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1962/05/07 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第18号
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1962/05/07 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第18号

#1
第043回国会 運輸委員会 第18号
昭和三十八年五月七日(火曜日)
   午前十時三十九分開会
    ―――――――――――――
委員の異動
 四月二十六日
  辞任      補欠選任
   鍋島 直紹君  井野 碩哉君
   川上 為治君  野上  進君
   吉武 恵市君  前田佳都男君
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   理事
           天埜 良吉君
           谷口 慶吉君
           天坊 裕彦君
           岡  三郎君
   委員
           河野 謙三君
           村松 久義君
           相澤 重明君
           大倉 精一君
           小酒井義男君
           浅井  亨君
           中村 正雄君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 綾部健太郎君
  政府委員
   運輸大臣官房長 広瀬 真一君
   運輸省海運局長 辻  章男君
   運輸省鉄道監督
   局長事務取扱  岡本  悟君
   運輸省航空局長 今井 榮文君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       吉田善次郎君
  説明員
   日本国有鉄道副
   総裁      吾孫子 豊君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○海運業の再建整備に関する臨時措置
 法案(内閣提出、衆議院送付)
○外航船舶建造融資利子補給及び損失
 補償法及び日本開発銀行に関する外
 航船舶建造融資利子補給臨時措置法
 の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○運輸事情等に関する調査(航空に関
 する件)(海運に関する件)(日本
 国有鉄道の運営に関する件)
    ―――――――――――――
  〔理事天埜良吉君委員長席に着く〕
#2
○理事(天埜良吉君) それでは、ただいまから委員会を開会いたします。
 本日は、金丸委員長が出席できませんので、私が委員長の職務を行ないます。どうぞよろしく御協力のほどをお願いいたします。
 初めに委員の異動について報告いたします。
 去る四月二十六日付をもって吉武恵市君、川上為治君及び鍋島直紹君が辞任し、その補欠として井野碩哉君、野上進君及び前田佳都男君が委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○理事(天埜良吉君) 最初に、海運業の再建整備に関する臨時措置法案及び外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。
 まず、両案について補足説明の聴取をいたします。
#4
○政府委員(辻章男君) 私から、過日提案理由を説明いたしました法案につきまして、補足説明をさせていただきます。
 わが国の海運業は、昭和三十七年十月末現在で六百六十万総トンの外航船腹を保有しております。で、輸出入物資の輸送の安定及び国際収支の均衡に多大の貢献をしているのでございますが、諸般の事情によりまして、多額の借入金及び減価償却の不足をかかえ、その企業の内容は極度に悪化している状況でございます。これを利子補給の対象会社五十四社について見ますと、昭和三十七年九月期の状況でございますが、普通償却の不足が六百四十三億円、特別償却の不足は二百九十億円でございまして、合計いたしますと九百三十四億円の償却不足があり、また自己資本が非常に少なうございまして、その比率は二〇%でございまして、極度に低く、借入金は二千九百八十八億円でございまして、その三〇%に当たりまする八百九十四億円というものはいわゆる延滞となっている状況でございます。
 このようにわが国の海運業の企業基盤は非常に脆弱でございますが、国民経済上よりいたしましては、どうしても外航船腹の増強をはからねばならないのでございます。所得倍増計画におきましては、昭和四十五年度の所要外航船舶は千三百三十五万総トンとされておりまして、これの目標を達成するためには、今後六百七十五万総トンの船舶を増加させる必要があるわけでございます。現在の日本船の積み取り比率でございますが、昭和三十六年度におきましては、輸入は、一般貨物が三九%、石油類が四三%で、いずれも五〇を切っております。また輸出におきましては五三%でございまして、この三十六年度の海運関係の国際収支は、IMF方式では四億三千五百万ドルの赤字でございます。また、いわゆる実質収支におきましては、一億五千四百万ドルの赤字を示しておるわけでございます。で、所得倍増計画の計算によりますと、昭和四十五年度の日本船の積み取り比率の目標は、輸入では、一般貨物を六〇%、石油関係を六五%、輸出は六四%とされておりますが、この所得倍増の最終年次におきまして、海運関係国際収支は、IMF方式では五億六千六百万ドルの赤字となっております。しかし、実質収支では、二億五千四百万ドルの黒字になるように考えられておるわけでございます。
 したがいまして、この際、海運業の脆弱な企業基盤を国民経済の要請に応じて外航船舶の増強を行ない得る程度にまで改善するとともに、今後建造されまする船舶につきましては、その建造のための借入金に対する金利負担を軽減いたしまして、国際競争力を強化することがぜひとも必要である、かように考えておる次第でございます。
 以上簡単でございますが、補足説明といたします。
#5
○理事(天埜良吉君) 両案について、質疑に入ります。御質疑のあります方は逐次御発言をお願いします。
#6
○相澤重明君 今の海運局長の補足説明で、三十七年九月期の普通償却不足六百四十三億、特別償却不足二百九十億、計九百三十四億の償却不足、その比率は、五十四社のいわゆる自己資本比率が二〇%と、こういう意味ですか、説明をして下さい。
#7
○政府委員(辻章男君) さようでございます。
#8
○相澤重明君 そこで、五十四社の資産に対する自己資本比率が二〇%ということであるが、この五十四社のうち最も顕著なものというのはどういう会社ですか。
#9
○政府委員(辻章男君) 特に顕著な会社という具体的な資料を持っておりませんが、御承知のように、大体この利子補給対象会社は、私どもは、運航業者――定期船及び不定期船を中心として運航いたしておりまする運航業者分と、それからおもに石油類の輸送に当たっておりますタンカー主力会社と、それから船を定期用船によりまして運航業者に貸し船をいたしておりますいわゆるオーナーと、大きく分けますと三つに分類されるわけでございますが、今御指摘がございました一番自己資本比率の低いもの、また経営状況の一番芳しくないのは、今申しました中では、いわゆるオーナー――貸し船業者のクループが一番悪いわけでございます。
#10
○相澤重明君 海運局の海運関係資料というのを出してもらったのですが、そういうのも少しつけ加えておいてもらうと説明を受けるときにたいへんいいわけですが、これはあとで資料で出してもらえませんか。
#11
○政府委員(辻章男君) さっそく資料を出すようにいたしたいと思います。
#12
○相澤重明君 その次に、合計二千九百八十八億の借入金のうち三〇%に当たるこの八百九十四億円、これが延滞金となっている。この延滞金の利子というものは、どういうふうにこれは計算をされておるのでしょうかね、これは元金だけですか。
#13
○政府委員(辻章男君) これは元金だけでございます。
#14
○相澤重明君 そうすると、船会社自身は相当経営的に困難になっておることは明かなわけですね。それで、その延滞金についての政府の助成といいますか、考え方といいますか、これらの会社に対する今までの支援対策といいますか、そういうものについてどういうふうに考えておったのですか、延滞金についてですよ。
#15
○政府委員(辻章男君) その延滞金と申しますのは、期限が参りましても期限どおりに銀行へのお金が返済できないというのがいわゆる延滞金でございますが、根本的には、海運企業が脆弱でございまして、延滞を出すような状況になっておりますが、一部市中の金融関係におきましては、現在多くの設備の借入金が五年程度しか期限がないわけでございまして、船舶のようなものに対しましては非常に期限が短いわけでございます。ちなみに開発銀行のほうは、現在、貨物船に対しましては十三年、油送船に対しましては十一年という貸付期限になっておるわけでございます。五年というのは非常に少ないのでございますので、今提案いたしておりまするいわゆる利子補給法の関係におきまして、今まで五年でございましたものを七年に延ばすような措置を講じておりますし、また開発銀行におきましても、ただいま申しました貨物船十三年、油送船十一年というものを、おのおの二年ずつ延ばしまして、貨物船については十五年、油送船につきましては十三年にするような措置をいたしまして、船舶のように非常に長期に償却するものに対する金融の措置をそれに即応するように改めていきたい、かように考えておるわけでございます。
#16
○相澤重明君 それから、今の説明ですと、期間を、開発銀行のものを五年を七年とする、あるいは貨物は十三年を十五年にするという説明をいただいたのですが、それはあれですか、期間を延ばすというだけで、利子の支払いを免除するとか、あるいは一定の期間支払わなくてもいいとか、そういうようなことは考えていないのですか。
#17
○政府委員(辻章男君) これは、海運業の再建整備に関する臨時措置法案におきまして、いわゆる十七次計画造船といわれておりまする以前の金利を五カ年間猶予いたしまして、その猶予したもので元本の返済に充てさしていこう、それによりまして償却の不足を解消するとともに、延滞を減らしていこうということが、この海運業の再建整備に関する臨時措置法案の大きな眼目でございます。
 それから、先ほど言葉が足りなかったのでございますが、市中の金融機関の借入金を五年を七年にするようにしますとともに、利子補給もそれに即応するようにいたしまして、また利子の額も、船主負担になりますものを、市中につきましては、今まで七分一厘でありましたものを、六分の負担とするようにするわけでございます。また開発銀行につきましては、従来一分五厘の補給によりまして船主の負担金利が五分でございましたものを、補給率をふやしまして船主の負担金利が四分になるようにしようというのが、いわゆる利子補給法の改正の眼目でございます。
#18
○相澤重明君 そこで、三十七年九月期ということで先ほどの御説明があったわけです、補足説明が。そこで、十八次計画造船はどういうことになっておるのですか。
#19
○政府委員(辻章男君) いわゆる十八次の計画造船と申しますのは、三十七年度の問題でございまして、当初は、定期船につきましては七割程度の開発銀行の融資をする、それから定期船以外につきましては五割程度の開発銀行の融資をする、利子の負担は、市中からのものにつきましては、七分一厘程度にまで補給する、また開発銀行につきましては船主負担が五分というようなことで発足したのでございますけれども、昨年度は非常に金融が逼迫いたしまして、ただいま申し上げましたような当初の計画ではなかなか円滑に船舶の建造ができないような情勢でございまして、途中において変更いたしまして、利子の補給はそのままでございますが、定期船につきましては、開発銀行の融資を八〇%する、その他の船につきましては七〇%するというふうに、開発銀行の融資比率を引き上げまして、昨年の秋に実施をしたわけでございます。その結果、約三十七、八万トンの船舶の建造がこれによって現在進行途中でございます。それで、実は三十八年度の予算の折衝のときにおきまして、利子補給を強化する、つまり市中銀行の船主負担金利を六分、開発銀行を五分にするという利子補給の強化を十八次船まで及ぼすべきであるということになりまして、その所要の予算が三十八年度予算に計上されておるというふうな経緯に相なっておるわけであります。
#20
○相澤重明君 これは運輸大臣の問題だけれども、昨年の計画造船の場合に、市中金融については、協力的な当時態度だったと思うのです。協力を求める三つかのその当時話をされたですね、運輸大臣。今私書いたの持ってこないので……。そこで、市中金融の方の協力度合いというものが、私は今海運局長から報告されたように計画造船そのものの計画を途中でやはり変更しなきゃならぬことになったのじゃないかと思うのです。つまり、金融というものはそんな甘いものじゃなくて、自主的に船主のほうで、相当逼迫をして、結局はこういう変えなきゃならぬ、また提案をしていかなきゃならぬことになったと思う。そこで、私ども社会党としては、当時、この年間の計画造船を、十八次造船を含んで、とにかく五十万トンにするか、百万トンにするか、七十万トンにするかという議論のあったときに、こういう国家的な、いわゆる貿易の収支を最も改善する大きな問題ですから、したがって、積極的な取りきめをすべきであるという意見を私当時はいたと思うのですが、今の海運局長の言う三十七万トンないし八万トンというのは、これは十八次計画造船ですね。それから、戦標船の問題の関係はどういうふうなんですか。
#21
○政府委員(辻章男君) 戦時標準型の船舶につきましては、いわゆるだんだんと老朽化して参りまして、これは御承知のように戦争中の急造船でございますので、これをスクラップにすることが望ましいと、しかし、そうなりますと、それを持っておりまする船主あるいは乗組員の雇用の問題等も起こって参りますので、いわゆる財政資金を投入いたしまして代替建造をやっていこうということで、三十六年度から三カ年でこれをやっていこうということにいたしまして、ちょうど三十八年度がその最終年度になるわけでございます。そこで、これは一部は開発銀行からの財政資金の融資、それから非常に小さな弱小船主につきましては、特定船舶整備公団を通じまして財政資金を投入してやっていくという、二つのルートを作りまして、三十八年度におきまして残っているものを全部一掃するということで、財政資金の手当をいたしておるような状況でございます。
#22
○相澤重明君 そうすると、戦標船の代替建造については、今年度に完全に当初の三カ年計画はできる。当初の三十六年に、戦漂船の代替建造をやろうじゃないかということで、あの当時スクラップ計画というものを立てたわけですね。それは、この今年度の最終年度においては、当初の計画というものは完全に終わると、こういうことですね、それでいいですか。
#23
○政府委員(辻章男君) これは大体そういう方向でございますが、こまかいことになりますけれども、本年じゅうに代替船が全部完成はいたしませんけれども、本年じゅうにめどがつくといいます意味は、本年じゅうに代船の建造に着手いたしまして、竣工するものが一部は来年度にかかるものがあるということでございますが、大きな筋道といたしましては本年度でめどがつく、かように御了解願っていいと思います。
#24
○相澤重明君 そこで、船員の待遇、労働条件の問題ですが、それについては、船主協会と、政府の指導というものに対して、これは完全にそごはないわけですね。今の、今年度、三十八年度に−三カ年計画の最終年度で、今言った代替というものがめどがつく。それについては、今言った、船員が余るとか、あるいはどういう事情が起きるとかいうような、当初心配がいろいろあったわけです。そういうことは完全に心配がなくなった、こう理解していいですね。
#25
○政府委員(辻章男君) さようでございます。
#26
○相澤重明君 それから、三十七年十月末現在で六百六十万総トンの外航船腹を保有し、四十五年度の所有外航船舶は千三百三十五万総トン、今年度のを含めると幾らになるのですか、三十八年末は幾らになりますか。
#27
○政府委員(辻章男君) 三十七年の十月末で、今御指摘がございましたように、これは三千総トン以上の船舶を一応外航船舶として計算したものでございますが、これが約六百六十万総トンでございます。おそらく三十八年度中にはこれよりも約百万トン近いものが増加するであろうというふうに考えております。と申しますのは、三十七年の十月末の数字でございますので、いわゆる十八次の計画造船、これが――先ほど三十七、八万トンと申しましたが、正確には三十九万トンくらいでございますが、これが加わりますし、それから一部今後いわゆる十九次船としてやって参りますものも加わって参りますので、百万トン近い数字がこれに加わってくるのじゃないか、かように、推定でございますが、考えております。
#28
○相澤重明君 そうすると、大体私ども社会党が当時まあ百万トンを作ると言っておったのと政府の言っておるのとは変わりがない、そういうふうなことが数字的に明らかになってきたのですが、そこで積み取り比率の問題でありますが、これはIMF方式といっておるのだが、例の共同市場の問題について同盟の運賃問題というものがあるのだな、これは今どういうふうになっておりますか。
#29
○政府委員(辻章男君) 同盟の運賃問題と言われますのは、おそらくニューヨーク航路の問題であろうと思うのでございますが、御承知のように、ニューヨーク航路につきましては、昨年来いわゆるアウトサイダーが出て参りまして、そのために競争上同盟のほうも運賃を下げまして、これと競争をしている状態がなお続いておる状況でございます。で、これは、同盟といたしましてそういう運賃を下げておりますことは、これに参加いたしておりますわが国の主力の海運会社にとりまして非常に大きな痛手でございまして、相当の収入減を来たしておるわけでございます。これに対する対抗策といたしましては、同盟の内部で結束を固めますとか、あるいは二重運賃制の早期の実施を画するとか、あるいは日本船だけにおきまして共同して経費の節減をはかる、また配船の合理化をはかる、そういうふうな対策を今いろいろ検討しておるという段階でございます。
#30
○相澤重明君 それと関連していま一つ聞いておきたいのは、タンカーの問題が国際的に見ても重要な問題であるということはわかっております。輸出船舶の現状はどうなんですか。つまり、各国の名前による建造が行なわれるわけですね。これはずいぶんあったと思うのですよ。そういう船舶を日本で作るわけですね。その現状はどういうふうになっていますか。これはこういう問題と相当私は大きな関連があると思うのですがね。
#31
○政府委員(辻章男君) この船舶の輸出につきましては、実は所管は船舶局でございまして、私所管ではないのでございますが、現状は、輸出につきましても、相当量を日本としては輸出をしておるわけでございまして、船舶の輸出につきましても、各国に比して日本は割合優位にあるというふうに伺っておりますが、明細な点につきましては担当の船舶局のほうから答弁をお願いしたいと思います。
#32
○相澤重明君 あとでそれは運輸大臣のほうから、海運局長からも連絡をとってもらって、報告をしてもらいたいと思うのです。
 私は、単に船舶の輸出ということが、日本の産業の振興ということもあるけれども、それだけではなくて、国際海運の競争については、つまり運賃のダンピングが行なわれるということについて、それが無関心ではない、こういうことを私どもは思っておるわけです。ですから、こういう点については十分配慮しないというと、実は日本の海運業に対する、特に外航船舶建造の利子補給まで国家的にして、その反面にこの船舶の建造をして第三国の名前でタンカーが輸出をされる、そして運賃はダンピングする、そうすると国際競争では必ずしも日本は有利ではない。こういうことは、さっき当面の運賃の問題も含んで私はちょっとあなたに聞いたのだけれども、これは相当な問題、しかも今やスーパーという四万トンとか五万トンとかいうのは小さいんで、もう十万トン以上のものがどんどんできているのです。こういうことからいけば、われわれが国の税金で、国民のいわゆる税金をいかに効率的にそういうふうに産業の発展に使うかということに対して、使い方があると思うのですね。せっかく一方では利子補給をして奨励はしておるけれども、他面そういう三国によるところの運賃、料金のダンピングによって海運業界が荒らされる、こういうことについては、これはまあ国連の中でも重要な問題になってくると思うのですが、私は相当やっぱり政府もこれらの問題については考えていかなければならぬと思うのですが、きょうは時間がないから、私は、この前もいろいろやった資料をたくさん持っておるけれども、きょうは持っていないから、ただ概括的なあなたたたちの考えておることを聞いているだけなんで、ひとつ専門的に突っ込んで、これはやはり相当政府でお考えをいただかないというと、問題があとに残ると私は思う。海運業というのは、なかなかなまやさしい問題ではないのですから、特に政府はそういう点は検討を進めてもらいたいと思う。そういう点をできれば資料で少し出してもらって、この次に私は質問したいと思う。きょうはただ政府の考え方だけを聞いておいて、この次に詳細に質問いたします。
#33
○河野謙三君 関連して。これは資料で求めるほどのことではないと思うのですが、先ほど定期船、不定期船、それから油送船、それからオーナー、こういうふうに区別されましたが、六百六十万トンを四つに分けますとどういう比率になりますか。
#34
○政府委員(辻章男君) それも後ほど資料でお出しさせていただきたいと思います。ちょっと分類したのを持っておりません。
#35
○河野謙三君 それでは資料を御提出願いますが、私が伺いたいのは、一番採算の悪いのはオーナーだ、だから日本の六百六十万トンの保有船舶の中で、オーナーに属する部分の比率が高いのか低いのか、それを私は知りたいのです。同時に、もし資料を御提出願えるならば、ついでに、アメリカなり、イギリスなり、それらの主要なる海運先進国ですか、これらの国を今の四つの区別をした場合に、一体どういう比率になっておるか、これをひとつお示し願うということ。それから、昭和四十五年までに、千三百何万トンになる、その場合に、今の計画でいくと、四十五年にはその四つの区別がどういう比率になってくるのか、今のままで伸びていくのか、それともオーナーをずっと減らしていくのか、それともまたふえる形になるのか、それらの点をちょっと資料でお示しを願いたい。もし資料でなければ、私は、お手数をかけなくて、大体でもいいですから、今手元の資料で御説明いただければ、それでけっこうでございます。
#36
○政府委員(辻章男君) ただいまの河野先生の御質問、現在のオーナー、運航業者、それからタンカー関係者、その三分類のものは簡単に資料が出るわけでございますが、将来の展望としては……。その現在の比率、現在オーナーの大ざっぱな数字を申し上げますと、いわゆるオーナーの持っておりますものは外航船舶の中の約三分の一程度でございます。三分の二は運航業者及びタンカー主力関係者ということになっておるわけでございます。まあオーナーが非常に悪いというお話がございましたが、そのとおりでございます。
 ただ、これは、オーナーがなぜ今一番非常に悪いかと申しますにつきましては、いろいろ原因があるわけでございまして、一つは、先ほど相澤先生からも御指摘がございましたように、最近の傾向としまして、非常に船が大型化してきておる。それで、数年前までは、貨物船におきましては、大体一万トン級の船が世界共通に一番使いやすい船と考えられておったわけでございます。鉱石船につきましても、四万トンというふうなものが出てきております。油送船につきましては、十万トン近いようなものも出てきております。そういうことによりまして、世界的に一万トン級の不定期船というものが非常に悪くなってきておる。そういう大きな低コストのものが大量に鉱石とか油というものを運んで参りますと、一万トン級のものが小さくなりまして、コストが高いというために一般的に非常に悪くなった。それで、そういう一万トン級の船を不定期船として使っておりますものを一番多く持っておりますのがオーナー群でございます。そういう点から、オーナーの状態が非常に悪いということの一つの原因に相なっております。
 それからまた一面、これは日本の海運共通でございますが、先ほど申し上げましたように、自己資本率が二〇%というような非常に借金過多の経営をしてきておるわけであります。金融の動向によりまして建造するかしないかということが大きな問題になるわけであります。それで、どうしても金融のゆるむときに大量の船を作るという傾向が従来からあったわけであります。金融のゆるむときは非常に好景気のときでございまして、特にいわゆるスエズの動乱の当時非常な好況でございましたが、非常に船価も高かった。そういうときに多くの船が作られまして、比率としましては、特にオーナーが非常に多くの船を作った。いわゆる高船価船というものですね、そういう船を作ったわけでございます。今にしますれば、これがオーナーの経理を圧迫しておる。その他自己資本の比率が一般に悪いわけでございますが、オーナー群につきましては、特に悪い。そういうような原因によりまして、現在のオーナーが非常に苦境にあるということでございます。
 今御指摘になりました点につきましては、あらためて資料を提出いたしますが、大体の概況はそういうことになっております。
#37
○河野謙三君 関連で恐縮ですが、もう一言。
 そうすると、大きく分けますと、オーナーというのは小資本で、一般の定期をやっているのは大資本。資本の多寡で分けますと、オーナーというのは比較的小資本の連中が多い、こういうふうに見られますか。
#38
○政府委員(辻章男君) さようでございます。
#39
○河野謙三君 今度の法案の示す、海運業界をもっと資本の統合で一つ一つを大きくしようという場合に、このオーナーに属するものが大資本のほうにだんだん吸収されて、オーナーが全然なくなるということはないでしょうけれども、この法案の実施にあたって、結果的にはオーナーというものは非常に減るという見通しを持っておりますか。
#40
○政府委員(辻章男君) 今の見通しでは、オーナーというものが数としては急激に減少するということはないのではないか、かように考えております。と申しますのは、オーナーというものは、船に船員をつけまして――定期用船と呼んでおりますが、定期用船の形で運航業者に貸しまして、それで用船料というものをもらう。運航業者は、その船を借りまして、自分で荷物を集めて、配船をいたしまして、そして運賃を得る。結局、運航業者としますれば、運賃収入の中から用船料を払う、何ほどかそれが残るか残らぬかということがまあいわゆる商売の妙味になるわけでございます。現状は、今申し上げましたように、一般的に一万トン級の船が非常に採算が悪い。しかもオーナーは、いわゆる高船価船というふうなものを多く持っております関係上、なかなかオーナー自体として採算に合うような用船料がもらえない。そういうことで、オペレーターとしましては、できるだけオーナーのことも考えまして、採算の許す限りの用船料を支払っておる、そういうふうな状況でございますが、そういう関係を、この際もう一ぺんにオーナーを吸収してしまうかと申しますと、そうなりますと、オーナーの業態におきましては、相当の数がいわゆる父祖伝来海運業をやっておる、あるいは同族的な色彩の強いものも相当多うございまして、何とか会社の看板は残していきたいというふうな気持も強いようでございまして、私どもとしましては、しいてオーナーがオペレーターと合併しなければならぬという建前をとりませず、合併をすることもけっこうでございますが、そうでなくても、長期安定的な用船の関係が続くならばグループとして強力な運営ができるのではないか、そういう建前を、この今提出しておりまする法案におきます集約については、そういうふうなオーナーについての考えをいたしておるわけでございます。まあ現在の状況では、先ほど申し上げましたように、オーナーが今回の集約の問題によりまして急激に数が減るということはないのじゃなかろうか、かように実は推定しておるような次第でございます。
#41
○河野謙三君 資料は九日の次回の委員会にいただけると思いますが、そのときまた詳細資料に基づいてお伺いしますが、私は先ほど伺いますと、オーナーが三分の一の勢力を持っているということは、まあ外国の資料をいただかなければわかりませんけれども、私は少し比率が高過ぎるのじゃないか、そこにやっぱり日本のオーナーの不健全なものが出てくるのじゃないか、だから政府として政策的に将来に向かってこのオーナーとその他の比率をどういうふうに持っていくか、こういうことをあわせて伺いたい。詳細はまた資料に基づいて伺います。たいへん失礼しました。
#42
○小酒井義男君 時間の関係もあるようですから、私は二点ほどきょうはお尋ねしておきたいのですが、先ほどの海運局長の補足説明をお聞きしておると、何か積み取り比率の低いのは船腹が不足しているからだと、船さえできれば非常に比率も上がって黒字になるのだというふうに受け取れる説明だったのですが、それで解決つくのですか、船舶さえふえれば。
#43
○政府委員(辻章男君) これは、もちろん積み取り比率の向上には限度があると考えております。いくら船を作りましても、みな日本の貨物を一〇〇%日本船が取るということは、これはもうできない相談でございますが、所得倍増計画で目ざしておりますような平均六二、三%までの比率というものはあげ得るのではないかというふうに考えておる次第であります。
#44
○小酒井義男君 これは将来の想定ですから議論しても仕方がないのですが、ほかの国でもいろいろな対策を考えてくると思うのです。こちらだけの都合のいいようになるということは少し見通しが甘いような気がするのですが、どうなのですか、自信がありますか。
#45
○政府委員(辻章男君) これはまあ、しばしば問題になっておりますように、アメリカ等におきましてシップ・アメリカンというような運動もございますし、また新興海運国におきましては非常に排他的な海運政策をとるところもございますが、私どもも手をこまねいておるわけではございませんので、種々の外交折衝、経済交渉も通じまして、所得倍増計画に目標とされております程度の積み取り比率は取り得るし、また取らねばならないというふうに考えておる次第であります。
#46
○小酒井義男君 まあいくら議論をしてもきりのないことですが、なかなかそう簡単には私はいかないと思います。
 それからもう一点。これは少し高い質問になりますが、海運の経済価値といいますか、これはやはり、これだけの助成をするとすれば、海運の助成をしなければならないという説明が要ると思うのです。その助成にも限界があって、無制限のものではないと思うのですが、その経済価値というものについて、ひとつわかりやすく説明をしてくれませんか。
#47
○政府委員(辻章男君) これは、お手元に海運関係資料という資料を配付さしていただいておりますが、これの一番最後のページに海運関係国際収支という表がございまして、ここに右の欄に実質収支という表がございます。三十六年度の欄をごらん願いますと、三十六年度におきましては、受けとしまして、六億七千万ドルが受けに計上されております。払いに六億四千三百万ドルが計上されておりますが、ここで受けと申しますのは、日本の外航船が、これはドルでありましょうと、あるいはポンドであれ、あるいは円貨であれ、運賃を収受したものの総計がこの六億七千万ドル――これは、先ほど申し上げましたように、大体六百六十万トンぐらいの外航船腹でございますから、大ざっぱに言いまして、外航船舶の百万総トンで年間一億ドルの外貨をかせぐかあるいは節約しているということでございます。ところが、この払いというほうは、日本が外国船に三十六年度に払った数字でございまして、六億四千三百万ドル外国船に払っている。船腹を増強することによりましてこの外国の払いを減らしていく余地は十分あるのではないか、かように考えるわけでございます。それからもう一つ、この六億七千万ドルという数字は、日本の産業別、品目別の輸出貿易を見まして、一番大きな数字を占めております鉄鋼とか、繊維とか、相当の輸出がございますけれども、海運ほど大きな数字にはなっておらないわけでございます。それからまた、よく問題になるのでございますけれども、海運の外貨手取率、つまり、純粋に一億ドルのかりに外貨運賃の収入を上げたとしまして、どの程度歩どまりがあるのか。たとえば綿製品で申しますれば、綿花を輸入して出すわけでございますから、綿花の原料代だけは引かなければならぬというふうな計算をいたしまして考えてみましても、海運の外貨手取率というものは決してほかの産業の外貨手取率に劣らないという計算になっております。これにつきましては、後ほどまた資料でお出ししたいと思いますけれども、そういう点から申しまして、非常に額が大きくて、しかも外貨手取率が悪くない。それからもう一つは、これも大きな問題でございますが、御承知のように、貿易の自由化というふうなことが言われております反面、貿易輸出につきましては、やれ自主規制でありますとか、あるいは保護関税とかというふうな、いろいろ各相手国によりましては障害があるわけでございます。まあ海運につきましてはそういう障害が比較的少ない。シップ・アメリカンの問題でございますとか、あるいは先ほど申し上げた新興海運国の排他的な空気はございますけれども、貿易関係よりは現在のところ壁は薄いのじゃないか。しかも、たとえば日本の鉄鋼業者が日本の船会社と話し合いをすれば、それで日本人同士の間で外貨の節約が可能になる。あるいは、日本の石油会社と日本の船主とがタンカーの契約をすれば、それで事が済む。そういうふうな点から申しまして、もちろん商品貿易も伸ばさなければなりませんが、商品貿易を伸ばすよりも――比べますれば、海運によって外貨を得ることが非常にたやすいのじゃないか、まあわれわれはかように考えておる次第でございます。
#48
○小酒井義男君 たとえば、一億ドルの運賃収入を得るためにどれだけくらいの助成をしてもその一億ドルというものは必要なんだというような何かめど、見通しというか、ものさしというようなものはあるのですか。
#49
○政府委員(辻章男君) これは非常にむずかしい問題でございまして、つまり、助成の厚さと、それと国際収支への貢献とをどういうふうにバランスを考えるかということであろうと思うのでございますが、今御質問に的確にお答えすることにはならぬかと思うのでございますけれども、今提案いたしておりまする二法案の考え方は、海運というものは、船舶がいわば生産の基礎手段でございまして、これは非常に資本のかさむものでございます。外国と比較いたしまして、日本の船員も非常に優秀でございますし、また日本の運航会社の商業的な手腕というものも決してひけをとらぬわけでございます。一番海運の問題でマイナスになりますのは、非常に金利が高くて、巨額の船舶を借入金であります関係上、その金利負担というものが外国との間に一番大きなコストの開きになっておるわけでございます。実際の競争力の問題としましては、この金利を国際海運の国際金利並みに引き下げてやるということが利子補給の強化の主眼点でございます。
 もう一つ、再建整備臨時措置法の関係でございますが、これは今まで過去にいろいろな要因がございまして、これが重なり重なり合って、現在のような脆弱な企業基盤になったわけでございます。これを、今後船舶建造をやって十分対抗できるまでに企業基盤を強化していくいくというために、先ほど申し上げたような開発銀行の利子の猶予を中心としたものでこの企業基盤を強化しよう、これによって十分に対抗できるんじゃないか。現在そうすれば企業の体質も何とか国際競争に耐えられるようになれば、今後作る船は、それで同じベースで諸外国の海運会社と国際場裏に競争できるんじゃないか。あとは各企業の努力に待っていきたいという考え方をいたしておる次第でございます。
#50
○小酒井義男君 いずれまたお尋ねをする機会があると思いますから、質問はこれだけにしておきますが、私も資料をひとつ。こういう資料なら出していただけるかと思うのですが、きょう配付していただいた「海運関係資料」の3に、利子補給対象海運会社の経理状況、この中の一番下にあります、昭和三十七年九月期の五十四社ですね、この表に基づくところの各社別の数字を出していただけませんか。
#51
○政府委員(辻章男君) 承知いたしました。
#52
○河野謙三君 私も資料の要求ですがね、船舶の稼働率の推移という資料はできますか、年次別に。
 それともう一つは、フレートの年次別の推移、これは過去三年でも五年でもけっこうです。
#53
○政府委員(辻章男君) ただいまの御要望の中のフレートの推移は、これは完全にできます。
 稼働率の推移でございますが、これはちょっと困難かと思いますが、できるだけ御趣旨に沿うようなものを作るように努力してみたいと思います。ちょっと今非常に困難かもしれませんが、できるだけ努力してみたいと思います。
#54
○河野謙三君 これは、今小酒井さんの質問を伺っていて、ちょっと私はその資料を要求する気になったんですが、船がふえれば荷物がふえていくのか、船のふえた率で荷物がふえないのか、これは過去において船が順次ふえていますね。船がふえていくに従って稼働率は下がらぬで幾ら上がっているのか、そこらのところの過去の数字を見ませんと、船がふえて荷物がふえたということにならぬと思うのですよ。そこで、過去の三年なり五年の船舶の保有量と、その稼働率ですね、これは私は重要な資料だと思うのだね。しかし、これはもし今までなければ、困難でありましょうが――私は九日とは申しません、やはりこれは重要な資料としてぜひひとつ出してもらいたいと思いますがね。それだけお願いをしておきます。
#55
○岡三郎君 きょう一点聞いておきたいと思うのですが、利子補給をするいろいろと構想があるわけですがね。運輸大臣に聞きたいのだが、最近低金利政策で漸次金利は下がっている。国際水準に近づけるように努力する、この低金利政策と、この法律によって期間を延ばして、大体の一応の見通しをそれぞれ何分何分ときめておりますがね、いわゆる低金利政策と利子補給の関連ですね、今後の見通し、これはどう考えているのですか。
#56
○国務大臣(綾部健太郎君) 低金利政策は、今あれは御承知のように、日銀の公定歩合を下げて、一般の市中金利までにはまだなかなか及んでおりません。で、私どもの通常の観念といたしましては、預金コスト、いわゆる資金源のコスト限度ぐらいまでになりまして、それ以下に低金利政策をなにするということは、私はなかなか困難ではないかと思います。したがって、海運のこの法案によりまして、開発銀行を四分にし、普通銀行を六分にするというぐらいなところが、まあ一番妥当なものではないかと考えております。
#57
○岡三郎君 妥当であるかどうかは別にして、いわゆる低金利政策というのは、今のところその程度のものじゃないのではないかと私は思うのですが、実際的にはどういうふうに、今後の推移において、国際的な水準までさや寄せしていくのにどこまでいけるか、今後の問題にかかっているのだと思うが、端的に言うて、いわゆる実質的な貸し出し金利は減ってくる。現行よりかなり減るということになると、利子補給ということは、それと相対的に利子補給率を減らすのかどうかという問題が出てくると思う。今のところそこまでいかないとしても、一応想定として、ここに二分五厘なら二分五厘を補給する、こういうことを言っております。ところが、実質的に貸し出し金利は今より下がってくる、こういうようなことが実態としてある。これはかなり期間が延びるわけですから、一年や二年の問題でなく、三年、四年後においてどういう推移をたどるかは別にして、現状においてこれだけの利子補給をすれば一応再建できる、こういうふうな目安を立てていると思う。そういうことになるというと、今後の金利の推移によっては、補給する金利というものが変わってくる場合も私はあり得ると思う。その場合のことをどう考えておられるのかということです。相当金利の問題は重要になってきております。運輸大臣のように、それは変わらないのだと言われれば、それでいいかもしれません。
#58
○国務大臣(綾部健太郎君) 変わらないでいいというのではない。現行の低金利政策という政府の政策によって実質的に金利が下がって参りますまでには、私は幾段階かあると考えます。もしそういう場合になりまして、この補給率では、一向補給しないと同じようなことになるようなふうに金利そのものが下がっていくかもわかりませんが、そのときはそのときであらためて法律の改正なり何なりの御審議を願うよりいたし方ないと思います。
#59
○岡三郎君 そうするというと、ずいぶん確信がないわけだ、場当たりじゃないですか。もう少しやはり政府全体として、これはやはり相当の額になるわけです。実態的に金利は減少してくる。国としては、大体これだけの補給をしてやるならば、一応再建できる、実質的に金利がそこまで下がってくるかどうか別として。今は二分五厘でも、一分あるいは一分五厘でいいという実態も出てくるわけですから、そのときはそのときで法律を出す、こういうことですか。
#60
○国務大臣(綾部健太郎君) 私が考えておりますことは、そういう事態が起これば、すべての海運会社の経理内容がよくなるわけでありますから、そのときには適当に対処するとお答えするよりしようがないと思います。
#61
○岡三郎君 そこまで運輸大臣が持つかどうか別だが、しかし、やはり利子補給をするならば、国の金、国の財産ですから、そこら辺はある程度がっちりと考えておいてもらわなければならぬと思う。ここである程度補給すればよくなる、金利の軽減というものは国策的に今後相当進められると考えております。そうなった場合において、そのつどいろいろ考えられるということは、当然だと思いますが、一応この程度の補給率でいいのだということなのか。今後物価の推移もありますが、こういう点なんかについて、運輸当局の考え方などもこの次に聞きましょう。
#62
○理事(天埜良吉君) ほかに御質疑ありませんか。――残余の質疑は次回に譲ることにいたします。
    ―――――――――――――
#63
○理事(天埜良吉君) 次に、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 まず、過般の日東航空の事故について当局から報告を聴取いたします。今井航空局長。
#64
○政府委員(今井榮文君) 先般日東航空の水上旅客機アッターが事故を起こしまして、貴重なお客さん方の人命九人がなくなりましたことにつきまして、私どもとしては心から申しわけなく存じております。事故の調査に係官を派遣いたしまして、昨晩帰って参りました関係もございますので、本日の委員会のお席をかりまして、事故の状況並びに原因と考えられる点等につきまして御報告を申し上げたいと思います。
 まず、事故でございますが、すでに新聞紙上に詳しく出ておりますが、五月一日の……。
#65
○岡三郎君 何か資料があるのですか。
#66
○政府委員(今井榮文君) 昨晩帰って参りましたばかりで、とりあえず報告をして、資料は詳しく出したいと思います。
 それで、発生いたしましたのは、五月一日の午前八時五十分でございまして、発生した個所は、兵庫県三原郡南淡町に属する山中でございます。それから飛行機はデ・ハビランドのアッター水上機でございまして、操縦士は二名乗っておりまして、一名は清水祥男、それからもう一名は野口剛、それぞれ二千時間以上の飛行経歴を持っておるベテランの操縦士でございます。乗客は横井さん初め九名の方が乗っておられまして、これらの方々が全部おなくなりになりました。
 事故の概況を御説明申し上げますと、大阪空港を五日の八時十一分離陸いたしまして、高度二千フィートで飛行いたしまして、岸和田を当初視認いたしまして、次いで友ケ島を確認いたしましたが、雨雲が低いために高度を五百フィートまで下げて飛行を続けて参ったのであります。それからさらに友ケ島付近におきまして、あそこにすでに私どものほうで指定いたしました飛行経路上のポイントがございまして、そのポイントにおきまして、和歌山から沼島――これは淡路島の南端の島でございますが、沼島と徳島を結ぶ線、これが飛行経路でございますが、この経路を結ぶ線に到達したと推定いたしましたので、機長は針路を変えまして、自分は、その線で沼島を経由して徳島に直線で飛行できるというふうに判断いたしまして、その沼島通過時の安全度を考慮いたしまして、五百フィートから九百フィートまでいたしまして、雨と雲で前方視程がございままんでしたが、そのまま飛び続けていったわけでございます。ところが、その機長が判断した針路が角度においてずれておりまして、まっすぐに先ほど申し上げました南淡町に所在する山に衝突した、こういうことになったわけでございます。機体、発動機等の状況につきましては、衝突と同時に百メートル内外にわたって四散いたしましたので、十分な調査はできませんが、残存部分について調査いたしました結果、事故の要因となったと認められるような故障等が全然エンジンについては考えられないのでございます。なお、御承知のように、機長並びにもう一人の操縦士については、重傷を負って生存いたしておりまして、係官も十分本人からその当時の状況を聞いて参ってきておるわけでございます。したがいまして、エンジン等についての故障はなかったということは、確認いたしておるわけでございます。
 当時の気象の状況でございますが、機長は、出発前に運航管理者から徳島の状況を聞きまして、有視界飛行が可能であると判断して大阪を出発いたしました。さらにまた飛行中、八時四十五分ごろ友ケ島を通過する前に、機上無線で徳島の営業所と交信いたしております。そのときに、その交信によりまして、徳島の気象が、雲の高さが四千フィート、視程七マイルということで、良好であるという情報を入手いたしております。なお、当時の大阪空港及び徳島飛行場の気象状況につきましては、大阪も雨が降って、天気は良好ではございませんでしたが、制限の気象条件よりは良好な気象条件で、有視界飛行で飛び得るような状態ではございました。徳島飛行場につきましては、先ほど申し上げましたように、比較的良好な状態であったというふうにデータが入っております。
 事故の推定原因につきましては、現在、十分な調査を続行いたしておりますが、有視界飛行の飛行計画を出しまして、有視界飛行で飛行を開始いたしたのでございますが、運航規程の面から申しますれば、雲中飛行を行なってはならないわけでございます。しかるに、雲中飛行を行なって位置の推定を誤り、淡路島の南岸を和歌山−沼島−徳島を結ぶ線と誤って低高度で飛行したというところに、この事故の原因があったのではないかというふうに推定されるわけでございます。
 簡単でございますが、以上、御報告を申し上げます。
 さらに御質問によってお答えいたします。
    ―――――――――――――
#67
○理事(天埜良吉君) それでは、続いて躍進号の遭難の報告を大臣から聴取いたします。
#68
○国務大臣(綾部健太郎君) 中共の躍進号遭難事件の概要を御報告申し上げます。
 船の名前は、貨物船であって、躍進号という船号で、信号符字がBOSOというのでございます。それから総トン数は一万一千四百八十二トンでございます。船主は中国遠洋運輸公司上海分公司でございます。積荷は、トウモロコシ一万トン、硅石三千トン、出港した日時は青島を四月三十日の午後四時、入港予定日時は門司五月二日午前十時の予定でございました。
 遭難の日時及び場所、海上保安庁の通信所が受信したSOSは三十八年五月一日午後二時五十八分、日本標準時でございます。それから海上保安庁の巡視船「こしき」の調査したところによりますと、躍進号船長の言によるもので、昭和三十八年五月一日午後二時四十五分(日本標準時)、そうして、北京放送によりますと、昭和三十八年五月一日午後三時十分――日本標準時に直して午後三時十分。場所は、北緯三十一度五十一分、東経百二十五度二十分、それから巡視船「こしき」が調査したところによると北緯二十一度五十二分、東経百二十五度〇一分、それから北京放送によるものは北緯三十一度五十二分、東経百二十五度〇五分と、こういうところが遭難の日時、場所であります。
 それから遭難の状況は、
 昭和三十八年五月一日午後二時五十八分、名瀬保安部通信所、第九管区本部通信所等で、躍進号のものと思われるSOSを受信したが、船名及び遭難位置は不明であった。
 昭和三十八年五月一日午後三時八分、第七管区本部通信所は、北緯三十一度五十一分、東経百二十五度二十分の地点で、呼び出し符号BOSO−BOSOはさっき申しましたように躍進号の通信信号の名称でございますが、BOSOがSOSを発信していることを傍受しました。
 同日午後四時〇七分、第十管区本部通信所は、英船のGGXE及び米船のエバーグリーン・ステート号七千九百五十九トンの貨物船が救助に向かった旨を傍受いたしました。
 同日午後四時十四分、第八管区本部通信所は、上海海岸局よりエバーグリーン・ステート号あて、アイ・ニード・ナット・ヨア・アシスタンス、プリース・リターン・ヨア・オーン・コース、サンキュウ、こういう信号を傍受いたしました。
 それから昭和三十八年五月二日午前四時二十二分、第七管区本部あて上海ポートオーソリティから、長崎無線局を経由して、次のような要請がありました。「中国汽船躍進号は北緯三十一度五十二分、東経百二十四度五十六分の地点で魚雷三本を受け沈没、乗組員は日本漁船に救助された。現在乗組員は漁船に収容されているので、調査の上、状況を回答願いたい」という通信を受け取りました。
 救助の状況を申し上げます。
 付近海域に航行中の前記英国船のGGXE及び米国船のエバーグリーン・ステート号は、現場に急行、捜索に当たったが、該船を発見できなかったので、捜索を打ち切り、通常航海に復帰した模様である。
 五月二日午前一時ごろ、付近海域で操業中の日本水産所属壱岐丸百八トンは、北緯三十一度五十五分、東経百二十五度〇一分済州島西帰浦SW百十五海里の地点で、同船のボート三隻、乗組員五十九名を発見した。
 第七管区本部は、巡視船「こしき」あて現場に急行するよう指令、巡視船「こしき」は、二日早朝現場着、乗組員全員を救助収容した。
 上海港外までの乗組員の輸送について、上海港長から上海海岸のを通じ、巡視船「こしき」船長に対して、乗組員の輸送方につき要請があったので、外務省と協議した結果、差しつかえない旨同省から連絡があったので、直ちに本庁より第七管区本部を経て巡視船「こしき」に指令した。
 巡視船「こしき」は、二日午後八時三十分、三十一度三十分N、百二十二度五十一分Eにて、中共軍艦二一一号と会合し、午後九時三十分友好裏に異状なく全員引き渡しを完了した。
 遭難現場付近の状況。
 第七管区本部は、現地関係者から次のような情報を五月二日入手した。
 五月二日午前七時四十七分、朝日新聞社航空機が、三十一度五十二分N、百二十五度〇七分において、半径約二海里にわたる浮流油を視認した。
 二日午前九時から正午までの間に、NHKチャーター機は、現場付近にて、幅五十メートル、長さ約二海里の浮流油、ハッチふたと思われる木片並びに航走中の軍艦二隻を視認した。
 五月三日午前十一時三十五分ごろ、付近操業中の日本漁船第三東海丸は、三十一度五十一分N、百二十五度十分Eの地点にて、躍進号のものと思われるボート一隻を発見した。巡視船「こしき」が現場に急行して確認の後、曳航に努力するも、ボートは水船となり、曳航困難のため、曳航を断念した。この件につき上海海岸局に対し打電したところ、同局は了承した。
 以上が躍進号に対する今日までの経過並びに海上保安庁のとった状況でございます。
 以上御報告申し上げます。
    ―――――――――――――
#69
○理事(天埜良吉君) 次に、国鉄新幹線に関して国鉄当局から発言を求められておりますので、これを許可いたします。吾孫子副総裁。
#70
○説明員(吾孫子豊君) 先般来、東海道新幹線工事の工事予算のことにつきまして、新聞等にいろいろ報道せられておりまして、各方面に御心配をおかけしていることをたいへん恐縮いたしておるものでございますが、実は、新幹線の工事につきましては、おかげさまで、全体としては順調に進行いたしておるのでございまするが、やはり工事の進捗に伴いまして、だんだんと地元との設計協議によって、いろいろ当初予想をしておらなかったような要素が出てくる面もございまするし、また試運転線等における試験の結果、あとから設計の変更を要するのではないかというような問題が出てきておる点もございまするし、いろいろな点で当初の計画に対して、ある程度の予算の増額ということもやむを得ないのではなかろうかというふうに思われまして、いろいろ心配な点もありますので、目下国鉄といたしましては、それらの今後の見通しとあわせましていろいろ検討を加えておるような次第でございます。新聞には六百億とか八百億とか、あるいは千億とかいろんな数字が報道せられておる模様でございまするが、今後どれだけ予算の増額が必要であるかということは、これは新幹線が開業いたします際のもろもろの条件とも関係してくることでございまして、今それをはっきり確定するということはまだできない状況にございまするし、また個々の、あるいは増額を要するのではないかと見込まれるようなそれぞれの工事の項目につきましても、さらに検討すべき点がいろいろ残されておりますので、私どもといたしましては、それらの点をただいま慎重に調査いたしておる段階でございます。したがいまして、政府御当局にもまだ正式に御報告を申し上げ得る状態になっておりません。新聞その他にいたしましても、これを発表するというふうな段階にはなっておりません。さような状況でありますために、詳細なことについて、当委員会におきましてもまだ御報告を申し上げ得る状況ではございませんが、しかし、率直に申し上げまして、まあ国鉄としても、初めての経験でございますので、いろいろな面で必ずしも予定どおりいかない面も出てくることが心配されておりますけれども、私どもといたしましては、できるだけ当初の計画の線を大きく狂わせるようなことのないようにして参りたいと、慎重にあらゆる角度から検討を加えておるような状況でございます。
#71
○理事(天埜良吉君) 別に御質問はございませんか。
 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#72
○理事(天埜良吉君) 速記をつけて下さい。
#73
○相澤重明君 私は、副総裁に今説明を聞いたことではちょっとわからない。そこで運輸大臣、あなたに聞いておきたいのです。あなたが三十八年度の予算編成のときに、国鉄当局と相談をされたと思う。そのときに、今次東海道新幹線のことも含んで国鉄予算というものはきまったわけです。それが先ほどのうそ八百などという話もあったけれども、とにかく六百五十億にしろ八百億にしろ、とにかくいずれにせよ、新聞にこれだけ大きく取り上げられておることが、今どの程度かわからぬというような報告自体が私はけしからぬと思う。それは作業を進めていく過程において、こまかい点についてどうなっておるかという点については、これは変わるかもしれぬ。とにかく原則的な問題は、私は、当然決定をされて予算というものは補正をされておる、こう考えておるわけです。それはあなたの姿勢の問題だ。運輸大臣が監督大臣として予算を編成するときにどういうふうに考えてやったのか、これをひとつ聞かしてもらわなければいかぬ、これが一つ。
 それから、御承知のように、あなたもきょう運輸委員会にお見えになるのに時間がかかったというのは、総理大臣とお話しになったと思うんだが、十河国鉄総裁の進退問題、その話を聞けば、十河国鉄総裁は、この予算の問題にもからんでやはりやめる一つの意思があるということを表明されている。だから、十河総裁自身も、明らかに自分の今までの任期の中での評判、不評判の問題もあったかもしれないけれども、とにかく東海道新幹線の予算の問題については、めくら判であった、こういうことについては、自分もやはり考えているんじゃないかというふうに思うわけです。だからあなたが、十河総裁が辞意を表明されたということをわれわれ聞いておるのだが、しかし、これは運輸大臣に正式にあったのかどうか知りませんが、われわれ運輸委員としてもわからない、選挙中で休んでおったから。そこで、われわれはあなたから、十河総裁が辞表を出したのか、実際いつ出したか、その理由は何か、こういう理由を知らしてもらわなければならない。
 それから三つ目の問題は、私はやはり重要な問題だと思うのだが、吾孫子副総裁は、運輸委員会であるから慎重を期しての発言であったと私は思うわけだ。その点はわからぬわけではないけれども、今回までにいろいろ取りざたされておることは、国鉄の内部の体制の問題である。一体理事会というものに対して、具体的なそういう予算を組む場合の審議というものは徹底しておったのか。いわゆる理事の中の特に国鉄出身でない理事ですね、そういう人たちの意見が外部に報道されることを聞けば、これはやはり新幹線の特に予算等については、どんぶり勘定である、こういうことまで言われるようなことがあるわけです。だから、それは国鉄の理事といえども、新幹線の予算についてはあまり深みの中に入った、いわゆる内容をつかんでいない、こういうことを言われておるわけです。聞いてみなければ事実かどうかわからぬが、そういうことでいわゆる技術系統の人のどんぶり勘定であるということを言われるというと、これはたいへんなことだと思う。その中に、当委員会でも前回、この選挙に入る前に問題になったところの東海道新幹線の用地買収の問題や、あるいは私鉄に対する営業補償したいというようなものが、どういう積算でそういうものになっているかということについて、当時大石常務理事を呼んで質問したことに対して、はっきりしたことはない、こういうような国民の立場からいけば、あるいは議会の立場からいけば、全く不明朗というか、どうも内容がさっぱりわからぬ、国鉄は一体何をやっておるのだ、こういうようなことが出てくる。これはやはり一にかかって監督大臣としてのあなたの姿勢の問題であり、責任の問題である。だから、そういう点を少し説明してもらわないことには、ただ吾孫子副総裁がわかったようなわからないようなことを言ったって、そんなことは答弁にならぬ。報告にならぬ。そこで、運輸大臣として、監督大臣として、どう考えておるのか。私は、以上大ざっぱにいって三つの項目について説明してもらいたい。
#74
○国務大臣(綾部健太郎君) 第一番の予算の問題でございますが、ただいま吾孫子副総裁が報告しましたように、もう大体予定した完成期が明年に控えておりますから、いろいろな方面で精査いたしておる段階と了承しております。この予算について、本年度の予算編成期にあたりまして、私ども監督者としては、これで大丈夫かということを念を押しまして、しこうしてその念を押しました結果、これで大丈夫だということで私ども承認をいたした次第でございます。
#75
○相澤重明君 大丈夫じゃないじゃないか。
#76
○国務大臣(綾部健太郎君) それは、大丈夫じゃないという現実の問題につきましては、私は責任を痛感いたします。
 それから総裁の進退問題でございますが、総裁は病気になられておりまして、御承知のように、来たる五月十九日が総裁の任期でございます。それにつきまして、私は、責任者といたしまして、後任総裁をいかにすべきかということを考えておりまして、総裁の進退と、この鉄道の予算の問題とは、私の総裁との話のところでは、さようなことはありません。私は、五月十九日に任期が来るから、その任期に際して、私が私自身の判断において後任総裁をいかにすべきかということを考えておるのであります。
 それから第三の、理事会においていろいろな予算がどんぶり勘定でやられておるのでは困るじゃないかというお話でございますが、事実そういうことであればまことに困った問題でございます。これは、私どもも毎理事会の様子を聞いておりませんから、これは国鉄の総裁の責任において予算執行、編成等をやられておるのだと思います。
 いずれにいたしましても、国鉄に対する最高の責任者は私であります。総裁以下は私が監督しておるものでございまして、総裁にかりに非があったとしても、総裁だけで済ますべきものではないし、また、私は最高の責任者として事実を究明いたしまして、そうしてそれが責任に関するようなことがあれば、個々の責任者は問いません。私が最高の責任者として全部責任を背負う決意でございます。御了承願います。
#77
○相澤重明君 了承できないよ、それは。
 そこで、私は大臣に伺っておきたいのは、あなたがこの問題について特別監査か何か言ったじゃないのですか。
#78
○国務大臣(綾部健太郎君) 非公式に――国鉄法十四条の監査は要求いたしておりませんが、いろいろ新聞紙上等で書きましたから、監査委員長に対しまして監査をするようには頼んでおります。
#79
○相澤重明君 運輸大臣は、今、私が国鉄の監督大臣であるから私の責任だと、こうおっしゃった。私もそのとおりだと思う。そこで、そういう問題が、少なくとも国民の疑惑を持つような形にここに出されておるでしょう。だから、内容が、数字が五百億になるのか三百億になるのか一千億になるのか、それはわからない。確かに八百億とか六百五十億とか言っておるのだから。けれども、現実にあなたが三十八年度の予算を組むときに、国鉄当局者と、十河総裁を初め首脳部と話をして、それで、これで大丈夫やれるのだと言って予算を組んだと言っておりますね。
 それが現実にはそうではない。これでは足りないのだ。しかも――きょうは、私はもう大ざっぱな質問だけしかしておきませんから、あとでやるのですが、その新聞等に、私運輸大臣から聞かないうちに報道されるところでは、次年度の先食いまで含んでおった、そういうことをあなたが聞いて、国鉄の監督者としての責任を私が一身に持っていますと言う以上は、法律によって国鉄の監査なりというものをさせるあなたは責任があるでしょう。責任がある。だから内々とか、内輪とかということじゃないでしょう。それは、あなたの責任でやはりやらなければならぬことが監督上あるのじゃないですか。それをやらなければ、いかに国民がやはり疑惑を持つかということは、これはもうぬぐい切れないんですよ。あなたが、あなたとしての責任を遂行するということは、私はやはり手続上とらなければならぬだろうと思う。ないしょでやるとか、内々でやるとか、そんな問題じゃないと思う。その結果が、国民の疑惑を持たれたことや、新聞報道されたようなことでないということになれば、これは国鉄の当局の、事実内容がよかったのだということになるけれども、そうじゃなくて、もし今言われているようなことであれば、当然、あなたがやはり責任の所在、最高の責任者として、やはりそれはとらなければならぬ。そういうことを私は報告をしてもらいたかったわけです、本来あなたが……。
 私は三つの大ざっぱな質問をしたけれども、その中に、当然あなたが特別監査するならすると、そういうことをして国民の疑惑をなくするようにしなければならぬ、そうして具体的に、それが、じゃあいつごろになって――先ほどの吾孫子副総裁の話じゃないけれども、三十九年度の予算編成というものも、もう八月から始まるわけで、そのときの臨時国会で補正を組むなら組むということが次に出されると、そういう筋道を立ててもらわなければ、まあまあ人のうわさも七十五日ということになってしまう。それじゃいかぬと思う。ですから、あなたの責任上の問題として、その点はやはり手続は正しくとっていただきたい、こう思うのです。そのことを指摘したいと思うが、あなたのお考えはどうですか。
#80
○国務大臣(綾部健太郎君) 私もさように大体考えております。そこで、監査を、まだ正式の報告がないものですから、正式に命ずるわけにいかぬから、法律上の手続はとにかくとして、監査を今命じて、監査をしております。その結果を待つよりほか仕方がないと思います。
#81
○相澤重明君 だんだん、なおおかしくなるんですが、大臣には報告はないのですか、一体。ないんだね。
#82
○国務大臣(綾部健太郎君) まだ正式の報告はありません。
#83
○相澤重明君 十河総裁が、先ほども大臣のいう五月十九日が任期だと。そこで、後任の問題について、あなたのあとを、新聞報道関係が車を連ねて常に探しているわけです。そういう時期にこういう問題が出ておって、それであなたが報告がないと言う。報告がありませんと言って、今日、もうしばらく報道が出ているにもかかわらず、まだ報告がないと言って、あなたはそういうことでいいのですか、それは。さっきも私はいつやめたかということを聞きたかったわけです。辞意を表明したかということを聞きたかったけれども、それもあなたははっきり言わなかった。五月十九日の任期でもって、その後任問題を私が責任を持ってやるという話だけであった。そういう点について、十河総裁が自分で辞意を出してやめたならば、十河総裁でなくても、代理の副総裁である吾孫子副総裁が当然報告をすべきですよ。またその報告をあなたが求めなければならぬ。これだけのことになった、こういうことになっているのに、正式の報告がないといって、この運輸委員会にあなたが返事されるということは不見識きわまると私は思う。それは、大臣はどう思うか知らぬが、私はそう思う。そこで大臣どうなんですか、あなたはそういうふうに言わなかったのか、言ったのか、言わなかったのか、どうなんですか。責任問題です。
#84
○国務大臣(綾部健太郎君) 私は、国鉄内部でもまだ調査中やに聞いておりまして、正確な数字がまた違ったらいかぬということで、一生懸命やっているのだろうと思います。そこで、私はとりあえず監査委員長に監査をするように言っております。その程度です。
#85
○大倉精一君 きょうは時間がありませんから簡単に質問するのだが、大臣の責任は、これは最高責任と同時に、やはり国鉄の総裁、副総裁も直接の責任があるわけですね。それで、今の副総裁の報告によりますというと、まあああいう大きな工事だから若干の変更があり、変化があり、上下があるという、そういう報告でしたが、若干というようなものじゃないですよ、これは。私は、新聞のきょうの報道より見ておりませんからわかりませんが、大ざっぱに言って、当初二千億円の予算でやった。それが一千億円追加をした。また一千億円だよ。これは新聞の報道ですから。一千億円は足らないのだから、駅舎の新築なんかを見合わして大体八百億になる。そうすると大体倍になるでしょう。そうでしょう、初め二千億円のものが四千億円になる。大ざっぱに言ってですよ。しかも、これはわからぬというのですから、ふえるかもわかりません。減るかもわかりません。そういうことで、あなたは、何だか若干上下があるからという答弁があったのだけれども、そんなことで積算できるのでしょうか。たとえば、大臣が積算を命ぜられても、ああいう答弁で、一体国鉄は予算編成を、積算する能力があると考えるのですか。これはどうですか、できますか、国民は心配していますよ。しかも、東海道新幹線がそういう赤字が出てくる埋め合せをするために、ほかの、新幹線以外の路線に対する工事なりあるいは施設なり、そういうものが犠牲にされ、こっちに回される、こうなってくるというと、たださえ国鉄事故が多いといっておる中で、非常に不安、心配が出てくる。もう少し、この委員会で、詳細はわからぬにしましても、やはり誠意のある報告なり何なりというものがなければならぬと思うのです。いかがですか、副総裁。やはり上下変動が若干あって、わからぬのですか。
#86
○国務大臣(綾部健太郎君) あなたの言うようなことを、私も国鉄に向かって言っておるのですが、何分調査をしておるというのだから、その調査の結果を待たなければなりません。
#87
○大倉精一君 私は大臣に言ったのじゃないのだ、副総裁にお尋ねしたのだ。さっきの答弁、どうもあやふやで心配でしようがないので、お尋ねしておる。
#88
○説明員(吾孫子豊君) 先ほど、まあ私が若干というような言葉を使いましたのでございますが、とにかく、別の言葉では、これはたいへんなことだと思っておるということは申し上げたつもりでございまして、それで、国鉄の幹部としての責任はもちろん私ども負わなければならぬ立場でございまするが、またそのつもりでおりまするけれども、今後の国鉄の全体の業務の遂行とあわせまして、新幹線の問題についても結末をつけていかねばいけませんので、今それをどうやってやるかということについていろいろ検討しているようなわけでございます。
 それで、お尋ねの点にぴったりお答えすることになるかどうかわかりませんが、できるだけ具体的な例で少し申し上げたいと思いますけれども、工事の進行に伴いまして、たとえばトンネルの長さが少し当初の予定よりも延ばさなければならなくなったとか、鉄橋の橋梁がやはり延びてきたとか、あるいはまた高架構造の部分がふえてこざるを得なくなったとか、線路のわきに、当初考えていなかった側道のようなものを作らなければならなくなったとか、こういうようなことは、明確に一つ一つについてどれだけ要るということはむろんわかるわけでございます。しかし、また他面におきまして、たとえばその開業時に運転いたします列車の条件次第で、ずっと先の先まで見込んだような設備をするか、とにかく開業のとき、なるべく差しつかえない程度のものにするか、という考え方もありまするし、そういうことになりますと、たとえばプラットホームの長さにしても、プラットホームの上の屋根にしましても、いろいろ変わってくる点があります。そういうような点で、確定的にこれだけ要るというものと、それからこれは条件次第であるというようなものは相当ございますので、それらの点につきまして、事務的には運輸省の御当局とも、中間報告というような形の御報告はいたしておりますが、問題が大きな問題でありますので、事柄の中には、国鉄限りできめられないこともむろん出てくるかと思います。そういうような点も御相談しながら内容を確定いたしまして、いずれ大臣にも正式の御報告をさしていただきたい、さように考えておる次第でございます。
#89
○大倉精一君 予算が大幅に狂ってきたというのはいつごろおわかりになったのですか。これは最近になって発見したのか、あるいはいつごろ気がつかれたのですか。
#90
○説明員(吾孫子豊君) 私どもの耳に入って聞きましたのは、ことしになってからでございます。
#91
○大倉精一君 ことしのいつごろですか。
#92
○説明員(吾孫子豊君) ことしの……。正確にはまだ――正確と申しましても、今申し上げられる程度のことは、ほんとうにわかりましたのはきわめて最近でございますが、どうも予算が足りないらしいということは、私はことしの一月の半ばごろだったかと思いますが、そのころから耳に入りました。それで、いろいろ調べさしておったようなわけでございます。
#93
○大倉精一君 これは、本年度の予算に食い入っておるという話があるのですがね、そういうような年度前に食い入っているような状況であれば、もうこのときにおかしいなということがわかっておらなければならぬのですが、その点もあなたは聞かなかったのですか。
#94
○説明員(吾孫子豊君) ことしの一月ごろから、どうも今まできめられた、御承認を得た予算ではやっていけないのじゃないかというようなことが耳に入りまして、そういうことがもしあるとすれば一日も早くそれの内容を明らかにしなければならぬと思いまして、関係者その他に対しましても督促をし、調べさしておったわけでございまするが、実際の問題といたしまして、なかなか正確な計数の確定もできないという状況にありましたことは事実でございます。
#95
○大倉精一君 どうもその辺が私はふに落ちないところがあるのですが、ほんとうは、やっぱり去年あたりでそういう傾向がおわかりになっていなければうそだと思うのですよ。もしわかっていないとするならば、国鉄のどっかに機構上の欠陥がありますね。欠陥がある。こういう大きな予算の食い違いをことしになってやっと最近わかったというのは、これはどうも私は信じ難いのですがね。しかも、総裁の任期が五月十九日でしょう。総裁の任期の五月十九日にきちんと申し送っておかなければならぬわけです。しかも、去年の暮れなり、ことしなり、わかっておれば、今ごろ大体のめどがついて、大臣に報告もし、申し送りもして、そうして総裁退陣の道をちゃんとつけておかなければならぬのですが、できていない。今責めても仕方がないから、またあとでも質問の時間があるようですから、いろいろ検討を加えてみたいと思うのですが、そういう点がどうもふに落ちない。私はかりじゃない、国民がふに落ちない。そこで、私は、あなたがこれからいろいろ検討して、この委員会に報告されることができるのはいつごろになるか。それからさらに、この新幹線オンリーで頭に来ちゃって、ほかのほうの工事計画なり、あるいは施設なりという点について手抜きをするのか、しないのか、そちらからこちらへ融通するのかしないのか、そういう点が心配があるのです。これら二つについてきょうはお答え願って、あとはまたその時期になって質問しようと思う。
#96
○説明員(吾孫子豊君) これだけの問題のわかり方があまりにおそいじゃないかというお言葉、全くお恥ずかしい次第でございますが、私もそのとおりだと思います。その点は、私どもの無能のいたすところで、まことに申しわけないと思っておりますが、一つには、これは新幹線工事の推進を迅速に、かつ集中的に行なわせるために、予算執行の方法として、他の一般の改良工事等とは違った行き方をある程度とっておりましたので、そういう点も、こういう事態の中身を私どもが知るのに若干おくれた原因になるように考えております。そういう点については反省をいたしておるような次第でございます。
 それから新幹線の工事は、これは申し上げるまでもなく、全体の五カ年計画の中のやはり輸送力増強計画の一環でございますので、新幹線だけやればいいというわけじゃもちろんございませんから、全体の改良計画、五カ年計画の進行にいかにして支障を来たさないようにやるかということを同時に考えていかなければなりませんので、それらの点につきまして、私ども今後どうすれば一番いい方法をとり得るかということについてなお検討も加え、また関係の向きに対して、時々御連絡も申し上げ、御指示も得たいというふうに考えておる次第でございます。
#97
○大倉精一君 いつごろこの委員会に報告できる段階になるのか。その報告がないというと、私どものほうは質問のしようがない。いつごろこの委員会に、こまかいところぴったりしないでも、これこれかようでございますということを報告できる段階になるのかということを伺いたいけれども、どうですかね。見当つきませんか。
#98
○説明員(吾孫子豊君) 御報告申し上げるのは、できるだけもちろん早くいたしたいと私どもも思っております。ただ、先ほども申し上げましたように、争う余地のないくらいはっきりしている面もございますが、同時に、条件次第というような面も相当ございますので、それらの点につきまして、これでいくのだということをきめますのには、なお若干の時間がかかるかと思いますが、できるだけ早い機会に御報告を申し上げたい、かように考えております。
#99
○岡三郎君 きょうは、実際は質問をしていこうと思ったのですよ、大臣に。ところが、こういう問題は、根本的に国鉄あるいは運輸省自体のいろいろと究明の時期がある。きょうは一応の報告を願いたいと思っていたわけだが、吾孫子さんの報告というか、あれが非常に簡単過ぎて、これはいろいろ配慮されておって、十分報告ができないところを無理にするわけにいかぬだろうという点もわかるけれども、しかし、かなり新聞では詳しく報道してますからね。今言われたとおりに、できるだけ早くというふうに言われておったのですが、詳細な報告ができなければ、こちらのほうで質問していかなければならぬことになるのです、具体的に。そうするというと、それが時間的にいろいろと食い違ってくるかもわからぬということで、これは吾孫子さんの返答を聞くよりも、運輸大臣はやはり国鉄当局から正式に中間報告は聞いたようですから、また最終報告というのが来て、最終報告というのが狂っちゃう心配がありますね。だから、これはやはり、大まかというと変ですが、大局に立って判断されて、どういうふうにこれを進行させるのかということになると思うのです。そういう点で、運輸大臣のほうから一応報告をする時期ですね、これをやはりある程度めどをつけてもらえないか。今ここですぐ即答せいといっても無理だけれども、副総裁のほうからできるだけ早くといっておる。これでわかるような気がするけれども、それでもまだ、今言ったように不分明ですから、運輸当局のほうとして責任をもって国鉄と十分協議して、そうしてその報告を大体いつころまでにしたい、こういうふうに次の段階にはお答え願いたいと思うのです。今ここで無理に言っても仕方がないと思います。責任の問題は責任の問題として、とにかく来年のオリンピックまでには作るのだ、こういうふうに言ってきている問題ですから、責任の問題とともに、完成の問題が、やはり国民としては非常に関心を持っておると思うのです。それに伴う経費の問題について、これは予算上においては大きな問題がありますが、しかし、もういよいよ明年を控えてあと一年有余しかないのだから、もう本格的にやはりこれだけのものがかかるというならば、それをはっきりして、何かしらん、もう金があまりかかるという印象を与えたので、できるだけ縮めて糊塗しようということで中途半端な工事になって、そして中途半端な新幹線ということでも、これは工合が悪いじゃないか。そういう点で、やはり責任は責任として、やはり注目されておる新幹線工事については、国鉄全体が、吾孫子さんは無能と言ったが、私は、国鉄当局は無能じゃないと思う。無能じゃないけれども、非常に膨大な計画だから、わけのわからぬということじゃ済まされぬ、そういうところにあると思うのです。だから、全力をあげて、ひとつ至急御報告いただいて、それに基づいて、予算はどのくらいあとかかるのかというめどを立てて、それは恥は恥として、やはりそれに伴う責任というものとともに内容をはっきりしていかなければならぬ。どうしてそういうふうに違ってきたか、所得倍増計画で物価が値上がりして、人件費が値上がりしたという問題もあるのであるから、あながち国鉄当局ばかりの責任でないかもしれぬ。しかし、そういうものを見てない工事費のきめ方というものもおかしいので、これは一面において、政府自体も、池田内閣自体の経済政策も重大な関連があるのだから、そういう点で、要はひとつ、最終的になるかならぬかは別にして、運輸大臣の責任をもって、次期において報告の大体めどを立てて、それに伴って、われわれのほうとしても、これを各委員が検討していきたいということになっている重要な問題だから、それをお願いしたいと思うのだが、運輸大臣どうですか。
#100
○国務大臣(綾部健太郎君) なるべく御希望に沿うようにいたしますが、またおそらくは、国鉄当局として、今度間違ったらたいへんだというので、非常に精査研究するだろうと思うのです。それで、私も監査委員に命じて、今度出たやつは、いよいよ最後のなにですから、これをどういうようにやっていくかということについては、国鉄当局としても心肝を砕いているだろうと思うのです。私はさっき相澤先生から怒られましたが、なぜ監査委員に命令せぬかと言いますけれども、新聞紙上に出たというだけで、あわ食ってそういうわけに言うわけにいきません。やはり鉄道法の十四条に従って報告が出て、これはふに落ちぬ、なるほど新聞が言うとおりだ、これではいかぬから精査せよ、こういうことが行政の局に当たるものの考え方だと思っております。そこで、あなたがおっしゃるまでもなく、監査をすることは同じですから、非公式だろうと公式だろうと。そこで、監査委員長には、おかしいじゃないかということを言って監査を命じております。何といいましても、まあとにかくこの新幹線というものは、もう世界的に有名になっております。日本にもこんな技術があるのか、日本は敗戦したのに、こんな鉄道にして、世界では斜陽産業だ、日本ではこんな技術があるのだな――この間のエカフェの会議でも感心している。それをやるのに金を要する。早い話が、われわれの家でもそうですが、予定どおりやるのには一年くらいかかるのを、銭金かまわずにやれといえば半年くらいでできるというふうに、新幹線もオリンピックというのが控えておりますから、それに合わすように国鉄当局は一生懸命で、私はそれに合わすというところにピントを押えて、とにかく急げということでいろいろな経費がかさんだのだろうと私は思っております。
 そういうことで、それは国民に疑惑を投げて、まことに相済まぬが、それはだれの責任でもない。そういうことを知らなかった私の責任ですから、それは私は、運輸委員の諸君から糾弾されるまでもなく、責任は非常に痛感いたしております。それと、十河総裁の任期と関連せられるようなことについては、私は深く戒めて、さようなことは考えておりません。十河総裁に電話でも申したのですが、十九日までは任期があるのだから、それにこだわることなく、最善を尽して国鉄総裁としての任務を遂行するよう鞭撻いたしておきました。以上御報告いたします。
#101
○岡三郎君 どうも、今言われたことは、何を言っているのかわからない。私の言っていることは、でき得る限り早目に委員会に報告するのは当然です。大臣が責任々々といったって、責任をとる前にする仕事が一ぱいある。その仕事の第一着手として、今までの予算の問題があるわけです。それに伴って、今の変更ですね、それを確定するという非常にむずかしい問題があるけれども、大体どのくらいかかっていつごろ報告できるということを大臣言ってもらいたい。今ここでは無理だろうから、次回あたりにそういうことを検討してやってもらいたい。少しも無理じゃないけれども、その点についてお答えなくて、十河総裁が何とかかんとか……、その点どうですか、ひとつはっきりして下さい。
#102
○国務大臣(綾部健太郎君) それは、今言ったように計算その他なかなか複雑でありまして、今度の九日までにそれをやれと言いたいのだけれども、私はそういう自信がないということを申し上げて、なるべくすみやかにと申し上げているのです。
#103
○岡三郎君 なるべくすみやかだけではだめだ。だから、次回までに検討する時間がまだない、それまでには十分じゃないというならば、すみやかというのは、一月もすみやかだし、二月もすみやかだし、このままいくと、ずるずるいってしまって、国会が終わったらまたわけのわからぬことになってしまってもいけない、こういう配慮がある。それなら、少なくとも半月ぐらいであれば大臣よろしゅうございますか。
#104
○国務大臣(綾部健太郎君) 国鉄当局にひとつきびしく言いまして、あとで御返事いたします。また、言っておいて、運輸大臣の言ったこと違うじゃないかといわれても、相手のあることですから、それは困るのですよ。
#105
○岡三郎君 そうすると、いずれにしても、あやふやじゃいかぬから、とにかくきょうは七日ですからね、あした一日あるわけだから、総裁のあとがまをきめるのも忙しいけれども、こちらのほうも忙しい問題ですから、だから、ひとつ十分打ち合わせをして――次回ということには拘泥しません。拘泥しませんが、できるだけ早い委員会に、やはり私たちのほうからどうしたどうしたといわれないうちに、ひとつこういうふうに日時を考えて報告でき得るようにはかりますという報告をお願いしたいことが一点。
 それからもう一点は、今大臣が言ったように、オリンピックまでにはこれは作るのですね。今大臣はそれを言っておったが、それはどうなんですか。
#106
○国務大臣(綾部健太郎君) 私は、それを目途にして、オリンピックに間に合わすようにやろうと考えております。
#107
○河野謙三君 先ほどから、質問なり答弁を聞いておりますと、赤字々々とおっしゃるけれども、私は、答弁からいくと、どうも赤字に属するものじゃないと思うのです。たとえば、高架線の距離が長くなったとか、トンネルの距離を設計変更して長くしなければならぬとか、鉄橋の距離を長くするとか、こういうことは設計変更によって起こる問題であり、そこに予算の不足が起こるという問題であって、これを称して赤字という言葉は日本語では適用しないと思う。そうでなくて、あなたのほうの運営の失態から起こってくるものは、これは赤字だから、それは幾ら――そうでない設計変更等によって起こってくる予算の不足は幾ら、それから、六車両の分を八車両にした場合どうなるか、駅のホームを長くした場合どうなるか、これはいずれも赤字の問題ではありませんわね。だから、その次回にお答えいただくときに、ほんとうに赤字に属するものがあるのか。あれば、赤字というのはどういうものか。そうでなくて、設計変更その他――たとえば高架線の問題は、土地の住民の強い要求によってそうせざるを得なかった、そういう問題もいろいろあるでしょう。これを区別してもらわぬと、たださっきから赤字論議で、私は内容を聞いていると、赤字じゃないと思う。そういう点を、赤字のものと、赤字でない設計変更――その他土地の住民の要求その他によってやむを得ず起こってくる設計変更、こういうものを区別して私はぜひお話しをいただきたい、こう思うのですが、どうなんです。
#108
○説明員(吾孫子豊君) 今私どもが心配いたしておりますのは、予算不足の問題でございます。この予算が当初の額よりも相当上回ってくる見込みでございますので、その上回ってくる見込みの中に、確定的にのっぴきならぬものもございますし、条件次第で変わってくる、プラットホームの長さとか、そういうような要素もございますということを申し上げておるのでございます。赤字ということでは確かに御指摘のとおりございません。予算不足の問題でございます。
#109
○河野謙三君 念のために伺いますが、そうすると、今副総裁の手元に報告を取り寄せている範囲内においては赤字に属するものはない、こういうわけですね。要するに、予算不足の問題が設計変更によって起こってくる。そうであれば、先ほど岡さん言われましたが、当然の要求であり、また将来長い見通しのもとに万全を期するという意味においては、むしろ場合によると、そういう予算要求は、われわれのほうから見ると歓迎すべきものかもしれませんわね。だから、ここであまり、予算を通したばかりですぐ運輸大臣は何だという、そういうことで――まあそんなことでふらふらする大臣じゃありませんけれども、やっぱり国家百年の大計を立てて、それを基礎にして、それはやっぱりりっぱなものを作るために、不足があれば、それは私は不足が出ていいと思うのだが、だからそういう点で、失礼かもしれませんが、十分筋の通っている予算不足というのは、むしろ積極的に出さるべきだと思う。むしろ、そういう点で、国会の予算通過後、皆さんもけしからぬということにはあまりこだわらぬようにしてもらいたいと私は思う。
#110
○理事(天埜良吉君) ちょっとやめて。
  〔速記中止〕
#111
○理事(天埜良吉君) 速記をつけて。
#112
○相澤重明君 私は国鉄運営の問題だと思う。運営の問題ですよ。機構、運営、これがやはり明確にされない限り、こういう問題は起きる。私は、運輸大臣は、駅舎がどうなるとか、線路がどうなる、そんなことを一々計算をしてはいないと思うのです。だから、それは鉄監局長だ。鉄監局長が、国鉄の首脳部と、どういうふうに作るかということをやっておると思うのです。そこで私は、先ほど申し上げたのは、理事の中で、新幹線の担当というものと一般の担当というものとあると思う、これは。それが、たとえば、国鉄のいわゆる理事でない者が、どうもよくわからぬ、こういう話をされるということは、運営にあると思う。何のために理事を出しているのかということになってくるわけだ。そこで私は、だからそういう点もひとつ今後の問題として十分検討してもらわなければならぬというお話をしておるわけです。前回も、予算を組む際にも私はあなたに質問したのは、高架公団の問題で質問したのですね。何も特別な公団を作って、そしてたくさんの金をそこにやってやらさなければできないのか。国鉄はそんなものじゃない。技術者もおれば、そういう経験を持っておる者は大ぜいおるんだ。先ほど岡さんも言ったように、決して何も世界的から見ればおくれてはいないんだ。だから予算を、今の河野さんの話じゃないけれども、国鉄に実際にまかしてやれば私はできる、できる自信を持ってるわけだ。できるのだけれども、肝心なその運営がまずい、運営がまずいからそういうことが出てくる。積算の間違いであったとか、あるいは住民の要求があったとか、そういうことはすでに予算編成のときに出てくるわけだ。どういうものを取り入れて三十八年度の予算、あるいは東海道新幹線の完成の年月日にはどうする、こういうことは、すでにそういうもろもろの条件を取り入れて予算を組んでるのだ。だからそれはひとつ、今言ったように、今になって新たに出たというものは、特別なものはごく少数だ。そんなものが八百億も一千億にもなるわけのものじゃない。積算の基礎が誤まっておったということは、結局運営の中に持たれるのであり、しかも高架公団をこれから政府が提案をして、そういうものを外郭団体でやらせようというようなことを言っておるけれども、それ自体だってやはり問題がある、だから、そういう国鉄の今までのとにかく長い経験と最新式の技術というものを導入していけばできる。それができないのは、何があるか、その中に。私はやはり人の問題もあると思う。運営の問題がある。これが欠陥なんです、今。私は若干のことは知っておるのですよ。知っておるからこそ、一番私は心配するわけなんです。なぜもっとぴちっとした運営をやらぬか。だから一部にはどんぶり勘定という話が出てくるのです。副総裁なり河村常務も出ておりますが、一体新幹線の予算はどういうふうに使ってるか、答弁ができるか、できやせんじゃないか。同じ理事であり、総裁であり、副総裁であるものが、自分たちが最高のスタッフになっておるのだから、そういうものがみんなで討議してやるようにしなければ、またそういう使い方をぴちっとできるようにしなければならぬ。あなたが特別監査を命ずるなら、こういう運営の欠陥というものはどこにあるのだということを突きとめなければ将来に禍根を残すわけです。幾ら金をつぎ込んだからそれでいいというものじゃない。
 それから、私ども社会党としても常に言っているように、ぜひ東海道新幹線は作りたい、日本の輸送力増強はやらなければならぬ、これは意見が一致しておる。一致しておるけれども、結果論として出てきた国民に疑惑を持たれることは直さなければいかぬと思う。それを私は指摘をしておる。そういう点について、やっぱり常勤体制と、それから理事会の運営、こういうものに根本的にひとつメスを入れてみなさい。法律上の国鉄総裁の権限の問題についていろいろわれわれ意見を持っておる、いろいろ改正しなければならぬという意見はある。今あなた方が財界の人に国鉄総裁になってくれといってもなりたがらないというのもそこにある。一つの意見がある。今の国鉄じゃどうしようもない、こういう意見もあるでしょう。そういうこともあるが、今の形でも、やれるところはやれる。運営面をきちっとすれば、できることが私はあると思う。そういう根本的な問題を追求しないで、現象面で起きた、金の額が多い少ないというだけで議論になってしまっては私は残念だと思う。そういうところもひとつぜひ大臣は、監督官庁の責任者として、よく監督局長等に具体的にそういうものをいろいろ調べてもらい、そして監査委員会の監査もやってもらう、そうして、どこに欠陥があるのだ、そういうことをひとつやってもらいたい。これをやってもらわぬことには、私は、運輸大臣が幾ら議会で答弁されても、ほんとうに国鉄を愛することにならぬ。国民のために国鉄をよくしていくということにならぬと私は思う。そういう点をぜひやってもらいたいと思うけれども、大臣の考えをお聞きしたい。
#113
○国務大臣(綾部健太郎君) 全くお説ごもっともで、私もそれを常に平生考えておるのでございますが、なかなか思うにまかせないで、はなはだ遺憾な点を指摘されて恐縮に存じております。
#114
○理事(天埜良吉君) 本件の調査は、本日はこの程度といたします。
 次回は、五月九日午後一時より開会することにいたしまして、本日はこれにて散会します。
   午後零時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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