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1947/07/30 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 労働委員会決算委員会連合審査会 第3号
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1947/07/30 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 労働委員会決算委員会連合審査会 第3号

#1
第001回国会 労働委員会決算委員会連合審査会 第3号
昭和二十二年七月三十日(水曜日)
    午前十時二十五分開議
 出席委員
   勞働委員長        加藤 勘十君
   理事 辻井民之助君 理事 山下 榮二君
   理事 川崎 秀二君 理事 原   侑君
   理事 相馬 助治君
      荒畑 勝三君    菊川 忠雄君
      島上善五郎君    田中 稔男君
      館  俊三君    土井 直作君
      前田 種男君    小川 半次君
      尾崎 末吉君    小林 運美君
      寺本  齋君    松本 一郎君
      伊藤 郷一君    石田 博英君
      江崎 真澄君    小澤佐重喜君
      倉石 忠雄君    栗山長次郎君
      河野 金昇君    綱島 正興君
   決算委員長        竹山祐太郎君
   理事 竹谷源太郎君 理事 島村 一郎君
      片島  港君    河合 義一君
      高津 正道君    戸叶 里子君
      大上  司君    中曽根康弘君
      西田 隆男君    岩本 信行君
      冨田  照君    平井 義一君
      水田三喜男君
 出席國務大臣
        國 務 大 臣 米窪 滿亮君
 出席政府委員
        厚生事務官   吉武 惠市君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 勞働省設置法案(内閣提出)(第一二号)
    ―――――――――――――
#2
○加藤委員長 それでは前会に引続いて開会いたします。
 質疑の通告に従いまして倉石忠雄君に許します。倉石君。
#3
○倉石委員 私が最初にお尋ねしたいことは、本案第七条條に「婦人および年少労働者に特殊の労働条件」ということをいつておられますが、ここに仰せられる婦人というのは、どの程度の勤労に服する婦人をいつておられるのでありますが御意見を承りたいと思ひます。
#4
○米窪國務大臣 労働省の婦人少年局で扱う婦人問題は、法文にもはつきり書いてあります通りに、大体労働に関係のある婦人問題及び少年問題を取扱うのでありまして、広い意味における婦人問題は、その中の若干はすでに文部省あるいは厚生省、内務省等によつてやつておる部門もあるのであります。もちろんそれらの省にも属しておらない問題も、婦人という問題の基本的な性格から考えてある。そういうものについても労働省が中心になつて、各省との連絡調整をはかろう、こういうことになつております。
#5
○倉石委員 お尋ねしたいと思いますのは、つまりたとえば工場に働いておられる労働婦人、そういうものははつきりしておりますけれども、そのほかに個々別々な所に働いておる組織されておらない勤労婦人も、この第七条にいつておる婦人に包含するかどうかということを承つておきたい。
#6
○米窪國務大臣 お答えいたします。それは紡績業等に従事しておる婦人ばかりでなく、家庭で働いているたとえば女中であるとか、そういつた明らかに労働によつて生活をしておるところの婦人、そういうもの一切を含む、こういう意味です。
#7
○倉石委員 それではお伺いいたしますが、第七条に婦人の保護ということがありますけれども、およそ婦人というものは非常に尊重しなければならないという面は、婦人の有する母性の保護だと私は思うのであります。この婦人というものは申すまでもなく、體力及びセツクスの別によりまして、男子の勤労者と同等に扱われないということは当然でありまして、これの労働条件の上に加えられる保護、及び婦人なるがゆえにそのセツクスの差別により、特に婦人を保護する必要が非常に多いと思うのでありますが、当局はこの婦人の保護ということについてどういうお考えをもつておられるか承つておきたいと思います。
#8
○米窪國務大臣 それは単に母性ばかりでなくて、婦人特有の生理現象が起つた場合、そういつた意味も含めた保護ということで、産前産後であるとか、その他の生理現象によつて、男子と異るような特殊の事態の起つた場合をも考慮して保護しよう、こういうことで大体労働基準法にきめてある線に沿うてまいりたい、こういうぐあいに考えております。
#9
○倉石委員 本案を拝見いたしますと、勤労者保護の点についてはいろいろ具体的に取扱われる面がありますけれども、一方今日のような日本の状態で勤労者の能率を向上させる、そういう面において特に一局を設けて、そういう面を推進させる必要があるのではないかというような考えがもたれるのでありますが、どうも本案によりますと、保護の面に偏重されておりまして、労働能率の向上というようなことに欠けておる点がありはせんかと思われるのであります。つまり産業性の高揚ということを助長する面に欠けておるのではないかという感じがいたすのであります。もう一つは勤労者が意識的にサボタージユなどをしたような場合に、大体どういうところで、どういうふうな処置をとられるのであるか。またもう一つ付け加えてお尋ねいたしたいと思いますのは、今世間では官吏の数が、先般も本委員会でお話があつたようでありますが、非常に多過ぎるといわれておるときであります。労働省設置にあたつては官吏の数を増員することなくして、他から融通されて、労働省のごときを設置することは不可能ではないと思うのでありますが、これらの点について当局の御意見を承りたいと思います。
#10
○米窪國務大臣 お尋ねの労働省設置に関する法案は、労働者の保護ということの方が非常にはつきり強く出ておつて、当面の問題である生産性の高揚ということについて、いささか表現が少い、できるならば特に局を設けろというお説については、われわれ決して反対ではないのでありまするが、これについては労働者がいわゆる社会人として、あるいは経済再建の担当者としてするべき義務等については、主として労働者の教育ということについて、政府はそういう点を通じて労働者のいわゆる社会人としての自覚を振起していきたい、こういうぐあいに考えておるのでありまして、これは第五条にきめておるところの労政局の重要なる任務としておるのでございます。今後必要があれば新しい局を設けることになるかもわかりませんが、今のところはこの労政局の十分なる活用で御意見のような趣旨を徹底してまいりたいと考えております。それから意識的サボタージユをした場合についてはどうするかというお尋ねであつたと思いますが、これについては法制的にどうするこうするとか、すぐそれを禁止するとかいうような法規は、現行の法則では見当たらないのでございますが、これはあくまでも団体交渉、あるいは経営協議会等において、十分そういうことのないように、勞資間の意志を疏通するように指導していきたいと考えております。
 最後に増員の点でありますが、ご承知の通り五局のうち三局は厚生省から来るのでございます。これも各局が厚生省時代よりも活発な活動をするということから見れば、今の人員が決して過剰ではないと思うのでございますが、なるべくそういう既設の局の点も増員しないように、また新たにできる二局についても、もしも人事の融通ができるならば既設の方からそちらへまわして勞働省は官吏を非常に増員したというような非難を受けないようにしてまいりたい。すなわち結論から言えば、お説の趣旨に合うようにしてまいりたい、こう考えております。
#11
○倉石委員 ただいま大臣のお話によりますと、勞政局の扱いにおいて、勤勞者の生産意欲を高揚するような教育をしていくのだという趣旨のようでありますけれども、もちろん勤勞に従事する人達を十分に保護しなければならないことはわかつておりますけれども、それと同時に今日の日本の状態を観察いたしましたならば、この勤勞に服する人達の義務観念ということをもつと私は高調する必要があると思うのであります。すなわちかくして法律ができ上り、勞働省ができ上つて、そうしてその勤勞する者のいわゆる権利を法律によつて保護をされますけれども、その義務は単に教育の力にのみまたなければならないというようなことでありましたならば、今日の事態に即したやり方としては、はなはだ欠けているのではないか、もう少しそういう意味において勤勞者の義務をここに高調する必要があるのではないかと思うのでありますが、米窪國務大臣の御意見はいかがでありますか。
#12
○米窪國務大臣 その点は私も痛感しているのでありまして、従来勞務者並びに経営者の会合に出ていつても、特にその点を力説しているのでありまして、将来勞働教育諮問委員会その他各種の委員会が勞働省にできるのでありまして、そういう委員会の委員の人選あるいは委員会の運営等におきましても、御趣旨が強く表面に浮んでくるように計らつてまいりたいと思うのであります。これを今法制化するというような考えは、ちよつと現段階においては困難である、こういうように考えております。
#13
○倉石委員 昨日本委員会におきまして、同僚松本君から、企業再建整備のことについて御発言があつたようでありますけれども、あのときの大臣のご答辯によりますと、整理された失業者は他の電源開発とか、あるいはその他の國家的事業に吸収していくというのも一つの方法であるというように御説明になりました。松本委員の仰しやるところによりますと、今日の場合失業者を出すということはよくないから、企業再建整備は後回しだということを言われましたが、私は意外なお言葉を今ごろ承ると思つたのでありまして、今日の日本における企業がどういう状態になつているか、政府が好むと好まざるとにかかわらず、このままに放置いたしておきましたならば、日本の産業は崩壊せざるを得ないのであります。一日も早くこの企業再建整備をしなくてはならぬでありますが、そこで問題になるのは失業者が出てくるということであります。政府事業として一つの大きな事業を考えられて、それで出てくる失業者を救済されるということは、もちろん私どももかねて考えておつたことでありまして、双手を上げて賛成の意を表するに吝かなものではありませんけれども、ただここで問題になりますのは、たとえばヒツトラーが四箇年計画をつくつて失業者を道路工事に吸収したとか、あるいはルーズベルトが百億ドルの失業救済事業を断行して、あの当時の産業の整備を完成したというようなことについては、われわれはこれをもつて範とするに足るかも知れませんけれども、あの当時のアメリカやドイツにはストツク資材を持つておつたのであります。従つてこれに吸収したる勞働者に支払う資金も、いたずらなるインフレーシヨンを生まないで済んだ。しかしながら今日は御承知のようにストツクは枯渇しておるのであります。そこでこの出てきた失業者をこの面に吸収されることについては、救済閣僚でない米窪さんにお尋ねするのは無理かもしれませんけれども、片山総理大臣も電源開発事業というようなことを、本会議においてお述べになつておるのでありますから、これらの点について政府は相当なる自信をもつておいでになると思うのであります。その點ひとつ政府の御意見を承りたいと思います。
#14
○米窪國務大臣 お答えいたします。救済緊急対策が実施される場合において、産業の合理化ということが必要であることは言うまでもないので、産業の合理化ということを推進していくことになりますと、それは企業整備ということが当然起る。しかしこれはあくまでも勞働者のみの犠牲によつてやるべきでなくして、企業の面の合理化、すなわち経営者の方の犠牲ということもやはり必要だと考えております。そういうぐあいにして企業整備が行われることになれば、どうしても相当の失業者が出てくることは、これは好むと好まざるとにかかわらず予想しなければならない。しからばどのくらいの失業者が出てくる、これに対してどうするかということについては、大體今までの委員会で私が申し上げたのでございますが、その具體的な対策とか、あるいは失業者の数とかを今申し上げるところまでいつておらないのでありまして、ただいま経済安定本部において、ここ数日中にその対策を発表し得るところまで研究しておるというのが現状でございます。政府はもちろん単なる抽象的なことを言つているのではなくして、そういう困難な今までの内閣でしなかつたことを、良心的にひとつ取組んでいこうという誠意をもつているということを申し上げて、御了解を得たいと思つて、おります。
#15
○倉石委員 それでは簡単にもう一言お尋ねいたしたいのであります。ただいまの國務大臣のお話によりますると、企業再建整備等によつて現われてくる失業者を、特に電源開発とか、そういう事業を起してそれに吸収するということは一つのお考えであつて、まだ具體的に電源開発事業というようなことを御計画になつておらないものであると了承してよろしいかどうかということが一つ、もう一つは、再建整備によつて現われるであろう失業者に対する対策を、今具體的にお考えになつている面はありませんですかどうですか、その点を伺いたいと思います。
#16
○米窪國務大臣 従来委員会で私たびたび説明申し上げたのでありますが、電源開発は一つの例ですが、その他公共事業を新たに起す、あるいは輸出産業を振興するということは、単なる政府の一人二人の閣僚の考え方でなく、これはまだ閣議に出しておりませんが、政府が当然近い閣議において正式に議題として取上げ、これの具體的対策をきめたいと思つております。また企業整備によつて出てくる失業者を救済することについては、この間からたびたび私が申し上げた通り、なるべく就職の機会を与える。すなわち今申し上げたような事業を振い興して、企業整備によつて出てくる人たちに就職の機会を与える。さらに企業ごとに勞働の余剰力によつて生じてくる失業者に対しては、勞務の配置転換を行いたい。それには職業補導所等の機関を極力活用してみたい。そうしてなほかつどうしても就職ができない人に対しては、失業保険、失業手当等によつて救済していく。こういう三段の構えでやつていきたい、こういうぐあいに考えておるのであります。
#17
○倉石委員 時間がかかりますから、最後にもう一度婦人の勤勞の問題に対しまして質問を試みたいと思うのであります。この婦人勤勞者に対して私が今まで體験したところから見ておりますと、男子の勞働者に対してはいろいろ保護される面もありましたが、しかしながら婦人は特に婦人として保護されるべき必要があるのに、この点において非常に欠けておつたということを私は痛感しておるのであります。往年の有名な女工哀史などという小説に出ておりましたような悲惨なる事実は、今でも組合の力の及ばない方面などには相当あるのでありまして、私は仕事の関係で自分でよくそういうことを痛感している一人でございますが、せつかく勞働省ができたのでありますから、婦人局においては特にそういう婦人の保護について力を入れていただきたいということを希望いたしますと同時に、一つ伺いたいことは、婦人の向上ということを第七条にうたつておられますけれども、私ども考えてみますと、勤勞階級に属する婦人の子供の教育、たとえば工場に働いても授乳所がないためにまじめに働きに行くことができないとか、婦人としていろいろ悩みが多いのでありますけれども、婦人に對する婦人局を創設されました勞働大臣は、勤勞階級に属する婦人の教養という點については十分なる御研究を願いまして、この向上に努力していただかなかつたならば、私どもは日本民族将来の発展のために非常な悪影響をもつてくると思うのであります。この點について婦人少年局を設けられました當局者において、勤勞階級の婦人の教養度を高めるということについての具體的な御意見がありましたならば承りたいと思うのであります。
#18
○米窪國務大臣 婦人問題に對する倉石さんの御意見、まことに全部同感でございまして、憲法においてもすでに、男女の間にその権利並びに國家の保護について差別があつてはいけないということが規定されているのでございます。従つて今回勞働省の中に特に婦人及び少年局という局を設けまして、その局長には婦人をもつていきたいと考えているのでございまして、政府がいかにこの婦人問題に熱意をもつているかということを御了承を願いたい。この婦人問題を取扱うにあたつて、御趣旨のあるところをよく政策の上に現わしていきたいと思うのであります。たとえば御指摘のあつた婦人の教養の問題、あるいは乳幼児をもつている婦人に對してはいわゆる託児所等の設備をなし、あるいは教養については各種の講習会その他の機関を設けまして、婦人の教養あるいは啓蒙に對して政府は万全の策を講じたい、こういうぐあいに考えております。
#19
○加藤委員長 前田種男君。
#20
○前田(種)委員 私は最初に、発足しようとしておるところの新設勞働省の予算の概要を説明願いたいと思います。
#21
○米窪國務大臣 勞政局、勞働基準局、職業安定局の三局に對しては、すでに本年の一般予算において、私の記憶が正しければ、大體三億數千萬圓の予算があるのでありまして、新たにできる官房及び二局については、目下追加予算において大蔵當局と折衝中でございます。どの程度に落ちつくか、目下ここで発表する時期になつておりませんが、新しくできる勞働省として、約束された事業をやつていくのに、遺憾の點のない額を目下大蔵省と折衝中でございます。
#22
○前田(種)委員 さらに、発足される勞働省がいかに重要であるかということは、説明にもありました通りでございますから、多くを言う必要はありませんが、少なくとも勤勞大衆の意を相當行政面に反映して、そうして政府の施策に資するところの代表機関であり、また政府の勞働行政に對する方針、施策等を、勞働省を通じて全國に徹底さすという重要な役割がこの省にあると考えます。そうした基本的な問題に對する初代勞働大臣としての信念、方針等をこの機会に明確にしていただきたい。さらに新しくできた省というものは、閣内においてややともすると伴食大臣のような観が、従来の観念からあるのであります。しかし今日の勞働行政が、いかに再建日本に重要であるかということは、今さら私が申し上げる必要はないと思います。それだけに勞働相の閣内における地位、しかも閣内における発言というものは、相當重要なものがあると私は考えます。それだけに、そうした発言を勤勞大衆は期待しておりますがゆえに、閣内における大臣としての今後の方針、所見、それが勤勞大衆に及ぼす影響が非常に大きいものがあろうと考えます。そうした意味で、これに對する御意見を承つておきたいと考えます。
#23
○米窪國務大臣 前田さんの御質問は、非常に政治的な意味が多分にあるのでありまして、仰せの通りでございます。勞働省は昨日も申し上げた通り、いわゆるサービス省と言つていいと思います。現に英國の勞働省は、ミニストリー・オブ・レーバー・アンド・ナシヨナル・サービスという言葉でいわれてる通りでございます。あくまでもサービスを主眼とし、かつ勞働省そのものが事務を行つていくという點においては、あくまでも能率本位にいかなければならぬ。この二つの點が新しくできる勞働省の特徴にならなければならぬと私は考へております。今後の勞働省の施策は、この二つを中心にしてなすできであるというぐあいに私は考えております。
 第二の御質問は、閣内における発言についての御意見でございますが、この點は片山總理を初め各閣僚は、今日の勞働問題がいかに重要なる問題であるか、食糧問題と勞働問題こそが、片山内閣の死命を制する重要問題であるということについては、全閣僚皆これを認識しております。ただ不肖私が御期待に副うような重きをなし得るかどうかは、私の人格力量によつて定まるのでございますが、勞働省そのもののもつている重大なる使命ということについては、全閣僚周知のことでございますから、閣内における問題については、御心配のようなことはないと思います。
#24
○前田(種)委員 今日行政の刷新あるいは官僚制度の打破を現政府は大きな施策として声明しておりますが、その面から見ましたところの新発足する勞働者は、所管の関係からいきましても、一番民衆的な官庁であつてほしい、またそうなくてはならぬというように考えるわけでございます。そうした點からみましたときの今日の人事の問題、その他の點について、前質問者に對しての大臣の答辯もございましたが、私はこの省には相當有能な民間人を思い切つて入れる、そうして今日の官僚の悪い點を是正する。今日の官僚のみによつてこの省を埋めるというようなやり方をやりますと、長い間の習慣、慣例等からいつても、決して官僚の刷新というようなものは不可能だと考えます。その意味において、思い切つてこの省に民間人を入れるというようにやつてもらいと考えます。そうした點について一番難點になるのは、今日の待遇の問題、その他の點が俎上に上るのでございます。今日まですでに設けられておりますところの、勞働省管下のいろいろな下部の機構等を見ましても、予算はあるが、結局人で埋めるというようなやり方をやつてきております。この勞働省は必ずしも人の数で埋めるということでなくして、実際に能率の上るような内容を整えていただきたい。仕事をしない者を何十人、何百人据えたところで、勞働省の業績はあがらない。私はそう考えます。今までよく砲兵工廠あるいは海軍省あたりの工員や職員の中には、こういうことばが使われております。「相手は日の丸だ」、「辨當はからからお日さん西々」。いわゆる朝出勤して、辨當がからになつて、お日さんが西にはいれば、仕事ができようとできまいと、もう帰るのだ、それで役目がはたせるのだ。これが官僚を一貫したところの非能率的な標本だということがいわれておるのでございます。これはもちろん、民間の事業のように、経済的な数字が仕事の結末として現われてこないところから、仕事がしておられるか、しておられないかわからないという結果から来る點もありますが、いかに彼らが仕事が非能率的であるかということは、今さら言う必要はありません。しかしそのために、いかに民間人が迷惑を蒙つておるか、國家生産の面においても、いろいろな面においても、迷惑を蒙つておるかということも、今さら言う必要はないと考えます。そういう意味において、この人事その他の點においても、新発足するところの勞働省は、少なくともこうした點について、各省の中で一番理想的に、あるいは理想的に近い職制、あるいはその内容を具備してやつていくというところの心構えがなくてはならぬと私は強く考えます。その點に對する大臣の所感を承つておきたいと考えます。
#25
○米窪國務大臣 御質問の點は全部、私がもし野にあれば當然あなたと同じ質問をするくらいの點で、同感に思つておるのでございます。依つて新にできる局は、局長以下なるべく多くの有能な民間人を採用したい。また既存の三局においても、よくその人物、その他地位等のやりふりを考慮しまして、なるべくこの機会に、できるだけの民間人を起用したい、こういうぐあいに考えております。それによつて、いわゆる各省の官僚の民主化の模範をひとつ示してみたいと考えております。近く國家公務員法も発表されることになるので、この機会においてこのエポツクをつくるという點において、勞働省がその先がけをしてまいりたい。こういう抱負をもつておる次第であります。
#26
○前田(種)委員 先の質問者が触れました婦人の官吏、あるいは夫人を待遇せよという問題もありましたが、私はもう一度重ねて質問をいたして、明確にしておきたい點は、婦人少年局ばかりでなく、地方の勞働基準局の監督廳、あるいはまた本省におきましても、ぜひ大量の婦人を採用する、あるいは婦人の監督官も置くというようなことが今日の情勢から特に必要だと考えます。こういう點に對するところの大臣の心構え、それから、昨日松本さんの質問されました、地方官廳とこの勞働関係の下部機構との摩擦、弊害、その他の點を指摘されましたが、一々例をあげますといろいろなものがございますが、そのうちの一、二をあげますと、各府県の縣廳においては相當余裕があるにもかかわらず、府縣廳から離れた中央官廳の出店であるということで、そこの縣廳の部屋が使えない、備品が使えない、それから自動車も別に一臺注文しなければ、縣廳のものは使えないというようになわ張りのある状態で、実際には縣廳あるにもかかわらず、新設の勞働基準局の地方局なんかは何十万円も出して、自動車を購入しなければならぬということになつてくるし、今日建物が建たぬのに、廳舎も建てなければならぬということになつてくる。勞働基準法その他については、法の命ずるところによつて役所もできることになつておりますが、府縣廳とこうした地方の直轄官廳との連絡、統合、その他の點については、今までの法規その他にこだわることなくして、もつと有益に統合、連絡ができるような関係に置かれるようにしてもらいたい。これは必ずしも勞働大臣だけの責任ではないと思いますが、國家的見地からみましても、今日の地方制度の現状からみましても、ぜひ有機的に活用できるようにやつてもらいたいということを熱望いたしますが、この點に對してもう一度大臣の答辯を承つておきたいと考えます。
#27
○米窪國務大臣 第一の御質問である婦人局には、単に局長ばかりでなく、その他の局員になるべく婦人を採用せよというお話、また地方の監督廳にも婦人監督官を置いたらよかろうという御趣旨については、私もそういうように考えております。
 それから地方分権が非常に喧しい今日、中央官廳の地方におけるいわゆる出張所、そういう機関地方との関係が非常にデリケートで困難な状態になつておりますが、勞働省に関する限りは、この勞働基準局は勞務の監督その他の點において、どうしてもこれは中央において劃一的にこれを統轄していかなければならない特殊な任務をもつておるのでございまして、この點は今ただちに地方官廳にこの仕事を一切譲つてやつてもろうというところまではいき兼ねる事情があると思うのであります。勞働基準局以外の局のいわゆる出店については、私としては地方官廳がこれを希望するならば地方官廳の中にこれを入れて、地方官廳に一切やつてもらつて、中央はこれを監督するという程度でもよいと思いますが、勞働基準局だけは、今ただちにそれはやれないような実情にあるのではないか。しかしこれらのすべてのことは、目下行政調査部において、いかに地方と中央とを調整するかということを研究中でございます。
#28
○前田(種)委員 今の問題については、それ以上私は質問をしません。最後に、行政調査部においていかに調整するかということを検討中であるそうですから、私はできるだけ、そうしたものが今日の情勢に即する結末になるように御配慮を願いたいという希望を申し述べておきます。
 次に私は勞働組合のあり方、すなわち敗戦後の日本の現状において、勞働組合はどういう状態にあるべきかということを、勞働省としては明確にその見解を現わす必要があろうと考えます。また勞働組合とはいかなるものかということについて、國民全體をもつと啓蒙する必要があろうと私は考えます。ここに啓蒙その他の運動等については相當の予算をとつて、この面に緊急に全力を注ぐというような對策を立てていただきたい。もちろん二、三年でこうした教育が効果を上げるというようには考えられない節もありますが、政府はベストを尽くして努力をいたしますならば、勞働組合に對するところの國民全體の認識は新たになると私は考えます。それとともに、世界の勞働組合の中にはこういう勞働組合があるというようなものをA・B・Cというようにくだいて、そうして國民が理解できるように徹底さすということも一つの方法だと私は考えます。聞くところによりますと、アメリカにおいては小学校の五、六年から、勞働組合とは何ぞやということが、教科書の中にうたわれておるということを聞きますが、私は國内にありますところのたくさんの高等学校、中等学校、その他の教授科目の中においても真に勞働組合の役割、任務、あるいはそれが社会的意義等を、それぞれ簡単に國民に徹底させるという方策が必要であろうと私は考えます。こういう點に對するところの大臣の御意見を伺つておきたい。
#29
○米窪國務大臣 きわめて重要にしてかつ興味のある御質問でありまして、これに對して、こういうぐあいにお答えいたします。私の抱懐しておるところの勞働運動については、私はその目的はやはり健全なる勞働組合主義という建前でなければならないと考えております。過日の三浦さんの御質問に對してお答えしたように、勞働者はその自分たちの立つておるところの階級的利害のみを主張するためでなくして、少なくとも今日の敗戦日本の現段階においては、やはり國民的利害ということも考慮する必要がある、この意味において、この勞働者に對する啓蒙教育ということがきわめて大切であるのでございまするが、これは飽くまでも勞働者の自主的の自治性を尊重して、政府そのものがこういかなければならない、今後の勞働組合運動はこういかなければならぬというような、干渉がましいことは一つ避けていきたい。ただし政府みづから、先ほど申し上げた健全なる勞働組合主義でなければならないという建前は堅持しておりますから、その方向に沿いまして、今後前田さん御指摘のような教育方面におきましても、勞働者の参考になることを随時提供していきたいと思つております。たとえば先日も私この席で申し上げた通り、文部省においても、広い意味の勞働者の教育ということについて関心をもつておるのでありまして、今後勞働省が中心になつて、文部省あたりとも連絡をとつて、講習会をやるなり、あるいは新、聞ラジオ等を通じて、こういつた勞働省の方針に副うように、日本の勞働運動に對して、そういう傾向を助成していきたいと考えております。
#30
○前田(種)委員 私は大臣の答辯にいささかもの足らぬ點がありますので、一言私の意見を申し述べて次の問題、質問に入りたいと考えます。私は終戦翌日、日にちを申し上げますと、一昨々年八月十六日に、再建日本の建直しのためには立派な勞働組合をつくらなければならない、そのことに成功するか否かということは、日本國家再建ができるかどうかというほど重要なる問題であるということを相談をいたしまして、それ以来広く勞働組合運動の再建につくしてきておる者でございますが、それとともに、勞働組合がほんとうに組合らしく認識されるためには四、五年の歳月が必要である。四、五年の歳月をいただくことができますならば、勞働組合が各人の間において立派な國家的役割を果すということが認識されるものである。その程度の歳月がほしいということをその當時申しましたが、今なお私は三、四年の歳月がほしいと思うのであります。今日終戦以来の方向は、連合國側の指示等もありまして、予想以上に勞働組合は発達したものでございます。しかし実質的には今日勞働組合がそれほど発達したとは考えておりません。社会が勞働組合に期待するところの期待というものは余りにも大きいが、勞働組合自體の内容というものはそれほど充実しているとは言えないのであります。私はこの意味において、もう三、四年の歳月をもらいますならば、勞働組合の使命が立派に果し得るところの内容を充実するものに日本の勞働組合がなり得ると確信をもつております。またそういう方向に導かなくてはならぬと信じております。そういう觀點からみて前の質問者は勞働者の権利のみを強く主張いたしまして、義務的觀念の法制上の不備を指摘されたのでございますが、この點について私もある面において賛成する點もありますが。もちろん私の申しますところの健全なる勞働組合とは、権利義務を明確にしたところの勞働組合でなくてはならぬ。むしろ今日は資本主義社会組織だというようなことをいろいろいわれておりますが、敗戦後の日本の現状は形はそうであるかもしれませんが、再建されるところの日本のほんとうの姿というものは、はたして資本主義社会組織か社会主義社会組織かということは未知数であつて、國民多数、いかに協力して再建をするかということになつた主體勢力が、次の時代の社会情勢というものを築き上げているものだと私は考えます。その意味において、あくまで勞働大衆が結集的に、敗戦日本を建直すということに主力を注がなくてはならぬと考えるものでございます。そういう觀點からみましても、現実の生活面その他の実情は余りにも窮迫しておりますために、えてしてその面ばかりを勞働組合が取上げまして、日足らない今日の現状は情けない状態でありますが、勞働組合指導者の間においては、この窮迫した現状というものは、敗戦のもたらしたところの當然の帰結である、これを救い出すものは資本家の責任でもなく、政府の責任でもない、すべて日本國民全部が努力してこの難局を打開するという気迫がなくてはならぬと私は考えます。この意味において、勞働組合も今日いろいろな面において、一年半の過程をふり返りまして、反省するものもあり、また成長するものもありますが、政府は少くともこのあり方をはつきり把握いたしまして、今後の勞働組合の助成発達の上に健闘していただきたいと思います。
 次に私は、昨日質問がありましたところの勞務者住宅の問題等について数字的に申されましたが、炭鉱の現状におきましても、ただ単に食料を配給するだけによつて増産になるというものではない。食料よりもむしろ今日は住宅が先決問題だという痛切な希望が炭鉱からもきております。焼け出された各都市の勞務者住宅の問題等を見ましても、今日容易でない問題が考えられるのでございます。二十何万戸の勞務者住宅を二十二年度の予算の面においてつくられるという計画は結構でありますが、この計画がはたしていつ家になつて住めるようになるかということを考えてみますと、寒心にたえないものがあります。しかしいろいろな面は割いてもこの勞務者住宅の建設のためには努力していただきたい。それとともに、これから建てようとしては間に合いませんので、全國にはおそらく終戦前後におけるところの軍需会社等が社宅その他の建物を建てかけて、そのままにしているところの建築物が相當あると私は考えます。日本の官庁は横の連絡がないためにその調査が十分でありませんが、内務省が調査しているかどうかわかりませんが、内務省の下部組織を動員してこうしたものを拾い上げてみまするならば、相當数量の建物が、立つたままで中途半端で置かれているというものがかなりあるものと考えますが、勞務者住宅に代替できるかどうかわからぬ點もありますが、どうかこれは他の行政官庁との連絡もとられまして、ぜひそうしたものが勞務者住宅に充て得るものがありますならば、所有権その他の問題等にこだわることなく、活用するようにしていただきたい。
 それからもの一つは、高級住宅をこの際開放してもらうことを思切つて政府はやるべきだ。住宅難のために今日所定の増産ができないというような現状において、國がまさに潰れようとしておるときに、一部には高級住宅に住まつて、そして、やみの生活をしている者が相當多数おります。こういう状態において勞働階級に仕事をせよと言つても無理でありますがゆえに、私はこの際思切つてある一定以上の建物は一年なら一年政府が信用して、その勞務者住宅に充てるというような對策を立てなければ、この難局の打開はできないと考えますが、こうした點に對する大臣の御意見を承つておきたいと考えます。
#31
○米窪國務大臣 勞務者住宅對策として大體二つの點をあげられておるのでございますが、御趣旨に對しては同感でございます。これは政府としてはすでに緊急経済對策について勞務者住宅というものを取上げておりますが、まだ政府においてそういう具體的なことを正式に決定しておらないのでございますが、至急あなたのお指摘のような、いわゆる戦時中軍需会社が寮として建てかけて、中は未完成のまま放棄しておるというようなものが、はたしてお指摘のように相當あるかどうかということについて、まだ十分な調査はしておりませんが、そういうものがあれば、それをいわゆる再生して活用したい。また高級住宅という意味が、非常に広い意味になるのでございますが、ともかくもでき得る限りの住宅を勞務者のために使いたいと思つております。これについては、引揚者の方からも同様な陳情があるのでありまして、それらをよく比較斟酌しまして、御趣旨に副いたいと思います。実はこの間の閣議におきましても、國の収入の面から見て、官有林を伐採する、そして住宅問題を解決する資にしたいという意見も出たのでございますが、これを払下げになると、結局やみに流れてインフレーシヨンをますます促進することになるというので、公団等のシステムでこれをやつたらどうかという意見もあつたのでございますが、公団にすると、結局これはマイナスになる。國の事業としてやる場合には結局プラスの面が出てこずに、マイナスになるということで、一時これはさたやみになつたのでございますが、住宅問題という點から、國家が少々マイナスになつてもやるべきだということは必要であると私は考えるので、これは再び吟味をしてこの問題をも取上げていきたいと考えております。
#32
○前田(種)委員 あとは数字的に二、三の項目をあげて答辯を願いたいと考えます。一つは基準法の施行問題です。前議会においては、七月一日から施行するという約束のもとにあの法律が審議されたと思います。勞働大衆は一日も早くあの法が施行されることを待つておりますが、延び延びになつて九月一日、あるいはそれも怪しいじやないかというような情勢すらございます。そういうことであつては、約束したことを政府が履行しないということでは、はなはだ遺憾でございますから、九月一日を待つことなく、勞働省が正式に発令施行されると同じ日に、この記念すべき日に、基準法も施行していただきたいと切に要望いたします。それはおそらく施行されたその日から、全國の該當事業場では法の適用を受けますが、実際に工場規則その他を基準法によつて改正するためには、相當の時間的余裕を与えなければならぬと考えますから、そういう面においては、施行を早めたからといつて、そう支障は来さないと考えます。むしろ事務上の、勞働省みずからの行政面において準備ができないというような點があるかわかりませんが、そうしたことを今日は待つておつては、はなはだ心もとないのでございますから、ぜひ勞働省の発足する同日に、この記念すべき基準法が施行されるように一段の御配慮を願いたいと考えます。それから昨日から言われておりました失業保険法、失業手當法が今議会に提案されると承わつておりますが、会期が切迫してぎりぎり一ぱいに出されては十分に審議ができません。準備に時間がかかると思いますが、この法案は余裕をもつて提案されまして十分に審議をしたいと思いますので、そういう心構えがあるかどうかということを承わつておきます。それから昨日勞働省設置の案件以外の問題は勞働委員会で取扱おうというような申合せでありましたが、最後に私は急を要しますから二つの點だけを質問いたします。
 それは恐らくここ数日の間に閣議に提案されるであろうと思います予算の審議に関連いたしまして、今朝の新聞を見ますると、経済白書の中にあります勤勞所得税の調整の問題、要するに千八百円標準賃金を実質賃金で補おうとする勤勞所得税の減額の問題について、安本と大蔵當局が折衝しておりますが、財源その他の関係でこれが怪しくなるのではないかというような説もございます。私は今日の情勢下においてそうしたことになれば大変だと考えます。閣僚の中でこの問題を一番強く発言をしてもらわなくてはならない者は米窪國務であろうと考えます。勤勞所得税の減税については、われわれもつと数字的に大幅に引下げて、財源を別に求めてもらいたい。言い換えますれば、千四百億円という新円が出ております。この新円をいかに大蔵當局が捕捉するかということにもつと大胆に調査研究をやつて、そこに財源を求め得るという對策を立てて、こうした勤勞所得税の問題等は大幅に引下げるという對策を立てなければ、今日の國民大衆の生活は由々しき問題であります。またこれを支払いする官廳にいたしましても、事業主にいたしましても、二千六百円、三千円という一人當りの給料がどうして捻出できるのかということによつてみましても、容易ではないと思います。この面から申しますならば、むしろ勤勞所得税の方は大幅に引下げてやることが、勤勞者だけの所得でなくして、支払いをする事業主にもそれだけ負担を軽くする結果になると主張するものでございます。
 それともう一つは、これまた今問題になつておりますこの間閣議決定をして発表になりましたタバコの配給量を引下げた問題、これは大蔵當局が事務的に歳入の面からいろいろ苦心されたように思いますが、私はどうもこれは政府の政治力の足らない結果であろうと考えます。しかし引下げたものをいまさらどうと責めようとは思いませんが、これをカバーするためにはあくまで生産増強用として、事業場を中心にいたしまして、働く者にはタバコの特配を思い切つてやる、それでカバーでするという對策を立てていただきたい。この問題はいわゆる人情の機微をつかむという政治上のいろいろな點を考えてみまして、こうした人情の機微をつかんでこそ政府の政策というものが実行されると考えます。ただ数字的の問題のために何十億の財源を捻出すべきものではないと考えます。一般配給を減らしたことは責めませんが、その反對に、官吏であろうと、社員であろうと、勞務者であろうと、屋外勞務者であろうと、一定の職業をもつている者に對しては、増産用として職場に思い切つた増配をする。もし専売局に巻くだけの能力がなければ、刻みで紙をつけてやればいいと考えております。ぜひそうした面を取上げて、そうしてややもするとデカタンになり、投げやりになろうとする勤勞大衆に對して、やはり働きさえすれば特別なそうした方法も考えてもらえるということを、ぜひやつてもらいたいということを希望いたしまして、私の質問は終りといたします。
#33
○米窪國務大臣 最初の御質問は、勞働基準法の実施の遅れている點についてでございます。これは詳しいことは勞働基準局長から説明させるつもりですが、各府縣に地方勞働基準局を設置しまして、そのもとに焼く五百何箇所の監督所を設けることによつて勞働基準法の万全を期したい、こういうぐあいに思つておつたところが、なかなか廳舎その他、あるいは監督所員、監督官などの人選の點において、七月の予定が遅れたのはまことに相すまない次第であります。しかし九月一日には大體実施してまいりたいと考えております。その大半は九月一日ということになつておりますが、一部実施のできるものは繰上げて八月の中ほどから実施したいと考えております。またこの機会に申し上げたいのは、勞働省の所管に移りました勞災保険、これは勞働基準法の裏づけとなるべき保険でございまして、これも七月一日から実施する予定であつたのでございますが、勞働基準法との関係、平均賃金の査定等という問題で遅れておりますが、大體九月一日を期して実施したいと考えております。
 それから失業保険及び失業手當について、審議を十分にしたいから、なるべく余裕をもつて國会へ提出しろという御意見につきましては、これは目下関係筋と交渉中でございまして、おそらく来週の終りの閣議にはかける、ことができ、再来週には國会へ提出ができるのではないかと考えております。
 それから予算関係において、勤勞所得税を大幅に引下げろといふ御意見、これはすでに御承知の通り六月十一日に発表した緊急経済對策において、勞働者の標準賃金を千八百円に一応はして、実質賃金との差については、いわゆる流通秩序の確立、配給物資を正常ルートに乗せるという政治的操作によつてこれを補充しようということと相並んで、勤勞所得の基礎控除を上げるということが一応政策になつている。ただこれがどの程度に上げられるか、前田さんの御趣旨に副う程度になるかという點については、なお當面の責任者である私から大蔵省の方に交渉する余地があると思つております。また勞働階級の方からは、基本給料にのみ税金をかけて、手當等は當然物でもらうべきものがいわゆる賃金で支給されている點があるから、こういうものについては税金をかけるなという意見も出ております。かたがたそういうことについて大蔵當局と折衝したいと思つております。
 最後にタバコの問題ですが、これは実は閣議で大蔵當局の説明を聴きますと、今日のタバコの植付面積は戦争中から非常に減つている。またあれを巻く紙の製造も非常に減つている。言いかえると、絶量が非常に少くなつている。それの四分の三を家庭配給にして、わずかに四分の一をタバコ屋へ流しているというのが現状だということでありまするから、家庭配給を減らさない限り、農村あるいは勞働者に對する勞務奨励の意味の特配をするということは、非常にむずかしい問題ではないかと考えております。しかしこういつた方面はタバコを配給するということは、いわゆる生産性の高揚、能率増進の上から必要であることについては、私も意議がございません。従つてこれらの點についても大蔵省に御趣旨のあることを伝えて善処したい、さように考えております。
#34
○前田(種)委員 最後のタバコのことで、絶對量が足らないからということだけなら私は了承しますが、家庭配給を減らして、そうして新しいタバコを売出すということになつている。しかもこれは二十円定価で売出す。売出すタバコはたいがいやみに流れているという現状だ。新しく売出すタバコがあれば、それを増産用にまわしたらどうか。問題は財源からきておると思う。財源からきておるから、大蔵當局は姑息な手段を講じて捻出したと言つておりますが、これは先ほども申しましたように、國民の機徴をつかむという政治的措置が絶對必要だ。十億か二十何億かわかりませんが、その程度の財源は何とか捻出する方法があると思う。私に率直に言わしむれば、先ほど申しましたように、一千四百億という新円が出ております。この狭い國内に出ておる新円を、大蔵當局がつかみ得ないはずがない。問題は政治的な力がないからつかみ得ないと思いますが、これをつかまえますならば、相當財源は捻出し得るだろうと思います。そういう議論は別な機会にいたしますが、いわゆる配給を減らして、新しいタバコを売出すというこの印象が、國民にどう響くかというと、非常に悪い結果を来しておりますから、ぜひともそれは何らかの形で増産用にまわして、財源は別にこしらえてもらうように、特に米窪國務大臣の努力をお願いしておきます。
#35
○米窪國務大臣 タバコはお説の通り、男子に對して百二十本を九十本に減らし、女子については三十本を十本に減らす。家庭配給を減らすことは事実です。しかしタバコの生産総量が、非常に戦時中よりも減つておるという事実であつて、前田さんのお話のように、税の収入を殖やすために、少々くらいのタバコをけちけちせずに、それは家庭配給と同じ値をもつて農村なり、勞働者にまわすという趣旨もごもつともであります。またそういつた税金を追求するよりも、新円に對する課税をもつと徹底的にやれ。特別利得税などの税金の取り方ももつと徹底しろというが、大蔵當局に聴いてみると、なかなか特別利得税あるいは新円の課税ということは技術的に困難であつて、財産税のごときも、まだ予定通りにいつていないという現状であるという。こう考えてみますと、先ほどのいわゆる勤勞所得税を大幅に引下げるということと、タバコの今の問題と、かたがた考えてみると、このいわゆる健全財政と称する収支のバランスをとるというだけの建前でいくことは、とうてい困難である。ここにおいて當然問題になるのは、そういつた収支の面を繕つていくところのいわゆる健全財政という方針を捨てて、刻下の生産増強に必要なものは、赤字公債を発行しても差支えないじやないか。こういう根本的な意見によつて、右をとるか、左をとるかという重大なる予算の危機というか、重大なるわかれ目にこなければならないということになるのでありまして、大蔵當局のいわゆる収支のバランスをとる健全財政の線でいつていいか。あるいはそういうことには若干赤字が出て、そうしてこれを公債で賄うというような新しい方針でやつていくべきであるか。そういつた非常に重大なポイントにいくのじやないか。こう考えるのでありまして、御質問の趣旨については、改めて閣議その他の機会において大蔵大臣と折衝したいと思います。
#36
○加藤委員長 尾崎末吉君
#37
○尾崎(末)委員 まず最初三つのことを國務大臣にお尋ねいたします。第一はきわめて急ぐ問題だと思いますが、まだ勞働省ができ上つていない今日でありますから、あるいは厚生省の所管に属するかもしれませんが、第一の問題は、現在勞働教育という點について、どういうようなことをやつておられるかということがその一つであります。それからこの勞働省設置法案の全體を眺めてみまして、いかにも勞働者のみに偏した行き方が多いように現われておる。またその第一条にあるところの「政府は、勞働者の福祉と職業の確保とを図り以て経済の興隆と國民生活の安定とに寄与するために」というこの「経済の興隆と國民生活の安定とに寄与するために」というこれに該當するところのものが、全體を通覧してほとんどないようであります。わずかに第五条の三の「勞働に関する啓蒙宣伝に関する事項」というのが、いささか関係があるかと思われることと、第六条の二の「産業安全に関する事項」というのと、第八条の一の「その他勞働需給の調整に関する事項」という、このくらいの程度であつて、その他は第一条の「経済の興隆と國民生活の安定とに寄与する」ということに該當するものは、全體を通覧してもほとんど現われていないのであります。でありますからこういうふうに考えてみますと、あるいは政府の方で近き将来において、資本省とでもいうべきものを、さらにつくられる意図をもつておられるのではないか。こういう感がするのであります。というのは憲法第十四条を見ましても、やはり國民のすべては平等に政治的、経済的、あるいはまたその他の方面における社会的関係において、差別されない権利を有するということが規定されておるのでありまして、そういう観點から眺めてみますと、今申しますような勞働者のみに偏したようなことが多過ぎるということから考えて、これは決して皮肉な質問ではないのでありますが、将来あるいは資本省というようなものをつくるお考えではないかと思います。しかし一體役所を殖やすとか官吏を殖やすということは、いまさら申し上げませんでも、國家権力をよけい握るということである。國家権力をよけい握るということは、封建的となつてくることでありまして、民主主義ということとおよそ反對の方向に向かうものであります。しかしながらこの勞働省の問題は、石炭の國管問題などと違いまして、なければならない事柄でありますから、あえて反對はいたしませんが、今申しましたこの點についてのお考えを伺いたいのが第二點であります。
 もう一つは、この全體の中を幾たび眺めてみましても、勞働教育に関するところの何らの規定がないだけではなく、勞働教育という文字さえも見當たらないのであります。こう考えてみますと、この勞働省を設置するというその基本的な観念において、大きな欠陥があるのではないかと私は見るのであります。今日の通弊といたしまして、いろいろの政治家や政党の方々が、國民の好きそうなことがあれば、実現ができると否とにかかわらず、いろいろなものをあげて、こういうものをもつて政治をやるのだということを唱えておるようでありますが、一體政策というのはいくらたくさん羅列いたしましても、その政策の実現は困難である。一軒の家を建てるにしても、いくら材木をたくさんもつてきても家は建たない。それには家の設計が必要であります。政治を行うには政治を行うための構図が必要であります。その構図はもちろんのこと、すべての方面に関する一番基本となるものは教育でなければならぬ。その勞働教育という重大なことが抜けておるということは、この法案の全體の中に魂もなければ、基本もないような感じがいたしておるのであります。でありますからこの勞働教育を行うというのには、どういうやり方であやりになるのか。あるいはまた全然教育の方面のことは文部省にでもお任せになろうというのであるか。その點を伺いたいのであります。先刻も國務大臣が申され、片山首相もしばしば言つておられますように、今日の重要な二つの問題は、食糧問題と勞働問題だと言われております。まことに御同感でありますが、今日産業復興のために、あるいは三箇年計画、あるいは五箇年計画というものを立てるというのでありますならば、これに欠くべからざるところの勞働の三箇年計画、五箇年計画というものを立てなければ、とうてい産業の復興を期することはできないと私は思つておるのであります。でありますから、この法案の中に勞働教育に関する事柄が設けてない、その文字さえも見あたらない、こういうことはどういうわけなのか。一體これは米窪國務大臣がおつくりになつたのか、その他の方がつくられたのか存じませんが、まず最初にこの三點をお伺いいたしたいのであります。
#38
○米窪國務大臣 勞働教育に関する御質問からお答えします。なるほどこの法案の中に教育という文字はないのでございますが、第二条の勞働大臣はどういうことをしなければならぬかという、この職責のところに勞働に関する啓蒙宣伝という言葉を使つております。またこれに對応して第五条の第三項に、勞働に関する啓蒙宣伝に関する事項があるのでありまして、教育という言葉を使わないから教育事業を軽視している、勞働者を顧みないのだ、そういうわけにはわれわれは解釈しておらないのであります。いわゆる勞働に関する啓蒙宣伝をやるということは、勞働者に對する教育をわれわれがイニシアをとらなくとも、ともかくもそういうことに對して勞働省は、決してこれを等閑視しておらないということで御了解を願いたい。今日勞働教育に對してどういうことをしているかという実情については、その担當者である勞政局長から私のあとで御説明をさせます。
 以上が御質問の第一と第三の點でありますが、第二の點については、法案では勞働者の保護とか、あるいは何とかかんとか勞働者に関することばかりきめているが、産業であるとか、経営であるとかいうようなことに触れておらぬじやないか、政府としては資本省というものでも作る考えがあるかどうかというお尋ねであつたのでありますが、政府はそういう考えはもつておりません。これについてはすでに商工省なりその他、そういう方面を取扱つておる省がすでにあるのであります。改めて資本省などというものを作る意思はありませんし、また必要を認めないのであります。
 それでは第一条において、いわゆる経済の興隆云々ということを言つておきながら、なぜこれにあてはまるような条文が出ておらないのかということについてお答えいたします。今日の日本の経済状態は、私本法案の提案趣旨の御説明のときにすでに申し上げたり通り、資金の面において梗塞し、資材の面において底をついて、いわゆる物の面から見たときに、今日の経済復興ということはなかなか困難である。ここにおいてただ残された問題は、勞働方面において、すなわち勞働者の生産性を高揚し、勞働者の能率を高めるだけが唯一の打開の方法だと私は考えております。この點から言いますと、やはり勞働者にそのもつている能率を極度に出してもらう。あるいはその生産性に對する自覚をもたせるということは、ややもするとそれだけだと勞働者に難きを強い、犠牲を強要するものであるという非難が生まれるのでありまして、こういうことを政府が勞働者に望むためには、その裏づけとなるべき勞働基準法、あるいは勞働組合法によつてすでに確保されているところの勞働者の権利を政府が保護する。同時に勞務加配米、そういうような問題について政府が政策を立てなければならぬ。たとえば勞務加配米のごときは、従来は経済安定本部で立案をし、そうして関係官廳においてその切符の発行その他を取扱つておつた。あるいは物の支給等も地方官廳でやつておつた。こういうぐあいで各官省にまたがつてまちまちだつたものを、勞働省ができる場合には、勞働省においてこれを一元的に統括していくということに考えられるのでありまして、勞働省設立の意義はそういう面から考えても必要ではないかと考えているのであります。今日の経済状態とにらみ合わせまして、勞働者の生産性高揚こそきわめて重要である。それを裏書するには、勞働者が憲法によつて、あるいは勞働憲章によつて認められたところの権利をわれわれが保護していかなければならない。そのとき初めて勞働者の生産性の高揚ということが期待できるのじやないか、こういう意味においてこの勞働省設置の法案なるものができた。こういう點に御了解を願いたいのであります。勞働者の教育の実情については勞政局長から御説明いたさせます。
#39
○吉武政府委員 私どものやつております勞働教育についてお答え申し上げます。勞働教育の重要なことはお話の通りでございまして、私どもも十分考えているところでございます。ただ紙が不足でございまして、思うような宣伝啓蒙ができぬことをはなはだ遺憾に思つております。
 まず第一にやつておりますのは、「週刊勞働」という新聞を発行いたしまして、ウイークリーとして出しております。これは各府縣を通じまして組合その他に流しているのであります。
 次には各種のパンフレツトを出しております。民主主義、勞働組合とはどんなものであるか、あるいはアメリカにおける勞働協約の模範的なものはどういうふうになつているか、その他勞働組合法、あるいは勞調法、基準法等の各種の勞働法制の解説書等を出しております。
 それから次には各種の講習会を中央及び地方で開いております。これはさしあたり勞働関係に従事いたしております職員が相当の数に上りますので、それらの職員を對象として進めております。しかしながらこれは単に職員ばかりでなく、一般の民間の方々につきましても、いろんな勞働法制その他の講義を進めていきたいと思つております。
 そのほかには、各主要都市で勞働教育大会を開いております。これはG・H・Qの主催で行われておりますが、私どもも協力いたしまして勞働教育に重點を置いてやつているようなわけであります。
 なお各種の統計資料を作りまして、これを一般に公開しております。新聞はもちろんのこと、勞働関係の出版をいたしております所にはすべてこれを公開いたしまして、各種の勞働関係の雑誌に掲載をしていただくことになつております。
 なお中央勞働委員会等における審議の経過、または中央勞働委員会から出しております週報をもちまして、これまた各地方及び組合等に流しております。
 なお地方の勞働委員会の関係は、これまた地方で、全部ではありませんが、だんだんと週報を発行するようになりまして、お互いに情報の交換をしているような状況でございます。要は、もう少し大々的にやりたいのではございますが、何分紙が思うように入手できません。はなはだ不満足であることを遺憾に存じております。
#40
○尾崎(末)委員 大臣並びに局長の御答辯で、十分に了解ができませんので、重ねてお尋ねいたしますが、私は教育というものは徐々に、他のものをやりながら、後回してもいいじやないかというような考へ方には賛成できないのであります、ということは、先ほど申し上げました産業の復興にいたしましても、あるいは今日必要なりといわれております、行政整理を断行するにいたしましても、その前提をなすものはどうしても勞働教育でございます。この勞働教育というものを各方面にわたつて強力に推進しながら、その他のことを行うていかなければとうてい力強い施策は困難だと私は考えているのであります。今日の地方におけるところの各組合なんかの実情を見てみましても、先般炭鉱視察に行つてこられた議員の方々の御報告を伺つてみましても、石炭の國管問題にいたしましても、その他重要な問題にいたしましても、そういうことを知つている勞働者というものはほとんどない。三人か四人の上の方に存在する――違つた言葉で言いますと、ボス的存在の人々の言いなりに将来動かされる危険があるが、とにかくそういう方面に對するところの教育、あるいは勞働関係の諸法規等のその精神等を知つている者が少いように私は聞いているのであります。そいうようなことではとうてい健全なる勞働運動ということも発達する気づかいはないのであります。さつき申しますように、産業の復興いたしましても、行政整理の断行にいたしましても、とうていこれを強力に行うことは困難ではないかと私は思うのであります。さらにまたお気づきであるかどうか知りませんが、私の研究いたしているところの範囲内では、最近地方における組合の中にいわゆる組合自身が行つている教育、その教育の内容というものが大きな組織的なものではありませんが、いわゆる潜在的にやつている教育のやり方というものが、資本主義を否定するような教育を行つているところの傾向を私は各所に見ているのであります。でありますからこうした事柄の行われております際に今申しますような新しい観點からするところの勞働教育というものが等閑に付されておりましては、とうてい今日の日本の再建は困難ではないかと思うのであります。重ねてその點の御答辯を伺いたいと思うのであります。
 それからいま一つは、この新しい勞働省をおつくりになりますにつきまして、先ほども他の委員からも御質問があつたようでありますが、一體官吏というものが新しくどのくらい採用されることになるのか、他の省から局部が移つてくるとしまして、その他の新しい官吏の数がどのくらいの数に達するのか、その大體の数をお伺いいたしてみたいと思うのであります。まずその二點を伺いましてその次の御質問を申し上げます。
#41
○米窪國務大臣 第一點の、勞働教育は後回しにしているのではないかという御説ですが、先ほど勞政局長の御説明によつて大體つきていると思いますが、決して後回しにしているのでなくて、むしろ勞働省としては、現段階においては勞働者に對する教育というものが最も重要であると考えているのでございます。ただいま吉武局長が御説明したようなああいつた従来のやり方へさらに新工夫をこらして、もつと勞働団體の下部まで徹底するような方針をとりたいと思つております。ただ現在のわれわれの考え方では、勞働者に對する教育はやはり勞働組合の自主性というものを尊重しまして、勞働省がこういう教育方針でなければならぬという画一的な方針をとりたくない、こういう観念、従つて御指摘のように、ある地方においては資本主義を否定するようなことを研究している団體もあり得るでしようし、共産主義ではいけないということを研究している団體もあり、あるいは共産主義でなければならないということを研究している団體もあるでしようが、これは日本の今日の経済実情からみて、その教育の結果が先ほどたびたび申し上げる通りに、生産増強と反對の方向に走る場合においては、勞働省はこれに對して相當の制約を加え、また、結果において治安を乱すような場合においても、當然これは勞働省あるいは関係者において考えていかなければならぬ。こういうぐあいに考えております。
 第二の點の、現在の勞働省の厚生省からきた三局はどのくらいな役人の数であるかということ、並びに新たに加わる官房及び二局は、どれくらいの人間を要するかということについては、目下正確な数字を発表するまでにまだ準備その他が成案を得ておりませんが、大體の概数の點でよろしければその係をして申上げさせます。
#42
○尾崎(末)委員 概数で結構です。
#43
○吉武政府委員 実はまだ予算が関係方面とも折衝中でございますので、概数と申しましても、ちよつと申上げかねる事情がございます。一両日中には目鼻がつきますので、その機会までお待ちいただきたいと思います。
#44
○尾崎(末)委員 私が先ほど伺つたこと以外に、ぜひともやつていただきたいと申しますことは、画一的の教育をやつてもらいたいというのではないのであります。やはり地方の組合なり、府縣廳なり、その他のところと組合等と話し合いまして、さつき申しますような重要な問題等についてその教育を勞資双方、もしくはこれに官廳等も適當な方法で介在しても結構でありますが、そうした自主的にやつていくところの教育、そういうものの教育を始めるような斡旋、そういうところから急いで始めていかなければいけないじやないか、こういうのが私のさつき伺つたこと以外に考えておるところの急いでやる勞働教育のいき方だと、こういうことを申し上げたのであります。
 それから勞働教育の問題の大體の結論をとりたいと思うのでありますが、先ほど来申しましたように、健全なる勞働運動の発達は、どうしても體力的に改善をはかるということが一つ、第二に精神的に改善をはかるということが一つ、この二つなくしてはどうてい勞働運動というものは健全に発達をし得ないということは申すまでもないのであります。でありますから冒頭に申しましたように、この勞働教育ということに関しては、どうしても勞働省の中に勞働教育局とでもいうような強力なものをつくつて、そこにおいて今申しますような體力的の改善、精神的の改善、體力的と申しましてもとうてい衛生や栄養等をもつて體力を改善するわけにいきません。ここに體育というものが出てまいらなければ體力の十分なる改善はできないのでありますから、省の中に得に勞働教育局というような強力なものをつくつて、省そのものの一番強い力をここに集めていく。こういうことをおやりになることが必要だと思うのでありますが、それだけの御用意があるかどうか、こういうことを私は特に伺つてみたいと思うのであります。近く貿易も再開されるといつておりますが、貿易が再開をされましても、勞働教育に對するところの、勞働者自身が物をつくるのに、自身のために自身がこれをつくるのだ、そうしてこれが自身のためにもなり多数の民衆のためにもなるのだ、そこにみずからが反省をするところまでいかなければ到底貿易の振興も困難だと思うのであります。粗製品をつくり、高い品物をつくつて出しておつては、とうてい貿易は成立たないのでありますから、そういう點から考えてみましても、この教育というものは非常に大きな力をもつ、影響をもつのでありますから、省の中に勞働教育局というものをぜひともおつくりになる必要がある。その御用意があるかどうか、こういうことを私は特にお伺いをいたしておきたいと思うのであります。
#45
○米窪國務大臣 お答えします。勞政局の中に現在勞働教育課という課があつて、主として御指摘のような勞働教育、啓蒙、宣伝についての事務をとつております。また今度新たにできる局に勞働統計調査局というのがございまして、この課と局は若干御趣旨に副うような點において関連があるのでございまするが、現在のところでは、この勞働教育課を局に昇格する考えはないのでございまするが将来御指摘のような點がだんだん重要性を増していく場合においては、これは特に局を設ける可能性があるいは出てくるのではないかということが想像される。以上をもつてお答えといたします。
#46
○尾崎(末)委員 これで打切ります。
#47
○加藤委員長 それではこれで散会いたします。御苦勞様でした。明朝やはり十時から開会いたしますから、どうぞ皆さん暑くても御出席くださるようにお願いいたします。
    午後零時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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