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1962/02/23 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 予算委員会第四分科会 第7号
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1962/02/23 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 予算委員会第四分科会 第7号

#1
第043回国会 予算委員会第四分科会 第7号
昭和三十八年二月二十三日(土曜日)
   午前十時十二分開議
 出席分科員
   主査 羽田武嗣郎君
      赤澤 正道君    尾関 義一君
      塚原 俊郎君    田澤 吉郎君
      田中織之進君    村山 喜一君
   兼務 石田 宥全君 兼務 井堀 繁男君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 篠田 弘作君
 出席政府委員
        自治政務次官  藤田 義光君
        自治事務官
        (行政局長)  佐久間 彊君
        自治事務官
        (選挙局長)  松村 清之君
        自治事務官
        (財政局長)  奧野 誠亮君
        自治事務官
        (税務局長)  柴田  護君
        消防庁長官   藤井 貞夫君
 分科員外の出席者
        自治事務官
        (大臣官房参事
        官)      松島 五郎君
    ―――――――――――――
二月二十三日
 分科員渡辺惣蔵君委員辞任につき、その補欠と
 して村山喜一君が委員長の指名で分科員に選任
 された。
同日
 分科員村山喜一君委員辞任につき、その補欠と
 して田中織之進君が委員長の指名で分科員に選
 任された。
同日
 分科員田中織之進君委員辞任につき、その補欠
 として渡辺惣蔵君が委員長の指名で分科員に選
 任された。
同日
 第三分科員石田宥全君及び第二分科員井堀繁男
 君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十八年度一般会計予算中自治省所管
 昭和三十八年度特別会計予算中自治省所管
     ――――◇―――――
#2
○羽田主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。
 昭和三十八年度一般会計予算及び昭和三十八年度特別会計予算中、自治省所管を議題といたします。
 これより前会に引き続き質疑を行ないますが、本日も質疑通告者が多数であり、また土曜日でもございますので、質疑のお一人当たりの持ち時間につきましては、先般山口丈太郎分科員と協議決定いたしました三十分以内をぜひ厳守されますよう、あらかじめ分科員各位の特段の御協力をお願いいたします。
 それでは村山喜一君。
#3
○村山分科員 自治大臣にお尋ねいたしますが、私は、きょうは、高等学校の急増の問題に関連をいたしまして、高等学校の職員定数の問題等をお尋ねいたしたいと思うのであります。今度急増期にあたりまして進学難に悩んでおります子供たちは、大臣も御承知のように、終戦この方学校に入りまして青空教室で過ごしたわけです。それから、中学校に入りますと、これはまたすし詰め教育を行なわれて、ようやく中学校も建ったかどうかというところの中で教育を行なわれて、今度高等学校に入る段階になりますと、狭き門の中で苦しまなければならない。しかも、高等学校の定数法の中ではっきりしておりますように、一割のすし詰め教育を行なう、こういうような考え方で、急増に対するところの対策が立てられておるわけでございます。そうなって参りますと、当然教育の効果という問題から考えまして、この増急対策の問題についての地方財政の中におけるところの対策を、今後においてどういうふうにお考えになっているのかという点をお尋ねしたいのでございますが、今度の地方財政計画の中で、高等学校の急増に対処する教職員の増加人員というものが見込まれております。その増加人員の見込数というものは、どういうところを基礎にして見込まれたものであるのか、これは政府計画の六一・八%という教字で押えたものであるかどうかということであります。ところが、この六一・八%というのは、公私立合わせまして百五十五万人の収容計画を立てている。公立の場合には大まかに言って百七万名という数字が出ているようでございます。ところが、その後地方におきまして、地方の自治団体が、これでは中学浪人を出すようになるから、何とかしなくてはならないということで、またさらに計画を変更いたしまして、新しく学級増等をはかっておる状況が出ているわけでございます。従いまして、最終的には各都道府県の計画の百七万というものが百十万名をこえるのではなかろうか、こういうことを文部省あたりにおいても言っているのでありますが、そうなった場合におけるところの財源的な措置と申しますか、地方財政計画はどのような立場において見積られているのであろうかどうか、この点についてまず承りたいのでございます。
#4
○篠田国務大臣 ただいまのは、高等学校の教員の定数増加に対する財政措置でございますか。
#5
○村山分科員 そうです。
#6
○篠田国務大臣 それでしたら、参事官からお答えいたさせます。
#7
○松島説明員 高等学校の教職員の財政計画上の数字でございますが、来年度の政府の急増対策に対応いたします生徒の見込数を基礎といたしまして、定数によって算定をいたしました結果、十一万六千四百五十九人と見込んでおります。これと現在の計画との差額について財政措置をいたしていくわけでございます。
#8
○村山分科員 そういうような計画的な数字だけを聞いているのではないのです。私がお尋ねしたのは、地方財政計画の見積もりは六一・八%という数字を基礎にして押えておられるわけなんだが、その後において、各都道府県において、どうしても中学浪人はできるだけ少なくしようじゃないかということで、地方自体が計画を若干ふくらましてくる、こういうような実情が現に出ているわけです。そうなって参りますと、現在見込まれている地方財政計画上の高等学校の教職員の数字というものは、過少見積もりになるじゃないかということを言っているわけです。
#9
○松島説明員 現在の地方交付税法の算定に用います基礎といたします高等学校の経費の算定基礎には、定数法によります高等学校の教職員数を用いることになっておりますので、現実にこの定数法による教職員の数が高等学校の場合に多くなっておれば、これは当然交付税の算定の基礎に入ることになってくるわけであります。
#10
○村山分科員 そういたしますと、地方の計画が立てられて、その計画が国全体の六一・八%という計画を上回った場合には、地方交付税の中で財政措置については十分考えられるという自信がおありなんですね。
#11
○松島説明員 高等学校の建設費の方につきましては、来年度の地方交付税で九十一億円を予定いたしておるわけでございますが、これは教職員数に対応します給与費相当になるわけでございますが、こちらの方は定数法によります教職員数定数を使うことになっておりますので、実際に教職員の定数がふえて参りますと、それが交付税の計算の上には反映するようになっているわけでございます。
#12
○村山分科員 そういうふうにして、教職員の場合は実情に合わせて措置をしていただくということはわかりましたが、しからば、この高等学校の教職員定数の中に入らないいわゆる作業員であるとか、あるいは実習助手は入っておりますが、そのほか司書とか用務員――用務員も交付税の単位費用の基礎算定の中には入っておるわけですけれども、そういうようないわゆるその他の職員といいますか、こういうようなものはどのようにして救済をしていただけるのか。最近におきましては、こういう下積みの人たち、作業員であるとか、用務員であるとか、学校給食調理員であるとか、そういうようなもののいわゆる身分、給与あるいは勤務条件、このようなものが非常に不安定である、だから、これは、法制的にもあるいは給与の上においても、何らかの安定策を講じてもらわなければならないという強い要請があるわけですが、そういういわゆる学校の教員以外の、あるいは事務職員以外のその他の職員というものについての対策は、どのようにお考えになっているのかをお尋ねいたします。
#13
○奧野政府委員 現在高等学校の財政需要額は、教職員の給与費につきましては、教職員の定数を測定単位として測定することにいたしております。その他の経費につきましては、生徒数を基礎として測定することにいたしております。従いまして、高等学校の教職員の定数に関しまする法律からはみ出しています給与費につきましては、生徒数を基礎として算定することにいたしておるわけでありまして、標準的な規模の高等学校を基礎にいたしまして、どのくらいその他の関係の給与費が要るかということで、生徒数の単位費用の中にそれが織り込まれているわけでございまして、生徒数がふえて参りますれば、自動的にその関係の経費も当該団体について増額になってくるという仕組みを地方交付税の上ではとっているわけであります。
#14
○村山分科員 その財政的な仕組みはわかっているのですが、その中で問題になるのは、学校の図書館で働いている――これは現に学校図書というのは学校図書館法という法律がありますが、その中で司書というものの位置づけはありませんけれども、現実には各高等学校に司書がおるわけですね。その充当率を見てみますと、高等学校は七八・六%を充当されている。こういうようなものは、当然生徒一人当たりにかかわる経費の算定の基礎の中に、せめて高等学校の司書は入れ込まなければならない。そういう情勢がこの数字の上において出ているのではないか。もしそうでなければ、これはPTAの負担なりあるいは子供たちの負担によってこの人件費がまかなわれている。これは学校教育上どうしても欠くことができないからこそ、七八・六%もおるという実体なのです。こういうようなものをその交付税の単位費用の計算基礎の中でお考え願うわけにいかぬのかどうか、その点をお尋ねいたしたい。
#15
○奧野政府委員 標準的な学校においてどれだけ雇用人の人件費を見ていくかという問題に帰着するのだろうと思うのであります。現在相当程度に見ているわけでございますけれども、なお細部にわたって、こういう関係の部門の担当職員はどうしているかということになって参りますと、必ずしも十分でないということになるかと思うのでございます。しかしながら、事教育の関係の経費でございますので、高等学校につきましても、決算と比較してみますと、基準財政需要額に算入している額はかなり大きな額だと私たちは考えているわけでございます。ただ決算と同じだということになって参りますと、交付税の仕組みの上から言いますと、標準税収入の八割を基準財政収入額に算入することにいたしておりますので、どうしでも若干のものははみ出すだろう、こうなってくるわけでございます。しかしながら、団体によりましては、高等学校において決算以上の数字を基準財政需要額に算入している団体もあるわけでございます。ただ全体として見ますと、もちろんそうはなっておりません。しかしながら、自治団体でございますので、どこにどれだけの金を使うか。そこはやはり施策に妙味を得るということになってくるのじゃないかと思います。今後も地方財政が上向いていく限りにおきまして、できる限り、こういう関係の経費につきましては、村山さん御指摘の方向にやいて努力をしていきたいと思います。
#16
○村山分科員 私は、その基準財政需要額の算定をしたものと決算額との比較をしたら、高等学校経費については、一般財源の持ち出しというようなものはなされていないのですよ。全国的に見た場合には非常に低くなっておる。その中でやはり考えていかなければならないのは、そういう学校、現場の実態というものを交付税の単位費用の測定単位の中に入れ込んでいってもらわなければ、たとえば単純労務に従事するところの用務員は、これは現在の算定基礎の中に入っている、ところが、学校の図書館業務に当たるところの司書、現実にこれは七八%もおる、そういうようなものは全然その中に考えられていない、こういうのが現実の実態です。ですから、それをやはり実情に合わせて、単位費用の測定単位としてお考えを願いたいということであります。その点は、奧野さんから、抽象的な答弁でなくて、そういう実情に合わせてお考えを願うんだということを、もう一回お答え願うわけにいかぬですか。
#17
○奧野政府委員 決算との比較において、高等学校の基準財政需要額は非常に大きく見ているのです。これは、村山さん、ちょっと実態を調べていただくとおわかりいただけるのじゃないかと思います。職員につきまして、先ほども申し上げましたように、特定の部門部門の位置づけということはいたしておりませんで、総体に入れているわけでございます。しかしながら、今のようなお話もございますので、今後さらに調査をしながら、できる限り御希望の趣旨をくみ入れるように努力していきたいと思います。
#18
○村山分科員 最後に、あと一点だけお尋ねをいたします。
 それは、今度小中学校の児童生徒が全国で九十三万人減る。で、今度義務教育国庫負担の教職員につきましては、いわゆる標準法の法律通り一学級五十名の学級編成でやるということになっているわけでありますが、御承知のように政令一条がついているわけです。あの政令の一条によるところの、いわゆる一学年一学級編成の場合は、五十五名−五十三名というあの線が残されておりますが、この点について離島、僻地を非常にたくさんかかえているようなところとか、あるいは産炭地域であるとか、そういうような地域的な特殊事情というものが出て参るわけですが、そういうような特殊的な条件のもとに、教職員の相当な減員が予想をされる。それを政令一条を撤廃する方が、その地域の実情に即してくるという事態が出てくる地域が全国的にあるわけですが、そうなった場合に、それの財源需要という問題は、この特別交付税の中で考えていくんだという考え方をおとりにならないかどうか、その点をお尋ねしたいのであります。
#19
○奧野政府委員 私たちは、今御指摘になっております政令一条をも含めまして、公立義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準が出ているのだ、こう思っているわけでございます。従いまして、教職員定数の標準が変更されれば変更されるに従いまして、その通り基準財政需要額を算入していくべきである、こう思っております。それが変更されません限りは、それと違った方式をとっているのを、そのままずばりそれが特殊事情だというふうには考えたくないわけでございます。しかしながら、この間からいろいろ話を伺っておりますと、兵舎を利用して教室にしている、そういうところではどうしても生徒数を少なくせざるを得ないのだ、そうなってくると学級数がこの標準定数よりも多くなってくるということをどう考えるのかということでございまして、それは特殊事情でしょう、そういう点については十分地方交付税制度の運用の際に織り込んでいきましょう、こう申し上げておるわけであります。でありますから、それが特殊事情であるか特殊事情でないか、いろいろ議論はあると思うのでございますけれども、特殊の事情のあるものにつきましては、そういう意味において十分考慮すべきものだ、こう思っております。
#20
○村山分科員 そうしますと、そういうような建物構造上からくる学校編成困難という点が一つある。それから離島、山間僻地を非常にかかえた地域、こういうような場合は、当然その特殊事情、して考えられないのですか、どうですか。
#21
○奧野政府委員 先ほども申し上げましたように、政令も標準を定めている内容をなすものだ、こう考えているわけであります。一の学級に編成いたす場合には十八人から五十五人までという規定があるので、これが変更されない限りは、それだけでもって特殊事情だとは私は言えないのではないかと思うのでございます。ほかにそういうこととは違った問題がいろいろございますならば、それは十分考えていきたいと思っております。
#22
○村山分科員 教職員の定数法の問題につきましては、小学校、中学校の場合には、社会党の方からも今度の国会に法律の改正案を提案いたしております。政令条項はこれは当然法律条項ではないのですから、除くべきだという考え方に立っておるわけです。従いまして、現在の法律は政令にゆだねている部分があるわけでありますので、法律の解釈としては、おっしゃる通りかと思うのですが、しかし、現実にそういうような特殊事情というものの存在がある以上は、そういうような財源需要は新たに特別交付税の中で見ていただく、そういうような基本線だけはぜひ自治省の方としてはとっていただいて、その解釈の幅をできるだけ実情に即するように考えていただきたいということを要望申し上げておきたいと思います。
 それと、高等学校の定数の問題につきましては、これは教職員を中心にして考えられておるわけでありますが、やはり高等学校の現場という中には、実際に実習を担当するところの――これは実習助手の場合にはある程度規定せられておりますが、そのほかに作業員であるとか、あるいは学校給食婦であるとか、さらに司書であるとか、そういうような雑多な仕事に従事するところの職員がおる。その職員は、現在身分的にも、給与の上からも、労働条件の上からも、非常に取り残されている。こういうような人たちを改善する方法――やはり地方公務員といいますか、地方の自治体の職員の給与とか勤務条件とかいうものに対しては、親の立場にある自治省が、ぜひそういうような身分、給与の確立という問題をお取り上げ願いまして、そうして全体の学校の教育がうまくいくような態勢というものをつくり上げていただかなければ、ややともすればいわゆる教員だけが優遇をされる、そのほかは取り残されるという格好になりますので、そのあたりは十分にお考えおきを願いたいと思うのでございます。今後の善処方を要望申し上げまして、終わりたいと思います。
#23
○羽田主査 井堀繁男君。
#24
○井堀分科員 自治省の予算の中で二、三お尋ねをしてみたいと思いますが、第一は、今度の予算の中で、消防庁関係の予算について特に設備の補助を増額いたしておるのでありますが、きわめて当然なことだと思うのであります。この機会に、消防庁に関連をいたしまして、最近の火災の傾向を見ますと、異常乾燥の関係もあるとは思いますが、かなりその頻度において、また火災による被害の割合などを見ますると、従来にない甚大な被害が漸次拡大をしておるわけであります。この際、消防行政として設備の充実もさることでありますが、特に私の伺いたいと思いますのは、最近の火災による被害が甚大であると同時に、火災によってとうとい人命がかなり多く失われておるわけであります。私の調べた統計だけでも、かなり多くの人数に上るのでありますが、消防庁の方でも御調査になっておると思います。一応質問を進めていきます都合上、昨年なり本年、特に最近の火災による被害の状況、ことに人命上の死亡災害についての統計を、ごく簡単でいいですから承って、それから質問することにいたします。
#25
○藤井政府委員 お話がございましたように、最近特に火災の件数が非常に急増して参っておりまして、これに伴いまする死傷者というのも、遺憾ながら非常にふえて参っておるのであります。最近全国的な統計として集まっておりますのは三十六年でございますが、これによりますると、死者は八百六十人、それから負傷者は八千七百七十四人ということに相なっておりまして、前年三十五年と対比いたしますと、死者において八十人、また負傷者において六百六十一人の増加を来たしておるのでございます。さらに昨年の全国統計はまだ全部集まっておりませんが、入手をいたしております去年の一月から六月まで半年の統計を見ますると、死者が五百五十三人、負傷者が四千九百人ということに相なっております。これは前年の一月から六月までに対比をいたしますると、三十六年の一月から六月までが死者において五百六人でございますので、死者においてはすでに四十七名の増加を来たしております。ただ、負傷者につきましては、前年同期が五千二百十五人でございましたのに対して四千九百人ということで、若干の減少を見ておるというような状況に相なっておる次第でございます。なお、本年の一月について見ますると、これは六大都市について調べてみたわけでございますが、昨年の同期においては死者が三十一人、それから負傷者が三百二十二人ということでございましたのに対しまして、本年も大体同じような現象でございまして、死者が三十人、負傷者が三百四人、こういう統計に相なっておる次第でございます。
#26
○井堀分科員 消防組織法並びに消防法によって、自治大臣の消防に対する責任の所在を明らかにしておるのでありまして、人命の保護の問題については、特に法律がきびしく規定しておるところでございます。火災によって死亡しております事例は、いろいろその時々で異なるようではありますけれども、概括して、未然に防止できる事情のものが大部分であるということが結果から明らかになっておる。こういう点からいたしますと、消防組織法並びに消防法で規定しております自治大臣並びに自治省の責任というものは、きわめて重要な立場に置かれておると思うのであります。予算の上で設備の改善が意図されておるようでございますけれども、しかし、今までの事例を見てみますと、もちろん消防設備の充実も必要でありますけれども、もっと火災の原因を断つための、自治大臣並びに消防庁長官に法律がきびしく命じておる措置について、不十分のそしりが免れない。こういう点に対して、予算の上で何らの新しいものを見受けることができない。しかし、予算がなくても、何かそういうものを防止し得るような措置をお考えになっておるなら、この際伺っておきたい。
#27
○藤井政府委員 火災その他の災害を防止いたし、また不幸にして災害が起きた場合に、被害を最小限度に食いとめるということは、消防に課せられた重大な任務でございます。今お話がございましたように、これらの目的を達成いたしますためには、消防の諸施設の充実強化をはかる。これが非常に大切なことであることは申すまでもございません。そういう観点から、私たちといたしましても、今おあげになりました消防施設の強化のための施設の助成その他を通じまして、だんだん充実整備の方向に努力をして参っておるのでございますけれども、さらにもっとさかのぼって、根本的に考えてみますと、火災というのは、これはやはり未然に防止する、火災を起こさないということが一番大事なことであることは、申すまでもございません。そのために、火災予防思想の普及徹底というようなことはむろんのことといたしまして、制度的にも近時いろんなことを打ち出してきておることは御承知の通りであります。その第一点は、いわゆる防火管理者の制度でございまして、重要建物等につきましては、消防計画の作成なり、あるいは消防設備等の点検なり訓練なりというようなことの主たる責任を持ちます方を防火管理者といたしまして、それを中心にして防火態勢というものの整備をはかる措置を講じて参っておるのであります。それから、さらに、公的な消防署その他の消防機関が持ちます消防施設のほかに、火事が起きかけた、あるいは起きた場合に、初期の消化というものを十分に果たしますために、一定の重要建物その他については、規模その他に従いまして、消防用設備の設置義務というものを規定をいたしておるのであります。こういうような点を中心といたしまして、防火ということに重点を置いてやってきておりますが、しかし、何と申しましても、根本は、わが国の場合、全体の建築の街区の問題あるいは建物構造自体が非常に危険になっておるのであります、私から申すまでもなく、諸外国等におきましても、火災件数はなるほど日本と比べものにならないくらい多いのでございます。ニューヨークあたりは、東京と比べて人口はほぼ匹敵しておりますけれども、火災件数に至りましては約十倍を記録いたしております。ただ、その場合に大火になる可能性というものがほとんどない。ところが、日本の場合には、そういう建築街区の構造なり建物構造というようなことから見まして、死傷者あるいは大火というような被害が大きく出て参るところに、非常に困った問題があるわけでございます。むろん、これらの耐火構造建築等について政府全体して努力して参らなければなりませんけれども、消防としてはそんなのんきなことは言っておれない。現実の問題としてどういうふうに対処するかということが問題でございます。そのために、現在は、予防査察、立ち入り検査ということに重点を置きますとともに、消防機関が持っております権限を活用いたしまして、できる限りあぶない建物についてはなるべく二階以上には住まわせない、その他構造等において手直しをすれば安全になるというところには指導を強化する、そういう手を通じまして防火態勢の整備に十全を期して参りたい、かように考えておる次第であります。
#28
○井堀分科員 今消防庁からお話のありましたことでおわかりのように、私は人命軽視の傾向はこういうところから是正をしていかなければいけないと思う。今の御説明でも明らかなように、火災による死亡、大きな負傷などについての防止の方法としては、住宅の問題あるいは建築物としての不適当なものなどについて、立ち入り検査の権限その他によって防止でき番わけでありますが、しかし、事実問題としては、日本の低所得者の住宅の問題、あるいは中小零細企業やあるいは商店などのそういう他の事情からする実情などを無視して、法規通り建物の改築やあるいは撤去を命ずるということは事実上困難ではないか。ここに政策上の問題として、これは消防庁の関係だけではなしに、全体の問題が起こってくると思う。そこで、私は自治大臣の地位というものはきわめて重大だと思うのです。当然、この内閣としては、住宅の問題なとについて――今の住宅を見ますと、壕舎生活から少しでも抜け出てきたような窮余の住宅ではなくなってきておる。国の経済力も、また財政的な力もかなり充実してきておる今日でありますから、こういう問題を率先して解決することがなされなければならぬ。今のようにみすみす人の命が火災のために奪われる。これは、予防の見地からいたしましても、具体的にお尋ねするとすぐわかると思うのでありますが、火災のあとあとの新聞報道などを見ますと、立ち入り検査をされれば、当然その撤去を命ずるか、あるいは改築をなさしめるか、あるいは事前に建築を阻止するような、みな不適確なものがあげられているわけです。こういうものを阻止するための措置は、政府としては総合的な政策の中で考えなければならぬ。これは建設大臣の所管だとか、あるいは他の事情に基づくからということで許さるべきではないと思う。もっとやはり消防というものが、総合的な立場に立って取り上げられてこなければならぬことは、法の命ずるところです。こういう意味で、私は、自治大臣に、こういう問題に対する解決が、予算上の措置で新しく芽を出してこなければならぬのじゃないか、こう思うので、今の消防庁の御答弁でおわかりの通り、あなたの責任は非常に重大だと思うのです。こういうものに対して、どういう御措置をとってきたか。これは人命上の問題でありますから、あらゆるものに優先して措置を講じなければならぬことは説明を要しない。この点の大臣の見解を伺っておきたいと思うのです。
#29
○篠田国務大臣 私が就任いたしましてから、省内におきましても、閣議におきましても、一番重きを置いて主張しておる問題は、消防の問題と交通事故の減少、この問題であります。そこで、交通事故の問題につきましては、御承知の通り一万人の交通警官を増員してやりました。消防の問題につきましても、特に予算の要求をいたしまして、そして化学消防あるいは事前の予防、あるいはまた震災等の場合におけるヘリコプターによる空中からの消火というようなもの、あるいは水道がとまった場合の措置、そういうものについて総合的に消防庁をして研究させ、そういうことにつきまして予算を獲得するためにだいぶ努力いたしました。前よりはだいぶふえましたが、まだまだ私の思った通りにはいきません。しかし、事務的にいろいろな面が、あるいは技術的に充実されつつあるということは、これは事実であります。人命がいかにとうといものであるか、すべて人間のために存在するのでありますから、そういうこともよく自分でわかっております。今後とも十分消防の完全なる消防体制並びに組織、あるいはまたいろいろな心がけその他について十分強化できるように努力したい、こう考えております。
#30
○井堀分科員 個人的にはあなたにはまことに尊敬をしておるのでありますけれども、自治大臣としては、春秋の筆法をもっていたしますと、消防組織あるいは消防法であなたに命じておりますことを忠実に実行していこうとするならば、こういう死亡などについては十分措置できる、またしなければならぬ立場に置かれておると思う。こういうことで死亡される人はあなた自身の責任にあると言われても、返す言葉はないと思います。特に最近の実情を見ますと、東京都内あるいは大都市における傾向というものは、交通事情の関係、あるいは道路を掘り返しておるとか、いろいろなそういう事情から、せっかくの設備をいたしましても、八十キロの能力を持っている、またそれだけの能力を前提としての設備が二十キロ程度しか走れないということは、私はある意味においては自治大臣の政治力にかかっていると思うのです。十分予算をつけてそういう設備をいたしましても、その設備が十分機能を発揮し得ないということについては、消防機能としては重大な責任だと思うのです。他の、道路が悪ければ道路の問題を解決するように、また土地を掘り返してはいけないということは道路法でやかましく規定をしていることでありまして、何のためにそういう法律を設けておるかということは、要するに人命を保護するということが第一じゃないですか。もう少しこういうものに対して政府は責任を感ずべきだ。特に政府のその責任ある地位にあるあなたは、その第一線の責任を問われるわけであります。努力したけれどもだめだというような答弁では、国民は納得できない。もう少し真摯な態度で――きょうもまたどこかで焼けているかもしれない。実に野蛮な国です。こういうことで焼け死ぬということは、僕は、自治省としてはよほど真剣に考えて、再びこういうことによって死亡を生ずることのないように、十分御注意願いたいと思います。あまりにもそのための予算上の何らの措置がないということは、われわれは非常に不満に思っております。まだ他の質問もございますから多く述べられませんが、もう一つこのことについてお導ねしておきたいと思いますのは、私の見解では、自治省あるいは消防庁の責任もそうでありますが、もっと抜本的な問題にメスを入れることを忘れておるのではないか。その一つはもちろん今申し上げたような総合的な政治力の問題にあるでありましょうけれども、消防の機能は一つには設備も大事でしょう。一つには消防庁の職員、あるいは地方でいいますならば消防団の、非常勤でありますけれども、そういう関係者の訓練とか、あるいはそういう人たちが十分活動できる体制が、どれだけ日ごろから充実されておるかということに問題がある。私は外国の消防の事例を最近いろいろな文献で見ておるのでありますが、格段の待遇を受けておる。この点から、自治大臣は、消防庁の職員、警察官に対して特段の措置を考える立場に置かれておると思う。申し上げるまでもなく、一般の勤労者は、憲法による団結権、団体行動権あるいは団体交渉権などを確保しておる。あるいは同じ公務員の中でも、他のものは、人事院やあるいは地方の人事委員会などによって、その身分なり地位を守る措置が講じられておるのでありますが、消防並びに警察官はその自由までが奪われておるのでありまして、こういう立場の人々の処遇というものに対して、どのようにお考えになり、どのような措置を講じておるか、この機会にお尋ねしておきたい。せっかく労働基準法で労働時間その他の問題についてきびしく規定してありますけれども、今あなたの、消防庁のお話を伺っております中に感ぜられますことは、今の消防法の施行をもっと積極的に推進していこうとするならば、先頭に立っておる方もそうでありましょうが、一般の従業員は結局労働強化になる。時間外労働などに対する処遇などを見てみましても、他の職員に比べまして決して優遇されておるとは思われない。これらの問題に対する措置が一方に講じられて、初めて目的が前進されていくのではないかと思うのであります。基本的な問題の一つだと思います。自治大臣はりっぱに自分の責任を感じておいでのようでありますから、こういう具体的な実効を上げるためには、あなたの手足になって活動され、積極的に動いていただかなければならぬ職員に対して――直接のあなたの関係ではないでしょう。なるほど予算は地方の自治体の予算によってまかなわれておるのでありましょうけれども、結果するところは、あなたの指導援助並びに指揮によって大きな幅を持つのでありますが、こういうことに対してお考えになったことがありますか。
#31
○篠田国務大臣 待遇の問題は、御承知の通り、地方公務員でありますから、地方においてやるわけでありますが、そのいろいろな予算措置あるいは消防の機能の完実、そういう面につきましては、私は、先ほど来申し上げたように、特に消防という問題を抜き出して、いろいろ予想される面を強調しまして、閣議においてもこれを認識してもらえるように発言をしております。それから、予算につきましても、あなたがごらんになればもちろん非常に不足であろうが、私は、就任して、消防予算の少ないことに実は私自身がびっくりしたのです。それで、こんなことでどうしてできるんだと言って、実は消防長官に私が質問しております。そこで、どうしてもこんなことではいけないから、私の施策の一つとして消防予算というものを画期的にふやそうじゃないかという案を出しまして、そうして予算の増額をはかった。しかし、いろいろな事情がありまして、また消防庁内のいろんな計画もございまして、その予算は私が要求しようとした予算の何分の一といいますか、半分くらいしか満たされなかったと思うのであります。しかし、これは私非常な熱意を持ってやっておりますから、将来ともこの問題については一生懸命やりたい。
 警察官の待遇の問題につきましては、私は、物質の面と精神的な面といいますか、待遇の面の両方からいつでも主張しておりまして、今回もこれも実際お笑いぐさといわれればお笑いぐさかもしれませんが、実は今まで駐在所の巡査の奥さんの手当を千円しかやっていなかった。実際駐在所の奥さんなんというのは、何か事件があって主人が自転車に乗って出かければ、ふろにもいけない、電話につきっきりで赤ん坊のめんどうも見られないという状態があるわけであります。それを今度少しふやしまして倍額にいたしました。
 それから、前に戻りますが、消防団員の出動手当の増額を、これもまことにはずかしいような増額でございますけれども、数字はあげませんが、増額をはかっております。
 それから、刑事等の外勤巡査の手当も今度ふやしました。そのほかに、私はどうも今の警察の組織というのが非常におかしいという実は感じを持っておるのです。これをしばしば会議の席上において述べまして、その実現をするように今研究しております。それはどういうことかと申しますと、巡査から巡査部長になるときに試験があり、巡査部長から警部補になるときに試験があり、その試験に通らない者は、どんな優秀なすり係の刑事であっても、強力犯の刑事であっても、依然として二十年も巡査か巡査部長でやっておる。何か巡査部長から警部補になれば青い机にすわって何人かの部下を持たなければならないというような、そういう既成概念で今後警察というものを見ていくのはまずいじゃないか。だから、二十年もすりを追ったベテランであるならば、当然警部くらいにして、警部になったら青い机の上にすわるというのではなく、その能力を活用して、依然として車の中ですりを追っかけたらいいじゃないか。だから、一方からいえば試験制度によって昇給をさせる。一方からいえば経験あるいはその功績によって昇給をさせていくという、そういうふうなやり方はできないかと思いまして、今いろいろ研究させておりますが、順次そういう方向にいくと思います。そこで、いろいろな物質的な待遇のことはもちろんでありますけれども、これは予算関係も伴うものでありますから、そういう各方面から、各角度から見た待遇の方法を講じていきたい、こういうふうに考えております。
#32
○井堀分科員 お考え方は私はわかるわけであります。これは具体的でないといけません。ことに大臣に一つ御留意いただきたい点は、やはり質的な向上をはかりますためには、今日の社会においてはやはり勤務条件が裏打ちされなければ、これは水が低いところに流れていくのと逆に、労働条件の高いところでないといい質の労働者は集まってこないことは、これはもう消防あるいは警察官といえどもその例外であるはずはないのです。ところが、さっきも私が言ったように、地方公務員法あるいは国家公務員法、特に地方公務員法からはずされておる職員なんです。これは他の理由に基づくのでありますからやむを得ないといたしましても、それだけに救済の道が別に講ぜられなければならないということは言うまでもないわけです。本人の意思が縛られておる。こういう点に対して、やはり積極的な、具体的な処置がなければならぬということを申し上げておるのであります。あなたの意図する点はよくわかるのですが、それを具体化しなければならない。ことに、あなたは、官僚出身と違って、長い間政党生活をしておいでになりますから、その理解は早いと思うのですが、それを具体化しなければならない。そのために適当な行政措置というものが法律的にはずされておりますならば、それを補完する方法を考慮すべきであると思います。
 もう一つは、消防の関係で、最近の大火の傾向が、大都市から地方の中都市に移りつつある。地方都市の火災の原因は、新聞記事の切り抜きを見ておりますと、総括して言えることは消防能力の相違にある。なるほど大きな都市における設備はかなり近代化されてきて、機能も高まりつつあるのですが、それに比較して、都市においてもそういうような欠点があるにもかかわらず、さらにそれ以下の弱体な設備である。今度の予算でそういうようなものを出そうとされるのだろうと思いますが、同時にまだ非常勤の消防団の援助、協力が今の消防活動の大きな役割を持っておるわけです。最近の地方の実情を見ますると、農村の若い労働者が都市へ吸収されたり、あるいは中小企業と大命業の労働力の移動を見ましても、若い労働力が大企業へ吸収され、きびしい秩序の中に吸収されていって、消防団の今までのような奉仕的なものの中から若い年令層というものがだんだん後退して、老人が非常にふえてきておる。ここにおもしろい記事が出ておりますが、地方の都市――都市といっても農村の中の小さな都市ですが、昼間の火事は大きくなる、夜の火事は何とか食いとめられるという見出しで書いてある記事を読んでみたのですが、昼間の場合は出かせぎにみんないくものですから、消防団員がいないのです。機械だけ遊んでいて、結局みすみす焼いてしまうというのです。要するに消防団の構成の内容が変わってきておる。こういう点もますますこれから激しくなってくると思うので、消防団の機能と常設の消防職員を強化していかなければならない問題があると思うのです。こういう点に対するしかるべき方針が今なければならないと思うのですが、何かこの点に対するお考えがあったら伺いたいと思います。
#33
○藤井政府委員 大都市関係は、消防力がかなり整備されておりますために、火災一件当たりの焼損面積、焼失面積がその他の地方と比べて非常に低いということは、御承知の通りであります。これは統計上はっきり現われておりまして、一件当たりの焼損面積は、六大都市関係では三十六平方メートル、これに対してその他の市が約倍の六十九平方メートル、それから町が百五十二平方メートル、村が二百十二平方メートルというふうに非常に違ってくるわけであります。これはもっぱら今御指摘になりました消防力の優劣の問題に基因をいたしておるわけであります。そこで、われわれといたしましては、一つは、相当程度の市街地を持っておるところでは、いなかでありましても、これは常設消防というものの推進をはかって参りたいと思っております。消防署というものが主体でございますけれども、そうでないところは、少なくとも消防団の常設部というようなものをつくっていく。独力でなかなかいけないというところでは、組合でありますとか、あるいは中心の市街地の警察署にその事務を委託するとか、その他の方式を一つ推進をして参りたい。それから、現在消防団というものが非常に弱体化してきておる。具体的にお話のありましたように、昼間というものは非常に手薄になっておる。また、昼間だけの問題ではなくて、全体として見た場合にも、今農村人口から都市の方へ人口が集中、流れ込んでおるというような状況でございますので、この弱体化の傾向が拍車をかけられております。これに対しましては、やはり消防団員自体についても、年齢の引き下げ等を考慮いたしますとともに、役場消防というもの、場合によっては役場吏員にある程度の訓練をほどこして、初期の消火には出動させる、そういうような方法をあわせ講じますることによりまして、弱体化しつつある消防力の弱いところ、これの強化方策というものを講じて参りたい、かように考えておる次第でございます。
#34
○井堀分科員 次に、ぜひ伺っておきたいと思うのですが、これは公職選挙特別委員会でも伺っておりましたが、今度の予算の中で、常時啓発費として、わずかこれは一億五千万円の増額、これは約束が違うと思うんだ。これは時間がありませんから、ほかの委員会でも聞けると思いますけれども、これは前国会で、あなたも委員の一人で、与野党の折衝の際に参加されておいでになったと思うので、言わぬわけにいかないから、ちょっと触れておきたい。非常にこれは少額でけしからぬと思います。これはまたいずれあとにしますけれども、こういう約束を守らぬ政党なんというものは、公党としての資格をみずから捨てるようなもので、もってのほかだ。あなたの方の総裁がお約束をしたことで、しかもあなたの仲間の、かつては委員になっておったんですが、理事の間の話し合いできめたことを、こういうことをするようでは、これはだめです。どういう理由があったにしても、これはけしからぬから一言触れておきます。
 それから次に、あと重要な点が四つばかりありまするから、一緒にお答えいただきたいと思います。一つは資金の問題で、先ほど消防の関係でも出ておりますように、大都市と大都市を取り巻く衛星都市の間に、アンバランスが非常に露骨にいろんな形で出てきている。その一番大きな問題として、高等学校の新設、人口の大きな移動によって非常に激増してきて、急に学校の施設をしなきゃならぬ。団地をやたらに建てましたり、あるいは無計画な住宅の移動があったり、急に人口が膨張して、一年のうちに三割も人口がふえた、三年間のうちに倍になったりした都市が随所にあるわけですその際に一番困る問題は、学校の施設、特にことしは高等学校の新設が急がれておりますが、こういうものに対する補助率が一向に実際に見合っていない。同時に、生徒の急増に対する高等学校の整備などに対する費用についても、格別の考慮が払われないで、実態とはかなり矛盾した姿で予算編成が行なおれておる。こういうものに対する特別の考え方が必要ではないか。もう一つは、先ほど消防とそれから警察官の関係でちょっと触れてみたのですが、こういうものに対する配慮は実はされながらも、予算上の措置が、一向に地方財政に対する強力な援助が行なわれていない、あるいは、地方の要求が適当であったかどうかは別として、要求などとかなり懸隔のある予算しか組まれていない、こういうような関係がかなり露骨でありまするので、こういう地方の急激ないろいろな変化に見合うような措置を具体的にすべきではないか、全体的な配分は別として。そういう特別な実情に対する特別の措置というものが講ぜられてこなければ、せっかく自治大臣の地位を規定している法律に対して、まことに無価値なものになる。要するに、あなたの政治力を大いに発揮する部署だと思いますので、一言大臣の所見を伺って、時間がきたので、私の質問を終わりたいと思います。
#35
○篠田国務大臣 最初に、選挙の公明化の常時啓発費が非常に少ない、約束と違うじゃないか、こういう話でありますが、額についてどういう約束があったかということは実は私は知りません。知りませんが、少なくとも今回行なわれる地方選挙に対して啓発費は参議院議員並みにやろう、従来そういうものはなかったのを、特に予備費から支出するというような努力をいたしました。大体六億の予算でございます。あなたは非常に少ない少ないとおっしゃいますけれども、僕もどっちかというとあなたの方の意見なんですが、きのう社会党の太田議員の話によると、こんなにたくさん取ってはもったいないじゃないか、何かほかの方へ使え――これは速記録をごらん願えればわかりますが、そういう意見もあるわけです。多い少ないという問題は、金の額にもよりますが、考える額によっても多い少ないということが言えるし、従来なかったものがふえたということは、多くなったいうことだ、私はそう思います。そういう意味におきまして、今後も僕は、金だけの問題ではなくて、立候補する者あるいは選挙する者のおのおのの自覚、言いかえれば、そういう不公明な選挙をやって当選するより、むしろきれいな選挙をやって落選しても、その方が満足だという心がまえにまでなってこなければ、幾ら金を注ぎ込んで、宣伝しても、相手は子供じゃありませんから、有権者はみな二十以上のもので、小学生や中学生ではありませんから、金だけ注ぎ込んだからといって、そんなによくなるものでないみんなの自覚に待つものでありますから、急に金を倍にするとか三倍にするということだけが主眼であるとは考えておらぬのであります。今申しましたように、なるほど多いに越したことはないのです。しかし、一方から言うと、多過ぎるのじゃないかという議論もありまして、額のきめ方というものは非常にむずかしいのではないか。そこで一応参議院議員並みということできめたのでありますから、私は、これに対して、あなたは約束を破って無責任だというおしかりでありますけれども、私は無責任だとは思っておりません。
 それから、次の問題でありますが、人口のアンバランスの結果、ある都市においては三年間に三倍にもふえる。従って、学校の急増対策が非常に間に合わない、あるいは対策が講ぜられておらない、こういうようなお話でございますが、自治省としましては、学校のいわゆる全体的な計画を立てまして、それを各地方に配分しておるわけでありますから、そういうところはよけい傾斜的に配分をされるわけでありまして、結局、自治省としては、全体的な計画を立ててそれを地方に配分していく、こういうことであります。
 それから、地方の財政の問題について、あまりめんどうを見ておらぬじゃないかというふうに私は聞いたのでありますけれども、これは、御承知の通り、この間相当の激論をやった結果、電気ガス税の減税等につきましても国で補てんをしたというような、こういう例を見ていただけば、自分のことを言っちゃおかしいが、相当一生懸命やっておることはわかっていただけるのではないか、こう思います。
#36
○羽田主査 時間がもう十五分たっておりますから……。
#37
○井堀分科員 今の大臣の御答弁の中で、誤解というか、かなり理解が足りないのではないかと思いますのは、今の選挙関係の常時啓蒙費は、委託費として地方の選管に渡す金なんですよ。だから、なるほど公明選挙運動というのは、金だけで解決するものじゃないくらいのことは当然な話です。要するに自主的な地方の運動を促進する呼び水になる制度としてはこれ以外にないのではないかということは、これは全く意見の一致したところです。社会党のどなたが金額をどう言ったか知りませんが、それは使い方が悪ければ、たとい一億の金でも粗末に使っちゃいけません。使い方をどうやるかということは、今や本質の問題が、選挙のために費用をよけい出しなさいという意味ではもちろんないのであって、公明選挙運動を、選挙民の常時啓蒙、啓発を行なうというところに、すなわち公職選挙法第六条の規定の精神を要するに強謝していこうということについて、これはもう意見の全く一致したところであって、しかも、委員会では、たびたびこの問題については附帯決議などをつけて、意思表示が行なわれていることである。あなたはその点御理解が足りないので、そういう御答弁があったと思うのです。これはそうじゃないのです。そういうことはもうちゃんと話が済んで、それでは委託費をふやして、そこら辺に運動の中心を置こうというところに意見の一致を見て決定したことなので、あなたは少しそこを勉強して下さい。今度は特別委員会の方でみっちりあなたの責任を追及して、激励しようと思っております。
 それからまた、補助率の問題などについては、それは傾斜的にというけれども、一般的なものについてでなしに、やはり特殊な現象が起こったものに対する配慮が欠けている。そういう点は、大臣としてもう少しそういう事実に目を通して、形式的なものじゃなくて、やはり実質に沿うような地方財政、特に今の交付税などに中心が置かれておるやり方というものについては、自治省の責任は非常に重要なので、そういうようなことに対する大臣の特別な御奮起を希望いたすために、ちょっと触れておいたのです。これは少し時間をかけてやるべき問題だと思います。そういう点を一つ十分御注意なさって、もっと自治のあり方について大いに積極的な活動を期待して、そういうことを申し上げておきます。
 もう少し選挙法の問題もありますけれども、これでやめておきます。
#38
○羽田主査 田中織之進君。
#39
○田中(織)分科員 時間の制約がありますので、あまり多くのことについて伺うことはできないと思いますが、私も質問の要旨を簡潔に申し上げますから、それにずばりお答えを願いたいと思います。
 まず、昨日私が本会議で、運輸大臣の趣旨説明を行なわれました日本鉄道建設公団法の問題につきまして、結局受益者負担という名において、さらには年間大体、建設審議会の計画によりますと五百億くらいの資金がどうしても要るわけです。現在の四十七の着工線、それから十八の調査線を、それにさらに最近の、臨海工業地帯その他の産業の均衡上、どうしてもつくらなきゃならぬ臨港線というようなものを含めますると、どうしても五千億の金が今後十年間に要る。問題はその調達の方法としての一つの案も示されておるわけでありますけれども、現実に政府出資が年間まず本年度の例から見て五億程度、日本国有鉄道の方から本年度大体八十億ばかり建設工事勘定の予算がございますが、それがそのまま新線建設の関係の分が引き継ぐのであります。それに若干の借り入れを行なうといたしましても、合計百億程度、年間本格的にやるということになれば五百億要るもののうちで、さしあたり考えられるものは百億程度だということになると、あとの四百億はどうして調達するかという問題が出て参るのでありまして、そこに鉄道建設債券というものの発行というものもすでにその法案に予定しておるのです。そういうことになると、結局やはりそういう新線を建設してもらいたいという地区に受益者負担なり、あるいは地区の要望にこたえるためには、一つ建設債券を引き受けてもらえぬか、こういう形になることは、これは火を見るよりも明らかなことなんです。そういう点から結局地方住民に対する負担というものが多くなるのではないか、こういう意味で御質問を申し上げたのであります。自治大臣からは本案の閣議決定にあたって、自治省としてそういう地方住民の負担になるようなことは困るということで、明確にそういう条件はつけているということでございますが、この点はなお運輸委員会の審議の過程で当然問題になると思いますので、昨日述べられた点はぜひとも押し通していただかないことには、待望の鉄道はつけられたけれども、結局その金は自分たちの負担にかかったというようなことでは、地方住民の負担があまりにも耐えられないと思うのです。政治家はそういういいかげんなことで国民をだますことが一番いけないことだと思うので、その意味で大臣に昨日私はお伺いしたのであります。昨日の答弁で私は一応了解をいたしたわけでありますが、その点については今後委員会で伺うことにいたします。
#40
○篠田国務大臣 おっしゃる通り、政治家が国民をだますなんということはもってのほかで、そういうことは絶対ないように、この計画も初めは党の計画では地方負担というものを考えたようでありますけれども、自治省が反対をいたしまして、それを削除したというような経緯もありますので、自治省としまして、昨日申しましたような方法によりまして、地方の負担あるいは寄付金等の心配がないようにやっていきたいと思います。
#41
○田中(織)分科員 その点特に新線建設については全部政府でまかなえという私どもの主張と、その意味において共通することになると思いますので、ぜひその線を貫いていただきたいことを重ねて要望しておきます。
 そこで二、三の問題について伺いたいと思うのであります。これは一昨日社会労働委員会に自治省の担当者も出ていただいたのでありますが、その機会に私お伺いすることができなかったのでありまして、今月末ないし来月になりますと、三十七年度の特別交付税の配分が行なわれると思うのであります。例年の例によりますと、例の未解放部落に関する関係の同和対策分としての交付税の配分が行なわれると思うのであります。私の手元にあります資料によりますと、道府県分といたしまして昨年度は二億一千九百万円、前々年度の三十五年度も総額においては二億一千九百万円で変わりないのであります。それから府県を通じて市町村に配分をいたします分といたしまして、三十六年度三億四千六百万円、それから三十五年度は若干少なかったのですが、三億三千万円が出されておるのでございます。三十七年度はまだ配分が直前にはなっておりますけれども、あるいは金額は確定されておらないかもわかりませんが、大体この三十六年度分に比べまして増加する見込みだということは、昨年私ども全国代表者会議を開きまして、自治省の担当者とお目にかかったときに伺っておるのですが、あらためて申し上げませんけれども、本年度は各般の旧地主の補償に対する問題であるとか、あるいは戦争未亡人に対する一時加給金であるとか、いろいろな面におきまして、こういう社会の最底辺におる、あるいは戦争犠牲者に対する援護というような点について政府が手直しをやっておる時期でありまするので、地方自治体における同和対策事業の積極推進のために、この特別交付税につきましては思い切ってやはり増額をしていただきたい。もちろん交付税の総額というものはすでに予算できまっておりますけれども、その配分については特に同和対策事業分について増額を要請したいと思うのであります。その点について、数字についての大体の見通しでもついておりますればお聞かせをいただきたい。
#42
○篠田国務大臣 昭和三十七年度につきましては、目下算定作業中であります。しかし同和対策の問題につきまして、総額におきましてふやす予定でおります。
#43
○田中(織)分科員 ぜひとも一つその点は御努力をいただきたいと思うわけであります。そこで、自治省の方ではこういう形で交付されておる特別交付税に基づいて、各府県、市町村等が同和対策についてどういうように取り組んでおるかということについて調査されたことがございますか、あるいは府県の同和対策事業費というようなものの予算あるいは市町村の関係の予算というようなものを収録された、あるいは総括をされたことがございますか、ありますれば、大体最近の趨勢がどうなっておるかということについてお聞かせをいただきたいと思います。
#44
○奧野政府委員 同和対策審議会においていろいろな調査をやっておられるわけでございます。その際には自治省もそれに参加しておりますけれども、自治省として特別に同和対策の問題を取り上げて調査はいたしておりません。
#45
○田中(織)分科員 内閣へ私どもが要請いたしまして、これは自民、社会、民社の三党提案で内閣に同和対策のための審議会ができるという一つの画期的な前進をしておるわけでありますから、一昨日担当者の内閣の総務長官にも申し上げたのでありますが、実に隔靴掻痒の感を抱いておるのであります。昨年の各市町村、府県を通じての調査も三月にならなければ集約はできないということでございます。その調査項目の中にも、実は私が今お伺いしたようなことについての調査項目が漏れておるわけなんです。三十八年度については引き続き調査をやるということでございまするけれども、私はその項目を入れるように、私どもの団体の方からも出ている委員を通じて強力に主張をしたいと思うのであります。しかし、できれば今度の特別交付税の同和分の配分を機に、各府県、市町村の同和対策関係の事業予算について、一つ本省へ報告をするようなことを申し添えていただきますならば、これについての数字がつかめるのではないかと思うので、その点をやっていただけるかどうか。なぜ私がこのことを伺いますかといいますと、たとえば奈良県におきましては、最近は態度は変わって参ったのでありますが、奈良県の予算における同和対策事業費というものは、昨年あたりからは若干ふえてきておりますけれども、一つの目安として特別交付税分として奈良県へ参りますものが、三十五年は千四百万円、三十六年度も千四百万円出ておるわけであります。ところが、奈良県の県予算の中で同和対策に関係のある分を拾ってみましても、実は一千万円にちょっと切れる程度の金額にしかならない。それで私どもが毎年予算分科会でこの問題について取り上げて、そういうことはないので、奈良県には府県分としては千四百万円は少なくとも特別交付税というものが出ている。これはいわゆるひもつきではないけれども、少なくとも奈良県は全国にも類例のないくらい部落民の数も多うございますし、部落も多うございます。勢い奈良県として部落対策のために施策をしなければならぬものがありますから、国が特別交付税において特に考慮をしておるのであります。ところが、そういうような関係のものは来とらぬということを一昨年まで奈良県当局は主張をして、実は私どもの部落解放同盟と対立していたというような関係があります。それから引き合いに出すのも恐縮でありますけれども、群馬県も三十五年、三十六年ともに府県分としては四百万円出ておりますが、ようやく昨年あたりにこの四百万円すれすれのところの同和対策の事業に取り組むというような関係で、とにかくまるきり積極性のないところ、また一昨日の社労では黒金内閣官房長官の出身県である山形県においては、県から該当事項なしという返事が来ているということが明らかになったのです。ところが山形県の、しかも黒金君の出身地の米沢市には、数百戸に上る未解放部落がございまして、先年私どもの団体の委員長である松本治一郎が現地へ参りまして、米沢市に対してもいろいろ地区が持っておる要求を出しまして、施策を進めていただくようなことをやっておるのに対しまして、それは米沢市と県との打ち合わせが悪かったかどうかはわかりませんけれども、該当事項なしというような無責任な報告を実は上げてきている。こういうような面がございますので、関係の市町村の問題につきましては、やはり各府県に市町村分として配分額がきめられるのでありますから、関係の市町村へこの特交がどういうように配分されたかということについては、各府県が配分が終わったときにはっきり表に正式発表するということも、自治省の方から指示していただきたい。そういう関係から見て、関係の全国の市町村、それから府県で取り組んでおる同和対策関係の教育、環境改善、各般にわたるわけでありますが、そういう関係の、はっきりそのためにやっておられるような政策関係の予算を政府がやはり見ていただく、そうして適切な指導をしていただくというようなことをお願いしたいと思うのでありますが、その点についての大臣の御所見を伺いたい。
#46
○篠田国務大臣 御説の通り、衛生、教育、その他環境、あるいはまた職業指導といったような面におきまして、そういうおくれた部分と取り組んで、そうして普通の生活あるいはそれ以上のよりよい生活をさせるために交付しているものであります。しかし、今聞きましたところによりますと、自治省といたしましては、調査報告を要求したことはないそうでありますが、審議会として各府県に対してどういうふうに同和対策費というものが使われておるかという調査をしたことはあるそうです。そうしますと、そのうち七、八県は、今さら同和部落と一般の部落というものとを区別する時期ではないということで、その調査報告を拒んだということを聞いているわけであります。考え方によりまして、事実上おくれておるということははっきりしているわけでありますけれども、考え方としてそういう区別をしたくない、こういう意向の県もありますので、山形県のごとく該当者なしというような回答が来たものと思うわけであります。所管が厚生省でありますから、今後厚生省ともよく相談しまして、はたしてそういう特交の目的通り使われておるかどうかということを一つよく調査したいと思います。
#47
○田中(織)分科員 今さらそういう問題を取り上げることはどうかという意見が、われわれ運動をやっている者の内部にもよくあります。一般にもそういうのがございます。しかし大臣はあるいは御存じかと思いますけれども、今失対事業の改善問題が大きな問題になっておるわけです。いわゆる失対労働者として政府が組んでおる二十五万のうちで十五万までが部落関係の人なんです。私の和歌山県の御坊市などでは、失対労働者の九割までが未解放部落の人なんです。それだからこういうようなものは、根本的にいえば、部落差別のための就職の自由というものが確保されていないのです。今日でも残念なことでありますけれども、銀行であるとか、そういうような大きな商社などの関係で就職試験を受けます。成績はいいけれども、いわゆる昔ながらの身元調査というような関係で、同和地区からの出身者であるということになると、何とか理屈をつけてその就職が認められないというような事実、これは一昨日の社労の委員会でも田原委員から具体的な幾つかの事例があげられたわけなんです。そういうような状況にあるわけで、大臣が同時に公安委員長も兼ねておられる点で――私は一昨日取り上げた奈良署における、いわば映画館で起こったけんかの当事者両方を引っぱってきたうちで、言うてみれば被害者の方を警察が一晩泊めて、泊める場合に、酒を飲んでお前はけんかしてから何を言うかということで、警察官が取り調べにあたって踏む、けるの暴行を加え、さらに差別的な言辞を弄して二週間からの傷を負わしている。あくる日奥さんが、帰ってこないから迎えにいったところが、前の晩に医者に見せた医者代五百円を払えということで払わしたという事件を私は一昨日の委員会で取り上げておるのでありますが、地方の警察官の中ではまだそういうことをやっておる。これは警察庁の警備局長は刑事事件の関係だと言うのですけれども、刑事事件の関係から見たら、むしろ被害者なんです。この被害者を泊めておいて、加害者については共産党の弁護士から告訴状が出るまで調べない、こういうようなことを警察自身がやっている。これは警察の差別事件だということで、現に奈良県では大きな社会問題に化していることを申し上げたのですが、そういうような関係で、あるいは結婚する――今日結婚は憲法で当事者同士の意思が一致すればいいのでありますけれども、相手が、娘さんが部落出身である、あるいは男の方が部落関係であるからというようなことで破談になる。あるいは結婚しているうちにそういう身元が知れたために、子供があるのに自殺をしたという事件が、去年私ども部落解放同盟の方に報告されただけでも三件ある。そういうことなんですから、この問題については審議会で基本方針を早く出していただきたいと思うのであります。これは何か古い因習が観念として残っているというようななまやさしい問題ではなくて、毎年ここのところ自治省の方においても、市町村分、府県分を合わせまするならば、五億以上の特別交付税を、これはまだ少ないと思うが、それを出して、特にやはり各般の面で施策を進めなければならぬ状態に置かれているということが、現実にはやはり差別が存在することになるのでございます。この点についての理解を深めていただくとともに、今大臣がお答えになったような形で、できれば特交の交付にあたって、各市町村、府県の分を同和対策関係についてどう取り組んでいるかということを、自治省としての地方自治体に対する指導の建前からも、一つ数字をあげるような努力をしていただきたいと思うのであります。重ねて要望申し上げますが、お答えいただけますか。
#48
○篠田国務大臣 先ほどの警察の問題その他、もしそれがほんとうに事実であれば、これは驚くべきことだと私は考えます。従いまして、そういう方面をも含めまして、先ほどお答えしましたように、はたしてこの特交が初期の意図した目的に向かって使われているかどうかということについて、厚生省とも相談をいたしまして、御報告できるように努力したい、こう思います。
#49
○田中(織)分科員 それではその問題については、まだ起債上の問題等いろいろ方法があるわけですが、それはまた別の機会に述べることにいたしまして、次に選挙に関連した問題を二点ばかり伺ってみたいと思います。
 先ほど民社党の井堀委員から、選挙について、特に公明選挙運動についての御発言がございました。もちろんこの公明選挙運動というものについての必要は私どもも認めるのであります。しかし、現実に本年間もなく行なわれようとする地方選挙等の関係から見ますると、公明選挙運動の名において行なわれる選挙運動というものがあると私は思う。ことに知事選などにおきましては、これが体のいいかり出しなんですね。大臣も御承知のように、県の選管というものがございます。各地方事務所にそれの分局というものがございます。地方事務所の職員が、全部とは申しませんけれども、ある者は分局員を兼ねているという立場で、名前は公明選挙運動ということで、地方事務所のジープであるとかあるいは広報車であるとかいうようなものに乗りましてやる行為が、もう公明選挙運動ではなくて、そのときのいわゆる県の権力に連なる者の明らかに選挙運動になるという実態を自治大臣はふまえておられるかどうか。ことに和歌山県の場合は、大臣も御承知の通り、全国に類例のない五選出馬ということなんです。現在の小野真次君は、これは神奈川県の内山岩太郎君と二人が五選出馬をするという関係になる。非常に残念なことでありますけれども、私どもの社会党支持を決定しておる和歌山県の職員労働組合が、やはり職制の圧迫でありまするけれども、現職の小野知事の推薦をきめておるという関係なんです。それだから県の選管というものは、本来なら公正中立的な立場をとるべきものでありますけれども、地方事務所の関係の、県の選管の分局というようなものを地方事務所の職員が兼ねておる。従って選挙のときには特に公明選挙運動の推進ということでこの人たちが動くことが、これはやはり現職知事の選挙運動につながるという事実関係をあなた方はどういうように把握されているか。従ってこの点につきましては、公明選挙運動は県選管にまかせきりの形に勢いならざるを得ないと私は思うのです。しかしやはり各府県の選管で、たとえば選挙管理委員というようなものが終戦後全然変わらないところがある。和歌山県の選管の委員長の小滝徳五郎君なんかはそれなんです。そういうような形の者が、選管あるいは選挙関係の行政に携わる者が既存の権力者との間の結びつきというものを考えなければ、ここにやはり国民の税金で特定の人の選挙運動に使われるというような結果になる面があると思うので、その点は野放しに見るわけにはいかないと私は思うのでありますが、こういうような弊害を全然ないとお認めになるのか、こういう点については何らかやはりそれを防ぐような処置をお考えになられるかどうか、承りたい。
#50
○篠田国務大臣 ただいま公明選挙運動の名における選挙運動というお話であります、そういうことは私残念ながら今まで知らなかった。そこで地方公務員というものは選挙運動ができないことになっておるのであります。もちろんわれわれはそんなそういう悪用する意味において公明運動をやっておるのじゃないということは、あなたもよく御了解していただけると思う。しかしそういうものがかりにあるとすれば重大問題です。あなたのおっしゃる通りです。よく調査しまして、そういうことのないようにしたいと思います。
 また、その他のこまかいことにつきましては、選挙局長から答弁いたさせます。
#51
○田中(織)分科員 その点は一つ大臣の御答弁の通り、すでに知事選の行なわれたところでは、若干そういう傾向が出ているのであります。また私の和歌山県が特にそういうひどいケースであるかもわからぬと思うのであります。一つ特に本年度の選挙の関係でそういう点に目を配っていただきまするならば、弊害が出ないというふうにもなろうかと思うので、御努力を願います。
 そこでたまたま和歌山の、お恥しいことでありますが、五選出馬するというようなことで、しかし同じ保守党の系統でありますけれども、それは五選ということはあまりにも民主主義の原則に反する、同じ保守党系においても人材なきにしもあらずということで対抗馬が出ることになりますので、私どもとしてはやはり五選を阻止するということが地方自治体の民主化のために役立つ、これは実にいろいろな面における弊害が出ておるので、後に関連して、そのいわゆる経済的な関係というようなものについても一点伺いたいと思うものですが、大臣はそれはまあ憲法で認められておることでありますから、それを法律で禁ずるということは、私はまあ大臣と同じように、そんなことをやるとまでは考えない。しかしその国民、県民がそういうことに対して批判をするという政治意識というものを高めることのために、お互い政治活動をやっているものとして努力が足らないという反省の上に私は立っているが、一つ自治大臣に伺いたい問題があるのは、これは知事のみならず、市長などの場合にも行なわれるのでありますけれども、退職金というのが出せるようになっている。従って今度小野さんがかりに四選でやめるということで、四四の十六年間知事の座におったということになりますと、その退職金だけでもおそらく数千万円になるのではないかというようなことが言われるのであります。従来の例から見て、たとえば二選で八年でやめられた人、三選十二年でやめられた人、今度はだいぶ四選知事も出ておりますから、あるいは四選でやめなければならぬことになる人も出て参ると思います。そういうもののなにが勤続年限に従ってスライドするということになりますると、和歌山でかりに五選で四五の二十年ということになると、退職金だけで一億円になるだろうということもよりよりうわさをしているような状況であります。その退職金の関係というものは、一体合法的に当然出しているのでしょう。現在まで支出された実態がどういうようになっているか、この点についてお伺いしたいと思います。
#52
○篠田国務大臣 退職金の問題は、各府県の条例できまっているそうでありますが、こまかいことは行政局長をして答弁をいたさせます。
#53
○佐久間政府委員 知事は特別職でございます。特別職の退職手当の額につきましては、個々の地方公共団体で条例できめておるわけでございます。それらの基準について自治省の方で別段指導いたしたことはございません。
#54
○田中(織)分科員 どうですか、参考までに調べられた、たとえば最近四選の目的を達せられないでやめた千葉県などの例がありますが、柴田君が退職金をどの程度取られておるか。今私が申し上げるように四期やるということになると、数千万円になるというようなことになりますと、これはやはりそういう内容が発表されると、選挙民としては何のためかということで、私は反省する材料にもなろうかと思うのであります。特別職のやつは条例にまかしておるということで、それで野放しでは、私自治省としてはどうかと思うのでありますが、いかがでありますか。これはたびたび議員の歳費の値上げの問題が出る。地方議員も、われわれ国会議員もそうでありますけれども、たびたび問題になりますけれども、私は新聞もこういう問題についてやはり取り上げなければ、われわれ議員と片手落ち――私は議員の歳費は兼職をしないでいいだけ、やはり議員の立場において十分な活動ができるような歳費を思い切って、実は月収実収入三十万円を確保するまで思い切って待遇改善をやれという持論を持っておるのでありますけれども、そういうこととこの退職金とは私はおのずから別問題だと思うのであります。自治省が調べた実績がなければいたしませんが、かつて問題になっていることですから、お調べになった実績があると思うのです。出していただきたいと思います。
#55
○篠田国務大臣 各県の条例を調べたことは自治省としてもあるそうです。その資料は今ここに持ってきておりません。そこで今ここでわかっておるのは、奈良県が五百万円だったそうであります。それだけがわかっております。
#56
○田中(織)分科員 奈良県が五百万円ということでありますが、私の記憶では和歌山市長が二選当時でも、たしかこれはもう和歌山は今度五選をねらって高垣君が出るわけでありますが、その当時でも、和歌山市長の場合でも、私は二百五十万か三百万ということになっておったと思うのであります。そういう風味で累進いたしますると、府県知事でおそらく三選以上ということになりますると、私の腰だめ計算で見ましても、おそらく二千万円をこすのではないかと思うのであります。この点はこういうことこそ自治省がお調べになって明らかにすることが、ほんとうの意味においての公明選挙運動というか、選挙についてやはりそういう条件を国民が正しく判断して選挙を行なうということにおいて広い意味にはなりますけれども、私は真の公明運動に役立つのではないかと思うのであります。この点はお手元に資料がなければ一つ各府県の資料をお調べいただいて、できれば国会の方へ提出をしていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
#57
○篠田国務大臣 承知しました。
#58
○田中(織)分科員 もうだんだん時間も少なくなって参りましたので、あと二点だけ伺いますが、その一つは、近年府県もそうでありますけれども、市町村等によりまするところの、たとえば住宅の宅地の造成であるとか、その他和歌山県等は臨海工業地帯の造成というような関係で、相当埋め立てというようなものを行なってきておるわけであります。そういう府県、市町村というような自治体によるいわゆる経済活動というのですか、そういうようなものの傾向が全国的にふえてきておると私は思うのです。これは一つは大臣の所管の地方財政の面において歳入が窮屈であるというような関係から、一つはやはりそういう経済行為によるところの財源確保というねらいがあろうかと思うのでありますが、和歌山県の場合には県の開発公団というものがございまして、知事が理事長です。これが四国、和歌山総合開発の関係を通じて参りまする開銀融資というようなものと結びついて、相当な量の経済行為をやっておるということになるわけです。自治省の方では、三十三年、四年でありますか、私はまだ目を通していないのでありますが、都道府県別の行政投資等の実績調査というものを行なわれておるようでございますが、こういうようなものも、私が今申し上げたようなものも、いわゆる府県、市町村等による行政投資の問題にもこれはそのものずばりで入ってくるのではないかと思うのであります。こういうような経済行為の、あるいは投資活動の実態についてお調べになったことがありますか。あるいは町村にまで開発公社というようなものができて参りまする関係から、それが地方自治の本義にもとるような面に行き過ぎがあるんではないかという点を私は心配するのであります。間々地方自治体等で汚職事件が起こるということになりますと、やはりそういう市町村の開発公社だとか、そういうようなものにまつわる用地の買収であるとか、あるいは工事の請負人の決定であるとか、こういうような関係から見て問題が発生しているように見るのでありますが、この実態をどういうようにとらえられておられるか、それについては現在のままで野放しにしておいていいものかどうか、この点に対する自治大臣の御見解を伺いたいと思います。
#59
○篠田国務大臣 今おっしゃった事業というものは、土地を造成しましても、売り値は別に実費以上取っておるわけではないと思います。そこで土地の造成によってもうけるのではなくて、土地を造成し、そこにいろいろな工場その他を誘致することによって経済力を高めていくということが地方自治体の事業の目的であろう、私はそういうふうに解釈しております。
 そこで今おっしゃったようなそれに伴う問題、事業が起こりますと、いろいろな問題が起こって参りますから、悪い面から見ますと、今おっしゃったようなことも起こり得るでありましょう。しかし、片一方から言いますと、そういう産業基盤を造成して、いろいろな産業の受け入れ態勢をつくることによって、地域の発展に資するばかりでなく、日本の経済力の発展と申しますか、国力の発展といいますか、そういうことに寄与する面も非常に多いのじゃないか。でありますから、直ちに今ここでそういうマイナスの面があるからと言ってそれを制約するというわけにはいかない。しかしマイナス面はあくまでも制約しなければなりませんから、これはそれぞれの実態調査によりまして、そういうおそれのあるものについては指導する、こういうふうにしていきたいと考えております。
#60
○羽田主査 田中君に申し上げますが、すでに約束の時間もだいぶ経過しておりますので、簡潔にお取りまとめの上、御協力をお願いします。
#61
○田中(織)分科員 わかりました。
 この問題については、府県、市町村などの私が今申し上げたような種類の経済活動について、何か全国的に調査なり資料を集められたことがございますか。
#62
○佐久間政府委員 お話しのようないわゆる地方公社といわれますものの実態につきましては、調査をいたしたことがございます。もし必要であればあとで……。
#63
○田中(織)分科員 ぜひ一つ、その調査の結果を見せていただきたいと思います。またこれに付随する問題を一、二私は申し上げましたけれども、実は非常に重大な問題を含んでおるように思うのでありますが、それは別の機会にお伺いすることにいたします。
 その次にお伺いいたしたい問題は、いわゆる昨年の臨時国会における近畿圏整備に関する各党一致の衆議院の決議に基づきまして、政府の方もこれに関連する法案の提出について、すでに準備ができて、閣議決定を見たとも新聞紙は報じておるのでございます。しかし実は三党の共同提案で進めようということで、特に自民党と社会党との間で連絡が十分に行なわれませんでしたために、私どもの考え方との間に一つ実は大きな食い違いが起こって、今両党のそれぞれの特別対策委員会で話し合いの段階でもあるわけですが、新聞紙等に出ます関係から見ますと、結局首都圏整備委員会と同じような、ほぼこれを近畿に移したというような構想のように見るのでありますけれども、私ども社会党の考え方から申しますと、そういうものではいけないし、また中央集権的な方向に持っていくというようなことではなくて、やはり近畿の自治体の連合体によって、近畿圏としての総合的な開発なり運営なりを進めていくという建前を貫かなければならない。そういう関係で、ただ単なる、長官には国務大臣を充てて、それで首相の諮問機関というような形の近畿圏整備委員会というようなものができればよいというような考え方では私どもはないのです。そこにいろいろ現行の地方自治法の府県連合体との関係の問題で、現に作業を続けておる段階でございます。自治省としてこの問題にタッチされている範囲についてどの程度の案がきまっておるのか、お聞かせいただければ伺いたいと思うのであります。
 なお、これに関連をいたしまして、私の手元に持っているのはごく最近の、二月二十日の産経新聞でありますが、佐藤喜一郎さんを会長とするところの臨時行政調査会の第二部会で、広域行政のあり方というようなことについて大体の意見がまとまった、それにつきましては、大体全国を七つか九つのブロックに分けて管区行政府を設けたらどうかという考え方が基本であるという報道がなされておるのであります。これは国、府県、市町村という三段階の現在の地方行政のあり方というものにもう一つ管区行政府というようなものが入り込むことになるので、さらに複雑化するのではないかというような有力な反対意見もあり、同時に、私どもが近畿欄整備法案の立案にあたりまして考えておりまするように、やはり中央政府の出店が各ブロックごとにできたのでは、便利のいい面もありますけれども、地方自治の本義から見るならば、いささかどうかという問題が出てくるのではないかと私は思うのでありますが、この二点について自治大臣のお考えを伺いたいと思います。
#64
○篠田国務大臣 実は、この近畿圏の問題は、先般の閣議におきまして、閣議の議題としてではなくて、まあ雑談というような形で一ぺん持ち出されたことがあります。雑談ですから、こまかい正確な記憶じゃありませんけれども、そのときに、たしか、やはり審議会を償いて、もう一つは実施本部を置くようになるんじゃないか、そういうような話がありました。これは今作業中でありまして、来月の初めごろにはこれがまとまるものと思いますが、われわれとしては、別に中央官庁の延長を近畿圏に持っていきたいなんとい、考えは、少なくとも私は、自治大臣としては持っておりません。そこで、幸いにして各党の話し合いが行なわれているならば、今あなたのおっしゃったような意向を十分にお伝え願って、そうして各党の案をそういうふうにまとめていくならば、まだ作業中であるから私は十分余地があるんじゃないか、こう思います。
 それから今の臨時行政調査会の会長の意見として、産経新聞に発表された今の市町村、県、中央政府というものの間に、戦時中の、何といいますか、九州とか、そこをまとめた総監部ですか、ああいうようなもの、それそのものではありませんけれども、そういうような機構をつくるという考え方には私は賛成をいたしません。
#65
○羽田主査 田中君、時間がもう二十五、六分たって五十分になりますから……。
#66
○田中(織)分科員 もうこれで終わりますが、私は今予算のレギュラー・メンバーではございませんけれども、過去の私の経験によりますと、分科会ではあまり時間の制限をやらないで十分掘り下げる、それでなければ今別途隣で相談しているように、分科会の日程を一日延ばさなければならぬというようなことにもなると思うので、その点はなにしまして、主査の指示に基づいてあと一問で私の質問を打ち切ります。
 特に近畿圏整備の問題につきましては、これは当面行なわれる、来月の終わりから始まる地方選挙とも実はからんでいると思うのです。そういう点から、与党の方では何としても――これは私どもの観測でありますけれども、案が固まらなくても、内容について問題があろうとも、とにかく形だけでも近畿整備委員会というようなものを発足させなければ、特に中心の大阪府の左藤知事の立場があるようにも見受けるのであります。しかし私ども近畿圏に生を受け、現に居住をしておる者の立場から見れば、やはりわれわれはその地区の地方自治体の一員ですから、そういう考え方から見れば、やはり地方自治の本義を貫くような形で近畿圏の整備というものを考えるべきだ、私の方の党はそういうような考え方の上に立っておりますので、政府の方でも今の大臣のなんでわかりますように、作業の過程で十分両党の間で意見の交換ができれば、それを取り入れていくという大臣のお話はよくわかりますので、私どもは努力いたしますけれども、与党の方からつつかれるからといって、拙速の案を出さないように、この点重ねて私は要望しておきたいと思うのであります。
 そこで、私の質問をこれで終わりますが、先ほど選挙のことでもう一点だけ伺っておこうと思って落とした問題があります。それは、今度も全国統一選挙が行なわれるわけなんですが、いつの選挙のときでも、選挙のときにはったポスター類を撤去する問題があとへ残る。これは確かに都市、農村を問わず、美観を害します。ところが、当選した人たちはともかくといたしまして、落選した諸君については、全然ほうりっぱなしになる。そういう関係で、このごろは関西電力などは、選挙ポスターお断わりだということになって、ポスターのはり場所の問題にも苦労するようなわけであります。これは選挙後の問題になりますけれども、ポスターを選挙中にはったものは、思い切って選挙管理委員会で統一してはがすようなことにしたらどうか。公営をそこまで拡張していただければなおさらでありますが、もし選挙関係者各人から、各候補者から何がしかのものを出させるということになりますれば、各人でやれば――私ども自分の経験から見れば、そこにある地区のものはみなはがしますけれども、みんな自分のものだけはがして、落選した人やほかの人のものほうりっぱなしになっているのを間々多く見る。われわれもたまに手が届かなくてあとで顔を赤らめるような場面もある。この際徹底的に公営を推し進めて、そういうような関係の――これは公明選挙の趣旨を広く解釈すればそういうことにもなります。もし費用を国で見るわけにいかないということになりますれば、各選挙関係の候補者に立候補の届出と同時に一定の金額を出させて、県の選管なり町村の選管で当該地区のものを全部はがしてしまうということになれば、選挙後において急速に美観を回復することになるのではないかと思うのであります。この点は別に法律改正を伴わなくても行政指導でできる面ではないかと考えるのでありますが、選挙局長の御見解があれば伺いたいと思います。
#67
○松村(清)政府委員 ポスターが選挙のあとに残りまして、都市の美観を害することは、いつも問題になるところでございます。従いまして、これをどういうように清掃するかということにつきましては、関係者の間でいろいろ検討しておるわけでございますが、さしあたっては、選挙管理委員会等から呼びかけまして、候補者の側でこれらを撤去していただくように申し上げておるのですが、なかなかこれも実行ができがたいのでございます。お話のようなことも考えてはみるのでございますが、早急にこれを実施するまでの結論にはまだ至っておりませんけれども、御趣旨の点はごもっともと存じますので、今後も引き続き検討いたしまして、ポスターによって美観がそこなわれないようにやって参りたいと思います。
#68
○羽田主査 石田宥全君。
#69
○石田(宥)分科員 大臣がお見えになってからにいたしたいと思っておりましたが、時間がございませんのでお伺いいたしますが、自治省から固定資産評価作業進捗状況がプリントで出されておりますが、実は固定資産の評価がえが行なわれることになって、お配りになったプリントのように作業が進んでおるようであります。しかし、この問題は、農業経営に及ぼす影響が非常に大きいと考えられますので、今全国の農民は非常にこれに対して反対をいたしております。御承知のように、市町村の税収入額のほぼ三五%が、この画定資産税によってまかなわれておるのであります。従来は、収益還元方式という算定方式によりまして、水田で大体三万七千円くらいに評価をされておったのでありますが、聞くところによると、売買実例価格ということによってそれを若干修正をするということもございますけれども、大よそ水田が反当たり十二、三万円に評価されるのではないかということであります。この問題は、税制調査会が、今準備を進められておるような方法で評価がえをするという答申を数回いたしておるのでありますから、ここでこれを取り上げるということは、なかなか困難な問題ではあろうと思うのでありますが、私は、やはり今の日本の農業の現状にかんがみて、評価がえをすべきではない、こう考えておるのであります。先年成立いたしました農業基本法によれば、自然的、経済的、社会的不利を補正するという命題があるわけであります。農業の自然的、経済的、社会的な不利を補正するといえば、農業経営の上において一番大きな負担である固定資産税などは、むしろこれを廃止すべきが当然であろうと私は考える。大臣お見えになったようでありますが、大臣も農業の問題はよく御理解になっておられるのでありますが、実は先ほど申し述べたのでありますけれども、市町村の税収入のうち三五%程度は、この固定資産税によってまかなわれておる。市町村にとっては非常に大きな税収入の一つであります。それだけに、また農民にとっては非常に重い負担であると言わなければならない。もし農業基本法が指摘するように、自然的、経済的、社会的不利を補正するというならば――イギリスでは農地及び農業用施設は免税をしておる。日本が、今日農業格差がますます拡大しつつあるというときに、この農業基本法の精神に沿ってその一切の政治を行なうということであるならば、むしろ評価を引き下げる。あるいは税率を引き下げる。あるいは農地及び農業用施設に対しては免税をする。もう免税しておる国もあるし、また特別に減税をしておる国もあるのでありますから、これは今日準備は相当進んでおるようでありますけれども、私はこれは断念すべきであろうと実は信じておるのでありますが、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#70
○篠田国務大臣 この国定資産の再評価という問題は、今石田さんがおっしゃったことは逆――というわけではありませんけれども、農地に比較して宅地が安過ぎるというような問題から出発して、一つ再評価をしようじゃないかということになったおけでありますが、再評価をしたからといって、固定資産税を上げるという目的でやっているのではもちろんないわけです。そこで今おっしゃったように、固定資産というものは、私も、実際において、自分でわずかの土地と固定資産といいますか、うちを持っているわけですが、これは何ぼ再評価されて値が上がりましても、売れば別でありますけれども、自分が住んでいる限りにおいては、一万円で評価されようと、五百円で評価されようと、実際の自分の利用価値は変わらない。そういう意味におきまして、農民が農業をやっておる限りにおきまして、それは高く見積もられようと、安く見積もられようと、収入には変わりないわけであります。離農する場合にそれを売るということがあれば、それはまたその時価というものがありますから別でありますが……。そういう意味におきまして、固定資産税の再評価をするから、最近、農村において非常に農地が高く見積もられて、固定資産税が上がるのではないかというような心配をしておる向きがありますが、そういう心配はありませんし、もちろん評価されて固定資産が上がるのでありますが、税率はどうしても下げないわけにはいかなくなると思います。ただし、減免税の問題につきましては、ちょっと今そういうことを直ちに考えておりません。しかし、固定資産税の税率は下げなければいかぬ、こういうふうに考えております。
#71
○石田(宥)分科員 今の大臣の答弁によると、宅地の評価が低過ぎるので農地の評価がえもするんだということを言われるのでありますが、これは受け取れない。宅地が低過ぎるならば、宅地を上げるということはわかるけれども、宅地が低過ぎるから農地も上げるということは、これは受け取れない。
#72
○篠田国務大臣 それは宅地と農地というふうにして個別的に調査をしていくわけでありませんで、全体の固定資産の再評価をやるその動機となったものが、あまりにも実情にそぐわないじゃないかというのが、たまたま宅地の問題であった、こういうことでございます。
#73
○石田(宥)分科員 評価を上げても農業経営に影響ないじゃないかというお話でありますけれども、やはり従来三万七千円であったものが十二万円にもなった。勢い売買価格にも影響をいたします。それは売買価格に影響すれば、高い農地を手に入れれば、農業経営はそれだけ苦しくなるので、評価を変えても売買価格が高くならないという保証が一体つけられるかどうか。もし何か資料があって、評価を上げても農地価格は上がらないんだという証明ができるならば、一つお伺いをしたい。
#74
○篠田国務大臣 実際におきまして、売買価格は、固定資産税の評価とは――現在の評価とはかかわりなく、時価によって売買されておるわけであります。従いまして、評価が上がったから売買価格がまたその割に上がっていくという工合には考えておりません。しかし、詳しいことは事務当局をして答弁させます。
#75
○柴田政府委員 先ほど来の御質問に対して若干補足的に申し上げますと、この問題がおこりましたのは、市町村間に評価のアンバランスがある、資産間にアンバランスがあるというところから、御承知のような経緯で今日まできておるわけでございます。そこで、再評価をいたしますのは、そのアンバランスを直すことであって、何もそれによって税収をふやそうという意味じゃありません。そこで評価はまともにやる。しかし、評価の結果負担がうんとふえるようなことにならないように負担の調整をする、こういうことで現に答申になっておりますし、われわれもその方針で進んで参りました。ただ、負担の調整の問題につきましては、先生の御指摘のような問題も起こり得る可能性があり、非常に重大な問題でございますので、この問題につきましては、税制調査会の慎重な審議を経て、その上で政府案というものをきめていきたい、こういう考え方に立っておるわけでございます。
#76
○石田(宥)分科員 市町村間のアンバランスがあるとおっしゃるけれども、従来の収益還元方式がとられておりましても、やはりその基準というものは自治省でおつくりになって、これを上から下げて、大体それに準じてやっているでしょう。ですから、その点においては、今度も基準町村をおつくりになってそのアンバランスの是正をされるようでありますけれども、従来といえども、アンバランスというようなものがあまり問題にならなかったのではないか。われわれの知る範囲においては、それはなかったと私は考えるのです。ですから、その問題、アンバランスというようなものを特に取り上げられるのはおかしい、こう思うのです。
 それから、さきの大臣の答弁の中にありましたように、評価を上げたからといってあまり影響がないんだ、こうおっしゃるけれども、たとえば、やはり住民税の免税点の問題を設定する場合とか、いろいろやはり固定資産の評価によって違ってきますよ。固定資産を持っておるということによって、社会保障制度を実施する場合に、生活扶助をやるかやらないかというときに、固定資産が相当金額のものがあるということでこれがはずされる例は、幾らでもあるわけですよ。ですから、その固定資産の評価を上げたからといってあまり影響がないなどと考える大臣の認識は、私はどうかと思うのですよ。答弁がありましたら一つ……。
#77
○篠田国務大臣 今おっしゃった生活保護というような場合に、固定資産を持っていればかからない。これは、財産を持っている者に対して生活保護をやるということはもう間違っておるので、生活保護の目的からいきますと、そういうときにはもちろん当然だと私も思います。またそれがあたりまえです。ところが、私の申し上げたのはそうではなくて、固定資産の再評価が行なわれたからといって、固定資産税は直ちに上がるということではない、こういうふうに申し上げておるのです。
#78
○石田(宥)分科員 その点はまたあとでちょっと触れますけれども、評価が上がりますと、まず売買の登録税が上がってくる、贈与税が上がる、相続税が上がる、それは否定できないでしょう。これは法務省関係でもあるのですけれども、これは否定できないですよ。そうなると、その負担というものは相当に上がるということです。それはやはり評価をかえて、三万七千円を十二、三万円にするということから起こってくる副次的な問題なんです。
 それから、今大臣が触れられた、固定資産税そのものは上げない、こうおっしゃるけれども、このあなたの方から出したこれを見ると、本年の四月以降にこの法律の改正案を検討する、こうなっておるのですね。税率を下げるか下げないかは、その後の問題じゃないですか。同時にまた、そのときに、税率は、この税額は上げないときまっても、法律が一たんできてしまって、そうしていろいろな政治情勢の変化から、それが上がらないという保障が一体どこにあるのですか。だれもこれは保証し得ないじゃないですか。そうすると、やはり評価そのものが問題だと言わざるを得ないのです。一つお考えを承りたい。
#79
○篠田国務大臣 仰せの通り、上がらないという保障は、何人も将来に向かってできないということは、将来の保障ですから、これは何人もできない。しかしながら、そういう負担の調整問題をあわせて――税調において、上がらないように、上がらない、上げない方針をもって調整をしていく、そういう方向であるわけであります。
#80
○石田(宥)分科員 どうもはなはだたよりない答弁なんですが、一つ事務当局の方から……。
#81
○柴田政府委員 ちょっと事務的な問題でありますので、私からお答え申し上げます。
 固定資産税の再評価をいたします一つの理由として、御指摘のように、単なる固定資産税だけではなく、国税の登録税なりあるいは相続税というものの評価の基礎に同じ評価を使うことが望ましいというような答申がございますが、しかし、それに対して政府としてどうするかという問題は、まだきまっておりません。つまり言いかえれば、固定資産の再評価を固定資産税の適用に限るかどうかということは、政府部内としてはまだきまっておりません。ただ固定資産評価制度調査会の答申では、なるべく使われることが望ましい、こういう答申がございます。政府の国税当局等におきましては、それが使えるものか、使えないものかということで検討いたしておるのが、現在の段階でございます。従って、その問題は、四月以降におきまして、税制調査会において、負担調整の具体的方法をどうするかというときの問題の一つとして、やはり問題になるのじゃないかと考えております。法律でございますが、法律は、御指摘のように、昨年の四月の改正で、三十九年一月一日から新評価によって、三十九年度から新しい評価制度で固定資産税を運用していく、こういうことにきまっております。しかし、それは評価制度の問題でありまして、評価制度の結果、固定資産税負担をどうするかという問題は、またおのずから別の問題であります。従って、税制調査会の答申の結果、必要な負担調整方法というものが出て参りますれば、それに従って法律改正を進めざるを得ない、こういうふうに考えております。
#82
○石田(宥)分科員 評価がえをしても固定資産税そのものは上がらないのだ、こういうお話なんですが、大体それは法律ができるときに、法律の立案の過程においてきまることであって、今はっきりした答弁はもちろんできないでしょうけれども、大体全国の固定資産税の総トータルを、それは動かさないという方針で臨まれるのかどうか。そういう方針がはっきりしておれば、その点については一応安心ができる。その点はどうですか。
#83
○篠田国務大臣 現在の固定資産税の総額を、現行制度による総額を、動かさないという方針でいくおけでございます。
#84
○石田(宥)分科員 まあその点はそういう方針を堅持されなければならないと思うのですが、私が最初に申し上げたように、今の日本の農業というものは、非常な不安動揺の中にあるわけですよ。農産物価格の問題と貿易自由化の問題等の関連で、非常に不安な状態にある。そういうときに、農業に対する保護政策を進める上に、むしろ私は、これは根本的な問題だと思うのです。農地を売った場合には高く売れるけれども、高く売れた分については、ちゃんと所得税というものがかかる。だから、今度買う場合には、高いものを買えば、それだけ農業経営を苦しくする。そして評価がえをしても農地が上がらないという保障は、できないでしょう。これは何人もできないでしょう。固定資産の評価が上がれば、売買価格もまた上がってくるんですよ。これは上がってきますよ。そうすると、ますます農業経営も苦しくなるじゃないかということです。だから、やはり基本的な評価の問題について、今せっかく作業中なんだから、その作業中に配慮が必要だということを私は言っておるのです。なるほど限界収益による補正というものは行なわれるが、しかし、その限界収益の補正というものを行なわれるにあたっても、そういう配慮が十分行なわれないと、農業経営に意外に大きな打撃を与えるおそれがありますぞということを、私は言っておるのです。その点もはっきり一つ答弁をしておいて下さい。
#85
○柴田政府委員 おっしゃられますことは、よくわれわれにはおかります。従いまして、ただいま農林省の方に作業を依頼しておりますが、平均収益に対する限界収益の補正等につきましても、また一点単価の算定等につきましても、十分その辺は考慮して参らなければならぬと考えております。従って、またその扱いは重大な問題なので、われわれのみでやらず、関係権威者をもって構成されておりまする税制調査会、あるいはわれわれのところにございます中央固定資産評価審議会、こういう機関に一々意見を聞きまして、慎重に扱っていく、こういう方針で進めております。
#86
○石田(宥)分科員 先ほど市町村間のアンバランスがあるのでという局長の答弁があったのですが、従来も自治大臣が、地方税法第三百八十八条ですか、これに定められたところの技術的援助という名によって、国の総トータルをきめて府県におろして、府県が市町村におろすという措置が行なわれておるから、だから、私はアンバランスというものはあまり問題はなかろうと思うのでありますが、今回の評価にあたっても、そういう点については一体どうなんですか。法律上の建前としては、これは市町村長の権限だと私は理解しておるのでありますが、市町村長の権限であっても、さっき申し上げたように、一つの基準をきめて、標準額をきめておろされれば、それに従わない場合においては、平衡交付税でさじかげんをするぞと押えておるから、全くそれでは動きがとれないので、実は市町村長の権限などはほんとうの見せかけだけであって、実際は自治大臣が掌握しているのじゃないですか。今度は、その点はどういうことなんですか。
#87
○柴田政府委員 それはお言葉を返すようですけれども、事実は違うところがあります。従来のやり方では、自治大臣の示す固定資産評価基準に準じてやる、こうなっております。従って、相当市町村そのものにアローアンスといいますか、自由が置いてあります。その結果、実態は固定資産の評価は、従来通りの賃貸価格の何倍ということでやっておるところがある。そこで、評価の水準は非常に低い。しかし、その平均価額によって示される額を確保するために税率を非常に上げているというところがございます。そういたしますと、そういうところでは、たとえば私の方の大臣の御出身地の北海道などは、そういうのがたくさんあるわけでございます。そういうのでございますと、税率が一本でありますので、家屋あるいは償却資産、そういうものに不当に大きな負担がかかってくる、その辺のところに問題があるのではないかというようなところから始まったことなんでございます。今度法律が変わっておりますのは、今までは評価基準に準じてということでありますので、その辺に今申し上げましたような妙なことも起こってくる。そういうことをなくするという意味からいっても、評価基準というものを一本にしてしまえということで、評価基準は自治大臣の定める評価基準によらねばならないというふうに法律が変わっておるわけでございます。
#88
○石田(宥)分科員 その基準が、従来の基準と今度の基準の扱い方に相違があるということでありますから、それはそのように理解をいたしますが、従来は、私はよく知っておる、地方の実情をよく知っておるのです。さらにもう一点この点でお伺いしたいのでありますが、標準税率と制限税率という関係ですね。これはいずれも従来よりは標準税率も若干下がり、制限税率も若干は下がっておりますけれども、財源の貧困な市町村は、もう一ぱい一ぱい取っておる。今後この標準税率と制限税率の関係は、どういうふうにお取り扱いになるのですか、一つ伺っておきたい。
#89
○柴田政府委員 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、再評価をいたしますれば、どうせ税率を下げざるを得ない。そういたしますと、標準税率も下げる方向で考えていかなければならぬ。同時にまた、制限税率につきましても、同じような関係で、これも下げるような方向で考えていかざるを得ないだろうと思います。現在まだ方針をきめておるわけではございませんけれども、方向としてはそういう方向にいかざるを得ない。つまり標準税率と制限税率の間では、大体五割増しとか二割増しとか、大体の限界があるわけであります。それを地方財政の実際の状況とにらみ合わせながら是正していく方向へ進みたい、かように考えております。
#90
○石田(宥)分科員 これは作業中のことでもあり、ことに法律については四月以降に作業にかかられるということでありますから、私が今御指摘を申し上げたような点については、十分留意されまして、私は、きょうは宅地や家屋には言及いたしませんが、特に農業経営の面から見た農地の評価の問題は、及ぼす影響が非常に大きいと存じますので、指摘を申したのでございますから、この点については、農林省の当局からも要望等が相当あるだろうと思います。ですから、その点も十分取り入れて善処されることを要望して、この問題は終わります。
#91
○篠田国務大臣 御趣旨に沿いまして善処いたしたいと思います。
#92
○石田(宥)分科員 もう一つ伺いたいのでありますが、最近農業の機械化、近代化をはかる上におきまして、土地改良事業が非常に重要視されて参りました。機械を入れるにも、あるいは経営の近代化をはかるにも、何といっても土地改良事業が先行されなければならないことは、大臣御承知の通りであります。また、自治省の非常な理解のある措置がとられまして、経営構造改善事業については、これは府県から土地改良の関係についてはおよそ二〇%程度の助成を認めていただいたので、この点は大へん感謝を申し上げておるのでありますが、ただ、ここで私は問題点を一つ取り上げておかなければならないことは、今度構造改善事業を進めますると、農道の幅が従来二メートルか二メートル半くらいであったものが、農林省は五メートルないし五・五メートルぐらいに指導をしておるわけです。そうなりますと、その道路の拡幅というものは、結局農地をつぶすことになるわけです。そのつぶれて道路になった農地は、当然国のものになるわけですね。個人の農地がつぶれて、それが国のものになる、こういう点が非常に問題で、地方によっては土地改良事業が進めにくいという問題が起こっておるわけです。そういう点で、極端な例を申し上げますと、新潟県の亀田郷という七千町歩ほどの土地改良事業をやっておるところがありますが、これは新潟市周辺ですから特別ですけれども、七千町歩の土地改良を進めるのに、国から二十二億の助成を受けておるわけです。ところが、道路その他個人の所有が今度国の所有に移ったために、今それを売却すると、八十億程度になるといっておるのです。そういう不合理は、どう解決すべきものか。個人の所有地が公の国の所有地になって、そうしてその工事費は農民が負担をする。私は、これは法制局の方からも実は検討をいただきたいと思っておるのでありますが、この点について、大臣のお考えを承っておきたいと思うのです。
#93
○篠田国務大臣 農道の場合、それが国有地になるということはないんじゃないかと思うのですが、地方自治団体の所有とかあるいは土地改良区のものということになるのであって、農道を広げたから、広げた部分の土地が国有になるというのは、ちょっと私わからないのです。
 それからもう一つは、それは時期の問題であって、御承知の通り、土地というものは売買価格が年々非常に上がってきておりますから、五年あるいは三年前に農道に編入したものを時価に換算をすれば、非常に莫大なものになる、そういうことはおそらくあり得ると思います。
#94
○石田(宥)分科員 これは自治大臣にお尋ねするのは若干どうかと思って、これは法制局長官あたりで相当検討しなければならない問題でございますが、実は、実情は、道路というものは公のものになって、これは国が所有して国が処分をすることになる、それが建前です。市町村によって行なわれる場合もある。市道等の場合は、市町村の議決によってこれが処理される場合もあるわけですけれども、そういうことになって、同時に免税されておるのです。まあこの点は別な機会にいたしましょう。
 そこで自治省関係で問題なのは、今申し上げたように二メートルの道路が五メートルになる。その道路の維持管理は、全部農民の負担になる。しかし、五メートルも五メートル半にもなった道路を、これは農道だからほかの車を通してはならぬというわけにはいかない。やはり公の道路ということで、トラックもトラクターも通る。そういう維持管理というものが、全部農民の負担によって行なわれておるというのが実情です。その維持管理を農民だけにさせるということの不合理は、何か解決の方法はございますか。
#95
○篠田国務大臣 農道であっても、市町村道である場合には、交付税によってそれをやることができます。
#96
○石田(宥)分科員 農道を市町村道に編入すれば、市町村が維持管理費を負担する。しかし、これが市町村道になってしまう場合に、今度あとで工事をやるような場合とか、あとでいろいろ施設をやるような場合に、いろいろな支障を来たすおそれがある。管理権が移ってしまう。そういう問題があるのですよ。
#97
○篠田国務大臣 私どもといたしましては、たとえばトラクターが大きくなるとか、あるいはまた輸送機関が大きくなるとか、そういうことのために農業構造の改善をやる場合には、どうしても道路を広げなければその目的を達することができない。そのために先ほどおっしゃったような措置をしたのでありまして、今おっしゃるように、市町村道にそれを編入したからあとで問題が起こるというようなことは、ちょっとどういうことか、実際問題にぶつかってみないと、私には実はまだよく理解できないわけです。
#98
○石田(宥)分科員 これは専門の問題ですからよくおわかりにならぬかもしれませんが、やはり農業経営をやる上における道路を中心とするいろいろな施設等をやる場合に、農業経営本位に扱えるか扱えないかというような問題が起こる可能性があり、また現在起こっておるのです。ですから、この問題を指摘したわけですが、市町村道に編入すれば、市町村が維持管理費を出すのは当然ですけれども、市町村道に編入しても、市町村がそれだけの財源を持っていない、そういう例もあります。市町村道に編入しても、予算がないからやってくれないという問題は、そんな形式は一つあるけれども、そういう実情からくる問題もあるのです。これは一つなお検討して下さい。
 それからもう一つ、これはどなたでもけっこうですが、排水施設の問題です。排水施設は、最近特に山林の乱伐等から、水害等もある、それから一時的に集中豪雨などもくるというようなこともあります。特に新潟県、愛知県、兵庫県等は、常時排水をしていなければならない場合が多いわけです。この排水施設というものは、山から水が出てくる、町から流れてくる。それを通年制の排水機場をもって排水しているわけです。従って、その恩恵に浴するものは、市街地もあり、宅地もあり、工場敷地も当然あるわけです。また、国道も県道もあるわけです。ところが、従来は、その排水施設の維持管理費を全部農民に負担させておるじゃないか。われわれの調べたところによると、大体排水施設というものは、二〇%くらいは農地以外の排水をやっているわけです。そういうものまでも全部農民が負担しなければならないということは、不合理じゃないか。そこでその不合理を是正するために、私たくさん事例を知っておりますが、土地改良団体の役員が、市町村に向かって、その維持管理費の一部を市町村に負担をしてもらいたいしいうことを申し入れておるけれども、なかなか市町村はそれを認めてくれたい。何年も争っているところがあります。原則として、農地以外の受益者も、その受益の程度に応じてやはり維持管理費の負担をすべきではないか。大きなものについては、二府県以上にまたがるものについては、国がその維持管理費の一部を従来も出しております。また、そのきわめて大きな排水施設については、これは国が若干補給をして、県に維持管理をさせておる例もあるけれども、全面的には、これはやはり農民の負担の原則が貫かれておる。これは私は、やはりその維持管理費の一部は、地方自治体が当然負担すべきものであると考えておる。今度土地改良法の改正が行なわれまするが、そういう機会にも当然問題になり得る問題だと思いまするし、これについて、自治省は一体いかようにお考えになっておりますか。
#99
○藤田政府委員 御質問の実例は、私も多少知っておりますが、市町村で管理している場合は問題ないと思いますが、土地改良区でやる場合におきましては、計画を具体化する前に、なるべく自治体と土地改良区が事前に協議するということが一番望ましいと思うのです。工事をやったあとでそういう問題が出てきたところが非常に多いようでありますが、お示しの通り、一つ土地改良法も今国会で改正案が提案されるようでありますから、自治省と農林省の関係方面と十分連絡をとりまして、そういう矛盾した現象がなるべく解消されるように善処いたしたいと考えております。
#100
○石田(宥)分科員 そういう趣旨で一つお進めを願いたいのでありますが、その受益の程度というようなものについては、これは相当査定が困難な面もあろうかと存ずるのでありますけれども、少なくとも二〇%も三〇%も農地以外のものが受益をしておるのに、その維持管理費を農民だけが負担しなければならないというような不合理は、一つなくしていただきたい。従って、市町村といえども、そういう一定の基準を設けてその負担額はきめることでありますから、当然その経費は、基準財政需要額に入れられなければならないものと考えますが、いかがでございましょうか。
#101
○藤田政府委員 土地改良、灌漑排水事業ずばりではなくて、総体的に農業全般に対して基準財政需要額に計上しておる現状でございます。しかし、今後、十分、今農政通の石田分科員の御発言の趣旨を体して、よく検討してみたいと思っております。
#102
○石田(宥)分科員 自治省が、構造改善事業に対して二〇%程度の府県の支出をお認めいただいたわけでありますし、今申し上げるように、この排水というものは、いろいろな面で、農民のみの負担によるということは、非常に困難な場合が多いのでありまして、これは市町村が支出いたしましたものについて、原則的には基準財政需要額に入り得るという御答弁でございますから、私は当然そのように処置されるべきものであろうと考えるのでありますが、どうぞ一つ、今後そういう面からも農民の負担を軽減されるように御措置をお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
#103
○羽田主査 これをもちまして、昭和三十八年度一般会計予算及び昭和三十八年度特別会計予算中、自治省所管に対する質疑は、全部終了いたしました。
 次会は、来たる二十五日午前十時より開会し、運輸省所管の審査を進めることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五分散会
ソース: 国立国会図書館
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