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1962/03/29 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第15号
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1962/03/29 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第15号

#1
第043回国会 運輸委員会 第15号
昭和三十八年三月二十九日(金曜日)
   午後一時二十三分開会
    ―――――――――――――
委員の異動
 三月二十八日
  辞任      補欠選任
   浅井  亨君  辻  武寿君
 三月二十九日
  辞任      補欠選任
   永岡 光治君  小酒井義男君
   辻  武寿君  石田 次男君
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     金丸 冨夫君
   理事
           天埜 良吉君
           谷口 慶吉君
           天坊 裕彦君
           岡  三郎君
   委員
           江藤  智君
           野上  進君
           村松 久義君
           小酒井義男君
           吉田忠三郎君
           石田 次男君
           加賀山之雄君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 綾部健太郎君
  政府委員
   運輸大臣官房長 廣瀬 眞一君
   運輸省海運局長 辻  章男君
   運輸省船員局長 若狹 得治君
   運輸省航空局長 今井 榮文君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       吉田善次郎君
  説明員
   海上保安庁警備
   救難監     樋野 忠樹君
   日本国有鉄道船
   舶局長     青木 秀夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本航空株式会社法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出、衆議院送付)
○船舶職員法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(金丸冨夫君) ただいまから委員会を開会いたします。
 初めに、委員の異動を御報告いたします。
 去る三月二十八日付をもって委員浅井亨君が辞任され、その補欠として辻武寿君が選任され、同じく本日付をもって委員永岡光治君及び辻武寿君が辞任され、その補欠として小酒井義男君、石田次男君が選任せられました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(金丸冨夫君) 次に、日本航空株式会社法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑のあります方は、順次御発言を願います。
#4
○吉田忠三郎君 提案理由の説明を見たのですけれども、内容は、法案そのものはきわめて簡単なものですから、説明も簡単だと、それで終わるかもしれませんが、どうも中身を読んでみますと、釈然とするような説明をされていない。端的に申し上げますけれども、前段では、発足以来十年になるが、非常に発展は目ざましいものがあって、名実ともに日本を代表する航空会社になって、世界の航空界に確固たる地位を占めるに至ったと、こう書いてある。さてその次のくだりにいくと、ところが赤字で今後路線の維持伸長には多大なる困難が予想される――まことにここら辺がどうも、僕はこの事情はよくわかりませんが、あまりに釈然とするようになっていない、こういうことなんです。もう少し詳細に、この際、運輸大臣なりあるいは航空局長から、それぞれのこうせねばならぬという内容を聞かしていただきたい、こう思うがゆえに、問題点に触れて質問したいと思います。
 第一には、日航と整備会社がなぜ合弁しなければならないのか、こういう基本的な考え方をこの際聞かしていただきたい、こう思います。この中には、航空事業の過当競争のかくかくしかじかであるということが若干触れてあるけれども、今度合弁されるのは整備会社ですから、航空には関係があるけれども、整備を受け持っております会社ですから、ここに提案理由として書かれておるものと若干ニュアンスが変わってくると思うのです。こういう点をひとつお聞かせ願いたい、こう思うのです。
#5
○国務大臣(綾部健太郎君) 基本の考え方をちょっと申し上げたいと思います。
 さっき御指摘になりました、日本航空が国際的な基盤を強化して、しかるに赤字になって困っておる、一見矛盾するのではないかということを申されましたが、そのとおりなんでございます。そういう赤字を覚悟してやったからこそ、世界各国に雄飛することができ、同時に世界の航空界に対しまして地盤が確保された、しかしそういうことのために赤字がふえた、これは矛盾したようでございますが、実際そのとおりでございまして、今度整備会社を合併するのも、その赤字を幾らかでも少なくして、そして世界的に国際競争力を幾らかでも強化するというためにやるのでございまして、矛盾したかのようでありますが、現実を率直に申し上げました次第でございます。
 なお、日航の現在の航空事業の現況その他は、事務当局をして答えさせます。
#6
○政府委員(今井榮文君) 補足的に私から御説明申し上げます。
 提案理由説明の表現が、先生が御指摘のように、多少舌足らずの点があった点につきましては、おわび申し上げます。
 まず第一に、日航が国際的に地歩を強化したという点につきましては、むしろ日航の国際線における路線の伸展の状況をとらえたものでございまして、御承知のように、従来太平洋並びに東南アジアのみを就航いたしておりましたものが、一昨年から北回り欧州線を開設する、同時に昨年、多大な犠牲を払いまして、十月から南回り欧州線を開設するというふうなことで、南北両路線より欧州に入るというふうな状況になりまして、現在世界の航空国際機関の加盟国は九十カ国以上でございまして、それぞれがナショナル・キャリアを持って、国際路線を開拓する、あるいは運営する努力をいたしておるわけでございますが、その全体のランキングの中でも大体において十位から十五位に位するというところまでのし上がって参ったわけでございます。したがいまして、戦後航空の制限が十年間続きまして、その空白期間を克服しまして、今日上位にランクされるに至ったという点につきましては・やはり日航が国際航空界において日本のキャリアとして確固たる地歩を占めたということが言い得るのではないか、かように考える次第でございます。
 それから、なお、経営が非常に困難であるという点につきましては、これは単に日航のみならず、各国のキャリアも今日は非常に赤字に苦しんでおるわけでございまして、イギリスのBOAC、あるいはドイツのルフト・ハンザ、フランスのエール・フランスその他各国のキャリアとも赤字に悩んでおるわけでございます。その赤字に悩む理由は、昭和三十五年を契機といたしまして、昭和三十六年度に急激に世界各国が大型ジェット機を採用いたしまして、急速に国際線のジェット化が進んだということでございます。で、その結果、従来よりスピードは二倍になり、しかも旅客の収容力は二倍になるというふうに、一挙に四倍の能力に、それぞれの飛行機がなりますと同時に、反面旅客の伸びは、国際だけから申し上げましても、一〇%ないし一五%ということで、したがって、今日の各国キャリアの赤字は、競争の激しさというものから来ると同時に、過渡的に大型ジェット化したということによる影響が非常に大きいと思うのでございます。その点が、先ほど先生の御質問に対しまして、まあ足らなかった点を補って申し上げた次第でございます。
#7
○吉田忠三郎君 そうすると、航空局長、その前段についての、この飛躍的な発展をして、確たる地位、地盤を占めたという意味は、こういうように解釈、理解していいですか。その路線を確保するために、その伸張の度合いがそうであって、経営内容はそうではない、経営内容のことはここでは立て得ないと、こういうことに解釈していいですか。
#8
○政府委員(今井榮文君) 大体の考え方の基本はそういうことでございます。
#9
○吉田忠三郎君 運輸大臣にちょっと聞きますけれども、あなたの今御説明を聞いておりますと、赤字を多少でも少なくするために整備会社と合弁すると、こういうことですね。多少ということだけでは抽象的なのですね。整備会社と合弁したならば――つまり今日まで日航がこの整備会社に対して発注しておったのですから、その関係で、合弁となれば、合併したならば、どの程度経費節減ができるのか。つまり、それが具体的には赤字を埋めることになるのかということをお聞かせ願いたいと思うのです。なぜこういうことを聞くかというと、あなたのお話を聞いてさらにお伺いすればいいのですけれども、きのうの委員会の経緯もありますから、できるだけ審議に協力するという意味でそういうことを言うのですけれども、日航からわれわれの手元には、日航についての白書が来ております。これを見て――特にこの経営の内容の白書ですね、これを見ると、整備の関係で、今日のつまり日航の経営状態が、今局長が言われたように、将来の事業を進めていく上において重大な困難があるというようなことは、その白書には出ていないと思うのです。ですから、大臣は今そのことで、整備会社と合弁することによって赤字を少なくすると、こうおっしゃったのですから、若干そこに違いがあるような気がするものですから、いかがですか。
#10
○国務大臣(綾部健太郎君) 数字にわたることでございますから、航空局長からお答えさせます。
#11
○政府委員(今井榮文君) 先ほどお答えが足らなかったのでございますが、日航整備を日本航空が合併することの理由につきましてまず御説明をいたしました上で、それによって得られる経費節減というものについて申し上げたいと思います。
 日本航空整備を合併いたしますのは、先ほど大臣も申し上げましたとおり、日航の経営の合理化に資するという点が非常に大きな問題でございますが、元来整備事業というものは、エア・ラインがそれぞれ兼営するということが各国とも建前になっておるわけであります。イギリスにいたしましても、あるいはアメリカにいたしましても、それぞれの航空会社が整備部門は全部自己が運営するというのが本来の建前でございます。これは、御承知のように、航空機の整備につきましては、日常の点検から、あるいはまた定期検査、あるいはまたオーバー・ホールというふうに、各般の検査、整備がございまして、そういったものを常時自分の手で直しながら飛んでおるというのが本来の建前でございます。そうでなければ、本来十分なスケジュールを組むことができない。現在日航は、あらゆる整備につきましてすべて他の整備会社に発注するという手続をとらなければならないということが、一つの隘路になっているわけでございます。
 日本がなぜ戦後日本航空と別に日航整備というものを作ったかという沿革について申し上げますと、当時日本航空が発足いたしましたのは、昭和二十八年……。
#12
○吉田忠三郎君 そんな程度のことは、われわれみんなわかっているのだよ。そんなことは、沿革は、日航の白書に書いてある。読めばわかる。そんなことを聞いているのではない。
#13
○政府委員(今井榮文君) それでは、今の経費の節減でございますが、合理化の面においては、大体四、五億程度の経費の節減になるのではないかと存じます。
#14
○吉田忠三郎君 四、五億というと一億の差があるから、具体的に言って下さい。四億と五億の間には一億の差があるから、具体的に。
#15
○政府委員(今井榮文君) その点につきましては、私どもといたしましては、こまかな計算を現在しておるのではございませんので、大体において四億ないし五億という程度に考えているのであります。
#16
○吉田忠三郎君 では、こまかな計算をしたものを資料として出しなさいよ。そういうことで合併するという提案理由の説明なのですか。
#17
○政府委員(今井榮文君) さっそく計算して出すことにいたします。
#18
○小酒井義男君 関連してお尋ねしたいのですが、経営の合理化をするという中に、人員の整理をするようなことが含まれておるのかどうか。
#19
○政府委員(今井榮文君) 人員の整理は全然考えておりません。
#20
○小酒井義男君 現在の作業量ですね、整備工場の持っているところの能力というのは、まだ余裕があるのですか、そうではなしに不足をしておるということですか、どうなのですか。
#21
○政府委員(今井榮文君) 現在のところで日航の仕事を九〇%程度やっておりますが、ぎりぎりの能力でございまして、今後やはり業務の拡張につれましてこれを充実していくということでございます。
#22
○吉田忠三郎君 さらに、今局長のお答えを聞いておりますと、大型ジェット機の導入によってかくかくしかじかの赤字になっておる、こういうことなんです。で、ここに「近時」と書いてありますけれども、あなたもおっしゃったように、ジェット化されてきたのはここ三、四年ぐらい前からだと思うのですね。ですから、そのときからもうすでにその赤字が出ていくという傾向があることは明らかだと思います、今の説明を聞いておりますとね。だから、ジェット機が日航に入ってきて、ジェット機を導入したために、どういう具体的な赤字が出てきたか、年次別のですね、この際これを明らかにしていただきたい。
#23
○政府委員(今井榮文君) ただいま資料を調査をして御説明をいたしたいと思います。
#24
○小酒井義男君 ちょっと――資料を説明していただくために、同じようなことを繰り返して質問をするのもどうかと思いますので、同じようなことなんですが、路線別の数字ですね、どの路線が一番赤字かというようなことを一緒に説明してくれませんか。
#25
○政府委員(今井榮文君) 先ほどの日本航空の国際線の収支の状況についてお答えを申し上げます。ただ、私申し上げますのは、三十七年度の赤字というものがジェット機の導入によって直ちにもたらされたものではなくて・これは南回り欧州線という非常に大がかりな路線を新たに開設したということが非常に大きな原因でございますが、それ以外に、大型ジェット機の導入による赤字というものは、全般的に、日本の国際線のみでなく、各国の国際線の運営にも非常に大きな影響をもたらしておるという意味で申し上げたのでございます。
 で、日本航空の昭和三十三年度以降の赤字について申し上げますと、昭和三十三年度は国際線のみの赤字が二億八千万――これは当時アメリカ並びに東南アジアのみを運営しておった状況でございます。それが、昭和三十四年度には九億四千二百万、それからそれが三十五年度におきましては八億四千八百万、それから三十六年度には少しふえまして八億六千百万、三十七年度にはさらに大幅にふえまして十四億一千五百万、こういうふうに変化いたしてきております。
 で、路線によりましては、開設当初は非常に赤字でございますが、逐次改善されていくというのが大体の傾向でございまして、したがって、今の数字の中には、改善されてきた路線、あるいはまだ開設されたばかりで改善されない路線というものも含まれておるわけでございます。
#26
○吉田忠三郎君 そうすると、三十七年度と三十六年度と比較してみますと、かなりの赤字の上昇カーブというものになるのだけれども、これもあなたのおっしゃったそのジェット化によるものということですね。それだけのものであったということですか。
#27
○政府委員(今井榮文君) これはジェット化によりまして国際競争が激化したというような御説明を先ほどいたしたのでございますが、この三十六年度と三十七年度の赤字の大きな違いは、やはり三十七年度の十月以降南回り欧州線を始めたための赤字が相当大きくなっておるということでございます。
#28
○吉田忠三郎君 そうしますと、今の説明では、そのことだけではなくて、路線の伸長確保の影響もきわめて大であると理解できるのです。そこで、日航は、法律にも示されておるように、明らかに国策会社である――その目的が法律でそうなっておりますから。したがいまして、国策会社であれば、つまり採算を度外視して、ここにありまするように、国際競争をしなければならない、こういうことから、つまりこの路線伸長確保のために、どんどん不採算路線まで確保するために、そのような膨大な赤字を出していかなければならぬ、こういう点どうお考えになっておるか。
#29
○政府委員(今井榮文君) この点につきましては、全く御指摘のとおりでございますが、従来の日航の経営の建前は、国際線は競争が激しいし、また開設当初は相当赤字になるというふうなことから、国内の幹線を運営いたしまして、国内の幹線で上げた収益をもってでき得る限り国際線の赤字をカバーする、どうしてもそれで足らない面について国からの助成を仰ぐ、こういう建前できておるのであります。
#30
○吉田忠三郎君 そうしますと、三十八年度で今のところの予算じゃ十二億になっていますけれども、十二億ですね、今度投資しようというのは。そこで、三十三年、三十四年、三十五年、三十六年、三十七年、いずれもそれぞれの金額は違いますけれども、赤字を出してきておる。これに対して、年次別に国はどの程度の助成策としての投資をしていったか、明らかにして下さい。
#31
○政府委員(今井榮文君) 今詳しい資料は、すぐ調べてお答えいたしたいと思いますが、日本航空につきましては、昭和二十八年再開当初約三カ年間は十億の出資がございました。それからその次の約三カ年間は年々五億というものの出資がございまして、最近三カ年間は三億に政府の出資が減っておったわけでございます。これは、日本航空の国内線の収益をもってある程度カバーして、大体において収支がとれるというふうなことになったために、国の出資が漸減して参ったのでございます。先生の御指摘のとおり、三十八年度は相当な赤字が予想されるという点もございまして、今度の三十八年度予算におきましては、十二億の従来にない大幅な政府出資の増額をお願いいたしておるわけでございます。
#32
○吉田忠三郎君 具体的に数字的に示されたのですけれども、この面だけ見ますと、あなたの先ほど申されたように、政府がこの赤字の不足分を――つまり、これはいろいろな見方があるのですけれども、国策会社であるという立場でめんどう見ていく、こういうことになると思うのです。ところが、実際赤字の傾向がだんだんとカーブが上がっていくのに、逆に政府の財投のほうがカーブが下がっていく、こういう傾向が数字的には出てくる、カーブを描くと。こういうことは、その当初の、あなたが申されたこの最初の法律を作ったものから見ると、その趣旨にもとるのじゃないかというような気がするのですが、この点どうですか。
#33
○政府委員(今井榮文君) この点については、先ほど申し上げましたように、国際線の赤字に対応しまして、国内における収入というものでカバーした。これは、御参考までに申し上げますと、昭和三十三年度におきまして、国内では五億一千四百万の黒字を出しております。それから昭和三十四年度におきましては十一億七千五百万の黒字を出しております。昭和三十五年度には十二億二千万、昭和三十六年度におきましては九億八千万、こういう黒字を一応出しておるわけでございまして、また欧州線を始める前までは、太平洋、東南アジアでかなりよい成績を示してきておったということでございます。したがいまして、国の出資も比較的そういう意味で減ってきておった、こういうことでございます。
#34
○吉田忠三郎君 たいへん国内線で黒字を出しているということはけっこうなことなんで、よろしいと思うのですが、そこで今年度の十二億というものを見ると、政府出資が約四倍に一挙にはね上がっていくということになろうと思うのですね。ですから、そのはね上がっていくということは、国際線とか何かさらにこれから予想されるものがあろうと思う。それともう一つは、今言う国内線に相当の黒字を出してきている、こういういろいろなものがあろうと思うが、四倍にはね上がったという内容ですね、どういうことをお見越しになって四倍の今回の出資をしなければならないのか、こういうことを御説明願いたいと思う。
#35
○政府委員(今井榮文君) 四倍に出資が今度増加したことにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、国際線の赤字が非常にふえてきた、特に欧州線の開設による開設当初の赤字を相当見込まなければならないということが第一点でございます。
 それからもう一つ申し上げますのは、国内におきまして、御承知のように、昭和三十六年度まではダグラスDC4型という非常に古い償却済みの飛行機を使っておったのでございます。したがいまして、先ほど私が申し上げましたように、昭和三十三年以降国内線の黒字が漸増して参ったわけでございますが、これがやはり相当そういうふうなすでに償却の済んだ古い型の飛行機で収益を上げておったということであるわけであります。ところが、昭和三十七年度におきましては、国際線におきましても路線の拡張によってある程度大幅な赤字が見通されると同時に、国内の収益も従来よりは減ってくるという意味は、国線際がジェット化したために、従来国際線で使っておりましたダグラス7型あるいはダグラス6型という国際線用の機材を、まだ未償却――償却が済んでおらないものでございますから、こういったものを国内に導入することになって参ったわけでございます。したがって、そういった機材を国内に入れますと、どうしてもコストが高くなるというふうなことから、国内の収益も従来ほどは上げられなくなるというふうなことになるわけでありまして、それに加えまして、太平洋の増便であるとか、あるいは北回り欧州線の増便関係であるとか、それから今後予想されます近距離国際線用のための機材の購入であるとかいうふうな機材計画を充足するために資金が相当要るということで、今度出資としては十二億をお願いする、こういうことになったわけであります。
#36
○吉田忠三郎君 かなり詳細な御答弁をいただきましたけれども、内容が抽象的です。ですから、この十二億を出資をしていただかなければ経営が成り立たないという、しかもさっき言ったように四倍の出資ですから、ここでその十二億を見込んで、今局長が言われました、国際線、国内線込めましての機材を整えるという一体具体的な金額はどの程度に見込まれていますか。それから三十八年度の国際線の赤字の見込み額――赤字が出ることは決していいことじゃないですが、見込み額といったものは一体どの程度見ているのか。それから、あなたが今おっしゃった今日までの夫償却の分が相当ある――相当ではわれわれわからんですからね。ですから、未償却の分は一体具体的に金額として数字はどのくらいになっておるか、こういう点をこの際お聞かせ願いたいと思います。
#37
○政府委員(今井榮文君) 未償却の点につきましては、なおまた先生のおっしゃいました三十八年度の資金計画というものにつきましては、今資料を整備いたしまして、後ほど御説明いたしたいと思いますが、大体におきまして、十二億の政府出資のほかに、三十八年度の資金計画といたしましては、政府からさらに三十億の政府の社債保証がございます。それからなお、市中銀行からの借入金に対する十億の政府保証がございます。したがいまして、三十八年度の日航に対する政府の助成は、十二億の出資と、それから社債に対する三十億、借入金に対する政府保証の十億、これだけになるわけでございます。こういったものと、それから十二億に見合う民間の出資大体十億程度を見込んでおりますが、そういったものを一応予想いたしておるわけでございます。
 で、それによってどういうふうな機材計画を持っているかという点につきましては、大体それだけの金で、他に米国の輸出入銀行等からの借入金等もございますが、ダグラスDC8を二機、コンベア880型を三機、計五機、それからさらに大型ジェットのためのハンガーといいますか、整備施設を新たに羽田の中に作るというふうなものが、非常に大きな資金計画の内容になって
 いるわけでございます。
#38
○吉田忠三郎君 国際線の赤字の見通しは。
#39
○政府委員(今井榮文君) 昭和三十八年度は、大体現在の見通しでは約十八億の予定でございます。しかしながら、日航といたしましては、これを何とか半分ぐらいの赤字に食いとめようということで全力をあげて努力する、こういうふうに申しているわけであります。
#40
○吉田忠三郎君 次に、最初に運輸大臣が、整備会社と合併することによって赤字を少なくする、こうおっしゃった、それが主目的でないかということをお聞きしておるのですが、局長が答弁されて、それでは四億と五億ではだいぶ差がある、もうちょっとはっきりしたものを示していただきたい、それはまだお答えになっておりませんから、明確にすることはできませんけれども、これと関連して、今までお尋ねをして答弁された中では、この合併によってどういう格好になって、そこのところに経費が節減になって、それが今度は原資になって赤字を埋めていくということになっていくのか、よく私どもはわかりませんけれども、今日までの日航は、営業部門とそれから運航部門と分かれて、日本的な航空事業をやってきたと思うのです。したがって、今日までのいろいろやってきたあり方で、特にこれと合併しなければ何か不都合が生じておったかどうかということ、これをひとつお聞かせ願いたいと思います。さっき局長は、アメリカとかヨーロッパの例をとりまして、いろいろ諸外国の航空事業についての考え方を述べられましたけれども、あなたが去年旅行に行く前に、私はかなり長期にヨーロッパ、アメリカにおって、こういう事情についても、自分で体験もしたし、ある程度ささやかであるけれども勉強してきたつもりなんです。ヨーロッパとか、あるいはアメリカと、一体今日の日本の航空事業がそういう意味で比較をしていいかどうかということについては、非常に私は疑問があると思うのです。なぜかというと、アメリカを一つ例にとってみますと、まずもって産業基盤が違います。それから、この種事業に対する政府の助成策としての財投の基盤が違う。立地条件も違う。ですから、これはもう比較にならないと思います。それから、英国の場合などは、御承知のように、国営の方向にたどっているわけでしょう。それから、フランスの場合でも、イタリーの場合でも、あるいは西ドイツにしても、ややちょっと形態は違いますけれども、それに類似したような形態をとっている。ですから、そういうものと今日の日航との経営面の比較をして、事業面を比較していくということは、僕は、あまり当を得ていないし、的がはずれていはせぬか、こういう気がするのです。特に、日本の産業構造、政府の財投に対するあり方を、航空事業だけでなくて、各産業を見てみますと、いろいろな利益誘導の形になるのですね、その政策が行なわれているんです。これは先般も、港の整備法を上げたときにも、そういうことが種々論議もされたし、運輸大臣からもそういう答弁があって、その見方が違うのですから、そういう一つの方法もあるわけですから、そのことを私は指摘しているのじゃなくて、今日の池田内閣の高度成長という政策で行なわれている各種産業に対するあり方というものは、そういう基本を持っているのです。したがいまして、多分に利益誘導の形で経営というものをコントロールしていく、こういうものと、今あなたが冒頭に言うたヨーロッパなりアメリカとのあり方というものを比較したって、比較にならぬ。そこであえて聞いているわけですけれども、合併をしなかったときに、一体日航の従前行なってきた経営の方向というものに何か不都合があったかどうか、この点をお聞かせ願いたいと思います。
#41
○政府委員(今井榮文君) 不都合があったという点はないのでございますが、私先ほど申し上げましたのは、今先生がおっしゃいましたような経営の基本的な体制というものについての実は私自身の考え方なり意見ではございませんので、純粋に技術的に考えて、運航と整備というものはやはり同一会社でやることのほうがスケジュールを組むためにベターだという意味で、各国の航空会社というものは全部運航会社がそれぞれ整備事業を自営しているという例を実は引いたのでございます。
 それから、先ほど先生が御指摘になりまして、お答えをあとでいたすように申し上げたのでございますが、具体的に一体この合併によってどのくらいの経費節減になるかという点でございますが、これについては、私どもの試算によりますれば、現在日航が日航整備に支払っております整備の金額でございますが、これが約二十三億ございます。この二十三億の金を一年間に日航が日航整備に支払っておるのでございますが、この二十三億の中には、日航整備が独立会社であるということによりまして、原価のほかに若干の利潤を加えておるわけであります。したがいまして、日航整備は現在八分配当を継続いたしておりまして、八分配当をやるということになりますと、大体八分の配当を確保するためには、一億程度は税金として国家にさらに支払っていかなければならぬ、こういうことになっておるのであります。合併後は、原則として原価のみを支出すれば足りるわけでございます。これによって試算は、先ほど申し上げましたように、八分配当いたしまして、約二億七千万程度が見込まれるのではないかというふうに考えられるわけでございます。このほかに一般管理費その他の節減を大体、これこそ試算でございますが、私たちとしては一億程度を見込んで、先ほど申しましたように、四億ないし五億と申し上げましたが、今の試算によれば三億七千万というものは一応経費の節減になるかと考えます。
#42
○吉田忠三郎君 さっきの経営の合理化については、同一企業にしたほうがよりベターではないか、これは私は思想としては反対とか何とかいうことではなくて、私どももそういう方向であろうと思うのですよ、思うのだけれども、先ほどちょっと触れましたけれども、今日の日本の航空事業だけではなくて、海運事業にしても、鉄鋼事業にしても、各種産業基盤をなす大きな事業、そういう事業というものは、政府の一つの大きな政策のワクでやられているわけです。そこを見ると、必ずしもそうではなくして、自動車なら自動車にしても、そういうことが具体的に言えるわけです。だから、そういう方向であったとしても、私は、日航のほんとうに赤字なら赤字というものを解消させるやり方というものは、整備の面でも、別の方向で、合弁しなくてもやれるのではないかと思っているのです。こういうことを聞
 いているわけです。
#43
○政府委員(今井榮文君) 非常にむずかしい重大な問題でございまして、先生のおっしゃった意味はよくわかると思います。先生が例を引かれた、国の航空会社が、国営形態の航空会社が非常に多い。それからまた、私どもの今までの知識では、航空については三つの形態がある。一つは、純然たる私企業で経営しておるのがアメリカの航空会社でございます。それから、先生が御指摘になりましたような国の航空企業というものは、まさに国営的な運営をいたしておる。西ドイツ等が比較的日本に近い。こういう三つの形態があるのです。そういう形態のいずれが適当であるかどうかというふうな、非常に重要なむずかしい問題でございますが、私自身ここでお答えできないと思います。
#44
○吉田忠三郎君 航空局長がお答えできないということなんですけれども、これは運輸大臣としてお答え願いたいのですが、国の、これは航空のみならず、先般私は本会議でも申したように、運輸交通政策として、さらに行政として、ただ単に、この間の場合は鉄道建設についての角度から質問したところが、あなたは、航空についてもかくかくしかじか、船についてもこうだというような答弁で、今さら質問する時間もありませんでしたから終わっておったのですが、きょうあらためてその点について質問するのですが、あなたが池田内閣の運輸閣僚として、運輸交通政策を扱う責任大臣として、今後日本の全体――空、海、陸ですね、路面交通というものを含めて、どういう将来構想を持っておられるかということを聞かしていただきたいと思うのです。
#45
○国務大臣(綾部健太郎君) 私は、交通の基本対策といたしましては、何と申しますか、国民大衆が最も便利に利用されるような形態に進めるべく努力すると同時に、それは公共使命があると同時に、やはりわが国の経営形態は資本主義の経営形態でございますからして、利潤を生ますような経営をしていって、そうしてしかも公共の利便を損わないように、なるべく便利にしたいというのが基本の考え方でございます。
#46
○吉田忠三郎君 そこで、大臣にもう一回簡単に聞きますけれども、自由主義経済を基盤としているから企業に利潤を与えつつ産業経済〇基盤にしていきたいという、こういうことなんですね。そこで、先ほどの局長の答弁と今度関連させてみますと、日航整備会社というのは、やはり一つの企業でしょう。そうすると、自由主義経済競争の中では、企業というものは当然商売として認められておる。先ほど、八分の配当を行なっておりますから、その利潤というものを込めて約二億七千万円くらいになるのじゃないかと言われますが、自由主義経済競争の中における一つの企業を、ある程度の利潤を求めさしていかなければならぬと、こういうことであるならば、当然存続させても、何ら今後合弁させなければならぬという問題にはならないと思うのです。この点はいかがですか。
#47
○国務大臣(綾部健太郎君) 私が申し上げましたのは、業態によって違います。日本航空のように、もう日航整備会社というのは日本航空が発注するのが大部分――九〇%以上やっておるのですよ。こっちの金をこっちに置くのと同じであって、機構がダブらないようにして、同時に日本航空の国家負担を少しでも軽くするために、また各国の経営状態から見まして、航空事業については、整備会社と不可分のがいい経営形態であるということは世界の航空事業が示しておるのですから、その形態をとりたい。たまたま分かれて置いてあったということは、進駐軍その他の関係によりまして、最初いろいろな国際的と申しますか、日米間の関係においてそういうことをやっておったので、もう常時に復したから、元に戻して、そうして少しでも国民の負担を軽減するように、そうして、ただいま申しましたように、合併することによって三億数千万円の利益があるというならば、国民の血税による補給を少しでも減らすということは私は考えていいと思うのです。その自由主義経済の原則からいえば、あるいは例外かもわかりませんが、私はそうすることがいいというので、合併すべきだと考えております。
#48
○吉田忠三郎君 国際的な傾向がそうした同一企業でやることになっているのじゃないかということですが、その点については、若干運輸大臣は僕は認識不足だと思う。必ずしもそうなっていない。私の経験では、そうなっていない。これはあなたの認識不足ですから、そこで僕は議論しようとは思いません。ただそこで、あなたの今のお答えにもありましたように、日航整備会社というものがいわゆる日本航空の整備事業九〇%の作業をしている、こういうことなんです。そうすると、日本の航空全体の事業、たしか国内線六線六社でございますけれども、機材の面、あるいは資本の面、あるいは経営運用の面、こう見ても、一体何パーセントになっていると思いますか。大臣、これは航空白書に出ておりますよ。微々たるものでしょう。微々たるものであったなら、これもあなた、自由主義経済競争の中に置かれて、しかもあなたの理論からいくと、利潤はやらなければいかぬ。ところが、これは日航と同じように――全日空の場合はどうかようわかりませんけれども、他のほとんどが今日膨大なる赤字を抱えて、日航以上のものがあるはずなんです。だとすると、こういう問題についても、あなた方は当然行政の、特に運輸省は監督官庁として、正しい――あなたのおっしゃる利潤は伴ってきょうが、政府がそういう方向へ指導監督しなければならない、まずこれが一つですよ。そういう立場に立ってながめたら、それらがやはり整備の関係で相当な金がかかっていると思う、日航と同じように考えて見ても。だとすれば、私は、このくらい、九〇%くらい大きくやっている企業というものは、政府がむしろそこのところを助長した整備事業のセンターくらいの政策としてとられて、国内線のそういった多くの赤字を抱えて四苦八苦しているようなところも援助していくという考え方に立たなければならぬのじゃないかという気がしますが、それが逆に、日航だけに合弁して、日航だけが、つまり今言う幾らかでも経費節減になって、そうして赤字が少し解消されれば、国民の血税を減らしていくのにいいのじゃないか――国民の血税を減らしていくことについては、私は反対しない。大いにこれは、そういう国策会社のみならず、各省庁における国民の血税を使っていくようなところは、積極的に血税を使わないようにしなければならない。財投する場合においても、そういう方向で具体的に政府の方向というものをきめていかなければならぬと思うから、僕は税金のことで言っているのじゃないんだが、こういう点についてひとつ、どうですか、今後の考えは。
#49
○国務大臣(綾部健太郎君) それは、さっき申しましたように、航空事業というものは、整備会社と一体になっているほうが形態上いいんですよ。ですから、まず日航は、そういう整備会社を持っていることが、こっちへ一緒にするほうがいいからやったので、ほかの航空会社がどう整備しているか、おそらくは自家――自分で整備していると思います。
#50
○吉田忠三郎君 それは、思いますじゃないよ。
#51
○国務大臣(綾部健太郎君) 私はそう思っておりますが、違っておれば、それは訂正します。
#52
○小酒井義男君 ちょっと関連をするのですが、結局こういうことなんでしょう。日航は非常に赤字で困っている。日航が五一%以上も出資している整備会社のほうは、利益配当をしている。配当すれば、税金も納めなければならぬ。これを一本にすればこういうことに利点があるのだ、こういう説明なんでしょう、理由は。そうおっしゃればわかりいいんじゃないかと思いますが。
#53
○国務大臣(綾部健太郎君) そういうように言うているのですが、私が不行き届きで……。
#54
○吉田忠三郎君 大臣にここでとやかく議論しようとする気はない。しかも、きょうはこの法律を上げなければならぬというきのうからの話もあるから、あえてする気はありませんから、もう少しすなおに、それこそ要領よく、わかりやすく答弁してもらわぬと、結果はこういうことになるわけですね。こういう点ひとつ、これからまだ二、三御質問しますが、要望しておきます。
 次に、合併によって、今言った面も含めて、経営の合理化をやっていく。合理化のやり方には、中身はたくさんありますよ、要素というものがある。その一面をとらえて、先ほど、同僚の小酒井委員から、職員の関係に触れられまして、それはお答えになりましたから、僕は答弁の必要はないので、それ以外のどういう面とどういう面を具体的に合理化をしていくのか、こういう具体性が、提案理由の説明ではないわけですから、この点をもうちょっと具体的に聞かしていただきたいと思います。
#55
○政府委員(今井榮文君) 合理化によってどの程度の経費の節減ができるかという点については、すでに御説明申し上げたと思いますが、それ以外の利点として考えられますのは、現在御承知のように非常に技術者が払底いたしておるわけでございます。日航整備は、二千四百名の職員がほとんど大部分は技術関係に従事いたしておるわけでございます。日航も別に技術部を持ちまして、航空機のメンテナンス、航空機の修理についてのいろんな発注計画とか、あるいはまた実際の発注であるとかというようなもの、あるいはまた操縦士からの航空機の故障その他についての報告の調査というふうな、いろんなことをやるための技術陣を備えておるわけでございます。こういった払底した技術者が両社に現在分かれておるような状況でございまして、こういったものを組織として一本化した場合には、技術者の今後の運用の面におきまして非常に能率的に、また費用の面においても合理的になるのではないかということも一つの利点ではないかと思います。それからまた、日航も、日航整備も、先ほどから御説明いたしておりますように、逐年業務量は増加いたしておるわけでございます。当然に人はどんどんふえていくわけでございますが、こういった場合に、両社の管理部門を同一にしまして、増員の計画を、現実に両社の管理部門に勤めておる方々によってそれをまかなっていくというようなことについても、管理部門の合理化というものが行なわれるのではないか、こういうふうに考えております。
#56
○吉田忠三郎君 おおむねわかりましたが、ちょっとこまかくなりますけれども、やや関連する事業ですけれども、しさいに検討していくと、いわゆる整備会社というものと航空会社というものは異質のものだと思います。したがって、株の構成も違うであろうし、経営のあり方についても違うでしょう。方針などについても、そういうものが、かりにこの法律が制定されて合併をする、そうすると、さっき言ったように、経営の方針も違うし、株の組織も違うわけですから、株主の場合は、前もっていろいろ総会とか何かにがければスムーズに合併できるのでありますけれども、そこの方針に従って従事しておられた職員などの勤務の状態、あるいは給与の関係などまで含めて、かなり相互の会社などでは異質の部分が出てくるのじゃないか。具体的にこういう問題はどう扱うかですね。
#57
○政府委員(今井榮文君) おっしゃるような点については、私どものほうでも心配をいたしておるわけでございますが、御承知のように、本来私どもとしては、先ほど大臣から御説明がありましたように、日航と日航整備を一体化するということが、業務の運営の面でも、また経営の合理化の面でも必要だということで、従来とも会社それ自体もそういう考えを持って進んで参っておりまして、したがいまして、現在御承知のように日本航空の副社長は日航整備の社長を兼ねておられるというふうな面で、人的な面についても、そういったふうな方向に今日まで指導をしてきておる。それからまた、給与の面につきましては、私まだ詳しくこれについて会社からの今後の具体的な方向についてお話を伺っておりませんが、大体におきまして、役員等の給与については、大体同じように伺っております。それからまた、職員の給与につきましては、いろんな給与の体系その他の関係から多少の出入りはあるわけでありますが、そう大きな開きは実質的にないのじゃないか。しかしながら、先生がおっしゃったように、今後そういった大きな問題を円滑に処理するためには、やはり相当時間をかけていかなければいけないのじゃないかというふうな感じもいたしますので、かりに日航整備が日本航空と一緒になった場合でも、すぐ直ちに統一された給与基準というものが適用できるかどうかという点については、十分慎重な検討を加えた上で結論を出さなければいけない、かように考える次第であります。
#58
○吉田忠三郎君 たいへんわかりやすいお答えをいただきましたけれども、その扱い方の慎重という理解を、こういうふうに理解していいのですか。特に二つ、三つ例にとって言ったのですが、給与の面であるとか、勤務時間の問題であるとか、いわゆる一般的に申される労働条件などについては、つまりその労働者側というのはあるわけですから、そういう関係で労使双方が十分いろいろ話し合っていくならば、つまりスムーズに統合ができるようにしていくという理解を、そういうことが含まれておることで理解していいのですか。
#59
○政府委員(今井榮文君) おっしゃるとおりでございます。
#60
○吉田忠三郎君 そこで、大臣にちょっとお尋ねしておきますけれども、さて大体今まで質疑しておる中で、日航のほうの関係は同一規模でやっていくことがよろしい、こういうことですけれども、主として国内線を扱っている独占六社、大臣がえらいお骨折りをして、結婚式をあげるようなところも二、三新聞でもながめているのですが、かりにそれがそういう格好になって集約統合されたとしても、この種やはり国内航空事業を担当する企業だって、整備なしに飛んでいいというものじゃないわね。これはだから、その場合に整備会社をメーカーで持つか。あなたは先ほども、みずからやっているのだと思いますがと――思いますではだめなんで、やっていないのですよ、よそにやはり扱わしておる。だから、あなたの理論からいくと、やはり国内の航空会社は自前でやっていくことが正しいということになるわけですから、この点について今後どう考え、どういう指導をしていくのか、こういうことです。
#61
○国務大臣(綾部健太郎君) 毎日の整備は各社とも自分でやっているそうでございますが、大きな修理につきましては、まだそういう自分の会社内もしくは自分の系列会社の修理工場というようなものは持っていないようですから、私は、さっきあなたがおっしゃったように、なるべく航空会社は整理統合して力強いものにすることがいいということは、すべての産業についてそれは大体そう言えますが、航空業なんかについては、みんな多大の資金を要するものですから、弱小会社じゃとうていやっていけないのです。そこで私は、合併を勧奨して、そうしてしかも、それが寡占になって、あまり集約し過ぎて、独占のようなことにならぬような程度の、適当なる競争ができるような体系に国内線は持っていって、そうして国際線には国際線の要求に――国際的な要求もしくは国際的な状況に応ずるような工合に力をつけていくのがいいと考えて私らやっております。
#62
○吉田忠三郎君 つまり、整備、修理、こういう関係は、国内とか国際とかということをあまり僕はこだわらなくてもいいじゃないかと思う。しかも、先ほど来のあなたのなぜ合併するのかということに対するお答えは、経費の節減になる、税の関係も含まれてかくかくしかじか、こういう答弁がある。しかし、これを百歩あなたに譲って、それを推し進めていくということであるならば、基本の考え方は違いますよ。僕は、日本の現状のような場合には、先ほど言ったとおり、基本の考え方は違いますけれども、あなたと僕の理解はだいぶ違っておる、認識は違うのだけれども、国際関係はみんなそうなっているのだから、そこら辺までやらねばならぬと、こういうことなんで、かりにこれがそういう方向に行くとしたならば、あなたが先ほど答えました国民負担をより軽減していくというような格好になるならば、むしろこの日航が自前でもってさらにより整備拡充をされていくでしょう。整備事業の面についても、今まで運航部門あるいは営業部門も持っていたやつが、プラス整備部門を持つわけですから、しかもより相当な強化をされていくものだと思うのですよ。そういうことであれば、国内航空をやっておるところだって、自前でも新たな設備投資をしなければならぬ。それから、局長の言われる技術者の問題もありますよ、整備をしていく。こういうことを考えてみますと、必ずしもあなたのおっしゃった後段の各社に持たせていくということは、経済効率から考えてみてはたしていいかどうかということは、非常に疑問があると思うのです。だから、むしろ私の考えを申し上げますと、そういう方向にもし一つのものができたとするならば、むしろ一面においては、国内のそれぞれの航空会社を正しい意味で育てていくという方向からも、整備については一つのやはりセンター的なものにして、そういうところへやらしていくということがむしろ一つの施策ではないか、こう考えるのですが、どうなんですか、そういうお気持はないのですか。
#63
○国務大臣(綾部健太郎君) 一つの考え方だと思いますが、私はやはり、できた会社は、日航は従来の航空会社で、整備のほうも、おそらくは日航の整備部門といいますか、整備会社が合併したところに事実持ってくるようにならざるを得ないと思うのですが、そういうようにまた指導していきたいと思うのです。その点はあなたの言うとおりです。
#64
○吉田忠三郎君 そうすると、実際やってみたらだんだんそういう方向になっていくであろうということだろうね。それだったら、やれるじゃなくて、そうだと言えばいいじゃないか。そういうことを言うものだから、時間がかかるのです。
 次に、いろいろ今まで聞いておりますと、この赤字の大半をなすものは、やはり国際線の伸長路線の確保、こういうことになるように考えられるのです。そこで、これからいろいろ、やはりまだまだ今日まででは、そのことだけで満足はできないであろうから、日航はそれ以外に国際線を考えていると思いますね。ちょっと新聞に出ていましたけれども、一つの例をあげますと、京城線のことについても、何かすでに調査済みのごとき、これは新聞ですからわからぬですよ、出ておったし、あるいはモスクワ線についても何か調査する、あるいはさらにまたニューヨークまで伸ばしていくとか、このようなことが出ておりますが、一体、今申し上げた以外にもまだあるだろうけれども、これから予測されるそういう国際線の路線伸長確保という意味と日本の航空事業の開発という二つは、どんなようなところを考えられているか。
#65
○政府委員(今井榮文君) 各長距離の国際線につきましては、今御指摘のニューヨークへの乗り入れ、さらにまたニューヨークを越えて大西洋から欧州に入るということによりまして、現在インド洋経由、あるいはまた北極経由で欧州へ行っております路線と接続いたしまして世界一周路線を完成するというのが長距離国際線についての最大の課題になっておるわけでございます。それ以外に、現在豪州との間に、豪州のカンタスが一社のみ日本に三便乗り入れておりますが、こういった航空路線の開設といったようなものも将来の構想としては考えられるわけでございます。それ以外に、たとえば最近非常に経済的に躍進して参りましたアフリカに対するする路線、あるいはまた日本の移民がたくさん行っております南米の線というふうなものが将来の長距離国際線としては考えられるわけでございます。それ以外に、近距離国際線といたしましては、今御指摘になりました京城線でございますが、これについては、日本航空並びに韓国の大韓航空公社との間に、私的ベースで、会社ベースで話し合いをしておるような状況でございまして、現在日本、韓国両方とも、航空会社が、本来両国間の間に就航すべきキャリアが就航していないという状況から、ぜひ早くこういうものを開きたい。それからまた、マニラ経由の香港線であるとか、あるいはまたマニラと東京の間を結ぶ路線というふうなものも、現在実施しておらない状況でございまして、マニラ線の開設というようなことも考えられる。また、モスクワ線につきましては、基本的にいわゆるシベリア経由欧州線というものが経済的にはたしてペイするものかどうか、それからまた国際路線として開発できるものかどうか、まず基礎調査をやる必要があるというふうなことで、そういった面で近く調査団を派遣するというようなことになっております。
#66
○吉田忠三郎君 かなり多い何か御計画を想定しているようで、そこで、今調査の段階のものもあるし、交渉中の段階のものもあるでしょう。したがって、ペイになるかどうかという問題は、当然企業ですから考えていかなければならぬ。それはそれとして、今日までの経緯をずっと先ほど来説明があったのですけれども、いずれも三十三年ころからは赤字が出ているということは、ペイになっていないということですね、そういうことでしょう。それがさらに最近は急カーブに上昇している、こういうことですから、これから今あなたがおっしゃられたようなところがやられても、私は直ちにペイになるというふうには考えられないのです。だから、ある意味においては、この提案理由の説明にもありまするように、国際競争ということと、日本の航空事業のその中からつまり路線確保という二面の考え方、したがって、法律に示されておりまするように、それを担当するには、ペイにならぬのですから、その企業というものから考えて、ペイにならないものをやるわけがないのだけれども、国策会社であるということで、おそらくそういう方向にいくと僕は思うのだが、こういう考え方についてはどうなんですか。
#67
○政府委員(今井榮文君) 先生の御指摘のとおりでございますが、私どもとしては国際路線を拡張しさえすれば幾らでも赤字になってもいいという考え方では全然ありません。従来の実績を見ましても、太平洋線がまず第一にペイ・ラインに乗りまして、東南アジアも、当初は相当な赤字でありましたが、逐次収支償うようになって参っております。それから、北回りの欧州線につきましても、開設の初年度は約五億の赤字でございましたが、それが今年度――昭和三十七年度におきましては赤が三億に減り、それから日航の見通しでは、大体三十八年度には収支償うのではないかというふうに考えておりまして、したがって、国際線につきまして赤字がずっと出て参りましたのは、ペイ・ラインに乗ったものもありますし、それから新たに始めたために赤字になったというふうなものがこの中に入っておるわけでございまして、全体的には国際線として赤字になっておりますが、先ほど申し上げましたように、路線開設以来多少の年月をかけると逐次改善されてきておるというのが実情でございます。それからまた、将来私どもとしては、先ほど申し上げましたような日本の航空路線の伸長についての一つの希望あるいは夢を持っておるわけでございますが、しかし、こういったものを十分財政的な観点から取捨判断いたしまして、やはりそういつたように計画的に長年月をかけて合理的な経営をやるような方向でもっていかなければいけないのじゃないか、こういう気がいたすわけであります。
#68
○吉田忠三郎君 そうしますと、今の説明を聞いておわかりになるように、やはりここ数カ年はいや応なしに、今局長がおっしゃったように、経営でどう努力しても、私は赤字が出ていく傾向というものはふえていくんじゃないかという気がするのですが、特に、先ほどお尋ねした中で、これから路線を確保しようというようなところについては、もう当初からペイになるということは考えられませんから、その傾向がさらに強くなるであろう、こう思うのですね。ですから、ペイにならないということは、収支計算で欠損ということになるですね。だから、そういう欠損が生ずることはもう火を見るより明らかだと僕は思う。その場合に、その赤字をどのように埋めていくのか、これはもう最初から、いろいろ法律の中では、あなたの答弁したように、政府の出資で埋めていくというようなことにはなっているけれども、これは当初、目的はそうであったからといって、国民感情が許さぬと思うのですよ。とりわけ今日の航空事業を見て参りますと、国際的に、あるいは国内もある程度の産業経済の開発になったであろうけれども、まだまだ国民大衆の足になっていないことは否定できないと思うのですね。だから、そういう中で、今度は逆に、国民の税金の中から出資していくわけですから、必ずしも、そういう目的が書かれておるけれども、直ちにそうだというふうに私は実際問題としてならぬと思うのです。そこで、政府は一体、今後そういう傾向に対して、しかもさらに増大していきつつある赤字をどう補てんをしていくかということについて聞かしていただきたいと思います。
#69
○政府委員(今井榮文君) 先ほどお答え申し上げましたように、でき得る限り国内幹線における経営を安定させまして、国内の幹線でできる限りの収益を上げさせるということによりまして、国際線の赤字補てんにできるだけの努力をしていくというのが一つ。もう一つは、政府出資につきましては、御指摘のとおりでございますが、その金額は必ずしも多くはないように私どもは思います。むしろ政府が、三十八年度予算にも現われましたように、政府の助成策の根幹は、やはり社債保証、債務保証による資金調達という点のほうがむしろ金額的には多いのでございますから、こういう面については、政府としても、日航が収益をでき得る限り改善することによって、逐次これを返していくという建前に現在なっているわけでございます。しかしながら、私ども航空行政を担当する者としましては、各国が相当な赤字を覚悟して、やはり文化、経済あるいは人間間の交流というものを強化していくためには、国際路線を現在大いに拡大しつつある状況でございまして、したがって、わが国といたしましても、今申し上げましたように、国民自体の負担になるような点については極力これを少なくすると同時に、やはりその路線の伸長だけは必要なものについては逐次実施していくということが、国際航空としてはそういうほうが私どもとしては最も望ましい姿ではないかと思っております。
#70
○委員長(金丸冨夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#71
○委員長(金丸冨夫君) 速記をつけて。
#72
○小酒井義男君 一点だけにしぼって大臣から御意見を伺いたいのですが、この法律案はまだ当委員会は審議の途中であるわけなんです。ところが、過般から、会長にだれがなるのだというようなことで、朝海さんの名前が出たり、あるいは小林中さんだ、植村さんだというような名前が出たり、朝田事務次官が副会長になられるのだとか、こういうようなことは、これは内々そういうことはあり得ると思うのですが、新聞記事にどんどん先に出してしまうというようなことは、あまり好ましいことじゃないと思うのですが、どうなんですか。
#73
○国務大臣(綾部健太郎君) お答えいたします。それは私もすこぶる遺憾なんです。もう私は、私の部下その他に対しましては、一切ノー・コメントだと言っておるのです。ところが、新聞記者諸君は、非常に仕事に熱心なあまり、たとえば日航の会長は法案が通ったならば直ちにお考えになるのですかと言うから、通ってみなければわからぬ、今考えていない、こう言う。それではたとえばこういう人はどうですかと聞くから、それは無能だからだめだとは言えぬですよ。それはりっぱな人だねと言うと、それはある有力な候補になる。それをやられて、私は実に閉口して、被害者は私なんです。毎晩二時ごろになって――夜となく昼となく新聞記者の諸君が来る。ゆうべ二時に電話がかかってきて、また三時に電話がかかってきて起こされる。そういうことで、確められる電話がかかってくる。実際、私の運輸省内部の記者、ときわ会の記者にお聞き下さればわかりますが、私はさようなことについて個人の名を実はまだ考えておりませんし、いわんや、某氏、某氏というようなことを言ったことは絶対にないのであります。これだけひとつ御了承願います。私も被害者の一人なんです。
#74
○小酒井義男君 もう一点だけ申し上げたいのですが、大臣も被害者でしょうが、名前が出て、これでそうでなくなる人が、一そう被害者ですね。たとい引き受けたにしても、何人かの名前が出されたあとで引き受けるということは、決していい気持じゃないと思うのです。何も出ないはずだ。そういうような名前が出るのは、どこからか出るのじゃないかということを思うのです。相当の新聞に出るのですから。そういう点はやはり、よほど今後注意をしていただかなければいかぬと思うのです。
#75
○国務大臣(綾部健太郎君) 了承いたしました。私その点はすこぶる遺憾に思っている一人でございますから、少なくとも運輸省関係の記者からはそういうことは絶対ないと思いますが、ああいう人事はどこでだれがどうきまるのかわからぬが、私自身が実は驚いているような次第でございますから、どうぞ御了承願いたいと思います。
#76
○委員長(金丸冨夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#77
○委員長(金丸冨夫君) 速記をつけて。
#78
○吉田忠三郎君 だいぶん時間質問して明らかになってきたのは、やはり今航空局長も認めておりますように、ここ数年はやはり何としても赤字が出てくる傾向はとまらない、こういうことなんで、この赤字の補てん、この点は、私は、政府出資のみならず、会社自体、経営者としても努力していかなければならないと思うのです。今までの例を見ますと、国内線で相当その赤字をカバーしていたことは、先ほど御説明があったから十分わかりますが、今後も、この国内線というものは、やはり日航のみならず、他社においても――他社は国際線はやっておりませんから、日航だけを申し上げますが、日航は従前のようにやはりこれは赤字を埋めていく培養線なのではないかと思うのです。この点どうですか。
#79
○政府委員(今井榮文君) おっしゃるとおりでございます。
#80
○吉田忠三郎君 そこで、その培養線たる国内線ですけれども、最近、東京−大阪間のジェット機化をしていくということが、ちらほら新聞に出されておるようですが、東京−大阪間などというものは、それは速ければ速いほどいいでしょうけれども、ジェット機を使うことによって前段では赤字が出てくる傾向がある、そこのところに弱みがあると、こう言われておって、今度国内で使って、しかも東京−大阪間というのは、あまり遠い距離ではない、飛行機であるならば。だから、そういうことを、今言う、つまり国民負担を軽減していくという立場で、できるだけ経営の方向から赤字を補てんするということになると、国内線は赤字を埋めていく培養線だ、これはあなたもお認めになった。こういう点、あなたはどうお考えになりますか。
 それからもう一つ、これはまあ最近、何か夢の超特急なんという新幹線ができて、これが東京−大阪間三時間ですか、計画では。今までの私の考えでは、DC4型でも、夢の超特急――世界的に有名だとか何とか言われるものよりも早く着くのではないかと思うのです。ですから、こういう点と比較して言っているのです。
 それからもう一つは、ジェット機を使うということからして、他社に与える影響もあろうし、さなきだに国内六社というのは、過当競争をして、もはや最近は経営が風前のともしびのような状態になっている。あなた方行政官としては、その経営を集約統合して、それを建て直さなければならないということで、非常にいろいろなことがなされている。こういうことでは、いろいろな関係で、私はより国内の過当競争の方向にこういうものが行かぬかどうか。このことは、先般新聞に出ておる。こういう点について航空局長はどう考えておりますか。
#81
○政府委員(今井榮文君) 国内線のジェット化という問題につきまして、現状を御説明申し上げますと、純然たるジェット機は、現在、日本航空のコンベアの880型というのが、東京から札幌、東京から福岡、この両線に一日数便飛ばしておる状況でございます。したがいまして、東京−大阪間について、これを将来どういう機種を使うほうが適当かという点につきましては、まだ結論は出ておらないのでございますが、現在東京−大阪間にはジェット機は就航しておりません。というのは、大阪自体の滑走路の長さ等の問題もございまして、現在は就航いたしておりません。しかしながら、日航が国内線でジェット機を現在暫定的に使っております。その理由といたしましては、日本航空は、国内線の幹線と国際線の機材とを別々のものを使うことはどうしても不経済だということで、国際線の余剰機材を国内線の幹線に合わして使う。それによって乗務員の訓練もできるし、整備士の訓練もできるしということでやっているわけでございますが、コンベア880を国内で現在使っております理由としましては、先ほど先生の御質問にもございましたように、将来の路線計画の中で、近距離国際線、たとえば韓国路線であるとか、あるいはマニラ線であるとか、それ以外の近距離国際線の増便に充てる機材でございます。しかしながら、今直ちにそれを就航させるという状況ではございません。このコンベア880は、すでに大体の生産を終わりまして、もう今後これ以上生産されないということでございまして、今度入手しなければ永久に手に入らないというふうな機材でもございますので、今般三機を買って、いずれにしましても将来はこれを国際線に還元していくというふうに私どもとしては考えていっているわけでございます。そういうふうなものを使うことによってはたして採算がとれるかどうかという点もありますが、その点につきましては、現在、国内幹線につきましても、ローカル線についても、旅客の伸びは非常に急激でございまして、国内幹線では年々約五〇%近く、ローカル線につきましても全体として五〇%から一〇〇%に近い伸びを示しておる路線もあるような状況でございまして、したがって、国内幹線につきましてそういう機材を使う場合にも、大体三〇%程度の利用率でペイするという計算に立ってやっているわけでございます。したがって、こういうようなものも十分採算のラインに国内では乗るのではないか、かように考える次第でございます。
 それからなお、四型もまだ使えるのではないかというお話でございましたが、これはもちろん、東京−大阪間現在大体二時間半かそこらぐらいで行くわけでございますので、したがって、夢の超特急よりもその飛んでおる時間についていえば短い。まあ両端の輸送距離その他の関係はございますけれども、御指摘のとおりでございます。しかしながら、今こういう古い型の飛行機を使っておる主要な路線というものは、国際的に見てもほとんど例がないという状況で、利用者の立場からいたしましても、やはりここまで航空が進んで参りますれば、運賃はかりに同じとすれば、やはり優秀な速い機材というふうにだんだんなってくるわけでございます。しかしながら、先ほど先生の御指摘がございましたように、むやみに機材をよくして過当競争を引き起こすということがないようにわれわれとしては心がけていかなければならない。そこで、国内線についての全般的な行政方針でございますが、幹線におきましては、日航と全日空との提携を強化しまして、将来とも過当競争に陥らないように、両社の運営する便数等の量もきめて、あるいは業務につきましては、現在すでに実施中でありますが、連帯切符制であるとか、あるいは共通切符制であるとか、あるいは共同で施設を使うとかいうような面で、両社の間に業務提携をさせるように私どもとしては努力をしております。したがって、幹線につきましては、日航、全日空それぞれ安定した収益を上げ得るように提携を強化していくというのが私どもの現在の考え方でございます。
 それから、国内六社各社につきましては、これは非常に航空の実用化といいますか、ブームといいますか、そういうような関係で、先ほど申し上げましたように、旅客が非常にふえて参ってきておるわけでございますが、個々別々に各会社に路線を免許するということは、やはり狭い日本でございますので、将来非常に過当競争に陥る一つの原因にもなるのではないか。しかしながらまた、個々の会社にいたしましても、非常に限られた地域で運航するということが、結局経営を苦しくするという点もございますので、それぞれの地域の航空開発の観点からしましても、できるだけ広域運航ができるような体制にこれを持っていくことが必要ではないか。しかも、それはできる限りやはり少数に集約して、過当競争にならないように、将来安定した経営ができるようにということで進んでいくというのが現在の私どもの考え方でございます。
#82
○吉田忠三郎君 後段で申された独占六社の関係ですが、集約統合の方向にある、こういうことなんです。そしてまた経営面についても触れられたわけですが、あなたのお話を聞いておりますと、つまり、国内線においても、いわゆるペイ線に乗ってきておる、こういうことなんですね。ペイ線に乗ってきたら、さっきの運輸大臣のお話をそのまま受けると、それぞれの企業を利潤を見て育てていくということなんだから、僕はそこに集約統合しなくてもいいような気がするのだ。それをあえてするということになると、何かそこに理由があると思う。もう一つの一面からながめてみると、そういう統合をやりながら独占化の方向にいくのじゃないかという危惧さえ僕は持たれるのですが、こういう点どうなんですか。
#83
○政府委員(今井榮文君) まあペイ・ラインに乗るというのは、やはりある程度の路線を与えていく。ところが、そういうふうな形で各社ばらばらに路線を与えていくことが、将来の過当競争の原因になるというふうな考え方に立っておるわけでございます。したがいまして、ペイ・ラインに乗って安固な経営をやらせるために、航空の広域的な性格からいいまして、やはりできるだけ少数に集約さしていくことがいいというふうな考え方でおるわけでございます。それから独占化の傾向というものは、これは私どもの考え方としては、これは全体としての大きな輸送秩序というものは確保しなければいけませんが、必ずしも独占的にこれをやらしたほうがいいかどうかという点については、十分検討していかなければならないと思います。
#84
○吉田忠三郎君 国内のつまり航空事業の開発もそうですが、あなたもさっき言っているように、相当あると思う。まだまだ伸びの率というのは上昇すると思う。したがって、あなた方が、独占六社というものはそういったものを考慮されて認可したものだと思うのですね。認可したところが、今度はできるだけ少なくしていくという指導の仕方、そしてそれがペイになっていないなら別として、ペイ・ラインに乗りつつ開発をされていく素地がある、こういうことになるならば、運輸大臣がさっき、できるだけ、この航空事業のみならず、すべての産業企業というものは、私どもは自由経済主義に立って、そこに基盤を置いてやっておるのだから、そこに利潤を得るようにやるのだ、こういうやり方をします――私たちのほうは違いますけれども、運輸大臣はそう言っておる。運輸大臣がそういう方向でやるなら、今あなたがおっしゃったような方向で集約統合していくということは、非常に矛盾が出てくるわけですよ。ここら辺どうなんですか。
#85
○政府委員(今井榮文君) 私先ほどペイ・ラインに乗るというふうに申し上げましたのは、やはり十分な路線を持って運営しておる会社について申し上げたのであります。たとえば非常に季節的な格差のある地域を運航しておる会社につきましては、夏場はなるほど、非常にお客も多いし、飛行機もフル稼働するというふうなことから、非常な収益を上げ得るわけでございますが、さて冬場になりますと、十分な稼働ができないというようなことから、直ちに収支が償わなくなってくる。しかも、そういったところにわずかな短い路線を与えるというふうなことによって直ちにその冬場の問題が解決するかというと、必ずしもしないということになりますと、やはりもう少し広域的な角度から、これは全体のもちろん輸送秩序という観点は考えなければなりませんけれども、やはりある程度の活動の規模を持てるものにしたほうが、むしろその地域の航空開発をするためにも基盤が強くなるのではないか。現在必ずしも各社がすべて黒字だというのでなくして、やはり私どもの調査によりましても、現状のところでは小さい姿で地域的な路線を運営しておるというだけでは決して黒字にならないというのが実情でございます。
#86
○吉田忠三郎君 そこら辺までようわかりましたが、最近何か集約統合という線をあなた方のほうで方向としてきめられて、聞くところによると、運輸大臣がおればたいへんけっこうでしたが、内面指導をしていく、それは大いに大臣の権限でやられることだからいいのかもしれません――悪いのかもしれませんが、しかし、この独占六社――全日空、これはかなり大きくなっておるから別として、それ以外はもう問題にならないくらい小企業だと僕は航空事業では見ているわけですよ。したがって、つまり日航が国策会社であるように、地方自治体がかなりその地域の開発を考えて、出資はもとより、助成の政策をとっているところがあろうと思う。一つの例をあげますと、北日本航空などはまさに、資本の内容をしさいに検討してみますと、道策会社――北海道の道策会社ですね。道策会社と、こう言っても過言じゃないかと私は思う。こういうところと、それからもう一つには、全く商行為的なことを主とした企業もあると思う。したがいまして、資本構成も全然違ってきておる。経営の方針も違ってきておる。こういうものなど、やはりあなたが今言ったように、集約統合していくというと、必ず私はそこらあたりに無理があるのじゃないか。聞くところによると、あまり好んでいない、端的に言って――こういうことさえ聞くのです。ところが、今度はそういったものに対して集約統合の方向にあまりいい返事をしないということであるならば、生命線――いわゆる生活の生命ですね、生命線となるようなつまり路線認可申請をした場合に、言葉は悪いけれども、手心を加えていくというようなことなどがあるやに聞かされる。やむを得ず――本意はそうじゃないのだけれども、あなた方のきょう打ち出されている集約統合の方向に行かざるを得ないなどというようなことが聞かされるのですが、こういう点は、あなた方はおそらくはそういう事実がないと思うのだけれども、しかしいろいろなことが、先ほど小酒井先生からも言われたが、申請の問題も含めてそういうことがあるので、この際明らかにしていただきたいと思う。
#87
○政府委員(今井榮文君) おっしゃる点は、まことにごもっともな点があるわけでございますが、私どもとしては、やはり非常に狭い日本の国に、たくさんな航空会社というものが、今後やはりその経営を強化していくために、いろいろな路線を経営するということでいくと、非常に過当競争の弊が生じてくるという観点に立っておるわけでありまして、したがいまして、やはりこれを行政方針として、できるだけ集約統合して、しかも全体の輸送秩序の中でそれぞれその運営を安定してやっていくという形が最も望ましいという考え方に立っておるわけでございまして、これは個々の企業と申しましても、路線関係の各社はそれぞれ新たに免許した会社ではございません。昭和二十八年航空が再開されると同時に、従来航空に関係しておった方々が今日まで努力して築いてきた会社でございまして、そういったそれぞれの企業というものを、やはり少なくとも経営が堅実になるように私どもとしては施策しなければならぬ。それには、ばらばらに路線を免許するということは、やはり将来は過当競争の因になるということから、もちろんわれわれが行政指導するとかどうとかいう問題ではなくて、業界自体の自主的な御判断と御決定に待ちまして、そういう姿ができれば最も望ましいという考え方でおるわけでございます。
#88
○吉田忠三郎君 それはその程度でけっこうです。
 先ほど小酒井委員からも関連質問をされました、合併されたあとの職員の扱いの問題、これは明らかにせられました。そこで、この職員とは一体どういう範囲かというような問題があとあと出てきては困ると思います。私の質問に対しても、そういうことは十分経営者と――労働条件の変更でありますから、十分それらを代表する人々と話し合って、しかも慎重に扱っていく、こういう答弁ですけれども、かなり、準職員であるとか、あるいは常用員、通称臨時的な労務者、あるいは多少技術を持っている人もいると思うのですが、こういった人々の問題を、先ほどのつまり従業員という中に含まれておるか、考慮されておるかどうかということですね、こういう点どうお考えですか。
#89
○政府委員(今井榮文君) 先生の御趣旨のように私どもとしては指導していきたいと思います。
#90
○吉田忠三郎君 次に、この法律では、先ほど来質疑応答してきた趣旨のほかに、明らかに合併によって役員の数をふやすようなことになっているのですが、会社が合併して大きくなったのだから役員がふえるのは当然だというふうにお答えになるかもしれませんけれども、日航そのものの生い立ち、今日までの経営の経過状況、さらに三十八年度に赤字解消ということで、先ほど来いろいろ質疑のやりとりがあった、国民の血税でもって補てんしていかなければならないという状況で、役員をふやしていくなどということは、この法律の提案理由では、合理化をしていく――合理化というのは人を減らすということになっておるのですが、そこら辺とマッチしない、こういう感じがするので、一体合併したならば、そういう役員をふやしていかなければならぬような仕事の内容というものはどこら辺にあるのか、具体的に聞かしていただきたい。
#91
○政府委員(今井榮文君) 現在日航は、役員が十五名に法律できまっております。十五名のうちの九名が常勤で、現在日航全体の仕事の分担をいたしておるわけでございますが、現在日航整備のほうは十二名の役員がおりまして、八名が常勤になっております。今度合併いたす際に、今先生のおっしゃったような点を私どもとしては十分留意いたしまして、八名の常勤役員がおるのでございますけれども、合併によって役員の数をむやみにふやすことは適当でないというような観点から、会長を含めてわずか三名の増員ということによって今度の合併をスムースにやろうということできたわけでございまして、したがって、会長一名役員の中に加えるといたしますと、残りの二名が新たに増員する役員になるわけでございます。これの仕事の分担といたしましては、主として受け入れるジャムコの日航整備の関係につきまして、工場の管理部面を担当する常務を一名、それから技術的な整備業務そのものを担当する常務を一名、こういうふうに予定しておるわけでございます。
#92
○吉田忠三郎君 ところで、そのこれから増加しようとする役員の、できたら給与体系――実際これは普通の人々じゃなくて経営者で、いわゆる重役ですから、交際費などもかなり使われていくと思いますが、そういうものも含めて、全部含めたものでけっこうですが、どの程度の金額になるか、これをひとつあなた方はどうながめておるか。これは会社の関係ですから、航空局長、直ちに幾ら幾らということはわからぬでしょうけれども、概算でどのくらいの予想であるか、おわかりになったら聞かしていただきたい。
#93
○政府委員(今井榮文君) 今手元の資料で調べまして、お答えできるようでしたらお答えいたしたいと思います。
#94
○吉田忠三郎君 それはあとで伺うことにいたしまして、最後に、今までのいろいろ質疑応答で明らかになった点は、これからもやや長期的に赤字の傾向になっていく。それから今年度の場合は、つまり昭和三十八年度の場合は、十二億という額から見ますると四倍も多く出資をしておる。それからもう一面は、国際線と国内線の関係がありまして、日航の場合でも国内線を使っておるようですから、過当競争云々という面から、運輸省がかなり強い指導監督の方向に行くんじゃないかという気がするのだけれども、そのことを今後はさらに強めて、最近公団事業であるとか、公社事業であるとかなどなど、いろいろ世間からとやかくいわれ、腰の重い行管といえどもみこしを上げた、そのことが国会――衆参両院でも問題になって、それぞれの委員会で今検討中ということがあるのだが、人事の問題も含めて、運輸省が、これは一つの要望になるのかもしらぬが、そのような世間のとかくのうわさにならないように、端的にいって、経営面にあまり支配、介入をしないようにすべきではないか、こう思うのですが、局長どうですか。
#95
○政府委員(今井榮文君) 先生の御趣旨のように今後十分日航を指導監督していきたいと思います。
#96
○吉田忠三郎君 私一人でどうもあまり長くやっておりますと、他の発言者にも迷惑をかけることになりますから、この辺で終わりたいと思いますけれども、今まで大体明らかになり、さらにまた私どもも申し上げたい点もありますので、大臣にさっき申し上げましたように、委員長を通して要望したいと思うことが二、三ありますから、申し上げておきたいと思います。
 かりにこれが合併して設立をいたして経営していく場合に、何といっても、いかに国策会社といえども、経営の任に当たる者は、より積極的に経営努力をして、できるだけ赤字を少なくのみならず、なくしていく、健全経営をしていく、こういう方向にしていかないと、これはたいへんなことになろうかと思うのであります。赤字の補てんについても限度がありまするから、こういう点を十分、監督の衝にありまする運輸大臣、特にこれは国策会社でありまするから、そういう方向でやっていただきたい。運輸省は、特に路線伸長確保のためにと、こういうことで、いろいろこの国際線、先ほど来考えておられるようでありますけれども、この点については、国際自由競争強化の何とかいうような理由がついておりますけれども、いたずらに国民経済を圧迫して国民の血税を食っていくような形の中で、何も私は、いかに国策会社だからといって、そういう競争をすべきものではないんじゃないか、こう思うのです。こういう点についても、慎重に私は配慮していただきたい。
 それから二番目には、国内線の集約統合でありますけれども、これもどうも運輸大臣が当初言ったことと今なされつつありますこととはやや矛盾するのではないかという点がありまするから、こういう点についても配意をし、少なくとも企業の独占化ということは、独禁法もあることですから、そういう点と関連さして、なくしていく、こういうことを望みたいわけであります。
 最後に申し上げたい三つ目は、人事を含めまして、だからといって、いたずらに今度は監督官庁は経営内容あるいは運営に対して行き過ぎのないように、支配介入などという評判にならないように留意をしていただきたいことを強く要望して、私の質問を終わりたいと思います。
#97
○岡三郎君 重複していたら、簡単にお答えを願ってけっこうですが、簡単に質問をしたいと思います。それは、今朝の新聞に、会長に植村甲午郎氏という名前が出たわけですが、これは財界人ですが、副社長に現在の運輸省の事務次官を充てるというふうな話もありましたが、いろいろと人事の面について会社の建て直し等考慮してやっておることと思いますけれども、私が考えるのに、こういうふうに競争が激しくなってくれば、なかなか赤字の克服ということは容易じゃないと思うのです。いたずらに人事で屋上屋を架していくという面も、合併という問題についてはありがちな問題でありますが、取締役が十八人なんという、こんなもの――というとおこられるが、取締役十八人、まあ合併するんだからちょっと多くなるのもやむを得ないというのだけれども、そんなに重役というものが要るものなのかね。私はそういうことを端的に考えるわけです。合理化というと、職員の首切りとか合理化というものが先に行なわれるが、取締役十八人というのは多過ぎると思うが、この点どうですか。
#98
○政府委員(今井榮文君) 現在日本航空は十五名でございまして、そのうち六名は社外重役ということで、社外の方々に取締役ということをやっていただいておるわけで、したがって六名は実際の業務にはついておらないわけであります。なぜそういう必要があるかと申しますと、やはり株主の関係であるとか、あるいはまた実際に航空旅客なり貨物を多く集めていただくためのいわば代理店関係であるとかいうふうな、商売上の、営業上の観点からしまして、やはりある程度の社外重役――これはほとんど報酬は出しておりません、こういった取締役の名をもって会社へのそういったふうな営業上の寄与をしていただくという範囲がどうしても多少は要るわけでございまして、日航の場合には現在六名が社外の重役、実際は社長、副社長を含めまして九名が常勤常務取締役になっておるわけでございます。それぞれやはり、営業関係であるとか、あるいは運航関係であるとか、あるいはまた技術関係であるとか、あるいは人事関係、あるいは総務関係というふうに、業務を分担しまして、それを常務役員として主宰しておるというのが状況でございます。それが現在の十五名の内容でございます。今度三名ふやしますのは、先ほどお答え申し上げたのですが、日航整備に現在十二名の役員がおりまして、十二名のうち八名が常勤役員でございます。それぞれやはり、普通の会社と同じように、管理部門、あるいは工場部門というふうにして担当してやっているわけでございますが、その中で今度二名だけ常務取締役として増員していただく、一名は会長として増員していただくということでございまして、日航、整備の合併による役員の増は実質的には二名でございます。二名は、工場管理の担当、それからもう一つは実際の整備業務の担当、これも最小限必要なだけの人数でございます。
#99
○岡三郎君 それで日航のほうの赤字が累増する。これで見るというと、整備会社のほうはかなり利益を上げていますね。それで、合わせて健全経営になる、こういう考え方ですか。
#100
○政府委員(今井榮文君) 方向してはおっしゃるとおりでございますが、ただ、日航、整備の合併だけが日航の経営健全化の全部ではございませんで、日航の経営の健全化に資するという意味でございます。
#101
○岡三郎君 合併したあとでも、いわゆる整備部門ですね、これはいわゆる全日空とかその他の飛行機の整備、そういうものも引き受けるわけですか。
#102
○政府委員(今井榮文君) 現在日航整備の仕事の内容は、大体九割程度が日航の仕事でございまして、残りの大体一〇%が外国の航空会社の飛行機あるいはまた国内の航空会社の飛行機、こうなっておるわけでございまして、私ども、他の会社の航空機の整備が定款上――定款といいますか、日航法上引き受けられるかどうかという点については、十分これから検討していきたいと思っております。なお、それが引き受けられないということになるならば、そういったカストマーのための収益事業というものを分離して考えていかなければならぬ、かように考えております。
#103
○岡三郎君 整備会社が合わさって、労働条件に差がある場合、これをどういうふうにするのか。個々の問題と比較して、両方のよいところをとっていってやるのかどうか。こういう点については、会社の経営者にまかされてそれを運用していくのか。あるいは、航空局のほうでこういう問題については干渉するのか。その点はどうですか。
#104
○政府委員(今井榮文君) 先ほどもお答え申し上げたのでございますが、非常に重要な問題でございますし、それから本来、性質上、やはり会社と労働組合との間で十分話し合いをした上でそごのないような措置をとっていただくように、私どもからお願いしたいと思います。なお、その話し合いによって、私どもとしてお力添えできるようなことがあれば、私どもできるだけやっていきたい、かように考えております。
#105
○岡三郎君 そうすると、会社と組合にまかせるということですね、これはどうなんです。
#106
○政府委員(今井榮文君) 本来やはり、職員の待遇の問題でございますので、組合と経営者との間でいろいろ話し合いをするということが前提になるのではないかと思います。
#107
○岡三郎君 前提になるということは、そのあとは航空局のほうで干渉するということですか。
#108
○政府委員(今井榮文君) 干渉するというふうなことは、私どもとしてはいたしたくないと思います。もし私どもとして何かやはりそれについて考え方なり何なりを聞かれる場合には、われわれとしてもできるだけのお力添えがしたい。
 それからなお、もう一つは、私どもの立場としては、一応日本航空自体の立場についていえば、日本航空はやはり日本航空法によりまして政府の監督を受ける立場にございます。たとえば事業計画であるとか、あるいは資金計画であるとかいうものは、認可がなければ効力が発生しない建前になっておりますので、そういったふうな観点から、私どもは日航を行政指導するということはあると思います。
#109
○岡三郎君 大体いいです。
#110
○小酒井義男君 いろいろ、航空政策といいますか、行政の全般に実は関連をしてお聞きしたいことがたくさんあるのです。たとえば、国際線の赤字を解決する方法を講じたら、国内線の運賃をもっと下げる方法がないだろうかというようなこと、そして日本人が外国旅行をするときに日航の飛行機をどれだけ使っておるか、あるいは外人が日航をどのくらい利用するかということ等を聞きたいのですが、こういう点はいずれ別の運輸行政全般の問題で尋ねますから、二、三点にしぼってお尋ねします。
 先ほど大臣は、吉田委員の質問の過程で、一緒になることによって配当がなくなるというような結果が出るでしょうというようなことを言ったのですが、大体そうだという答弁だったのですが、そうすると、日航の持ち株以外の株主が四割五分程度あるわけですね。この株主の利益というものは、一緒になって利益配当の見通しは私はないと思うのです。そういうことで株主はいいのですか。
#111
○政府委員(今井榮文君) その点につきましては、日本航空の社長と、重立った株主であるところと、事前に話し合いをいたしまして、先ほど申し上げましたように、年来の実はこれは一つの計画として今日まできた問題でございますので、話し合いをした上で御了承を得てございます。
#112
○小酒井義男君 了承と、そういうことで問題が解決ついていればけっこうだと思いますが、一緒になって配当ができるような時期というのはありますか。
#113
○政府委員(今井榮文君) 先生も御承知のように、昭和三十三、四、五の三カ年間は、配当は五分配当を一応やって参ってきております。ただ、先ほど吉田先生からの御指摘にもございましたように、国際線を伸長するというふうなことで、まだここ数年は配当の見通しはないのではないか。ただ将来は、かりに国際線の経営が軌道に乗って利益を生み出す、あるいは国内線の収入によって国際線のマイナスをカバーし得るという時期が来れば、当然また配当ができるようになるのではないかと思います。
#114
○小酒井義男君 資料18の運航と整備の一元的運営という中に、これによって整備から生ずる運航上のトラブルが減少できると書いてあるのですが、従来トラブルというのはたびたびあったのですか。
#115
○政府委員(今井榮文君) トラブルということの意味でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、日航が自社の飛行機を日常点検なりあるいは定期点検をする場合にも、日航整備に発注するという、全然別の会社に頼むという形になっております関係上、飛行機の定時運航というふうな面において、手続的に相当の時間を要するため、やや欠けるところがあったという例もしばしばあったようでございます。そういった面が大いに改善されるのではないか、こういうふうに考えます。
#116
○小酒井義男君 これも吉田委員の質問の過程で私関連して一度聞いたことですが、一緒になることによって過剰人員が出て、整理するようなことはないだろうか――そういうことにはならぬというお答えだったのです。やはりこの資料18の中には、たびたび、一般職員についても、管理部門については相当の節減が可能となる、そういう説明が二回ほど出ているのです。こういう点は、先ほどのお答えと少し違うのではないかという気がするのですが、どうですか。
#117
○政府委員(今井榮文君) その点は、先ほどもあるいは触れたかとも思いますが、業務量がどんどん増大しておって、今の手数料でも足りないという面が相当あるのです。したがいまして、そういった増員関係等を考えますと、現在おられる方が合併によって余剰を生ずるということはないというふうに申し上げたのでございまして、現在の職員を解雇するというふうなことは全然考えておりませんという点につきましては、さらにあらためて申し上げます。
#118
○小酒井義男君 管理部門では、私はやはりダブってくる面があると思うのです。そういう場合は、やはり新規に採用する者等で調整をするということを考えておられるのですか。
#119
○政府委員(今井榮文君) 新規採用、あるいはまた実際に仕事の関係上人の足りない面へ出すとか、あるいは会社の他の業務にこれを転用していくというふうな、いくらでも方法はあると思います。
#120
○委員長(金丸冨夫君) 他に御発言ございませんか。
 ちょっと速記をとめて。
  〔午後三時三十九分速記中止〕
  〔午後三時五十一分速記開始〕
#121
○委員長(金丸冨夫君) 再開いたします。
 他に御発言がなければ、本案の質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認め、これより討論に入ります。
 御意見のあります方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言がなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認め、これより採決を行ないます。
 日本航空株式会社法の一部を改正する法律案を問題に供したいと思います。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#124
○委員長(金丸冨夫君) 全会一致でございます。よって、本案は原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#125
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
 この際、所管大臣の運輸大臣から発言を求められましたので、これを許可いたします。
#126
○国務大臣(綾部健太郎君) 本法案審議にあたりまして、皆様方の絶大なる御協力によりまして本委員会を通過いたしましたことは、まことにありがとうございました。つつしんでお礼を申し上げます。
 なお、質問その他の間におきまして各議員の御要望のありましたことは、とくと考慮いたしまして善処する覚悟でございます。
    ―――――――――――――
#127
○委員長(金丸冨夫君) 前回に引き続き、船舶職員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑のあります方は、順次御発言を願います。
#128
○吉田忠三郎君 だいぶ時間が経過いたしましたから、要領よくまとめて質問したいと思うのです。
 この法律案の改正案の要旨を見てみますと、大体重点を置かれておるのが三つぐらいあるように思うのです。一つには、理由の中にもありますように、職員を削減しつつ海運業の振興をはかるというふうに書かれ、二つには、そのことによって反対給付として要員が減らされるということですけれども、衆議院で修正しておりますから、そこでそれをどうしようかというようなこともこれは当然ここに問題になると思うのですが、そういうこと、それから乙種の関係につきましては年令を下げていく、こういうことだと思うのです。そういうことを総合しながら全般の法律を見て参りますと、電波法と、それから船舶職員法との関係で、若干の相違があるように思うのです。この点どうか、ひとつ伺っておきたいと思うのです。
#129
○政府委員(若狹得治君) 電波法と船舶職員法との関係はうらはらの関係もございまして、電波法は船舶無線電信局の運用の義務時間というものを法定いたしておるわけでございます。船舶職員法は、御承知のように、船舶の航行の安全を確保するために必要な最低の乗組員数というものを規定いたしておるわけでございます。現実の問題としてこの両者は懸隔がないかという問題でございますけれども、この点につきましては、船舶職員法は具体的には小さい船舶の乗組員につきましてもこれを法定いたしておりますけれども、電波法上は船舶安全法の規定によりまして国際航海に従事する者のみを法定しているという相違がございます。しかし、大筋におきましては、今日一番問題になります貨物船につきまして、五千五百トン以上の貨物船は電波法上は第一種局といたしまして船舶局の二十四時間の運用義務があるというふうに規定いたしておりまして、それに合わせまして船舶職員法は八時間労働でいたしまして三名の定員を規定いたしておる。それから千六百トン以上五千五百トン未満の貨物船につきましては、電波法は第二種局甲という、運用義務時間は十六時間でございます。したがいまして、それに対応する船舶職員法は二名の最低定員を法定いたしておるわけでございます。なお、電波法上は聴守義務というものは、国際航海に従事する船舶は一日三十四時間全部の聴守義務があるわけでございます。これにつきましては、オート・アラームという他の船舶からの遭難の信号を自動的に受信する設備がある場合には、その聴守義務は免れることができるというのが国際条約でもございますし、またそれを受けました電波法の規定によりまして、聴守義務時間につきましてはオート・アラームをもってかえるというようなことになっているわけでございます。
#130
○吉田忠三郎君 そうしますと、きのうもかなりこの問題で質疑があったわけですが、あなたの答えの中に、こういう理解でいいですか、つまり電波法の関係は、何といいますか、安全上の、主として人命尊重を中心にして定められているのだと、それから職員法の関係は、つまりこの運航の安全のために法律で定めていくものだ、こういう理解でいいんですか。
#131
○政府委員(若狹得治君) 船舶職員法は、今先生御指摘のとおり、船舶の航行安全のための最低定員を取り入れるという法律でございます。電波法のほうは、公衆通信の疎通の円滑化ということを目的にいたしておるわけでございますけれども、船舶無線電信局につきましては、国際条約がございますので、その国際条約に基づきまして、船舶安全法が人命の安全のために無線設備をつけなければならないと規定しているもののみを電波法にとって参りまして、そういう船舶について通信の円滑化をはかるためにはこういう運用義務時間でやるべきであるという規定になっておるわけでございます。したがいまして、電波法としては、通信の疎通の円滑化ということを目的とした法律でございます。
#132
○吉田忠三郎君 そうすると、電波法の関係は、言いかえれば、この公衆通信のために主として定められている、こういう理解でいいですか。
#133
○政府委員(若狹得治君) さようでございます。
#134
○吉田忠三郎君 そこで、さらにお尋ねいたしますけれども、かりにこの法律がきめられて参りまして、適用されるということになりますと、いろいろございますけれども、この法律案の示されておるような範囲内のわが国の船舶にどの程度、パーセンテージでけっこうですけれども、適用されるか、これが一つと、ここにも書いてありますように、経過措置はあるけれども、その後は今の通信士はどのくらいのパーセンテージで減っていくのか、これを明らかにしていただきたいと思います。
#135
○政府委員(若狹得治君) この法律の改正によりまして定数の変わって参りますのは、旅客船の遠洋及び近海の船舶の二百五十名以上の旅客定員を有するもの、それ以外のものはすべて職員の数が減って参りまして、経過的には旅客船等において法定定員が二名になるのもございますけれども、これもごく少数でございまして、ほとんど大部分のものは一名の法定定員になるわけであります。したがいまして、需給関係から参りましても、現在の法定定員は、甲種の船舶通信士、それから乙種の船舶通信士というものを法定いたしておりますけれども、甲種の船舶通信士は千二名、乙種は千八百七十九名というのが三十八年一月一日現在の定員でございます。法律が施行されますと、甲種の船舶通信士は変わりませんけれども、乙種の船舶通信士は三十八年度、この経過期間におきましても、すでに現在二名乗っておりますものは一名になるわけでございますので、法定定員数は千八百名の約半数になるわけでございます。したがいまして、乙種の船舶通信士が相当過剰の状態を生ずるということになって参るわけでございます。
 なお、経過期間が終わりました場合には、ほとんどが甲種の通信士だけになって参りまして、乙種の船舶通信士は、旅客船等に一部必要なものが出て参りますけれども、ほとんど必要でなくなるというような状況でございます。
#136
○吉田忠三郎君 今の答弁で大体理解できましたが、約半数になる、こういうことなんで、電波法のほうから参りますと、公衆のための通信の疎通をはかるための措置だ、こう言っている。ここで聴守時間というのは二十四時間の義務時間――しかしまあ、今局長が言ったように、オート・アラームが設備されておればその限りでないということを言われているのですけれども、これはきのうの質疑応答で明らかになったように、その他の設備があったとしても、今日の安全性というものは低下をされるということは、大臣もあなたもお認めになったことなんです。したがって、私はそういう立場で考えてみますると、法律にはそういう緩和された条項があるけれども、実際面でそうならないという気がすることが一つと、もう一つは、国際的なものにも関連しておりますから、そういう点でこれからの国際間の通信関係で非常に混乱もできてくるのじゃないか、こう思うのでして、特に海上無線通信関係で大きく混乱しやせぬかというような考え方を持つのですが、その点いかがでしょうか。
#137
○政府委員(若狹得治君) ただいま御指摘の、通信の疎通の円滑を欠くというお説でございますけれども、その点につきましては、現状のまま放置すれば確かにそういうような現象が起こってくるわけでございます。具体的に申しまして、同じ時間帯に全船舶が同時に通信を始めるということになりますれば、当然現在の海岸局の施設ではこれを受けるという能力がないわけでございます。したがいまして、この経過期間の間に、まず電波の割当というものをふやして参るということが第一の必要条件でございます。また、それを処理するために必要な海岸局の施設を整備するということが第二の大きな前提になるわけでございます。そういうふうにして受け入れ能力というものを作っていただくということが大前提でございまして、この経過期間の間にそれを完成していく。同時に、現在海運界に行なわれております通信量の中で、できるだけ社用通信等の不急のものは整理していただく。海運合理化の問題とも直接関連いたしますけれども、不急の通信というものは整理していただいて、通信の量を減らしていただくということを考えておるわけでございます。
 それからもう一つは、むしろこれは船のほうの問題でございますけれども、自動受信装置というものをできるだけ取り入れていきたい。たとえば、現在――きのうもお話し申し上げましたけれども、天気図というものは自動的に模写できる、受信できるという構想ができておるわけでございまして、そういう施設ができておるわけでございますので、これをできるだけ取り入れてもらうということによって、人間の労働というものを減らしていこうということを考えておるわけでございます。まあ、そういう船側の施設と、それから海岸局の施設と、それから通信自体の節約というような施策を並行的に行なっていきたいと考えておるわけでございます。
#138
○吉田忠三郎君 そうしますと、そういう考え方に立ちますから、ある程度あなたがたの努力によってそういう問題が緩和をされたりあるいは解消されていく、そこでこの電波法は通信条約、国際的なものには反していないのだ、こういう解釈になるわけですか。
#139
○政府委員(若狹得治君) 今度の改正は、国際条約に現在の国内法を合わせるということが一つの目標でございますので、国際的に、この改正が行なわれましても、それによって混乱が起きるというような状態はないと考えております。
#140
○吉田忠三郎君 そこで、これに関連して参りますけれども、きのうあなたはオート・アラームについていろいろ答弁された。これは私の聞き方が間違っておるとしても、私はそう間違わないというふうに理解しておる。私は、今日この種一般商船というのは、大体三百六社ぐらいだと思うのです。そのところに所属しております船舶ほとんど当てはまると、この法律案、この修正の段階では。そのときに、具体的にあなたは数字で申されたようですけれども、それがあるためにほとんどが二名で現状されておるというような答弁がなされた。ちょっと私帰ってから資料を見ましていろいろ検討してみますと、必ずしもあなたのおっしゃったような状態になっていないことが現われておるものですから、この辺はあなたの調査をしたことに多少の誤差がありはしないかというような気がするのです。具体的に申し上げますと、現在三名でやられておりますものは、たとえば装置のないもの百二十四、あるものが四十三、不明なものが十八、百八十五ぐらいを三名でやられておる。それからあなたのお説のようなものは、施設のあるものは九隻、それからないやつが百四十五、不明が六で、百六十、こうなると、三名で運用しておるのが若干多いような数字になってくるのです。そうすると、きのうのあなたの答弁では、ほとんどが二名で運用しておる、こういうことをおっしゃられているのですが、この間の御事情もうちょっと詳しくお伺いしたい。
#141
○政府委員(若狹得治君) 私が申し上げましたのは、外航船舶については現在すべてほとんど三名の乗組定員でございますけれども、千六百トン以上五千五百トン未満につきましては、先ほど申し上げたように、法律上は二名の乗り組みを指定いたしておるわけであります。電波法上は、先ほど申しましたように、第二種局甲ということで、運用時間が十六時間、聴守義務時間は二十四時間でございます。したがいまして、その残りの八時間はオート・アラームを活用するということになっておるわけでございますが、現状は、この二名の乗り組み船舶が相当数ございますけれども、むしろ三名のものが非常に多い。法定の定員どおり乗せないで、それよりよけい乗せているものが相当多いということを申し上げたと思います。
#142
○吉田忠三郎君 そこで、これも安全我の確保という立場で申し上げるのですけれども、今日まで――今日までといってもいろいろありますけれども、ごく最近の例でけっこうですけれども、全世界で海難件数というのはどのくらいあるのですか。
#143
○政府委員(若狹得治君) 今手元に資料がございませんけれども、各国の海難の件数を正式に統計しているというような機関もございませんし、ただ、ロイドの海上保険の関係からの海難統計というものはあるはずでございますけれども、手元に資料がございません。
#144
○吉田忠三郎君 そういう海難件数が、統計をとっているところがなくて、お手元にもない、こういうことなんですけれども、あなた方がそういった面を監督したり指導したりいたす機関であり、また役目ではないかと思うのですがね。当然あるものと、僕はあると思うのです。そういうことがなくて、航行の安全性であるとか、あるいは安全性が低下しないなんて――きのうあたり最後に安全性が低下するのだとお認めになったじゃないですか。何も根拠がなかったら、そういう結論というものは出てこない、中間の理論というものは生まれてこないと思うのです。こういう点どうなんですか。われわれだって議論することができなくなってくるのですから。
#145
○政府委員(若狹得治君) 世界の海難統計について、権威ある資料は現在ないわけでございます。われわれもそういうものをほしいと思っておりますけれども、実はないわけでございます。今度の問題に関連しまして、日本の海難件数が非常に多い。世界的に見ても日本ほど海難の多い国はないというような意見がまま見受けられておるわけでございますけれども、われわれは残念ながら外国の海難と日本の海難の状況等を比較する資料を持っておらないわけでございます。ただ、日本の海難自体につきましては、海上保安庁において詳細な資料がございまして、海難の発生原因なり、件数なり、そういうものについて十分検討を加えておると思います。
#146
○吉田忠三郎君 まことに不思議な現象で、どうも理解できないのですが、ないものをあるなんということを言いますのはどうかと思いますけれども、では日本の場合はどうですか。
#147
○政府委員(若狹得治君) 日本の海難につきましては、海上保安庁において十分な資料を持って、その原因なり、状況なりというものを把握いたしております。
#148
○吉田忠三郎君 ですから、その把握をしたものを具体的に件数を言ってみて下さい。そうでないと、低下したとか、しないとか、ここにもありますように、運航の安全性であるとか、あるいは海難による人命の尊重というものは出てこないですよ。
#149
○政府委員(若狹得治君) 海難の実際の状況につきましては、海上保安庁の係の者が参りますので、それから御聴取願いたいと存じます。
#150
○吉田忠三郎君 そうしますと、その方が来ていなければ、この質問を続けるわけにいかない。
#151
○委員長(金丸冨夫君) すぐ参ります。
#152
○吉田忠三郎君 では、その間質問を保留します、これが基礎になるのですから。
#153
○小酒井義男君 関連をして、少しの時間を質問します。
 戦時中に非常にふえたということ、戦前もっと少なかったと思いますが、戦前の状態は今度改正されるような内容と似ておったのですか、どうですか。
#154
○政府委員(若狹得治君) 船舶無線通信士が三名というふうに規定されましたのは、昭和十六年の海軍省令によりまして三名乗せるというような規定が行なわれたわけでございます。それを昭和十九年に船舶職員法に取り入れまして、三名の義務づけを行なったわけでございます。戦前は一名の船舶職員でこれを処理いたしておったわけでございます。また、法律上の船舶職員として、これを法律によって義務づけるというような実態ではございませんので、無線電信電話規則という逓信省令によって義務づけているというような状態でございまして、なお今日と多少違いますのは、従来の商船学校の教育におきましては、無線の通信を聴守する授業を行なったわけでございます。したがいまして、学校卒業者は、発信はできないけれども、聴守はできるという資格をほとんどの者は持っておったわけでございます。そういう点につきまして、現在は、この職務が細分化された結果、全く無線通信士の職務になっておりますけれども、今後一名になってしまうというような状態で、その一名にもし事故が起きたらどうするかという問題が出て参りますので、今後の問題としては、戦前のようないわゆる聴守員級の取得ということを商船教育において取り入れていく必要があるのではないか、そういう点だけが従来と今日の状況とは違っているのではないかと思います。
#155
○小酒井義男君 二、三お尋ねしたいことがありますけれども、お見えになったようですので、関連ですから、それではあとにいたします。
#156
○説明員(樋野忠樹君) 海難の状況を申し上げます。昭和三十七年の一月から十二月まででございますけれども、海難を起こしまして救助を必要としました件数は二千八百十八件でございます。これは救助を必要としたものでございます。それで総トン数は六十三万四千六百七十八総トンでございまして、人間は二万三千四百三十二名でございます。
#157
○吉田忠三郎君 この件数だけでもかなり多いようで、それから人間も二万三千何がしということになると相当なものですが、この日本だけで起きた件数で、日本船がつまり連絡を受けて救助したものと、外国船が救助したものとあろうと思うのですが、この点幾らくらいになっていますか。
#158
○説明員(樋野忠樹君) 詳しい統計がはっきりわかっておりませんが、大体外国船に救助をお願いいたします場合は、非常に遠距離海難で、当庁の巡視船が出得られないような場合が主でございまして、さような場合は大体当該国水域の近いところの海軍または付近航行中の商船に救助を頼むのが通常の例でございますが、例としてはっきりした数字は私まだ手元に持っておりませんが、そう大きな数ではないと思っております。
#159
○吉田忠三郎君 ここで本来であれば資料を求めてやらなければならないのだけれども、そうなると、これはいろいろの運営の関係もありますから、あえてそういうことは申しませんけれども、あとあとさらに参考にして参らなければならぬと思いますから、できるだけ詳細にそういう資料をまとめていただきたいと思います。そこで、まだ具体的なものがないというお話だけれども、二千八百十八件というものに外国船で、あなたのほうで調べました数は大体日本領土の海域で起きた海難だと思うのですが、この中に外国船はどのくらい含まれていますか。
#160
○説明員(樋野忠樹君) ほとんど全部が日本の船が多いのでございますが、先ほど申しましたように、外国船によって救助されたものあるいはまた外国船そのものの被救助というふうな数字を持っておりませんが、これは統計をあとでくってみますれば、一応の正確な数字が出ると思いますので、後ほど先生にお届けしたいと思いますのでお許しを得たいと思います。
#161
○吉田忠三郎君 そういう統計資料をいただくことはけっこうですけれども、きのうは運輸大臣は、外国でやっているのだから日本もやれないというはずはない、こういう面も国際水準に達していかなければならぬということを力説しておりました。そこで、そういうことの根拠は何かということなんですが、僕はその根拠にするために聞いているのだけれども、これではちょっと、あなた方はデータを今日持っていないとすれば、大臣が言うことは根拠なしに言っているような気がするのですがね。池田さん流の勘で言ったのかもしれませんが、運輸大臣も勘がよさそうなんですがね、この辺どうなんですか、船員局長。これは大臣に聞くのがほんとうだけれども、今いないから。
#162
○政府委員(若狹得治君) 外国で行なっているという大臣の御発言でございましたけれども、これは日本の近海における救助の体制というものと、それから船舶が外国の遠い港に行った場合の救助の体制というものを比較してお考えになって、外国に行った場合には、外国船というものはすべて一名の乗り組み定数によって動いているわけでございます。そして、船舶相互間の救助というものは、それらの船舶の相互扶助によって現在行なっているわけでございます。したがって、そういう相互扶助的な機構の中に日本が入って参るわけでございますので、日本船だけが三名の乗り組み定数をもって二十四時間の船舶局の運営を行なっておりましても、それだけでは効果は出てこないわけでございます。相互扶助でございますので、その程度をどの程度にするかということは、これは国際的な条約なり協定なりというものによって行なうべきものでございますので、そういう点から外国並みに日本船もやっていいのじゃないかということをお話しになったのではないかと考えております。
 なお、日本近海の問題につきましては、海上保安庁の巡視艇並びに海上保安庁の海岸局というものが多数配置されておるわけでございますので、ここで個々の無線局は二十四時間常に救急信号を聴守いたしておるわけでございます。そういうところで聞いておれば、大部分の海難――昨年の統計によりますと九五%という数字が出ておりますけれども、それは海上保安庁において詳細にキャッチできておる、したがって海上保安庁はその救急信号によって至急救助体制をしくことができるという趣旨で御説明になったものと考えておるわけでございます。
#163
○委員長(金丸冨夫君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#164
○委員長(金丸冨夫君) 速記をつけて。
#165
○吉田忠三郎君 そこで、資料がないということと、そういう統計をまだ持っていない、あとで持ってくるということですから、これ以上続けてもしようがないのだけれども、僕の手元に持っているこの資料――これはITFの資料なんですよ、国際労働機構の運輸部会の資料です。だから、やや国際的な統計資料としては信用を置いていい資料じゃないかというふうに僕は思っているのですがね。それで見ますと、この世界の海難件数の、こまかな数字を言いませんけれども、概算して三分の一くらいは日本で起きている、こういうようなことになっているのですな。したがって、こういう相当、われわれはきょう初めて具体的にあなたのほうから聞いたんだが、驚くほどの件数になっておるのだな。それともう一つ、この日本船が海難によって外国船を救助したという数と、外国船が今度海難にあたって日本船を救助したという数が、比べると少ないのでありますけれども、これなどは、今度件数の中で大半が日本船が外国船を救助しているというような資料がある。これは間違っておるかどうか、そんなようなことになっておる。あなたのほうにひとつ調べてもらいたいと思うのですがね、ないというのだからね。まあかりにこの資料がやや正しいということでながめてみますと、結果的に外国のほうは、二名であるところを、あるいは三名であるところを、一名でやっておるために、結局は通信聴守をやっていないから、結果的には海難救助の件数がかえって逆に少なくなっていくのじゃないか。日本のほうは、今言ったように、ちゃんと国際法なり日本の電波法なり船舶職員法をきちんと順守しているがゆえに、今度逆に外国船を救助する率が多いのじゃないかというような、単純な考え方だけれども、一面としては考えなければならぬじゃないかという気がするのですよ。したがって、そういう中身のことをさっぱり今のところ調査、研究、検討していないのだな。研究したかどうか、調査はしているかというと、事実資料がないのだから、だからそういうことをせずして、外国船は一名でやっているのだから、日本のつまり船舶はやれないことはない、さらには外国船並みの水準までいかなければならぬというような、こういう考え方をしようというのは、どうもこの航海の安全のためにできている法律だとか、あるいは人命を尊重していくというような法律の建前から見ると、やや的はずれのような感じがするのですがね。こういう点、船員局長どうですか。
#166
○政府委員(若狹得治君) ただいまITFの資料によって、日本の海難件数が世界の三分の一以上を占めているというお話でございましたけれども、この数字について、われわれといたしましても、海上保安庁におきましても、御検討なさったわけでございますが、海難の統計の基礎というものは、各国まちまちでございまして、統一的にこれを同じ表の中にまとめて評価するということは少し無理じゃないかというような結論を得ておるわけでございます。したがいまして、日本の近海において海難の多いことは事実でございましょうけれども、はたしてこれが世界的な比重の中でどの程度の地位を占めているかという点については、われわれ、先ほど申しましたように、はっきりした統計を持っていないわけでございます。
 それからいま一つ、日本船が外国船を救助する場合が比較的多くて、外国船に日本船が救助される場合は比較的少ないではないかという御意見でございますが、そういう面は確かにあるのではないか。私も具体的な例を一、二聞いておるような状況でございます。外国船が遭難いたしまして、日本船がまっ先にかけつけてこれを救助したという実例がございます。これはおそらく、通信士が無休の執務をとっているためにそういうことになったのではないだろうか、外国船よりも先に遭難の情報をキャッチしたのではないかというふうには考えられます。しかしながら、そういう一事をもって、この状態が直ちに正しいといいますか、合理的であるということはできないのでございまして、むしろ徹底すれば、外国船もすべて無休執務の状態に持っていくことがほんとうは望ましいだろうと思うのであります。ただ、そういうように、国際間の協定といいますか、国際的な海運国の認識というものは、そういうふうな状況に向いていかないわけでございまして、現状ではむしろいかにして少数の人員でもって船舶を運航するかというところへ各国の努力が行なわれておるわけでございます。日本も国際競争する以上、やはりその情勢におくれをとるということはできないわけでございまして、理想としては、世界各国の船がすべて無休執務体制をとるというようなことはもちろん理想ではありましょうけれども、現実に国際競争の面から見まして、そういう情勢に持っていくことはとうてい考えられないことであるとわれわれは考えておるわけであります。
#167
○吉田忠三郎君 このことについて、資料を持っておる者と資料のない者と議論してみたって、これは答えが出やせぬから、だから、あなた方はだてや酔狂で監督官庁の役人をやっているわけでないから、しかも相当高給をちょうだいしておるはずだから、月給分働いてもらうということを強く僕はここで言っておく。そのあと、あとで機会をみて、もう一回日本の海運界のためにひとつ議論してみたいと思うから、この点はここで私はやめておきます。やめておきますけれども、今の局長の末尾のほうの答弁に関連するのですがね、やはりこの海難救助なりあるいは航海の安全性というものに力点を置くか、あるいはあなた方が最後に言われました海運業界の整備にこの心を置くかというところで分かれると思うのですよ。あなたのお話を聞いておりますと、これは国際的にも、日本の場合も、ここに今法律が出されてきておるわけですから、後段の海運業界の整備に力点を置いているような感じがする。そこで私は、きのうも大臣からこのことについて、船の業界、つまり船主のほうの側の未償却の分が具体的に百二十億、でこの法律を通すことによって二十億くらい経費節約になるという試算をした、こういうきのう答弁がありましたね。だから私は、ここで本来であれば、夫償却の分を具体的に各船ごとに出してもらわなければならぬのですね。それから、二十億といったってばく然としておりますから、だからこれらについてももっともっと資料を出していただいて、われわれにも検討してみなければ、軽々しくこの法律に賛否の意を表するなんということは実際できないわけです。しかしまあ、きょうは時間も相当経過しておることでもありますし、きのうからの経緯もありますから、委員会の審議に協力をする意味で、このことは申しません。やがてこれも、そういったように基本の問題でありますから、場をかえましていろいろディスカッションしてみたい、こう思うのです。
 ただ一つだけ聞いておきたいと思うのは、業界を整備していくというこのあり方、方法ですね。これが、ただ単に今いう通信士をいわゆる経過年数後には半数に減らすことだけが方法か、まだほかに道がないかどうか、こういうことを私は考えるのです。これは先ほどの航空事業に対するときも若干申し上げたけれども、たとえば港湾整備の問題にしても、自動車事業にしても、それ以外の事業にしても、政府は今度の特定産業振興法などというものを提案をしているわけなんだ、ああいうものからいろいろとしさいにながめてみても、やはり基本となっているのは、池田内閣のつまり高度経済成長政策というものが何としたってもとになっているのですね。したがって、これらの産業基盤を拡充整備していくということから、いろんなやり方をしています。だから、そのやり方というのは、つまり今の場合は、資本主義を前提として、しかも自由経済競争をやらせる中からということですから、勢い好むと好まざるとにかかわらず、利益誘導をやりながらそういう政策をとっている。だから、そのことが私はよいとか悪いとかということじゃないのです。やり方としては、現実に、たとえば財投をやってみたり、あるいは減税の措置をとってみたり、あるいはこの運賃などを要する企業については、運賃制度の関係についての調整をコントロールして、その企業というものを整備し育てるということでやって参るのでしょう。だから私は、海運業界だって、そういういろんな今日の池田内閣の方針の中で、まだやる道があるのじゃないか、こう思うのですが、どうでしょう。
#168
○政府委員(若狹得治君) 海運企業の整備につきましては、お説のとおり、この人間の問題は必ずしも大きな比重を持っているわけではございません。御承知のように、海運業というものは、非常に比重が大きい固定設備のために、金利負担の軽減ということがどうしても海運企業の再建の大きな問題になるわけでございます。これは別の法律によって法律案を審議いただく場合に明らかになる問題だと思うわけでございますけれども、労務の問題といたしましては、当委員会でもたびたび申しておりますように、電波高等学校を卒業した人たちもなかなか船舶の乗組員に来てくれないという状況でございます。しかも、待遇の改善ということは海運企業の再建の問題と相関的な問題でございまして、通信士の待遇改善の問題だけを切り離してこれを実施するということは、現状から見てなかなか困難があるわけでございます。われわれの考えといたしましては、待遇改善の問題が海運の再建に影響を及ぼさないような再建の方法、及ぼさないような労務問題の処理ということが一番望ましいわけでございます。そういう点につきましては、労使ともに現在協力いたしまして、船舶乗組員の合理化をやりながら待遇の改善を行なっているわけでございますので、そういう方向に今後問題が処理されていくように、またその前提条件として法律による規制をはずすということが一つのねらいであるわけでございます。海運業の再建整備というのは、お説どおり、これによって解決するという問題ではございませんけれども、労働問題といたしましては、その影響によって海運企業の再建整備がくずれてしまうということのないように、われわれとしては考えていきたいと思っておるわけでございます。
#169
○吉田忠三郎君 最後に一つだけ聞いて終わりたいと思います。これはこの法律とはやはり関連があると思うのですが、通信士をここで半分ぐらい減らす、そうすると次に今度は、その人々のある意味においては職場を転換していかなければならぬという場合が起き得ますね。したがって、それと関係しますけれども、今度は需要の面で、計画造船をやっているでしょう、政府は。計画造船のトン数など、そのつど資料にもありますし、ある程度わかりますけれども、トン数では需給の関係今申し上げておる問題については出てこないわけですから、だからそこで、トン数はいいですから、大体何隻ぐらい造船していくつもりかということを、これは需給にきわめて関係してきますから。
#170
○政府委員(若狹得治君) 今後の通信士の需給の問題に関連いたしまして新造船がどの程度あるかという問題は、計画造船だけではございませんで、他の方法による新造船あるいは外国からの買船というような状態も考えられるわけでございますが、それを総合的に勘案いたしまして、毎年大体四十隻程度の外航船が新造船として出てくるというように算定いたしておるわけでございます。
#171
○吉田忠三郎君 この四十隻の中で、計画造船の分はどのくらいになるのですか。
#172
○政府委員(若狹得治君) 今正確な資料は手元にございませんけれども、大体この半数が計画造船として考えておるわけでございます。
#173
○吉田忠三郎君 これで終わりますけれども、どうも船員局長、あなたはたいへん、資料がないとか、資料を持っていないなんて逃げるくせがありますが、きょうはやむを得ぬと思うけれども、これからそういうことのないようにひとつ注意していただきたいというふうに思うのです。だから、半数ということは、二十隻ぐらい造船されるということだな、計画造船で。わかりました。
 以上で私の質問は終わります。
#174
○小酒井義男君 ひとつ端的に聞きますが、三点ほどお尋ねをしますが、この法案が多数で通ることになった場合、船舶の安全を守っていこうとしますと、この四年の間に、陸上、関係船舶の両方の設備を充実しなきゃならぬことはなるわけですが、それは責任を持っておやりになりますか、それが第一点です。
#175
○政府委員(若狹得治君) 施設整備の一番大きなものは、先ほど御説明いたしましたように、海岸局の整備及び電波の割当の問題でございますけれども、これは郵政省及び電電公社において責任を持ってこの期間内に完成するということを申しております。また、これに合わせまして、船舶側といたしましては、通信施設の自動化の方向に向かいまして、自動受信装置の施設あるいは気象通報の模写放送の施設というものをできるだけ取り入れたいというように考えておるわけでございます。
#176
○小酒井義男君 もし計画をしておるように、四年間にはそれが完成を見ることができなかったという場合ができた場合には、この期間をさらに延長をする必要がその際できてくると思うのです。それについてはどうです。
#177
○国務大臣(綾部健太郎君) 私は、かるがゆえに、三年を四年に直したのでございまして、四年以内に完成することを確信いたしております。
#178
○小酒井義男君 もうこれ以上は押し問答になりますけれども、四年以内に必ずやってもらわなければ、船舶の航行の安全ということに非常に影響があるわけですから、それをはっきり申し述べておきます。
 それから、現行法でいきますと、局数が千三百六十六、これに対する通信士の定員が二千九百八十三名。この経過措置の期間は、局数は同じで、定員は千九百九十一名でいいことになりますと、九百九十二名というものが四年間にすでに過剰になる。さらに、本法が完全に実施をされる段階が来ますと、千五百八十七名が減少する、こういう数字が出るわけなですが、この過剰の通信士の職場をどういうふうにして解決をされることになるか、その見通しを承りたい。
#179
○政府委員(若狹得治君) われわれの手元で作成いたしております需給の計画は、先ほど御説明をいたしましたように、減耗の補充という問題がまずあるわけでございます。御承知のように、現在の通信士の需給は非常に逼迫いたしておりまして、予備員率と申しまして、陸上で待機しておる人の乗組定員に対する比率が最近急速に下がっておるわけでありまして、他の職種につきましては大体二五%程度の予備員率を持っておるにもかかわらず、船舶通信士については最近約一〇%の予備員率しかないのであります。この一〇%の中には、有給休暇でおりておる者、あるいは病気で休んでおる者、あるいは元気であるけれども船の来るのを待っていて乗船する者というものがすべて含まれておるのでありまして、一〇%の予備員率というものは非常に窮屈な予備員率であるわけであります。今後そういう方面の改善ということも当然考えていかなければなりませんし、また減耗の問題につきましては、大体において通常の過員は、陸上への転換というものがそう簡単にきかないという問題もありましょうし、普通は五%程度の減耗率を示しておるわけであります。ところが、船舶通信士につきましては、八%ないし一〇%という程度の減耗の状態でございます。最近は一〇%をオーバーして、昨年度の状況は一一%近いというような状況であります。そういうような面から見まして、現在の通信士の減耗というような問題も考えてみなければなりませんし、また先ほど申しました新造船の補充の問題――先ほど外航船のみを申し上げましたけれども、内航船の新造というものもそれ以上に考えていかなければならない。そういうような面を考えてみますと、三十八年度及び三十九年度の二カ年間には過剰状態が多少できてくるけれども、四十年度には完全に需給の関係が調整がとれまして、先ほど申し上げましたように、一級の無線通信士については約二百名程度の不足状態が出てくるというふうにわれわれは算定をいたしておるのであります。したがいまして、この需給関係から問題になりますのは、二級通信士――船舶職員法上は乙種船舶通信士でございますが、これの定数が経過期間に半数になりますから、その間その方々の再教育の問題を至急考えていかなければならない。それと同時に、免許制度につきましては、先ほど御議論がございましたように、長い間の経験を取り入れた認定制度というものを同時に考えていかなければならぬというような問題があるわけであります。
#180
○小酒井義男君 最後ですが、今のお答えですと、解雇とかあるいは労働条件の引き下げというようなことは起こらないというふうに理解をして間違いありませんか。
#181
○政府委員(若狹得治君) 御承知のように、この法律の実施によりまして配置転換等の問題は起こるでありましょうけれども、この船舶通信士が所属いたしております全日本海員組合は、産業別の単一組合でございますので、この配置転換もスムーズに行なわれ得るわけでございまして、現に陸上の産業におけるような配置転換に伴う困難というものはないわけでございます。と同時に、待遇の問題についても、これを低下するというような心配も現実的には全くないと考えております。また、雇用の安定という面につきましては、国会におきまして、前々国会から運輸大臣がたびたび御説明なさっておりますように、雇用の安定というものについては、運輸省は責任を持ってこれを指導するということでございますし、また船主団体といたしましても、この法律の施行に伴いまして、雇用の安定に悪影響を及ぼすということがないようにするということもたびたび声明いたしておるような状況でございますので、われわれとしては、決して雇用の安定を阻害するというような状況にはならないと確信いたしておるわけでございます。
#182
○小酒井義男君 最後のつもりでしたけれども、今のお答えを聞いていると、海員組合がそういうことのないように妥結をさせるだろうというような、政府のほうでそういう見通しが私はあるのかどうかということに非常に疑義を持ちます。そうでなしに、運輸大臣のほうから、解雇とか労働条件の切り下げはやらせないという答弁をしていただきたいのです。
#183
○国務大臣(綾部健太郎君) 吉田さんの用いる表現で簡明に申し上げますと、実際は通信士が足りないのです。それを防ぐというのにきゅうきゅうとしているのです。ただし、さっき船員局長が申しましたように、二年間、したがって三十八年度と九年度ぐらいには若干の余るような状態がありますけれども、それから以後にいきますと、どうしても足りないような状態になるので、私は、労働条件を悪くしたり、あるいは海員組合が引っぱっておかにやならぬ人を解雇するようなことは理屈上あり得ないと考えます。そこで、私どもは、最初の見通しをさらに的確にするために、年限を三年から四年に引き延ばしたような次第でございまして、小酒井委員の御心配になられるようなことは私はないと信じ、またそういう事態が起こりましたならば、私はそういうことをせしめないように責任者として努力する所存でございます。
#184
○吉田忠三郎君 ちょっと一つだけ聞いておきますが、国鉄の船舶局長おいでですか。――国鉄の場合、連絡船船舶をお持ちですね。国鉄の関係としてはどう考えておるか。つまり、答えだけ言えばいいのですよ。それについては従来どおりやるのか、削減していくのか。
#185
○説明員(青木秀夫君) 私ども、青函航路につきまして関係があるわけでございますけれども、現在青函航路につきましては、大ざっぱにきめられております資格以上の資格を持った人を配置いたしております。さらに、法にきめられております人員以上の三名の人員を配置しておるわけでありますが、現在のところこれを変えなければならないとは考えておりません。ただしかし、将来船舶の近代化というものは進むだろうと存じます。そういう場合におきましては、それぞれの段階に応じて考えなければいけないと存じますけれども、そういう場合におきましては、十分検討いたしましてきめていきたいと考えております。
#186
○委員長(金丸冨夫君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#187
○委員長(金丸冨夫君) 速記をつけて。
#188
○岡三郎君 二点伺いますが、三名の通信士を一名に減員するということで全体的な運営をうまくはかりたい。しかし、人間のからだはなま身なので、一名の通信士が健康を害するという場合も想定されるので、その場合には通信ができなくなるという心配がある。これに対応する措置をどういうふうにするのか、お考え願いたいということ。
 第二点は、配置転換等を言われましたが、現実に余ってくる人々の待遇、あるいはそれに対する処置、こういうものについては、やはり慎重にやってもらわにゃならぬ。そのために、先ほど船員局長が言ったように、乙種の人が下船をして、その間一定期間に資格の向上をはかって、そうして将来不足する一級通信士ですか、そういう方面への転進というか、そういうふうなことも考えられておるようですが、こういう点についてどういうふうに配慮されていくかについては、非常に関心があると思う。したがって、そういう点について、ひとつほんとうの意味の正しい合理化という方向で善処してもらいたいと思うのですが、この二点についてひとつ大臣の所信をお伺いしたい。
#189
○国務大臣(綾部健太郎君) 先ほど雑談の中で申しましたように、実際これはもう制度の問題でなくて、生命に関することですから、慎重の上にも慎重を期しまして、御心配のないように努力いたします。
#190
○委員長(金丸冨夫君) 他に御発言がなければ、本案の質疑はこれにて終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#191
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 なお、討論、採決は次回の委員会に譲ることといたしますから、御了承を願います。
 次回は明三十日午後一時といたしまして、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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