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1962/02/26 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 本会議 第10号
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1962/02/26 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 本会議 第10号

#1
第043回国会 本会議 第10号
昭和三十八年二月二十六日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十号
  昭和三十八年二月二十六日
   午後二時開議
 第一 木船再保険法の一部を改正する法律案(
  内閣提出、参議院送付)
 第二 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避のための日本国とオーストリア共和国との
  間の条約の締結について承認を求めるの件
 第三 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避及び脱税の防止のための日本国政府とグレ
  ート・ブリテン及び北部アイルランド連合王
  国政府との間の条約の締結について承認を求
  めるの件
 第四 所得に対する租税に関する二重課税の回
  避及び脱税の防止のための日本国とニュー・
  ジーランドとの間の条約の締結について承認
  を求めるの件
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 土地調整委員会委員長及び同委員任命につき同
  意を求めるの件
 韓国の政情と日韓交渉に関する緊急質問(岡田
  春夫君提出)
 日程第一 木船再保険法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、参議院送付)
 日程第二 所得に対する租税に関する二重課税
  の回避のための日本国とオーストリア共和国
  との間の条約の締結について承認を求めるの
  件
 日程第三 所得に対する租税に関する二重課税
  の回避及び脱税の防止のための日本国政府と
  グレート・ブリテン及び北部アイルランド連
  合王国政府との間の条約の締結について承認
  を求めるの件
 日程第四 所得に対する租税に関する二重課税
  の回避及び脱税の防止のための日本国とニュ
  ー・ジーランドとの間の条約の締結について
  承認を求めるの件
 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改
  正する法律案(内閣提出)
 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律
  等の一部を改正する法律案(議院運営委員長
  提出)
   午後二時九分開議
#2
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 土地調整委員会委員長及び同委員任命につき同意を求めるの件
#3
○議長(清瀬一郎君) お諮りいたします。
 内閣から、土地調整委員会委員長に黒河内透君、同委員会委員に谷口寛君を任命したいので、本院の同意を得たいとの申し出があります。右申し出の通り同意を与うるに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、同意を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
 韓国の政情と日韓交渉に関する緊急質問(岡田春夫君提出)
#5
○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 この際、岡田春夫君提出、韓国の政情と日韓交渉に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
#6
○議長(清瀬一郎君) 草野一郎平君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 韓国の政情と日韓交渉に関する緊急質問を許可いたします。岡田春夫君。
  〔岡田春夫君登壇〕
#8
○岡田春夫君 朴軍事政権の深刻な危機に伴い、日韓会談の前途は全く予断を許さぬ情勢であります。私は、社会党を代表して、政府の明確な所信を問うとともに、その責任をただしたいと思います。(拍手)
 あらためて言うまでもなく、われわれ社会党は、日韓交渉に強く反対して参りました。その理由とするところは、この交渉が全朝鮮民族の悲願である南北朝鮮の統一を阻害するばかりでなく、過去半世紀にわたる日本帝国主義の朝鮮侵略に対し一片の反省もなく、アメリカ帝国主義の庇護のもとに、そのかいらいである朴軍事政権と軍事的な結合を深め、再び南朝鮮を植民地化する日本軍国主義復活の野望にほかならないものであります。(拍手)しかも、この道は、日本国民に重ねて血なまぐさい戦争の惨禍をなめさせることになるからであります。だからこそ、われわれは、全国民とともに、政府の日韓交渉に断固反対をして、その即時中止を強く要求するものであります。(拍手)
 私は、以上の観点に立って、以下数点にわたって政府の見解を尋ねるものでございますが、質問の第一点として、池田外交にははたして自主性があるのか、今日この段階において、あえて日韓交渉を進めることが、真に日本の将来のために貢献となり、アジア諸民族の信頼と友好を深めるかという点であります。
 最近池田首相は、外交に自信を持ってきたと言われる。昨年の訪欧以来、首相は、アジアの先進国としてとか、自由諸国の三本柱としてとか、盛んに大国意識を持ってふるまっているように見受けられます。
 ところで、日韓交渉はどうか。この交渉はいわゆる十年交渉といわれるが、その本格的な進展を始めたのは、一昨年ワシントンにおいて行なわれた池田・ケネディ会談以来である。しかもその後、日米箱根会議に出席したラスクの訪日、訪韓、朴正熙、金鍾泌らの訪日、訪米、大卒外務大臣の訪米など、交渉は常にアメリカを軸として動き、重要案件は常にアメリカの意向に沿ってまとめられている。一昨日の新聞報道によっても、在韓米大使が、朴軍事政権の危機の中でも、日韓交渉は促進するようにと、御親切にも崔外務長官に申し入れているということである。これらの事実は、池田首相はまさか否定し得ないと思うが、これはまさに二国間交渉ではなく、アメリカを主軸とする三国交渉である。日韓交渉は日韓両国の間で進められている自主的交渉ではない。事実上のプロモーターはアメリカであり、表で踊っているのは池田首相と朴正煕にすぎない。池田さん、あなたはサル回しのサルの役割を果たしている。
 池田内閣の対米従属外交は、何もこれだけではない。組閣以来、ただ唯々諾々として追随にこれ努めていることは、最近の対中ソ貿易制限、原子力潜水艦の日本寄港、綿製品の対米輸出問題等、数限りがないが、近ごろでは自民党内部においても、日韓問題の変化を契機として、この限りない追随主義に批判の声が高まりつつあるといわれる。(拍手)
 今や、われわれはアジアに目を転じて考えるならば、アジア諸国並びに諸民族は、独立と自由のために植民地主義に反対し、各地においてアメリカ帝国主義と勇敢に戦い、自主、中立、独立の外交を進めつつある。このときにあたり、アメリカの指図に従い、みずから破産宣告をして、余命幾ばくもない朴軍事政権と交渉を続け、他方建国以来十三年半にわたって安定した政権を樹立している隣国、中華人民共和国や朝鮮民主主義人民共和国との交渉を断固拒否している池田内閣のこの態度は、アジア民族の目にいかに映っているであろうか。
 私は、池田首相にあえて問いたい。池田外交に自主性がはたしてあるのか。日韓交渉はアメリカの関与、干渉なしに進めていると断言ができるか。池田内閣の対外政策は、アジア諸民族の真の信頼と友好を深めることになるか。アジア諸民族とは、台湾、韓国、南ベトナム、フィリピン、タイ国の国民だけをいうのではありません。これを忘れないように首相はお考えをいただくべきであります。
 質問の第二は、朴軍事政権の実態と南朝鮮の情勢についてであります。
 一昨年、軍事クーデターが行なわれたとき、朴政権が掲げた唯一の公約は、経済の再建と清廉潔白な政治でありました。ところが、その後一年半の今日、その軍事政権がみずから破滅宣言をせざるを得なかった決定的な原因は、建国以来最悪の経済危機と、政権の中枢にびまんした汚職政治であります。(拍手)
 南朝鮮の経済情勢を見れば、物価は本年一月、わずか二十日間の間に、米は三割、みそ、しょうゆ等は五割など、生活必需品は軒並みに上がって、悪性インフレの様相を呈し、最重点施策である農業生産は五十年来の凶作で、深刻な食糧危機となり、需給不足分は約一千万石、絶糧農民は全体の四割に達するといわれている。また、外貨の保有高は、去る一月末一億五千万ドルとなり、そのうち実際使用できる額はわずかに千六百万ドルにすぎないといわれている。読売新聞は去る二十一日、現地の状態を伝えて、その実情は危機というよりも破局一歩手前ということができる。そとから生ずる社会不安もほとんど目をおおうものがあり、軍事政権が成功したのは、わずかにぐれん隊の逮捕と交通規制だけであったといっても過言ではない。そうした軍事政権の失政に対して、本年一月より政治活動の禁止を解かれた世論が、一斉に反軍事政権の動きに出たのも不思議ではない。武力と軍事裁判と中央情報部という秘密警察をもってしても、経済法則を統御できなかっただけではなく、民心を支配することもできなかったわけである、と報道いたしております。
 それだけではない。汚職の黒い疑惑は、中央情報部長として飛ぶ鳥も落とす勢力といわれた金鍾泌の政治生命を断つに至り、事態の発展は泥沼のように醜い姿を現わしつつあるのであります。ともあれ、国民を完全に裏切った失政、これに対する国民の怒りこそが、朴軍事政権が自滅をせざるを得なかった根本原因である。かつて、数十万の無実な人民をゆえなく逮捕し、民族日報社長、社会党幹部ら多数を処刑した絶対的な独裁権力も、今日では完全に無力化し、軍事政権は事実上崩壊したというのが南朝鮮の現状であります。(拍手)
 それにもかかわらず池田総理大臣は、過日行なわれました衆参両外務委員会において、朴政権は安定政権であると強弁をしている。池田さん、南朝鮮の今日の政情を日本に当てはめて静かに考えてごらんなさい。それでも外務省の小役人どもが言うように、朴軍事政権の危機が民政移管前の苦難であるというのか、安定政権であると断定ができるのか、断定できるなら、その根拠を明らかにしてもらいたい。(拍手)
 質問の第三は、日韓交渉を進めて参りました池田内閣の政治責任についてであります。
 朴軍事政権は、今まで述べて参りました通り、事実上すでに崩壊をいたしております。いかなる意味においても、国民を代表する合法政権とは言い得ません。たとえば百歩譲ったとしても、軍事政権がみずから破産宣言を行なったのでありますから、明らかにこれは民法流に準禁治産者の扱いをしなければなりません。(拍手)それならば国際法の常識からいって、当然日韓交渉は打ち切るのが至当である。少なくとも交渉妥結の見通しが立たないはずであるし、断じて妥結をすべきではない。それにもかかわらず政府は交渉を継続すると言う。交渉を継続するということは、近々中に妥結しようとしている意思なのであるかどうか。交渉の妥結に確信があるというのならば、時期の見通しは一体どうなのか、民政移管前であるかあとであるか。しかし反面に、妥結の見通しもないのに、責任を回避するために交渉を継続しているということであるならば、国の外交を私し、国民を愚弄するものの極といわなければなりません。(拍手)
 日韓交渉の今日の事態は、池田首相がいかに詭弁を弄しても、交渉の見通しに軽卒なあいまいさと誤りがあったといわなければならない。池田さん、あなたは昨年十月の金鍾泌との会見の際に、非公式ながら本年三月京城で調印をし、地方選挙後の五月国会に提出をするというスケジュールまで話し合っているじゃないか。それでも交渉の見通しに誤りはなかったと言えるのかどうか。(拍手)私は、今日の日韓交渉が民政移管以前にまとまらない場合において、移管後の新政府の手によって、全面的な決裂または中止の場合が起こり得ると考えています。その場合においてもなおかつ政府は、相手が断わったのだから仕方がないと政治的な責任を負わず、便々として政治生命を長らえるほど池田首相は厚顔無恥であり得るであろうか。もしそうだとするならば、池田首相は命冥加というべきであろうが、あなたがおそれている第二の安保闘争に立ち上がった国民は、断じてこれを許しません。(拍手)おそらく自民党の内部もこれを許すまいと確信をいたしております。(拍手)
 本来、日韓交渉の今日の事態の最大の責任者は大平外務大臣であります。彼はかつて官房長官の当時、日韓交渉にはきわめて慎重な態度をとり、私自身も直接その発言を聞いたことがある。それにもかかわらず、外務大臣に就任するとなぜかしきりに功をあせって、国会での警告にも耳をかさず、外交上の判断を誤ってきたことは、まことに重大といわなければなりません。特に昨年十一月池田首相が訪欧中において、金鍾泌との会談で首相から許された権限を越えて、当時の臨時首相代理であった川島国務大臣にも諮らず、大平外務大臣独断で請求権問題を合意したのである。しかも、首相の帰国後において、その合意文書のうちで最も重要な無償供与の金額を首相に承認させるために、外務大臣はあらゆる工作を行なった。その工作には自分も協力して首相に圧力をかけたと某右翼の幹部は公言をいたしております。
 外務大臣の行なったこの独走、外交上の判断の甘さ、見通しの誤りなど、まことに重大な政治責任といわなければなりません。朴正煕は、片腕といわれる金鍾泌の政治生命をかばって、かえって朴自身の生命までも断つに至りました。池田さん、もって他山の石とすべきであります。(拍手)池田首相は直ちに大平外務大臣を罷免して、日韓交渉を即時打ち切る行為を行ない、国民に謝罪すべきであると思うが、首相の決意はいかがであるか。(拍手)
 質問の最後に、池田首相に特に注意を喚起いたしておきたいことがあります。それは朴軍事政権に対する汚職の黒い疑惑に関連した問題であります。
 さきにも述べた通り、過般行なわれました朴正照の九項目の声明において黒い疑惑の究明を指摘いたしましたが、その直後問題の金鍾泌は政界から追放され、中央情報部は陣容を一新して事件の追及に当たることになっている。その追及の対象としておもなものは、証券波動事件、ウゥーカー・ヒル歓楽場の建設、セナラ自動車工場の設立、日本のパチンコ輸入問題などが取り上げられて、金鍾泌の不当な収賄は少なくとも二千百万ドルを下らないといわれている。
 しかるに、本日の新聞報道によれば、黒い疑惑をもって政界を追放された男が、事もあろうに国を代表する大使に正式に任命されて、昨日訪日したということである。朴正煕軍政の破廉恥なしぐさにはただあきれるほかはないのであるが、同時に政府がその入国を許したことに対して、怒りを感ぜざるを得ない。(拍手)政府は、この大使にいかなる理由をつけてアグレマンを与えたのであるか。まさかアグレマン許可の理由が国外逃亡のためと書いてあるわけではあるまい。日本には約一週間滞在するというが、いかなる目的で滞在するのか、国外逃亡か、汚職のもみ消しか。そうして政府並びに自民党は、この黒い疑惑の男と会見するつもりがあるのか。会見の目的は一体何か。
 ところでこの点について特に注目すべきことは、これらの疑惑の中で少なからぬものが日本に関係をしているということである。私は今日この場において詳細に述べることははばかります。しかし、それがあいまいな推測ではないという証拠に、一つだけ例をあげて私はお話をしたい。(拍手)
 問題のセナラ自動車工場設立とは、昨年の二月日産自動車が韓国政府の要請によって技術提携を行ない、工場の組み立て、機械設備その他は日産自動車から輸出されたものであり、同工場の最高幹部には某在日朝鮮人が参加しておる。名前は特に言わない。また、それとは別個に、昨年の四月、韓国政府外賓接待用としてブルーバード四百台、マイクロバス百台が日産自動車から輸出されているが、これも疑惑の対象となっている。そして、これらの事件に関連するだけでも数名の日本の著名人の名前が浮かんでいる。私はこれ以上はこの席においては言わない。
 以上のごとく、汚職の黒い疑惑には、日本が少なからず関連を持っているということは明らかであります。南朝鮮においても事態が究明されようとしているときに、関連のある日本がこれを放任をし、結果において事件のもみ消しに手をかすようなことは、断じて許すことはできません。(拍手)政府は、日本の名誉にかけても、直ちに事実関係を徹底的に究明すべきであるが、池田総理大臣ははたしてその決意があるか、われわれは事件の徹底的な究明を強く要求するものであります。
 以上をもって私は質問を終わりますが、答弁に満足いたしません場合においては、再度質問をいたす権利を留保いたして終わる次第であります。(拍手)
#9
○議長(清瀬一郎君) ただいまの岡田君の発言中、もし不穏当の言辞がありますれば、速記録を取り調べの上、適当の処置をとることといたします。
  〔国務大臣池田勇人君登壇〕
#10
○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。
 日韓間の諸懸案を解決し、国交を正常化することは、日韓両国民多数の願望であるのであります。(拍手)しかも韓国側が、正常化のために熱意ある、かつ、合理的な態度を持って臨む限り、われわれにおいて韓国の政情に関心を持ちながら、信義と誠実を尽くして交渉継続をすることは、外交の衝に当たる者の責任であるといわなければなりません。(拍手)
 なお、日韓交渉は、主権国である日韓両国のものでございます。他国がこれに容喙した事実もないし、容喙すべきでもございません。日韓両国においてこれを解決する問題でございます。それをとやこう言うことは、まだ日本が占領せられておるぐらいな夢がさめない者の言であると思います。(拍手)
 また、軍事政権より民政移管への過渡期におきましては、いろいろの問題があることを承知しなければなりません。われわれはこの間におきまして、十分なる理解と同情を持って臨むべきであると思います。(拍手)
 私は、何も金鍾泌氏と日韓正常化のスケジュールを話した覚えはございません。その御質問は事実にない御質問でございます。
 また、日韓交渉の成果は、民政移管の前後を問いません。私は、あせらず、粘り強く、誠意を持って交渉を進めていく考えでございます。(拍手)
 なお、大平外務大臣のとった措置は、即私の措置でございまして、私が全部責任を負います。(拍手)従って、大平外務大臣を罷免する考えは毛頭ございません。(拍手)
 また、韓国内のことについていろいろお話がございましたが、他国政府の代表を――事実あるなしはわからず、私の想像では事実ではないと思いますが、他国政府の代表を誹謗することは、良識ある政治家の言とは思えません。(拍手)
  〔国務大臣大平正芳君登壇〕
#11
○国務大臣(大平正芳君) 第一点の自主外交につきましては、私は内外のいずれの圧力にも屈することなく、友情と誠実を旨といたしまして外交に当たっておるものでございます。隣国である韓国に友情と理解を持つことができなくて、はたして他のアジアの新興諸国の友情にこたえることができるでございましょうか。(拍手)私は、常にその点を念慮に置きまして、外交に当たっておるものでございます。
 韓国の政情につきましては、とかくの評価がございますけれども、軍事政権が内外に公約いたしました民政移管の方向に苦悶を重ねておるものと私どもは見ておるわけでございまして、今総理が言われました通り、友情と理解を持ち続けなければならないと思うものでございます。
 それから、私といたしましては、韓国の政情がいかんにございましても、両国民の間に正常化への願望が存する限り、その願望を背景にいたしまして、どの瞬間においても国交正常化の道はいかにあるべきかということを究明し、それに努力することは私の当然の責任であると思います。(拍手)
 それから、金鍾泌氏の入国願書には、渡航目的は西独訪問の途中立ち寄りと相なっております。今、入国管理法令によりまして差しつかえないと認めてこれを許可いたしました。(拍手)
#12
○議長(清瀬一郎君) 岡田春夫君から再質問の申し出がありますから、これを許します。岡田春夫君。
  〔岡田春夫君登壇〕
#13
○岡田春夫君 ただいま総理大臣並びに外務大臣から御答弁をいただきましたけれども、きわめて不満足であります。
 先ほどの総理大臣の答弁によりましても、交渉妥結は民政移管前か移管後においてかわからない。慎重に急いでやるという、このようなあいまいな態度を明らかにしておる。これは池田内閣が、昨年において日韓交渉を進めようとした熱意をすでに失っていることを現わしている。(拍手)私たちは、こういう点からいっても、直ちに池田内閣が日韓会談の交渉を即時打ち切るように重ねて要求をいたしたいと思います。
 第二の点は、いわゆる黒い疑惑の問題についてでありますが、池田総理は、金鍾泌にそのようなことがないと思うがと、このように言われた。しかし、池田さん御存じのように、韓国の中央情報部においてそのような事件があるということを明らかにしておる。韓国でさえその事実があるといっているのに、なおかつ、池田さんが金鍾泌を守らなければならないという理由が一体どこにあるのか。(拍手)しかも、西独訪問の過程において日本に立ち寄ったと言っているが、この間に政府・自民党の関係で会うのか会わないのか、この点についても何ら答弁をしておらない。こういう点は、金鍾泌に対する態度が黒い疑惑の男としてこれを見るのではなくて、何か特別の関係にあるかのごとき人物として見ているところに、われわれは、ますます疑惑を抱かざるを得ない原因がある。(拍手)これらの点については、きょうはあらためて具体的な例をあげて私はやりません。いずれ近いうちに予算委員会において、池田総理並びに関係大臣の御出席をいただいて徹底的にこの点を明らかにいたしたいと思います。(拍手)
  〔国務大臣池田勇人君登壇〕
#14
○国務大臣(池田勇人君) ただいまお答え申し上げた通り、日韓交渉はあせらず、まじめに進めていくことを再度申し上げておきます。
 また、他国の代表がその国内で起こったいろんな事実を知らない私が、日本政府代表としてとやこういうことを聞くこともどうかと思います。言うべき筋合いのものではございません。(拍手)
  〔国務大臣大平正芳君登壇〕
#15
○国務大臣(大平正芳君) 金鍾泌氏からはただいままでのところ、当方に会見の申し入れがございませんが、もしございました場合には、よく検討してみるつもりでございます。(拍手)
#16
○議長(清瀬一郎君) 以上をもって緊急質問並びにこれに対する答弁は終わりました。
     ――――◇―――――
 日程第一 木船再保険法の一部を
  改正する法律案(内閣提出、参
  議院送付)
#17
○議長(清瀬一郎君) 日程第一、木船再保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#18
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。運輸委員長木村俊夫君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔木村俊夫君登壇〕
#19
○木村俊夫君 ただいま議題となりました木船再保険法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、本案の趣旨並びに概要を御説明申し上げますと、現行法は、昭和二十八年に制定されたものでありますが、これが施行以来の事業成績は年々好調で、毎年度剰余金を生じておる状況であります。これら利益金は、木船船主の保険料から生じたものでありまして、これを木船船主に還元することが最も望ましいのであります。
 しかるに、現行法には、利益還付金の規定がありませんので、同法を改正して、木船再保険特別会計に利益を生じた場合には、一定額の積み立てを行ない、損失の補てんを行なった後なお残余があるときに限り、これを木船相互保険組合に対して還付することができるように改めようとするものであります。
 本案は、一月二十四日本委員会に予備付託となり、二月十五日政府より提案理由の説明を聴取し、同月二十日本付託となり、同月二十二日質疑を行ないましたが、その内容は会議録により御承知願います。
 かくて、同日、討論を省略し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案通り可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#20
○議長(清瀬一郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告の通り可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とオーストリア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第三 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件
 日程第四 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュージーランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件
#22
○議長(清瀬一郎君) 日程第二、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国とオーストリア共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件、日程第三、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国政府との間の条約の締結について承認を求めるの件、日程第四、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とニュー・ジーランドとの間の条約の締結について承認を求めるの件、右三件を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#23
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。外務委員会理事正示啓次郎君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔正示啓次郎君登壇〕
#24
○正示啓次郎君 ただいま議題となりました三つの租税条約の締結について承認を求めるの件につきまして、外務委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 政府は、従来から関係の深い諸国との間に所得に対する二重課税防止のための条約の締結について努力して参りましたが、このたび連合王国、オーストリア、ニュー・ジーランドの三カ国との間に交渉が妥結し、連合王国とは昨年九月四日東京において、オーストリアとは一昨年十二月二十日ウィーンにおいて、また、ニュー・ジーランドとは本年一月三十日ウエリントンにおいて、それぞれ条約に署名を行なったのであります。
 これらの条約の内容はほぼ同様でありまして、企業の産業上または商業上の利得の課税基準、船舶及び航空機の運用によって取得する利得に対する租税の免除または軽減、配当所特等の課税限度、自由職業その他役務報酬に対する課税方式、教授、留学生、短期旅行者等に対する租税免除について規定し、また、二重課税排除の方法、租税上の内国民待遇の相互供与等についても規定しております。
 これらの条約を締結することにより、わが国とこれら三国との間の経済、学術、文化の各面にわたる交流が一そう促進されるものと期待される次第であります。
 連合王国及びオーストリアとの間の条約は一月二十九日、ニュー・ジーランドとの間の条約は二月十四日、それぞれ本委員会に付託されましたので、政府から提案理由の説明を聞き、質疑を行ないましたが、詳細は会議録により御了承を願います。
 かくて、二月二十二日、右三件についての質疑を終了し、討論を省略して採決を行ないましたところ、右三件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。
 右、御報告いたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#25
○議長(清瀬一郎君) 三件を一括して採決いたします。
 三件は委員長報告の通り承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#26
○議長(清瀬一郎君) 起立多数。よって、三件は委員長報告の通り承認するに決しました。
     ――――◇―――――
 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
#27
○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、右三案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#28
○議長(清瀬一郎君) 草野一郎平君の動議に御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#30
○議長(清瀬一郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長永山忠則君。
  〔議長退席、副議長着席〕
    ―――――――――――――
  〔報告書は会議録追録に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔永山忠則君登壇〕
#31
○永山忠則君 ただいま議題となりました三法案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。詳細は会議録によって御承知願うことといたしまして、以下、簡単に要点のみを申し上げます。
 まず、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案は、昨年八月十日付の人事院勧告の通りに、俸給表、期末手当、勤勉手当、宿日直手当の改定を行なうとともに、暫定手当の支給につきましても、三十六年十二月十四日付人事院勧告通り改定を行なおうとするものでございまして、三十七年十月一日からこれを実施することにいたしておるのでございます。
 次に、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案は、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案の例に準じまして、防衛庁職員の俸給月額の改定等を行なおうとするものでございます。
 次に、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、特別職の職員につきましても、一般職との均衡を考慮いたしまして、その俸給月額等に所要の改定を行なおうとするものでございます。
 以上三法案は、一月二十二日本委員会に付託となり、二月十九日、提案理由の説明を聴取いたしました後、直ちに質疑に入り、二月二十六日、質疑を終了いたしましたところ、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案並びに防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案に対しましては、俸給の改定増額分が最低月額千五百円の増額となるよう俸給月額の一部を改める等の自民、社会両党共同提案にかかる修正案が提出されまして、藤原委員より趣旨説明がなされ、続いて、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案に対しましては、旧号俸が教育職俸給表(二)の二等級の二十二号俸から三十五号俸までの職員については、切りかえに伴う三カ月の短縮措置を六カ月に改める旨の自民党提案にかかる修正案が提出されまして、伊能委員より趣旨説明がなされた後、右給与三法案並びに各修正案を一括議題として討論に入り、岡崎委員は自由民主党を、田口委員は日本社会党を代表して、各修正案並びに原案にそれぞれ賛成の意見を表明され、受田委員は民主社会党を代表いたしまして、各修正案並びに原案に反対の意見を表明されました後、採決に入り、一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律案並びに防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案は、いずれも多数をもって各修正案の通り修正議決すべきものと決し、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、多数をもって原案の通り可決すべきものと決した次第でございます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#32
○副議長(原健三郎君) 三案を一括して採決いたします。
 三案中、特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の委員長の報告は可決、他の二案の委員長の報告はいずれも修正であります。三案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#33
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告の通り決しました。
     ――――◇―――――
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
#34
○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#35
○副議長(原健三郎君) 草野一郎平君の動議に御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
    ―――――――――――――
 さて、両案は、去る二月八日法務委員会に付託せられ、二月十九日法務大臣より提案理由の説明を聴取したのでありますが、本日、質疑を終了し、討論に付しましたところ、日本社会党より反対の討論があり、次いで、両案を一括して採決いたしました結果、両法案はいずれも多数をもって政府原案通り可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#37
○副議長(原健三郎君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#38
○副議長(原健三郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告の通り可決いたしました。
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 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案(議院運営委員長提出)
#39
○草野一郎平君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、議院運営委員長提出、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案は、委員会の審査を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
#40
○副議長(原健三郎君) 草野一郎平君の動議に御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
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    ―――――――――――――
#42
○副議長(原健三郎君) 提出者の趣旨弁明を許します。議院運営委員長佐々木秀世君。
  〔佐々木秀世君登壇〕
#43
○佐々木秀世君 ただいま議題となりました国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明申し上げます。
 この法律案は、今般の特別職の職員の給与改定に伴い、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律及び国会議員の秘書の給料等に関する法律に所要の改正を行なうものでありまして、第一に、国会議員の期末手当について、その支給日に在職しない者でも、その日前一月以内に退職または死亡した者には、期末手当を支給することとし、第二に、国会議員の秘書の給与について、その給料月額三万二千七百円を三万五千九百円に増額するとともに、期末手当及び勤勉手当について、政府職員の給与法改正と同様の改正を行なうものであります。
 なお、との法律は、公布の日から施行し、昭和三十七年十月一日から適用することといたしております。
 本法律案は、議院運営委員会において起草、提出したものであります。何とぞ御賛同下さるようお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#44
○副議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
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#46
○副議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時四分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  池田 勇人君
        法 務 大 臣 中垣 國男君
        外 務 大 臣 大平 正芳君
        大 蔵 大 臣 田中 角榮君
        運 輸 大 臣 綾部健太郎君
        国 務 大 臣 川島正次郎君
        国 務 大 臣 大橋 武夫君
        国 務 大 臣 志賀健次郎君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 林  修三君
        総理府総務庁長
        官       徳安 實藏君
        外務省アジア局
        長       後宮 虎郎君
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ソース: 国立国会図書館
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