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1962/02/05 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第3号
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1962/02/05 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第3号

#1
第043回国会 運輸委員会 第3号
昭和三十八年二月五日(火曜日)
   午後一時二十二分開会
    ―――――――――――――
委員の異動
一月二十九日
  辞任      補欠選任
   吉武 恵市君  前田佳都男君
   北條 雋八君  浅井  亨君
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     金丸 冨夫君
   理事
           天埜 良吉君
           天坊 裕彦君
           岡  三郎君
   委員
           河野 謙三君
           木暮武太夫君
           平島 敏夫君
           村松 久義君
           相澤 重明君
           小酒井義男君
           浅井  亨君
           中村 正雄君
           加賀山之雄君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 綾部健太郎君
  政府委員
   運輸政務次官  大石 武一君
   運輸省海運局長 辻  章男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       吉田善次郎君
  説明員
   日本国有鉄道常
   務理事     滝山  養君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査(北陸・上
 信越線の雪害状況に関する件)
○船舶職員法の一部を改正する法律案
 (内閣送付、予備審査)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(金丸冨夫君) ただいまから委員会を開会いたします。
 初めに、委員の異動について報告いたします。一月二十九日付をもって委員北条篤八君が辞任され、その補欠として浅井亨君が選任せられました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(金丸冨夫君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 前回に引き続き、北陸線及び上信越線の雪害、その他の雪害に関する件について、その後の状況を報告願います。
#4
○政府委員(大石武一君) 私は、去る一月二十八日の夜から二月の二日の朝にかけまして、北陸四県の豪雪被害を調査してこいという政府の命を受けまして、その調査団の一員として出発して、新潟、富山、石川、福井の四県の豪雪の状態を調査して参りました。その御報告を申し上げたいと思います。
 なお、去る二日には、その調査の内容をまとめまして、総理大臣にその報告書を提出いたしてございます。あとでお手元にお配りいたしましが、早々の間にまとめましたので非常に順序不同でございますが、これをごらんいただければ多少のことが御理解いただけるかと思う次第でございます。
 向こうへ参りまして一番感じましたことは、北陸四県が、新潟その他の港は別といたしまして、大部分がほとんど全部雪の中に埋もれておるという感じでございます。雪の中に埋もれまして、一切の交通は途絶いたしております。汽車、自動車はもちろんのこと、すべての交通が途絶いたしておりますので、これらの四県は完全に麻痺しているという状態のように見て参りました。ことしの雪は――毎年あの地方は雪の多い、いわゆる豪雪地帯でございますが、ことしは二つの特色があるようでございまして、一つは、今までより以上の多量の雪が降ったということ、しかも、その雪が、非常に長期連続的に吹雪があり、湿気の多い重い雪が多量に降ったということが一つでございます。もう一つの特色は、今まであまり雪の降らなかった平野地帯に特に多く降った。いわゆる里雪という形になりまして、ほとんど準備とか訓練ということがなかった地方にたくさん降った。この二つが特色であったようでございます。したがいまして、この豪雪地方におきましては、毎年それぞれ雪に対する準備があり、訓練があるわけでございますが、あまり雪の今まで降らなかった地方におきましては、それほどの心がまえと準備と訓練が薄かったようでございまして、このために、いろいろとこの里雪によりまして、むしろ災害がより増加されたんではなかろうかという感じがいたす次第でございます。ただ、鉄道、自動車、その他の一切の交通がとまりまして麻痺状態になったのでございますが、幸いに電灯――電力というものが確保されておりまして、停電ということはございませんでした。それから、電話の施設も非常にうまくいっておりまして、これは何ら故障はなく、各県におきましては、その電線の及んでいる限りにつきまして、ほとんど通信が途絶しておりませんでした。したがいまして、県におきましても、現実の実態を十分に把握することができ、また県民に対しましても、大きな不安を與えることがなかったようでございます。この点につきましては、非常にしあわせであったと思う次第でございます。
 それからもう一つは、食糧の問題でございますが、これはいずれもあの四県は米の生産県であり、またそれぞれの準備のある地帯でございますから、主食については別に足らぬということはございませんでした。生鮮食料品につきましても、かなり新聞等では窮迫を伝えられているような状態でございましたが、私どもの調査して参りました限りにおきましては、それほどの不足もないようでございます。したがいまして、たとえば魚とか野菜等につきましても、もちろん多少の値上がりはございますけれども、それほど驚くほどの値上がりはなかったようでございます。一例を申し上げますと、金沢市におきましては、県の報告によりまして、物の値上がりの状態も聞きましたけれども、たとえば、警察本部長を通じまして、できるだけ上げないように宣伝をしている、皆に話をしている。大体ネギが一番高くなって二倍近くになっておりますが、これが二倍にもなって暴利をむさぼるようなものは取り締まる、断固ひっくくるというような方針であると言っておりまして、それほど物資の供給にも不足はなかったようでございますことは、民心の安定に非常によかったと考えております。
 災害の一例を申し上げますと、新潟県においては、三条市、白根市というところを見て参りまして、三条市は従来は雪が多くなかった地方だそうでございまして、今回は道路の積雪というものが二階の屋根くらいに達するようでございます。私どもは町を一時間半くらい歩いて見て参りましたが、全部電線をくぐったり、またいだりしなければ歩けなかったのでありますから、この電線の上まで雪が積った。しかし、これは自然に降った雪ばかりでなくて、二階から、屋根から雪をおろしたのも重なった結果でございます。例年ならば、ほかの地方で三回くらいの屋根おろしで済んだそうでございますが、ことしはすでに一月の末までに五回ほど屋根おろしをしているようでございます。ことに、水の多い雪でございますので、ちょっとうっかりしておりますと倒壊のおそれがある。現に、三条市においては、町の一番大きな三階建の料理屋が積雪でつぶされておりましたが、こなごなに家がつぶれている状態でございまして、雪のおそろしさをあらためて認識したわけでございます。それで、これに対しまして一体どうしたらいいかと考えますと、いろいろな問題がございますが、何と申しましても、この雪を取り払う、除雪がただ一つの根本的な対策と思います。この雪を取り払わなければ、全然交通も開かれませんし、一切の経済活動がとまってしまうわけでございます。何としても、この雪を取り払う、まず交通を確保することが最大の問題であると考えた次第でございます。ところが、鉄道なんかにつきましても、全部雪に埋もれているわけでございますので、まずこの鉄道の復活につきましては、応急の措置として、大量の除雪員を投入しまして一日も早く雪を取り払う以外に道はございません。御承知のように、鉄道ではいろいろな除雪用の機械類があるわけでございます。たとえばラッセル車とか、マックレーンとか、ロータリー車のような、除雪用の線路を走る機械もございますし、その他いろいろな機械力があるわけでございますが、現在の日本のような狭軌鉄道では、あるいは市街地を通るような鉄道、そういうところにおきましては、なかなかこれらの機械力の十分な使用ということがむずかしかったようでございます。たとえば、一例を申し上げますと、ロータリー車という雪をはね飛ばす機械がございますが、これが走っておりまして、福井県の今庄という豪雪地帯がございます。この辺をロータリー車が走っておりますと、あまり大量の雪を飛ばし過ぎて、近所にあった民家のガラス窓をこわしまして、ふろに入っていたおやじさんに重傷を負わしたという事例もございまして、なかなか機械力の活動というものは十分でなかったようでございます。したがいまして、どうしても人の力によって雪を除去することが一番の能率の上がる仕事のようでございますが、その人員も十分な確保がなかなかむずかしかったようでございます。初めはもちろん、国鉄関係の職員その他、あるいは協力会を組織して、除雪の場合は協力してもらうという組織があったようでございますが、そういうものの動員をいたしまして除雪に努めたようでございますが、なかなか大量の雪でありますので、十分な効果を上げ得なかった。結局は、自衛隊の出動を待って、自衛隊の活動を待って、その能率を上げたようでございます。聞いて参りますと、やはり自衛隊の動きというものはすばらしいものであって、大体ほかの作業員の四倍か五倍くらいの能率を上げておったと、新潟県、富山県、石川県各県の話でございました。こうやって非常に多数の人力を投入しておりますが、これにつきましては、二月四日の現在におきましては、自衛隊員が五千五百名ほど金沢、新潟の鉄道管理局内において活動いたしております。それで、この結果によりまして、主要幹線は大体交通を十分に開始するまでに至っているようでございます。その状況につきましては、あとでまた申し上げたいと思います。ただ、われわれが考えますには、このような豪雪は今後まだあり得ると考えます。そのたびごとに、このような自衛隊なりあるいはいろいろな除雪人夫なりを動員いたしましても、また何日間かの交通途絶とか、いろいろな問題が起こってきます。こういうものを防ぐためには、いろいろな手段を講じなければなりませんが、一番根本的なことは、機械が十分に使えるような施設をまずしなければならぬと思います。それには、何と申しましても、鉄道を複線化することが一番大事ではなかろうかと考えております。この豪雪は、一月の十日ごろからずっと連続して吹雪が続いて、二十二、三日ごろには汽車がとまったようでございますが、国鉄は、二年前の昭和三十六年の豪雪の被害を十分考慮いたしまして、その対策を練っておったようでございます。昭和三十六年の豪雪には、突然の吹雪によりまして、汽車がみな各地に立ち往生しまして、約一万三千人の旅客が雪の中に閉じ込められたという経験にかんがみまして、今度は、雪が来たならば、計画運休をしまして、できるだけ早く列車をとめて、除雪に全力を注ごうという方針を立てておったようであります。と申しますのは、ちょっと説明にわたりますが、除雪をする場合には、ことに単線区間が多いのでありますから、その線路の上から客車や貨車をとめて除雪しただけが走り得るようにしておかないと、除雪がうまくいかないようでございます。ことにロータリーというような除雪車は一時間の速さがせいぜい五キロ以内でありますから、こういうものが客車と一緒に走ったのでは、とうてい除雪ができないわけでございます。そういうことで、雪が来るという予想があって、雪が来始めたならば、直ちに計画運休をして、お客さんを雪の中に立ち往生させることのないように、除雪をするという計画を立てておったのであります、か、ところが、雪が予想よりも早く来、かつ予想よりも猛烈に多かったということで、この運休は計画どおりいかず、多少の混乱があったようであります。そのためにやはりこのような交通途絶が少し度が進んだんではないかと考えておるわけでございます。ところが、幸いに多数のお客さんを雪の中に立ち往生させないということは十分に守られまして、今回は千三百人程度、これは非常に御迷惑をおかけしましたが、お客さんを雪の中に寝泊りさせただけで済んでおる次第でございます。こういうわけで、この除雪をするにも、何をするにも、鉄道の複線化が一番必要であるということを考えておる次第でございます。
 なお、そのほかにもいろいろな問題がございます。たとえば、この線の鉄道の通信施設を完全に守るために、二年前の豪雪から今日まで、その鉄道通信施設を地下ケーブルに変えましたために、幸いに鉄道全線につきましては通信は守られて参りました。その他ポイントの切りかえの除雪の設備も、ポイント・ヒーターという設備によりましてある程度被害を防いでおるようでございますが、やはりある程度の豪雪にはまだ効果がないようでございます。こういう点につきましてもさらに努力しなければならないし、いろいろ流雪溝――雪を流す溝もございます。こういうものも作っておりますが、さらに研究を要する。その他さらにいろいろな、ロータリー車、ラッセル車を用意するとか、雪捨て用のシャベル・ローダー等を用意するということが必要ではなかろうかと考えておる次第でございます。
 次に、道路の問題でございますが、これも国道その他その主要道はもちろん全部とまってしまいました。これまた、復旧対策として、自衛隊員が大量に出動いたしまして、その道路の掘さくに当たっておるわけでございます。現在では、だいぶ、国道七号線、八号線、あるいは市街地の道路は開通したのでございますが、またさらに市街地、小さい県道以下の小道路もできるだけ早く除雪をしなければならないと考えておるわけでございます。ところが、これらの道路につきましても、やはり除雪はなんといっても機械力が一番必要でございますが、その機械力が必ずしも十分に各県に備わっておらなかったようでございます。同時に、日本の道路にはあまりに大型の機械は使えませんし、舗装していないということも大きな機械力を使用する障害になりまして、こういうことで、必ずしも予期の効果を上げ得なかったようでございすが、そのためには、やはり今後は、各県において十分な除雪その他の機械を装備するということ、それから各近県にもそういうものが一気に動員できるような計画を立てておくことが必要ではなかろうかと思いますが、まず第一の問題は、鉄道の複線化と同じように、道路の幅を広げまして、これを舗装することが第一の問題ではなかろうかと考えております。
 なお、このたび十分にわかったことでございますが、たとえば、道路を切り開いてせいぜい初めは一車線の道を作るわけでございますが、そうなりますと、両方からトラックその他が参りまして、非常に交通の混乱を来たします。このために、おくれなくてもいい交通が非常におくれておりますが、これを規制するには警察力その他が必要
 ではないかと思います。このためには、強力な警察力等によりまして、これを厳重に規制することが必要ではなかろうか。ちょっとくらいの力では、気が立っておりますから、暴力ざたになりますので、やはり強力な対策が必要ではなかろうかと考えておる次第でございます。
 次は、こういうことで、除雪作業が一番大事でございますが、とにかく除雪というものは実にたいへんな電力が要るような感じがいたします。たとえば、この東京はあまり大げさでございますが、三条市というと人口は四万か五万でございますが、そういう面積で雪が六尺なり七雪の高さに降りますと、これを融雪期が来るまでの間に全部雪を捨てなければなりません。そうしませんと、これは雪が解けて参りますと、小さな洪水みたいなものがあっちこっちに起こるわけでございます。ところが、これだけの、町全体何キロ平方か存じませんが、そのような町全体に一メートルないし二メートル、三メートル降った雪を除雪するには、たいへんな努力が要ると思います。これを、各道路を、人力によって雪を掘り砕きまして、それをトラックに積み込みます。トラックに積み込みます。トラックが悪い道を走って行って、捨て場所は結局大きな川以外にございません。大きな川あるいは広いたんぽしかないわけでございます。そこのところに行って、ダンプカーならけっこうですが、トラックですと、人が乗って行って、スコップで全部落とさなければなりません。そして戻って参りまして一台分の除雪になるわけでございますから、このようなことが何千回繰り返されても、簡単に町の雪がなくならないわけでございます。こういうことを見ますと、除雪というのがいかにもむだな労力かわかると思いますが、その費用もたいへんだと思います。したがいまして、これらの費用につきましては、とうてい地方−県あるいは市町村の財政にはまかせるわけには参りませんので、十分に国でめんどうを見てやることが至当ではなかろうかと考えておる次第でございます。
 それから、民心の安定につきましては、先ほどのいろんな環境が割合に整備されておりましたので、必ずしも現住民に大きな不安を与えておりませんが、やはり応急措置としては、災害救助法が発動になっております以上は、その適用範囲をできるだけ実情に応じて拡大する必要があるのではなかろうかと思います。
 ことに、都会地で一番困っておる問題は、現実の問題で困っておりますのは、屎尿の処理の問題でございます。はなはだびろうな話でございますが、どの都市に参りましても、全部便所の肥つぼがあふれまして、どうにもこうにも始末に困っておる実情でございます。これは、屎尿をくみに来る車が走りませんし、また多くの雪が積もっておりますから、ふたをあけるにも困る問題で、これをどう今度扱うか困っておる次第でございます。笑い話のようでございますが、金沢市に参りますと、金沢市の県庁の職員は、朝早くから県庁に出てくるそうでございます。これは、勤勉のこともございますが、家でできるだけ屎尿の用を足さないで、県庁に出てきて、県庁の水洗便所を利用して、幾らかでも家の便所のあふれるのを防ぐというようなことをやっておるそうでございまして、実にこれは悲惨な現実でございます。これも非常にむずかしい問題で、費用のかかる問題だと思いますが、どうしてもこれは根本的に早急にやらなければならぬ問題と考えております。
 それから次に、中小企業の関係でございますが、いろいろな工場その他向こうにたくさんございますけれども、これらのものは交通が確保されて初めてその機能を発揮しているわけでございますが、全部交通がとまりましたから、まず機能も完全にとまったと申しても過言ではないと思います。たとえば、原料があるうちは、その原料でもって製造いたしますが、原料がとまりますと、もうどうにもなりません。また、いろんな製品ができ上がりましても、これを輸送することができません。たちまち滞貨になってしまいます。そればかりではなくて、そこに通勤する労働者が足を奪われまして通勤ができないというようなこともありまして、直接の物的損害はごく僅少でございますけれども、これらの交通麻痺による大きな経済上の損失ははかり知れないものがあると思う次第でございます。これにつましては、現地におきまして、それぞれの金融機関がよく協力いたしまして、急場のつなぎ資金その他に事欠かないようにいたしておるようでございますが、これも限度がございますので、できるだけ早く国のほうで融資その他の経済的な対策を立ててあげることが必要ではなかろうかと考えておる次第でございます。
 その他、ことに農林関係でございますが、農林関係につきましては、ただいまのところ被害はあまりわかりません。一体雪の下における麦とか菜種とかその他が、融雪の状態になってその後どのように変わりていくかも、これまたわかりません。たとえば、山に雪が降ったために多数の苗木が倒れたらしいというような陳情を受けましたが、これまた現実に雪を掘ってみなければわからない状態でございます。いずれにせよ、大きな被害が出るということは想像にかたくないところでございます。ことに、近ごろの新しい農業経営にのっとりまして、果樹あるいは園芸等の農業経営がだんだん進んできておるようでございますが、これらのものの被害は非常にあると思います。たくさんの果樹の枝折れとかその他の被害はたくさん出て参りましょうし、現にビニール・ハウスその他の温室ものも雪でつぶされたものがたくさん出ておりますから、今後調査が進むに従いまして、いろいろなものが出てくると思います。これらのものにつきましては、被害を一日も早く調べまして、十分のそれぞれ対策を講じてあげることが必要ではなかろうかと考えておる次第でございます。
 その他いろいろな問題がございますが、こまかいことはあとでまた申し上げることにいたして、この辺で被害の状態のお話を終わりたいと思います。
 ただ、最後に二つ考えておるのでございますが、一つは、やはり何と申しましても、今後このような雪があるということを考えなければなりませんから、そうする場合に、気象観測の研究をさらに進めまして、一本どのような気候によってこのような変わった雪が降るのか、一体ことしはどのくらい雪があるのかといったような、雪に対する予報を十分に確実な予報が得られるような気象観測の研究を十分に進めることが一番大事ではなかろうかと考えております。これにつきましては、できるだけの予算を組みまして、強力な気象観測の研究を進めて参りたいと考えておる次第でございます。
 もう一つは、これは私見でございますが、激甚地災害の指定という問題でございます。この問題は、今度のこの新潟以下の北陸四県の豪雪被害に対しては、法文的には当てはまらないようでございます。と申しますのは、被害復旧にその重点が置かれてございますから、必ずしも激甚地災害に指定を受けるような災害があるかどうかということはむずかしいと思いますが、ただ、この除雪、そういうものに対する莫大な費用その他のことを考えますと、このような激甚地災害の指定というものの考え方を変えまして、ただ災害の物的な復旧ということにだけ重点を置かないでどうすればこの災害の処置ができるかということに重点を置いて考えたならば、この今回の北陸四県の豪雪被害に対しまして、激甚地災害の指定ができるんではなかろうかと感ずるわけでございまして、こういうことの御検討を賜われば非常にけっこうではなかろうかと考えておる次第でございます。
 以上、簡単でございますが、一応の実態の報告を申し上げたわけでございます。
#5
○相澤重明君 今、政務次官から雪害の状況報告をいただいたのですが、これですと、この報告書にあるように、現在国鉄の運転ができないという区間はごく一部にもうなっておるというふうに理解されるんですが、これでいきますと、まず北のほうからくると、越後下関から小田というんですか、それから弥彦線の吉田から越後長沢、それから魚沼線が全線、それから会津線の会津宮下から会津川口、これだけが現在不通区間であって、あとは報告書にあるように短距離の列車は運転ができる状況になった、こういうことで理解をしてよろしいですか。
#6
○政府委員(大石武一君) きょう運輸大臣が閣議で御報告しました、きのうの夕方までの交通機関の状況についての報告書がございますので、それで一応御報告申し上げまして、あとこまかいところはその係からお話し申し上げたいと思います。
 今回発生いたしました北陸、新潟地方の雪害に関しまして、交通機関の状況とその見通しにつきまして、二月四日の十七時までの現状について御報告申し上げます。
 国鉄関係でございますが、一月十二日以降二月四日まで、延べ四十四万人の除雪作業員を動員しております。そのうち自衛隊員が延べ四万三千人の人員になっておりますが、この人員によりまして、本線の切り広げ作業を主体に除雪に努力して参りました結果、現在、北陸本線、信越本線、上越線は全線開通いたしておりますが、支線六線はまだ不通になっております。先ほど相澤委員の仰せになりましたほかに、たとえば越見線とかその他の支線がございますが、詳しいことはあとで御報告申し上げます。
 二月四日現在、除雪車が九十両、自衛隊員約五千五百人を含む約三万人の除雪作業員を動員し、除雪作業を続けております。
 幹線は一応全線開通いたしましたが、除雪車が多数働いており、また操車場の機能も完全に回復していない状態でありますので、雪害地方面の列車の回復状況は約二〇%にとどまっております。このため、列車の運転状況は、緊急物資の輸送とローカル旅客列車の運転が可能となった程度でございまして、長距離列車の運転はまだ行なっておりません。今後の輸送対策といたしましては、さらに自衛隊の増援を要請いたしておりますが、この応援を得まして、二月八日以後は平常時の六割の輸送力を確保し、さらに二十日を目途に平常運転に戻るべく全力を尽くす所存でございます。この六割の輸送力の運営にあたりましては、災害地の生鮮食料品等緊急物資の輸送は従来どおり優先することはもちろんでございますが、その他工業原材料等の輸送も重点的に行なう方針であります。そのために旅客輸送力の回復が相当おくれることは、やむを得ないことと考えておる次第でございます。
 次に、私鉄の状況でございますが、一月十二日以降二月四日まで延べ九万四千十六人の除雪作業員を動員し、除雪に努めましたが、二月四日現在なお新潟、北陸地方の被災会社九社の営業キロ五百九十八・六キロのうち約七十九・六キロが不通となっております。現在、一万三百十七人を動員して除雪作業を続けており、さきに要請した自衛隊員百八十名はすでに到着いたしましたが、さらにこの増援を要請するほか、国鉄より除雪車を借り入れる等、のその開通に努力をいたしておるようでございます。
 次に、自動車輸送の状況について御説明申し上げます。二月四日現在の新潟、北陸地方のバス運送事業の運行休止キロは、営業キロに対し七八・七%となっております。トラック運送事業は、新潟、福井、金沢、富山各市内と国道七号線、同八号線の一部などが一応運行が可能となり、ローカル線は部分的に運行可能という状態でございます。自動車関係の運行状況は以上のとおりでありますが、これらはいずれも道路の開通に伴って漸次好転して参るものと考えております。
 以上の応急対策のほか、なだれ、融雪洪水対策は目下準備中でありますが、さらに今後気象、鉄道等に対する恒久対策も検討していきたいと考えておる次第でございます。
 以上概略を御報告申し上げます。
#7
○相澤重明君 今の次官の御報告を聞いて、政府としても特段の準備をされておるようですから、たいへんけつこうだと私思います。問題は、これにかんがみて、その準備がすみやかにできて、地元民が安心をすることが何よりも今一重大事なことではないかと、こう思いますので、本日の本会議の災害対策の各会派の一致した意見や、また今の次官の御報告によって、私ども了承したいと思います。ぜひひとつ早急にその対策ができたらば、また御報告いただきたいと思います。
#8
○中村正雄君 国鉄の理事の人見えていますか。
#9
○委員長(金丸冨夫君) 滝山理事が見えております。
#10
○中村正雄君 ちょっと二、三お尋ねしたいのですが、先月の二十五日でしたか、新潟県の県議会か何かで、新潟支社に対して、今度の交通事故について、鉄道は怠慢だ、こういう意味の警告の議決をいたしておりますね。そして、これを総裁あてに抗議書として申し入れすることになっておるということを聞いているのですが、これに対して国鉄はどういうことを考えておられるかということについてちょっとお伺いしたいと思います。
#11
○説明員(滝山養君) お答え申し上げます。今中村先生のお話のようなことがあったという工合には、私も承知しておりますが、初期におきまして、御承知のように、十一日から雪が降り出しまして、二十三日ごろからひどくなったわけでございまするが、新潟の地方といたしましては、何とかやはり旅客を通したいという気持もございまして、その間ラッセルを動かしながら、輸送の確保をはかったわけでございますが、その間に金沢地区は、本社の指令によりまして、遠距離列車は全部打ち切りましたのでございますが、新潟においては、若干見通しの問題があったと思いますが、旅客列車十二本、三千四、五百名のお客様を駅に泊め、非常に御迷惑をかけた、不手際な感を与えたわけでございます。その間の処置につきまして、若干、外からごらんになると、非常に手ぬるいのじゃないかということから、支社長に対してそういう話があったということでございますけれども、その後いろいろと現地の努力あるいは中央の手配が奏功いたしまして、お客さんの救出もその後順調に進んでおりますので、現在においてはそういったような感じは毛頭ないと思います。たまたまそういうときに、若干の誤解がありまして、そういうことになったと思います。現在は氷解しておることと思います。
#12
○中村正雄君 一地方民の抗議とか何とかであれば別ですが、地方議会が正式に本会議でこういう決議をするということに対して、国鉄として、私はどういうわけで県議会がおやりになったのか存じませんが、そういう県議会が指摘するような事故があったのかどうかも存じませんが、一般的に私考えまして、国鉄としてもおそらく最善の努力をやっておるのだろうが、ただ、今度の場合は、そういった努力にもかかわらず、やはり天災的なものが中心になっているわけで、不可抗力的な面が相当あると思います。にもかかわらず、こういう公式な見解が発表になるとするならば、国鉄としてもこれに対して何らかの態度を表明すべきじゃないか。おそらく、総裁に対してそういう書面が来れば、それに対して何らかの見解を発表になると思いますけれども、県議会が支社長に対してこういう警告を発したとすれば、やっぱり出先であります支社としても、県の議会のこういう決議は間違っておる、国鉄はこうやっておると県民の人に言うことが、国鉄に対しまする信頼を保持する道だと思うのです。県議会からこういう決議をされて、それが事実であって、何とも申しわけない、国鉄としてもやはりやむを得ないのだ、おそれ入ったというのであれば別ですけれども、国鉄が最善を尽くし、やっぱり努力している、国鉄側の問題でなくて、誤解であるとか、あるいは国鉄としても天災的でどうにもできない状態の問題であったということがはっきりしておるならば、こういう地方議会の態度に対して、現地の支社としても、やっぱり毅然たる態度でこれに対する態度を表明すべきだと思う。政務次官が幸い御出席でありますので、こういう点について御見解を承りたいと思います。
#13
○政府委員(大石武一君) ただいまのお話でございますが、私は二十九日の午後二時に新潟に着きまして、そうして県庁その他各代表者に集まっていただきまして、実態を調査いたしました。それから三十日は、特別列車を仕立てて、機関車に乗りまして三条市まで参りましたが、その先はまた不通となりましたので、戻りまして、新潟にしばらくいて、さらに今度は別な汽車によりまして、越後線と申しますが、新しい小さな鉄道を通りまして富山に向かったのでありますが、その間いろいろ、国鉄の支社、県庁の方、議員の方、あるいは出先機関の方々にお目にかかりましたが、ただいまのようなお話は耳にいたしませんでした。それで、その点は私はわかりませんが、なるほど国鉄にも不手ぎわがあったかと思います。と申しますのは、先ほどちょっと申し上げましたが、計画運休を立てておりましたが、その計画運休が必ずしも計画どおりにいかないで、千何百人も汽車の中に立ち往生することができたとか、あるいは除雪が少しおくれたということはございますが、こういったものは、見通しも多少悪かった点もございますが、急激な天災であるということは、ある程度認めていただけるのではなかろうかと思いますが、ただ、私は乗っておりますと――ほとんど機関車に乗りましてずっと実地を見て歩いたのでありますが、実は汽車に乗って歩きまして、国鉄の運転機関は全くたいへんなものだということをある程度認識いたしました。私自身も、今度の旅行に行くまでは、なぜ汽車が動かないのか、なぜ汽車がおくれるのか、だらしがないのだろうということを言っておりましたが、乗ってみますと、とうていそういうことは言えない。たとえば、レールが何ともなく、雪も何ともなくても、ポイントの一点がちょっと支障があると汽車が動かなくなるということで、どっかにしろうとにはわからないところがたくさんあるわけでございます。そういうところが民衆に理解されない限りは、ある程度民衆に非難をされることもあると思う次第でございます。ことに、汽車が不通でございますから、民衆は多少気が立っております。民衆の不安も多少でございます。そういうことで、そのような決議が何かの動機でなされたのではないかと思いますが、おそらく県議会の方々も理解がついたのではなかろうか。したがって、そういう決議は、まあまあということでそれきりになって、国鉄総裁にも決議書はきてないということでございますから、まあまあということで理解されまして、私どもが参りましたときは何らの御意見がなかったのではなかろうかと思います。御意見のこと、ごもっともでございますので、御意見に対して反駁するつもりはございませんけれども、そういう事態で、国鉄は一生懸命やっておりますから、あしからず御了承下さいという声明は、出してもけっこうではなかろうかと考えております。
#14
○中村正雄君 私申し上げているのは、一般の乗客、利用者、これはどのような理由があろうと自分のやっぱり利害だけを考えるのは当然ですから、これは非難はあると思います。しかし、今までたびたび天災その他の災害はありましたけれども、地方議会が公式な本会議で国鉄の怠慢を決議することは初めてだと思うのです。したがって、それがいわゆるしろうとの考えだとか、感情の問題だとか、こういうことでは私は処理すべき問題ではないと思います。もし指摘された怠慢が国鉄にあれば、率直にあやまるべきだ、それが間違った指摘であれば、国鉄はこうだということを正式に出すべきだ、これが国鉄の信用を維持するたった一つの道だと私は信じております。もう一度現地の実情を見て考えていただきたい。
 第二に要望いたしたいのは、現在三十八年度の予算が国会に提案されまして、私も一応内容を見ておりますが、このような降雪の災害についての根本的な対策ですね、それに対しまする経費は現年度に見て何ら計上されておらない。一般の経費としてはこれは出ておりますが−一般予算は出ておりますので、これを修正することはないと思いますが、この点につきましては、予算が通ったあとでも、おそらく補正もありましょうし、予備費もありましょうし、また改良費その他の範囲内でできる点もあると思いますので、恒久的な対策を早急に立てて、やはり天災地変だということでその場限りにしないだけの措置をお考え願いたい。これも要望でございます。
 それからもう一つ、私は、東海道の新幹線とか、あるいは表地方の改良合理化、これは非常に進められておりますが、こういう地区に対してやはり非常におくれている面があると思うのです。特に私各地を歩きまして気づきました点は、これはまあ降雪地区だけではないのでありますけれども、合理化の関係で閑散地区について管理者その他の機関を設けていらっしゃいますが、これは一定の予算を管理者に与えて、できるだけ欠損を少なくする、赤字を少なくする、こういう措置をとられておると思うのですが、雪国においてばこういう個所が特に多いと思うのです。そういうところになりますと、やはりこういう降雪の場合等に、事前にこういうことをしたらということをそれぞれの現場長は考えておっても、やっぱり管理者−責任者にすれば、一文でも予算をオーバーしないようにと、今手を打っておけば非常に災害が少なくてすむというようなときに、それを予算のワク内でやろうとするから、かえって大きな被害をこうむるという事態が人情として起きてくると思うのです。今度の北陸の雪害について、こういう地区も私は相当にあるのではないかと思うのです。二、三私も耳にしております。まあこういう点について、ここでどうこうとは申しませんが、理事のほうで十分お考えになって、こういう特殊な地域について、特殊な災害については、やはり予算のワクを守るだけが大切じゃなくて、災害を未然に防ぎ少なくするということが大きな目的なんですから、そういう点について十分御考慮願いたいということをお願いしておきます。
 最後に、運輸大臣にひとつ御検討願いたいと思うわけなんですが、雪国ですと、非常にこのように雪が降ると道路がだめになる。したがって、バスとかトラックとか一般のものは全部とまってしまって、いわゆる国鉄に全部かぶってきますね。言いかえれば、降雪時期でない場合は、国鉄の輸送というものは、やっぱりバス、トラックその他の一般の道路上の輸送で相当按分されておるけれども、ひとたび雪が降ると、全部道路がとまって、国鉄に一ぺんにくる。こういうふうに、時期的に見て、年間を通じて、こういう降雪時期に限って輸送力が繁忙することは、これは荷物についても、貨物についても、言い得られると思います。そういう地区について、いわゆる民間のバス、トラックの免許と国鉄の運営というものは、今後根本的に考えないといけないと思います。自動車行政全般についてでありますが、これは運輸大臣もぜひこの点については、こういう降雪地区については考えてもらいたいということを要望を申し上げておきます。
#15
○小酒井義男君 国鉄のほうにお尋ねするのでありますが、今度のような場合に、自衛隊が出ていく輸送の費用、あれはどういう扱いになるのですか。
#16
○説明員(滝山養君) 自衛隊につきましては、普通の場合には、これは御承知のように地方の知事の要請によるのでありますが、初期においては、小規模の場合には自衛隊の演習費のようなもので支弁されておりますが、しかし、今度のような大規模になりますと、自衛隊さんも予算が非常に問題になってくると思います。今回、そういう問題がございますので、運賃については、後払いということを通達いたしまして、事後に処理する、自衛隊さんに迷惑のかからないような配慮を今回はとっているのであります。これをどうするかということは、今後事務的に大蔵省と防衛庁と国鉄の間で御相談することになると思います。
#17
○小酒井義男君 自衛隊側に予備費があって、それでやれれば、問題ないと思いますが、そういうことが現地に出ておって指揮したり活動している隊員などに何か悪いような影響を与えるということがあれば、やはり政府としては考える必要があるのじゃないかと思いますが、そういう点をひとつお尋ねしておきます。
#18
○政府委員(大石武一君) 大臣にかわりましてお答え申し上げます。
 現地に参りまして、自衛隊の活動によりまして復旧作業が非常に進んでいることは確かでありまして、非常に感謝いたしております。ただ、これらの問題については、いろいろな問題も多少あるようでございます。と申しますのは、たとえば除雪人夫を集めるにいたしましても、各県によって集まり方が違います。たとえば、国鉄では、男の人夫賃が五百八十円、女は四百八十円ときめておりまして、その前にすでに平常、協力会というようなものを組織いたして、多少のめんどうは見ておりまして、その組織を利用してそのような費用でやっているようでございますが、普通の除雪の人夫賃は、千五百円、二千円、二千五百円とはね上がっておりまして、その費用だけでよく出て参る県もありますが、中には三百人出しますといって三十人しか来ない県もあるようでございます。これはなかなか集めにくい状態でございます。しかし、いずれにしても、ある程度の人夫賃は払っているようであります。しかし、ある県では二千五百円出して、酒を飲ませるとか何とかやっているようでございます。国鉄でも、五百八十円、四百八十円に弁当を与えるとか何とかによってできるだけの協力をしてもらっております。しかし、自衛隊には何にも出しておりません。彼らが初め泊まっておりましたのは、汽車の客車を利用いたしまして、板を敷きまして、そこに寝泊まりするとか、あるいは三等寝台、そこに泊まっておりまして、夜は冷えるから、蒸気機関車の暖房を通しながら、そうして泊まってもらうようにというようなことが多かったようでございますが、これに対しての金銭的な報酬は一銭も払っていないし、払うことができないのであります。ところが、自衛隊は急に来たので、小づかいもなくてたばこも買えないというようなこともございますので、十分国鉄のほうでも留意いたしまして、たばこを配給するとか、お菓子を配給する、あるいは民間の人がもちをついて食べさせるということで、いろいろ待遇いたしておりますが、そういう点では今のところあまりいざこざはございませんが、しかし、こういうことは年中日本の各地にあるわけでありまして、この自衛隊員の慰労については、何か考える必要があるのじゃないかと思います。このことを考える場合に、現地でそのつどいろいろ考えるということよりも、防衛庁全体として、そういう事態にはどのようなことをするかという大きな一本の面で、やはり中央において考えて対策を立てることが、ある程度士気を維持するのには人情でございますから、必要ではなかろうかということを考えて参った次第でございます。
#19
○小酒井義男君 それからもう一つ、今度の風雪に私は関係があると思うのですが、日本海のほうの海上で事故が起こっておるようでございますね。何か灯台の灯が消えてなかなかつかないのだというようなところはないのですか。
#20
○政府委員(大石武一君) 今、海運局長にはまだそういうことは連絡ないそうでございます。
#21
○小酒井義男君 何か大洋漁業かなんかの漁船が、進路がわからなくて事故を起こして、それに救援が出たが、乗組員は七名とかなくなったというような、私はテレビをちょっと見ていまして、そういうところがあったものですから……。そのときの話では、なかなかすぐには復旧しないのだから注意をして海上を運航してもらいたいのだというようなことをちょっと説明をしておるようでしたから、そういうようなことが今度の雪と関連をして起こったのではないかということを、運輸省でおわかりになっておったらと思ってお尋ねしたのです。
#22
○政府委員(大石武一君) 実は、はなはだ準備不十分でございまして、海上保安庁の職員が来ておりませんので、そういうことをもう少し詳しく調べまして、あとで御報告申し上げます。
#23
○浅井亨君 このたび一番災害の多かった新潟県へ視察に参りまして、いろいろなことから二、三の点について御質問申し上げたいと思います。
 今、同僚の中村先生からもお話がありましたが、何か今聞いたのですが、新潟の県議会で、国鉄がぼやぼやしていたというような決議でございますが、これは県のほうでちょっとお間違いがあったのじゃないかと、こういうふうに思うわけですが、実は、行きましたところが、塚田知事がちょうど私らと同じように新潟の飛行場におりまして、長岡のほうへ飛んで参りまして、私もあとから追っかけまして長岡のほうへ行ったのですが、そこに一緒になって、自衛隊の第十二師団長の方と、あすこの市長と、それから駅の方と、四者一体になっていろいろと説明を拝聴して参りました。そのときに、とにかくこういう非常時のときでありますけれども、自衛隊も、消防団も、また国鉄のほうも、一本になってのほんとうの対策を講じていない、ただばらばらにやっている姿がはっきりとわかりまして、知事も驚いて、これではたいへんだというわけで、さっそくヘリコプターで新潟のほうへ帰った事実を私は見ております。こういうようなことがありましたが、これはなお、国鉄といたしましても、よく御調査の上に、これに対しては明らかな線をお出しになったほうがいいんじゃないかと、今お聞きしましてそういうふうに感じたわけでございます。こういうわけでございまして、こういう緊急時の防災対策ということになりますと、なかなかそう一朝一夕にいきませんので、特に一番問題になるのは、国道の問題と、国鉄の問題、すなわち輸送関係に一日も早く明かるい見通しをつけていくというのが一番最初の問題じゃないかと思います。そこにおきまして、こういう災害時には、特に国鉄といたしましても、また県といたしましても、また自衛隊の要請にいたしましても、そういう面でひとつはっきりしたこういう場合の組織体制というものは作られてやるのでしょうかどうでしょうかと、こういうことについて私は非常に疑問を持ったわけですが、こういうような場合はどういうふうになっておるのでしょうか、これをひとつお尋ねしておきたいと思います。
#24
○政府委員(大石武一君) お答えいたします。お話のように、たとえば消防団とか、あるいは国鉄の除雪員であるとか、あるいは自衛隊の除雪関係ということにつきましては、必ずしもおっしゃるとおり全面的な同一の指揮系統のもとに除雪が行なわれておるかどうかということについては、私は疑問があると思います。しかし、これは早急の場合でもありますので、しかも作業能力とか指揮系統がそれぞれみな違いますので、ある程度のばらばらはやむを得ないと思いますが、できるならば、やはり私は、県に災害対策本部ができておりますから、県知事なら県知事が中心となりまして、その指揮系統の中心となって一貫した作業が行なわれることが望ましいんじゃなかろうかと考えます。ただ、このことにつきまして、私一つだけ例を申し上げますと、福井県の今庄を通ったんでございますが、作業員が各地に――自衛隊の除雪員、あるいは国鉄の除雪員と、いろいろ各地で働いておりますが、今庄へ参りましたときは、「今庄では自衛隊の除雪員は一切使用いたしておりません」と言うのです。今庄というのは、非常に有名な豪雪地帯で、なだれ地帯でございます。「なぜ一番そういう重大な、なだれの危険のあるところに使わないのか」と言ったら、「これは非常になだれの危険がありますから、専門のなれた者でないと危険を伴います、したがいまして、いくら能率がよくても、自衛隊では危険になれておりませんので、万が一が起こっては申しわけありませんから、一切これは、自衛隊員でなく、国鉄の訓練をした職員だけで当たっております」――というようなことでございまして、全然ばらばらとは考えられませんが、やはりいろいろな面において御意見のようなことは十分注意しなければならぬと思います。
#25
○浅井亨君 そこで、国鉄といたしましては、万全の策を講じられて、現地にいろいろと派遣され、調査研究もされ、早急に対策の方途を立てるべくいろいろとおやりになったと思いますが、私が参りましたときに、お名前はちょっとお忘れいたしましたが、ある副技師長さんが、ちょうど二十七日の日に視察においでになったそうですが、そのときは、いかなる職で、いかなる目的で、またその調査研究の結果いかなるお答えを持ってお帰りになったか、これについてひとつお話し願いたいと思うんですが……。
#26
○説明員(滝山養君) 今の御質問につきまして、若干沿革的に申し上げたほうがいいと思いますが、先ほど申し上げましたように、雪が降り出しましたのでございますが、普通雪というものは、従来四、五日、せいぜい一週間降雪が続きますと晴れ上がるのが慣例でございます。そういう意味におきまして、十一日からはラッセル車を運転しながら、輸送を八割、新潟地区は九割ぐらい確保して、二十二日に至ったのでありますが、その間やはり輸送したいという気持もございました――こんなに長期に雪が降るということは考えなかったものですから。先ほど申し上げましたように、二十三日ごろからまた再び雪が降り出しまして、最悪の状態になったわけでございます。そのときに、中央といたしましては、全国的にこれを救援する態勢をとりまして、中央における自衛隊の要請もございましたし、それから全管内から線路工手の導入をお願いする、あるいは強力なロータリーをほかの管内から新潟地区に集めたわけでございます。新潟には四台しかございませんが、さらに今回四台、北海道を含めまして派遣するというような措置をとる。本社におきましても、対策本部を作りまして、遠距離列車の運行を停止するというような手配をしたわけでございますが、そのときに、二十三日以降の事態を考えまして、本社から慰問、激励の意味をもって幹部級を送れということで、新潟には来という副技師長を派遣したわけでございます。それから、金沢に送るつもりだったんでございますが、ちょうどその降雪が長期にわたった場合に、ただ応援に行くだけではいけないんじゃないかということから、すぐ連絡をとってその情勢を判断いたしましたので、さらに、今から申しますと先週の月曜日でございますが、本社から根来という副技師長を金沢に、それから渡辺という踏切保安部長、両方とも降雪のほうのエキスパートでございますが、それに相当のエキスパートをつけまして、現地に駐在させまして、そうして支社長初め、現場の平素の運営をやっております者は、非常に連日徹夜で疲労こんぱいしておりますので、それに対する強力なるいわゆるアドヴァイザーと申しますか、スタッフになって、あわせましてまた中央とのいろいろな連絡、ことに最近全国的な見通しの上に立ってどういうような措置をするかということも必要でございましたし、また今度対策本部も中央に設けられまして、いろいろ中央の政府の施策との関連もありますものですから、そういう意味の強力な連絡なり出先の機関というものを設けまして置いたわけでございます。来副技師長は、そういう慰問の意味と、そういう現地の視察の目的を果たして帰って参りまして、初めて総裁に対して現地のつぶさな実情を報告いたしたわけでございます。そういうふうな点につきまして、来副技師長の派遣というものは、非常にわれわれとしては意味のある派遣だと思っております。
#27
○浅井亨君 今のお話を聞きますと、慰問が主体であったように考えられますが、私は、技師長といいますと、やはり技術的にいろいろな事故に対する現場を調査し、それに対するいかなる対策を立てていこうか、こういうことに主眼を置いておいでになったのじゃないか、こういうふうに私は考えたのでございますけれども、これはちょっと間違っているわけなんですね。お名前がそうですから、そういう技術的な問題だ、こういうふうに私は考えたわけなんです。そういうふうに、まあただ慰問であるのならば、何か七、八人おいでになったそうですが、そういうことはなかったのですか。
#28
○説明員(滝山養君) 先ほど慰問ということを強く申し上げましたが、その慰問、激励を兼ねまして、やはり事実の把握のためということでスタッフをつけてやったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、相当長期にわたって応援しなければならないということが来君の連絡でもわかりましたので、さらに強力なる陣容を送りまして、来君は帰ってもらいまして、そうして実情の報告を受けたということでございますので、詳しい意味のいろいろな反省資料というものは、相当今後にわたりまして、現地がおさまりましたら、これは検討するつもりでありますが、とりあえずの措置といたしましては、来副技師長の報告というものをもとに検討するわけであります。
#29
○浅井亨君 私は、今慰問が主体にあるように聞いたのですが、こういう場合、災害の場合でございますから、一日も早く国鉄が完全に輸送ができるように、また続いて起こるべき豪雪、それに対する対策、そういうものを主眼にしたいわゆる派遣でなければならない、こういうふうに私は考えたわけなんです。そこで、その方が視察されたのは、何か朝お行きになって、新津まで行って新潟にお帰りになった、こう私は聞いたわけなんです。新潟から新津までですと、これは列車が動いているわけなんです。ここには雪害がないわけなんです。もう一つ慰問という気持もおありかどうか知りませんが、そういうものであるならば、われわれでさえも長岡、宮内のほうへ参りました。国鉄からそういうような任務を帯びて行かれる方であるならば、こういう方面へ足をお伸ばしになって、そうして慰問を兼ねて、現場の調査、なお運送状態、また事後の問題、そういうことについて早急に方策を立てていくというのが国鉄から派遣された方々の任務じゃないか、こういうところがありますので、先ほどからの、県の議会においてぐずぐずしているのじゃないか、こういうふうにおっしゃっているのじゃないかと今感ずるわけですが、こういう点をひとつよくよくお考え願いたいと思うのです。
 なおかつ、乗客に対しましても、すべての人々に対しまして、ほんとうに駅の駅長さんでございますか、この駅長さんというものが非常にかわいそうな状態にあるのを私は見受けて参りました。すなわち、構内の責任は駅長にある、ところが、何ら命令権もなければ、どうすることもできないのだ、こういうことについて非常に悩んでいるのですがと、これが切実な駅長の訴えでございました。こういう災害時には、一日も早く平常の状態に返すと同時に、まず、職員も、自衛隊も、また消防団員も、すべて喜んで働けるような一本化した施策を拡充していくのがほんとうじゃないか、こういうふうに私は考えるのですが、現在の状態ではそういうことはできなかったのでしょうか、ああいう災害時に。
#30
○説明員(滝山養君) 国鉄の組織は、御承知のように、いろいろ専門化しておりまして、駅というものは、営業面の客の扱いと、駅の構内におきます列車の操作をやっております。それから、御承知のように、機関車というものについては、保安並びにその乗務員というものは機関区でやっております。それから線路の除雪その他線路については保線区といった工合に、各系統に分かれております。それを総括して、新潟の場合で申し上げますと、特殊でございますが、支社が現場を管理しているわけでございます。その間に、通信を通じまして平素指揮しているわけでございますが、今御指摘のような混乱が起きました際には、現地におります駐在運輸長あるいは施設監査員というものが代務し、それから新潟の場合にも、電気部長が支社長の代務で現地に行ったわけでございますが、若干その途中の列車の混乱のために、先ほどの来副技師長もそうでございますが、後ほど長岡まで行っております。一時途中まで行って引っ返したということもございまして、その後現地の強化が少しおくれた事情もあったのでございますが、その際に、駐在運輸長というものが現地におりまして、代務をすることになっておりますので、何しろいろいろな混乱がございますし、情勢の把握というものが非常に、非常時でございますので、いろいろ不行き届きの点があったんじゃないかということは十分に察せられるわけでございますが、現場としては全力をあげているのでございますが、力が及ばなかったのではないか、こう考えている次第でございます。
#31
○浅井亨君 今日まで雪というものは、日本の北のほうは降るにきまっておるんですが、鉄道建設以来、雪害のあることは御存じだろうと思います。そこで、だんだん機械力も、技術的にも進展しているのもまたあたりまえでございますが、脱線ということについての原因ははっきりつかめておられるのでしょうか、どうですか。
#32
○説明員(滝山養君) 今回信越線におきまして脱線が除雪のさなかにたくさんございまして、まことに遺憾でございますが、脱線の起きました原因の大部分はポイントの部分でございます。御承知のように、ポイントというものは、線路の切りかえをしますためにある部分が動くわけでございますが、この部分に雪がはさまりますと、不密着が起きるということで、主要なポイントには、電気除雪機というものを使いまして、雪を溶かす装置を持っているわけでございますが、何分にも今回の雪はあまり量が多うございまして、両側の雪を十分に排除しないままに列車を運転さしているというようなことになっているわけでございます。ちょっと専門になって恐縮でございますが、従来は、列車を運転いたします際には、ラッセル車をもって雪を排除いたしまして、排除するためには両側の雪をとらなければならぬわけでございますが、平常の状態でございますと、四、五日雪が降ったあとは必ず雪がやみますので、その場合に人力で雪を排除するわけでございますが、今回はそのいとまもなく、連日雪が降りまして、両側に三メートルから四メートルという壁ができてしまったわけでございます。壁ができてしまったわけでございますが、その間に抑留されました旅客列車を早く救出したい、あるいは、どんどん雪が降って参りますので、その雪を排除するためにロータリー、ラッセルを動かそうというようなことをやったわけでございますが、その間に、ポイント付近の雪が十分排除されておらなかった、あるいはことしは特に寒気がひどうございましたので、場所によっては解けた雪が凍るというようなことになっておりまして、そのために機関車が乗り上げたというような事態、あるいは運転するときに無理をして雪を抱き込んで参りますので、それがまたポイントの部分に雪を投げ出すというようなことになったように聞いておりますので、結果的に申し上げますと、雪の排除が不十分なままに無理してラッセルを出そうあるいは運転をしようとあせった結果起きた事故でございまして、この点はなはだ申しわけなかったようでございますが、原因はそういうところにあるわけでございます。
#33
○浅井亨君 今、列車を出すことに主点を置いてというような、こういうような一番最後の結びでございましたけれども、旅客を送る場合には、よく「急がば回れ」という言葉もありますが、また、脱線なんかを起こして何時間もそこで時間を費やしていくということは、旅客に対する不安感というものを何時間も持たせなければならない、そういう点からして、あまりにも旅客に対しての誠意がないじゃないかというふうに私は思うのですが、今お聞きしますと、脱線する原因は三つある、ということは私も勉強して参りました。まず、ポイントの問題でございますが、私は駅長に、今出んとしてすぐ脱線するのはどういうわけか。これは保線のほうでなければわからない。保線に行けば、保線のほうで、まだそういう専門的な個所さえも知らないというのが多い。私は、ただ一本のレールの上にどれだけのポイントがあり、どれだけの踏切があり、その数をあなたはどれだけ御承知ですかと言って聞いたら、知りませんというのです。原因がポイントであり、踏切であるというのであるならば、その個所ぐらいは把握した人でなければならない。人事の配置という問題について、はっきりした線を立てていないのではないか、こういう点を非常に私は考えました。駅長にも申し上げましたが、それは私は命令権もなければ何にもありません、ただ責任だけを負うわけです、こういうような話で、ほんとうにたいへんなことと思いますが、根本は旅客の輸送であり、正常化を目ざしての問題でなければならないとするならば、お互いに分権制度のような考え方はやめて、旅客本位または輸送本位の考え方でそういう個所をりっぱに把握して、今後の施策を立てるべきではないか、こういうふうに私は痛切に感じました。その点を各駅長なり、また保線区なりがはっきり把握をして、お互いに緊密な連絡をとってそれを施行していくべきものではないか、こういうように私は感じたわけでございますが、こういう点を特に御注意をしていただきたい。なお、続いてまだ雪も降っておることでございますし、これからは雪解けもあります。また解けた雪は水分を含みますと、それが冷えた場合には特に固くなって参ります。ちょうど鉄のごとき固さを帯びて、そうしてあの間にはさまったところから脱線していく、こういうようなことになるんじゃないか。
 次いで申し上げたいのは、列車の発車でございますが、その発車まぎわに、駅長に、この汽車はどこまで行くんですかと聞いたら、新潟までだと、こういうのです。それでは、発車させるについてのそこまでの見通しはおつきになっているのですかと聞きましたら、見通しは立っております。どういう見通しですか、その基本を教えていただきたい。なぜかならば、駅にいる間は、とにかく大きな町のあるところでございますので、また市民の方々はいろいろ食糧の問題、また病気になっても医者に行くこともできますが、いろいろな面で援護もできるわけですが、途中で事故を起こしますと、そう簡単には参りませんために、はっきりした見通しができてから汽車というものは出すものではないか、人間は生きものでございますから、そう簡単には参りません、見通しを話して下さいと言ったら、その見通しはついておりますと、ただ一語に尽きるわけです。そこで私は、実は新潟の各駅に対しまして、私のほうから全部情報をとったのでございますが、その情報の中で、三条が一番今悪い条件の状態にありますと、こういう報告があったわけなんです。そこで、こういう報告を受けているのですか、あなたのほうじゃそれは御存じないですか、それにもかかわらず列車を今出すということは、これは駅から一分間でも早く、一秒でも早く列車を追い出せばよいというような考え方を起す人があったならばどうするか、そう思われてもしょうがないではないか、こういうようなことを申し上げましたところが、私は今から連絡をとります、と言って盛んにあちらこちらと電話をかけて、いよいよ見通しがつきました、という連絡がありましたが、こういうような点も、いわゆる駅長自身にもうちょっとああいう災害の緊急なときには権限を与えてしかるべきだ、今それができないならば、もっと力のある人が中心になって、ああいうときの方法を講ずべきだと、こういうように私は考えるのですが、こういうことについて、どういうようにお考えになっているでしょうか、伺います。
#34
○政府委員(大石武一君) 私の参りましたときも、ちょっと聞いて参りましたのを御紹介申し上げたいと思いますけれども、大体駅長というのは汽車を早く出したいのだそうでございます。お客さんに騒がれますし、早く輸送すればお役に立つわけでございますから、なるべく汽車を早く出したい意見が強うございます。しかし、全体の運転系統から考えて、中央におきましてどうしても押えるほうが多い。指令するほうにおいて、どことどこと不通か、どことどこが通るか、それをきめるわけでありますから、幾ら駅長の要請があってもだめだ、また、出すときは出すように命令しておりまして、一般に駅長の意見は強いけれども、なかなか中央でこれを押えて、そうして適当な運転をしておるのだというようなことを聞いて参りました。すべては全部の信号の系統によって列車は動いておるわけでございます。私も列車の機関車に乗りまして、ずいぶんといろいろのことを勉強して参りましたけれども、駅長だけにいろいろな権限を与え過ぎることは重過ぎるのではないか。お客さまの始末の問題から駅の営業のこと、そういうことで手が一ぱいなんで、全部の鉄道は初めから終わりまで運転系統が総合されて初めていけるわけでございますから、まあお互いの職分の分担は、今まで長い間の経験で国鉄でできているのではなかろうかと思われるわけでございます。したがいまして、駅長が不用意に汽車を発車させることは決してないと思いますし、また駅長だけが独断でやられるということもないと思いますから、その点は信頼していいと思いますが、ただし、御承知のように、今後検討すべきものは検討して、もっといい方法があれば考える必要があると考えております。
#35
○説明員(滝山養君) 今、政務次官のお話のとおりでございますが、少し補足さしていただきますと、お説のように、駅長はお客さまから苦情が出ますから、なるべく出したいという人情はございますけれども、現在国鉄では、災害時には、途中でとめますと非常にお客さまに御迷惑をかけますし、それに対する救援の手も届きませんので、原則として、災害時は駅にとめるという強い指導をしておりますので、今回も幸い中間では列車がとまらないで駅にとまったわけでございます。ただ、列車を出す見通しでございますが、御指摘の旅客列車は、長い間雪の中でとまっておったわけでございますから、あの当時の状態では、駅だけでは判断がつかない。先ほど申しました両側の雪が壁のようになりまして、線路自身も埋没しておりましたので、ロータリー車、あるいは「キマロキ」と言っておりますが、強力なマックレーと機関車を組み合わせまして、除雪を機械力でもって、辛うじて列車を出すというような態勢でございましたが、局といたしまして、そういう段取りをつけて、ロータリーで雪を排除しながら、抑留されておった列車を新潟まで送ったわけでございますが、あの状態では駅長だけの判断では無理だということであったと思います。
#36
○浅井亨君 今の話を聞きますと、何かこうぼやかされてしまうのですが、もっといわゆる脱線個所でもはっきりつかまえなければいけませんし、また、保線区長さんと駅長さんとがもっとタイアップしなければならない。また、自衛隊の出動要請をしましても、それがほんとうにタイアップしていない、そういうことを全部考えてみますと、総括しますと、こういう災害対策本部というものがはっきりしていないのではないかということが、私の今度の主たる問題でございます。こういう点に対して、また運輸大臣のほうで、国策といたしましてこういう点をひとつよく御考慮を願いたい、このように考えるわけでございますが、その点ひとつよく御推進願いたいと思います。
 次いで、この脱線事故また除雪にいたしましても、人的な除雪と、そうして機械力――機械力だけに甘んじているわけにもいかない問題が山積いたしております。機械力は今おっしゃったような「キマロキ」、これも私見て参りまして、まことにいいようなことでございますが、これもやっと一台ありましただけで、何ら用をなしていないというように私は見て参りましたが、先ほどの話がありましたとおり、主要幹線に重点を置いた国鉄の施策じゃなくて、もっとああいう線にも、機械力並びにすべての問題に対しまして、やはり一応の考慮を払っていいのじゃないか、賃金も同じでございますし、何ら変わったところはないと思います。こういう点にもっと幹線重点主義をもう一度ああいうような方面へ分散してお考え願いたい、そうして機械力をもっと増していただきたい、こういうふうに私は考えるわけですが、今後の見通しを現在のああいう災害からどういうふうにお考えになって、また、こういうふうにこれくらいのことはしよう、そういうようなお考えもあるやと思いますが、もし、おありになりましたならばお聞かせ願いたいと思います。
#37
○政府委員(大石武一君) まあ、もう少し技術的な、具体的なことにつきましては、国鉄当局で十分に検討いたしまして御返事を申し上げると思いますが、私ども、まあ半しろうとのものが参りましたものの考えを申し上げますと、おっしゃることはごもっともと思います。当然そのような方向に進まなければならぬと思いますが、やはりそれにはいろいろの段階があると思います。一番先に、おっしゃるように、いろいろな機械力をやはりこれは用意しなければならないと思います。ラッセル車にしても、あるいはロータリー車にしても、マックレーにしても、ある程度日本の鉄道に合うような、たとえばもう少し小柄な、ある程度両側にいろいろな付属物がありましても、これに障害を来たさないで使い得るような、やはりもう少し小型な、強力なものが要りはしないだろうかというような感じがいたします。しかし、それにしても、根本のことは、やはり私は幹線の複線化をやることが一番早いのじゃないかと思います。ただ、雪がうんと降ると、これも今のところでは、当分、しばらくの間は人間の力では防ぎ得ないと思いますが、ただ、雪がどのようなほうへどれくらい降るだろうかという気象的な研究は強力に進めまして、それに対する重点的な配置は近いうちにはやり得ると思います。そういう研究をぜひやらなければならないと思います。複線化をしますと、とにかく片方の線路はお客さんを走らせながら、片方の線路は別のほうの除雪ができますから、非常に私は全面的運休には至らなくて、ある程度できるのじゃないかと思う次第でございます。ただ問題は、御承知のように、ただいまのポイント・ヒーターにしましても、ある程度までは非常にいいようでございますが、ある程度以上の雪が降るとなかなかむずかしいということでありますが、こういう点も私は技術的によくわかりませんが、考慮しなければならないと思います。
 それから結局やはり雪の量が一番――福井の操作場でございますが、福井の操作場にはみんな引込線があり、いろいろ貨物や客車が入っている。そこのところは三十六万平方メートルだそうでございます。行ってみますと四十町歩、四十町歩に二メートル、三メートルの雪が降りますと全然機械力――ラッセルで雪を払いましても、両側に壁ができますから、結局そういうものはすべて人力で除雪する以外に方法がないそうであります。こういうところにむずかしい問題があるようでございまして、必ずしもすべてどんな場合にも交通の途絶、輸送量が落ちないようにすることはしばらくの間非常に困難だと思いますが、いろいろなことを考えれば、ここ数年の間には相当これに対処して交通量を確保するような措置はできるのじゃなかろうかと私は考えて、その方面にできるだけ力を入れてやりたいと思う次第でございます。
 具体的のことはひとつ国鉄のほうからお聞き願いたいと思います。
#38
○加賀山之雄君 関連して。私は国鉄当局に伺いたいのですが、今、浅井さんは勉強してこられて、非常な経験を積んでおられていろいろ言われたが、その中で通信について何か不自由はなかったかということですね。通信施設について考うべき点がなかったか、その点いかがですか。
#39
○説明員(滝山養君) お答え申し上げます。通信の点につきましては非常に重要でございますが、実は二年前の豪雪の際に、非常に通信連絡が不十分でございまして、いろいろと不手ぎわをやった経験にかんがみまして、雪害対策の施設のうちで効果の上がるものという観点から、通信については、本社と金沢の間、本社と新潟の間につきましてマイクロウエーブを完成いたしたわけでございます。それからなお、いわゆる通信線はこれまで裸線になっておりましたのが非常に弱点でございました。これまたこの際、重点的にケーブル化をいたしたので、ほとんど北陸線と上信越の今回の災害地域につきましては、これが完了しておりましたので、今回は通信については非常に健在でございまして、その点は遺憾はなかったようでございます。
#40
○加賀山之雄君 その除雪の車ですね、ロータリーとかラッセルとかジョルダンとか、ああいう車について、こういうひどい雪のときに、これだけで十分ということか、あるいはこういう除雪車についても新しい工夫を要するのじゃないかというようなことをお考えになったかどうか。
#41
○説明員(滝山養君) 一昨年の雪害のときに一番問題になりましたのは、除雪の対策でございまして、これには今、加賀山先生から御指摘の点もございまして、従来ありますラッセルあるいはロータリーというものは、蒸気機関車でこれを押すわけでございますが、蒸気機関車というものは、始動しますのに、石炭に火をつけるのに相当時間がかかります。それからラッセルもあと押しをしますために、ある地点へ行きますと、方向転換するのに転車台にかけなければならぬという欠点がございますので、この点を直すために、いろいろその後この点を検討いたしまして、ディーゼルで動かすラッセル車、あるいは前にも進み、うしろにも進むというラッセルも試作いたしまして、それから軽便のものとしては、モーターカーにロータリーあるいはラッセルというものをつける、こういうようなものを昨年現地で試験をいたしまして、確信のついたモーターカーのごときものは大量に相当作っております。それから今申し上げましたラッセル車並びにロータリーのディーゼル化につきましては、若干まだ改造をする技術的な問題もございますので、今回の雪害の経験をまた織り込みまして、今後改善すべき点は改善いたしまして量産化していきたいと、こう思っておるのでございます。
 しかし、先ほど政務次官からお話のように、本質的には、実はやはり複線化の問題が重大だと思うのでございます。と申しますのは、ラッセルというものは、機関車で押しますと大体時速四十キロくらいで走れるのですが、ロータリーになりますと非常に強力でございますが、せいぜい五キロくらいの速度でございます。特に「キマロキ」のようなものになりますと、今回の実績が二、三キロの速度でございますので、構内は別といたしまして、本線はできるだけラッセルを動かしまして側雪を排除するという行き方をとっておったわけでございますが、何といっても単線区間で百本からの列車を通しておりますので、今回もラッセルを動かすにつきましては、相当の貨物列車を途中で切りまして中間駅に置いておるわけでありまして、これがまた、ことに雪捨て列車の運行に非常に障害になりますので、何と申しましても、やはり複線化していただきまして、常時列車を間引かずに列車が入る、また、かりに最悪の場合にも、一方の線は除雪のためにあけられるようなことになれば、こんなような混乱にはならなかったと思いますので、私どもといたしましては、複線化というものを前提にいたしまして、それに見合ってどういう除雪車がいいかということを検討したいと思っておるわけでございます。
 それからなお、従来非常に除雪に対して国鉄として大きな期待をもっておりました流雪溝が、今回はいろいろな支障が起きたわけでございます。と申しますのは、長岡操作場のような、豪雪地帯で、しかも、人家が密集しておりまして、ロータリーやラッセルを非常に使いにくい個所につきましては、流雪溝を主体に除雪いたしておったのでございますが、近来道路の除雪が非常に普及いたしまして、今回道路並びに民家の除雪のために流雪溝の水面を使用されましたために、鉄道の流雪溝は機能を十分発揮できなかったという事態になりまして、最近いろいろ検討いたしました結果、ここ数日は、夜間の一般の方がおやすみになっているときに、国鉄は流雪溝をフルに使うということで今、長岡地方の除雪を進めているわけでありまして、これも今後地元とも相談し、また考え方を変えなければならぬのではないかということを痛感いたしております。
#42
○加賀山之雄君 私は、大石政務次官がみずから現地に乗り込まれて、非常に御苦労なさりながら、いろいろ鉄道のことを御指導になったり、あるいは調査をしていただいたことを非常に敬服感謝しているものであります。で、何しろ鉄道ではおそらく冬に向かう前に、雪の多い管理局あるいは現場では、必ず雪こそ来たれというかまえを立てて、雪が来たら取っ組んでひとつやろうという気がまえと組織をもってかかっているわけでありまして、まあ平常の雪であるならば、これは御迷惑かけないで旅客列車も貨物列車もほとんど完全ダイヤどおり通すというようなことを例年やってきたわけです。今年こういう事態を招いたということは、その態勢を上回る、人力ではいかんともしがたいほどの雪が急に降った、しかも、連続して降ったというところに非常に問題があるのじゃないか。そのために今までの施設、たとえば通信は間に合ったそうでございますけれども、除雪の施設にしても、もちろん線路は急に複線化いたしませんから、単線であることだの、しかも、北陸線というのは、御承知のとおり単線区間としては極度に無理をして列車を通しておるような区間で、それがために、これは雪が降るから早くやめてしまえば問題がない。雪が降るということがわかっていればやめてしまえば問題ないのですが、列車は、毎日戸々動いて、それが途中にいるわけです。その列車が途中で動けなくなる、そういうことがさらに回復を困難にするという悪循環になってくるわけでございまして、まあ言ってみると、さっき浅井君が言ったように、駅長さんに聞いたら、ポイントが幾つあるか答えられなかったというお話でしたが、これはあの場合、駅長さんとしては、たいへんな御苦労といいますか、お客さんに対して何とかしようという、あるいは復旧を早くしようということに努力しておって、バッジをつけてえらそうな顔の浅井さんが行ったから、駅長さんもおそらくどぎまぎして、ここから先ポイントが新潟まで幾つあるかと聞かれてもわかるわけがない。おそらく何かはき違えてポイントの数も答えられなかったのじゃないか。それも推察すれば、駅長さんはもちろんびっくりはしますものの、決して駅の構内のことを知らない駅長さんがいるわけない。おそらく何かの間違いで、まあ上がっておったというように解釈されるし、また、政務次官がさっき答えられたように、駅長さんに権限を持たせるといいましても、隣の駅長さんはまた独立した駅長さんなんで、そんなことしてぶつかり合ったらまたたいへんなんで、それぞれ分担があることが鉄道の非常な特徴、しかも、どこまでもその関係が続いている。一部で切れていない、職種的にいっても。それが特徴で、なかなか一部分をとらえてやかましく言うことはできるけれども、実際にその中へ入ってみれば、むずかしいことが多かろう。しかし、私が確信いたしますことは、先ほど申し上げましたように、平常において私どもの経験からいたしましても、雪の前には、豪雪地帯のもう局長以下現場従事員全部が一丸となって、雪こそ来たれとかまえをして、そして最善を尽くしていることだけは間違いない。これはよく政務次官もお認めいただいて、先ほどのお言葉で伺いました。そこで、大臣にちょっと伺いたいのですが、大臣が直接監督者として、今度の雪に対しての国鉄のこのやり方について、非常に足りない点がこの対策にあったかどうか。どういうふうに感じておられるか。あるいはまた設備の点でいえば、これは今まで足りないことはあったと思います。特にこういう点は今後ぜひとも対策として考えなければならぬと考えておられるか。この二点。つまり今度の場合、国鉄としては最善を尽くしたというふうに考えておられるかということと、今後としては、国鉄の働きを麻痺させないためには、いかなることをまず考えなければならぬかという二点、大臣のお考えを承りたい。
#43
○国務大臣(綾部健太郎君) 私は監督をつかさどる大臣として、よくやったと思っております。それから今後は国家財政が許すならば金をかけまして、今言ったようないろいろな機械設備を十分にいたすべく、特に複線化が必要でありますならば、複線化を急ぐように指導していきたいと思っております。
#44
○岡三郎君 先ほどの理事会での時間が三時に近くなったのでありますが、今、加賀山さんの言ったとおり、私は、運輸大臣は大分県生まれだから、割合に雪に対するあれは足りなかりたのではないか、率直にそう思うのです。だから、国鉄はよくやったということはいいんですが、運輸省全体として運輸大臣がやはり雪に対する認識が少し軽かったというように私は率直に受け取ります。だから、この問題については、今後もこれがあるということを予想されて、いろいろと大石政務次官が現地を見てきたわけですが、したがって、当面の対策に今力を入れているということは当然だと思う。だから今後の対策として、今言われたことに対して、できるできないということではなくして、どうしてもこれだけはやらなくちゃいかぬという問題についてやはり検討して、それをやはり具体的な計画の中に織り込んでもらうように、やっぱり運輸大臣に率先してやってもらわぬと、やはり国鉄のみにおいてはこれを解決することは至難であろうと考えます。そこで、今後として私がお願いしたいことは、当面の対策について、ずいぶんよく聞いたわけですが、今後のこの豪雪地帯全体、まあ山陰のほうにも問題点があるようですが、これに対する運輸省、国鉄として根本的な対策をどうお立てになるかということを、二十五年、二十六年の大雪の際にもいろいろ検討されたと思うのです。だから、新しく経験を積んだこの時点において、今後国鉄としてとるべき策、こういったものを予算の面からも検討して、やはり具体的な計画というものを、今すぐでなくてもいいですから、やはり御提出願いたいと思う。いわゆる当面の対策だけではなくて、基本的な対策ですね。それと複線化の問題についても、専門家の加賀山さんは非常にむずかしいと言うのですが、大石さんの報告で見ると、やはり一番の問題は機械を動かすための複線化が必要だということを言っているわけですね。そうすると、豪雪対策の一番本根的な対策としては、運輸省としては、複線化にあるのだということになるならば、これは相当の予算がかかるとしても、やはり今後の問題として計画的に実施する緒にいつつけるかという問題が私は重要だと思う。そういう点で具体的にこの基本問題についてどう取り組むかということを検討して、それをおまとめになって、ひとつわれわれのほうにも御説明をいただければというように考えます。これはぜひひとつお願いしたい。
 今ここで複線化するのかどうかと言ったってこれはあれになりますから、これはもっとよく検討して、しかし、根本問題であれば、具体的にやっぱりことしからでもやるという気がまえを示さなければ承知しないと思うのですね。
 それから道路の問題にしても、幅を広げて舗装するということについても、やはり地域格差の問題等もあって、こういう問題が必要ならば、順序は今まで輸送の激しいところから順次やられてきているとしても、国土全体の産業の開発から考えてみて、やはりこれは当面必要ならば、建設省等と連絡して、順序を変えてやっぱりそちらのほうからもやっていくというようないろいろな施策があると思うのですが、ひとつ根本的な問題について御説明がいただけるように、時間がかかってもやはりやってもらいたいし、それから天候異変というが、いろいろな異変が、核実験の問題ばかりでなくして、これからわれわれが想像してない問題が起こると思うのです。ことに諸外国において豪雪があったということで、しろうと判断にしても、ことしはちょっとおかしい年じゃないかということを皆言っていたわけですね。それが目前に来た。それで、この前同僚の相澤君がその質問をするということで、政府も決意をして、にわかに、と言っては語弊があるかもしれませんけれども、対策本部を作って急激にやられた。河野本部長が飛び歩いて、また国民にも安心感を与えたと思うのです。やればやれるのだ。ある程度決意です。先ほど大石さんが言ったように強力な警察があって交通規制をするとしても割合うまくいくのじゃないか。困難な中でもやり方によればもっとやれる問題がある。これは国鉄や運輸省だけじゃないと思うのです。したがって、国全体としても一つの恒久的な施策として、雪があるうちはやるけれども、雪がなくなって暑くなるというと忘れるのが人情ですから、これは、われわれもお互いさまですけれども、しかし、これをいい経験として、ひとつ国鉄は根本的な角度から、政府に対しても、騒いでいる間はやるけれども、騒ぎがおさまって、のどもと過ぎれば熱さを忘れて、また来年、次のときだ、こういうことになりがちですから、こういうことについては、繰り返すようですが、政府全体としても、運輸大臣のほうからも、予算をとるためにも、やはり根本的な施策を推進してもらわなければ、運輸省なり国鉄だけでは私は解決がつかないという考えを持っている。そういうふうな点について、根本的な対策に対して、いつか御説明と、それに対する推進を強力にお願いしたいと思います。
#45
○河野謙三君 ちょっとお尋ねしたいのですけれども、被害の調査はいろいろ進んでいると思うのですが、北陸地帯で現に工場のとまっておるもの、それからここ数日のうちにとまると予定されておるもの、こういうものの調査がございますか。
#46
○政府委員(大石武一君) この問題につきましては、去る二日の日に、北陸四県雪害対策の会議がございまして、そこで河野本部長から、すみやかにこれを調査せい、このような実態はどうなっておるか、別に局長とか大物でなくてもいいから、とにかく各省の専門家を派遣して、工場の状態はどうなっておるか、製品の問題はどうなっておるか、あるいは労働の問題はどうなっておるか、すみやかに対策を立てて調査せいという命令が出ておりますから、今私の手元にはございませんけれども、近くそのような資料をそろえて御提出できると思います。
#47
○河野謙三君 私は希望しておきますが、たとえば私が知る範囲でも、日本の化学工業の中心であるカーバイド工業は、今度の豪雪で生産は八〇%とまっています。これらの工場がとまったり、または麻痺状態になりますと、これは単にこの地区だけの問題じゃなくて、日本の産業全体に大きく及ぼす問題です。でありますから、ただ一つカーバイドのことを考えましても、工場地帯は何も京浜地帯や阪神地帯に限ったものじゃなくて、非常にそれぞれの地区に特徴を持った工業がございますから、それが日本全体の工業に大きく影響するので、これは通産省の関係でございますけれども、それが原料がないために工場がとまったとか、原料はあるけれども製品が出せないでとまったとか、また、原料の一部は入ったけれども、一部がないためにとまったとか、いろいろあると思うのです。これらの調査を、もちろん政府としておやりになっておるでしょうが、緊急におやりになることが、私は当然政府として、被害対策の大きな問題だと思う。同時にまたこれらがとまった工場があるはずです。とまっておれば、回復する場合に、私は一ぺんに回復しないと思う、重点的に、日本の経済全体から見て、工業なら工業の中で、たとえば今のカーバイド工業が一番優先的にやらなければならないなら、先にやるとか、やはり順序を立てなければならない。一ぺんにとてもいかない。これらは通産省の所管でございますけれども、十分運輸省も通産省と相談されまして、復旧にあたりましては、順序というものをつけませんと、相当復旧は長期間かかると思う。その場合に、五日待てるもの、十日待てるもの、半月待てるもの、いろいろあると思いますが、これらも十分ひとつお打ち合わせの上、資料として、復旧の際にはどういう順序において、どういう見通しのもとにやるのだという資料を、次回までに私はちょうだいしたい。かように資料の要求をしておきます。
#48
○相澤重明君 大臣が御出席ですから、大臣にひとつ伺っておきたいのですが、当面の対策はわかりました。そこで、今回の豪雪についての気象通報、気象観測、こういうものはここにも御報告の中にありますけれども、これはきわめて大事なことだと思うのです。事態が終わってからあわてても、なかなか対策というものは困難をきわめることは御承知のとおりなんです。予防ということがいかに大事であるかということが、ここに出てきているわけです。そこで、科学技術振興なり、いろいろあるけれども、特に運輸省は気象庁を持っているわけです。これについて、昨年の秋以来、先ほど岡理事も言ったように、大陸地帯のほうの気候変異による来年は雪の可能性ということが言われておった、外紙は報じておった。ロンドンでも確かに雪の被害によって列車がとまっていることもずいぶん報じられた。そういうことからいって、国際観測というものも非常に重要な問題であるし、特にわが国において、こういう気象関係についての力を入れることは、やはりもっと積極的でなければいかぬと思うのです。運輸省は、たまたま運輸省の所管事項として気象庁を持っているわけですから、やはり国務大臣として積極的にこの際気象庁の問題について考えておく必要がある。そういうことを内閣としてやるべきじゃないか。ですから、むしろ飛び抜けた話をすれば、雨の降らないときに場合によれば雨を降らせるという研究まで進んで、今日、どういうふうになれば雪になるかということも、科学者はすでになにしてそういうことは言っている。そういう中で予防ということと、それが事前に観測をされた場合の措置というものも、これは科学の進歩の中でやればある程度できるのじゃないか。こういう点について、もちろん予算の関係も伴うだろうし、人員の問題も伴うでしょう。伴うでしょうが、やはり起きた被害の被害額の大きさ、あるいは人命の損傷ということから考えれば、これは国家的事業としてわれわれ考えなければいかぬと思うのです。そこで大臣に、そういう点について、特に気象庁の問題について、何かこの際お考えがあれば承っておきたいと思うのです。私としては、内閣自体として、特に所管の運輸省として大臣から内閣に積極的に意見を出してもらって、そうしてこれらの対策を樹立するように希望したいのでありますが、この際ですから、大臣の所見を承っておきたい。
#49
○国務大国(綾部健太郎君) 相澤さんの御意見全く同感でございまして、私どもも今度の三十八年度の予算には、相当そういうことを見越しまして、だいぶ要求したのですが、遺憾ながら人員その他の点についてだいぶ削除されました。しかし、一歩前進いたすことだけは確かでございますから、今度の豪雪を機会に、さらに閣議なり何なりで相澤さんの趣旨を主張いたしまして、万遺憾なきを期したいと思っております。
#50
○河野謙三君 私の今の要求いたしました資料はいただけることと思いますが、まだ御返事がないのですが……。
 それから私の希望といたしましては、その資料を御提出願うと同時に、次回の運輸委員会に、通産当局の御出席をぜひひとつ願って、そうしてこれらの被害対策について説明を求めたいと思いますから、その点を委員長からお諮り願いたい。
#51
○政府委員(大石武一君) 大臣にかわりましてお答えいたましす。資料は、できるだけ早く取りそろえまして、お手元にお届けしたいと思います。
#52
○委員長(金丸冨夫君) 委員会の出席の関係は、こちらで打ち合わせして、御希望に添うように善処したいと思います。
 私も一点、大石政務次官にお伺いしたいのですが、現地の関係で、今早急に手をつけたいのは、除雪の問題であるが、国鉄は五百八十円ということで人夫賃を守っている。先ほどあなたのお話の中にもありましたように、現地では千五百円から二千円というようなことが相場になっておる状況で、なかなか協力しようといっても、地元公共団体としても非常に困難性があるというのですが、これは何とかならないかという問題です。それから私鉄電車ですか、こういう方面の除雪はまだたいした手がついてないということを言っておりました。これからでありますが、今回のような豪雪では、一会社がなかなかやれないということになるので、これは何とか政府で今回の災害を通じて特別の措置がとられないかどうか、この点政府の所見を伺っておきたいと思います。ひとつ簡単に御返事願いたいと思います。
#53
○政府委員(大石武一君) お答えいたします。
 国鉄の人夫賃の問題でございますが、確かに国鉄としましては妥当な値段かもしれませんが、現在の相場につきましては、いろいろほかの不均衡面も出ておるのでございまして、この点をどう考えるかがむずかしい問題だと思います。しかし、私は現在におきましては、そう簡単にこの基準を変えてはならないと思います。国鉄のことでございますが、私の個人の考えとしてそう思います。むしろ、ただどうしてもそういう人が集まらなければ、別な褒賞的な意味の考慮もいたしまして、やはりあるきめた基準というものは守っておかないと、これは福井県だけでございませんで、いろんな方面でも困難が起こって参りますので、この点やはり慎重に検討しなければならぬと思います。
#54
○委員長(金丸冨夫君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#55
○委員長(金丸冨夫君) 速記をつけて。
 ほかに御質疑はございませんか。――それでは雪害に関する質疑は、この辺で終了いたしまして次に移ります。
#56
○委員長(金丸冨夫君) 船舶職員法の一部を改正する法律案に対する提案理由の説明をお願いいたします。綾部運輸大臣。
#57
○国務大臣(綾部健太郎君) ただいま議題になりました船舶職員法の一部を改正する法律案の提案理由について御説明申し上げます。
 船舶職員法は、船舶職員として船舶に乗り組ますべき者の資格を定め、もって船舶航行の安全をはかることを目的とする法律であります。船舶通信士につきましても、その資格と定員は同法によって定められておりますが、現行の法定定員は、昭和十八年当時、戦時下の要請によって船舶通信士を増員いたしました体制を今日まで踏襲して参ったものでありますので、太平洋戦争以前の規定と比較しましても、また諸外国の船舶の実際と対比いたしましても、これらを相当上回っているのであります。改正法律案は、船舶無線電信局の運用義務時間を国際水準の線に置くこととする電波法の一部を改正する法律案に対応いたしまして、海上航行の安全に支障を来たさない範囲で船舶通信士の法定乗組定員を諸外国並みに改めようとするものであります。
 御承知のとおり、今日、わが国の海運企業は、きわめて困難な事態に当面いたしております。政府といたしましては、海運企業の国際競争力を強化いたしますため、あらゆる努力をいたしているのでありまして、企業体制の集約化等、海運企業の徹底した合理化を前提とする抜本的な再建整備の方策を実施する必要に迫られているのであります。船舶乗組定員の合理化は、海運企業合理化の重要な一環であり、海運界におきましても現在まで真剣な努力が払われ、すでに甲板部門及び機関部門におきましては、顕著な実績を上げているところであります。しかるに、船舶通信士につきましては、需給状況の逼迫、通信機器の進歩にもかかわらず、乗組定員に関する現行の規定のために、いまだ合理化が実現し得ない実情であります。
 よって、海運企業の現状にかんがみまして、海上航行の安全に支障を来たさない範囲で船舶通信士の法定定員を諸外国並に改める必要があるのであります。
 今回の改正の第一点は、船舶通信士の法定乗組員数を軽減し、旅客船以外については、これを一名としたことであります。ただし、法施行の際の現存船につきましては、諸般の事情を考慮し、三カ年間は経過措置を設け、船舶通信士の員数を一挙に削減することによって各般の支障が生ずることを避けております。
 改正の第二点は、現在乙種船舶通信士及び丙種船舶通信士の免許年令が満二十才以上でありますのを、満十八才以上に改めた点であります。これは、電波高等学校の卒業者が学校卒業後資格取得まで約二カ年の空白があるため、海運界に必要な人材が得られない情勢にありますので、当分の間かような措置をとることによりまして船舶通信士の需給緩和をはかろうとするものであります。
 以上がこの法律案を提出する理由であります。何とぞ、慎重審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#58
○委員長(金丸冨夫君) 本案の審議等につきましては、後日の委員会に譲ります。
 次回の日程は、決定次第、公報をもりて御通知申し上げます。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後三時二十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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