くにさくロゴ
1962/05/09 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第19号
姉妹サイト
 
1962/05/09 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第19号

#1
第043回国会 運輸委員会 第19号
昭和三十八年五月九日(木曜日)
   午後一時四十三分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     金丸 冨夫君
   理事
           谷口 慶吉君
           岡  三郎君
   委員
           江藤  智君
           野上  進君
           村松 久義君
           相澤 重明君
           大倉 精一君
           小酒井義男君
           吉田忠三郎君
           浅井  亨君
           加賀山之雄君
  政府委員
   運輸政務次官  大石 武一君
   運輸大臣官房長 廣瀬 眞一君
   運輸省海運局長 辻  章男君
   運輸省船舶局長 藤野  淳君
   運輸省船員局長 若狭 得治君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       吉田善次郎君
  説明員
   運輸省港湾局参
   事官      岡田 良一君
   労働省職業訓練
   局管理課長   中田 定士君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○海運業の再建整備に関する臨時措置
 法案(内閣提出、衆議院送付)
○外航船舶建造融資利子補給及び損失
 補償法及び日本開発銀行に関する外
 航船舶建造融資利子補給臨時措置法
 の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(金丸冨夫君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 前回に引き続き、海運業の再建整備に関する臨時措置法案、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。
 質疑を続行いたします。
#3
○相澤重明君 前回の質疑の際に資料要求いたしましたが、この資料が配付されましたので、説明を願いたいと思います。
#4
○政府委員(辻章男君) 前回の委員会で提出の要望がございました資料をお手元に提出いたしてございます。これにつきまして、私から簡単に資料の説明をさしていただきます。
 まず第一が、業態別の外航船舶保有状況でございます。一番左の欄に、運航業者、タンカー業者、貸船業者という三分類をいたしております。その次に、貨物船、油送船というおのおののグループが、貨物船、油送船ごとにどういうふうな隻数を持っているかということを示しているわけでございます。この運航業者と申しますのは、定期航路事業あるいは不定期航路事業を主としてやっておりまする業者でございまして、いわゆるオペレーターと呼ばれるものでございます。中にはやはり油送船を持ちまして油の輸送をやっているものもございますので、運航業者も油送船を一部持っているわけでございます。それからタンカー業者は、文字どおりタンカーを主力といたしまする会社でございまして、この中には一部定期航路あるいは不定期を営んでいるものもございますので、タンカー業者のところにも貨物船がある程度保有されているわけでございます。それから貸船業者と申しますのは、いわゆる定期用船契約――船員を乗せまして、運航業者に船を用船いたしまして、その用船料によって収入を得ているという業者でございます。
 で、一番右の欄をごらん願いますと、備考欄に、比率といたしまして、この三グループが、現在――これは三十七年十月現在でございますが、外航船をどういうふうな比率で持っておるかというのが出ておるわけでございます。隻数で申しますと、運航業者が五一%、タンカー業者が二〇%、貸船業者が二九%、それから総トン数で申しますと、運航業者が四三%、タンカー業者が三五%、貸船業者が二二%でございまして、この前の委員会におきまして、貸船業者が現在どのような比率であり、将来どうなるかということで、こういう資料の御要求があったように記憶しておるのでございますが、二二%貸船業者が総トン数では持っておるわけでございます。
 その際に、いわゆる所得倍増計画の四十五年度あたりには貸船業者の海運界に占める比率がどうなるかというふうな御質問があったわけでございます。これは将来のことにわたりますので、推定になるわけでございますが、今後増加して参りまする船の一割ないし一割五分が貸船業者にいくのじゃないかという推定を立てたわけでございます。そういたしますると、四十五年度末千三百三十五万総トン外航船舶を持つということにいたしまして、二百十七万総トンないし二百五十五万総トンがオーナーの、いわゆる貸船業者の保有であろう、そのパーセンテージは一六ないし一九%になるものと推定されるというのが、この備考の要旨でございます。
 それから、その次に参りまして、海運の外貨の手取率でございますが、海運の外貨の手取率は、三十六年度についていろいろ計算いたしますと、七一%ということになるわけでございます。で、この三十六年に非常に外貨の手取率のいい輸出産業を見ますと、一般機械が九五%、食料品が九三・一%でございますが、鉄鋼は七一、四%、それから綿織物が七〇・八%ということでございまして、海運の外貨手取率は鉄鋼あるいは綿織物と同じような程度であるということでございます。
 外貨手取額におきましては、海運は三億九千七百万ドルでございまして、主要輸出商品では最高の額を占めておるわけでございます。これに次ぎますものが、一般機械の二億九千七百万ドルでございます。海運によります外貨をかせぐ点につきましては、一般貿易輸出に比べて容易ではないかというわれわれ考えを持っているわけでございますが、と申しますのは、一般商品輸出におきましては、海外の経済動向、相手輸出国の輸入制限措置とか、あるいは関税措置等がございまして、これらのいろいろの問題が多いわけでございますが、これに対しまして、海運の場合は、シップ・アメリカンでありますとか、あるいは非常に民族的な傾向のところも一部ございますけれども、海運自由の原則というものがなお広く世界に行なわれておりまして、先ほどのような商品貿易のような制約がございませんので、比較的進出しやすい、かように考えておるわけでございます。
 先ほど申し上げました、三十六年で七一%の外貨手取率という計算の方式が、この計算式というところに出ておるわけでございます。こういうやり方によりまして試算をいたしたわけでございまして、二ページほどめくっていただきますと、海運の外貨手取率という図式がございます。これについて簡単に申し上げますと、一番上に運賃収入という欄がございます。貨物運賃、これが輸出と輸入と三国間とに分かれておりまして、その横に旅客運賃と接続船の運賃、用船料、こういうふうなものがあるわけでございます。この六億五千五百万ドルの中から、荷物費、これは荷役費でございますが、運賃の立て方としまして、運賃の中に荷役費を含んでいるものと含んでいない運賃と両建になっておりまして、全体的には荷物費が入っておりますので、この荷物費のものを除きまして、純運賃収入というものが五億五千九百万ドルになっているということでございます。その一番下の外貨手取額というところがございますが、そのいわゆる純運賃収入をかせぎますために、海運としましては外貨支出を要するものが相当あるわけでございまして、これを差し引くわけでございますが、この外貨支払い分としまして一億六千二百万ドル、その内訳は、用船料と申しますのは、外国から船を借りて動かしておるものがあります、その外貨払いになる用船料であります。それから代理店手数料とか、修繕費とか、あるいは船用品を外国で求めるとか、港の港費を払うとか、そういうふうなものがあるわけでございますが、この中で一番大きなのが、ここに船用油と書いてございまする七千万ドルでございまして、これが外国と国内とに分かれておりますが、これは現在船の動力は重油がおもでございます、この重油の分を差し引くわけでございます。この中で、外国が六千八百万ドルとございますのは、これは外国で油を買った金額でございます。それから国内で二百万ドルというのがございますが、これは日本で外航船が油を買います際には、いわゆるポンド油という保税油を買っておるわけでございます。これも為替の計算上外貨払いという立て方に相なっておりまして、それも外貨として払うというふうに計算いたしまして、結局外貨の手取額としましては三億九千七百万ドル、カッコにございますように、それが七一%になるということでございます。
 それから次のページでございますが、主要商品の外貨手取額という欄がございますが、これは上の海運について申しますと、その次の欄に手取額という七一%がございまして、これが絶対数でどうなっておるかというのが一億ドル単位の表に相なっております。それで、カッコの二重になっておりますものがいわゆる外貨手取額でございまして、その白い一重の欄が、これが外貨払いでございます。したがいまして、五億六千万ドルと申しますのは、二重ワクと一重ワクとの合計でございまして、この中で一重のものが外貨払いになって、二重ワクのものが手取額三億九千七百万ドル、先ほど申し上げた数字になるわけでございます。以下一般機械、鉄鋼、綿織物等、その手取額と絶対額というものを対比のために示したものでございます。
 それから、その次に参りまして、運賃指数の推移の表がございます。これは一九六〇年から六二年まで、三カ年の各月のもの及びその年間の平均のものが出ておるわけでございまして、英国の海運会議所で、一九六〇年を二〇〇にいたしましたものが、不定期船運賃と、それからモーター船の定期用船料の二欄に相なっております。不定期船運賃につきましては、下の年間欄にございますように、六〇年が一〇〇で、六一年は一〇六・八と少し上がりましたが、六二年は八九・二というふうにまた非常に下がってきておるということでございます。それからモーター船の定期用船料も、やはり傾向といたしましては、六一年に上がりまして、六二年には六〇年よりも下がったということに相なっております。このモーター船の定期用船料と申しますのは、大体ディーゼル船の定期用船料でございまして、これは先ほど申し上げましたように、いわゆる貸船業者は定期用船の形で運航業者に船を貸すわけでございます。ロンドンの市場におきましては、貸船業者がみなブローカーを通じましてその市場に、自分の船はこの程度で定期用船に出したいというものを出しまして、また運航業者は、こういう船をこのくらいの程度ならば定期用船として雇いたいというオファーを出すわけでございます。そこに一つの市場が形成されるわけでございます。大体そういうふうな船は不定期船に使われることが多いのでございますから、不定期船の傾向と大体合致するというのが通例でございますが、定期用船の場合には一年なりあるいは半年なり先のことになりますので、何と申しますか、やや投機的な要素が入ってぐるわけでございまして、そういう意味で、不定期船の運賃の指数よりも定期船の運賃の指数のほうが、先ばしると申しますか、ある程度投機性があるというふうにいわれておるわけでございます。それから一番右の欄の、ノールウェイ・シッピング・ニュースのタンカーUSMCレートという欄がございますが、これもおのおの三カ年になっております。一番下の年間のところをごらん願いますと、これは一九六〇年が四五・四でございまして、六一年が四一・三、それから六二年が四六・一ということで、不定期船に比べますと、六二年がやや好転しておるということに相なっております。
 ここでちょっと御説明申し上げますが、このUSMCレートと申しますのは何かと申し上げますと、これは戦争中にアメリカが各タンカーのルートごとにいわゆる公定価格をきめまして、船舶を統制して、それによって経理的な収支の計算をし、船に支払う、あるいはそういう価格の基準にしたものでございます。戦後、これは世界的な一般の傾向としまして、このアメリカが作りましたUSMCレートというものを一〇〇にしまして、通例AB間のタンカー運賃はUSMCレートの三〇%引きであろうとか、あるいは三三%引きであろうというのが、タンカーの商売上世界的にそういうことになりましたので、それを基準にして指数を作ったわけでございまして、したがい一まして、一九六〇年の四五・四と申しますのは、USMCレートの一〇〇のものが四五・四、したがいまして、商売の言葉で申しますと、四四・六%レスの運賃の状況であるというような言い方をするわけでございます。指数としましては、こういう傾向を表わしているわけでございます。
 それから、その次に参りまして、外航就航船腹の推移という表がございまして、左欄に保有船腹と就航船腹と輸送量、運賃収入、それが三十五年、三十六年、三十七年――三十七年につきましては一部推定が入っておるわけでございますが、こういう表を作ったわけでございます。これはたしか河野先生から、船を作ってもそれが効率的に運営されなければあまり意味がないんじゃないかと、何と申しますか、船舶の稼働状況を示す資料を提出願いたいという御発言があったわけでございます。いろいろ御要望に沿うような資料ということで私ども検討してみたのでございますが、いわゆる船の稼働の状況を的確に表わす実は調査も資料もないものでございますので、この表をもちまして大体の傾向を御了察願いたいというつもりで作ったわけでございます。
 表の説明を申し上げますと、保有船腹と申しますのは、おのおのの年度の年度末の保有船腹の重量トンでございます。その下の就航船腹と申しますのは、三十五年度で月に平均どのぐらい、幾らの船が就航しておったかという船腹がございまして、たとえて申しますと、十二九月の間に、ある船はかりに四月に完成したと、それからある船は十二月に、またある船は三月に就航したという場合には、保有船腹としましては、これは年度末でございますから、いずれの一トンも一トンとして当たるわけでございますが、就航船腹はそれらの就航しました月数によりまして平均をとったものでございますので、いずれも保有船腹よりも下回るわけでございます。輸送量は、これはトン・キロではございませんので、輸送トン数でございます。
 こうごらん願いますと、保有船腹も、就航船腹も、三十五年から三十七年まで逐次増加して参っておりまして、それから輸送量もおのおの増加して参っております。また運賃収入も増加して参っておりますので、大きな傾向としまして、船を作ったが輸送能率もあるいは運賃の収入も効果が上がらなかったということはないということは明らかでございます。
 それから、これは資料とは離れますけれども、現在日本の船は経済的な理由によりまして係船いたしておりまする外航船舶はございません。いずれも物を運んでおるわけでございまして、そういう意味におきましては、すべての船は動いているのだということが言えるわけでございます。この船の能率の問題でよく問題になりますのは、動くにしましても、港湾の荷役の能率が悪くて非常にある港に滞船するとが、そういうふうな点はどうかという問題があるわけでございます。それからまた、荷物の手配がまずくて、横浜へ入って次の航海日時まで三日間も荷待ちをしたというふうな問題があるわけでございます。これらの点は、各般ごとのデータが非常に困難でございまして、遺憾ながら集計いたしましてお手元に出すことができないことをおわび申し上げる次第でございます。
 それから、その次に参りまして、利子補給対象海運会社の経理状況でございますが、これはこの前の当委員会におきまして総トータルを提出したのでございますが、これの各社別を出せということで提出する次第でございまして、会社名は、いろいろ差しつかえがございますので、省かせていただきました。一応対象会社五十四社の各社ごとの経理概況でございます。
 以上簡単でございますが、提出いたしました資料の御説明をさせていただきました。
#5
○相澤重明君 御説明をいただいたわけですが、そこでこの資料の説明の中で、先ほど御説明いただいた三枚目ですが、海運外貨収支、その中の収入の面の荷物費――荷役費ですね、これは一億ドル以上あるわけですね。
 そこで、先ほどの御説明がありましたように、海上運賃の各国の例を比較してみて、わが国の総額を見ると、貿易外収支というものはどのくらいになるのか、その比率は、比較をしてみてどのくらいになっておるのですか。
#6
○政府委員(辻章男君) 今運賃に占めまする荷役費の三十六年度の実績は、ここにございますように、六億六千万ドルの中の一億百万ドルでございますけれども、これは日本の船舶の荷役費の全体が一億百万ドルということではないのでございまして、大体いわゆる不定期船の運賃におきましては、積み地、揚げ地の荷役費は荷主持ちのことが多いわけでございます。で、定期船の運賃だけは、積み地、揚げ地の荷役費を含めましたものを運賃として収受しているわけでございます。これは一般の慣例になっておるわけでございます。運賃の各国との比較その他におきまして、運賃の中に占める荷役費はどの程度になるかという点につきましては、ちょっと私ども今資料がないのでありますが、あるいは一つの日本の具体的な航路につきまして、定期船の運賃につきまして、運賃の総額がこの程度で、その中に現在の荷役費としてこの程度含まれているというものはあるわけでございますが、これを一つ申し上げまして御参考にしたいと思うわけでございます。
 ちょっとその資料はまだできていないそうでありまして、後ほど御提出いたしますが、私先ほど申し上げて、たいへん恐縮でございますが、言い間違えまして、訂正いたしますが、大体対米航路で今それにつきまして検討いたしておるのでございますが、大体運賃額の四割程度であろう、ニューヨーク航路を例にとってみますというと、そういう大きな見当をつけておりますが、詳細な資料は後ほど提出させていただきます。
#7
○相澤重明君 運賃額の四割ですね。
#8
○政府委員(辻章男君) さようでございます。
#9
○相澤重明君 そこで、前回も御質問の中で申し上げたのですが、その次の中にある外貨の手取率ですね。これによって――同盟の運賃の問題と盟外船の運賃の問題とによってかなり私は収支が違ってくる、つまりこの貿易外収入というものが非常に大きく左右されるということを心配しておったわけです。それが今ここに、幾らでしたか、約五億五千八百万ドルですか。そこで、船を作れば、多くなればそれだけ収入も多くなる、海上産業として決して斜陽産業ではない、むしろ成長株である、こういうことが考えられるのかどうか。それは一つには、荷物の、この前も申し上げたように、三国間の積み取り比率はどうなのか、あるいはニューヨーク航路はどうなのか、こういう点の質問に入ったのですが、具体的にいま少しく説明してもらいたい。海運がいわゆる斜陽産業、石炭産業と同じような形でいくなら、これはやっぱり国が利子補給をしてもだんだん赤字が多くなる、これでは国民は心配なんですね。ところが、海運というものは力を入れていけばいくほどいわゆる収入は多くなる、いわゆる成長産業である、こういうところに、利子補給をして、さらに過当競争を少なくして、最も大事な産業とする、育成するというねらいがあるのではないかと思うのだが、そういう点について少し説明してもらわないとわからないと思うのです。その点をひとつ説明してもらいたい。
#10
○政府委員(辻章男君) これは、船を作って参りますれば、それだけ――もちろんその船が有用に運航されることが前提でございますが、そういたしますれば、それだけの運賃をかせぐわけでございます。それで、今申し上げたように、船用品でございますとか、あるいは油等は外貨払いになって参りますが、大体かせぎました運賃の七〇%程度といわれる外貨をかせぐということになるわけでございます。船腹を増強しますことによって国際収支というものはそれだけ改善される、かように考えておる次第でございます。
#11
○相澤重明君 これは、今の局長の説明は公式論で、普通答えるのはそういうことだけれども、やっぱり委員会だから、具体的にこういうふうになっていくというくらいの程度の説明がほしいわけですがね、とうですか、公式論だけではなく、もう少し突っ込んだ話はできませんか。
#12
○岡三郎君 関連するのですが、要するに世界的に見て、日本船の積み取り比率の問題もあるが、世界の貨物の上昇率というか、貨物の量と、それから船腹の増強、好況不況があるけれども、世界の船腹の必要量と貨物の量の問題、それから全体的にいって積み取りの比率の問題になってくると思うのですが、千三百三十五万総トンというものは、どこから割り出してこういう計数が必要なんだということになったのか、それで諸外国の船腹の増強率と貨物の積み取り量、積み取り比率というものはどうなっているか。そうしないというと、ただ船を作ったけれども遊んでいる船が多くなるということがないのかどうか。千三百三十五万総トンというものは一体どういうふうな基礎数字に伴って出てきたのか。なかなかむずかしい問題だけれども、一応これだけ作るのだといって作ってみたところが、金ばかりかかるけれどもそれほど効果が上がらなかったら、むだぜにということになるのじゃないか、こういうことを今言っているのじゃないかと思うのだが。
#13
○政府委員(辻章男君) 千三百三十五万トンはどういう数字かという御質問でございますが、これはいわゆる所得倍増計画で、昭和四十五年度においてどの程度の輸入原材料、また輸出の数量でなければならないというものがはじかれてあるわけでございます。これを前提といたしまして、その輸出入物資のどの程度を日本船が積み取ることが可能であるかという一つの見方と、それからこれは御承知のように原材料の輸入で相当の外資も要るわけでございますので、外貨収支上では海運というものにどの程度の役割を負わさなければならないかという二つの見方を詰めまして、その結果としまして、大体平均して六三%程度は日本船で積み取るべきではないか、また戦前と戦後とでは日本をめぐりまする国際経済環境は違っておりますけれども、六三%ぐらいまでは可能性があるのじゃないかということで千三百三十五万トン、これを地域別、物資別にある程度計算いたしまして千三百三十五万トンという数字を出した次第でございます。それから、今、世界の今後の貿易の伸び、あるいは世界の各海運国の造船量等の見通しはどうかというふうな御質問があったと思うのでございますが、それらが大きく日本の海運に影響することは申し上げるまでもないことでございますが、これらの見通しにつきましては、私ども今的確な見通しを実は持っていないわけでございます。しからば、そういうことでは、どんどん船は作ったが、今幸いにしてすべての船は動いているわけでございますが、せっかく作ったものが係船するようなうき目にあうおそれもあるじゃないかというふうな御意向もあるやに拝察するのでございますが、結論から申しますと、その点につきましては、われわれはそう実は懸念をしていないということでございます。と申しますのは、現在いわゆる財政資金を投入いたしまして作っております船の大部分は、大型のタンカーでございますとか、あるいは鉱石専用船でございまして、これは大体十年の長期契約をみな荷主といたしております。中には八年というふうなものもございますが、大体最近の傾向といたしましては十年ぐらいの長期契約をいたしておるわけでございます。それでございますから、今後できます船につきましては、十年間は荷物と運賃が確保される。ただ、十年後にその長期契約が切れました際に、あとの問題がこれはどうなるかというのは、それはもちろんそのときの事情によるものでございますけれども、今作っております船につきましては、大体十年間ぐらいのめどはついているという格好になっております。定期船については別でございまするが、今作っております船の圧倒的なものがタンカーと鉱石専用船でございます。そういうことになっております。それで、ここで利子補給の強化をお願いしておりますようなことは何かと申しますと、鉄鋼業でありますとかあるいは石油業におきまして、十年間も大体コストを見ながら適正利潤を加えたもので契約していくということになりますと、その金利差が非常に大きくて、外船のほうからの申し込みに対して、日本船がそれと大体同じような値段ならば、これは日本船を使っていく。しかし、まあできるだけ日本船を使おうと思っても、やはり私企業でございますので、そこに非常な運賃の開きがあれば、みすみす日本船を使うために莫大な損失を招くということはできないということで、利子補給によりまして国際の金利と対抗できる金利コストまでもっていって、そういうふうな長期の契約を日本船がとっていくというために利子補給を強化いたしたい、かような次第でございます。
#14
○相澤重明君 この前、補足説明を局長にしてもらったのですが、今のタンカーなりあるいは鉱石専用船を主として、今のお話のように、十年長期契約というふうなものが進められつつある。そこで、今までのうちにたいへんな借金をかかえておる船会社が、まあ先日の説明では八百九十四億も延滞金がある。昭和四十五年度の日本船の積み取り比率というものは、輸入にあたって一般貨物が六〇%、石油類は六五%、輸出にあたっては六四%、こういうことを、これは一つの推定ですね、それを出しておるわけです。そこで、最終的には政府の考えは黒字になる。それで、今の積み取りの問題については、平均をして六三%ぐらいは取れるのではないか、ここにまあ今のねらいがあるわけですね。もしこれが狂えば、これは今の長期計画というものがくずれてきてしまうのですね。そこで、現在まで海運業の諸君がいわゆる戦時中に持っておった五千億という借金、それに対して、どういうふうな方向でこれが解消されるのか。それから、今の延滞金だけでも八百九十四億というものがあるのだから、それはこういう積み取り比率によって一体政府の利子補給を行なっていく中でこれが解消されていくのか、こういうことが非常に心配なわけですね。今までも船会社というのは実際に無配なんです、配当金はないわけなんです。それであるから、合理化をするとか、あるいは利子補給をするとかいうことになってきたわけです。そういう見通しの問題をやはりある程度御説明いただかないと、せっかく作ってもらったけれども
 一体どうなんだろうということになる。その点をいま少し説明していただきたい。
#15
○政府委員(辻章男君) この前の委員会で御説明申し上げましたように、三千億近い設備借入金があるわけでございまして、そのうちの、今御指摘ございましたように、八百億以上が延滞という格好になっておるわけで、それで今回の海運企業の整備に関する法案によりまして、十七次船までの開発銀行の金利を猶予いたしまして、それからまたそれと協調融資をいたしております市中銀行のほうも二分の一程度は、政府がそこまで腰を入れてやるならば、市中の金融機関としても協力いたしましょうということで、それらの利子が五年間猶予されるわけであります。猶予された利子はおのおの――開発銀行の猶予されました利子は開発銀行の元本の返済に充てるわけでございまして、また市中金融機関の猶予いたしました利子は市中金融機関の元本返済に充てられるわけでございまして、そういうことによりまして元本を減らし、また延滞も減らしていこうというねらいがあるわけでございます。ただ、それだけでは延滞が解消しない企業もあるわけでございまして、これらにつきましては、整備計画の途上におきましてできるだけの資産処分もやっていかなければならない。それから最終的には、私どもは、今お話がございましたように、海運企業は大多数の会社が長年無配でございますが、これを今回の助成策によりましていわゆる配当体制にはいるようにいたしまして、それによりまして相当大幅な増資をやらしまして、それによって延滞も解消さしていく、かような実は構想をもって今回の助成策をやっていきたいと考えておる次第でございます。
#16
○相澤重明君 今の配当ですね、とにかくもう無配であっては金を出す人もないわけですよ。ですから、配当ができるという見通しですね、それから配当というものはどの程度をまず何年度ぐらいから始めるのか、そういうお考えはどうですか、具体的に。
#17
○政府委員(辻章男君) これは、配当を何年ぐらいから、どの程度の企業をやるかということにつきましては、私ども今的確な資料を持っていないわけでございますが、これは利子の猶予を五カ年といたしておりますゆえんのものは、大体整備計画がパスしたものにつきましては、おそくとも五年後にはそういう体制に入り得るという計画にならなければ真の自立体制の計画とは言えないんじゃないか、かように考えております。今全体的には悪いわけでございますが、その中で相対的に資産内容のいいといわれておりますような会社は、あるいは三年ぐらいでそういうことになり得るんじゃないか、かように私どもとしては現在考えておる次第でございます。
#18
○相澤重明君 そこで、再建整備に関する臨時措置法が出されたわけですが、政府が考えておる特定のグループというか、そういうものはどういうふうに作っていくつもりですか。つまり、大会社を中心にして当面は発足をさせるというのか、前回も今回も説明をいただきましたが、とにかくオーナーの問題も含んで、小グループといいますか、いわゆる小さい会社ですね、そういうものを積極的に指導をしていこうというのか、その辺の考えを明らかにしてもらいたい。
#19
○政府委員(辻章男君) 集約の考えでございますが、私どもは、会社の合併統合ということはその関係の会社にとりましては死活の問題でございまして、できるだけ納得ずくで、目標及び最低の条件だけを示しまして、その中におきましては各経営者の創意と納得ずくでいくようにというのを基本的な考え方にしておる次第でございます。それの条件と申しますのは、集約の中心になりまする運航業者は運航業者と合併をすることを一つの条件にいたしております。それによりまして一定量の船腹を持ちまして、それから現在そういう運航業者というものは、日本の現状におきましては、多くの貸船業者との用船契約を持っておるわけで、これを用船契約の関係におきまして固定的な安定した用船関係ということを確立いたしまして、それからいわゆる小会社の運航会社につきましては、系列会社ということによってこれとのグループの強化をはかっていく。そういうことにいたしまして、一つの企業集団として国際海運場裏におきまして各国の海運と対抗できるだけの規模と経理的な内容を持たしていきたい、かように考えておるわけでございまして、大企業と中小企業とのコンバインをしたもので一つの企業集団をやっていくということが一番現実的な考え方ではないか、かように考えておる次第でございます。
#20
○相澤重明君 千三百三十五万総トンに四十五年度を目標にするわけですね。そうすると、先ほどから説明ももりましたように、大会社というのは、特にまあ五十四社といいますか、これはかなりいいと。しかし、中小会社というものもたくさんあるわけです。ところが、国際競争力が激しくなればなるほど、中小業者というのは、これは圧迫を受けるわけです。だから、この長期契約を、運航業者と貸船業者とが用船契約を今あなたは進めると、それで場合によれば小さいのが寄って、企業集団といいますか、そういう形で進めていくという御説明であるが、一体どの程度のトン数、隻数を持てばそれが一つの採算をとれると、こういう考え方を持ってそういう指導をするかということがないと、これはやっぱり群雄割拠、いわゆる政府の利子補給があるからとにかくうちでも船は作りたいと、こういうことになっていけば、千三百三十五万総トンまでは政府は四十五年度までにはやるのだといえば、それはやっぱり船は作る。作っても、結果論として、群雄割拠ということになれば、私はやっぱり政府の考えた構想というものはくずれてしまう、せっかくの国が財政支出をする利子補給というものがむだになってしまうということも心配なわけです。そこで、そういう企業集団なりあるいは企業整備をするというものは、どのくらいの総トン数を持たせ、どのくらいの隻数というものを持たして大体そういう再建というものはできるか、こういうことについての構想はどうなんですか。
#21
○政府委員(辻章男君) これは、法律の第四条でうたっておるのでございますが、先ほど申し上げました、中核となりまする運航業者は運航業者と合併いたしまして、重量トンでございますが、五十万重量トン以上の船腹を保有するというのが一つの条件になっております。それから、その会社が資本の支配によりまして系列会社でございますとか、あるいは長期固定的な用船契約によりまする用船を含めまして百万重量トン以上の運航船腹を持つということが条件になっておるわけでございます。これは、この五十万重量トン、運航船腹で百万重量トンというもの、この程度の規模を持てば主要海運国の大海運企業と対抗し得る企業規模になるであろうというふうに考えておる次第でございます。
 それからもう一つの条件といたしまして、先ほど申し上げました五カ年間の利子運用によってこれが自立体制がなり得るというめどがつかなければならぬ、これによって経理的な基礎もできていくというめどがついたものということが条件になっておるわけでございます。
#22
○相澤重明君 そこで、この四十五年度の千三百三十五万総トン、まあ重量トンですね。隻数としてはどのくらいにお考えになっておるのですか。
#23
○政府委員(辻章男君) これは、今私たち的確に隻数まではじいておるのではないのでございますが、推定になりまして恐縮でございますが、本日お配りいたしました業態別の外航船舶保有状況の資料をごらん願いますと、三十七年十月末現在で、総トンで約六百六十万トンで、隻数が七百四十六隻になっておるわけでございます。ちょうど、千三百三十五万トンと申しますと、この三十七年十月末の約倍のトン数になるわけであります。今後大型化して参ります船が多くなっていきます関係上、七百四十六隻の隻数がふえるということはあり得ない、おそらくこれの五割くらいは隻数としては減るのじゃないか。したがいまして、非常に大ざっぱな話でございますが、約一千隻そこそこあたりの隻数になるのじゃなかろうか、かように推定しておるわけでございます。
#24
○相澤重明君 次に、現在の六百六十万総トン、七百四十六隻ですね、今あなたのお話の。これで船員は幾人ですか。
#25
○政府委員(若狭得治君) 現在の外航船の船員の数でございますけれども、大体三千総トン以上の船舶に乗り組んでおります外航船舶の全体といたしましては三万二千名でございまして、そのうち、いわゆる職員と申しまして、商船大学校あるいは商船高等学校を卒業いたしまして海技免状を持っております者は約九千名でございます。それ以外の者はいわゆる部員と称しまして、海員学校の卒業生その他をもって構成いたしておりますけれども、それが約二万四千名程度おるわけでございます。
 それから、内航の船員といたしましては、職員、部員合わせまして約三万五千名程度の人員が現在海運界におるわけでございます。
#26
○相澤重明君 たいへん恐縮ですが、この船員の給与ベースの平均はわかりますか。
#27
○政府委員(若狭得治君) 船員の給与と申しましても、各業態別によっていろいろ違っておりますけれども、外航のベースといたしましては、昨年の六月現在におきまして大体四万三千円程度、それから内航の船員の平均が三万六千円程度というふうに考えております。
#28
○岡三郎君 先ほど海運局長が、まあ利子の補給その他をいろいろやって配当体制に入って、五年後には実現したいという話がもったんですが、まあ今後六百七十五万総トン船腹を純増さしていくと。そうすると、今までのやり方からすると、これからまあ企業系列に集約して大きい単位にするということで、企業内容もよくなるということも想定されるんですが、これから計画的に今年を入れて八年間で六百七十五万総トンやっていけば、大体八十万トン以上平均して作っていかなければならぬ、まあ好況不況があるとしても。今までの作り方からいうと、それに対する利子補給で船会社自体がよくなるのかならぬのか、そのよくなるという見通しに立つ基盤は一体どこにあるのか。特に、貸船業者あたりにも八十万総トンなり百万総トン作らせるということになると、一体船を作ることによってマイナスを補給しただけで終わってしまうんじゃないかという考え方が出てくるんですが、そこのところを経済的にどう把握しているのか説明してもらいたい。
#29
○政府委員(辻章男君) これは、先ほども申し上げましたが、今後作って参りまする船の大部分はタンカーと鉱石船でございますので、これが十年間あたりの長期契約になっております。これは大体コストを基準にいたしまして、それに適正な利潤を加味したものが基準になってその契約された運賃になっておりますので、そういう意味におきましては、何と申しますか、利潤は薄うございますけれども、確実に利益を上げ得るという船になると思うのでございます。したがいまして、これらの今後の新造船を作れば、それだけプラスが加わっていくというふうに考えております。ただ問題は、今現存しておりまする船が非常に不採算なものが多いわけでございます。で、これらのものが今後どういうふうになっていくかという問題があるわけでございますが、先ほど申し上げました利子の猶予措置及びそれに伴いまして集約によりまするメリット、あるいは資産処分によって借入金を返すというふうなことによりまして、過去の損失というものをこの五年間に埋め合わせていくというめどがつきますれば、今後の新造船は多少なりともみなプラスになっていく、そういうことによって企業が立ち直っていけるんじゃないか、かように大ざっぱに申しますと考えておる次第でございます。
#30
○岡三郎君 まあ説明を聞くというとわかったような気がするんですが、実際問題として、この計画造船をこれからやっていくんでしょうと思うんですが、今言ったように、まあタンカーと鉱石船でいくんだと。しかし、その場合に好不況があって、また調子が出れば建造数というものもふやす、船も総トン数もふやすのかどうか。とにかく全体的に六百七十五万総トンというものは全部運輸省が計画的に作らしていくのかごうか。景気が出れば、そこでまたぽんと作って、高船価なものを作って、十カ年だけれども、それが少々高くなってもいいのだ、採算とれるのだ――とこころが、十年といったって、またしばらくたてば十年過ぎちゃいますから、そうなると、今度はそれに伴って不況の段階になってきた場合には、またそれに対してやらなければならぬと思うんですが、いろいろな問題があると思うんですが、その点どうなんです。
#31
○政府委員(辻章男君) 非常に岡先生の御質問はむずかしい問題でございまして、少し話は昔になりますが、スエズ・ブームのときに、非常に大量の、たしか百万トン以上の船に財政資金をつぎ込みましたり、あるいは市中の金融機関だけで作りまして、これが今から見れば非常に船価の高い、いわゆる高船価船で、現在の海運の各企業の大きな負担になっているというわけでございます。で、ただ状況の違いますることは、あの当時におきましては、ほとんど長期契約のものがなかったのでございまして、とにかく船が足りないから、それに運賃も市況もいいから船を作ろう、金融も非常に有利で、銀行もいわゆる貸し出し競争をしたというような状況であったわけでございまして、どんどん船を作った。それで、中にはスエズの当時に長期契約を結んだ船主もございますが、大多数のものは長期契約を結んでいないために、スエズ後の反動がきまして、非常に不況になっているということでございます。私どもの今後の考え方としましては、算術的には八十万トン以上というふうなものになりますが、これをしゃにむにどんな事情があっても作っていくんだという考え方は実はいたしておらないわけでございます。また、いくら船を作ろうと思いましても、鉄鋼関係なり石油関係なりの設備投資なり需要の伸びとも関連がございまして、それらのほうの要望がなければ、船を作ってもどうにもならぬわけでございますので、それらの日本の経済情勢をにらみ合わせながら、長期契約が、そういうふうに安定した契約がとれるようなものだけを考えていこう、そういうふうに、流動的と申しますか、弾力的に考えていきたい、かように考えている次第でございます。
#32
○岡三郎君 まあそうするというと、一応の目標が千三百三十五万総トンということで、それを弾力的に運用するとしても、実質的に好況不況というものが来る、これはもう必ずそういう状態があると思うんです。また、ある段階にはうんとまたブームが来て、スエズのような当時の、そういったようなときに引き締めていくという問題があると思うんですが、今まではそれはまあそうはできなかった、私企業であるから。しかし、ますます国策に沿って公共性が一段とこれで強くなるし、国自体としてもまあそうそう看過できないという点もはっきりしてきているんですが、しかし、どこまでひもがつけられるのかということになってくると、実質的に、あんまり制約しても、国策と私企業との関係というむずかしい問題もあると思うんですが、計画造船どういうふうに考えているんですか、実際は。
#33
○政府委員(辻章男君) これは、計画造船のやり方につきましては、多少過去を振り返りますと、やり方につきましてはいろいろ変遷があるわけでございます。で、昨年政府におきましては、最高首脳部のほうから、開発銀行の金融ベースというものを尊重すべきじゃないか、あまりに政府、行政官庁がかれこれ言うということは実態にそぐわないのじゃないかという御意見がございまして、昨年度からこういうやり方に改めております。これは、運輸大臣から開発銀行の総裁に対しまして、財政資金によりまする開発銀行の融資による外航船舶の建造についてはこういう海運政策上の見地は顧慮して金融判断でやってもらいたい、その内容は、たとえば一定トン数以上の大型船でなければならない、それから現在の経理状況にもにらみ合わせまして、長期契約があるか、あるいは借金をできるだけその年に返済する範囲内に限るとかいうふうな基準でものを考える、そういう大綱的なことを申し上げて、それの範囲内におきましては開発銀行総裁の金融的な判断でやっていただく。ただ定期船につきましては、これはいろいろ定期航路の海運政策上の問題もございますので、これは運輸大臣が推薦したものだけに限ってもらいたい。ただ、これは推薦したから必ずやってくれということではないのでございまして、推薦しないものをやるということはしない、推薦した中からその金融判断によって決定願いたいというやり方にいたしておりまして、今後も私どもこの方向でいわゆる計画造船というものはやっていきたい、かように考えております。
 それで、開発銀行のほうといたしましては、本年度からは七割が開発銀行の融資になるわけでございます。あとの三割は、興長銀でありますとか、あるいは一般の市中金融機関との協調融資の関係でやって参るわけでございまして、たとえば、開発銀行がぜひやろうといたしましても、市中の金融機関がとてもあの会社にあの船を作らせるわけにはいかぬという金融判断をされれば、開発銀行がいくら張り切りましても、作れない。したがいまして、そこには市中の金融機関の判断も加味せざるを得ないということで、いわゆる商業的なベースにおいてその船を作らせるべきかどうかということがきまってくるのじゃないか、かような考え方をしているわけでございます。
#34
○岡三郎君 そうするというと、今までのように、まあ十年に一ぺん好況が来ればいいという形で船を作らせていたということを、ここでこれをはっきりやめさしてきているわけですね、もう今のところは。そうするというと、この今までの海運界の現状で、なかなか利子補給といってもそう簡単にはいかぬ。そういうことで、集約なり、合理化なり、いろいろなものを片方でやって、そうして、いわゆる思惑というか、そういうようなものを払拭して、ほんとうに採算の合ったような船会社の運営というものを考えてきた。ここでだいぶ再建自体もおくれていると思うのですがね。完全に各船会社自体が行き詰まったから、ここで手を差し伸べてやる時期にようやくきたというのですが、その障害というものが今後も残っていくのかどうか。最近の伝える新聞情報によれば、最近におきましてはグループ化の問題でまた新たなる動き方が出てきているということがちょっと出ておったのを見たのですが、一面においては、金融筋が非常に強力に自分の力のある会社を集めて、そこでグループを作らせようとしているというふうにも聞いているわけですが、その点について、今後の見通しとして、もうグループ、つまり整備計画がパスしたものから順次やっていくということになると思うのですが、そうした場合に、そういう個々の船会社の動きというものが遅々として、法律は通ったけれども、おくれている、なかなか内容的にふくらんで。そういった場合に、どうするのですか、現状において。
#35
○政府委員(辻章男君) これは今法案を国会で審議中でございますので、かれこれ私のほうから申し上げると、あるいはおしかりを受けるかもしれませんが、まあ今月一ぱいぐらいで御審議をしていただけると仮定いたしますれば、私ども大体この年末ぐらいまでに整備計画を各船会社から提出をさせる、その期限を大体この年末ぐらいに置きたいと考えております。それまでにこの集約の話がうまくいかなくて整備計画の提出ができないような会社はどうなるかということでございますが、これはもうそういう会社には助成の手を差し伸べないという、金利の猶予措置ということは当然できませんし、今後の計画造船も集約した会社にできるだけ集中してやっていこうということで、私どもとしましては、この際最もいい集約をやるということを実はかねがね行政指導しておるわけでございます。今新聞紙上でも多少そういうふうなことが言われておりますけれども、私どもの見方としましては、これはいろいろ会社の長年の伝統もございまするし、ぎりぎりにならなければ最終的な決心がつかない向きもあるように見受けられますけれども、その年末までの期間には大多数の会社はその集約に参加していただけると、かような見通しを今持っているわけでございます。
#36
○岡三郎君 そうすると、今年末というのを一つの締め切りとしての方針を立っていることはわかったのですが、そうするというと、それ以外に、それにはみ出したというか、それに間に合わないものは、一応それには助成の手は差し伸べない、それははっきりしているのですかね。
#37
○政府委員(辻章男君) はっきりいたしております。
#38
○岡三郎君 そうすると、それとはちょっと変わってくるかもわからぬが、船会社自体の今までの経営、これを再建整備していくという形の中で、一グループを五十万トン、系列を含めて百万トン・この基礎数字ですね。これは世界の海運業界から見て一応妥当だ、こういうふうな説明があったわけですが、まあ今後の見通しにも立っていると思うのですが、諸外国の船会社の実態というものはやはりその程度なんですか。国際競争力というやつの数字の根拠を一つ。
#39
○政府委員(辻章男君) これは、イギリスあたりの会社におきましては、百万トンを相当こえているような企業のグループがございます。その他の、フランスでありますとか、ドイツ等におきましては、百万トンを少し切るようなところが多うございます。この問題は私先ほど申し上げましたが、少し言葉が足りなかったのでございますが、世界的な海運業の業態の問題と、それから日本の海運界の現状と、両要素をにらみ合わせながら、この五十万トン、百万トンという基準を作った次第でございます。これはなかなか、こういうことであるから五十万でなければならぬとか、百万でなければならぬとかという問題ではないのでありまして、九十五万トンではどうしてもいかぬかと申しますと、なかなかそうでもない問題でございますので、実は、海運造船合理化審議会でも、この点を特に御検討願うようにお願いいたしまして、金融関係者あるいは経団連の関係者、学者、学識経験者等が集まりまして、いろいろと御検討を願いまして、大体現状では、運航船舶百万重量トンというものが妥当ではないか。これに対して海運業界の希望も打診しましたら、自分らとしては、合併、集約というのは非常に困難な問題であるけれども、客観的に見れば、そういうところに目標を置くべきであるというふうに業界としても納得さしまして、これを決心したような次第でございます。それで日本の特殊状況と申しますのは、大体現在、二十社以上のいわゆる運航業者がございまして、邦船の間でも非常な過当競争がある、大体重量トンにいたしまして、現在千万トンを切るような格好でございます。現状百万トンとすれば十以内には集約できる、多くても十というふうになる。それで一部には、百万重量トンでは小さ過ぎるというふうな御意見もあったのでございますが、先ほどの所得倍増計画の最終年次の千三百三十万トンでありますれば、これらが成長していけば、四十五年あたりには、大体倍近くの規模になってくる、そういう点も顧慮いたしまして、百万トンということに決心をしたというのが実情でございます。
#40
○岡三郎君 もう一点。それで、さっきの話で積み取りの可能性が六三%と言っておりますが、現在の積み取りの比率はずいぶん悪い。これを年次を追っていってそこまで持っていきたい。この可能性の基礎数字、それをどういうふうに六三%という数をはじいたのか。現状ではだいぶ低いですね。ちょっと心配になるのですが。
#41
○政府委員(辻章男君) それは所得倍増の最終年次の積み取り比率の見方は、先ほど申し上げましたように、一つは、国際収支の面からできるだけ日本の輸出入物資を日本船で運んでもらいたいという、国際収支上のつじつまを合わす観点から非常に要望があるわけでございます。もう一つは、どの程度まで積み取り得る可能性があるかということの両方にらみ合わせまして、平均して六三%程度ということに落ちついたわけでございます。これは過去の例を申し上げますと、戦前の昭和十三、四、五年あたりにおきましては、輸入は日本船で大体六三%くらいを運んでおった。それから輸出につきましては、約七〇%というものは日本船によっておった。終戦直後は、これは非常に船が少なうございまして問題にならなかったわけでございますが、終戦後一番日本の積み取り量が上がりましたのが昭和三十三年度でございます。この昭和三十三年度におきましては、輸入の一般の貨物が六二・五%まで日本船で運んでおります。それから石油のほうは五二%でございますけれども、輸出物資につきましては、五八・六%まで日本船で運んだ実績があるわけでございます。これが最高でございまして、その後積み取り比率が落ちておりまして、御指摘がございましたように、三十六年あたりは、貨物につきましては、四〇%を割るという時代もありましたのですが、これは積み取りを上げ得る、何と申しますか、経済効率がこうなったということよりも、一般の輸出入物資の動きに対して、船腹の増強が足りなかった。特に三十六年度は、御承知のように、全般に非常に輸入が過多になりまして、金融引き締めその他の措置がとられたような状況であるわけでございますので、三十五年に比べますれば、船腹はふえておったのでございますけれども、非常な輸入の増大によってどうしても日本船の輸入が下がったということでございますので、私どもといたしましては、六〇%程度というものは、戦後の実績から見ましても、努力次第でやっていけるのじゃないか、かように考えておる次第でございます。
#42
○小酒井義男君 ちょっと関連して。三十三年度の積み取りの比率が非常に上がったのは、何か特殊な要因があったのじゃないですか。
#43
○政府委員(辻章男君) これは、ちょっと三十六年度の話を申し上げたのと逆に、三十二年度がスエズ・ブームの年でございまして、これから不況に入りかけて日本の輸入はうんと減ってきた。したがって、相対的に日本船の積み取り比率が上がったという要素も大きく作用しておると思います。
#44
○相澤重明君 先ほど外航船舶、内航船舶の職員の数字とベース、この報告をいただきましたが、陸上勤務はどのくらいおりますか。
#45
○政府委員(辻章男君) 大体陸員は約一万名と考えております。
#46
○相澤重明君 平均ベースはどのくらいですか。
#47
○政府委員(辻章男君) これは陸員の給与ベース全体の資料はないのでございますが、利子補給対象会社につきましては、ある程度の数字がお目にかけられると思います。
#48
○相澤重明君 それでは、利子補給対象会社についてひとつあとで資料で御提出いただきたい。
 同じく資料で、先ほど御説明いただいた定期船の中の運賃額の割合ですね、約四割と言いましたね。これについてもひとつ資料を提出していただきたい。
 それから政府は監督の立場にあるわけですが、この船舶関係についての定員はどのくらい持っておるのか、運輸省として。
#49
○政府委員(辻章男君) これは船舶関係と言われますと、私どものほうの局で申しますと、私どものほうの海運局、船員局、船舶局、また地方にも出先局がございますので、何でしたら追って後ほど資料を出さしていただきますが、私どもの本省のほうの海運局の関係は、百二十五名程度でございます。
#50
○相澤重明君 これは、今の局長が説明するように、単に海運局だけでなくて船舶関係も含んでこの船の、いわゆる外航船舶に対する、あるいは内航船舶に対するそういう関係のひとつ定員を出して下さい。
 そこでいまひとつ、今度はこれは船舶局長ですかね、お尋ねしておきたいのですが、先ほど平均ベースが、外航船舶が四万三千円、内航船舶が三万六千円という御報告をいただいたわけですね。そこで、会社の経常収支の比率をひとつ説明してもらいたい。どのくらいになっているか。特に、その中で、人件費の割合はどのくらいになっているか。
#51
○政府委員(辻章男君) これも利子補給対象会社についての資料を提出させていただいてかえさせていただきたいと思います。
#52
○相澤重明君 それでは、今の海運局長の言うように、対象会社について、資料として御提出いただきたい。
 それで、今度はひとつ、今の日本の造船業者の数、それから造船能力、どのくらいの造船をする能力があるか、これを御説明いただきたい。
#53
○政府委員(藤野淳君) 日本の造船業者の数は、外航船舶の建造だけでございましょうか。あるいは内航船舶を含んで……。正確な数字はただいま記憶いたしてないので、あとで資料を差し上げたいと思いますが、建造能力につきましては、いろいろとり方がございまするけれども、現在、約二百数十万トンという一年間の建造能力があると考えております。正確な計算方法はございませんけれども、大体二百五十万トン以下でございます。二百万トンから二百三十万トンくらいじゃなかろうかと思います。
#54
○相澤重明君 それでは、今の造船業者の数と、その能力をひとつあとで資料で提出していただきたい。
 そこで、先ほどから御説明いただいているわけでありますが、岡委員からも、算術平均で年間八十万総トンというもの、これは算術平均ですね、それが四十五年度で千三百三十五万総トンということになる。そうしますというと、今の局長の御答弁ですと、能力は二百万トンなり二百三十万トンくらいある。計画造船の能力では造船業界はこれは困るわけですね。それはどういう形で、どういうふうにして、今の造船業界の人たちに仕事をさしていくのか、こういう点の説明をひとつしていただきたい。
#55
○政府委員(藤野淳君) 能力に対しまして計画造船の建造量が非常に少ないわけでございます。ただいま外航船舶を建造できます造船所のまあ工員が約十万でございます。十万人が全部新造及び修繕に従事しているわけではございませんで、造船所で行なっております陸上関係の現業部門にも相当の工員が働いているわけでございます。したがいまして、二百数十万トンの建造能力をフルに活用いたしますためには、八十万トンのまあ国内船があるといたしますと、それに陸上関係に使われております労働力を加えまして、その差が輸出船によって埋められなければならぬわけでございます。現在、ここ数年間、国内船と輸出船を、多少の年によって出入りはございますけれども、大体五〇、五〇といったような比率で、建造いたしておりますし、また、最近の主要な造船所の新造船の受注の状況を調べてみますと、相当多量の輸出の受注が最近ございまして、これらが数年にわたりまして、ある程度の工事量を供給することになりますので、さしあたって、非常な操業低下ということは、全体的にはここ一、二年はないというように考えまするけれども、しかし、各企業別に考えますると、これは非常に問題がございまして、国内船の計画造船を主軸といたしまする国内船の受注が継続的に、また計画的に行なわれません場合には、時期的に相当な隘路が発生するということになりまするし、また、輸出船の工事は納期がございまして、国内船の建造の穴を直ちに輸出船をもって埋めるということが非常に困難な、まあ機動性のないものでございまするので、経営は絶えず苦心と不安があるということがいえると思うのでございます。
#56
○相澤重明君 今の船舶局長の答弁ですと、国内船と輸出船が半々、しかし、先ほどもお話のあったように、計画造船そのものが百万トンにはいかないわけですね。計画造船はいかないでしょう。そうすると、百五十万トン以上のものは、まあ輸出船なり、あるいはその他のものでまかなわなければならぬ、能力はあっても、能力があるのなら仕事をしなければならぬわけですね。そうでないと今のお話の、概略だろうけれども、十万人という職員がある、この人たちが遊んでしまう。それが結局は一番私は大きい問題で、三年、四年前か船台ががらあきになって、自転車まで船会社、造船業者が作らなければならぬ、こういうみじめなことがあった。したがって、そういうことに対する政府のいわゆるこの造船業者を育成をするという立場で、どういうふうに実は考えておるのか、ということを聞かしてもらわぬと、なかなかこれはわれわれとしても心配な点が多いわけです。この点どうなんですか。具体的にどういうふうにやったら船台をあけない、そうしてこれの造船業者を育成をしていくことができるか、そこに働いておる労働者に安心をしてもらえるのか、こういうことについての考え方を聞かしてもらいたい。
#57
○政府委員(藤野淳君) 造船業は、申すまでもなく注文生産でございまするので、注文がございませんと非常に操業に不安でございまするし、経営が困難である。先ほど海運局長が今後の計画造船のやり方につきまして御説明申し上げましたが、従来、計画造船の数十万トンの工事が日本の造船業のベース・ワークでございまして、しかしながら、いろいろな事情によりまして、計画造船が計画どおりに実施されなかったというところに非常に大きな問題があったわけでございます。今後は、十八次船から実施されておりまするように、いわゆるあまだれ方式と申しまするか、開発銀行が受付の窓口を開きまして、資格のあるものから逐次建造していくというようないわゆる自由建造に近い体制がしかれることになりますると、造船業者は船主と交渉する場合にも、非常に容易になるということが考えられます。容易と申しまするのは、自主的に自分の全体の工期を決定することができる。もしこの船が、国内船が適当な船主が見つかりませんで、国内船がどうしても獲得できなかったといったような場合に、みずから輸出船を受注することによりましてある程度船台のアイドルを埋めることができるということになりまするので、今後は国内船の受注体制は造船業者にとりましては都合のよい形になるというふうに考えられるわけであります。しかしながら、問題は数量でございまして、また、もう一つは、国内船の船主が油送船あるいは鉱石専用船等の専用船というのが主軸になりまするので、従来のような普通の貨物を運びます船種と違いますので、また別な要因から多少困難が出て参ると考えられるわけであります。いずれにいたしましても、造船業者といたしましては、計画造船が、従来ございました自己資金に近いような形で受注が決定されるということが行なわれるより非常に仕事がやりやすくなるということはいえると思います。
#58
○政府委員(大石武一君) 日本の造船業界ができるだけ仕事をして、たくさん船を作るということは、おっしゃるとおり必要でございます。そのためには、何と申しましても、国内における船の造船をふやすことと、もう一つは、輸出船と申しますか、これを作ることが根本でございます。国内船につきましては、先ほど岡委員の御発言にもございましたように、平均いたしますと、これが八十万トン、算術平均で八十万トン以上の船を作ることになりますので、今までよりもより多くの船を作らなければ日本の経済計画と合わないことになりますので、どうしても進んで参ることになるわけであります。しかも、今御審議いただいております海運二法案の審議、これが効力を発揮いたしますと、非常に船会社も経営がよくなってくる、あるいは船を作る場合の条件がよくなってくるということになりますので、国内の造船につきましては、将来は明るい、今までよりもずっと多くの船を作られるものと確信をいたしております。もう一つの輸出船につきましては、何と申しましても、外国の船会社と競争でございますから、これに打ち勝って注文を受けるような体制を作ることが必要だと思います。そのために、いろいろなことがありますが、日本の造船技術の優秀なことをもっとすすめるとか、それから、たとえばいろんな注文を受ける場合の支払い条件、延べ払いをいろいろ認めるとか、そのために船会社のいろんな金融の金利を安くするとか、いろんな問題もございます。こういうものにつきましても非常に条件をよくして、そうしてできるだけ多くの輸出船の受注があるような体制に持っていく、この二つの方向を進めていくともっと私は明るい見通しがあるのではないか、こう考える次第でございます。
#59
○相澤重明君 次官の説明はまあすなおに受けてもいいと思うんだが、私のこれからの質問はまだまだずっとたくさん続くわけです。その続く中で、日本の造船業界ですね、私も決して外国に負けてはおらぬと思う。外国でもまた喜んで日本に発注をしておるわけですから、それもよく承知をしておる。ところが、今の能力の点でいいますと、計画造船というものは一定の限度がある。それに輸出船というものについても、これは必ずしも無制限ということにはならぬ。特に輸出船の場合、単価の問題が出てくる。お話のように国際競争ですから、ドイツにせよ、あるいはイタリアにせよ、イギリスにせよ、お互いに競争するわけですから、そこで、今の輸出単価というものがどの程度切り下げられるのかということがやはり問題になってくる。ところが現実は、外国の輸出船というものを受注をすれば赤字輸出である。むしろ赤字である。大きい船を一つ作ると、十億近いものについても、そのうちの一%以上の損であるということも、前回いろいろ資料によると出たこともあるわけですね。それはなぜかといえば、鉄鋼が非常に大きな役割を持つ。これは英国の鉄鋼と日本の鉄鋼とを比較した場合、トンにおいても相当のやはり高さを持っている、こういうことをいわれている。そこで、私がお尋ねしたいのは、この造船業者が今持っている能力を最大限に発揮するには、そうした関係産業をやはり政府が育成といいますか、利子補給というか、助成というか、そういうものがない限り、これは幾ら口ではできるだけフルに運転させますと言っても、できないのであります。造船業に対する鉄鋼の持つ役割ですね、これはどの程度になっているか、ひとつお尋ねしたい。
#60
○政府委員(藤野淳君) 造船の船価構成から鉄鋼の役割を申し上げますと、五万重量トン程度の専用船にしろ、タンカーにしろ、同じようでありますが、鋼材につきましては約二五%、二割ないし二割五分、さらにこれに鍛造品とか、あるいは鋳造品、その他雑用の鋼材を加算いたしますると三十数%になるわけでございます。船価の三十数%が鉄関係の材料費というわけでございます。
 なお、鉄鋼生産のうちで厚板の最大のお得意先は造船業であるということが言えるわけでございます。なお、厚板のうちで、最も品質、規格の優秀なものが造船に供給されるというわけでございまして、製鉄業と造船業はその面で緊密な関係があるということが申し上げられるわけでございます。
#61
○相澤重明君 そこで次官にお尋ねしたいのは、そうした造船業者の鉄鋼関係に対する比率、まあ三〇%以上ということになりますと、このいわゆる関係業に対する施策というものが、私は重要な問題になってくると思う。これは運輸省よりは通産省の関係にもなるのですが、そこで、国内の大手の鉄鋼業者に対する、やはり政府の業界を指導する立場というものも重要な問題になってくると思うのですが、何かこれについてお考えになったことがありますか。私は実は四年ほど前に当委員会でもこの問題について少し突っ込んだ意見を申し上げておいたのですが、現状については、どういうふうにお考えになっておりますか。
#62
○政府委員(大石武一君) せっかくのお尋ねでございますが、今こういう問題は、日本の経済全体の動きに左右される問題でございまして、単に運輸省だけの努力ではなかなか効力の薄いものでございます。そういう意味におきましてわれわれは常に日本の政府部内におきまして、そのような経済の動向、ことに、日本の基礎的産業である鉄鋼の――不況になっては困りますけれども、そのほかのいろいろな産業に重大な影響を及ぼさないようないい施策をとってもらうように十分な発言をして理解してもらうことに努力しているのでございます。今運輸省としてどういう手を打つかということには、鉄鋼の価格そのものにつきましては、ちょっとそれ以外に手はなかろうかと思う次第でございます。
#63
○相澤重明君 これは船舶建造について重要な役割を持つので、私は、次回に通産省の関係者を呼んで説明をしてもらいたいと思います。そうしないというと、単に利子補給をしただけでは、なかなかこれは国際競争力については問題があるわけだ。でありますから、造船業そのものに対しても重要な問題だし、国際競争力の問題についても大きな影響を持つわけですから、そういう点をこれは委員長に要求しておきます。
 そこで、私がさらにお尋ねをしたいのは、先ほどの海運局長の説明による企業整備、再建整備ですね、グループを作る、それがいわゆる大手の会社とあるいは中小会社とが系列的なものを作る場合もある。それが百万トン、大手は五十万、こういうことでありますが、その場合に、不良会社と言うと語弊があるんですが、中小会社で非常に経営が困難なものをグループの中に入れる場合があると思う。その場合に、先ほどの利子補給をした場合には、五年間の猶予があると、こうしたけれども、それから六年以降については返済をさせるということを言っておるけれども、そういう不良といっては語弊があるけれども、そういう経営困難な会社をだきかかえた場合にはどうするのか。これは、私は非常に大事なことだと思うんですがね。せっかく政府がそういうふうに計画をしても、既定の数字に、レールに乗らないと、こういう場合もあり得るので、そういう場合は政府はどういうふうにお考えになっているか。
#64
○政府委員(辻章男君) ただいまのお話は、グループの中で非常に業績の悪い会社がどうなるかというふうな御質問かと思うのでございますが、これは、集約の条件は、先ほど申し上げたとおりでございまして、集約に参加して、しかも、五カ年後にいわゆる自立体制が立つめどの会社に対しまして利子猶予の措置をするわけでございます。したがいまして、非常に業績の悪い会社が集約に入りましても、あるいは利子猶予の恩典が受けられない会社も中にはあるわけでございます。もちろん私どもとしましては、資産処分なりその他あらゆる企業努力を払ってできるだけ多くの会社が利子猶予の措置を受けられるように望み、また、行政指導もしているんでございますけれども、中にはそういう会社も出てくるんじゃないかということを考えております。それからまた、一応いろんな努力によりまして自立体制のめどがつき、利子猶予の措置を受けられましても、思わざる不測のできごとによりまして将来の業績が悪化するものもあるかと思いますが、それは会社個々の問題として考えていくべき問題であると考えております。集約の問題は、グループの問題は、それの一つの一体としての企業活動という業務上の活動に重点を置いて考えている次第でございます。
#65
○相澤重明君 そうすると、局長、こういうことですか。企業合併あるいは系列化、グループ、こういうものが作られて、今の説明では、めどがつけば利子補給の対象になるけれども、そういうものに入れないものも中には出てくるんではないか。そうすると、その言葉の裏を返せば、弱肉強食で、いわゆる弱いものはつぶれていくんだということにもなりかねない印象を受けるんだがね、そういうことですか。
#66
○政府委員(辻章男君) それは、ある集約の中に入るか入らないかという問題は、個々の企業の判断の問題になるかと思うんでございます。繰り返すようでございますけれども、利子猶予の対象になる会社の条件としまして二つあるわけでございます。一つは、先ほど申し上げました集約に参加するということが一つの大きな要素でございます。次の要素としまして、その集約に参加いたしましても、その会社が五カ年後に自立体制のめどがつくということが次の大きな要素でございます。でございますから、集約に参加いたしましても、自立体制のめどがつかない会社におきましては、利子猶予措置が受けられないということになるわけでございます。そういう会社が、それならば、利子の猶予の恩典が受けられないならば集約にも参加しないという判断をする会社も中にはあるかと思うのでございますけれども、そういう今業績が悪いがためにどう努力しても利子猶予の要件であります自立体制のめどがつかないということで、利子猶予の対象に、利子猶予が受けられないという会社でありましても、やはり集約に参加して、将来業務上そういうグループの中で活動していって、グループの中心でありまするオペレーターの今後のいろいろな援助をしていこうという会社も相当出てくるんではないか、私どもはこういうふうな見方をしておるわけでございます。
#67
○相澤重明君 これは、政府の考えはそういう考えがあるからこそやっているんだと思うんですが、今の話を聞いておると計画造船、それに利子補給、大きい企業を作る、五十万トン、百万トン。なるほど、そういう行政指導をし、利子補給をするということはわかるが、そうすると、今の御説明の中にあったように、五年たってもめどがつかないという場合、利子の補給は受けられない。したがって、競争力の中で脱落をしていく。むしろそれはつぶしていくということにもなるわけです。そうすると、中小企業といわれる、あるいは貸し船業者といわれる者に、はたしてどうなるだろうという心配が私は一つあるんじゃないか。そうすると、算術平均は、先ほど年間八十万総トン、四十五年度千三百三十五万総トンを持つというのがくずれはしないかという心配がある。しかし、これは相当いま少し突っ込んでお話をお互いにしないと、私もまだ政府の考えておるのがよくわからぬが、そうなると、どうもせっかく持っているものをつぶしてしまうのじゃないかという心配があるわけです。社会党としては、そういう点について、いろいろ船の問題については公社、公団方式とか共有船方式とか、いろいろ議論をしましたね。そういう点で、とにかくこの国際収支の中で最もよい――先ほどの説明いただいたように、収入を上げる道であると、こう考えておる。何とかもっとこの企業を育成したい、よくしていきたい、こう考えておるんだが、どうも今の御説明では、ちょっと足らないような点が心配されるんですが、これはどうですか。
#68
○政府委員(大石武一君) ただいま相澤委員のお考えになっていることは、われわれ実は心を痛めている問題でございます。実際は、せっかく政府が、日本の海運業をりっぱに育成するというのでありますから、すべての者が入れば、すべての者に恩典が及べば一番いいのでございます。しかし、その前に、とにかく今のままでは、至急に何か海運業界に対する建て直しをしなければ今の海運界が参ってしまう、単に海運業界だけでなくて日本の産業に大きい影響を及ぼすということでございますので、何とかして至急、救済としてでありますが、更生の対策を講じなければならぬわけでございます。そうしますと、どうしても時間的な制約と予算的な問題もございます。そこで、とりあえず、まず一応手を入れて十分立っていく者を先に発展さしていきたいというのが一つの方法でございます。たとえてみれば、今片手を切れば何とか十分生命が助かってまた活動できるけれども、ぐずぐずしていれば生命を失うという場合には、やはり外科的手術で片手を落としても生命を救わなければならぬという状態が今の海運業界ではなかろうかと思います。しかし、そういうわけで、何とか救うためには、政府が全力をあげなければならない。できるだけの力を入れてほんとうの援助をしているんだ、そのために努力しているんだということは一番先に大事でございますが、同時に、やはりこれは政府の援助といいますか、政府のいろんな方策を受け得るような、つければ十分立ち直るような素質のものでなければ、幾ら力を入れましても、これは今のところはむずかしいと思うのであります。そういう意味で、とりあえず過当競争だけを廃止しても十分立ち直るもののためにも、あるいは利子支払いをしばらく待ったために立ち直るものも、あるいはまた利子補給をするために立ち直るもの、そういったものをできるだけ全般的に相互の協力によって立ち直らせるということを第一義としているわけでございます。
 しかし、それでも、お説のように、政府のその中の一段の方策の中に入り得ないで取り残されるものがあると思います。こういうものはどうなるかといえば、非常にむずかしい問題でございますが、これもやはり十分に考えまして、何とかしなければならぬ。それには、とりあえずまず最初の一年、ことしこの二法案によりまして対策を講じまして、その結果を見て、どれほど残るのか、どうすればよくなるかということはそのうちに考えまして、そうして第二段のやはり救済措置がどうしても必要ではなかろうか、こう考えておる次第でございます。
#69
○相澤重明君 そこで海運局長にお尋ねをしたい。同時にまた船舶局長からも答えてもらいたいのですが、この海運業の再建整備に関する臨時措置法、あるいはまた利子補給、損失補償、こういうことを行なうわけでありますが、前回の委員会で御答弁いただいたのは、船員については、この法律がたとえ成立をいたしましても、首を切られることはない――船員についてはね。これは、全日本海員組合と船主との間にそういうことも取りかわされておる、こういう話もありますので、私どももその点は理解をするわけですが、陸上勤務者に対する問題については、政府はどういう指導をし、またどういうふうに考えておるのか。この点は、企業合理化というものがつけば、すぐ労働者側で一番心配するのは、首を切られるんじゃないか、こういうような点が出てくるわけです。これはひとつ率直に御説明をいただきたい。
#70
○政府委員(辻章男君) 企業の統合あるいは集約によりまして、海運企業の集約によりまして、陸員についてはある程度過剰の人間が出てくるというふうに考えておるわけでございます。しかし、今御指摘ございましたように、いわゆる首切り的なことということは非常に重大な問題でございまして、長年海運企業に働いておられる方にとってはたいへんな問題でございます。私どもかねがね、こういう方策を樹立します際に、船主団体あるいは個々の海運企業に対しまして、何とか配置転換なり、あるいは関係の会社を持っている会社もございますので、そういうところに就職をあっせんするとかということによりまして、スムーズにそういう陸員の問題の処理にあたってもらいたいということを指導して参ってきております。それに対しまして、海運界としましては、経営者としては、いろいろ統合の問題もむずかしい問題であるけれども、その問題については一番頭を悩ます問題で、私どもとしてはもちろん長年働いてきてもらった職員のことであるから、それについては最大の努力を払っていく――ただ今具体的に、これがこういうふうに過剰になって、これをこういうことで処理するということを申し上げるまでの具体化はしていないのでございますけれども、そういう経緯もございまして、私どもは円滑に事が運ばれていくということを期待し、またそういうふうに今後も努力を続けて参りたい、かように考えます。
#71
○相澤重明君 まあ、政府の答弁としては非常に誠意のこもった答弁だと私は思うのです。その点は了承をしておきたいと思うのですが、しかし、これは政府の行政指導だけでは解決しない問題ですね。やはり企業ですから、そこでやはり企業主にそういう点も、これから船も多く作っていくという段階において、一方においていわゆる企業合理化の名による首切りを行なっていくということでは、私はやはりいけないと思う。そういう点について、船主側の私はやはり意見を聞く必要があると思う。
 そこで委員長に、あとで理事会で御相談をいただきたいのですが、そういう関係者に私はやはり一度御出席をいただいて、参考人として来てもらって意見を聞いておきたい。それで、日本の産業の発展のためにひとつ両者とも尽くしてもらう、政府、国会の意思というものをやはり十分組み入れてもらう、こういうことが私は大事だと思う。関係者を呼ぶ時期を、これはひとつ理事会で御相談をいただくように私は要求を委員長にしておきます。
#72
○委員長(金丸冨夫君) 了承しました。
#73
○相澤重明君 そこで、その次に、時間の関係でごく簡単に申し上げますが、いま一つ質問したいのは、おととし港湾の関係で非常に船込み問題が出ましたね。これは、楢橋運輸大臣、齋藤運輸大臣当時に当委員会でも相当問題になったわけです。そこで、船込みの問題というのは、もちろん港湾の設備、あるいは港湾の作り方というものにもありますね。それから先ほどの経済の動向にも左右される。同時に、このことは、港湾の労働者、港湾荷役に大きな影響のあることは、これは否定をすることはできない。そこで、時間の関係で、きょう労働省の職業訓練の関係者に来てもらっておるので、先ほど運賃との比率の問題についてはちょっと局長から御答弁いただいたけれども、この荷役を行なう労働者の確保については政府はどう考えておるか。つまり、雇用安定の問題についてひとつ政府の考え方を私は聞かしてもらいたい。一体船込みというのは、今は確かにある程度よくなったかもしれぬけれども、おととしのような、ああいう事態を考えれば、これは全般的に政府が考えなければならぬことだ。そこで、そういう点についてはどういうふうに考えておるのか、この問題について先にひとつ御答弁願いたい。
#74
○説明員(中田定士君) 相澤先生御指摘のこの荷役関係の技能労働者の問題でございますが、全般的に労働者の不足、これをどう補うかということでございますけれども、単純な技能につきましては、これは必ずしも訓練等を施す必要もないかと思いますので、求人の動向にあわせまして、公共職業安定所におきまして極力充足をはかって参りたいと考えております。それから技能的な職業についての充足でございますが、御指摘のように、非常に荷役関係の特殊な技能をお持ちの方が全体として足りない実情でございます。私どものほうといたしましては、職業訓練の制度が、三十三年にお作りいただきまして、今日まで約五カ年経過いたしておりますが、その間、訓練のやり方といたしまして、これは制度の中に取りきめてあるのでございますが、事業内の訓練、事業主がみずから、あるいは共同して行なわれる訓練、それと都道府県あるいは雇用促進事業団等が行ないます公共の訓練、大体二つの養成訓練のやり方がございます。今日まで、一昨年でございましたか、非常に技能労働者が不足して困っておるという実情も、業界の方からも、また組合の皆さん方からもお伺いいたしまして、私どもの指導方針としましては、事業内訓練でできるだけ熟練労働者を養成していただきたい、こういう考え方で進んで参りました。しかしながら、事業内訓練でなかなかうまく進んで参りませんので、最近になりまして、公共訓練でもやはりこの種の技能労働者を養成すべきだという考え方に立ちまして、本年の四月に職業訓練法の施行規則を改正いたしまして、荷役関係の技能労働者を作り出すような計画を立てております。制度自体が日が浅い点もございまして、数としては非常に少ないのでございますけれども、逐次これを発展させて参りたいというように考えております。
 なお、公共訓練につきまして、先生御承知だと思いますが、市あるいは町村、それから法人である労働組合、あるいは民法三十四条の法人でありますとか、そのような団体、公法人等が行ないますものも公共訓練の中に入って参りますが、これにつきましても、横浜市等ですでに御計画もございまして、一部いろいろ訓練のやり方等につきましても御連絡を申し上げておるわけでございます。これは荷役関係ではございませんで、ほかのほうでございますけれども、そのような市町村の実施いたしますようなものについても、できるだけ技術的な御協力をいたして参りたいというように考えております。
#75
○相澤重明君 今概括的な説明を課長からしてもらったんですが、これはなかなか実は言うべくしてむずかしい問題だと思う。特に労務者を確保する、労働者を確保するということは、これは企業会社の常用である人は別ですね、一定の数を確保する。しかし、港の荷役というものは、単に常用者ばかりではない。日雇いでその日その日の稼働をする人であり、これが実は一番重要な問題なんです。これは、横浜港を初めとして、名古屋にせよ、神戸にせよ、大阪にせよ、とにかく全国で一番頭の痛い――自治体なり船会社なり、一番頭の痛いのはここにある。いかにして日雇い労務者を一確保するか。ところが、政府の施策というものは、今までは実はそういうところにあまり手が届いていない。こういうところに実は問題があると思う。それがおととしのいわゆる船込み事件として政府も力を入れてきたわけです。先ほどの課長の言う職業訓練についても、合理化をしてできるだけ施設をよくし、そして人も仕事ができるようにして能率を上げる、こういうことに力を入れてきたわけです。ところが、入れてきたのだけれども、実はまだまだ足りないわけです。そこでひとつ労働省の課長に聞いておきたいのだが、日本の労務者と、たとえばアメリカの労務者との賃金の差はどのくらいあるというような比率はどうですか。
#76
○説明員(中田定士君) 港湾荷役関係の賃金の対比をしたものは、ちょっと手元に持っておりませんですが、調査ができておるのかどうか、その点もはっきりいたしませんけれども、きょう手元に持っておらないのでございます。
#77
○相澤重明君 これは資料がある。ちゃんと全部そろっておる。それをあとで提出して下さい。また、そのくらいのことがわからぬ七うで、どうして労務者を確保するということができるのか。これは、港湾関係者も各国に、実は政府も行っておるし、労働組合の人も行っておるわけです。資料はたくさん持ってきております。ですから、そういう点で、これはあとで資料を提出してもらいたい。
 現在のところ、アメリカと日本の労務者の賃金状況の比率をとれば、実にその七分の一というような情けない状況なんです。これでは私はいけないと思うんです。したがって、早急にやはり改善をしなければならぬと思うのが一つあります。賃金問題、それから労働時間。労働時間は日本と外国とどう違う。
#78
○説明員(中田定士君) 労働時間についても、現在いろいろ確かに御指摘のように資料もあるようでございます。いろいろと調査しておりますので、調査の結果、その結果が出ますれば御提出いたしたいと思います。
#79
○相澤重明君 それでは労働時間についても、八時間労働制を欧米のいわゆる先進国の人たちがやっておるんですから、これについて、日本の現状はどうであるか、こういうことのやはり分析をして直していくことを考えなければ、決してこの問題は解決しない。これをひとつ資料としてやはり提出してもらいたい。
 それからその次に、労務者を確保するのにやはり大事なことは、厚生施設の問題。今政府が地方自治体に対してどのくらいの、いわゆる住宅あるいは港湾のそういう労働者のセンターといいますか、労働会館、そういうものを作っておるかということを政府は把握しておるか。おわかりになりますか。
#80
○説明員(中田定士君) 港湾労働者関係の福祉施設でございますが、簡易宿泊所が現在全国で二十四カ所ございます。それから港湾労働者住宅が三カ所でございます。それから移転就職者用の賃貸住宅が四カ所、以上でございます。
#81
○相澤重明君 今の報告の中でもあるように、まことに微々たるものです。たとえば横浜の場合に例をとれば、一応普通の住宅といわれるものは二戸しかない。あとは、これは実際に労働者を追い込み的に収容するもの以外にない。名古屋あたりで作っておっても、これはパイプ住宅、いわゆる石炭産業の従業員を配置転換をして、そうして今事業団が作っておる住宅なんです。同じようなものです。これは私はもう全部調べてきておる。こういうことで、急場をしのぐ当面の対策としてはある程度いける。しかし、ほとんどがそれも実際に百人足らずしか収容ができない。これじゃ労務者を確保するということにはならぬわけです。その港についての、具体的に大阪なり神戸なりあるいは横浜もあげてくれば、今の労働省が考えておるようなものではとても私は対策にならぬと思う。
 そこで、そういう厚生施設、特に住宅問題については十分配慮をしなければならぬ。これは、単に労働省ばかりでなく、やはり運輸省もそういう面ではひとつ協力をしてやってほしい。ただ地方自治体に家を作ってやれといったところで、それはなかなかできるものではないわけです。しかも、今できている住宅は、通勤時間にして一時間半も二時間も通わなければいけないような郊外にもってきておるわけです。港という作業をするのには、海の作業ですから、そういうことを考えれば、できるだけ港の付近に作るのが本来です。これは、東京の例を一つとっていえば、東京港の回りに土地があるわけです。この土地があっても、そこに港湾の労務者の住宅を建てたいと思っても、それは困ると、そういうものよりは住宅公団のアパートを建てたほうがもうかる、ところが、そういういわゆる生活賃金の問題、それからいま一つは雇用不安定な日雇いの人間を入れるわけにはいかない、こういう点があるわけですね。これでは港の労務者を確保することにはならぬわけです。今住宅は建っておっても、この人たちは住宅にはいれないんですよ。はいれないから、いざというときに集まらない。こういう点について、私は、やはりまず厚生施設というものに対して積極的な取り組み方をひとつやってもらいたい。で、あとで、そういう点について労働省はどういうふうに今把握しておるのか、資料で出してもらいたい。それで、通勤の場合には、たとえば住宅があっても、通勤はどのくらいかかるか、山の中に家を建てて、そこから港の仕事をする人を通わせるなんてできるものではない。こういう点をひとつ、私は特に、大石次官きょう出席ですから、労働大臣を呼んでおらないけれども、これは政府の関係の問題として、ひとつよく連絡をとってほしい。
 そこで、いま一つの荷役の問題については、これはやはり合理化とともに忘れることのできないのは、機械化の問題だと思う。港湾の作り方だと思う。港湾局長はこれは……。
#82
○政府委員(大石武一君) 港湾局長はアメリカに出張しております。
#83
○相澤重明君 だから、そういう点について、ひとつ政府の考えを次官のほうから大まかに言ってもらいたい。
#84
○政府委員(大石武一君) ただいま相澤委員からいろいろと御説を拝聴いたしましたが、私どもまことに教わったことがたくさんございます。まことにごもっともだと思います。しかし、今まではいろいろな経済的事情なり、今までの慣習なりによって、なかなかわれわれのほうで希望する方向に向かなかったのは、ほんとうに残念でございます。ただいまの御説を今後ともよく拝聴いたしまして、その御意見を尊重して、できるように、そのような方向に進めて参りたいと私も念願しております。
#85
○相澤重明君 岡君も言っているように、きょうはできるだけ早くということで私も考えておったのですが、いま一、二点で終わりますから。
 そこで、この港湾に対するところの政府のいわゆる政策というものがあるわけです。港湾関係に、どの程度の重要港湾に対するところの資金を投入しておるのか、それからこの船込み問題を解決するためのいわゆる機械化、合理化等について、どうやるのかということを、ひとつあとで資料を出してもらいたい。それは資料であとでやりますから。
 それからその次には、労働省の職能訓練についていま一度。それは、いかに人を集めることが大事かという点は先ほど申し上げましたが、今度は、この人の能力ですね。技能というものがよくなければ、これはやはり各国から港に入っても、その港の設備いかんによって、あるいは人の能力いかんによっては、ほかへ行ってしまうわけです。そこで、この港湾の荷役を行なう人たちに対する技能訓練ということは、先ほども課長が言ったように、これはもうわれわれが無視することはできない。各国ともそれを盛んにやっておるわけです。そこで、技能訓練をやるのに、先ほどのお話のように、民間で自主的にやれと、企業主が自主的にやれといったところで、これはやはり経費の問題があるわけです。つまり工事料金ですね。運賃、料金の問題と関係をして、この経常収支というものがどうなってくるかという、赤字を克服するための大きな要因にもなるわけです。そこで、そういうものは、やはり一企業主だけにまかしておくということは、私は非常に困難だと思う、特に船込みの問題については。
 そこで、政府が積極的に、いわゆる公共団体を含んで私はやるべきだと思う。おととし私が一つの提案をしたのは、横浜に氷川丸という船がある。その氷川丸で職能訓練をやったらどうか、こういってそれを勧めたのですが、現実にはできない。なぜできないかといえば、あれは観光団体のために、しかも記念のためにそれは残しておくのだ。しかもその上に、自治体がそう金を出せない。現実に、たとえば神奈川県で職能訓練の費用として出す金はわずか八十万円かそこらです。こんなものでは職能訓練にも何にもならない。そこで、私はひとつきょうはお聞きをして、意見も申し上げておきたいのだが、前回の委員会でも、海運局長に戦漂船の解体の問題を質問しておきましたが、もしできるならば、私は戦標船一隻をこの際政府が買い上げて、そうしてこれを技能訓練に使用できるようにしたらどうなのか。で、今のところ、陸上においてこの職能訓練というものを行なっておるのでありますが、これは周囲の状況と施設というものはまるっきり違う。能率も上がらない。こういう点を、私は特にこの海上作業についての問題として、できるならば政府であっせんをして、政府の方針として技能訓練というものを重視して、そういう措置をとれないものか。戦標船が全部解体が終わってしまった、こういうのであれば、なかなかむずかしいでありましょうが、できれば政府が戦標船については代替いまでしておるのですから、そこで、これが残っておるならば、その適当なものを一つ確保できないか。労働省は、そういうものによって、港において全国のいわゆる労務者の技能訓練というものはできないものか。そのくらいの措置をしても、私は決しておかしいことじゃないと思うのです。そういう点について、これはさっそく、申しわけないが、次官が出席だから、次官の意見も聞いて、労働者のお考えも聞いておきたい。
#86
○政府委員(大石武一君) ただいまの御意見はまことにおもしろい、と言っては失礼でございますが、けっこうな私は御意見だと思います。よく省内とも相談いたしまして、また、これは労働省とも関連することでございますから、十分に相談いたしまして、可能ならば私もそのように持っていきたいと考える次第でございます。
#87
○説明員(中田定士君) 御指摘の、公共訓練でやったらどうかというお話でございますが、公共訓練でも、できるだけこの方面の労働者の訓練をやりたいという計画でおるにはおるのでございますが、ただ、先ほども御指摘ございました中にありましたが、海上あるいは港湾で現場の施設を作ってやったほうが効果が上がるわけでございまして、丘の上でやっても、これは意味ないことだと思っております。ただ、その際に、公共訓練でやりますと、都道府県あるいは国の助成もいたしておりますけれども、相当な金がかかるわけでございます。そのような観点から、なかなか施設設備の面でむずかしい点が今まであったわけでございます。
 それからもう一つは、指導者の問題でございます。これは相当熟達した人が指導者になられませんと、訓練しても効果がない、こういわれております。私も、いろいろ皆さん方からお伺いしておるのでございますけれども、公共訓練は、指導員を県の職員にする、そうして県の一般職の給与で雇用関係が結ばれるということになると……。なかなか得がたい人でございますので、はたしてそれなりの処遇ができるかどうかというような、率直に申し上げますと、そういう問題も事務的にはあるわけでございます。それで、当初、指導方針としまして、事業内訓練でできるだけやっていただこうということは、荷役がない――多少遊んでいる時期に、集中しない時期に、その施設を使って、オン・ザ・ジョブ・トレーニング方式でやってもらいたい、こう考えておりまして、その際には、この施設の経費の助成は、これはすでにあるものでございますので、いたしませんけれども、講師、指導員の謝金でございますとか、あるいは材料がかかりますれば、材料費とか教材費というものについては国、府県が助成する制度があるわけでございます。補助金を出す制度があるわけでございます。それで何とかお願いできないものだろうか、こう考えておったわけでございます。今後、戦標船等お借りできるとか、あるいは低額で引き渡し願うということが可能でございますれば、その点も十分検討いたしまして、公共の訓練として可能な職種は実施をいたしていきたい、こう考えております。
#88
○相澤重明君 これで終わりますが、私は、今の課長の答弁のようなことだから、実はサービス省としての労働省は積極性がないというのだが、もっと積極的に、サービス省の労働省こそがこういう問題を取り上げてやるべきなんだ。そのために、わざわざ職業訓練を昇格して局長まで置いておる。そういうことは、むしろ今の場合は、運輸省のほうがより積極的にこういう問題には取り組んでいるわけです。これはまことに遺憾千万です。しかし、ここで課長を怒ってみたってしようがないので、私の言うのは、そういうおととしのような困難な事態というものをなくして、そうして計画造船を初めとして、日本の国際収支というものを改善する大きな役割を果たしていくにはどうするかという、みんなの、お互いに知恵を出しておる。そういうことであるから、積極的に、少しくらいの予算の問題で政府がいわゆるためらうということでなくて、私は今までのような、労働省が地方自治体にまかせきり、雀の涙のような助成金の問題で解決する問題でないのだ。この問題は、そういうことを私は指摘をしておきたい。いずれ、これについてはあとでもっと政府の意見というものをただしておきたい。だからそれまでに、先ほどの政務次官の御答弁があったように、相談してもらって、この次にはどういうふうにわれわれはやるという前向きの姿勢のお答えをいただきたい。きょうは、そういうことによって御注文をして、私の質問は終わります。
#89
○岡三郎君 これで終わりますが、港湾関係は、日本では近代化が非常におくれていると思うのです。昭和二十五年に私がイギリスで十年前見ても、りっぱなものができていますし、非常に労務者の確保なんかも進んでいると思うんだ。日本が一番おくれているとは言わぬけれども、大国と称し、近代化された日本といっても、港湾関係は非常に労務者の確保においては問題があると思う。ただ、総体的に港湾関係はやらなければならぬと思うのですが、資料として、これも、船会社の経営の合理化と直接関連もあると思うのですが、タッグボート、引き船、――引き船関係の会社が全国的に港湾関係にどういうふうにあって、その経理状況ですね、それからパイロット、水先案内、この収入が大体六十万から八十万といわれているのですが、これが高いとは私は言わない。言わないけれども、これが、横浜なり、神戸なり、大阪なり、東京港なり、川崎港なり、どのくらいの人数が配置されて、パイロット制度というものはどういうふうに確立されているのか。そして、その収入その他、そういった問題の資料があるのかどうか。それからパイロットになるためのいろいろな条件があるようですが、どういうふうにしてパイロットというものになるのか。こういうことについてもひとつ出してもらいたい。それから船舶が入ってくると、引き船するわけですね。そうすると、引き船関係の収入というか、船会社が払う金、これは大体どのくらいになっているのか。船会社が払う金額、これは場所によってだいぶん違うという話も聞くし、ある場合においては独占的にやられている部面が相当多いんじゃないかという声があって、こういう面においても合理化すべき余地がかなりあるんじゃないかという話も聞くわけです。ですから、これは港湾関係は総合的になるけれども。
 それから全体の労務者の賃金ですね。こういうものはどういうふうに支払われて、実際に労務者にどういう金額が渡っているのか、こういう面についてもかなりいろいろとケースがあって、いわゆる先ほど出たように、風太郎と称されている労務者が、その日その日だから、ばくちをやってみたり、とにかく生活自体が成り立っていない。そういうものが近代化された港湾に生存しているという形の中で、これは何とか解決していかなければならぬのじゃないか。大きな問題は言われているわけですが、そういうふうな点について、港湾関係の施設もそうだし、そこに働いている人の近代化、厚生施設、そのほか、こういう問題について時期を見てゆっくり聞きたいと思うのだが、今の、端的に言って、引き船会社がどのくらい収入を得ているか、それからパイロットという問題、水先案内の問題について、政府の施策というものはどうなっているのか。それになるための具体的ないろいろな条件とか、いろいろなものがあるらしいんですが、その収入状況、各港によって違うかもわかりませんが、現実の収入状況、こういったものをひとつ資料として出してもらいたいと思うんです。われわれの手元にも少々資料はありますがね。広範なものがないので、ひとつお願いしたいと思う。
#90
○政府委員(辻章男君) ただいま岡先生からの資料要求でございますが、パイロット関係は私のほうの所管でございますから、海運局のほうからお出しいたします。引き船関係、港湾労務者の賃金等の支払いの状況関係は港湾局でございますから、港湾局のほうから出すようにいたします。
#91
○説明員(岡田良一君) 引き船関係でございますが、現在、法律上運輸省のほうに引き船会社の収支をとるというふうなことになっておりませんので、まあ御要求がありましたので、任意提出というような形で提出させることになると思いますが、全然手元にありませんので、若干時間がかかるかもわかりませんが、全国の主要港の分をとりたいと思います。
#92
○岡三郎君 それでいいと思うんですがね。要するに、各港に入った場合に、船会社が引き船料を払っているんですが、実際問題としてこれはかなりの額に、国内船もあれば国外船もあると思うんですが、横浜の会社で、金額は少ないんだが、百五十万くらい収支しているのに配当が一ぺんもなかった、それじゃ赤字かと聞いてみたところが、赤字どころじゃない、えらくもうかっている。これは独占的に運営されているような話も聞くのだが、各港において、横浜だけじゃなくて、東京でも、引き船会社がどういう組織になって、何カ所くらいあるのか。その会社自体が経理の報告をしたがらないかもわからないが、大体各港において、いわゆるそういう費用というものは、一体それを含んでどのくらいかかって、それが海運全体の合理化に九牛の一毛なのか、かなりの額になるのか、そういったものについて知りたい。
#93
○説明員(岡田良一君) 大体そういう趣旨で全国から集めたいと思います。
#94
○岡三郎君 ちょっと聞きたいことは、たとえば一つの港に一つの引き船会社がやっているという形になるというと、これは独禁法に抵触してくるのかどうかね。そういった声も聞くわけですよ。だから、これもそういう話だから、確たるものはまだここでどうこうと言うわけじゃないんですが、そういうふうな点について、引き船会社がどのくらい各港にどのようにあるのか、その資本構成、それから引き船の数とか、それがどの程度に運転しているのか、そういった実情について調べて報告してもらいたい。なかなかむずかしい面があると思う。
#95
○委員長(金丸冨夫君) それでは残余の質疑は次回に譲ることといたしまして、この次は五月十四日午後一時開会することにいたしまして、本日は、これをもって散会いたします。
   午後四時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト