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1962/01/28 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 予算委員会 第1号
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1962/01/28 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 予算委員会 第1号

#1
第043回国会 予算委員会 第1号
本国会召集日(昭和三十七年十二月二十四日)(
月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
の通りである。
   委員長 塚原 俊郎君
   理事 愛知 揆一君 理事 青木  正君
   理事 赤澤 正道君 理事 野田 卯一君
   理事 保科善四郎君 理事 淡谷 悠藏君
   理事 川俣 清音君 理事 小松  幹君
      相川 勝六君    井出一太郎君
      稻葉  修君    今松 治郎君
      植木庚子郎君    江崎 真澄君
      仮谷 忠男君    北澤 直吉君
      倉石 忠雄君    小坂善太郎君
      櫻内 義雄君    周東 英雄君
      田中伊三次君    中曽根康弘君
      中村三之丞君    灘尾 弘吉君
      西村 直己君    羽田武嗣郎君
      藤本 捨助君    船田  中君
      松浦周太郎君    松野 頼三君
      松本 俊一君    三浦 一雄君
      山口 好一君    山本 猛夫君
      井手 以誠君    加藤 清二君
      木原津與志君    高田 富之君
      楯 兼次郎君    辻原 弘市君
      堂森 芳夫君    永井勝次郎君
      野原  覺君    長谷川 保君
      山口丈太郎君    山花 秀雄君
      横路 節雄君    佐々木良作君
      西村 榮一君
―――――――――――――――――――――
昭和三十八年一月二十八日(月曜日)
   午前十時十四分開議
 出席委員
   委員長 塚原俊郎君
   理事 愛知 揆一君 理事 青木  正君
   理事 赤澤 正道君 理事 野田 卯一君
   理事 川俣 清音君 理事 楯 兼次郎君
   理事 辻原 弘市君
      相川 勝六君    井出一太郎君
      稻葉  修君    今松 治郎君
      植木庚子郎君    仮谷 忠男君
      北澤 直吉君    櫻内 義雄君
      周東 英雄君    田中伊三次君
      中曽根康弘君    中村三之丞君
      灘尾 弘吉君    藤本 捨助君
      船田  中君    松浦周太郎君
      松本 俊一君    山口 好一君
      淡谷 悠藏君    石田 宥全君
      川村 継義君    木原津與志君
      小松  幹君    高田 富之君
      堂森 芳夫君    野原  覺君
      山口丈太郎君    山花 秀雄君
      佐々木良作君    田中幾三郎君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  池田 勇人君
        外 務 大 臣 大平 正芳君
        大 蔵 大 臣 田中 角榮君
        文 部 大 臣 荒木萬壽夫君
        厚 生 大 臣 西村 英一君
        農 林 大 臣 重政 誠之君
        通商産業大臣  福田  一君
        運 輸 大 臣 綾部健太郎君
        郵 政 大 臣 小沢久太郎君
        労 働 大 臣 大橋 武夫君
        建 設 大 臣 河野 一郎君
        自 治 大 臣 篠田 弘作君
        国 務 大 臣 川島正次郎君
        国 務 大 臣 近藤 鶴代君
        国 務 大 臣 志賀健次郎君
        国 務 大 臣 宮澤 喜一君
 出席政府委員
        内閣官房長官  黒金 泰美君
        総理府総務長官 徳安 實藏君
        総理府事務官
        (経済企画庁調
        整局長)    山本 重信君
        大蔵事務官
        (主計局長)  石野 信一君
        大蔵事務官
        (主税局長)  村山 達雄君
        大蔵事務官
        (理財局長)  稲益  繁君
 委員外の出席者
        専  門  員 大沢  実君
    ―――――――――――――
昭和三十七年十二月二十五日
 委員井手以誠君、永井勝次郎君及び長谷川保君
 辞任につき、その補欠として渡辺惣蔵君、川村
 継義君及び石田宥全君が議長の指名で委員に選
 任された。
昭和三十八年一月二十八日
 委員西村榮一君辞任につき、その補欠として田
 中幾三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員田中幾三郎君辞任につき、その補欠として
 西村榮一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 理事淡谷悠藏君及び小松幹君同日理事辞任につ
 き、その補欠として楯兼次郎君及び辻原弘市君
 が理事に当選した。
    ―――――――――――――
一月二十二日
 昭和三十七年度一般会計補正予算(第2号)
 昭和三十七年度特別会計補正予算(特第2
 号)
 昭和三十七年度政府関係機関補正予算(機第2
 号)
 昭和三十八年度一般会計予算
 昭和三十八年度特別会計予算
 昭和三十八年度政府関係機関予算
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 昭和三十八年度一般会計予算
 昭和三十八年度特別会計予算
 昭和三十八年度政府関係機関予算
 昭和三十七年度一般会計補正予算(第2号)
 昭和三十七年度特別会計補正予算(特第2号)
 昭和三十七年度政府関係機関補正予算(機第2
 号)
 公聴会開会承認要求に関する件
     ――――◇―――――
#2
○塚原委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事の辞任の件についてお諮りいたします。
 理事淡谷悠藏君及び小松幹君よりそれぞれ理事を辞任いたしたい旨の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○塚原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 つきましては、これより理事の補欠選任を行ないたいと思いますが、その補欠は委員長において指名いたすことに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○塚原委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に
   楯 兼次郎君  辻原 弘市君
を指名いたします。
     ――――◇―――――
#5
○塚原委員長 これより昭和三十八年度一般会計予算、昭和三十八年度特別会計予算、昭和三十八年度政府関係機関予算並びに昭和三十七年度一般会計補正予算(第2号)、昭和三十七年度特別会計補正予算(特第2号)、昭和三十七年度政府関係機関補正予算(機第2号)を一括して議題とし、審査に入ります。
    ―――――――――――――
 昭和三十八年度一般会計予算
 昭和三十八年度特別会計予算
 昭和三十八年度政府関係機関予算
 昭和三十七年度一般会計補正予算(第2号)
 昭和三十七年度特別会計補正予算(特第2号)
 昭和三十七年度政府関係機関補正予算(機第2号)
  〔本号(その二)に掲載〕
    ―――――――――――――
#6
○塚原委員長 まず各案の趣旨について政府の説明を求めます。大蔵大臣田中角榮君。
#7
○田中国務大臣 昭和三十八年度予算編成の基本方針及びその骨子につきましては、先日本会議におきまして御説明いたしたところでありますが、予算委員会において本日から御審議をお願いいたすにあたりまして、あらためてその概要を御説明いたしたいと存じます。
 昭和三十八年度財政は、健全均衡財政の方針を堅持するとともに、財政投融資においては、政府資金、民間資金を通じ、その活用について積極的に配意し、将来にわたる国力発展の基盤を充実するため、従来から政府が重点を置いて参りました公共投資、社会保障及び文教等の諸施策を、引き続き着実に推進することを主眼といたしております。
 この方針により編成されました昭和三十八年度一般会計予算の総額は、歳入歳出とも、二兆八千五百億円でありまして、昭和三十七年度当初予算に対して四千二百三十二億円、補正(第1号)後の予算に対して三千六百九十億円の増加となっております。
 また、財政投融資の総額は、一兆一千九十七億円でありまして、昭和三十七年度当初計画に対して二千四十五億円、改定後の計画に対して千四百三十九億円の増加となっております。
 一般会計予算について申し上げます。
 歳入のうち、租税及び印紙収入は、二兆三千五十三億円でありまして、三十七年度当初予算に対し二千六百三十二億円、補正(第1号)後の予算に対し二千九十一億円の増加となっております。これは、現行税法に基づく三十八年度の収入見込み額二兆三千五百五十二億円から、税制改正による減収額四百九十九億円を差し引いた額であります。
 税制の改正につきましては、別途政府委員をしてその詳細を説明いたさせますが、三十八年度におきましては、国民生活の安定に資するため一般的な負担の軽減をはかること、及び現下の経済情勢に顧りみ当面要請される諸施策に対応する税制上の措置を講ずることを主眼として、税制改正を行なうことといたしております。
 すなわち、中小所得者の負担の軽減をはかるため、所得税の課税最低限を引き上げ、中小法人の留保所得課税を軽減するとともに、資本蓄積の促進、社会資本の充実、産業体制の整備・強化、中小企業設備の近代化等のため、租税特別措置及び税制を整備することといたしております。
 以上の改正による減税額は、平年度で五百四十億円、初年度で五百四十二億円となる見込みでありますが、これより関税定率法等の改正による増収を差し引きますと、三十八年度一般会計における税制改正による減収額は四百九十九億円となるわけであります。
 租税以外の収入は、総額二千八百二十億円でありまして、三十七年度予算に比べ二百二十五億円の増加を見込んでおりますが、税外収入の大宗をなす専売納付金につきましては、地方住民の負担軽減をはかるため電気ガス税の減税を行なうのに伴い、市町村たばこ消費税の税率を一・四%引き上げることといたしておりますため、若干の減収となっておるわけであります。
 前年度剰余金受け入れにつきましては、すでに総額二千六百二十七億円と確定しておりまして、三十七年度に比べ千三百七十五億円の増加となっております。
 次に、歳出のうちおもな経費につき、その概要を申し上げます。
 社会保障関係費は、総額三千六百七十九億円を計上いたしております。これは三十七年度当初予算に比べ六百七十六億円の増加でありまして、これにより、経済発展に応じた国民生活の均衡ある向上と社会福祉の充実を期している次第であります。
 その主な内容といたしましては、まず、生活保護費において、三十六、三十七年度に引き続き、生活扶助基準を一七%と大幅に引き上げ、七百二十三億円を計上いたしております。
 また、社会福祉費につきましては、生活扶助基準の引き上げに対応して措置内容を改善するほか、児童保護、老人福祉を中心に施策の充実をはかることとし、三百二億円を計上いたしております。
 次に、社会保険費におきましては、国民健康保険について世帯主に対する給付率を一般疾病につき五割から七割に引き上げるほか、低所得者の保険料を軽減して医療費に関する低所得者の負担軽減をはかるとともに、診療報酬の地域差撤廃を織り込み、七百九十五億円を計上いたしております。
 国民年金費におきましては、福祉年金につき、新たに、年金額を引き上げるほか、本人及び扶養義務者の所得制限の緩和、母子及び準母子福祉年金の支給要件の緩和等を実施することとして、五百九十三億円を計上いたしております。
 保健衛生対策費におきましては、結核及び精神病につき、命令入所、措置入院患者の対象件数を増加するほか、結核医療基準を改正して医療保障の改善充実をはかることとなし、三十七年度当初予算に比べ百五十一億円を増額し、六百七十三億円を計上いたしております。
 最後に、失業対策費におきましては、最近における雇用情勢等にかんがみ、中高年令失業者の就職促進のための就職指導、職業訓練の飛躍的な拡充をはかるほか、失業対策事業の賃金日額の引き上げ、失業保険の内容改善を行なう等により、三十七年度当初予算に比べ百十五億円を増額し、五百三十億円を計上いたしておりまして、このほか、石炭対策費中に含まれている炭鉱離職者援護対策関係費を加えると、失業対策費の総額は五百九十四億円と相なるわけであります。なお、従来失業対策費中に含まれておりました臨時就労対策事業につきましては、最近の吸収実績等にかんがみ、三十八年度からこれを廃止することといたしております。
 文教及び科学振興費は、三十七年度当初予算に対し六百三十四億円を増額し、三千七百十七億円を計上いたしておりますが、最近における急速な技術革新と産業の発展合理化に対処し得る人的能力を確保するため、科学技術教育・の積極的推進と教育環境の整備に特に重点を置いております。
 すなわち、三十八年度におきましては、引き続き、国立大学における理工系学部学科の増設及び国立高等専門学校の創設により、理工系学生二千七百七十人の増募を行なうとともに、私立大学における理工系学生の増募に相応じ、私立学校助成費を増額いたしております。また、工業高等学校校舎に対する補助を増額するとともに、小。中学校及び高等学校における理科教育の設備費を充実することといたしております。
 科学技術振興費につきましても、以上の科学技術教育の充実に相応じて、国産新技術の開発、原子力の平和利用、防災科学等の重要研究を積極的に推進するため三百六十八億円を計上いたしております。
 教育水準の質量両面における向上と教育環境の改善整備も今日きわめて重要であります。これがため、義務教育費国庫負担金につきましては、いわゆる標準法の完全実施を行ない学級編制の改善をはかるほか、公立学校共済年金制度の平年度化に伴う経費等を計上するとともに、文教施設については、国立、公立を通じ、予算を大幅に増額して、格段の充実整備をはかることといたしております。
 また、教育の機会均等を一そう浸透させるため、特別奨学生の新規採用者数の増加、一般奨学生に対する貸付単価の引き上げ等により育英事業費を増額するほか、要保護及び準要保護児童生徒に対する就学援助の拡充強化に努め、もって、教育の場における社会保障の充実に資することといたしております。
 さらに、義務教育教科書につきましても、その無償措置を拡大するとともに、新たに小・中学校の全学童を対象とするミルク給食について財政負担の措置を講ずることとし、スポーツ振興等と相待って学校保健対策についても遺憾なきを期した次第であります。
 恩給関係費につきましては、千三百四十七億円を計上いたしておりますが、増加の主因は、三十七年度に実施した恩給金額の改定の平年度化であります。
 次に、地方交付税交付金等といたしまして、三十七年度当初予算に比べ九百二十億円増の五千四百三億円を計上いたしております。これは、歳入に計上いたしました所得税、法人税及び酒税の二八・九%に相当する額に、三十六年度の地方交付税の精算追加額を加算いたしました地方交付税交付金五千三百九十八億円と、三十六年度限りで廃止された臨時地方特別交付金の同年度精算追加額五億円との合計であります。
 地方財政は、ここ数年来、地方税及び地方交付税の増収並びに国及び地方を通ずる財政健全化の努力によりまして、その内容は著しく改善されてきております。三十八年度におきましては、地方税負担の軽減合理化をはかりますとともに、電気ガス税の減税に伴う地方の減収額を補てんするため、市町村たばこ消費税の税率を一・四%引き上げることとしているのでありまして、地方税及び地方交付税の増収並びに生活環境施設の整備と産業基盤の拡充を中心とする地方債の増額と相まちまして、地方における行政内容と住民福祉は引き続き向上することが期待される次第であります。
 防衛関係費は、総額二千四百十二億円、三十七年度当初予算に比べ三百二十七億円の増加となっております。三十八年度におきましては、引き続き、他の重要施策との均衡を勘案しつつ、第二次防衛力整備計画に沿って防衛力の漸増をはかるほか、騒音防止対策を中心に基地対策関係費を大幅に増額いたしております。
 将来にわたる国力発展の基盤を充実するため、三十八年度におきましても、社会資本の充実と産業基盤の強化を一そう推進することとし、治山治水、道路、港湾等の各事業につき、既定の長期計画の促進と事業内容の充実をはかることといたしております。この結果、過年災害の復旧進捗により大幅な減少を見た災害復旧等事業費を除く一般公共事業関係費の総額は、四千五百六十四億円、三十七年度当初予算に比べ七百七十八億円の増加となっております。
 まず、道路整備につきましては、三十六年度に策定された道路整備五カ年計画に基づき、事業の重点的促進をはかるため、一般財源の投入額を大幅に増額するとともに、財政投融資計画におきましても対前年度七割に近い投入資金量の増額を予定いたしております。
 また、港湾整備につきましても、輸出振興と地方開発に重点を置いて事業を促進するとともに、国有鉄道及び電信電話施設の計画的整備を推進するため、政府関係機関予算及び財政投融資計画を通じて所要の資金措置を構ずることといたしております。
 さらに、産業の発展に伴い、ますます増大いたします産業用地及び用水に対する需要に対処するため、一般会計及び財政投融資計画を通じて土地造成と水資源の開発利用を促進することといたしております。
 農業基盤整備につきましては、農業の生産性の向上をはかる見地から、総額六百五十六億円を計上いたしております。
 治山治水対策につきましては、東京、大阪の高潮対策事業等に重点を置き、既定の五カ年計画を促進するため必要な予算を計上し、災害復旧の進捗と相まって国土保全に万全を期することといたしております。
 次に、住宅対策費としては、二百四十六億円を計上いたしております。三十八年度におきましては、引き続き、住宅の質的改善に努めることといたしましたほか、低所得者の住宅難を緩和するための第二種公営住宅を中心に戸数を増加し、公営及び改良住宅の建設総戸数を六万五百戸と予定いたしております。また、財政投融資計画におきましても、住宅金融公庫及び日本住宅公団をあわせて、財政資金九百六十七億円、民間資金三百億円、合計千二百六十七億円の巨額の資金を投入することといたしております。
 環境衛生施設の整備につきましては、一般会計及び財政投融資を通じて投入資金量を大幅に増額し、新たに五カ年計画を策定してその計画的促進をはかることといたしております。
 貿易及び経済協力につきましては、本来金融・税制等を主体として総合的に措置されるべきものであります。まず、財政投融資計画におきまして、日本輸出入銀行に対し八百十億円の財政資金を投入してその貸付規模を拡大することといたしましたほか、税制面におきましても、輸出所得の特別控除及び輸出特別償却の両制度を存続せしめ、もって輸出の振興に資することといたしております。
 また、一般会計におきましても、海外市場調査、国際見本市、貿易あっせん等の事業を推進強化して輸出市場の拡大に努めるほか、対外経済協力の面におきましても、後進国経済開発技術援助拡大計画及び国連特別基金への拠出金を増額し、また、海外技術協力事業団への追加出資を行なう等により、総額八十六億円を計上いたしております。
 中小企業につきましては、その基本的対策を確立するとともに、その近代化、合理化及び組織化を促進し、経営基盤の強化に資することとし、総額百十八億円を計上いたしております。
 まず、新設の中小企業投資育成株式会社に対し財政資金を投入して、特定の業種につき自己資本充実の一助とすることとし、また、新たに中小企業高度化資金融通特別会計を設け、中小企業の団地化、協業化のための資金を貸し付ける方途を講じ、設備近代化補助の増額と相まって中小企業の高度化・近代化を促進するとともに、引き続き、小規模事業、指導事業等の改善充実をはかることといたしております。
 次に、中小企業金融対策といたしましては、中小企業信用保険公庫において中小企業の設備近代化のための新種保険を創設し、また、融資基金に充てるための出資を三十億円増額して信用補完制度を充実いたしますほか、財政投融資計画におきましても、国民金融公庫、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫の貸付規模を一そう拡大し中小企業金融の円滑化に資するため、所要の資金措置を講ずることといたしております。
 石炭対策につきましては、原油及び重油の関税率を引き上げるごととし、これによる関税収入の増加額を勘案しつつ、高能率炭鉱の造成、非能率炭鉱の整理を中心とする石炭鉱業の近代化・合理化、産炭地域の振興及び炭鉱離職者対策等を一そう強力に推進いたしますほか、新たに、鉱害賠償基金、電力用炭代金精算株式会社を設けることとして、総額百八十億円を計上いたしております。また、財政投融資計画におきましても、日本開発銀行、石炭鉱業合理化事業団等の事業遂行に必要な資金措置を講じております。
 次に、海運業につきましては、合併等集約化を行ない自立体制を整える企業に対し、既往の借入金の利払いの猶予措置をとることとして業界の再編合理化を推進いたしますとともに、新造船に対する利子補給率の引き上げ等を行ない、国際競争力の強化に資することといたしております。
 また、自由化の進展に対処いたしますため、非鉄金属鉱業につき、新たに金属鉱物探鉱融資事業団を設け、また、日本開発銀行の融資を増額する等の措置を講じますほか、重電機器及び工作機械等の機械延べ払いにつきましても所要の措置を講ずる等、格段の配慮を加えている次第であります。
 農林漁業につきましては、農業の生産性の向上、農業従事者の所得の増大を目的とする農業基本法に基づき、生産の選択的拡大、生産性の向上等の諸施策を引き続き推進することといたしております。
 すなわち、三十七年度から本格的な実施段階に入った農業構造改善事業につき、新たに三百市町村において事業に着手し、農業経営の近代化と立地に即した主産地の形成を促進するほか、畜産物、果樹等成長部門の生産振興を積極的に展開するとともに、農畜産物及び水産物の価格安定と流通の合理化、経営の機械化、協業化等の諸施策を着実に推進することといたしております。
 また、農林漁業金融につきましても、農業近代化資金の新規融資ワクをさらに拡大するとともに、新たに、農林漁業経営構造改善資金融通制度を設ける等により、農林漁業金融公庫の資金の充実をはかることといたしております。
 食糧管理特別会計への繰り入れにつきましては、同特別会計の食糧管理勘定において六百四十三億円の損失が生ずるものと見込まれますので、同会計の経理運営の改善をはかるため、調整資金の残額等を勘案し、調整勘定へ四百九十億円を繰り入れるとともに、農産物等安定勘定においても四十五億円の損失が見込まれますので、これを補てんすることとし、合計五百三十五億円を計上いたしております。
 産業投資特別会計への繰り入れにつきましては、日本輸出入銀行、農林漁業金融公庫等への出資など、同会計の行なう産業投資支出の財源に充てるため、四百九十七億円を計上いたしております。
 以上のほか、個々の事項についての説明は省略いたしますが、沖縄に対し援助を行なうための経費、健全な青少年活動を助成し、青少年の不良化を防止するため必要な経費等を増額いたしますほか、オリンピック東京大会の開催準備についてもその推進をはかることといたしております。
 以上、主として一般会計予算について申し述べましたが、特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、一般会計に準じ、経費の重点的・効率的な配分使用をはかり、事業の円滑な遂行を期することとして、所要の予算を計上いたしております。
 なお、三十八年度に新たに設けることを予定いたしております特別会計は、すでに述べました中小企業高度化資金融通特別会計でありますが、既存の特定物資納付金処理特別会計が三十七年度限りで廃止されますので、特別会計の数は三十七年度と同じ四十一と相なるわけであります。
 財政投融資につきましては、それぞれの項目で御説明いたしたところでありますが、その原資としては、従来から計上しております出資原資として産業投資特別会計六百三十四億円、融資原資として資金運用部資金六千四百十三億円、簡保資金千六百億円及び民間資金千八百八十二億円のほか、新たに、産業投資特別会計が予定している外貨債発行収入、政府保証外貨債発行収入及び国際復興開発銀行からの借款収入の見込み額五百六十八億円を計上し、原資の総額を一兆一千九十七億円と予定いたしております。
 運用につきましては、住宅、上下水道等の生活環境施設の整備及び道路、国鉄等の公共投資の拡充に特に重点を置くほか、輸出の振興と国内産業の整備合理化に努めるとともに、引き続き、中小企業金融の円滑化、農林漁業の振興及び地域開発の推進等に配意いたしております。
 終わりに、今回提出いたしました昭和三十七年度補正予算第1号、特第2号及び機第2号について申し述べます。
 この補正予算は、予算作成後の事由に基づき、特に緊要となった経費に限定したものであります。
 まず、一般会計補正予算の規模は、歳入歳出とも、八百二十一億円でありまして、歳出として、産業投資特別会計の資金への繰り入れ、義務教育費国庫負担金等義務的経費の不足補てん、国際連合公債買い入れ費等を追加いたしますとともに、歳入において、所得税等、租税及び印紙収入を同額追加いたしております。
 これらのうち、産業投資特別会計の資金への繰り入れは、経済基盤の強化、企業の体質改善を強力に推進する等のため、出資需要はますます増大しておりますので、今後の産業投資を経済情勢に応じて円滑かつ弾力的に行ない得るよう、同会計の資金を充実するものであります。なお、この資金のうち、三十八年度においては九十三億円が産業投資支出の財源に充てられることとなっております。
 また、特別会計予算につきましては、地方交付税交付金の追加に伴い交付税及び譲与税配付金特別会計において、また、主として保険給付費の増加に伴い労働者災害補償保険特別会計及び失業保険特別会計において、それぞれ所要の補正を行なうことといたしております。
 なお、政府関係機関予算につきましては、日本国有鉄道において、工事の進捗状況等にかんがみ、東海道幹線増設費を増額することといたしております。
 以上、ごく概略を御説明いたしましたが、なお詳細にわたりましては政府委員をして補足して説明させることといたします。何とぞすみやかに御審議の上御賛同願いたいと存じます。
#8
○塚原委員長 次に、政府委員の補足説明を許します。主計局長石野信一君。
#9
○石野政府委員 それでは、ただいまから補足説明をさせていただきますが、配付されております書類の中に、下に「大蔵省主計局」とございまして、「昭和三十八年度予算の説明」といたしまして、「昭和三十七年度補正予算(第2号、特第2号及び機第2号)の説明」という書類がございます。この書類につきまして御説明をさせていただきます。
 まず、第一ページに、昭和三十八年度予算の説明、第一総説とございます。予算編成の前提及び基本方針とございますが、これは財政演説及びただいまの大蔵大臣の提案理由説明でお話があったところでありまするので省略いたしまして、2は、三十八年度一般会計予算及び財政投融資計画の規模でございます。その規模につきまして、一ページの右の上の方に歳入面からの一般会計規模の分析が表のようになっておりますので、これを説明いたしますが、現行の税法をそのまま三十八年度に適用するといたしました場合の租税及び印紙収入の見込み額が二兆三千五百五十二億、カッコ内は三十七年度当初予算に対する増加でございまして、三千百三十一億、それから租税外収入の見込み額が二千八百二十億、これは、専売納付金とか、それから官業益金及び官業収入、政府資産の整理収入、雑収入等でございます。対前年二百二十五億円の増加でございます。
 それから前年度剰余金、これが二千六百二十七億で千三百七十五億の増、合計いたしまして二兆八千九百九十九億で、四千七百三十一億の増、そこから一般的な減税二百九十六億、それから租税特別措置による減税二百四十六億を差し引きまして二兆八千四百五十七億、これに関税定率法の改正四十四億を加えまして二兆八千五百億、四千二百三十二億の増加と相なるわけでございます。
 この規模を国民所得と対比しました表がその次に出ておりますが、三十四年度から三十六年度までは、最終の補正を含みました予算額に対する実績の国民所得の額とその比率でございます。三十七年度は(a)と(b)に分かれておりますが、(a)は当初予算と当初の国民所得の見込み、(b)は第一次補正を含みます予算額と最近の国民所得の実績見込みとの比率でございます。三十四年度一五・〇六%、三十五年度一四・八三%、三十六年度が一四・九三%、三十七年度は、(a)が一六・九六、(b)が一六・一九。さらに、今回提出されております第二次補正を含めますと、後に説明いたしますように一六・七三%に相なります。三十八年度は一七・一二%でございます。
 財政投融資の方はあとで理財局長から説明がございますので省略いたしまして、二ページに参ります。
 二ページに、「重要施策の重点的実施」ということで、(1)が税制の改正、(2)が社会保障の充実、右の方に参りまして、(3)が社会資本の充実と産業基盤の強化、三ページで、(4)の文教と科学の振興、(5)が貿易振興と対外経済協力の推進、(6)が農林漁業の振興、それから、四ページに参りまして、(7)が中小企業の育成強化、(8)が産業対策の強化、(9)が地方財政の健全合理化でございますが、これらの点につきましては、すでに大蔵大臣から御説明がありましたので、さらに詳しくあとで御説明申し上げますのと重複もいたします関係で、省略をいたします。
 五ページの表でございますが、三十八年度一般会計歳入歳出予算、まず歳入でございますが、租税及び印紙収入二兆三千五十三億、それから専売納付金千五百七十九億、官業益金及び官業収入二百五十九億それから政府資産整理収入二百二十四億、雑収入七百五十六億、前年度剰余金受け入れ二千六百二十六億、合計二兆八千五百億。次が三十七年度予算額で、当初と補正1号を含んだ数字がございます。それから、その右側は当初及び補正1号を含んだ数字との比較でございます。全体の二兆八千五百億は、三十七年度の当初予算に対しまして一七・四%の増加に相なっております。
 次は歳出でございまして、社会保障関係費、これはカッコ内の数字で申しますが、三千六百七十八億、対当初六百七十六億の増加で、全体が先ほど申しましたように一七・四%の増に対しまして、二二・五%の増加に相なっております。それから、文教及び科学振興費合計三千七百十七億、六百二十三億の増加で、これは二〇・五%の増加になっております。以下各項目につきましては後ほど触れますので省略いたします。
 次の六ページに参りまして、左に上から2、3、4、5、6、7とありまして、小計とございます。これが8の災害復旧等を除きました公共事業費の合計でございますが、四千五百六十三億、七百七十八億の増加でございまして、これは二〇・六%の伸びでございます。
 七ページは特別会計の歳入歳出予算、それから九ページに政府関係機関の収入支出予算がございます。内容、数字につきましては省略いたします。
 そこで、十ページに参りまして、まず一般会計の歳出でございます。
 社会保障関係費、三十八年度三千六百十五億、三十七年度の数字がございまして、比較増六百四十四億七千五百万とありますが、カッコ内の数字は石炭対策費の中に含まれております炭鉱離職者の援護対策関係費を含めた金額でございます。それから、ここに出ております三十七年度の数字は補正第1号を含んだ数字でございます。当初予算との比較ではございませんで、成立予算との比較でございます。
 まず生活保護費でございますが、七百二十二億六千八百万。百十億三千六百万の増加でございます。少し飛ばしまして、内容につきましては(1)(2)(3)と左の方にございますが、生活扶助人員につきましては、一般的傾向としては、三十七年度見込みの横ばいと見込んで百四十五万五千人といたしましたが、ほかに生活保護基準の引き上げに伴いまして予想されまする対象人員の増加を見込んでおります。
 それから(2)は、生活保護基準につきましては、生活扶助において、飲食物費その他の内容改善によりましてその基準を一七%引き上げました。これによって東京都の標準四人世帯で月一万二千二百十三円が一万四千二百八十九円と相なるわけでございます。また新たに未成年者勤労控除を設ける等、勤労控除制度の拡充、一時扶助の増額、教育扶助の基準引き上げを行なうことといたしまして、これらの内容改善に必要な経費として七十億五千三百万円を増額計上いたしております。
 それから医療扶助につきましては、基準改定に伴い予想される受給人員の増加に見合う分の七億七千八百万円、国民健康保険の被保険者が生活保護の対象となった場合の医療扶助への切りかえ時期の繰り上げによる増十億四千四百万円等を見込んでおりますほか、最近の診療実績等を勘案いたしまして、三十七年度に引き続いて受給件数及び単価の増を織り込んで所要の経費を計上いたしました。
 (4)は、保護施設につきまして、施設議員の給与改善による事務費の増一億二千三百万円を増額計上しております。
 全体の生活保護費の経費の内訳をそこに掲げてございます。一々表の説明を省略いたします。
 次に、社会福祉費三百二億四千二百万円、六十五億七千五百万円の増加でございます。
 十一ページの左側の(1)というところにございますが。児童保護費につきましては、収容施設及び保育所の飲食物費の改善を初め、日常諸費、教育費、医療費等の増額、措置児童の就職支度金の新設並びに施設職員、特に保母の給与改善及び施設増設に伴う保護人員の増加等により、保護措置費において二十二億八千万円を増額するほか、児童福祉施設の整備拡充、僻地保育所の増設その他特別保育対策の推進、妊娠中毒症対策の充実、児童の健全育成のための児童館の新設等により四億六千五百万円を増額いたしております。
 身体障害者保護費及び精神薄弱者援護費については、それぞれ身体障害者及び精神薄弱者の保護と更生援助の対策を強化するために施設の増設と内容の充実をはかりますほか、新たに重度身体障害者収容施設の設置費補助を計上し、合わせて三億二千八百万円を増額いたしております。
 老人福祉費につきましては、三十七年度に引き続きまして、経費老人ホームの増設、老人世帯家庭奉仕員の増員をはかりますとともに、新たに全国老人一斉健康診断費の補助、老人クラブの助成費、看護老人ホームの設置及び運営に要する経費の補助等を計上いたしまして、合わせて十二億六千九百万円を増額いたしております。
 世帯更生資金及び母子福祉貸付金につきましては、低所得者対策の拡充をはかる見地から、貸付限度の引き上げ等貸付条件を緩和することとして、合わせて三億円を増額いたしております。
 老朽民間社会福祉施設整備費につきましては、特に保安度が一定水準を下回っている民間社会福祉施設を五カ年計画で改築することを助成することといたしまして、その初年度分として二億三千五百万円を計上いたしております。
 児童扶養手当につきましては、最近の状況を勘案いたしまして件数の増加を見込みますとともに、対象月数の平年度化に伴う所要額を計上いたしますほか、福祉年金にならって九月から支給月額を第一子千円、第二子七百円に増額いたします。また所得による支給制限の緩和及び重度の身体障害児の制限年令の引き上げをはかっております。
 こまかい内訳がそこに掲げてありますが、省略をいたします。
 十二ページに参りまして、3の社会保険費七百九十四億八千万円、百二十九億一千四百万円の増でございます。
 まず厚生保険特別会計への繰り入れのうちで、政府管掌健康保険につきましては、三十七年度と同額の五億円を計上いたしております。
 それから日雇労働者健康保険につきましては、二千二百万円増額して、三十七億一千五百万円を計上いたしております。
 それから組合管掌健康保険につきましては、事務費補助金について被保険者数の増加を見込んで六千七百万円を増加して八億八千九百万円を計上いたしております。なお、収支状況の特に悪い組合に対する給付費の臨時補助金として二億円、これを合わせまして十億八千九百万円を計上いたしております。
 それから国民健康保険につきましては、三十八年度中の平均被保険者数を四千三百五十六万九千人と見込みまして、受診率の上昇のほか、新たに世帯主の一般疾病について給付率を五割から七割に引き上げ、かつ診療報酬の地域差の撤廃を織り込み、それから低所得者に対する保険料軽減を行なうことといたしまして、療養給付費補助金四百四十七億五千七百万円を、それから市町村に対する財政調整交付金、療養給付費の八・八%に相当する額でございますが、百四十七億七百万円を計上いたしまして、三十七年度に比べて百十四億九千七百万円を増額いたしております。それから事務費補助につきましても、被保険者一人当たり単価を三十七年度の当初予算の百二十円から百三十円に引き上げております。
 それから国民健康保険団体連合会に対する補助については四千万円を増額いたし、保健婦補助金については給与の改善を織り込んで一億九千五百万円を増額いたしております。
 経費の内訳は省略いたしまして、次は国民年金費、五百九十二億七千万円、八十一億二千八百万円の増加となっております。
 第一は、拠出制国民年金保険料国庫負担金については、三十八年度における拠出制国民年金の平均被保険者数を二千万人と見込みまして、その納付される保険料の二分の一相当額、それから三十七年度において免除される保険料の総額の二分の一相当額とを計上いたしております。
 福祉年金給付費は、老令者、身体障害者、母子世帯及び準母子世帯に支給する福祉年金額でございますが、新たに福祉年金額を、老令福祉年金につきましては、現行一万二千円を一万三千二百円に、障害福祉年金については、現行一万八千円を二万一千六百円に、母子及び準母子福祉年金については、現行一万二千円を一万五千六百円に、それぞれ引き上げることといたしております。それから受給権者本人の所得による支給停止基準額、いわゆる所得制限を従来の十五万円から十八万円に引き上げることにいたしております。それから扶養義務者の所得による支給停止基準額、世帯の所得制限を従来の五十万円から六十万円に引き上げることといたしております。また、母子福祉年金及び準母子福祉年金の支給要件または加算対象となる子、孫または弟妹の年令を、重度の障害の状態にある子、孫または弟妹については、二十歳に引き上げることといたしておりまして、経費の内訳は、そこに掲げた通りでございます。
 次は失業対策費、五千三百一億五千三百万円、これは百十四億七千六百万円の増加でございます。カッコ内の数字は、炭鉱離職者援護対策関係費を含めた数字でございます。
 経費内訳は、そこに掲げてございまして、おもなる事項が十四ページに書いてございますが、(1)といたしまして、一般失業対策事業については、吸収人員を二十万三千人、就労日数を二十二日とし、また民間同種賃金が上昇している実情にかんがみて、賃金日額を三十三円引き上げて四百五十八円といたしますとともに、夏季・年末特別対策分を三日分増加して二十三・五日分といたしております。
 特別失業対策事業につきましては、最近の吸収実績にかんがみまして、その吸収率を一〇%引き下げて一万人の吸収を予定いたしております。臨時就労対策事業については、三十八年度からこれを廃止いたしますことは、先ほど大臣の説明にもございました通りでございます。
 失業者の就職促進対策といたしましては、一般失業対策事業に就労している失対適格者を一般常用雇用に復帰させるために、三十七年度に引き続きまして、就職支度金制度及び雇用奨励金制度を推進するとともに、職業訓練等を拡充することといたしております。また、失業者のうち、再就職の困難な中高年令の者につきましては、特別な就職指導及び職業訓練等を実施することといたしております。
 次は失業保険でございますが、最近における実績等にかんがみ、受給実人員を五十万三千人、給付月額を一万十一円と見込んでおります。また、給付内容の改善といたしましては、一般失業保険金の最高日額及び最低日額をそれぞれ引き上げることといたしております。それから扶養加算制度及び失業保険金を受給中の受給資格者が、傷病のために一時的に労働の能力を失った場合に、これを失業とみなして失業保険金を支給する制度等を設けることとしております。
 それから保健衛生対策費六百七十二億七千五百万円、百四十三億四千四百万円の増加でございまして、その内容のおもなるものは、(1)は、結核医療費については、命令入所患者の対象件数を大幅に増加いたしております。また、実績に徴して医療費単価を引き上げますとともに、結核医療基準の改正による新薬の採用等に伴う経費を計上いたしております。
 精神衛生費につきましても、精神病床の整備に対応して、措置入院患者を増加し、実績に徴して医療費単価を引き上げ、麻薬中毒者の収容施設を増設いたしまして、収容する中毒者の入所措置費を新たに計上いたしております。
 原爆障害対策費につきましては、原爆障害者医療手当交付金の支給要件を緩和いたしますとともに、原爆関連疾病医療費を、その実績に徴して増額いたしました。
 伝染病予防費については、法定伝染病等の予防対策を推進いたしますとともに、日本住血吸虫等寄生虫の駆除に必要な経費を計上いたしております。
 次に、文教及び科学振興費に移ります。三千七百十七億七百万円、五百四十三億一千三百万円の増。
 まず第一は義務教育費国庫負担金で、千八百四億八百万円、百八十六億七百万円の増加でございます。経費の内容は給与費、共済組合長期給付負担金等、掲げた通りでございます。
 まず給与費でございますが、三十八年度の児童生徒数については、三十七年五月一日の実数に対して九十二万六千人の減少を見込んでおります。これによる学級数の減少に伴い、教職員数は、三十七年五月一日の実数に対して二万一千六百五十一人の減少となるのでございますが、三十八年度では、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律を完全実施することといたしまして、一学級当たり最高児童生徒数、小学校五十四人を五十人に、中学校五十二人を五十人に改めます。これによる教職員の増加一万四千二百五十八人を織り込んでおりますとともに、小規模学校の定員増千百六十六人、特殊学級増設に伴う教職員の増九百五十七人及び充て指導主事の増百五十五人を見込むことといたしております。このほか給与費につきましては、最近の実績及び昇給等に伴う増加額、給与改善の平年度化、旅費単価及び宿日直手当の増額、退職手当支給額の増加及び暫定手当の増額等に必要な経費を計上しているものでございます。
 共済組合長期給付負担金は、三十七年の十二月一日から実施されました公立学校共済年金制度の義務教育教職員にかかる長期給付の国庫の負担の所要額でございます。
 それから次は国立学校運営費九百二十一億七千九百万円で、百三十一億九千三百万円の増加。三十八年度は科学技術教育の振興をはかるために教官研究費、学生経費、それから教育研究設備の整備充実費等を大幅に増額いたしまして、大学院研究科担当教官の処遇改善をはかりますとともに、科学技術者養成のために工学部の創設、理工系学科新設、理工系学科拡充改組等及び国立工業高等専門学校創設、十二校を創設いたします。このほかにさらに五校を三十九年度に開校するための所要の文教施設費を計上いたしております。これらによりまして理工系学生二千七百七十人の増募を行ないますほか、横浜国立大学等六大学に大学院研究科を新設することといたしております。そのほか数理解析研究所、原子炉実験所及び内分泌研究所の創設を予定いたしております。
 なお、三十八年度には、国立学校の授業料等につきまして、たとえば大学は、新しく入る一年生から、現在月七百五十円でございますのを月千円にする等の引き上げを行なうこととしております。
 それから科学技術振興費でございますが、三百六十七億九千八百万円、四十七億二千万円の増加でございます。
 十六ページの右の方に原子力関係費とございますが、八年前に原子力の研究開発に着手いたしまして以来、四百五十五億円の予算が投入されました。研究内容も、基礎的なものから放射線化学の利用、アイソトープの生産、国産動力炉の建設等、ようやく実用化、応用化の段階に入っております。
 日本原子力研究所につきましては、高崎研究所の整備及び東海研究所における船舶用遮蔽実験原子炉の工事を促進するとともに、既設の原子炉の本格的運転等に必要な経費及び国産動力炉材料試験炉の建設のための調査費及び建設予定地の購入に必要な経費を計上しております。
 原子燃料公社につきましては、引き続き探鉱、採鉱等に関する研究を実施いたしますほか、新たに人形峠鉱山に粗製練設備を建設して、工業化試験を実施することとしております。
 また原子力第一船を試作建造する目的で特殊法人日本原子力船開発協会を設立することといたしまして、設立に要する経費と設計に要する経費を計上しております。
 放射線医学総会研究所におきましては、従来からの研究設備を充実するほか、放射性物質の医学利用と人体防護の訓練を実施するために養成訓練棟を設置することといたしております。
 国立試験研究機関における原子力平和利用の研究についても、これを拡充するための経費を計上しております。
 放射能調査研究費につきましても、その調査能力の充実、情報収集の整備をはかるための経費を計上しております。
 原子燃料費は、これは日本原子力研究所を初めとして、大学その他での必要な核燃料物質の購入に充てる経費でございます。
 各省試験研究機関経費は、あまりこまかくなりますので、簡単に申し上げますが、新たに国立防災科学技術センターを設立いたしますとか、植物ウイルス研究所を新設する等でございます。それから既設の研究機関についても、それぞれ所要の経費を計上いたしております。
 その他の方に参りまして、特別研究促進調整費、これは三十八年度で七千万円増額しまして二億五千万円計上しております。日本科学技術情報センター出資及び補助二億八千三百万円、理化学研究所出資が九億九千四百万円、新技術開発事業団出資が五億円計上されております。
 それから十八ページに参りまして、文教施設費でございますが、三百十七億二百万円で、六十八億四千七百万円の増。
 国立文教施設費につきましては、学校施設の現状にかんがみまして、大幅な整備充実をはかることといたしております。特に科学技術教育振興の見地から、理工系学部の建物に重点を置き、また文科系学部の建物につきましても整備の促進をはかるために所要の経費を増額しております。
 公立文教施設費につきましては、小・中学校の危険改築、学校統合建築の促進をはかり、特別教室整備、社会増対策を引き続き推進するとともに、工業高等学校一般校舎の新増築費補助金を大幅に増額しております。坪当たり単価については、建築物価の上昇等の実情を考慮して引き上げました。また、鉄筋比率についても、工業高等学校一般校舎の新設校を初め、学校統合、中学校屋内運動場、高等学校危険改築等について引き上げることといたしております。経費の内訳はそこに掲げた通りでございます。
 教育振興助成費二百二十五億八千二百万円、九十二億三千六百万円の増加でございます。
 義務教育教科書の費用といたしましては、三十九年度の国、公、私立全体の小学校第一学年から第三学年までの児童が使用する教科書を無償給与するための必要な経費でございます。
 要保護、準要保護児童生徒就学援助。修学旅行費、学用品費、通学費及び寄宿舎費の単価を引き上げまするほか、準要保護の援護率を従来の五%を七%に引き上げて、援助内容の強化に努めております。
 理科教育振興費。理科教育の振興をはかる見地から、小・中学校及び高等学校等における理科教育設備費補助金を計上いたしております。
 特殊教育振興費等。特殊教育につきましては、幼稚園の寄宿舎居住費及びつき添い人の旅費を新たに補助対象といたしますほか、修学旅行費、寄宿舎食費等の単価の引き上げを行なっております。
 定時制、通信教育につきましては、新たに高等学校通信教育において、一定単位以上の修得者に対し、教科書及び学習書を無償給与するための補助金を計上しております。
 それから普通課程における家庭科設備の充実については、三十八年度から高等学校における教育課程の改定が行なわれることにかんがみまして、所要額を計上しております。
 僻地学校教育の振興についても特に配意いたしております。
 公立養護学校の充実をはかるために、公立養護学校整備特別措置法に基づく国庫負担額の計上もございます。
 産業教育振興費で、工業高校生三万八千五百人の増員に伴う産業教育の施設、設備費の補助金を増額計上いたしますほか、引き続き、農業高等学校の教育内容の近代化をはかるために、その施設、設備費の補助金を増額計上いたしております。
 それから学校保健費で、学校安全事業の助成をはかるために、日本学校安全会の運営費に対する補助金を大幅に増額計上いたしております。
 学校給食費は、準要保護児童生徒給食費補助については、対象学童を拡大いたしましたほか、単価の増額をいたしております。
 夜間定時制高校夜食費補助につきましても増加を見込んでおります。
 それから食管会計への繰り入れは、従来と同様の考え方で所要額を計上しております。
 今度新たに義務教育諸学校の全学童に対しまして、ミルクの給食助成の方途を講ずることといたしまして、学校給食用の脱脂粉乳百グラムにつき四円の国庫補助金を計上いたしますとともに、ミルク給食の未実施校に対する設備費の補助に要する経費等を計上いたしております。
 それから私立学校助成費は、研究設備、理科系学科の教育実習設備の補助並びに理工系学生の増募に必要な設備の補助を増額しております。それから私立学校振興会に追加出資金として十二億円を計上いたしました。財政投融資でも資金運用部資金を二十億円融資する措置を講じております。経費の内訳はそこに掲げた通りでございます。
 育英事業費につきましては、八十億三千六百万円、十七億八百万円の増加。特別奨学生については、三十八年度は、学年進行のほかに新規採用者を高校生二千人、大学生三千人増加することといたしますほか、大学の新入生については貸付単価を引き上げることといたしております。それから一般奨学生については、最近の状況等を考慮しまして、高校生、大学の新入生について貸付単価を引き上げることといたしました。また、大学教官及び研究者の確保をはかりますために、大学院博士課程の採用人員を増加し、大学院修士課程の貸付単価を引き上げることとして、所要経費を計上しております。また、育英貸付金の返還を促進するために所要の経費も計上いたしております。
 国債費は千百六十一億五千万円、四百七十六億九千三百万円の増。国債償還費、千六十七億三百万円、これは財政法六条に基づく三十六年度決算剰余金の二分の一相当額でございます。国債利子九十一億七千五百万、国債事務取扱費二億七千百万。
 恩給関係費は千三百四十七億二千五百万円、四十六億三千三百万円の増。
 文官等恩給費は百七十七億五千六百万円で、七億八千五百万円の増加でございます。若干の改定が織り込まれております。
 それから2は、旧軍人遺族等恩給費千七十二億一千三百万円、二十九億九千八百万円の増加、これも若干の改定が、そこに書いてありますように織り込まれておりますが、増加の主たる原因は、三十七年度に実施した恩給金額の改定の平年度化によるものでございます。
 3は、遺族及び留守家族等援護費九十七億五千六百万円、八億五千万円の増加。遺族等援護費につきましては、これまた若干の改定を織り込んでおりますが、これも三十七年度に実施いたしました年金額改定の平年度化に関連して若干の増加になっております。
 それから地方交付税交付金等。これは三十八年度のいわゆる三税の二八・九%と、三十六年度の地方交付税と臨時地方特別交付金の精算分の合計でございます。
 二十二ページに参りますが、地方財政につきましては、地方税負担の軽減合理化をはかりますとともに、電気ガス税の減税に伴う地方の減収額を補てんするために、市町村たばこ消費税二一%を一・四%引き上げまして、二二・四%にいたしております。
 人件費等経常的な経費の効率的使用、重点的配分を通じて行政水準の維持向上をはかっております。
 財政投融資の方でも説明があるかと思いますが、地方債につきましては、生活環境対策、高校生急増対策等を中心に増額を行なっております。
 次は、防衛関係費二千四百十二億四千二百万、二百七十四億六千九百万円の増加でございます。
 まず防衛庁費でございますが、二千二百九十二億五千七百万円でございます。内訳はこまかく出ておりますが、省略いたします。
 新たに国庫債務負担行為といたしまして四百四十五億七千八百万円、継続費として総額百十一億三千八百万円を計上いたしております。国庫債務負担行為の内訳は、装備品等の購入のため三百五十六億一千二百万円、航空機購入のため二十六億七千八百万円、弾薬購入のため三十三億四千二百万円、艦船建造のため十八億二千五百万円及び施設整備のために十一億二千万円でございます。陸海空別の表が出ております。
 経費のおもなものは、陸上自衛隊では、ホーク導入に伴う高射砲大隊の改編準備及び十三個師団態勢に応ずる後方支援態勢の整備等を行なうとともに、老朽装備品の更新、ヘリコプター購入による機動力の増強等によって、防衛力の一そうの充実をはかっております。また、自衛官の質的向上をはかりますために、科学的教育訓練を強化するほか、曹尉の停年延長、陸曹の営外ワクの拡大、離隊前の職業訓練の実施等によって、自衛官の待遇改善を行なうこととしております。
 海上自衛隊につきましては、新たに自衛艦六隻及び支援船六隻の建造を計画しておりますほかに、救難用のヘリコプター二機、練習機三機の購入を予定しております。定員は千二十六人の増員です。
 航空自衛隊は、F104戦闘機の飛行隊二個隊及び第八十一航空隊の新設等組織の改編をはかりますとともに、三十七年度に引き続き、F1O4戦闘機の国産及びその装備に必要な関連器材等の取得のための経費を計上しております。それから救難用のヘリコプター及び輸送機国産YS−11各二機の購入を予定しております。また、三十七年度に引き続き、民間パイロットの養成を行なうことといたしております。増員は四百九十六人、施設提供等諸費七十八億二千九百万円、相互防衛援助協定交付金三億二千万円、防衛施設庁費は三十八億一千四百万円でございます。
 賠償等特殊債務処理費は二百四十億一千九百六十七万四千円。
 次は、公共事業関係費でございます。カッコ内の数字は労働省所管の特別失業対策事業費を含めた金額でございます。こまかく治山治水、道路整備、港湾、漁港、空港、林道都市等、農業基盤、鉱害復旧、調整費、災害復旧等、三十八年度と三十七年度の数字が並べてございます。まん中のところは、内地と離島と北海道に区分した表でございます。最後の二十五ページの下の方は、所管別に区分したものが出ております。
 二十六ページの治山治水対策事業費九百七十四億二千百万円、百五十一億七千七百万円の増加。治山治水事業につきましては、東京及び大阪の高潮対策、ダム事業等を重点に大幅な増額を行なっております。治水事業費として一般会計に計上されるのは、一般会計から治水特別会計へ繰り入れる治水事業費財源六百三十四億七百万円、それから北海道開発庁の一般会計で支出される治水関係の工事事務費七億一千五百万円でございます。その内訳はそこに掲げられている通りでございます。治山事業でございますが、百十七億八千百万円でございます。これで一般会計に計上されますのは、国有林野事業特別会計治山勘定へ繰り入れる治山事業費財源九十九億一千百万円、それから森林開発公団に支出する二十億円であります。それから海岸事業につきましては、東京、大阪等の重要地帯、台風常襲地帯及び大規模な侵食のある海岸を中心に海岸保全施設の整備を促進することとしまして九十八億七千五百万円、大幅な増額をはかっております。チリ地震津波災害地域津波対策事業及び新潟地盤沈下対策事業についても、それぞれ既定の計画に基づいて、事業の促進をはかっております。伊勢湾高潮対策事業は百二十四億五千二百九十万円、これによって補助事業は三十八年度中に全事業を完了します。直轄事業につきましては、三十九年の台風期までに完成することを予定いたしております。
 次の二十七ページに参りまして、道路整備事業費二千二百五十億九千四百万円で、三百八十八億四千一百万円の増加。三十八年度の道路整備事業費は、三十六年度に決定しました五カ年計画に基づいて、特に事業の重点的促進をはかっております。一般財源の投入額を前年度に比べて大幅に増額いたしております。特定財源の増加と合わせまして三百八十八億四千百万円の増加でございますが、これは、道路整備事業は、原則として道路整備特別会計で実施されることになっておりますため、一般会計に計上されるのは、一般会計から特別会計へ繰り入れる二千二百四十四億七千百万円と、それから北海道関係の二十二億五千八百万円、その内訳が出ておりますが、揮発油税収入が千九百二億五千九百万円、それから前々年度揮発油税収入決算調整額が四億七千万円、それから一般財源として前年度百四十三億一千五百万円でございましたが、今度三百六十億入れまして、合計二千二百六十七億二千九百万円でございます。所管別内訳がそこに掲げてございます。
 港湾漁港空港整備事業費、これは三百八十七億四千九百万円で、七十三億二千五百万円の増、港湾整備事業は二百七十二億四千五百万円、三十六年度を初年度とする五カ年計画によってその整備を行なうことといたしておりますが、最近の状況にかんがみまして、特に重点的促進をはかることといたしております。漁港整備事業六十八億三千四百万円、これは三十年度以降、漁港整備計画で実施してきたのでございますが、三十八年度においては、その後の漁業の情勢の推移等に対応いたしまして、漁港整備計画を改定することといたしました。漁港改修事業を新設して、事業実施の重点化と効率化をはかることといたしております。空港整備事業につきましては、東京国際空港については、新滑走路建設等の整備を三十八年度中に完了するために、十四億八千七百万円、大阪国際空港については、現有施設の改良及び新滑走路建設のため、十五億四千四百万円計上いたしております。その他のローカル空港につきましても、継続空港の工事の促進をはかりますほか、新たに宇部空港等の整備に着手することにいたしております。合計で四十六億六千九百万円。
 林道都市等整備事業費、造林事業は五十八億六千八百万円でございます。林道事業四十二億七千万円、これは基幹林道の新設等制度面の拡充をはかりますとともに、予算面においても前年度に比べて六億六千一百万円の増額を行なっております。それから都市計画事業五十九億三千九百万円、工業用水道事業、これは特に地盤沈下の防止、用水確保の緊急性にかんがみまして、五十二億五千六百万円で、十五億円以上の増加でございます。大型魚礁設置事業三億六千二百万円、これを今回公共事業で計上いたしております。それから離島電気導入等事業二億円。
 それから農業基盤整備費が六百五十五億五千五百万円で、九十七億五千六百万円の増加、これは従来に引き続きまして、農業基本法の趣旨に即しまして、農業の生産性の向上、農業総生産の増大をはかり、また農業構造の改善をはかる観点に立って、これらの諸事業の拡充をはかることといたしております。
 まず、土地改良事業でございますが、三百九十六億七千八百万円、五十五億以上の増加でございます。三十八年度では、区画整理事業を基軸として、各種土地改良事業を総合的に実施するために、新たに圃場整備事業を設けて、大区画圃場形成及び農地の集団化の促進をはかるとともに、特に農道事業の拡充をはかっております。
 次の干拓事業は、干拓堤防、干拓地の道路、水路等の建設事業がおもな内容で、百七億五千二百万円、特定土地改良工事特別会計で実施する国の直轄及び代行干拓事業並びに補助事業等に区分されておりますが、三十八年度では特定土地改良工事特別会計による干拓事業については、最近における事業量の増高等にかんがみまして、制度の合理化と国費率の是正をはかっております。また、新たに中海、それから河北潟の新規着工を予定いたしております。
 農用地開発事業百五十一億二千五百万円、開拓事業といたしましては百三十九億九百万円、こまかい内容は時間の関係で省略をいたします。草地改良事業が十二億一千五百万円。
 それから次に鉱害復旧事業費に参りますが、十三億三千二百万円で、三億二千五百万円の増加、石炭鉱業の合理化の進展に即応して、所要の経費を増額計上いたしております。
 それから調整費としては二十二億円、これは前年十二億に対して十億の増加になっておりますが、国土総合開発事業調整費として十三億五千万円、このほかに新産業都市の関係で、新産業都市建設促進法に基づく新産業都市の区域における建設事業と、それから低開発地域工業開発促進法に基づく開発地区における開発事業の調整を行なうために、新産業都市分として八億円、低開発地域分として五千万円を計上して二十二億円でございます。災害復旧等事業費が五百六十九億九百万円、三百二億円の減少になっております。特に説明は省略いたします。住宅対策費二百四十六億三千百万円、四十億円以上の増加でございます。建設戸数は、災害復旧分を除きまして、公営住宅に五万六千戸、改良住宅四千五百戸、計六万五百戸でございます。財政投融資でも見ておりますことは、先ほど大臣の御説明にもありましたが、後ほど説明があると思いますので、省略いたします。
 三十二ページに参りまして、環境衛生対策費五十七億一千九百万円で、十八億八千七百万円の増加。都市における屎尿処理の現状にかんがみまして、前年度に比べて、下水道の終末処理施設は四割増、屎尿消化槽については二倍強と、大幅の増額を計上いたしております。また、水道の普及をはかるために、簡易水道及び飲料水供給施設についても所要の増額をはかって、生活環境の整備促進に資することといたしております。
 貿易振興及び経済協力費が八十五億五千四百万円、十一億九千九百万円の増加で、日本貿易振興会については、海外市場調査、貿易あっせん、広報宣伝等の基幹事業の強化に努めるほか、新たにニューヨーク博覧会参加の準備費を計上しております。また、軽機械の輸出振興事業の拡充をはかることといたしております。それから雑貨、機械類の輸出伸長を一そう促進するために、日本輸出雑貨センター、重機械技術相談事業及び工作機械輸出振興事業に対する補助金を増額計上しております。アジア経済研究所の経費、そのほか国連特別基金への拠出金の増額等々、そこに書いてございますように、きめこまかく経費を計上いたしております。日本観光協会につきましてもその強化をはかりますほか、外国から観光客が参りますものの利便に資するために、地方公共団体が設置する休憩施設等の建設費の一部を新たに補助することといたしました。経費のこまかい内訳は省略させていただきます。
 次に中小企業対策費。おもな内容は、中小企業の高度化を促進するために、中小企業高度化資金融通特別会計を新設いたしました。これによって工場等集団化、商業集団化及び商工業の協業化のための貸付に必要な財源繰り入れとして二十三億一百万円を計上いたしておりますほか、設備近代化補助につきましては六億円を増額いたしました。小規模事業対策費として十一億九千八百万円、中小企業における人的能力の向上をはかるために、地方公共団体の行なう経営管理者及び技術者の研修事業につき助成措置を講じております。それから日本中小企業指導センターに五千万円の出資、それから信用補完制度を充実するために、中小企業信用保険公庫の融資基金に充てるために三十億円を追加出資いたしました。また、中小企業退職金共済事業団の強化、共同職業訓練の拡充、労使関係の安定促進、従業員の福祉増進等をはかるための所要の措置を講じております。そのほか、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金の貸付規模の拡大、特定業種の中小企業の自己資本充実の一助といたしまして、新しく中小企業投資育成株式会社に財政資金の投入をはかりました。それから中小企業信用保険公庫に設備近代化のために新種保証保険を創設することといたしております。
 次は石炭対策費、百七十九億五千二百万円で、四十億七千五百万円の増加。合理化対策といたしましては、高能率炭鉱の造成、非能率炭鉱の整理を中心として、引き続きその推進をはかることといたしまして、石炭鉱業合理化事業団に対しては、その行なう大規模近代化工事、中小炭鉱機械化工事及び石炭専用船の建造等、流通合理化のための近代化資金の貸付に充てるため四十三億六千八百万円、運賃延納に伴う保証基金として二千万円、合計四十三億八千八百万円の出資を計上いたしております。非能率炭鉱の整理については、四百四十万トンの終閉山に必要な経費として、炭鉱整理促進費補助五十億五千五百万円を計上するとともに、保安不良炭鉱整理費二億一千百万円を計上いたしております。
 産炭地域の振興をはかりますために、産炭地域振興事業団に対し十三億円を追加出資して、このほかに財政投融資で十九億円を計上し、貸付及び土地造成等の事業規模の拡大に努めております。
 それから鉱害復旧については、公共事業関係費で計上いたしておりまするほか、新たに鉱害賠償の促進をはかるために、鉱害賠償基金を設けて三億円を出資しております。
 離職者援護対策といたしましては、求職期間中の生活の安定をはかるための就職促進手当及び公共職業安定所による職業紹介体制の強化充実に必要な経費並びに炭鉱離職者緊急就労対策事業に対する補助及び雇用促進事業団の行なう援護対策事業に対する補助に必要な経費等をそれぞれ増額計上いたしております。
 農業保険費百四十四億八千五百万円、五億八千四百万円の増加、これは農作物共済を中心とする制度改正を三十九年度から全面的に実施することとして、三十八年度においてはその準備費等を計上いたしております。以下は省略させていただきます。
 三十六ページに参りまして、農業近代化資金融通促進費百二十六億四千四百万円、五十九億五千四百万円の増加。三十八年度では、農林漁業金融公庫に新たに農林漁業経営構造改善資金融通制度というのを設けまする等、農林漁業金融制度の大幅な拡充を予定いたしておりますが、農業近代化資金につきましても、融資機関として従来の農協系統金融機関のほかに地方銀行等を加えることといたしました。三十八年度の新規融資ワクは前年度に対しまして二十億円増額して、五百二十億円を予定いたしております。
 次に、農業構造改善対策費七十九億七千九百万円、三十五億九千万円の増加でございます。これは三十七年度に着手した九十一カ所のパイロット地区及び二百市町村の事業の第二年度として、それぞれ総事業の十分の三を実施いたします。それとともに、三十八年度に新たに三百市町村において事業に着手することといたしまして、補助対象事業費の二分の一を補助することといたしております。
 食管繰り入れは五百三十五億で、百七十五億の減少でございます。これは食糧管理勘定に六百四十三億円の損失が見込まれます。ただ、調整資金は、三十七年度末の残額百六十八億円と見込まれます。従いまして、一般会計から調整勘定へ四百九十億円を繰り入れることにいたしております。このほか農産物等安定勘定で四十五億の損失が見込まれますので、合わせまして五百三十五億円の繰り入れを予定しております。
 産業投資特別会計への繰り入れは四百九十七億円でございます。
 その他の事項経費につきましては、沖縄援助十九億八千三百万円、約二十億でございます。内容はそこに掲げてございますが、省略させていただきます。
 三十八ページに参りまして、青少年対策費が十七億二百万円。これもいろいろときめこまかい措置を講じております。
 それから三十九ページに参りまして、移住振興費十二億四千八百万円、三億一千八百万円の減少になっておりますが、減少の原因は、渡航者の数を前年度より減少させましたことに伴う貸付金の金額の減少でございます。
 それからオリンピック東京大会実施準備費五十億四千七百万円で、これは三十三億八千五百万円の減少になっておりますが、減少の原因は、ワシントン・ハイツ住宅地区の返還を受けるため、その代替施設の建設に必要な経費が三十七年度で出ましたのに比べまして、三十八年度の方が減少することによって減少になっておりますけれども、屋内総合競技場の建設費等を大幅に増額いたしておるわけでございます。
 畜産振興対策費は四十七億六千五百万円で、そのうち、畜産振興事業団に対する出資金は五億円、畜産振興事業団交付金は十五億円でございます。
 水産業振興費二十五億二千三百万円、五億円の増加でございます。水産物の流通対策費といたしましては、従来から実施しておりました産地の冷蔵施設の設置等によるもののほか、消費者価格の安定対策として、消費地の冷蔵庫の設置もこれを行なうことといたしております。
 最後は海運対策費でございまして、日本開発銀行の利子の徴収猶予、海運業界の集約化を助長し、個々の企業の自立体制を確立するために、整備計画について運輸大臣の承認を受け、集約化を実行した海運企業に対しまして、十七次船以前の開銀融資残高の利子金額について、その集約化の実施が確認された日以後最初に支払期の到来する利子から五年間徴収猶予をするということでございます。
 それから外航船舶建造融資利子補給十二億八千四百万円、これにつきましては、補給率を市中金融機関分については三分一厘二毛五糸、日本開発銀行分については二分五厘に引き上げまして、これによって船主の負担が市中が六%、開銀が四%とするようにする、補給期間は従来両方五年でございましたが、市中七年、開銀十年とする。この新措置は十八次船から適用することにいたしておりますが、対象とする船主は集約化を行なったものに限るということにいたしております。
 三国間輸送助成費四億六千万円、移住船運行費補助三億一千三百万円でございます。
 予備費は前年同額二百億円でございます。
 以上で歳出の説明を終わりまして、以下歳入でございますが、四十二ページ、租税及び印紙収入二兆三千五十三億、これにつきましては主税局長から説明があると思いますので、省略いたします。
 専売納付金につきましては、専売公社の納付金が千五百七十二億と前年に対して十七億の減少になっております。これは先ほども申しましたように、たばこ消費税の税率の引き上げによって、減少を来たしておりますが、たばこ消費税を合わせた額では増額に相なっておるわけでございます。
 それから官業益金及び官業収入二百五十九億四千万円、二十一億三千三百万円の増、政府資産整理収入は二百二十四億四千六百万円で、六十三億九千三百万円の増加。
 それから雑収入は七百五十六億で、百五十五億の増。おもなるものは、日本銀行納付金が二百八十八億三千万円で、四十一億五千百万円の増加等でございます。
 それから四十四ページの最後に、前年度剰余金の受け入れが二千六百二十六億五千四百万円で、千三百七十五億円の増加、先ほど申しました通りでございます。
 特別会計につきましては、大体今までの一般会計についての説明で関連いたしておりますし、財政投融資の関係でも関連をいたしまするので、説明を省略させていただきます。
 それから政府関係機関が五十八ページからあとに説明が載っておりますが、これまた財政投融資に関連いたしますので、重複を避ける意味で、説明を省略させていただきまして、八十四ページに参りたいと存じます。
 八十四ページに三十七年度の第二次の補正予算のことが書いてございますが、八十五ページの右側の表をごらんいただきますと、一般会計歳入歳出予算が、当初二兆四千二百六十八億が、前回の補正で五百四十一億五千八百万円、合計二兆四千八百九億五千九百万円になっておりましたが、今回の補正第二号は八百二十一億三千二百万円、合わせますと二兆五千六百三十億九千百万円でございまして、この二兆五千六百三十一億を最近の国民所得の実績見込みに対比いたしますと、一六・七三%の増加でございます。
 産業投資特別会計資金への繰り入れ三百五十億円、これはこまかくはあとに説明が出ておりますので、省略いたしますが、産業投資特別会計の原資を補完するために、その会計の資金に繰り入れるものでございまして、将来の出資需要の増大に対処するとともに、今後の産業投資を経済情勢等に応じて弾力的に行ない得るようにするものでございます。
 2は義務的経費の不足補てん、時間の関係がございますので、一々読み上げるのを省略させていただきますが、二百六億二千百九十八万三千円でございます。いずれも義務的な経費の不足の補てんに充てるものでございます。
 3が国際連合公債買入費十八億、これは国際連合が発行いたします総ワク二億米ドルの国際連合公債のうちで、わが国が引き受けることにいたしております五百万ドルの分の買い入れでございます。国際連合の財政難からする緊急の要請に応じて、また各国の買い入れ状況に照らしまして、国際連合協力の見地から追加計上するものでございます。
 それから児童扶養手当等三億五百九十四万二千円、原爆障害対策費二億五千百一万二千円、対象件数等の増加に伴うもりでございます。
 6が国会臨時会等関係費二億六千八百四十六万八千円、国立療養所費一億四千八百四十四万七千円、それから地方交付税交付金が二百三十七億三千六百十四万八千円、これは右側に出ております所得税と法人税で合わせまして八百二十一億三千二百万円を歳入として計上いたしますことに伴う分でございます。
 所得税につきましては、四百七十一億三千二百万円でございます。あとで八十九ページの方に出ておりますが、源泉所得税が二百七十億、申告所得税が二百一億三千二百万円、法人税が三百五十億円でございます。
 このほか、特別会計につきましては、地方交付税交付金を一般会計から追加いたしますことに伴うもの、じん肺等の長期傷病者補償費等の増加に伴う労働者災害補償保険特別会計の補正、失業保険給付費の増加に伴う失業保険特別会計の改正でございます。
 それから政府関係機関につきましては、国有鉄道において、工事の進捗状況にかんがみまして、東海道幹線増設費を、当初計上六百十億円でございますが、これを補正いたしまして百六十
 一億円を増額するものでございます。
 以上、時間の関係で不十分な点もございましたかもしれませんが、私の補足説明を終わらせていただきます。
#10
○塚原委員長 主税局長村山達雄君。
#11
○村山政府委員 主税局長の村山でございます。時間がありませんので、お手元に配付してあります「昭和三十八年度租税及び印紙収入予算の説明」と、それから「昭和三十八年度税制改正の要綱」につきまして、かいつまんで御説明申し上げたいと思います。
 まず、予算の説明でございますが、目次をちょっと見ていただきたいと存じますが、この書類はこういうふうにでき上がっております。
 最初に総説とございますが、これは三十八年度予算の二兆三千五十三億の計算の経緯が概括的に書いてございます。その次が総括表でございます。第三番目が税制改正による事項別各税目ごとの減収額の総括表でございます。第四番目は各税の現行法並びに改正法による収入見積もりの詳細が出ておりまして、主として税制の技術的な関係が出てございます。第五番目に税制改正の要綱、これが別途大きな字で税制改正の要綱というところに出ております。それから付表といたしまして、国民所得に対する租税負担率とか直間の比率等が出ております。
 まず、予算の説明の三ページをおあけ願いたいと思います。ここに総括表が出ております。左の欄を見ていきますと、一般会計、特別会計に分けまして各税目が出ております。ずっと右の欄を追っていきますと、三十七年度補正後予算額、カッコの数字は当初予算額でございます。その次からどれだけ自然増収を見積もったか、合計して現行法による収入額は幾らになるか、三十八年度の税制改正によって、各税日ごとにどんな減収が出てくるか、改正後の収入見積もり額がそこに出ております。最後に予算に対する増減額が出ております。便宜この一般会計の合計欄、下から六行目にありますが、その数字について御説明申し上げます。これで見ますと、当初予算が二兆四百二十一億、第一次補正後二兆九百六十二億、こういう数字でございます。これに対しまして、来年度、その次の欄でございますが、三千百三十億七千一百万の増収を見積もりました。大体一五%程度の増収になるわけでございます。昨年度は、御案内のように、四千八百七億でございまして、約三〇%程度の自然増収を見積もった。一昨年も三千九百三十億でございまして、三十五年の当初予算に対して、約三〇%程度の自然増収になっておるわけでございます。それを合計いたしますと、二兆三千五百五十一億、改正前でさようになるわけでございます。税制改正がございまして、最後の答えが四百九十八億五千七百万、これだけ差し引くわけでございます。税目で見ていただきますと、源泉で五百七十四億、それから申告で十六億、所得税合計で五百九十億でございます法人ではプラス四十八億五千七百万円が立ちます。もっとも別にこの額は、減税額あるいは増税額とは関係ございません。所得税の方は、もちろん減税はいたしてございます。一般減税で二百七十二億とか、あるいはその他の減税もございますが、そのほかに利子、配当に対する源泉徴収税率、あるいは分離課税の税率を引き下げておることのために、これだけよけいに出ておるということでございます。申告につきましても、ちょうどこれとうらはらでございまして、減税額としましては大体五十二億程度減税しているわけでございますが、別にこの源泉所得税の減税に伴います三十八年度の増収額が三十六億ございますので、差引収入額としてはマイナス十六億になってくる、こういうことでございまして、これは別に減税額とは関係ございません。法人税についても同様でございまして、相当程度の減税をやっておるわけでございますが、法人税で源泉所得税の取り返しをやっておりますので、法人税の税目としては、これだけの増収になるということでございます。その点は後ほど次のページについて御説明申し上げますが、ここでは単に税目ごとの増減収額が出ておる、こういう性質のものでございます。関税につきましては、現在の大体一〇%相当額の税率を、石油につきまして一二%にする、それによる増収額でございます。それを差し引きますと、改正後二兆三千五十三億になります。前年度予算額に対しまして対当初では二千六百三十二億の増収になっているわけでございます。
 その次の四ページ、五ページ、これが来年度の、三十八年度の税制改正による事項別増減収額、しかも税目ごとの増減収額でございます。左の欄は税制改正をいたさんとする事項でございます。右の欄に各税日ごとが出ておりまして、まん中から右半分が平年度、左半分が初年度でございます。
 まず平年度を見ていただきたいわけでございますが、これがいわば減税規模がかなり端的の形で現われてきておるわけでございます。これで見ますと、所得税合計で、そこに出ておりますように、源泉で二百七十二億、それから申告で四十八億、合計三百二十億でございます。法人税が二十九億九千万、合計して三百五十億、一般的の減税はその程度でございます。その下の欄が、今度は租税特別措置及び税制の整備による増減収額の平年度額が出ております。その源泉のところで見ていただきますと、これは源泉徴収税率、法人にとりましては源泉徴収税率でございますが、利子、配当ともそれぞれ一〇を五に下げるというわけでございます。個人につきましては、配当については源泉徴収税率の一〇を五に下げるということでございますが、利子については分離課税でございまして、これは一〇を最終的に五に下げるという数字でございます。この平年度百三十億の内訳は個人で大体二十八億、法人で百二億の数字になってございます。法人税は、法人に対する源泉徴収税率の引き下げはもちろん、平年度におきましては全額取り返すわけでございます。従いまして百二億の増収が立ちまして、この分は消えるわけでございますが、個人の利子に対する最終課税である税率が一〇から五に落ちますので、その点二十八億の減収が最終的に生ずる、こういうわけでございます。別途個人につきましての分離課税は一○を五に下げる一方、現在の国民貯蓄組合の制度を少額貯蓄組合という弊害のない制度に切りかえるわけでございますので、実はこの二十八億というのは、個人の利子所得に対する減収でございますが、このうち国民貯蓄組合から少額貯蓄に切りかえることによりまして、新たにその分が五%かかるわけでございますが、この増収が六十一億、しかし一方、従来一〇でとどまっておったものが今度五に下がりますので、その分の減収が八十九億、差引二十八億、こういうふうになるわけでございます。そこの、今度は初年度を見ていただきますと、初年度はこの源泉の百三十億というのが百二十一億になっております。これは四月に支払われる利子は実は三月分の利子でございまして、この分は一〇%かかっておりますので、その分だけ減収が初年度においては減るという数字でございます。百二十一億七千六百万、内訳で言いますと、個人が二十五億、法人が大体九十六億ということになりますが、このうち個人についてはもちろんこれは最終的な減収になりますが、法人については法人税で取り返すわけでございますが、その数字がその次の次の欄に出ておりまして四十五億九千二百万、平年度でありますと、百二億最終的に取り返すわけでございますが、初年度においてはとうていその全額を取り返すわけにはいきません。四五%の取り返しでございまして、残りの五五%は三十九年度以降取り返して参る、こういうことになるわけでございます。
 配当につきまして平年度から御説明いたしますと、このマイナス二百四十四億の減収が立っておりますが、このうち個人が百三十億、法人が百十三億ございます。ところで個人につきましては平年度といえども四十二億しか取り返して参りません。法人は百十三億全部取り返す。個人に対して、その差引が八十八億の減収になって参るわけでございますが、この個人が平年度においても八十八億減収を生ずるという主たる理由は、個人の持っております投資信託、これにつきましては総合が事実上できません。それによりまして約三十五億程度、それから現在申告で精算しない分が約税収で七十億程度あるわけでございますが、これが一〇から五に下がることによりまして約三十五億、合計七十億程度出るわけでございます。そのほかに源泉で現在とっておりますが、申告になりますと、その年度では取り返せない、どうしても平年度になりましても、翌年度の申告納税によって初めて取り返せるという分が実務上生じます。その金額が約十八億あるわけでございます。合計いたしまして、平年度におきましても、この個人に対する配当の税率を下げることによりまして、八十八億の減収が立ちますということでございます。初年度で申し上げますと、この法人、個人を通じての源泉のマイナスが二百十二億出ております。このうち個人が百十二億、法人が約百億でございます。でございますが、この申告分は一部取り返します。平年度四十二億取り返すうち、初年度においては三十六億しか取り返さない。これは一月から三月までの分につきましては、旧税率の一〇がかかっております。従いまして、個人の申告所得税は、一−十二月の所得に対して課税いたしますが、そのうち四月から十二月までの分だけしか取り返さぬわけでございますので、その点を計算いたしますと、取り返し率八五%ということで三十六億、それから法人につきましては、先ほどと同じように百億の減収がありますが、初年度においてはその取り返し率が四五%でございまして、五十億ということになるわけでございます。
 三行目は、(3)は、特定公共事業等に関する譲渡所得の課税の特例でございまして、初年度が個人が十六億、法人が四億でございます。それから平年度は大体同じ。
 それから次は合併に伴う清算所得の課税の特例でございまして、これは法人だけでございますが、初年度十億、平年度三十億ということでございます。
 それから中小企業設備に対する割増償却、初年度九億八千万、それから平年度十五億。それからその他でございまして、五億と八億ということになっております。合計いたしますと、ここに出ておりますように、関税の改正を織り込まないところで初年度減収額としては五百四十二億、それから平年度五百四十億でございます。従って、これは法人、個人ということではございませんで、税目別の増減収額が書いてあるということでございます。これを法人、個人でずっと計算いたしますと出て参りますが、それを集約して申しますと、平年度では個人が四百五十三億、法人が八十七億でございます。
 それから今度は負担者別の話でございますが、初年度では個人で三百九十四億、法人が百四十七億の減収になります。ただしこの法人の初年度百四十七億の減収のうちには、先ほど申しましたように、利子配当においてそれぞれ初年度減収が五十億ずつ百億ございますので、減税の規模といたしましては、これからこれを引きました四十七億程度が法人として考えた場合のネットの税負担の減少になって参る、こういうことでございます。
 それから各税の収入見積もりでございますが、これはごく簡単に申し上げますと、先ほどのをもう一ぺん振り返っていただきまして、先ほどの三ページを見ていただきますとわかりますように、三ページのところの二兆三千五十三億、右から二番目の一般会計の計でございますが、そのうち所得税が六千三百六十一億、法人税が七千六百億でございます。これで約一兆四千億でございます。その次大きいのが酒でございまして、三千億、これで一兆七千億。それから揮発油が千九百億ございます。これを足しますと、一兆九千億になってしまう。そのほか物品税が千億ありまして、関税が一兆六千億ございますので、これらの六つの税目を足しますと、実に二兆三千億のうち二兆二千億になるわけでございます。従いまして、これらの六つの税金、主要な税目についての見積もりを御説明すれば、ほとんど大勢は決してしまうわけでございます。
 詳細は各税の見積もりに書いてございますが、かいつまんで申しますと、来年度の源泉の給与につきましては、雇用四・五%増、それから給与水準が公務員と民間合わせまして六%の増、こういうふうに見込んでおります。それから法人税につきましては、閣議決定の数字をもとにして計算してございますが、ただ来年度の利益率と申しますか、所得率は、前年度に対しまして九五%くらい、利益率は五%くらいダウンすると見ております。
 それから酒につきましては、清酒におきましては五百七十三万石で、対前年度七・二%の増、ビールは九百五十五万石の一五%増、酒全体では千八百万石、八・八%の増、この程度を見込んでおります。
 揮発油につきましては、年次計画に従いまして来年度においては八百六十万キロリットル、対前年度二八%の増程度でございます。物品税はほぼ横ばい、関税につきましては、税制改正は別といたしまして、現行法ベースでは約一一%の収入の伸びを見ておる次第でございます。
 次に税制改正の要綱について御説明申し上げます。
 まず、一般減税でありますが、その一つは所得税の負担の軽減であります。これは最近における生計費の上昇に伴いまして、所要な課税最低限の調整を行なわんとするものであります。すなわち基礎控除におきまして一万円、配偶者控除、それから十五才未満の扶養親族の控除、それから専従者青白ともにそれぞれ五千円ずつを引き上げんとするものでございます。これによって大体改正しない場合の納税者指数に比べまして、初年度において百二十万人程度新たにこれによって失格が出る見込みであります。平年度においては百五十五万人、去年改正をやったところでは、去年は初年度約九十万人、平年度百二十万人ということでございます。これは減税の幅は少のうございますが、所得の増加割合が去年に比べて非常に少ないために、この減税の規模が相対的に多くなりまして、そういった関係から失格者の絶対数がよけい出て参るということであります。この結果、課税最低限がどうなるかということはうしろの方に書いてございますが、結論で申しますと、給与所得の標準世帯、すなわち夫婦、子三人のところで、現行法では四十一万六千円でありますが、この改正によりまして初年度四十三万八千円、平年度四十四万五千円と相なります。同じ世帯で軽減割合がどうなるかを見てみますと、五十万円程度の収入金額、すなわち月にして言いますと約三万三千円程度の平均収入でございますが、初年度の軽減割合が二六・二%、平年度は約三五%程度となると思います。
 その次は、同族会社の留保所得の課税に対する軽減であります。これは三十六年に、留保所得に対する課税をする際に、新たに基礎控除を設けたのでありまして、これが現行法であります。五十万円あるいは課税所得の一〇%のいずれか多い金額を引いて、その残りと従来の積立金を合計いたしまして、それが資本金の四分の一をこえておったら、そのこえる分について留保所得課税として一〇、一五、二〇、それぞれ累進税率で課税をいたすということでございますが、今回はさらに、三十六年に改正をいたしましたこの五十万とか一〇%というものを、さらに基礎控除の額を拡大せんとするものでありまして、課税所得の一〇%とあるのを一五%、五十万円とあるのを百万円として、それで最近におきます法人と同族会社間の負担のバランスをとろうということと、同時に中小企業に対する結果的には負担の軽減をはからんとするものでございます。
 三番目は、租税特別措置と税制の整備でございますが、まず本年の三月三十一日に期限の参ります租税特別措置についてどう扱うかということが(1)と(2)に書いてございます。新技術企業化に関する特別償却、輸出に関する割増償却及び所得基準による輸出所得控除額の計算、重要外国技術使用料に対する課税の特例、これは基本税率二〇が一〇になっております。それから航空機に対する揮発油税の免除、これはそれぞれそこに書いてありますように現行のままで一年ないし三年延ばしたいということでございます。
 もう一つは、利子所得に対する個人の分離課税の特例、分離一〇%という特例、それから法人課税を通じて配当について基本税率二〇%の源泉徴収税率、これが今年三月末に期限がくるわけでございますが、これにつきましては今回最近の経済情勢に応じて次のような措置を講じようとするものでございます。その一つは、利子所得に対する個人の分離課税の特例は二年間存置してしかもその税率をこの二年間一〇を五に下げるという軽減措置を講ずるが、半面におきまして現在国民貯蓄組合制度がございますが、これを新たに少額貯蓄制度に切りかえようというわけでございます。先ほども申しましたように、貯蓄制度の切りかえによりまして六十一億程度の増収が立ちますが、一〇から五に下げることによりまして、八十九億程度の平年度減収が立つ。差引二十八億、初年度二十五億程度の減収になる、こういうことを申し上げたわけでございます。なお、制度の移行に伴いまして、現在二種類以上の貯蓄についてあっせんをなし得る組合員、つまり職域組合、業域組合、地域組合でございます。こういうものにつきましては二口入れるという既得権がございますので、そこでこの制度施行のときに、すでに加入している者につきましてはその既得権を認めまして、この少額貯蓄の利子の免税についても、なお二年間は二口だけ認めるような必要な措置を講じて参りたい、こういうことでございます。
 (ロ)は、先ほど申しました個人、法人を通じまして配当所得に対する源泉徴収税率を一〇から五に下げる、これは分離課税に対する、分離課税としての利子所得について五%であるときに前取りである配当について五以上の税率を持っておくという理由に乏しいということと、それから同時にこの利子所得に対する源泉徴収税率あるいは分離課税の税率を引き下げたと同じような方向で考えましても、この配当に対する税率は同一にした方がよろしかろうというところで、かような措置を講ぜんとするものでございます。
 (3)は、これは新たに社会資本の充実のため、あるいは産業設備の整備のために、現在複雑多岐にわたっております譲渡所得に関する規定をいろいろな角度から整備して参りたいということでございます。
 まず、(4)は公共用地、すなわち一級国道であるとかあるいは国鉄の主要幹線であるとか、飛行場であるとか、いわゆる公共用地の取得に関する特別措置法がその収用について働くような非常に公共性の高いものにつきましては、今後三年間の譲渡に限りまして、しかもその条件はしぼりますが、改定の日から、改定の申し出から一年間以内に早く協力して譲渡したものについては七百万以下の部分は免税にいたしますということでございます。現在一般の収用につきましては、特別措置法におきまして所得が出ますと、個人の場合にはそれを半分にしております。所得税法でさらにそれを半分にする規定がございますので、結果からいいますと四分の一にして課税しておるということでございます。法人につきましては租税特別措置法によりまして半分にして、それで法人の他の所得と合算して普通の法人税率がかかって参るわけでございますが、今度はこの特定公共事業の収用から生じます所得については、そのほかに七百万円の基礎控除を設けようとするものでございます。従いましてたとえば一千万円の譲渡所得が特定公共事業の遂行に伴って譲渡所得として個人の場合来たといたしますと、まず七百万円引いて残り三百万円でございます。それを四分の一にいたしますということになります。法人の場合には七百万円引いた三百万円、それを二分の一にして課税する、こういうふうに働いて参るわけでございます。
 それから(ロ)でございますが、これは事業用の土地、建物及び機械設備等を譲渡してその交換対価として現物をとる、あるいはその譲渡した代金によって取得する交換、買いかえ両方含んでおるわけでございますが、それらの資産を取得した場合には、昭和三十八年から四十年までの三年間に限って圧縮記帳の方法によって課税の繰り延べをいたします。従来の帳簿価格をつけていただきますということでございます。この点は現行法に比べて非常な特例でございまして、現行法におきましては、各法律におきまして特別認められる場合、たとえば首都圏整備法で制限区域内から出る場合、あるいは中小企業の資金振興助成法等によって中小企業が集団的に出ていく場合、あるいは特定機械工業振興法に基づきまして主務大臣の認可を得てやはり工場が移転する場合でございまして、しかもその受け入れ先が首都圏整備法の開発予定区域であるとかあるいは低開発地域であるとか、産炭地域とかあるいは工業適地に出る、こういう出る場合の原因もしぼっておりますし、受け入れる方の地域もしぼってございます。その場合に土地と土地との間についてのみこの圧縮記帳を認める、こういうことでございます。その他の場合につきましてはごく特例の場合でございまして、農地を売って農地を買いかえたとか、あるいは塩をとる設備を売ってそういうものをまた買いかえた場合とか、あるいは強制収用が働きまして売ったときに買いかえるとか、こういう場合に若干土地対土地よりも広くして認めておる例はございますが、それにいたしましても一般の場合には圧縮記帳は働かないで、先ほど申しましたように土地収用等の場合に限って二分の一という特例が働いておるわけでございますが、これは今度それらの全部を一括いたしまして、この三年間で一方を売って買いかえるならば全部圧縮記帳をいたしましょう。しかもその範囲は従来のように、土地対土地というようにいたしませんで、土地、建物、機械を一括いたしまして、売って何を買っても原則として圧縮記帳を認めて参ろう。これによりまして現在眠っておる資本が譲渡取得のために拡張できない、あるいは移転できないという拘束を三年間切り離して参ろう、こういうことでございます。
 (ハ)は、個人の居住用財産を買いかえた場合に、圧縮記帳の特例が現行法で認められておりますが、ただ譲渡する資産の方の居住用資産は、あくまでも家の建っておるものでなければいかぬわけでございまして、さら地ではいかぬわけでございますが、いろいろ弊害がございますので、今回新たに土地を売って住宅の本拠を買った場合にまでその点を認めて参ろうということでございます。
 (ニ)につきましては普通の土地収用法との権衡上当然のことだと考えての規定の整備でございます。
 (4)は今後特定産業の国際競争力強化に関する臨時措置法が予定されておりますが、これによりまして、基幹産業については今後主務大臣等の勧告等に基づきまして合併が予定されるわけでございますが、その際、評価益からなる清算所得に対する課税の問題が生じます。もしそれをそのまま放擲しておきますと、清算所得に対する課税のために合併の促進が阻害されるおそれがございますので、その点につきましては圧縮記帳という方法によりましてその課税は将来に延ばして参りましょうということでございます。
 (5)につきましてもこれは中小企業基本法の下部の法律といたしまして中小企業設備の近代化の促進法が予定されておりますが、これによりまして、特定の業種を限りまして、今後審議会等で漸次それらの業種の整備に関する青写真ができていく予定でございます。そういう業種北つきましては、現在の特別償却、現舞の年償却額について、特に三分の一程度増額償却させることによって負担の軽減をはかって、それを一つ将来の近代化のための設備取得資金の一助にして参ったらどうか、こういう趣旨で提案されておるわけでございます。
 (6)は、すでに汚水処理施設につきましては耐用年数の特例を認めておりますので、今回それとの権衡上煤煙処理施設につきましても大幅な短縮を認めたい、六割程度の短縮はどうだろうかということを検討しております。
 それから(7)は、現在農業生産法人ができることになりまして、これに農家が現物出資して参るわけでございます。これは現物が出資になりますので、現在出資になってからでは譲渡所得の課税は現行法ではできませんので、そこで、この出資をした際に一応従来の譲渡所得を精算して課税しておる建前でございますが、片や農家について考えてみますと、現金は入っておりませんので、何らか調整の必要があるということで、一定の期間その納期の延長を認めようとするものでございます。
 それから、八番目は、外国税額控除制度について、海外事業活動の振興をはかるため拡大して参るということでございます。現在のやり方は、たとえば外国の支店について税金がかかりますと、その外国の支店の所得に内地の税法でかかるその税額を限度にしまして、向こうでかかった税金を引くという方式をとっておるわけでございますが、その限度額の計算はあくまでも発生事業年度主義、どの事業年度に課税になったかということによりまして限度額を計算する、引く方はその課税になった年の税金から引くということでございますが、外国の税金が何年かおくれて決定して参るものでございますから、限度額の計算を一々過去にさかのぼってやるということは非常に手数が繁雑でございます。そこで、今度はそのつながりを断ち切りまして、確定した事業年度についてすべて限度額を計算する。そういたしますと、手数が簡便になるほかに、逐次海外事業が拡大して参りましょうから、結果的にはその限度額も上がって参る、こういうことでございます。そのほかに、もしある年度で外国税額の方がよけいかかった、たとえば日本が全部寄せまして四〇%ぐらいだとしますと、六〇%くらい税金がかかるわけでございます。こちらの限度額は四〇%を限度にして引くわけですが、その二〇%の限度超過額は、過去まだ引き足りない余裕額があったら五年間その余裕額を持ってきて、そこでそのかかった年に引いてやったらどうか、それから、もしその年にさらに限度超過額が出たら翌年に繰り越してやる、こういうふうに余裕額と不足額の彼此流用を認めることによりまして、今後の外国税額控除を合理化拡大することを通じまして、今後予定される海外事業活動の振興に資したい、かように考えておるわけでございます。
 その次に書いてございますのは、相続人が相続財産を相続いたしましてから六カ月後に申告期限が参るわけでございますが、それまでの間に、試験研究法人等、学校であるとか育英会とかいろいろございますが、それらに寄付した場合には、さかのぼって――さかのぼってと申しますか、相続税が実はかかっておるはずでございますが、その分を引いて相続税を計算いたしましょう、こういう新しい規定を設けようということでございます。現在、試験研究法人等につきまして会社が寄付する場合には、法人税の指定寄付の制度あるいは別ワク損金算入制度がございます。また、個人がその年々の所得のうちから寄付をいたしますと、その所得額の一〇%を限度にいたしまして、その平均税率二〇%に相当する税額を個人の所得税から引くことになっております。また、相続財産になる前に相続財産のうちから被相続人が試験研究法人等に贈与いたしますと、実は贈与税の問題があるわけでございますが、現行法ですでに免税の措置を講じてございます。従いまして、現行法ですでに、所得税、法人税、贈与税、これだけすべて免除の措置を講じてございますが、最後にこの相続税が今回登場して参るわけでございます。これで所得課税はこういうものに対する寄付をやる限りすべてはずれてしまう、こういうことになるわけでございます。
 十番目は、登録税の軽減または免除でございまして、これは政策要請に応じまして合併した場合、すなわち海運業の再建整備等に関する臨時措置法案、あるいは特定産業の国際競争力強化に関する臨時措置法案、あるいは中小企業近代化促進法の規定による合併というような場合、あるいは先ほど申しました農業生産法人が現物出資によって取得する場合の取得登記、あるいは森林組合が開設する公共用林道用地の取得登記、あるいは防火地域内等に新築した耐火構造の中高層住宅、三階以上でございますが、こういう保存登記につきましては、登録税についてそれぞれ必要な軽減または免除をしようというものでございます。
 以上、非常に取り急ぎましたが、私の説明を終わらせていただきます。
#12
○塚原委員長 理財局長稲益繁君。
#13
○稲益政府委員 三十八年度の財政投融資計画につきまして、簡単に御説明申し上げます。
 お手元の資料で先ほどごらんいただきました「昭和三十八年度予算の説明」という資料がございます。その六十四ページをごらんいただきますと、まず原資の面でありますが、上の段の右の欄にございます原資見込み、ここをごらんいただきたいと思います。
 各原資ごとに申し上げますと、第一に、出資原資といたしまして、産投会計出資六百三十四億円、次に、融資原資といたしまして、資金運用部資金六千四百十三億、簡保資金千六百億円、次に、いわゆる民間資金の活用ということでやっております公募債の借入金、これが千八百八十二億円であります。最後に、三十八年度から新たに財投の固有原資として組むことになりました外貨債等、そこにございます産投会計で出します外貨債二百三億円、政府が保証して出します外貨債、これが二百三十四億円、それから世銀借款、この借入金が百三十一億円、外貨債等で五百六十八億円になっております。以上合計いたしまして、原資合計は一兆一千九十七億円であります。これに対応いたします三十七年度当初計画の額は、その右の欄にあります合計欄九千五十二億円でありまして、総額で比べますと二千四十五億円の増加と相なるわけであります。割合にいたしまして二二・六%の増加であります。
 次に、運用面でありますが、先ほど大臣の御説明にもございましたように、運用につきましての重点は、住宅、上下水道等の生活環境施設の整備及び道路、国鉄等の公共投資の拡充強化、これに重点を置きますほか、輸出の振興と国内産業の整備合理化に努め、引き続き中小企業金融の円滑化、農林漁業の振興、地域開発の推進に特に配意をいたしておる、かような次第であります。
 各機関ごとの説明に入ります前に、一枚めくっていただきまして、六十六ページの使途別分類表をちょっとごらんいただきたいと思います。これは、融資あるいは投資先を目的に応じまして分類した表でございますが、左の区分の欄にございますまず(1)から(6)まで、すなわち、住宅、生活、環境整備、厚生福祉施設、文教施設、中小企業、農林漁業、以上(1)から(6)までに分類されましたもの、その合計が、中ほどの小計欄の合計というところがございますが、三十八年度では五千四百四十五億であります。これが全体の中に占めます割合は四九・一%に相当するわけであります。次に、(7)から(10)まででありますが、国土保全災害復旧、道路、運輸、通信、地域開発、これは、大体、(1)から(6)までが言ってみますと国民生活に直結するといった部門でありまして、この(7)から(10)までがその国民生活のいわば基盤となる部分というわけであります。この(7)から(10)までの合計が三千七百二十一億円でありまして、割合にいたしますると、三十八年度の場合、三三・五%に相当するわけであります。以上の(1)から(10)まで、それを合計いたしますと、九千百六十六億円でありまして、割合にいたしまして八二・六%、残りが基幹産業と輸出振興、かような分類に相なるわけでございます。
 次に、各機関ごとに御説明申し上げたいと思いますが、六十四ページにお返りいただきまして、この六十四ページの下の段の資金計画、この機関ごとに御説明をごく簡単に申し上げたいと存じます。
 一番上にあります特別会計、これは特に説明を申し上げるほどのことはございません。次に、公社以下でございますが、公社、公庫等、これはいわゆる政府関係機関でありまして、この関係は、恐縮でありますが五十八ページをごらんいただきますと、そこに政府関係機関というのが一括して説明が書かれてあるわけであります。この順に従いまして簡単に御説明を申し上げたいと存じます。
 専売公社は財投には関係ございませんので、二番目の国有鉄道からであります。五十九ページの下の方にございますように、工事勘定としましては、東海道幹線の増設費八百八十五億円、それから改良費千三百六十億円、新線建設費七十五億円、以上でありまして、工事費総額で二千三百二十億円になるわけであります。これは三十七年度と比べますると二百八十五億円の増加と相なっております。このうちで、財政投融資でまかないますものは、公募債、それから政府引受債、これを百三十億円予定いたしております。それから資金運用部からの借り入れを百二十億円増額することにいたしておるわけであります。総額としましては、財投で千九十八億円を予定いたしておるわけであります。
 次に、日本電信電話公社でありますが、これは三十八年度に電話の七十万個加入増設を予定いたしておるわけであります。このために、財投としましては、公募債で六十八億円、外貨債で七十二億円、合計いたしまして百四十億円を予定いたしております。
 それから、次は、六十ページの国民金融公庫でありますが、いわゆる国民大衆の生業資金に対する融資の円滑化、これを目的といたしまして、政府資金で五百六十五億円、自己資金で千八十八億円、合計いたしまして、その三十八年度の資金調達の計にございまするように、千六百五十三億円、これだけの貸付を予定いたしておるわけであります。この貸付予定額は、前年の当初計画と比べますると、ほぼ一五%の増加と相なっておるわけであります。
 次に、住宅金融公庫でありますが、三十七年度より三千戸増の十二万八千戸の建設、そのほか単価の是正あるいは宅地融資の充実、また、新たに家屋の改修のための融資を取り入れることといたしまして、そこにございまするように、貸付契約の予定では七百六十七億円となっております。現実に必要といたします貸付予定額は、次のページの上の欄にございまするように、七百十億円であります。これが三十七年度と比べますると百二十二億円の増加と相なっておるわけであります。そのうちに、財政投融資といたしましては、その表にございまする産投からの出資、資金運用部からの借入金、簡保からの借入金、この三つの合計でありまして、五百九十五億円と相なるわけであります。三十七年度と比べますと百五億円の増加でございます。
 次は、農林漁業金融公庫でありますが、これは貸付契約額を大幅に増加いたしまして、その六十一ページの右の欄の上の方の表の計にございますように、貸付契約額では八百七十億円を予定いたしておるわけであります。この貸付契約計画におきましては、新たに農林漁業経営構造改善資金融通制度を設けまして、農林漁業経営の拡大発展と合理化のために必要な資金であって国が特に強力に推進することを要する事業、これにつきまして、この公庫からの貸付によりまして、必要な資金量を確保いたしますとともに、貸付金利の引き下げ、償還期限の延長等、貸付条件の緩和をはかることといたしておるわけであります。かようにいたしまして、この新制度分は、三十八年度、ただいま申し上げました八百七十億の貸付契約のうちでは三百億を予定いたしておるわけであります。この貸付契約に対しまして、三十八年度の資金交付額は、その下の欄にございまするように八百六億であります。そのうちで、財政投融資関係といたしましては、産投からの出資、資金運用部からの借入金、簡保及び郵便年金資金からの借入金、この三者合計でありまして、五百七十二億円が財投の関係であります。前年度と比べますと百二十九億円の増加と相なっておるわけであります。
 次は、中小企業金融公庫であります。中小企業金融の円滑化をはかり、そのために貸付額を増加しますとともに、先ほど申し上げましたように、中小企業投資育成株式会社、これに対して出資を行なう予定であります。その財源に充てますために、政府資金借り入れ六百六十二億円、産投会計出資金六億円、それから自己資金四百七十一二億円、これを予定いたしまして、合計千百四十一億円、これだけの資金の計画をいたしておるわけであります。この貸付規模は、三十七年度の当初計画額と比べますと、さきの国民金融公庫と同様大体一五%の増加、かように相なっておるわけであります。
 次は、北海道東北開発公庫でありますが、これにつきましては、地域開発の観点から従来同様の事業を行ないますが、規模といたしましては、そこにございますように二百五十五億円ということでございます。これは三十七年度と比べますると二十五億円の増加に相なるわけであります。
 それから、公営企業金融公庫でありますが、貸付予定額は三百三十億円であります。その原資といたしまして、政府保証のある公営企業債券の発行額が二百億円、地方職員共済組合及び市町村職員共済組合等の引き受けによります公営企業債券発行額が百億円、なお貸付金の回収三十億円、これをもって原資とする予定であります。
 次は、中小企業信用保険公庫、これは財政投融資とは関係ございません。
 その次の医療金融公庫でありますが、三十八年度の貸付契約は百二十億円を予定いたしております。このうちで現実の貸付は百十億円でありまして、その百十億円を、一般会計からの出資二十六億円に資金運用部からの借り入れ七十二億円、貸付金の回収で十二億円、これをもってまかなう予定であります。
 次は、日本開発銀行であります。開発銀行の三十八年度の計画におきましては、資金運用部からの借り入れを七百五十八億円、産業投資特別会計からの借り入れ、これは産投外債を発行いたしまして得ました収入金による貸付でありますが、これを百十八億円、そのほか自己資金二百五十四億円、これを原資といたしまして千百三十億円の貸付を行なう予定であります。この千百三十億円は、三十七年度が九百八十五億円でございますので、百四十五億円の増加、かように相なっておるわけであります。融資先でありますが、従来に引き続きまして、電力、海運の資金を確保しますとともに、地方開発資金の拡充、また石炭、硫安等の不況産業対策、それから非鉄金属等の自由化対策のための所要の資金を確保することといたしておるわけであります。
 次は、日本輸出入銀行でありますが、貸付総予定額は千三百億円であります。これに必要な原資としまして、自己資金で四百九十億円を見込みますほか、産投会計からの出資二百億円、資金運用部資金からの借り入れ六百十億円、合計八百十億円の財政資金の受け入れを予定いたしておるわけであります。三十七年度と比べますと五十億円の増加と相なっております。
 以上をもちまして政府関係機関を終わりまして、次に六十七ページをごらんいただきたいと存じます。
 六十七ページの公団等という欄がございます。その第一が日本住宅公団であります。住宅公団につきましては、三十七年度より一千戸増の住宅の建設を予定いたしております。そのほか、住宅の質の改善、あるいは宅地造成の充実というようなことをはかることとしておりまして、事業費といたしましては七百五十四億円を予定いたしております。このうち、財投としましては、その下の欄にございますように、産投からの出資、資金運用部からの借入金、簡保からの借入金、生命保険からの借入金、住宅公団債券公募分、以上合わせまして六百七十二億円を予定いたしております。これは三十七年度と比べますと百三十三億円の増加と相なるわけであります。そこにも書いてありますように、このほかに、宅地造成資金の一部に充てますために、新たに日本住宅公団宅地債券の発行十億円を予定いたしております。
 次は、年金福祉事業団でありますが、従来に引き続きまして、厚生年金還元融資及び国民年金特別融資の一部としまして、住宅あるいは病院あるいは厚生福祉施設、こういうものに対しまして合わせて二百億円の貸付を行なう予定であります。これに必要な原資は全額を資金運用部資金からの借り入れによってまかなうことといたしておるわけであります。
 次は、雇用促進事業団でありますが、貸付規模四十億円、このために必要な原資は全額資金運用部からの借り入れによってまかなう予定であります。
 それから、特定船舶整備公団、これは三十八年度の事業規模は四十九億円でありますが、その原資といたしまして、資金運用部からの借り入れを四十一億円予定いたしますほか、石炭鉱業合理化事業団からの借入金約八億円を予定いたしておるわけであります。
 次に、帝都高速度交通営団でありますが、三十八年度の事業規模は二百三十億円でありまして、このうち、財投で百二十億、自己資金で百十億という予定であります。
 それから、愛知用水公団でありますが、豊川用水事業につきまして、国庫補助金二十億に合わせまして、運用部から十八億円融資する予定であります。これをもちまして幹線水路を中心とする工事を促進することとなっております。
 次に、日本道路公団でありますが、道路公団におきましては、引き続き、名古屋・神戸間、いわゆる名神道路、それから、東京・名古屋間、東名道路、東京・富士吉田間、中央道、この高速自動車道の国道の建設を促進することとし、これを中心として、事業規模としまして六百六十六億程度を予定いたしております。この事業規模は三十七年度と比べますと百七十三億円程度の増加に相なっております。このための財投の資金といたしまして、そこにございまするように、道路債券四百五十六億円、国際復興開発銀行からの借入金八十三億、産投特別会計からの借入金八十五億、以上六百二十四億円を予定いたしております。昨年度の四百十六億と比べまして二百八億という大幅な増加になっておるわけであります。
 なお、この道路公団につきまして、東京・名古屋間の、いわゆる東名道路建設の資金の一部に充てますために、新たに国際復興開発銀行からの借款が予定されておるわけであります。
 次は、首都高速道路公団でありますが、事業規模は三百四十七億円でありまして、三十七年度に比べまして百二十七億円これまた大幅な増加であります。この原資の一部としまして、その欄にございまする中ほどの首都高速道路債券二百八十八億円、これがいわゆる財政投融資になるわけでありますが、昨年と比べますると百三十八億円の増加でございます。
 それから、阪神高速道路公団でありますが、事業規模は六十一億円でありまして、三十七年度の十二億と比べますと実に四十九億円の増加と相なっております。これまた、その中での財政投融資の金額としましては、その下の欄にございまする中ほどの阪神高速道路債券五十七億円、これが財投の三十八年度の規模でありまして、三十七年度の十億に比べまして四十七億の増加、かように相なっておるわけであります。
 次は、水資源開発公団でありますが、運用部から二十九億、自己資金で八十一億、以上をもちまして、事業規模百十億円、利根川及び淀川水系の水資源の開発利用の促進ということを予定いたしておるわけであります。
 次は、産炭地域振興事業団でありますが、従来に引き続きまして、産炭地域振興をはかりますために、産炭地域内におきます企業に対する設備資金の貸付、あるいは土地造成等の事業を行なうこととしまして、一般会計から十三億円の出資を行ないますほか、資金運用部からの借り入れ十九億円を予定いたしておるわけであります。
 次は、石炭鉱業合理化事業団でありますが、これまた、従来に引き続きまして、石炭鉱業合理化に伴いまして必要とされます整備資金の貸付業務を行なうことといたしまして、このために資金運用部資金の借り入れ六十億円を予定いたしておるわけであります。
 次は、私立学校振興会でありますが、私立学校教育の振興をはかりますために、今回新たに資金運用部資金の融資二十億円を予定いたした次第でございます。
 次に、日本放送協会でありますが、オリンピック用の放送施設の建設等を行ないますために、資金の一部としまして簡保資金による放送債券十億円の引き受けを予定いたしております。
 それから海外移住事業団でありますが、これは移住実務機構の刷新をはかりますために、日本海外協会連合会及び日本海外移住振興株式会社の業務を統合いたしまして、海外移住事業団を設ける予定でありまして、これに対しまして産業投資特別会計からの八億円の出資を予定いたしておるわけであります。
 次は鉄道網整備公団でありますが、国鉄の行なっております新線建設を引き継ぎまして、三十八年度におきまして新たに鉄道網整備公団を設立することといたしまして、産投会計から五億円の出資、資金運用部資金からの五億円の借り入れを予定いたしております。
 次は金属鉱物探鉱融資事業団でありますが、銅、鉛、亜鉛等の非鉄金属の自由化に対処しまして、新たに金属鉱物探鉱融資事業団を設立しまして、探鉱費について融資を行なうことといたしておるわけであります。このために産投会計から二億円の出資、資金運用部から十三億円の借入金を予定いたしております。
 次は地方公共団体でありますが、地方公共団体につきましては、一般会計債と公営企業債、特別地方債と分かれるわけでありますが、一般会計債につきましては、高等学校の校舎整備あるいは清掃関係施設の整備、こういったものに重点を置きまして起債額の増額をはかることとしまして、総額九百三十億円を予定いたしております。公営企業債につきましては、上水道、下水道あるいは港湾埋め立て、工業用水道、地下鉄建設事業の推進、こういったものに重点を置きまして総額二千二十億円の起債を予定いたしておるわけであります。なおまた、特別地方債につきましては、従来同様に、住宅、病院及び厚生福祉施設につきまして二百億円の起債を予定いたしております。この三つを合わせますと、三十八年度におきます地方債計画の総額は三十七年度の二千五百四十億円に比べまして、六百十億円増の三千百五十億円、かように相なっておるわけでございます。
 次は特殊会社等でありますが、商工組合中央金庫、これは先ほどの国民公庫あるいは中小公庫と同じ考え方に立ちまして、貸付の規模の増加を大体三十七年度に比べまして一五%増というように見込んでおります。このために三十八年度におきましては、資金運用部並びに簡保から商工債券五十億円の引き受けを予定いたしておるわけであります。
 次は日本航空株式会社でありますが、政府出資十二億円、公募債三十億円をもちまして国際線の整備並びに国内線の充実をはかることといたしております。
 東北開発株式会社でありますが、これは従来の事業を引き続き行なうことといたしまして、政府出資六億、政府保証債二十八億円を予定いたしております。
 石油資源開発株式会社でありますが、これまた同様従来の事業を引き続き推進することといたしまして、政府出資四億円、政府保証債十億円を予定いたしておるわけであります。
 電源開発株式会社におきましても、事業の点におきましては従来のものを引き続き継続して参るわけでありますが、資金源といたしましては、運用部資金並びに簡保資金で二百四十七億円、公募債で五十七億円、自己資金六十六億円、合計三百七十億円が事業規模ということになっております。
 最後に日本航空機製造株式会社でありますが、御承知のYS−11の試作の段階が終わりまして、量産に着手するわけであります。前年度に引き続きまして、この量産事業を行ないますために、政府保証債を二十六億円予定いたしておるわけであります。
 以上をもちまして、三十八年度の財政投融資計画の概略の御説明を終わらせていただきますが、次にお手元の「昭和三十八年度予算に関する参考資料」という薄っぺらな資料がございますが、その第一表をごらんいただきたいと思います。国庫収支の見込みでありますが、これについてごく簡単に御説明申し上げたいと存じます。正誤表がお配りしてあると思いますが、三十六年度当初とありますのは三十七年度、三十七年度見込みとありますのは三十八年度の誤りであります。
 三十八年度の国庫収支の見込みでございますが、そこにございますように、予算がその通り実行されるということを前提といたしまして三十八年度は三千七百五十億円の散布超過、かように見込んでおります。これは一般会計におきましては、前年度の剰余金の使用によりまして二千六百二十七億円の散布超過が考えられるわけであります。また大きなアイテムといたしまして、外為資金であります。この外為資金におきまして国際収支の黒字が一億八千万ドル程度見込まれますので、これに見合います六百四十八億円の散布超過、かように見込んでおる次第であります。こういう毛のがおもな原因となりまして、三十八年度におきましては、予算がその通り実行されるといたしますれば三千七百五十億円の散布超過、かように相なるのではなかろうかと見込んでおる次第でございます。
 以上、大へん簡略に端折りまして恐縮でありますが、私の補足説明を終わらせていただきます。
#14
○塚原委員長 経済企画庁調整局長山本重信君。
#15
○山本政府委員 調整局長の山本でございます。「昭和三十八年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」につきまして、時間の関係もございますので、簡単に御説明申し上げます。お手元に「一月十八日経済企画庁」という資料が配付してございますので、それをごらんいただきたいと思います。
 初めに一ページの昭和三十七年度の経済情勢でございますが、三十六年度には予想を上回る経済の急速な拡大によりまして、国際収支面で大幅な赤字が出ました。その結果、総合的な景気調整策が実施されることになった次第でございます。三十七年度におきましては、下期の国際収支均衡を最大の目標といたしまして景気調整策が継続されました結果、日本経済全体の基調が次第に鎮静化いたしまして、鉱工業生産も弱含みに転じ、物価の面でも、消費者物価も騰勢の鈍化を見せるという状況になって参りました。こうした国内経済の鎮静化を反映いたしまして、国際収支の面でも、輸入は予想以上に減少し、輸出が順調に増加いたしましたために、国際収支の均衡は上期中に達成された次第であります。
 このように政府が考えました景気調整策の目的は、おおむねその所期の効果を上げたわけでございますけれども、他方産業界におきましては、この景気調整策によりまして需要の減退が生じ、また自由化の影響もございまして困難な事態に直面しておるものもありますので、今後は国際収支の均衡と並んで国内均衡についても十分な配慮が必要になってきておる次第でございます。
 次に二ページの2の「三十八年度経済運営の基本的態度」について申し上げます。
 三十八年度の経済環境を見ますと、過去の設備投資の累積によりまして生産能力は大幅に増大しております。雇用面でも生産年令人口の増加が見込まれております。また国際収支も依然として均衡基調を続けるものと認められる次第であります。これに対しまして需要の面では、個人消費、住宅建設は依然として増加が見込まれるわけでございますけれども、民間設備投資、在庫投資等は減退が予想されますので、この面からは、三十七年度に引き続きまして低水準で推移するおそれがあるわけでございます。こういう時期こそ、従来から懸念されておりました社会資本のおくれを取り戻し、将来の発展の基盤を強化すべき時期でありますので、国際収支の許す範囲で、財政の健全性を堅持しながら、予算、財政投融資、金融政策等におきまして政府が十分な配慮を加えることによりまして、公共投資と民間設備投資と相補って日本経済を正常な安定成長の路線に乗せていくようにいたしたいということを考えておる次第であります。このような考えから、三十八年度は新しい安定成長への地固めの年として、一方社会資本の立ちおくれの是正に努めるために、道路、港湾、輸送その他の経済発展におくれました公共的投資の拡大をはかりますとともに、他方におきまして、世界的な自由化の進展、関税の一括引き下げの動き等、新しい国際経済環境の進展に適応いたしますために、国内産業体制の確立をはかり、一段と産業の国際競争力の強化に努めることを、経済運営の第一義的目標と考えている次第でございます。
 さらに、三ページ以下に経済運営の基本的態度につきまして詳細に書いてございます。詳細は省略をいたしますが、(1)は社会資本の充実の問題でございます。(2)は国際経済環境の変化に適応するための国内産業の体質改善の問題でございます。(3)は輸出振興でございます。それから(4)は企業の自己資本の充実と金融の正常化を推進することでございます。四ページに参りまして(5)は消費者物価の安定対策でございます。(6)は農林水産業その他いわゆる経済の二重構造の問題でございまして、(7)は科学技術の振興及び人的能力の開発をはかることでございます。
 以上申し上げましたような経済運営の基本的態度を前提といたしまして、四ページの3にございますような三十八年度の経済見通しを作成いたしたわけでございます。三十八年度の経済は、三十七年度からの弱含み傾向のあとを受けまして、しばらくは停滞ぎみに推移する可能性がございますけれども、個人消費支出、住宅建設は着実に増加する見込みでございますし、政府としても、財政面におきまして積極的な施策を講ずることといたしておりますので、他方輸出が順調に伸びますならば、経済は次第にゆるやかな上昇過程に向かうことが予想されるわけであります。そういたしまして、経済環境は次第に明るくなるものと予想いたしております。その結果、国民総生産は約二十兆四千億円に達します。成長率は名目で八%程度、実質で六%程度と見込んでおります。
 次に経済の主要な項目につきまして、三十七年度と比較しながら簡単に御説明申し上げることといたします。
 資料の八ページに主要経済指標がございます。それを御参照いただきます。
 まず個人消費支出でございますが、ちょうど上から十二行目、横に仕切りが入っておりますそのすぐ上に個人消費支出という欄がございます。個人消費支出は景気調整の影響もありまして、三十七年度の二二・八%には及びませんけれども、約一〇%の上昇を見込んでおります。
 次に、三行上の生産者耐久施設、いわゆる設備投資でございますが、これは過去の設備投資の累積によります過剰設備の圧力、さらに最近の企業の収益の減少等から、企業の設備投資意欲はかなり減退した部面もうかがわれるわけでございますけれども、他面政府の積極的な政策もいろいろ考えられておりますので、下期にはある程度回復が期待されるわけでありまして、年度を通じて見ますと、三十七年度の三兆六千億から約一千億程度下回る三兆五千億程度のところでとどまるものと考えておる次第でございます。
 次に政府の財貨サービス購入でございますが、これは九ページに出ております。九ページの第一表の上から十一行目でございます。政府の財貨サービス購入でございますが、三十八年度は中央・地方財政を通じまして四兆四千八百億円程度と見込んでおります。三十七年度の実績見込みに比べますと一四%程度の増加でございます。
 次に鉱工業生産でございますが、恐縮でございますが、また八ページに戻っていただきます。先ほど御説明いたしました個人消費支出のすぐ次の行でございます。三十七年度の弱含み傾向のあとを受けて、三十八年度は当初から急速に鉱工業生産が上昇に転ずるとは考えられませんけれもど、今まで申し上げました需要の動向も、次第に順調な上昇傾向に向かうことが期待されるわけでありまして、年度間では六%の上昇を予想いたした次第でございます。
 また、農林水産業につきましては、次の行にありますように三・五%程度の上昇を見込んでおります。
 次に、国際収支につきましては、そのページの下の方にまとめて詳細な数字が出ております。まず輸出でございますが、三十七年度は国際環境に恵まれまして非常な伸びを示しましたが、三十八年度は年度間で約五十二億ドルに達するというふうに期待いたしております。また、輸入は、一部におきまして輸入原材料の補充がさらに行なわれるでありましょう。また自由化の進展に伴う増加も予想されますけれども、全体といたしまして経済の回復がゆるやかであるという点から見まして、対前年で約一割増の五十億ドル程度にとどまるものと見込んでおります。従いまして、貿易収支では二億ドルの黒が予想される次第であります。それに対して、貿易外収支におきましては赤字の増大が予想がされますので、経常収支では若干の赤字が見込まれる次第であります。これに対しまして資本取引の面ではかなりの受け取り超過が予想されますので、両者総合いたしますと、総合収支では、その表にありますように八千八百万ドルの黒字が予想されるわけでございまして、年度間を通じまして国際収支は均衡基調を維持するというふうに考えております。次に物価でございますが、ただいまの国際収支の欄の上にございます。卸売物価は三十七年度とほぼ横ばいに推移すると考えております。消費者物価につきましては、最近その騰勢にかなり鈍化が見られておりまして、比較的落ちついた足どりをたどることが予想されますので、三十八年度は少なくとも過去両年のような上昇傾向はないものと思うわけでございまして、年度平均では二・八%程度の上昇というふうに見込んだ次第でございます。
 最後に、雇用面では、大企業の一部には最近やや伸びの鈍化がございます。また、石炭等の一部の産業には離職者の発生も見込まれるわけでございますけれども、一般的には、若年労働者、技能労働者を中心とする労働需要はかなりまだ根強いものがございますので、全体といたしまして百十五万人程度の雇用増加を見込んだ次第でございます。
 以上、大へん簡単でありますが、三十八年度の経済見通しと経済運営の基本的態度について御説明を申し上げた次第でございます。
#16
○塚原委員長 以上をもちまして政府の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
#17
○塚原委員長 次に、公聴会の件についてお諮りいたします。
 御承知の通り、総予算につきましては公聴会を開かなければならないことになっておりますので、この際昭和三十八年度総予算について、議長に対し公聴会開会の承認要求をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○塚原委員長 御異議なしと認めます。
 なお、公聴会の開会承認要求並びに公聴会開会に関する諸般の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○塚原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次会は明二十九日午前十時より開会し、昭和三十八年度総予算についての質疑に入ることにいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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