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1962/06/27 第43回国会 参議院 参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第31号
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1962/06/27 第43回国会 参議院

参議院会議録情報 第043回国会 運輸委員会 第31号

#1
第043回国会 運輸委員会 第31号
昭和三十八年六月二十七日(木曜日)
   午後二時二分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     金丸 冨夫君
   理事
           天埜 良吉君
           谷口 慶吉君
           天坊 裕彦君
           岡  三郎君
   委員
           江藤  智君
           河野 謙三君
           野上  進君
           平島 敏夫君
           村松 久義君
           相澤 重明君
           大倉 精一君
           小酒井義男君
           吉田忠三郎君
           浅井  享君
           加賀山之雄君
  国務大臣
   運 輸 大 臣 綾部健太郎君
  政府委員
   運輸大臣官房長 今井 栄文君
   運輸省船舶局長 藤野  淳君
   運輸省港湾局長 比田  正君
   運輸省鉄道監督
   局長      広瀬 真一君
   運輸省航空局長 栃内 一彦君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       吉田善次郎君
  説明員
   運輸省海運局次
   長       亀山 信郎君
   海上保安庁警備
   救難監     樋野 忠樹君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○運輸事情等に関する調査(航空に関
 する件)(自動車行政に関する件)
 (日本国有鉄道の運営に関する件)
○港則法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(金丸冨夫君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 運輸事情等に関す調査を議題といたします。
#3
○相澤重明君 私はこの際、きわめて重要な問題でありますので、緊急質問として運輸大臣に二、三の点をお伺いしたいと思います。
 第一は、東京国際空港の第二空港設置の問題についての大臣のいわゆる記者団会見というような問題について、これが一つ。
 二番目は、先日国鉄の新旧総裁が交代をしたばかりでありますが、何か新聞にはなばなしく出ておるのは、すでにそういうあとの問題が、人事がいつのまにか表面にアピールされておる。こういうことで、特に運輸審議会委員についての人名が出された。こういう問題について、一体どういう経緯なのか、承っておきたい。
 第三の問題は、御承知のように、名神国道を初めとして、いわゆる自動車通路の問題に関して、長距離バスの問題が大きな課題になっておりまして、しかもこれは緊急を要する問題です。こういう問題について、運輸大臣としてどういう処置をとろうとするのか。この点は、もう日がないから、せっぱ詰まった問題でありますから、私はきょうの冒頭に、他の委員の諸君にも初めて私から提案を申し上げるのでありますが、この点をお尋ねをしておきたい。
 そこで、第一の東京国際空港の第二空港設置の問題については新聞紙上で大臣のお話を承った。私ども、もちろん、現在の東京国際空港がこの状態でいいとは考えておらぬ。日本の国際的な連帯性の中から考えるならば、もっとよりよいものをやはり早く作るということについては賛成であります。しかし、そういう点は、十分起案をされる場合にも相当御相談をされ、あるいはまた予算的な問題もからみますことですから、慎重な御討議の上に話があるのがよかろうと思うのでありますが、新聞紙上で拝見いたしますと、運輸大臣の記者団会見のいわゆる発表ですね、それと、また同じ池田内閣の閣僚である川島行政管理庁長官の話、こういうようなものを見ると、一体何を政府はやっているのだろうかという印象を受けるわけです。こういう点について、私はこまかい問題についてはとやかくじゃなくて、やはり現在の国際空港そのものの当面する課題をどう直していくかということと、将来の展望についての考え方については私も賛成ですが、そういう点についていま少し経緯を話してもらわぬと、これは納得できないわけです。そういう点で、運輸大臣から御答弁をひとついただきたい。
#4
○国務大臣(綾部健太郎君) 現在の羽田国際航空場が、将来を考えますと、しかも近き将来を考えますというと、あそこが狭隘で何とかせにやいかぬというのが世論であります。そこで、私どもといたしましては、その必要性にかんがみまして、本年度予算に一千万円の調査費を航空局としては要求して、すでに配賦されておるのであります。そこで、どこが一番適当かということにつきまして、あるいは技術上、あるいは地方の情勢上勘案いたしまして、今目下鋭意あらゆる一千万円でできる範囲内の調査を航空局が中心になっていたしておる段階であるということを申し上げておきます。しこうして、理想的の航空場をこしらえるためには、大体先進国の飛行場等から勘案いたしまして、しこうして日本が世界の航空路の要衝に当たるという見通しもほぼついておるのでございまして、そのことに関連いたしまして今調査をしておるというのが実情でございます。そうしてまた、それにつきましては、航空技術の面から、ただいま申しましたように、地理的の条件から七百万坪が理想的だといわれておるので、七百万坪の土地をいかにして確保し、いかにして航空場を早く建設するかということについて鋭意研究中でございます。過日新聞にございましたのは、新聞記者の質問に答えまして、七百万坪ばかりの大きな土地を現在、しかも東京都心へ約一時間という時間で来られるようなところというのを考えてみますというと、ああいうところがありはせぬか、こういうところがありはせぬかということを聞かれて、それに対して私は答えたのでございまして、川島長官は、千葉県の私の談話に対して、そういうことにきまったのかと言われるから、きまらないのだ、調査して考え得るところはこういうところであるということに対して、そこは千葉県としては、いろいろな臨海工業地帯、あるいは千葉県のいろいろな住宅問題等について今考えておるところであるから、千葉県の構想とぶつからないようにしてもらいたいという要望が川島長官からあったのも事実でございます。私はここで、どの場所が適格でどこの場所にきまって何とかいうようなことは一切ないということを申し上げます。しこうして、事務当局で目下調査中であるということをつけ加えて申し述べておきたいと思います。
#5
○相澤重明君 私は別にきょうは、ただ新聞発表があったので、そういう点についてはやはり慎重を期してもらいたいことと同時に、われわれとしては賛成なんですよ。だから、できるならば国会においても、各党派がそういう進歩的な意見を出すことは私は賛成なんです。賛成だけれども、同じ閣僚の中で――所管は運輸大臣であるから、運輸大臣がそういう記者会見をして話が出たということはいいにしても、結局一方では同じ池田内閣の閣僚であるところの川島長官がそういう反対の新聞の談話の形式になっているわけです。そうすると、われわれ運輸委員会においても、十分そういう点は相談があるだろうと思ったけれども、同じ新聞記事に並べられておりますからね。そうすると、運輸大臣の言われたことというのは、閣内でも相談をされていないのだ、全く個人的な私見にすぎない、こういう印象を強く受けるわけです。ですから、私どもとしては、少なくとも、それぞれの政調会もあるでしょうし、あるいはまたそういう運輸部会もあるでしょうから、私どもも十分そういう点については研究をする必要もあるだろうと思う。そういうところが何かすっぱ抜かれた形で、そして今一番苦悩をしておる問題がつまらぬところで出されるという印象を受けるのでは困る。ひとつそういう点については大臣も慎重にお考えになっていただいて、統一的な見解を出されるということがよかろうと、私はこう思ったので質問をしたわけです。ですから、われわれは今の東京国際空港がこのままでいいなどとはひとつも考えておらない。もっとよくしていきたい。ぜひこれは国全体としてもやらなければいけないことだ、そう考えておるが、新聞記事から現われる面では、どうもそういうふうに受け取れなかった。こういう点を伺いまして、私は今お話を聞きますと、全く大臣の個人的見解であった、こういうことについては変わりがないわけですね。
#6
○国務大臣(綾部健太郎君) 私どもの省内におきましてまずきめまして、それぞれの機関を経まして、そして閣議にも報告し、全体の池田内閣なり運輸省の政策として打ち出すのが当然でございます。今その段階でありません。ただ新聞記者の質問に答えたのでございまして、特に新聞記者を呼んで発表いたしたのではございません。しこうして、川島君もおそらく、国務大臣という資格よりも、千葉県出身の衆議院議員として、千葉県の状態等を考えまして、千葉県にはいろいろな計画を持っているから慎重にやってくれ、こういうことを言われただけでございまして、まだ公式の席において公式の発言として論議する段階でないということを御了承願いたいと思います。
#7
○相澤重明君 今のそういう点であれば、私も了承いたします。ただ、先ほど申し上げたように、同じ新聞紙上で二人の大臣の名前が並べられて、そういう別々の見解が出されるということについては、われわれはいつも委員長に言うことでありますが、運輸委員会としての立場で言うと、どうも芳しくないということで申し上げたので、今の大臣の所信を聞きまして、これはわかりました。
 それから第二の問題の、私は前回の委員会でも申し上げたのでありますが、運輸委員会の中において、国鉄の新田総裁の更迭問題をめぐっていろいろな世間から取りざたをされたわけです。そうでしょう。そこで私はその際に、特に人事の問題についてはやはり慎重を期してもらわぬというと、なかなか誤解も解けないし、また国鉄自体のことも誤り伝えられることになるのではないかという点を心配をして、新総裁の就任をされたそのあいさつのときにも申し上げたわけです。ところが、その話を新聞等には、すでにもう辞令が出ているように、もう運輸審議会の委員に前国鉄副総裁の吾孫子何がしなる者がというようなことが出されておる。これは全く、そういうまだお互いの気持のほとぼりがさめないうちに、ばかばかと次から次へと出されていくということは、いかにも私は不謹慎じゃないか。こういう点は、運輸大臣は相談をされて、そうしてもうすでにあなたはそういうことをきめられて、新聞に発表されたのかどうか、この点はどうなんですか。
#8
○国務大臣(綾部健太郎君) 私は、人事を慎重に取り扱うべきについては、人後に落ちない行動をとって参ったつもりでございます。吾孫子前国鉄副総裁の運輸審議会委員の件につきましては、御承知のように、両院の承認がなければやれぬことでございまして、その段階にも至っておらないような状態でございまして、これ全くまた私は新聞記者諸君が想像で書いたものと思います。しかし、それがそのとおりになるかもわかりません。それは私の関知するところではなくて、私はそういうことにつきましては、まだ何らの行動を起こしておりません。それで同時に両院の承認を得てやることでございますから、その進行状態をごらん願っていただくという以外に、今日お答えすることは差し控えたいと思います。
#9
○相澤重明君 大臣がそういうふうに答弁されれば、大臣は全然知らなかった、またそういうことを考えて話したこともないということになれは、それがどこからか出て新聞記者諸君が書したということになるわけでありますが、少なくとも、今大臣もお話しになりましたように、国鉄の人事は両院の同意を得るのですから、私はこの人事の問題は、出し方いかんによってはそう簡単にいかぬと思うのですよ。少なくともお互い公党の立場から十分衆議院なり参議院なり国会の場において相談されることはされるという準備がなければ、何だこれは一方的にこういうことは何でもやってくるのじゃないかということになって、私は、国鉄の新旧総裁の交代の経緯から見て、よほど好ましくないと思う。しかし、大臣からそういう話がありましたから、私はそれなりに受け取っておきます。しかし、大臣がお話しにならなくとも、どこからか運輸省の中から出たから、やっぱり出たのだろう、それでなければ何も書きようがないのですから。そこで、大臣の私はお話はそのとおりに受け取りたいと思いますので、やっぱりこういう問題については、ひとつ省内においてもあまり先走ったことをしないで、誤解を受けるようなことをしないように私は話してもらわなければならぬ、これはやっぱり大臣の責任だと思う。その点いかがですか。
#10
○国務大臣(綾部健太郎君) そのとおりでございます。私は戒心をいたして人事は扱っておるつもりでございますが、そういう新聞の記事が出たということは、はなはだ遺憾でございまして、運輸省の職員を今後十分戒飾いたしまして、さようなことのないように努力いたしたいと考えております。
#11
○相澤重明君 第三の問題は、もう七月一日から予定されておることでありますが、これはいわゆる自動車道における長距離バスの認許可権の問題でありますが、政府としては今もう日が幾日もなくなったときに一体どうするのか、こういうことについて、私はきょうは自動車局長も呼んでおりませんが、緊急質問ですから、大臣から――この行政についてはどうするのかということは、あなた自身がこれをきめられることだと思う。そういう点についてひとつお答えいただきたいと思う。
#12
○国務大臣(綾部健太郎君) 国鉄のバスの経営につきましては、民業を圧迫せざることを原則に、大体の方針は運輸省できまっております。すなわち、国鉄でやらんとするバスは、短絡、それから先行、何か四つほど条件がございまして、それ以外は原則としてはやらぬ。しこうして、私どもが今度の名神国道で直面している名神国道のバスの認可につきましては、省議をもって、昨日新聞発表いたしましたように、きめております。新日本急行バス――それは民営バスのほとんど全域のバス業者が発起人になりまして、そうして今後長距離バスの新国道についてのバスの認可は、その私営バス全体が発起人になりまして創立を出願をしている新日本急行バスに……。さきに申しましたように、国鉄バスはサイド・ビジネスですから、その従来の方針に反するような長距離バスはやるべきではない。国鉄の収入を減らすようなことのないように、それは一方において、その国鉄その他による利益を国鉄も同様に――国鉄と並行しておるバスでございますから、それにつきましては収益を得るという目的がございますから、国鉄はそれに出資いたしまして、共同に出願して、その者に許す。それから、それは一社線であって、交通の利便を受ける大衆から言うならば、少な過ぎるから、私どもといたしましては、それと、その地元におけるバス業者の合同したものと、二社に許す方針をきめまして、目下その方針に従って検討いたしておるのが実情でございます。決して私営パスを圧迫するような国鉄のバスはやるべきでないということは、従来の方針に変わりはないのでございます。さよう御了承願います。
#13
○相澤重明君 そうしますと、今の大臣の御説明によりますと、すでに省議としては決定した。そうして、そういう方針に基づいて七月一日から実施をするということですか。それとも、これからまた関係者にそういうことを提示をして――一応運輸大臣としての考えはまとまったが、これから関係者に指示をして、そうしてやるということなのか、すでにそういうことを関係者に話をして、そういう方針で七月一日から実施する、こういうことですか、いずれですか。
#14
○国務大臣(綾部健太郎君) 別に業者に指示をするというようなことはいたしませんで、申請が行なわれるにあたりまして、ただいま申し上げました方針によって処理いたしたいと考えております。
#15
○相澤重明君 そうすると、申請に基づいて、すでにそういう処理を省議としてしたということですね。そうしますと、今のお話を聞いておりますと、いわゆる長距離バスの民営のものが合同して日本急行バスという会社を作って、そうしてそれに認可を与えるということが一つと、それからローカルのものがまとまって、それにいわゆる国鉄等も出資をして一緒になってやるのと、二つを出す、こういうことですか。
#16
○国務大臣(綾部健太郎君) そのとおりでございますが、そういう基本方針がきまったのでございまして、それに照らしてまだ処理はいたしておらないのでございます。さよう御了承願います。
#17
○岡三郎君 関連して。先ほどの第二飛行場の建設という問題に関連して、軍の飛行機と民間の飛行機というものが両用している飛行場もかなりあるわけです。そういう点について、どういうふうにお考えになっておるか。それから、第二飛行場を作る場合において、こういう関連がどうなってくるのか、そういう点についてちょっと質問を申し上げたい。
#18
○国務大臣(綾部健太郎君) それは、そういう点をいろいろ勘案して、Aという土地に飛行場を置くとしたならば、米軍その他の飛行場との管制上の問題がどうなるか、そういう点を今調査して、支障のないような土地であって、しかも七百万坪近いものが得られるというような、そういうことを今検討いたしておるのでございます。
#19
○岡三郎君 そうすると、第二飛行場というのは、併用することにやはりなるわけですか。
#20
○国務大臣(綾部健太郎君) 併用ではないのです。併用ではないが、近くにアメリカ軍の使用している飛行場がございますから、そこに発着する飛行機というのが非常に多いのですから、それと新国際空港との管制上の問題について、いろいろ困難な問題がありますから、それをどういうふうにすれば支障なくいくかということについて検討し、そうしてしかもそれだけの土地が、一時間以内で都心に入れるというようなところを選ばしているわけであります。
#21
○岡三郎君 それで、大きくなって、爆音も非常にジェット機になって強くなる。そうするというと、現在あるたとえば板付なら板付、これはわれわれが見てもまことに工合が悪い位置にあると思うのです。だから、現状における羽田の飛行場が手狭になってきているということはわかる。それで新しく作る。しかし、それだけではなくて、やはり日本全体から考えてみて、非常に無理な飛行場というものは、抜本的にここで検討すべきではないかというような考え方が私はあるわけです。特に軍用機というものに併用されているところの飛行場というものは、これは特に大きな問題をかかえている。ただ、それに対する弥縫策として、騒音防止とか施設に対する補助という程度でありますが、事ごとに問題が起こってきていると思う。こういう点について、やはり運輸省自体としても、これは自衛隊のほうとの関係も出てくると思いますが、そういう点については、こういう飛行場を作る場合においても、十分諸条件を勘案してもらわないと、特に発着がおくれて、飛行場の上で待たされている。そうすると、われわれで勘案するところによれば、羽田の飛行場で浦安あたりは近距離ではないかという感じもするし、いろいろと道路を作る場合の諸条件があるわけです。特に一般民間を含めて、いろいろと、そういうふうなものを作る場合においては、総体的な影響というものを慎重にしてもらわないと、物議が出てくると思います。そういう点で、全国的にやはり、民間の航空を利用するもの、軍の飛行機が利用しているというような点で、いろいろ無理が出てきている点についても、検討すべきだと思うのですが、その点どうですか。
#22
○国務大臣(綾部健太郎君) お説のとおりやっております。
#23
○小酒井義男君 先ほど相澤委員の長距離バスの問題についての大臣のお話と質問者との間の応答を聞いておりまして、少し食い違いといいますか、ロジックの合わぬ点があるような印象を受けたのです。国鉄と民営業者が一緒になってやる高速自動車道路の事業というのは、それは長距離の分であって、ローカルのものは民間の地方の業者が合同をしてやる、こういう方針でいくのだというふうに大臣御説明になったように私聞いたのですが、そうですか。
#24
○国務大臣(綾部健太郎君) ちょっと今の小酒井先生の質問の要旨が私にはのみ込めませんが、もう一度お願い申し上げます。
#25
○小酒井義男君 さしあたっては、名神高速道路の免許の問題は、日本急行バスと国鉄が出資をして、そうしてやらせるのだ、各地方のローカルの問題については、その地域の業者が一緒になって、それに認可を与えるというふうな考え方でいきたいというふうに大臣は御説明になったと私は受け取ったのですが、それに間違いありませんか。
#26
○国務大臣(綾部健太郎君) それは私どもは、今日以後の長距離バスについては、さような考えを持っている。それから、国鉄は国鉄でありますから、鉄道に専念すべきであって、そうしてバスはなるべくもうやらぬようにするのがいいというのが、私の基本的な考えでございます。ただし、ものは例外がございますから、例外につきましては、その事情を勘案し、そこの土地の状況によって善処いたしたいと、かように考えております。
#27
○相澤重明君 今のは、そうしますと、大臣にいま一度確かめておきたいのは、今のは暫定措置で、恒久的な対策としては、今大臣の少し説明で触れたような問題を含んで、これから検討する、こう理解してよろしいのですか。現在七月一日からやらせようとする一部の開業については暫定措置としてそれぞれのローカルの問題も含んで申請者に対して認可を与える、それから今後いわゆる長距離バス等については、できるだけ民営を圧迫しないように、いわゆる民間の会社を合同さして、そういうものにやらせるのだと、こういうふうに受け取っていいですか。
#28
○国務大臣(綾部健太郎君) そのとおりでございます。
 そうしますと、先ほど大臣からお話が、ただいまもありました、日本急行バスにしても、これは会社を設立しなきゃいけないわけですね、合同したものを。それはやはり、合同して申請をされたときに初めて認可がおりてくる、こういうことになりますから、これは時間が若干かかると、当面としては先ほど申し上げた暫定措置でやらせる、こういう理解の仕方でいいのですね。
#29
○国務大臣(綾部健太郎君) そのとおりです。
#30
○相澤重明君 くどいようですが暫定措置としてはどことどこが今走ることができるのですか。
#31
○国務大臣(綾部健太郎君) ただいま栗東と神戸の間がもう七月の十五日に道路が開通しますから、そこに対しましては、その地方に現在バス事業を経営いたしております数社の出願に対しまして、それをなるべく一社にまとめるように行政指導をいたしまして、神戸−栗東間には、暫定的にただいま申しました基本方針の会社ができて、それに限定免許をいたしまして、その間はその既存業者で統一して、それを一社にまとめるか――希望は一社にまとめることを希望しますが、どうしても一社にまとまらぬというような場合には二社をやりまして、三社はとうていやれませんから、二社ぐらいに許しておいて、そうしてただいま基本方針の日本急行パスが成立いたしました場合には、それに全部、臨時の限定の免許を取り消しまして、その新会社に許す方針であります。
#32
○相澤重明君 きょうはあくまでも私は緊急質問ですから、当面の問題をどう処理をされるか、日が迫っておるからそのことを聞いたわけでありまして、いずれ恒久問題については、審議会の答申の面もあるし、それから国鉄バスの経営の問題についても、国鉄全般の経営問題と私は切り離すことはやはりできないだろう、だから国鉄経営というもののあり方についてやはり検討しなければ、今大臣のおっしゃった、はたして民営圧迫であるとかないとか、また国鉄はバスから手を引くのがいいとかどうとか、こういう点も、これは私はやはり議論のあるところだと思う。とにかく日が迫っておるものをじんぜん日をおくらすということはよくないから、そこで運輸省として当面の措置をどうするか、こういう点についてお尋ねをしたわけでありますが、あくまでも暫定的措置であり、限定であると、こういうことであるということについては、わかりました。そういうことですね。
#33
○国務大臣(綾部健太郎君) そのとおりです。
    ―――――――――――――
#34
○委員長(金丸冨夫君) 次に、港則法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
#35
○岡三郎君 いろいろと前回各委員から御質疑があったと思うので、重複している面があっても、お許し願いたいと思いますが、まあ当面横浜の港を見てきていろいろと質疑があったと思うのですが、非常に衝突事故が多い、こういうことで、それに対する施設あるいは海上保安の問題、各方面から説明を伺って参りまして、これからますます船舶が輻湊するということになるというと、現状における各港の施設の状況ではなかなか安全確保がむずかしいのではないか、こういう感じで帰ってきたわけです。
 最初に、小さい問題ですが、信号所の勤務の問題等について触れてみたいと思うのですが、あそこで、現場で聞いたところが、人員が少ないのか、あるいはその他の条件があるのか、いずれにしても、一昼夜交代、二十四時間勤務のような報告があったわけです。つまり、行って一日勤めて、次の日一日休む、こういう形になっているように聞いて参りました。それでは本質的なやはり信号所における勤務としては不安定なのではないか、こういうふうな気持を強く感じたわけでございますが、この点について、運輸省当局としては、その現状についての御説明と、今後はどうしなければならないという一つの方針があると思う。われわれとしては、やはり当然八時間勤務できちっきちっと勤務してもらわなければ、天候事情等いろいろとあるので、やむを得ないときは別として、やはり信号という重要な勤務につく場合において、心身の疲労、そういったものが、長期にわたれば、かなり無理になってくるんじゃないか、こういうふうなことを感じましたので、その点についてちょっとお伺いいたします。
#36
○説明員(樋野忠樹君) 御承知のように、海上保安庁の信号所の定員の問題でございますが、大体昼夜とも信号を行なわなければならない個所は、一直二名の三直の建前でございます。昼夜信号する必要のない、いわゆる航行管制を昼夜行なう必要のないものにつきましては、一直一名を建前としております。先生の御指摘のように、場所によりましては信号所要員の足らないところのあるのは事実でございます。これらにつきましては、予算要求をして、将来こういった要員の確保ができるようにいたしたいと思います。
#37
○岡三郎君 要員の確保ができないという点で、そういうふうな勤務状況の場所もあるというお話でございますが、やはり信号所の勤務というのは、非常に単調である、しかも緊張を要する――輻湊するときには特にそうだと思うのですが、特に、午前の七、八時ごろになれば、二百隻くらいのはしけがいて一斉に走る、こういう話を聞いた場合に、いろいろと問題点が出てくるんじゃないかと思ったが、その点については至急に正常な勤務に服するような形をとったほうがいいと思うが、現状においてそういう心配はないか、いわゆる要員確保との関連において、もう少し要員を確保して正規な勤務に戻さにゃいけないんじゃないかという感じがするが、その点どうですか。
#38
○説明員(樋野忠樹君) 御指摘のようにこれは努力したいと思っております。
#39
○岡三郎君 大臣、京浜運河その他においてもしばしば事故が起こっているわけですが、そういうふうな原因ばかりではないと思いますけれども、ちょっと骨を折ればできるようなことだと思うのですが、特に、陸上においても、また海上においても、私はそれだけの重要任務にあると思う。そういう点について、やはり運輸省として、人員の確保、そういう点については遺憾のないような措置をでき得るところからやってもらいたいという意見が強かったんですが……。
#40
○国務大臣(綾部健太郎君) 運輸省で今そういう勤務の過労という面につきまして一番心を痛めている問題は、航空管制官と今の信号所の問題、その他自動車の免許可に関する事務の輻湊、これらにつきまして、毎予算年度におきまして人員要求の予算を提出するのでありますが、遺憾ながらどうも、あるいは私の微力なためか、本年度もこれを削除されて、それで憂慮いたしているのであります。私どもといたしましては、全く岡委員と同感でございまして、今後ともその憂いなからしめるように努力いたしたいと思っております。
#41
○岡三郎君 特に、京浜運河の周辺のガソリン・タンクの林立している場所、あすこにしばしば事故があるのですが、今までの事故、昨年のタンカー衝突の事故、今後のことを考えるというと、ますますこういうふうな船舶の輻湊する状況になってくるんじゃないか。そうした場合に、今までの損害よりももっとひどい損害というふうなことも考えられるんで、こういうふうな点については、やはり航空管制官と同じように、強く認識さしていかないと、何かが起こった場合において、ここに原因があったということになったんでは、私はたいへんだと思うんですよ。だから、事が起こらない前にくどく言っておく必要があるというので、特にこの問題に触れたわけですが、特に、あそこら辺行ってみるというと、はしけでもかなりな油を積んで、そうして四六時中横行している。それが衝突などして、水面にこれがあふれ出る、それに火がつく。もっと大きな事故になれば、もう危険物が周辺に一ぱいあるから、非常に困るんじゃないかという気がしろうとなりにしたわけですが、そういう点について積極的に、先ほどの飛行機の問題と同じように、人員の確保と、私はやっぱりもう一つは待遇の改善じゃないかと思うんです。特に、最近大蔵省関係において、大蔵税務官吏の問題について、やっぱりこれは仕事の性質上特別的に待遇をはかって、そうして人員を確保しようというふうな、こういうことを大蔵省は考えています。税金をとるために金を使うということだけじゃなしに、人命その他いわゆる大きなものも含めてそういう状態にあるということをやっぱりわからせる必要があると思うんです。くどくなったわけですが、この点を強くひとつ期待をしておきたいと思うんです。
 それからもう一点は、これもはしけだまりについてはもう同僚からお話があったと思うんですが、全体に見て、特に横浜あたりは、港を山の上から見るというと、確かに貯木場というものが目ざわりでしょうがない。これは、単に横浜だけでなくして、全体的に各港において、それぞれこういうふうにしたならばもっと理想的な港湾施設になるといういろいろな計画があると思うんです。まあ、ああいう点についても、あそこを改装して他に貯木場を作っておくのならば、はしけというものの置き場というものはここで完全になるという話も聞けば、一そうそういう感を強くしたんですが、積極的なそういう港湾施設の整備といいますか、あるいは施設の改善、こういった点に関してどういうふうにお考えですか。
#42
○政府委員(比田正君) 横浜など大きな港におきましては、大型船に対する設備は非常に従来充実されておりまして、拡充整備をされておりますが、ただいま御指摘のように、小船に対しては比較的従来おろそかにされたということは、私ども最近非常に認識しております。したがいまして、横浜港の例をとりますと、ただいまでき上がりました新しい山下埠頭は、当初の計画では、その基部の一方側だけに船だまりがあるということでございましたが、これを改定いたしまして、ああいう大きな埠頭ができますから、両側の基部のところにはしけだまりを作るということに改めました。ただ次にその地続きにできます本牧埠頭というのは、ただいま工事を始めたものですから、この本牧埠頭のところは工事用の船だまりに一時使用しております。これは、本牧埠頭が明年度以降もう少し進みますと、小船用の船だまりを本牧埠頭に移すことができますと、ただいま申しました新山下埠頭の両側にできる、また新しく着手いたしました本牧埠頭につきましても、この点に十分留意いたしまして、小船が安全にたまれる場所、また大型船のじゃまにならない措置を考えたいと思っております。これは、他の港につきましても、今後そういうような方針に改めて……。
#43
○岡三郎君 今の点についての御説明はよくわかったんですが、現実に行ってみるというと、まあ非常に小船が輻湊している。またそれがある一定の時間に集中的に輻湊する、こういう説明がしばしばあったわけです。そうするというと、この問題は、時間的に見て、やはり港則法等のこういう法律を改正して一応対策をとるにいたしましても、根本的にこの問題についてやっぱり期間的にめどをつけて解決するという努力がなされないと同じじゃないかという気がするわけです。同僚議員から、ノース・ピアの開放等の問題についても、米軍に対するやはり強い要請をしなければならないという問題がきっとあったと思うのですが、それはそれとして、やはり運輸省自体としても、積極的にやり得るならば、それに伴う予算措置というもの、あるいは起債というものを考えて積極的にやるならば、かなり安全についての手が打てるというような気がするわけです。ただ名目的に、こうなればこうなるとか、こうやっていけばこうなるということがわかっていても、これの実行力が伴わなければ、やはり問題が残っていく。こういう点について、やはり計画的に安全のそういう点について――なかなかむずかしい点があるとは思いますが、そういう具体的にもう少し実行方法というものを力強く御説明願いたいと思うのですがね、安全航行について。
#44
○政府委員(比田正君) ただいま先生に対する御説明が少し足りなかったかもしれませんが、積極的にただいまやっておるわけでございます。従来なかった計画を、大蔵省にも、年度の中で変更いたしまして、新山下の基部のほうの船だまりを増設したというようなことも、実際に年度限りでやっております。それから、かなり施設の費用も横浜港は多いのでございますから、その中でそういう施設を生み出すこともできますので、これからそういうふうにいたしたいと思いますが、場所がないという点におきましては、なかなかいい場所がないわけでございます。そうなりますと、根本的に逆に大きな船のほうは、今後、一番危険なのはタンカーでございますから、あまりあの中に入らないでいいような方法はないかということを、ただいま具体的に検討いたしております。たとえば、京浜運河の外側に防波堤があり、その外に扇島というものがございますから、さらにその外側に防波堤のようなものを作りまして、そこに超大型のタンカーを集めて、あとはパイプで持っていけばいいのではないかということを検討しております。それらについては、外国のことは、公共事業として取り上げることはできますけれども、パイプを敷設するところまで国でめんどうを見るわけにはいきませんので、事業者のほうとも御相談しなければならないという段階でございますので、ただいま絵をかきまして、かなり具体的なところまで進んで、実際事業者側と御相談を始めているという段階でございます。今後とも、御趣旨に従いまして、積極的にそういう点を改めたいと考えております。
#45
○岡三郎君 それから、昨年タンカーの衝突で事故を起こしたわけですが、あのときのパイロットの人はかなり高年令の人で、それで、承るところによると、病後であったという――これはほんとうかどうかわかりませんが、そういう話を聞くのです。そうすると、あれだけの輻湊した中において、聞くところによると七十五才くらいだと言われているのですが、陸上においては七十五才の人もぴんぴんとしているけれども、風波が荒いようなときに、かなり心身的に見て無理があるのではないか、こういうふうな気持がして話を聞いているわけなんですが、パイロットについて、この人員の確保――なりたい人もかなり多いと思うのですが、ギルド的に非常に閉鎖的である、なかなかなれない、非常に特定な力を持つ、こういうことを承って、いくら力を持っていてもいいのですが、しかし閉鎖的であるがゆえに事故の要因になるということにかりになった場合には困るわけで、そういう点で、こういうふうな点について、パイロットに対する運営等についてお伺いをするところによると、非常に運輸省は弱体である、パイロットのほうの協会のほうが強いのだ、こういうお話も聞くのですが、こういう点について今までどういうふうに指導していたのか。港の港湾施設から、小規模の三等船の運転手の素質の向上など、いろいろなことを言っても、なかなかどうもうまくいかぬ。といっても、目と鼻になる人は、やはりこれは一番しっかりしてもらわないと困ると思う。今の人がしっかりしておらぬということではないけれども、お伺いするというと、かなり年令的にもオーバーしているのではないかというふうに常識的に考えられる面があるというお話ですが、ちょっとこの実情について伺いたいと思う。
#46
○説明員(亀山信郎君) パイロットのただいま高年令者がおるということでございますが、先般事故を起こした船に乗って水先人をやっておりましたパイロットは、確かに高年令でございます。現在までの制度では、水先人は、なりますときに当然身体検査を含む国家試験をいたしておりますし、その後、年に一回身体検査をいたしまして、身体的能力がパイロットの業務にたえられるかどうかという点についての検査を行なって、それに通過した者が業務をし得るということになっております。
 ただ、御指摘のように、身体検査のときには合格いたしましても、何分非常に高年令の場合には、思わぬ、何と申しますか、ことがあるやもしれないと思いますので、今後は、パイロットの定年制と申しますか――いうものを考慮に入れていきたいというふうに考えております。
 しかし、現在までのところ、さしあたりは、身体検査を一そう厳重にやって、検査項目もふやしていきたいと、これは省令の分野でできることでございます。現在その準備をいたしております。
 なお、採用制度の問題につきましては、非常に閉鎖的と申しますか、ギルド的で、新しい人が入りにくいというふうな批判も前々からございましたわけです。そこで、現在法律で定められておりまする国家試験と、それから実務の修習期間というふうなことと、それからもう一点は船長の経歴と、この三つが法律上要求されているパイロットになるための要件でございます。
 そこで、昨年の暮れに運輸省に設置されております海上航行安全審議会というものに対しまして、パイロットの制度を改善するという点についての運輸大臣から諮問をいたしました。そのうち、実は採用制度の問題につきましては、各地において、ことに六大港等船舶が込みますところについては人員が不足しておる。そのためにサービスがうまくないというふうな船主側からの要望もございましたので、この採用制度の問題につきましては、五月に答申をいただきまして、従来の試験制度を改変をいたすことにして、すでに実行に着手しております。
 改変いたしました点は、今までは、実務修習をした後、国家試験をするというやり方でございましたが、今度は、まず運輸省の告示でパイロットになりたい人を募集しまして、これに対して一定の国家試験を実施いたしまして、そしてこの試験の合格者のうちからパイロットの実務修習生をパイロット組合が選ぶ。パイロット組合が選ぶ場合に、不公平になってはいけませんので、関係有識者の意見を聞く協議会を作りまして、その協議会の推選に基づいて、パイロット組合が実務修習生をその試験に合格した者のうちから採用する。そして実務修習を終了いたしました際、さらにその実務修習をしたことについて、なお一回国家試験を行ないまして、これによって初めて免許を出す、水元案内人の資格を与える、こういうふうにすべく、第一回新の制度による募集は、すでに告示をいたしましてして、来月の末ころに国家試験を行なう段取りをつけております。従来よりもはるかに幅の広い範囲からパイロットを選ぶ、しかも公平に能力のある者を選んでいくということができることと期待をしているわけでございます。
#47
○岡三郎君 今風説明をいただいたんですが、その御説明でほんとうによくなりますか。あなた確信のあるところを言ってもらいたいと思うのだな。
#48
○説明員(亀山信郎君) 今申し上げました点は、パイロットの採用制度の変更の点でございます。そのほか、先ほど申し上げました運輸大臣から海上航行安全審議会への諮問は、現在の水先制度の全般にわたった諮問でございますので、これは全部の結論が出るのには若干の時間を要すると思いますけれども、ただいまは緊急を要する採用制度についてまず答申をいただく。引き続きその他の問題も御審議を願っておるのでございますが、私どもとしては、なお問題になります点は、先ほど申し上げました定年制度の問題、さらにパイロット組合というものが現在は法人格を付与するということになっておりません。民法上の組合ということになっております。これらに対しまして場合によれば何らかの方法によって法人格を与える、そのかわり運輸大臣の監督権を強化するというふうなことも考えたい、こう思って、そういう点をも、現状説明を審議会にいたします際に、現状の問題点として申し上げておる次第でございますので、これらについていずれ審議会から御答申を得られるもんだと期待しております。その後答申がございまして、水先法の改正を要します部面については、でき得べくんばこの次の通常国会には法律案を提出いたしたいと、法律の改正を要せず、あるいは省令でまかない得ること、あるいは実行上行政指導でまかなえること等は、答申が出次第直ちに実行に着手したい、こういうふうに考えております。
#49
○岡三郎君 でき得べくんばどうだと、これではちょっと情ないと思うのだね。これは、運輸省としてそういう面についての指導監督というものはどの程度いっているかということは、なかなかむずかしい点もあると思うのだけれども、必ず改善策というものを出してもらいたい。というのは、私がここまで付言するまでもなく、最も重要な仕事ですね。ですから、重要な仕事に対しての当然それに対する待遇とか、そういうものが相当になされることについても異議はないですよ。しかし非常にギルド的であって閉鎖的であるというふうな面からいって、なかなかこの改善という問題についても困難ではないかと、こういうふうなことを第三者で言う人があるわけです。ところが、われわれのようなこういうすなおにものを考える者は、問題は国として、いろいろと、航行安全とか、各港のいろんな施設を直し、そして入ってくる船、出ていく船、こういうものをきちんとしてやっていく、非常に大きな仕事であるけれども、そういう仕事に携わっている人についても十分な指導と助言というものがなされて、そして、指摘されるまでもなく、そういう点が改善されていくということでないというと、どこからともなくそういう話が来ておるわけですよ。だから、こういう点について、私は、水先案内というものがまことに重要な仕事であるし、現在携わっておる人もみんなそれぞれりっぱであるけれども、しかしなおなお改善すべき余地がうんとあると、こういう点について質問をしたわけですが、今言った説明を実行に移してもらうために、かりに今定年制の問題がありましたが、一体定年制を運輸省はどういうふうに考えておるのか、その点ひとつお聞きしたいと思う。
#50
○説明員(亀山信郎君) 定年制につきましては、何歳が適当であるかということにつきましては、なお十分、過去の実績と申しますか、現状等も考えなければなりませんし、医学的な見地の検討も要するものと思います。それと同時に、定年制をしきました場合には、やはり退職後の生活の安定という点で年金制度というふうなものが必要になってくるんではないかというふうに考えておる次第でございますが、もちろん現在は水先人それ自体が一つの独立の事業者でございまして、他の雇用労働者とは全く違う立場でございます。で、一般的社会保障によります船員保険とか、あるいは一般労働者の厚生年金制度というようなものは、当然適用がないわけでございます。それらの制度の適用がない水先人に対しまして、退職後の生活のある程度の安定のために年金制度、これは私は定年制に伴って手を打たなければならないことだと考えておりますが、年金制度をしくためには、全国が一本の組織を持たない限りなかなか財的基礎の十分な年金制度ができない、そういう点をも今せっかく検討をしております。御指摘のように、水先についてはいろいろな問題がございまして、今までその実効が上がっていないのではないかというおしかりでございますが、私どもは、この制度全般につきまして真に実効があることをやっていきたいというふうに考えて鋭意努力を続けておりますので、御了承を願いたいと思います。
#51
○岡三郎君 たとえば定年制の問題一つ聞いても、今の説明では、大臣おわかりのとおり、まことにどこに何があるかさっぱりわからない。それは定年で生活補助をしてやること異議ないですよ。その場合、一体どうするのだ。全国的にも非常に収入のある者、ない者がある。その場合においては、収入の確保を一体どうするのか。あるいは、収入によって何%掛金をして、それに伴う掛金によって退職年金をもらうとか、そういう点はやろうと思えばできるんじゃないかと思うんですがね。ただ口の先だけで定年制を考えているなんと言ったって、内容的にさっぱり具体性がなかったら、考えている部類に私は入らぬと思う。たとえば六十五才なら六十五才、五十五才なら五十五才までで一応切って、そしてあとは退職年金なら退職年金というものについてどうするのだ、六十五才ならどうだ、七十才ならどうだといろいろ考えてみれば、現状というものもあるのだから、何もいちずに年令が早く若くしてやめさせるということも能でないという意見が出れば、それについて十分検討する余地があっていいと思う。しかし、いずれにしても、七十五才の人、あるいは七十八才の人は、いくら健康診断したって、からだが枯れてきているのですからね。それを大体やらしておくほうが無理ですよ。むちゃですよ、やらしておくほうが、私はそう思う。やっていれば収入があるからいつまでもやっていたい、それは気持としてはわかるけれども、港の安全を確保したりなんかする場合において、その人の健康をやはり確保してやるためには、一定の時期に勇退させるという制度自体が私は温情があると思う。ただ、それを現状においてどういうところにやるかという点にむずかしさがあると思うので、そのむずかしさがあるといって、首を突っ込まないで、いつでも見て見ないふりをしていては私はならぬと思う。年令的に見て、健康体の人でも、大体私は、やはりああいうパイロットという仕事は、なかなか神経的においてもかなり、運動神経というばかりじゃなくて、各種の神経、そういったものが、十全でなければ、やはりうまくいかないんじゃないかという気もするわけです。しろうとながらに。だから、そういう点について、今いる人たちを何も悪い待遇をしてどうしろと言っているのじゃないのですよ。もうちょっとやはり港全体の運営からいって近代化してもらわにゃ困る、近代化してもらわにゃ。そういう点で少し――御説明はまことに筋が通った話であるけれども、何かじゃしばらく待って様子を見ようということにしてはたよりにならぬと思うのだが、運輸大臣のその見解を聞きたいと思う。
#52
○国務大臣(綾部健太郎君) 岡委員のお説、ごもっともでございまして、水先案内人には、従来いろいろな慣習その他がありまして、法律で即時即決というわけにはなかなか参らぬので、ただいま海運局次長が説明したように、まあこれならばこれに従わぬほうが無理じゃというような点を今考案してやってやろうとしておるのでございまして、岡先生のおっしゃることも全く同感でございまして、何とか早く一日も航行の安全を保てるように最善の努力をいたしたいと存じております。
#53
○岡三郎君 大臣答弁としては、まことに気魄が足りないね。まあこれ以上言っても、うまい答えがなさそうですが、いずれにしても私は、仕事の重大性からいって、やはりみんなが立っていくように、当事者も立っていくように、そうしてその中できちっと指導して、そうして全体が近代化されていくという形がやはりほしいと思うのです。ますますこれから港は船舶が輻湊するということを考えれば、なおそうだと思う。まあこの点について、運輸省のほうから、各水先案内――パイロットの待遇の資料をもらったが、われわれが聞いているのとほど遠いのだね。頭をひねっているが、あんた出したやつをまだ見ていないか知らぬけれども、見てごらんなさいよ。一体ちょっと横浜の水先案内人の収入どれくらいだと思っているのです。横浜だけじゃなくて、各港々によってそれぞれあると思うのですがね。
#54
○説明員(亀山信郎君) 横浜の場合を例にとりますと、水先料の収入は、三十六年度の数字で一億四千三百三十五万円でございます。これに対し水先の人数が、その年度内に若干出入りがございましたけれども、十七人から二十人の間でございまして、その中からパイロット・ボート、事務所の経費その他を支払いまして、それから事業税を支払いました水先人一人当たりの手取り額は二十万九千――約二十一万円ということになっております。
#55
○岡三郎君 今のお話の二十一万円というのは、たしか私も資料で見ましたが、聞くところによると、そんなばかげた、そんな数字じゃないと、大体五、六十万から七十万ぐらいだといいですか、私の聞いているのがうそだったら、もう一辺調べ直してこなければいかぬけれども、私は多くてもいいと思うのですよ。しかし、その資料は一体どこから持ってきた資料なんだか、よく説明してもらいたいと思う。
#56
○説明員(亀山信郎君) 水先料の一人当たり収入は、東京湾横浜港におきまして六十一万一千二百四十三円というのがこの三十六年の数字でございます。そのうちから、今申し上げましたのは、いろいろな経費を差っ引きまして、手取りと申しますか、そういうものが、二十一万円。この水先料の経費というものは、たとえばパイロットが本船に行く場合にボートを使います。そのボートの料金などは非常に最近は上がってきております。そういうことで、経費の面が逐次ふえてきております。それと同時に、取り扱い船の隻数もふえてきております。で、仰せのとおり、六十万というのは、確かに水先人のわれわれがとっておる統計で、三十五年は四十九万五千、三十六年は六十一万一千逐次上がってきておりますが、そのうちからやはり水先業務を遂行するために必要な経費というものを支払いました残りが手取りになるという考えで、手取り収入が二十一万程度と申し上げますこの数字の根拠は、水先組合からの報告でございまして、実は水先組合の報告というものは、これと同様のものを税務署へ水先人の収入ということで出しておる。で税務署へ出した資料は直接われわれ見せていただけなかったのでございますけれども、関係者の言っておるところによれば、こういうことで税務署にも出しておりますということで、現段階では一応信頼すべき資料だと私どもは考えております。
#57
○岡三郎君 そうするというと、これはわれわれとしては、やはり水先案内人の収入その他についてもいろいろと言われておるので、そういう今の説明で確かであるということになると、これは早急にそれこそやはり改善すべきものは改善して、そうしてやっていく必要があると思うんです、われわれが聞くと。これは、だから、われわれの聞いていることが間違っていることも、やはり是正しなければいかぬと思うので。しかし、そのほか副収入的なものはないんですか。というのは、収入が非常に多いから、ギルド的であって、しかも一種の株みたいなものになっていて、船長さんやめてある程度退職金をつぎ込まなければなかなか水先案内人というのにはなれないんだと、こういう話も聞くんですよ。そうなるというと、やはり相当うまい面がなければこれはうまくないんだという気もするわけですがね。ところが、それにしてみるというと、二十万そこそこじゃあ、海の上において行ったり来たり年をとってやるにしては、それほど膨大な額とは言えないと思うので、そうすると一体どこに問題点があるのかということになってくると思うんですが、まあそういう点については、われわれのほうとしても実情をお聞きして、なお他日この問題点については、運輸省のほうも実効が上がるように、パイロットもいいように、そしてそれから港関係もいいように、全体がひとつ近代化されるようにやってもらうというのですから、まあそういう点についてはひとつあとに回します。
 もう一点は、タク・ボート――引き舟の問題です。この引き舟の問題について、これも一つの事例として横浜港の場合についてあげますが、これも一つの事例ですが、タグ・ボートの従業員の内情について一、二聞いているところによると、まあああいうふうな業務だから重要な仕事であることは間違いがないんだが、これも経営内容自体として非常に近代化されてないというんです。その近代化されてないというのは一体どういう点にあるのかということを聞いたところが、それについてはいろんな意見を聞いたが、端的に言って、全体的ないわゆる会社なりそこの収入に比して働いている者の労賃が非常に少ない、待遇が悪い、こういうことを聞いているわけです。これは労務者の労賃のことだと思うんですがね。上の人はかなりいいらしい。らしいんですが、そういう点について、運輸省自体としても、引き舟というのはまたこれパイロットの指令によって動かす重要な労務者のあれですからね、これどのように運輸省のほうとしては考えておりますか――経営内容近代化の問題。
#58
○政府委員(比田正君) ただいまのお話でございますと、経営内容が近代化しておらぬ、それから特に従業員の待遇が悪いのだと、こういう点を御指摘になったと思いますけれども……。
#59
○岡三郎君 悪いという話なんだ、
#60
○政府委員(比田正君) はあ。私どものほうは、この引き舟については法律的には、何ら取も締まりといいますか、監督する形に直接はなっておりません。自由企業の形態をなしております。そこで、これらの待遇につきましては、私どもが聞き及んでおりますところでは、運輸省にまで待遇が悪いということは聞こえて参っておりません。あるいは現地で港湾関係当局にはそういうことがいっているかもしれません。私どものところまでただいまの段階では聞こえてきておりません。
#61
○岡三郎君 これは総合的に、港の近代化というのは、運輸省の監督であろうがなかろうが、とにかく港というのは、地方自治体で監督しているけれども、しかし全体的な指導は運輸省でされておると思うので、その港に寄り集まっている各種企業、こういったものは日本の産業に非常な影響があるわけです。近代化といいますか、そういう方向についてやはり総体的に努力をすることを私は必要とするというふうに考えておるわけです。ただ、今の点について、直接そういう民間企業であるから監督も指導もできないという点についてはわかりますが、しかしさればといって、おれたちの関係じゃないからそういうことは知らないのだというのじゃ、私たち情ないと思うのです。だから、やはりそういう点については、何も特高的にやれというわけじゃないのだから、港に関する問題については、まあひとつ運輸省の各局に聞いてもらえば大体実情は把握できる。その中でいろいろと問題点がある中においての一つの指摘だと思う。こういうふうな点について答弁ができるようなことを期待しておったのだ。ちょっと無理だから、まあこれ以上言いませんがね。委員長もちょっと早くしてくれというような顔をしているから。まあ結局、港々においての引き舟会社の運営あるいは稼働の問題も含めて、横浜あたりはすでに合同して一つの会社を作って、それから出た利益を最小限度会社にとどめて、他の出資会社にこれを配分しているように見受けられておるわけですが、他の神戸とかほかの港においてはやり方がいろいろ違っているわけです。一体、監督指導も権利がないのだから、権能がないのだからと言ってしまえば、それでも仕方がないと思うのですけれどもね。そういう面についての運営とか、そういうものについて御関心を持たれたことでございますか。
#62
○政府委員(比田正君) 最近は、いろい話が出ておりますので、関心を持ち始めましたというのが正直な話でございます。各港につきましても、われわれはいろいろ資料も調べまして、ただいま仰せのとおり、これは港湾管理者が大体監督するのが建前であります。各港によりまして、いろいろなやり方をやっております。特にいろいろ問題があるとは聞いておりません。横浜においては、昨年でしたか、ちょっと問題があったようでございますが、最近聞きますと、これについては解決いたしたという報告を中央では受けておりました。
#63
○岡三郎君 どっから解決したという報告が入った。
#64
○政府委員(比田正君) これは横濱市から。それから、先ほどちょっと申し漏らしましたけれども、港内の引き舟の船員の賃金につきましては、労働省で所管いたしております。問題がありますれば、また当然港湾のことですから私ども関心を持ちまして、今後ともいろいろ相談をいたしていきますけれども、直接には労働省でございます。
#65
○河野謙三君 ちょっと関連して。
 私は、今の岡さんの、引き舟の従業員の待遇がいいとか悪いとか、引き舟の資本家がもうかっておるであろうとかいう話ですが、私は自分で実は経験者なんです。これは両方とも、もうかってもいないし、待遇も悪いんです。それは問題は、どこが詰まっておるかというと、パイプの一番もとは、運輸大臣の権限にあるところの認可料率の問題です。港の認可料率が低過ぎるんです。だから、荷役料率が低い、はしけの料率が低い、何が低い、かにが低い。そこがパイプの一番もとで、詰まっているんですよ。だから、今まで人の引き舟を使っていたんだが、これは高い料金を使ってつまらぬから、自分で引き舟を作って自分でやってみると、引き合わないんで、やっぱり引き舟を頼んでやったほうがいいというのが現状なんです。これは私教えてあげますよ。問題は、要するに、私が関連でここで立ちましたのは、今すぐに料率の改定をしろとは言いません、物価の問題やら、いろいろありますから。ありますけれども、根本は現行料率が非常に不自然に低いというところにある。一昨年の九月にきめたんですから――一昨年の九月にその前の年の労働賃金あたりを基準にしてきめたんですから、それから見れば労働賃金はほとんど倍になっていますよ。でありますから、今私は決して政府の弁護に立ったわけではありませんが、岡さんいくらここで言って責めても、問題はそのものそこにあるのではなくて、その裏にあるところの料率の問題が根本にある。こういうことを大臣並びに御当局の各位は御認識をいただいて、将来において、ひとつ近い機会に御善処願うことが一番いいだろう、こう思います。
#66
○岡三郎君 そうするというと、今河野さんに教えてもらったんだが、確かに働いている人の待遇は悪いんですよね。それはやはりわれわれとしても、そういう重要な仕事をしているわけですから、パイロットの手先になるわけですから、そうするというと、やはり技術がうまくなければへさきがそろわぬ。そういうことになればうまくないので、これは早急に料率の検討をしてもらいたいと思うんがだ、大臣どうですか。
#67
○国務大臣(綾部健太郎君) 私も非常に教えられることがございまいまして、ひとつほんとうによく研究しまして、私はまあ現政府の物価対策につきまして、どちらかといえば値上げ論者だというので、皆様方からおしかりを受けているんです。ですから現内閣の方針に背反せざる限り、早急に研究いたします。
#68
○岡三郎君 今の言葉の中で、あげつらうわけじゃございませんが、確かに低いんですよ。で、これはどの程度他に影響するのか。これは私率直に言って、まだ具体的に数字はわかりません。わからないけれど、ああいう荒仕事をしていく場合において、やはりそれぞれ近代的に運営ができるようにやらぬといかぬというような気持を強く持っているわけです。先ほど河野君が言ったように、引き舟業者がもうけているというようなことではないんです。下のほうは待遇が悪い。そうすると、上のほうがいいんではないかというような気がするわけで、それが誤解であったとすれば別として、とにかくこの問題については、物価体系全般に影響するなんていう、そんなどえらい問題じゃないんですよ。だから、まあそれはここで論争してもしようがないから、具体的に数字で、どれだけ上げたらどういう影響があるんだという点の御説明を近々のうちに賜わりたい。そうしないというと、ちょっと港則法あげきらない。(笑声)今の点については、ひとつ数字的に検討して、極力そういう点について――何も物価を上げることはわれわれ賛成するわけじゃないけれども、しかし非常に待遇が悪い面については、やはりある程度これが改善できるように、やはり港全体というものをいい空気に少しずつしていかにゃいかぬという気がするわけですよ。これはもういろいろのあすこの労務者の問題も同じだと思うのですがね。特に、一種の技術員ですからね。まあそういう点でひとつ具体的な数字で御教示、御説明を願えるように、強くこれはお願いして、それでまあ質問を終わりましょう。
#69
○相澤重明君 資料を御提示いただいたので、この念書のこれは案になっているのですが、こういう案なんですか、こういうものを出さしたのですか、どういうのですか。日も入っていないし、念書(案)じゃこれはしようがないので、これは一体どういうことなん、だ。
#70
○政府委員(藤野淳君) この念書の案は、それぞれの関係船主が、この文書によりまして、港運協会にそれぞれの年月日において提出したわけでございまして、この案で出したというふうな、般主のほうからの報告がございましたので、このような資料として差し上げたわけでございます。
#71
○相澤重明君 ですから、その報告をされたのはいつですか、これは。
#72
○政府委員(藤野淳君) この念書の発端は、ことしの四月九日または十日でございます。四月十日に船舶局長から船主協会会長あてあるいは港運協会の会長あてに通達を出しましたのが発端でございます。なお、先般私がこの通牒を拾い読みいたしまして、きわめて不十分な御説明をいたしましたことをおわびを申し上げます。差し上げました資料に概要を書きまして御配付申し上げたようなことになっておると思います。
#73
○相澤重明君 そこで私は、この概要、六月二十六日付の経緯というのを資料としてちょうだいをしたわけですが、先ほど局長から説明いただいたように、四月九日、十日の資料も出していただいたわけですが、ここでこの資料の中で見受けられることは、第一に本年の二月二十七日に綾部運輸大臣に港運協会会長から陳情が出ていますね、この資料にあるのだから。これによりますと、こういうことが書いてあるのですね。
  場貨装置用ウインチのブレーキ免除に関する陳情
  政府が産業災害の多発を憂慮して新たに産業災害防止五カ年計画を樹立し、労働災害防止法案を今国会に上程、災害頻発事業場の災害防止に努力しつつあるとき、貴省船舶局首席船舶検査官におかれては、解撤確約戦標船四十一隻及び同予定船三隻、計四十四隻に限り、昭和三十七年五月運輸省令第二十四号附則第四項の規定にかかわらず揚貨装置用ウインチのブレーキの備付を免除する旨の通達を出されましたが、当協会は、本問題討議のため、去る一月二十四、二十五両日全国各港代表を神戸商工会議所に招集し、討議いたしましたところ、各港における反対意見は予想以上に強烈でありまして、昭和二十七年以来十年にわたり作業場の安全施設の整備あるいは安全指導に各港とも全力を傾注し来たり、その成果も着々実を結びつつあるとき、このたびのような通達が出されたことは、われわれ業界の多年にわたる安全運動を無視するものであり、近時各港において、老朽不良外国船の荷役を拒否し、装備の改善を促しつつある際、このたびのごとき措置をとられたことは、はなはだ遺憾に存ずる次第であります。当協会全国労務安全委員会は、貴省船舶局に再考慮を求めるとともに、当該船舶にウインチブレーキなきため、荷役作業上危険ありと認められる場合、荷役作業を拒否するごとき不測の事態の予想されることを御通知申し上げる次第であります。
 こうなっておる。そこで、私は、こういう陳情が業者から運輸大臣に出されて、そしてその後に、今の念書なるものが、四月九日、十日、運輸省の船舶局首席船舶検査官が、船主協会長並びに港運協会長あてに通牒を出されておる。この首席検査官が九日の日に出された「ブレーキの備付けを猶予した揚貨装置の使用について」という通牒を見ても、私はこういう通牒を出される以上は、昨年十一月二日の船舶局の首席船舶検査官の出された通牒の意味はなくなったと思います。しかも、前回お尋ねをいたしたところ、すでに戦標船についてこのブレーキのないものは五隻である、こういう船舶局長からの御答弁をいただいておるわけです。そうしますというと、これだけ業界で反対をし、あるいは労働者のグループである労働組合が反対をして、そして運輸省においても、そのとおりだ、やはり安全をもたらすためにはそういうブレーキの装置のないものは十分配慮しなければいけないという通牒を出したのだから、私は、昨年十一月二日の通牒というものはもう死んでおる、こう解釈をすべきじゃないかと思いますが、運輸大臣はどう考えておりますか、これは。
#74
○国務大臣(綾部健太郎君) 私は、本問題につきましては、いろいろな経緯がありまして、今の陳情も私は読みましたけれども、全部荷役業者その他一切の何が円満に話し合いがつきまして、支障なくいっておると了承いたしております。
#75
○相澤重明君 私は、大臣の御答弁ははなはだ遺憾だと思うのです。なぜかというと、運輸省が昨年の五月に出された運輸省令二十四号は、これはILO条約に基づいて船舶安全法施行規則の一部を改正する省令を出したのですよ。長い間、日本の労働者が今までのような条件では決して安全ではない、こういうことで、労働省も運輸省も一緒になって船舶の安全をはかろうということで、これはILO三十二号に基づいて勧告の趣旨を生かしてできたのですよ。その勧告に基づいてできたことを、それを否定するような通牒を出して、そして今度はそれを出したところが、猛烈に業界も労働組合も反対した。したがって、今度は再び四月九日、十日に、船主協会なり港運協会に、あなたのほうの船舶検査官がこれを出した。そうすれば、すでに十一月二日のこういうことは誤りであるということなんです。これは誤りなんですよ。それはその当時はよかれと思って出されたことかもしれないけれども、やはり実情に沿わなかったということがはっきりしているわけです。それで私は、誤りを正すことにやぶさかであってはいけないと思います。悪いことは直したらいいでしょう。だから、もうすでにそれも五隻しかない戦標船の問題であるから、これはもう昨年十一月の首席船舶検査官が出されたものは、こういうものはこれはもうやめる。そうしてむしろ業界の人たちにも労働組合の人たちにも協力をしてもらうという体制こそ――あなたのお話しの皆が納得し喜んでいくという形にするのが、私は当然だと思うのですよ。そういう点については、あなたはそう思いませんか。
#76
○国務大臣(綾部健太郎君) おっしゃるとおりになったのですから、私はそれでいいと思います。
#77
○相澤重明君 私がなぜそれを言うかというと、大臣、運輸省の中でもこのように書かれておるように、これは単に日本の船舶だけじゃないんですよ。ILO国際条約の勧告の趣旨に基づいて、どこの世界の国の船舶でも、そういう安全装置がないのはいけないということをいっているのですよ。これは日本の法律だけでないのですよ。だから、もし私ども日本でこういうことをやって、これでいいのだということになれば、外国の不良船舶が来たら、これはどうなりますか。そうでしょう。そういう外国の船舶も早く直させるようにするのが、ILO三十二号条約の勧告の趣旨なんですよ。日本だけじゃないのです。日本は、幸いにして、運輸省も、労働省も、積極的にこのILO三十二号条約に賛成をされて、省令を改正したのじゃないですか。だから、その趣旨からいけば、さか立ちしているのじゃないですか、あなたの言うのは。なるほど、昨年の十一月二日にそれを出されて、その後二月の業界の陳情や労働組合の荷役拒否という問題が出て、そうして四月九日、十日に船舶局でまたそういう配慮をするようにという通牒を出された。だから、話し合いがついたからいいのだと言うのだけれども、それは単に国内の取り扱いの問題で、私は国際的に見た場合に、ILO三十二号条約の勧告の趣旨ということを生かさなければいかぬ。何のために省令を改正したのだ。労働省と運輸省がこれだけ一生懸命にやったものを、そういうものを国際的に信用を得るようにすることが趣旨であろう、こういう点を私は主張をしているわけであります。この点については、当時のいきさつは私も了解していますよ。いきさつもよくわかるけれども、せっかくこのILO三十二号条約の勧告の趣旨に従って作ったものを、あまり逆戻りさせないように私はいくべきじゃないか。こういう点で、実は政府に特に、昨年十一月の問題については、話し合いができたというだけでなくて、公文書ですからね――これは公文書ですよ、公文書を出されて、そのままのほほんとおくということ自体が私はよくない、こういう考え方に立っているわけなんです。この点は、これは大臣も私も意見が違わないと思うのです。今ただ取り扱い上の問題として、役所から出した公文書ですから、それもまだたとえ四隻でも五隻でも残っている。それでしかも、三十八年十一月三十日までこの猶予期間をおくという船舶局の通達なんです。それがあるからこだわっているだけなんですよ。しかし、本来の趣旨からいけば、ILOの三十二号条約の勧告の趣旨に従ってこの省令を出したことからいけば、私はこれは少なくとも誤りである。こういう点について、やはり私は善処されることを望みたい。今すぐどうするかということには、大臣も船舶局長も相談をしなければいかぬだろうと思うし、私は善処されることを望みたい。
 そこで、二つ目の問題は、そういって四月この船舶局の首席検査官が日本船主協会長と日本港運協会長に出されたものについて配慮したと私は思うのです。思うけれども、それから二月たった六月十一日の当委員会で私が緊急質問をしたところの戦標船洞南丸のいわゆる事故というものはどうなった、こういうことを私は申し上げたい。わずか二月きりたっていない。その原因はどうなったんですか、結果は。この間横浜港を私どもが現地調査に行ったときに、あの洞南丸のボートと思われるものが拾われて、そうして横浜港に海上保安庁で持ってきてあった。こういうことから見れば、これは荷物も船もなくなったし、人間もついに帰ってこないでしょう。私はこの船舶の安全ということからいって、私が当時質問をした中にも、ラワン材のいわゆる積み過ぎではないか、片積みではないか、そういうことも申し上げたけれども、そういうことは依然としていまだに解明されないでしょう。そういうことからして、この戦標船に関する限り、そういう問題が出てくるわけですよ。もちろん、悪い不経済船だとか、あるいは古い船だとかいうものについては、なお関係はありますけれども、とにかく政府が出された戦標船の問題についても、そういう問題が二カ月後に起きておる。こういうことからすれば、今この六月二十六日の「経緯」という文書はもらったけれども、私は、ことしの十一月三十日までそのままのほほんでおくなんということは、これは誤りではないか。そういうことで、洞南丸の事故の経緯については、一体運輸省はどうその後報告を受けて把握しておるのか、人命財産というものはどうなったのか、こういう経過も報告を聞かなければいけないわけです。
 それからいま一つは、このままの形でいいのか。おそらく私も大臣も考え方については違いはないのだけれども、ただ、役所のことだから、いろいろな手続上の問題やあるいは取り扱い上の問題があるだろうから、私は直ちにここでどうこうということは求めなくてもいいと思うのです。いいと思うけれども、考え方は、私は、どうもさか立ちをしたことでは困る、こう思うのですが、大臣いかがですか。
#78
○国務大臣(綾部健太郎君) お説のとおりでございまして、十分注意いたして善処いたします。
 なお、洞南丸の事情につきましては、相沢委員も御承知のように、船も人間も全部が喪失したのでございまして、原因の究明はまだ明らかにならない。せっかく海上保安庁なり、種々の手を尽くして、今その真相の把握に努力をいたしておる最中でございます。
#79
○相澤重明君 大臣の御答弁で、私も了承いたします。
 そこで、ひとつ大臣にいま一つだけ、これはどうしてもあなたにお考えを願っておかなければいけないのは、外国の不良船が来たらどうします。これは、少なくともILOに加盟をしておる各国の問題については、それぞれの各国の政府に対して労働組合もこういう船舶の安全ということについて要求をしております。また、それを実施さしているわけです。ところが、不幸にして、やはり外国の船舶の中にも不良船というものがあるのです。これは運輸省のこの資料の中にもあるとおりなんです。あるのです。こういうことについては、日本の労働者も、災害がわかることをそのままうのみにするわけには参りません。作業するわけにはいかない。それを入港を拒否する場合もあり得ると私は思うのです。そういうことについては、ILOに加入をし、積極的に国際連帯を進めておる日本の政府としても、やっぱり各国の船会社に対しても、不良船については、そういう港運協会なり労働組合なりが荷役を拒否をする、こういう場合があっても、私は政府がそれを支持してもらいたい、当然だと思うのですよ。そういう点で、この点だけは大臣にやはりお答えを願っておきたい。これはもう国際条約ですからね。
#80
○国務大臣(綾部健太郎君) 当然、そういうものは厳重に監督いたして、お示しのような処置をとるつもりでございます。
#81
○相澤重明君 私は、以上です。
#82
○委員長(金丸冨夫君) ほかに御発言はございませんか。――他に御発言もなければ、これにて質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認めます。
 これより討論に入ります。御意見のあります方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#84
○天埜良吉君 私は、自由民主党を代表して、本法律案に賛成の意を表するものでありますが、各派の賛同を得て、次の附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読します。
 ふくそうする船舶航行の安全確保のため政府は次の諸点についてすみやかに必要な措置を講ずべきである。
 一、船舶運航の現状にてらし、港湾施設の整備を促進すること。
 二、港湾における信号所、通信設備、標識、巡視艇、消防艇の整備を促進するとともに、これが要員の確保をはかること。
 終わります。
#85
○委員長(金丸冨夫君) 他に御発言がなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#86
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認めます。
 これより採決を行ないます。
 港則法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案どおり可決することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#87
○委員長(金丸冨夫君) 全会一致でございます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、ただいま天埜君の討論中にありました附帯決議案を議題といたします。
 本附帯決議案を当委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#88
○委員長(金丸冨夫君) 全会一致でございます。よって本附帯決議案は全会一致をもって当委員会の決議とすることに決定いたしました。
 なお、諸般の手続等につきましては、先例によりこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○委員長(金丸冨夫君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
 ただいまの決議に対し、運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。
#90
○国務大臣(綾部健太郎君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、政府といたしましてもつとに考えておることでございますから、慎重に内容を検討し、御趣旨の実現をはかるよう努力いたす所存でございます。
#91
○委員長(金丸冨夫君) それでは、本日はこの程度にいたしまして、次回は公報をもって御通知いたします。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後三時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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