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1962/03/14 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 科学技術振興対策特別委員会 第4号
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1962/03/14 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 科学技術振興対策特別委員会 第4号

#1
第043回国会 科学技術振興対策特別委員会 第4号
昭和三十八年三月十四日(木曜日)
   午後二時十四分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     田上 松衞君
   理事
           大谷藤之助君
           松澤 兼人君
   委員
           上原 正吉君
           江藤  智君
           源田  実君
           平島 敏夫君
           横山 フク君
           野上  元君
           牛田  寛君
  国務大臣
   国 務 大 臣 近藤 鶴代君
  政府委員
   科学技術政務次
   官       内田 常雄君
   科学技術庁長官
   官房長     森崎 久壽君
   科学技術庁計画
   局長      杉本 正雄君
   科学技術庁原子
   力局長     島村 武久君
   科学技術庁資源
   局長      井上啓次郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       工楽 英司君
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   科学技術庁原子
   力局次長    村田  浩君
   運輸省船舶局原
   子力船管理官  高田  健君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本原子力船開発事業団法案(内閣
 送付、予備審査)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(田上松衞君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 初めに、先ほどの理事会で協議いたしました結果について申し上げます。
 まず、次回の委員会についてでありますが、定例日となっておりまする二十一日はたまたま祭日になってしまうわけでありまして、翌二十二日に開会することとして前回の委員会では御了承をいただいておったわけでありますけれども、理事会であらためてそのことを協議いたしました結果、次回は祭日の前々日、すなわち十九日の午後一時から開会するということに変更いたしましたので、お含みいただきたいと考えます。
 次に、本日は日本原子力船開発事業団法案について補足説明を聞いた後に質疑を行なうことにしたいと思います。
 以上理事会でとりまとめました結果でございますので、御了承をお願いいたします。
 それでは日本原子力船開発事業団法案を議題にいたします。
 本件は予備審査でありますが、前回提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これから補足説明を聴取いたします。
#3
○政府委員(島村武久君) 先般、長官から日本原子力船開発事業団法案につきまして提案理由の説明を申し上げたわけでありますけれども、本日はその補足的な説明を若干させていただきたいと考えるわけでございます。法案全体につきましては、かなり例文的なところも多うございますので、ただいまお配りいたしました要綱の次第によりまして一通りの補足説明を申し上げたいと存じます。
 まず第一の目的でございますけれども、「日本原子力船開発事業団は、原子力基本法の精神にのっとり、原子力船の開発を行ない、もってわが国における原子力の利用の促進並びに造船及び海運の発達に寄与することを目的とする。」とありますとおり、この事業団の大きな目的と申しますものは、原子力船開発を行なうということでございますが、実体的に申しますと、わが国におきまして従来原子力船に関します研究も数年やって参りましたわけでございますけれども、いよいよその基礎的な研究の段階あるいは応用の面につきましても、今後は実際に船をつくってみるということが非常に有意義であるという見地に立ちまして、いわゆる初めての船をつくってみるというところに主眼があるわけでございます。
 法律的な用語で原子力船の開発というようにいたしましたのは、単に建造をするということでなくて、実験研究の結果を実用船につなぐ間の仕事をするというような趣旨でございます。これは後ほど御説明も申し上げますけれども、まず第一に、この事業団はそのような意味の開発を行なうことであり、また、それは最初につくる船に限るという思想をこの開発という言葉の中に盛り込んでおるつもりでございます。それは、わが国におきますところの原子力の利用の促進にあたりまして一非常に大きな意義を有しますと同時に、世界的な造船国、海運国としての日本の立場、それを考えまして、その方面の産業の発達にも寄与するということを念願としておるわけでございます。
 なおここに「原子力基本法の精神にのっとり」という言葉もございますが、わが国の原子力の開発利用は、御承知のとおり原子力基本法にのっとりまして行なわれることになっておりますので、今回原子力船開発事業団の法案を作成いたします際にも、その点を第一条において明らかにしたわけでございます。
 第二に、「日本原子力船開発事業団は、法人とする。」この点につきましては、特に御説明申し上げるまでもなく、この事業団そのものに法人格を付与するという意味におきましてこのような規定を置いたわけでございます。
 次に、資本金でございますが、「資本金は、一億円と事業団の設立に際し政府以外の者が出資する額の合計額」といたしました。その一億円と申しますものは、二項にございますように、政府が三十八年度予算として現在要求いたしておりますその中から支出するという考え方になっておるわけでございます。第三項に、「必要があるときは、資本金を増加することができる。」、また第四項に、政府はその際に「予算で定める金額の範囲内において、事業団に出資することができる。」という規定を置きまして、法律改正を要しませずに資本金をふやしていくことができるようにいたしてあるわけでございます。なお、政府以外の者が出資する額と申しますものは、初年度つまり昭和三十八年度におきましては大体五千万円を予定いたしております。
 次に、第四の役員でございますが、「事業団に、役員として、理事長一人、専務理事一人、理事三人以内及び監事一人を置く。」監事一人は別でございますが、理事の三人は、これは置き得る数の限度を定めたものでございまして、事業団の事業の進展に伴いまして最終的な役員構成というもの、これがこの範囲であるということを明らかにいたしておるわけでございます。なお、理事長以外に専務理事を設けましたのは、この事業団の仕事が非常に、何と申しますか、画期的な大きな仕事でございまして、理事長にはできるだけりっぱな方を迎えたいと考えます場合に、やはりその理事長を補佐して、実質的にこの事業団の運営の責めに当たる者としては専務理事という制度を置いたほうが、より目的を達するのではなかろうかということを考えたからでございます。
 第五に、書かれてございますように、これら役員の任命にあたりましては、理事長と監事は主務大臣の任命ということになっておりまして、「専務理事及び理事は、主務大臣の認可を受けて、理事長が任命する。」ことにいたしております。主務大臣と申しますのは、この要綱の次のページの第十というところに書かれておりますように、「この法律において主務大臣は、内閣総理大臣及び運輸大臣とする。」つまり総理府と運輸省との共管という形になっておるわけでございます。理事長及び監事をその主務大臣の任命ということにいたしましたのは、これはその血尿におきまして当然でございますが、ここに「原子力委員会の意見をきいて」という問題がございます。この事業団を設け、原子力第一船を開発するというようなことは、これは御承知のとおり、わが国におきますところの原子力の開発利用に関しますすべての計画を企画し、立案し、決定いたしますところの原子力委員会のその決定に従い、計画に従いまして、このような構想を出しておるわけでございますが、そのいわば実行ということになります場合にも、原子力委員会と申しますものは、決して無関心ではあり得ず、また後に第八の「業務運営の基準」のところにも出て参りますが、この事業団の事業そのものが原子力委員会の計画に即して行なわれる必要もございますので、最も大平でございますところの役員のうち、理事長の任命につきましては、主務大臣が原子力委員会の意見を聞くことといたしたわけでございます。なお、専務理事及び理事を理事長の任命にいたしましたのは、この事業団が他の事業団等に比べまして、非常に鮮明な目的、はっきりした目的を持った事業を営みますので、その意味におきましては、責任を理事長一身に集め、全責任を持って遂行してもらいたいという意味から、理事長のいわば裁量の権限の余地を多くするという意味におきまして、専務理事、理事も主務大臣の任命ということをやめまして、主務大臣の認可を受けて理事長が任命できるように考えたわけでございます。
 役員ではございませんが、第六に顧問という制度を置きたいという考え方で所要の規定を置いてございます。この事業団の事業は、日本で初めて原子力船というものを開発するわけでございますが、それは研究者、技術者、あるいは産業界、学会、いろいろな意味におきまして、その総力をあげて実施しなければならない問題でございますが、そういう意味におきまして、各方面の学識経験者の愚見をこの事業団の事業に反映させたいという配慮にほかならないわけでございます。
 第七に、「業務の範囲」が列挙してございます。第一番目に、「原子力船の設計、建造及び運航を行なうこと。」ここに申します原子力船は、当初、目的のところで申し述べましたように、最初に日本としてつくる原子力船、こういう意味でございまして、次々に原子力船を設計していく、あるいは建造し運航していくという趣旨ではございません。いわば原子力第一船の設計をまずやりまして、それから、それを適当なところに建造させるわけでございますが、その建造の発注者となり、またそれを監督して船がりっぱにでき上がりますようにいたします責任をこの事業団は負っておるわけでございます。なお、そこで建造せられました原子力船につきましては、これを実験のために運航し、あるいは乗員養成のためにこれを運航するということを第一番目の仕事といたしておるわけでございます。次に、ただいまも申し上げましたが、運航というだけでなくて、それは乗組員の養成訓練のための運航があるという趣旨におきまして、第一番目にございます運航というものは、実験運航ということを主にして考えておりますので、特に二号を起こしまして、この建造せられました原子力船を利用して、乗員の養成訓練を行なうという規定を入れたわけでございます。三番目に「前二号に掲げる業務に関する調査及び研究」四番目に「前三号に掲げる業務に係る成果を普及すること。」、これは当然一号、二号に伴いますところの仕事と相なります。第五号に「前四号に掲げる業務に附帯する業務」、この点につきましても他の法律等にもありますような例文にもならっております。また、六赤目の「前各号に掲げるもののほか、第一条の目的を達成するため必要な業務を行なうこと。」というような規定も挿入いたしてございますけれども、これらの例と申しますか、を申しますならば、まず付帯業務といたしましては、第一、あるいは第二、場合によってあるいは解釈上できる仕事かもしれませんけれども、むしろ法律は相当狭く解釈するほうが望ましいと思いまして、たとえば、この原子力船ができました場合の燃料交換施設というものを建設するというような業務も当然付帯的な業務として考えなければならないものでございますので、そういうような仕事をこの第五号に入れたいと考えております。また、第六のその他の業務、これは主務大臣の認可を受けて行なうことにはいたしてございますが、ここ当分の間、この事業団が原子力船につきましては最も深い研究と、最も幅の広い経験を持つ機関になることは、これは当然でございます。将来民間で原子力船の開発に乗り出すということは、当然期待しなきゃならぬことでございますけれども、そういったような場合に、あるいは事業団以外のそれらのものから設計あるいは調査等を委託されるということなども考えられるわけでございます。いわば第一船のための調査というようなことでなくて、第二船以降の問題につきまして設計、調査を委託されるというようなことも考えられる、そういうような意味におきまして、業務の範囲といたしまして、六号を入れたわけでございます。
 第八に、「業務運営の基準」、この興業団は主務大臣が定めます原子力船の開発に関する基本計画に基づいて行なわなければならないというふうにいたしまして、その主務大臣が基本計画を進めます場合には、先ほども申し上げました原子力委員会の決定を尊重しなければならないことといたしました。事業団が生まれますれば、あとは全部事業団の責任において遂行するということでなくて、先ほども申し上げましたように、相当の国費を投じ、国の政策といたしましてこのような事業をいたすものでございますから、当然国としての計画を持ち、その実行をこの事業団が実施するのであるという考え方に立って、主務大臣の定める基本計画にのっとってやらなければならないということを規定いたしましたが、その際に、前にも申し上げましたとおり、原子力委員会の定めております長期計画、あるいは原子力委員会が今後原子力船に関しまして定めますところの意見というものを、主務大臣としても尊重する必要があるという趣旨を挿入したわけでございまして、これらは従来原子力基本法に基づいてできました法律等の例も参酌いたしまして、このような規定の仕方をいたしましたわけでございます。
 次に、「解散」、事業団の解散については別に法律で定める、この点につきましては第十一に「廃止」というところがございます。「この法律は、昭和四十七年三月三十一日までに廃止するものとする。」と申しますのと、やや対応した規定でございます。先ほども申し上げましたように、この事業団は、原子力委員会がかねて計画をいたしておりました原子力船の開発計画に沿って考えられておる第一船の仕事を担当いたすわけでございますが、それらの計画によりますと、設計から建造をいたし、実験航海の段階を経まして、乗員養成等もあわせ行ない、先ほど申し上げました事業団の業務の範囲に定められました仕事をいたします。全計画期間は九年間ということに相なっております。したがいましてこの法律は、おおよそ九年間の時限立法ということにして考えているわけでございます。ただその場合に、この法律が廃止になれば、当然事業団は解散するということに相なるわけでございますけれども、この解散に関しましては、かなり詳細な法律事項もあろうかと考えるわけでございます。たとえば研究施策の成果として得られました原子力船と申しますもの自体を事業団は保有しておることにもなりますので、そこで建造されました原子力船をどのようにして処分するかというような問題もございます。その場合に、いかなる方法をとるかというような点も出て参ります。いずれにいたしましても、相当問題の事項もございますので、実はこの法律の中で、そのようなことも規定しておくことも考えたわけでございますけれども、何分にも九年後のことでございますので、その際にあらためて法律によってそれらの点を規定することのほらが、より現実的であろうという考え方から、この法律におきましては「事業団の解散については、別に法律で定める。」ということにいたしたわけでございます。
 第十の、主務大臣の点につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございますが、このほか、この事業団法におきましては、他の事業団法にも見られますような事務所の問題でございますとか定款、登記、財務及び会計その他の規定を置くことにしております。また、この事業団は民間出資を求めるということになっております関係上、出資証券に関する規定あるいは持分の払い戻し等の禁止に関する規定等も入れてございます。
 また附則におきましては、この事業団を監督いたします運輸省及び科学技術庁関係の設置法のその部分に関しまする所要の改正規定、あるいはこの事業団に対しまする税法関係の特別の規定その他を付則として織り込みました次第でございます。
 以上が、先日長官から御説明申し上げました提案理由に付け加えまして補足的に御説明申し上げた要点でございます。いずれまた御質疑の際、あらためて詳細にお答え申し上げたいと思いますが、とりあえず補足的な説明といたしまして申し上げた次第でございます。
#4
○委員長(田上松衞君) これより質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#5
○野上元君 二、三御質問申し上げたいと思いますが、ただいま御説明を聞いたばかりで、なおよく検討しなければならぬ点もあると思いますが、若干、思いつきになると思いますが、その点はひとつ御容赦願ってお答えいただきたいと思いますが、今御説明を聞いておりますと、この事業の内容から見て、あるいはまた主務大臣が運輸大臣であるということから見て、むしろこれは科学技術特別委員会でやるよりも、運輸委員会でやるべき性質の問題ではないかというように考えるのですが、科学技術特別委員会で特に審議しなければならぬという理由は何でしょうか。
#6
○政府委員(島村武久君) 御意見のとおり主務大臣は内閣総理大臣及び運輸大臣となっております。何しろ船のことでございますから、運輸省の関係の委員会で御審議なさるというお考えも、とり得ないことはもちろんないと思います。どちらの委員会に付託されますか、これは国会の事項でもございますし、あるいはこれはこの事業団に対する考え方の問題だと思う。先ほども申し上げましたとおり、原子力を利用した船をつくるというだけの問題でございますれば、これはあるいは運輸省だけの問題にもなり、当然運輸委員会の御審議を経なければならぬ問題かと思いまするが、こういう計画を立てました主眼は、原子力の開発の一環として考えているわけでございます。一昨年二月発表いたしました原子力委員会のわが国における原子力の長期開発計画、この中にすでにこういう構想が述べられております。その後、原子力委員会において専門部会を設けまして鋭意この間の構想を練ってきたという経緯がまずあるわけです。原子力委員会は、これは各省関係、たとえば陸上の発電の場合、この種の仕事は通産省になるわけでございましょうけれども、原子力発電をいかにして開発するかというような計画は、原子力委員会がきめるという形ですべてが進められておりますので、船の場合におきましても、いわば内閣総理大臣という側の感覚を強くとり入れましたのは、開発という点に主眼があるからでありますことを御了解願います。なお、この事業団に関します予算でございますけれども、原子力に関します予算は、一般的に申しまして、各省につきます場合にも、いきなり各省大臣が大蔵大臣に要求するという形でなくて、科学技術庁原子力局で取りまとめまして、一括大蔵省に要求するということが設置法できめられておるわけです。その場合に、原子力委員会の調整に服することは当然でございまして、今回の場合には、いわゆる原子力予算といたしまして原子力局から要求いたしました額、この政府出資に当たります一億円の予算も、さような経緯から科学技術庁についておるわけでございます。いわばそのようないろいろな今までの経緯、事情等がございまするので、政府側といたしましても、いわゆる科学技術振興という角度から、従来の原子力の開発利用ということを御審議下すっておる委員会で御審議いただくことが適切であろうと考えております。実はこれは国会事項になりますことで、私どもから申し上げることではございません。政府側の都合あるいは事情等を御説明申し上げた次第でございます。
#7
○野上元君 第一の事業団の目的というところにおいては、日本原子力船開発事業団と、こういうことになっておるわけですね。したがいまして、技術の開発であるならば、私も当然科学技術庁が主管すべきであるし、また特別科学委員会がやるべきであると思っていたのですが、事業団をつくって船を建造するということになると、その性格は、技術開発よりもむしろ船の建造のほうに力が入ってしまうのではないかというようなこともちょっと考えたので今のような質問をしてみたわけですが、第七の第一のところに「原子力船の設計、建造」そうして「運航」まで入っているわけですね。あなたの先ほどからの説明を聞きますと、大体九年間かかって建造が一応完了する。そうすると、この事業団が解散するということになれば、ここに言う「運航」というのは、この事業団では行なわないのじゃないか、「建造」までで終わるのじゃないかという気がするんですね。その点ちょっとまぎらわしいので、さっきの第一の質問と関連があるんですが、その点ひとつ御説明願いたいと思います。
#8
○政府委員(島村武久君) お答え申し上げます。大ざっぱに九年と申しましたので、さような御意見が出たと思うのでございますが、この九年間は、実は実験航海、養成訓練、みな含めての九年間でございます。言いかえますと、おおよそこの事業団が発足いたしますれば、二年間は設計の仕事になろうかと思います。それに続きます三、四年の期間というものがこれが建造の期間とまあ考える。二年間かかって詳細に設計いたしましたものを、現実的なものにつくり上げる期間でございまして、一般の船より相当長くなっておりますのは、これに積みますところの原子炉、これも単に外国から買ってくるということでございませんで、日本でつくりたいという希望を持っておりますので、やや長期に考えておるわけであります。そこで、船そのものはでき上がるわけでございますけれども、それに引き続きましていろいろな今後のためのデーターもとり、それこそ研究目的もあることでございますので、いわば実験的に動かすという期間を当然予想して、また実験的に動かすと申しましても、単に機械そのものを動かす段階から、いわゆる動き出す段階、さらには広く大洋に乗り出しまして長期間にわたって航海するというような期間も全部含めまして、その間にもちろん当然乗員の養成ということも合わせて行なうわけであります。実はこの船には、今後の詳細な設計等に待つわけでございますが、構想といたしましては五十名程度のそういう訓練のための人員を収容する能力も持たせたいというふうに考えておるわけであります。いわば原子力船をつくり上げて動かしてみる、あるいはそれを動かすに必要な人間を養成するということ、全体を開発と考えまして、それがこの事業団の仕事であるというふうに思っておるわけです。九年たちましてもこの船がすぐそれでだめになってしまうわけではございませんので、それ以降がほんとうの原子力船として、何と申しますか、実用に供せられることになるのでございますが、その際には、もうこの事業団でやるのでなくて、他の機関に移してやる、事業団はそこまでの仕事で解散する、こういう考え方でございます。
 なお、申し落としましたが、現在原子力委員会が今日まで考えて参りまして、このような計画を打ち出しました場合の原子力の第一船と申しますものは、九年たちましたならば海洋観測船に使いたいという考え方でございまして、したがいまして、設計のときからそのようなつもりで設計をいたすわけでございます。それによりまして実際に船をつくり上げ、乗員の養成も行ない、実験運航も行ないまして、計画どおりに参りますれば、九年たった暁にはこれをほんとうに海洋観測の仕事に充てる船として活用したい、そういう考えでございます。
#9
○野上元君 そうしますと、第七で言っておりまする「運航」というのは、これは事業団の内容ではなくして、試運転あるいは実験という意味に考えてよろしいのですな。
#10
○政府委員(島村武久君) 海洋観測船をつくりましても、海洋を観測するための運航ということでなくて、やはり今おっしゃいましたようにこの船の開発ということに関します運航というふうに御理解願いたいと思います。
#11
○野上元君 そうしますと、九年かかってこれができたあとは、今あなたが言われているように、はっきりしておるのですね、海洋観測船にこれを充てる……。したがって、おそらく所管は運輸省なら運輸省になる、こういうことになるわけで、これを民間に払い下げるとかなんとかいうことは、全然今のところは考えていないわけですね。
#12
○政府委員(島村武久君) 民間に払い下げていかぬというところまで考えておるわけではございませんが、何しろ海洋観測船でございますので、海洋観測の業務は、御承知のとおり今もっぱら政府機関によって行なわれております。必ずしも海洋観測の仕事は、運輸省だけがやっておるということではございませんが、主として運輸省で担当しておられますので、今おっしゃいましたように、この船がほんとうに海洋観測の仕事に携わります場合には、運輸省所管になりまして、運輸省の手で動かされることになろうかと思います。もっとも、同じ運輸省の中でもいろんな機関がおありになることでございまして、たとえば水路部でございますとか海上保安部でございますとか、気象庁でございますとか、現在それぞれの機関でやはり海洋観測の仕事をそれぞれの立場から受け持ってやっておられる。どの省のどこにこの船が所属することになるかということは、必ずしも現在はっきりさしておるわけではございませんけれども、運輸省とも話をいたしておりまして、そういうような目的のために使うということは明らかになっておるわけでございます。
#13
○野上元君 そうしますと、九年間かかって一隻つくるわけですか。
#14
○政府委員(島村武久君) 一隻つくりたいという考えでございます。
#15
○野上元君 九年かかって一隻できて、実験をやってみて成功といった場合に、海運界がこの技術を十分に利用し、そしてコマーシャル・ベースに乗せられるという状態にするためには、その後、この船をつくるのにやはり五年間ぐらいはかかるわけですか。一隻つくるのに。
#16
○政府委員(島村武久君) さようには考えておりません。この船をつくりますのに、いわば設計段階二年、それに続きまして、四、五年の間にほんとうの完成というところまでこぎつけるような計画になっておりますが、これは最初の、まだ一ぺんもつくったことのない船をつくるのでございますから、この「業務の範囲」などにもありますように、研究調査も並行してやっていくことになりますので、かように長くかかるわけでございます。しからば九年たったあと、今度は経済性にも合うというようなことになって、そうして民間がこれをつくります際にどのくらい時間がかかるかということは、これはちょっと簡単に申し上げかねる点もあるかもしれませんけれども、現在常識的に考えますには、もちろん二年もあればつくり得るということになるのじゃないかと考えるわけでございます。
#17
○野上元君 そうしますと、第一の目的を達成することができるかどうかという確信は、具体的に言えば、海運界に寄与できるという確信を持つためには、九年やってみてその実験を待たなければ何とも言えない、こういうことになりますか。
#18
○政府委員(島村武久君) もちろんお説のとおり実際に日本の造船界が原子力船というものをつくる能力を実証する、あるいは海運界が日本でできた船を海運業に使うということのためには、こういうようなことをやっておる必要がある。いわばこういうことをやってみて、だんだんにわかってくるという意味があることは、これは当然でございます。そういうことのために役立てたいというのが、こういうことを考えましたそもそもの目的なんでございますが、言いかえますと、九年たって、この船が所期の目的どおり完全に動くということになりました場合に、十年目にはそれではもう経済的に合うようになるかということになりますと、必ずしもわれわれはさようには考えていないわけでございます。もちろん希望といたしましても、何も十年待たなくても、もっと早い時期において経済性を得られるように、ことにこういう新しいことでございますし、科学技術の進歩も非常に目ざましいものもございますので、なるべく早く経済性に合う、また安全性を持った原子力船というものの出現は、期待はいたしておりますけれども、厳密な意味で申しまして、現在まで勉強いたして参りました結論を申しますと、原子力船がほんとうの意味におきまして経済性を持ち、他の種類の機関を持った船よりも原子力船のほうがいいということになるのには、まだ十年ないし十五年くらいはかかるということを考えておるわけでございます。その点がはっきりしてからつくるというのではおそうございますので、そういう場合に備えてつくるということでございまして、この船が成功すれば十年目からはすぐ経済性というふうには考えておりません。一方、日本だけがそのことをやるわけじゃございませんで、御承知のとおり現在原子力船としてすでに海に浮かんでおる――これは潜水艦以外に――船もあることでございます。その他の国々においてもそれぞれ計画を持って進められておりまして、今日の時代は、科学技術の面ではそれほどに鎖国的でもございませんので、こういう仕事を進める一方において、諸外国との研究とも相待ちまして、そういうような時代は割に早く来るのじゃないかという期待を持っております。この事業団の仕事と経済性とは、直接結びついておるというわけではないということを申し上げたいと思います。
#19
○野上元君 現在世界に、あなたが今説明されたように潜水艦以外の、すでに海上を航行しておる原子力船があるわけですが、それは大体どのくらいあるのですか。
#20
○政府委員(島村武久君) アメリカとソビエトにそれぞれ一隻だけでございます。アメリカについて申しますと、一九五六年以来、この商船の建造計画を立てましてつくってきたわけでございます。アメリカがつくりました船はサバンナ号と申しまして貨客船であります。貨物とお客を運ぶ船でございます。この船は昨年初めに完成いたしまして、現在、米国の近海を実験運航しておるわけでございまして、昨年暮れにはたしかハワイまで参りまして、現在、また米本土のほうに帰っておるということを聞いております。大きさは、総トン数一万二千二百トンというふうに伝えられております。それからソ連の分は、一九五九年の秋に完成した砕氷船レーニン号というのがあるわけでございます。これは、完成いたしましたあと、現在は北極航路の開発に従事しまして、在来の砕氷船では得られない多くの成果を上げておるというふうに伝えられておるわけでございます。
#21
○野上元君 それらの技術の交換というのは、今日は国際的には行なわれておらないのですか。
#22
○政府委員(島村武久君) これらのすべての点が全部交換されておるということはないと思います。もちろんノー・ハウ等の問題もございますし経済的な意味でのコマーシャルな契約等も、もし完全に知るためには必要でございましょう、しかしながら、これらの二隻の船だけに限らず、そのほかいろいろな原子力船に関する研究が行なわれておる、また、その他にも計画を持った国もあるわけでございます。日本でも先ほど申し上げましたように、原子力船というものについての研究もやってきたわけでございます。それらにつきましての技術情報の交換ということは、これは世界的な規模においても行なわれております。単に資料の交換ということだけにとどまらず、専門家の会議も数回世界的にも行なわれております。その間の交流ということは行なわれて参っておるわけでございます。
#23
○野上元君 今あなた方が考えておられる、そうしてこの事業団が今後開発しようとする原子力船の大きさはどのくらいですか、そうしてまた、その価格はどのくらいですか。
#24
○政府委員(島村武久君) 現在まで日本でやって参りましたことから先に申し上げたいと思います。
 原子力船の研究と申しましても、実は直接原子力船の研究だけやるということでございませんで、もちろん、すその非常に広い基礎的な面、極端に申しますと、原子力そのものの研究も原子力船の研究に役立っておるわけでありますが、ここではそういうことは省略いたしまして、直接に原子力船だけの研究という点について申し上げますと、日本では昭和三十二年以来手をつけておるわけでございます。これを実施いたしております機関は、国の機関といたしましては、運輸省の運輸技術研究所、それから民間の各造船会社あるいは機械業者と申しますか、メーカー側、そういうところで行なわれておりますが、特に日本原子力船研究協会というのがございまして、今申しました民間各社のみならず、運輸技術研究所あるいは大学関係、そういう関係の学者等、各方面の皆さんお集まりの協会ができておるわけでございます。原子力局といたしましては、先ほども申し上げましたように、原子力船に関する研究経費というものも、一括取りまとめまして大蔵省に要求し、予算がきまりますれば、これを運輸技術研究所にも配分する、あるいは補助金あるいは委託費として民間にも流して参ったわけでございます。特にここ数年間におきましては、この全部の関係者が寄って研究をやっておられます日本原子力船研究協会というものを対象に、主として委託費という形で予算を支出して参りました。その額は三十六年度までで四億数千万円にも上っておるわけでございます。いわば原子力船に関します船体関係あるいは原子炉関係等の研究に使われてきたわけでございます。特に設計研究というような点につきましても、各種の船型につきまして試設計等も実施してきたわけでございます。――先ほど四億数千万円と申しましたのは、四億八千八百万円でございます。
 それからそういうような研究を土台といたしまして、現在考えております第一船につきましては、今後発足いたしましてから基本設計、詳細設計の段階に入っていくわけでありますが、一応現在考えられております計画は、これは原子力委員会に原子力船専門部会というものを置きまして、そこで各方面の研究所研究員等にお集まりを願って検討を進めてきた結論でもございますが、その大体の構想を申し上げますと、これは目的、あるいは用途と申しますか、それは先ほど申し上げましたように、海洋観測船でございます。総トン数は六千三百五十トン、これに乗り組みます者は、乗組員としては七十五名、それに先ほど申しました実験員あるいは訓練員というような、通常勤かす者以外に五十名程度の者を乗船させることができるようなものでございます。
 なお、この計画を遂行いたしますための総所要資金は六十億円を予定いたしております。そのうち船価、船自体の価格は約三十五億円、この船の直接の船価以外に、先ほども申し上げました付帯設備あるいは実験設備等を入れまして総建造費が四十五億円程度を予定し、残りの十五億円程度は、一般運営費、あるいは養成訓練費、その他いわば経常業務費を、建造費以外のものにということで予定いたしておるわけでございます。
#25
○野上元君 私たいへん失礼しまして出席しておらなかったために、資料を読んでおりませんので、重複したような質問をして申しわけないですが、これに全部書いてあるので、後ほどゆっくり読ましていただくことにいたします。
#26
○松澤兼人君 今のに関連質問ですけれども、今、局長のおっしゃったようなことは、何か書類が出ているはずなんですが、委員会にまだ配布してないと思います。お配りになったのですか。まあ言ってみれば、原子力第一船何とかいう、開発計画とかいうものをお配りになったのですか。
#27
○政府委員(島村武久君) ちょっと時期を失念いたしましたが、実はこの委員会におきましては、だいぶ以前に原子力船に対する構想として、あるいは予算に関連いたしましたりしまして、資料として御提出申し上げたという記憶はあるわけでありますが、実はちょっと今、今国会になりましてお渡しいたしましたか、以前にお渡しいたしましたか、ちょっとその点失念いたしております。いずれにいたしましても、従来差し上げておりました資料と、実は変わっていないことを先ほど来申し上げているわけでございます。
#28
○松澤兼人君 ここにあります二月にお配りになってらっしゃるのが、原子力開発利用について、それから「原子力第一船開発計画について」、最近に出たのは「国会提出資料、「原子力船関係」」、これも二月ですけれども、それ一応お配りになっていらっしゃるわけですね。
#29
○政府委員(島村武久君) もし三十八年二月という年月の入りました「原子力第一船開発計画について」というのをお持ちでございましたら、それは私どものほうから御提出申し上げたものでございます。
#30
○松澤兼人君 いつお配りになったか御記憶がございますか。
#31
○委員長(田上松衞君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#32
○委員長(田上松衞君) 速記を始めて。
#33
○野上元君 これは原子力局長に聞くのはおかしいと思う、造船関係の人に聞かなければならないと思うのだけれども、造船関係の方がわかればお答えいただきたいのですが、ただいま発表になった六千三百五十トンの海洋観測船を原子力を持ったものにつくり上げるとすれば、おおむね六十億かかると、こういうわけですね。これは普通の、ただ単なる観測船である場合にはどのくらいかかるのですか。
#34
○政府委員(島村武久君) 運輸省の船舶局から専門家が見えておりますので、そちらからお答えすることにしたいと思います。
#35
○説明員(高田健君) 船舶局で原子力船管理官をしておる者でございます。
 観測船を、ただいまの御質問では、原子力船でなくつくったら幾らになるかということであったと思いますが、観測船を原子力船としてつくりました場合は、六十億でなくて三十五億、そのうち船体――普通の船の部分が十七億、それから原子炉の部分が約十七億半でございます。で、この大きさの観測船をつくりました場合に幾らかかるかと申しますと、今の大きさでしたらば約二十億ちょっと欠ける程度になると思います。詳しい数字を今持っておりませんので恐縮でございますが……。
#36
○野上元君 私が、質問申し上げたのは、科学技術庁のほうが科学技術に関して非常な熱意を持って技術開発をされるという行き方については、われわれも十分了解ができるわけです。特に、何といいますか、技術の輸出輸入のバランス・シートから見て非常に入超になっているということが、まあ今日、日本では大きな弱点になっておるようですから、日本自体がどしどしと技術を革新して、むしろ技術を輸出されるというような、輸出超過になるくらいの心がまえでやられるということは非常に頼もしいことで、賛成なのですが、ただ問題は、何といいますか、むだがあるような気がするんです。国際的に見て、大きな目で見て……。たとえば今の問題でも、アメリカですでに原子力船は開発されて、運航されておる。ソビエトでも運航されておる。そして日本でこれをつくる場合には、九年の歳月がかかって、とにかく六十億の巨費を投じて一隻できるだけだと、そしてそれがはたして海運界の発達に寄与するだけのものが完全にでき上がるかどうか、技術的にでき上がっても経済性が伴うかどうかというような問題を考えてみますと、何か非常に国際的に見て、大きな目で見て、むだがあるような気がするのですが、今日の状態の中で、米ソが持っておるだけである。日本がこれと同等の立場で取り組んでいかなければならぬのかどうかというような問題について、私だけでなくて、国民全般から見ても、若干のやはりその点は疑点があるのじゃないかというような気がするのですが、その点についてはどういうお気持ですか、科学技術庁は。
#37
○政府委員(島村武久君) 科学技術の向上をはかって参ります場合に、どうもむだがあるのじゃないかという御意見に対しましては、私どもとしましては十分肝に銘じて、そのような批判なり、あるいは受け取り方があるということは考えて仕事をして参らなければならぬというふうに考えております。しかし、新しく非常に高度な科学技術の開発をやりますときには、やはり相当なお金がかかるということは、今日ではこれまたある程度常識でもあろうかと思いますし、伝えられるところによりますと、アメリカが先ほど申し上げましたサバンナ号を開発いたしますためには、現在までに百六十二億円ぐらいの金を投じてきておるというふうにも聞くわけでございます。私どものほうで九年間もかかりまして、また船価自体は三十五億程度のものでございますけれども、事業団というもののすべての経費をみな織り込みまして六十億ということをはじき出しました場合にも、これはアメリカほど幅広い、また層の深い研究の上に立って、しかも百六十二億要ったわけでありまして、アメリカ流のやり方をしましたら、とてもそんなものでできるはずはないわけで、そこには当然諸外国において、いままで開発せられたものをとり入れるという上に立っての話であるということが言えるかと思います。実は運輸省の側からは、すでに相当以前から非常に熱心に原子力船のこういった建造の早いことを希望せられるなにがあったわけでありまして、運輸省のみならず、日本の造船界等におきましてもそういう要望は非常に高かったわけでございます。しかしながら、日本としても、いきなりこういうものに手をつけるよりは、やはり帳面に考えた上で、また、研究の実績というものの上に立ってやらなければ、単に外国から受け入れるだけにいたしましても、相当のそれをこなす素地が要るわけでございますので、原子力委員会では、先ほども申しましたように、三十二年から取り上げまして研究あるいは開発の方針自体についても検討を進めてきた結果が、今日のような状況でございます。諸外国におきましては、諸外国と申しましても、現在船が浮かんでおるのはアメリカとソ連だけでございますけれども、アメリカ、ソ連の例について申しますならば、全部これは国費でやられておるわけでございますが、日本の場合、初年度だけで申しますと、一億五千万円で、そのうち五千万円民間が出そうということは、いかに日本が世界有数の造船国、海運国でありまして、世界的に技術が確立され、的になるまでじっと待っておられないというような背景も私はあると思うわけでございます。したがいまして、ただいまの御質問の御趣旨につきましては、今後私どもとしましても大いに自戒して進まなければならぬと考えておるようなわけでございますけれども、今日こういうことに乗り出す、あるいはこういうやり方で日本の原子力船第一船をつくるということにつきましては、これは私どもといたしましては当然やるべきことであり、また、最少限度の経費と考えておるわけでございます。
#38
○野上元君 第三の「資本金」の問題ですが、これは当面一億政府出資、そうして民間から五千万円、こういうことになっておりますが、当然これではどうにもならぬのですから、将来民間がふえたら政府は法律事項でなくて「増加することができる。」と、こういうふうにしてあるわけですが、その場合の比率というのは、今あなたが言われたような一対〇・五の比率で伸びていくわけですか。
#39
○政府委員(島村武久君) 最初この法律の書き方の問題でございますが、これは必ずしも民間が出してくれれば政府もふやすという趣旨でございませんので、法律の書き方自体は、これは初めのことを書きまして、あとはふやしていくことができるという規定にすぎないわけでございます。ただ、現実問題といたしまして、政府と民間との割合の問題でございまするが、率直に申しまして、今の日本の海運界あるいは造船界が、少なくとも先ほど申し上げましたように、もう目の先に実用化がちらついておる問題ではございませんので、これだけの大きな投資を原子力船だけについて行なうということは非常につらい実情にあるようでございますが、何にいたしましても、とにかくこういうものに乗り出すということの必要性から、民間もこの程度の出資をしましょうということになったわけでございますが、二年度以降、つまり二対一の割合でいくということは非常に困難でございます。実は民間からの要望は、大体において総経費の一割くらいは持つからというお話でございますが、それではなかなか実際問題として進めにくい点もございますので、いろいろお話して、初年度については政府一億、民間五千万ということに相なったわけでございまするが、二年度以降におきましては、大体の了解といたしまして政府三対民間一という、つまり二割五分を民間が持ってこの開発を進めていくということに大体のお話し合いをしているわけでございます。もっとも、産業界にも好況、不況その他いろいろの事情もあることと思いますので、毎年度ごとその所要資金の正確な二五%という意味にとるわけにもいかないと思いまするけれども、大体の考え方としては、そのような計画をいたしているわけでございます。
#40
○野上元君 今言われたように、民間といっても、大体造船、運輸からくるというほかには、ちょっとよほど奇特な人でなければ出資してくれないと思うのですね。ということになると、造船界は別として、運輸界は非常に最近は苦しい情勢にありますね。特に大きな借金を抱えて利子を払うだけでも非常に苦労しているというようなときにこれを出資するというのは、ちょっと私は今考えられなかったのですが、そういうことになると、最終的にはどれだけの資本金になるか知りませんが、かりに船が六十億でできるということになれば、そのらち五十五億くらいは政府出資でもって、あとの五億くらいがやっと民間からくるというような形になるということになれば、先ほどアメリカの例をとられたけれども、日本もやはり同じで、ほとんど国費ででき上がるんじゃないかというようなことにもなるのじゃないかという気がするのですが、その点のあなた方の見通しは何かありますか。
#41
○政府委員(島村武久君) 当初の民間の希望というのは、総経費のうち一割程度は持つからという、ぜひなにしたいという希望が、いろんな形で表明されておったわけでございますが、現在のところでは、先ほど申しましたように、二五%をめどとしてやりましょうということになっているわけです。この場合、おっしゃるとおり現在の段階では、海連と申しましても、海運からはもうほとんど期待できない状況でございます。ただしかし、海運界も、今までも全然一文も研究あるいは調査費を出さないでやっているということはございませんで、先ほども御説明申し上げました現在あります原子力船研究協会にも、海運業界も入っておられまして、まあ許す限りの研究をやっておられるという状況でございます。なお、民間で出資をする出資者の側として考えられておりまするのは、これはたまたま同一基準になる場合も当然出てくるわけでございまするけれども、いわゆる造船業ということのほかに、まあ造機と申しますか、機械メーカー、特に原子炉メーカーの関係も、考え方としては別にあるわけでございます。そのほか関連の業界というものもございますので、造船界、海運界がだめだから、造船界だけということでもございませんので、その点でちょっと補足させていただきます。
#42
○野上元君 ありがとうございました。
 一応私の質問はこれで終わります。
#43
○牛田寛君 原子力船は先ほどもお話が出ましたように、世界的な開発の対象になっているのでございますが、船の動力としては原子力は非常に有利な動力であることは当然考えられております。結論が出ているようであります。そういう立場から考えましても、現在の日本の原子力船開発の産業は、国際的な立場から、むしろおそきに失しているのではないかというふうに考えられる面もあるわけなんですが、その点について当局はどのようにお考えですか。
#44
○政府委員(島村武久君) お説のとおりおそきに過ぎるという見方も確かにあると思うのであります。と申しますのは、現在、先ほども申しましたが、現実に海に浮かんでいる船がもうあるわけでございます。それに対して日本がこれからとにかく第一船を建造するには、それだけの期間は要りませんが、とにかく九年計画を立ててやろうということでございますから、その意味におきましては、相当おそい。特に一般の他の分野と違いまして、日本は従来、常識的にもいわれておりますように、世界一、二を争う造船国、海運国というわけでございますので、ほかのほうはともかくとして、こういった分野は、もっと世界の国々に率先してやらなければならないことだというような面におきましては、むしろおそきに過ぎるということが言えると思います。ただ、これまた先ほども申し上げましたように、素地なくしていたずらに手をつけるということもできなかったものでございますから、われわれとしては、今までこういうようなことに踏み切りますまでに、必要な研究調査を行なってきたわけでございます。幸いにこの法案と予算がお認めいただけますならば、どうやら日本もそういった国々以外の国々に対しては、今後太刀打ちしてやっていけるのじゃないか、また、太刀打ちしてやっていくべきではなかろうかと考えておるわけでございます。
#45
○牛田寛君 原子力船開発のスケジュールでございますね、先ほど概略お話があったようでありますが、そのスケジュールの大綱をもう少し詳細に伺いたいと思うのですが……。古い資料は持っておるのですが……。
#46
○政府委員(島村武久君) 古い資料のほうで恐縮でございますが、タイム・スケジュール自体には、その点について変わりございませんので、今新しい資料は取り寄せておりますが、その資料によりまして御説明申し上げたいと思います。
 タイム・スケジュール的に申しますと、三十八年度、これは三十八年度と申しましても、ちょうど四月からというわけに参りませんで、これは当然年度の途中からということになるわけでございますが、設計に取りかかるわけでございます。それは船体関係と原子炉関係、これはもう並行して設計に入って参りまして、三十八年度、三十九年度、四十年度あたりまでは、これはおおむね設計の段階ということに相なるわけでございます。原子炉関係の一部につきましては、これは研究しながらつくり上げていくということもございますので、やや早くから手をつけますが、船体自体のほうは、これはまあやり出せば割に早くでき上がるものでございますので、起工も原子炉関係よりは若干おくれ、なおかつそれにもかかわらず、工事の完成は早くなるという形で、船体関係は四十二年度の中ごろにはでき上がる、それに原子炉のほうは大体船体の建造と並行いたしまして、順を追ってその船の中に据え付けていくということになりますが、結局四十一年の半ばに進水させますけれども、原子炉につきまして臨界を見ますのは四十三年度になるわけでございます。したがいまして、四十三年度から四十四年度にかけましては、臨界前あるいは臨界後のいろいろなテストをやりまして、四十四年度に初めて試運転をする。試運転がうまく参りまして、引き渡しということになりまして、あと四十四年度の残りと四十五年度、四十六年度というものは、これは先ほど申し上げました実験運航の期間に充てておるわけでございます。なおこの表に、四十年度から乗員の訓練を開始いたしまして、四十二年度までに一応の訓練は終わるわけでございますが、引き続き、実際の船を実験運航するということも、まあ大きな意味でいえば養成訓練に入るわけでございます。ここでそれを切りましたこと自体がいいか悪いかという問題は別にございます。なおこの設計段階、この二年かかりますのは、実は設計いたしますのにほんとうの意味で二年は必要ないのじゃなかろうかという考え方もございますが、何分にも初めてのものであるということと、原子炉であるという問題がございますので、安全審査というようなことも相当期間必要じゃなかろうかということも見込みまして、このような期間をとっておるわけでございます。現在までの研究段階におきましても、いろいろ試設計をいたしておりますので、実際面においては、設計そのものにこれだけの期間がかかるというよりは、むしろ安全審査の期間も含めてこれだけを見込んでおるというふうに御理解願いたいと思います。なお衆議院の御審査の際にも御意見が出たのでございますけれども、乗員の養成訓練等を含めましても、九年というのはあまりにも長過ぎる、もう少しこれは縮まらぬものかというお話も出て参りました。もちろんその点につきましても運輸省ともいろいろ意見を交換しておるわけでございますが、私ども運輸省といたしましても、この計画自体は非常に大事をとった計画でございまして、順調に進みますならば、資金関係の問題もあるのでありますけれども、技術的に申しますならば、これを切り詰めることも可能であろうというふうな考え方も持っております。
 簡単でございますけれども、およそのタイム・スケジュールを申し上げたわけであります。
#47
○牛田寛君 ただいま伺いましたスケジュールの上から考えますと、やはり原子炉の開発期間というものが全体の計画を左右する一番の中心の問題になっていくように考えられるわけですね。これまでも、先ほどのお話でも了解したわけですが、原子力船の開発については、予備的な研究も行なわれてきたようでございますが、運輸技術研究所、民間のメーカーあるいは日本原子力船研究協会というものがやられてきたと思うのですが、その予備的な準備段階の作業ですね、特に原子炉の開発についての予備的な準備が、現在どの程度の段階まで進んできておるか、それをお伺いしたいと思います。
#48
○政府委員(島村武久君) 技術的な研究の内容に関することでございますので、技官であります次長からお答えいたします。
#49
○説明員(村田浩君) 技術的な問題におきまして、これまで主として運輸技術研究所あるいは日本原子力船研究協会へお願いして研究をしていただいておりますものは、特に原子炉を船に積みました場合に、陸上と違った要素が加わります。それはどういうことかと申しますと、船が運航中に振動つまり波によって動揺するとか、船そのものの振動が陸上にある場合と違って参ります。そういった振動が起こりますのを原子炉の運転の安定という点に、どういうふうにこれが影響してくるか、またその影響をどういうふうにすればコントロールできるかというような問題、それからまた、同じく大きな意味での安全に関連して参りますけれども、原子炉を動かしたりとめたりします場合には、制御棒あるいは安全棒というものを操作いたしまして、これを上下に上げたり下げたりするわけでありますが、陸上にございますものと違いまして、海上を浮遊しておるその船体に載っております原子炉の安全棒あるいは制御棒というものが、そういう動揺期においても十分に機能を発揮し得るかどうか、また、これを発揮させ確実にそれを行なわせるのには、どういうような点を改良していけばよろしいか、あるいはまた、その同じ船の中に原子炉を置きます場合に、普通の舶用エンジンと違いまして原子炉というのは非常に重いという、まあ特徴といいましょうか、がございますので、そういった重い原子炉を船体のどういう部分に置けば最も安定するかというような問題、あるいはさらに、万々一船が海上におきまして衝突するようなことがあった場合に、どういうふうにこの原子炉を遮蔽し防護する構造を考えて設計すればこれに対応し得るであろうかというような問題につきましても、すでに数多くの実験研究をいたしてきております。なお、今後原子力船開発事業団ができまして、設計に関連してさらに研究を進めていかなくてはなりませんのは、こまかい点では幾つもございますが、大きな点で言いますと、原子炉を船に載せますときに、乗員あるいは訓練者を守りますために厳重な遮蔽を施さなくてはいけません。陸上の場合には膨大なコンクリートの遮蔽の装置を置くことができますけれども、船の場合には、もっと軽量で能率の高い遮蔽ということを考えなくてはなりません。これにつきましては、すでに原子力研究所が中心になりまして遮蔽の高度なものを開発しておりますけれども、現実に船をつくりますについては、実物大の遮蔽をつくってみて、それを実際に放射線に当てて、どういうふうに遮蔽できるかというようなことまで確かめておく必要がございますが、この目的のために、ただいま日本原子力研究所にJRR4というスイミング・プール型の原子炉を建設中でございます。これがただいまの計画では昭和三十九年の四、五月には完成する予定になっておりまして、完成の後は、この原子炉を主として、ただいまの原子炉の遮蔽の実験研究に充てまして、その成果を今度の原子力第一船の遮蔽構造に有効にとり入れていきたい、こういうようなことを取り上げて考えております。
#50
○牛田寛君 この動力に使う原子炉の型の問題でございますね、型式の決定は将来の経済性ともからんで非常に重要な問題になってくるのではないかと思うのですが、ただいままでの御研究の結果、原子力船に搭載する動力としての炉の型はどういう型式のものでなければならないかというようなことについての大体の見通しなり結論なりはお出しになったのでしょうか。
#51
○政府委員(島村武久君) 現在までこういうような計画を出します際に、原子力委員会で考えております原子炉の炉型といたしましては軽水型の炉ということを言っております。まあいろんな型の炉が原子炉としてはあるわけでございますけれども、アメリカで主として開発されまして、船に一番よけい使われておりますのは、一般的に考えまして、先ほど次長から御説明申し上げましたような原子炉。原子力を船に応用いたします場合に、炉自体を小型にすることができますとか、いろんな点がございます。そこまではきめておるわけでございます。ただ、同じ軽水炉と申しましても、加圧水型があったり沸騰水型があったりするわけでございますが、そういうようなところまでいった場合に、どの炉型かということは、今日まで決定いたしておりません。その点は今後の問題であるというふうに考えておるわけでございます。
#52
○牛田寛君 今度の原子力船の第一船に積む炉は、外国から買うように伺っておるのですが、その点はどういう御計画になっておりますか。
#53
○政府委員(島村武久君) 長い間議論いたして参りましたが、主として初期の段階におきましては、なるべく早く日本で原子力船というものを実現したいという考え方から、外国でつくられた原子炉を買ってくると申しますか、原子炉を外国に注文して、そうして買ってきて、日本でつくった船体の中に積み込むということでつくり上げようじゃないかという考え方があったことは確かでございます。しかしながら、同じ原子力船をつくります場合に、いわばその心臓であり、一番大事な点でありますところの原子炉自体を買ってきて、ただ載っけるということだけでは意味が少ないと考えて、今日この計画では、日本でとにかくつくる、原子炉も国産でつくるという考え方をとっております。ただ、外国で今までに開発せられました舶用の原子炉でなく、タイプにいたしましても、そういうものでなくて新しく日本が考え出して、そういうものを載っけるというような考えは、実は持っておりません。いわば、先ほどもお尋ねがございましたように、外国で開発せられました型の炉をお手本にして、それを日本でつくるという考え方に立っておるわけでございます。それは原子炉自体を全く新しい観点から、従来のものにこだわらずに新しい型式を求めてやるということでは、これはとてもこのような期間で完成するということも望めませんし、また、それに対する研究開発のお金も莫大なものになるというふうに考えられますので、いわば従来までに外国で開発せられました型というようなものを模しまして、それを日本でつくるという考え方をとっておるわけでございます。
#54
○牛田寛君 そういたしますと、原子炉の型の決定でありますとか、あるいは外国の技術を使っておやりになるということ、また特許の問題もございましょう。そういうふうな問題でいろいろと炉の型式については問題がまだだいぶ残っているように伺うわけです。それで、先ほどのスケジュールから伺いますと、初年度の中ごろあたりには製作所も決定を見る段階に当然これはなってこなければならないと私どもは考えるわけでございますが、そのスケジュールどおり進め得る見込みがおありなんでしょうか。
#55
○政府委員(島村武久君) 仰せのとおり同じ軽水炉の中で何を選ぶかという問題が残されておるわけでございます。これをどんなものを選ぶかということにつきまして、ちょうど今御質問がありましたような意味におきまして、むしろそこまで国がきめる、あるいは原子力委員会あたりがそこまで踏み込んで、先ほど御説明申し上げました基本計画、業務計画の中に織り込んで事業団に渡すべきではないかという御意見もあったわけでございます。私どもといたしましては、これは大げさに申しますと世紀の仕事であるというような大きな仕事だと考えております。しかもそれは、ずっと長く続いていくというようなものでなくて、非常にはっきりした第一船をつくって動かすというところにあることでございますから、むしろうまく所期の目的を達しますためには、この事業団の理事長というような人に責任を持ってもらうというような意味におきまして、その決定は事業団にまかせて、責任をほんとうに持てるような形でやってもらったほうがいいんではないかというような考え方から、決定をするというところまでいたしておりません。しかしながら、基本計画そのものは、この法律が通りましてからつくられる。法律によってつくられるもののことでございますので、炉型の選定ということが非常に困難であるというような状況でございますれば、これは原子力委員会というようなところに意見を求めまして、いずれにいたしましても、立てましたスケジュールが狂うということのないようにやっていきたい、かように考えておるわけであります。
#56
○牛田寛君 先ほどもお話が出た問題に関連するわけでありますが、事業団の任務でございますね、第一船の開発、建造、これが中心の目的である。そうなると、第二船以降は、当然民間の開発にまかせるというような形になってくると思いますが、そのような御計画なのでしょうか。
#57
○政府委員(島村武久君) 現在のところ仰せのとおり考えております。日本の場合、特に第一船をつくってみるというようなことは、先ほどもおっしゃいましたように、むしろおそきに失するようなことでございますが、巨額な資金も要することでもあり、また、諸外国の例を見ましても、国が率先やるべきことだと思いまして、このような計画を立てておるわけでありまして、これが九年たちまして、日本人の手でつくり、かつ日本人の手で動かすことができるというようなことが実証されました暁には、また一方、その経済性の検討ということも当然なさなければなりませんし、またその見通しが立たなければ、民間業者がこれに乗り出すということはしないと思いますけれども、私どもといたしましては、第二船以降は民間に大きく期待しておるわけでございます。
#58
○牛田寛君 第一船をおつくりになって、その結果いろいろな実験をやる、その結果、建造年数の短縮であるとか、あるいはその建造の価格であるとか、あるいはその他の経済性、それが採算ベースに乗ってこなければ、当然民間にまかせることができないし、また、まかせたとしても、民間での建造は不可能だ。それなら、どのような条件が満足されれば民間において建造が可能になるわけですか。どんなようなお見通しを立てておられますか。
#59
○政府委員(島村武久君) 従来考えておりますのは、主として原子炉の部分でございます。原子炉の建造という点で、在来船に比べて非常に高いという問題が現在あるわけでございますが、御承知のとおり、原子炉そのものと申しますものは、これは船だけ非常に飛び離れた型のものというわけのものでもないわけでございます。これは陸上の動力炉との関連におきましても、今日までの発展の度合いを持ち出すまでもなく、今後の飛躍的な発展が期待されておるわけでございまして、この部分の建造のコストが将来どんどん下っていくであろうという期待は持ち得るわけでございます。なお、今回つくります船は、六千トン余りの、まあいわば海洋観測船としてやや大き目、小型の船ということになっておりますが、この船の経済性の問題を考えます際には、陸上の場合も似たところがあるのでございますが、大きな型にすれば採算がとれ、安くなる、また高速なものにすれば採算がとれるということもあるわけでございます。したがいまして私どもといたしましては、現在の得られた資料、申しましても、実はまだアメリカの船そのものも実際に動いておると申しますか、実験航海中でございますから、外国の資料と申しましても、経済性に関する資料というものは非常に得がたい。ことに陸上の場合と違いまして、船の場合に船価の比較と申しますのは、建造費自体は船体の部分に一番多くかかりまして、これは一番安くなるだろうという見通しは立て得るのでございますが、運航費なんかの問題になりますと、油の値段が世界で非常に迷いまして、どこで油を積み込むかにつきましても、在来船の場合にも幾らのコストということはなかなか言いにくいような面もあるわけでございますので、比較はなかなか困難でございますが、一般的に申しますと、船を大型にすれば割に経済性があるというふうに考えられておるわけでございます。ソビエト、アメリカ以外に原子力船の建造の計画が伝えられておりますところでは西独があり、またイギリスがあるわけでございます。イギリスのごときは、ごく最近になりましてこのことを発表しておりますけれども、その詳細はまだ全然出ておりません。ただ、今までの傾向を見ておりますと、イギリスでは二年前でございましたか、原子力船建造計画を一応つくったのでございますけれども、経済性に合わないということでこれを廃案にして、そして船用原子炉の開発ということに乗り出した。経済性のある舶用炉を開発しようということでやっておったわけでございます。それが、二年と申しましたが、一年前でございましたか、一年もたたないうちに、最近発表したところによりますと、イギリスは経済性のある船をつくる自信ができたからやるのだ、こういうふうな言い方をしております。ただ、その場合でも、所要資金におきましても、一けた違うくらいの幅を持っていっておりますし、また、やるかやらないかということも最終決定ではなし、船の大きさ等も、何に使う船かも発表いたしておりません段階でございますので、とかくを言うわけにいきませんが、伝えられるところによりますと、まあタンカーだとすれば、少なくとも六万トン以上のものだというふうにいわれております。そういうような意味からも、大きくすれば、あるいは高速にするということに上って、あるいは経済性が在来船と相当程度に問題になり得るような現象は、そう遠くない将来にあると、こう考えておりますので、私どもといたしましては、この船をつくり上げるころには、民間というものが続いて第二船、第三船ということに乗り出してくるであろうことも期待しておるわけでございます。
#60
○牛田寛君 その点で、今度の第一船の船種が海洋観測船として建造されるということを伺いまして、第二船以後の経済性に対するその見通し、その上に立った第一船の建造計画というものについての考え方というものが、非常にはっきりしていないように受け取れるわけですね。で、現在世界各国の原子力船の建造状況なり、これからの開発の方針を、まあ私どもの見た範囲内で考えますと、言うまでもなくソ連はレーニン号のような砕氷船をつくっておる。これはもちろん経済性ということはあまり問題にする必要もないし、また、国家としての機関でやっておるわけでございますから、それは経済性は二の次になっておる。それからアメリカのこれは貨客船サバンナ号ですか、これも貨客船ではございますが、実際にどういうふうに使っているかといいますと、これは純然たる実験段階であるし、また一つのPR的に使われているといわれておりますが、そのほかソ連でもアメリカでも、あとは潜水艦、これは非常に数が多いわけです。英国だとか、あるいはそのほかの国々で計画されているということを、その内容は詳しく私も存じませんが、話を聞きますと、今もお話がちょっと出たのですが、第一船としては油送船、タンカーですね、タンカーのマンモスをつくるというふうな計画を持っている。そうすると、アメリカやソ連の原子力船の建造の方向と、それからイギリスとかイタリアとかあるいはノルウェーというような国々の第一船の建造の方針とは根本的に相違があるように受け取れるわけです、ソ連とかアメリカは経済性を無視しても原子力船を建造できる立場にある。ところが経済性を無視しては建造できないようなイギリスとかイタリアとかいう国々は、もう第一船の建造の結果をそのまま第二船に持ち込めるような計画の行き方をやっているのではないかというように私感ずるわけです。ところが、日本の計画、ただいまの御計画を承っておりますというと、海洋観測船として、船としては経済ベースはあまり問題にならないような種類の船をおつくりになる。それが第一船であって、あとは民間ベースにまかせるということになりますと、その第一船の結果をそのまま持ち込んで第二船をつくるということにいかなくなりまして、非常にデータが間接的になって参ります。すなわち、船に積み込んだ炉自体の経済性であるとか、あるいは先ほどの、振動に対する問題であるとか、あるいは遮蔽の問題であるとかいうような個々のデータは出ましても、原子力船自体の経済性に関するデータは出てこない。また、出たとしましてもたった一隻の船であります。そういうわけで、そのような計画の方向ですと、第二船以後の段階にギャップが出るのではないかという懸念を持つわけです。ただいまのお答えから受け取りますと、その点に対する保証、あるいは方針なりが非常にあいまいじゃないかと私は思うのです。この第二船の開発と十分関連性を持たせた第一船の開発というものが必要じゃないか。こう考えるわけなんですが、この点についてはいかがでしょうか。
#61
○政府委員(島村武久君) このような目的、あるいはこのような大きさを一応想定いたしますまでに、実はいろいろな案が出たわけでございます。タンカーという考え方も出ましたし、あるいは貨客船という考え方も出ましたし、あるいは鉱石運搬船というような考え方も出ましたし、いろいろな考え方が出たわけでございます。もっとも、経済性につながる研究という意味におきましては、今御指摘のように大型船、超高速船をつくってみるということが理想的であることは、これは申すまでもないことであると思うわけでございます。そうしますれば、場合によってはそっくりそのまま第二船をやることもできるかもしれません。しかしながら、先ほども申し上げましたように、原子力船が今のところ割高であると一般的に考えられておりますのは、原子炉の部分にあるわけでございます。その原子炉の部分というものは、船を一つつくったから急に安くなるというものではなくて、一般的に原子炉の建設、技術の進展ということに負うことのほうが多いわけでございます。お金が幾らでもありまして、理想的な形でやることができますれば、あるいは私どもも大きなタンカーあたりをつくって、そのまま第二船につながるような形にすることが望ましいと考えますけれども、むしろ第二船を経済性を持った船にすることは、原子炉の建設技術の進展によって、いつでもとり入れられることであるから、とにかく今まで研究してきて、振動、動揺の場合にはこうなるはずだ、遮蔽のためにはこうすべきだということを枝み重ねてきましたことを、現実にひとつやってみる、応用してつり上げてみるということによる技術を習得して、炉のほうが価格が下がってきますれば、いつでも実用船がつくり得るような態勢をつくっておくことが必要だというのが私どもの考えたところであります。ただ、総合しましても、これまた限度がございまして、小さな潜水艦みたいな二、三千トンくらいのものをつくりましても、これまた今先生が御指摘のように、つながる面でギャップがあることも予想されますので、その辺に一番苦労したところでありまして、大よそこのくらいの船ならばまあまあつながり得る。ギャップがつかずにつながり得るという考え方と、また、いずれにいたしましても、先ほど野上委員さんから御指摘がありましたように、相当巨額のものをつぎ込むことになるわけでございますから、つくって、その当初の目的を達しましたあとは有効に使い得るような船という意味において、このような計画を立てたわけでございます。私どもといたしましては、まあ何と申しますか、先ほどもお答えいたしましたように、この船がうまくできれば、すぐ経済性に乗り得るようになるのだということを申し上げておるわけでございませんので、一般的に原子力の水準が高くなりまして、原子力船というような時代がくれば、いつでもそれを身につけて実用船をつくり得るような態勢をつくっておくという意味においてこの法案をお出ししておるわけでございます。
#62
○牛田寛君 次に、原子力船の運航に伴って安全性の問題が出てくると思うのです。その点について一点だけお伺いしておきます。最近、アメリカの原子力潜水艦の寄港の問題でいろいろ論議されておりますけれども、将来各国で原子力船が建造される、そうなりますと、原子力潜水艦ばかりじゃなしに、原子力船の入港の問題は、当然これは出てくるのではないか。そうしますと、原子力船に関連した災害とか事故の問題が当然想定されて参ります。伺ったところによりますと、原子炉の防護の問題でありますとか、あるいは衝突その他の事故によって炉が破壊されたり、あるいは冷却材が出たりというような事故とか、あるいは化学反応による事故とか、そういうふうな事故のために非常に放射能の甚大な災害が予想されてくるわけであります。で、そうなりますと、そういうふうなものの対策として、まあ非常に広い範囲の対策が必要になってくる。たとえば原子炉そのものの防護対策はもちろんでありますが、運航管理の問題も出て参ります。また、廃棄物の処理の問題も出て参ります。それから事故が発生したときの応急作業、あるいは警報とか救助作業、そういうような問題も出て参ります。あるいは災害補償の問題も当然伴ってくるというふうに、非常に幅の広い問題がそれに伴ってくるわけですね。そうしますと、これはその結果どうなってくるかといえば、国際条約の問題も出てくる、あるいは国内法規の整備の問題も出てくる、あるいは港湾の施設、設備を、そういうふうな原子力災害あるいは放射性廃棄物の処理というような問題に関連した設備を新しくつくっていかなきゃならない、あるいはまた、国内のいろいろな関係機関の協力態勢もつくらなきゃならない、また関係者、船員などは、今度の原子力第一船の訓練があると思いますが、そのほかに、いわゆる救難作業に関係する関係者等の原子力あるいは放射性物質等に対する教育なり啓発なり訓練、そういうような問題が当然出て参りましょう。これが整備されて参りませんと、原子力船が建造され運航されていくときに、当然これはいろいろな支障が出てくる、そういうように見て参りますと、これらの問題は各省の所管にわたってくるわけでございます。その各省の所管事項に関連したそのような原子力関係のいろいろな問題なり準備なりを、今から準備しておく必要があるわけでありまして、それらを連絡、調整し、まとめて推進していく、こういうことは当然これは急がなければならない問題であると思います。その問題を推進していく責任の所在をどこにお置きになる御計画であるか、その点お考えになっているかどうかを伺っておきたいと思うのです。
#63
○政府委員(島村武久君) 今御指摘になりましたように、原子力船をつくって、いよいよ動かすという段階になりました場合に、非常に幅の広いいろんな対策を考えなきゃならない、特に大きな意味での安全性に包含される問題だけでも、今御指摘のようにたくさんあるわけでございます。私どもといたしましては、当然各省にまたがることではございますけれども、それらの問題に関します基本的な方針と申しまするのは、原子力委員会が審議し、かつその責任を負うべきものであると考えておりますし、また予算の調整あるいは原子力利用に関します各省間の業務の調整ということは、科学技術庁原子力局の所掌のことでもございますので、当然全体的な意味での責任というものは私どもにあるというふうに考えております。現に今日まで進めて参りましたこの方面の研究にいたしましても、先ほど来申し上げておりますように、民間であるいは運輸技術研究所でというふうに仕事が行なわれておるということを申し上げました。それは単にばらばらに行なわれておるのではなくて、ただいま申しましたように、原子力委員会あるいは原子力局というものを中心にして、その間の調整がはかられ、バランスをとって進めてきたつもりでございます。また、御指摘の中にございました安全性の問題につきましても、いろいろ考えなきゃならない点も多々あるわけでありますが、原子力船については、今まで何にもなされていないということではございませんで、法制的にも一応は規制法の対象にもなっております。また運航管理というような面におきましては、従来数回国際的な会合も持たれて、日本もそれに参加して議論をして参りましたし、それに備えてのいろいろな意見の調整ということもやって参りました。条約につきましては今国会に外務省のほうからお出しいたしておりますけれども、一九六〇年のロンドン条約と申しますか、海上人命安全条約の改正を、今国会にお出ししておるわけでございまして、これが御承認を得ますれば、運輸省のほうで、現在までの日本の船舶安全法等の改正という問題に発展するわけでございます。着々私どもも御相談にあずかり準備もいたしているわけでございます。また、これはほかとの関連もございますので、日本で原子力船を動かすことに直接備えてということではございませんですが、たとえば安全管理というような面で、一般の放射能レベルの調査というようなことも、それぞれ横浜、名古屋、神戸等の港につきましては、今からいろいろ平常時の放射能がどの程度あるかということも調べているわけでございます。今後、この計画自体も相当長期でもございますし、原子力船は、日本でつくる船ばかりでなく、外から入ってくる船もあるわけでございますので、国内的なそういった態勢の整備も、ますます馬力をかけまして早期に整えて参りたいと考えております。また日本で原子力船をつくりました場合、これは日本の港にばかり入っておりましては、原子力船の特徴が生かされないわけでもございますので、当然外国との関係も出て参ります。したがいまして、そういう意味におきまして、世界的な立場から各国との間で共通の条約を持ち得るように今後も努力して参りたいと考えているわけでございます。
#64
○牛田寛君 この問題は、ある意味では原子炉の建造よりもめんどうな問題だと思いますので、十分遺憾のないように今後とも推進していただきたいと思います。
 それから最後に一点だけ、こまかい問題でございますが、お伺いしておきたいと思います。主務大臣が内閣総理大臣と運輸大臣の二つになっておりますが、先ほどのお話で、私は内閣総理大臣が主務大臣になっているということは、結局総理府所管の科学技術庁がその主務官庁である、そういう立場から内閣総理大臣が主務大臣になっている、こういうふうに解釈するわけです。運輸大臣は船でありますからもちろんでございますが、そういたしますと、主務大臣が二つになりまして、双方の意見が食い違ったような場合には、事業団としての運営に円滑を欠くようなことになるのではないかという心配があるわけでありますが、この二つの所管の連絡調整の場所はどのようになされるのか、また運輸省あるいは総理府の科学技術庁は、それぞれ船の運航なりあるいは原子力関係のそれぞれの分野において所管はありましょうけれども、それをまとめるのは結局総理大臣一本の形としたほうがいいのじゃないかと考えます。この点についていかがでしょう。
#65
○政府委員(島村武久君) お説のとおり一般的に監督官庁が二つ以上あるということは、監督を受ける側にしますと、ややっこしいことに違いないと思うわけでございまして、できれば一本であることが望ましいことで、この点につきましても、私どもも全くそのとおりであると考えております。ただ原子力というような仕事をやって参ります際に痛感いたしますことは、従来の行政組織というものが必ずしもなじまないような気もするわけでございます。原子力という新しい仕事を手がけておりますので、そういうような気もいたすわけでございまして、今回の場合のごときは、先ほども申し上げましたように、原子力利用のために総合的な対策の一環としてこれが行なわれるという意味におきまして、原子力委員会の所属いたします内閣総理大臣の仕事であり、また科学技術庁がその仕事を実際に業務として担当いたしておりますので、その意味において総理府の長としての内閣総理大臣の仕事であることは当然でございますけれども、また目的的に申しますと、造船並びに海運の発達をはかっていくということ、それから現実問題として、またとにかく船をつくるというような観点からいたしまして、運輸大臣の権限事事項にも入っておることでございます。いずれにいたしましても、この間密接不可分な関係に立つわけでございます。今日の段階におきまして、いずれか一方にする、しぼるということによる不便、あるいは予想される欠陥というものを考えますと、この際、私どもといたしましては、一般的にいっては監督を受けるもののほうの不便ということも考え得られますけれども、本件の場合は、むしろ共管という形にして進めたほうがより一そうこの事業団の仕事を円滑に遂行することができるのではなかろうかということを考えまして、このような共管という形をとったわけでございます。一般的にいわれております二つ以上の省庁の共管ということに伴います不便あるいは弊害というものにつきましては、私どもは運輸省とともに深く反省いたしまして、できるだけうまく運用していきたいと考えておるわけであります。
#66
○牛田寛君 私も今お答えのあったようなことは、当然この条文を見て理解できるわけなんですが、その上でお尋ねしておるわけです。ですから当然これは運輸省に関係してくることもあるし、科学技術庁に関係してくることもあるし、ですから、その上で、両省に関連した点につきましては当無関係閣僚との間に思想統一があって、主務大臣から認可があるという形のほうが体制としては単純になって混乱を起こさないのではないかということで御質問したわけです。
#67
○政府委員(島村武久君) 大体すべてを御存じの上でのお尋ねでございますので、非常にお答えしにくいのでございますけれども、実は原子力の場合、ある意味では好都合な点もあるわけであります。一般的に総理府の長としての内閣総理大臣と他の省庁の所管大臣との間に見解の相違その他ができました場合には、今御指摘のような方法等による以外に解決の方法もないかもしれないと思うのでございますけれども、原子力の場合には、これは内閣総理大臣の付属機関ということにはなっておりますけれども、原子力委員会というものがございまして、そこで、直接の省庁の業務としてでなくて、いろいろなことが決定される。ことに一番大事な問題であります基本計画作成の際には、両大臣とも――内閣総理大臣だけでなくて運輸大臣も――原子力委員会の決定というものを尊重しなければならないというふうな決定の仕方になっております。さまつな点につきましていろいろ意見の相違ということも、絶対ないということを申し上げるわけにもいかないと思いますけれども、大きな面でそういうようなことはなく、うまくやっていけるのではないか。これは原子力以外の場合は見られない現象でもございますので、私どもはその点にも安心をいたしておるわけなんです。小さな点につきましては両省庁でけんかするなどということのないように、仲よくやっていこうということを申し合わせているわけでございます。
#68
○牛田寛君 こまかい点についてはいろいろございますが、本日はこの程度で打ち切りたいと思います。
#69
○委員長(田上松衞君) 他に御発言はございませんか。――なければ、私から一点だけお伺いしておきたいと思います。
 アメリカのサバンナ号はメリーランド州以外のアメリカの各州の港に入港することを拒絶されておるというのがほんとうらしいということを伺っておるのですが、その理由は、これは説明するまでもない、放射能廃棄物の及ぼす影響ということらしいのですが、そういうことはお調べになっているのかどうか。一点だけお伺いしたいと思います。
#70
○政府委員(島村武久君) サバンナ号が建造されまして今日まで、アメリカ以外の国に寄ったことはございません。しかしながら、アメリカの国内つまり沿海あるいは近海は、これは実験運航をやっておりますので、動いておるわけでございますが、その際、御指摘のような、港を一つだけ特定いたしまして、そこ以外は入港が拒否されているということは、これは絶対ないというふうに考えております。先ほども申し上げましたように、サバンナ号が昨年実験運航を始めまして以来、アメリカ西部海岸の諸港にも停泊いたしましたし、またハワイにも停泊いたしておりました。したがいましてアメリカでサバンナ号がどことどこの港に立ち寄ったかということは、資料を現在手元に持ち合わしておりませんが、一個所しか特定されていないということはないというふうに申し上げたいわけでございます。
#71
○委員長(田上松衞君) 私はこれは用心して聞いているから、ちょっと受け取り方が違っているかもしれないが、港々ではなくて、メリーランド州以外の各州の港では拒否しているというふうに、権威ある方面から入手した資料ですが……。
#72
○政府委員(島村武久君) なお御審議も続くことでございますので、調査いたして、どこどこに立ち寄ったかということ、入港したかということも、できるだけ調べてみたいと思いますが、少なくとも私が承知いたしております範囲では、メリーランド州以外に確実に停泊、入港しておりますので、一時、動き出す以前におきまして、そのような、来た場合は断わるという話があったかもしれませんけれども、今日ではそのようなことはないというふうに承知いたしております。なお、その点につきまして、できる限り調査をして御報告申し上げたいと思っております。
#73
○委員長(田上松衞君) 十分調査していただいて、私の入手した資料はきわめて最近ですけれども、さらにその後ほかの州の港に入港したという事実があるならば、それはどういう条件を付してどういうテストをしたかという点についてまで、ひとつできるだけの御調査を願いたいと思います。
 他に御発言もないようですから、本日はこれで散会いたします。
   午後四時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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