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1962/01/28 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第2号
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1962/01/28 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第2号

#1
第043回国会 運輸委員会 第2号
昭和三十八年一月二十八日(月曜日)
   午前十時四十五分開会
    ―――――――――――――
委員の異動
 一月二十二日
  辞任      補欠選任
   中村 順造君  岡  三郎君
 一月二十八日
  辞任      補欠選任
   浅井  亨君  北條 雋八君
   前田佳都男君  吉成 恵市君
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り
   委員長     金丸 冨夫君
   理事
           天坊 裕彦君
           岡  三郎君
   委員
           江藤  智君
           木暮武太夫君
           河野 謙三君
           吉武 恵市君
           相澤 重明君
           吉田忠三郎君
           北條 雋八君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 綾部健太郎君
  政府委員
   運輸政務次官  大石 武一君
   運輸大臣官房長 廣瀬 真一君
   運輸省海運局長 辻  章男君
   運輸省鉄道監督
   局長      岡本  悟君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       吉田善次郎君
  説明員
   日本国有鉄道常
   務理事     遠藤 鉄二君
   日本国有鉄道施
   設局長     山口 和雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠互選の件
○木船再保険法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
○船舶安全法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○運輸事情等に関する調査
 (昭和三十八年度運輸省及び日本国
 有鉄道関係予算に関する件)
 (今期提出予定法律案に関する件)
 (北陸、上信越線の雪害状況に関す
 る件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(金丸冨夫君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 初めに、委員の異動を御報告いたします。
 去る一月二十二日付をもって委員中村順造君が辞任され、その補欠として岡三郎君が選任せられました。
 なお、本日付をもちまして浅井亨君が辞任し、その補欠として北條雋八君が選任せられました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(金丸冨夫君) 次に、理事の辞任及び補欠互選についてお諮りいたします。
 野上進君及び大倉精一君から、都合により理事を辞任したい旨の届出がありました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 つきましては、直ちにその補欠互選をいたしたいと存じますが、慣例に従い、成規の手続を省略して、委員長にその指名を御一任願うことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないと認め、委員長から天坊裕彦君及び岡三郎君を理事に指名いたします。よろしくお願いをいたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(金丸冨夫君) 次に、今期国会における委員会の定例日について御報告いたします。
 先ほどの理事会におきまして、従前どおり毎週火曜日及び木曜日の両日を一応の定例日といたし、必要に応じて追加していくことに申し合わせましたので、さよう御了承いただきたいと存じます。
 なお、今週は休みとし、次回は一応二月五日を予定いたしております。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(金丸冨夫君) 次に、木船再保険法の一部を改正する法律案及び船舶安全法の一部を改正する法律案の両案を便宜一括議題といたし、提案理由の説明を聴取いたします。
#8
○国務大臣(綾部健太郎君) ただいま議題となりました木船再保険法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、御説明申し上げます。
 木船再保険法は、政府が、船主相互保険組合法に基づいて設立された木船相互保険組合の負う保険責任を再保険して、組合の健全な経営を確保することを目的として、昭和二十八年に制定されたものであります。この制度の発足以来九年間の実績を見ますと、年々、木船再保険特別会計に相当の黒字を生じております。
 申すまでもなく、この利益は、木船船主の保険料から生じたものでありますから、これを木船船主に還元し、保険料の負担の軽減をはかることが望ましいのであります。
 しかるに、現行の木船再保険法には、利益還付の規定がありませんので、同法を改正いたしまして、木船再保険特別会計に利益を生じた場合には、今後の異常災害等に備えて一定額を積み立てた後、なお残余があるときに限り、これを木船相互保険組合に対し還付することができるよう、利益還付金制度を設けることといたしたのであります。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
 次に、船舶安全法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 今回の改正の第一点は、一九六〇年の海上における人命の安全のための国際条約を批准することとするに伴いまして必要な規定の整備をすることであります。
 一九六〇年五月ロンドンで開催されました国際会議において、一九四八年の海上における人命の安全のための国際条約が改正せられましたが、これを批准することとするに伴いまして、次の二点について、船舶安全法の規定を整備することが必要となったのであります。
 第一は、総トン数三百トン以上五百トン未満の非旅客船で国際航海に従事するものに対しまして、新たに無線電信または無線電話の施設を義務づけることであります。
 第二は、ばら積み穀類を船積みする場合において、その積載図を承認する等の運送に関する規制を新たに設けることであります。
 改正の第二点は、検査対象船舶の増加に対処して、技術の進歩と検査の体制とに即応した船舶検査制度の合理化をはかることであります。
 経済の進展に伴う船腹の増加によりまして、船舶検査が繁忙をきわめて参りましたが、一方、技術の進歩によりまして、船舶及び船舶用物件の性能も向上して参りましたので、その実情に即応して、次の諸点について、船舶検査の合理化をはかることとしたのであります。
 第一は、総トン数五トン以上二十トン未満の帆船以外のもの及び平水区域のみを航行する帆船以外のものに対し、現在定期的に行なっております船舶検査を、これらの船舶の、就航状態が、従来から随時の検査の対象となっている一部の帆船と同様に、いずれも平穏な狭い水域に限られていることにかんがみまして、随時の検査に変更することであります。
 第二は、一定の規格により、または大量生産方式により製造されている船舶用物件につきまして、船舶用機関と同様に、当該物件を施設する船舶の特定前に検査を受けられることとすることであります。
 第三は、優秀な製造施設を有し、製造過程中の品質管理、自主検査機構等が充実している事業場の認定を行ない、その事業場において製造される一定の船舶用物件に対しまして、製造工事に関する検査を省略することであります。
 以上のほか、満載喫水線を表示すべき船舶の範囲を国際満載喫水線条約の線に合致させる等、所要の整理をすることにしたのであります。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#9
○委員長(金丸冨夫君) 両案の質疑は、次回に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#10
○委員長(金丸冨夫君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 昭和三十八年度運輸省関係予算について説明を聴取いたします。綾部運輸大臣。
#11
○国務大臣(綾部健太郎君) 昭和三十八年度の運輸省関係の予算について御説明申し上げます。
 まず、予算の規模でありますが、一般会計の歳入予算総額は十四億七千四百八万二千円、歳出予算総額は他省所管分七十四億二千三百十五万七千円を含んで八百十四億七千五百七十三万一千円でありまして、この歳出予算総額を前年予算額と比較いたしますと、百十一億四千七百三万六千円の増加で、約一六%の増加率になっております。
 この増加額の内訳を見ますと、行政部費では三十七億九千八百二十八万六千円、公供事業費では七十三億四千八百七十五万円の増加であります。
 特別会計につきましては、まず、木船再保険特別会計の歳入歳出予定額は三億四千四十四万九千円で、前年度に比較して約四千六百万円の増加となっております。自動車損害賠償責任再保険特別会計の歳入歳出予定額は、付保自動車数の増加に対応して、前年度より約三十三億七千四百万円を増額し、九十六億八千七百三十四万九千円といたしております。港湾整備特別会計の歳入歳出予定総額は四百二十九億六千二百十五万四千円で、前年度より約七十三億三千四百万円の増加となっております。
 なお、以上の経費のうちには、定員百八十八名の純増に伴う経費を含んでおり、また、このほか、昭和三十八年度財政投融資計画中には、当省関係分として約二千六十八億円を予定されております。
 昭和三十八年度予算におきましては、当省は、貿易外収支の改善、輸出の振興、輸送力の増強、大都市交通施設の緊急整備、交通安全対策の強化、海上治安の確保、防災体制の強化、科学技術の振興、基本的運輸施策の推進等の諸施策に重点を置き、これらを積極的に推進したい所存であります。
 以下、部門別に重点施策の要旨を御説明申し上げます。
 まず、海運関係では、第一に、海運業の再建整備に必要な経費として七十万四千円を計上しております。わが国海運が国民経済の進展に対応するためには、企業規模を拡大して、その基盤を強化し、国際競争力のある船腹を拡充していくことが必要でありますので、海運企業の集約及び関係市中金融機関の協力を前提といたしまして、運輸大臣の推薦したものにつき、十七次船以前の日本開発銀行融資残高の全額に対する利子を五カ年間徴収猶予することとし、この措置を実施いたしますため、海運企業整備計画審議会の適切なる運営をはかろうとするものであります。
 第二に、外航船舶建造融資利子補給に必要な経費として、市中金融機関分八億五百九万三千円、日本開発銀行分四億七千九百八十四万九千円を計上しております。これは、外航船舶建造融資にかかる海運企業の金利負担を軽減し、わが国外航海運の国際競争力を強化するため、市中金融機関及び日本開発銀行に対し利子補給を行なおうとするものであります。また、十八次船及び十九次船の利子補給について、新たな契約限度額として、市中金融機関分二十九億一千三百四十六万一千円、日本開発銀行分八十億六千百七十一万四千円を計上しております。
 十八次船及び十九次船については、船主負担が、日本開発銀行からの融資分については年四分、市中金融機関からの融資分については年六分となるよう、補給率を引き上げるとともに、補給期間を日本開発銀行については十年、市中金融機関については七年に延長いたしております。
 第三に、外航船舶の建造に必要な資金として、日本開発銀行からの融資二百億円を予定しております。これによりまして、昭和三十八年度において約五十万総トンの建造を行なう予定であります。
 第四に、戦時標準船処理対策に必要な資金として、財政融資六十九億円を予定しております。
 これによりまして、耐航性が著しく低下している戦時標準船の代替建造を前年度に引き続き実施しようとするものであります。
 第五に、移住船運航費補助に必要な経費として、三億一千三百十六万五千円を計上しております。これは、国の移住計画に基づく移住者輸送の円滑な遂行をはかるため、昭和三十七年度における移住船運航によって生じた欠損を補助しようとするものであります。
 第六に、三国間輸送助成に必要な経費として、四億六千万円を計上しております。これによりまして、前年度に引続き、三国間輸送を促進して、わが国海運の発展と国際収支の改善をはかろうとするものであります。
 第七に、離島航路整備補助に必要な経費として、五千二十五万円を計上しております。これは、離島住民に対する交通を確保するため、航路の性質上経営が困難な離島航路事業者に対して、その航路を維持させるために、補助金を交付しようとするものであります。
 第八に、特定船舶整備公団の国内旅客船建造に必要な資金として、財政融資七億円を予定しております。これによりまして、昭和三十八年度において約四千四百総トンの建造を実施する予定であります。
 次に、船舶関係につきましては、第一に、船舶の経済性向上対策に必要な経費として、千四百七十六万三千円を計上しております。これは、船舶の自動化船体構造の合理化等船舶の経済性の向上をはかり、わが国海運、造船の国際競争力を強化するため、高経済性船舶の試設等を行なうものであります。
 第二に、原子力船の開発に必要な経費として百二十八万一千円を計上し、これによりまして、原子力船の開発業務及び安全基準の作成を実施するものであります。
 なお、原子力実験船の建造、運航を中心とする原子力船の開発を推進するため、特殊法人日本原子力船開発事業団を設立して、第一船の基本設計を実施することとし、別途、総理府所管原子力予算として、同事業団に対する政府出資一億円が計上されております。
 第三に、中小型鋼船造船業及び木船造船業の合理化に必要な給費として、六百八十六万一千円を計上しております。これによりまして、前年度に引き続き、標準設計の作成等を行ない、これら造船業の技術の向上、経営の合理化を推進するものであります。
 次に、船員関係につきましては、
 第一に、船員厚生施設の整備増強に必要な経費として、二千五百万円を計上しております。これは、船員の福祉厚生を増進するため、国内における船員厚生施設を整備する公益法人に対して、施設費の一部を補助するものであります。
 第二に、海技審議会の設置、運営に必要な経費として、八十九万六千円を計上しております。これは、船舶の自動化と船舶運航技術の革新に伴い、船員の技能及び資格に関する制度、海技に関する国家試験制度、船員教育制度その他海技制度全般にわたる基本的事項について総合的な調査、審議を行なうため、海技審議会を設けるものであります。なお、この審議会においては、船員教育に関する重要事項についても調査、審議することとし、従来の船員教育審議会は廃止する予定であります。
 次に、港湾関係について申し上げます。
 第一に、港湾整備五カ年計画に基づく港湾整備事業を実施するため、前に申し上げましたように、港湾整備特別会計の歳入歳出予定額として、四百二十九億六千二百十五万四千円を計上しております。このうちには、一般会計から港湾整備特別会計への繰入金三百三億九千五百八十一万円が含まれております。昭和三十六年度以降、港湾整備五カ年計画の実施に努めておりますが、最近の海上輸送需要は急激に増大しており、同計画において推定した昭和四十年の港湾貨物取り扱い量は昭和三十九年に達成される公算が大きくなっておりますので、既定の五カ年計画を一部繰り上げて実施しようとするものであります。
 これを勘定別に見ますと、港湾整備勘定においては、歳入歳出予定額三百九十億三千五百三十五万円の規模をもちまして、横浜港外三十三港の整備を行なう予定であり、特定港湾施設工事勘定においては、歳入歳出予定額三十九億二千六百八十四万四千円の規模をもちまして、輸出港湾として下関港、石油港湾として室蘭港外五港、鉄鋼港湾として室蘭港外四港及び石炭港湾として苫小牧港外一港について、港湾施設の整備を行なう予定であります・
 第二に、港湾都市防災事業の推進に必要な経費として、百三十九億七千二百十九万八千円を一般会計に計上しております。これによりまして、港湾都市を高潮、地盤沈下等の災害から防護するため、東京等緊急整備高潮対策事業、危険港湾都市の海岸事業、チリ地震津波対策事業、伊勢湾高潮対策事業、地盤変動対策等災害関連及び災害復旧事業を、計画的に推進する所存であります。
 第三に、特定船舶整備公団と港湾運送事業者との共有方式により、前年度に引き続き、港湾運送事業者の事業の用に供するはしけ及び引き舟を整備するための資金として、財政融資三億円を予定し、港湾機能の向上をはかることとしております。
 次に、鉄道関係につきましては、
 第一に、国鉄新五カ年計画の推進に必要な資金として、財政融資一千五十億円を予定しております。
 第二に、日本国有鉄道新線建設費補助に必要な経費として、六億一千七百十九万七千円を計上しております。これは、昭和三十五年度から昭和三十七年度までにおける新線建設費の一部を日本国有鉄道に対して補助するための経費であります。
 第三に、国土の総合開発、地方産業の振興地域格差の是正等のため、産業基盤たる鉄道網を緊急に整備する必要がありますので、鉄道網整備公団を設立して鉄道新線の建設を推進することとし、産業投資特別会計による政府出資五億円を計上し、財政融資五億円を予定しております。
 第四に、地下高速鉄道網の整備をはかるため、建設所要資金として、財政融資及び地方債の起債のあっせん三百二十億円を予定するとともに、地下高速鉄道建設費補助に必要なる経費として二億二千七百八十八万九千円を計上しております。この経費は、地下鉄の建設費が巨額に上り、その利子負担が経営の重圧となっている現状にかんがみ、東京都、名古屋市、大阪市及び帝都高速度交通営団に対し、昭和三十七年度の建設費の一部を補助しようとするものであります。
 第五に、踏切保安設備費補助に必要な経費として、五千二百五十八万九千円を計上しております。これは、踏切道改良促進法に基づき、踏切道の改良を促進するため、保安施設の整備を行なう赤字またはこれに準ずる私鉄に対し、その費用の一部を補助するものであります。
 第六に、臨時鉄道法制調査会の設置に必要なる経費として、八十九万九千円を計上しております。これは、鉄道に関する法制に関する重要事項について調査、審議するため、臨時鉄道法制調査会を設置するものであります。
 次に、自動車関係につきましては、
 第一に、首都における自動車輸送調査に必要なる経費として、六百四十万円を計上しております。これは、東京における自動車輸送需要の激増に対処して、自動車輸送力の増強と輸送の合理化をはかり、あわせて路面交通の混雑緩和に資するため、交通経絡上の基本事項並びにターミナル等の輸送施設について調査を行なおうとするものであります。
 第二に、自動車事故防止対策を推進するため、二億九千二百五十七万六千円を計上しております。これによりまして、愛知第二車検場の新設、福島外三カ所の車検場の移設拡張、事務の機械化等により、車両検査及び登録業務の円滑な実施をはかるとともに、自動車運送事業の労務管理、運行管理等の監査、運転者実態調査、自動車分解整備事業の監査、指導、整備士技能検定等を行なうものであります。
 第三に、自動車の激増傾向にかんがみ、自動車行政を円滑に処理するため、車検登録関係で五十名、自動車損害賠償保障関係で三名、計五十三名の増員を行なうこととしております。
 次に、航空関係につきましては、
 第一に、日本航空株式会社に対する出資金として、産業投資特別会計において十二億円を計上しております。これによりまして、機材の増強、資本構成の健全化をはかり、同社の国際競争力を強化しようとするものであります。なお、これとともに、同社の発行する社債三十億円、借入金十億円について債務保証を行なうことにしております。
 第二に、国際空港の整備に必要な経費として、三十億三千百六十四万円を計上しております。このうち、東京国際空港につきましては、十四億八千七百二十三万円を計上しておりまして、これにより、新滑走路の整備、ターミナル周辺の整備等を実施するものでありますが、昭和三十八年度をもって同空港の整備は一応完了する予定であります。
 大阪国際空港につきましては、十五億四千四百四十一万円を計上しておりまして、滑走路の新設、現有施設の改良を実施するものであります。なお、別途一千万円を計上し、東京第二国際空港の新設のための調査を実施することといたしております。
 第三に、国内空港の整備に必要な経費として十六億二千五百五十六万円、ほかに国庫債務負担行為額四千八百八十六万円を計上しております。これによりまして、名古屋空港外十八空港の整備を続行するとともに、新規空港として出雲外六空港の整備に着手し、松山外四空港の追加改良整備を行なう予定であります。
 第四に、航空大学校の整備強化に必要な経費として、一億三千百万九千円を計上しております。これは、航空機の特別修繕等既存施設の整備強化及び同校の維持運営に必要な経費であります。
 第五に、航空の安全強化につき必要な経費として三億四千六百八十四万三千円、国庫債務負担行為額七億五千百三十二万二千円を計上しております。これによりまして、九州地区管制所の整備、国際通信施設の整備及び航空保安施設の整備を実施するほか、YS−11型機を購入して、飛行検査業務の強化をはかることにしております。
 次に、観光関係につきましては、第一に、日本観光協会に対する政府出資として、五千万円を計上しております。これは、来訪外客に対する旅行案内機能を強化するため、京都総合観光案内所及び東京総合観光案内所羽田出張所を設置するための資金として、同協会に政府出資を行なうものであります。
 第二に、日本観光協会に対する補助に必要な経費として、四億八千八百四十八万六千円を計上しております。これは、国際観光の振興をはかるため、香港及びサンパウロの海外事務所の新設その他海外宣伝網の充実強化、宣伝資料の作成、総合観光案内所の運営等に必要な費用及び管理費の一部を同協会に対して補助するものであります。
 第三に、ユースホステル整備費補助に必要な経費として、五千二百八十六万四千円を計上しております。これによりまして、昭和三十八年度は、特にオリンピック東京大会時の宿泊対策の一環とするため、東京周辺に重点を置き、六カ所の公営ユースホステルの建設を行なう予定であります。
 第四に、国際観光施設整備費補助に必要な経費として、三千万円を計上しております・これは、来訪外客のわが国内における旅行を便利、快適ならしめるため、主要なる国際観光地に休憩施設等を設備することとし、その費用の一部を地方公共団体に対して補助するものであります。
 次に、海上保安関係につきまして申し上げます。
 第一に、海難救助体制と海上治安体制の強化をはかるため十二億五千四百十一万円、国庫債務負担行為額四億五百三十万四千円を計上しております。これによりまして、老朽巡視船艇七隻を代替建造するとともに、海上保安組織の強化、通信施設の整備、海上警備力の強化等を行なう予定であります。
 第二に、船舶航行の安全確保に関する体制の整備をはかるため、航路標識整備費十一億五千万円、水路業務の整備拡充に必要なる経費二億三千六十五万円を計上しております。これによりまして、港湾標識、沿岸標識等の整備、既存航路標識の改良改修、集約管理体制の促進をはかるとともに、臨海工業地帯の開発に伴い、港湾測量、海図刊行能力等を強化し、測量船一隻の代替建造を実施する予定であります。
 次に、気象関係につきましては、第一に、防災気象業務の整備に必要な経費として七億六千二百四十五万一千円、国庫債務負担行為額二億一千二十九万三千円を計上しております。これによりまして、富士山に気象用レーダーの設置、大阪湾地域に自動応答式無線ロボット装置の設置、水害、地震及び火山観測施設の整備等を実施して、台風豪雨雪対策及び地震火山対策の強化充実をはかるとともに、防災気象官二十二名増員、農業気象業務及び航空気象業務の拡充強化を実施する予定であります。
 第二に、防災基礎業務の整備に必要な経費として、七億八千九百八十万九千円を計上しております。これによりまして、気象観測船一隻の代替建造、無線模写放送及び気象官署間通信施設の整備、気象資料の整備を実施するとともに、気象に関する研究、研修の強化等のほか、国際協力として太陽活動極小期国際観測年への参加を行なう予定であります。
 次に、大臣官房関係につきましては、
 第一に、運輸関係統計調査の充実強化をはかるとともに、大臣官房の総合調整機能を強化するため、大臣官房に統計調査等を置いて、組織の充実強化をはかることとしております。
 第二に、運輸本省及び付属機関を収容する運輸本省庁舎を霞ケ関団地に建設するため、初年度調査費として五百万円を建設省予算に計上しております
 次に、科学技術関係につきましては、第一に、科学技術応用研究費補助に必要な経費として、六千五百万円を計上しております。これによりまして、試験研究機関における試験研究と相待って、民間が分担する試験研究を促進し、運輸に関する科学技術の振興をはかる所存であります。
 第二に、船舶技術研究所の設立に必要な特別経費として二億九千五百二十四万二千円、国庫債務負担行為額六億五千六百四十一万八千円を計上しております。これによりまして、現在の運輸技術研究所を船舶技術研究所とし、その船舶部門を拡大整備するとともに、電子航法に関する試験機構の強化をはかる予定であります。なお、同研究所において、鉄道、自動車及び航空の安全、保安に関する試験をもあわせ行なうことにいたしております。
 第三に、港湾技術研究所の整備拡充に必要な経費として、二千四百七十七万五千円を計上しております。これによりまして、設計基準部の新設等同研究所の整備拡充をはかる所存であります。
 以上をもちまして、昭和三十八年度の運輸省関係の予算についての御説明を終わります。
 次いで、日本国有鉄道の予算の説明を申し上げます。
 昭和三十八年度日本国有鉄道予算の概況につきまして、御説明申し上げます。
 昭和三十八年度の予算の編成にあたりまして、まず、三十八年度におけるわが国経済の見通し及び国鉄輸送需要の動向から収入を見積るとともに、国鉄の輸送力の増強及び輸送の近代化並びに保安対策の強化に重点を置いて、支出予算を組んだ次第であります。
 以下、収入支出予算につきまして、損益、資本及び工事の各勘定別に御説明申し上げます。
 まず、損益勘定について申し上げます。収入といたしましては、鉄道旅客輸送人員を五十八億六千二百万人、輸送人キロを対前年度八・九%増の一千四百九十一億人キロと想定いたしまして、旅客収入三千二百九十一億円を見込み、また、鉄道貨物輸送トン数を二億一千五百万トン、輸送トンキロを対前年度二・五%増の六百億トンキロと想定いたしまして、貨物収入二千百六十一億円を見込んでおります。以上の旅客及び貨物収入のほかに、雑収入等を見込みまして、収入合計五千六百五十三億円を計上いたしております。
 他方、支出といたしましては、経営費のうち人件費につきましては、三十八年度の昇給と期末・奨励手当三・五カ月分を見込みまして、給与の総額を一千九百八十六億円といたしております。物件費につきましては、節約に特段の努力を払わせることにいたしておりますが、おもなものといたしまして、動力費四百十五億円、修繕費七百三十二億円を見込んでおります。これらを合わせまして、経営費総額は、三千九百九十八億円となっております。以上の経営費のほかに、受託工事費四十億円、利子及び債務取り扱い諸費二百五十五億円、減価償却費六百五十三億円、資本勘定へ繰り入れ六百四十二億円、予備費六十五億円を見込みまして、支出合計五千六百五十三億円を計上いたしております。
 次に、資本勘定について申し上げます。
 収入といたしましては、先ほど申し上げました減価償却引当金六百五十三億円、損益勘定からの受け入れ六百四十二億円に、資産充当三十億円、鉄道債券八百三十億円、資金運用部等からの借入金四百六十八億円を加えまして、収入合計二千六百二十三億円を計上いたしております。
 他方、支出といたしましては、このうち二千三百二十億円を工事勘定に繰り入れるほか、借入金等の償還に二百九十二億円、帝都高速度交通営団等への出資に十一億円を予定いたしております。
 最後に、工事勘定について申し上げます。
 三十八年度は、輸送力の増強及び輸送の近代化並びに保安対策の強化に重点を置き、東海道幹線増設工事を推進するとともに、主要幹線の複線化、電化・電車化、ディーゼル化、さらには通勤輸送の混雑緩和、踏切及び信号保安施設の改良等をはかるために、前年度に比べて二百八十五億円増の二千三百二十億円を計上いたしております。
 以下、工事勘定の内容について御説明申し上げます。
 まず、新線建設につきましては、前年度と同額の七十五億円を計上いたしました。なお、この新線建設費につきましては、昭和三十八年度におきまして鉄道網整備公団の設立が予定されておりますので、この場合には同公団への出資金として処理する予定であります。
 次に、東海道幹線増設につきましては、昭和三十四年度に着工してから五年目を迎え、工事も最終段階に入りますので、前年度より二百七十五億円増額いたしまして八百八十五億円を計上し、工事の促進をはかって、予定の工期内に完成できるよう配慮いたしました。
 次に、通勤輸送対策につきましては、東京付近六十四億円、大阪付近十二億円、電車増備百九十両、三十七億円、計百十三億円を計上し、輸送需要の増大に対処するとともに、混雑緩和をはかることにいたしました。
 次に、幹線輸送力増強につきましては、前年度より六億円増額いたしまして四百九十六億円を計上し、輸送能力の限界近くまで利用されているために輸送需要の増大に応じ切れなくなっている東北本線、常磐線、上信越線、中央本線、北陸本線等の輸送力の増強をはかり、これらの線区における輸送の隘路をできるだけすみやかに解消することにいたしました。
 次に、電化・電車化につきましては、工事費五十三億円、車両費七十五億円、計百二十八億円を計上し、現在工事中の東北本線、常磐線、信越本線、北陸本線及び山陽本線の電化を促進いたしますとともに、既電化区間の電車化を積極的に行ないまして、列車回数を増加し、サービスの改善と経営の合理化をはかることにいたしました。
 次に、ディーゼル化につきましては、施設費八億円、車両費百三億円、計百十一億円を計上し、電化されない区間のディーゼル化を促進することにいたしました。
 次に、諸施設の取りかえ及び改良につきましては、前年度より百三十五億円増額いたしまして四百十七億円を計上し、踏切及び信号保安施設の改良を初めとして、諸施設及び車両の取りかえ及び改良をはかることにいたしました。
 以上のほかに、総係費九十五億円を加えまして、支出合計二千三百二十億円を計上いたしております。これらに要する財源といたしましては、資本勘定から受け入れます二千三百二十億円をしてることにいたしております。
 以上御説明申し上げました日本国有鉄道の予算につきましては、予定されました収入をあげ、予定されました工事計画を完遂するために、特段の努力が必要であろうと考えられますので、公共企業体として、いま一そうの経営合理化をはかり、もってわが国経済の発展に資するよう指導監督して参りたい考えであります。
 以上昭和三十八年度日本国有鉄道の予算につきまして御説明申し上げましたが、何とぞ、御審議の上、御賛成下さるようお願いいたします。
 ちょっと補足しておきます。なお、東海道幹線増設費の不足百六十一億円を補うため、昭和三十七年度第二次補正予算を提出いたしておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。
#12
○委員長(金丸冨夫君) 質疑は次回に譲ります。
#13
○委員長(金丸冨夫君) 次に、今期国会における運輸省関係提出予定方法案につきまして、説明を聴取いたします。
#14
○政府委員(廣瀬真一君) 第四十三国会に提出を予定しております運輸省関係の法案について、簡単に御説明をいたします。
 第一が、運輸省設置法の一部を改正する法律案でございます。これは、大臣官房に統計調査部を置く。運輸技術研究所が廃止になりまして、船舶技術研究所を設ける。船員教育審議会を廃止して、海技審議会を設ける。臨時鉄道法制調査会を設ける。伊勢湾港湾建設部の次長を一人から二人に増員する。補獲審検査委員会の廃止に伴う整理を行なう。運輸省の常勤の職員の定員を増員する。こういう内容でございまして、一月二十六日に国会に付託になっております。
 それから、その次の三件は、海運関係でございます。
 海運業の再建整備に関する臨時措置法案、これは仮称でございますが、海運企業の集約及び関係市中金融機関の協力を前提といたしまして、海運企業に対する開銀融資にかかる利子の全額について支払い猶予を実施することとし、利子猶予を受けようとする海運企業の提出する整備計画及びその実施の確保のための措置等について定める。
 その次は、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法の一部を改正する法律案、これは内容が、外航船舶建造資金にかかる海運企業の金利負担を軽減することにより、わが国外航海運の国際競争力の強化をはかるため、市中金融機関に対する利子補給期間を五年から七年に延長し、改正後の利子補給の条件を昭和三十七年度の開銀融資による新船建造にかかる市中融資についても遡及適用する。
 その次が、日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案でございます。これは、外航船舶建造資金にかかる海運企業の金利負担を軽減することにより、わが国外航海運の国際競争力の強化をはかるため、日本開発銀行に対する利子補給率の限度を引き上げ、利子補給期間を五年から十年に延長する等の措置を定め、これを恒久法とする。また、改正後の利子補給の条件を昭和三十七年度の新船建造にかかる開銀融資について遡及適用する。この二件は、一本の法律で改正するという予定でございます。件名としては一件になるかと思います。
 その次は、木船再保険法の一部を改正する法律案、これは本日提案理由を御説明申し上げました。
 それから、鉄道網整備緊急措置法案、これは、わが国の鉄道網を緊急に整備することにより、産業基盤の強化と民生の安定をはかるため、鉄道網十カ年計画の作成、実施に要する費用、建設される新線の貸与等について、必要なる立法措置を講ずる。
 鉄道網整備公団法案は、鉄道網整備十カ年計画の実施主体としての鉄道網整備公団の設立、組織及び業務等について必要なる立法措置を講ずるという内容でございます。
 その次の日本原子力船開発協会法案、これは科学技術庁で提出いたします。わが省と共同でございますが、科学技術庁のほうから科学技術振興対策特別委員会のほうに提出する予定でございます。
 それから港湾整備促進法の一部を改正する法律案でございますが、港湾の整備の促進をはかるために、新たに貯木場、船舶のための給水施設等の建設等の工事を特定港湾施設整備事業とする内容でございます。
 それから、海上運送法の一部を改正する法律案、これは航路開始の届出等を外国人に対しても適用するとともに、定期航路における海上運送の秩序の混乱に対処するための所要の立法措置を講ずる。これは提出を検討中でございます。
 それから港則法の一部を改正する法律案、これは船舶の輻湊化等港湾事情の変化に伴いまして、港長を配し、交通の安全及び港内の整頓をはかる必要の生じている姫路、松山の二港を新たに特定港に指定し、また、航行安全のための取り締まりを強化するという内容でございます。
 それからその次は、港域法の一部を改正する法律案、これは江名港等の港域を改正するという内容でございます。
 次は、船舶の排棄する油による海水の汚濁の防止に関する法律案、これは、一九五四年の油による海水の汚濁防止に関する国際条約に早期加盟を迫られているとともに、船舶の排棄する油による海水の汚濁の漸増によりまして、水産資源等が悪影響を受けている現状にかんがみまして、船舶の排案ずる油による海水の汚濁を防止するため、船舶による油の排棄の禁止区域、船舶における油の流出防止装置の設置、港湾における船舶油性水処理施設の設置等について規定をいたすという内容でございまして、提出を検討中でございます。
 その次は、船舶安全法の一部を改正する法律案。これは、本日提案理由を説明いたしました。
 それから船舶職員法の一部を改正する法律案。これは、船舶通信士の乗り組みを国際水準並みに軽減する、それから乙種船舶通信士及び丙種船舶通信士の免許年令を十八才に引き下げるという内容でございます。
 それから鉄道営業法の一部を改正する法律案。これは、ILOの条約を批准するに際しまして、鉄道係員に関する規定を整備する必要があるため、所要の改正を行なうという内容でございます。
 次は、道路運送法の一部を改正する法律案。自動車輸送の現状にかんがみまして、自動車運送事業の種類の整理、免許基準の明確化、国営事業に関する適用除外の廃止等を行なって、制度の合理化をはかるとともに、行政の簡素化に資するために、自動車運送協議会を廃止しようという内容でございます。
 次は、道路運送車両法の一部を改正する法律案。これは、最近における自動車数の激増、車両性能の向上、車両の種類の多様化にかんがみまして、自動車の保安体制を確立するために、自動車の種別を整理し、自動車の定期点検整備を義務づけるとともに、登録、検査等の制度の合理化、簡素化を行なおうという内容でございます。
 次は、航空法の一部を改正する法律案。これは、不定期航空運送事業及び航空機使用事業等につきまして過当競争防止の規定を設ける等、航空運送事業体制の整備のための措置、航空保安関係規定の整備等、航空法全般にわたり所要の改正を行なうという内容でございます。
 それから日本航空株式会社法の一部を改正する法律案。政区が日本航空株式会社に対して行なう補助金の交付規定を整備する等、所要の改正を行なうという内容でございます。これは提出を検討中でございます。
 以上でございます。
#15
○天坊裕彦君 参議院先議はどれですか。
#16
○政府委員(廣瀬真一君) 参議院は、本日提案を行ないました木船再保険法の一部を改正する法律案、それから船舶安全法の一部を改正する法律案、現在きまっておりますのは、この二件でございます。あとは、各法案ごとに、衆議院、参議院をきめて参りたいと思います。
    ―――――――――――――
#17
○委員長(金丸冨夫君) 次に、今般の雪害に伴う日本国有鉄道の被害状況について、当局から報告を聴取いたします。
#18
○国務大臣(綾部健太郎君) 所管の大臣といたしまして、今回の北陸、上、信越の大雪害によりまして今なお主要幹線が列車運転を回復することができず、国民に多大の御迷惑をかけたことに対しまして、私は、まことに申しわけなく、遺憾に存ずる次第でございます。で、厚く、かつ深く罹災されましたる各地の人々に御慰安のお言葉を申し述べたいと存じます。
 目下、国鉄においては、全力をあげて救援に努め、列車運転の回復に努力しておりますが、残念ながら、天候の関係から、主要列車の運転開始がいつになるかという見通しはつかない次第であります。なお、当面の目標としては、生鮮食料品の輸送に全力をあげ、その余力をもって都市付近の通勤運送を、可能な限り区間列車の運転を行なっているような次第でございます。除雪につきましては、万全の施策を講じてはおりますが、線路工手、ロータリー車等を近接の管理局より最大量に応援せしめ、また自衛隊のきわめて積極的な御援助を得まして、でき得る限りの方法を講じておりますが、何分にも未曽有の大雪で、その状態が遅々として進まぬことは遺憾にたえません。
 雪害状況の詳細につきましては事務当局をして説明いたさせますが、雪害復旧については、今後とも万全を期していきたい所存でございます。どうぞ御了承をお願いいたします。
#19
○説明員(遠藤鉄二君) ただいま大臣から御発言のございましたように、国鉄といたしましては、全力をあげまして、除雪の促進、輸送の確保に努力をいたしておりますが、遺憾ながら、現状におきましては、北陸、信越線ともにほぼ全面的に運行がとまっているような状態になっている次第でございまして、お配りいたしております。「北陸、上信越線の雪害状況について」という資料、この資料は昨日の正午現在の資料でございますが、これに基づきまして御説明申し上げまして、昨日からけさに至りますところの状況は、あとで追加で御説明を申し上げます。
 「雪害の概況」でございます。
 年初以来全国各地に散発的に雪を降らした寒冷前線は、十一日夜半から日本海岸線一帯に豪雪を降らし、以後回復のきざしが見えず、国鉄各線は大きな被害をこうむり、二十二日までは、昭和三十五年度の大雪害時の経験にかんがみ、計画的に運転休止、迂回輸送、折り返し運転等の手配を講じ、一方除雪に努めた結果、旅客列車はその大部分の、貨物列車は最悪の場合でも平常の三〇%を確保することができた。
 しかし、このたびの同地区の降雪量は記録的なものであり、降雪を除くひまもなく長期にわたり、二十三日から襲った猛吹雪のため線路が埋没し、北陸線福井−直江津間では、二十四日以降数本のローカル旅客列車を動かすのみで、貨物列車は、全面的に運転を休止するのやむなきに至った。一方、上・信越線では、新津−柏崎間、小出−長岡間は、全く列車の運転が不可能となり、旅客列車十二本を途中駅に抑止せざるを得ない状態となった。この列車の旅客に対しては、直ちに旅館、給食等の手配を講じた。
 そのため、国鉄では、他地区より除雪要員を派遣するほか、自衛隊及び地元各位の強力な応援を得、一日約二万人を動員し、かつ極力除雪列車を運転し、鋭意、幹線の排雪に努力しているが、いまだ全面的な回復には至らない状態である。
 二十七日十二時現在、北陸線の状態は辛うじて救援物資及び短区間の旅客列車の運転が可能となり、上信越線においては、小出−東三条間を除き、排雪作業が比較的順調に進んでいるが、本線の側雪の排除、構内の除雪、抑留貨車の整理等の必要があるため、全面的な回復にはいまだ時日を要する状態である。
 しかし、この間にあって、金沢地区、新潟地区に対しては、二十五日以降、食糧、燃料等の緊急物資を迂回経路により輸送する手配を行なっている。
 なお、今回の雪害にあたっては、計画的に長距離列車を運休して輸送の混乱を防ぐとともに、除雪に当たっては、自衛隊及び地元各位の応援を得、また設備面においてはは北陸隧道が完成し、通信設備の近代化――SHF及び通信線のケーブル化であります――がほぼ完了していたため記録的な豪雪にもかかわらず、全線区にわたり通信が確保されて、状況の把握及び列車の緊急手配が適確に行なわれる等、混乱を最小限にとどめることができました。
 次に、「除雪状況」でございます。
 (1)、除雪要員動員状況。
 管内の職員及び除雪人夫を最大限に動員し、他局より職員の助勤を行ない、さらに自衛隊に出動を要請するなど、除雪要員の確保に努めた。
 一月十二日から二十七日までの動員人員は次のとおりであります。新潟支社、延べ八万七百九十七人、金沢鉄道管理局管内、延べ十七万九千七百五十八人、計二十二万五百五十五人。
 (2) 除雪車運転状況。
 ロータリー、ラッセル等を全面的に運転して除雪にあたり、輸送の確保に努めてきたが、線路わきの積雪が累積し、従来の除雪方法の続行が不可能になったので、直ちにロータリーを主体とした除雪に切りかえた。
 一月十二日から二十七日までのラッセル、ロータリーの運転キロは次のとおりである。新潟支社は三万五千百七十三、金沢鉄道管理局は三万六千三百六十四、計が七万一千五百三十七キロでございます。
 次に、「輸送概況」。
 関係線区の運転概況。
 一月十二日から二十二日までの間に影響の大きかった北陸、信越線福井――新津間においてはかなりの降雪にもかかわらず、旅客列車八〇%、貨物列車四五%を、上越線では旅客列車九〇%、貨物列車七〇%の列車運転を確保していた。累積された線路わきの積雪の上に、さらに二十三日以降の豪雪により、優等列車を初め、直通列車は、同日の夜行から全面的に運転休止のやむなきに至った。しかしながら、通勤、通学列車、生活必需品、救援物資輸送用貨物列車を確保するよう努力した結果、次のような運転実績となっております。非常にわずかな実績でございまして、特に二十五日、二十六日は、ほとんど動いていないような状態でございます。
 以上のほか、雪害地帯に除雪作業員輸送のため、次のとおり各一本ずつの臨時列車の緊急手配を行ない、輸送を行ないました。二十五上野――長岡間、二十六日上野――長岡間、大阪――富山間及び二十七日名古屋――富山間でございます。
 (1)旅客関係は、
 (イ)途中に抑止せざるを得なかった列車は延べ十二本、三千四百九十人となり、供食、暖房等についてでき得る限りの緊急措置を講じて万全を期するとともに、長時間滞留した列車の旅客は、努めて旅館及び民家に収容いたしました。前回の昭和三十五年におきましては、途中にとめられましたお客が三万人でございましたが、今回は早目に列車を打ち切りましたので、三千四百九十人でございます。しかも、前回は駅と駅の途中で列車が立ち往生いたしましたが、今回は途中の立ち往生はございません。全部ホームに着いておったわけでございます。
 (ロ) 旅客の取扱制限は、
 一月二十七日十四時現在では次のとおりになっております。これは朗読省略いたします。
 (2) が貨物関係でございます。
 一月十二日以降の雪害により貨物輸送は大きな影響を受け、二十六日までの全国の減送トン数は約百万トンに達しております。このうち、特に雪害の著しい金沢、新潟管内の減送トン数は約七十万トンとなっております。
 野菜、魚、食料品、家庭燃料等の生活必要物資については、その輸送を最優先に実施することとし、発着荷主、県、市等の公共機関の希望を具体的に調査し、専用列車の運転を実施する等、適切な措置を講じている。
 現在までの輸送制限としては金沢新潟管内に発着または通過する貨物に対しては、受託停止、その他の制限を実施している。
 北陸線、信越線は雪害地帯に発着する貨物を重点的に輸送することとし、これらの線区を通過するものは、極力東海道、東北線等を迂回する措置を講ずることとした。
 次の表の1は、今庄、富山、金沢・長岡、直江津におきますところの十一日以来の積雪量と降雪量の表でございます。最大が今庄でございまして、黒の実線が今庄で、だんだんふえて参りました経過がわかっております。それから下のほうの今庄という数字は降雪のほうでございます。こういう状況に相なっております。
 次の別表2は列車の不通状態で、これは省略いたします。
 次の別表3というのが、これが新潟支社管内の線路の不通状況を地図に表わしました二十七日十二時現在の不通状況でございます。加茂から小出まで本線が不通になっております。こういうような状況にございます。
 次の別表3は、金沢管内の不通状況を表にいたしました。
 次は別表の4でございますが、これは除雪従事員の数を日別に集め、累計がつけてございますが、こういう状態でございます。二十七日でいいますと、新潟管内は、職員が二千五十二人出動いたしております。これは線路の除雪をやっておる職員だけを計上してございます。そのカッコにございます八百五十二人というのは、関東支社から助勤に出ました数の内訳でございます。人夫が六千七百人、自衛隊が七百十六人、合計で九千四百六十八人であります。金沢は、職員が二千五百三十五人、うち大阪方面からの助勤が九百六十二人、人夫が一万一千五百十二人、自衛隊が四百七十人、計一万四千五百十七人。その両方を合わせますと、二万三千九百八十五人となります。
 次が雪かき車の運転実績でございます。雪害が始まりました初めのうちは、やはりラッセルでとにかく一応わきにのけるだけの除雪作業になっておるわけでございますが、だんだんわきの雪が高くなりまして、線路が廊下のようになってしまいますと、押しのけるだけでは通れないわけであります。したがいまして、ロータリーの出動になるわけでございます。二十五日くらいからは、ロータリーの除雪を最優先に行ないましてやっておるわけでございますが、そういう数字に表われております。
 次の「新潟支社日別列車キロ」という表がございます。新潟支社は大体平日どのくらい列車が動いているかといいますと、この表には載っておりませんが、旅客列車は平日は二万六千六百キロでございます。これは定期列車だけでございます。貸物列車が二万五千キロ動く。定期列車でございます。十五、六日ごろまでは、まずまずけっこう動いておったような状況でございます。
 それからこの表の一等下に三十五年度の排雪列車の状況が書いてございます。三十五年の十二月三十日から始まりました大雪害でありますが、これは国鉄としましても歴史的な大雪害でございましたが、一週間足らずで済んでしまいましたわけです。したがいまして、このときはずいぶん国鉄が非難を浴びたわけでございまするが、排雪列車の状態から見ますると、あれだけの被害が、実害がありましたのですけれども、この程度の排雪列車で済んでおるわけでございます。したがいまして、今回の大雪害がいかに歴史的に記録的なものであるかということが、この排雪列車の三十五年と三十七年の比較でおわかりいただけるのではないかと、こう思うのでございます・非常に長期にわたっておるわけでございます。
 次は、金沢の日別の列車キロでございます。金沢局は、定期列車は、旅客では二万八千キロ、貨物では二万二千キロでございます。したがいまして、当初はかなりの運転をやっておったということになるわけであります。これも一番下の欄に、三十五年度の大雪害の排雪列車との比較が出ておりますが、今回は日にちも長いし、一日をとりましても、三十五年度よりは排雪列車がよけい動いているのでございます。
 それから次に、絵がかいてございます。これは、御参考までにつけましたのですけれども、国鉄の除雪のやり方なんでございまして、(1)が初期の除雪でございまして、これはいわゆるラッセルで押しこくりまして、五メートルないし八メートルわきの方に雪をはね飛ばすのでございますが、この列車は時速四十キロないし五十キロを走れるのでございます。したがいまして、こういう程度でございますれば、普通の列車の運転のかたわら、一日に何回かきめまして、このラッセルを通すというようなことでいけるわけでございます。今回の雪害も、初期はこれでいけたわけでございます。次に、「二次除雪」と書いてございます。これが普通のやり方なんでございまして、ラッセルである程度側に雪をはね飛ばしますと、側が高くなってしまう。廊下状になってはあとの仕事ができませんので、人力をもって、「段切り」と申しまして、上に段を切りまして、遠くへ捨てていくわけでございます。そういたしまして、次の「キマロキ」と書いてございます。機関車が最初にございます。その次にマックレーという車がついていくわけでございます。これが雪を集めてあるく。少し間をおきまして、次のロータリー車がその集まった雪を吹き飛ばすわけでございます。最後にまた機関車がつく。こういう四台の車でもって編成いたしました「キマロキ」という形式でもって、右の方に絵がかいてございますが、この「キマロキ」のマックレーが手をわきに出すわけでございます。その手をわきに出すのが黒い実線で書いてございます。わきに手が出ておりますが、その範囲までは、わきにたまりました雪をかき奇せてあるくわけでございます。したがいまして、この作業ができますれば、七メートルないし七・三メートルという道があくわけでございます。これが普通の状態なんです。ところが、今回の雪害におきましては、この二次除雪を行なういとまがなかったのでございます。連日の豪雪でございまして、こういう方法をやるいとまがないうちに、まあ大てい雪は三日、四日でもって一段落し、ある天気のいい時期が来まして、また雪が降るという状態で、三寒四温と申しますが、今回は約一十日間ぶっ通しに降っておりますので、そういう回復の作業ができないわけでございます。したがいまして、二十七日から始まりました異常時除雪、これはほんとうの非常対策でございますが、まず「ロキ」によって強行突破をする。つまり、かき寄せるとか、そういうことができませんので、これはぶつかっちゃって動けませんから、ロータリーでまず中心に近いところの雪を吹き飛ばす。そのあとで「キマロキ」を運転するという方式を二十五日からとっておりますが、このロータリーあるいはマックレーで寄せる除雪の方式は、大体時速は三キロから五キロまでしか進めないのであります。これは非常に危険でございまして、鉄道は線路のわきに、信号とか、その他いろいろな工作物があります。それを非常に注意しなからぶっこわさないように運転いたすわけでございまするし、またこれは相当ふっとばす力が要りますから、そう高い速度が出ない。したがいまして、時速三キロとか五キロで進行いたしますので、一昨日に新津を朝早く出ましたこの「ロキ」が長岡に到着するのは夜中でございます。
 そういうような状態でございまして、なかなか除雪が進展いたしません。現在は、「ロキ」あるいは「キマロキ」だけではこまかいところはできませんから、人力も二万人を動員し、「ロキ」あるいは「キマロキ」によって広く道をあけるということにきょうの時点では努力いたしておるのでありまして、これが、降雪量が少なくて、この作業がある程度進みますと、汽車を通せるわけでございますが、今はその除雪の作業中である。こういうことでございます。
 次に、けさ現在までの状況を簡単に申し上げておきます。昨晩今庄付近におきまして、かなりの降雪その他状況ははっきりまだつかんでおりませんけれども、今庄辺が非常に悪い状態になったという報告でございまして、敦賀――福井間が動けないような状態になっております。敦賀――福井間はきのうは何とか動けたのでありますが、きょうは動けないような状態になっております。
 それから先ほど、中間でとめられましたお客さんのお話を申し上げましたが、その後、信越線の新津――長岡間も一応「キヤロキ」方式で通りましたので、そのあとを、途中とめられましたお客さんの乗っている汽車を、新潟あるいは上野までつけたわけでございます。それぞれ新潟と上野まできようの未明から運転を開始いたしまして、上野までのお客はけさの八時に上野に入りました。二十三日に出たお客でありますから五日かかった。したがいまして、けさの状態現在で途中にとまっているお客さんは百二十一名まで減少することができました。三個列車の合計で百二十一名さんでございます。大体旅館にとまっていただくように手配してございますので、そう苦情は聞いてないわけでございますが、そういう状態にまで参りました。
 それから昨日の二十七日から二十八日にかけましての列車の運行状態でございますが、昨日は、旅客列車は、米原――敦賀で十八本、敦賀――福井四本、福井――金沢二本、金沢――富山三本、富山――糸魚川八本、糸魚川――直江津十二本、こういうふうに動きまして、貨物は、米原――敦賀六本、敦賀――福井一本、富山――糸魚川一本糸魚川――直江津二本、かように動きましたのでございますが、先ほどもちょっと申し上げました敦賀――福井間がまた悪化いたしましたので、本日はあまり動けないような状態に、また多少逆戻りのような傾向になっておるようでございます。貨物列車は、けさ六時現在で中間にとまっておりますところの貨物列車五十八本、貨車にしまして千七百七十四両が途中でとまっております。それからこの雪害のために全国から発送すべき貨車が、積まれたまま発送されてない貨車が七千両くらいございます。
 以上のような状態でございますが、私どもは、何とか早くこの除雪を行ないまして列車を確保いたしたいのでございまするが、何分天候がちょっと想像もつかないような激しい状態でございまして、今の除雪の進行状況では、今明日長距離列車を動かすというあては全然つかないのでございまして、今明日は手配でもって輸送をとめてございます。とめてございますが、あさって以降、それでは動けるかといいますと、これもまだ何とも申し上げることができないような状態で、まことに残念でございまするが、そういう状態であります。
 で、関係各方面の御協力をお願いいたしまして、自衛隊からは非常なお力をいただいておるのでございまして、先ほどの説明は二十七日の分の自衛隊の数でございましたが、きょうはさらにそれより多くの出動を得る予定になっておりまして、師団長みすから現地にお飛びになりまして指揮をとっておられるような状況でございます。国鉄職員も、十一日以降でございますので、すいぶん長くかかりまして、相当に疲労こんぱいをいたしておるような状態でありますので、極力他管内からの助勤者も送るようにいたしておりまするが、といいまして、ほんとうの大事の職員はほかのものではなかなかやれないわけでございます。運転指令でありますとか、あるいは「キマロキ」の指揮をとるというようなことは、助勤者ではこれはできないわけでございまして、ほんとうに中心となる職員は疲労こんぱいしておるのじゃないかというふうに思うのでございまして、遺憾ながら、今までのところ、こういうような状態でございまして、何とか努力をいたしたいと思いますが、ここで、今後どうなるだろうというような見通しをまだとても申し上げられる段階になっておりませんことを実は遺憾に思う次第でございます。
 以上でございます。
#20
○相澤重明君 今、運輸大臣なり遠藤常務理事から国鉄の現状について説明をいただいたのですが、私はまず運輸大臣に聞きたいのは、見通しが甘かったのじゃないかということです。この雪害の状況判断というものが適切を欠いておるからこういうことが起きたのじゃないか。今の報告では、一月十二日以降ですか、そういうものについての報告はいただいたのだけれども、最も激しかった二十五日前後、これからの問題がやはり一番大きいことじゃないか。たとえば先ほどの、ラッセルかロータリーかというような問題についても、やはり国鉄当局自身状況判断、見通し、こういうものについてどう考えておったかということが、私はやはり今回の措置に対して重要な問題ではないか、こう思うのです。これが一つです。どういうふうに考えておったか、それをひとつ運輸大臣と国鉄の当局者に聞きたい。
 それから第二の問題は、こういういわゆる国鉄輸送というものは、国民の生活に非常に市要な影響を与えるので、特に生鮮食料品等を初めとして、生活必需物資の問題については、場合によれば飛行機輸送もしなければいけない。したがって、各党、各会派とも、いわゆる現地に状況調査、慰問、こういうような形で、それぞれ国会においても衆参両院において調査団派遣等の問題まで出ているのです。そういう中で、緊急処置として、生活必需物資については、あるいは空輸もして、つまり飛行機あるいはヘリコプター等を使っても、この全然通っておらない地域に対する救済措置というものを考えなければいけないのじゃないか、こういうことまで言われておったのですね。これについては、当然運輸省としては、先ほども三十八年度の予算の説明も運輸大臣自身おやりになったのでありますが、私はそういう、たとえば空輸関係からの問題についても、これは運輸大臣が、大臣としてその所管に関する問題として、もしお考えがあれば、私は、これはもっと協力方ができたのじゃないか、こういうふうに思うわけです。それが今まで実施をされておらないということは、やはり運輸大臣としての適切な処置がとられていない、こういうふうに私どもは思うわけなんです。この点はどういうふうにお考えになっておるのか。あるいはやる気があるのかないのか。現地のこれらの国民の多くの人たちに対するところのやはり救済というものは、その地域の人たちだけにまかせきりだ、こういうことであっては、これだけの大雪害に対する政府の処置としては適当でない、こう思うのです。したがって、そういういわゆる国民の生活について政府がどう対処していくのか、こういう点について、ひとつ運輸大臣のお考えを聞いておきたいと思うのです。
 以上二点について、とりあえずお答えいただきたい。
#21
○国務大臣(綾部健太郎君) お答えいたします。
 観測が甘かったのじゃないかというお尋ねは、私はさようには感じません。現状の場合、刻々と寄せてくる状況について、国鉄は適当な示唆を与えたものと私は思っております。
 それから、飛行機輸送をやったらいいじゃないかという点、相澤委員御承知のように、飛行機は空港がなければ飛べないのです。ところが、北陸地方の空港は全部雪で閉ざされておりまして、やろうとしたってやれないのです。それを判断をしまして、やれるようであったらやるつもりでありますが、現状においてはやれないのです。それを御了承願いたいと思います。
#22
○相澤重明君 私は、今の大臣せっかくの御答弁ですが、あなたの答弁では、国鉄が適切な判断をしてやったろう、だから見通しの甘いことはなかったろうという言葉だけれども、この資料からいくと、たとえば二十五日前後の排雪列車の扱い方についても、もっと状況というものを、気象等から考えていけば、できたのじゃないかということが考えられるわけですよ。ですから、専門的なそういう立場から国鉄が、やはり運輸省と相談をしてやるのに、若干甘い見通しのために私はこういうふうなことになったのじゃないかと、これは感じですがね、専門的じゃないから、これは感じですが、そういうような感じを受けるわけです、今の資料から見ると。しかしまあ、さっきの遠藤常務の話によれば、現在百二十一人ですか、ごく少なくなったということは、たいへん喜びだと思うのです。その点については、やはり努力は感謝しますが、こういう事故対策というものは常に非常事態というものを考えておかなければ、私はとれないと思うのですよ。そういう点について、せっかく大臣の答弁をいただいたけれども、どうもそういうことだけではなかなか納得できない、こういうふうに思うのです。
 それから二つ目の、空輸の問題について、飛行場がないからどうこうということだけれども、これは、飛行場がある、ないという議論ではないと思うのです。私は、今の日本の飛行機の性能あるいはヘリコプターの使用状況等を考えてみれば、必ずしもそういう形ではないと思う。もっと今性能がよくなっておるし、かなり飛行時間もとれる、こういうことからいって、物資輸送というものが緊急輸送をやる気になれば、できないことはないのじゃないか。ましてや、三十八年度の中にも、政府出資のことまで考えておる、あるいは助成まで考えておる立場からいけば、こういう非常事態にこそ、やはり協力を求めていいのじゃないかと、こういうふうに私どもは、これは国民的感情として持つわけです。ですから、そういうことがどうしてできないか。それじゃ滞空時間というのはどれくらいなのか。それから物資輸送というすのが非常の場合どうしてできないのかということを、国民に納得のできるように説明をしなければ、国民は、やはり政府は怠慢じゃないか、おれたちがこんなに困っているのにやってくれないじゃないかと、こういうやはり感情になると思うのです。ですから、私は、最大の努力をしているとは思うけれども、特に、先ほども遠藤常務の言う、国鉄職員の現地における連続勤務の人たちの精神的な面、あるいは体力の面からいけば、ほんとうに感謝にたえないと思うのです。そういうことはそれとしても、しかし、困っておるこの不通の地域の人たちに対するところの生活必需物資というのは、これはどうしても緊急にやらなければならない、こういうことで私は政府の考えというものをもっとはっきりしなければいかぬ、もっと進んで積極的な取り組みをしてもらわなければならぬ、こう思うのであります。せっかくの先ほどのお答えでは、私はどうも納得がなかなかできない、こう思うのでありますが、いま一度、大臣の御答弁をいただきたい。
#23
○国務大臣(綾部健太郎君) 飛行機につきましては、可能なる場合であれば、直ちにやるつもりでございます。それからヘリコプターも可能でありますから、自衛隊の関係でやっております。それから飛行機は非常に高度をとりますから、落とすといったってなかなか困難であるわけです。どこかひとつ着陸ができるところがなければ、飛行機を飛ばすことによってかえって事故を大きくするような憂いなきにしもあらずでございますから、そういう点はよく考えてやっておるつもりでございます。
#24
○岡三郎君 その前にちょっと聞きたいことがあるのです。たいしたことじゃないのです。現状ですね、いわゆる旅客、この取り扱いについては、万全にやっておると思う。ただこれは運輸省だけではないと思うのです。国全体として、民生の安定に努力されていると思うのです。非常に大豪雪があったということで、病人が出たとか、いろいろな緊急事態の問題についても、具体的にどの程度やっておられるか。今ここで聞くのじゃない、これはあとで総合的に報告をしてもらいたいと思うのです。内閣では官房長官がいろいろと調査のあれを指令したというわけですが、今責任者はどなたですか。豪雪に対する治安対策というか、民生安定というか、総合的なそういう対策というものをまだとられておらないわけでしょう。
#25
○国務大臣(綾部健太郎君) 官房長官がとっております。
#26
○岡三郎君 官房長官がとられておる。それで実態としてほんとうに困っておるならば、運輸省等でヘリコプターをチャーターして、連日降っているといっても、気象関係とか、そういう問題はなかなかむずかしいけれども、どの程度ほんとうに国民が困っているのか、今の説明では私は十分わからぬわけです。遠藤さんの説明では、大体国鉄の関係の線だけはわかるけれども、国鉄が輸送を中止せざるを得ない状況の中において、その周辺の状況がさまざまに変化していっていると思うのです。だから、そういう点であなた方の関係だけではなくて、総合的対策というか、そういうものがとられないというと、たとえば病人が起こった場合でも、どういうようにやっているのか、われわれとしては実際わかっていないわけです。それからなお、郵政関係でいえば、郵便物、こういったものは一体どういうように国鉄として輸送をやっているのか。たとえば飛行機が全然ないというと、鉄道もうまく通らない、緊急を要するところの郵便物とか、そういったものは一体どういうふうにやっているのか。たとえば、特に最近においては入学試験であるとか、そういった問題で入学手続がとれないという問題、たとえば今月一ぱい大学の入学手続がとれない、そういったものを、学校、個人がどういうふうにしておるか。輸送するほうはこれをおくれないようにどういうふうにしてやっているのか。あるいは通学、一般の通勤、こういったものは、今後の状況によっては、たとえば今後どの程度降るかは予想はつかぬとしても、いろいろ直接生活に関係してくる問題が非常に多いのではないかと思います。それに国鉄が対処して、これを遺憾なきようにしていくということについては、異常な努力で指令もされておるけれども、遠藤さんは現地へ行っておいでになったわけですか。
#27
○説明員(遠藤鉄二君) 国鉄は、こういう非常事態に対しまして、大体平時組織が非常事態に備える組織になっておりますので、われわれ中央指令者が現地に行ってしまいますと、かえって混乱をする場合がございますので、一応中央指令者は平生の指令者、地方の指令者は地方の指令者としてやっていますから、本社の常時の指令者でなくて、ほかの者を派遣いたすわけであります。それは多少現地の状況判断のため本社からも出ております。指令するという意味でなく、出ております。
#28
○岡三郎君 大臣、いろいろ豪雪についての状況報告を聞いておられると思うのですが、まだ今の大臣の説明でいうと、状況をこまかく聞いておらぬような気がするのですが、実態としてどれだけの内容をつかんでおられるか。だからよくやられておるし、飛行場云々と言うけれども、飛行場だけが問題じゃなく、実際に緊急を要する問題が一ぱいあると思う。今、直接的じゃなく、やがてそういう問題が発生してくるだろうと思う。そういうふうなことに対して、相沢君の言ったように、大雪が降りそうだということは、ことしの特異現象で、諸外国でもこういうあれがずっとあった。ことしはどうも気象的に言うとおかしい。だから降れば大雪になるし、たいへんなことになるのじゃないか。イギリスなんかも未曽有の雪が降っておる。諸外国においても起こっておりますね。そういうふうな点について、きょうなんかのラジオ、テレビ等からいっても、まだまだ打つ手があるのじゃないか。これくらい未曽有な大雪だと言っても、雪なんかを排雪するというふうな問題についても、もっと準備しておけばもっといけるのじゃないか、いろいろなことを言っておりますが、その点は別です。で、今聞いてみるというと、何かこれでいいのだというわけには参らぬので、運輸大臣も一ぺん詳細に聞いて、運輸当局としては――運輸省だけじゃないから、官房長官がどれだけ知っておるか、実態をつかんでから、内閣として、それに伴う手を今日これから打ってもらいたいと思う。先ほど言ったのは二、三の例ですが、学年末で中学から高校に行く入学試験があるわけだけれども、雪が降って行けない。汽車が通らない。学校のほうで延期するのは、部分的にはできるかもしれませんが、部分的にはできないところが全国的に出てくる。大学もそうです。一期校と二期校があるが、一期校は今月一ぱいで締め切り。そうすると郵便が到着するかしないかという不安が出てくる、実際問題として、それから今言ったようにその他生活に直結するところの郵便物の輸送というものは、雪が降って汽車がとまっても最小限度確保されておるのかどうか。どうも列車が全部運行が中止されておるというと、今飛行機の輸送もできないというと、全部ストップしておるのじゃないかという心配がある。それによってどの程度国民が困っておるのか、こういう点についても、ひとつきめのこまかいお考えのもとに、運輸省に責任云々というのじゃなく、そういうふうな事態がいろいろと考えられるので、こういう問題について適切にひとつ、内閣としては、特に、運輸省が幹線を握っておるわけですから、真剣にひとつ事態を正確に把握していただいて、そういうことが起こらないように万全を期してやってもらいたい。私たちはここで運輸大臣と運輸省を責めるわけじゃなく、内閣全体、特に運輸省は根幹を握っておるわけですから、万般の手配をひとつ私のほうは願いたい。相澤君の言うように、十分であるとか不十分であるとか、そういう論議もあるわけですが、いろいろな点が予想される。それから今言ったように、生活品に非常に困っておる。生鮮食料品、ビタミンが不足してくれば、今は目に見て見えないけれども、やがてこれは私は大きな現象を来たすと思う。だから、そういう点については、やはり雪の中だから応援を求めようと思ってもできない人が一ぱいあるだろうと思う。だから、そういう人たちに対しては、連絡はとれぬと思うので、それに対して緊急対策として、馬そりとかいうものではやれなくても、晴れ間を縫ったらヘリコプターが飛べると思う。それから離島なんかについても、船舶は一体どうなっておるのか。離島との連絡が完全にできておるのかどうか。日本海の離島の関係。それから離島なんかの雪の関係は一体どの程度になっておるのかわからぬわけですよ。だから、こういう点についても、いろいろと御心配になっておると思うのです。これはひとつそういうふうな報告を具体的に、できたら、この委員会だけではないと思うのです、お願いしたいと思う。離島に対する船舶の運航ですね、こういったものも含めて一体どういう状況になっておるのか、もっとやはりきめのこまかい報告がいただければありがたいと思う。私は要望しておきたいと思います。
#29
○河野謙三君 今、岡さんが言われたように、この被害対策は、各省庁にわたる大きな問題だと思うのですが、私は、とりあえず、この運輸省所管の中で善後処置として、特に一つ今から伺っておきたいことは、この豪雪によって、金沢、新潟を中心にしたいわゆる北陸地区への輸送量は、今現に貨車がたまっておるのが七千両、約十万トンです。そのほかに平常輸送した場合には、今までどのくらい輸送してなければならないか。また別な角度からいえば、一カ月に、平常輸送の場合に、北陸地区に大体どのくらいの輸送量がなくちゃならぬという計算はあるでしょう。それやこれやのあなたのほうのデータで計算しまして、今後交通が復活し、た場合に、北陸向けの緊急輸送量というものはどのくらいを予定しておられますか。百万トンですか、五十万トンですか、七十万トンですか、大体どのくらいになりますか。
#30
○説明員(遠藤鉄二君) 今回の雪害によりまして、昨二十七日までに、全国でありますが、全国の発送トン数の減少――損をした分は大体百十二万八千九百トンという計算になっております。こ百十二万トンのうち、新潟、金沢管内の分の分析はちょっと持って参りませんでしたが、まあ七、八割まで金沢に到着または発送になるものであると思います。昨日などは新潟局では、これは二十七日の分でありますが、新潟局で発送、到着合わせまして普通の日では二千五百二十の貨車の発送または到着を要すべきところが二百九十という数字になっております。一割。金沢もさような状態でございます。われわれといたしましては、この雪害がもし済めば、もちろんこの損は全部取り返すように――幸い本年度は全国的に見て出荷もさほど強調でございませんので、取り返す輸送は全力を尽くしてやるつもりでございます。でありますので、相当長期に見ていただきますれば、輸送は回復できると思います。ところが、現状ではどのくらい困っておられますか。工場が生産はしたけれども、出荷ができないというところが多いわけでございます。そういうところが多いのでございまして、きょうあす食べものがないというまでのお話はまだ出ておりません。で、われわれは、輸送がもし回復いたしますれば、第一次には、現在もう貨車に積みまして、金沢あるいは新潟に行く鮮魚、野菜が途中にあるわけでございます。まずそれを第一にやるつもりをいたしておるのでございまして、それから徐々にその他の物資に及んでいくというふうに、こういうふうに回復輸送をやるつもりでおります。
#31
○河野謙三君 今伺いますと、鉄道が損をしたという言葉を使われた。要するに発送を委託されてそれが受託できなかったものが百何万トン、こういうことですね。そうしますと、北陸地区に向けての滞貨というものは非常に莫大なものだと思うのです。これを、雪がやんで正常な運転に回復して、その上になお緊急輸送を加えて、これらの滞貨を一掃して、発送も向こうへ到着される分も、そうするまでにどのくらいかかりますか。私がこれを伺うのは、時間の関係上、私の質問をしている趣旨を申します。ます物価高が起こります。同時に運輸省所管でいいますと、こういう滞貨が重なりますと、港湾の機能にも影響してくると思うのです。私が今から心配しておるのは、災害が北陸地区であるからいいといたしましても、相当の工業力がある地区です。この地区に対しまして、京浜なり阪神なり名古屋の地区からの輸送量とも相当あると思う。これがとまることによりまして、再び港湾に船舶が輻湊する、荷役の機能が円滑にいかないという問題にまで発展するおそれが私はあると思う。先ほど相澤さんが言われましたが、そういうことも、なければいいけれども、万般予定されまして、施策をしないと私はいかぬと思うのです。
 そこで、今緊急対策に追われているでありましょうけれども、善後処置として、これが復旧した場合に、すみやかに、一日も早くこれらの北陸向けの滞貨を一掃するように、また、北陸にありますところの滞貨を他の地区へみんな発送するようにしなければいかぬと思う。それは考えておられると思う。しかし、それをやる場合にどれくらいの日時がかかるか。これが一カ月も一カ月半もかかってようやく元に復するということじゃいけませんよ。私はいけないと思う。また、いかに物価の問題につきまして緊急措置をとるといいましても、何といいましても物価に大きな影響があると思うのです。これらにつきまして、今直ちに、もし回復した場合には、こういう平常運送のほかに緊急輸送をやって、そうして十日なり十五日の間には、物資の委託されたものは一掃するという計画があるならば、それをお示しいただきたい。この問題、非常に大事だと思うのです。港湾に必ず影響がございます。特に最近アリリカの港湾ストライキ等の影響で、港湾におきましては一つの混乱が起こるという予想がされております。その際に、国内輸送で北陸にそういう問題が起こりますと、これは国鉄の問題じゃないかもしれませんけれども、港湾対策等もあわせて考ていただきたいと思うのですが、これらにつきまして、何か今お答えいただければ私はお答えいただきたいと思う。
#32
○説明員(遠藤鉄二君) 緊急輸送手配を講じまして、極力早期に滞貨の一掃に努力いたすつもりでございますけれども、十日、十五日でそれができるとはちょっと考えられないのでございます。北陸線は、平常から全国的に見ますと輸送が詰んでいる地域になっておりますので、極力輸送力はつけますけれども、十日、十五日ということではむずかしいのではないかと思うのでございます。それでは何日かかるかといいましても、私もちょっとここで、じゃ、一月とか二月とかいうことを明確に申し上げるまだ自信がないわけでございます。
#33
○河野謙三君 私は、大臣にひとつこの際お伺いしますが、今お答えのように、私もなかなか十日や十五日じゃできないと思う。できないからといって、できるまで待つというような私は事態じゃないと思うのです。そこで、幸いに北陸には新潟港なり伏木港なり、それぞれりっぱな港がございます。海上輸送に陸上輸送をある程度転嫁する。それによって運賃が非常に増高いたします。これにつきましては、政府その他で特別の緊急措置をとることによって、ただいたずらに陸上輸送にたよって、これは幾らやっても一月とか一月半とか、復旧するまでにはかかるということでは、この地区においていろいろ複雑な問題が起こる、今、岡さんおっしゃったようないろいろな問題が起こる。でありますから、今から海上の緊急輸送、新潟、伏木向けの緊急輸送という対策を当然私は立てられるべきじゃないか、こう思いますが、そういうことについて、何か御検討なさっていることがございますか。
#34
○国務大臣(綾部健太郎君) それは研究して、命じて調査させております。
#35
○河野謙三君 何かそれについて具体的な案をお持ちですか。
#36
○国務大臣(綾部健太郎君) いや、まだその結果の報告を受けておりません。
#37
○河野謙三君 それはひとつ、そういうことをやらぬで済めばけっこうですが、今、国鉄からお答えのように、なかなか十五日や二十日では平常に戻らないということでございいますから、もう私は海上輸送の問題もある程度具体化されて、大臣が御命令なすっていいのじゃないか。また、それによって要する費用というのは、政府全体において処置をとられていい時期じゃないか、かように思います。その点だけ要望しておきます。
#38
○江藤智君 今度の雪害は、未曽有の雪害でございますから、国鉄としても、現地の除雪その他の作業に当たっている方の御苦労というものは、私は実際に推測に余るものがあります。しかし、それでは天災だけで、今のままでいいかといますと、これは、先ほどから同僚の委員諸君が言われましたように、非常に民生にも影響のあることでございまして、したがって、ひとつ総合的にその実情をきわめて、それに対する対策を講じる。飛行機の問題もありましょうし、船の問題もありましょう。あるいはソリの問題もあるでしょうが、ひとつそういう面をぜひ運輸大臣としても、官房長官のほうとも連絡を密にして、おもに運輸大臣の所管の事項が多いのですから、これはぜひ緊急にその対策を立てていただきたい、かように考えます。しかし、私は今度の問題があるからではございませんけれども、雪害のたびに思うのでありますけれども、ひとつ、運輸省、国鉄ももとよりでありますけれども、運輸省としてもっと雪というものについて、平素から考慮をして施策をする必要があるのじゃないか、かように考えております。今度の雪害のように、間断なく雪が降ってきた場合には、実際上今の国鉄の施設としては、今のような結果を来たすということは、これはもうある程度やむを得ない、私はかように考えます。もっと端的にいえば、それじゃどうすればいいか、もっと雪というものをいつも頭に置いていろいろのことを考えておく必要がある。そうでないと一方においては、これはおかしな話ですが、もちろん必要なことなんですが、東海道の新幹線というようなものがどんどんできて、これは非常にいい輸送サービスをする、一方においては、北陸のほうでは大雪が降れば、現状のような、とにかく輸送麻痺を来たす、これではわれわれが地域格差の是正といったところで、そういう面において、とにかく非常にハンディキャップを受けているわけなんですから、もっと雪というものに対して考慮をする必要があるのじゃないか。それでまず新線建設にいたしましても、あるいは現在の線路でもいいんですが、大雪のときに何とか最小限度の輸送を確保するようなルートというものをぜひひとつ平素から検討していただきたい。で、ただいま北海道で石勝線という建設線を着工しておりますけれども、これに着工した原因は雪なんです。これは岩見沢という一操車場がありますけれども、これが今度のような間断ない降雪のために、一週間ほどストップいたしました。これはもう、私が現地に一週間つき切りで当時の札幌局長として指揮をふるったのでありますし、あらゆる手を打ったのでありますが、間断なく降ってくる場合には、どうにも処置がない。そこで、岩見沢を通らないで、雪の降らないとにかくルートを一本、幹線を敷く必要があるというのが、石勝線の建設を私が主張した一番大きな原因なんです。今度の場合でも、たとえば新潟の近所の越後線は、これは雪のない線、そうすればこれは具体的には検討していただかなければいけませんけれども、もし長岡付近がどうしてもやられた場合には、越後線経由で新潟と結ぶという考え方もひとつの考え方として、これは一例ですけれども、そういう降雪地帯においては雪というものを考えた一つのルートを平生から考えておく必要があるんじゃないか。答弁はあとから承わりますが、それが一つ。
 それからいま一つは雪に対してもっと設備をよくしておく必要がある。まず第一番に考えられるのは、防雪林です。そうならば、やはり雪に対して防雪林というものについても、もっと注意を払ってその育成にひとつ当ってもらいたい。流雪溝のごときも同様であります。あるいは路盤を広げるということが、先ほどの御説明で段切りをするといいますけれども、これは路盤の広さがなければ段切りもできないわけであります。でありますから、やはり降雪地帯の線路を敷くときには、そういう方面にひとつ金を惜しまず、雪に対することを十分考慮した設計をやってもらいたい。たとえば今度不通になっておるこの区間のごときは、もう早くからこれは複線を増設をする区間なんです。複線にしておけばそれだけの路盤が広がっておりますから、これを単線にして通すということも、これは非常に容易なんだ。ところが、前から複線増設をすべきことがいまだにできない。これは雪というものを考えれば、むしろこういうこれから率先複線増設をやっておいて、こういときには除雪作業を容易にしてやる、こういうような配慮が、これは一例ですけれども、国鉄あるいは運輸省としてやはり考えていただく必要があるんじゃないか、かようは考えるわけであります。
 そこでお伺いいたしたいのは、今施設局長が見えておりますけれども、最近のこういう防雪対策というものについて、一体国鉄はどういう程度にウエートを置いておるか。これは責めるわけではありません。まあこういう機会に、そういう点をひとつお伺いいたしたいと思うのであります。
#39
○説明員(山口和雄君) 今回の災害につきまして、非常に雪の排除の仕方その他でいろいろお話がございました。私どもとしても一生懸命やっておったのでございますが、結果がかようになったことは申しわけないと思います。ただいまお話のございました、ふだんどういう考え方で雪害対策をやっておるかという御質問でございますが、実は、国鉄の中に雪害対策委員会というものを設けまして、その中で国鉄全般の雪害対策を将来の方向としていろいろ研究しております。具体的に申し上げますと、今お話しになりました防雪林はどういうふうに将来考えていくか、あるいは流雪溝はどこの地区にどのくらい考えていくか、それから除雪車といたしましても車両あるいは除雪機械というものもどういうものが将来有効であるかということを考えまして、三十六年度にこの委員会が発足いたしましたので、目下鋭意その方面の技術的な開発並びに施設を進めておったわけでございますが、まだ実績が上がらないうちにこの豪雪にぶつかったというのが現状でございます。一般的に申し上げますと、ロータリー、あるいはそういう除雪機械につきましては、従来蒸気機関車を主体にしてロータリー、その他をやっておったのでございますが、将来はディーゼルのエンジンに切りかえるということでその開発を目下進めております。
#40
○委員長(金丸冨夫君) ちょっと江藤委員、そういう基本的な考え方は、これはたくさんあると思うのです。ですから緊急のことを今日は聞くということにいたしまして、できるだけひとつ簡単に。大臣も一時から……。
#41
○江藤智君 問題は、私が聞きたいことは、なるほど踏切事故の問題もあるし、輸送力の増強の問題もあるけれども、ひとつ降雪地帯に対して雪というものをもっと真剣に考えて今後施策をしていただきたい。また、運輸大臣としても、雪のときになってあわてても、これはもうこういう結果になってしまうのです、今のままでは。そこで、そういう方面について、ひとつ今後は十分に国鉄を指導監督するんだ、こういう御決心をしていただきたいと思います。運輸大臣の決心のほどをひとつ聞かしていただきたい。
#42
○国務大臣(綾部健太郎君) 私も江藤さんの勧告を待つまでもなく、こういうなにに対して、強く国鉄にせしむるように指導いたしたいと思います。
#43
○相澤重明君 私は、きょうの緊急質問の中では、当面どうするかということを聞くためにお尋ねしたわけですが、そこでまあ各委員からいろいろ御要望も出ましたが、私は政府が、内閣が一体となって諸般の問題について積極的なひとつ取り組みをすると、こういうことでなくてはいけないということで、その中で運輸省の持つ役割というものは、私はやはり非常に重大だと、こういうことで実は運輸大臣なり当局から説明を求めたわけです。
 そこで、委員長に私がお願いしたいのは、やはり先ほど冒頭に申し上げましたように、各党各派においても、この豪雪対策については非常な大きな関心事とともに、現地派遣まで考えておるわけです。そこで、やはり専門委員会として、運輸常任委員会としては、やはりこのことについては無関心でおってはならぬと思うのです。したがって、委員長、理事の中で相談をされて、適切なやはり措置をとるように、また、場合によれば現地派遣をきめるということぐらいの積極的なやはり取り組み方を委員長にひとつ要望しておきたい。
 それから、運輸大臣は、運輸大臣と同時に国務大臣であるから、内閣の中でやっぱり、先ほど河野さんや岡さんもお話しになったように、積極的な取り組み方というのは、やはり国づくりとか人づくりとかという言葉以外に、現実にそれを実行することにあるわけです。その中心になるのはやっぱりあなただと思う。経済閣僚会議があったところで、運輸省がそういうものを積極的にやらなければ、これは何にもならぬ。そういう面で私はやっぱりあなたの姿勢というものを聞いておったわけである。ですから、今日までの関係者の努力という点には、国会としては衷心から感謝をすると同時に、一日も早くこの地域住民が豪雪禍によるところの罹災から脱却をして、また生活の安定が保てるように、政府は施策に取り組んでもらいたい、このことを強く閣議の中で、あなたが、参議院の運輸委員会でこういう意見があったということをひとつ表明をして取り組んでもらうことを要望しておきますが、そのことに対するあなたの決意のほどを示してもらいたいと思う。
#44
○国務大臣(綾部健太郎君) 御趣旨まことに同感であります。私は力の続く限りそれをやっていきたいと思います。また、現に内閣におきましても、官房でそれをまとめまして、治安については警察本庁、それから厚生施策については厚生省、その他文部省、それぞれみんな集めて、そして官房長官のところで一括して、現に運輸、農林、建設の関係官を現地に派遣するようにし、それからあらゆる情報を集めまして、根本策をどういうようにするかということを官房長官が中心になってやっておるはずであります。閣議でもそういうことが問題になってやっておりますから、さらにそれを相澤さんの御注意によりまして推進するようにいたしたいと思います。
#45
○委員長(金丸冨夫君) ただいま相澤委員のお話の件は、本日の理事会にも議題になった次第でありまして、ただ何分にも状況がどうもわかりませんので、今後の状況も十分にわれわれとしても、委員会としても注意していただき、また、理事会としてもそういう点を十分検討いたしまして、最も有効かつ適切な時期をということを見て、そして皆さん方にもまた現地視察等あらゆる方法をひとつお願いしたいと、かように考えておりますから、御了承願いたいと思います。
 それでは本日はこの程度にいたしまして、次回は二月五日の予定でございます。予算委員会等の関係もございますので予定いたしております。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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