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1962/02/16 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 予算委員会第二分科会 第1号
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1962/02/16 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 予算委員会第二分科会 第1号

#1
第043回国会 予算委員会第二分科会 第1号
本分科会は昭和三十八年二月十二日(火曜日)委
員会において設置することに決した。
二月十三日
 本分科員は委員会において次の通り選任された。
      安藤  覺君    今松 治郎君
      江崎 真澄君    倉成  正君
      小坂善太郎君    田中伊三次君
      灘尾 弘吉君    松本 俊一君
      淡谷 悠藏君    木原津與志君
      辻原 弘市君    堂森 芳夫君
      佐々木良作君
同日
 今松治郎君が委員会において主査に選任された。
―――――――――――――――――――――
昭和三十八年二月十六日(土曜日)
   午前十時二十三分開議
 出席分科員
   主査 今松 治郎君
      安藤  覺君    倉成  正君
      松本 俊一君    木原津與志君
      堂森 芳夫君    佐々木良作君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 大平 正芳君
        文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
        労 働 大 臣 大橋 武夫君
 出席政府委員
        外務政務次官  飯塚 定輔君
        外務事務官
        (大臣官房長) 湯川 盛夫君
        外務事務官
        (大臣官房会計
        課長)     佐藤 正二君
        文部事務官
        (大臣官房長) 蒲生 芳郎君
        文部事務官
        (大臣官房会計
        課長)     安嶋  彌君
        厚生政務次官  渡海元三郎君
        厚生事務官
        (大臣官房会計
        課長)     今村  讓君
        労働事務官
        (大臣官房長) 松永 正男君
        労働事務官
        (大臣官房会計
        課長)     住  榮作君
    ―――――――――――――
二月十五日
 分科員佐々木良作君委員辞任につき、その補欠
 として井堀繁男君が委員長の指名で分科員に選
 任された。
同日
 分科員井堀繁男君委員辞任につき、その補欠と
 して佐々木良作君が委員長の指名で分科員に選
 任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十八年度一般会計予算中外務省、文部省、
 厚生省及び労働省所管昭和三十八年度特別会計
 予算中厚生省及び労働省所管
     ――――◇―――――
#2
○今松主査 それではこれから予算委員会第二分科会を開会いたします。
 私が主査を勤めることになりましたので、皆様の御協力をよろしくお願い申し上げます。
 本分科会は昭和三十八年度一般会計予算中外務省、文部省、厚生省及び労働省所管並びに三十八年度特別会計予算中厚生省及び労働省所管につきまして審査を行なうことになっております。
 審査の順序は、本日は所管全部について説明を聴取し、明後十八日に厚生省所管、十九日は外務省所管、二十日及び二十一日は文部省所管、二十二日は厚生省所管、二十三日及び二十五日は労働省所管についてそれぞれ質疑を行なうことになっておりますので、さよう御了承をお願いいたします。
 それでは、昭和三十八年度一般会計予算中、外務省、文部省、厚生省及び労働省所管並びに昭和三十八年度特別会計予算中、厚生省及び労働省所管を議題といたします。
 これより順次説明を求めます。
 まず、外務省所管について説明を求めます。大平外務大臣。
#3
○大平国務大臣 外務省所管の昭和三十八年度予算について大要を御説明いたします。
 予算総額は百九十一億二千八百四十八万一千円でこれを主要経費別に区分いたしますと、科学技術振興費六千二百万九千円、遺族及び留守家族等援護費九百万円、貿易振興及び経済協力費二十七億八千七百八十六万一千円その他の事項経費百六十二億六千九百六十一万一千円、であります。また組織別に大別いたしますと、外務本省九十二億二千八万六千円、移住あっせん所四千三百二十一万七千円、在外公館九十八億六千五百十七万八千円であります。
 ただいまからその内容について御説明いたします。
 まず外務本省について申し上げます。
 第一、外務本省一般行政に必要な経費十七億五千九百四十四万三千円は外務省設置法に定める本省内部部局及び付属機関である外務省研修所、外務省大阪連絡事務所において所掌する一般事務を処理するため必要な職員千五百三十八名の人件費及び事務費等であります。
 第二、外交運営の充実に必要な経費六億七千万円は諸外国との外交交渉により幾多の懸案の解決をはかり、また、各種の条約、協定を締結する必要がありますが、これらの交渉をわが国に有利に展開させるため外務省において必要な工作費であります。
 第三、アジア諸国に関する外交政策の樹立及び賠償実施業務の処理等に必要な経費二千二百二十九万三千円はアジア諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整並びに賠償の円滑かつ統一的な実施をはかるため必要な経費であります。
 第四、米州諸国に関する外交政策の樹立に必要な経費二千九百二十九万六千円は米州諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整等を行なうため必要な経費と社団法人ラテン・アメリカ協会補助金二千二百三十六万六千円であります。
 第五、欧州、中近東、アフリカ諸国に関する外交政策の樹立に必要な経費千二百三十二万九千円は欧州、中近東、アフリカ諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整等を行なうため必要な経費と社団法人アフリカ協会補助金三百二十万円、財団法人中東調査会補助金百万円であります。
 第六国際経済情勢の調査及び通商交渉の準備等に必要な経費三千百四十二万四千円は、国際経済に関する基礎的資料を広範かつ組織的に収集し、これに基づいて国際経済を的確に把握するため調査、及び通商交渉を行なう際の準備等に必要な経費であります。
 第七、条約締結及び条約集編集等必要な経費千六十七万三千円は、国際条約の締結、加入に関する事務処理並びに条約集等編集、条約典型の作成、条約、国際法及び先例法規の調査研究等のため必要な事務費であります。
 第八、国際協力に必要な経費二億六千五百四十三万九千円は、国際連合各機関との連絡、その活動の調査研究等に必要な経費及び諸種の国際会議にわが国の代表を派遣し、また、本邦で国際会議を開催するため必要な経費並びに財団法人日本国際連合協会補助金千三百九十万五千円、社団法人日本エカフェ協会補助金八百二十四万四千円、財団法人日本ユニセフ協会補助金三百一万七千円であります。
 第九、情報啓発事業及び国際文化事業実施に必要な経費五億八千四百三十八万七千円は、国際情勢に関する国内啓発、海外に対する本邦事情の啓発及び文化交流事業等を通じて国際間の相互理解を深めるため必要な経費並びに財団法人国際学友会補助金五千五十九万三千円、財団法人国際文化振興会補助金一億六十九万八千円、財団法人国際教育情報センター補助金七百二十三万四千円、及び啓発宣伝事業委託費一億七百五十二万一千円であります。前年度に比し二億千八百二十万七千円の増加は啓発宣伝費及び国際文化振興会補助金等並びに啓発宣伝事業委託費等の増加によるものであります。
 第十、海外渡航関係事務処理に必要な経費三千二百六十四万円は、旅券法に基づき、旅券の発給等海外渡航事務に必要な経費と、その事務の一部を都道府県に委託するための経費千四百四十八万七千円であります。
 第十一、海外経済技術協力に必要な経費十五億三千三百九十五万五千円は、海外との経済技術協力に関する企画立案及びその実施の総合調整を行なうに必要な経費と、コロンボ計画等に基づく技術者の受け入れ、派遣及び各種技術センターの設立等技術協力の実施に必要な委託費十二億五百二十万六千円、及び海外技術協力事業団出資金一億円、同交付金二億千四百六十七万円等であります。前年度に比し一億七千四百九十一万八千円の増加は海外技術協力実施委託費及び海外技術協力事業団交付金の増加等によるものであります。
 第十二、国際分担金等の支払いに必要な経費二十一億四千百二万二千円は、わが国が加盟している国際連合その他各種国際機関に対する分担金及び拠出金等を支払うため必要な経費であります。前年度に比し六億五千六百四十七万円の増加は国際連合分担金、世界食糧計画拠出費等の増加によるものであります。
 第十三、国際原子力機関分担金等の支払いに必要な経費六千二百万九千円は、わが国が加盟している国際原子丈機関に支払うため必要な分担金及び拠出金であります。
 第十四、経済協力関係国際分担金等の支払いに必要な経費九億九千八百七万九千円は、わが国が加盟している経済協力関係各種国際機関に対する分担金、負担金及び拠出金を支払うため必要な経費であります。前年度に比し二億千七百六十六万五千円の増加は後進国経済開発技術援助拡大計画及び国連特別基金拠出金、経済協力開発機構開発センター負担金等の増加によるものであります。
 第十五、移住振興に必要な経費十億五千七百十一万二千円は、移住政策の企画立案及び中南米諸国等に移住する者八千名を送出するため必要な事務費及び移住者渡航費貸付金五千九百十五万九千円、移住者支度費補助金九百四十六万八千円、並びに移住者の援助及び指導その他海外移住の振興及び助成に必要な業務を内外一貫して効率的に行なうことを目的として新たに設立する海外移住事業団に対する交付金七億七千六百七十三万五千円等でありま
 第十六、旧外地関係事務処理に必要な経費九十八万五千円は、朝鮮、台湾、樺太及び関東州等旧外地官署所属職員の給与、恩給等に関する事務を処理するため必要な経費であります。
 第十七、旧外地官署引揚職員等の給与支給に必要な経費九百万円は、三十八年度中の旧外地官署所属の未引揚職員の留守家族及び引揚職員に対し支給する俸給その他の諸給与に必要な経費であります。
 次に移住あっせん所について申し上げます。
 第一、移住あっせん所業務処理に必要な経費四千三百二十一万七千円は、外務省の付属機関である神戸及び横浜移住あっせん所の事務を処理する職員五十名の人件費と移住者送出の万全を期するため、本邦出発前に健康診断、教養及び渡航あっせん等の業務を行なうため必要な経費であります。
 次に在外公館について申し上げます。
 第一、在外公館事務運営等に必要な経費八十三億二千九百九十八万三千円は、既設公館百二館二代表部八百六十九名と三十八年度新設予定の在アルジェリア、在象牙海岸、在アイルランド、在ニカラグア各大使館、在ミラノ総領事館、エンカルナシオン駐在員事務所設置のため新たに必要となった職員十五名並びに既設公館の職員の増加四十五名計九百二十九名の人件費及び事務費等であります。
 第二、外交運営の充実に必要な経費七億三千万円は、諸外国との外交交渉をわが国に有利に展開するため在外公館において必要な工作費であります。
 第三、輸入制限対策等に必要な経費二億二千四百四十万三千円は、諸外国におけるわが国商品の輸入制限運動等に対処して啓蒙宣伝運動を実施する等のため必要な経費であります。
 第四、対外宣伝及び国際文化事業実施に必要な経費一億六千七百二万六千円は、わが国と諸外国との親善に寄与するため、わが国の政治、経済及び文化等の実情を組織的に諸外国に紹介するとともに、国際文化交流を行なうため必要な経費であります。
 第五、在外公館営繕に必要な経費四億千三百七十六万六千円は、在トルコ大使公邸新営、在インドネシア大使館事務所新営、同大使公邸増築、在インド大使公邸増築、在ビルマ大使館事務所新営、在アメリカ大使公邸冷房設備その他公邸、事務所の諸工事に必要な経費と、在パキスタン大使公邸及び事務所用土地の無期限使用のための無体財産権購入費並びに在外公館の事務所、館長公邸用建物の補修費等であります。
 以上がただいま上程されております外務省所管昭和三十八年度予算の大要であります。慎重御審議のほどお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#4
○今松主査 次は、文部省所管について説明を求めます。荒木文部大臣
#5
○荒木国務大臣 昭和三十八年度文部省所管予算案の大要について御説明申し上げます。
 昭和三十八年度文部省所管の予算額は、三千五百七億二千七百八十二万三千円でありまして、これを前年度当初予算額二千八百九十五億二千百七十四万八千円に比較いたしますと、六百十二億六百七万五千円の増加となっております。また、この文部省所管予算の一般会計総予算に占める比率は一二・三%となっております。
 次に、昭和三十八年度予算案のうち重要な事項について申し述べたいと存じます。
 第一は、初等中等教育の改善充実に必要な経費であります。
 義務教育水準の維持向上をはかるため、前年度に引き続き、公立義務教育諸学校の教職員定数の充足及び施設の整備に必要な経費を計上いたしましたほか、小学校第一学年から第三学年までの児童に対する教科書を無償とするために必要な経費を計上いたしております。
 まず、義務教育費国庫負担金といたしましては、標準法の完全実施をはかるため、学級編制の基準を、小・中学校いずれも五十人とし、また所定の定数増をはかるほか、小規模学校教員の充実、充て指導主事の増員、給与改定の実施、諸手当、旅費の増額等に必要な経費を含めまして給与費千七百十二億三千五百万円、教材費二十二億三千四百万円、また共済年金制度の平年度化のため共済組合負担金六十九億三千九百万円を計上いたしたのであります。
 次に、公立文教施設につきましては、その整備に必要な経費百二十九億八千四百十九万九千円を計上いたしたのであります。
 すなわち、小中学校校舎の整備に二十一億七千八百六十六万五千円、学校統合に伴う校舎等の整備に三十七億千四百六十八万六千円、危険校舎の改築に三十五億三千八十九万八千円、工業高等学校の一般校舎整備に十一億千四百五十五万円等を計上いたしましたが、建築費単価の引き上げ、構造比率の改定等は、特に配意した点であります。
 次に、義務教育教科書の無償給与につきましては、調査会の答申に基づきまして、国公私立学校を通じ、義務教育児童生徒の全員を対象として、年次的にその完全実施をはかることとし、昭和三十八年度は、三十九年度におりる小学校及び特殊教育諸学校の小学部の第一学年から第三学年までの児童に全教科書を無償給与するため必要な経費として二十七億千八十三万六千円を計上いたしております。
 なお、教育内容の面につきましては、小学校及び中学校における道徳教育の充実強化をはかるため、必要な経費として四千二百二十三万九千円を新たに計上いたしております。
 第二は、科学技術教育の振興に必要な経費であります。
 まず、初等中等教育におきましては、理科教育及び産業教育の振興に重点を置き、それぞれの振興法に基づく補助金を十一億八千四十八万七千円及び三十七億二千三百二十六万四千円と増額計上いたしたのであります。特に、産業教育につきましては、中堅技術者の不足に対処するため、前年度に引き続き、高等学校の機械学科七十九、電気学科九十七、工業化学学科四十二、建築学科十、土木学科八、合計二百三十六学科を新設することとし、また、高等学校における農業教育の近代化を促進するための補助金を増額計上いたしております。
 次に、高等教育につきましては、国立工業高等専門学校を昭和三十八年度において十二校、昭和三十九年度において五校を創設することといたしましたほか、理工系学部の創設一、学科の新設二十一、拡充改組十四及び農業近代化のため農学部系学部の体質改善をはかり、二千七百七十人の学生増募を行ない、専門技術者の養成をはかることといたしました。また、私学における科学技術教育の拡充振興をはかるため、私立大学等理科特別助成及び私立大学研究設備助成に必要な経費を増額計上いたしましたほか、公立の大学、短期大学に対しましては、理工系学部学科整備のため、補助金を新規計上いたしたのであります。
 科学研究の面におきましては、原子力、基礎電子工学、防災科学。宇宙科学等の重要基礎研究を推進するとともに、数理解析研究所、原子炉実験所及び内分泌研究所を新設する等の措置を講じ、また、国際的な学術研究の協力体制を推進するため、南極地域観測再開準備並びに日米科学協力研究事業に必要な経費を計上いたしたのであります。なお、科学研究費交付金等に必要な経費として二十七億五千七百万円を、在外研究員の派遣に必要な経費として二億千二十六万円を、また民間学術研究団体補助金として二億八千三百万円をそれぞれ計上いたしたのであります。
 第三は、国立学校の拡充整備に必要な経費であります。
 まず、国立学校運営費でありますが、これは、国立大学七十二、国立短期大学五、国立高等専門学校二十四、国立高等学校八、大学付属研究所六十四、大学付属病院二十三を運営するために必要な経費でありまして、昭和三十八年度におきましては、東京大学等七国立大学に学長としてそれぞれ国立大学総長を置き、これを認証官として、その処遇の改善をはかり、また大学院担当教官に対し、俸給の調整額を支給することといたしましたほか、新たに横浜国立大学ほか五大学に大学院修士課程を設置することといたしました。また、さきに申し述べましたように、科学技術教育振興の線に沿いまして、埼玉大学に工学部を創設することといたしましたほか、北海道大学ほか十八大学に理工系の二十学科を、宇都宮工業短期大学に理工系の一学科をそれぞれ新設し、また昭和三十八年度において八戸市ほか十一地区に、昭和三十九年度には秋田ほか四地区にそれぞれ高等専門学校を創設いたしますとともに、共同利用研究施設として京都大学に数理解析研究所及び原子炉実験所を、また群馬大学に内分泌研究所を、それぞれ創設することといたしたのであります。また、教官当たり積算校費を初め学生当たり積算校費、設備費等の基準的諸経費につきましてもそれぞれ予算の増額を行ない、内容の充実をはかったのであります。
 以上申し述べました経費を含め、国立学校の運営に必要な経費総額は九百二十一億七千九百七十四万四千円でありまして、国立学校の項に六百六十億七千二百八十三万五千円を大学付属病院の項に百七十四億九千八百七万五千円を、大学付属研究所の項に八十六億八百八十三万四千円をそれぞれ計上いたしたのであります。
 次に、国立文教施設整備につきましては、施設の現状にかんがみ予算の大幅の増額をはかることといたしましたが、科学技術振興の見地から理工系学部の施設を重点的に整備するとともに、一般施設の整備、病院施設の整備、老朽建物の改築等のため百八十七億千八百四十五万三千円を計上いたしたのであります。
 なお、諸物価の動向、公立及び私立学校における授業料等の額を考慮し、昭和三十八年度国立学校入学者から授業料、入学金等の額を引き下げることといたしております。
 第四は、教育の機会均等と人材開発に必要な経費であります。
 優秀な学徒で経済的に困窮している者に対して国がこれを援助し、その向学の志を全うさせることは、きわめて重要なことであります。このため、日本育英会に対する奨学資金の貸付と、その事務費の補助に必要な経費として八十億三千六百五十三万五千円を計上いたしたのでありますが、昭和三十八年度は特別奨学生を増員することによって育英奨学制度の拡充をはかることとし、さらに高等学校、大学を通じ一般奨学資金の単価の引き上げ等を行ない、また、日本育英会の奨学金返還業務の推進をはかることといたしております。
 次に、義務教育の円滑な実施をはかるためには、経済的理由により就学困難な状況にある児童生徒に対して特別の援助を行なう必要があるのでありますが、この援助の範囲につきまして準要保護児童生徒の対象率五%を七%に引き上げるとともに内容の改善を行なうこととし、教科書については四億八千二百四十九万八千円、給食費については十一億五千三百八十六万八千円、修学旅行費については三億三千四百三万千円、医療費については二億二千六十四万八千円、学用品費については十三億二千九百八十二万七千円、通学費については千七百九十四万四千円、寄宿舎居住費については千三百八十五万四千円を補助することといたしたのであります。
 次に、僻地教育の充実をはかるため、僻地教員宿舎建築費五百八十八戸分、テレビ受像機設置費四百校分、その他火力発電の施設、スクール・バス、ボートに対する補助等を継続いたしますとともに、新たに飲料水給水設備について補助を行なうこととし、これらに要する経費として一億八千二百七十四万五千円を計上いたしたのであります。
 次に、盲学校、ろう学校及び養護学校への就学奨励につきましては、新たに幼稚部の交通費、寄宿舎居住費を援助の対象とする等のため必要な経費を加えて三億三百六十六万六千円を、さらに、養護学校、特殊学級等の設備の整備費並びにスクール・バス購入費に対する補助を合わせまして七千六百七十一万円を、また、盲学校及びろう学校における新職業開拓のための補助金として五百八十五万六千円を計上する等、特殊教育の振興をさらに推進することといたしたのであります。
 第五は 勤労青少年教育振興に必要な経費であります。勤労青少年教育の振興は、学校教育と社会教育の両面において推進しなければなりませんが、学校教育の面におきましては、従来に引き続き、放送利用による高等学校通信教育の普及のための経費として千六百九十八万六千円、定時制高等学校設備費及び通信教育運営費の補助として一億二千二百八十二万千円、定時制教育または通信教育に従事する校長、教員に対する定時制教育及び通信教育手当の補助として二億四千五十四万六千円を計上いたしますとともに、新たに、一定範囲の通信教育受講生徒に対しましては教科書及び学習書を無償給与することとし、これに要する経費を計上いたしました。また、夜間定時制高等学校に関しては給食施設設備の補助として四百六十四万三千円を、生徒に対するミルク、パン及び添加物の給与に要する経費の補助として二億八千百九十七万九千円を計上いたしましたほか、新たに運動場照明施設整備に補助を行なうこととして、これに要する補助金二千五百二十万円を計上いたしたのであります。
 次に、社会教育の面におきましては、前年度に引き続き青年学級等の充実振興に必要な経費として一億四千三十八万三千円を計上いたしましたほか、社会通信教育の振興をはかるため千八十二万六千円を計上いたしたのであります。
 第六は、社会教育の振興に必要な経費であります。
 社会教育の振興につきましては、青年学級及び社会通信教育の振興に要する経費のほか、成人教育振興のため千玉百三十二万四千円、婦人学級の開設、婦人の国外研究活動等を助成するため九千六百七十万九千円、青少年団体及び婦人団体その他の社会教育関係団体の行なう事業を助成するため八千五十万円、さらに、公民館、図書館、博物館、青年の家等の社会教育施設設備を整備するため二億三千三百七十三万七千円、教育放送等視聴覚教育の積極的な活動を助成するため七千四百六十二万千円、芸術振興のため千四百六十四万三千円をそれぞれ計上いたしましたほか、九州阿蘇地区に国立青年の家を増設するために必要な経費二億円を計上いたしたのであります。
 第七は、体育の振興に必要な経費であります。
 体育は、国民の健康を維持増進し、その生活を明るくする上に重要な意義を持つものでありますが、まず、オリンピック東京大会を明年に控え、その実施準備諸費として国立競技場の整備、屋内総合競技場の建設、戸田漕艇場の改修、朝霞射撃場の整備、日本青年館の改修、オリンピック組織委員会の運営、競技技術の向上等に要する経費を含めまして二十四億四千二百八十九万千円を計上いたしました。また、スポーツの振興をはかるため、体育館十六カ所、プール百七十カ所及び運動場三カ所の整備に要する補助として三億三百二十二万円、スポーツ教室の育成等のため五千四百四十六万四千円をそれぞれ計上いたしたのであります。なお、学校給食につきましては、施設設備の整備の促進をはかるとともに、小麦についての従来の国庫補助を継続することとして、所要経費三十四億千七十一万四千円を計上いたしましたほか、新たにミルク給食を義務教育諸学校について全面的に実施するための経費四十億円を計上いたしたのであります。
 第八は、私立学校教育の振興助成に必要な経費であります。
 私立学校教育の重要性につきましては、あらためて申すまでもないところでありますが、まず、私立学校の施設及び設備の整備に要する資金に充てるため、私立学校振興会に対する政府出資金として十二億円を計上いたしますとともに、財政投融資から二十億円の融資を受けることといたしております。また、私立学校における科学技術教育を拡充振興するため私立大学等理科特別助成として十四億九千二百一万七千円、私立大学研究設備助成として八億二千五百万円を、さらに私立学校教職員の福祉増進のため、私立学校教職員共済組合に対しその給付費及び事務費の一部を補助するに必要な経費一億二千百七十八万五千円を、それぞれ計上いたしたのであります。
 次に、文化財保存事業につきましては、前年度に引き続き、国宝、重要文化財等の保存修理・防災施設の整備を行なうとともに、歴史上貴重な遺跡である平城宮跡の一部買い上げ、文楽の保護等無形文化財の保存活用に必要な経費を含めて十二億五千五百二万二千円を計上いたしました。また、国立劇場の建設促進のために、前年度に引き続き五千五百万円を計上いたしております。
 以上のほか、教育研究団体の助成、国際文化の交流、ユネスコ事業等について、それぞれ所要経費を計上いたしたのであります。なお、沖繩教育協力援助費につきましては、本年度から、総理府所管として計上いたしております。
 以上文部省所管に属する昭和三十八年度予算案の大要につきまして御説明申し上げた次第であります。何とぞ、十分御審議の上御賛同あらんことをお願いいたします。
    ―――――――――――――
#6
○今松主査 次に、厚生省所管について説明を求めます。渡海政務次官。
#7
○渡海政府委員 昭和三十八年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算案の概要について、御説明申し上げます。
 厚生行政につきましては、日ごろ各位の御協力をいただき、逐年予算の増額を見、厚生行政の進展がはかられつつありますことはまことに喜ばしいことでありまして、この際あらためて厚く御礼を申し上げたいと存じます。
 さて昭和三十八年度厚生省所管一般会計予算における総額は三千三百十三億八百九十六万七千円でありまして、これを第一次補正後の昭和三十七年度予算二千七百四十一億五千九百五十七万四千円に比較いたしますと五百七十一億四千九百三十九万三千円の増加と相なり、前年度予算に対し二〇・八%の増加率を示しており、また、国家予算総額に対する厚生省予算の比率は、一
 一・六%と相なっております。
 以下、特に重要な事項について、その概要を御説明申し上げます。
 まず、第一は、生活保護費関係の経費であります。
 生活扶助費につきましては、その基準額を前年度当初予算に比して一七%引き上げることといたしております。また、教育扶助費につきましても所要の改定を行なうとともに、勤労控除につきましては、基礎控除、新規就労控除について所要の改善を行なうほか、新たに未成年者勤労控除を創設いたしました。
 このほか、保護施設職員の待遇改善を行なうなど、生活保護費として総額七百二十二億六千八百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し百十億三千六百余万円の増額となっております。
 第二は、社会福祉費関係の経費であります。
 まず、児童保護費でありますが、保育所及び収容施設職員の待遇の改善をはかるため、保育所職員給与の級地別格差を改善いたしますほかに、全体につき給与額を平均約八%引き上げるとともに、収容施設等の飲食物費、日常諸費を改善するほか、新たに就職支度金を計上いたしております。
 また、新たに重症心身障害児施設整備費及び児童館の設置、運営費についても補助を行なうとともに、妊娠中毒症対策として所要の医療費を計上するなど、児童保護費として百八十五億三千二百余万円を計上いたしております。
 次に、老人福祉費でありますが、新たに特別養護老人ホームの設置費等に対して補助するなど各種福祉施設の整備充実をはかるとともに、健康診断費補助金等を計上するなど四十七億七千四百余万円を計上いたしております。
 また、低所得層対策として世帯更生資金及び母子福祉資金をそれぞれ増額するとともにその内容の改善をはかっております。
 このほか、老朽民間社会福祉施設の整備費補助金として新たに二億三千四百余万円を計上するとともに、身体障害者保護費及び精神薄弱者援護費をそれぞれ増額するなど、社会福祉費として総額三百二億四千二百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し六十五億七千五百余万円の増額となっております。
 第三は、社会保険費関係の経費であります。
 まず、国民健康保険助成費についてでありますが、世帯主の一般疾病に対する給付率を十月から七割に引き上げることとし、その引き上げた部分について四分の三相当額を国庫より助成することといたしており、このため三十九億四千五百余万円を計上いたしております。また、低所得被保険者について保険税を減税するため四十一億八千七百余万円を計上するなど、国民健康保険助成費として六百六十五億三千二百余万円を計上いたしております。
 次に、社会保険国庫負担金でありますが、厚生保険特別会計及び船員保険特別会計への繰入金として百十八億五千九百余万円を計上するなど、社会保険費として総額七百九十四億八千余万円を計上いたしており、前年度予算に比し百二十九億一千四百余万円の増額となっております。
 第四は、保健衛生対策費関係の経費であります。
 まず、結核及び精神衛生対策でありますが、命令入所及び措置入院の対策をさらに強力に推進するため、結核医療費として二百二十六億五千三百余万円、精神衛生費として百十億三千余万円、計三百三十六億八千四百余万円を計上しており、前年度予算に比し百六億四千八百余万円の増額となっております。
 このほか、保健衛生諸費として五十八億二千五百余万円、原爆障害対策費として十一億二百余万円、らい予防対策費として一億六千百余万円、また、国立療養所に必要な経費として二百三十一億二千三百余万円をそれぞれ計上するなど、保健衛生対策費として総額六百七十二億七千五百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し百四十三億四千四百余万円の増額となっております。
 第五は、恩給関係費のうちの遺族及び留守家族等援護費であります。
 まず、戦傷病者戦没者遺族等援護費のうち遺族年金及び障害年金等についてでありますが、新しい施策として準軍属の処遇改善、特殊勤務の満鉄職員等の処遇改善、非戦地勤務有給軍属の処遇改善及び特例年金支給要件の緩和等を行なうものとし必要な経費九十億二千三百余万円を計上するとともに、留守家族等援護費として六億三千二百余万円、未帰還者特別措置費として九千余万円を計上するなど遺族及び留守家族等援護費として総額九十七億四千七百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し八億五千三百余万円の増額となっております。
 第六は、公共事業関係費のうちの環境衛生対策費であります。
 明るい生活環境を実現するため特に環境衛生施設の整備をさらに強力に推進することとし、昭和三十八年度を初年度とする緊急整備五カ年計画を樹立することとしたのでありますが、これに基づいて、清掃施設整備費補助金については前年度予算の約二倍に当たる二十一億八千余万円、下水道終末処理施設整備費補助金については約四割増の十七億九千四百余万円を計上いたした次第であります。
 また、簡易水道等施設費補助金として十六億六千百余万円を計上するなど、環境衛生対策費として総額五十六億三千九百余万円を計上いたしており、前年度予算に比し十八億六千四百余万円の増額となっております。
 以上申し述べました主要事項に関する予算以外に、所管予算といたしまして総額五十九億三千六百余万円を計上しておるのでありますが、特に麻薬対策につきましては、その取締対策、中毒者保護対策について画期的にこれを強化することとして、前年度予算の約四倍に当たる六億三千二百余万円を計上いたしております。
 なお、結核の医療基準の大幅な改訂を本年四月から実施するものとして所要の国庫負担増加分十六億五千九百余万円、また社会保険診療報酬の地域差撤廃を九月より実施するものとしてこれに必要な経費三十八億二千二百余万円がそれぞれ各事項の中に計上されております。
 以上、昭和三十八年度厚生省所管一般会計予算について、その概要を御説明申し上げたのであります。
 次に、昭和三十八年度厚生省所管特別会計予算の大要について、御説明申し上げます。
 まず、第一は、厚生保険特別会計についてでありますが、一般会計より百十二億三千三百八十二万九千円の繰り入れを見込みまして、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしております。
 第二は、国民年金特別会計についてでありますが、一般会計より五百九十二億七千万五千円の繰り入れを見込みまして、各勘定の歳入歳出予算をそれぞれ計上いたしましたが、福祉年金につきましては、老齢、障害及び母子等の各福祉年金の支給額をそれぞれ九月より引き上げることとし、また、本人及び扶養義務者の所得制限緩和をそれぞれ九月より、母子加算の条件緩和を五月より実施するなど、国民年金国庫負担金として、前年度予算に比し八十一億二千八百余万円の増額となっております。
 第三は、船員保険特別会計についてであります。
 船員保険特別会計につきましては、六億二千五百九十七万一千円の一般会計よりの繰り入れを行ない、歳入百四十四億七千八百十万八千円、歳出百七億二千六百九十一万五千円を計上いたしております。
 第四は、国立病院特別会計についてでありますが、一般会計より二十七億七百七十万六千円の繰り入れを見込みまして、歳入歳出とも二百十一億六千九百三十三万円を計上いたしております。
 最後に、あへん特別会計についてでありますが、歳入歳出とも四億四千九百八十五万六千円を計上いたしております。
 以上、昭和三十八年度の厚生省所管一般会計及び各特別会計の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ本予算案の成立につきましては、格別の御協力をお願いいたす次第であります。
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#8
○今松主査 次に労働省所管について説明を聴取いたします。大橋労働大臣
#9
○大橋国務大臣 昭和三十八年度一般会計及び特別会計の予算案中、労働省所管分につきまして、その概要を御説明いたします。
 最初に、一般会計について申し上げます。
 この会計の歳出は、総額七百二十九億二千七百五十二万五千円でありまして、これを前年度当初予算額五百八十一億九千六百八十九万五千円に比較いたしますと百四十七億三千六十三万円の増加となっております。
 次に、このおもな内容につきまして、概略御説明いたします。
 まずその一は、雇用及び失業対策の推進に必要な経費であります。最近における雇用及び失業情勢は、ここ数年にわたる経済の高度成長によりまして、全体として、改善の方向に進んでいるのでありますが、その反面、国民経済の急速な拡大の結果、若年労働力や技能労働力の不足が著しくなり、しかも他方、エネルギー消費の変化、貿易自由化等の進展に伴って、一部には、相当数の離職者の発生が見られ、また、一般に中高年令失業者の再就職が相当困難であるなどの状況にあります。
 かかる情勢に対処するため、経済発展に対応する積極的な雇用及び失業対策を推進して、産業に必要な労働力の確保と、離職者の生活安定をはかることを基本方針といたしまして、まず、新たに、中高年令失業者につきまして、手当を支給しつつ、職業指導、職業訓練等を計画的に実施する制度を創設し、その再就職の促進に努めることとし、所要の訓練施設等について大幅な拡充を行ないますとともに、公共職業安定所を中心とする職業安定機能の刷新強化をはかることといたしております。
 また、従来から実施しております失業対策事業就労者の転職促進措置につきましては、新たに、女子の家事サービス訓練を実施する等、一そうの充実をはかるとともに、失業対策事業の運営についても改善を加えることといたしております。
 さらに、失業保険制度につきましては、最近における雇用失業情勢及び保険収支の状況、並びに、社会保障制度審議会の答申及び勧告の趣旨に基づきまして、給付内容の改善と受給者の再就職促進のための援護措置の充実などの改正を行なうことといたしております。
 なお、これらの失業対策にあわせて、産業に必要な労働力の確保とエネルギー消費構造の変革、貿易自由化の進展などに伴う摩擦によって発生する離職者の就職促進をはかるため、住宅の建設及び貸与等の援護対策を一そう進めるとともに、広域職業紹介体制を充実強化して、地域間、産業間における労働力の流動化を円滑に実施するための措置を講ずることといたしております。
 これらに必要な経費及び失業保険給付費等国庫負担金に要する経費といたしまして五百五十二億一千三百八十一万七千円を計上いたしております。
 なお職業安定法及び緊急失業対策法の一部を改正する法律案を本国会に提出いたしております。
 その二は、炭鉱離職者、金属鉱業等離職者の援護対策の充実強化に必要な経費であります。
 石炭鉱業からの離職者につきましては、合理化に見合う雇用計画を策定し、政府関係機関等への積極的吸収をはかるほか、従来から実施しております援護措置を充実するとともに、新たに、求職手帳制度を創設し、手当を支給しつつ、職業指導、職業訓練、職業紹介等を集中的に、かつ、親身になって実施することといたしております。
 また、金属鉱業等からの離職者につきましても、その再就職を促進するため、従来より実施しております措置のほか、新たに、雇用奨励、住宅確保等の援護対策を実施することといたしております。
 これらに必要な経費といたしまして百億九百二万八千円を計上いたしております。
 このほか、移転労働者用住宅の建設、福祉施設及び職業訓練施設の設置のための融資といたしまして、財政投融資計画案中に四十億円が計上されております。
 なお、炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案及び雇用促進事業団法の一部を改正する法律案を本国会に提出いたしております。
 その三は、職業訓練の拡充及び技能水準の向上に必要な経費であります。
 技術革新の進展、地域経済の開発に伴い技能労働力の不足が深刻化し、しかも他方、中高年令失業者の再就職の困難なる状況等にかんがみ、従来から実施しております公共職業訓練を一層拡充強化するほか、新たに移動訓練、委託訓練等を実施するなど転職訓練の大幅な拡充をはかるとともに、事業内職業訓練の助成を拡大し、あわせて技能検定の実施、国際技能オリンピックへの参加などにより、技術革新の時代にふさわしい技能労働者の養成確保と、技能水準の一そうの向上をはかることとしておるのであります。
 これらに必要な経費といたしまして六十二億三千七百三十七万一千円を計上いたしております。
 その四は、労働災害防止対策の推進に必要な経費であります。
 最近における労働災害件数の増加傾向にかんがみまして、これが防止のために、格段の努力を傾注して参ることとし、新産業災害防止五カ年計画を策定いたし、これが実効あらしめるため、新たに民間の自主的労働災害防止体制を確立し、その活動を積極的に助成するとともに、従来から実施しております労働災害防止活動を一そう充実強化することといたしておるのであります。これらに必要な経費及びじん肺等長期傷病者補償費国庫負担金に要する経費といたしまして十二億六千二百六十六万九千円を計上いたしております。
 なお、労働災害の防止に関する法律案を本国会に提出いたすこととなっております。
 その五は、賃金対策の推進に必要な経費であります。
 今後の国民経済の成長過程における賃金問題の重要性にかんがみまして、最低賃金制の一そうの充実拡大をはかるとともに、適切公正な賃金関係資料の整備充実、賃金体系改善に関する援助、その他賃金問題を国民経済的視野に立って合理的に解決する機運を醸成するよう努めることとし、これらに必要な経費といたしまして四千七百二十六万二千円を計上いたしております。
 その六は、労使関係の安定と近代化に必要な経費であります。
 国民経済の繁栄と民主主義の発展をはかるため、自由にして民主的な労働運動の発展と、正常な労使関係の形成に一そう努力することとし、これがため、労使双方が平素から相互信頼を基調とした話し合いを通じて問題を合理的に解決していく慣行を確立するため、中央のほか新たに地方にも労働問題懇話会を設けてその推進をはかることとし、また、中小企業の労使関係の近代化につきまして、労働教育、労働相談等を通じて不断の啓蒙指導を行ない、よき労使慣行の確立を推進し、労使関係の合理的にして円滑なる調整をはかることとし、これらに必要な経費といたしまして九千四百五十四万六千円を計上いたしております。
 その七は、中小企業の労働対策の充実に必要な経費であります。
 最近における経済の成長過程で、中小企業の労働条件も逐次向上し、大企業との格差が次第に縮小しつつありますが、今後もこのような労働条件格差の縮小傾向を一層促進し、労働者の福祉の向上と経済の二重構造の解消に資するため、中小企業に対しましては、その経営基盤の強化のための諸施策と相待って、最低賃金制の充実拡大、一斉週休制等の普及とともに、従来から実施しております労務管理の近代化など、労働諸事情改善のための総合的中小企業労働対策を強力に推進し、あわせて退職金共済制度の普及、失業保険の五人未満の適用拡大、福祉施設のための融資の増額をはかるなど、中小企業に対する福祉対策を積極的に実施することとし、これらに必要な経費といたしまして四億九千五十三万八千円を計上いたしております。
 その八は、婦人、年少労働者及び身体障害者等の福祉の増進に必要な経費であります。
 未亡人等働く婦人につきまして、職業相談、職業訓練等の充実をはかるとともに、働く婦人の家等福祉施設の増設を行ない、また年少労働者につきましても、勤労青少年ホームの増設、その他福祉の増進に努めるなど、働く婦人及び年少労働者に対する保護及び福祉対策を一そう推進するとともに、身体障害者につきまして、従来実施しております、職業訓練及び就職促進対策を一そう充実することとし、これらに必要な経費といたしまして三億六百二十三万一千円を計上いたしておるのであります。
 以上のほか、行政事務等に必要な経費を計上しております。
 次に、労働者災害補償保険特別会計につきまして御説明いたします。
 この会計の歳入・歳出は、ともに八百二十三億三千七百二十八万二千円でありまして、歳入のうちのおもなるものは保険料収入五百二十億三千九百万円であります。
 また、歳出のうちのおもなるものは保険給付費四百十二億六千八百万円、労働福祉事業団出資金二十億六千九百七万三千円、保険施設費五億六千五百六十九万円、業務取扱費三十二億八百九十四万五千円でありまして、保険給付費のうちには、けい肺等じん肺及びせき髄障害等長期傷病給付費が含まれております。また保険施設費のうちには、産業災害防止対策費が含まれております。
 なお、労働福祉事業団出資金は、労災病院等の施設拡充に必要な経費であります。
 最後に、失業保険特別会計につきまして御説明いたします。
 この会計の歳入歳出はともに一千四十二億九千三百二十四万四千円でありまして、歳入のうちのおもなるものは保険料収入七百四十八億二千万円、一般会計より受け入れ百九十八億六千六百万円であります。
 また歳出のうちのおもなるものは、保険給付費七百八十億一千八百万円、雇用促進事業団出資金六十二億五千二百二十四万円、保険施設費二十一億八千五百八十六万六千円、業務取扱費三十七億八千九百三十万二千円であります。
 保険給付につきましては、保険金日額の最高最低の引き上げ、扶養加算金の支給、職業訓練中の手当の支給、傷病期間中の保険給付の実施、日雇失業保険の待期制度の改正等、保険給付の改善をはかることとし、失業保険法の一部を改正する法律案を本国会に提出いたすこととなっております。
 なお、雇用促進事業団出資金は、総合職業訓練所の施設の拡充、移転労働者用宿舎等の建設に必要な経費であります。
 また、保険施設費のおもなるものは、雇用促進事業団の管理する総合職業訓練所等の運営費であります。
 以上、昭和三十八年度労働省所管一般会計及び特別会計の予算につきまして、概略御説明申し上げたのであります。
 何とぞ本予算の成立につきまして、格段の御協力をお願い申し上げる次第であります。
#10
○今松主査 以上をもって説明は終わりました。
 この際分科員各位に申し上げます。明後十八日より先ほど申し上げました通りの日程で質疑を進めますが、質疑者が多数あることと思われますので、各位におかれましては、開会時間の厳守をこの際特にお願いを申し上げます。
 明後十八日は午前十時より開会し、厚生省所管について質疑に入ることとし、本日はこれをもって散会いたします。
   午前十一時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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