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1962/03/28 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 科学技術振興対策特別委員会 第6号
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1962/03/28 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 科学技術振興対策特別委員会 第6号

#1
第043回国会 科学技術振興対策特別委員会 第6号
昭和三十八年三月二十八日(木曜日)
   午後二時九分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
三月二十日
 辞任       補欠選任
  亀田 得治君   岡  三郎君
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     田上 松衞君
   理事      大谷藤之助君
   委員
           上原 正吉君
           江藤  智君
           源田  実君
           丸茂 重貞君
           山本  杉君
           野上  元君
           光村 甚助君
           牛田  寛君
  国務大臣
   国 務 大 臣 近藤 鶴代君
  政府委員
   科学技術庁長官
   官房長     森崎 久壽君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       小田橋貞寿君
  説明員
   科学技術庁原子
   力局次長    江上 龍彦君
   科学技術庁原子
   力局次長    村田  浩君
   運輸省船舶局原
   子力船管理官  高田  健君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本原子力船開発事業団法案(内閣
 送付、予備審査)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田上松衞君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の変更について報告いたします。
 去る二十日、亀田得治君が辞任せられて、その補欠として岡三郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(田上松衞君) 次に、先ほどの理事会における協議の結果を御報告申し上げます。
 本日は、予備審査中の日本原子力船開発事業団法案について質疑を行ないます。
 次回の委員会の開会の日時については、この法案が衆議院から送付された場合の審査の都合もありまするし、また会計年度末でもありますので、明後三十日午前十時から開会するということにいたしました。御了承いただきます。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(田上松衞君) それでは、日本原子力船開発事業団法案を議題にいたします。
 前回に引き続いて質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
#5
○丸茂重貞君 日本原子力船開発事業団法を作って、日本原子力船の開発に三十八年から着手されようとされておるのは、海外の原子力船の開発状況にかんがみまして、わが国でも三十八年度から原子力船の開発をやらなければならないという必要性を認めた上のことであるというふうに考えられますが、まずその基準になりました海外におきまする原子力船の開発状況についてつまびらかにお知らせいただきたいのですが……。
#6
○国務大臣(近藤鶴代君) 具体的なことでございますので、政府委員のほうからお答えをさせていただきます。
#7
○説明員(村田浩君) 先般の当委員会におきまして、事務局のほうから資料を一応お配りいたしてあると思いますが、その資料の中にも、一とおり諸外国におきます原子力船の開発状況に触れてございます。その概要を申し上げますと、今日現在、世界の各国の中で原子力船を現実に持っておりますのはアメリカとソ連でございます。すなわちアメリカにおきましては原子力の貨客船――貨物とお客さんとを乗せるようになっております――サバンナ号というのを建造いたしまして、一九六二年三月、すなわち昨年の三月にこれを完成いたしております。その後、実験航海を続けております。私どもの承知しておりますところでは、すでにアメリカ近海の航海を終えまして、すなわち東海岸から西海岸への航行、パナマ運河通過、それからさらにサンフランシスコからハワイへの航行等、近海の実験航海を終えまして、基地でございますガルベストンに帰港して次の航海に備えておる状況でございます。このサバンナ号は、すでに御承知かもしれませんが、その規模は一万二千二百トンでございまして、この船に原子炉を積みまして、その馬力が約二万馬力であります。速力としましては二十一ノット、最高二十七ノットくらまいで出ると承知しております。
 それから次に、現に原子力船を所有しておりますソ連の場合は特殊な目的の船を開発しておりまして、砕氷船という形の原子力船を持っております。一九五六年から計画にかかりまして、五九年にはこれを完成いたしまして、六十年からすでに約三年近く北氷洋で砕氷作業に従事しておるというふうに聞いております。この船の大きさは一万六千トンでございまして、この一万六千トンの船に原子炉三基を乗せまして、合計出力は四万四千馬力という大きな出力を持たしております。そのため砕氷船としましては、現在世界第一の強力な砕氷船といわれておるようでございます。
 以上の二つが、現在すでに世界におきまして建造され、運航いたしておる原子力船でございまして、それ以外に現在わが国を含めまして、幾つかの国が原子力船の計画を進めております。すなわち、第一にはイギリスでございますが、イギリスにおきましてはすでに長い間原子力船の可能性につきまして技術的、経済的両方面からの検討を進め、最近伝えられます情報によりますと、これに登載すべき原子炉等の型式につきましてもいろいろ最終的に計画を固め、およそ一九六七年ごろまでに原子力の第一船を完成させたいという計画であると聞いております。この船の型式等につきましては、まだ最終的にきまっておらぬ模様でございますが、およそ伝えられておりますところは、大型のタンカーもしくは鉱石船等の貨物船になるのではないかということでございます。それから、同じヨーロッパではドイツがかなり進んだ計画を持っておりまして、今日すでに積載貨物重量一万五千トン、軸馬力一万馬力の原子炉を積みました原子力貨物船を建造する計画を固めまして、すでに最近その建造を開始いたしておるということでございます。そのほかに、フランス、ノルウェー、イタリア等におきましても、それぞれ貨物船もしくは大型タンカーを原子力をもって動かすようにする計画を持ちまして、それぞれの機関で検討を進めておるということでございますが、まだ具体的にいつまでにどのようなものをつくるというところまで固まっておらないという状況であると承知しております。
 簡単でございますが、大体以上が今日におきます世界各国における原子力船の開発状況でございます。
#8
○丸茂重貞君 海外における原子力船の開発状況は概略わかりましたが、これに比べて、わが国におきまする原子力船の研究過程は、従来どのようになっておるのか、この点についてもひとつ御説明をいただきたいと思います。
#9
○説明員(村田浩君) わが国におきます原子力船の研究開発につきましては、原子力委員会の設置されました翌年、すなわち昭和三十二年以来すでに数年にわたりまして運輸省の技術研究所並びに日本原子力船研究協会を中心としまして進めて参っております。それらの研究の中には、原子力船の設計の前提となります外力が原子炉にどういう影響を及ぼすか、つまりこの点は陸上の原子炉と非常に違ったケースになりますので、そういった問題、あるいは船のローリング、ピッチング等によりますそういう振動が原子炉に与えます影響に関しましての研究、あるいは船に積みます場合には最も効率のよい遮蔽材料を使う必要がございますので、そういったものにはどういうものがいいか、また、そういったものを設計します際にはどういう基準でやればよろしいかというような具体的なテーマにつきまして、主として政府の資金を出しまして研究を進めて参りました。その総額は昭和三十七年度までにおきまして合計四億八千万円に達しております。これらの研究開発を基盤としまして、一昨年以来原子力委員会の原子力船専門部会におきまして、約一年の時日を費しまして、わが国として最初に建造すべき原子力船はどのようなものがよろしいかということを御検討いただきまして、その結果が昨年の六月に原子力委員会に提出されました。その報告を慎重御検討いただきまして、三十八年度の計画の中に盛り込みまして、予算案として提出いたすとともに、これに関連しましての原子力船開発事業団の設置のための法案を提出いたした次第でございます。
#10
○丸茂重貞君 先日テレビで、アメリカの原子力船が経済的に不経済だというので、しばらく運航を中止するというのが出ておりました。これはまあ大体アメリカのことでございますが、わが国においても今後研究あるいは開発しようとしていくならば、原子力船の持つところの経済性というものは無視できない。したがって、この原子力船の持つ経済性について、今後見通しはどういうふうなものを立てておられるか、翻って言いますならば、さらに在来船と太刀打ちをいたしまして競合できるようになるのは大体いつごろの見通しであるか、こういうふうな点についてもひとつ御説明いただきたいと思います。
#11
○説明員(村田浩君) 丸茂先生の御指摘のとおり、現段階におきましては非常に特殊な目的のものは別といたしまして、一般の商船としましての原子力船は、まだ経済性の点につきましていろいろ問題があるわけでございます。先ほど申し上げました原子力委員会の専門部会におきましても、原子力船の経済性につきまして種々御検討いただいたわけでございますが、その結果を概略申し上げますと、結論といたしまして、原子力船が一般の商船に比べまして一般の貨物船あるいは貨客船に比べまして、経済性の上で太刀打ちできるためには、なお約十年あるいは十数年の研究開発が必要であろう、すなわち昭和四十五年以降五十年近いころにおいて初めて本格的に原子力船が、在来船と太刀打ちできるのではないかという推定をいたしております。そのような推定もございますために、今日わが国としまして原子力船の技術を開発する上に、第一船を何にするかということを検討いたしまして、その結果が商業船ではなくて、非商業船に属します海洋観測船の型式の比較的小型のものを、主として政府資金でつくるという計画になって参ったわけでございます。
#12
○丸茂重貞君 先日いただきました「原子力第一船開発計画について」という資料を拝見しまして、大体原子力第一船の開発計画がわかるわけでございますが、第一船開発についてはまあいろいろ方法があると思います。一般的に言って、政府が直接発注する方法もあろう、あるいは補助金をもってやるという方法もありましょうが、特に事業団というものをつくっておやりになるというふうにきめられた根拠について、ひとつわかりやすいように説明していただきたい。
#13
○説明員(江上龍彦君) 原子力第一船の開発方法といたしましては、ただいま先生御指摘のように、政府が直接発注する方法あるいは補助金によって行なうというふうな、いろいろな方法が考えられるわけでございます。しかしながら、今年度から原子力第一船を開発しようといたします意味は、単に原子力を使った船が実際にほしいという意味ではなくて、原子力関連産業界あるいは世界第一の造船国であるわが国の造船工業界、あるいは世界有数の海運国でありますわが国の海運界、こういった、広くわが国の産業界の技術水準の向上をはかるということが趣旨となっておるわけでございます。したがいまして、国が直接に発注いたしますとか、あるいは補助金を交付して開発させますと、特定の一企業あるいはせいぜい数個の企業というものを対象とせざるを得ないことになりまして、広く産業界に利益を及ぼす、効果を及ぼすということが期待できなくなるわけでございます。また、この開発にあたりましても、そういった個々の一個ないし数個の企業の技術者あるいは研究者を使うということしかできなくて、政府も民間も一緒になって今までの技術を結集してやろうということが行ない得なくなるわけでございます。そこで、政府と民間とが共同責任体制のもとに開発を行なうということで事業団というものをつくりまして、そこに民間企業の優秀な職員も入って来てもらうとともに、政府からも従来の研究の成果をもって人が入り込む。あるいは金も政府資金と民間の資金と一緒にして、一貫した責任体制のもとに開発を行なうということで、事業団設立という体制が最も適当である、かように考えてこの法案を御提案申し上げている次第でございます。
#14
○丸茂重貞君 事業団法の提案理由の説明を拝見しますると、要するに「原子力第一船としては、総トン数約六千トンの海洋観測船が適当とされ、その設計、建造、運航及び乗組員の養成訓練のためには、九年の日子と約六十億円の資金とが必要と見込まれております。」と、このゆえをもって事業団法は昭和四十七年三月三十一日までという時限立法になっておるようでございますが、こういうふうにいたしました理由について、詳細にひとつお知らせをいただきたいと思います。
#15
○説明員(江上龍彦君) 御提出申し上げました「原子力第一船開発計画について」と題します資料にも書いてございますように、事業団は原子力第一船開発を行なうわけでございますが、その開発計画の内容は、九年間でほぼ目的を達するということになっております。すなわち三十八年、三十九年の両年度においては主として設計を行ない、それから炉メーカー、造船業者等に発注をいたしまして、四年間をかけて建造して、試運転をいたしましてから、ほぼ四十四年度に事業団に実際の船が渡る。それから四十五年、四十六年と最後の二年間をかけまして実験運航を行なうという計画でございます。で、本事業団の目的は、一般原子力船を次から次へとつくっていくということではなくて、わが国最初の原子力船を、政府・民間総力をあげてつくってみるというところにございますので、ほぼこの第一船の建造及びそれに伴う試運転、実験運航――この実験運航の期間に当然乗組員の養成訓練を行なうわけでございますが――そういったことも一応完了して事業団設立の目的は達成する、こういうふうなスケジュールになっておるために九年間の時限立法ということにいたした次第でございます。
#16
○丸茂重貞君 事業団法案を拝見いたしますと、第一条に「原子力基本法の精神にのっとり、原子力船の開発を行ない、」、こういうふうに書いてあるわけなんですが、基本法の精神をこの原子力船の開発にどういうふうに役立たせるか、影響させるかという点について、もう一段の御説明をいただきたいと思います。
#17
○説明員(江上龍彦君) 御存じのとおり、わが国が原子力の研究開発及び利用を行ないますための基本準則を定めたものが原子力基本法でございます。この事業団法の第一条に「原子力基本法の精神にのっとり、」という文言がございますのは、まさに原子力船の開発にあたっても、原子力利用の基本準則を定めたこの基本法の精神を体して行なわれるべきであるということを明らかにしたものでございます。精神にのっとります結果、当然この原子力第一船の開発というものは平和目的のために行なわれるのであって、ただいまいろいろ論議されておりまする原子力潜水艦等とは何の関係もない、平和利用であるということがまずこの精神を体する第一の大きな眼目であると思います。それから、この基本法の精神にのっとります結果、具体的にどういうことがこの原子力船開発事業団法の法文の上に現われておるかと申しますと、第一に、本法におきまして事業団の理事長及び監事の任命は、一応主務大臣が行なうわけでございますが、その主務大臣が任命いたします場合に、原子力委員会の意見を聞いて行なわなければならないということが定めてございます。それからまた、本事業団の業務運営のいわば憲法ともいうべき基本計画というものを主務大臣が定めることになっておりますが、その主務大臣が基本計画を定めますに際しては、原子力委員会の決定を尊重して行なわなければならないという規定がございます。いずれも基本法第二条の民主的な運営をなさねばならぬという原則を受けたものである、かように申し上げることができるかと思います。なお次に、役職員に対して秘密保持義務というものを課してございません。つまり秘密を保持するという規定がこういった公務員に準ずる特殊法人の職員に対しては通常課されるわけでございますが、そういった秘密保持義務を課してないということは、原子力基本法にありまする研究成果の公開という原則を受けてこういう規定が置かれておる。こういったふうに、それぞれの条文の中において原子力基本法の精神というものを生かした規定が置かれておる、かように申し上げることができると思うわけでございます。
#18
○丸茂重貞君 現実に事業団が発足するということになりますと、まあ一番問題なのは財的基礎でございましょうが、今のところ政府と民間人が共同出資してやるのだというふうにできておるようでございますが、政府並びに民間人のそれぞれの出資の比率がどの程度になっているか。また、こういうものに出資しようとする民間人というものはどういう人であるかということを御説明いただきたいと思います。
#19
○説明員(江上龍彦君) お配りいたしました資料の中にございますように、事業団の所要資金といたしましては、九年間で約六十億円の資金を要する、かように見込まれておるわけでございます。で、昭和三十八年度予算案、ただいま御審議いただいております予算案につきましては、政府出資を一億円、それから民間出資を五千万円と見ております。いわば三十八年度の出資の比率は、政府が二に対して民間が一でございますけれども、昭和三十九年度以降におきましては、一応政府が三で民間出資を一、つまり総額の四分の一を民間に期待し、四分の三は政府が出す、こういうふうな計画を持っておるわけでございます。
 なお、お尋ねになりました民間の出資者につきましては、造船業者、それから原子力関係メーカー、それから海運業者、こういった民間財界に出資を仰ぐということを期待いたしておるわけでございます。現に昭和三十八年度の五千万円につきましては、財界と話し合いまして、弔う目鼻がついておるという段階でございます。
#20
○丸茂重貞君 事業団法の第六条を見ますと、「事業団は、出資者に対し、その持分を払い戻すことができない。」と、こういうふうに規定してありますが、これでは出資者に対して、何と申しまするか、不当の制限を課しているのじゃないかというふうな感じがしますが、この辺の事情はどうなりますか。
#21
○説明員(江上龍彦君) 事業団は、その業務の運営に要する経費をすべて政府と民間の出資に仰がなければならぬということは、ただいま申し上げたとおりでございます。したがいまして、事業団が解散いたします前に持ち分の払い戻しを認めますと、資金面から事業団の業務運営に重大な支障を来たすことになる。つまり資本充実の原則というものが貫けないということから、持ち分の払い戻しを禁止することにいたしたのでございますが、規定にもございますように、九年後に事業団が解散いたしますときは、残余財産の分配を出資者は受けることができる。また持ち分の譲渡も認められておりますので、持ち分の払い戻しを禁止いたしましたとしても、出資者に不当な制限を課しているということにはならないものと考えておるわけでございます。
#22
○丸茂重貞君 原子力第一船ができたといたしまして、その第一船が運航をするのに必要な核燃料は一体どのくらいかかるものだろうか、あるいは従来ややともしますと隘路を感ぜられるようなその燃料の確保に対して、どういうふうな見通しを持っておられるか、これをひとつ御説明いただきたい。
#23
○説明員(村田浩君) 原子力第一船の態様は、お配りしました資料にもございますように、約六千三百五十トンばかりの比較的小型な船でございますが、これに積載します原子炉は、軽水型原子炉というものを予定しております。燃料の所要量につきましては、詳細の設計ができませんと詳しくは推定できませんが、ただいままでに検討いたしました範囲内で申し上げますと、これに使います燃料は、約四%程度の濃縮ウランを予定しておりまして、その量は全体で約三トン、特殊核物質でございますウラン二三五分としますと約百二十キログラム程度になろうかと思います。一たびこれだけの燃料を装荷いたしますと、約二年間は燃料の取りかえをしないでも運航できるものと考えております。その入手源につきましては、現在濃縮ウランの最大の生産国でございますアメリカとの間に日米原子力一般協定を持っておりまして、その協定によりますと、ウラン二三五にしまして二・七トン分の供給を約束されております。したがいまして、この協定に基づきまして、先ほど申しましたウラン二三五で約百二十キログラム程度の燃料は十分まかない得るものと考えております。
#24
○丸茂重貞君 この事業団法が成立したと仮定しますと、昭和三十八年度が第一年度になるわけですね。そこで、その事業団としては、当初の三十八年度にはどういうふうな事業内容を予定しておられるか、あるいはその事業に対応するところの費用というものはどのくらい見込まれておられるか、あるいはその費用の確保についてはどういうふうな見通しを持っておられるか、こういう点についてひとつ御説明いただきたいと思います。
#25
○説明員(江上龍彦君) 幸いこの法案が成立いたしますと、さっそく第一船の建造にかかるわけでございますが、お配りいたしました資料にもございますとおり、昭和三十八年度に行ないます事業は、第一船の基本設計、それから仕様書の作成、それから安全審査に必要な準備などを行なうこととしておるわけでございます。三十八年度予算といたしましては、先ほど申し上げましたように一億五千万円でございますけれども、右のような事業を実施するのに直接必要な経費のほか、この事業団を設立するために必要な経費、それから約九カ月分の運営費、と申しますのは、この事業団を大体七月初めに発足させるというふうに考えておりますので、そうしますと人件費、運営費等九カ月分が要るということになりますが、それらのものを含めまして約一億五千万円を昭和三十八年度に必要とする、かように考えておるわけでございます。なお、この一億五千万円の資金は一政府からの出資金一億円と民間からの出資五千万円によってまかなうことといたしておりますが、政府出資一億円については、今年度の予算案に計上されておるとおりでございますし、民間からの出資五千万円につきましては、先ほども申し上げましたように、民間の造船業界あるいは原子力業界、海運業界等と話し合って、ほぼ出資の見通しを得ております。こういう状況でございます。
#26
○丸茂重貞君 事業団法案の二十四条を見ますと「事業団の業務は、主務大臣が定める原子力船の開発に関する基本計画に基づいて行なわれなければならない。」と、こうありますね。そうしますと、この基本計画というものを決定する方針というものは、どういうふうなものを持っておられるか。あるいはこの基本計画の中には炉型も盛り込むおつもりであるかどうか。こういうふうな点について御説明いただきたいと思います。
#27
○説明員(江上龍彦君) 本法案第二十四条の規定によりますと、先生御指摘のとおり事業団の業務は主務大臣が定める基本計画に基づいて行なわれるということになっております。なお主務大臣がこの基本計画を定めようとするときには「原子力委員会の決定を尊重しなければならない。」とされていることも先ほど申し上げたとおりでございます。その趣旨は、事業団の業務というものが国家的な事業であるという性格にかんがみまして、その運営の基本的なワクを主務大臣が定め、国の政策意図の達成に遺憾なきを期するためであり、そのためには原子力委員会の意向というものも反映させて、原子力基本法の精神にのっとって行なわれるということを業務の運営面で確保しよう、こういうところにあるわけでございます。したがって、この基本計画を作ります時期は、本法成立後すみやかにこれを定めたい、かように考えておるわけでございます。
 また基本計画に盛り込みます内容といたしましては、先ほど村田次長から御説明申し上げました過去数年間にわたる研究の結果である構想、すなわち総トン数約六千トンの海洋観測船、それからそれに積む原子炉は軽水冷却型原子炉というようなこと、それからその設計と建造、それから建造に伴う研究開発、乗組員の養成訓練あるいは実験運航、そういったものの概要等を盛り込むもので、できれば九年間この基本計画を事業団の憲法として守っていけるような内容のもの、こういうものを考えておるわけでございます。
 なお、最後に先生御指摘になりました炉型の問題でございますけれども、従米の原子力委員会専門部会の研究の結果、原子炉の炉型につきましては、先ほど申し上げましたように軽水冷却という型、いわゆる軽水型の炉というものが適当とされているわけでございまして、基本計画に竜軽水型というところまでは盛り込む予定でございます。しかしながら、先生御存じのとおり軽水型の中にも、大きなものとしては二種類ございまして、その中に加圧水型と沸騰水型と二つの型がございます。アメリカにおいてはほぼ同様のテンポで両方の型が進歩しておるわけでございますが、このどちらの型にするかという問題につきましては、ただいまのところは、そこまで基本計画できめないで、一応事業団の自主的な決定にまかせるという考え方でございますけれども、なお事業団発足後、事業団自体の意思、それから産業界の意向等も勘案いたしまして、なお炉型をどこまで織り込むかという点については今後も研究したい、かように考えておるわけでございます。
#28
○丸茂重貞君 ただいま基本計画を決定する方針について承りまして、たいへん共鳴をいたします。どうぞ今後ともひとつ厳としてそういう御態度で臨まれることを希望しておきます。
 次に、事業団法の二十三条を拝見しますと、事業団の業務の範囲がここに規定してあります。一には、「原子力船の設計、建造及び運航を行なうこと。」二には「前号の規定により建造される原子力船の乗組員の養成訓練を行なうこと。」こういうふうにあるんですが、この原子力船の運航なり乗組員の養成訓練について、一体どの程度のことを政府としては予定され、お考えになっておられるか、これをひとつお示しをいただきたいと思います。
#29
○説明員(江上龍彦君) 事業団の業務の範囲として、原子力船の運航あるいは原子力船の乗組員の養成訓練ということが含まれるわけでございますが、実際にどういうことを行なうかといいますと、事業団が行なう運航といいますのは、いわゆるノーマルな運航、つまり海洋観測自体をこの海洋観測船でやろうというところまでを考えておるわけでございませんで、試験運転の段階が済みまして、次の段階といたしまして実際の航海条件のもとで原子力船の性能を試験し、その安全性を実証いたしますとともに、乗組員の実地訓練を行なう、こういったようなことを考えておる。いわば本格的な運航に入る前の実験運航の段階をこの事業団でやるというふうに考えております。
 次に、乗組員の養成訓練についてどの程度やるかという問題でございますけれども、まあ実地訓練につきましては、船ができ上がるまではやるすべもないわけでございますけれども、船ができ上がります前といえども、現在日本原子力研究所あるいは放射線医学総合研究所等において、いろいろ研修を行なっております。こういったような研修課程を利用して、乗組員の事前の教育を行ないますとともに、船ができました暁には、実際に原子力船に乗り組ませまして実地訓練を行なう、そのためにこの第一船の乗り組み容量といたしましては、通常の乗組員が大体七十五名と見ておりますが、そのほかに養成訓練用の乗組員として約五十名くらい乗せられるというふうな設計を考えておるわけでございます。
#30
○丸茂重貞君 ありがとうございました。質問を終わります。
#31
○牛田寛君 先日原子力船の経済性の問題について若干お伺いしたのでありますが、それに関連して二、三初めにお伺いしておきます。
 それは、先日もお答えを伺ったわけでありますが、海洋観測船という形で実験的に第一船をおつくりになって、その経済性に関するデータをおとりになる、そういたしますと、昭和四十七年にその実験の段階を終了して事業団を解散する、そうなりますと、その後は原子力船の建造については、民間に移されるということになるわけですが、その場合に、はたして民間で建造できるだけの経済性が成り立つかどうかということについては、はっきりしたお見通しに対するお答えが得られなかった、ですからその第一船の建造を終わって、なおかつその経済性に対する見通しがはっきりしない、あるいは民間で建造するだけの経済性を持たない場合に、その原子力船建造の方針をどのように持っておられるか、そのお考えをもう少しはっきりお示し願いたいと思います。
#32
○説明員(江上龍彦君) 原子力船の経済性につきましては、先ほど村田次長からもお答えいたしましたように、何しろ世界で現在動いている船は二隻しかない状態でございまして、内外においていろいろな試算が行なわれておりますが、現状において、はっきりした見通しを立てるということはなかなか困難かと思います。しかしながら、先ほど村田次長からも申し上げましたように、そのほかの国、たとえばイギリスとか、ドイツ等も、この数カ月来非常に熱を入れまして、相当大きな船をつくる。こういうふうに世界じゅういわば世界の先進国が、こぞって原子力船に乗り出してくるという機運でございますので、この事業団の業務が、一応のめどがつきまする九年後までには、世界各国のいろいろなデータも集まりますし、経済性に関するめどがつくのではあるまいかというふうに考えております。この事業団法といたしましては、一応第一船にその目的を限りまして、第一船ができ上がった段階において、また次のステップを考える。しかし、そのころには、おそらく民間においてもいろいろな知識、経験を積むとともに、内外におけるいろいろなデータもはっきりしてくるから、民間自体がつくり得るような基盤ができてくるのではあるまいか、こういう想定に立っておるわけでございます。しかしながら、何しろ現状では、それがはっきりそうなるというところまで確信を持って申し上げる段階には実はございませんので、ほぼ経済性を獲得できる時期と、この事業団が使命を果たす時期とが同じではあるまいか。この程度の考え、見通ししか申し上げることができないのは、はなはだ残念に思うわけでございますが、もしその時期に、なおかつ民間において自主的に行なうような基盤ができていないというときには、さらにこの事業団をどうするかという問題とからみ合わせて政府の政策というものを再検討すべきではないか、かように考えておる次第でございます。
#33
○牛田寛君 そういたしますと、昭和四十七年度で、一応は事業団の任務は終わるけれども、その時期に至ってなお経済性の見通しが確立されない、あるいは経済的に引き合わない、民間で原子力船をつくるところまでは到達しないという状態になれば、もう一度考え直す、こういうお考えのように解釈してよろしいのでしょうか。
#34
○説明員(江上龍彦君) そのとおりにお考えになってけっこうだと思います。
#35
○牛田寛君 この点については、これだけにしておきますが、職員の問題について、若干お伺いいたします。
 事業団の職員が、いろいろな方面から選ばれて集められるわけでありますが、このような人たちは、あるいは民間の企業の中で働いておった技術者もあるでしょうし、あるいは公務員として働いておられた方もあるだろうし、いろいろな立場、いろいろな分野から集まってこられると思う。その場合に、この給与が非常にでこぼこが出てくる。そういう人たちは、まず九年間この事業団という組織の中で働かれるわけです。したがって、そういう人たちの給与体系というものも、おのずからつくらなければならない。その場合に、給与体系はどういうふうにならしていくか、どういうふうな基準でもってつくられるのか、その点をお伺いしたい。
#36
○説明員(江上龍彦君) 事業団の職員の給与につきましては、もとより事業団の理事長が、その責任において、いろいろ民間とのバランス、他の政府関係機関とのバランス等を考えまして、自主的に定めらるべきことでございますが、経費の大部分を国民の税金でまかなうという事業団の性格といたしましては、政府としてもこれに無関心ではいられないわけでございます。したがって、事業団の職員につきましては、本法二十二条の規定によりまして、刑法その他の罰則の適用について公務員とみなされ、「法令により公務に従事する職員」とされますとともに、三十三条によりまして、その給与の支給基準は、主務大臣の承認を受けて定められるということになっておるわけでございます。したがって主務大臣としては、理事長から申請が出て参った場合に、それを承認するかしないか、あるいは承認する際に、どういう条件にかなっておれば承認するかということを考えておかなければならないわけでございます。日本原子力研究所というものが現在ございますが、この日本原子力研究所をつくりましたときも、全く同様な問題があって、公務員は御存じのように給与ベースは比較的安いので、事業団にいけば給与は上がることになるわけですが、民間から優秀な研究者を集めるといたしますと、あまり安い給料では集まらない、こういうことが起こってくるわけでございます。で、原子力研究所の給与の場合にも、当時の政府関係者、当時の理事長、非常に苦労をされたわけでございます。現在でもいろいろ問題があることは御存じのとおりでございますが、われわれが日本原子力研究所の給与に対して抱いております考え方の基本的な線を申し上げますと、大体研究者については、先ほど申し上げましたように、最も優秀な研究者を集めなければならぬということで、この種の政府関係機関の中でも最も高い給与水準でなければならない。なおそのほかに、民間に比べてもそう遜色がない、相当上位にランクされるような基準でなければならない。それから研究者以外の職員につきましては、他の政府関係機関における同種の職域にある職員との均衡を考えつつ、適正な待遇を与えなければならない、こういう基本的な考え方で原子力研究所に対して臨んでおるわけでございますが、この原子力船開発事業団につきましても、ほぼ同様の考え方で臨みたい、かように考えておるわけでございます。
#37
○牛田寛君 事業団の職員の就労条件ですね、賃金も含むと思いますが、労働時間であるとか、あるいは休暇であるとか、そういうようなものは、どういう形でやられるのですか。
#38
○説明員(江上龍彦君) 就労条件につきましては、事柄が原子力産業という、いわば新しい職域における労働の態様でございますので、まだ日本としても特に原子力事業者に対してはどういう就労条件でなければならぬとかいった、いわば基本的なルールというものが、まだできていない状況でございますが、原子力研究所あるいは原子燃料公社といったような先例もございますし、それからこの事業団というものは、一応船をつくりますけれども、現場仕事というのは、主として船を注文する段階になりますと造船会社でございます。それから原子炉を作くるということになりますと、原子炉メーカーに発注するということになりまして、原子力研究所等のように直接放射線に被曝する機会が多いというようなものでも実はございませんので、特に事業団だからといって一般と違った特別の就労条件等を考慮する必要は今のところないのではなかろうかというように考えておるわけでございますが、なお、事業団の発足後、実際の仕事の内容それから職務環境、こういったものを考えまして就労条件等につきましても適正を期したい、かように考えておるわけでございます。
#39
○牛田寛君 もちろん事業団の職員はすべて放射線に直接タッチするような仕事を全部の方がなさるわけではありませんでしょうが、原子炉の運転に直接関係のある、あるいは船ができ上がって実際船に乗り組み、これに従事する方は直接放射能の危険にさらされるわけです。ある意味においては陸上の原子力研究所あたりに勤務されるおる方々よりもむしろ危除の状態に置かれる場合が多いわけです。原研でも労働争議が起こった場合に、そういう放射能の障害に対する補償の問題が問題になったと思う。原子力補償法等については、第三者に対する災害の補償は問題にされておりますが、原子力関係の従業員、労働者に対する補償については問題の外である。そこが今まででもたびたび問題になっておる点でございまして、原子力船の乗組員等についても当然同じような問題が起こってくると思うのですね。そういうふうな特殊な条件下で働く人々に対する補償の問題、これを特に原子力船についてはどのように解決するつもりなのか、原研の場合には非常に特殊な形で一応の解決はなさったようでありますが、それは一時的な問題でありまして、将来の問題は残っておる。その場合に、当然その点についても根本的な対策が定められていなければならないと思うわけですが、その点についてお答え願いたい。
#40
○説明員(江上龍彦君) 先ほど私の申し上げましたのはやや言葉が足りませんでしたが、さしあたりはそういう問題は船をつくるまでの段階では起こらないであろうが、しかし、いざ船ができ上がりまして、原子炉を運転する、あるいは乗組員を乗せて実験運航を行なう、試験運転をするとかいう段階になりますと、確かにおっしゃるとおり問題があるわけでございます。原子力事業に従事する従業員の災害補償の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、新しい職域、新しい職務態様の問題でございますので、これをどう扱かうかという問題はよほど慎重に検討しなければならないわけでございます。そのため原子力委員会におきましても、原子力事業従業員災害補償専門部会という専門部会を昨年から設けまして、その従業員災害補償の問題と専門に取り組んでおるわけでございます。この場で慎重に検討をしていただきまして、いわばその場合のルールというようなものを見出していきたいと思っております。今審議しております事項は、現在ありまする労災保険の体系、これと原子力事業とが一体どうかみ合うか、どこまでカバーできてどこからカバーできないか、あるいはそういった業務上の傷害であるかどうかの認定ということが現在の制度で原子力災害についてできるかどうか、そういったような問題を中心にしてなお原研等の具体的な例あるいは具体的な組合の要求等も取り上げまして、合わせて検討している段階でございまして、その専門部会の研究の結果を待ちまして、われわれとしては必要な措置をとりたいと考えておるわけでございます。なお、現在の原子力損守賠償法の中に従業員災害が含まれておらないということは先生御指摘のとおりでございますが、ただいま国際的に民事責任に関する条約というのが国際間で審議されておりまして、現在世界各国の大部分は原子力災害に関する条約の中に従業員災害も含めようという動きになってきておりますので、その条約が成立いたしますれば、わが国もそれに即応した国内体制というものをとらなければならぬということになるのではなかろうか、かように考えているわけでございます。
#41
○牛田寛君 原子力船の乗組員に対する労働問題について若干お伺いしたいと思います。
 実験運航期間中では、乗組員は事業団の職員であるとまあ考えられますが、場合によっては組合も当然結成されることも考えられます。その場合には労組法あるいは労調法等が適用されることになると思います。したがって団交権それからスト権も認められる、そういうことになって参りますと、ストライキが起こったり、あるいは場合によってはクローズド・ショップとかユニオン・ショップとかしかれた場合に、いわゆる実験運航船としての業務に支障を来たすおそれはないか、その点についての対策というものをどのようにお考えか。
#42
○説明員(江上龍彦君) 先生御指摘のように、乗組員が現実にでき上がった船に乗って実験運航をやろうという段階になりますと、乗組員は当然労働者として組合の結成もできますし、あるいは団交権、スト権等も獲得し得ることになると思いますが、そういった場合に、当然労働問題というものも現在の原研の例に徴しましても考えられるわけでございます。われわれとしては、まず原子力船開発事業団の職員に対する待遇なり、あるいは就労条件といったようなものを適正なものにして、そういったスト等の事態が起こらないように行政指導をして参るとともに、理事長の善処を期待するということがまず第一の問題でございますけれども、不幸にしてそういう事態が起こりました場合には、労使双方十分に話し合って、一日も早くそういう事態を終息いたしまして、事業団本来の業務に支障の起こらないようにして参るというほかはないのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
#43
○牛田寛君 次に、この乗組員の社会保障それから共済等の問題について一点だけお伺いいたしますが、事業団の所管としての実験運航期間、この場合には当然これは船員法等の適用を受ける。それが今度は実験運航期間が終わりまして運輸省の所管になった場合、今度は乗組員は自動的に国家公務員になる、こういうふうに私ども常識的に考えられます。その場合に社会保障の問題ですね、あるいは船員保険の問題、そういう問題はどういうふうに解決されるか、その点をお伺いしたい。
#44
○説明員(高田健君) この原子力船が九年間の期間が済みました場合に、船は大体において運輸省に引き取られることが順当であろうと考えられます。そのときの船員の社会保障の問題につきましては、私ども運輸省で原子力船関係の窓口のようになっておりますが、省内の船員局のほうに連絡をして処理をしてもらうように申しております。詳しいことは私からちょっとお答えいたしかねます。
#45
○牛田寛君 きょうはおいでになっておりませんか。
#46
○説明員(高田健君) きょうは船員局のほうは参っておりません。
#47
○牛田寛君 その問題は、おいでにならないのですから別の機会に譲りますが、もう一点だけ。
 事業団から運輸省の所管に移行する場合ですね。今までは労組法あるいは労調法によって規定された一つの労働組合ができ上がっているという場合に、今度は公務員に変わった場合には公務員法の適用を受ける。そうすると団交権もスト権もなくなってくる。その過渡的な時期にいろいろな摩擦が起こってきやしないかという懸念があるわけです。で、その点をどのようにして円滑にやっておいでになられるか、見通しがあるか、また、今までそういう円滑にいった事例があるかどうか、その点についてはいかがですか。
#48
○説明員(高田健君) ただいまの御質問はたいへん具体的になりますので、私からはちょっとお答えいたしかねます。
#49
○委員長(田上松衞君) 牛田君、船員局のほうは今手配中ですから、次の問題に移って下さい。
#50
○牛田寛君 科学技術庁にお伺いいたしますが、理事長の任命の問題でございますが、先日も主務大臣の点について一、二お伺いしたのですが、第十三条の理事長の任命は、「原子力委員会の意見をきいて、主務大臣が任命する。」と、こうなっております。主務大臣が総理大臣及び運輸大臣であるということになりますと、任命の主体は二つになるということになるんですが、その点をひとつ……。
#51
○説明員(江上龍彦君) 先生御指摘のとおり主務大臣は内閣総理大臣及び運輸大臣でございますので、理事長及び監事の任命は内閣総理大臣及び運輸大臣の名前で任命する、すなわち連名で任命する、こういうことになると思います。
#52
○牛田寛君 ちょっと不自然な形になるのではないかと私ども常識的に考えるのですが、このような実例がほかにあるのですか。
#53
○説明員(江上龍彦君) ただいま具体的にどの法律にどういう実例があるというところまで御指摘する用意がございませんけれども、共管の法律につきましては、おおむねこのような形になっている、かように承知しております。
#54
○牛田寛君 理事長の人選の問題でございますが、「原子力委員会の意見をきいて」ということになっておりますから、原子力委員会の公正な意見が十分尊重されることになると思いますが、事業団というものが現在もかなりあるわけであります。事業団の中心となるべき人物の選定は、事業団の運営上大切な問題になってくると思います。特にこの原子力船事業団の事業の内容が、各産業に関連して参りますし、しかもこの事業団の目的は、原子力船を将来建造していくための最も重要な基礎となるべき事業であるとするならば、あくまでも国民的な立場に立って強力にこの事業団の目的を貫いていくような方が選ばれなければならないと私どもは考えるわけです。ところがまあこれはうわさでございますから、私どもが一々取り上げる値打はございませんけれども、こういうふうな事業団ができ上がります際には、いろいろな問題が出やすい。たとえば民間の資金集めを行なうために非常に便利な人物を選ぶとか、あるいは特殊な利害関係を持つような人が選ばれるというようなことが起こりやすい。これは理事長あるいは理事等の役員に対してしばしば起こって参ります。その点について十分公正な人事をやっていただかなければならないと思いますが、その点について……。
#55
○説明員(江上龍彦君) 事業団の役員、特に理事長につきましては、先生おっしゃるとおり人格識見が非常に高いとともに、船舶とか原子炉に関する見識というものもお持ちになれるとともに、非常に産業界の総力を結集して行なう事業でございますので、産業界に対する信望が厚い人物であるというような、いろいろな点でりっぱな人を得たいというのが政府としての考えでもあり、原子力委員会の考え方でもございます。したがって、公正なりっぱな方を選ぶということは、先生おっしゃるとおり何よりも大事なことでございまして、なお特に業界と密接な関係がある、つまり業界と特殊な関係のある方は、法案の十五条の規定によって役員の欠格条項の中に規定されているそういう人は、役員になれないということになっております。それから第十七条という規定がございまして、役員は営利を目的とする団体の役員となったり、あるいはみずから営利事業に従事してはいけないというような兼職禁止の規定もございますので、特に特別な業者と結びついたような人というものは選ばれないような法律的な措置も講じてあるわけでございますが、なお御指摘の点は十分留意いたしまして適正な人事を行ないたい、かように考えておるわけでございます。
#56
○牛田寛君 これは新聞でございますから、私は信用するわけではございませんが、一部の新聞紙上では、特定の産業と直接関係のある方々の名前が出ておる、あるいは防衛産業に直接関係を持った方の名前が浮かび上がってくるのでありますが、そのような立場の方は不適当である、そういう立場の方は任命されないようにというふうに私どもは思いますが、その点はいかがですか。
#57
○説明員(江上龍彦君) 事業団は、現在法案自体を御審議をいただいておる段階でございまして、人事につきまして、政府といたしましても原子力委員会といたしましても、まだ全く白紙の状態でございます。一部の新聞にいろいろ揣摩憶測が出ておるということは私も目にいたしておりますけれども、それらはすべて単なる推測にすぎない、かように御承知願いたいと思います。
#58
○牛田寛君 顧問についてちょっとお尋ねいたします。「顧問は、学識経験がある者のうちから、主務大臣の認可を受けて、理事長が任命する。」かようにありますが、学識経験の範囲をどの程度にお考えになっておりますか、お尋ねいたします。
#59
○説明員(江上龍彦君) 学識経験と申しますのは、文字どおり一般的な学識経験という広い意味でございまして、もちろん技術的な船舶に関する学識経験あるいは原子力炉に関する学識経験というものも含んでおりますが、必ずしもそれのみに限らない広い意味の学識経験者でございます。本事業団が、政府はもとより産業界全部の力を結集して行なわれなければならないということから、この業務に関して日本の知能なり経験というものは極力総動員いたすという観点で顧問を選びたい、かように考えております。
#60
○牛田寛君 本日はこの程度で終わります。
#61
○委員長(田上松衞君) 速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#62
○委員長(田上松衞君) それでは速記を始めて下さい。
#63
○野上元君 長官に二、三お尋ねしたいのですが、あなたのほうの原子力局が発行された「原子力第一船開発計画について」というのがありますがね。これの五ページに資金計画が載っておるわけです。この法案が通過すると、この資金計画は十分にやっていけるという長官は見通しを持っておられますか、資金調達の面で。
#64
○国務大臣(近藤鶴代君) 十分やっていけるという見通しを持ってこの法案の御審議を願っておるわけでございますが、そのためにも一日も早くこの法案が通過いたしまして、その面についての努力をいたして参りたいと思っておるわけでございます。
#65
○野上元君 先般もこの資金計画について、特に資金調達の方法についてお聞きしたわけですが、初年度は政府が一億円出資し、民間から五千万円、この初年度だけを見てみますと、政府が二とすれば民間が一という割合で出ておるのですが、二年度以降はそうじゃなくて、政府が大半のものを持つ、そして民間はそれより少ない率に落ちていく、こういうような御説明があったのですが、そうしますと、大体民間といっても実際に問題になるのは海運界と造船界それから原子力関係の機器メーカーですか、こういうところが主として対象になると思うのですが、そういうところから金が出ないという場合には、大体政府で持っていこう、こういうおつもりでやっておられるわけですか。
#66
○説明員(江上龍彦君) 何分にも九年間で六十億という膨大な資金を要しますので、そのうち、先ほど申し上げましたように民間には大体四分の一を九年間で期待しておるわけであります。民間といたしましてもこの四分の一を消化するということはなかなか大へんなことであるということは先生御指摘のとおりでございます。しかしながら、われわれといたしましては本予算をきめます最後の段階におきまして、実は運輸省とも御相談し、財界等とも一応御相談しまして、非常につらいけれども四分の一程度はわれわれも努力しようということで本予算要求と実はなったといういきさつもございまして、業界といたしましても、この原子力第一船の開発ということには双手をあげて賛成しており、自分たちも相当程度の努力をしてその一部をになおうというふうな気持になっておるわけでございます。われわれといたしましても、その後も運輸省と共同いたしまして関連業界の首脳部の方にお集まりを願いまして、こういった予算案決定に至るまでのいきさつを申し上げるとともに、御協力をお願いしたわけでございますけれども、大体先ほど申し上げましたように、業界としてもわれわれとしてはこの法案がもし成立すれば実に産業界にとってもプラスであるから大いに協力しよう、こういう空気がございますので、困難ではあるけれども不可能ではない。当初計画どおり努力をすればやっていける、かように考えておる状況でございます。
#67
○野上元君 私もスタートさしたからには円滑にしかも充実した内容を持つことが好ましいと思うのですが、産業界があげて賛成してくれておっても、気持はわかっても実際に金を出す段階になると、そう全然関係のない業界から金がくるということは考えられないわけですがね。やはりこの第一条にうたってあるようなところから金がくるということになると思うのですが、実際にはこれは非常にむずかしいと思うのですね。今日の海運界あるいは造船界を見ても、きのうか衆議院を通過した海運二法案を見ても、政府が莫大な補助をしなければならないというような業界なんですよ。そういうところから私は非常に金は取りにくいじゃないかというふうな気がするわけです。したがって、そういう計画でスタートされると非常につまづくのではないかというような心配があるのでお聞きしたわけですが、これはまあスタートしなければわからぬことだと思いますが、ひとつその点については長官も御努力をいただきたいと考えるわけです。
 それからもう一つお聞きしたいのですが、九年間は長過ぎるじゃないかという声がどうしても出るのですね。御承知のように日本人は特にせっかちですから、九年間もかかってしかもつくるのが海洋における観測船である。いわゆるこの第一船ができたことによって民間が直ちに原子力船をもって国際的に競争していくんだというような情勢ではないわけですね。また、そういう目的でもないようですね、今のところ。そうしますと、九年間もかかって観測船を一隻つくるのにこれだけの莫大な金がどうして必要なんだという気にもなるし、私自身も九年は長過ぎるじゃないかというふうな気がするのですが、九年間にきめた理由というのは、技術的な問題かあるいは資金的な問題か、その点はどういうふうになっているのですか。
#68
○説明員(江上龍彦君) 九年ときめました根拠につきましては、お手元にお配りしましたタイムスケジュールというのがありまして、これで大体九年を――実験運航を含めてですから、実際に船ができ上がりますのは七年ということになるのですけれども、という計画を一応きめたわけでございます。しかしながら このタイムスケジュールの中には、最初の経験である、したがって単に船をつくることだけが目的ではなくして、その過程における研究開発というものをじっくりやっていくという考え方。それから最初の船の舶用原子炉をつくるわけですから、安全性の審査にも相当時間がかかるであろう。そういったような、全体として非常に慎重度の高い計画になっておるわけでございます。このタイムスケジュールにつきまして長過ぎるじゃないかという声は、実は各方面にあるわけで、国会においてももうすでに数回そういう声を伺っておるわけでございますが、われわれ事務当局といたしましても、この計画は絶対のものであるというふうに考えておるわけではないので、一応非常に慎重度を見込んで、一応このタイムスケジュールを考えておるけれども、情勢によってこれらは短縮できないものでもない、かように考えておりますので、今後の進み工合、それから資金の状況等ともにらみ合わせつつ、このタイムスケジュールを実際に即したように改定するということも当然あり得る、かように考えておるわけでございます。
#69
○野上元君 この法案が通りますと、事業団法案の附則の第一条にあるように、「この法律は、昭和四十七年三月三十一日までに廃止するものとする。」ということになっておるわけですから、必ずしも昭和四十七年三月三十一日まで続けなきゃならぬということにはならぬわけですね。その以内であればいつ廃止してもよろしい、こういうことになるわけですが、そういうふうにこれは解釈していいわけですか。
#70
○説明員(江上龍彦君) 先生御指摘のように一番長くて四十七年三月三十一日までである。もっと短縮できるような事態になれば、その前に廃止することもあり得るというのがこの法律の条文の趣旨でございます。
#71
○野上元君 私の意見は全くしろうとの一つの考え方です。したがって原子力の問題についてよくわかっておられるあなた方が計画されて九年かかるというのだから、その点はわれわれとしては信用しなきゃなりませんが、しかし、一般的に見てどうも長いという空気がやっぱり非常に強いです。しかも直ちに日本の経済活動に結びついてないわけですよね。そこに、やはり皆さんの気持の上でなかなか納得されない点があると思うんですが、まあやってみて早くできるものなら早くつくっていくということが必要だと思うわけです。たとえば道路の問題で河野建設大臣が一声すれば、三カ月も半年も早く道路ができ上がってしまうということになるわけですから、この法律が通った場合に、無理やりに、できるのにもかかわらず昭和四十七年三月三十一日までとにかく引っ張ってやるんだということでなくして、余裕があったらまたほかのことを研究するというようなことも十分やっていいと思うのですから、その点をひとつあなたのほうでも十分考えておいてもらいたい。
#72
○説明員(江上龍彦君) 先生御指摘のとおりにわれわれも考えておりますので、できるだけ能率的に、しかも研究開発という目的をあわせ行なうという趣旨で実施いたして参りたい、かように考えております。
#73
○野上元君 それから観測船を最初の目的にしたというのは、出資の関係によるわけですか。何か特別の目的を持っているわけですか。まあ外国の例を見ると、ほとんど客貨船ということで、直ちに海運界に大きな影響を与えるような方法を持っているのですが、この法案によっても、第一にはその目的が書いてあるわけですから、それにどうして合致するような建造の方法を考えなかったか、その点はどういうふうにお考えになっておりますか。
#74
○説明員(村田浩君) 先ほど私のほうからも原子力船の経済性につきまして若干御説明申し上げましたが、現段階におきましては、世界各国ともまだアメリカ及びソ連の現在できておりますものを含め、完全な意味で経済性に乗っているとはまあ申せないわけでございます。わが国におきましてつくります場合に、そういう観点からいろいろ専門部会で経済性の将来につきまして試算あるいは推計を行なっていただきましたけれども、商業船といたすことは、現段階ではむずかしいという点から、非商業船を考えるべきである。非商業船となりますと、大体政府所有の船もしくは軍艦というようなことになるわけでございますが、アメリカを初めとしましてソ連あるいはイギリス並びにフランス等は、原子力潜水艦というようなものを開発しまして、経済ベースとはまた別個に、原子力の船舶への利用ということを開発しております。しかしながら、わが国は先ほどもこの法案に関連しまして「基本法の精神にのっとり」ということを申し上げましたとおり、わが国で行ないます原子力船の研究開発は、平和目的に限るわけでございますので、平和目的に限る意味から、どうしても政府所有の一般の船、非商業的の船ということになります。その場合には、運輸省あるいは農林省で所有しておりますような訓練船とかあるいは観測船ということになって参るわけでございまして、そういった中でも原子炉を搭載します船としましては、一般の蒸気機関の場合と違いまして、非常に小さくするということは、現在の技術では技術的にも困難がございまして、その小さくする限度がございます。その小さくできる限度内で考えまして、しかも政府所有の非商業船という観点から、現在政府あるいは政府機関が所有しております各種の船種、船型について比較いたしました結果、海洋観測船が最も適当している、このように専門部会でも結論を出しまして、そして原子力委員会に答申していただいております。原子力委員会は、その答申をさらに十分検討しました結果、海洋観測船が第一船として最も適当していると判断いたしまして、もちろん運輸当局とも十分相談いたしまして決定いたしたようなわけでございます。
#75
○野上元君 ただいま米国の原子力潜水艦が、日本寄港の問題で、だいぶ問題になっているようですが、きょうか昨日の新聞を見ましても、日本における原子力関係の科学者の多くの人が、この寄港について反対の意思表示をし、署名運動をやっているということなんですが、原子力潜水艦の日本寄港に反対をしているのは、政治的立場と技術的な立場と、二つあると思うのですが、この学者の場合はどういうふうな立場をとっているのですか。
#76
○説明員(江上龍彦君) 学者の声明の中にいろいろニュアンスがございます。最初に出ましたのは日本学術会議からの勧告、その次は湯川博士を初めとする九人の原子力学者の声明というのがあります。それから最後に、けさの新聞に出ておりましたのは、全国百五十名余りの原子力科学者の声明、こういうふうに承知しております。最初の二つの勧告並びに声明につきましては、私も読んでおりますし、われわれ科学技術庁並びに原子力委員会に対しても手渡されておりますので読んでおりますが、それは原子力潜水艦の寄港そのものに反対であるということではなくて、原子力潜水艦を日本に寄港させるについては安全審査を十分やれ、安全性を確認した上でなければやってはいけない。そういう安全性という問題は原子力委員会の任務であるから、その点を慎重にやってくれという、こういう趣旨のものであったと思います。
 それから、実はけさの新聞に出ましたのは私まだその文章を読んでおりませんので、はたして反対をしたものであるか、それとも前と同趣旨の、安全性について慎重に検討すべきであるという意味のものであるか、実はつまびらかにしないわけでございますけれども、そういった学者の諸先生方が言われることは、やはり科学者は科学的な資料に基づいて原子炉の安全性について審査すべきである。したがって、原子力潜水艦が日本の港に入ってくるということは、日本の港に原子炉を新たに設置するのと同じことではないか、原子炉の設置については非常に慎重な審査をして現在許可されておるわけだから、それと同じに考えてもいい。原子力潜水艦の寄港問題については、安全性という観点からよほど慎重な検討を要する。こういう趣旨のものであるというふうに了解しておるわけでございます。
#77
○野上元君 私も関連質問ですから、もう一つだけ聞いておきますが、原子力の船が、それは潜水艦であろうと商船であろうと、原子力による危険というものはこれは同じだと思います。それで、今、次長が言われたように、一つの原子炉が存在していると同じことではないか、したがって、これには十分な対抗措置が必要である。特に東海村あたりでは相当厳重に対抗措置をとられておると思うのですが、この原子力船をつくるのもやはり同じだと思う。そういう点についてはもう問題はないのですか。
#78
○説明員(江上龍彦君) 原子力船の開発につきましては、これは何も秘密なことはない。原子力潜水艦の場合のように機密という面で特に隠さなければならぬということはないので、すべて研究開発の段階は公開してやって参りたい。したがって、この原子力船開発事業団の役職員につきましては、秘密保持の義務も課しておらぬわけです。こういうことで広く世間一般の、国民並びに専門の学者の批判を浴びつつ研究開発を進めていくわけでございますから、いやしくも安全性について疑問のあるような設計等をいたしましても、これはとても実現できるものではございませんので、そういった点については万遺憾なきよう措置して参りたい、そういった船をつくって参りたいと、かように考えておるわけであります。
#79
○野上元君 私もよくわからないのですが、船を先につくって、その中に炉をつくっていくということですか。それとも、炉は別のところでつくって、でき上がったものを船に備えつけるというのですか。その点はどういうふうになるのですか。
#80
○説明員(村田浩君) 実際につくります際は、これまで、たとえばサバンナ等を建造いたしました経験などに徴しましても、船はまず船台で普通の船のように船体をつくっていくわけでありますが、原子炉そのものは、やはり原子炉をつくりますメーカーのほうで相当程度まで組み立てて参り、それを最後に船の中に持ち込みまして、最終的に艤装するという形になろうかと思います。陸上で一度十分に組み立ててテストしたものを船体に積み込んで、そうして組み立てるという形になろうかと思います。
#81
○説明員(江上龍彦君) 先ほど牛田先生の御質問の中で、共管の例があるかという御質問ですが、ただいま調べましたところ、さしあたり目につきましたのが中小企業金融公庫法、中小企業信用保険公庫法、これが大蔵省及び通産省の共管になっておりまして、役員の任命も同じような形になっております。
#82
○委員長(田上松衞君) 私から少しお聞きしておきたいと思うのですが、せんだってもちょっと申し上げたんですけれども、調査してからということで、まだ回答をもらっていないわけなんです。申し上げた事項は、結論から言いますると、原子力船体及び原子炉の問題、そうして、これに一体をなしておる原子力船をつくるという事柄に対しては、すでにソ連及びアメリカ等でやったものの記録を見ていくわけですから、これは心配はない。ところが問題になりまするのは、サバンナ号が昨年末から試運転を始めたわけだったのだが、これがメリーランド州以外のアメリカ各州の港では依然として寄港を拒否しているということを聞いておるわけなんです。――資料が参りましたね……。たまたま今、先般私の質問に対しまする回答を意味する資料が参りましたけれども、これではまだ不十分なんです。これは「原子力船サバンナ号の実験航海について」ということで、訪問した港、訪問の日を書いてあるわけです。これによりますると、メリーランド州以外の州にも立ち寄った。訪問した。だけれども、これはまだ訪問した日が書いてあるだけのことであって、どのくらいこれが停泊したものであるかということが、これだけではわからないわけですが、それはそれといたしましても、私が知っている範囲で申し上げますると、メリーランド州以外のアメリカの各州で今日なおこれを停泊させたり何かしたりするというようなことを拒否しておるというようなことは、これは船の推進力に使われておるところのウラニウムの残滓が水中にばらまかれてしまって、魚介類が汚染されるというようなことは言うまでもないことですけれども、もっと大きな問題は、港湾関係者の健康を害するおそれがまだ多分にあるというような、これは船全体の安全性だとか何とかというような問題でなくして、誤解のないように……。あくまでウラニウムの残滓の処理について心配しておるわけなんですがね。したがって、これらの処理の施設のあるところ以外には今なお危険だという工合にいわれておる、こう聞いておるのですけれども、これだけでは的確ではないのですが、そうした私が申し上げるようなことが事実であるのか、それとも、そういう心配はないということなのか、及び、今こっちでつくるところの観測船、それに使われるところのウラニウムの残滓はどういう方法によって処理しようという計画になっておるのか、この点だけは御答弁いただきたいと思います。
#83
○説明員(村田浩君) 先般委員長のほうから御指摘がございましたサバンナ号がメリーランド州の港以外に入港できないという情報だが、ということでございましたので、その後、事務局のほうで種々の情報を総括してもう一度調べてみましたところ、私のほうの資料では、メリーランド州ヘサバンナ号が参ったという情報もございませんし、また、参るというような計画を示す情報も見当たらなかったわけでございます。私どものほうで調べました結果、昨年の八月以降最近までに実際にサバンナ号がアメリカのどういう港に入ったかということがわかりましたので、さしあたりまして、その点をこの一枚の資料にいたしまして本日差し上げたわけでございます。したがいまして、先般の田上委員長の御質問に即、答えた形になっておらないわけでございますが、ただいまのお話によりますと、メリーランド州の港でのウラニウムからの放射能の危険等の関係から、他の港へは入らぬように、また入れないようになっておるというようなことでございましたが、私どもの調べましたところによりますと、この表の一番下に書いてございますテキサス州ガルベストン、ただいまここにサバンナ号が入っておりますが、ここに燃料を取りかえる設備を設けてございまして、ここにおいてのみ燃料の取りかえを行なうという規則になっておるようでございます。したがいまして、それ以外のところに入りましたときは、ただ入りましただけでございまして、そういう港、ここに書いてございますジョージア州のサバンナとか、ヴァージニア州のノーフォークというところは、寄港いたしましただけで、こういう港では燃料を取りかえるというようなことは全然行なっておりません。したがいまして、その燃料の取りかえ等から起こります放射線の漏洩とか、あるいは故障ということは起こり得なかったものと承知しております。ガルベストンには特別にそのために設けた施設がございまして、その施設におきまして使用済みの燃料を取りかえて、新しい燃料を目下装荷中であるということを聞いております。本年の四、五月ごろまでにはその作業を終えまして、再びアメリカの東海岸から、夏にかけましてはヨーロッパのほうへ航海するようになっておるという情報でございます。
#84
○委員長(田上松衞君) 後段のことは……。
#85
○説明員(村田浩君) わが国の第一船をつくりました場合の使用済み燃料の処理から生じ得ますいろいろの放射線の漏洩の問題等に関しましては、当然考慮しなくてはならないわけでございまして、アメリカで行なっておりますごとく、わが国におきましても燃料を取りかえます施設をあらかじめ指定いたしまして、そこに設けました施設以外での取りかえは行なわせないように指定いたすことになるかと思います。どの港、あるいは、どこにどういう施設を設けるかということは、原子力船ができますまで七年間ございます。その間に、幸いにこの開発事業団ができました場合には、その事業団でも十分研究いたしまして、そうして政府当局と相談いたしまして決定して参る、その決定に従って十分な設備を設けて参ることになると考えております。
#86
○委員長(田上松衞君) もう一点ちょっと伺いたい。この問題以外の、野上委員からさっきちょっと触れられておった原子力潜水艦のことなんですが、結局、あの問題の学者たちの勧告なり声明なり、さっきお話のありましたような――要点は、安全性の取りつけと、万一の場合におきまする損害補償に対する確約というものがまだ自信がない、そこまで進んでいないということのように了解しておるわけです。問題の要点はそれだったと思うのですが、これについては幾らか話が進展しておりますか、どうですか。
#87
○説明員(江上龍彦君) ただいまの原子力潜水艦寄港問題についての要点は、先生御指摘のとおり安全性の問題と万々一の場合における賠償措置の問題、この二点でございます。アメリカ側に対してその二点に関していろいろ問い合わせましたところ、両方について一応の回答が来ておるわけでございますが、なお、いろいろ不十分な点がございまして、再質問あるいは再々質問という形で問い合わせておる段階でございまして、やや進展をしつつあるという状況でございます。
#88
○委員長(田上松衞君) 牛田委員に申し上げますが、ただいま運輸省船員局船舶職員課長鎌瀬君が見えましたので、さっきの御質疑を続けていただきたいと思いますが……。
#89
○牛田寛君 ちょっと速記を……。
#90
○委員長(田上松衞君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#91
○委員長(田上松衞君) 速記をつけて下さい。
 他に御発言もないようですから、本件につきましては、本日はこの程度にいたします。
 本日はこれで散会いたします。
   午後四時散会
ソース: 国立国会図書館
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