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1962/06/04 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第26号
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1962/06/04 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第26号

#1
第043回国会 運輸委員会 第26号
昭和三十八年六月四日(火曜日)
   午前十時四十分開会
    ―――――――――――――
委員の異動
 五月三十一日
  辞任      補欠選任
   谷口 慶吉君  堀本 宜実君
   平島 敏夫君  岡村文四郎君
   後藤 義隆君  前田佳都男君
 六月一日
  辞任      補欠選任
   岡村文四郎君  平島 敏夫君
   堀本 宜実君  谷口 慶吉君
 六月四日
  辞任      補欠選任
   前田佳都男君  川野 三暁君
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     金丸 冨夫君
   理事
           天埜 良吉君
           谷口 慶吉君
           天坊 裕彦君
           岡  三郎君
   委員
           井野 碩哉君
           江藤  智君
           川野 三暁君
           河野 謙三君
           野上  進君
           平島 敏夫君
           村松 久義君
           相澤 重明君
           大倉 精一君
           吉田忠三郎君
           浅井  亨君
           加賀山之雄君
           中村 正雄君
  衆議院議員
   発  議  者 久保 三郎君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 綾部健太郎君
  政府委員
   運輸政務次官  大石 武一君
   運輸大臣官房長 廣瀬 眞一君
   運輸省海運局長 辻  章男君
   運輸省船員局長 若狹 得治君
   運輸省港湾局長 比田  正君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       吉田善次郎君
  説明員
   運輸省船舶局造
   船課長     鈴木 春夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○海上運送法の一部を改正する法律案
 (衆議院送付、予備審査)
○海運業の再建整備に関する臨時措置
 法案(内閣提出、衆議院送付)
○外航船舶建造融資利子補給及び損失
 補償法及び日本開発銀行に関する外
 航船舶建造融資利子補給臨時措置法
 の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(金丸冨夫君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 初めに、委員の異動について報告いたします。五月三十一日付をもって委員谷口慶吉君、平島敏夫君及び後藤義隆君が辞任せられ、その補欠として堀本宜実君、岡村文四郎君及び前田佳都男君が選任され、六月一日付をもって岡村文四郎君及び堀本宜実君が辞任せられ、その補欠として平島敏夫君及び谷口慶吉君が委員に選任せられました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(金丸冨夫君) この際、理事の補欠互選についてお諮りいたします。
 ただいま報告のとおり、谷口慶吉君が一たん委員を辞任せられましたことにより、理事一名が欠員となっておりましたが、同君が再び委員に選任せられましたので、あらためて谷口君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
#5
○委員長(金丸冨夫君) 次に、海上運送法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提案理由の説明を聴取いたします。衆議院議員久保三郎君。
#6
○衆議院議員(久保三郎君) 海上運送法の一部を改正する法律案について、提案の趣旨の御説明を申し上げます。
 わが国海運が戦後急速に船腹を増強し、国民経済の中に重要な位置を占めつつあるにもかかわらず、海運企業の不振は極度に達し、今や過去における海運政策に検討を加え、その抜本的対策の樹立を要求されておるところであります。
 海運企業不振の原因は、国内的には、資本構成の劣悪、高金利による企業財源の悪化、船腹構成の中に占める非経済船の圧迫、インダストリアル・キャリヤーによるシェアの喪失、計画造船方式が生み出したオペレーター・オーナー間の系列強化からくる硬直、そして企業乱立による過当競争、貿易構造の変化に伴う極東市場の喪失等があり、国際的には船腹過剰の慢性化であり、それは新興海運国の台頭と自国貨自国船主義につながり、あるいは便宜置籍船の増加を来たし、さらにはシップ・アメリカンに代表されるアメリカ海運政策の圧迫等であります。
 海運企業基盤強化をさきにあげた企業財源の改善に置くことは、事態の改善にはなるが、根本的対策として企業の収益性を増加させる積極的対策とはならず、また企業の集約化は構造的な政策ではあるが、コストダウンを大幅に期待することは不可能であり、企業の収益力を培養し維持強化する中心的政策とは言いがたく、むしろその他の不振原因排除の方策を先行すべきものであって、政府は既定海運政策の失敗に対する責任からも、この種政策を早急に樹立する必要があることは言うまでもないところであります。
 本法案提出の理由は、かかる状況下にあるわが国海運企業の活動を不当に圧迫しているオープン同盟における盟外船の跳梁からこれを防衛し、航路同盟の秩序を維持しようとするものであって、言うまでもなく、対米航路の安定を期そうとするものであります。
 わが国貿易の最大市場は米国であり、貿易総額の三分の一をこれに依存しており、よってわが国海運の重要航路である対米航路の浮沈は、わが国海運企業の浮沈に重大な関係を与えていることを見のがすことができないものであります。しかるに、今日まで対米航路における盟外船は、配船数も積み取り量も日増しに増大する傾向にあり、運賃同盟はこれに対し、運賃プール制の実施、運賃レートの引き下げ等の対抗措置を講じ、多大の犠牲をしいられているが、その損害は年間四十億にも及び、海運企業圧迫の最大なものであり、しかも一そう有効な運賃競争をとるとすればさらに多額の出血を甘受せねばならぬものがあり、当面これによって盟外船を抑圧し得たとしても、再び同様の危機にさらされることは過去の歴史に徴しても明らかなところであり、このことは運賃同盟が同盟としての自己防衛機能を発揮し得ない米国海事法による一方的規制にあるのであって、この繰り返しから同盟が脱却し安定を得るためには、まずもって外交交渉により米国側の理解を深め問題の解決に当たることが至当であり、正常の方法であることは言うまでもありませんが、たび重なる外交交渉も何ら解決へのきざしを見出せぬ状況にあるとすれば、重要な航路同盟の秩序維持と自国海運保護の立場から海上運送法の改正により最小限度の防御措置を講ずることは、正当にして、必要な手段であります。
 米国海事法たるボナー法が二重運賃制を認めながらも諸種の制約を課し実質的効果を発揮し得ず、さらにはその一貫せる反トラスト的思想は運賃同盟に対しその存在の意義をも喪失させるものがあり、国際海運に対する干渉であって、その間隙を利用する盟外船の出現はもはや古典的な「海洋の自由」を唱えるだけでは防ぎ得るものではないのであります。もちろんわが国海運政策の基調は「海洋の自由」の原則によって貫かれており、本改正案も海上運送法のこの基本方針に何ら修正を加えるものでなく、その原則を守るため、他国の反トラスト法による国際海運カルテルの弱体を救わんとする防御的なものであることを強調するものであります。
 政府は当初海上運送法改正により事態の解決をはかる考えであったが、OECD加盟問題を控え、加盟国がそれら「海洋の自由」の原則に立ち、米国の措置に抗議している現在、海上運送法の改正はわが国海運政策の転換ととられ、OECD加盟に支障を来たすとの観測からこれを取りやめたと伝えられ、事実提出予定法案の中に入れられながら、海運政策を論じられている今日に至るもその提案の空気がないことは、かかる理由にあるものと推測されるが、卑屈な態度というべきであり、大国意識は国内向けであり、われわれのとらざるところであって、問題の所在を正確につかみ得ない外交の弱さを露呈したものであります。OECD加盟国である英国の「海洋の自由」は自国海運権益の擁護に比重があり、フランスの石油輸送の自国船使用義務、西ドイツの差別国に対する対抗措置等は、いずれも「海洋の自由」の原則に矛盾せず、ボナー法に抗議し反対している事実を見のがしていることは、OECD加盟に目がくらみ本質的な問題についての正確な判断を誤っているものであります。
 次に、法案の内容について申し上げます。
 本法案は以上申し述べた趣旨に即応し所要の措置を講ずるものでありますから、
 まず第一に、本改正案はオープン同盟についてのみ規定したものであります。
 第二に、運輸大臣は特定のオープン同盟についてのみ盟外船の同盟参加を勧告できることとし、
 第三には、盟外船が同盟参加の勧告に従わぬ場合、そのために著しく当該航路の運送秩序が混乱し、あるいは混乱のおそれがあると認めるときは、当該同盟の協定による特定の品目について運賃等の規制をすることができることとしたものであります。
 第四は、この規制を発効するにあたっては、運輸審議会の意見を聞かねばならぬこととし、その万全を期した次第であります。
 第五は、かかる措置をとるためには、当然現在の外国船に対する定期航路運送業の届出義務を協定参加者以外にも適用する必要があり、所要の改正をいたしたものであります。
 以上で説明を終わりますが、何とぞ慎重御審議の上御可決あらんことを切望します。
#7
○委員長(金丸冨夫君) 本案の質疑は、後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(金丸冨夫君) 次に、海運業の再建整備に関する臨時措置法案、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案、以上両案を一括議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行ないます。
#9
○大倉精一君 すでに質問も出尽くしておりますので、最終的に簡単に一、二お尋ねいたします。
 まず、第一点は、企業の合同集約の問題でございますけれども、先般の船主協会の方々の発言もありましたように、政府の意図しているように必ずしも一年間でスムーズに合併集約ができるという情勢ではないようでありますが、こういう点について最終的に政府の所信をひとつ伺いたいと思います。
#10
○政府委員(辻章男君) 今御指摘がございましたように、企業の合併統合ということは非常に困難な問題でございまして、いろいろと紆余曲折があろうかと考えております。ただしかし、むずかしいからといいまして、ある期間を長くするということをいたしましても、結局、まだ期間があるということで、そういう心がまえになりますと最後の決心がつきがたいというふうな点もあるわけでございまして、私どもとしましてはできるだけ早く統合集約を完成させたいと考えております。もちろんある程度の期間は必要と考えておりまして、大体私どもの腹づもりでは、本年の十二月くらいまでに最終的な整備計画を提出をお願いしたいというふうに考えておる次第でございます。
#11
○大倉精一君 この問題はこの法案のきわめて重要な一つの要素だと思うのですけれども、単に希望とかあるいは期待をするだけではいけないと思うのですが、大体の現在の進行の状態並びにその見通しについて――希望じゃなくて、見通しについて確信のあるところをひとつお聞かせを願いたいと思います。
#12
○政府委員(辻章男君) すでに、本法案が政府におきまして決定して国会に提出になりましてから、関係の海運企業は集約の方向に種々と努力をいたしております。現在相当程度進んでおりまして、先ほど申し上げましたようなスケジュールで集約は完全に行ない得るものと私どもは確信しておる次第でございます。
#13
○大倉精一君 この集約に伴って、先般も参考人がいろいろ不安であることを申し述べられておりましたが、私も先般ちょっと御質問申しましたら、特にこの従業員の措置について、たとえば海上における従業員の措置については、配置転換等、あるいは他の方法によって解決がつくようなお話がございましたが、陸上の部門については、どういう結果になるか非常に不安があるようでありますから、これに対する措置についての具体的な対策というものはどういう考えをお持ちになっておるか、お聞かせ願いたいと思います。
#14
○政府委員(辻章男君) いわゆる陸員の雇用の問題でございますが、これは私どもかねがね集約に伴います非常にむずかしい問題であるということを考えまして、また経営者におきましても十分その点は認識しているわけでございます。私どものほうからも、関係の企業に対しまして、円滑に行なわれるようにということをしばしば勧奨いたしております。各海運企業の心がまえとしましては、陸員を不安に陥れるようなことのないようにということで、各企業別に種々対策を考えておるわけでございます。その対策の内容としましては、あるいは希望退職者を募りますとか、あるいはその会社の関係の企業への配置転換を考えますとか、あるいは一部は将来の船腹拡充を考えまして温存をはかるとか、種々の考え方があると思うのでございますが、それらをその企業の性格によりましていろいろと研究し、実施に移そうという段階でございます。
#15
○大倉精一君 この問題については、労使協議機関を設けてもらいたい、こういう希望が強く要請されておるというふうに聞いておるのですけれども、労使がお互いに話し合う場というものを作るということ、そういうお考えはありませんか。名前は、協議機関という名前にこだわることはないのですけれども、そういう機関を設置をして、そうしてこの問題を双方話し合う、こういう場を作る必要があると思うのです。今局長がおっしゃったように、希望退職という言葉もあったけれども、希望退職というものは本来ないのです。希望退職というのは首切りなのです。退職を希望するといったら普通の自然退職であって、希望退職なんというものはない。そういう言葉を使わなければならぬということに問題があるのですが、そういう協議をする場を設ける、こういう御指導をなさる考えはありませんか。
#16
○政府委員(辻章男君) これは、先ほど申し上げましたように、現在各企業ごとに話し合っておりますので、各企業ごとの経営者と労組との間の話し合いの場というものは大いにあるのじゃないか、また現にそういうことをやっておるというふうに聞いておるわけでございます。
#17
○大倉精一君 これは、政府のほうで統合集約という、こういう政策を打ち出してきておる。そういう政策を打ち出してきた以上は、そういう人間に対する問題についても政府は責任を持ってめんどうを見、指導をしなければならぬと思うのですけれども、これはこの前から、各企業ごとにやっていると思います、うまくいっていると思いますというだけでは、責任を果たすことができないと思いますが、かなり積極的にこの問題について政府は指導していくお考えはないのか、そうしなければいかぬと思いますが、大臣どうでしょう。人間の問題です。
#18
○国務大臣(綾部健太郎君) それは、石炭の場合と趣を異にいたしておりまして、海運はこれによってさらに発展せしめようとする趣旨でございますから、私どもは、その問題について、必ずや労使の間に、あるいは相互間に妥結して、さらにさらに強くなるような方向に向かうことを信じております。それにつきまして、大倉さんのおっしゃるような機関を、労使間でうまくいかない場合は、私どもは労使双方に話し合いの場を作ることにやぶさかではございません。またそうしたいと思っております。御趣旨ごもっともと考えまして、さようなことは私はないと思いますけれども、もしそういう場合があれば、そういうことをやりたいと思っております。
#19
○大倉精一君 質問はこれでやめますけれども、特に私きょう二点について所信をお伺いしたわけですけれども、集約合併という仕事は非常にむつかしい仕事だと思いますから、これに対しましては遺憾のないように措置をしてもらいたいということと、特に一つの問題は人間問題です。今大臣からお話があって、いささか安心をしたようなわけでありますけれども、そういう場合に積極的にこの問題についての指導をしてもらいたい、この二点だけを要望いたしておきます。
#20
○委員長(金丸冨夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#21
○委員長(金丸冨夫君) 速記をつけて。
#22
○岡三郎君 一、二質問して政府の所信を伺いたいと思うのですが、まあ不経済船との関連で、一応戦標船とかあるいはタンカーの建造が大型化していく、こういうふうになってきておるわけですが、大きな船を作るということになると、現在の日本の造船能力、こういうものから見て、非常に造船業界自体も再編の段階に入ると思うのですが、一体どのくらいの大きな船を目がけて今計画をしておるのか、その点についてちょっとお伺いしたいと思うのです。
#23
○政府委員(辻章男君) 現在一番大きな船は、御承知のように、出光興産が作りました十三万重量トンの船が一番大きいわけでございます。タンカーがやはり一番大型化の先端を切っておるわけでございまして、今十三万トンの船に続くという計画があるのはまだ聞いておりませんが、大体八万トンないし十万トンくらいのものをいろいろ検討しているという会社が多いように伺っております。
#24
○岡三郎君 そうすると、それに見合う造船能力というものは、先般運輸省で発表したのかどうか知らぬけれども、四カ所程度になるのじゃないかという話があったのですが、この点についてはどう考えておりますか。
#25
○説明員(鈴木春夫君) 大型船の設備につきましては、造船所におきまして数カ所新設計画などを持っておるようでございます。それで、現在私どものほうで今後の需要と造船能力の関係を調査中でございますが、大型施設については多少不足であるという傾向が出ております。中型施設については一応余るというようなことでございますが、今後造船所で大型施設の計画は相当程度受け入れなければならぬだろうかというような関係に考えております。
#26
○岡三郎君 まあ何カ所か不足で予定をしておるというのですが、現状において八万トンないし十万トンの船を作るのに適格な造船所というのはどこですか。
#27
○説明員(鈴木春夫君) 大型船のトン数にもよりますが、現在非常に大きなクラスに属する船を作れるといわれておりますのは、長崎造船所、三井造船所、それから日立の因島造船所、佐世保船舶工業、それから神戸の川崎造船所――これはちょっと規模が小さくなります。それから横浜造船所、その程度でございます。それからもう一つ播磨造船相生工場でございます。
#28
○岡三郎君 今計画されているところはどこですか。
#29
○説明員(鈴木春夫君) 現在計画されておりますのは、三井造船で大型の改造を計画しております。これは造船法によりまして許可をしております。それから因島工場、これも既設のものを拡張するという計画がございます。それから新設の大きな工場としましては、石川島播磨重工が根岸に新設工場を、これはすでに許可をいたしております。そのほか会社として計画中でございますのが、長崎、それから日立がございますが、具体的にはまだ私のほうで許可は出ておりません。
#30
○岡三郎君 そうするというと、これは大臣に聞かなければならぬのですが、今言ったように、大型化になってきて、特定造船所が仕事を引き受けることになると思うのですが、そうするというと、中型造船所というものを一体どういうふうに考えていくのか。と同時に、もう一ぺんここで聞きたいのだが、これは専門的ですから、あとで大臣に聞きますが、小型、中型というと一体どのくらいのトン数を考えておりますか。
#31
○説明員(鈴木春夫君) 大型で不足のものは、グロストンで申しまして三万五千トン以上のものが多少不足の傾向が出てきておるわけでございます。それ以下の分で、相当余剰能力、バランス上余ってくるというような傾向が出ておるわけでございますので、一番問題になりますのは、グロストンでいきまして一万トンとか二万トン、その辺が、最近それに見合うような船が非常に少のうございますので、その辺の能力が相当余ってくるというふうに考えております。ごく小型のものは、大体需給関係はそう違ってこないと推定をしております。
#32
○岡三郎君 運輸大臣に伺いますが、そうすると、中型の造船所、これを政府はどういうふうに考えておりますか。いわゆる今後大型の船を集約して作っていくということになると、中型造船所というものは仕事が漸次減ってくるということになれば、これに対しての政府の施策というものはどういうふうに考えておりますか。
#33
○国務大臣(綾部健太郎君) 主として内航の船舶を建造するようになるかと思います。現に私どもは、内航の懇談会を運輸省の中に、これは法律できめたものではございませんが、運輸大臣が諮問するという形で、内航業者に御参集を願って、そしてただいま御指摘の造船問題あるいは内航の船舶の合理化等について検討をいたしておりまして、そういうことの不足あるいは余剰のないように研究いたしておりまして、日ならずして結論が得られると思います。
#34
○岡三郎君 海運局長に聞きますが、諸外国においてこういうふうな趨勢に対していろいろと対応すべき策をとっておると思うんですが、そういう点にかんがみて、修理工場みたいなものになってしまうのかどうか。今いろいろと、内航のほうに回すんだ、内航船の建造に充てれば大体いいんじゃないかというのだが、どうも私はそのようなことでは中型造船所に対する対応策というものが薄弱だというふうな気かするのですが、そこで最近三菱系統で三社合併というふうな問題でいろいろと企業の合理化等を急いでおるようですが、やはり海運の集約化、それから海運の中における今言ったような造船の大型化というものに伴って、造船界においても再編の問題というものが出てくるような気がするのですが、あるいは合理化というものについて相当真剣にならないと船台があいてしまう、こういうふうなことで、相当大きな問題がここに出てくるし、それに伴う労務者の問題、失業問題、こういう点については、常用ではなくして臨時が多いので、それをさばいていけば何とかなるのではないかというふうな、そういうふうな情勢もあるやに聞いておりますが、この点どうなんですか。
#35
○説明員(鈴木春夫君) 中級造船所の対策でございますが、現在のところ国内船も注文が非常に少のうございます。それで、小型船をやるか、大型船をやるか、やはり造船を継続する上におきましてはいずれか対策をとらんならぬわけでございます。ところが、小型造船所も大体そう不足――能力的に不足というような状態ではございません。また、大型施設に小型をかえていくというふうなことも、非常に大きな問題があると思います。それで、中型造船所の問題といたしましては、どうしても過剰、これをどうしていくかという問題、われわれ非常に今研究中でございますが、なかなかいい答えが出ていないわけでございます。一つの試案といたしまして、今後不足をいたします大型施設、これを作るのに見合いまして、遊休化するような中型施設を使わないようにする、スクラップするというような考え方、それからそういう中型施設を使いましてほかのほうの仕事をやる、経営の多角化というような方法、その他いろいろ方法を考えていかなきゃならぬというふうに研究中でございます。
#36
○岡三郎君 この世界の情勢の中において、原水爆の発明以後平和な状態が不規則ながらも続いていくわけですが、経済的に見て二、三万トンの船が不経済であるといっても、根本的にいろいろな面から考えてみて、経済的にのみ大型化ということによって将来困ることがないのかどうかという点について検討されたことがあるのか。つまり、戦争状態というものが想定されない現状においては、こういうふうなことを言うことは無理かもわからぬけれども、しかし大きな船のみを作って経済効果をねらうということだけでよろしいのかどうかという問題が出てこないのかどうか、それは一つの課題だと思うのですがね。結局、現在までずっと見ていて、中型船がだんだんだんだんと使用しにくくなってきて、それからだんだんと大きな船になってきておるが、私が一番心配しているのは、今まで岸壁にしても何にしてもあまり大きなものではなく、大体二、三万程度のものを中心に港湾その他の調査というものも考えられてきている。そこで一挙に最近の情勢として大型化にいかなければ何とも商売にならぬ、こういう点はよくわかるのですが、それに伴うところのいろいろな施設とか、そういうものについて抜本的にやはり、通産省とも関連するわけですが、考えてもらわぬというと、非常に被害が大きく出てくるのではないか。そういうふうな点で、スクラップ化してしまって、そこに大きな造船所を作るならばいいけれども、大型の船といっても、これはやはり隻数が限定されてくるのではないでしょうか――というふうに考えていくというと、造船界というものもやはり当然集約化されてくるのではないか。そういうふうな点で、運輸省と通産省との話し合いの中で、この企業の合併ということも一、二出てきていると思うのですが、やはりこういう点について、根本的に中型造船所の再起の方法といいますかね、こういう点について、今の答弁でいうとまことに不安なんですがね。そういうふうないわゆるスクラップした場合の従業員というか、そういう労働者に対する考え方というものが何かまだ欠けているような気がするのですね。最初言ったように臨時雇いが非常に多いので、そういう者を解雇すれば形が整う、こういうふうに考えているような話もあるのですが、この点についてもう一ぺんひとつ、中型造船所の仕事がなくなるという関連の中から、そういう問題をやはり十分検討してもらいたいと思うのですがね。この点について、内航船にかわる、こういう今運輸大臣の話があったのですが、その見通しについて、労務者を吸収できるという見通しなんですか。
#37
○国務大臣(綾部健太郎君) その結論は、先ほど申しましたように、内航の懇談会で結論を得まして、それでないとちょっと見通しは立ちにくいのですが、私は、いろいろ輸送物資の増加等によりまして、必ずしも不可能でないと考えております。したがって、結論的に、そこに働く労務者の問題については、今考慮の域に達しておらないと思いますが、御趣旨に従いまして、十分注意いたして、そういうことのないように努力をいたしたいと思います。
#38
○岡三郎君 やはり造船界の再編ということは避けられませんね。それはどうですか。
#39
○国務大臣(綾部健太郎君) そのとおりでございます。避けられないと思います。
#40
○岡三郎君 その場合において、繰り返すようですが、そういう点についても十分ひとつ配慮してもらわぬといかぬと思うのです。ただ、最近ソビエトや何かで、いろいろと漁船とか何とか、そういういろんな関係の注文もあるように聞いておりますが、ああいうものはどのくらいの船なんですか。
#41
○国務大臣(綾部健太郎君) それは、ソビエトの、最近の何で、大体一万トン内外の漁船が多いようです。そうして、本年度はそういう注文がありますから、本年・明年は中型の船台も今のところではあかないのではないかと思っております。三十六万何千トンかくらいで契約をいたしております。それが大体一万トン内外から小さいのは三千トンくらいですから、ちょうど今御指摘の中型造船所向きの船が多いのではないか。そこで、私どもは強く通産大臣に要望して、そうして延べ払いその他の条件を緩和して、その契約を成立するように努力いたしているような次第でございまして、本年・明年の間には今申しました中型の造船所があくというようなことはないと考えております。
#42
○岡三郎君 そこら辺の再編の過程を、ひとつ外国のいろいろないわゆる船の建造という問題との関連性も考えてうまくやってもらいたいというように考えておるわけです。
 それからもう一つは、この再編に伴って、海運界の集約に伴って、オーナーの問題がやはり残ると思うのですが、最終的にオーナーというものをどういうふうにするのか、つまり企業の集約をしてその中に系列化するといっても、用船料の問題その他でかなり問題がある。先般郵船の社長が言ったように、大きな船を作るのには利益をいろいろと配分等も考えて立ち直りをさしていくような点も配慮しているんだというようなことを言っておりましたが、根本的にいって、やはり高船価の問題を含めて、不経済船の問題は日本の海運の再建にとって非常に大きなガンになる。そこで、今回は取り急いでオペレターを中心にして問題を解決していこうという方向になっておりますが、この点について、運輸省として見通しはどういうふうに考えておりますか、オーナー対策というものを。
#43
○政府委員(辻章男君) 私どもとしましては、オーナーであるがゆえに特に排除するという考えもございませんし、またオーナーなるがゆえに特に育成をしなければならないという考えも持っていないわけでございます。ただ、今後の傾向といたしまして、鉱石船なり、あるいは油送船なり、そういうふうな専用船的なものにつきましては、みなオーナーでなくてオペレーター――運航業者が中心に作っていくという傾向は一そう強まってくるんじゃないか、そういう観点から、オーナーというものの海運界に占めまするシェアというものがだんだんと現在よりも減ってくるんじゃないか、かように考えておる次第であります。
#44
○岡三郎君 そこで、根本的にいって、この再編の場合において不経済船というものが非常にガンになってくることは、今までの御答弁でわかったのですが、今後この問題を大きな課題だということで、一応たな上げになっているような形ですが、最終的にこれをどういうふうに――先般のあれでは、穀物輸送その他に改造して使うという回答が一、二あったのですが、その程度では問題の解決にはならぬというふうに考えるわけですが、結局最終的には、減資その他を行なって、そうしてこれを系列化さして、オペレーター中心に再起をはかるというようなことになるのか、その点一体どういうふうに考えているか、最終的な不経済船に対する一つの措置というものを……。
#45
○政府委員(辻章男君) この不経済船の問題と、しかもその船がスエズ・ブームのときのいわゆる船価の高いときに作られたという二重の不利益な要素を持っている船が多いわけでございます。いわゆる、今御指摘のございましたように、二万トン程度のタンカーのような船につきましては、穀物輸送に利用いたしますとか、あるいはすでに石炭の輸送のために改装をした船もございますし、また一部は大阪の埋め立てのための土砂運搬に利用するために改装したというものもございます。何とかそういうふうに合理的な用途にできるだけ改装をしていくという考えを持っております。それから、その不経済船のもう一つの要素でございますいわゆる船価の高いもの、いわゆる高船価に対する問題としましては、今回の集約によりまして、一部集約による合理化によって吸収されるものもあると思うのでございますが、中にはそれだけでは解決できないものもある。そういうふうなものにつきましては、今後の推移を見守りつつ何らかの対策を検討していきたい、かように考えている次第でございます。
#46
○岡三郎君 何らかの対策というと、どうもたよりないのだが、辻さんは今度かわってしまうので、だれが海運局長になるかわからぬが、どうもそういう点で、何かそのときそのときの対応策ということにとらわれてしまう、こういう印象が強いのですが、運輸大臣としても不経済船の問題についてのいろいろな考え方があると思うのですが、なかなか今ここでこうするというわけには参らぬ情勢だとも思います。しかし、全体から見て、今までとったいろいろの措置、その中でやはり政府が負わなければならぬ責任もかなりあると思います。一般国民的な立場からいうと、何でもかんでも助けて温存するというわけにもまた感情からいって許されない、こういう面もあって、むずかしい点もよくわかるのですが、しかし、さればといって、この問題についてのやはり解決策なくして、日本の現状における海運の再建の全般的な対応策というものは欠けているような印象が非常に強いのです。そういう点について、非常にむずかしいので、これ以上申しませんが、運輸大臣といたしまして、不経済船に対して、先般われわれが言ったように、糊塗的手段でその場を切り抜ければいいのだということになるというと、港湾に従事している労務者その他が非常に問題視している特に穀物輸送なんかについても、いろいろと構造をかえていって、そうして適応するような形にしたいといっているけれども、なかなか簡単にこれについてうんというわけに参らぬ状態にもあると思うのです。そういうふうな点で、一面においてはこれの解消については相当強力にやらなければならぬし、といってそれに伴うところの周辺に与える影響というものも十分御考慮いただけると思うのですが、そういう点については、ひとつ急速にやはりこれに対する対策というものも樹立してもらいたい、こういうふうに考えます。
 以上で終わります。
#47
○委員長(金丸冨夫君) 御質疑はございませんか。ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#48
○委員長(金丸冨夫君) 速記をつけて。
 両案の質疑はこれにて終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#49
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないと認め、さよう決しました。
 これより両案を一括して討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにして順次御発言を願います。
#50
○岡三郎君 私は、日本社会党を代表して、海運関係二法案に対して反対の意思を表明したいと思います。
 今までいろいろと両案について審議をして参ったわけですが、基本的に、今日の日本の海運界の不況の原因については、従来とられて参りました政府の海運政策そのものにやはり基本的な欠陥があったのではないか、こういうふうに考えざるを得ません。特に、今回出された二法案について、海運の現状から見てやむを得ない措置であるし、また国全体から見て、国際収支の関連から見て、やはりすみやかに海運の再建をはからなければならぬという、こういう点については、十分わかるわけでありまするが、それならば、この海運再建についてこういうふうな施策を推進すると同時に、われわれとしては、海運全体を振興するためには、やはり内航海運の問題とか、あるいは港湾関係の近代化とか、いわゆる総合的にもう少し抜本的な解決策というものを作ってもらわなくてはいけないのではないかという、こういう感を強くするわけです。
 したがいまして、参議院といたしましては、港湾関係なりあるいは内航関係についても、なおなお十分審議を尽くしていきたいという気がするわけですが、今までの御答弁の中でも、せっぱ詰まった海運の再建、これに伴う措置として、今言ったような海運界の集約化、あるいは造船の利子補給、いろいろな問題についても、われわれも検討して参ったわけですが、どうもこれだけで考えてみるというと、大企業については非常に熱心ではあるけれども、それに付随する中小企業全体に対する政府の施策というものが片手落ちではないのか、こういうふうな感を強くするわけです。この点が第二点です。
 それからもう一点は、いろいろと質疑の過程の中で、海運の集約化、企業の集約化、これが今年一ぱいになされるということでございますが、これに伴うところの、海運事業に従事する従業員、特に陸上関係の従業員についての問題について、やはりわれわれとしてはきめのこまかい対策というものがなされる必要があるのではないか。ところが、この二法案を見まするというと、大企業の集約、それに伴って海運の再建というものを急速に推し進めるということの陰に、そういう従業員自体の生活の問題というものが非常にラフに取り扱われておるような気がするわけです。この質問に対して――先ほども同僚の大倉委員からもあったわけですが、やはり海運全体が再建されるという中において、当然今まで従業員も苦楽をともにしてきておるわけです。そういうふうな点で、まあ運輸大臣は心配がないように極力やると申しましても、われわれはもう少し、その配置転換なり、あるいはその吸収策なりというものを明示してもらいたい、こういうふうに申し上げても、具体的な対応策というものが、われわれが納得するものがないわけです。こういう点について、やはり大きな国としての施策を推進する陰に多くの犠牲者が出るというこの懸念はどうしても払拭できないわけです。そういう点で、労務者対策というものも十分に今後考慮さるべき当然な問題だろうというように考えますが、こういう点についてまことに不安定であるし、不十分な対応策しか聞けなかった、こういうふうに考えまして、この点を考えるというと、どうしてもこの海運関係二法案のみにおいて海運が明瞭に再建されるというふうな段階ではまだ十分でないのではないか。もう少し総合的に施策を進めて、そうして、どうせ国の金を使うというならば、これに伴う関連のあらゆる問題についてもきめこまかくやはり政府としては対応策を作って提示すべきだ。こういうふうな多くの問題点を残して、大企業のみが国際収支のバランスをとり、日本のいわゆる国策としての立場においてこれは擁護される、こういうことでは、片手落ちのそしりを免れないと思います。
 以上のような点について、海運二法案自体が今後の日本の再建に役立つということについては、認めるのにやぶさかではございませんけれども、総合的なそういう配慮というものを考えた場合に、今すみやかにこれに賛成して、今後見守るというよりも、この法案については根本的にまだ欠けておるという観点に立って、社会党としては、反対しつつも、今後の海運の発展について十分留意していきたい、こういうふうに考えます。
 以上申し上げて社会党としての意見の開陳を終わります。
#51
○天埜良吉君 私は、自由民主党を代表して、海運二法案に対し賛成の意を表明するものであります。
 わが国の基幹産業として、海運業は国民経済上きわめて重要な地位にあるのでありますが、戦時補償の打ち切り等の諸般の事情によりまして企業内容は極度に悪化しております。企業基盤は著しく脆弱化しておるのであります。このままでは、発展途上にある国民経済の要請に応じて所要船腹の確保をはかることはきわめて困難な事情にあります。すなわち、海運業の再建整備をはかることは喫緊の要務であると思われるのであります。
 そこで、この二法案は、海運業界に対し集約再編成と徹底した合理化を要請し、政府、金融機関及び海運会社の三者が一体となって海運業の再建整備をはかるとともに、今後の新造船に対しては造船利子補給制度を強化して、国際競争力の強化をはかろうとするものでありまして、まさに世論の要請にこたえた画期的な内容を持つものと思います。
 しかしながら、海運業の再建整備をさらに促進するためには、老朽船や不経済船の処理対策を検討し、船質の改善をはかるとともに、海上輸送秩序の確立のための諸施策の推進に努めるべきであると思うのであります。また、海運業の集約再編成に際しては、従業員に関する雇用の安定が不当に害されることがないように特に配慮する必要があると思うのであります。
 よって、以上の諸点について政府が善処されるよう要望いたしまして、この海運二法案に賛成をするものであります。
#52
○浅井亨君 私は、公明会を代表いたしまして、海運二法案に対しまして賛成の討論をいたしたいと思います。
 今や、わが国国民経済の発展に伴いまして、外航船腹拡充が必要であるということは言うまでもありません。しかし、企業内容の著しく悪化しているわが国海運業界の現状では、所要船腹の建造を確保することはきわめて困難であると申さなければならないと思うのであります。したがいまして、この際、抜本的措置を講じて海運業の再建整備をはかるとともに、海運助成を強化して、経営基盤を確立することはぜひとも必要であると考えるものであります。
 かかる観点から、この海運二法案に対し賛成の意を表するものでありますが、これのみをもって海運業の再建整備を達成し得るかいなかにつきましては、なお問題は山積いたしておると思うのであります。したがいまして、この二法案の実施にあたりましては、政府は次の諸点を十分に考慮されたいと思うのであります。
 第一点は、海運業従事者の雇用の安定の確保であります。およそ現代の社会におきましては、いかなる政策も雇用の安定を無視して実施されることは絶対に許されないものであります。雇用の安定に基礎づけられた勤労意欲の向上によりその政策はなお一そうの効果を期待できるものと思うのであります。このたび海運企業の集約、再編成にあたりましても、海、陸従事者の犠において強行されることのないよう特に配慮されたいと思うのであります。
 第二点は、海運業の再建整備をさらに促進するための施策についてであります。現在老朽船や不経済船あるいは高船価船がわが国の海運経営の大きな重荷となっていることは否定するべくもないところでありまして、かかる事態をこのまま放置しておいては、海運業の再建整備をはかることはまさに至難であると申さねばなりません。よって、海運二法案が所期の目的を達成し得るよう、これらの老朽船、不経済船、高船価船等に対して適切な対策を講じていただきたいと、こう思うのであります。
 以上の二点を特に強く要望いたしまして、私の賛成意見といたしたいのであります。
#53
○中村正雄君 私は、民社党を代表して、海運二法案に賛成いたします。
 ただ、この法案が、海運界がここまで追い込まれまする前、すなわち数年前に提出されておりましたならば、あるいは起死回生の策となったかもわからないと思いますると、実に残念にたえないわけであります。したがって、今後の問題として、この法案に対し二、三の希望を申し述べておきたいと思います。
 第一は、海運企業の集約化についてであります。現在わが国海運業が、多数の小規模企業の乱立によって過当競争が行なわれ、そのための収益の低下、投資の不足、ひいては国際競争力の弱小等の関係から、一定の規模にまで集約化することが必要であるということは、だれしも認めるところであります。ただ、これが実施にあたりまして、本法は、海運企業整備計画審議会に対する諮問、運輸大臣の認否等の措置を規定いたしておりますが、政府に特に要望いたしたい点は、集約の目的ということが海運業の発展にあるという点にかんがみまして、業者の自主性を十分尊重し、いやしくも官僚統制のにおいがあったり、あるいはまた金融機関の債権確保の手段と見られないように、十分の配慮を願いたいと思うわけであります。
 第二は、集約化に伴いまする従業員の地位の問題であります。この集約化によって、海陸従業員は一時的に余剰ができることは当然予想されるわけであります。特に今後の問題としては、不経済船の問題等を考えますると、船員の部門においては特に問題が多いと思います。したがって、これらの問題につきましては、どこまでも第一義的に労使がこれを解決するという立場に立ってこの問題を推進されたいと考えるわけであります。しかも、一企業の問題でなくして、海運業全体の問題として労使がこの問題を解決する。その上に立って、行政当局、国が援助するという立場をとって処理していただきたいと考えるわけであります。いやしくも、行政当局が援助する一つの口実のもとに労使間に介入して、不当に雇用の問題について介入するということのないように、政府にお願いいたしたいと思うわけであります。
 第三点は、外航船につきましては、この問題によってある程度の将来が明るい見通しも立つわけでありますが、内航の海運につきましても、やはり外航・内航は海運界の両輪でありまして、これらの問題につきましては、やはり今後の問題として、十分政府のほうで内航船につきましての今後の発展についての考慮をわずらわしたいと思うわけであります。申し上げるまでもなく、内航船につきましては、おそらく一千社以上の小さな業者があるわけであります。これらの問題を今後どう集約し、どう援助し、内航海運の発展を期するかということにつきましては、外航船以上の問題があると思いますが、これらも早急に政府のほうにおきまして新しい方策を立てて、外航・内航両方とも日本の海運界が発展できるような措置を望みまして、私の討論を終わります。
#54
○加賀山之雄君 私は、第二院クラブを代表して、本二法案に賛成をいたします。
 この際政府に対して要望申し上げたいと思いますが、この賛成反対両討論に現われておりますように、今までの海運政策というものが、われわれから見ますと、非常に心もとない状態で今日まで来た。まあそれが今日の、何と申しますか、非常に窮境に立つ原因になっておると思うのでありまして、政府においては、海運政策について、今までとはさらに違ったひとり卓見を持って、今後十年先、二十年先の国際海運に処する政策をはっきりと打ち立てていってもらわなきゃいかぬ。これはまあ内航についても同じことが言えるわけであります。たとえばスエズ・ブームのときは、それこそ生めよふやせよで船を作れ作れ。それが今日の悲境のもとになった。今後、ただいまいわれておる造船に対する政策にいたしましても、うんと先を見通しての指導がないと、これはもちろん官僚統制はいけませんけれども、そういう指導をするのが政府の重要な役目で、造船、海運を通じて正しい卓見に立った海運政策の樹立をお願いしたい。
 それから、この今回の措置は、これはわれわれから見ますると、あるいはおそきにも失しておりましょうが、最小限度の施策であると思わなきゃならぬ。これをもって海運がほんとうに今の悲境から脱すれば非常にけっこうであるが、私はこれだけではとうていまだ、あるいは五年後、あるいは七年後、あるいは十年後にどうなっていくか、自信を持ってこれでいいんだということは言い切れまいと思う。そこで、政府としては、もちろん、各企業の自主性、自立の心がまえをくじかないようにこれを激励しつつ、そうして政府、あるいは経済界、金融界あげてひとつ、これは単に海運の問題ではない、日本の国策の問題であるという観点に立って、協力体制をしいて、少しでも気力をそぐというようなことをしないように、したがって、弾力的に、またきわめて温情的というと語弊がありますが、これをまあ海運に対する恩恵的な処置だというような考え方でなしに、ほんとうに国策としてこれをやるのだという心がまえで、企業自体の自主的な心がまえをますます高めるような方式をとっていっていただきたい。
 この二点を要望して討論を終わります。
    ―――――――――――――
#55
○委員長(金丸冨夫君) 途中でありますが、委員の異動がありましたので、報告いたします。
 本日付をもって委員前田佳都男君が辞任され、その補欠として川野三暁君が委員に選任せられました。
    ―――――――――――――
#56
○委員長(金丸冨夫君) 他に御発言がなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#57
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認め、さよう決しました。
 これより各案について採決をいたします。
 まず、海運業の再建整備に関する臨時措置法案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#58
○委員長(金丸冨夫君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法及び日本開発銀行に関する外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本法律案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#59
○委員長(金丸冨夫君) 多数でございます。よって、本法案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、ただいま決定いたしました両案について、諸般の手続等は先例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#60
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認め、さよう取り扱うことにいたします。
#61
○相澤重明君 議事の運び方について。
 私はもちろん討論採決が終わったから申し上げるのですが、今まで各派の皆さんの御意思も表明されたとおり、やはり政府に十分対策がこれからも立っていかなければならないという要望が多かったと私は思う。この点については、衆議院の段階でも、与党の側から、そういう問題については付帯決議として提案をせられておるわけだ。私は少なくとも、やはり参議院においてそういう各派の意見があるならば、当然そういう付帯決議等をなさるべきだと思っておりますけれども、まあ多数の意思がそれも必要がないとおっしゃればそれまででありますが、できるならばそういうふうにやはり前向きの姿勢をとらせるということが本来の本委員会における審議の過程であったと私は思う。またそういう御結論だと思います。そういう意味で、もしできるならば速記をとめて御懇談をいただいて、それでもなおかつ必要がないとおっしゃるならばそれはけっこうですが、できるならばそういうふうにしていただくのがけっこうではないか、こう私は思うのです。
#62
○委員長(金丸冨夫君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#63
○委員長(金丸冨夫君) 速記をつけて。
 この際、綾部運輸大臣から発言を求められましたので、これを許します。
#64
○国務大臣(綾部健太郎君) 国家再建に重要なる役割を持ちます海運二法案その他につきまして、ただいま御決定をいただきまして、政府といたしましてもその御労苦を多とするものでございます。厚くお礼申し上げます。
 この法案の施行にあたりましては、皆様方の御要望を十分取り入れまして、たとえば整備計画の承認等、本法の運用にあたっては、真にわが国海運業の再建整備の目的を達するよう、実情に即してできる限り弾力的に考慮をするとともに、海運業界が積極的に再建整備をはかるよう行政指導を行ないたいと思います。
 また、企業の集約等によりまして海運業に従事する従業員の地位が不当に害されることのないよう特に配慮いたします。
 また、不経済船の処理、内航海運対策等についても、すみやかに抜本的な措置を考究いたしまして、皆様方の御意見に沿うよう努力いたす所存でございます。
 以上本案に対する政府の所信を申し上げましてごあいさつといたします。
#65
○委員長(金丸冨夫君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#66
○委員長(金丸冨夫君) 速記をつけて。
 次回は六月十一日午後一時開会とし、本日はこれをもって散会いたします。
   午後零時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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