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1962/02/16 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 予算委員会第三分科会 第1号
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1962/02/16 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 予算委員会第三分科会 第1号

#1
第043回国会 予算委員会第三分科会 第1号
本分科会は昭和三十八年二月十二日(火曜日)委
員会において設置することに決した。
二月十三日
 本分科員は委員会において、次の通り選任され
 た。
      相川 勝六君    赤澤 正道君
      仮谷 忠男君    菅野和太郎君
      周東 英雄君    中村三之丞君
      野田 卯一君    松野 頼三君
      石田 宥全君    加藤 清二君
      川俣 清音君    高田 富之君
      田中幾三郎君
同日
 中村三之丞君が委員会において、主査に選任さ
 れた。
昭和三十八年二月十六日(土曜日)
   午前十時二十一分開議
 出席分科員
   主査 中村三之丞君
      仮谷 忠男君    周東 英雄君
      松浦周太郎君    石田 宥全君
      加藤 清二君    川俣 清音君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 重政 誠之君
        国 務 大 臣 宮澤 喜一君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (経済企画庁長
        官官房会計課
        長)      佐藤 二郎君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合計画局長)   向坂正男君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合開発局長)  大來佐武郎君
        総理府事務官
        (経済企画庁水
        資源局長)   崎谷 武男君
        農林事務官
        (大臣官房長) 林田悠紀夫君
        農林事務官
        (大臣官房予算
        課長)     太田 康二君
        通商産業政務次
        官       上林 忠次君
        通商産業事務官
        (大臣官房会計
        課長)     赤澤 璋一君
     ―――――――――――――
二月十四日
 分科員赤澤正道君は委員長の指名で第四分科に
 所属を変更された。
同日
 第四分科員愛知揆一君は委員長の指名で本分科
 に所属を変更された。
同月十五日
 分科員菅野和太郎君は委員長の指名で第四分科
 に所属を変更された。
同日
 第四分科員松浦周太郎君は委員長の指名で本分
 科に所属を変更された。
     ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十八年度一般会計予算中経済企画庁、農
 林省及び通商産業省所管
 昭和三十八年度特別会計予算中農林省及び通商
 産業省所管
     ――――◇―――――
#2
○中村主査 これより予算委員会第三を開会いたします。
 私が本分科会の主査をつとめること、よろしくお願い申し上げます。本分科会は、昭和三十八年度一般会計予算中、経済企画庁、農林省及び通商産業省所管、同特別会計予算中、農林省及び通商産業省所管について審査行なうことになっております。
 本分科会の審査日程は、一応各位の手元にお配りいたしております通り、本日本分科会の所管全部についてを聴取いたしまして、月曜から質疑に入ることにいたします。二月十八日は農林省所管、十九日は農林省、通商産業省所管、二十日通商産業省所管と経済企画庁所管、二十二日農林省と経済企画庁所管、二十二日及び二十五日は本分科会所管全部にわたって質疑を行なう予定にいたしたいと思います。
 なお、審査の都合によりあるいは幾分日程に変更を生ずる場合があるかもわかりませんが、その際は各位と御協議申し上げることにいたしますが、なるべく日程通り進行ができますよう御協力をお願い申し上げます。
 また、御質疑の方は、あらかじめ主査まで御申し出を願いたいと思います。
 なお、質疑希望の方が多数に上る見込みでありますので、質疑の持ち時間は、一応本務員は一時間程度、兼務員交代して分科員となった方は三十分程度にとどめていただきたいと存じます。
 それでは、これより順次説明を求めることといたします。まず、昭和三十八年度一般会計予算、経済企画庁所管ついて政府の説を求めます。宮澤国務大臣。
#3
○宮澤国務大臣 昭和三十八年度経済企画庁予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 歳出予算の要求総額は一百十億九千九百八十一万七千円でありまして、これを前年度予算額八十一億七千二百十三万円に比較いたしますと、二十九億二千七百六十八万七千円の増額となっております。
 この増額となりましたおもな理由は、離島振興事業費において十一億六千六百四十八万二千円、水資源開発事業費において四億九千七百二十八万七千円、国土総合開発事業調整費において二億円、国土調査費において一億九千二百八十万八千円、それぞれ増額に
なりましたことと、新たに新産業都市等建設事業調整費八億円を要求しているためであります。
 次に、経費の内訳を申し上げます。
 第一に、経済企画庁の項では、要求額は五億五千八百五十七万六千円でありまして、前年度の四億九千四百四十万円に比較いたしますと、六千四百十七万六千円の増額となっております。
 この要求経費の内容を御説明申し上げますと、人件費三億八千三十六万八千円と事務費一億七千八百二十万八千円であります。
 この事務費は、一般庁務の運営に必要な経費四千七十六万三千円、並びに次に申し上げる内容のものであります。
 その(一)は、年次経済計画及び経済運営の基本方針の策定、物価の安定、国民生活の充実、海外経済協力の推進等に関する経費として二千二百四十一万六千円を計上しております。
 最近における消費者物価問題の重要性にかんがみまして、三十八年度は、公共料金を初め、諸物価の安定に一そうの努力を払うため、定員を増加し、今後とも消費者物価安定対策を強力に推進いたす所存であります。
 なお、昨年設立されました特殊法人、国民生活研究所の育成、充実をはかるため、前年度の一億円に引き続き同研究所に対する出資金一億円を大蔵省所管の政府出資金の項において要求しております。
 その(二)は、長期経済計画に関する経費でありますが、これには経済審議会等の運営及び長期経済計画に関する経費としまして、一千百四十六万五千円を計上しております。経済審議会におきましては、かねてから、国民所得倍増計画に照らしつつ、経済動向の実態の分析を進めておりますが、三十八年度は計画の第三年目にもなりますので、一そう綿密にこれを推進することにいたしております。
 この(三)は、国土の総合開発に必要な経費といたしまして三千三百六十五万七千円を計上しております。
 御承知のように、国土総合開発に関する施策は、新産業都市の建設を促進し、あるいは開発のおくれた地域の産業を振興することにより地域間の所得格差の是正に努め、国民生活の均衡ある発展をはかろうとするものであります。
 このための経費といたしまして、国土総合開発審議会関係の経費、豪雪地帯対策、特殊土壌地帯対策、地盤沈下対策、台風常襲地帯対策等の特殊地域開発振興に必要な経費、東北、九州、四国、中国、北陸の各地方開発に必要な経費、地方産業開発審議会関係に必要な経費、離島振興対策に必要な経費、地域経済問題調査会関係の経費及び拠点開発調査に要する経費を計上しております。以上のうち、前年度と異なります点は、特殊地帯対策として豪雪地帯対策費四百九十二万七千円が新たに加わったことであります。
 その(四)は、水資源関係の経費であります。産業の急速な発展と都市人口の増加に伴う水需要の増大に対応して、水資源を開発確保するための経費並びに公共用水域の水質保全に関する経費といたしまして三千一百三十万円を計上しております。
 このうち、公共用水域の水質保全をはかり、あわせて水質の汚濁に関する紛争の解決に資するため、水質審議会を運営し、水質の調査及びそれに基づく水域の指定並びに水質基準の設定等に必要な経費としまして二千八百六十六万三千円を計上しております。
 なお、水資源開発公団に対し、前年度の三億円に引き続き出資金二億円を大蔵省所管の政府出資金の項において要求しております。
 その(五)は、内外経済事情調査に関する経費であります。国内及び海外経済動向を的確に把握し、また、経済白書等の報告書及び統計資料を作成するの調査分析に必要な経費と三千八百六十万七千円を計上しております。
 第二に、土地調査費の項では、要求額は五億五千五百四十万二千円でありまして、前年度の三億六千二百五十九万四千円に比較いたしますと、一億九千二百八十万八千円の増額となっております。
 この増額となりましたおもな理由は、国土調査事業十カ年計画の初年度分として地籍調査の面積が増加したことによって補助金が一億八千八百八十五万九千円増額となったためであります。
 要求額の内容を申し上げますと、基準点測量に要する経費として二千七百五十九万五千円、国土調査法の規定によって、地方公共団体、土地改良区等が地籍調査を行ないますときの補助金として五億一千九百五十五万二千円、土地分類調査と水文資料調査に要する経費として七百九十二万八千円となっております。
 第三に 経済研究所の項では、六千一百三十二万三千円を要求しておりまして、前年度の五千四百三十八万九千円に比較いたしますと六百九十三万四千円の増額となっております。
 この増額のおもな理由は、国民経済計算に関する経費が増額となったためであります。
 経済研究所の経費の内容を御説明申し上げますと、人件費四千五百六十七万三千円と事務費一千五百六十五万円であります。
 この事務費は、経済研究所の一般運営費と研究調査費でありまして、そのうちの研究調査費の内容を申し上げますと、わが国経済の構造と循環、その他経済の基本的な事項を研究調査するために要する経費並びに国民経済計算の整備改善等に要する経費とに大別されます。なお、この国民経済計算の整備改善を促進するため、三十八年度に国民経済計算審議会を新たに設置することにいたしております。
 第四に、国土総合開発事業調整費の項では十三億五千万円を要求しております。
 国土開発に関する事業は、各省庁におきまして、それぞれ実施されておりますため、開発事業相互間の事業の進捗度に不均衡を来たし、総合的な効果が発揮せられない場合があります。このような場合に、この経費によりこれを調整いたしまして、総合開発の効果を上げようとするものであります。
 調整費使用の対象地域は、国土総合開発法に基づく特定地域及び調査地域並びにそれぞれ単独の開発立法に基づく東北地方、四国地方、九州地方、中国地方、北陸地方及び首都圏の地域等でございますが、次に申し上げます新産業都市等建設事業調整費使用の対象地域は除かれることになっております。
 第五に、新産業都市等建設事業調整費の項では、三十八年度から新たに八億円を要求いたしております。
 この経費は、新産業都市建設促進法に基づいて指定される区域においてその建設基本計画に従って実施する建設事業について、各省庁の所管する事業相互間の不均衡の調整をはかるために必要な経費と、低開発地域工業開発促進法に基づいて指定された地区内において実施される開発事業について、各省庁の所管する事業相互間の不均衡の調整をはかるために必要な経費として使用されるものであります。
 第六に、地域経済計画調査調整費の項では、前年度と同額の五千万円を要求しております。
 この経費は、地域経済計画の策定のための調査について、各省庁間の調整をはかり、調査効果を高めるために必要なものであります。
 第七は、離島振興事業関係でございますが、離島振興事業費の、項では五十二億六千九百八十二万三千円、揮発油税等財源離島道路整備事業費の項では十億二千八百万円、合わせまして、六十二億九千七百八十二万三千円を要求しております。
 この経費は、離島振興法に基づきまして、離島振興対策実施地域において、国または地方公共団体が実施しますところの治山治水、道路整備、港湾、漁港、空港、農業基盤整備等の公共事業及び電気導入事業、簡易水道事業等に必要な事業費またはこれを補助するための経費であります。
 この経費は、経済企画庁に一括計上し、実施にあたりましては、各省に移しかえ、または特別会計に繰り入れて使用するものであります。
 第八に、水資源開発事業費の項では十四億二千六百六十九万三千円を要求しております。この経費の内容を御説申し上げますと、水資源開発公団が行なう矢木沢ダム外二つのダムの建設事業に対して公団に交付いたします交付金の国庫負担分として治水特別会計に繰り入れるために必要な経費十二億四千四百万円と、公団が行なう水資源開発事業に関連して印旛沼開発事業等の費用の一部を補助するための経費一億八千二百六十九万三千円であります。
 以上、一般会計予算案の概要を御説明いたしましたが、次に、当庁関係の財政投融資計画につきまして、簡単に御説明いたしたいと存じます。
 まず、東北開発株式会社につきましては、比較的開発のおくれております東北地方の経済発展に貢献する産業の育成助長を目的としまして、三十八年度は、砂鉄事業、セメント事業等に重点を置くことにいたしております。三十八年度に措置する事業資金は前年度と同額の三十四億円であります。このため、出資金六億円と政府保証債二十八億円を財政資金に仰ぐことにいたしております。なお、このほかに前年度からの繰り越しが十八億円ありますので、総事業費といたしましては五十二億円となります。
 次に、水資源開発公団につきましては、その事業量の増大に伴い、総事業費は前年度の四十一億円から三十八年度は六十九億円増の百十億円を確保することにいたしております。このため、前に申し上げました一般会計からの出資金二億円のほか、財政資金か二十九億円の融資を受けることにいたしております。
 次に、北海道東北開発公庫につきましては、その資金運用規模は、前年度の二百三十億円から三十八年度は二百五十五億円に増加しております。そのため、出資金十億円、債券百七十五億円を財政資金に仰ぎ、そのほか自己資金七十億円を充てることにいたしております。
 以上をもちまして、経済企画庁関係の予算案並びに財政投融資計画の説明を終わりますが、なお、御質問に応じて詳細御説明を申し上げたいと存じます。
 何とぞよろしく御審議の上、御可決下さいますようお願いいたします。
    ―――――――――――――
#4
○中村主査 次に、昭和三十八年度一般会計予算及び同特別会計予算中、農林省所管について説明を求めます。亜政農林大臣。
#5
○重政国務大臣 昭和三十八年度農林関係予算についてその概要を御説明申し上げます。
 最初に、各位の御協力を得て御審議をいただくにあたり、予算の裏づけとなっております農林水産施策の基本方針について申し上げたいと存じます。
 まず、わが国農業の最近における動向は、さきにこの国会に提出いたしました昭和三十七年度農業の動向に関する年次報告に明らかなように、昭和三十六年度においては農業生産の増大、農産物価格の上昇、交易条件の有利な推移等を反映して、農業所得、農外所得がともに増加したため、農家所得の伸長は目ざましいものがあり、農業従事者の生活水準は大きく上昇いたしております。しかし、農業は、他産業の急速な成長と歩調を合わせられなかった点もあり、また農業自体においても農産物の需給と価格の不安定、農業人口の他産業への流出に伴う労働力の質的劣弱化、兼業化の進行その他土地資本装備、経営担当者等に関する経営条件が十分に整っていない等の諸現象が現われております。このような動向に対処して農業の一そうの発展をはかるためには、その生産性の向上と経営の合理化を指向して、農業構造の改善を推進することが喫緊の要務であると考えられるのであります。以上の点は事情に若干の差はありましても、林業及び漁業についてほぼ同様であると思われます。
 また、農林水産業をめぐる国際情勢に目を転じますと、農林水産物に対する貿易自由化の要請はかなり強いものがあります。政府はこれに対処して農林水産物についてもこれまで段階的な自由化を進めて参りました。現在自由化されずに残されている物資は、自由化の困難なものが多く、なかんずく米麦、酪農製品、牛豚肉等については、農家所得の形成上の重要性、零細経営に基づく生産性の低いこと等により現段階で直ちに自由化することが適当でなく、可及的に輸入制限を存続する方針であります。また、加工品についても同様の配慮を必要とするものもあると存じます。しかしながら、農林水産物についての貿易自由化に関する国際的要請は、今後ますます強くなることを考慮するならば、わが国の農林水産業をいつまでも現状のままに放置することはできないでありまして、さしあたっては農林漁業保護のため関税率の調整その他所要の措置を講ずる所存でありますが、基本的には農林水産物の生産、流通、加工の各部面を通ずる合理化により早急にその生産性を向上し、国際競争力を強化することがきわめて必要であると考えます。
 この意味におきましても農林漁業の構造改善をはかることがまず重要な課題となるわけであります。さて、構造改善と申しましても、これに関する施策は多岐にわたっておりますので、諸施策が脈絡ある組み合わせをもって円滑かつ強力に展開されることにより、真の効果が発揮されると存じます。このような考え方に基づきまして、昭和三十八年度におきましては、生産の選択的拡大、生産基盤の整備、技術の高度化、経営の近代化、価格の安定、流通の合理化等農林漁業の構造改善をはかる上において重要と考えられる諸施策を相互に連係をとりつつ推進し、農林漁業者が安心してその体質の改善に邁進できるよう基本的諸条件を着々整備いたして参りたいと考えております。特に構造改善には長期低利の資金の確保が必要でありますので、これを第一義的に取り上げ、農林漁業における資本装備の充実をはかる所存であります。このようにして、農林漁業の構造改善を強力かつ安定的に進めるための体制を整備することを基本方針とし、昭和三十八年度予算を編成いたした次第であります。
 まず一般会計における農林関係予算の総体について申し上げます。
 農林省所管合計といたしましては二千二百五十七億円となっておりますが、これに総理府、大蔵省、文部省、労働省及び建設省所管を加えた農林関係予算合計は二千五百三十一億円となり、これを昭和三十七年度第一次補正後の予算二千四百九十三億円に比較すると三十八億円の増加、また昭和三十七年度当初予算二千四百五十九億円に比較すると七十二億円の増加となっております。このように総額の上では前年度予算に比し著しい増加とはなっておりませんが、前年度の経費で昭和三十八年度には減額となりますものが、食糧管理特別会計繰り入れで百七十五億円、伊勢湾高潮対策及び災害復旧事業等で七十二億円、農山漁村建設総合対策で十六億円、大豆なたね交付金で十億円、その他で十二億円、合計二百八十五億円ありますので、これにさきに申し上げました三十八億円を加えた三百二十三億円が実質的な増加額となっており、これが昭和三十八年度の新規施策及び既定施策遂行のための増額の財源に充当されているわけであります。
 詳細な説明はお手元にお届けしてあります資料に載せてありますので、それでごらんいただくこととして、以下農林関係予算の重要事項についてその概要を御説明申し上げます。
 まず、農林漁業にわたるものといたしましては、農業、沿岸漁業及び林業の構造改善に関する予算であります。
 農業構造改善事業促進対策費としては七十八億九千六百万円を計上し、昭和三十八年度は新たに三百市町村を加え、前年度からの継続分と合わせ農業基盤の整備、農業経営近代化施設の導入等、構造改善に必要な事業の総合的実施をはかることといたしております。沿岸漁業の構造改善対策費としては十億三千六百万円を計上し、漁場利用の高度化、経営の近代化、協業の促進等、その構造改善を推進する所存であります。また、林業につきましては、いわゆる林業地域における林業生産性の向上、林業従事者の生活水準の向上をはかるため、その構造改善を積極的に推進することとし、三十八年度は調査を実施するための所要経費七百万円を計上いたしております。
 なお、以上のほか農業構造改善事業につきましては、これを強力に推進するため国と地方公共団体との一そう緊密な協力体制を確立するとともに、農民負担の一そうの軽減に資するため、農業構造改善事業の中核をなす土地基盤整備事業については、その事業費に対する国庫補助五割に加え、新たに都道府県費による補助二割を可能ならしめるため、これに要する都道府県の財政需要額を地方財政計画及び地方交付税の配分に際し織り込むこととするほか、農業構造改善事業において市町村が事業主体となって実施する適債事業に対しては、起債の対象とすることといたしました。
 また、農業及び沿岸漁業の構造改善を強力に促進するため、次に申し述べますような金融制度の改善をはかることといたしました。すなわち、従来農業近代化資金制度によって貸し付けられていたものを含め、農林漁業の構造改善の促進に特に必要な資金を系統融資機関の資金事情等に左右されない財政資金によって農林漁業金融公庫を通じあとう限りの長期かつ低利の条件をもって融通することとして、今回新たに農林漁業経営構造改善資金融通制度を創設し、その融資ワクを三億円といたしたのであります。この制度は、資金の種類としては、農業及び沿岸漁業の構造改善事業推進資金、果樹園経営改善資金、畜産経営拡大資金、農地、未墾地及び林地の取得資金等であります。利率は構造改善事業推進資金は融資単独事業三分五厘、補助残事業六分五厘、土地取得資金は農業構造改善事業に関連するものは四分、その他のものは四分五厘、果樹園経営改善及び畜産経営拡大資金は据置期間中五分五厘、償還期間中六分とし、また、償還期限は、農業構造改善事業推進資金は二十年以内、土地取得資金は二十五年以内にそれぞれ延長し、貸し付け限度額は、農業構造改善事業推進資金につき個人の場合二百五十万円、協業の場合一千万円、また果樹園経営改善資金及び畜産経営拡大資金につき二百五十万円、土地取得資金につき八十万円とする等貸し付け条件の大幅な緩和をはかることといたしております。
 なお、農林漁業金融公庫は、さきに申し上げました三百億円に従来から融資をいたしております種類の資金を加えますと、昭和三十八年度の融資総額は八百七十億円となり、前年度に比し百六十億円増額いたしております。また、昭和三十八年度における同公庫資金の原資は政府出資二百二十億円、資金運用部特別会計等からの借り入れ三百六十六億円、自己資金二百二十億円を予定いたしております。
 このほか、農業近代化資金につきましては、最近における農家の預貯金の状況から見て、地方銀行等にも相当な額の預金が預け入れられておりますし、農家資金の農業への還元という制度本来の趣旨からして、この際政府の助成にかかる農業近代化資金の融資機関の範囲を拡大し、組合系統金融機関のほか地方銀行、信用金庫等を融資機関として加えることとするとともに、融資ワクを五百二十億円に増額いたし、利子補給、近代化助成資金繰り入れ等に要する経費として百二十六億四千五百万円を計上いたしております。
 次に、構造改善を安定的に進めるための体制整備の一環として農林水産物の流通の合理化に関する諸施策を整備強化するための予算について申し上げます。
 まず家畜、畜産物につきましては畜産振興事業団が流通改善等に資する事業を行なうため同公団に対する交付金を増額するほか、食肉、食鶏、牛乳等について産地における出荷、処理施設、消費地における処理保管施設等の設置を助成して需給の調整、流通の合理化をはかるとともに、家畜市場再編整備等につき引き続き助成することとし、これらに要する経費十七億五千万円を計上いたしております。
 青果物については、青果物生産安定事業を引き続き促進するほか、野菜の大都市への供給確保、果実の安定的供給のための措置等を整備することとし、これらに要する経費二億五千五百万円を計上いたしております。
 次に、水産物については、引き続き産地における貯蔵運搬施設の整備を進めるとともに、新たに産地の加工施設等の設置、消費地における大衆魚の貯蔵のための冷蔵庫の建設をはかることとし、これら水産物の流通対策費として三億六千九百万円を計上いたしております。このほか、中央卸売市場についてもその施設整備を強力に推進することとし、所要経費二億五千万円を計上いたしております。
 以上に申し上げましたもののほか農業、林業及び水産業のそれぞれに関する予算について御説明申し上げます。
 まず農業についてでありますが、第一に農業生産の選択的拡大に関する予算について申し上げます。
 畜産関係としては、さきに申し上げました畜産経営拡大資金の融資額三十億円のほか、畜産生産振興対策費として三十八億六千四百万円を計上し、飼料自給度の向上及び飼養規模の拡大を目途として家畜の導入、施設等の整備を推進するとともに、国、都道府県及び民間の密接な連携のもとに家畜改良増殖を推進する体制を確立することとしております。
 また、果樹農業の生産振興については、さきに述べました果樹園経営改善資金の融資額三十億円のほか、三千九百万円を計上し、その生産の安定的発展をはかるため、計画的かつ集団的な果樹園経営を育成するための措置を講ずることとしております。
 さらに、てん菜等の甘味資源作物については、貿易自由化の方向に即応し、生産性の向上に努めつつ、生産の振興をはかることとし、所要経費八億六千万円を計上するとともに、てん菜およびカンシャについて虫産基盤を整備するために行なう土地改良事業費十一億一千五百万円を予定しております。また、従来に引き続き養蚕生産の合理化について八百万円、なたね、トウモロコシ、二条大麦等の省力栽培技術の導入とその普及を推進して生産の合理化を進める等のため四千六百万円を計上いたしております。
 第二に、農業の生産性の向上と総生産の増大に関する予算について申し上げます。まず、農業基盤の整備関係といたしましては総額六百五十六億五千六百万円を計上しておりますが、土地改良で三百九十六億七千八百万円、干拓で百七億五千二百万円、農用地開発で百四十八億九千六百万円等となっております。これらの事業は、国営、県営、団体営の各事業を通じ事業進度の調整に留意しつつ既着工地区の早期完成に重点を置き、事業の計画的かつ効率的な実施をはかるとともに、既着工地区の工事の進捗状況を勘案し新規地区の採択を行なうことといたしております。このほか圃場整備事業の新設、農道の整備拡充をはかるための補助率引き上げ等の措置を講ずることといたしております。
 次に、試験研究の整備強化のための予算としては、農業関係で六十一億円を計上し、その重点を水田作を初めとする機械化作業体系の確立並びに畜産、園芸及び利用加工の分野に置き、また基礎的研究を充実することとし、その一環として植物ウイルス研究所を新設することとしております。さらに、農業技術の普及については、農業改良普及員等の増員、農業改良普及員の任用資格の引き上げ、研修の強化、農業改良普及員に対する手当の支給等により、農業改良普及事業の刷新強化をはかることとし、三十四億五千五百万円を計上いたしました。このほか、畜産経営技術指導に要する経費一億八百万円、蚕糸技術の改良普及に要する経費四億八千六百万円を計上いたしております。
 第三に、農産物の価格の安定及び農業所得の確保に関しましては、米、麦、澱粉及びカンショなま切干、畜産物、繭糸、大豆、なたね等について、引き続き食糧管理特別会計、畜産振興事業団、糸価安定特別会計等の現行制度により価格の安定と所得の確保の措置を講ずることとし、これに伴い一般会計からする食糧管理特別会計への繰り入れ五百三十五億円、畜産振興事業団出資五億円、大豆なたね交付金十五億円等を計上いたしております。また、甘味資源に関連する農産物については、その生産振興の諸施策とあわせて価格支持等のための措置を講ずる所存であります。
 以上申し述べましたもののほか、次代をになう農業経営者の養成のため農業講習所、農村青年研修館、経営伝習農場等の整備充実、大型トラクター運転技術者養成施設設置等の助成を行なうこととし、これらに要する経費三億五千七百万円を計上するとともに、開拓地の営農振興のための経費十五億二千三百万円、その他所要の経費を計上し、従来から継続実施しております各種の施策についても、その充実と円滑な推進をはかりたいと存じます。
 林業についての施策を遂行するための予算といたしましては、第一に林道の開設、改良を積極的に推進するため、総額四十二億七千万円の経費を計上いたしておりますが、特に昭和三十八年度からは利用区域が広く、かつ、道路網構成のかなめとたるものを基幹林道として取り上げ新たに助成の道を開くほか、一般林道、山村振興林道についてもその事業の一そうの推進をはかる所存であります。また、災害の発生を防止し、国土の保全を期するため治山事業の拡充実施に要する経費として百十九億一千一百万円、今後における木材需要の増大に対処し、森林資源の維持培養をはかるための造林事業に要する経費として五十八億六千九百万円をそれぞれ計上いたしております。
 第二に、林業金融の円滑化をはかるため、農林漁業金融公庫による融資を拡充するほか、新たに林業信州基金を設置して素材及び種苗等の生産流通に必要な運転資金につき債務保証を行なうこととし、政府がこの基金の一部に充てるため三億五千万円を出資することとしております。また、近代的機械の導入等、林業経営の改善をはかるため一億四千二百万円、林業の試験研究及び普及指導事業の強化のため十二億六千万円、森林組合の合併促進等のため四千百万円、保安林整備管理、森林計画等森林資源の維持増強対策に七億二千二百万円を計上し、それぞれ施策の一強化をはかっております。
 水産業についての施策といたしましては、すでに述べた通り、沿岸漁業の構造改善と流通改善のための施策を推進して参りますが、このほか、まず遠洋漁業については、関係諸国との協調をとりつつ、資源の保持につとめ、また、資源の科学的な調査研究を推進し、漁場の維持開発を行なうために要する経費として一億五千四百万円を計上いたしました。水産資源対策としては内水面主要資源の維持培養、サケ、マスの人工孵化放流事業等を拡充するとともに、瀬戸内海栽培漁業センターを増設し、沿岸重要漁種の保護培養と漁業栽培化技術の普及をはかるほか、新たに水産資源保護に関する啓蒙普及活動に対して助成することとし、これらに要する経費として四億二千八百万円を計上いたしております。このほか試験研究の強化に六億二千八百万円、改良普及事業の拡充に七千五百万円、漁村青壮年実践活動促進費として一千九百万円を計上いたしております。
 さらに、漁港の整備につきましては、三百八十港について新計画を樹立し、その重点的整備をはかるとともに、新たに漁港改修事業を計画的に実施することとし、局部改良事業とあわせて漁港施設の整備拡充をはかっておりますが、この際特定第三種漁港については、その重要性にかんがみ補助率の引き上げを行なうこととし、漁港整備関係の経費として総額六十八億九千九百万円を計上いたしております。
 以上のほか農業災害補償制度については、その運営を改善するとともに、農家負担の軽減をはかるため農業共済団体等の事務費に対する国庫負担額を増額することとし、総額百四十四億八千五百万の農業保険費を計上いたしております。また、災害復旧、海岸事業等災害対策公共事業に要する経費といたしましては百九十三億八千万円を計上いたし、災害による国土荒廃の防止、被災地等の復旧を促進する所存であります。
 以上で昭和三十八年度農林関係一般会計予算の概要についての説明を終わります。
 次に農林関係財政投融資計画について御説明申し上げます。
 昭和三十八年度における農林関係財政投融資計画は、農林漁業経営構造改善資金融通制度の新設に伴い、農林漁業金融公庫への出資は一般会計から十四億円、産業投資特別会計から二百六億円、計二百二十億円で、前年度百三十三億円に比し八十七億円増額いたしますほか、資金運用部特別会計等からの借入金は、農林漁業金融公庫三百六十六億円、愛知用水公団十八億円、開拓者資金融通特別会計三十八億円、特定土地改良工事特別会計七十五億円で、財政投融資総額は七百十七億円となり、前年度五百六十三億円に比し、百五十四億円の増となっております。
 最後に昭和三十八年度の農林関係特別会計予算について御説明いたします。
 第一に、食糧管理特別会計について申し上げます。まず、国内産米の管理につきましては、現行方式を継続することとして、昭和三十八年度における米の集荷目標は、六百九十万トン、売却数量は現行の配給限度数量を維持することとして六百七十九万九千トンとし、昭和三十八年産米の政府買い入れ価格(予算単価)は、三十七年産米についての買い入れ決定価格と同額の百五十キログラム当り一万二千二百七十七円、消費者価格は現行通りといたしております。
 国内産麦の管理につきましては、現行方式を前提として買い入れ予定数量は、大麦、裸麦、小麦を合わせて百四十七万トン、売却数量は、飼料用として売却される大麦、裸麦を含めて百六十八万四千トンとし、昭和三十八年産麦の政府買い入れ価格(予算単価)は、前年産麦の買い入れ決定価格と同額といたしております。
 輸入食糧の管理につきましては、国内における米麦の需要及び国内産米麦の供給事情を勘案して必要限度の数量(外米十一万五千トン、外小麦百七十六万三千トン)を輸入することとし、輸入食糧の買い入れ価格は最近の実績及び今後の見通しにより算定いたしました。
 なお、卸、小売業者の販売手数料及び保管料については、昭和三十八年二月から、集荷手数料については、昭和三十八年産米麦からそれぞれ諸経費の増加等を考慮し、必要な改訂を行なうこととしております。
 これにより、昭和三十八年度におけるこの会計の食糧管理勘定、すなわち国内米、国内麦、輸入食糧の三勘定の損失額は合計六百四十三億円と見込まれ、前年度の当初損失見込み額七百一億円に比べ五十八億円の減となっておりますが、この損失額の処理に充てるべき調整資金といたしましては、百六十八億円が昭和三十八年度に持ち越されますので、昭和三十九年度への持ち越しを十五億円と予定し、一般会計から四百九十億円を新たに繰り入れることとした次第であります。
 また、澱粉、カンショなま切干等の農産物につきましては、従来の方針を継続してその価格の安定をはかることといたしておりますほか、飼料につきましても、畜産の進展に対応し、外国産ふすま二十万トン、小麦八十六万四千トン等合計百二十八万五千トンを予定するとともに、ほぼこれに見合う数量の売却を行ない、その需給の安定をはかることといたしております。
 右の措置に伴い、農産物等安定勘定につきましては、昭和三十八年度において飼料関係で三十五億円、その他農産物関係で十億円、合計四十五億円の損失が見込まれますので、その補てんのため一般会計から同勘定へ四十五億円を繰り入れることといたしております。
 第二に、農業共済再保険特別会計について申し上げます。農業勘定といたしましては、歳入、歳出ともに百二十五億七千万円でありまして、うち一般会計からの繰り入れば八十四億八百万円となっております。また、家畜勘定につきましては、歳入、歳出ともに、三十四億二千四百万円で、うち一般会計からの繰り入れば、家畜加入推進奨励金二億二千万円を含め九億三千一百万円であります。
 第三に、開拓者資金融通特別会計につきましては、現行の開拓営農振興対策に改善を加え、既入植者の営農の安定と生活環境の整備促進をはかるため、この特別会計による昭和三十八年度の融資ワクを三十五億五千三百万円、一般会計からの繰り入れ八億六千三百万円を予定して、この会計の歳入、歳出はともに五十八億五千百万円といたしております。
 第四に、国有林野事業特別会計について申し上げます。国有林野事業勘定につきましては、昭和三十六年度に策定した国有林野における木材増産計画に基づき、歳入状況の見通しを考慮して、昭和三十八年度予算を編成いたしており、総収穫量は、二千三百五万三千立方メートルを予定いたしております。なお、この会計の資金を活用いたしまして、引き続き民有林行政への協力をいたすこととし、特別積立金の取りくずしにより、融資造林の拡大のための農林漁業金融公庫への出資十四億円、水源林造成事業を森林開発公団に実施せしめるため同公団への出資二十億円、及び林業信用基金への出資三億円、その他の林業振興費財源を含めて四十二億円を一般会計を通じて支出することといたしております。このため国有林事業勘定の歳入、歳出は九百三十三億七千二百万円となっております。
 また、治山勘定につきましては、その歳入・歳出額百八億三千二百万円を計上し、治山事業を計画的に実施することといたしております。
 以上のほか、特定土地改良工事、森林保険、自作農創設特別措置、漁船再保険、糸価安定、中小漁業融資保証保険等の各特別会計につきましては、それぞれ前年度に引き続きほぼ同様の方針で予算を計上いたしております。
 これをもちまして昭和三十八年度農林関係予算及び財政投融資計画の概要の御説明を終わります。よろしく御審議下さいますようお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#6
○中村主査 次に、昭和三十八年度一般会計予算及び同特別会計予算中、通商産業省所管について説明を求めます。上林通商産業政務次官。
#7
○上林(忠)政府委員 大臣にかわって御説明申し上げます。
 ただいま議題になっております通商産業省予算各案について御説明を申し上げます。
 ます、三十八年度通商産業省所管一般会計の予定経費要求額は、四百三十億六千八百万円でありまして、これを三十七年度当初予算額三百十八億二千万円に比較しますと百十二億四千八百万円増額することになり、三五・三%の伸びとなります。このうち石炭関係予算が百十七億八千三百万円で、前年度に比し五十八億六百万円の増加となっておりますが、石炭関係以外の予算も相当の増加となっております。すなわち、石炭関係以外の予算は三百十二億八千五百万円で、五十四億四千二百万円の増、二三%の伸びとなっており、一般会計予算全体の伸びを上回っております。そのうち特に中小企業関係の予算は八十五億三千七百万円で、前年度に比し二十億一千万円の増、三一%の伸びとなっております。
 三十八年度予算のうち、政策事項につきまして、これを、(一)中小企業対策費、(二)石炭対策費、(三)貿易振興及び経済協力費、(四)鉱工業技術振興費、出自由化対策及び地下資源対策費、丙工業用水道等産業基盤対策費の六項目に分けて御説明申し上げます。
 第一に、中小企業対策費といたしましては、中小企業のわが国経済の発展に果たす役割の重要性にかんがみまして、前述のように二十億一千万円の増、三一%の伸びとなっております。
 まず、中小企業の近代化、高度化の促進につきましては、中小企業設備近代化補助金として前年度に比し六億円増の四十一億円を計上するとともに、新たに中小企業高度化資金融通特別会計を設けることと、工業団地、商業団地、共同施設等を対象とする融資資金として、一般会計から二十三億百万円繰り入れることとしております。
 また、中小企業診断指導員の養成、研修等を行なう日本中小企業指導センターの事業に対する出資及び補助として一億五千六百万円、小規模商工業者に対する経営の改善指導業務を行なう商工会等の事業補助として十一億九千八百万円、中小企業に対する企業診断及び技術指導等を実施する経費として三億九百万円を計上しております。このほか、新たな経費としまして、中小企業の人つくり予算とでもいうべき中小企業管理者及び技術者研修費を六千八百万円計上しております。なお、形式的には大蔵省計上になっておりますが、実質的には中小企業関係予算というべきものとして、中小企業信用保険公庫への出資金三十億円が計上されております。
 第二に、石炭対策費といたしましては、昨年閣議決定のありました石炭対策大綱に基づく諸対策を強力に推進していくための経費を計上しており、全体の予算額といたしましては、前述のように百十七億八千三百万円であります。
 内容といたしましては、石炭鉱業の近代化促進及び石炭専用船の建造を含む流通合理化等に要する資金として石炭鉱業合理化事業団への出資金四十三億八千八百万円、産炭地域の振興に関する事業を行なう産炭地域振興事業団への出資金十三億円、電力用炭の価格の安定をはかるために設立する電力用炭代金清算会社(仮称)への出資金一億円、鉱害賠償を促進するために新たに設立する鉱害賠償基金(仮称)への出資金三億円、石炭鉱業合理化事業団が行なう非能率炭鉱整理事業費の補助として五十五億五千四百万円、保安不良炭鉱の終閉山に伴う整理交付金二億千百万円等であります。その他鉱害復旧費、石炭技術振興費補助、原料炭炭田総合開発費等につきましても必要な経費を計上しております。
 第三に、貿易振興及び経済協力費につきましては、今後とも輸出の振興、経済協力の推進なくしてはわが国の経済の長期的な発展は望み得ないということにもかんがみまして、前年度に比し六億千八百万円増の四十三億三千六百万円を計上いたしております。
 まず、貿易振興につきましては、特殊法人日本貿易振興会の事業運営に必要な経費として、前年度に比し三億八千七百万円増の二十一億五千七百万円を計上いたしまして、従来にも増して、海外市場調査、国際見本市の開催及び参加、トレード・センターの運営、日本商品の海外宣伝等総合的な輸出振興事業を行なうこととしております。このうちにはニューヨーク世界博覧会関係の予算が二億六千百万円計上されているほか、軽機械の輸出振興関係の予算が六千八百万円含まれております。
 次に、日本輸出雑貨センター事業運営に必要な経費として一億四千四百万円計上いたし、輸出生産技術の指導、常設展示場の運営、デザインの改善指導等を行なうこととしております。
 また、プラント類輸出振興につきましては、日本プラント協会の業務の拡充整備等を考慮いたしまして、二億四千三百万円計上いたしております。このほか、貿易振興関係といたしましては、工作機械輸出振興費八千万円、生糸及び絹織物輸出振興事業費補助六千八百万円、工業品検査所及び繊維製品検査所の経費四億九千三百万円を計上しております。
 次に、経済協力費でございますが、おもな経費といたしましては、特殊法人アジア経済研究所に対する補助金として三億二千二百万円、海外技術閥発協力費として一億一千万円、海外技術者の受入研修費二億六千百万円、低開発国一次産品買付促進費補助として四千七百万円等を計上し、諸外国、とりわけ東南アジアを初めとする未開発国との経済協力を一そう推進することとしております。
 第四に、鉱工業技術振興費でございますが、今日の経済における鉱工業技術振興の緊要性にかんがみまして格段の配慮をいたし、前年度に比し九億一千万円増の七十四億八千八百万円を計上いたしております。
 まず、試験所の研究課題中特に緊急重要なものに関する特別研究費として十億五百万円を計上したほか、試験所設備及び施設整備費として六億九千七百万円、民間における試験研究の助成のため鉱工業技術研究費補助として七億一千万円等を計上しております。
 なお、国立試験研究機関の総合的能率的な研究体制を整えるため、これら機関を集結団地化することにつきましては、前年度に引き続き調査費といたしまして四百万円計上いたしております。
 次に、特許制度を初めとする工業所有権制度の有効適切な運用が鉱工業技術の振興に役立つことは言うまでもないことでございますが、現在審査の遅延その他いまだ十分でない点もございます。こうした事実にかんがみまして、特許行政強化費といたしまして十億一千六百万円を計上し、前年度に比し一億六千二百万円の増加をはかってございます。
 第五に、自由化対策及び地下資源開発費でございますが、このうち、自由化対策費につきましては、一般会計予算よりもむしろ後に述べます財政投融資による対策が主要な役割を占めていると言うことができるかと存じます。
 一般会計予算におきます自由化対策費といたしましては、国産品普及事業費二千八百万円、国産機械愛用促進費三千百万円、生産性向上費九千万円等でありますが、次に述べます新鉱床探査費も非鉄金属についての重要な自由化対策と言うことができます。
 地下資源開発費といたしましては、まず国内鉱山の探鉱促進をはかるための新鉱床探査費補助といたしまして三億円が計上されております。新鉱床探査費の補助につきましては、前年度におきましても三十八年度と同額の三億円でございますが、融資対象の変更等により実質的には相当増加したものと言うことができます。また、試験所の金属鉱床調査研究費としても特に八千万円を計上いたしております。その他、天然ガス探鉱補助金といたしまして六千五百万円、それに試験所の特別研究費の一部として計上されているものとして層序試錐すなわち天然ガス埋蔵量基礎調査費一億六千九百万円、天然ガス調査費四千万円等がございます。
 第六に、工業用水道事業費補助等の産業基盤の強化対策でございますが、そのおもなものは工業用水道事業費補助でございます。これは既成工業地帯における工業用水の供給確保と地盤沈下の防止並びに工業開発地帯における工業用水の先行的開発をはかるものでありまして、継続事業二十一地区、新規事業十地区、合計三十一地区の事業に対し補助を行なうものでありまして、前年度に比しまして十六億三千六百万円増の五十三億五千六百万円を計上いたしております。
 このほか、産業立地の指導及び立地条件整備対策に要する経費として三千八百万円、産業構造の調査研究に要する経費として千二百万円等を計上いたしております。
 なお、工業用地造成確保につきましては、三一八年度におきましては三百万円の経費を計上いたしまして、調査をすることとしております。
 以上をもちまして、当省所管の一般会計に関する御説明を終わりますが、詳細につきましては、お手もとの予算要求重要事項表をごらんいただきたいと存じます。
 次に、当省が所管しております特別会計につきまして、以下歳入・歳出予算の大要を簡単に御説明申し上げます。
 まず、アルコール専売事業特別会計でございますが、三十八年度の歳入予定額は五十四億八千二百二十七万六千円、歳出予定額は四十六億九千三百十九万八千円でありまして、資産その他の関係を加減しますと、三十八年度の一般会計への納付予定額は七億八千九百七万八千円となっております。
 第二に、輸出保険特別会計でございますが、三十八年度歳入予定額及び歳出予定額はともに百二十八億八千百三十八万三千円でありまして、歳入のおもなものは、保険収入十八億四百五万六千円、資金運用収入が六億四千九百五十万円、雑収入が五億五千七百六十八万八千円、前年度剰余金百八億七千十三万九千円でありまして、歳出のおもなものは、支払保険十八億五千四百万円、予備費百十八億五千百五十二万四千円であります。
 第三に、機械類賦払信用保険特別会計でございますが、三十八年度の歳入予定額及び歳出予定額はともに八億三千五百二万五千円でありまして、歳入のおもなものは、保険料収入一億七千五百六十五万九千円、前年度剰余金六億一千五再五十三万九千円でありまして、歳出のおもなものは、支払保険一億五千七百七十六万六千円、予備費六億六千百六十二万四千円であります。
 第四に、三十八年度に新たに設けられます中小企業高度化資金融通特別会計でございますが、本会計は、一般会計の御説明の際に申し上げましたように、中小企業の構造の高度化に必要な貸付資金の財源を新たに設置するものでございまして、三十八年度の歳入予定額及び歳出予定額はともに二十三億百万円でありまして、歳入は一般会計よりの繰り入れ、歳出は都道府県への貸付であります。
 以上をもちまして一般会計及び特別会計の概要についての御説明を終わりますが、次に当省関係の財政投融資計画について簡単に御説明申し上げます。
 昭和三十八年度における当省関係の財政投融資総額は、余剰農産物資金を含めて二千八百六十八億円でありまして、これを昭和三十七年度当初計画の二千五百二十四億円と比較しますと、三百四十四億円の増加となっております。
 本計画の運用にあたりましては、貿易自由化の要請、欧州共同市場の進展、世界的な関税引き下げ等きびしい国際経済環境のもとにおいて、さらに高度の安定した経済成長を遂げることを目標といたしまして、わが国産業の国際競争力の強化と産業体制の整備、輸出の振興、中小企業の近代化の促進に特に重点を置きますとともに、自由化を控え問題のある産業部門の合併及び雇用安定化を進める所存でございます。以下機関別にその概要を御説明いたします。
 まず、日本開発銀行につきましては、施策の重点を、産業の合理化、近代化と産業体制の整備、エネルギー等の産業基盤の拡充、輸出産業の強化、地域間の均衡的発展を目途とした地域開発に置きたいと考えております。三十八年度におきましては、電力、石炭、特定機械、硫安、非鉄金属等に対する融資を重点的に取り上げることといたしますほか、新たな施策といたしまして、経済成長のにない手であると同時に技術革新の先導的役割を果たす乗用車工業及び石油化学工業などのいわゆる戦略産業部門の産業体制の整備を強力に進めることといたしております。
 運用総額は、三十七年度の当初計画に対し百四十五億円増の千百三十億円を確保するものとし、このため財政資金七百五十八億円の融資を行なうほか、産業投資特別会計を通ずる外貨債百十八億円の導入が予定されております。
 次に、日本輸出入銀行でございますが、輸出の振興が経済発展の基本的要請でありますことから、プラント類を中心とする輸出の伸張と東南アジア等に対する経済協力と賠償の実施の促進をはかるため、千三百億円の貸付計画を予定いたしまして、これに要します出資二百億円、融資六百十億円、計八百十億円の財政資金を投入する計画であります。
 次に、中小企業金融公庫でございますが、わが国の中小企業が、生産構造におきましても、また輸出構造におきましても重要な地位を占めていることにかんがみまして、中小企業の設備の合理化、近代化とその企業の経営の安定化に資するよう資金運用を行ないたいと考えております。貸付規模といたしましては、前年度当初計画より百五十億円増の千百三十五億円を確保し、このため財政資金六百六十二億円の融資を受けることとした次第であります。このほか、中小企業が強く望んでいる長期株式資本の供給と経営・技術面のコンサルテーションを行なう中小企業投資育成会社(仮称)を新らたに設立することとし、これに要する出資金といたしまして六億円を中小企業金融公庫を経由して出資することといたしております。
 商工組合中央金庫につきましては、中小企業の組織を強化し、中小企業の基盤を確立するため積極的な融資活動を行なうことと、前年度に比べて五十五億円増の四百二十億円の貸出純増を行なう計画でありまして、財政資金による商中債の引受純増五十億円を確保いたしております。
 以上で政府関係金融機関の御説明を終わりまして、次に電源開発株式会社に移りたいと存じます。
 三十八年度におきましても、前年度に引き続き、火水力電源開発の継続工事に主力をそそぎますほか、九頭龍等の若干の新規地点の開発を計画いたしまして、三百七十億円の工事規模を確保し、このため財政資金二百七十三億円の融資と政府保証債五十七億円を予定いたしております。
 次に、日本航空機製造株式会社につきましては、中型輸送機YS11の量産事業を進める計画でありまして、そのための運転資金二十六億円を政府保証によって調達することといたしております。
 石油資源開発株式会社につきましては、第二次石油資源開発五カ年計画に基づき、昭和三十八年度における探鉱活動に要する資金として、産業投資特別会計から四億円を出資する計画であります。このほか、油田及びガス田の開発にかかる民間調達の社債につきまして十億円を限度として政府保証を付することといたしております。
 次に、石炭鉱業合理化事業団につきましては、閣議決定された石炭対策大綱の趣旨に沿いまして、炭鉱のスクラップ・アンド・ビルドを進めることとし、非能率炭鉱の終閉山と合理化に伴う炭鉱離職者に対する退職金の支払いを円滑に行なわせるため、石炭鉱業合理化事業団から長期低利の貸付を行なうことといたしております。このため、財政資金六十億円の融資を行なう計画であります。
 次に、産炭地域振興事業団でございますが、これに対しましては、さきに御説明いたしました一般会計からの出資金十三億円のほかに、財政融資十九億円を予定し、土地造成事業及び貸付事業を通じまして、産炭地域の振興に遺憾なきを期したいと考えております。
 次に、金属鉱物探鉱融資事業団(仮称)でございますが、これは、非鉄金属鉱業の自由化対策でありまして、当省施策の重点の一つとして取り上げたものでございます、わが国の鉱業が激しい国際競争に耐え得るようコストの引き下げをはかるためには、現行の鉱石品位を引き上げることが必要で、それには、優秀な高品位鉱床を確保するよう探鉱量を増大しなければなりません。そのため、従来から交付して参りました新鉱床探査補助金のほかに、長期・低利の資金を大量に融資することを意図いたしまして、金属鉱物探鉱融資事業団(仮称)を新設することとした次第でございます。三十八年度には、初年度といたしまして、出資二億円、融資十三億円、計十五億円の財政資金の投入を予定いたしております。
 最後に、機械類の延べ払い対策を御説明いたしたいと存じます。最近、欧米諸国から重電機器及び工作機械等の機械類の延べ払い条件による売り込みが激化しており、かかる傾向は、自由化の進展に伴って一そう拍車をかけられることが予想されますので、これが対策として、重電機器については前年度同様開銀資金を活用するほか、工作機械等については、財政投融資計画には入っておりませんが、資金運用部が興長銀債を六十億円引き受けることによって、低利な延べ払い資金を供給する道を開くことといたしました。
 以上をもちまして、通商産業省所管の一般会計、特別会計の予算及び財政投融資計画の御説明を終わります。
 何とぞ、よろしく御審議の上、可決されますよう、お願いいたします。
#8
○中村主査 以上で説明は終わりました。
 次会は明後十八日午前十時より開会し、農林省に対する質疑を行なうことといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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