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1962/03/28 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第14号
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1962/03/28 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第14号

#1
第043回国会 運輸委員会 第14号
昭和三十八年三月二十八日(木曜日)
   午後一時四十一分開会
    ―――――――――――――
委員の異動
 三月二十八日
  辞任      補欠選任
   小酒井義男君  永岡 光治君
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     金丸 冨夫君
   理事
           天埜 良吉君
           谷口 慶吉君
           天坊 裕彦君
           岡  三郎君
   委員
           井野 碩哉君
           江藤  智君
           河野 謙三君
           平島 敏夫君
           村松 久義君
           吉田忠三郎君
           浅井  亨君
           加賀山之雄君
           中村 正雄君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 綾部健太郎君
  政府委員
   運輸大臣官房長 廣瀬 眞一君
   運輸省海運局長 辻  章男君
   運輸省船員局長 若狹 得治君
   運輸省航空局長 今井 榮文君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       吉田善次郎君
  説明員
   郵政省電波監理
   局航空海上課長 三枝  豊君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○船舶職員法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(金丸冨夫君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 初めに、委員の異動について報告いたします。
 本日付をもって委員小酒井義男君が辞任され、その補欠として永岡光治君が委員に選任せられました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(金丸冨夫君) 前回に引き続き、質疑のあります方は順次御発言を願います。
#4
○中村正雄君 委員長ちょっと速記をとめてほしいのですが。
#5
○委員長(金丸冨夫君) 速記とめて下さい。
  〔午後一時四十三分速記中止〕
  〔午後二時三分速記開始〕
#6
○委員長(金丸冨夫君) 速記を始めて。
 質疑のあります方は順次御発言を願います。
#7
○中村正雄君 船舶職員法の一部を改正する法律案の提案理由を見て参りますと、船舶通信士について需給状況の逼迫ということが一つの理由になっておりますが、この需給状況というのを一ぺん説明してもらいたい。
#8
○政府委員(若狹得治君) 船舶通信士の需給の問題でございますけれども、毎年大体三百名程度の新規需要があるわけでございます。商船関係の新規需要があるわけでございます。これに対して、電波高等学校の卒業生で海運界に就職する者は、大体年間六十名程度という状況でございまして、現在の海運会社の需給の調整というものは、非常に窮屈になっておるわけでございます。具体的に申しますと、予備員というものがございますが、予備員率が、航海士、機関士等につきましては、大体二五%程度の予備員が陸上に待機いたしておる状況でございますけれども、船舶通信士につきましては、約一〇%程度の予備しかないわけでございます。これは、病気中の者がございますし、非常な逼迫の状況でございます。したがいまして、各社でこれを相互融通して、とにかく何とかやりくりをやっておるという状況でございます。
#9
○中村正雄君 そうしますと、現在の船職法にきめられておりまする人員を乗船さすとすれば、今後の新造船の場合は困ると、こういう需給の状況ですか。
#10
○政府委員(若狹得治君) 新造船は、新しいりっぱな船でございますので、希望者は比較的多いわけでございますけれども、現在一番需給逼迫を来たしておりますものは内航船舶でございます。こういうところの通信士の獲得が非常に困難を来たしておるという状況でございます。
#11
○中村正雄君 需給の状態について、一級の無線通信士と二級の無線通信士では、どういう内容に相違がありますか、需給状況について。
#12
○政府委員(若狹得治君) 現在海運会社におります通信士の級別の状況は、甲種――一級通信士でございますが、一級通信士のほうが定員より相当オーバーして、大体定員の二倍程度の人間がおるわけでございます。それから二級通信士のほうは、定員よりも不足しているという状態でございますけれども、一級通信士が二級通信士の職をとっておるというような状況でございますので、そういうような状況で調整されておるわけでございます。
#13
○中村正雄君 そうしますと、甲種通信士が乙種通信士の代用になっておるというのが現在ですか、需給の関係で。
#14
○政府委員(若狹得治君) 約半数程度のものは、そういうような状況でございます。
#15
○中村正雄君 そうしますと、この法案が成立した後においては、どういう需給状況になりますか。
#16
○政府委員(若狹得治君) 法案が成立いたしますれば、乙種の通信士のほうが過剰になって参るわけでございます。それから甲種通信士のほうは、現在過剰の者が順次新造船その他に入っていくということになるわけでございます。ただ、長期的な見通しのもとでは、通信士全体としてはやはり不足でございますので、乙種の通信士を再教育いたしまして甲種の免状をとらせるというような措置をとる必要があるかと考えております。
#17
○中村正雄君 この法案が通りますと、経過規定では二名、次には一名になるわけですが、私は、そうなった場合、甲種通信士が非常に不足してくるのじゃないかと思うのですが、その見通しはどうですか。
#18
○政府委員(若狹得治君) 先ほど申し上げましたように、二年目までは現在の過剰人員でもって甲種通信士は処理できる。三年目以降非常に不足して参りますけれども、乙種通信士が一年目、二年目と余っておる状況でございますので、それを再教育することによって需給関係は調整していけると考えております。
#19
○中村正雄君 再教育というお話がありましたが、言葉の上では再教育という言葉で解決できるかもしれませんが、実際四十過ぎた乙種の通信士を再教育によって甲種に合格できるというような見通しその他はありますか、どうなんです、今までの例からいって。
#20
○政府委員(若狹得治君) 現在の一級、二級の免状制度というものは、非常に試験がむずかしいという声を聞いているわけでございます。衆議院でもこの点が非常に問題になりまして、郵政当局というものも再検討するということを申しておりますけれども、われわれといたしましても、現在の甲種、乙種の区別というものは、実情以上にむずかしい試験になっております。海上において乙種の船舶通信士として相当年数経験を経た者は、海上通信は十分これを処理できる能力があるようにわれわれは考えますので、今後の試験制度、それからそれに付随する免状制度というものについて、この際根本的に考え直してもらいたい、経験というものを十分生かした制度にしてもらいたいということをわれわれとしては考えておるのでありまして、今後そういう方向であらゆる努力をして参りたいと考えております。
#21
○中村正雄君 希望なりお考えはいいわけですが、これは電波法の関係になるかもわかりませんが、これについてはしかし、具体的な策がないと、この点だけから考えても、提案理由にあります需給状況の逼迫というのは何ら緩和されなくて、今度は反対に問題が起きるというような状態になるのじゃないかと思いますが、具体的な緩和策というのはどういうことをお考えになっておりますか。
#22
○政府委員(若狹得治君) 先ほど申しましたように、郵政省においても早急に再検討して、現在の免許制度というものに再検討を加えまして、実情に合うような方法に改めるということを申しております。われわれはそれを努力すると同時に、現在の乙種通信士で過剰になって参りますものについては、船主団体及び労働組合等と十分連絡をとりまして、その再教育について必要な援護を行なうということを考えておるわけでございます。
#23
○中村正雄君 これは船員局長に聞いても、これは郵政省の所管ですから、わかりませんから、私の質問中に、郵政省の所管の責任者に具体的な緩和策を聞きたいと思いますので、当委員会へ呼んでいただきたいと思います。それで、この問題はあとへ保留いたします。いいですか。
#24
○委員長(金丸冨夫君) 手配をいたしましょう。
#25
○中村正雄君 これは大臣でも局長でもいいわけですが、今度の法案のこれまた改正の理由の一つに、このように定員を減ずる一つの前提として、船舶内の設備の改善、陸上の設備の増強ということが前提になっていると思うのですが、これに対しますひとつ計画を御説明願いたいと思います。
#26
○政府委員(若狹得治君) 具体的には、海岸局の設備の増強の問題があるわけでございます。現在海上から通信を送ってくるわけでございますけれども、日本の海岸局が非常に繁忙であるために、通信の疎通に非常に時間がかかるという状況でございますので、将来この経過期間の間に海岸局の整備増強を行なうということで、郵政省及び電電公社と十分の約束をいたしておるわけでございます。
 なお、船舶自体の施設につきましては、現在自動受信機、あるいは気象頭脳、模写放送というような施設をできるだけ奨励いたしまして、それによって人力をできるだけ省くというような方法で考えていきたいと考えております。
#27
○中村正雄君 前々国会でも御説明を聞いて、幾分記憶に残っているわけですが、船舶内の設備の改善についても、現在の三直制を一人にするということについて、大体今度衆議院の改正によれば、三年を四年――一年経過規定を延長しているわけですが、この四年間にすべての船舶について三直制を廃止して一人にするということで、海岸局その他のことは別にして、船舶内部につきまする設備については完成する見通しがあるわけなんですか。
#28
○政府委員(若狹得治君) 船舶内の設備の問題と、四年後に一名にするという問題とは、必ずしも直接の関連はないわけでございまして、今度の提案というものは国際水準に合わせるということが主眼であるわけでございます。ただ、現実の問題といたしましては、現在のわが国の船舶通信士が、単に通信の仕事だけではなしに、他の部門の仕事もやっておるわけでございます。具体的に申しますと、船内の文化活動というような面の仕事もやっておるわけでございます。そういう面と総合的に処理して参りませんと、ただ通信の量が何通あるからどの程度の人間でいいというように簡単には労働問題としては割り切れないというようにわれわれは考えているわけでございます。したがって、そういうものと総合的に今後考えていかなければならぬ。ただ、一人になってそれでいいのかどうかという問題は、単に通信量からだけ考えるならば、諸外国の現在行なっていると同じことでございますので、私は問題はない。しかし、そういうことだけでは問題は割り切れないのではないかということで、われわれといたしましては、現在運輸省の設置法の改正もお願いいたしておりますけれども、こういう制度について根本的に考えていこう、船内の労働問題全体について根本的に考えていこうということで、海技審議会というものを設置していただきまして、今後審議を重ねていきたいと考えているわけでございます。
#29
○中村正雄君 労働の量の問題もありますが、三名がいいか、一名がいいか、二名がいいかという問題は、仕事の量よりも、私は時間の問題だろうと思うのです。いわゆる船舶が昼夜運航しているわけですから、昼夜運航している船舶について、最終段階では一名にする、こういう内容になっているわけですから、一名では負担にたえないような業務量があるかどうかということよりも、時間的に留守にした場合でも航行の安全ができるかどうかということの私は問題だろうと思うのです。そういうことについては、やはり現在の船舶内の設備で何ら懸念はない、こういうふうにお考えになるわけですか。
#30
○政府委員(若狹得治君) 航行の安全という面から見ますれば、通信士の仕事といたしましては、たとえば気象通報のとき、あるいは航行警報の受信というような問題があるわけでございます。こういう点については、一名の通信士でもって十分処理できる問題であるというふうにわれわれは考えております。
#31
○中村正雄君 業務量でなくて、私は、一名で二十四時間起きているわけでないわけですから、したがって、そういう時間的な問題で、現在の設備で八時間なら八時間勤務して、あとは十六時間休むというのであれば、十六時間は通信士がいなくても航行の安全その他について現在の設備で支障がないかどうかということをお聞きしているわけなんです。
#32
○政府委員(若狹得治君) 航行警報、気象通報等、一日数回、船側の便利というものを考えまして、繰り返し通信されているわけでございますので、八時間の問にその資料を十分取り得る状況でございます。したがって、八時間の聴守ができれば、それで航行の安全に支障が起こるというような事態は私は考えられないと思います。
#33
○中村正雄君 そうしますと、現在設備においても三名は必要ないのであって、一名あれば問題ないというふうにお考えなんですか。
#34
○政府委員(若狹得治君) 先ほど申しましたように、現在の通信という点だけから見ますれば、そういうことでございますけれども、必ずしも通信だけの問題というふうに実際問題は割り切るということは非常にむずかしいんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
#35
○中村正雄君 それはどういう意味ですか。
#36
○政府委員(若狹得治君) 先ほど申しましたように、現在の通信士の仕事量という面から見まして、法律の問題とは別でございますけれども、他の部門の仕事をいろいろ現在行なっているわけでございまするので、ただ単に一名でいいとか、三名必要であるかということを法律の問題を離れて申し上げても、無理ではないかというような気がいたすわけでございます。ただ、法律の問題といたしましては、実際の通信量というものだけを基準に考えるわけでございますので、当然われわれの提案いたしておりますような結論になるというふうに信じているわけでございます。
#37
○中村正雄君 船舶内部の問題は、あとで具体的な質問をするとして、もう一つ前提になっております外部の状況の問題、言いかえれば、海岸局の増設、拡充等の問題でありますが、これは一応四カ年――政府案は三カ年が経過規定になっているわけですが、三カ年に大体完成するということでこういう提案をなさっていると思うわけなんですが、三カ年間の年度計画をお示し願いたい。
#38
○政府委員(若狹得治君) 郵政省及び電電公社との協議によりまして、三カ年間に必ず必要な海岸局の整備を行なうということになっておりますけれども、具体的な計画につきましては、電電公社なり郵政省からお答えできると思います。
#39
○中村正雄君 運輸省のほうではわからぬのであれば、ひとつ関係省から年度計画の御説明に出席を要求いたしたいと思います。
#40
○委員長(金丸冨夫君) 中村君に申し上げますが、郵政省の電波監理局の三枝航空海上課長がお見えになっておりまするから……、よろしゅうございますか。
#41
○中村正雄君 では、先の件の御説明を願います。
#42
○説明員(三枝豊君) ただいまの海岸局の整備関係につきまして、電電公社の計画につきまして伺いましたことをお答えいたします。
 改正案実施の場合は、おおむね四波程度の増波が必要でございますが、これに要する経費、要員は、増設費が二億円、年の経費が約六千万円、それから要員増が約十五名であり、これに要する工事期間は周波数増波指定を受けてから約二年間であります。
 なお、これが予算的な措置については、昭和三十八年度の予算にも、また五カ年計画の中にも、含まれてはおりませんが、この法案が制定の暁には、経過四年間の間に十分措置できるものと考えられます。
#43
○中村正雄君 今の御説明によりますと、設備費が二億円ですか。
#44
○説明員(三枝豊君) そうであります。
#45
○中村正雄君 二億で、海岸局の増設その他は要らないわけですか。現在の既設の個所について設備を増強するというだけでいいわけですか。
#46
○説明員(三枝豊君) さようでございます。現在電電公社の短波の海岸局は長崎と銚子にございますが、その両海岸局に周波数を増波する座席を設けるということで二億円を要すると、こういうことでございます。
#47
○中村正雄君 それで大体海岸局の増強関係は完全になると、こういうお見通しですか。
#48
○説明員(三枝豊君) さようであります。
#49
○中村正雄君 それから、先ほど質問が保留になっております通信士の試験緩和の問題は、担当はどなたですか。
#50
○説明員(三枝豊君) よく御質問のことを承知しておりませんけれども、一級の通信士の試験がむずかし過ぎるという御質問でございますれば、これはその受験者の見方によるものでありまして、試験が必要程度以上にむずかしくしてあるかということはございません。現在電波科学というものは非常に進歩しておりますし、船に搭載しておりますいろいろの無線機器も多種多様なものがございますので、これに対応する技量、知識を求めるためには、現在やっておる程度の試験程度が必要であると考えます。
#51
○中村正雄君 私の質問しておるのは、この計画が、法律が実施される場合は、乙種の通信士が過剰になってくる。で、甲種の通信士が不足してくるという状態が予想されるという船員局長の答弁があるんです。したがって、そうなって参りますると、現在の乙種の資格のある人を再教育して甲種の資格をとるようにやる、現実においては、船舶の中においては、乙種であって十何年もやっておる人は、仕事の上においてはやはり甲種と同じような能力も経験も持っておる、試験は非常にむずかしいから、甲種にいくことは非常に困難だ、したがって、試験制度について、そういう点を考えて緩和することを現在考慮しておる、こういう答弁であったので、具体的にどういうふうに緩和されておるか、緩和の策を考えておられるかということは、運輸省ではわからないので、郵政省関係の主管の政府委員がやってきて答弁しますと、こういうことで来ていただいたので、運輸省のほうの答弁とあなたの答弁とは全然違う答弁になっておるわけです。
#52
○説明員(三枝豊君) 私は、先ほどは、現在行なっておる試験がむずかしいのじゃないかということの御質問のように伺いましたから、お答えいたしましたけれども、今の御質問のように、現在、この法律が通りますと、確かに二級通信士がそうたくさんは要らなくなるということで、二級通信士を一級通信士にするために、まあいろいろ考えられますことは、試験の程度を軽くするということでなくて、実歴等を考慮した何か一つの制度を考えるというようなことも考えられますと思いますので、四カ年の経過期間中にその点について十分検討いたしたいという方針でございます。
#53
○中村正雄君 いや、先ほどの御答弁と今の御答弁は相当違っておると思う。私は試験がむずかしいとか何とかいうことを言っているわけじゃないので、今度は甲種が非常に需要に対して供給が少ない、需給が見通しとしてはやはり逼迫するんじゃないか、現在以上に。現在余っておるそうです、船員局長の言によれば。ところが、もう四十を過ぎ五十に近い人で十何年も乙種をやっておる人が甲種の資格をとることは、非常に困難だ。しかし、そういう問題については、やはり需給等から考えて、甲種の免状をとることについての再教育をやると同時に、やはり試験の緩和策を今考えておる、こういう御答弁であって、最初のあなたの答弁は、これは当然だ、緩和策は考えられない、こういう御答弁であったわけですが、どういうふうに緩和策を考えられるか。四年間で考えるよりも、この法律が通ったら一番に、乙種の人はあすからどうなるだろうという不安を感ずるわけだから、やはり法律を出す場合には、乙種の人を甲種にするためには、こういう緩和策を、試験制度を考えるんだという具体策がなければ、私は納得できない。その具体的な緩和策を僕はお聞きしておるわけです。それであなたに来てもらったんです。
#54
○説明員(三枝豊君) 具体的な緩和策につきましては、まだ策定したものはございませんけれども、現在私のほうで管理しております法人で、日本無線通信協会というのが、二級から一級または三級から二級へのレベル・アップの再教育をいたしておりますので、こういうもので十分に再教育をするということも一方でありますし、さらに制度としては、選衡検定というふうなものも、戦前はそういう制度がございましたので、今後それを検討する用意はあるということでございます。
#55
○中村正雄君 では率直にお聞きしますが、運輸省のほうから郵政省に対して、こういう事態になるから緩和策を考えてもらいたいという要請がありましたかどうですか。
#56
○政府委員(若狹得治君) 現在の需給関係は、先ほど申しましたように、甲種の通信士が定員より相当オーバーして現在働いておるわけでございます。乙種の通信士のほうは定員よりも非常に下回った状態でございますので、今後の需給関係といたしましては、直ちに問題とならないわけでございます。ただ、先生がおっしゃいますように、来年度は何とか甲種はそれでまかなっていけるかもしれませんけれども、再来年度程度になりますと、もう甲種の不足が出てくるわけでございます。乙種のほうも同時に不足して参りますけれども、これは経過期間が終わりますと非常に需要が少なくなるわけでございますので、その期間の間に再教育をどうしてもやっていかなければならぬ、あるいは免状の問題を解決してもらわなければいかぬということで、われわれといたしましては、今後郵政省と十分連絡をとりながらやっていきたい。この問題については、前から常に甲種の試験はむずかし過ぎるというような声はございましたし、また郵政省におかれましても十分そういう事情は知っておられたわけでございますので、われわれといたしましては、この問題を契機といたしまして、今後できるだけの努力をして参りたいと考えておるわけでございます。
#57
○中村正雄君 この法律を提案なさったのは、今回初めてと違って、二年前なわけなんです。したがって、局長の前の答弁は、それについては関係方面に要請してやってもらえるように努力をいたしておる、こういう話であったわけですが、両方の責任者の答弁を総合すると、運輸省のほうの一方的な考えだけであって、これが通った暁においてそういう要請をする、こういうふうにしか受け取れないわけなんです。そうしますと、年々の需給状況については、これは少なくとも船舶に関する限りにおいては運輸省が一番よく御承知のはずで、そしてこの法案が通ったらどうなるということも、私よりも専門的にあなたがよく御承知のはずなんです。二年も前から法案を出しておいて、そうしてそういうことは通ってからやる――これはあるいは四年の間に間に合うかもわかりません。しかし、現在の乙種の免状を持っている人で、そうして次に自分が不要になる、こういう人たちは、やはりこういう法律ができるときには、甲種こういう長年の経験を考慮に入れて甲種の免状をもらえる特例を作ってあるんだということでなければ、あまりにも私は不親切だと思うのです。したがって、この問題について、まあ委員会で何とかごまかしたらいいという答弁でなくて、私はもう少し、先の需給状況を考えた、親切な、僕はやっぱり行政措置を、法案が通るまでにしておくべきじゃないかと思うのですが、大臣はどうお考えになります。
#58
○国務大臣(綾部健太郎君) そういうことが万全であるかもわかりませんが、経過規定があるうちにそうすべく、せっかく根本的にも考えておるのが、運輸省の実態でございます。
#59
○中村正雄君 経過規定の中でおやりになるのも、その前におやりになるのも、私は同じことである。そうすれば、法律ができるまでに、もう立案されて国会に提案になって、もう二年もたってるわけなんですから、その間にそういう措置を、具体策をとるのは、当然じゃないですか。私は親切なという言葉を使いましたけれども、私は、当然な措置じゃないかと、現在の過剰になる乙種の人の立場を考えた場合は、法律が通って四年のうちに何とか考えますというあれじゃなくして、同じ考えるんであれば、考える意思があるんであれば、事前に具体策を樹立しておくのが正しい行政のあり方じゃないかと思うのですが、どうです。
#60
○国務大臣(綾部健太郎君) そのとおりに考えます。
#61
○中村正雄君 もう一つ、同じ航行安全について、局長でも大臣でもいいんですが、お尋ねしたいと思うのですけれども、現在国際水準に引き上げるということが提案理由の説明になってるわけで、外国は一人だから日本も一人でいいんだと、国際水準に引き上げようと、こういう御趣旨でありますけれども、日本の船舶は、私が申し上げるまでもなく、世界のあらゆる海域に就航しているわけで、一度内地の港を出ますと、無線通信の基地というものは、結局外国船のように海外にはないわけなんです。ところが、やっぱり欧米各国を見ますると、日本と違って、自国船の航行安全、これをはかるために、無線通信によってやっぱり船舶の動静を常時把握し、航行安全のためには情報通信とか救助体制というのが日本よりも進んでおると思うのです。ところが、わが国におきましては、そういう機構は全然ありませんし、海難の場合は海上保安機関として海上保安庁がありますけれども、海上保安庁の船舶の動静把握というものの能力、これは正確にはわかりませんけれども、大体日本沿岸から五十海里以内ぐらいじゃないかと思うのです。そうしますと、こういう状況のもとにおいて国際水準に引き上げるという、その三名を一名に減らす、それだけ引き上げておいて、ほかの体制――今二億円予算を作って海岸局の設備を増強すると、こう言っておりますが、日本の沿岸でなくて、世界の各地において、外国並みのそういう救助体制、情報交換の体制というものは一体どうなっているのか。
#62
○政府委員(若狹得治君) 船舶の現在位置等について海上の救難機関が十分にその状況を把握しているということも、たとえばアメリカ等ではそういう状況であるようでございます。もちろん相当海域は局限されておりましょうけれども、そういう状況であるようでございますけれども、船の遭難の場合の救助という問題は、世界的に相互援助ということを主体にした現在の国際条約、人命安全条約というものを根本にして現在船が動いているわけでございます。したがいまして、外国に参りまして、日本船がいかに通信設備を十分に装備いたしましても、それだけでは救難の体制というものは完全であるというわけには参りません。やはりその付近を航行している外国船舶が相互扶助の精神をもってこれを救助するということでございまして、それが海員魂といいますか、それの常識でございますから、そういうものを中心にわれわれは考えなければならないと考えておるわけでございます。
#63
○中村正雄君 船員のそういう気持はもう十分わかるし、また海難救助の場合は自国、他国を問わずやらなければならないのは当然のことでありますが、私の質問しているのは、外国においては、そういうやはり情報通信なり、救助の体制の一つの機関といいますか、そういうシステムができていると聞いておるわけなんです。ところが、日本の場合は、そういうものがない。ただ人の面だけ国際水準に引き上げるということは、私も専門家ではないからわかりませんが、航行安全という面から見て万全の措置とは考えられないわけですが、そういう面について運輸省としては今後何かお考えがあるかどうか、こういう点を僕は御質問しておるわけなんです。
#64
○政府委員(若狹得治君) 先ほど中村先生のお言葉の中にございましたけれども、日本の海上保安庁の行動半径は五十海里程度ということでございましたけれども、それよりも相当現在では、巡視艇の能力、あるいは航空機の能力というものもございますが、広い活動分野を持っておるわけでございます。ただ、現実の問題といたしましては、日本の海難の九五%程度は五十海里以内の海域において起こっておるという状況でございますので、こういう問題と並行いたしまして、海上保安庁の施設の拡充という問題は当然今後とも努力をしなければならないと考えておるわけでございますけれども、外国における遭難というような問題になりますと、先ほど申しましたように、世界的な相互扶助精神をもって処理していくということになると考えます。
#65
○中村正雄君 私も通信の専門家じゃないのでわからないわけですが、今のことに関連して、現在三直制をやって、常時航行中は無休の執務体制をとっているわけなんですが、これを一直制にして三分の一の執務体制にする、三分の二は結局執務体制を解除するということと、今申し上げました問題と、これはしろうと判断になるかもわかりませんが、関連して、完全な自動化ができればこれは別ですけれども、今のような機械設備で、結局あとの三分の二の空間というもので安全かどうかという点については、私は非常に疑問があるわけなんですが、この点ひとつ、しろうとにもわかるように、絶対に通信その他についても支障はないし、また安全率も支障がないということについて、一ぺん御説明願いたいと思うのです。
#66
○政府委員(若狹得治君) 先ほど申し上げましたように、船舶の航行の安全のために必要な航行警報あるいは気象通報というものは、一日数回にわたって繰り返されて送信されておるわけでございますので、八時間の時間内に十分これをキャッチすることができるわけでございます。したがって、そういう面から見まして、八時間の労働時間、聴守時間があれば、船舶の運行には差しつかえないとわれわれは考えておるわけでございます。
#67
○中村正雄君 そうしますと、その八時間というのは、たとえば午前零時から八時までというその八時間に短縮されて、そういう連絡があって、あとの十六時間は全然情報がない、こういうシステムになっておるわけですか。
#68
○説明員(三枝豊君) 気象とか航行者警報等の送信につきましては、大体世界の各国の船が一人乗っておりまして、その一人の通信士が勤務する時間というものが国際条約できまっておりますので、その時間に合わせて送るように各国ともやっております。したがいまして、その所定の時間を聞いておりますと、執務しますと、必要最小限の気象とか航行者警報が受信できる仕組みになっております。
#69
○中村正雄君 そうしますと、何時から何時までは――これは各地において違うかもしれませんが、たとえば零時から八時までという間に全部放送して、あとの十六時間は何もしないと、こういうシステムになっておるのですか。
#70
○説明員(三枝豊君) 船舶局の執務時間につきましては、世界を六地帯に分けまして、その各地帯の大体通信地区で、八時から十時、それから十二時から二時、四時から六時、八時から十時というふうな四つの二時間ずつの時間帯に分けて執務するように規定しております。八時間の一人の通信士の乗っております船。それでありますから、大体朝の八時から夜の十時までの間に、二時間の休憩を置きまして四回の二時間の勤務をする。その間に、新聞とか、それから航行者警報その他気象等をその時間帯に送るように各国が努力すれば、あらゆる一人の通信士の船がそういうものがわかる、こういう仕組みになっております。
#71
○中村正雄君 そうすると、外国のシステムは、八時間は休んで十六時間勤務する、その十六時間のうちの実際は八時間勤務して、八時間は二時間置きに休憩する、それで八時間勤務体制と、こういうシステムになっておるわけですか。
#72
○説明員(三枝豊君) そうであります。
#73
○中村正雄君 現在の日本の三直制は、どういうふうになっておるのですか。
#74
○説明員(三枝豊君) 三直制は、船の甲板部、機関部の三直制と同じような、零時−四時、四時−八時、八時−十二時の午前、午後になっております。
#75
○中村正雄君 現在の三直制なら常識的にわかりますが、実働八時間で拘束八時間、こういう勤務になっておりますね。そうすると、一人になる外国のシステムというものは、拘束十六時間、実働が八時間、こういう勤務体制ですか。
#76
○政府委員(若狹得治君) 拘束時間の考え方は船内ではとっておりませんので、これはむしろ二十四時間拘束ということであるかもしれませんけれども、陸上労働の場合と非常に違いまして、海上の場合には、まあいろいろな事態に応じて勤務時間を、船長の命令なり、あるいは各般の関係の時間の配分というものが行なわれておるわけでございます。
#77
○中村正雄君 これに関連して、昨年でしたか船員法が改正になりましたね。あのときに、船の中のお医者さん――船医、これを下船さしたところがだいぶんあるわけですね。実際船医が下船して、たとえば船内に急病人ができたような場合、これはやはり通信士によって応急措置を講ずる場合がたびたびあると思うのですが、それがこういうふうにもし法案が通って一人になった場合、そういう問題はどういうふうになりますか。
#78
○政府委員(若狹得治君) もちろん、船医の下船に伴いまして、乗船する場合の船員の健康管理ということは非常に厳重にこれを行なうということで指導いたしておりますけれども、航海中不幸にして病人が発生した場合には、当然内地の医療助言機関、内地以外でも世界的な医療助言の制度がございますけれども、それに通信でもって連絡して応急の措置をとるということになるわけでございます。しかし、これはまあ非常の事態でございますので、通信士の勤務時間外でありましょうとも、こういう通信は最優先に行なわなければなりませんと思っておるわけでございます。
#79
○中村正雄君 今までの御説明によりますと、これで何とかやっていける、こういう御答弁のわけですが、しろうと的な考え方かもわかりませんが、こういう体制になれば、船舶相互間の通信体制というものはやはりどうしても低下すると思うのですが、この点はどういうふうにお考えになりますか、低下いたしませんか。
#80
○政府委員(若狹得治君) 船舶相互間の通信関係で一番問題になりますのは、警急信号であろうかと考えるわけでございます。遭難の場合にSOSを発信する場合、これを他の船が聞いてくれないじゃないかというような問題が出てくるんじゃないかと思いますけれども、そういう問題につきましては、当委員会におきましても過去何回にも御質疑がございましたけれども、オート・アラームによってこれを補助することにいたしておるわけでございます。通信士が休憩いたしておる間は、当然オート・アラームによって警急信号をキャッチするということになっておるわけであります。
#81
○中村正雄君 この前の委員会でも、このオート・アラームについては、いろいろ質問もしましたし、答弁もあったわけですが、この機会に、実際その内容は専門ではありませんからわかりませんけれども、これは自動的なものではなくして、結局一言に言えばベルを鳴らすというにすぎないわけでして、人が全然いなかったらこれは何ら効果のないものなんですが、そういう面から考えて、私はやはり通信体制が低下すると思うのですが、この点はどういうふうにお考えになりますか。
#82
○政府委員(若狹得治君) 当然、オート・アラームはベルを鳴らすだけでございますので、通信士がやはり直ちに執務しなければ、他船の救助ということはできないわけでございます。したがいまして、一名の通信士がたとえば就寝中にオート・アラームが鳴る場合もございましょうし、勤務時間外にそういう執務をしなければならぬという人も出てくるかと思いますけれども、これは非常の場合でございますので、またこの回数が決して多いわけではないと考えられますので、やむを得ないのではないかと思います。
#83
○中村正雄君 私は、その航行安全という面から見ると、五年に一ぺんあるか、十年に一ぺんあるか、船の先例から見れば、一回あるか二回あるかわからない問題なんです。しかし、その何分の一の可能性があるか、何万分の一の可能性があるかというこのわずかな問題が、やっぱり海難の根本になるわけなんで、一つの私は保険的な問題だと見ているわけなんですが、そういうまあ保険的な問題を全然無視してやるということに一番危険を感ずるわけなんですが、どうお考えになります。
#84
○政府委員(若狹得治君) オート・アラームの性能が非常に発達しておりますし、またこれについては、過去三十年来外国において、外国船において十分使用の実績を重ねておるわけでございますので、この性能についてはむしろ問題がない。したがって、通信士が執務します時間以外の時間については、他船の救助という問題については、オート・アラームについてこれを代理させることになるわけでございますけれども、航行の安全という面からは疑問がないと考えるわけでございます。
#85
○中村正雄君 こういう統計はないと思いますが、あれば知らしていただきたいと思うんですが、この機械を据え付けておる船で、そうして通信士の休憩中にこういう問題があって、それで実際はベルの鳴らないこともあるかもしれないし、また鳴っても知らない場合もあるかもわかりませんが、そういう事例で、他船の救援等に支障を来たしたというような事例はないですか、どうです。
#86
○政府委員(若狹得治君) そういう事例は聞いておりませんけれども、オート・アラームが作動いたしまして、それを聞き漏らすというようなことはございません。これは通信士だけではなしに、ブリッジなり、通信長の寝室なり、こういうところにも同時にベルが鳴るしかけになっておりますので、聞き漏らすというような心配はございません。
#87
○中村正雄君 これは私の聞いていることで、あなたのほうに対する報告はどうかわかりませんけれども、実は現在日本船にも二百隻以上これを備え付けている船舶があると思うのですが、実はこれの管理といいますか、オート・アラームに非常に困っておるという話を船員から聞いているわけなんですが、その点はどういうふうにお考えになります。
#88
○政府委員(若狹得治君) オート・アラームはそうむずかしい機械ではございませんので、管理に因るというような状態はわかりませんけれども、毎日一回この性能を試験いたしまして船長に報告するというようなことになっていると思いますので、そういう点が繁雑であるというような御意見かと思いますけれども、他船の救助というような人道的な問題でございますので、あまりふだん用がないからといって、この整備をおろそかにするということは許されないのではないかと考えます。
#89
○中村正雄君 現在日本にも二百隻以上の船に備え付けてあると思うんです。たとえばこういうところでこのオート・アラームによって他船の遭難その他のことを知らされて救助に行ったりしたような例が、現在日本の船舶で二百何隻以上ついていると思うんですが、例ありますか、どうです。
#90
○政府委員(若狹得治君) 現在の日本は三直制をとっておりまして、すべて人間の耳で聴守いたしているわけでございます。したがって、オート・アラームを作動して、それによって他船の救助を行なうという仕組みに現在なっておらないわけでございます。したがって、われわれとしてはそういう資料を持っておらないわけでございます。
#91
○中村正雄君 現在日本船にはどのくらいついているのです。
#92
○政府委員(若狹得治君) 先生の御指摘のとおり、大体二百十数隻だと思います。
#93
○中村正雄君 これはどういう船舶に現在つけているのですか。
#94
○政府委員(若狹得治君) 千六百トン以上の船舶につきましては、現行法でも千六百トン以上五千五百トン未満につきましては二名の乗組員でございまして、八時間はオート・アラームによってこれを聴守するということになっているわけでございます。ただ、実際的な問題といたしましては、法律は二名の規定でございますけれども、三名の乗組員といたしまして、二十四時間執務を行なっているのが非常に多いような実情でございます。したがって、この二百十数機のオート・アラームは、千六百トン以上の船舶に取りつけておりますけれども、これを作動さしているというような状況は比較的少ないと考えております。
#95
○中村正雄君 そうしますと、現在二百十数隻に設置はしてあるけれども、全然これは使ってない状態なんですか。
#96
○説明員(三枝豊君) ここに資料がございますので申し上げますが、現在二百十隻つけておりますのは、貨物船では第一種の三人乗っております船に二十四台つけてあります。それから二種甲、二人の通信士がいる十六時間の執務を要求されている船に百四十三隻ついております。その他客船で、一種が二隻、二種甲が三隻、輸送船で一種甲が八隻、二種甲が二十五隻、計で、一種が三十四隻、二種甲が百七十一隻、二種乙が五隻、総計二百十隻という数字でございまして、第一種では三人乗っておりますので、事実上はオート・アラームは必要とはいたしませんけれども、積んでいるのでございます。
#97
○中村正雄君 そうしますと、三人乗っているところは、これは実際必要ないわけだから、つけてはあるけれども、使っておらない。二人のところは、これは八時間は使っているわけですか。
#98
○政府委員(若狹得治君) 八時間は使っているわけでございますけれども、先ほど申しましたように、三名の乗り組みを行なっているところが比較的多いような状態でございまして、一般的に五千五百トン以下千六百トン以上の船は八時間はこのオート・アラームによる、こういう法律的な制度にはなっておりますけれども、そのまま実施しているところは非常に少ないように見受けられます。
#99
○中村正雄君 そうすると、これはしかし、千六百トン以上五千五百トン以下で二人でもいいということになっているけれども、三人乗っている船舶が多いというわけなんですが、実際規定どおり二人しか乗っておらないという船舶はどのくらいあるのです。
#100
○政府委員(若狹得治君) 具体的な数字は今持ち合わしておりませんけれども、北海道方面に就航いたしております約二百隻程度の千六百トン以上五千五百トン未満の船舶があるわけでございます。そのうち――それはすべて二名の乗り組みでよろしいということに法律上はなっているわけでございますけれども、その大半のものが三名の乗り組みを行なっている。その三名の内訳につきましては、たとえば見習いが乗っているというような場合もございますし、法律的に必ずしも正規の通信士を乗せているとは限りませんけれども、そういうような状況で、これは二名だけでやっているというのは比較的少ない現状でございます。
#101
○中村正雄君 そうしますと、二百十何隻のオート・アラームをつけている船で、実際八時間この機械が動いているという船舶はどのくらいあるわけなんですか。
#102
○政府委員(若狹得治君) 先ほど申しましたように、現在のところは非常に少ないという状況でございます。
#103
○中村正雄君 現在は非常に少ない。おそらく、今局長のおっしゃるように、八時間これが動いておる船はそうないと思うのですが、そうすると、この機械の性能なり、効用なり、信頼性なり、そういうものに対しましてやはり資料その他はお集めになっておりますか。
#104
○政府委員(若狹得治君) 性能その他については、郵政省において検定を行なっておられますし、また実際問題といたしまして、ペルシャ湾まで船舶に乗船されてこの実験をおやりになったわけでございますので、郵政省のほうから説明を御聴取いただくようにお願いいたします。
#105
○説明員(三枝豊君) オート・アラームにつきましては、今船員局長が言われましたように、まず型式検定をしなければならないという法律事項になっておりますので、電波研究所の機器課において型式検定を行なっている。これは国際条約にきめられております規格に適合しているかどうかという型式検定でございます。
 それから、過去何回かオート・アラームの調査をいたしましたけれども、このたびまた、外国製品等との比較も考えまして、昨年十一月から十二月にかけましてペルシャ湾に、マッケーの機械と、マルコニーの機械と、それから日本の代表的な機械と載せまして、性能検査をいたしましたが、この航海中は、いわゆる問題となっております誤動作、不動作というものは一回もございませんでした。ただ、そういう今度の調査によりまして誤動作、不動作がなかったということで、オート・アラームは誤動作、不動作が絶対にないということにはならないと思いまして、やはり空電、混信等が事実上警救信号を構成した場合は、当然これは誤動作もいたしますし、それから空電や混信などのレベルが警救信号が出ているレベルよりも高い、上回っているというようなときには、実際上の警救信号が出ているにもかかわらず、オート・アラームが動作しないということはなきにしもあらずでございますけれども、今回の調査においては、最低レベルの、条約に定めてあります一番低い信号音についても動作をしているという結果が出ております。
#106
○中村正雄君 一応機械自体の性能についての検査は聞いておりますが、日本の船舶で、先ほどから御答弁にありましたように、二百十何隻つけておるけれども、実際八時間これによって通信士の代用をしておる船舶はわずかだと、こう言われておりますが、実際わずかな船舶で、現実にオート・アラームが動いておる実績から見て、どういう効能があり、また何ら支障がないかということについては、調査されたことがありますか、どうですか。
#107
○説明員(三枝豊君) 私のほうへは、各無線局から日誌抄録の報告がございますので、その中には、動作等につきまして、誤動作をしたとか、あるいは不動作があったというような報告も若干はございます。
#108
○中村正雄君 といいますのは、二百十何隻つけておるけれども、無用の長物なのが相当あるわけなんです。現在におきましては、通信士が三名乗っているのが大部分なんですから。したがって、二名しか現実に乗っていなくて、八時間この機械にたよっているという船舶が十隻あるのか二十隻あるのか存じませんが、おそらく御答弁によればわずかな数しかない。このわずかの数の実際の効果なり運用について調査なされたことがあるかどうかという質問なんです。
#109
○説明員(三枝豊君) 私のほうではいたしておりません。
#110
○中村正雄君 運輸省のほうは。
#111
○政府委員(若狹得治君) オート・アラームを付設いたしまして、急に最近これは二百数十隻にふえて参ったわけであります。これは従来は、電波法、船舶職員法によって三直制が義務づけられておりますので、こういう機械を据え付けても全く効果がないということで、日本船はほとんどつけておらなかったわけであります。昨年あたりから急激にふえてきたわけであります。その実績につきましては、したがいまして、まだわれわれのところでは資料を持っておらないわけでございます。
#112
○中村正雄君 機械の性能その他の個別検査については、これは技術上のことでございますから、郵政省のほうで、機械自体に対しまする問題については、検査もなさるし、わかると思うのですけれども、これを通信士の代用として船舶に備え付けて、実際どういう効果があるか、どういう運用になっておるかということは、これは運輸省のほうの管轄になるので、したがって、今後この法案が通れば、ほとんどの船舶がこれによって通信士の代用をするわけなんです。現在も、何隻か知りませんけれども、代用しているのが幾らかあるということは言えると思うので、そういう実情調査も全然せなくて、機械の性能だけ見てこれはだいじょうぶだということでおやりになることについて、非常に私は危険を感ずるのですが、大臣なり局長どうお考えになりますか。
#113
○政府委員(若狹得治君) 機械の性能については、先ほど申し上げましたとおり、郵政省において検定をいたしておられるわけでございまして、したがって、その後の整備を十分にやっておれば、当然警救信号は受信できるわけでございます。先ほど申しましたように、一日一回これを整備するということになっておりますので、先ほどの説明にありましたような混信とかあるいは空電とかいうような特別な状態がない限り、正常に動いているものとわれわれは考えておるわけでございます。
#114
○中村正雄君 私の聞いたところによると、おそらくこれによって通信士の代用をしているのは二十隻前後だろうと聞いておるわけなんです。そういう通信士以外の船員からも私直接聞いておるわけですけれども、通信士自体の話であれば、また思惑的な発言かもわかりませんが、それ以外の船員等の話によりますと、厄介物のような感じを持って、非常に人気が悪い、こう私は聞いているのですが、運輸省としては、これが船員全体に与えまする感じとして、オート・アラームというものがどういうふうに感ぜられておるか、その点について、監督官庁ですから十分お聞きだろうと思いますが、どういうふうに見ておられますか。
#115
○政府委員(若狹得治君) 先ほど申しましたように、現在そういうものをつけて、それを実際に活用しなければならないという船舶は、内地の北海道航路が主体でございます。それにつきましては、海上保安庁が二十四時間の聴守を行なっておるわけでございますし、また陸上の海岸局もあるわけでございます。したがって、各船舶がすべてこのオート・アラームの聴守をやっておらなければ他船の救助に差しつかえるという状態では必ずしもないというような意識がもしあるとすれば、たいへん残念なことでありますけれども、そういう意識がもしありといたしましても、海難救助には現状においてはさしたる影響はないと私たちは考えておるわけでございます。ただ、先ほど申しましたように、船舶の相互扶助というものは、海上労働の最も大きな道徳でございますので、そういう意識がもしありとすれば、たいへん残念なことであると考えております。
#116
○中村正雄君 私のお聞きしておるのは、船舶職員にこの機械が人気があるかどうかということをお聞きしておるわけです。非常に厄介祝しておるような感じを持っておる、こういうふうに私はいろいろの人から聞いておるわけなんですが、こういう機械化、近代化ということは、だれしも人間望むところであるわけですけれども、そのために自分の職場を奪われるという人の話であれば、これは別の見地から考えなければいかぬわけですが、通信士以外の船舶職員からの話を聞いてみても、こういうものを備え付けられて喜んでおる職員はいないと私は感じておるわけなんですが、監督官庁である運輸省の担当者としては、こういう機械を備え付けることが船員全体の利益だ、幸福だ、喜んでおると、こういうふうにお考えになっておるかどうか、それをお聞きしておるわけです。
#117
○政府委員(若狹得治君) 先ほど中村先生の御発言にございましたけれども、SOSを受信して直ちに救助におもむくというような状態になる場合は非常に少ないわけでございます。そういう状況であるにもかかわらず、機械の整備は毎日これが行なわれなければならないということでございますので、あるいは、先生のおっしゃるような、非常に荷厄介だというような感じがあるのではないかと思いますけれども、先ほど申しましたように、これは国際的な問題でございますし、相互扶助ということを原則に考えていくわけでございますので、そういう観点から仕事をし、あるいは機械の整備に当たるということでなければいけないと考えておるわけでございます。
#118
○中村正雄君 これも私のしろうと的な懸念かもわかりませんが、先ほどからの御説明によると、海難等の場合は、これはオート・アラームによってベルが鳴って、通信士が出ていけば大体情報は入手できる、こういう設備になっておるわけですが、ところが、たとえば気象通報にいたしましても、天候が気象通報の予想のとおりに動くわけはないと思うので、やはり天候の異変というものは海上においては急激に起こる場合もある、あるいはまた、海上におきましては、浮流物等がいつどこでやはり流れておるかわからない、そういう海上の異変については、船舶相互が発見したり入手したりしたら、相互に連絡して危険を避けるという方法をとっておると思う。ところが、一人制にして、オート・アラームによらない入手方法というものはできなくなると思うのですが、こういう点についてはどうお考えになりますか。
#119
○政府委員(若狹得治君) 気象情報につきましては、現在の短波放送によって、普通の受信機、ラジオによって十分入手できるという状況でございますし、また、海上の浮流物の航行警報につきましては、現在の仕組みでは、海上保安庁に台船から通報いたしまして、そこから全国に周知するというような制度になっておるわけでございます。したがいまして、先ほど申しましたような、航行警報を執務時間内に十分注意すれば、航行の安全には支障ないと考えております。
#120
○中村正雄君 答弁としては、一応形式的な筋が通っておりますが、私の心配するのは、たとえば海上保安庁へ行ってみたって、私は大体五十海里か百海里ぐらいだと思うのですが、日本の沿海に限っておる。日本の船舶は世界の各海域を運航しておるわけですから、海上保安庁からの連絡によるということは不可能な水域が全体の九割九分だろうと思う。したがって、海上保安庁が発見して船舶に連絡するということは一%ぐらいしか可能性がないわけです。したがって、それ以外の大部分のものは、海上保安庁はたとえば浮流物については連絡する方法がない。こういうものは、やはり航行しておる船舶が発見した場合には、おそらく他の船舶に知らすシステムになっておると思うのですが、そういう場合、オート・アラームでは、これは効をなさないわけです。そういう場合の航行の安全はどういうふうにして連絡するとお考えになっておりますか。
#121
○説明員(三枝豊君) そういう場合の船舶相互の通報の仕方は、先ほど申し上げました執務時間以外の時間にブリッジ等で発見した障害物等、これを無線によって安全通報として各船に通報する義務がございます。それはどういうふうに規定してあるかと申しますと、これは国際条約にこまかく規定してありまして、入手したらすぐ送れ、それでさらに、その次の――それがちょうど先ほど申し上げました執務時間にかかっておりますればいいわけですが、執務時間でない、何といいますか、あき時間に送ったとしますと、次の最初の執務時間の沈黙時間で送れ、こういうふうに規定してございまして、その辺のところは、一人の通信士である程度の安全を確保できるという仕組みになっております。
#122
○中村正雄君 そうしますと、次の執務時間の冒頭にやるわけですね。その間にギャップはありませんか、時間的、距離的の。絶対にないと言い切れますか。
#123
○説明員(三枝豊君) それは、昼間においては二時間、夜間においては約八時間という時間のギャップがあることがございます。
#124
○中村正雄君 そうしますと、昼間においては二時間、夜間においては八時間のギャップができるときに、事故が起こる可能性は十分にあるわけですね。
#125
○政府委員(若狹得治君) 当然そういうことも考えられるわけでございます。
#126
○中村正雄君 これは理屈の上の計算でそういうことがなければいいわけなんですが、しかし、これは事故というものは、人のやはり予想し得る万全の措置を講じても事故が起こるわけなんで、しかも、今の答弁のやりとりから考えましても、昼間においては二時間、夜間においては八時間という間は、そういう危険な情報は知らせる方法がない。また、その時間の間に危険が現実に距離的にやはり発生する可能性もあるとすれば、今度の改正は、航行安全という面においては、やはりそういう危険性を持っているということは考えなくてはならないと思うのですが、いかがですか。
#127
○政府委員(若狹得治君) もちろん、船舶局がすべて二十四時間運営の聴守に当たっておれば、その間の一切の通信を聴守できるわけでございますから、そのほうがベターであることは間違いないと思いますけれども、先ほどから申しておりますように、船舶の安全というものは、世界的な相互扶助精神によっておるわけでありまして、他国の船舶からの通報、他国の船舶の救助というようなものが基本となってこの相互扶助はできているわけでございまして、したがってその中に船舶も入っていくわけでございます。そういう点についての連絡というものについて、外国の水準というものを基礎にして、その中で問題を考えていかなければならないのじゃないかと考えております。
#128
○中村正雄君 私は、救助ということでなくして、海難ということをおもんぱかって言っているわけなんで、海難が起きてから救助するというのではおそいのであって、救助よりも海難を防止するということが、私は、航行安全の前提条件であり、主たる目的であると思うのです。そういう立場からいえば、今のやりとりの中でも、いわゆる情報の時間が結局おくれる時間帯というものは一日のうちに相当あるわけなんです。その間に事故が発生した場合、一体その責任はだれがとるのか。これはやはり船主なり船員にその責任をとらしておけばいいという、そういうことが万に一つか千に一つかあるかわからないけれども、これは今度の改正でやむを得ないのだ、お前たちの責任で、そこまでめんどうを見られないというふうに言い切る考えで運輸省はおられるのかどうか、その点お聞きしているわけです。
#129
○政府委員(若狹得治君) ただいまの危険物の漂流の場合でございますけれども、当然船舶の航行については、甲板関係の士官が、船長以下、安全についての必要な見張りをいたしておるわけでございますので、通信連絡が不十分な場合には、一そうそういう点についての努力をするということによって十分避け得る問題ではないかと考えます。
#130
○中村正雄君 私は海の専門屋じゃないから、浮遊物だけに限定したわけじゃないけれども、常識的に浮遊物というのが頭に浮かんで質問しておるわけで、したがって、それ以外のやはり海難の原因――気象の急変というのが、二時間内に急に起きる場合が私はないとも言えないだろうと思う。そういう海難の原因というものが、二時間なり八時間というものが連絡不十分、連絡できなくて、それによって事故が起きる場合も、私はしろうとかもわかりませんけれども、想定できる。その場合、結局それまでは、もう国際水準だからやむを得ないのだ、こういうふうにお考えになって、現在は万全の措置をとってあるわけなんだが、それをやはり手を抜くというふうな決意のもとに改正をお考えになっているのか。そうすると、ある程度の事故が起きても仕方がないのだ、国際的にその程度の危険は水準になっているのだから、そのために事故が起きたって、それは船員の問題であり、船主の問題で、国としては考えられない、こういうふうな決意のもとにおやりになっているかどうかということをお聞きしておるわけです。
#131
○説明員(三枝豊君) ちょっと先ほどの私の説明に欠けるところがございましたので、補足いたしますが、先生が今おっしゃいましたような気象の激変というものにつきましては、確かに、先ほどの、時間で申しますと、夜の十一時ころから朝の八時ころまでの間は、通信士が寝ておりますので、その期間に、たとえば台風の進路が急に変わったとか、スピードが増したとかいう場合のことを想定をされてのことだと思いますが、そういう場合は、やはり条約に規定がございまして、オート・アラームを鳴らして知らせる、そういうサイクローンの緊急警報を送る場合には警急信号を冠していくという規定もございますので、それによってそういう危険は除去されるのではないかと思います。
#132
○中村正雄君 いや、私は専門家でないから、海難の原因が一々どんな場合にあるかわからないわけですけれども、私の今までの答弁から聞いておるのは、少なくとも常時勤務しておらない。そうして、オート・アラームだけでは連絡のできない海難の原因というものもやはりあるだろう。しかも、その時間帯のギャップというものが何時間かある。その場合に海難が突発した場合については、それはそこにやはり危険性があるということを心配しておるわけなんで、これは絶対ないのだ、そういう時間帯のギャップがあってもその間に海難の起きることは絶対にないのだということが保証できるのであれば、私の心配は杞憂に終わるわけですから、その点は専門家の皆さん方ですからはっきりわかっていると思うのですが、この間はどうなっておるのですか。
#133
○政府委員(若狹得治君) 時間帯のギャップのために思わざる海難が起こるということは、御指摘のとおりないわけではない。理論的には当然あり得るわけでございますけれども、一般的に申しまして、海難救助につきましては、先ほどから御説明いたしておりますように、気候の急変あるいは海上の浮遊物というような問題については、現在でも十分連絡がとり得るという制度になっておるわけでございます。
#134
○中村正雄君 海難の場合の救助を私は聞いておるわけじゃないのです。海難の発生する原因の連絡できない時間帯があって、そうしてやはりそれによって海難が起きる可能性はある、こういうふうに答弁なさっておると思うのですが、そう理解していいのですか。
#135
○政府委員(若狹得治君) 先ほど申しましたように、絶対にないということを申し上げておるわけじゃございませんで、しかしながら、今日でもできるだけの措置がとり得るように、世界的な国際条約、人命安全条約においてもそういう規定がございますので、それを活用することによっておおむね船舶の安全というものは期待し得ると考えておるわけでございます。
#136
○中村正雄君 私も言葉の上で質問しているわけです。答弁のほうも、おおむねとか何とかいうことで答弁なさっておりますが、事故というものは、先ほど申し上げましたように、人間の力で、人間の知識で考えて考えて考え抜いて、そうして絶対起きないという体制にあっても、起きるのが事故なんです。ところが、しろうとの私が考えても、事故の起きる可能性があるということは指摘できるし、また当局者も絶対ないとは言えない。こういう体制に切りかえる必要がどこに一体あるのか。また、そうなった場合に、その責任は一体だれが負うとお考えになっているのか。これはもう船主や船員が負うので、やむを得ないのだ、政府の知ったことじゃないのだ、国際水準だから、この程度の理論的には海難の可能性があっても、やむを得ないのだ、政府は踏み切るのだ、こう言って改正を断行されるのかどうか、大臣にお聞きしたい。
#137
○国務大臣(綾部健太郎君) たびたび船員局長から御説明申し上げたように、すべてのものを断定してどうと言うことは、なかなか不可能でございます。そこで私は、とにかく世界の国々がそれでやっているのでありますから、ことに優秀な船舶乗組員を持っている日本の海運ができぬことはない。しかも、それによりまして不況海運の対策の救助の一助になると考えまして、私はこういうことをやらねばいかぬと決意して出した次第でございます。
#138
○中村正雄君 私のお聞きしていることと幾分ピントのはずれた答弁だと思うのですが、海運界の問題については、これも人件費が幾らか浮く程度であって、現在の不況の海運界をこれによってどうこうする大きな問題じゃないということぐらい、私も計算つきます。私のお聞きしているのは、人の力で、人の知識で考えて考えて考え抜いて、絶対に間違いがないというシステムにしておっても、事故というものは起きるわけです。ところが、しろうとの私が考えても、こうなればこういうギャップがあるじゃないか、ここに海難の原因ができたらどうなるんだという事実を指摘し、しかも当局も、そういう場合もないとは言えない、ギャップは確かにある、こういうふうにお考えになって、にもかかわらず、やはりこれを断行しよう、国際水準に引き上げる――たとえ外国がそういうことをやっても、日本はやはり航行安全が大事なんだからそうしないのだというのが、私は正しい海運のあり方だと思うのです。結局、今おっしゃる海運界を何とか手直そうというのは、これは金の問題です。人命の問題じゃありません。金の問題です。これは結局、こんなことをしなくても、これによって浮く費用なんてわずかなものです。こんなものの金はどうでもできるのです。このために、反対に事故が一たん起きたら、何十億、何百億という財産が烏有に帰するわけです。したがって、そういうことも考えられるのに、やはり運輸省は踏み切るというのは、一体どこに原因があるのか。それは、世界的にそんなことぐらい考えているので、やむを得ないのだ、これによって人命の問題が起きても、救助の体制は完全にできているのだから、何とか救助される、こういうふうにお考えになっているのか。これは船主の責任であって、その点のことは、人員を浮かして経費の節減になっているのだから、万一の場合はあきらめろ、こういうお考えなのか。国際世界の水準並みとおっしゃるけれども、いい水準ならばまねしてもいいけれども、悪い水準をまねする必要はない。その決意をお聞きしたい。
#139
○国務大臣(綾部健太郎君) たびたび申しますように、私は決して悪い水準だとは考えておりません。もう世界がそれでやっているので、日本だけがそれでやれぬというわけはないと思うのです。それでやっているのです。それがいいとか悪いとかということは申しませんが、それでやれぬはずはないと考えております。
 しかも、それをやることによって、あなたはわずかの金とおっしゃいますが、今日夫償却が年八百五十億くらいある。その二割に相当するくらいの金がこれによって浮くというわけですから、海運の再建にはこれは非常にこれで役立つ、かように考えてやっている次第でございます。
#140
○中村正雄君 この制度がいいか悪いかということについては、先ほどからの私と政府委員とのやりとりによって僕は判断つくと思うのです。現在よりも航行安全については低下することだけは御存じなわけでしょう。低下しないとおっしゃるのですか、現在よりも。航行安全度においては、現在よりも低下する。幾ら低下するかはわかりませんよ。低下することだけはお認めになると思うのです。いかがです。
#141
○国務大臣(綾部健太郎君) 低下する度合いでございますが、絶対に低下しないとも申しませんが、絶対に低下するとも私は言い得ないと思うのでございます。
#142
○中村正雄君 それは答弁としては、いろいろ言質をとられないように答弁なさると思いますが、だれが聞いたって、今よりも低下する。二時間、八時間というギャップがあることだけは事実でしょう。だから、そのパーセンテージというものはわかりません、事故というものはいつ起こるかわからないわけですから。しかし、現在よりも低下することだけは少なくとも――度合いはわかりませんけれども、僕は明らかだと思うんですが、いかがでしょう。
#143
○政府委員(若狹得治君) 航行の安全にとって船舶通信というものはもちろん非常に重要なものでございますけれども、それがすべてではございませんし、また決定的なものということができませんで、直接の航行の安全の責任というものは、結局船舶の運航をつかさどるところの他の職種等におきまして最終的な運航の責任をとるわけでございます。したががって、そういう面において、ただいま御指摘のありましたような通信、連絡の不十分というものを今後補っていかなければならないというようにわれわれ考えておるわけでございまして、通信、連絡が不十分になったら直ちに船舶の航行安全が非常に阻害されるというような事態にはならぬと考えております。
#144
○中村正雄君 私はこれは決定的に安全が低下すると申し上げているわけじゃないのです。ほかの面についても、現在の場合においても、通信士だけでなくて、航行安全については船長以下私は全乗組員がベストを尽くしてやっていると思うのです。それを、こういう制度になろうとなるまいと、通信士だけに航行安全をたよっているとは考えておりません。現在でも船長以下全部航行安全にはベストを尽くしておる、改正後も船長以下全部ベストを尽くすと、そうなった場合に、通信士の関係だけが低下するということは言えると思うんですが、いかかですか。
#145
○政府委員(若狹得治君) 船内の各職種におきまして、全体としてそういう問題は解決していかなければならない問題ではないかと考えられるわけでございます。
#146
○中村正雄君 どうも、私の質問で明らかになっていると思うんですが、あまりにも答弁が不誠意だと思うんです。おそらくほかの委員の方でも、私の質問のやりとりを見れば、現在よりも低下するということは――度合いは知りませんよ――おそらくだれしも私はわかっていると思うんですよ。それを、今おっしゃるような答弁では、私はちょっと一ぺん、頭を冷やしてもらうまで、私の質問を休憩しようと思います。
#147
○浅井亨君 今、中村さんが質問されておりましたけれども、私もその点についてほんとうに疑惑を持っておりましたが、同じことになってしまって……。
#148
○中村正雄君 委員長、私だけでなくて、だれが聞いてももっともだという答弁をしてほしいのです。
#149
○政府委員(若狹得治君) 通信の疎通が現在よりも低下するかどうかという問題でございますけれども、これは、中村委員から御指摘になったとおり、現在よりは低下するわけでございます。ただ、それを補うために、船内の各職種の人たちが一丸となってこれを処理していかなければならないということを申し上げたわけでございます。同時に、通信の疎通が円滑を欠くというような問題のために起きてくる問題は、自船――その船自体の航行の安全という問題よりも、むしろ相互扶助の考え方から、先ほどから申しております相互扶助の関係が円滑にいかない場合が起きるのではないかということを非常におそれておるわけでございますけれども、そういう点については、国際的な水準というものによってこれを完全にしていくということが、われわれとしては今後に課せられた問題であると考えておるわけであります。
#150
○中村正雄君 じゃ、通信の低下は安全の低下にならないと、こういうお考えですか。
#151
○政府委員(若狹得治君) ならないようにできるだけの努力をしていかなければならないと考えておるわけでございます。
#152
○中村正雄君 ないようにできるだけの努力をしなくちゃいけないという抽象的な言葉で表現なさるとすれば、その裏面にはやはり低下するということを前提にして御答弁になっていると思うのですが、いかがですか。
#153
○政府委員(若狹得治君) 現在の二十四時間聴守よりも低下することは明らかでございます。
#154
○中村正雄君 じゃ、大臣にお尋ねいたしますが、局長は低下すると言明しているのですが、大臣もそういうようにお考えになりますか。
#155
○国務大臣(綾部健太郎君) それは、考えようによってはそうとれますし、それでまた事実低下するかもわかりません。
#156
○中村正雄君 そうすると、考えようによっては低下しないという考えをお聞きしたいと思うのです。僕は大臣に聞いているのですよ。大臣から答弁して下さい。
#157
○国務大臣(綾部健太郎君) 私いつまでたったって平行線であると思うのですが、そういうことが低下しても、全部で補っていって航行の安全には支障のなかりしように努力する、したがって、それによって海運界が再建できるような方途に向かうならばやむを得ぬと考えて、本案を提出した次第でございます。
#158
○中村正雄君 通信の低下によって安全度のやはり低下をほかの面で補っていくように努力をすることは、これは答弁としては一応形になっているわけですが、じゃ具体的な、どういう面でこれはこうするのだという具体的な一ぺん施策をお聞かせ願いたい。
#159
○政府委員(若狹得治君) まず第一に、自動受信機をできるだけ普及いたしまして、人間の直接の任務による聴守の時間を省いていこうということを考えておるわけでございまして、現在すでにこれを取りつけておる船舶も出てきておるような状態であります。それから、気象通報につきましては、模写放送を受け得る状況になっておりますので、これをできるだけのたくさんの船舶に取りつけさせるように指導していきたいと考えておるわけでございます。
#160
○中村正雄君 それだけで全部ですか。
#161
○政府委員(若狹得治君) 同時に、先ほどから郵政省から御説明がございましたように、電電公社の施設の拡充によりまして、通信連絡の設定に要する時間を短縮することによって通信士のロードを減らしていく。したがって、短い時間をできるだけ効果的に合理的に使うというような、いろいろな問題が出てくると思います。そういう点にできるだけの努力をしていきたい。それからもう一つは、現在通信士が他の部門の仕事をしておりますので、そういうロードをできるだけ減らして、通信に専念できるようなシステムを作り上げていきたいというようなことも考えておるわけでございます。
#162
○中村正雄君 大臣にお尋ねいたしますが、海運界の再建整備のための一翼だと、こうおっしゃって決意されたように理由にもありますが、そうしますと、この制度を実施して一体どの程度の、金銭的に見てですよ、合理化になり、またこれをやめることによって国としてもやはり設備をしなければならぬ、船としても設備をしなければならぬ、それに要する経費がどのくらい要るか、差引として一体どのくらいの経済的効果があるか、数字として一ぺんお示しを願いたいと思います。数字を示して一ぺん答弁願いたい。
#163
○国務大臣(綾部健太郎君) 大体これによって二十億内外経費が節約になるという試算に相なっております。それから、いろいろな施設をやることによっての費用は、私試算したことはございませんから、事務当局から答弁させます。
#164
○政府委員(若狹得治君) 通信士の減少によります、まず効果の問題でございますけれども、これは具体的な通信士自体の人件費の節約という面だけではございませんで、実は昨年から定員の合理化というものを労使間において協力して実施いたしておりまして、すでに七%程度の定員が合理化されたわけでございます。今後の進め方の問題といたしましては、さらにこれを合理化しようということを、これは労働組合のほうも大会で決定いたしておりますし、船主側もそういう方向で進んでおるわけでございます。しかし、それを進めるためには、こういう問題を解決しなければ先へ進めないというのが実情でございますので、この経費の問題は、単に通信士の人件費をいかに節約するかという問題だけで計算するということは適当でないと考えるわけでございます。また同時に、海上労働者の待遇の改善の問題は、いつも起こってくる問題でございますし、最近の非常に海上の志望者が少ないという状況では、そういう問題がことに強いわけでございます。そういう面の今後の問題も織り込んで考えていかなければならないわけでございますので、ただ算術的な数字を申し上げても、正確ではないというようなことになるのではないかと考えておるわけでございます。
 また、これに要する施設の問題でございますけれども、先ほどから郵政省のほうから御説明がございましたけれども、これは外国船は一名の通信士によってきめられた八時間の間に日本の海岸局のほうへ電報を打ってくるわけでございます。ところが、日本船は、二十四時間の間に、海岸局のあいている間にこれを打ってくるというような、いわゆる不公平な状態でございますので、むしろわれわれといたしましては、日本の海岸局も日本船が一名になりましても十分通信疎通に遺憾のないような措置をとるのが当然と考えておるわけでございます。
#165
○中村正雄君 通信士だけの問題じゃなくて、船員全体について合理化を進めてきたし、また今後も合理化をしなくちゃいかぬについて、通信士だけが現状のままでは非常に支障を来たすと、したがってこれを解決しなくちゃいかぬというのが問題だと、こういうふうに局長今御答弁になっているわけですが、それは一体だれの見解なんです。
#166
○政府委員(若狹得治君) 通信士だけを現状のまま放置することにいたしますと現在の合理化が進まないという問題は、だれの見解というよりも、現在の法律制度が三名を強要いたしておりますので、それが適当であるかどうかという法律制度自体の問題としてわれわれが考えたわけでございます。
#167
○中村正雄君 ほかの定員の問題について、合理化その他について、労使間で進めて、七%ぐらい一応できたと、こういう御答弁、しかし今後まだ進めていくについて通信士の問題が隘路になっておると、したがってこれを解決しないとあとが進まないと、こういうお考えだと言っておりますが、しかし、通信士の問題については、労使間で話し合いをしているときに、これだけは絶対に困るというのが、いわゆる労働者側の僕は意見だと聞いているわけですが、したがって、これが隘路になってほかの合理化が進んでおらないというふうに私は聞いておらない。それでお尋ねしたわけなんです。これは、今まで人員の合理化について労使間で進めてきた。けれども、この問題については、結局隘路になっておるのじゃないので、別に行政官庁としての運輸省がこの問題を解決しなくちゃいかぬと、こういうふうにお考えになっているだけであって、労使間で考えている問題じゃないと思うのですが、どうなんでしょう。
#168
○政府委員(若狹得治君) 労使間の問題は、これはもう全然別の問題でございまして、むしろあれは労使全然別のことを主張しているような現状ではないかと思いますけれども、われわれとしては、法律制度を基礎にした現在の考え方というものについては、再検討する時期に来ているし、またその必要があるのじゃないかと考えたわけでございます。
#169
○中村正雄君 今まで、ほかの通信士以外の部署については、運輸省がやれと言ったわけじゃなくて、労使間で、やっぱり合理化しなければ海運業界は立ち直らないということで、労使間の話し合いで進めてきたと思うのです。で、七%程度の人員の面におきまする合理化が一応現在でき上っておると、こう現在聞いているわけなんです。通信士の問題については、労使間で、ぜひともこれをやってもらわぬと、他の振り合い上、これ以上合理化が進まないということになって、運輸省が法律改正に手をつけたと、こういうもので私はないと思う。したがって、この問題については、労使間の問題でなくして、法律制度の問題として、運輸省自体のお考えによっておやりになっておられる、こういうふうに私は思うのですが、いかがです。
#170
○政府委員(若狹得治君) この問題は、実は昭和二十六年に、電波法の改正の問題、あるいは職員法の改正の問題が出ました当時から、海運界にはいろいろな問題を提起して参ったわけでございますけれども、直接的なものといたしましては、航行安全審議会におきましてこの問題は討議され、昭和三十二年でございますけれども、すでにそのときに答申が出ておるわけでございます。またさらに、一昨年の答申もあるわけでございます。さらに、海運造船合理化審議会におきましても、この問題を取り上げて答申をいたしておるような状況でございますので、われわれといたしましては、国際水準というものを見まして、それによって、それに合わせるというような考え方をこれらの答申を基礎にして考えたわけでございます。また同時に、一昨年の非常な通信士の逼迫の状況から見まして、通信士が不足のために船舶の出航ができないというような現象が出てきたわけでございます。したがいまして、そういうような状態のもとで外国よりも強い規制を通信関係についてそのまま存続するということについてわれわれは反省しなければならないということで、こういう提案をいたしたわけでございます。
#171
○中村正雄君 そうしますと、今まで進めて参りました人の合理化については労使でも話し合いをしてきた、しかしこの問題については、労使の話し合いでこうしてもらわぬと困るというのじゃなくて、行政官庁として、いろいろな諮問委員会なりあるいはその他の答申等に基づいて考えたと、こういうふうに理解できるわけなんですが、そうしますと、この船舶職員法というのは、通信士であればこの船には何名乗せなくちゃいけない、こういった最低限をきめてあるわけでありますので、たとえばこの法律が通って一名になる、あるいは経過規定で二名になる、こういう場合に、これは三名乗せることは違法じゃないわけなんです。したがって、最低限の人員よりも多く乗せることは、航行安全の面においてはプラスにこそなれマイナスにはならないわけですから、労使間の話し合いによってこういうふうになっても現状のままでいこうということについては、運輸省は何ら干渉すべき問題ではないし、異存もないと思うのですが、これはいかがですか。
#172
○政府委員(若狹得治君) 中村先生のおっしゃるとおりでございまして、われわれは、まず法律を国際水準に改めた上で、労使間において十分今後の問題を協議していただくということを考えておるわけでございます。
#173
○中村正雄君 それから、先ほどの質問になるわけなんですが、これによってどれだけの経費が節約できるかということは、ほかの関係もあってこれだけじゃないと、全体的に見なくちゃいけない、こういうふうに言われましたが、これ一つだけとって大臣は二十億とおっしゃいますが、これは年に二十億という意味か、どういう意味かわかりませんが、今三名乗せておるところを一名にするということによって大体どの程度単価が安くなるということは、これは経営者なり監督官庁、おそらく計算はして、できておると思うのですね。したがって、この法律改正により、そうして労使間の話し合いでこの法律どおりにやれるとすれば、いわゆる造船界の再建のために金銭的にこの程度プラスになるのだということの数字がなければ、私はおそらく国際水準にするというだけの面子の問題だけで提案なされておるとは思えないのです。したがって、そのやはり計算の基礎と実際の数字を示してもらわないと納得できないと思うのです。
  〔委員長退席、理事天埜良吉君着
  席〕
#174
○政府委員(若狹得治君) この通信士の減少によります経費の問題につきましては、一人当りの賃金が大体現在の実績の賃金から見まして七万円、これはもちろん給食関係とかあるいは保険料というようなものも全部含んでおりますけれども、七万円と算定いたしまして、これは通信士の平均の給与でございます。そうして、これを一名にする場合に、現在の船舶を基礎にして計算をいたしまして、約十七億になるわけでございます。なお、そのほかに、今後の新造船につきましては、このスペースを貨物輸送に充てるというような問題もございます。先ほどおっしゃったような数字になるかと思いますけれども、大体そういう見当で考えておるわけでございます。
 なお、外国の船舶局、通信局を使うというような、外国電報を利用するという場合も出て参るわけでございます。これは主として社用通信について出てくるわけでございますけれども、そういうものにつきましての計算もいたしておりますけれども、先ほど申し上げましたように、そういう個々の通信士を何名減らすことによって何億節約できるかという問題よりも、全体の労使間で現在努力いたしております定員の合理化あるいは定員合理化による待遇改善という問題を、法律という特別の労使関係とは別個のもので規制するというのではなしに、十分労使間で自由に検討できるような体制に持っていくということが現在の段階では必要ではないか、私はそう考えておるわけでございます。
#175
○中村正雄君 したがって、船員局長の答弁は、これによって幾ら経費が節約になって造船界の復興のために役立つという経済的な問題でなくして、やはりほかの問題が重要なんだ、こういうふうな答弁に聞こえるわけですが、しかし、やはり大臣のほうは、相当な借入金もあり、利息の負担もあり、一文でも何とか節約して一日も早く海運界を復興しなければいかぬ、そのためにはこれが一つのプラスになるのだ、こうお考えになっておるので、幾分そのニュアンスは違うとしても、ニュアンスの相違は別にして、人件費で十七億になりますか二十億になりますか知りませんが、しかし、三人を一人にすることによってそれだけの賃金的なものは節約になるかもしれませんが、反対に、三人を一人にすることによって、他の面では私は経費がふえる面もあると思うのです。そういうものを考えなければ、実際海運界の整備の助けにはならないわけですから、これを減らすことによってほかの面でふえる経費というものは一体どういうものがあるか、またどの程度ふえるか、これはどういうふうにお考えになっておりますか。
#176
○政府委員(若狹得治君) 先ほどちょっと申し上げましたように、外国電報を利用することによりまして、年間約二億程度の出費増になるというように考えております。
 それから、先ほど申しました自動受信機の購入なりあるいはファクシミリの購入というような面も当然付帯的に出てくるわけでございます。同時に一方、通信の輻湊をできるだけ避けますために、社用通信をできるだけ抑制しようということも申しておりますので、そういう数字的な検討は、まだ一応の数字でありますけれども、ここで申し上げるべき程度の具体的なものがございませんけれども、今申しましたような出費の増というものは当然あるわけでございます。
#177
○中村正雄君 私も、その出費の増について、たとえば今三直制をとっておって、そうして通信事務だけでなくして、ほかの仕事もやはりやっておるという話を聞いておるわけなんで、したがって、一人になった場合は、今まで三人でやった通信以外の仕事はだれかが分担しなければいけない。また、一人になった場合においても、きめられた勤務時間以外にやはり仕事をしなくちゃいけない事態もまた出てくる。そういう、これの改正によって、そのとおりに人員がなった場合の浮く賃金と、よりかかる経費と差引した場合、一体どの程度の海運基盤の経済的なプラスになるかといえば、おそらく大臣も局長も大体御見当はついていると思うのですが、私はおそらく今の海運界の不況に九牛の一毛にもならないんじゃないか、こう思うわけなんですが、その点どうお考えになりますか。
#178
○政府委員(若狹得治君) 船内の労務の配分の問題でございますけれども、これは従来も定員合理化の前提として労働過重を来たさないということが大前提でございますので、いろいろな合理化が行なわれたわけでございます。船上で行なっていた仕事を陸上へ持っていく、あるいは造船所へ持っていく、不必要なものを整理するというような努力が行なわれておるわけでございますけれども、この通信の問題につきましては法律によって作業を義務づけておりますので、通信以外の仕事を現在やっておるような状況でございますけれども、その合理化は一船全体の問題として解決しなければならぬということではないかと考えておるわけでございます。したがって、経費の節減という問題も、そういう総合的な関連において出てくる問題でございまして、単に通信士が一名減るから幾ら合理化されるということではございませんで、先ほどから申しました七%の合理化によって幾ら海運界が浮いてきたかというような問題も、これはまあ人数をその給与ベースにかけて簡単に出て参りますけれども、実際はいろいろな待遇の改善というような問題とも関連する問題でございまして、そう簡単に海運界のそのままプラスになっておるということは言えないのではないか。ただ、長い将来を見まして、むしろこの際こういう制度をはっきりとっていくほうが一船全体の合理化という面から見て当然やるべきではないかということと、それから外国におきましては非常に少ない人数で船舶の運航をやろうとしておるわけでございます。また、最近におきましても、非常に少ない二十数名の船舶が現にできておる。また、わが国におきましても、二十数名の設計図を現在作っておるという状況でございますので、そういうものにおくれをとらないためにも、こういう問題を解決していかなければならないと考えておるわけでございます。
#179
○中村正雄君 局長にちょっとお尋ねしたいのですが、現在の公衆通信、これはもうほとんど、各船会社の統計を見て参りましても、乗組員と家族との通信というものが大部分だろうと思うのですが、こういうものは今後どういうふうに処理していくお考えなんですか。
#180
○政府委員(若狹得治君) 公衆通信と社用通信の比率は、大体半々程度ではないかと思いますけれども、今度の通信士減少による船舶局の運用時間の短縮という中で問題を処理していかなければならぬ。これには、その公衆通信を最優先にする、個人通信を最優先にするという方針でいかざるを得ないと考えておる次第であります。
#181
○中村正雄君 そうなりますと、やはり乗組員の家族との連絡というものは現在より非常に悪くなるというふうに考えなくちゃいけないと思うのですが、どうです。
#182
○政府委員(若狹得治君) そういう私用通信を最優先することによって問題は十分解決していけるものと考えております。
#183
○中村正雄君 小さいことかもわかりませんが、たとえば、日本の場合はいいですけれども、外国の海岸局を利用する場合、日本語じゃできないだろうと思うんです。そういうことになると、これは全然できないような場合も起きてくると思うんですが、これに対してはどういうふうにお考えになりますか。
#184
○政府委員(若狹得治君) 私用通信を、船員の家族との通信というようなものを優先的に取り扱うことによって、そういう個人的なものを外国電報に依頼するという場合は非常にレア・ケースではないかと考えておるわけでございます。むしろも外国電報に移行するものは社用通信が中心であると考えます。
#185
○中村正雄君 例外的なものかどうかわかりませんが、外国の海岸局を利用する場合は日本語でやることはできなくなるということは言えるわけですね。
#186
○政府委員(若狹得治君) そのとおりでございます。
#187
○中村正雄君 それから、先ほどの人件費の節約にも関連するわけなんですが、もしこの法律が成立して何年か後に実施になると、このとおりにやっぱり実施になった場合は一体通信士はどのくらい節約になり、そうしてそれを今後どういうように再教育するとか、あるいは配置転換の問題等についての計画をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#188
○政府委員(若狹得治君) 現在の法律が直ちに施行されるという状況になりました場合には、先ほどから申しておりますように、甲種通信士が三十八年度において約四百名程度過剰になって参ります。乙種通信士のほうは大体現状のまま、これは数字的には現在の甲種通信士の数が定員数をはるかに上回っておりまして、甲種のほうが余っておる、乙種のほうが多少不足になってくるというような状況でございます。法律はむしろ乙種が一名減るわけでございますけれども、数字的にはそういうような状況でございます。それから、三十九年に至りまして、甲種は約百八十名なお過剰になっております。しかし、乙種は二百名程度不足になってくるというような数字が出ております。したがいまして、三十九年度におきましては、現在行なわれておりますように、甲種が乙種の仕事を担当すれば、需給はここで調節がとれるわけでございます。それから、四十年にいきまして、乙種が約四百名程度不足になって参るわけでございます。そうして四十一年には、甲種、乙種とも合わせまして約七百名程度の不足になって参る。四十二年度にこの特例期間が終わりまして、法律改正が実施されて、甲種一名のみの船舶というのがほとんど大部分になるわけでございますけれども、このときになりまして、初めて乙種が多少余り、約三百名程度余るというような状況でございます。したがいまして、この間の再教育の問題でございますけれども、現在のところ甲種は過剰な状態でございますので、当面直ちに乙種の再教育の問題は起こらないわけでございます。そうして、三十九年から四十年にかけまして、との問題をぜひとも解決しなければならないということで、先ほどから、そういうように努力したい、無線の関係の再教育のための施設がございますので、労使の協力によりましてこの問題を解決していきたい。同時に、先ほどから郵政省から御答弁がありましたような認定制度というようなものを取り入れたり、あるいは試験制度を再検討したいというような問題を、これまでにぜひとも解決したいと考えております。
#189
○中村正雄君 そうしまして、再教育をやるというふうなお考えですが、この再教育の機関としては、どういうものを現在想定して対策を立てられるわけですか。
#190
○政府委員(若狹得治君) 現在の再教育期間は大体一カ年でございますので、その一カ年間を目標にしてこれを行ないたい。すでに現在の保険のほうの改正の問題もございますし、職業訓練の特例措置も講ぜられておりますので、それらの問題と、それから労使間における雇用の安定という問題等も十分勘案いたしまして、雇用に不安のないような状態においてこの問題を解決していくということを考えておるわけでございます。
#191
○中村正雄君 そうすると、国の機関としてでなくて、船主間の責任においての再教育をやる、こういう意味ですか。
#192
○政府委員(若狹得治君) 船主の団体としての努力をしていかなければならないと思っております。
#193
○中村正雄君 政府としては、そういう再教育機関なりあるいは再教育についての措置は考えておらないわけですか。
#194
○政府委員(若狹得治君) 現在無線の再教育機関がすでにございますので、それを活用する方針で現在のところは進んでおるわけでございます。
#195
○中村正雄君 その機関は、運輸省の所管ではなくて、郵政省の所管ですか。
#196
○政府委員(若狹得治君) さようでございます。
#197
○中村正雄君 そうすると、それの再教育の機関について、船主団体に対するいろいろな指示その他がなければ、再教育機関中の生活の問題等があると思うのですが、その点については、大体どういうふうにお考えになって、船主団体に行政措置を講ずるわけなんですか。
#198
○政府委員(若狹得治君) 乙種通信士の不足という問題は、先ほど中村先生から御指摘のありましたように、どうしても昭和四十年には大きな不足を出してくるというような状況になりますので、船舶の運航を確保するという面から、当然船主がこれに努力しなければならないということでございますけれども、雇用の安定というような問題もございますし、再教育を円滑にさせるためには、船主団体、労働組合との間で十分協議を遂げて、円滑にこれをさせるように、われわれとしてはその仲介の労をとるつもりでおります。
#199
○中村正雄君 そうしますと、運輸省としてはこうしようというのではなくして、船主団体と労働組合との間において十分な話し合いで内容をきめていかす、こういう考えですか。
#200
○政府委員(若狹得治君) さようでございます。
#201
○中村正雄君 で、その場合、両者の話がうまく合えばいいわけですが、合わない場合は、やはり運輸省としても仲に入ってあっせんなり指導もやる、こういう決意があるわけですか。
#202
○政府委員(若狹得治君) この問題につきましては、前々国会におきましても、運輸大臣から雇用の安定については十分責任を持って対処するという御答弁がございましたし、われわれとしてもそういう考えでございますので、そういう考え方を基本にいたしまして、労使間において話が円滑にいきますように、できるだけの努力をいたす考えでございます。
#203
○中村正雄君 それから、今までの質問の締めくくりで一つだけ伺っておきたいのですが、先ほど船員局長からもお話のありましたように、本法案は経済的に見てどれだけプラスになるかということについては、これは金額的に見ても、合理化のために浮く経費、それに要するための経費と差引して、たいした金額ではないわけですが、しかし、一応法律の面において、いろいろな問題はあっても、法律を改正しておかなければ、今後の労使間の合理化のやっぱり話し合いの障害になると、そういう関係でやるのだと、したがって、この法律はどこまでも最低の人員をきめているわけで、今後どういうふうに人の面を配していくかは、これは労使間の話し合いでやるべきであって、運輸省としては法律が改正になったからどうこうしろということを考えているわけじゃないと、こういうふうに答弁になったわけなんですが、それはそのとおりの解釈でいいわけですね。
#204
○政府委員(若狹得治君) 雇用を安定させるということ以外には、労使間の自主的な話し合いによって問題を解決していただくということをわれわれは見守っていきたいと思います。
#205
○中村正雄君 それから、大臣にお尋ねしておきたいのですが、この法律を作るについては、船内の問題、あるいは海岸局その他の整備の問題等、前提条件があるわけで、その前提条件があるために、原案では三年、そして衆議院の修正案では四年と、こうなっているわけで、この期間中に設備の面その他の面のやっぱり条件も完備すると、また雇用の安定等もやっぱりその間に行政措置で考えるということが前提になってこの法律ができておるわけなんですが、したがって、今予定されておりまする衆議院の修正の四カ年で、この間に経済情勢も変化するかもわかりません。また、今計画されておっても、その間に前提条件が満たされるかどうかは、これはわかりません。したがって、もし四カ年のうちに予定どおり、現在の段階において想定できることができない場合は、そのときになってまた考えなくてはならないと思うのですが、そういう用意は十分あるものと考えていいですか。
#206
○国務大臣(綾部健太郎君) もちろん、前提条件を整えるようにわれわれも努力いたしまして、そしてそれがゆえに三年を一年延ばした次第でございまして、努力いたすつもりでございます。
#207
○中村正雄君 これは、イエスかノーかというような問題じゃなくして、先の問題でありますので、これは一ぺん誠意を持ってお考え願いたいと思いますのは、まあいろいろの今までの質問のやりとりだけでも問題点は相当指摘されていると思うのですが、
  〔理事天埜良吉君退席、委員長着席〕
しかし、それにもかかわらず、何とか経過年限のうちに完全なものにして、こういう最低限のものを作りたいということで、政府としては計画に従って努力されると思います。しかし、経済情勢の変化もあります。また、政府の施策についても、計画が全部完全に四年間にできるかどうか、これはやってみなくては断言できない問題でありますので、したがって、そういう四年過ぎたときに、いろいろな情勢によっては、最初予定したものができないという場合は、当然再考慮されるものと思うわけですが、そういう用意はあるものと解釈していいわけですね。
#208
○国務大臣(綾部健太郎君) さっき申しましたように、それを三年を四年にしたということは、私ども誠意を持って、そうして労使――船主も海員組合も協調して、この目的の完遂といいますか、世界水準に持っていくということに努力するつもりでございまして、それ以上ここでノーかイエスかと言えといっても、ちょっと、前提条件ができなければもちろん当然できないのですから、そういうことは私はここで申し上げないが、労使が一生懸命にやって、なるべくこの世界水準に到達して日本海運の再建できるきっかけになることを念願いたしている次第でございます。
#209
○中村正雄君 私はかり質問してもどうかと思いますので、一応これで私質問を打ち切ります。
#210
○浅井亨君 この問題につきましては、もう三十九国会からでございますので、大体論議は尽くされておるし、私もいろいろ読んでみましたけれども、今ここに乗組員の削減ということについて非常な支障を来たすということを避けておりますと、こういうふうに書かれておりますけれども、このことについて一言だけはっきりした線を御返答願いたいと思います。人員の整理ですね。
#211
○政府委員(若狹得治君) 先ほどから申し上げておりますように、法律が改正になりましても、これによって雇用の安定が阻害されるというようなことのないように、われわれとしてはあらゆる努力をいたす覚悟でございますし、また今日までの経緯から見ましても、船主団体におきましても、この問題につきまして雇用安定を阻害するような事態は絶対行なわないということを声明いたしているような状況でございます。
#212
○浅井亨君 それをはっきりしていただければ、もうこれの補正については、いろいろと今までの質問の中から看取いたしまして、納得するわけです。
 続いて、それに対する待遇でございますけれども、待遇の改善についてはお考えはいかがでしょうか。
#213
○政府委員(若狹得治君) この法律改正によりまして、当然配置転換が行なわれるわけでございます。A社からB社へ、B社からC社へというような配置転換が当然行なわれるわけでございますけれども、御承知のように、全日本海員組合という単一組合がございまして、すべてその所属組合員でございますので、その間の調整は十分円満に円滑にこれを実施できるというように考えておるわけでございます。
 なお、さらに待遇の改善の問題があるわけでございますけれども、これは船舶内の海上労働者全体の待遇の問題とも関連する問題でございますので、船員の合理化という問題と関連して、従来から労使間において双方協力してこの問題を解決して参ったわけでございます。したがって、今後ともそういう方向で問題が処理されていくとわれわれ考えております。
#214
○浅井亨君 他の船会社にいろいろ配置転換する場合がありますが、そういう場合には、よく話し合って、そこにそごのないような方法を絶対に――講じていくと考えているのじゃなくて、これを絶対に講ずると、こういう御返答を願いたい。
#215
○政府委員(若狹得治君) これは浅井先生のおっしゃるとおりに措置する考えでございます。単一組合でございますので、他の企業におけるような摩擦というような問題、あるいは待遇の低下という問題は起こらないとは思いますけれども、不平不満の起こらないように、われわれとしても全力をあげてこの問題を解決していきたいと考えております。
#216
○浅井亨君 次に、年令の問題でございますが、十八才といえば未成年でございます。こういう方に、まあどんなに完備した人間であっても、なかなかそう簡単にいかないのですが、法的にいってもこれは年令が若いように思います。また、陸上におきましても、いずこのところにおきましても、こういう十八才、十九才という時代は、精神的に何だか突拍子もないことをやるようなこともありますし、またそういうようなところでその事故の起こる問題がありはしないかというのが懸念されるわけなんです。こういう問題についてはお考えになっているわけですか。
#217
○政府委員(若狹得治君) 従来の船舶通信士の最低年令を二十才から十八才に引き下げました理由は、電波高校を卒業いたしまして通信士の免状を持ちましても、船舶職員法が二十才であるために、他の職業につくという例が非常に多かったわけでございます。また、船舶に乗って参りましても、一人前の給与が受けられないというような状況でございます。今先生のおっしゃるように、これを責任あるポストにつけるということについては、やはり疑問があろうかと思います。ただ、現実の問題といたしましては、通信長というものが責任を持ってこれを処理しているわけでございますので、その部下として職務に従事する場合が大部分でございますので、具体的に申しましても、船に乗り組みますためには、六カ月の海上履歴が現行法でも必要とされておりますし、また、通信長になりますためには、現在の電波法改正案でも、乙種通信士でございますと、一カ年の通信の実歴を要することになっているわけでございます。したがいまして、そういう面からいきますと、海上履歴あるいは通信の履歴というような面からいきまして、やはり従来と同じように通信長になるためには二十才以上でなければできないというのが普通の状態になると思います。ただ、その下で働く通信士につきまして、電波高校を率業して通信士の資格を持っていれば十分仕事ができるわけでございますので、通信長の監督のもとに仕事を行なっていくということにしたほうが実情に合うのではないかと考えて、こういうふうにやったわけでございます。
#218
○浅井亨君 船に乗るよりも、陸上のほうに職を求めていく、こういうことがあるわけでありますが、どういう理由で陸上に職を求めていかれるか、その理由はどういうところですか。
#219
○政府委員(若狹得治君) 通信士を需要するところと申しますと、弱電関係の産業が非常に多いわけでございます。最近弱電関係の産業が非常にいんしんでございますので、初任給等から見ましても、海上に行って働くよりもはるかに高いというような事実も現われておるようでございます。特に、海上の労働というものは非常に特殊な労働でございまして、長らく家庭を離れて生活しなければならぬというような問題もございますので、最近の社会風潮の問題もございましょうけれども、だんだん海上に職を求める人が少なくなり、弱電の関係に行く者が非常に多くなっているというような関係でございます。
#220
○浅井亨君 今の理由でわかるのでございますが、そういうことに対しての対策としてどうお考えになっておりますか。
#221
○政府委員(若狹得治君) その問題につきましては、まず通信士の身分を安定させ、その待遇を改善していくということが必要であるかと存じますけれども、現在の待遇は船舶全体の各職種のバランスの上に職能給としてきめられておりますので、これを一挙に引き上げるということは、現在の海運企業の実情から見ましても、非常に困難があるわけでございます。ただ、実際問題としては、定数を減少することによって各通信士の格づけが上がるわけでございますので、そういう面で安定もし、また待遇も改善されるということになると考えているわけでございます。
#222
○浅井亨君 待遇が改善されると思うではなくして、待遇を改善していくと、そういうふうに、思うではなくして、いくほうに進めていきたいと、こういう御返事を願いたいのです。
#223
○政府委員(若狹得治君) 単に通信十だけではなしに、船舶乗組員全体の待遇の改善ということにつきましては、船舶の合理化、定員の合理化というものによってこれを生み出していくというような方向を従来からとって参ったわけでございますけれども、この法律ができまして、これが実施される場合には、もちろん、通信士の合理化という問題だけでなしに、これと他の職種の合理化というものを一体にして考えまして、今後それを待遇改善に振り向けるというような努力が行なわれると思います。また、われわれとしても、そういうことを希望いたしておるわけでございます。
#224
○浅井亨君 以上のことで、私も了承いたします。
#225
○吉田忠三郎君 ちょっと速記をとめて下さい。
#226
○委員長(金丸冨夫君) 速記をとめて。
  〔午後四時二十五分速記中止〕
  〔午後四時四十六分速記開始〕
#227
○委員長(金丸冨夫君) 速記を始めて。
 本案の質疑はこの程度で本日はやめまして、明二十九日午後一時より開会いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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