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1962/05/14 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第20号
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1962/05/14 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第20号

#1
第043回国会 運輸委員会 第20号
昭和三十八年五月十四日(火曜日)
   午後二時二十一分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     金丸 冨夫君
   理事
           天埜 良吉君
           谷口 慶吉君
           天坊 裕彦君
           岡  三郎君
   委員
           江藤  智君
           河野 謙三君
           野上  進君
           平島 敏夫君
           村松 久義君
           相澤 重明君
           小酒井義男君
           吉田忠三郎君
           浅井  亨君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 綾部健太郎君
  政府委員
   運輸政務次官  大石 武一君
   運輸大臣官房長 廣瀬 眞一君
   運輸省海運局長 辻  章男君
   運輸省港湾局長 比田  正君
   運輸省航空局長 今井 榮文君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       吉田善次郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査(航空に関
 する件)
○海運業の再建整備に関する臨時措置
 法案(内閣提出、衆議院送付)
○外航船舶建造融資利子補給及び損失
 補償法及び日本開発銀行に関する外
 航船舶建造融資利子補給臨時措置法
 の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○参考人の出席要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(金丸冨夫君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、運輸事情等に関する調査を議題といたします。
 航空事故について航空局長より報告を求めます。
#3
○政府委員(今井榮文君) 先般、五月一日の日東航空の事故につきまして、本委員会に御報告を申し上げますと同時に、さっそく事故防止のために、各関係会社の運航担当の方々の御参集を願って、事故防止を中心にいたしましていろいろ討議をいたしておりましたやさき、再び五月十日仙台空港におきまして、全日空機が着陸滑走中に擱座するという事故を発生いたしましたことを、まことに申しわけなく存じております。
 事故の概況を申し上げますと、本航空機は全日空所属のダグラスDC−3型で、札幌を出まして、三沢、仙台を経由いたしまして東京へ来る各駅停車のローカル便でございます。機長は、資料にもございますように、後藤豊次、それから副操縦士が渡部重美、それからスチュワーデスが今泉喜美子、この三人の乗組員のもとに、乗客が二十四名、うち幼い子供さんが二名おりました。乗りまして、予定の定期航空で三沢を三時三十五分に出発いたしまして、仙台に到着いたしたのでございます。その際、滑走路の南側から正確に定められた着陸点に着陸いたしまして、接地後約五百メーター滑走をいたした際に、北側の芝生の地帯に逸走いたしまして、逸走した際に、その場所に立っておりました吹き流しの支柱――柱に接触いたしまして、擱座いたした、こういう事件でございます。
 さっそく直ちに、航空局からも、事故の調査のために係官を派遣いたしました。と同時に、全日本空輸に対しては、最近事故が多いという関係からいたしまして、特に緊急に今後の事故防止についての措置を立てさせたわけでございます。
 調査の結果によりますと、今申し上げましたように、この事故機は、仙台空港の滑走路の通常の接地点付近で主車輪が接地いたしまして、約五百メートル滑走した後に、機首を滑走路の中心線から約四十五度左に偏向いたしまして滑走路から逸脱して、右翼の端を吹き流しの取りつけ用の柱に接触して、ここでほとんど一回転するような形でさらに方向を変えまして、滑走路外に出てから約四百メートルの地点で機首を真方位二百九十五度に向けて停止したと、こういう事故でございます。
 その当時の気象は、雲の高さ約四千メートルでございまして、視程は三十キロメートル、それから風の速さも南々東の五メートルというふうなものでございまして、天候、気象の関係からは非常に良好な状態でございました。
 で、機体、発動機等に何らかの故障があったかどうかという点につきましては、調査いたしました結果は、機体、発動機、あるいはまた操縦系統、ブレーキ系統等には、事故が発生すると認められるような故障等は、現在までのところでは発見されておりません。操縦士の証言によりましても、そういったふうの故障はなかったというふうに申しております。私どもの今日までの原因として推定されますのは、着陸接地後に操縦士の操作の誤りがあって滑走路から逸脱したのではないかというふうに、操縦の誤りではないかというふうに、私どもとしては推定いたしておるわけでございます。
 なお、事故対策といたしましては、私どもは、単に運航規程、整備規程等を厳重に順守するということだけでなしに、そういった順法を基本にいたしまして、個々に会社から具体的な事故対策についての計画を取りまして、それを十分検討した上で実施させるというふうにいたしまして、今後このような事故が起こらないように全力をあげて努力いたしたいと思います。
 なお、不幸中の幸いでございますが、これにも書いてございますように、なくなられた方はございませんで、乗務員が三名負傷いたしました。同時に、お客さんも三名の方が重傷――約一週間以上のけがをされた方が三名ございまして、二名の方が軽傷ということで、不幸中の幸いであったと思います。しかしながら、今申し上げましたように、事故の絶無を期するという努力を今後とも徹底的にやりたいと考えておる次第でございます。
#4
○相澤重明君 今、航空局長の全日空の事故原因についての報告があったんですが、今のお話を聞いておるというと、事故はあったけれども悪いところはなかったというような報告のように受けたんだが、そういうことなんですか。
#5
○政府委員(今井榮文君) 私御報告申し上げましたのは、機体、発動機等については異状はなかった。したがって、事故の原因は操縦のミスではないかというふうに現在までのところ推定されると、こういうふうに申し上げたのでございます。
#6
○相澤重明君 四月の二十四日に全日空は、やはり札幌から羽田に着くのに、羽田で着いたときに胴体着陸というのをやっておるわけです。これはやはり、スチュワーデスの椎名さんという方が腰に一週間の打撲傷を負った、外人のお客さんがくちびるにけがをした、こういうのが当時報道された。続いて淡路島で、御承知のように、日東航空の定期便がやはり事故を起こした。今回またこういうふうになった。これは単に機体そのものに事故の原因がなかったからということだけでは私は済まされないと思うんですね。今、航空局長の話を聞いておると、そうすると結局、乗員の、いわゆる乗組員の技術、あるいはまた観測といいますか、そういうものの誤りというふうに受け取れるんだが、一体これらの一連の関連した事故を見て、政府としてはどう考えておるのか。また、関係の航空会社に対してどういう措置をとっているのか。ただ警告を発したというだけでは、こういうふうに現実に事故がずっと起きているのだから――起きてしまって、淡路島の日東航空の場合七人なくなっている。そして、二人が不明だというけれども、それもほとんどなくなっている。そういうことを考えてくると、やはり航空の問題について、ともするとおざなりな警告だけにすぎないのじゃないか、こういう心配をわれわれはするわけです。飛行機事故というものは、やはりどうしても人命、財産に一番大きな危害が起きるわけですから、こういう点について、今の報告は報告としても、政府の考えを私は聞いておきたい、どうしたらいいのか。
#7
○政府委員(今井榮文君) まことに先生のおっしゃるとおりでございまして、私どもといたしましても、単に抽象的に警告を発するというようなことではなしに、具体的な今後の対策というものを各社に命じて現在作らせておるわけでございます。一例を申し上げますと、全日空も、会社の全運航関係の関係者が集まりまして、今後の事故防止対策といたしまして早急に決定をいたして、私どものほうへ申し出て参っております内容といたしましては、直ちに臨時に二名の専任査察操縦士を指名いたしまして、早急に全操縦士について臨時査察を行なわせる。その結果、万一不適任者と見られる者があれば、これに対しては再教育を徹底して行なう。それからさらに、専任機長制を各機種ごとに設けまして、その機種の操縦に従事いたしております見習いあるいは正副操縦士というものの指導教育を徹底する。それからまた、DC3の機長――従来ですと、DC3で訓練をいたしまして、一応その訓練期間を経過いたしますと、さらに上級のフレンドシップであるとかあるいはバイカウントであるとかという飛行機の操縦訓練をやるというふうなことになっておるわけでございますが、今後はDC3の機長は機長として固定化する、十分なベテランをやはり使っていかなければならぬというふうな面でDC3の操縦を考えていく。それからまたさらに、現在会社がやっております訓練内容についても、これを事故防止の見地からもっと実際的に緊急の事態に即応できるような訓練というふうなものも十分内容として取り入れていく、こういうふうなことを掲げまして、現在私どもとこの点について審議いたしておる、こういう状況でございます。もちろん、この点につきましては、弟に全日空のみならず、関係各社全部に対しまして、具体的な今後の事故防止策についての具体計画というものを出していただきまして、これを徹底的に実施していく、こういうふうな方向で努力いたしたいと思っております。
#8
○相澤重明君 事故が起きてから、今度次の事故を起こさぬための努力を今聞いたわけですが、やはり何かそこに私は無理があるように思う。少なくとも航空機の場合、無理があれば、もう事故が起きることはわかり切っている話です。少なくとも、この間防衛庁の志賀長官も、F104ジェット機の事故については、現地へ直ちに行ってみて、訓練も中止し、そして究明に努力したということも当時報道されたように、やはり徹底的に原因を追及することは私は忘れてはいけないと思うのですよ。それには、乗員の労働時間というものもあるかもしれぬし、あるいは操縦訓練の問題も今局長の言うようにあるかもしれぬ。あるいは航空関係の気象関係というものもやはり全然無視もできないだろう。そういういろいろな問題を、私どもはやはり、政府が関係の各社に十分調査をして、そして事故を起こさせないというようにしないと、いくら警告を発しました、あるいはスケジュールは出させましたといっても、私はほんとうのものになっていかないと思う。むしろ、こういう全日空の事故がたくさん起きてくれば、全日空のもう路線免許というものは取り消したらどうか、こういうことまで私は出てくるのじゃないかと思う。だから、そういうふうなやはり国民に安心感を与えるように政府は指導すべきだと私は思う。むしろ、私ども議会の立場でいけば、こういうふうな事故が起きると、また関係者を呼んでこれは究明しなければならぬと思う。あるいはまた、今後のそういう問題について直していくというその努力も聞かなければいけないと思うのですよ。そういう点も一度私はやはり、これはまあ政府の今の局長の話は聞いたが、運輸大臣なり、政務次官なり、やはり真剣にひとつ考えてもらいたいと思う。四月から五月にかけて起きた航空機の事故というものはたくさんあるわけですよね。幸いにして仙台の場合と羽田の場合はまあ死者がなかったというのだけれども、ほかのところは死者があるのですね。なくなってしまうのですよ。実際そういうことを考えると、たいへんなことでありますから、これはひとつそういうふうに監督官庁として私は最大の努力を払ってもらいたい。
 それから、委員長にお願いをしておきたいのは、委員長・理事でまた打ち合わせをしていただいて、一度関係者を呼んでもらって、そういうことをやはり調査をする必要があると思う。これだけ年じゅう新聞に書き立てられて、航空機というものは一体どうなんだ、安全性があるのかないのかというようなことになったら、私はたいへんだと思うのですよ。ましてや、オリンピックを目前に控えて、日本の飛行機はおっかなくて乗れないということになったら、たいへんだと思う。そういう意味で、委員長・理事打合会において、一度この関係者にひとつ来てもらって、いろいろ事故報告をしてもらうなり、あるいは今後の改善策を述べてもらうなり、議会のほうでも安心感を与えてもらうような施策をやはりとってもらう、こういうことを私はこれは委員長に要求しておきます。政府に対しては、前段に申し上げたようなことに努力をしてもらいたい。
#9
○岡三郎君 そこで、今の航空局長の、操縦の誤りではないかと、誤りということの断定はつかなかった発言ですがね、そういうのはわからないのですか。自分で操縦している者が言ったことで、ごまかしているということが。
#10
○政府委員(今井榮文君) 現在、事故原因につきましては、当日行って一応調べた者がまだ帰ってきた段階で、調査を続行しておる段階でございまして、さしあたって帰って参りましたので御報告申し上げた次第でございます。したがって、私どもとしては、断定的なことは聴聞会等によって最終的にはきまるわけでございますので、一応まあこういう言葉を使って報告したのでございます。
#11
○岡三郎君 なるほど。そうするというと、今まあ続行中。そんなにむずかしいことなんですかね。だって、今言っているのは、発動機も間違いない、機体も間違いない、操縦系統のほうにも故障がなかった、そこまではすぐわかるわけです。ところが、本人がいるでしょう――そこに操縦士が。操縦士がうそを言っているかどうか、うそ発見機をやればすぐわかるのだからね。そんなものは簡単じゃないかと思うのだがな。科学的に少しあんた調べて、精神的にどうであったのかということについては、それは本人が間違っているのに間違っていないと言うかもしれないけれども、そんなことは科学的に証明できるのじゃないですか。だから、そういう点で、やはり時間がたてばはっきりしなくなってしまう心配もあるので、事故のいわゆる原因を明確にするということが一つ必要でしょうね。
 もう一つは、外国を阿ってみても、ローカル線というところには、何かおっかねえような飛行機が間々お見受けするというか、自分が乗るのでも心配なんです。ローカル線の飛行機の整備というか、機種の選定というか、こういう問題についても十分御指導なさっておると思うのですが、やはりローカル線に乗っていると何かおっかないという印象があるのですよ、われわれにも。こういう点についても十分御指導願いたいと思うのだがな。
#12
○吉田忠三郎君 航空局長ね、僕はどうも不思議でならない点は、日本の航空事故というのは、まあ戦後数ありますが、その中でずっと拾っていってみますと、全日空が一番多いですよ、御承知のとおり。で、同僚の相澤委員も言ったけれども、それに対しても、航空局なり政府が具体的に自後の対策を指示していない。これは今までにやってきたのは全く形式的で、ある意味からいったら機械的、事務的な面しかしていないと思う。そこで私は、根本的にこれを直していくということになると、整備だって、それは整備法によって整備しているわけだけれども、徹底的に整備監査をやったって、あるときには、今度のような場合にはたび重なってあるのですから、路線を一たんとめて、徹底的に事故の究明をしていくというようなことをやらないと、これはもう事故というものはなくならぬと思います。かりに他の、たとえば自動車の事故、あるいは鉄道の事故というようなことは、政府が相当のことをやるはずなんだ――やってきておる、南武線にしても、三河島の事故にしても。ところが、航空機の関係になってくると、さっぱり政府はやっていないという国民の印象が残っておる。とりわけ全日空の場合などは、何らほとんど――事故がほんとうに多いのです、多いにもかかわらず、そういう手を打っていない。われわれの目から見ますと、監督官庁である航空局は一体何をやっているのだ、こういうことを私は言わざるを得ないのです。とりわけ全日空というのは、国内の、つまりローカル線としては、規模としても大きいし、企業としても非常に大きいのだ。その企業の大きさと、それから政府並びに航空局の緩慢なそういうやり方にあぐらをかいているのじゃないか、経営者は。こういうことをあなた方どう思っているのですか。
#13
○政府委員(今井榮文君) 事故直後におきましては、私どもといたしましては、役所自体で事故原因の調査をすることはもちろん、各会社自体も、その事故原因の究明なりあるいは事故対策というものを従来徹底的にやってきておるわけでございます。しかしながら、おっしゃるように、あるいは力の足らない面もあるのではないかと思いますが、今日までは、航空につきましては、御指摘のとおり、もう安全運航ということが最大の要件でございますので、私どもは行政の中心をそこに置いて各会社を指導して参ってきております。それから、会社にいたしましても、一回事故が起きますと経営上も非常に苦境に立つというような事例がたいへんしばしばございますので、事故防止には、運航関係の機構なりあるいはまた組織なりを十分整備してやってきておるのが建前でございます。しかしながら、今回こういうふうに事故が続発いたしました点については、私ども十分御指摘のような点に思いをいたしまして、今後とも私どもは会社に対しても厳重にこの事故防止についての方策を徹底するように努力していきたいと思います。
#14
○吉田忠三郎君 方策をしょっちゅう検討する検討すると言うのだけれども、そのことで局長、さっぱりその後なくなっていないのだな。むしろだんだん事故の発生が時期的なものまで早まってきておるような気がするのですから、徹底的に思い切って、今度整備の問題と、それから乗務交番なり運航ダイヤ交番に無理がないかどうかということを究明していくようにやってもらいたい。
 それからもう一つ、端的に僕は言っておくけれども、全日空などというのは、路線の強化、路線の確保にはうき身をやつしておるが、事故の起きた跡始末というものは何らしていないのじゃないか。こういう点は、やはりあなたは監督官庁として徹底的に全日空に対してひとつメスを入れてみる必要があると思うのですよ。
#15
○政府委員(今井榮文君) お説の趣旨によりまして、極力努力いたしてやりたいと思います。
    ―――――――――――――
#16
○委員長(金丸冨夫君) それでは、時間も何ですから、次に移らしていただきます。
 海運業の再建整備に関する臨時措置法案及び外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、両案について審査のため、参考人から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認めます。
 参考人の人選及びその他の手続につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 前回に引き続き、両案の質疑を行ないます。
#19
○小酒井義男君 ちょっと資料について説明を願いたいんですが、先回の委員会で海運局からお出しをいただきました資料の5でございます。「利子補給対象海運会社の経理状況」、この中の、としてあるのの終わりから三枚目ですが、オーナーの分の自己資本の比率というのが最後にあるんですが、それのナンバー三十一の会社と、三十二の会社と、それから三十五の会社の資本構成について、ちょっとこれを見ただけではわかりにくいんですが、たとえば三十二の会社の資本比率が、他が二百七十五というようなことは、一体どういうことなのか御説明願いたい。
#20
○政府委員(辻章男君) 今御指摘ございましたオーナー関係の自己資本比率の三十一、三十二、三十五の会社でございますが、これは欠損を計上いたしておりまして、その欠損が自己の資本金をオーバーしておりまして、三十一の会社で申しますと、これは百万円単位でございます。七百万円繰り越し欠損のほうが資本をオーバーしておりますので、資本の構成としましてはマイナスになるということなんでございます。三十二番につきましては、欠損が資本を一億七千五百万円オーバーしておるということでございます。それから三十五番につきましては、三千二百万円欠損が資本をオーバーしておる、そういうことでございます。
#21
○小酒井義男君 こういう内容の会社でも、やはり集約の対象になるんですか。
#22
○政府委員(辻章男君) これは集約の条件といたしまして、オーナーでございますから、長期安定した用船契約を持つことになりますれば、一応集約の範疇に入るわけでございます。ただ、利子猶予を受ける条件としましては、一定の集約をすることと、それからその会社自体が五カ年後に自立体制のめどが立たなければならぬ、つまり償却未済を解消していかなければならぬという条件がございますので、こういう会社につきましては、集約の条件は満足し得られましても、いわゆる自立体制の計画を立てるということが非常に困難ではないか、かように考えておる次第でございます。
#23
○小酒井義男君 特に三十二の会社などで、極端なこういう結果が出てくる原因として、会社の経営方針というものは何か他と比べて相違点があるかというようなことは御検討になっておりますか。
#24
○政府委員(辻章男君) お答え申し上げます。ちょっと私が先ほど申し上げた点間違ってございますので、まずそれを訂正さしていただきます。先ほど、三角じるしのやつは絶対金額を申しましたが、これは絶対金額ではないのでございまして、比率のほうのマイナス比率でございます。その点、まことに申しわけございません、訂正さしていただきます。
 それで、この三十二番の会社でございますが、これは経営方針の大きな誤りがあったのでございまして、これは非常に高船価のときに、非常にまた無理をいたしまして船を作りまして、そのために市況の悪化に伴いまして非常な損失を出したということでございます。で、この会社は、そういう高船価の船ばかりを持っておったものでございますので、他の安い船との、何と申しますか、平均化して営業できないということで、こういうふうに非常に悪い結果になったわけでございます。
#25
○河野謙三君 私この前要求した資料について、この前この船の稼働率について何か資料がいただけたらということでしたが、この資料の「外航就航船腹の推移」といいますか、これがその私が要求した資料に該当するものですか。
#26
○政府委員(辻章男君) この前の前の委員会で河野先生から御要求のございました資料でございますが、いろいろ私どものほうの手持ちのデータ、あるいは海運企業のほうにも問い合わせて、いわゆる船の稼働率の資料を作りたいということで努力をしてみたのでございますが、私の手持ちにはそれにぴったりするものがございませんし、また各企業におきましても、なかなかすぐに間に合う資料がないものでございますので、これは先生の御要望のものとはだいぶかけ離れておるかと思うのでございますが、ここにございます「外航就航船腹の推移」というもので御了承を願いたいという趣旨なんでございます。で、この資料の示しておりまするものは、一番上の欄が保有船腹でございまして、これは三千総トン以上のおのおの三十五、三十六、三十七の年度末の絶対数でございます。その下の就航船腹と申しますのは、これは船ができて参りますのが、ある年度で、五月にできるものがありますれば、十月にできるものもございますので、これを年間ならして、就航船腹がいわゆる年央で何トンになるかということを計算いたしましたものが、この就航船腹でございます。月平均に相なっております。それで、就航船腹は三十五年から逐次三十七年まで増加して参っております。それから輸送量は、三十五年から、六年、七年と逐次上がってきておるわけでございます。それからまた運賃収入も、三十五年から六年、七年と上がってきておるということで、船が順次ふえたにつれまして、輸送量も運賃収入もふえておるということで、何と申しますか、船ができたが、それが非常な不能率なことをして、運賃の獲得にも、あるいは物資の輸送にもあまり役立ってないということではないということを大まかに御推察を願いたいという趣旨なんでございまして、議論を申し上げれば、この輸送量もいわゆるトン・キロにはなっておりませんので、的確な資料を現わしておりませんし、それからまた運賃収入につきましても、各月あるいは年度ごとに違いまして、運賃の絶対額が高低があるのでございますので、そういう意味では厳密には参りませんが、大勢としては御了承お願いしたいという趣旨のものでございます。
#27
○河野謙三君 まあ資料が整わなければやむを得ませんけれども、御質問申し上げるのにあまりにもラフな資料になると思いますが、しかし、いただきました資料を見ましても、私今手元にいただいたのでちょっと概算をしてみますと、三十五年、六年、七年とだんだん稼働率が下がっていますね。三十五年が大体九〇%くらいの稼働率になりますか、就航船腹を保有船腹で割ってみる、そういう計算をしてみると。それはそろばんが違うかもわかりませんが、そうしますと大体三十五年度は九〇%ぐらいになりはしないか。三十六年が八九%、三十七年が八六%ぐらい――ごくわずかではありますけれども、この数字を基礎にして試算をしてみますと減っている。しかし、前段申しましたように、この数字でそういう議論をする基礎の数字になるか疑問が出ると思いますが、そこで、これは小酒井先生の質問に私は関連して資料を要求したのですが、船をふやさなければいかぬ、経済が発展して。しかし、船会社の計算でいきました場合と、政府がこれだけをふやせという数字と、そこにおのずと、船会社のほうはそろばんずくでいくと思う。政府のほうはそうでなくもっと大きな国家目的でいくということになると思うのですが、そこで、下手をしますと、船はふえましたけれども、稼働率は下がって、船会社は合理化をやるといいながら、稼働率が下がれば、何といったって合理化はできませんよ。稼働率が下がった場合は、利子の負担ぐらいの問題じゃないですよ。その点が心配になると思う。
 そこで、それはもう少しこまかな数字をいただいたら、またそのとき議論をすることにして、私はこの機会に伺いたいのは、船会社が合同して業界の合理化をやる――政府は債権者になるわけですね。今度は債権者の立場に立ってこの合理化計画で進められた場合に、こまかくは申しませんが、たとえば利子の負担が確かに軽くなります。一般管理費で幾ら下がるのか。稼働率は一体どういうふうに計算するのか。稼働率を上げなければ経理はよくなりませんから、稼働率をどういうふうに計算しているのか。それから、例の合理化の過程において、この前も申し上げましたが、いわゆる貸船業者の依存量をどんどん減っていかせるように、これによりますと、四十五年度におおむね貸船業者の保有船腹が全体の一割五分程度になっておりますが、これも何が合理化の過程においてそこまでしなければ稼働率が上がらぬということからきているのじゃないかと思う。そういう債権者としての政府が合理化目標を立てて合理化を進める、その場合に、大づかみに、原価計算的に管理費その他のあれについては――こまかくは要りませんよ、一体、現在の船会社の経理状況と、それから五年なり七年先ではどういうふうになるのかという御説明を私はいただきたい。特に、稼働率を一体どういうふうに改善するかということは、船会社の経理に非常に大きな影響がある。ただ合同しただけではよくなりませんよ。合同することによって管理者のある程度は合理化されるでしょう。それよりももっと大きなことは、くどく申しますけれども、合理化の後において稼働率がどれだけ上がるのか、また努力目標はどこにあるのかということを御説明願いたい。
#28
○政府委員(辻章男君) まず、一番最初にございました「外航就航船腹の推移」の資料で、保有船腹と就航船腹の各年度の比率をあげられまして、これがよくなっていないじゃないかという御議論があったかと思うのでございますが、この点は実は稼働率の問題とは関係がないのでございまして、私の説明が言葉が足りなかったのじゃないかと思うのでございますが、この就航船腹と保有船腹との関係でございますが、この保有船腹と申しますのは、三十五年を例にとって申し上げますと、三月三十一日末日現在で三千総トン以上の船が八百十八万九千重量トンあったということでございます。それで、この就航船腹と申しますのは、この八百十八万九千トンの中には、極端に申し上げれば、三月三十日に就航した船もやはり一トンは一トンとして入っているわけでございます。ことに年度間船が動くことにいたしますれば、そういう船は二日か一日しか動いていないということになるわけでございますので、そういうふうに、各年度初頭からありましたものはそのままでございまして、その年度に就航しました船は、五月に就航した船は十カ月働く、それから十二月に就航した船は三カ月働くと、そういうふうにいたしまして、年間フルに稼働するトン数として見れば七百四十二万重量トンになるというだけのことでございまして、この就航船腹がどういうふうに稼働したかということとは一応関係のない問題なんでございます。
 それから、集約という措置によりましてオーナーの比率がどういうふうになっていくかということで資料を差し上げたわけでございますが、これは私どもが今オーナーの問題を、現在よりも昭和四十五年になりますれば減ってくるであろうということを申し上げましたのは、最近の傾向としまして、だんだん船が大型化して参りまして、そういう船はいわゆる貸船業者から運航業者に用船という形でやるよりも、運航業者がじかにそれを作りまして荷主と長期契約する。そういう形態になって参りましたので、ここ最近の傾向を見まして、年間の就航トン数の中でオーナーが占める分野が非常に狭まってきた、その傾向はおそらく今後も続いていくであろう、そういうふうに推定いたしまして、千三百三十五万総トンのでき上がった姿を考えれば、今よりは相当オーナーの使命は落ちていくだろうという考え方でございます。
 それから、集約によってどの程度一般管理費等が節約できるかというお話でございますが、これは非常に大ざっぱな考え方でございますが、一応一般管理費の約一〇%程度は節約できるのじゃないかというふうに推定いたしております。
 それからまた、集約によって稼働率の向上ができなければたいした効果はないのじゃないかという御指摘がございましたが、これは狭い意味におきまする稼働率の問題ではないかもしれませんが、私ども一番期待いたしておりますのは、集約によってあるグループ化いたしますと、いわゆる適船適航と申しますか、その航路に一番適した船をある航路に配置することがグループ内の船の融通によりまして容易になることによりまして経済的なメリットが出てくるのじゃないかということを期待いたしております。ただその点は、具体的に、あるいは数字的に、こういう程度にそのメリットが上がるというまでの計算は出ていないのでございますが、一般論といたしましてそういう効果の上がることを期待いたしておる次第でございます。
#29
○河野謙三君 私は先ほど、今度の措置によって政府は一つの債権者でありますから、やはり銀行が金を貸すと同じ立場に立って、政府も、これこれこれだけの利子補給をしたならば、三年先にはこうなる、四年先にはこうなるという一つの経営の精密な監査、調査をして、その上において初めて私は利子補給の問題は出てこなければいかぬと思う。
 そこで、私はしろうとでございますから、ちょっと見当が違うかもしれませんが、今ここにいただきました業態別の外航船舶保有状況には、運航業者の持っておるものが三十二社二百四十七万何がしトン、貸船業者の持っておるものが百四十九万何がしトン。こうなりますと、貸船業者と運航業者自体が持っておる比率というものは、貸船業者の持っておるものが自家船に対して六〇%ぐらいに当たります。そうすると、いろいろ業界には特殊な事情があるでしょうが、この数字を大ざっぱに考えますと、今までの海運業者というものは自己の保有船舶以外に六割は要するに貸船業者の船腹に依存しておった、こういうことになりますね。一般の業界でこういうことでいい経理が私は成り立つわけがないと思う。極端に言えば、荷物は非常に波動がありますから、常に一月から十二月まで同じ状態で荷物があるならば、一〇〇%自己の船腹でやるのが一番効率を上げることができますね。だけれども、そこにそういうふうに荷物が常に波動してきますから、大体二〇%か、せいぜい二五%ぐらいは貸船業者に依存して、そうしてあとは自己の保有船腹でやるというのが、私は一番健全な経営だと思うのです。そういう趣旨から私は四十五年度には貸船業者の保有船腹というのを一割五分程度に政府の指導方針がそういうふうに立てられたと思ったのですが、結果がそうなるであろうと、それが政府の指導方針じゃないという御説明でしたが、そうすると、重ねて伺いますが、政府は、今度の利子補給の措置によりまして、四十五年までには各船会社が合併合同いたしまして、経理内容は一体どうなるという詳細な検討はしてないのですか。それはわかっていないのですか。ただ利子補給して、あとはやれということであるなら、またその利子補給で一応息をついただけであって、依然として海運業界というものは改善されないということにならないとも限らない。そこで私は、債権者として、銀行と同じような立場に立って、相当強力に経営の実態をよくつかんで、またそれをつかんだ結果指導していかなければならぬ、こう思うのですが、どうなんでしょう。私はどうも貸船業者の依存度というものは現在はべらぼうに高過ぎますよ。これは金のない関係、海運業界が不況の関係からこうなったのでしょうけれども、今度こういう措置をとる以上は、政府が進んで、自己の保有船舶と貸船業者に依存する度合い、これを何らかの比率というものをきめて、それが一つの合理化目標でなければならないと思うのですが、それは一体どうなんでしょう。
#30
○政府委員(辻章男君) 現在貸船業者の比率が高いのではないかというお説でございますが、海運界におきましていわゆる貸船業者というものが相当な比率を占めておりますのは、大体日本〜、それから外国ではイギリスが多うございます。これは各海運の成り立ちからの伝統がございまして、日本の場合で申し上げれば、徳川時代の帆船の業者が明治に入りましてから汽船に切りかえてきた。そういうことで、戦前においても相当日本におきましては貸船業者というのがあったわけでございますが、終戦によりまして運航業者も貸船業者もほとんど船を喪失いたしまして、今後船を作っていこうということになったわけでございます。その際に、占領政策上からも大きな会社に集中してはならないというふうな指示もございまして、当時船につきましては政府が財政資金の割当的なこともやっておりましたので、そういう占領政策にも沿うようにというので、いわゆる総花的な建造もして参ったわけでございます。その前に、戦前からのそういう伝統もあったわけでございます。そういうことで今日まで至ったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、最近の傾向としましては、外国資金によるものはほとんど運航業者に集中的にいっているということに相なっております。それで、貸船業者の船を運航業者が借りるということは、経営上非常に不利であり、また安定性がないじゃないかというふうな御趣旨の発言があったかと思うのでございますが、これは現在実はこれらの貸船業者の持っておりまする船が大部分一万重量トン程度の船が多いのでございます。この船が、非常に船舶の大型化等によりまするいわゆる輸送構造の変化に伴いまして、世界的に不経済船となりつつある。しかも、今オーナーの持っておりまする船の相当部分というものが、いわゆる高いときに作りました高船価の船が多うございまして、そういうことで、貸船業者の多くは非常な苦境にあるわけでございます。それじゃ運航業者はどういう用船料でその船を雇っておるかと申しますと、大体そういう船の用船料というものは、これもロンドンで世界的なマーケットが立っておりまして、一万トン級ならば一万トン級の船の運びまする運賃の水準によりましておのずから用船料もきまってくるというふうな相関性があるわけでございます。そういうふうなものを基準にして用船料を払っておりまして、現在貸船業者は、運航業者からもらう用船料では大部分の船については非常に苦しい状況で、なかなか償却いたしかねるというふうな状況でございます。したがいまして、貸船業者というものを運航業者がいわゆる合併するということになりますと、運航業者の経理としては非常な圧迫をこうむるケースがかえって多いのではないかということも懸念されますし、また先ほど申し上げましたような日本海運の戦前また戦後の状況からしまして、オーナーというものを――非常に積極的に助成すべきではないかもしれませんが、これをすべて縮小していくということを国として今考える必要もないんじゃないかという立場をとりまして、この集約の問題におきましても、オーナーにつきましては、運航業者と長期安定的な用船関係があれば、それを集約として考えていこう、そういうふうな立場をとっておる次第でございます。
#31
○河野謙三君 今、貸船の率の高いのは英国が一番その例であって、そういう一つの歴史があると、こういうことですが、私はそれは歴史はあると思うのです。しかし、歴史は変わっているのですね。戦前においては、週期的に十年に一ぺん、七年に一ぺん戦争があるということは、これはだれも予想したくないけれども、事実あったのです。戦争ということを、船腹業者というのは、海運業者というのは、一つの経営の中にちゃんと織り込んでおった。でありますから、そこに貸船業者に高い依存度を持っているほうが経営は安全であったということは間違いない。また国内的に見れば、戦時体制において、船舶業者が、軍が徴用その他のことでいろいろ何する場合もあったということで、戦争が十年なり八年なりに一度はあるという前提でそれぞれの国は海運政策を立てたのであって、今は違いますね。戦争があるという人もあるけれども、あっちゃならない。またあるという想像さえ僕は立たないと思う。そういう場合、戦前にそうであったからということで、世界情勢も国内情勢も変わっておるときに、私は同じ歴史の流れを惰性で続けることはおかしいと思うのです。それと、ロンドンで貸船のあれはきめているけれども、いくら安くきめられて貸船業者がそろばんが合うの合わないのといっても、自分の船で自分のお客さんの品物を運ぶのが一番安い。いくら安いの何のといっても、人の船を借りてやれば高いにきまっている。だから、私は具体的に申しますが、ちょっと私あなたと意見が違うのは、具体的にはこういうわけなんです。これからも年々年次計画で造船をやっていくのでしょう。その場合に、従来のような高い比率で貸船を初めから目的としているような業者に、政府の低利資金を割り当てて、そういう業者に新造船の割当をすべきじゃない、私はそう思う。それを従来のようなしきたりで、一つの比率があって、海運業者が自分で船を作るやっと、初めから貸船を目的にして作るやっと、これを従来の比率そのままで、低利資金を融通して、新しい造船計画を立ててやるということは、間違いじゃないか。一ぺんにやめるわけにいかぬでしょうが、漸次貸船業者というのは減らして、世界並びに日本の平和時における海運行政というものはおのずと急角度に方向を変えていいのじゃないか、こういうことを私は御質問している。その具体的なものとして、これからの新造船の割当というか、あれはやるのでしょう。やる以上は、それは今までと同じような惰性でやりますか。
#32
○政府委員(辻章男君) いわゆる開発銀行の資金によりまする新船の建造でございますが、これは政府がいわゆる割当的なことをやったこともございますが、昨年の財政資金によりまする建造のやり方を非常に変えまして、今後はそういう方向を今年度も続けてやっていきたいと考えております。その方法はどういうことかと申しますと、定期船以外につきましては、個々のケース・バイ・ケースに開発銀行の金融的な判断にゆだねるということでございます。定期船につきましては、定期航路の政策の見地がございますので、運輸大臣が推薦したものについて金融判断をしていただく、それ以外のものにつきましては開発銀行が金融判断でやっていく、そういうことにいたした次第でございます。これは、開発銀行はもちろん全額これを貸し付けるわけではございませんので、三割程度は市中の金融機関の金を借りるわけでございますから、開発銀行と市中とが話し合いまして、その金融的な判断に基づいてやっていくということが、商業ベースでやり得ることになり、一番望ましいのじゃないかということで、そういうふうな制度にしたわけでございます。したがいまして、今後割当の問題といたしまして、政府が具体的な問題についてかれこれは言わないという方針に相なっているわけでございます。
#33
○河野謙三君 最後にもう一回ですから。私はどうも納得いかないのですがね。船腹の需要はますますふえていく。したがって、これから六百数万トンのものを新造船を作らなければいかぬ。これだけ作っても稼働率は下がらぬ、こういう見通しを立てておられるでしょう。それであるならば、海運業者にすればお客さんがちゃんと待っておるのですから、待っておるものを何を事を好んで貸船業者に依存することがあるか。自分の船でやったらいいじゃないか。あまりにも私ははっきりしたそろばんじゃないかと思うのです。ただ、それも従来の惰性なり、従来の因縁でこれはどうもそういうこともできないということはあるかもしれません、業界自体には。しかし、政府がやはりさっき申しますように、これだけ積極的に利子補給までして海運業界の経営の改善に大いに努力しようと立ち上がった以上は、そこにおのずと政府の強力な指導方針があっていいと思うのです。今、これからの新造船の資金については開発銀行に一切まかして、政府は一切口を出さないというのは私はおかしいと思うのです。これは何も政府がむやみに、それこそ、私はこの間もある場所で言ったけれども、鉄道が倉庫を作るとか、やれ自転車置き場を作るとか、そんなことまでよけいなことをされては困るけれども、こういう問題は、積極的に開発銀行に――この開発銀行の融資先は、通産省がやっているように、それぞれの企業形態別にいろいろ順位をきめてやっていますね、これと同じことをなぜこの場に臨んでやらないか。今までやっておったのを、これから積極的に政府が経営資金を出して、政府が合理化に向かって大いに強力に指導していこうという場合に、何でそれを開発銀行にまかせるのか、その点は私はわからないと思うんですがね。これは、この席でなくてもいいんですが、政務次官、これは大きな政治の問題だと思うのです。私はもう少し――つかんでおって言われないのかもしれないけれども、これだけの特典を与えるんなら、もう少し合理化目標というものを政府自体が立てて、そうして合理化の内容はこれこれこうだ、先ほど言ったように、管理費で一割下げる、稼働率幾ら上げる、自己の保有船舶と貸船との比率を今度こういうふうに変えていく、それから利子の負担は幾ら減る、そういうものを合わせるとこうなる、したがって、ある年限が来て利子補給の期限が切れたときには十分政府の借金はなして、なおかつ、配当ができるようになるという計算が私はあるはずだと思うのです。いずれにしても、多少意見にもなりましたから、きょうは私はこの程度にしますが、どうも私にすればもう少し積極的に海運業界を指導してしかるべきだと思いますが、もし何か御意見があれば伺いますが、なければ私はあえて答弁を求めません。
#34
○政府委員(大石武一君) お答えいたします。ただいまの河野委員の御意見はまことに傾聴に値する御意見だと思います。私たちもそのようにすっきりした線にいくのが一つの国の政策の行き方じゃないかと思います。しかし、今くどくど申し上げる時間もありませんが、いろいろな今までの行きがかりというものもございます、一ぺんにすっきり割り切った行政をやるのが一番望ましいと思いますけれども、いずれ近い将来にはそこまで参りましょうけれども、第一段階においては、現在の程度でいくのが一番やりやすい方法ではなかろうかと考えまして、先ほど海運局長が申し上げたような方策をとっておる次第でございます。いずれ、だんだんに政府の指導というものははっきりした方向に進んでいくのではないかと私ども期待している次第でございます。
#35
○河野謙三君 政務次官からの御親切な御答弁がありましたが、私は、だんだんとやるとおっしゃるけれども、金を貸すほうはだんだんやるのではなく、ここで貸すのですね。金だけはここで貸しておいて、お前のほうの合理化はだんだんとやれというのでは、銀行業者はそういうことはやりませんよ。私は、政府に銀行と同じようなことをやれとは言わない。そんなむごいことは言わないけれども、しかし、やはり政府が債権者になったことは間違いない。なることは間違いない。債権者になれば、やはり債権者としての権限をふるって、国家目標に沿うように海運業者を直ちに指導する方向をおきめ願いたいと思います。私は希望でございますから御答弁要りません。
#36
○小酒井義男君 二、三点お尋ねしてみたいのですが、実は提案説明などずっと聞いておって、やはりこれだけの利子補給をするのには、何か海運企業がこれで立ち直って安定をするという説明をしなければならぬからああいう提案説明がされておるのじゃないか。実際に政府としてこれだけのことをやれば、五カ年間やれば海運が完全に立ち直るのだという確信をお持ちになっておるのかどうか、その点どうなんですか。
#37
○政府委員(大石武一君) そのような信念でやっておるわけでございます。
#38
○小酒井義男君 信念はけっこうですけれども、その責任が絶対に持てるかどうかということだと思うのですがね。これに対してどうですか。
#39
○政府委員(大石武一君) 責任はどうかということですが、私は、責任を持ってそのような方向に進んで参りたい、そのような見通しもつけて努力していきたいと思います。
#40
○小酒井義男君 それから、こういうことをやらなければ日本海運の立ち直りができないということは、今突然起こったことじゃないと思うのです。今日までそれができなかった原因というのは一体どこにあるか。大蔵省との折衝で何が問題になったかということをお尋ねしたいのです。
#41
○政府委員(大石武一君) 具体的なことは、いずれ局長からお答え申させますが、大体今まで、やはりこのような必要性はしばらく前から認められたと思います。それがやはりいろいろな方策が立てられましたが、いろいろないきさつがありまして、いろいろな手段が講ぜられまして、本年度に至りましてこのような完全に近い対策が立てられたわけでございますが、それまではやはり機が熟さなかった、初めて機が熟したのではなかろうかと考える次第でございます。これにつきましては、いろいろいきさつがあります。今までどのような手を打って参ったか、どのような方策を講じて参ったかという段階的な積み重ねがございます。これにつきまして御要望がございますれば、局長から答弁させます。
#42
○政府委員(辻章男君) これは、ただいま政務次官から御答弁いたしましたように、海運界なり、あるいはそれを見ておりまする政府の立場としましても、こういう抜本的な対策が必要であるということは痛感しておったわけでございます。ところが、それに対しましては、そういうドラスチックな方法をとらなくても何とかいけるんじゃないかというふうな財務当局その他の批判的な声もあったわけでございまして、今日まできたわけでございますけれども、昨年一昨年等において、今いわゆる日本経済がある程度好況になりましても、海運と石炭は二大不況産業、しかし、その不況産業でありますけれども、日本経済が発展していくためには、どうしても国民経済上海運は伸ばさんならぬ産業であり、これをこのままにしておいたのでは、国民経済全体において非常にまずい結果になるということで、やっと、先ほど次官が申された機運が熟しまして、日の目を見たわけなのであります。その条件として、国がこれだけのことをする以上は、業界としても徹底した合理化をやってもらいたい。利子補給の会社につきましては、私ども年々監査をいたしまして、こまかな点までいろいろと文句を言っているわけであります。もうその企業個々の合理化については、ある程度の限度に近いところにきておるので、この際は業界全体が国際競争力に耐え得るような集約を行なって、過当競争を防止していくような体制をどうしてもとるべきであるという、海運造船合理化審議会等におきまする各界の方々の意見によりまして、今回の集約を条件にしてこういう助成をやっていこうという結論が出ましてこの実現を見るに至った、かようないきさつになっているわけであります。
#43
○小酒井義男君 今お話があったのですが、私は、運輸省が考えておる海運の運賃収入というものの果たす役割と、大蔵省が考えておる考え方とにはズレがあったのじゃないかというような気がするのです。つまり大蔵省としても、運賃収入が日本の外貨収支の上に重要であるということなら、むしろ大蔵省などでも、そういう意見がやはり台頭してくるべきであって、運輸省との間のいろいろな折衝がなかなか時間がかかったようですが、そういう点について、これは大蔵省に質問しなければわからぬことなんですが、そういう点で、日本経済の中における運賃収入の価値といいますか、役割といいますか、そういう方面に対して政府部内におけるところの解釈が少し不一致をみておったのじゃないかという、こういう気がするのですが、そういう点はどうなんですか。
#44
○政府委員(大石武一君) ただいま小酒井委員のお説のような考えがまだあったのだろうと思います。私は、海運というものの見方がやはり大蔵省的な見方と言っては失礼でございますが、大蔵省的な見方と、やはり海運は国の重要な基礎産業であるという運輸省的な見方と、そういう多少ズレはあると思います。しかし、御承知のように、日本の海運は終戦後再出発したわけでございますが、その再出発で非常な無理がございます。その無理が積み重なって今日の段階、大手術をしなければならぬような時期に至ったのでございまして、どうしても手術をするという段階になるのに、やはり相当なる決心が要るわけでございます。したがって、患者自身が、できるものならやはり腕を切らないで何か治療してなおしたいとか、あるいは親類の者が、なるほど手は切らしたくないとか、あるいは金がないからできないとか、たとえて申しますと、いろいろな事情があるようでございまして、今まで思い切った手術ができなかったのが、今日まで海運対策の必要性が叫ばれて、いろいろな構想が立てられながら実行できなかったのは、そのようなところにあるのじゃないかと思っております。しかし今となりましては、これ以上延ばすことは許されませんし、どうしても思い切った対策をやらなければならぬので、思い切ったそのような政府は決意をいたしました。幸いに政府がそのような意見にまとまりましたし、そしてまた業界もこれについては徹底的な合理化をする、腕を一本切ってもかまわぬという決意を示していただきましたので、初めてそのような機運が熟した、こういうことではなかろうかと考えるわけでございます。
#45
○小酒井義男君 もう一点だけお尋ねしますが、現在の法律に基づく集約の条件というものがきびし過ぎるじゃないかという声が一部にあるようですが、そういうことについてはどうお考えになっておりますか。
#46
○政府委員(大石武一君) それは、集約の条件についてはいろいろな御意見がございます。いろいろな御意見もごもっともと思いますが、このことにつきましては、今たびたび大臣なり局長からもお答え申し上げましたとおりで、海運局長からお答えいたさせます。
#47
○政府委員(辻章男君) 集約の条件がきびし過ぎるというふうな一部に御意見もあるわけでございますが、また他面、もっと徹底した集約をやれという御意見もあるわけでございまして、私どもいろいろな御意見を伺いまして、あの法律の第四条に出しておりますような条件に政府としては落ちつけたわけでございます。また、これの運用によりまして、なかなかむずかしい問題があるわけでございます。これにつきましては、すでに設置法で作られております海運企業整備計画審議会の意見を聞きまして、運輸大臣が個々の集約の問題につきましては判断をいたすことになっております。その委員会は学識経験者なり、あるいは金融関係者で構成されることとなると思うのでございます。それらの意見を十分拝聴いたしまして、実際に即して、しかも、効果の上がるようにやっていきたい、かように考えておる次第でございます。
#48
○小酒井義男君 私決して条件を緩和せよと言っておるのじゃないのです。やはりこれだけのことをやる以上は、一般も納得するようなものでなければいかぬと思うのですよ。ですから、そういう声があって、将来この条件が緩和されるような危険性がないかということをむしろ心配しておるのです。そういうことはありませんか。やりませんか。
#49
○政府委員(大石武一君) われわれは現在の方針を堅持して参りたい決意でございます。ただし、この条件に合わないで、たとえば高船価船を持っているとか、不経済船を持っているとか、その条件に入り得ないで、合わないでいわゆる救済の手の及ばないものが出るかと思います。これは全部が全部救済できるとは思いません。そういうものにつきましては、将来どうしたならばそういうものがうまく海運の中に取り込んでいけるか、あるいはやめるにしても快く安心してやめられる、あるいはもっと発展できるような方向に向かわせるかという第二段、第三段の段階について、やはり来年なり再来年なり考えなければならぬ時期があると思いますが、集約の条件というものを今変えることは考えておりません。
#50
○小酒井義男君 きょうはこれで。
#51
○岡三郎君 今、再三言われてきたことですが、高金利でも造船をしてきた、特にスエズ等の動乱の最中には。そうするというと、その責任は作ったものにあるのじゃないかと思うのだがね。そうする場合に多額の借入金がある。銀行は担保を押えてとってしまえばそれでいいんじゃないですか。普通でいけばそうでしょう。それはどういうふうにその点はお考えですか。私はそういう点は、簡単に高金利でも何でもどんどん立ってもうけようと思ったのだろうと思うのです。そのために無理しても金を借りる。一つの見通しを立ててやったと思うのです。一つの国策といっても事業だ。それがうまくいかないから、今までのんべんだらりとしていよいよ詰まってきたから政府のほうで出してやる。そのかわりまとまりなさい。ところが、あっちこっちなかなかうまくいかないと言うけれども、一つの事業として考えた場合に、これから国として一つの海運政策を立てていく場合に、そういう思惑をやったものまでも含めてどうするのかということを考えることは、たいへんなことだと思うのです。そこで昨年、池田総理が海運界の現状では、政府として一文でも支援するわけに参らぬ、こういうことを言ったということになるというと、海運界というのは、造船疑獄もあったせいか、金のやり繰り等においては、いろいろとすっきりしない点があったのです。それで今まで十何年見て見ぬふりをしてずっときた。いよいよ化膿して切開せざるを得ない、しなければ死んでしまう。ここまでほうっておいた運輸省の海運局というのは一体何を今までやっていたのですか。そうして国民の税金をこの際になってぐっと入れる。ばかげたことじゃないですか。国民としてはあぜんとして、幾ら国策だと言ったって、鉄道の新幹線以上にこの問題は重要だと思っている。そうでしょう。今までやるべき、症状が悪化しない前にやることができないというほど、業界というのはどうしてわからず屋なのか。それを監督するものがどうして規制できないのかわからないのですよ。逆に言うと、政府のほうが振り回されているのかわからぬ。そうなるというと、そこからだいぶ政治資金が出ているのかとも考えられる、これは想像だけれども。これはどうなんですか。どうして今までこのままほうっておいたのですか。今までの説明では私はわからぬ。あんた方がほうっておいた原因を端的に言ってもらいたい、その点を。政務次官はわからぬというのは、これは当然だけれども、海運局というのは歴代やっているから……。
#52
○政府委員(辻章男君) ただいま御議論でございますが、御指摘ございましたように、確かに高船価のとき、今一番高船価船と言われていて問題になっておりますのは、いわゆるスエズ・ブームのときに作られた船でございまして、これらを各海運会社が作りましたのは、それによって収益が成り立つという見通しのもとに作ったことは間違いないと思います。ただ、そのときの政府としましては、私そのときたまたま海運局におったわけでございますけれども、あのときの様子では、なおあの動乱があと一、二年続くとすれば、日本の原材料輸入というものは、もう船の面から非常な制約を受けざるを得ないということをひしひしと身に感じたわけでございます。と申しますのは、外国船は、あの当時は相当の外国船を使っておったわけでございますが、これは契約にありますとおりの違約金を払いましてどんどんとほかのほうへ行ってしまう。同時に、私どもは造船所の船台の確保に非常に造船所にも圧力をかけたわけでございます。契約をキャンセル、いわば船台の違約程度のものでありますれば、外国船をはずして日本船を優先的にやれというようなことをいたしまして、何とか応急の現在量の輸入に支障がないようにということで、非常に船を作ることを奨励した。で、船会社の経営者は、先ほども申し上げましたように、この様子が一、二年続くならば、多少船価は高いけれども、二年以内に半分以下にし得る、また、金融機関のほうは非常に金融緩慢でございまして、まあある意味では貸し出し競争をやっておるというふうな、非常に金融緩慢でありまして、そういうことで、今申し上げたような考え方が強うございまして、そういうような空気のもとに、大量の非常に高い船価のものを今となってみますれば作った、これは経営者の見誤まりでもありますし、また、今にしてみれば、われわれもまた見誤まったということの批判、そしりは免れないということを覚悟しておる次第であります。そういうことで高い船ができたわけでございまして、高いのは、極端なものは、現在の船価の倍くらいのものがあるわけでございます。それらが海運界の一つの大きなガンになっておるわけであります。こう申し上げてもいいかと思うのであります。
 御承知のように、三十二年以来、あのブームがおさまりまして、急速に海運界は不況になった。なお、悪いことには、そういうことで、各国ともに、あるいは各海運会社ともに、世界的に非常な船の発注をしておったものでございまして、不況になりましても、そのときに発注された船というものが三年ぐらいはどんどん進水し、竣工していくということで、海運界においては、運賃が下がったところになお過剰の船舶ができる、そういうことで非常な不況になった。まあ、これは経営者が見通しを誤まって苦しむことは当然とはいいながら、日本の海運界全体として見れば、このままではとうてい今後やっていくことは困難ではないかということで、これらについて何らかの措置を講じたいということで、私どもは、金利の猶予でありますとか、その他のことを考えまして、政府部内でいろいろ折衝したのでありますが、ただいま岡先生の言われましたように、見通しを誤まったものの救済的な効果を上げるようなことはまっぴらごめんだというようなことで、そのときは時期が直後のことでもありますし、そういう声が非常に強うございまして、今日まで実現を見なかったのであります。あれから相当年月もたちまして、海運企業としてもできるだけの合理化の努力はしておりますけれども、なお、海運界の不況もございまして、健全な姿に立ち直れない、ここで何とかしなければ、今後の国民経済上必要とする船舶の拡充も円滑にいかぬのじゃないか、そういうことで、経営者の責任もあるけれども、そういうことばかりも言っておられぬじゃないかということで今回の措置が実現したという経緯であります。
#53
○岡三郎君 そうすると、結局、見通しの誤まったのを救済する、それは国策的な仕事だから国としてめんどうをみる、その意味において各海運業者のやっていることが情状酌量する余地があるわけだしと言われるのですが、結局、今までどのくらい国の金をつぎ込んでいるわけですか、海運界に対して。
#54
○政府委員(辻章男君) 現在いわゆる計画造船によりまして、国が海運企業に貸し付けました総金額が約二千三百二十億でございます。これは総貸付でございまして、それがその後の返済によりまして、現在におきましては約千七百億ぐらいが今日貸付になっている状況でございます。それから利子補給でございますが、これは現在までに約百十億程度利子補給として海運企業に国庫から金を出しているわけです。そのうち五億程度が――これは、利子補給では、一定の利益が上がりますれば国に返すことになっておりますので、その規定によりまして、約五億程度は海運企業から国庫に返っている。大体そういうふうな状況でございます。
#55
○岡三郎君 そうすると、ここでそれだけの金を出して立ち直りをさせていくということについて、今までの指導あるいはそれぞれの造船関係、あるいは海運関係でもそういう金の使い方について、国民的な立場でいうと、今度の場合の補給金で、先ほど次官が言ったようにうまくいくのだ、確信をもってやるのだ、こういうふうに言っているのだが、好況、不況というものがありますから、それで稼働率とか、先般あったような積荷の積み取りの比率というものも、これからやっていかなければならない、うんと勉強しなければならないと思うが、各国においても、やはり海運に対するいろいろと助成とか育成とか、こういうものをやっているということも聞いております。日本だけでないということもわかっているのだが、そういう点についていろいろと国情によって違うけれども、うまくいったならばまた元へ返るというふうなことはないでしょうね。つまり、何とかかんとか補助してもらってまたうまくいかない、それからどっかに動乱でも起こった、にわかに色めき立って、ざっくり入ってきた。こうなるというと、おれはおれの道を行くのだ、そういうなことはあるのですか、これから、ないのですか、この鎖はつないであるのですか。
#56
○政府委員(辻章男君) ちょっと、おれはおれの道を行くというのは……。
#57
○岡三郎君 つまり、自分が好きこのんで用船したり貸したりしてもうけていくという、そういうことはどうですか。
#58
○政府委員(辻章男君) これは、日本の船を外国に売るとか、あるいはそういうことにつきましては、こういう会社につきましては厳重に規制をして参りますから、いわゆる勝手なまねをさすようなことはいたしません。それから法律もございますように、五カ年の間につきましては、年々報告を求めまして、それで、言ったとおりの整備計画を実行しない場合におきましては、利子猶予を引き揚げますとか、その他のいわゆる制裁をいたしまして、整備計画に記載したことは必ず実行さしていく、そういうように強い監査と監督をして参りたい、かように考えておる次第でございます。
#59
○岡三郎君 要するに、まあ五カ年の間に、いろんな問題があって、先ほどの話じゃないけれども、二年ぐらい好景気が続けばうまくいくんだ、だから、今後そういうふうな事態になったときに、再建整備をして、そしてやってきた、とにかく会社は五十万トンまとまったのが、系列として入ったのが、系列なんていうものはおれはいやだとかいって逃げて行ってしまうとか、そういうようなことで、また小企業に分かれるというようなことがあれば、日本の海運界としては、景気の間に間に離合集散するということがあってはならぬと思うんですが、そういう点はどうなんですか。
#60
○政府委員(辻章男君) そういう点につきましては、ただいま申しましたように、厳重に監督をいたしまして、一時の運賃の好況のときにすべて御破算にするようなことは絶対にいたさない……。
#61
○岡三郎君 保証があるの。
#62
○政府委員(辻章男君) これは、法律にもございますように、整備計画を変更いたしますには、整備計画審議会の諮問によりましてもちろん運輸大臣が認可しなければ、絶対出しました計画は変更できないわけでございます。そういうやり方によりまして、ただいま御指摘がございましたようなことはないようにいたしたいと思います。
#63
○岡三郎君 それからちょっと向きが違いますが、まあ一般の輸出物資等、ガットとのいろんな関係で国際的な制約があるわけですが、たとえば世界の海運の競合の中で、まあいろいろと競争が行なわれている。そういうときに、各国がそれぞれの国情に沿っていろいろと応援をする。支援をする。そうして、まあ極端にいって、ある程度低運賃でもやっていくんだというふうな、そういうふうな問題については、国際的に何かまとめていくということがあるんですか。つまり、国によって補助をどんどん出して、そうして海運を助成すると、そういうことによって、積み取りとか何とかという問題でなくても、安くおれのほうはやるから、その損失補償を国なら国がやるというふうな形でいくというと、公正なる競争ではないと思うんですが、そういう関係はどうなっているの。
#64
○政府委員(辻章男君) いわゆる各国が、自国の海運に対する補助、助成について、国際的な何らかのルールがあるのかというふうな御趣旨かと思うのでございますが、これは、結論的に申しますと、そういうルールはございません。で、これは、まあ非公式に、非常なあまり強い助成をいたしますと、少し行き過ぎではないかというふうな、まあ非難めいたことを言う国もございますけれども、これはあくまで非公式の問題でございまして、公式にはそういうふうなことはございませんし、まあ現在そういう意味で極端に海運を補助しております国は、大国ではアメリカでございます。それからまたフィリピンでございますとか、ビルマでございますとか、そういうふうないわゆる新興国におきましては、またこれ非常に極端なことが行なわれているようでございます。
#65
○岡三郎君 これはまた別な話ですが、海外から造船の注文がくる。そうすると、税の関係かなんかしらぬけれども、あっちこっちの国籍の船の注文が来て、それでまあ注文主はどっかニューヨークあたりにいる、こういういろいろな、海運界というのは、海国精神かなんか知らぬが、そういう点がラフにできているような話を聞くのですがね。こういった点についても、世界的にやっぱりまとめていくという、そういうあれはないのですか。
#66
○政府委員(辻章男君) 御指摘のございましたのは、いわゆる便宜置籍船といわれる船の問題であると思うのですが、これは、パナマでありますとか、あるいはアフリカのリベリアでありますとかいう国に、ほんとうに簡単な、その国の法人を作りまして、そこへ船の籍を置く。で、実際の経営的なことをやっておりますのは、大体アメリカ及びギリシャの国籍のものが多いわけでございます。これは、なぜそういうことをするかと申しますと、一つは、法人税でありますとか、あるいは船を登記、登録をするようなときにとられまする税金、そういうふうな税関係をそういうふうな国は非常に安くしておるということと、それからそういう国におきましては、労働法規もいわゆる文明国に比べましてゆるやかである、そういう二点でいわゆる便宜置籍船というものが現在相当ある。まあこれらに対しましては、わが国のように伝統的な海運国としては、そういう事態は望ましくないということで、西欧諸国も同じ立場でございますが、そういうことが望ましくないということをしばしば言明し、何とか考えなければならぬ問題ではないかといっておるわけでございますけれども、具体的にそれらに対して今どういう対策に出るかということは、国際的にまとまった動きはないわけでございます。
#67
○委員長(金丸冨夫君) それでは、両案の質疑は、本日はこの程度といたしまして、次回は五月十六日午後一時開会とし、本日は、これをもって散会いたします。
   午後三時五十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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