戸別訪問の場合もあり、さらに利益提供という場合もあると存ずるのでございます。
#58
○成瀬幡治君 これはやはり、バスにただで乗せれば利益提供でしょう。
#59
○政府委員(宮地直邦君) 今申し上げましたように、利益提供となる場合もある、こういうことであります。
#60
○成瀬幡治君 場合もあると、ならぬ場合がありますか。ならぬ場合があるなら、それは聞いておかぬと、参考のために。
#61
○政府委員(宮地直邦君) ただいまそういうふうに申しましたのは、たびたび御議論になりましたように、選挙法の……
#62
○成瀬幡治君 例があるなら言って下さい、こういう例があるということを。
#63
○政府委員(宮地直邦君) われわれのほうでそういうふうに申しますのは、なる場合があるというのは、私が先ほど申しましたように、選挙運動のためなら違反になる、こういうことなんです。
#64
○成瀬幡治君 それは、立会演説会または個人演説会と、はっきりしているのです。前提ははっきりしているのじゃないですか。
#65
○政府委員(宮地直邦君) 一般的に、われわれのほうで事件を具体的に見ませんというと、選挙法の規定というものが非常に抽象的に書かれている部分があります。そういう場合がありますから、単にある特定の現象面だけを申されてもお答えができないために、さようなお答えをしておるので、われわれのほうもそういうふうなお答えをしなくともいいように、選挙法が具体的にあれば、これは非常に幸いだと思うのでございますけれども、選挙法の構成上そういうようなお答えをしたわけです。
#66
○成瀬幡治君 非常にぼやっとした話ですが、そんな個人演説会なんかに、偶然に貸し切りバスがひとりで走っているはずがない。もちろん偶然に乗るはずがないのです。そういうことが偶然にあり得るということが想定できますか。
#67
○政府委員(宮地直邦君) それは、仮定の問題についてそういうことを申すことは困難で、そういう点は、われわれのほうは捜査の焦点とするわけなんです。偶然であるか偶然でないか、そういうものを捜査の重要なポイントとするわけです。
#68
○成瀬幡治君 もし貸し切りバスに人を乗せていったことは利益提供になりますか。なりませんか。
#69
○政府委員(松村清之君) 私からその点お答えいたしますが、これは、実例といっても、法律違反かどうかを裁判所で断定したわけではありませんが、私どもの扱いとしては、一般的に有権者をバスで演説会場に運ぶということは利益供与になるという、そういう扱いでおります。
#70
○成瀬幡治君 それでいい。私もそう思う。そうでなくて、ほかのことがあると言うからわからなくなる。そこで、私非常に不愉快に思うことは、これは、どこの県と言うことは、差しつかえがありますからやめますが、必ず、立会演説会場に行きまして、バスなんかが何台もあったら、これは、警察官はやっぱり積極的に、そういうものは何で来ておるか、どうして来ておるかということを調べてもらいたいと思うのですね。実際のことを言うと、そのことについてあれこれ言われないというのは非常に残念だと思うのです。それを、バスなんか偶然に、いかにも合法的に乗せてくるようなことがあるとするならば、私らにもひとつ参考に聞かせてもらって、これからやらんならんと思う。こういうことは何ですか。貸し切りバスにただで乗せて、それで選挙違反にならないということがあったら、ひとつ具体的に御説明願いたいと思う。教えてもらいたいと思う、どういう場合はいいのだということを。
#71
○政府委員(宮地直邦君) もしもそういうように疑わしい場合がありましたときには、もちろん警察官としては、その事実について調査するように指導いたします。
#72
○小酒井義男君 AとBと二人の候補者があって、私は、どっちの候補者の応援も表面だってはしておらぬ。ところが、Aの候補者に対して好意を持って、そこで、バスを頼んできて、演説会がたまたまあったから来てやってくれと言って連れていったらどうなりますか。
#73
○政府委員(松村清之君) 今の場合は、私が先ほど一般的に利益供与となると言うのは、個人演説会を前提として申し上げたのでありまして、その演説会が立会演説会となりますと、これまた問題が違ってくるのじゃないかと思います。立会演説会になりますと、これは他人の演説も聞くような場面も出て参りますから、その場合に、一律に利益供与と断定できるかどうか、この場ではっきり申し上げかねますが、先ほどのは、個人演説会というのを前提にして、利益供与になる、こうお話し申し上げたのであります。
#74
○小酒井義男君 立会演説会ならいいのですね。
#75
○政府委員(松村清之君) そこまで問われますと、非常に具体的にむずかしくなりまして、立会演説会の場合には、その当事者だけの演説でなくして、他の者の演説も聞く、こういうこともあり得るわけなんでございます。そこで、そのときの具体的ケースによって、それこそ実情に即して判断せざるを得ないと思います。
#76
○小酒井義男君 こういう場合はどうですか。今話しておいたように、立会演説会にAとBの二人の候補者が演説をやりますね。Aの候補者の演説を聞いて、同時に、バスで行った連中が直ぐ退場をして帰ったということになると、これはどうなります。
#77
○政府委員(松村清之君) そういう場合でございますと、これも、ここではっきり私はこうだと申し上げることはできないのですが、まあその本人の演説だけを聞いて、他の者の演説を聞かないで直ぐ帰るということでございますれば、先ほどの個人演説会の場合と同様に考えられるのじゃないかと思います。
#78
○小酒井義男君 あなたのほうの見解はどうですか。同じですか。
#79
○政府委員(宮地直邦君) 同様でございます。
#80
○成瀬幡治君 私は、まだほかにそういうような問題を聞いておって、かえってあやふやな、お宅のほうが明確にならぬ。私はほんとうのことを言うて、バスなんかに、そんなものは絶対にない。貸し切りバスは違反ですよ。それが違反じゃない場合があり得るなんということを想定するのはよほどおかしいですよ。ですから、そういう場合は、私はぴしゃっと取り締まってもらいたいと思う。いや、そうじゃないのだ、こういう場合があるから、それは合法的な場合があり得るのだと、もし想定されるなら、私はもう一ぺん局長から、こういう場合にはいいのだという御説明が承りたい、こういうようなものがあり得るのだということを……。
#81
○政府委員(宮地直邦君) 今直ちに、こういう場合はいいという場合を私はちょっと考えがつきません。ただ、選挙法上の問題として、今言った、いいという場合を想定してお答えを申し上げたのじゃなくて、違反となり得る場合が非常に多いのだ、なる場合が多い、こういうのは違反にならない場合があるという想定でのお答えではございません。
#82
○成瀬幡治君 日本語ですから、あなたがおそれなしとせないとするなら、逆に、選挙違反にならない場合もありますよ。含みのある言葉に聞こえますよ。
#83
○政府委員(宮地直邦君) 今申しましたのは、非常にいろいろな場合が想定せられると思う。責任あるものとして、もう少し検討いたして、あらゆる角度から検討いたしませんと、そういうバスの貸し切り、どういう問題ということをいたしませんと、直ちに断定し得ないために、そういうお答えをいたしたのであります。
#84
○成瀬幡治君 わかりました。それじゃ、またこの委員会もございますから、こういう場合は貸し切りバスで行っても選挙違反にならないという点を具体的にひとつ御例示が願いたいと思います。
#85
○小酒井義男君 ちょっとお尋ねをしておきたいのですが、実は、従来の選挙で、選管と警察と検察庁と、三者の間に、たとえば自動車を使っていいか悪いかというようなことに対する解釈が食い違うことがあると、こう言うのです、地方へ行きますと。それで、今回の場合、そういうことがないように、関係者間の見解の統一をしてもらいたいという意見が地方へ行くと強いのですが、こういうことはもうできておるのですか。
#86
○政府委員(松村清之君) この点は、こういう問題でございます。昨年暮れの選挙期日を統一する法律によりまして、知事と五大市長以外の選挙では、すべて小型貨物自動車を選挙に使用できるように特例として法律が制定されたわけでございます。その小型貨物自動車を使えるということにつきましては、これは、従前の法律にも、改正前の法律にもあったわけですが、選挙法の解釈としては、小型貨物というのは、自動車の種類としての上限を、上を示してあるのであって、小型貨物自動車以下と考えられる。たとえばオート三輪とか、そういった種類のものは、小型貨物自動車が認められている以上は、これは当然認められるのだという解釈で長年やってきておったわけでございます。ところが今度、この問題をめぐりまして、これはまあ警察の中でも交通担当のほうで、小型貨物自動車と書いてあって、軽自動車というふうに書いてないから、小型トラックはいいけれども、オート三輪のようなのは法律解釈として入ってこないのだと、こういう意見があったのでございます。そこで、今おっしゃいましたような問題が地方で起きまして、そこで私どもは、先般来警察庁のほうと十分打ち合わせまして、選挙法上の解釈としては、小型貨物自動車と書いてあるのは、当然軽自動車も含まれてくるのだと、こういう解釈の上に立って、交通警察のほうでも処理していただくと、こういうことにきまりまして、三月五日に、自治省並びに警察庁から末端へそのことを通知しておりますので、この問題は解決すると考えます。
#87
○小酒井義男君 非常にそうやっていただければ、末端の混乱は解決がつくと思いますが、あれはどうなるのですか、ミゼットというのは。
#88
○政府委員(松村清之君) ミゼットも当然、小型貨物自動車を認められている以上は、オート三輪同様認められるわけでございます。ただ、ここでお断わりしておきたいと思いますのは、これは私の推測であって、交通担当の方の御意見を伺わないとわからないのでございますが、交通事情によっては、今、公選法で、トラックには五人でしたか、そこまで運動員が乗れるようになっております。そこで公選法では、五人運動員が乗れるから、ミゼットにも五人乗っていいかと、こうなると、これは、交通警察の立場から、ミゼットのような小さなものに五人を認めるわけにはいかぬ。二人ぐらいにしてくれ、こういうことが実際の扱いとしてあり得るかもしれません。このことをお断わりしておきたいと思います。
#89
○小酒井義男君 当然だと思うのです。定員が大体車種によってきまっておりますから、そういう点では、やはり実情に合うようなことをやられると思いますが、三月の五日ですか、これの通牒が出ましたのは。
#90
○政府委員(松村清之君) 三月五日に発送しておりますから、もう着いておるころと思います。
#91
○小酒井義男君 どうもありがとうございました。
#92
○林虎雄君 利益誘導ということですが、最近、特にまあ知事選挙がずっとありましたが、私も一、二カ所行って実情を見たものでありますけれども、今、成瀬さんその他からお話のありましたように、知事であるとか市町村長であるとかというものが再び三たび立候補するというような場合は、何といいましても常識的に強いと、いわゆるハンディキャップがあるというふうに思われるわけです。私も少し経験がありますので、そういうふうに考えます。ところが、いろいろ利益誘導の問題については非常に疑わしい点がありまして、まあこの点をお聞きいたしたいと思います。特に、政府の高官が応援に参りましての演説の内容というものがですね。午前中も、地方行政の委員会でいろいろ議論があって、そうして篠田大臣からも明快な答弁があったわけですが、どうも、中央と直結するとかというようなことが、きわめて抽象的で、何でありますけれども、実は、二月二十八日と三月一日のNHKの選挙に関する座談会がありまして、ごらんになったかどうか知りませんが、それは、たまたま宮城県知事の選挙を告示から終盤まで、ずっとあとを追って、まあ参考に供しながら、学者の――最初の日は長谷部忠、辻浩明二人の方の座談会があり、その次には、京都の知事、新潟の知事、その他古井さん、そうして阪上さんなどの座談会があったわけですが、そのときに、私の見たのは二人の大臣、これは必要があれば申し上げますけれども、二人の大臣の演説の片鱗が画面に映ったのです。そのときに、二人が言うことには、新産業都市を仙台周辺へ持ってくると、指定するという場合に、この候補者を当選せしむることが、当選せしめれば持ってくると、だから反対の人を当選せしめれば持ってこないということは言いませんけれども、まあその反対な考え方として出ると思います。そこまでかなり露骨に言いましてですね。そうして学者連中が、これは利益誘導演説ではないか、あんまりはなはだし過ぎるというふうに言っておったんですが、局長、これはまあ具体的に、その今の新産業都市という点は言ったんですが、あと演説の全部を聞いたわけじゃありませんから、私もはっきり断定はできませんが、そういうことは、私は政府として行き過ぎではないか。中央と直結するということは、行政府としての政府と、そうして府県あるいは市町村というものは、当然機構的にまあ直結か、結びついているか、とにかく関係はありますけれども、自民党と直結するということに演説はなっていくような感じがするわけですね。これは、この利益誘導ということに関連して、どういうふうなお考えになっておるか。解釈をいたしますか。
#93
○政府委員(松村清之君) そういうことは適当でないかどうかという問題になりますと、まああまり適当でないようにも考えますが、法律に照らして、利益誘導との関係でどうなるかということになりますと、まあ利益誘導というのは、非常に具体的に事柄を示して、選挙民に利益を供与するというような、たとえば、この道路を直してやるとか、あの橋をかけてやるとか、こういうふうに物事が具体的になりました場合は、これは明らかに利益誘導になるのでございますが、今のように、まあ新産業都市を持ってくるというようなことになりますと、非常に問題が抽象的で、はたしてそれが利益誘導になるかどうかということにつきましては、ここで何とも申し上げかねるのでございます。
#94
○林虎雄君 新産業都市というのは、橋や道路よりももっと大きな利益だと思うのです。また、抽象的というか、いろいろありますから、新産業都市にはいろいろ予算関係があって、非常に膨大なものがあるから、抽象といえば、そういう言いのがれをされるかもしれませんけれども、単なる道路、橋梁を作ってやるとかやらないということよりももっともっと大きなそれは利益誘導だ。ですから県民は、聞いた者は、なるほどというふうに思わざるを得ないと思う。ですから私は、やはり公明選挙ということでいく以上は、これは、あなたのほうへ注文するのも無理ですけれども、政府も、やっぱりハンディのあることを承知しながら、同じ出発点に、スタートに立って競走するということでないと、選挙はますます私は泥沼へ陥るおそれがあるということを非常におそれるわけです。
 それから、さっき成瀬さんからもかなり深く質問されたわけですが、ふろしきあるいはのれんを配りたという点について、大体局長の御意見を承ったわけですが、私も実は知事選挙を三度ほどやりましたが、私ども、当然ハンディキャップがあるからということで、できるだけそういうものをはずさなければいけないと思いまして、選挙のときなどは、もちろんそんなものを配ったことはありませんし、記念品を配る場合もありますが、その場合には、私は名前を入れないで、長野県なら長野県という名前でやっておけということで、おそらく長野県でいろいろ記念品を配った事例はたくさんあると思いますけれども、自来今日も、知事名を使って、名前まで書いたというのは、長野県じゃ例が少ないのじゃないかと思いますが、何も知事が、あるいは市町村長が、自分の自腹を切ってふろしきを配るわけじゃないのですから、その市の、あるいは県の予算によってやるのですから、記念品ならば、その程度にしておくことがいいのじゃないか、そういう指導をされるお考えはございませんか。
#95
○政府委員(松村清之君) そういうような事柄が一般の慣習として行なわれておるにいたしましても、選挙を控えた時期におきましては、やっていただかないようにということは、従来からも申し上げておるところでございますが、今後ともそういう点につきましては、一そう努力を払って参りたいと思います。
#96
○林虎雄君 指導はよくされると思いますけれども、大体そういう記念品、つまり選挙運動にまぎらわしいような記念品を配るということに対しまして、たとえば、選挙前半年前とか一年前とか、その以後はそういう行為を遠慮すべきだというような、そういう指導はするお考えありませんか。
#97
○政府委員(松村清之君) 今までは、その時期を限って地方のほうへ申し上げたことはございませんが、そういうことも今後考えてみたいと思います。
#98
○林虎雄君 少なくとも一定の期間があれば、よほどの誤解はとけると思います。宮城県知事の例ばかり引いて恐縮ですけれども、大体ふろしきを六万点ほど配った。たまたま私も宮城県に行って、あのとき選挙に行ってきたのですけれども、どうも六万票というハンディキャップがあるから、それを埋めなければいけないというので、野党の側ではとても苦労しました。ところが、あけてみたら五万票違っていたから、その程度ハンディがついたような感じがするわけで、事実はそうかどうかわかりませんけれども、とにかくそういう公正を期すということについては、自治省のほうでもよほどしっかり指導をしていただきませんと、選挙に勝つためには、だれも手段を選ばないという心理になることはよくわかりますけれども、それでは選挙がただ泥沼に陥るだけだと思いますので、ひとつ今後、十分に適正を期すような法律改正なり指導なりをやっていただきたいと思います。
#99
○成瀬幡治君 私の先の話が食い違って、しり切れトンボになっているので、私もあぜんとして言えなかったのですが、実は、今、林さんもおっしゃったように、たとえば、選挙運動期間中はこういうことはやらせない、こういうことをやったら、それは何としてもまぎらわしい、むしろ選挙違反になるのだ、知事の名でふろしきを配ったり、市長名で何のたれべえということを入れて配れば、それは有利にきまっているのですからね。合法的であろうとも、道義的に見たら、これはだれが見てもいかぬことですね。したがって、選挙法がいいとか悪いとかというのなら、悪いほうの中に入れてしまって、そういうものは一切取り締まるぞというようなふうにむしろおやりになるのがいいと思うのです。そうでなければ、もう何をやってもいいのだというふうに伸ばすか。どちらかにされたほうがいいと思うのです。しかし、原則的に言えば、同じスタートに立って、用意ドンで走るのがほんとうなんですから、少なくとも選挙期間中なり、あるいはその半年前には、竣工式の日が来たら、それは県名にとどめて、少なくとも個人名は入れないというようなことを明確に私はしていただきたい。これは、法律改正の問題にもからんでくるかもしれませんけれども、少なくとも今度は、そうじゃなくて、警察行政として取り締まるぞというような私は強い意思表示があってもいいのじゃないかと思うのです。そこらあたりは、ひとつ自治省とあなたのほうでよく打ち合わせて私はやっていただけば非常に幸いじゃないかと思います。
#100
○政府委員(宮地直邦君) 選挙が公明に行なわれます趣旨におきまして、成瀬委員と私ども、何ら違いはないと思っております。ただ、警察の立場といたしましては、選挙違反で、法違反であるかどうかという点におきまして、われわれのほうの責任があることでも選挙全般が公明に行なわれるかどうかという問題につきましては、選挙法の条文にもありますように、選挙管理委員会を中心といたしまして、われわれ、また検察当局もこれに携わりまして、努力をいたしたいと思っておるのでございます。したがって、行政指導の面等につきましては、もちろんわれわれのほうは、乗り出す限度というものをわきまえませんというと、それはやはり他の面において弊害が出るということを心得ておるのでございますから、一方におきましては、政治活動を活発にしていただくということを前提といたしまして、そういう名目に籍口いたしまして選挙運動が行なわれます場合におきましては、われわれは、厳正適正なる捜査をする所存でございます。
#101
○委員長(青柳秀夫君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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