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1962/05/28 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 建設委員会 第18号
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1962/05/28 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 建設委員会 第18号

#1
第043回国会 建設委員会 第18号
昭和三十八年五月二十八日(火曜日)
  午前十時二十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事      石井  桂君
           稲浦 鹿藏君
           増原 恵吉君
           武内 五郎君
   委員
           岩沢 忠恭君
           熊谷太三郎君
           小山邦太郎君
           田中 清一君
           米田 正文君
           田中  一君
           藤田  進君
           田上 松衞君
  国務大臣
   建 設 大 臣 河野 一郎君
  政府委員
   建設政務次官  松澤 雄藏君
   建設大臣官房長 山本 幸雄君
   建設省都市局長 谷藤 正三君
   建設省住宅局長 前田 光嘉君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       武井  篤君
  説明員
   建設省都市局建
   築指導課長   前岡 幹夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○建築基準法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○新住宅市街地開発法案(内閣送付、
 予備審査)
  ―――――――――――――
  〔理事武内五郎君委員長席に着く〕
#2
○理事(武内五郎君) ただいまより建設委員会を開会いたします。
 先ほどの理事打合会の結果を御報告いたします。
 議事の都合により、建築基準法の一部を改正する法律案の質疑を行ない、次に、新住宅市街地開発法案の提案理由の説明及びこれに対する補足説明を聴取することといたします。
 では、本日の議事に入ります。
 建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○田中一君 最初に、出ている資料についての説明をしていただきたい。
#4
○政府委員(前田光嘉君) お手元に五十九条の二第六項に基づく政令案の要旨と建築費の試算をいたしました資料をお配りしてございますが、初めに、政令案のほうから御説明いたします。
 この政令案は、法案の五十九条の二の第六項によりまして、容積地区内におきまして高さの制限について隣地との関係において、その隣地が一定の条件を備えている場合には、五項の規定を緩和するという条項でございまして、緩和の仕方についての政令の適用でございます。まず第一点は、建築物の敷地が公園、広場、水面等に接する場合、こういう場合につきましては、その敷地の公園なり、あるいは広場、水面等の幅員に、広さに応じまして、隣地境界線が一定距離だけ外側にあるものとみなして適用を緩和するというふうにしたいと思っております。
 その次に、建築物の敷地と隣地との間に著しい高低差がある場合におきましては、低い敷地の地盤面は、その高低差に応じまして一定以上高い位置にあるものとみなして緩和をしたいと考えております。
 その次に、まだ現実に道路ができてない計画道路を前面道路とみなす場合におきましては、計画道路内の隣地の境界線には適用を除外したいと考えております。
 その次に、この前御質問ございましたが、特に都心部その他で、採光をそれほど必要としない用途の建築物だけが建築されるような地区におきましては、境界線から一定距離以上の部分については、この斜線制限を緩和したいというふうに考えております。
 こういう事項につきまして、政令をきめていきたいと考えております。
 その次に、建築費の試算でございますが、一応現在の考え得る範囲におきまして、従来の建築物と、この規定によりまして、地上三十階程度の超高層のビルができる場合の建築費の試算をしてみました。一応延べ面積十万平方メートル程度の建築を想定しまして比較をいたしますと、この表にございますように、これは一平方メートル当たりの建築費でございます。坪に換算いたします場合には、これの約三倍ぐらいを御想定願えばけっこうでございます。従来の建築物でいきますと、地下三階、地上九階がまあ標準でございますが、そうしますと、その場合には、仮設工事が五千七百七円、躯体工事が一万六千六百三十八円、仕上げ工事が一万四千九百五十七円、設備工事が二万二千四百七十五円、諸経費七千七百七十円、合計六万七千五百四十七円、一平方メートル当たり、こういう数字でございます。
 これを超高層にいたしますと、地下五階にいたしまして地上三十階、現在想定される建築技術で考えますと、仮設工事が五千二百七十円、躯体工事が三万五百十五円、仕上げ工事が一万一千九百三十五円、設備工事が三万三千三百二十二円、諸経費が一万五百三十八円、合計九万一千五百八十円、約三割余り高くなる計算になります。実は、これは建築業協会で研究されました資料がありましたので、それを拝借したものでございます。若干高くなっておりますが、この超高層建築も、今後の構造、施工等の技術の発達、特に最近プレハブによる建築材料の生産が相当進んでおりますので、近い将来には、もっとこれが下ってくるという見通しを持っておりますが、今のところこういう計算が出ておりますので、御参考までに述べたわけであります。
#5
○田中一君 この資料について質疑いたしますが、この計画道路を前面道路とみなすという場合、緑地指定の場合にも――これは計画緑地の指定というか、計画緑地ですか、その場合はどうなんですか。やはり広場というみなし方をするのですか。――一応緑地地帯という指定をしている場所があります、計画緑地ですね、――これは君のほうだね。その場合には、それは、ここにあるような計画道路と同じような道路ではないけれども、将来ここに何メーター道路ができるという場合と同じように、緩和規定を働かせるというつもりでいるのかどうか。
#6
○政府委員(谷藤正三君) 現在のところは、緑地地帯は風致地区の指定になっておりまして、これは建蔽率で押えておるのでございますが、将来区画整理を行なって市街地化する場合においては、緑地の改造をすることができることになっておりますので、その場合に、その地区にどういう町づくりをするかということによりまして、計画街路とあわせて考えなければなりませんが、まだそこまで検討をいたしておりません。
#7
○田中一君 計画道路は、これは十年先あるいは二十年先に実現されるにしても、その緩和規定を働かそうとするのですか。これは住宅局長、計画道路は十年先二十年先にそれが実現されるとしても、同じように緩和規定を働かせようという考え方なんですか。何年間というようなものを考えておるのですか。今日われわれが知っておる範囲の計画道路というものは相当膨大なものなんです。それがいつ着手するかもわからぬ計画道路がたくさんあります。その場合、一体それをどうするつもりですか。ケース・バイ・ケースでもって一つ一つの問題をとらえてどうこうということじゃ法律じゃないんです。
#8
○政府委員(前田光嘉君) 計画道路につきましては、ただいまお話のように相当多数ございまして、その適用につきましては、個々の建築物の審査に際しまして、支障のないと認めたものにつきまして、適用を緩和するようにしたいと考えております。
#9
○田中一君 同じ条件を備えておるものが時間的に、道路ですから公共企業体の予算上の制約から、一方的にどうも三十九年度の予算には盛り込めないからこれは許可しまいとかなんとかということならば、政令を作る必要はないんですよ。政令を作って一応の基準をきめるということは、一応具体的なそのケースにぶつかった場合には、これでもって判断するのだという一つの基準であって、それも現在ですら都市計画上の指定された道路なんというものが、オリンピック道路ですら、関連道路ですら、ようやくオリンピックという一つの目標があるからやっているようなものの、どういう工合にしても、そんなにやたらに東京都なり何なりにまかしきりじゃ困るのですよ。どういう判断でやるのですか。その場に臨んで、これは五年後にこの道路が、全面が二十メートルになるから許可しよう、それともこれはあまり長くなるから許可しまいなんていう判断は困るのですよ。
 同じように、今の谷藤君の答弁にもあるように、ずいぶんあるのですよ。緑地指定という区域が。そこにはもはや鉄筋の三階とか四階とか建っていますよ。したがって、その緑地指定というものを全面的に改定しなくちゃならぬじゃないかという、これはかつて政務次官だったかだれかがそういう答弁をしたことがありますけれどもね。今までのような、戦後十八年たっている今日、資金関係か、あるいは抵抗が強いというのか、何か知らぬけれども、計画された道路なり緑地なりというものは全然進んでおらないのですよ。しかし、これも計画路線であるから、ここにこういうものを作るのだということで、許可する場合の判断はどこからもってくるか。甲は許可するけれども、乙はいけないなんということじゃ困るのです。現在あるものだけを云々ということなら、これはまあはっきりしますけれどもね。現在ある道路はこうなんだということなら、これはもう本法にあることだ。しかし、道路とか、計画緑地というものは、いつ実現するかという裏づけがなくて緩和されたのじゃ、やっぱり付近の者は困るわけだな。どういう工合にもっていくのか。
#10
○政府委員(前田光嘉君) そのとおりでございまして、その計画道路が道路になる見込みが非常にはっきりしないものにつきましては、これの適用をすることは問題がございますので、現在におきましても、計画道路として適用の緩和をいたします場合には、特定行政庁がこれを指定するようにしております。それによりまして、たとえばその近くまで事業が進捗してきておって、いずれ近くその計画道路が道路になるという見込みの道路等につきまして、特定行政庁が計画道路として指定いたしまして、その場合には適用を緩和をするということになっております。
#11
○政府委員(谷藤正三君) ただいま先生の御質問の中の、いつできるかわからない計画路線というお言葉がございましたが、ただいま都市計画的に今の実際ありますところの約千三百近くのものに対しましては、都市計画路線として、それを前提といたしまして今のところ目標二十年としまして、その範囲内において可能なるものについては計画的なマスター・プランを作らせるという行政指導をしておりますので、実際に東京都におきましては、大正の初期に作りました都市計画路線がそのまま存置するというような実例もございますけれども、東京都につきましては、すでに申し上げましたように、この前年度末におきます二十三区内の街路につきましては再検討いたしまして、全部五十五年を目標に決定いたす一応案をきめました。それから、ことしの秋までには同様に五十五年を目標にいたしまして、二十三区外の地区につきまして決定をするというふうにいたしまして、逐次大都市並びに中小都市につきましても、目標を二十年というふうに置きまして、計画されたものは必ず実行できるというふうな方針で指導しておりますので、この場合の計画路線というものにつきましては、実際に財政的にもある期限内に可能であるというふうなものについてのみ計画決定いたしたい、こういうふうに考えております。
#12
○田中一君 どうもこの二十年ね、一体二十年という根拠はどこからきているのですか。
#13
○政府委員(谷藤正三君) これは大体道路関係の交通見そのものの目標というのが二十年というふうにきめてございますのは、計画交通量が二十年というふうにきめて、すべての五ヵ年計画ができておりますのは御承知のとおりでございますが、ほかの主として街路関係、交通系統関係が都市の交通の混乱の根本になっておりますので、それを目標にいたしまして一応二十年というものを前提とする、二十年の前提ということは、十年過ぎましたころには、次の交通機関のあり方をどうするかといろ検討に入る時期になるんだろうというふうに見当をいたしまして、一応二十年というもりを目標に貫いているわけでございます。
#14
○田中一君 都市計画法のどこにそういう推定というか、見方をしている根拠があるんですか、法律のどこに。
#15
○政府委員(谷藤正三君) 都市計画法にはございません。道路法の中の道路構造令の基準をきめます場合の計画交通量というのが、二十年を目標とするということに一応内規的にきまっておるわけでございます。
#16
○田中一君 これは政務次官に聞きますがね、そんな程度のものですか。というのは、計画されて二十年放置しておく、そしてそのときに初めて二十年たったら実現したものまでが二十年前に緩和されるんだということでいいんでしょうかね。政策と技術と違うわけです。政策面でどう考えるかということなんです。
#17
○政府委員(松澤雄藏君) 実は私も、率直に申し上げますと、二十年というふうなことは勉強不足で気がつかないでおったんですが、ただいまの質疑応答によって、今まで従来とも交通量的な基本を二十年めどのもとに検討をしてきたという答弁になっておりますが、今日の段階においての交通量的な面あるいは非常に大都市等においての人口密度が厚くなってきたような点から考えても、二十年ということはちょっと現段階では考えられないといったような気がいたします。さっそく研究をし直してみたいと思います。
#18
○田中一君 たとえば現在十五メーターの道路がある、交通量がふえたからそいつを四十メーターに延ばすんだというようなことでやっているから、今日の東京になるんです。言いかえれば、私は一番身近な問題として、世田谷区を見てもわかる。甲州街道を緩和させるには、世田谷に途中から逃げたほうがずっといいんです。何も道なんかありゃしない。しかも、それはちゃんと計画をされています、今日では。計画路線です。計画道路です。何にもありゃしない。やるつもりがあるかどうかすらわからない。なぜかというと、それはちゃんと行きどまりまで道路ができているから言うんですよ。おそらくそれは延びるであろうと思うのです。これは道路構造令云々という技術的の面と、政策面として配慮しなければならぬ分とあるのです。そういうものをかりに緩和規定を働かす、あるいはそのうちの甲乙丙とランクして、これはいい、これは悪いとかと判断されたのではたまらないわけです。そういうものをなくするのが法律なのです。また政令なのです。また、その精神を十分尊重して織り込んだのが条例になって出てくるわけです。奥のほうでどう相談しようと、どっちみっち窓口に来る、窓口の判断で左右されるということはよい政治じゃないですよ。官僚独善ということまで言われてもやむを得ないのです。おそらく金があったり、あるいは力のある者には唯々諾々と聞くが、弱い者には難くせをつけるという余地を残すことにならざるを得ない。現に今まで全部それだ。そういうことであってはならぬのですよ。計画路線があるから、それを認めるなら認めるとずばりきめたらいいのです。それを甲乙つけるということがあってはならぬということです。それから今日までに、東京都の例をとると、東京都の都市計画としてしっかりきまっております。そしてまた終戦後十八年たっていまだに自分の持っている土地が用地指定のために使えない区域もある。当然に経済的に利用しようと思っても、それすらはばまれている都市計画法によるところの指定があるのです。そういう地域がたくさんあることは谷藤君も知っているでしょう。また緑地地帯として指定されてありながら、いつの間にか、そこに大きな工場なり何なりが建設されたものもあるわけです。これは私はっきり指摘してあげます。たくさんありますよ。東京都ではもはやお手あげなのです。東京都の計画を全面的に何とか検討しなければならぬということは、数年前からわかっておった。おそらく政府でも考えて調査していると思う。それは何かというと、やはり窓口の判断で、たとえば建築基準法でもって申請された確認申請を力によってそのままうのみにする。既成事実ができてしまう。一つできると、あとはばらばらで、緑地指定というものは、高度に利用されていい土地に隣接している地域が多いのです。だから私は、それはみな悪いというのではないのです。今日まで指定された都市計画上の地域というものは改定すべき段階に来ているのではないかということを言いたいのです。それを全面的に取り払う、あるいは強制撤去させるという、そんな力は今ありません。だからそれを黙認し何年間も――一つの不法占拠した場合でも、十年間その所有者が見のがしておればそこに居住権が生まれてくる。それは時効が中断すれば別ですが、そうでなければ、居住権というものは民法上設定されますよ。そういう地域がたくさんある。したがって、都市計画そのものを考えなければならぬ時期に来ているのではないか。これは谷藤局長のほうの所管だが、こういう政令を作って窓口に判断の権限を与えるようなことがあってはならないのですよ。だから今日の東京都になっているのです。その点は都市計画法を全面的に検討し、そうして甲乙丙というような緩和規定を働かす場合に、差別をつけないで、窓口がぴしゃりと一つになって、それは可能でございます、不可能でございますという判断ができる、裏づけの行政指導を準備しなければだめだというのです。これは谷藤君、どう考えていますか。
#19
○政府委員(谷藤正三君) 二十年先という見方はありますが、そういう情勢の変化の激しいときに、そういう大きな先を見るということは非常に無理があるというふうにうかがわれますが、実際的には、私といたしましては、できるだけ早くいたしたい、これは現実の叫びでございますが、都民の現在の状態から見ましても、早くやりたい。それで東京都が十カ年計画の中で出しましたのは一兆七千億、二十カ年が三兆七千億、こういう金が道路だけについて生まれてきておるわけであります。それに対しまして、現在の状態で東京都に与えられておりますものは約千億足らず、その差額の状態で、一体東京都の都市計画道路を全面的に早くやるということは非常に困難でございます。それにつきましては、後藤新平時代からの道路があのままでたくさん残っておるという御批判もございますけれども、実際に現在の財政投資の状態から見ましてやむを得ずに二十年先までのことは考えている。そうして東京都の将来のあり方がどういうふうになるか、したがってまた、現在のような困難の状態に対しましては、都心のあり方、副都心のあり方、また民衆施設のあり方というものは、どういうふうな形で東京都の再開発をしているかという問題をかみ合わせまして、いろいろ検討しますと、現在は確かに道路はない、ないけれども、その将来の姿において道路は作らなければならない。これは作る時期につきましては、財政投資のあり方によって、公共投資のあり方によって、時期が制限されて参りますので、そのことによってやむを得ずに都市計画をいたさなければならないはめになってくるわけでございます。したがいまして、将来そういうふうに作り上げられた都市計画路線につきましては必ずやらねばならないという前提に立ちまして、建設する場合につきましても、永久構造物ができて将来そのために計画路線が不可能になるということのないように、ある程度はそこで制限というものを設けさしていただかなければならないというふうに順序がなってくるのではないかと思うのです。もちろん今度の大臣命令によりまして、三月三十一日までに終わりました作業においては、八百四十キロでありました昔の計画路線から四百十八キロと半分に都市計画路線を落として今案を作っておりますが、間もなく都の都市計画審議会にかけまして決定していただくつもりでおりますけれども、半分に落としました理由は、幹線の街路につきましては、重点的に施行をやろう、したがいましても今まで都市計画の細道路網といたしまして計画路線の中に入っておりました約四百キロ、これにつきましては、東京都の再開発に伴って市街恥家屋、それを増して、それを作る場合に必要な幅員を確保するというような二つの手段をもちまして約半分の道路の延長に直しておるわけでございます。したがいまして、なるべく早くこういう都の困難を防ぎ、あるいは都と同じように大阪の場合におきましても、北九州の場合におきましても、同じ姿で、なるべく早くできるようなものについてのみ計画決定いたしまして、それでほかのものは再開発その他の手法を使いまして町を作りたいというふうに考えておりますので、この場合におきましても、将来においていつまでもできないような姿のものはなるべくはずしたい、それによりまして、路線として残すものについては必ず実施するという段階に考えておりますので、この点については、確かに土地所有者につきましては権利の束縛になりますけれども、ある程度は市民の全体のためにがまんしていただきたいというふうに私たちは考えておるのでございます。この点につきましては、いたずらに今までのような建築の状態が、不法建築のみふえていくというような従来の悪習は徹底的に除去したい、こういうふうに考えております。
#20
○田中一君 そうすると、今度改定してきめられる計画路線を東京都の場合にはさしておるのかというわけですね。今度きめられようとするものに対してのみこれを発動させよう、こういうことなんですか。
#21
○政府委員(前田光嘉君) その点につきましては、改定都市計画道路の計画の実現の見込み等々を考え合わせまして、あるいはその全部を指定するか、そのうちさらに一定のものを、条件をしばりまして、計画道路と見るものにつきましては、今後都市局と相談したいと考えております。
#22
○田中一君 そのあいまいさが困るのですよ。そのあいまいな、相談して云々じゃなくて、八百キロを四百キロに切ってどうしてもやるのだという改定を行なうためには、全部これは働かせますというならいいのです、それでいいですよ。私はどこがどうなったかわからぬから、少なくとも再検討の未決定された道路は、これによって働きますということがきまればいいです。まだどこかで相談するような余地が残ったのじゃ困ると思います。
#23
○政府委員(前田光嘉君) 計画道路が明確であることは御指摘のように必要でございますので、ただいまお話のように、改定計画で計画道路がはっきりして、それの実現性につきましても見込みがはっきりいたしますならば、その全部を指定することは最も適当かと考えております。
#24
○田中一君 そうすると、その分はこの緩和規定を働かせる、こういうことですね。
#25
○政府委員(前田光嘉君) さようでございます。
#26
○田中一君 それから指定された緑地の場合に、今道路の面を重点的に言っているけれども、その場合には……。
#27
○政府委員(谷藤正三君) 現在緑地に指定されておりますものにつきましては、首都圏法によりまして一応区画整理を行なって、市街地地価が明確になりました場合にのみ建築制限を許す、その他の場合におきましては、指定によりまして十分の一の建蔽率に押えられておりますので、その区画整理がどういう形でこの再開発による流通施設として行なわれるか、岡屋街として行なわれるか、トラック・ターミナルとして行なわれるか、あるいは住宅地として行なわれるかというような各種の川地の開発によりまして、その地区の指定というものはおのずから変わってくると思います。したがいまして、今のところ、緑地については一般的にこうであるというようなことはちょっと言いかねるのじゃないかと思います。
#28
○田中一君 予定された都市公園の場合は、それは公園広場として緩和規定を働かすかどうか計画されているでしょう。
#29
○政府委員(谷藤正三君) 都市公園として都市計画を設定いたしました場合においては、一般民間の施設に対しては許さないわけでございますので……。
#30
○田中一君 谷藤君、この法律を読んでござらんない。公園広場は緩和規定を働かすということになっております。側面にそれがある場合には働かせよう、そういうことになっておるのですよ。
#31
○政府委員(前田光嘉君) 都市公園として決定されて、近く公園として設置されるものにつきましては緩和規定を働かせると考えております。
#32
○田中一君 働かせようというのですね。
#33
○政府委員(前田光嘉君) さようでございます。
#34
○田中一君 そうすると、今度は計画する側の都市局はどうなの。その場合には緩和規定を働かしますか。今は全然、家がぎっしり入っているけれども、それは将来こうするのだという計画があるはずですから、この近くには……。都市公園法にも、何キロ四方にはこういう公園を持つ――精神規定になっているけれども、持つというようなことが書いてある。都市公園法にはっきり書いてある。その指定された場合には、今住宅局長は当然その緩和規定によって変わるというふうに言っている。その場合には、その公園の計画がどういう……、やっぱりそれも二十年計画、あるいは今度の道路と同じように東京都の場合でも、何キロ平方に公園という計画が立っているはずだから、それは実現するかしないかの問題は将来の問題だが、その場合には、同じように、現在のままの計画で働かせようというのですか。また、その計画がどういう工合に、いつごろになったら実現することになっているのですか。
#35
○政府委員(谷藤正三君) お答えいたします。ここに書いてございますのは、「敷地が公園、広場、水面等に接する場合」でございます。公園の中ではないのであります。「接する場合」ということは、区画整理で行ないます場合には、減歩率が二二%なり二五%なりということがございます。その中で道路、公園その他の施設は、減歩率の中から生まれてくるという形になっておりますので、緑地の場合に、先ほど申しました市街地化する場合には、区画整理を行なわなければならない。そのときには、緑地決定をされるところの公園が生まれて参ります。それから、現在公園に指定されておるものは、東京都の場合におきましては、全部公園になっておるわけでございまして、それに接して、たとえば建物が、新しい町づくりをするという場合には、町づくりの性格によりまして、その高さが一応基準の高さがきめられまして、公園に接している部分につきましては、また緩和規定が働いてくるという形になるわけであります。
#36
○田中一君 私の言っているのは、都市計画が改定されて、都市計画というものは都市局のほうで改定するのか、そのままいくかしらぬけれども、それが何年ぐらい先に実現するという見込みがあっての緩和規定を働かすつもりかと聞いているのです。先ほど道路の場合には、二十年ぐらいということでしたけれども、区画整理をするにしても、区画整理をする計画があるはずですからね。そこに公園なら公園、児童公園なら児童公園というものが止まれる。その場合にどうするのか。ことに知りたいのは、児童公園等、南側のほうへ大きい建物ができたんじゃ、日陰になって、公園というものは、太陽の日がさんさんと降るところに公園らしい公園があるのであって、それがどうも前面に二十階、三十階とでかでかと建てられたんじゃ公園の機能を失ってしまいますよ。だから今聞いているのは、第一の問題は、都市公園は計画があるはずなんだから、現在もある。東京都が一番近い例だから聞いているのであって、その場合には、将来何年間ぐらいたったら実現するというものをもこの緩和規定を働かせるかと聞いている。第二の問題は、たとえば南側にそういうものがあって、公園が日陰になってもいいのかということです。これは住宅局長にもあわせて聞いておきます。そんなことでは公園じゃなくなってしまいますよ。そういう点はどうなのか。二つの問題について。
#37
○政府委員(谷藤正三君) お答えいたします。ただいま先生の御質問の中で、容積率が、今度の改正が適用された場合に、すべての地区に対して容積率が規制ざれるというふうなお考え方から出発されておるように思われるのですが、実際の実情から申し上げますと、容積率というものはどういうふうにするかという具体的な手段の問題になって参りますが、それを合体から考えますと、たとえば東京都の場合におきましては、都心、副都心、商業あるいは流通施設の中心地、業務中心地、こういうものにつきましては、なるべく早く規制いたしませんと、非常に今後のほかの公共施設に対する混乱を招くおそれがある。ところが、住居専用地区もしくは緑地指定、こういうものにつきましては、すでに建蔽率、あるいはまた、住居専用地区に対する高度制限その他の法律が全部かぶっております。したがいまして、その地区につきましては、現在の姿ですぐ容積率を規制しなければならないような状況になっておりません。私たちといたしましては、順序といたしまして、なるべく早く大都市のそういう業務中心あるいは住居中心のそういうようなところにつきまして調査をいたしまして、早くそういう点は規制をいたしたい。郊外の地域につきましては、ほかの都市利用関係につきまして、基準法もしくは計画法という法律が全部かぶっておりますので、その点につきましては、逐次規制していくというような考え方をしております。郊外計画公園は、先ほど申し上げましたように現在、東京都の場合におきましても、一人当たり一平方メートル、都市公園法によりまして必要とするものは一人当たりに対して六平方メートル、半分、三分の一にもなっておりません。したがいまして、それを生み出すための公共用地として土地買収から始めて都市公園を作り出していくかどうかという問題になりますと、今のところ、財政的に見て無理がございます。したがいまして、できるだけ区画整理その他の手法を使います場合に、市街地分については市街地改造法、そういうようなあらゆる法律、都市計画的な法律を活用いたしまして、町づくりの再検討をいたします場合には、公園を減歩率その他の方法で生み出していきたい、そうして一人当たり六平方メートルというものに近づけたいというふうに念願しておるわけでございます。
#38
○田中一君 あなたの結論は、結局そういう児童公園とか都市公園が含まれる施設に対しては、その地域は高度、大きな建物というものものはおそらく地域として指定されないだろうということが第一の答弁ですか。あとの技術上の問題は、自然にそうなるのですから、聞かなくてもいいのですが、たとえば、区画整理をしたり何かして都市公園を生み出す場合には、その公園の周辺は少なくとも一種から十種まであるが、人種、九種、十種というものは指定ざれないであろう、というような答弁を伺っておけばいいのですが、指定ざれた場合にはどうなんですか。
#39
○政府委員(谷藤正三君) 区画整理、たとえば緑地の場合におきましては……
#40
○田中一君 僕の質問がちょっと……、ただ、どっちみち区画整理をするにしましても何にしても、一応この地区には都市公園を作らなければならないという計画があるはずだ。その計画があって現在は住宅になっているけれども、そこに建てようという計画あるいは計画絡線の計画なりというものに緩和規定を働かそうというのだから、たとえ方が極端かもしれないけれども、あり得るので言っているのです。その場合には計画としてあるものだから、との緩和規定が働くのかどうかと聞いている。それも、きっき言っているように十年先に持たれるか、二十年先に持たれるかしれませんけれども、それでもこの法律は、計画されている地域に対しても緩和規定が働くのだという制度を作っているのですから、同じように働くのかと聞いているのです。
#41
○政府委員(谷藤正三君) 食い違いがあるようでございますので、もう一度申し上げますが、結論の、新しく作ります場合には、たとえばどういう業務の、どういう種類の町を作るかということがまず第一点でございます。
#42
○田中一君 私はそういうことを聞いているのじゃない。将来、ここに公園を作るのだときめている計画がある……。
#43
○政府委員(谷藤正三君) それはございません。
#44
○田中一君 ないならないと言って下さい。こういう公園を作る計画がないと言ってくれればいい。ないですか。
#45
○政府委員(谷藤正三君) 現在の一般会計の予算の範囲においては、公園を作るという考えは、東京都の場合はございません。六平米に持っていきたいとの希望のもとに、計画のもとに考えるという計画を遂行していくということでございます。
#46
○田中一君 公園があった場合に、東、南、西にかけて大きなものがきたら、公園は暗やみになるのじゃないですか。
#47
○政府委員(前田光嘉君) 公園の場合に、規定の緩和につきましては、公園があればすべて緩和するということじゃなくて、公園の大きさによりまして、隣地の境界線の線を一定の距離を離れたものとして適用しようとしておりますので、そういうふうな障害が起こらない程度の距離をとったものを考えております。
#48
○田中一君 そういう政令でそれをはっきりと条文で書くというのですね。
#49
○政府委員(前田光嘉君) さようでございます。条文にメートルを書くことになっております。
#50
○田中一君 窓口の判断でものがきまらないように、はっきり政令で明記するんですね。
#51
○政府委員(前田光嘉君) さようでございます。
#52
○理事(武内五郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#53
○理事(武内五郎君) 速記を起こして。
 それでは、建築基準法の一部改正に関する法律案の質疑は、ちょっと中断いたします。
  ―――――――――――――
#54
○理事(武内五郎君) 次に、新住宅市街地開発法案を議題といたします。
 まず、提案理由の説明をお願いいたします。河野建設大臣。
#55
○国務大臣(河野一郎君) ただいま議題になりました新住宅市街地開発法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 すでに御承知のとおり、近時都市における住宅用地の需要はきわめて著しく、これに対処するため、政府といたしましては、日本住宅公団及び地方公共団体等による宅地造成事業の促進をはかり、宅地の大量供給に努めてきたわけでありますが、遺憾ながら現在の旺盛な宅地需要を満たすに至らず、需給関係はいよいよ悪化する現状にあります。
 このような最近の住宅用地の入手難と、これがもたらす社会的影響の重大さを考え合わせますとき、この際、新たな見地から住宅用地の確保について抜本的な対策を講ずる必要が痛感されるのであります。
 もとより、これは宅地制度全般に関連する問題であり、また、私権の保護との調整を要するものでありますが、政府といたしましては、慎重にこれらの問題点について検討を重ねました結果、まず、最も緊急と考えられる住宅地開発の事業について、一定の条件のもとに先買い制度及び収用制度を認めることにより、その施行の円滑化をはかることとし、ここに新住宅市街地開発法案として提出することといたした次第であります。
 以上がこの法律案を提案いたしました理由でありますが、次に、その要旨を御説明申し上げます。
 まず第一に、人口の集中の著しい市街地の周辺の一定の区域について新住宅市街地開発事業を施行すべきことを都市計画として決定し、これを都市計画事業として実施することができるものとし、原則として地方公共団体及び日本住宅公団がこれを施行することといたしております。
 第二に、この事業における用地取得の円滑な遂行をはかるため、次の措置を講ずることといたしております。
 その一として、土地建物等の先買い制度を設けました。すなわち、との事業の施行区域内の土地建物等の所有者は、これらを有償で譲渡しようとするときは、あらかじめ、施行者に届け出なければならないものとし、施行者は、届出があった日から三十日以内にその所有者に通知をすることにより、他に優先して買い受けることができることといたしました。
 その二として、施行者は、必要がある場合には、区域内の土地またはその上にある権利を収用することができることといたしました。
 その三として、農地転用の特例を設けました。すなわち、この事業の施行区域内に農地等が含まれるときは、あらかじめ、建設大臣は農林大臣に協議するものとし、協議がととのった区域内の農地等を施行者が事業の用に供するときは、その転用等について農地法による許可を受けることを要しないことといたしました。
 第三に、この事業により造成saれる宅地は、原則として公募により、公正な方法で処分するものとし、自己の居住していた宅地を事業用地として提供した者等に対しては、特に優先譲渡の措置を講ずることといたしております。
 第四に、この事業により造成される宅地の処分後の適正な利用の確保をはかるとともに、転売等による不当な利益の収受を抑制するため、譲受人に二年以内に所定の建築物を建築すべき義務を課するとともに、十年間他に転売する等の行為は都道府県知事の承認を受けなければならないこととし、これに違反した場合には買い戻すことができるものとする等、これらの規制の実効を確保するため所要の規定を整備いたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
#56
○理事(武内五郎君) 次に、法案の補足説明をお願いいたします。前田住宅局長。
#57
○政府委員(前田光嘉君) ただいま議題となりました新住宅市街地開発法案につきまして、逐条的に御説明申し上げます。
 第一条は、この法律の目的を定めたものであります。この法律は、人口の集中の著しい市街地の周辺の地域における住宅市街地の開発に関し所要の事項を規定することによりまして、道路、公園、下水道等の公共施設及び学校、病院、店舗等の公益的施設が整備された健全な住宅市街地を開発し、住宅に困窮する国民のために居住環境の良好な住宅地の大規模な供給をはかり、もって国民生活の安定に寄与することを目的といたしております。
 第二条は、この法律において使用しております特別の用語の定義を定めたものであります。
 第一項及び第二項は、新住宅市街地開発事業について定めておりまして、その内容は、この法律で定めるところに従って行なわれる宅地の造成、造成された宅地の処分及び宅地とあわせて整備されるべき公共施設の整備に関する事業並びにこれに付帯ずる事業とし、公益的施設の整備に関する事業がこれらの事業とあわせて行なわれる場合には、この事業も新住宅市街地開発事業に含まれることといたしております。
 第三項以下第十項までは、施行者、施行地区、公共施設、宅地等、この法律で用いる必要な用語の定義を定めております。
 第三条は、新住宅市街地の開発に関する都市計画を決定する場合における地区の要件を定めたものでありまして、第一号は、人口の集中に伴う住宅の需要に応ずるに足りる適当な宅地が著しく不足し、または著しく不足するおそれがある市街地の周辺の区域で、良好な住宅市街地として開発するのに必要な自然的及び社会的条件を備えており、かつ、主要な公共施設に関する都市計画が決定されていることを、第二号は、その区域内の土地の大部分が建築物の敷地としては未利用の現況にあることを、第三号は、人口約一万人が居住することができる住区を一以上形成し得る規模であることを、第四号は、住居地域及び商業地域内にあって、その大部分が住居専用地区内にあることを、それぞれ要件として規定いたしております。
 第四条は、新住宅市街地の開発に関する都市計画の内容の基準を定めたものでありまして、第一号は、道路、公園、下水道その他の施設に関して、既存の都市計画に適合するようにすべきことを、第二号は、各住区に関して、適正な配置及び規模の公共施設を備え、かつ、居住者の日常生活に必要な公益的施設の敷地が確保された良好な居住環境となるべきことを、第三号は当該区域に関して、住区を単位とし、各住区を結ぶ幹線街路その他の主要な公共施設を備え、かつ、当該区域にふさわしい相当規模の公益的施設の敷地が確保された健全な住宅市街地となるべきことを、それぞれ基準といたしております。
 第五条は、新住宅市街地開発事業は、健全な住宅市街地を開発することを内容とする総合的な町づくり事業でありますので、都市計画事業として施行する旨を定めたものであります。
 第六条は、新住宅市街地開発事業の施行者について定めたものであります。
 第一項は、新住宅市街地開発事業は、ただいま申し上げましたとおり、都市計画事業として施行することにいたしておりますが、その施行者につきましては、都市計画法第五条の規定によらず、原則として本条第二項の定めるところによることとし、第二項におきまして、地方公共団体または日本住宅公団で建設大臣に新住宅市街地開発事業を施行することを申し出たものが施行することといたしております。なお、後ほど御説明いたしますが、第四十五条におきまして、区域内の一定規模以上の土地の所有者について、建設大臣の許可を受けて、新住宅市街地開発事業を施行することができる特例を開いております。
 第七条は、新住宅市街地開発事業の施行の準備またはその施行のため測量または調査を行なう必要がある場合における他人の占有する土地への立ち入り等について定めております。
 第八条は、他人の占有する土地に立ち入って測量または調査を行なうにあたって必要な障害物の伐除及び試掘等について定めております。
 第九条は、ただいま申し上げました土地の立ち入り等を行なうにあたって携帯すべき証明書等について定めております。
 第十条は、土地の立ち入り及び試掘等に伴う損失の補償について定めております。
 第十一条は、測量のための標識の設置について定めております。
 第十二条は、新住宅市街地開発事業の施行の準備または施行のための便宜を施行者及び施行者となろうとする者に与えるために、登記簿等の関係簿書の無償閲覧等について定めております。
 第十三条は、新住宅市街地開発事業を施行すべき土地の区域内における建築行為等の制限について定めたものでありまして、新住宅市街地開発事業の円滑な施行をはかるため、土地の形質の変更、建築物の新築等一定の行為について都道府県知事の許可を受けることを要することとし、第四項以下におきまして、建築行為等の制限に違反した行為に対する是正措置及びその手続等について定めております。
 第十四条は、施行者に対し、事業施行の公告、区域内の土地建物等の先買いについての周知措置、事業概要の地元住民に対する説明等、事業の施行について周知させるために、必要な措置を講ずべきことを定めております。
 第十五条は、土地建物等の先買い制度について定めております。さきに御説明いたしましたように、新住宅市街地開発事業は相当大規模の一団の土地をその対象とすることにかんがみ、その用地取得の円滑化をはかるため、第一項におきまして、区域内の土地建物等を有償で譲り渡そうとする者は、その旨を書面で施行者に届け出なければならないこととし、第二項におきまして、届出があった後三十日以内に施行者が買い取るかいなかを判断し、買い取るべき旨の通知をしたときは、届出書記載の金額で、施行者と届出をした者との間に売買が成立したものとみなすこととし、さらに第三項におきまして、届出があった後三十日以内または施行者が買い取らない旨の通知をした時までの期間は他に譲り渡してはならないことといたしております。
 第十六条は、土地の買い取り請求について定めたものでありまして、第一項におきまして、区域内の更地の所有者は施行者に対し当該土地を時価で買い取るべきことを請求することができることとし、第二項におきまして、価額については協議により定めることとし、第三項におきまして、協議不成立の場合、収用委員会の裁決を申請できることとし、第四項におきまして、収用委員会の裁決及び裁決に不服がある場合の訴えについては、土地収用法の規定の例によることといたしております。
 第十七条は、新住宅市街地開発事業のための土地等の収用について定めております。
 第一項は、新住宅市街地開発事業の公共性にかんがみ、施行者は、その施行する事業のため必要な土地及び権利を収用することができることといたしております。
 第二項は、新住宅市街地開発事業が相当規模の区域にわたって施行されるものでありますので、関係権利者を保護するため、前項の規定により土地または権利が収用される場合には、その土地に正当な権利に基づいて建築物その他の土地に定着する工作物を所有する者は、一般にその建築物等の工作物の収用を請求できることとし、土地収用法の特例を定めております。
 第十八条は、新住宅市街地開発事業を施行するため必要な材料置場等の設置のための土地等の使用について定めております。
 第十九条は、新住宅市街地開発事業のための土地等の収用及び材料置場等の設置のための土地等の使用については、この法律に特別の規定がある場合のほか、土地収用法の規定を適用すること及び都市計画事業にかかる収用に関し特例を定めた都市計画法の規定が準用されること等を定めております。
 第二十条は、新住宅市街地開発事業の施行にも必要な土地等を提供したため、生活の基礎を失うこととなる者の生活再建のための措置について定めております。
 第二十一条は、施行者は事業計画及び処分計画を定めるべきこと、事業計画においては、施行地区、設計及び資金計画を、処分計画においては、造成施設等の処分方法及び処分価格に関する事項並びに処分後の造成宅地等の利用規制に関する事項を定めるべきこと等を定めております。
 第二十二条は、処分計画については建設大臣の認可を受けるべきこと、事業計画については建設大臣に報告すべきことを定めております。
 第二十三条から第二十五条までは、処分計画策定の基準を定めております。
 すなわち、第二十二条は、造成宅地等の処分方法について、みずから居住するか使用人が居住するかまたは自己の業務の用に供するため宅地を必要とする者を公募し、公正な方法で選考して譲受人を決定すべきことを定めておりますが、公営住宅または公団住宅のための用地でありますとか学校、用地、鉄道用地等その性質上公募に適しないものにつきましては、特定分譲の途を開くことといたしております。なお、公募にあたりましては、事業用地の提供者で従前そこに居住していたもの等につきましては、他の者に優先して必要な宅地を譲り受けることができるように定めるべきことを規定しております。
 第二十四条は、造成宅地等の処分価額について、居住用のものまたは営利を目的としない業務の用に供されるものについては、原価を基準とし、営利を目的とする業務の用に供されるものについては、時価を基準とし、かつ、原価を勘案して決定するように定めるべきことを規定しております。
 第二十五条は、処分後の造成施設等のうち、都市計画が決定されているものについてはその都市計画に適合するように、その他の公益的施設等の施設については居住者の共同の福祉及び利便に資するように、各街区内の建築物の敷地については当該街区にふさわしい規模及び用途の建築物が建築されるように定めるべきことといたしております。
 第二十六条は、事業計画及び処分計画の策定にあたっては、あらかじめ、関係のある公共施設の管理者または管理者となるべき者等に協議すべきことを定めております。
 第二十七条は、工事完了の公告について定めております。これは、以下御説明いたします第二十八条、第二十九条、第三十二条、第三十三条及び第三十四条の規定と関連するものであります。
 第二十八条は、新住宅市街地開発事業の施行により設置された公共施設の管理について定めております。
 すなわち、第一項本文におきまして、新住宅市街地開発事業の施行により設置された公共施設は、原則として、工事完了公告の日の翌日において、その公共施設の存する市町村の管理に属するものといたし、管理の主体に関する例外及び管理の引き継ぎに関する例外について、それぞれ第一項ただし書き及び第二項から第四項までに定めております。
 第二十九条は、公共施設の用に供する土地の帰属について定めております。
 第一項は、新住宅市街地開発事業により従前の公共施設にかえて新たな公共施設が設置される場合には、国有または公有の従前の公共施設用地については、工事完了公告の日の翌日において、処分計画で定める代替公共施設用地と交換されることとなる旨を定めております。
 第二項は、新住宅市街地開発事業の施行により設置された公共施設用地は、第一項に規定するもの及び処分計画で特別の定めをしたものを除き、工事完了公告の日の翌日において、当該公共施設を管理すべき者に帰属する旨を定めております。
 第三十条は、造成施設等の処分について定めております。
 第一項は、造成施設等は、この法律及び処分計画に従って処分すべきことを定めております。
 第二項は、造成施設等の処分に関し、すでに御説明いたしましたように、第二十三条から第二十五条までに特別の規定を設けております関係上、この法律に基づく事業として行なわれる土地等の処分については、地方公共団体の財産の処分に関する法令の規定を適用しないことといたしております。
 第三十一条は、建築物の建築義務について定めたものでありまして、原則として宅地を譲り受けた者は、その譲り受けの日の翌日から起算して二年以内に、処分計画で定められた規模及び用途の建築物を建築すべきことを定めております。
 第三十二条は、造成宅地等の転売等による不当な利益の収受を抑制し、あわせて造成宅地等の合理的な利用を確保するため、造成宅地等に関する権利の処分の制限について定めたものであります。
 第一項は、工事完了公告の日の翌日から起算して十年間は、造成宅地等または造成宅地等である宅地の上に建築された建築物について、これを譲渡し、あるいは賃貸する等、使用及び収益を目的とする権利を設定し、または移転するときは、当事者が都道府県知事の承認を受けるべきことを定めたものであります。その例外といたしまして、第一号に、当事者の一方または双方が国、地方公共団体、日本住宅公団等の公共的な機関である場合を、第二号に、相続その他の一般承継により権利が移転する場合を、第三号に、滞納処分、強制執行、競売または企業担保権の実行により権利が移転する場合を、第四号に、土地収用法その他の法律によりその造成宅地等が収用または使用される場合を、第五号に、その他政令で定める場合を規定いたしております。
 第二項は、前項の承認は、当該権利を設定し、または移転しようとする者がその設定または移転により不当に利益を受けるものであるかどうか、及びその設定または移転の相手方が処分計画に定められた処分後の造成宅地等の利用の規制の趣旨に従って当該造成宅地等を利用すると認められるものであるかどうかを考慮してなされるべきことを定めております。
 第三項は、第一項の承認には、処分計画に定められた処分後の造成宅地等の利用の規制の趣旨を達成するため必要な条件を付することができる旨を定めております。
 第三十三条は、前二条に規定する利用及び処分の規制措置を担保するため、買い戻し権について定めております。
 すなわち、第一項におきまして、施行者が造成した宅地を譲り渡す場合には、十年の期間の買い戻しの特約をつけて行なうべきことといたしておりますが、買い戻し権行使により既存の権利関係に影響を及ぼすことにかんがみ、第二項におきまして、前項の特約に基づく買い戻し権の行使は、施行者から宅地を譲り受けた者またはその承継人が第三十一条の建築義務に違反した場合、もしくは前条第一項の義務に違反した場合に限られることとし、また、第三項におきまして、当該宅地または建築物に関し前条第一項の承認を受けた利用権者がいるとき、または前項の違反事実があった日から起算して三年を経過したときは、買い戻し権を行使することができないことといたしております。
 第四項は、第一項の規定により買い戻した宅地の処分については、処分計画の趣旨に従って行なうべきことを定めております。
 第三十四条は、前条に規定する権利の処分の制限があること等にかんがみまして、これを周知せしめるため、造成施設等を表示した図書の備え置き、標識の設置等について定めております。
 すなわち、第一項におきまして、施行者に対し造成施設等を表示した図書の地元市町村長への送付義務を定め、第二項におきまして、前項の図書の送付を受けた市町村長は、工事完了公告の日の翌日から起算して十年間は、これをその市町村の役場に備え置き、関係人の請求があったときは閲覧させるべき旨を定めております。
 第三項及び第四項は、都道府県知事は、工事完了公告をした日の翌日から起算して十年間、新住宅市街地開発事業を施行した土地である旨を表示した標識を設置すべきこと等について定めております。
 第三十五条は、新住宅市街地開発事業に要する費用は、原則として施行者が負担する旨を定めております。
 第三十六条は、新住宅市街地開発事業の引き継ぎについて定めております。
 第三十七条は、新住宅市街地開発事業に関する簿書の備え付け及び利害関係人の請求があった場合においてこれを閲覧させる義務について定めて居ります。
 第三十八条は、書類の送付にかわる公告について定めております。
 第三十九条は、国の施行者に対する事業資金の融通あっせんその他の援助の努力義務について定めております。
 第四十条は、新住宅市街地開発事業の円滑な施行をはかるために、施行者が建設大臣等に対して技術的援助を請求することができることといたしております。
 第四十一条は、新住宅市街地開発事業の適正な施行及び造成宅地等の適正な利用を確保するために必要な建設大臣の監督処分権限について定めております。
 第四十二条は、新住宅市街地開発事業の施行を促進し、また、その適正な施行を確保するため必要な建設大臣または都道府県知事の報告の徴収、勧告、助言等について定めております。
 第四十三条は、との法律に基づく新住宅市街地の開発の実効を確保するため、国及び地方公共団体に対してこの事業に関連して整備を必要とする公共施設等の整備に努めるべきことを定めております。
 第四十四条は、新住宅市街地開発事業の円滑な施行をはかるため、新住宅市街地開発事業と農地等との関係の調整について定めております。
 第一項は、農地との調整をはかるため、第三条の都市計画の決定をしようとする場合において、区域内に農地または採草放牧地等が含まれることとなるときは、建設大臣は、あらかじめ、当該農地または採草放牧地等が新住宅市街地開発事業の用に供されることとなることについて、農林大臣に協議すべきことといたしております。これは、後ほど御説明いたします附則第七項と関連するものでありまして、同項で農地法を一部改正いたしまして、との協議がととのった場合におきましては、施行者の行なう転用につきまして農地法所定の許可を要しないことといたしております。
 第二項は、鉄道等の輸送施設との調整をはかるため、建設大臣は、第三条の都市計画の決定をしようとする場合には、あらかじめ、輸送施設の配置上の観点からする運輸大臣の意見を聞かなければならないことといたしております。
 第四十五条から第四十八条までは、施行者に関する特例について定めております。
 すなわち、第六条に関して御説明いたしましたように、新住宅市街地開発事業は、地方公共団体または日本住宅公団で建設大臣に申し出たものが施行する建前でありますが、この例外といたしまして、第四十五条第一項におきまして、第三条の都市計画の決定された区域内に一定規模以上の一団の土地を有する法人で事業施行に必要な資力、信用及び技術的能力を有するものに限り、建設大臣の許可を受けて、その所有する土地について、新住宅市街地開発事業を施行することができることといたしております。これは、新住宅市街地開発事業は、収用制度という強権の発動を伴う事業であります関係上、私人を施行者とすることは一般的には適当でないわけでありますが、強権の発動を伴うおそれのない範囲内で資力、信用及び技術的能力のある民間法人がこの法律の定めに従って事業を施行されることは、むしろ民間における資力及び技術的能力を活用いたすといろ観点から望ましいことでありますので、土地所有者に限り、以上の条件のもとに建設大臣の許可を受けて事業を施行することができることといたしたのであります。
 第四十五条第二項は、これらの施行者が土地所有者であることにかんがみ、この法律中適用することを適当としない条文を定めたものであり、また、これに伴い第四十六条から第四十八条までにおいて、これらの施行者に適用すべき必要な規定を整備いたしたものであります。
 第四十九条は、この事業によって整備された土地及び建物の登記について、その手続の簡略化をはかるため登記の一括申請その他不動産登記法の特例を認めることができることといたし、その具体的な内容については、政令で定めることといたしております。
 第五十条は、地方自治法に規定する指定都市の長について都道府県知事と同様の取り扱いをする旨を定めております。
 第五十一条は、この法律の実施に必要な事項を政令に委任する旨を定めております。
 第五十二条から第六十条までは、必要な罰則について定めております。
 附則第一項は、この法律の施行の日について定めております。
 附則第二項は、不動産登記法の一部を改正する等の法律の施行に伴う必要な経過措置を定めたものであります。
 附則第三項は、この法律の施行に伴い都市計画法に所要の改正を加えたものであります。
 附則第四項は、公有水面埋立法の一部を改正して、この事業による溝渠またはため池の変更のため必要な埋め立てについては、公有水面埋立法を適用しないこと等の措置を講じようとするものであります。
 附則第五項は、建設省設置法の一部を改正して、新住宅市街地開発法の施行に関する事務を建設本省の所掌事務に加えようとするものであります。
 附則第六項は、新住宅市街地開発事業の施行者が住宅金融公庫の貸付を受けて造成した宅地の処分については、新住宅市街地開発法の定めるところにより行なうこととするため、住宅金融公庫法に所要の改正を加えたものであります。
 附則第七項は、農地法の一部を改正して、この法律の第四十四条第一項の規定による農林大臣との協議がととのった場合は、新住宅市街地開発事業の施行者については、農地の転用制限、転用のための権利移動の制限、所有制限等の規定は適用しないこととすることを定めたものであります。
 附則第八項は、土地区画整理法の一部を改正して、新住宅市街地開発事業を施行すべきことを都市計画として決定された区域については、都道府県知事は、土地区画整理事業の事業計画の認可をしてはならない旨を定めたものであります。
 附則第九項は、日本住宅公団が新住宅市街地開発事業として行なう宅地の造成及び譲渡並びに施設の建設及び譲渡については、新住宅市街地開発法の定めるところにより行なうこととするため、日本住宅公団法に所要の改正を加えたものであります。
 附則第十項は、租税特別措置法の一部を改正して、土地収用法等による収用等の場合の譲渡所得等に対する所得税または法人税の賦課の特例を新住宅市街地開発法による収用等の場合についても認めようとするものであります。
 以上をもちまして、この法律案の逐条ごとの説明を終わります。
#58
○理事(武内五郎君) 本案に対する質疑は、後日に譲ります。
        ―――――
#59
○理事(武内五郎君) 次に、建築基準法の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。質疑のある方は御発言願います。
#60
○田中一君 前田君でもいいけれども、容積で建築物を一応規制しようという考え方は、こういう場合どうなりますか、たとえば、現在は地上に対しては制限があります。地下に対して制限ございません。いわゆる地上以下地下の容積というのは、容積方式をとったとしても、地下に対しては制限はなかったわけなんで、す。たとえば地下を四階建てて、地上四階建てても一向差しつかえないのですね、今日までの法律では。そこで、容積で建築物の一応の規制をしようということになると、これはねらい方は何か、こういうことなんです。ねらい方は、高層化するということもあり得るし、また、その場合には、今度の法律の場合には、地上、地下ともに含めた容積を一応きめておるわけなんだな。従来は地下は野放し、地上の建築容積を高さでもって制限していたということになる。そこで、従来地下四階地上四階建ったという建物、そういう必要な用途があって建った建物が、これが地上を今度延ばそうという場合、あるいは四階のままでいいという場合、地下四階地上二階の場合、そうすると、容積としては減るということになるのではなかろうかと思う、地上に現われる部分の容積というものがね、現行法と比較して。いわゆる必要がないから建てないという場合があるし、建てたいという場合がある。そこで、それに対する指定は、地区指定をするわけなんです。そこでまた地区によって違うわけなんだね。この地区なら地下四階建てたい、建上二階でよろしい、との地区ならばそうでなくて、地上十階、十五階建てたいというものもある。これは何も一方的に、全体のその地域の環境等によって地区指定をするのだろうと思うけれども、そこでやはり土地の利用度というものが制限されるというおそれがあると思う。そこで、従来現行法で建っておる、地下、地上ともに建設されておるところの容積が、今度の新しい容積方式によって、どの地区かわからぬけれども、今までの考え方で建設をした場合に、マイナスになるというような使い方が――使い方ということは、建設の仕方並びに地区の指定の仕方というものによって、そういう面があるのではなかろうかというように思うのですが、法律改正によって指定された地域に指定された容積というもので見た場合と経済的にいろいろ用途がありますから、経済的に今までよりもその容積が縮まるというようなケースはありますか。あるような気がするのだ、僕は。
#61
○政府委員(谷藤正三君) ただいまの御質問にお答えいたします。先生のおっしゃるように、ある地区につきましては、今までの制限よりもきつくなることがあります。ということは、たとえば大阪の中心のあたりで、現在の地盤が三十メートル近くまでいかなければ、かたい地盤に達しないというような場合を仮定いたしますと、従来でしたら、地上の制限で押えられておりますので、地下のほうは四階あるいは五階に達しまして、下まで、かたい地盤に達する、最近のように工法が非常に進んで参りますと、地下構造が非常に楽にできるようになりましたから、むしろくい打ち方式によってやる工法よりもケーソン方式のほろが安くなる場合がある。そうしますと、軟弱地盤の上である深さまでどうしても達したほうが経済的だという工法が最近生まれて参っておりますので、そういう場合になりますと、従来よりもきつい制限を受けるという結果に相なることが出て参ります。ただし、その場合において、たとえばそういう場合でも中央地区、大阪のまん中辺のような場合で、交通量が非常に多い、やはり問題は、容積地域を指定する場合の地区を指定する場合問題になるのは、その発生文通量のあり方が、民間投資の全体として公共投資のバランスがどこにあるかという問題から検討されなければならぬと思うのです。つまり民間投資が十階、十五階あるいは三十階、五十階と建てられるといたしましても、その床面積から発生しますところの交通量をざばき切れないような公共投資では、そこにアンバランスが出て参ります。町として死んでくることになりますので、これを殺さない町にするためには、どうしても両方のバランスをとっていかなければならぬ。そうしますと、地下だからどんな利用の仕方をしてもいいとなると、逆に言いますと、最近のような町の作り方になりますと、大きな建物ほど地階に劇場もしくはレストラン、その他の施設の、つまり不特定多数のものがより以上に集まるような構造が最近盛んになって参りましたので、地下構造をそのまま、今までのような制限で放置しますと、むしろ発生交通量がふえてくるというチャンスが非常に多くなって参りますので、この際は、容積というものを指定いたしますとしますならば、どうしても発生交通量というものを十分検討した上で公共投資とバランスをとらなければならぬということで下を入れたわけでありますので、場所によりましては、必ずしも有利にはなりません。
#62
○田中一君 そこで、ただ単に常識的にしろうとはこれによって容積がふえるのだという印象を持っておるわけです。また、そのような宣伝もしているのですよ。高くなるということは容積がふえるのだというような印象を受けておられる。そこで、自己の欠点じゃなくして、その地域の他の人たちの影響によって自分の土地の利用度が制限されるという考え方に対しては、むろん、その社会性といいますか、全体の面から見てやむを得ないという場合もあろうけれども、そこにやはり容積地区指定という問題が、客観的な社会の状態から個人の利益が制限されるということになるのです。私が心配するのは、交通量とか、いろいろな他の現象の影響によって制限される場合ですね。どういう基準で地区指定をしようとするのか、非常に問題だと思うのです。交通量なんというものは簡単にとめられることができるのです。減らすこともできるのです。たとえば、その地区にバイパスを作って、あるいは高架道路を作って、あるいは河川敷を通っておるような道路を作れば、通過車両というものが減っちゃうのです。だから公共事業としてバイパス的な道路を、一定の――その区域でなくて、その区域以外のところから出発するものを作れば、交通量はぐっと減っちゃう。その場合、それを作るという計画があることによって、容積を十分に使えるような形にすることもできる。しかし、そういう公共施設がないために、いたずらに制限をされるといろことになると、その損失といろものをだれが負うべきかということを考えざるを得ないのです。道路なら道路といろ公共施設を作るという――大阪なら大阪市の責任があって作るべきではないか、経済的に非常に高い価値を持っておるところの土地を利用するのに。そうすれば十分なる利用ができるにかかわらず、それを作らぬために自分の利益を制限されることがあっちゃならぬと思うのです。そういう点はどういう考え方でいかく、その公共施設の見合いですね。そういう計画を一ぺん作ってしまえばなかなか改正できないですよ。だから、今度の法律の改正によって、これを指定される各都市ともに、都市全体のそれこそ二十年、五十年先の想定のもとに、かくあるべきだ、こうなるのだという青字真を一応描きながら、その青字真にのっとって公共事業を進めながら指定されなければならぬと思うのです。ただ単に建築基準法でこれが規制されたということだけで解決されるものじゃないのです。先ほどちょっと都市局長も言っておるように、その地域全体の問題なんです。しいて言うならば、現在の建築基準法がただ単に建築物に対する規制であって、置かれおる環境、いわゆる都市計画の面から何らものを見ようとしてない。建築物そのものに対する法律なんです。だから、私はかつての市街地建築法のほうがいいんじゃないかという気がするわけです。ことに、こういう野放図もなく建築物の社会性というものを無視して、建築物だけの自由な行為がわれわれの共同社会に行なわれていることによって起こるいろんな意味の損害、不便、不利がその町に起こってきているわけです。私はそういう点から見ても、都市計画全体が、大阪市なら大阪市の明日の都市計画というものが、実行し得る都市計画というものが確定されなければならないのじゃないかという気がするのですが、その点はどういろ考え方ですか。また、それに並行してそうした公共投資を行ないながら、貧しい日本の経済力を高度に利用するというための容積地区指定ということを考えていくべきじゃないかと思うのですが、その点はどういう考え方に立ってるのですか。
#63
○政府委員(谷藤正三君) 先生のおっしゃることは、まことに私どもとしましてはそのとおりでございまして、これは実は、最初の問題のときから建築学会に対しても、都市計画的に見て十分検討していただくようにということを念を入れて申し上げているわけなんです。たとえば東京都の場合で申し上げますと、具体的に一番わかりやすい東京都の場合でございますと、銀座を中心としました千代田、中央区のいわゆる都心地、これにつきましては、御承知のように、あらゆる路線が全部地下鉄の計画線に入っております。そうしまして、大体においてもうこれ以上、あの十路線の中で全部入りますと、都心に入ってくる地下鉄さえも作る場所がないぐらいに入ってるわけでございます。そういうふうな状態で、上昇率を一六〇ないし一九〇というふうなところまで押えましても、現在の公共街路、地下鉄、バス、電車、こういうものを全部合わせて参りましても、大体今のところでは都心に入り得るところの交通量というものは、現在の交通量の約一・入倍、これが大体限度で、つまり一・入倍しか許容力がないわけであります。問題になりますのは、今度の法の中で制限の緩和というところでございますような、現在の都心は非常に細道路網がたくさん入っております。細道路網が入っておりますために、あらゆる地区から一方交通の車が全部広い通りに顔を出して参ります。したがいまして、そういうものが今後再開発によりまして現在の小さなブロックの建物がまとまった共同建築をやることによってブロックの数が減るということになるというと、交通統制もだいぶ楽になって参りますのと、それから昭和通りに現在立体交差をやっておりますところのああいう状態で交通の流れをとどまらないようにいたしますと、交通量は各街路につきまして約二倍になります。そういう計算を全部いたしましても、なおかつ、都心におきましてはいわゆる一・八倍、こういう交通量の許容力しかないということになって参りますので、たとえば三原橋から向こうの地盤の悪いところに入りまして、建築上高いものを建てるために地下にずっと入っていく、深く入るほど耐震力は強くなる、したがいまして、深く入るほど安全率が高くなるということになりますというと、土地の利用状態からいいますと、高いほど有効になるということになります。ただし、現在の状態で、容積率と現在の地価、それから建築投資のあり力というふうな、今の、大体概算の計算でございますけれども、それでやってみますというと、今の時点におきましては、最も経済的な容積率が大体三〇ぐらいのところになる、それ以上になります、むしろ建物自身につきましては不経済になる、ただし、不経済になりますけれども、個々の不動産業者からいわせますというと、むしろ高いほど個人的には利用価値がふえて参ります。その点個人としての考え方と、社会性とのバランスの問題をどこで限度を置くかという問題になってくるのじゃないかと思います。その点が十分ありますので、都市計画的に見ますというと、ある程度のきつい制限をかけざるを得ない、場所によりましては、かけておいて、もしもそういう街区の編成がえができるような状態で、交通量が増せるという範囲内においてプラス・アルファという形で、そういうものが共同建築方式によって高さを増すことを許さざるを得ない。といいましても、そういう、東京とか大阪とか、中央付近のああいう軟弱な地盤だけが対象になるわけじゃなくて、基準法そのものはビルディング・コードでございますので、ほかの地区で花樹岩の岩盤の土地もございますし、その他の岩盤の土地も日本全国の中にはございますので、そういう悪い土地のために、ほかの土地に対して制限をきつくする、あるいは交通規制上の問題にならぬような中小都市に対しても、基準法上の高さを押えてしまうということには無理がある、その点を考えますというと、ある程度の、現在建築学的にみまして、この程度の高さならば許容できるという範囲までのものは、許容としては与えられなければならない、ただし、大都市、ことに東京、大阪、名古屋その他の、目下すでに都市の混乱を招きつつあるととろに対しては、相当きつい制限をあえてしなければならないというふうに考えているわけでございます。
#64
○田中一君 そこで都市計画としての新しい青写真、この容積地区を指定する場合の新しい青写真ができれば、これに見合って、そうすればもっと緩和されるのじゃないかということがいえるのですよ。そうでしょう。だから、それは考えないのかというのです、並行して。ただ単にある面の制限がなされれば足りるんだということじゃないのですよ。並行して高津道路を作るとか、地下道路を作るとかというのがあり得るのですよ。そういうものが並行して計画され、実現するような、今のような、絵にかいたものじゃなくて、少なくとも何年先には実現するのだというようなものが、新しく都市計画上検討されなければならないのじゃないかと言っているのです。それは、この法律と一緒にどういうことを考えているかというのです。おそらく考えていないのじゃないか、現段階では。
#65
○政府委員(谷藤正三君) その点については、相当積極的に考えておることもございます。といいますのは、すでに三月に発表いたしましたように、建設省の中で大都市再開発懇談会という、これは正式の委員会でございませんが、組織を持っておりまして、これによりまして、中間の第一次発表をいたしております。その中でも、たとえば都心地区につきましては、問屋街、市場、それから発生するところの床面績当たりの交通量と、業務中心、単なるビジネスをやっておりますところの床面績から発生します交通量の差は約四倍になっております。そういうような調査を十分いたしまして、それでは都心部の再開発というものは、一体そういう発生交通量の大なるもの、しかも、その大なるものというのは、市場とか問屋とかというものは、わざわざ地方から大量輸送いたしまして、都心に入りまして、しかも、それが再配分されましてまた都心部から外に出かけていく、都心で全部さばかれる品物でないものがたくさんあります。そういうものにつきましては、なるべくこれを郊外に移したい、ただ郊外といいましても、首都圏の構想にありますような、はるかかなたに持っていくというようなことでは、一千万の人間を対象といたしておりますので、この一千万の人間がここに存在するということは認めなければなりません。その認めた前提におきまして、できるだけ流通施設が一千万人の人間に対しまして迅速に配布できるような場所を選定しなければならないというふうに考えまして、中間報告ができておりますので、これに基づきまして、ただいま具体的に、先ほど申し上げましたような東京の街路をどういうふうに、それでは業務中心地域、副都心地域、都心地域に対して連絡網を作るか、それからまた、都心に一たん入りましても、たとえば都心に必要としないところの交通をどういうふうにさばくか、たとえば京浜から参りました交通が、砂町に用があるというものに対しましては、わざわざ混雑する都心に入ってもらう必要がございませんので、これをどういうふうに都心の周辺を通してやるかということが交通量と交通網の再検討という問題になって参りますので、今後の五カ年計画を改定いたします前に十分検討いたしておりますが、その原案によりまして、今度の来年度から始めさしていただきたいと思っておりますところの五カ年計画改定に織り込んでいきたい。新しいそういう流通施設の新市街につきましては、できるだけ早く用地の獲得をいたしたいという都合で、本年度から具体的に実施の段階に入っておるわけでございます。
#66
○田上松衞君 さっき提示された改正法第五十九条の二第六項の政令案要旨の中の2の説明をひとつ明らかにしてもらいたい。すなわち、建築物の敷地と隣地との間に著しい高低差がある場合の緩和、これをちょっとわかりいいようにしてもらいたい。
#67
○政府委員(前田光嘉君) この五十九条の二の六項の適用と申しますのは、原則として、同一の平面に建物が並ぶということを前提といたしまして、そうした場合に隣の建築物があまり高いと、その隣の建築物に陰、あるいは日照、採光、通風等に影響を与えることから規制をいたしておりますが、隣の敷地が非常に低い場合、高い場合等につきましては、こういう緩和の仕方を規定どおり行なう必要がないと考えられますので、そこで、その高さに応じまして、建物のある場所が低ければ、それだけ緩和をする率が多くてもいい。建物を新しく建てる土地が非常に高ければ、少しきつくしないと、隣に影響を与えるというようなことで、その高低の差によりまして、運用の実際上の具体的な事態に合うようにする必要がございますが、高さの制限を、全部建物の高さに加えるということも少し行き過ぎと思いますので、たとえば、その半分くらいを建物の高さと見るとかいうことにいたしまして、隣地との高低のある場合には、具体的に当初の規制の趣旨が生かせる程度に緩和していいのじゃないか、こう思いまして、こういう場合の緩和の規定を立てたわけでございます。
#68
○田上松衞君 その趣旨を聞いておるんじゃないですよ。そういう工合に理解をしておるんですが、図面で書けばどういうことになるかというのです。低い敷地の地盤面は、その高低差に応じて一定以上高い位置にあるものとみなして緩和する、こういうのですね。緩和する、すなわち、制限をはずすということでしょう。それを図でどういうふうになるか、ちょっとわかりいいように説明してもらいたい。今お話しされたのと、何だか私の感じでは逆になるのじゃないかという感じがするのですから、疑問を持ったので御質問したのです。
#69
○説明員(前岡幹夫君) これと同様の規定が道路による斜線の制限にもございますが、要するに敷地が違いますと、下の低いほうの敷地で、たとえば三十一メートルから斜線で制限している、こういうわけでございます。隣の敷地が高いわけですから、三十一メートルから斜線で制限するのはちょっと酷じゃないか、少し地盤が上がったものとして考えてやってもいいんじゃないか、そういうことでございまして、私らのほうとして一応考えておりますのは、現行法に、道路による斜線の制限でもそう扱っておりますが、大体まず一メートルくらいの差は通常あるというようなことで、一メートルというのを基本的に引きまして、その残りの差の二分の一のところに地盤があるといろ程度の緩和をやっているわけでございます。緩和は、全然はずしてしまうというわけじゃございませんので、そういう少し高いところに地盤があると想定してこの規定を適用する、こういう緩和の仕方をしたい、こう考えております。
#70
○田上松衞君 大体わかっておるんですが、一定以上というのは、何か数字では出せないのですか。
#71
○説明員(前岡幹夫君) この数字につきましては、ただいま検討中でございまするので、まだはっきりした数字を持っておりません。
#72
○田上松衞君 わかりました。
#73
○理事(武内五郎君) ほかに御質疑ございませんか。――別に御発言もなければ、本日はこの程度でとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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