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1962/03/30 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第16号
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1962/03/30 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第16号

#1
第043回国会 運輸委員会 第16号
昭和三十八年三月三十日(土曜日)
   午後一時四十四分開会
    ―――――――――――――
委員の異動
 三月三十日
  辞任      補欠選任
   河野 謙三君  三木與吉郎君
   前田佳都男君  山崎  斉君
   木暮武太夫君  熊谷太三郎君
   石田 次男君  浅井  亨君
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     金丸 冨夫君
   理事
           天埜 良吉君
           谷口 慶吉君
           天坊 裕彦君
   委員
           井野 碩哉君
           江藤  智君
           熊谷太三郎君
           野上  進君
           三木與吉郎君
           村松 久義君
           山崎  斉君
           相澤 重明君
           小酒井義男君
           吉田忠三郎君
           浅井  亨君
           加賀山之雄君
           中村 正雄君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 綾部健太郎君
  政府委員
   運輸省海運局長 辻  章男君
   運輸省船員局長 若狭 得治君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       吉田善次郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○船舶職員法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(金丸冨夫君) ただいまから委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告申し上げます。
 本日付をもって、委員石田次男君、河野謙三君、木暮武太夫君及び前田佳都男君が辞任され、その補欠として、浅井亨君、三木與吉郎君、熊谷太三郎君及び山崎斉君がそれぞれ委員に選任せられました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(金丸冨夫君) 次に、船舶職員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は、前回の委員会において終局いたしておりますので、これより討論に入ります。御意見のあります方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#4
○相澤重明君 私は、日本社会党を代表いたしまして、本法律案の改正に対しましては、反対をするものであります。
 その第一の理由は、今回の本法改正にあたりまして、いわゆる船舶職員として船舶に乗り組むべき者の資格を、船舶通信工の定員を軽減をしたり、あるいは年齢を引き下げる等の措置をとるものでありますが、その理由が、国際条約に見合って国内法を整備しようという政府の考えでありますけれども、これは全くこの国際法あるいは国際条約を名にとる政府の欺瞞政策であって、私どもとしては了承のしがたいものであります。
 まず第一は、国際条約を尊重するならば、前回も私は質疑の際に申し上げたように、船舶職員法はもちろんのこと、ILO八十七号条約を批准をする、いわゆる誠意を持った立場に立っての船舶職員法というものを考えていくべきが第一であります。
 第二の点は、今回の措置によりまして、国際競争に、政府としては、わが国の船舶職員法の改正のために、若干でも経費の減額が行なわれるという考えでありますけれども、これは現在の日本の国民の生活状態、経済状態、こういうものを考えた場合に、働く者の場所というものを失わせるということが生まれるのであります。これらについては、最も私どもは政府に善処を要望しなければならない点であります。
 さらに、第三の点といたしましては、この措置によりまして、政府原案は、適用の特例措置を衆議院において修正されているにもかかわらず、積極的な意思がなかった。いわゆる新造船も含め、四年間に、衆議院としては修正議決をされているのでありますが、そうしたものに対しても、根本的なそういう積極的な意思を認めようとしない考え方というものがうかがわれたのは、まことに遺憾であります。こういう点は、すみやかにやはり国会の立場というものを十分に理解をして、むしろ根本的な態度というものをとるべきであったと私は思う。
 第四の問題といたしましては、船舶通信士の乙種あるいは丙種の免許年令を引き下げるということは、これはなるほど、一面において、直ちに学校を卒業した者を十分採用して希望を持たせるということをいっているのでありますが、事実は、これに伴うところの施設設備等が、国内的にそれだけのものが、関係の電波法の問題、あるいは電電公社のそうした施設等を考えて参りますというと、即応できない態勢であります。こういう点を考え、さらに日本の労働者の技術の向上ということを考えたならば、この年令を十八才に引き下げるということは、むしろ私どもはとるべき措置ではなかろう、こういう点を十分考えなければならぬと思うのであります。
 以上のような立場に立ちまして、私どもとしては、これらの船舶職員法の改正にあたって、政府の考え方というものが、合理化の名によるところの労働者の低賃金政策、定員の引き下げ、首切り、そしてまた資本家に奉仕するところの考え方だけを強く前面に押し出しているということは、全く遺憾のきわみであり、こういうことのないように、私どもは、特に質疑の際に申し上げましたように、船舶職員は、特に国際競争に十分たえ得る、いわゆる国際労働機構の中にも尊重せられている労働者の給与、あるいは労働条件、こういうものを維持改善することを当面の焦眉の急とするのでありまして、そういう点に政府の考慮が払われておらないという点は、まことに遺憾であって、名のみ国際条約に照らして法改正を行なうということは、全く矛盾だらけでありまして、ここに反対をするものであります。
 以上、簡単でありますが、日本社会党といたしまして、本法改正についての反対の討論を終わります。
#5
○天埜良吉君 私は、自由民主党を代表しまして、ただいま議題となっております船舶職員法の一部を改正する法律案に賛成をするものであります。
 わが国の海運企業は、ただいま再建すべき岐路に立っているのでありますが、この現状にかんがみ、船舶通信士の法定乗組員を航行の安全に支障を来たさない範囲におきまして諸外国並みに改めることは、まことに当を得たことであり、ことに、その適用にあたっては特例措置がとられておることによって、急激な変化による何らの支障も生じ得ないものと思われるものであります。なおまた、船舶通信士の資格に関する制度を合理化することも、この際必要なことと信ずるものでありまして、よって、私は本法案に対して全面的に賛成をするものであります。
#6
○中村正雄君 私は、民社党を代表して、本法案に反対いたします。すなわち、政府は、この法案の提案理由といたしまして、海運企業の現状にかんがみ、船舶通信士の資格に関する制度を合理化する等の必要がある旨を掲げておりますが、本委員会におきまする大臣並びに政府委員の御答弁によりますと、明らかになっておりますように、船舶職員として船舶に乗り組ますべき者の資格を定め、もって船舶の航行の安全をはかることを目的といたしておりまする本法を、いわゆる海運企業の助成策を推進するための前提条件として、合理化に名をかり、船舶の航行安全をはかるのではなくして、低下せしめる結果を招くような提案理由は、本法の趣旨を全く誤ったものと判断するからでございます。特に、本法案の内容につきまして、二、三の点について反対の理由を指摘いたしたいと思います。
 その第一は、船舶通信士の乗り組みを軽減する結果、船舶相互間の安全を低下することになり、よって生ずる海難の防止に欠けるばかりでなく、その責任体制を政府は明らかにいたしておりません。
 第二に、船舶通信士の乗り組みを軽減することに伴って、雇用の需給面ですでに過剰の発生が予想されている乙種船舶通信士の職場の確保並びにこれら通信士が上級免状を取得するための再教育について、事前に何らの計画も持っておらず、当該通信士に対する雇用不安を与えておる点であります。
 これらの点についても、大臣並びに政府委員は、その事実を認める旨の答弁をいたしております。このように、安全面のみならず、雇用面にわたっても重大な欠陥を持つ法律案は、まさに本法の趣旨を全く誤ったものというべきであって、提案理由はその必要性を著しく欠いているものと認めるわけであります。
 以上が私の本法案に対しまする反対理由であります。
 最後に、もし私たちの反対にもかかわりませず、この法案が成立するという場合があり得るならば、その場合にかんがみまして、一言要望を申し上げておきたいと思います。
 本法律案は、法律事項として国際水準並みにすることをねらいとしたものであって、現実の運用に関しては労使間の協議にまかせる旨大臣並びに政府委員は答弁しましたが、これが提案の意図でありますならば、運用にあたっては摩擦を生じないように政府が特に配慮することを要望いたします。
 以上で討論を終わります。
#7
○浅井亨君 私は、公明会を代表いたしまして、船舶職員法の一部を改正する法律案に対しまして反対するものでございます。
 御承知のごとく、わが国は世界有数の海運国でありまして、また、わが国海運発展のために、あるいは海運業従事者、特に海上乗組員の安全確保のために、日夜努力を続けているのであります。中でも、海上通信士は、航行中の船舶安全の一切の責任をとって、二十四時間の間、間断なく陸上との連絡をとり、全乗組員のために万全の備えをしているのであります。そのような中において、昨今なおかつ、幾つかの海難、海上事故が起きておるのであります。このときにあたりまして、まことに通信士の責任の重大さを痛感するものであります。
 こういうときにあたりまして、本法案が提出されましたわけですが、運輸大臣の示された二つのおもな改正点につきまして、私は次の理由をもって反対するものであります。
 まず第一点は、船舶通信士の定員を軽減することでありますが、現行のままでさえも衝突事故等が目立っておる今日、いかに通信機械が発達されたといいましても、通信機械ばかりにたよることは、はなはだもってたよりないことと存ずるのであります。さらに優秀なる通信士をもって船舶航行の安全確保をはかるべきであると思うのであります。また、いかに有能な通信士でありましても、一人で機械を操作するというようなことは、労働過重となり、精神的、肉体的にも与える負担は大きなものがあるのであります。
 また、もう一点は、通信士の年令を十八才にする点でございますが、いかに、経過措置の期間は通信長の補佐であるということでございますけれども、そういうようなことにいたしましても、いかなる衝突事故によりまして全責任を負わなければならないという立場にならないとは限らないと思うのであります。
 以上の二点をもって、私は本法案の改正に反対するものでございます。
 以上でございます。
#8
○加賀山之雄君 私は、この法案に賛成の意を表します。
 理由はきわめて簡単でありますが、この海運というような仕事は最も国際的なつながりが強くて、しかも、今盛んに貿易自由化ということがいわれておりますが、早くから自由化競争、自由の競争にさらされておった。したがって、大臣の御答弁から、ときどき国際水準という言葉が使われたのも、そういうことだろうと思うのでございまして、外国の航路と競争する上においては、同じようにしてやらなければならぬ。同じ条件を持っていかないと、競争にならない。しかし、これには非常に条件があるわけであって、ただ人数だけを同じにしてもいけないのであって、私は、いかにも通信士にしわが寄せられるような感じがするのは、この法案の非常な欠点であるように思う。したがって、法改正の上は、中村委員が言われたように、これは労使間でよく話をしてきめなければならぬことはもちろんでありますが、通信士の勤務条件、勤務の体制、それから給与等についても、甚大な考慮を払われなければなるまいと思う。特に、一番懸念される海難の防止、いわゆる海上保安の問題については、これは私ども、監督官庁の運輸省がこの法案を準備され、また実際的にこの船を運用しておる人たちからやっていけるという強い自信を持っておられることに、われわれは全幅の信頼を置くものでありますが、しかし、といって、海難というようなものは、一たび起きれば、非常なこれは大きな損失を招き、人命にかかわることも大でございますので、この点については、特に施設の面においても改善の考慮が払われなければなるまいと私は思うわけです。
 かような条件をつけまして、私は本案に賛成するものであります。
#9
○委員長(金丸冨夫君) 以上により討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認め、これより採決に入ります。
 船舶職員法の一部を改正する法律案を問題に供します。
 本案を衆議院送付案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#11
○委員長(金丸冨夫君) 多数でございます。
 よって、本案は多数をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。
 この際、綾部運輸大臣から発言を求められました。これを許可します。
#13
○国務大臣(綾部健太郎君) 本法律案につきましては、当委員会におきまして長い間にわたる慎重御審議の結果、ただいま御可決をいただきましたことは、まことにありがとうございます。
 本法律の施行にあたりましては、当委員会の審議の経過にかんがみまして、その審議の御趣旨に従い、万全を期する所存でございます。
#14
○委員長(金丸冨夫君) 次回は四月二十三日を予定いたしておりまして、詳細は公報をもってお知らせすることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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