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1962/06/21 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 本会議 第36号
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1962/06/21 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 本会議 第36号

#1
第043回国会 本会議 第36号
昭和三十八年六月二十一日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第三十三号
  昭和三十八年六月二十一日
    午後二時開議
 第一 長雨等による農作物等の被害に対する緊
  急措置に関する決議案(大久保武雄君外十名
  提出)
    (委員会審査省略要求案件)
 第二 職業安定法及び緊急失業対策法の一部を
  改正する法律案(内閣提出)
 第三 法務省設置法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 第四 中小企業基本法案(内閣提出)
 第五 中小企業指導法案(内閣提出)
 第六 中小企業信用保険法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 第七 中小企業等協同組合法等の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
 第八 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正
  する法律案(内閣提出)
 第九 地方行政連絡会議法案(内閣提出)
 第十 甘味資源特別措置法案(内閣提出)
 第十一 沖繩産糖の政府買入れに関する特別措
  置法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 長雨等による農作物等の被害に対す
  る緊急措置に関する決議案(大久保武雄君外
  十名提出)
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明につい
  ては十五分質疑答弁討論その他については十
  分とするの動議(竹山祐太郎君外二十二名提
  出)
 衆議院議長清瀬一郎君不信任決議案(島上善五
  郎君外四名提出)質疑終局の動議(竹山祐太
  郎君外二十二名提出)討論終局の動議(竹山
  祐太郎君外二十二名提出)
   午後七時七分開議
#2
○議長(清瀬一郎君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 長雨等による農作物等の被害に対する緊急措置に関する決議案(大久保武雄君外十名提出)
    (委員会審査省略要求案件)
#3
○議長(清瀬一郎君) 日程第一は、提出者より委員会の審査省略の申し出があります。右申し出のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。
 日程第一、長雨等による農作物等の被害に対する緊急措置に関する決議案を議題といたします。
    ―――――――――――――
長雨等による農作物等の被害に対する緊急措置に関する決議案
右の議案を提出する。
昭和三十八年六月十三日
提出者
大久保武雄 秋山 利恭
細田 吉蔵 古川 丈吉
田中 正巳 稲葉 修
川村 継義 岡本 隆一
角屋堅次郎 佐野 憲治
玉置 一徳
賛成者
安倍晋太郎外三百九十六名
―――――――――――――
長雨等による農作物等の被害に対する緊急措置に関する決議案
  四月下旬からの長雨は、気象台創設以来の降水日数となり、九州、四国、中国、近畿及び東海地方をはじめきわめて広範囲におよび、農作物等にじん大な被害を与えている。また、五月下旬の埼玉、群馬、栃木県下における突風及び降ひよう等による農作物等の被害もじん大である。特に、収穫前にある麦作をはじめ、そ菜、なたね、果樹、大麻及び養蚕業等の被害は壊滅的である。
  よって政府は、すみやかに被害の実態をは握するとともに、積極的に次の措置を講じ、被害農業者の救済に遺憾なきを期すべきである。
 一 共済金の早期仮払いを行なうとともに、損害評価に当たつては、政府買入れ対象外の麦につき異常災害にかんがみ、特段の配慮を行なうこと。
  なお、三十八年産米の予約概算金の早期支払いを行なうこと。
 一 天災融資法をすみやかに発動し、被害農家に対し、災害の実態に即応し、償還期限の延長、貸付限度の拡大、低金利の適用等貸付条件の緩和を図ること。
  また、自作農維持資金については、今回の災害分として追加配分を行なうとともに、その融資の迅速円滑化を図り、災害の実態に即応し弾力的な適用を図ること。
 一 被害農家に対し、種苗等の生産資材の購入につき適切な助成の措置を講ずるとともに、政府手持ち飼料の売渡しを行なう等飼料の確保に万全を期すること。
 一 被害農家に対し、国税、地方税の減免等の措置を講ずるとともに、被害地方公共団体に対し、つなぎ融資のあつせん、特別交付税の増額及び地方債の重点的配分を行なうこと。
 右決議する。
#5
○議長(清瀬一郎君) 提出者の趣旨弁明を許します。大久保武雄君。
    〔大久保武雄君登壇〕
#6
○大久保武雄君 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党を代表しまして、ただいま議題となりました長雨等による農作物等の被害に対する緊急措置に関する決議案につき、趣旨弁明を行なわんとするものであります。
 まず最初に、決議案の案文を朗読いたします。
   長雨等による農作物等の被害に対する緊急措置に関する決議案
  四月下旬からの長雨は、気象台創設以来の降水日数となり、九州、四国、中国、近畿及び東海地方をはじめきわめて広範囲におよび、農作物等にじん大な被害を与えている。また、五月下旬の埼玉、群馬、栃木県下における突風及び降ひよう等による農作物等の被害もじん大である。特に、収穫前にある麦作をはじめ、そ菜、なたね、果樹、大麻及び養蚕業等の被害は壊滅的である。
  よって政府は、すみやかに被害の実態をは握するとともに、積極的に次の措置を講じ、被害農業者の救済に遺憾なきを期すべきである。
 一 共済金の早期仮払いを行なうとともに、損害評価に当たつては、政府買入れ対象外の麦につき異常災害にかんがみ、特段の配慮を行なうこと。
  なお、三十八年産米の予約概算金の早期支払いを行なうこと。
 一 天災融資法をすみやかに発動し、被害農家に対し、災害の実態に即応し、償還期限の延長、貸付限度の拡大、低金利の適用等貸付条件の緩和を図ること。
  また、自作農維持資金については、今回の災害分として追加配分を行なうとともに、その融資の迅速円滑化を図り、災害の実態に即応し弾力的な適用を図ること。
 一 被害農家に対し、種苗等の生産資材の購入につき適切な助成の措置を講ずるとともに、政府手持ち飼料の売渡しを行なう等飼料の確保に万全を期すること。
 一 被害農家に対し、国税、地方税の減免等の措置を講ずるとともに、被害地方公共団体に対し、つなぎ融資のあつせん、特別交付税の増額及び地方債の重点的配分を行なうこと。
 右決議する。
  〔拍手〕
以上であります。
 本年四月下旬から降り始めました長雨は、関東以西の各地方において、気象台創設以来の降雨日数を示し、五月中においては、雨天の日二十五日という記録的な長雨となったのであります。また、日照時間も非常に少なく、はなはだしいところでは、一日平均わずかに二時間しか日がささないという、異常なところもあったのであります。加うるに、平均気温が高かったため、いわゆる高温多湿の気象となり、その結果、麦作は登熟の初期から湿害にかかり、過去において例を見ないほどに赤カビ病が蔓延し、ほとんど全滅に近い被害を受けたところが多いのであります。多くの農家が汗を流して育ててきた麦を、穂のついたまま石油をかけて焼き捨てている実情を見るにつけても、いかにも愛するわが子のしかばねをみずから焼くといった悲しみにひとしく、営々として耕作にいそしんだ農民の心中まことに察するにあまりあるものがあります。麦に限らず、なたね、野菜、果樹等の被害もまた甚大であります。
 これらの農作物の被害額は、六月十日までの報告で、すでに麦が四百六十三億円、野菜百九億円、なたね三十一億円、果樹五十八億円、その他七十五億円、合計七百三十六億円の巨額に達していますが、その後なお不順な天候が続いており、今後の調査の進むにつれ、被害額がさらに大幅に増額するものと予想されるのであります。
 また、被害発生地域は、九州、四国、中国をはじめ、近畿、東海地方にわたって、二十数府県にわたり、被害面積百四十五万町歩に及ぶという広範なものであり、被害農家の戸数もおそらく何百万戸という数に達するものと思われます。
 この長雨被害のほか、本年五月下旬には、埼玉、群馬、栃木の三県下にわたって、突風、雷雨を伴う降ひょうがあり、農作物、養蚕等に数十億円の被害を与え、人命、建物等にも相当の損傷のあったことは御承知のとおりであります。
 本年初めには、全国的に未曾有の豪雪害、冷害に襲われ、その傷あとのまだなまなましい今日、それを追い打ちするかのように空前の長雨被害を受けたことは、まことに悲惨の極であるというほかはありません。(拍手)粒々辛苦を重ねて育てあげてきた農作物が、収穫期を前にして全滅の悲運にあうことは、被害農家にとっては絶望的であり、自殺者も出ているありさまで、全く泣くにも泣かれぬ痛手であると思うのであります。まことにお気の毒にたえず、同情のことばもない次第であります。(拍手)
 今回の長雨災害の重要な特徴は、公共災害がほとんどなく、巨額にのぼる被害の全額がすべて農家一人一人の減収となって個人の生活を脅かし、そのふところをえぐっているということであります。このような災害は、農業基本法の意図する農業構造改善に託していた夢を砕き、米麦という農村の収入をささえていた二本の柱の一角がくずれ去ったものであり、苗しろの現状から見た米の収穫の不安と相まって、農村をゆすぶる一つの大きな社会問題として私たちにその解決を迫っているものであります。
 この大災害に対処して政府のなすべき最大の責務は、言うまでもなく、あたたかい愛情をもって迅速かつ適切に復興、救済の手を打ち、被害農家の再起史上を促進するとともに、国民生活に欠くことのできない農作物の生産、供給の確保をはかることであります。そのために必要な措置はいろいろありますが、本決議案に示されている各般の措置は、特に緊急と認められる措置だけであります。従来の災害に際しても、このような対策が常に要望されたのでありますが、今回の長雨等の被害が、その幅においても、深さにおいても、特に甚大深刻であるだけに、これらの緊急措置が徹底的に実行されなければならないと強く信ずるものであります。
 それで、たとえば中心的役割を果たすべき天災融資法の発動に際しても、六分五厘といりたような利子が災害の実情に没わぬことは明らかであります。政府はすみやかに災害地に対して三分五厘の長期低利の融資が広範に行き渡るよう、特別立法の措置をも講ずべきであるとかたく信ずるものであります。(拍手)
 過去の実例を反省してみまするに、政府ができるだけの努力を払ったことは認めるにやぶさかでありませんが、被害の調査査定等に手間どり、ともすれば対策の機を逸し、せっかくの施策が十分実効をあげ得なかった点のあることも否定できません。今回の長雨災害は、単に数百万の被害農家の盛衰をかけた問題であるばかりでなく、農村地帯の中小商工業者の生活を危うくし、さらに物価の騰貴、経済の動向等、国民生活の全般にも影響する一大社会問題であります。何よりも肝要なことは、この認識に立ち、迅速にして、しかも実情に即した対策を勇敢に実行することであります。打ちひしがれた被害者にとっては、盆を控え、あすの千円よりもきょうの百円がよりとうといのであります。しゃくし定木にとらわれることなく、この人情に即した涙ある機宜の対策を推進し、農家の安心感と耕作意欲を回復することこそ政府のとるべき態度であり、責任であると確信するものであります。(拍手)
 この趣旨において政府は本決議案の措置に万全を期するだけでなく、その他必要と認められる恒久の対策についても遺憾のないよう善処すべきであると思うのであります。
 また、被害を受けられた気の毒な農民の方々に対しましては、心からお見舞いを申し上げるとともに、これらの方々が不擁不屈の意気をもって再起に全力を尽くされ、一日も早く立ち直られんことを心から期待する次第であります。
 以上が、本決議案を提案する趣旨であります。何とぞ全員の御賛成あらんことを望むものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#7
○議長(清瀬一郎君) 討論の通告がありますから、これを許します。川村継義君。
    〔川村継義君登壇〕
#8
○川村継義君 私は、自由民主党、日本社会党並びに民主社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました長雨等による農作物等の被害に対する緊急措置に関する決議案に対し、賛成の意見を申し述べたいと存じます。
 ただいま提案者大久保議員より述べられました趣旨は、今次農作物災害に対するいずれも緊急を要する措置のみでありまして、もはや一刻の猶予も許されないものだと思うのであります。異常な長雨、旋風及び降ひょう等により甚大な被害をこうむった農民が、今日精神的苦痛に耐え、はかり知れない経済的苦境に立っていることは、政府といえどもすでに熟知しているところだと存じます。要は、災害対策に行政的責任を持つ政府が、時期を失せず、すみやかに適切な措置を講じて、被害を受けた農民の精神的、経済的打撃を救済し、農業生産に対する勇気と希望を持たせ、かつ、広く民生を安定させることにあると痛感するものであります。(拍手)
 私は、異常な今次災害の深刻さに思いをいたし、農民の窮状を察するとき、政府は調査統計待ちというような態度をもって今日までじんぜん日をむなしゅうしているがごとき感を禁じ得ないものであります。(拍手)
 本院は、さきに両度の本会議において、すなわち、北関東三県にまたがるひょう害に関しては五月三十一日、長雨による農産物の被害に関しては六月七日、それぞれ与野党代表の緊急質問を行ない、政府にその施策をただしたのでありますが、その後両災害に対して政府の対策が遅々として進まず、本日この緊急決議案が本院に上程されることになったというととは、まことに遺憾にたえないところであります。(拍手)私は、政府が災害対策に対する反省と、本決議案上程の趣旨に基づいて、十全なる行政責任の実をあげるよう、まずもって強く要望するものであります。(拍手)
 五月下旬、埼玉、群馬、栃木三県を襲った旋風及び降ひょうの被害は、死傷者二百数十名、建物の被害七千四百棟、農作物の被害面積は三万三千ヘクタール、被害総額三十数億円にのぼるといわれております。九州、四国、中国を中心とする関東以西の長雨による農作物等の被害総額は、今日判明しているだけでも七百億円以上にのぼるといわれるのであります。まことに憂慮にたえないものがあります。私も先般九州地区数県の被害状況を視察いたしましたが、麦、なたねをはじめ、野菜、豆類、バレイショに至るまで、甚大な被害を受けております。六月一日現在で九州農政局が集計いたしました被害額は二百八十一億にのぼり、さらに被害額増加の傾向を指摘しておりましたが、六月十日現在判明いたしました被害は、四百二十億をこえる驚くべき被害額となったのであります。
 その原因である四月から五月にかけて降り続いた長雨を測定した記録を、五月について見ますと、降雨量において、過去の最大降水量年次に比べて百五十ミリから二百ミリ多く、過去の平均降水量の約三倍、過去の同月大災害時における降水量をはるかに上回る雨量を記録しておるのであります。したがって、日照量も少なく、五月中の晴天わずかに五日間でありまして、過去三十年間の平均日照量の三分の一に及ばないのであります。湿度またきわめて高く、気温また平年に比べてはるかに高く、有史以来といわれる天候異変をあらわしたのであります。それがため、麦類は、幼穂おくれ、出穂おくれを来たしまして、成熟不良となり、加えて赤サビ病の発生を見、根腐れ、枯れうれの惨状を呈するに至りました。
 私は視察途上において、被害減収量九〇%以上と推定される惨たんたる麦田を、半歳にわたる営農の労苦とともに焼き払っている農民の姿を至るところに見受けました。まことに農民の苦衷察するにあまりあるものがあります。(拍手)政府が奨励してやまないなたねは菌核病におかされ、あるいは低湿地のものは特に根腐れひどく、これまた八〇%の減収といわれております。地下茎の肥大期にあったバレイショはもちろん、豆類及びキュウリ、トマトの果菜類、タマネギ等の根菜類、キャベツの葉菜類に至るまで、蔬菜類の被害もはなはだしく、被害額四十数億円と統計は示しておるのであります。長雨によるこれら農作物被害は、四国、中国等もほとんど九州と同様の惨状であります。その被害総額を全地域に見るならば、優に七百三十億円となるのでありまして、いまなお続く不良天候が稲作に及ぼす影響を考えるとき、暗たんたるものがあるのであります。ここに適切な実効あるきめこまかな対策をすみやかに講じなかったならば、事は単に農業被害者だけの問題にとどまらない社会問題を惹起するのではないかと思うのであります。(拍手)
 関東三県の降ひょう被害地域の惨状は、すでに本院においても明らかにされたところでありますが、蔬菜、麦、桑、果樹、大麻等の農作物と農業用施設に壊滅的な打撃を受けた農民の中には、ついに生産意欲を喪失して離農の決意を余儀なくされた者を出すに至ったと聞くに至りました。まことに遺憾しごくであります。農業経営に生きがいを見出すことができず、離農する青年層、日本農業の危機が叫ばれてからすでに久しい。いま、この農業災害対策に怠慢、不十分であったならば、わが国農業は崩壊するやもはかりしれない危険さえ感ずるものであります。(拍手)
 本決議案にうたわれました四項目の対策措置は、現行法のもとにおいても実行可能な、緊急を要する措置のみでありまして、これはまた被害者農民が当面強く実現を期待いたしておるものであります。
 今日、農業労働力の不足、近代化に伴う生産資材の拡充等、生産費の高騰に比べて、収入、所得の低さは、ますます農業経営を困難にしておりますが、時不運にもこの異常災害であります。農民はきょうあすの生活をどう切り抜けるか、稲作を中心にする次期営農資金をいかにするかに直面し、苦悩しているのであります。したがって、損害評価を適切、有利にして、共済金を早期仮払いすることも、三十八年産米の予約概算金を早急に支払うことも、種苗等の出産資材購入に助成の道を講ずることも、飼料の確保に万全を期することも、当然でありまして、遷延を許さないことのみであります。さらには、天災融資法を発動して貸し付け低金利の条件を整え、自創資金ワクの追加並びに弾力的な適用をはかることは、ともに緊急を要することであります。御承知のとおり、被害地市町村は、農民の窮状に対処するため、乏しい財政の中から、つなぎ融資のあっぜん、利子補給等の措置を進めておりますが、これまた政府は、これら地方公共団体に対する財政措置をはからねばならないのであります。すなわち、地方公共団体の災害対策に伴う財政支出、地方税減収に伴う財源補てん、これらに遺漏ないよう。地方交付税の増額をはかるなどの措置を明確にして、一そう地方公共団体の善処を促すべきであります。
 最後に申し上げたいと存じます。
 本年は災害頻発の年だと予測されております。降り続く長雨による農作物の被害は全国的に拡大しつつあります。冷害、豪雨の災害も憂慮されます。やがて台風季を迎えるのでありますが、政府の災害対策は一体どうなのか。災害対策基本法の成立は第三十九国会でありましたが、それは一体生きているのか。中央防災会議はいかなる方針、基本計画を樹立しているのか。政府の災害対策の現状はまことに心細い限りであります。
 私は、ここに本決議の早急な実現を期待し、災害対策全般に対する政府の決意と善処を促し、賛成の討論を終わります。(拍手)
#9
○議長(清瀬一郎君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○議長(清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は満場一致可決いたしました。(拍手)
 この際、農林大臣から発言を求められております。これを許します。農林大臣重政誠之君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔国務大臣重政誠之君登壇〕
#11
○国務大臣(重政誠之君) ただいま長雨等による農作物等の被害に対する緊急措置に関する決議がございましたが、政府といたしましては、決議の御趣旨を尊重いたし、被害農家の救援と農業再生産の確保のため、全力をあげて対処いたし、緊急措置の迅速な実現に万遺憾なきを期する所存でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議(竹山祐太郎君外二十二名提出)
#12
○副議長(原健三郎君) 竹山祐太郎君外二十二名から、本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議が提出されました。
 本動議は記名投票をもって採決いたします。
 竹山君外二十二名提出の動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
#13
○副議長(原健三郎君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#14
○副議長(原健三郎君) 投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票願います。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに投票願います。
    〔投票継続〕
#15
○副議長(原健三郎君) あとがつかえておりますから、すみやかに御投票願います。――すみやかに投票せられんことを望みます一すみやかに投票せられんことを望みます。――すみやかに投票せられんことを重ねてお願い申し上げます。――すみやかに投票願います。――急いで投票せられんことを望みます。すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。
    〔投票継続〕
#16
○副議長(原健三郎君) ただいまから五分以内に投票せられるよう望みます。その時間内に投票されない方は棄権とみなします。――いまだ投票されない方はなるべくすみやかに時間内に投票されるよう望みます。――すみやかに時間内に投票されるよう望みます。
    〔投票継続〕
#17
○副議長(原健三郎君) 残りの時間はあと二分でありますから、すみやかに御投票せられんことを望みます。
    〔発言する者多し〕
#18
○副議長(原健三郎君) 投票権は尊重いたしますから、すみやかに御投票願います。
    〔投票継続〕
#19
○副議長(原健三郎君) 制限時間がまいりました。――投票漏れはございませんか。
    〔投票継続〕
#20
○副議長(原健三郎君) すみやかに御投票願います。――制限時間がまいりましたから、急いで御投票願います。
    〔投票継続〕
#21
○副議長(原健三郎君) 投票権は尊重いたしますから、すみやかに御投票願います。――すみやかに御投票願います。
    〔投票継続〕
#22
○副議長(原健三郎君) 投票漏れはございませんか。――急ぎ投票を願います。大急ぎで……
    〔投票継続〕
#23
○副議長(原健三郎君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
    〔議場開鎖〕
#24
○副議長(原健三郎君) 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#25
○副議長(原健三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 三百二十二
  可とする者(白票)    二百
  〔拍手〕
  否とする者(青票)  百二十二
  〔拍手〕
#26
○副議長(原健三郎君) 右の結果、本日の議事における発言時間は、趣旨弁明については十五分、質疑、答弁、討論その他については十分とするに決しました。(拍手)
    ―――――――――――――
  竹山祐太郎君外二十二名提出発言時間制限の動議を可とする議員の氏名
      安藤  覺君    相川 勝六君
      逢澤  寛君    愛知 揆一君
      青木  正君    赤澤 正道君
      秋田 大助君    秋山 利恭君
      足立 篤郎君    天野 公義君
      綾部健太郎君    荒木萬壽夫君
      有田 喜一君    井出一太郎君
      井原 岸高君    井村 重雄君
      伊藤 五郎君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    飯塚 定輔君
      池田 清志君    池田 勇人君
      池田正之輔君    一萬田尚登君
      稻葉  修君    今松 治郎君
      宇田 國榮君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    臼井 莊一君
      内海 安吉君    江崎 真澄君
      小川 半次君    小川 平二君
      小澤佐重喜君    小澤 太郎君
      尾関 義一君    大上  司君
      大久保武雄君    大沢 雄一君
      大高  康君    大野 市郎君
      大橋 武夫君    大平 正芳君
      大森 玉木君    岡崎 英城君
      岡田 修一君    岡本  茂君
      加藤 高藏君    加藤鐐五郎君
      賀屋 興宣君    海部 俊樹君
      金子 一平君    金子 岩三君
      金丸  信君    上林山榮吉君
      神田  博君    亀岡 高夫君
      鴨田 宗一君    唐澤 俊樹君
      仮谷 忠男君    川野 芳滿君
      川村善八郎君    菅  太郎君
      簡牛 凡夫君    木村 公平君
      木村 俊夫君    木村 守江君
      北澤 直吉君    久野 忠治君
      久保田円次君    草野一郎平君
      倉石 忠雄君    倉成  正君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小泉 純也君    小枝 一雄君
      小金 義照君    小坂善太郎君
      小平 久雄君    小山 長規君
      纐纈 彌三君    佐々木秀世君
      佐々木義武君    佐藤 榮作君
      佐藤洋之助君    齋藤 憲三君
      坂田 英一君    坂田 道太君
      笹本 一雄君    志賀健次郎君
      始関 伊平君    椎熊 三郎君
      重政 誠之君    正示啓次郎君
      白浜 仁吉君    周東 英雄君
      鈴木 正吾君    鈴木 仙八君
      鈴木 善幸君    園田  直君
      田川 誠一君    田口長治郎君
      田澤 吉郎君    田中 榮一君
      田中 角榮君    田中 正巳君
      田邉 國男君    高橋清一郎君
      高橋  等君    竹山祐太郎君
      舘林三喜男君    谷垣 專一君
      津雲 國利君    津島 文治君
      辻  寛一君    綱島 正興君
      寺島隆太郎君    渡海元三郎君
      徳安 實藏君    床次 徳二君
      富田 健治君    内藤  隆君
      中垣 國男君    中島 茂喜君
      中曽根康弘君    中野 四郎君
      中村 梅吉君    中村 幸八君
      中山 榮一君    永田 亮一君
      灘尾 弘吉君    二階堂 進君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西村 英一君    野田 卯一君
      野原 正勝君    橋本登美三郎君
      長谷川 峻君    濱田 幸雄君
      早川  崇君    原田  憲君
      廣瀬 正雄君    福田 赳夫君
      福田  一君    福永 一臣君
      福永 健司君    藤井 勝志君
      藤本 捨助君    藤山愛一郎君
      船田  中君    古井 喜實君
      古川 丈吉君    保科善四郎君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    本名  武君
      前尾繁三郎君    前田 正男君
      前田 義雄君    益谷 秀次君
      松澤 雄藏君    松田 鐵藏君
      松永  東君    松野 頼三君
      松本 一郎君    松本 俊一君
      松山千惠子君    三池  信君
      水田三喜男君    南好  雄君
      宮澤 胤勇君    村上  勇君
      毛利 松平君    森   清君
      森田重次郎君    八木 徹雄君
      保岡 武久君    柳谷清三郎君
      山田 彌一君    山中 貞則君
      山村新治郎君    吉田 重延君
      米田 吉盛君    米山 恒治君
      早稻田柳右エ門君    渡邊 良夫君
      井堀 繁男君    稲富 稜人君
      受田 新吉君    内海  清君
      春日 一幸君    田中幾三郎君
      玉置 一徳君    西尾 末廣君
      西村 榮一君    本島百合子君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    赤松  勇君
      淺沼 享子君    足鹿  覺君
      有馬 輝武君    淡谷 悠藏君
      井伊 誠一君    井手 以誠君
      猪俣 浩三君    石川 次夫君
      石田 宥全君    石橋 政嗣君
      石山 權作君    板川 正吾君
      稻村 隆一君    緒方 孝男君
      大柴 滋夫君    大原  亨君
      太田 一夫君    岡  良一君
      岡田 利春君    岡田 春夫君
      岡本 隆一君    加藤 勘十君
      加藤 清二君    片島  港君
      勝澤 芳雄君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    川村 継義君
      河上丈太郎君    河野  正君
      木原津與志君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    久保田鶴松君
      久保田 豊君    栗原 俊夫君
      栗林 三郎君    黒田 寿男君
      小林 信一君    小林 ちづ君
      小松  幹君    兒玉 末男君
      五島 虎雄君    佐々木更三君
      佐藤觀次郎君    佐野 憲治君
      坂本 泰良君    阪上安太郎君
      島上善五郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    東海林 稔君
      杉山元治郎君    鈴木茂三郎君
      田口 誠治君    田中織之進君
      田中 武夫君    田邊  誠君
      多賀谷真稔君    高田 富之君
      高津 正道君    滝井 義高君
      楯 兼次郎君    辻原 弘市君
      戸叶 里子君    堂森 芳夫君
      中澤 茂一君    中島  巖君
      中村 重光君    中村 高一君
      中村 英男君    永井勝次郎君
      楢崎弥之助君    成田 知巳君
      二宮 武夫君    西村 力弥君
      野口 忠夫君    野原  覺君
      芳賀  貢君    長谷川 保君
      畑   和君    原   茂君
      原   彪君    日野 吉夫君
      肥田 次郎君    平岡忠次郎君
      広瀬 秀吉君    穗積 七郎君
      細迫 兼光君    堀  昌雄君
      前田榮之助君    松井 政吉君
      松井  誠君    松平 忠久君
      松原喜之次君    三木 喜夫君
      三宅 正一君    武藤 山治君
      村山 喜一君    森島 守人君
      八百板 正君    八木 一男君
      矢尾喜三郎君    安井 吉典君
      安平 鹿一君    柳田 秀一君
      山内  広君    山口丈太郎君
      山口 鶴男君    山崎 始男君
      山田 長司君    山中 吾郎君
      山中日露史君    山花 秀雄君
      山本 幸一君    湯山  勇君
      横路 節雄君    横山 利秋君
      吉村 吉雄君    渡辺 惣蔵君
     ――――◇―――――
衆議院議長清瀬一郎君不信任決議案(島上善五郎君外四名提出)
    (委員会審査省略要求案件)
#27
○副議長(原健三郎君) 島上善五郎君外四名から、衆議院議長清瀬一郎君不信任決議案が提出されました。(拍手)
 本決議案は、提出者の要求のとおり委員会の審査を省略して、議事日程に追加するに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○副議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
 衆議院議長清瀬一郎君不信任決議案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#29
○副議長(原健三郎君) 提出者の趣旨弁明を許します。山花秀雄君。
    〔山花秀雄君登壇〕
#30
○山花秀雄君 私は、日本社会党を代表して、ここに衆議院議長清瀬一郎君の不信任案を提案するものであります。(拍手)
 まず、決議案主文を読み上げます。
   衆議院議長清瀬一郎君不信任決議
  本院は、衆議院議長清瀬一郎君を信任せず。
  右決議する。
  〔拍手〕
 議長は議会運営の全体に責任を負う最高の機関であり、ことに国会正常化をみずから提唱している清瀬議長は、国会正常化について大々丘責任があり、その実現のため挺身努力すべきであります。しかるに、清瀬議長は、今国会の重要法案である職業安定法及び緊急失対法の一部改正法律案及び国民の祝日に関する法律の一部改正法案等、自民党のかってない議会政治無視の暴挙によって行なわれた社会労働委員会及び内閣委員会等の事態を正常なものと認め、政府・与党の言いなりになってこれらの法案の本会議上程に加担した。これはみずから主張した国会正常化をみずから放棄したばかりでなく、議長の職を軽んじたものであります。その責任はまことに重大であります。かかる議長をそのままにして、国会正常な運営はとうてい期しがたいのであります。これが本決議案を提出する理由であります。
 次に、ただいま申し述べました提案の理由について説明をいたします。
 日本国憲法によれば、国会は、国権の最高機関であると規定してありますが、最近の池田内閣及び自由民主党の横暴きわまる多数独裁ぶりによって、その権威は全く地に落ち、国民の大きな失望と不信を買っておるのであります。(拍手)この最大の根源は、一にかかって議長たる清瀬一郎君の責任であるといわなければなりません。すなわち、清瀬議長の自主性のなさ、国の最高機関の議長としての権威のなさは、歴代議長の最たるものであって、国会運営については一々政府や与党自民党の意向を体し、その指示に唯々諾々として服従して恥じるところなく、清瀬議長の態度は、議長みずから国会の権威を失墜せしめているものであります。(拍手)日本国憲法の精神にかんがみ、また民主政治の確立の上から見て、断じて許し得る行為ではありません。(拍手)かつて清瀬議長は、戦前の国会において、世紀の悪法といわれた治安維持法に反対し、気骨ある政治家として名声をはせたことは私もよく存じているところであります。しかるに、次第に権力の座に近づくや、往年の気骨はうせ、ひたすら安易と追従に堕し、今日のごとく歴代議長の中で最も自主性に欠けた最低の議長となり終わっておるのであります。(拍手)国会としてはもちろん、議員清瀬一郎君としても悲しむべきことといわなければなりません。
 特に戦後の変貌ぶりははなはだしく、かつて民主党の憲法調査会会長として、天皇を元首とし、公然たる再軍備を中心とする憲法改悪案を発表して、憲法改悪の世論形成にやっきになって活動したのみならず、みずから提案者となって、昭和三十年六月二十七日、参議院に憲法調査会法案を提案し、今日の憲法調査会法制化の基礎をつくったものであります。このような、政治家として最も反動的な態度を続けてきた人物が、今日名誉あるわが衆議院議長の座にあるということは、日本国憲法と国会の冒涜であるといわなくてはなりません。(拍手)。
 昭和三十五年二月一日、以上のごとき清瀬一郎君の反動政治家ぶりが政府や与党自民党に買われて議長の要職に選ばれたのでありますが、とこから日本政治と国会との特に悲劇的な歴史が開始されたといわなければなりません。しかも、この最も非民主的反動政治家が、国会史上非常に長期にわたってその任にあったということもまた国民にとって不幸なできごとであります。
 清瀬議長の最も反動的、非民主的議長ぶりを発揮したのは、三十四国会、いわゆる安保国会において、日米新安保条約の審議の際にとった清瀬議長の態度であります。この日米軍事体制を強化し、日本を極東の長期軍事基地化してアメリカの防波堤たらしめようとしたあの安保条約に対しては、ありとあらゆる人々、声なき声まで、あげて全国民の反対が巻き起こったのでありますが、この国民世論を全く無視し、アイク訪日に時間を合わせて成立せしめんとした政府の片棒をかつぎ、国会の民主的運営を徹底的にじゅうりんしたのである。しかも、警官隊まで議場に導入し、野党議員を本会議場から締め出し、単独採択を強行した。これはまさに独裁恐怖政治を行なったかつての隣国李承晩政権下の暴挙と何ら変わらない暴政であります。(拍手)日本の国会史上最大の汚点を残したものであります。このできごとが、わが国の国際信用を失墜せしめ、同時に国民の議会政治に対する信頼を失わしめたことは、はかり知れないものがあります。清瀬一郎君が政治家の一人として一片の良心を持ち合わせているならば、いま私から不信任案を出されで数々の積悪を述べ立てられるまでもなく、このときすでにその暴挙を国民に謝し、みずから辞任すべきであったのであります。しかし、少しの反省の色もなく、議長の座に恋々として居すわっておる姿は、あまりにもみじめなものであります。
 しかも、みずからの責任をたなに上げ、その後もしばしば国会の正常化をばかの一つ覚えのごとく繰り返してきておるのでありますが、その厚顔不遜な態度には国民とともに痛憤を感ずるものであります。前回の総選挙以来も、清瀬議長のみならず、政府も与党も国会の正常化を口癖のごとく唱えきているのにもかかわらず、その実を少しもあげ得ず、第三十八国会においては、防衛二法案の審議、農業基本法の審議においては、これまた自民党の単独審議の強行を認めてきたのであります。混乱のまま委員長の発言も聞き取れず、速記録に何らの記載もない状態は、いかに強弁しようとしても、不合理きわまるものであることは、常識的に見て当然のことでありますが、議長はこれを正当なものとして認められてきたのであります。また、その後、政治的暴力行為防止法案、いわゆる政防法が提案されるや、重ねて、強引で非民主的な国会運営を議長みずから繰り返すという暴挙を行なったのであります。かつて治安維持法に反対した法律家清瀬一郎君が、よもや政防法の非民主性、反動性について理解しないはずはないと考えられますが、公正な公述人の意見にも耳をかさず、また、わが党九名の質疑者に対して、いまだ二名の質疑も終わらないうちに、委員室をひそかに変更して、与党単独で行なった採決を有効としているのであります。
 今国会における社会労働委員会の職安法改正案等に対する強行採決の決行も、過去におけるこれら数々の暴挙と全く軌を一にするものでございます。慎重審議を理事会でしばしば確認し、いまだ十分審議を尽くさず、委員長が正当な席にも着かず、発言も聞き取れず、速記録に何ら記載されていない議事は、だれが見ても委員会が存在しない状態であります。すなわち単独審議以前の状態であって、その間わずか一分足らず、この短時間に法案の表題を読み上げて、修正案を提出し、その理由を読み上げ、採決をはかることは、人間わざではとうていできないことであります。物理的にも全く不可能なことであります。この委員会の不存在ということは明々白々たる事実であります。多数を頼んで委員会室に押し入り、ただ手を上げて万歳万歳を叫び、うつろな顔をして逃げ去る社会労働委員長のうしろ姿は、まさに亡国のきざしを認めないわけにはまいりません。(拍手)今日いかなる国家にもあり得ない国会運営の姿であります。しかるに清瀬議長は、これを正当な、法的に正当な議決であると言うに至っては、私は、一切の私情を抜きにして、心からなる憤りを感ずるものであります。(拍手)
 清瀬議長は、おのれの職務の権威とその責任の重大性にかんがみ、委員会不存在というき然たる態度をもし表明されておられたならば、二十日の引き続き行なわれました内閣委員会のごとき不祥事は起き得なかったことであります。わが党の、国会の正常化のために内閣委員会の採決、社労委員会の採決のやり直しをせよという最小限の要求すら拒否して、議長職権で本会議を強行し、これを正当化せんとしているこれらの行為は、まさに与党自民党の民主政治に対する暴力的挑戦に加担したる、ふらちきわまる行為であります。(拍手)およそ議長たる職権の意味すら解する能力のないことを現実に暴露したにすぎません。
 以上のような数々の事実は、清瀬一郎君としてはもはや議長として全く無能力の事実を示したものであります。清瀬議長は、今国会の初めにおいても、国会の正常化を提唱してまいりましたが、その実をあげ得ないばかりでなく、今日のごとき事態を引き起こしたということは、国会正常化を唱える資格をすでに失っていることは言うまでもないことであります。以上の経過から見て、清瀬議長みずから責任を感じ、その職を辞することが、国会正常化の第一歩であります。(拍手)また、清瀬一郎君の長い間の政治家としての晩節を飾るものであると私は考えておるのであります。
 以上、要約して、民主国会に全く不適格な清瀬一郎議長不信任の理由を概略申し述べましたが、満堂の各位におかれましては、民主政治確立のため、国会正常化の一歩前進のため、この私の提案に賛成されんことをお願い申し上げ、私の趣旨弁明にかえるものであります。(拍手)
#31
○副議長(原健三郎君) 質疑の通告があります。順次これを許します。有馬輝武君。
    〔有馬輝武君登壇〕
#32
○有馬輝武君 私は、ただいま上程されました清瀬議長不信任決議案につきまして、提案者に質問いたしたいと思うものであります。(拍手)
 私は、まずこの決議案が提案せられましたことにつきまして、きわめて残念に思うものであります。と申しますのは、今国会は途中で統一地方選挙をはさんで、きわめて静かな国会運営がなされたのであり、議長不信任案が出るなど夢想だにされなかったところであります。このことをもって一般のマスコミは太平ムードと称しているのでありますが、これも社会党の積極的な協力があったればこそ、正常な議会運営を続けることができたのであります。(拍手)例年なら、議会の会期延長の案件は、私ども社会党の反対にあうのが通例でありますが、統一地方選挙によって一カ月の空白があった実情を考慮して、四十五日の会期延長に協力をいたした次第であります。しかるに、去る六月十八日の社会労働委員会及び二十日の内閣委員会その他のたび重なる自民党の暴挙によって、この正常な運営は水泡に帰してしまったのであります。この三日間にわたる自民党の暴挙に対して清瀬議長はいかなる行動をとられたか、提案者にお伺いしたい第一点であります。(拍手)おそらく議長は、不眠不休で正常化のために奔走し、身を挺して自民党の非をいさめたことと思うのでありますが、そういう事実があったかどうか、まず御質問申し上げる次第であります。(拍手)
 私が特にこの点をお聞きしたいのは、永年勤続議員として表彰され、八十歳に手の届く老議長の晩年を、もしささいな理由で不信任するようなことになれば、まことに清瀬議長に対して忍びないと思うからであります。(拍手)万が一、議長が、あの議長公邸でこの三日間漫然と原書などをひもといて無為に過ごしていたとするならば、ゆゆしいことだからであります。極東裁判で、キーナン検事が、清瀬弁護人を指さして、あのわけのわからぬ英語をしゃべっているのはだれだと尋ねた事実など思い起こすのであります。(拍手)
 議院の議長は、きわめて権威の高いものであります。その議長が、三十六年の三十八国会で、政防法における議長のあり方をめぐって、わが社会党から不信任案を提案されたことがあるのであります。わずか二年そこそこで二度も不信任案を突きつけられるような議長は、おそらく世界広しといえども、あまり例を見ないと思うのであります。(拍手)提案者からも説明のありましたように、清瀬議長は、田中反動内閣の手による治安維持法の改悪に対しては、徹底して戦った人であります。また、極東裁判における議長の、あの弁護人としての気魄と博識と人間愛は、まことに精彩を放っておられました。このように気骨のあるオールド・リベラリストが、なぜ提案者が指摘されたように与党の走狗と化してしまったのか、私はまことに理解に苦しむのであります。人も知るごとく、頼議長は、昭和九年以来この国会に籍を置く大長老であります。議会運営のあり方、民主主義のルール、少数政党の意見をどのように尊重すべきかについて、おそらく多くの抱負を持っておられたに違いないと思うのであります。その清瀬議長が、まさに三十八国会の政防法の取り扱いを境として国会の最高権威を与党勢力に売り渡してしまったことに、私はわが国議会制度の重大な危機を感ずるのであります。(拍手)まさに国会法第十九条による議長の権限、院の秩序の保持も、院を代表することも、すべてを放棄したものといわなければなりません。
 わが国を取り巻く情勢は、原子力潜水艦の寄港、F105戦闘爆撃機の配管、あるいは日韓会談の成り行きなど、ひしひしとアメリカの核戦略体制のもとに組み入れられているのであります。わが国の平和と民主主義をぶちこわすこの重大な三年間、清瀬議長が議長の要職にあって反動勢力の忠実な番犬になりつつあることは、おそるべき悲劇といわなければなりません。このように日本を取り巻く情勢と清瀬議長のとっている態度との間には、強い結びつきがあると思うのでありますが、提案者はいかなる判断をしておられるか、お尋ねいたしたく存じます。(拍手)
 第三に私がお尋ねいたしたい点は、清瀬議長の人柄についてであります。清瀬議長がお生まれになったところは、国立公園に指定されている風光明媚な瀬戸内海を望む平和な町と伺っております。この土地の人々はまことに穏やかな性格であり、特に暴力ぎらいで、しんぼう強く話し合いを進める中で豊かな暮らしを築いていこうという人々であります。清瀬議長は、こうした純朴な人々の間にはぐくみ育てられました。いまよわい八十に手が届こうとする清瀬議長は、この不信任決議の論議を聞きながら、深く郷土の人々のまなざしを思い浮かべていられることと思います。その郷土の人々にも、自分たちが選んだ清瀬議長がなぜぶざまな晩年を過ごそうとしているかわかってもらうためにも、清瀬議長の人柄が郷土と国会で二重の性格を持っておる、このよって来たるところはどこにあるのか、提案者、詳しく説明していただきたいと思うのであります。(拍手)
 なお、このことと関連いたしまして、清瀬議長が昨年も列国の議会制度を調査されたのでありますが、この四日間の無為無能ぶりを見るとき、このような旅行など全くむだなことと思われますが、提案者はこれをどのように考えられますか。(拍手)
 また、提案者が御存じの、近年における名議長とその典型的な議長ぶりをあわせてお聞かせいただきたいと存じます。このことが国会正常化の示唆ともなり、また清瀬議長の猛省を促すよすがともなれば幸いであります。
 以上をもって、私の質問を終わります。(拍手)
    〔山花秀雄君登壇〕
#33
○山花秀雄君 有馬議員から質問がございました。私はこれからお答えをしたいと思います。
 御承知のように、政府委員のように部下がおりまして、お答えにお助けをいただくという立場じゃございません。一切が私一人でやっておりますので、もし手落ちがございまして、質問の趣旨に沿い得ないような答弁をいたしました節は、重ねて再質問をお願いしたいと思います。(拍手)
 今度の問題が起きて、議長は議長公邸におられて、原書なんかを引っぱり出してお読みになっておるのではなかろうか、一体何をしたのだ、何もしなかったのではなかろうかというような意味の御質問でございましたが、確かにおっしゃるとおりでございます。私どもは、実は昨日でありました、内閣委員会のあの暴挙のあとに清瀬議長のもとを訪れまして、大体二度、三度というようにこういう事件が波及して次から次に起きるということは、国会正常化のために悲しむべきことであるが、議長は十八日の社労委員会におけるあの事件に対して一体どうお考えになっておるか、また、内閣委員会のきょうの事態についてどうお考えになっておるか、議長は国会の最高権威であるし、常に国会正常化の音頭をとっておられるのだから、これに対処するお考えがあるのではなかろうか、かようお尋ねいたしましたところ、議長は次のように答えられました。私は、祉労委の問題については、法律的に見てこれが正当であると考える、こういう答弁でございます。議長は現場を見られたか、あれはどんな常識で考えても不存在の問題である。本場は見ないけれども、委員長からの報告によってこれを判断した、こう答弁をされておるのであります。あなたは委員長が報告をしたから、それをうのみにしたようなことを言っておられるが、委員長もいい委員長と悪い委員長がある。悪い委員長がときどきインチキな報告をする。これを見抜くのが議長たる役割りではございませんか、とこうたたみかけて問いますと、自分の都合の悪いことはちょっとも彼の耳には入らないのであります。そして都合の悪い問題には、もう黙って、まるでおしかつんぼのような状態でおるというのが現場の事情でございました。私が推察するのに、やはり議長にしていただきました政府や自民党に対して気がねをなすって、何らの策も出ないというのが、この二、三日の議長の動静であったということを御答弁申し上げます。(拍手)
 議長は、その議長の就任中に、今度で二回不信任を受けておる。これは一体どういうことか、議長のためにも悲しむという好意的な質問者の質問でございましたが、大体一回ならず二回、議長が、国会の最高権威であるこの本会議場において不信任を受けるということ自体が、何と申しましょうか、そういう議長であるということをひとつ御答弁申し上げたいと思います。(拍手)
 さらに、議長の生まれたところは風光明媚で非常に純朴な土地であるが、どうしてこういう議長さんがお生まれになったか、こういう質問でございましたが、私は推測いたしますのに、どんな風光明婿なところでございましても、親たちが夫婦円満に仲よく子供をこしらえましても、まあ私の推測によりますと、昔非常に進歩的な家庭でございましたから、当時はあまり飲まなかった催眠薬でもお飲みになりまして鬼子が生まれたのではなかろうかと、かような私は推察をしておるのであります。(拍手)そういうところから国会においては二重人格というような面があらわれてきたのではなかろうかと、私は推察をしておるのでございます。
 また、最後の質問の点でございましたが、近来名議長はいたか、私はおりましたとお答えいたします。私は昭和二十一年から衆議院議員に当選して、もう何年になりますか、長い間入れかわり立会かわり議長さんを知っておりますが、これは自民党からお出になりました議長さんで、益谷秀次さんという方は、なかなか名議長と考えております(拍手)。当時、たぶん御承知と思いますが、小選挙区法という、一般的には鳩山ゲリマンダー法という、こういう悪い法律ができましたときに、こういうことをもしやったならば、ほんとうに民意が代表できる公平な選挙は行なわれないという見地から、自民党、おまえも悪いよ、社会党も少し出過ぎるよ、ほんとうに公平な議事さばきをなすって、名声とみに上がった議長が盆谷議長さんじゃなかろうかと思います。(拍手)
 なお、質問者の意を尽くしたか尽くさなかったかわかりませんが、もし意の尽くせないような点がございましたならば、再質問を承りまして、お答え申し上げたいと存じます。(拍手)
#34
○副議長(原健三郎君) 岡田利春君。
    〔岡田利春君登壇〕
#35
○岡田利春君 私は、ただいま提案…(発言する者あり)議長、ちょっとうるさいです。提案理由の説明がありました衆議院議長清瀬一郎君の不信任決議案に対しまして、提案者に対し、若干の質問を行なわんとするものであります。(拍手)
 私は、昭和二十年十月、北部一七九部隊より家族の疎開先でありました北海道芦別市に復員をし、その後、戦時緊急徴用による勤務地でありました大牟田市三井三池炭鉱に、ほんとうに飲むや食わずで、一週間もの日時を要しまして、ようやくたどりつき、またその後北海道釧路市の太平洋炭砿に転勤になりまして、終戦後の破壊と飢餓と疾病の谷間と化しましたわが祖国を北から南へと行き来をいたしまして、戦争の惨禍をいやというほど体験をいたしたのであります。(拍手)
 当時、一方においては戦争犯罪人が続々と逮捕されまして、その後東京において極東軍事裁判が開かれ、A級戦犯の主任弁護士であった清瀬一郎氏の何ものにも憶しない堂々たる理詰めの弁論を私は聞きまして、強く心に打たれるものがありました。
 しかし、その後第三十四回国会におきまして、日米安全保障条約の改定の批准審議の際に清瀬議長のとりました処置は、みずから国権の最高決議機関である衆議院議長の権威と責任を放棄し、おのれを立てんと欲して衆人を顧みざる者は不仁なりの言葉を地でいった態度は、私の五体に激しい憤りを感ぜしめました。(拍手)
 私は、二十九回総選挙におきまして本院の一議席を占めましたが、第三十八回通常国会における政防法審議の際の議長としての本院の運営を見るに至りまして、議長としてのその議事の運営のまずさ、本院の最高権威者としての政治的判断と行動について、私は、ただただあ然として言う言葉を知りませんでした。(拍手)
 加えて、本国会におきまして、会期末を控え、去る六月十八日の社会労働委員会における社労委員長及び自由民主党議員による無謀な委員会の運営を一方的に合法として容認し、国会正常化を常に口で唱えながら、議長として何らの迅速かつ適切な措置をとらず、さらに、きのうの内閣委員会における暴挙を引き起こし、それでもなお省みざる態度は、私は断じて容認することのできないものであります。
 優柔不断は悪の最大のものの一つであります。清瀬議長の本院における最高権威者としての態度は、まさしく、ただ議長のいすに恋々として、私情をほしいままにする何ものでもなく……
#36
○副議長(原健三郎君) 岡田君、残りの時間がわずかですから、すみやかに論旨を進めてください。
#37
○岡田利春君(続) これは国権の最高機関における最大の悪と私は思うのであります。これらの点につきまして、提案者の説明は時間を制限されてまことに不十分でありましたので、答弁には別に時間の制限がございませんから、十分、詳細、かつ、私は出て間もないのでありますから、親切に説明願いたいのであります。(拍手)
 次に、清瀬議長は、さきに本院において永年勤続議員としての表彰を受けられ、初めて本院に議席を占められましたのは大正九年五月十四日に行なわれました第十四回総選挙と承っておりますから、いまお話のありましたとおり、私がまだ出生する以前から本院の議席を占め、すでに活躍されておられたわけであります。本院におけるまさしく大先輩でございます。
 また、清瀬議長は、昭和三十五年二月一日、本院議長に就任するにあたって、みずから自民党の党籍を離脱し、本院の運営については公平無私の態度を堅持して、議長の権威を高め、議会政治に対する国民の信頼を回復することを内外に明らかにいたしたのであります。(拍手)
 このような長い議員経験を持ち……
#38
○副議長(原健三郎君) 岡田君、制限の時間がまいりましたから、発言の中止を命じます。
    〔発言する者多し〕
    〔岡田利春君発言を継続〕
#39
○副議長(原健三郎君) 岡田君、発言の中止を命じます。
    〔岡田利春君なお発言を継続、降壇〕
    〔山花秀雄君登壇〕
#40
○山花秀雄君 岡田議員の質問にお答えをいたします。
 お答えする前に、有馬議員の質問に、重要な点につきまして……
    〔発言する者多し〕
#41
○副議長(原健三郎君) 静粛に願います。
#42
○山花秀雄君(統) 岡田議員の質問に対しましてお答えを申し上げます。(拍手)
 お答えをする前に、先ほど有馬議員からの重要な質問に答えが一つ欠けておりましたので、この際申し上げたいと思います。(拍手)
 清瀬議長は、極東軍事裁判において、検事さんのほうから非常に英語がへたくそな弁護人だというような話があったが、清瀬議長は英語がたんのうではないかというような質問でございました。確かにひまがございますと、よく本を読んでおられます。その本は、日本文字の本よりも横文字の本を清瀬議長はしょっちゅう読んでおられるのであります。そういう関係で、確かに自分のしゃべった英語が自分の耳に聞こえるときにはたいへんりゅうちょうでございます。(拍手)けれども、他の人に聞こえるときには反比例のような状態でございますので、おそらく検事さんがただいまのようなことを言われたのではなかろうかと思います。
 せんだってアメリカ大使が日本に着任されましたときに、国会の最高権威者、議長としてあいさつをされたそうであります。その場合英語であいさつをいたしましたときに、御承知のライシャワー大使は、私は日本語がへただから英語で話をすると言われたそうであります。まあ大体その程度の英語の上手な方と理解されれば間違いなかろうかと私は考えておる次第であります。(拍手)
 ただいま、岡田議員から、幼少のころの辛酸をなめたつぶさな話がございました。そしてあちこち貧乏と戦いながら放浪生活をして、今日、本院議員になられた岡田議員の身の上話を聞きまして、私はたいへん敬意を表したのであります。(拍手)ただいま質問の中にも、なぜ清瀬議長が不信任案を出されたのだ、どういういきさつでこういうようなことになったか、こういう質問がございましたが、それは私の趣旨弁明に詳しく申し上げておりますので、時間の関係上、答弁は重複いたしますので、趣旨弁明を十分お聞き取りを、後に議事録によってお調べを願いたいと思うのであります。
 次に、こういうことがございました。それは党籍を離脱して無所属になった以上は、公平な議群ざばきをするのが無所属になった理由の一つではないか、こういう質問がございました。おっしゃるとおりであります。しかし、清瀬議長の場合には、党籍を持たれた原副議長よりももっとたちの悪い、表向きカムフラージュの無所属ということに相なっておるのではなかろうかと思うのであります。それは、この議事さばきを見ておりますと、どう考えても、あれが無所属かと言われるようなのが昨今の議事さばきでございます。もっと露骨に申し上げますと、無所属になることによって、おのれの立場を合理化し、本心は与党自民党のあごの先でしょっちゅう使われておるような議事さばき、これが今回不信任の原因の一つになったということを申し上げまして、答弁といたす次第であります。(拍手)
#43
○副議長(原健三郎君) 岡田君から再質問の申し出がありますが、制限時間の残りがありませんから、他日の機会に願います。
    ―――――――――――――
  質疑終局の動議(竹山祐太郎君外
   二十二名提出)
#44
○副議長(原健三郎君) 竹山祐太郎君外二十二名より、質疑終局の動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。竹山祐太郎君外二十二名提出、質疑終局の動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
#45
○副議長(原健三郎君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#46
○副議長(原健三郎君) 通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――通路をふさがないように、すみやかに投票を願います。――すみやかに投票せられんことを望みます。
    〔投票継続〕
#47
○副議長(原健三郎君) いまだ投票されない方は、すみやかに投票されるよう望みます。――すみやかに御投票願います。
    〔投票継続〕
#48
○副議長(原健三郎君) 急ぎ御投票願います。――すみやかに御投票願います。――急ぎ御投票願います。――急ぎ御投票願います。――急ぎ御投票願います。
    〔投票継続〕
#49
○副議長(原健三郎君) ただいまから五分以内に投票されるよう望みます。この時間内に投票されない方は棄権とみなします。――投票権は尊重いたしますから、すみやかに御投票願います。
    〔投票継続〕
#50
○副議長(原健三郎君) 残りの時間はわずかでございますから、すみやかに投票されんことを望みます。――残りの時間はわずかですから、すみやかに投票されんことを望みます。
    〔投票継続〕
#51
○副議長(原健三郎君) 制限時間がまいりました。投票漏れはございませんか。――すみやかに御投票願います。
    〔投票継続〕
#52
○副議長(原健三郎君) 投票漏れはございませんか。――制限時間がまいりましたので、すみやかに投票願います。
    〔投票継続〕
#53
○副議長(原健三郎君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはございませんか。
    〔「ある」と呼ぶ者あり〕
    〔投票継続〕
#54
○副議長(原健三郎君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
    〔議場閉鎖〕
#55
○副議長(原健三郎君) 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#56
○副議長(原健三郎君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 三百二十八
  可とする者(白票)   二百二
  〔拍手〕
  否とする者(青票)   百二十六
  〔拍手〕
#57
○副議長(原健三郎君) 右の結果、質疑は終局するに決しました。
    ―――――――――――――
  竹山祐太郎君外二十二名提出質疑終局の動議を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    安藤  覺君
      相川 勝六君    逢澤  寛君
      愛知 揆一君    青木  正君
      赤城 宗徳君    赤澤 正道君
      秋田 大助君    秋山 利恭君
      足立 篤郎君    天野 公義君
      荒木萬壽夫君    有田 喜一君
      井出一太郎君    井原 岸高君
      伊藤 五郎君    伊藤 郷一君
      伊藤宗一郎君    伊能繁次郎君
      飯塚 定輔君    池田 清志君
      池田 勇人君    一萬田尚登君
      稻葉  修君    今松 治郎君
      宇田 國榮君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    臼井 莊一君
      内田 常雄君    内海 安吉君
      江崎 真澄君    小笠 公韶君
      小川 半次君    小川 平二君
      小沢 辰男君    小澤佐重喜君
      小澤 太郎君    尾関 義一君
      大石 武一君    大上  司君
      大久保武雄君    大沢 雄一君
      大高  康君    大橋 武夫君
      大平 正芳君    大森 玉木君
      岡田 修一君    岡本  茂君
      加藤 高藏君    賀屋 興宣君
      海部 俊樹君    金子 一平君
      金子 岩三君    金丸  信君
      上林山榮吉君    神田  博君
      亀岡 高夫君    鴨田 宗一君
      唐澤 俊樹君    仮谷 忠男君
      川野 芳滿君    川村善八郎君
      菅  太郎君    簡牛 凡夫君
      木村 公平君    木村 守江君
      岸本 義廣君    北澤 直吉君
      久野 忠治君    久保田円次君
      草野一郎平君    倉成  正君
      藏内 修治君    黒金 泰美君
      小泉 純也君    小枝 一雄君
      小金 義照君    小坂善太郎君
      小島 徹三君    小平 久雄君
      小山 長規君    河野 一郎君
      河本 敏夫君    纐纈 彌三君
      佐々木秀世君    佐々木義武君
      佐藤 榮作君    佐藤洋之助君
      佐伯 宗義君    齋藤 邦吉君
      齋藤 憲三君    坂田 英一君
      坂田 道太君    志賀健次郎君
      椎熊 三郎君    重政 誠之君
      篠田 弘作君    正示啓次郎君
      白浜 仁吉君    周東 英雄君
      鈴木 正吾君    鈴木 仙八君
      鈴木 善幸君    瀬戸山三男君
      關谷 勝利君    園田  直君
      田川 誠一君    田口長治郎君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 榮一君    田中 角榮君
      田中 正巳君    田邉 國男君
      高田 富與君    高橋清一郎君
      高橋  等君    竹下  登君
      竹山祐太郎君    舘林三喜男君
      谷垣 專一君    中馬 辰猪君
      津雲 國利君    津島 文治君
      辻  寛一君    寺島隆太郎君
      渡海元三郎君    徳安 實藏君
      床次 徳二君    富田 健治君
      内藤  隆君    中垣 國男君
      中島 茂喜君    中曽根康弘君
      中野 四郎君    中村 梅吉君
      中村 幸八君    中村庸一郎君
      中山 榮一君    灘尾 弘吉君
      楢橋  渡君    二階堂 進君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西村 英一君    野田 武夫君
      野原 正勝君    橋本登美三郎君
      長谷川四郎君    濱野 清吾君
      早川  崇君    林   博君
      原田  憲君    福田 篤泰君
      福永 一臣君    福永 健司君
      藤井 勝志君    藤原 節夫君
      藤本 捨助君    藤山愛一郎君
      船田  中君    古井 喜實君
      古川 丈吉君    保科善四郎君
      保利  茂君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    前尾繁三郎君
      前田 正男君    益谷 秀次君
      松永  東君    松本 一郎君
      松本 俊一君    松山千惠子君
      三池  信君    三木 武夫君
      宮澤 胤勇君    村上  勇君
      毛利 松平君    森   清君
      森下 國雄君    森田重次郎君
      八木 徹雄君    保岡 武久君
      柳谷清三郎君    山田 彌一君
      山中 貞則君    山村新治郎君
      吉田 重延君    米田 吉盛君
      米山 恒治君    渡邊 良夫君
      井堀 繁男君    稲富 稜人君
      内海  清君    春日 一幸君
      佐々木良作君    田中幾三郎君
      西尾 末廣君    門司  亮君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    淺沼 享子君
      有馬 輝武君    淡谷 悠藏君
      井伊 誠一君    井手 以誠君
      猪俣 浩三君    石川 次夫君
      石田 宥全君    石橋 政嗣君
      石山 權作君    板川 正吾君
      稻村 隆一君    緒方 孝男君
      大柴 滋夫君    大原  亨君
      太田 一夫君    岡  良一君
      岡田 利春君    岡田 春夫君
      加藤 勘十君    片島  港君
      勝澤 芳雄君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    川村 継義君
      河上丈太郎君    河野  正君
      木原津與志君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    久保田鶴松君
      久保田 豊君    栗原 俊夫君
      栗林 三郎君    黒田 寿男君
      小林 信一君    小林  進君
      小林 ちづ君    小松  幹君
      兒玉 末男君    五島 虎雄君
      河野  密君    佐々木更三君
      佐藤觀次郎君    佐野 憲治君
      坂本 泰良君    阪上安太郎君
      島上善五郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    東海林 稔君
      杉山元治郎君    鈴木茂三郎君
      田口 誠治君    田中織之進君
      田中 武夫君    田邊  誠君
      多賀谷真稔君    高田 富之君
      高津 正道君    滝井 義高君
      楯 兼次郎君    辻原 弘市君
      坪野 米男君    戸叶 里子君
      堂森 芳夫君    中澤 茂一君
      中島  巖君    中村 重光君
      中村 高一君    中村 英男君
      永井勝次郎君    楢崎弥之助君
      成田 知巳君    二宮 武夫君
      野口 忠夫君    野原  覺君
      芳賀  貢君    長谷川 保君
      畑   和君    原   茂君
      原   彪君    日野 吉夫君
      平岡忠次郎君    広瀬 秀吉君
      藤原豊次郎君    穗積 七郎君
      細迫 兼光君    堀  昌雄君
      前田榮之助君    松井 政吉君
      松井  誠君    松平 忠久君
      松原喜之次君    松前 重義君
      松本 七郎君    三木 喜夫君
      三宅 正一君    武藤 山治君
      村山 喜一君    森島 守人君
      森本  靖君    八百板 正君
      八木 一男君    矢尾喜三郎君
      安井 吉典君    安平 鹿一君
      柳田 秀一君    山内  広君
      山口丈太郎君    山口 鶴男君
      山崎 始男君    山田 長司君
      山中 吾郎君    山中日露史君
      山花 秀雄君    山本 幸一君
      湯山  勇君    横路 節雄君
      横山 利秋君    吉村 吉雄君
      渡辺 惣蔵君    川上 貫一君
      志賀 義雄君    谷口善太郎君
     ――――◇―――――
#58
○副議長(原健三郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。赤澤正道君。
    〔赤澤正道君登壇〕
#59
○赤澤正道君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま提案されました清瀬議長不信任決議案に対し、反対の討論を行なわんとするものであります。(拍手)
 ただいま提案者の御説町を承りますと、今回社会労働委員会において、かねて付託されていた失対法並びに職安法の改正案に対し、委員長がその職権に基づき行なった採決を有効と認め、かつ会期末にあたり、この法案の成立を期してこの本会議を開かれた議長の非常処置について、日本社会党は議長不信任の挙に出ておられるのであります。
 もともと、これらの法案は、二月二十二日社会労働委員会に付託せられ、自来すでに三カ月を経過したものであります。その内容は、職業訓練と就職あっせんによって、失業者の数を減らし、一日もすみやかに完全雇用の達成をはからんとするものであって、世論もまた圧倒的にこの法案を支持しておるのであります。(拍手)しかるに、日本社会党は、その審議をいたずらに引き延ばし、しかも最後には、平穏に審議を進めんとの決意を持って入場した委員長の着席を腕力によってはばむがごとき暴挙に出たことは、その真意那辺にあるのか、失業者をふやすつもりなのかどうか、疑わざるを得ないのであります。(拍手)しかも、かかる非民主的、反議会主義的行為をあえておかしながら、国会混乱の責任を議長に転嫁せんとし、この不信任案を提出するがごときは、国権の最高機関である国会を軽視するもはなはだしく、この混乱の責任はあげて日本社会党にあることを全国民に訴えざるを得ないのであります。(拍手)
 清瀬議長は、三十数年にわたって国会議員として活躍せられ、その高潔なる人格と高邁なる識見とは、国民ひとしくこれを認めるところであって、老躯をひっさげ、わが国議会政治の発展と民主政治の確立に努力せられる姿に対し、われわれは常に尊敬と感謝の念を抱いているところであります。(拍手)いかに党略とはいいながら、この議長を口をきわめて罵倒し、提案者に対する質疑と称して、神聖なる議政壇上において児戯に類する行為を繰り返す日本社会党の態度に深く反省を求め、この決議案に反対をいたすものであります。(拍手)
#60
○副議長(原健三郎君) 楯兼次郎君。
    〔楯兼次郎君登壇〕
#61
○楯兼次郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました議長不信任案に対する賛成の討論を行ないたいと思います。(拍手)
 私が不信任案に賛成をいたしまする第一の理由は、衆議院議長清瀬一郎君は、提案者の説明にもありましたように、戦前は気骨のある自由主義者として、当時はなやかでありました軍国主義的な風潮と敢然と戦い、特に、昭和三年には、田中反動内閣による治安維持法の改悪に反対をして戦ってこられた硬骨の士であったことは、先ほど提案説明者が申し述べたとおりでございます。しかるに、議長に就任してからの清瀬一郎君は、まるで人が変わったごとく自由主義者としての気骨を失っているばかりでなく、衆議院議長として当然持つべき最小限度の自主性をも全く喪失されておるのであります。そして、自民党政府のかいらいと成り下がり、議長として持つべき識見も責任感も失い、いたずらにそのいすに恋々としていることは、清瀬一郎君自身にとって悲しむべきことであるばかりでなく、国会の権威を傷つけるものであり、われわれのとうてい許し得ないところであります。往年の駿馬も年老いてはついにかくのごときかの感を深くいたすのであります。(拍手)
 言うまでもなく、国会は民主主義憲法のもとでは最高の機関であり、この国会が国民の負託にこたえ、正常に運営され、権威を高め、国民の信頼を得ているかいないかは、わが国の政治が正しい方向を示しているかいないかを示す最大の標識であります。しかるに、最近の国会のあり方は、自民党による数の暴力を放任をし、従来の慣行を無視して、与党は副議長、常任委員長を独占し、野党に寄せられました国民の声が正しく国会に反映する態勢を整えていないのであります。これは、国会の正しい運営を確立する努力を怠り、自民党の横車に反省を求めないばかりか、かえって自民党のあやつるままに動いている魂の抜けた清瀬一郎君の責任であるわけであります。(拍手)これが第一の理由であります。
 第二の理由といたしましては、去る昭和三十六年六月七日、清瀬一郎君は次の理由によって不信任案を提出されるに至りました。「衆議院議長清瀬一郎君は、安保国会の責任者でありながら、何ら反省もなく、政防法、農業基本法等の審議において、再三にわたり、自民党の多数横暴に加担し、議会政治を踏みにじった。特に清瀬議長は、議長としての自主性に全く欠け、自民党の指令が出るや、唯々諾々としてこれに屈従して恥じるところがない。かくのごとき清瀬議長のもとでは、正常なる国会の運営はとうてい期しがたく、また一党一派に偏せず、厳正中立を堅持し、き然として議会運営を守るべき光栄ある議長の資格に全く欠けるものがある。」これが当時本決議案を提出いたしました理由でございます。ところが、残念ながらこの不信任案は否決をされたのであります。もし清瀬一郎君に一片の道義心があれば、当然その不明を国民に謝し、議長の職をみずから退くべきものであったと私どもは考えるのであります。それでこそ政治家清瀬一郎氏の名は、わが国国会史上に長く輝かしい光を放ったと思うのであります。しかるに、何らの反省を行なうこともなく、議長のいすに居すわり、今日再び同じあやまちをおかすに至ったことは、言語を越えた全くの醜態であります。かかる議長のもとで国会が正常な運営を確立し、国会の権威を高め得ないことは、けだし当然であるといわなければなりません。(拍手)これが第二の理由であります。
 第三の理由を申し上げます。われわれは敗戦によりまして軍国主義と絶縁し、独占資本を押え、平和で民主的な新国家を築くべく、平和憲法を制定いたしました。国会は当然、以上の国民的念願を達成するよう全力を尽くす責任と義務を持っているものであります。しかるに、最近の国会のあり方は、国民の期待から遠ざかり、軍国主義への復活、独占資本の育成等、あまりにも戦前復帰への波が急激であります。特に池田内閣成立以来、日本はアメリカの極東核戦略の探題として、F105水爆搭載機の国内持ち込み、原子力潜水艦の寄港など、平和と民主主義を根底から破壊する挙に出んとしておるのであります。
 このような情勢に対し、国会不信の高まる中から、国民の一部には議会主義への絶望、かくて議会制民主主義を死地に追いやる風潮が高まってくるであろうことを、われわれはおそれなければならないと思います。その原因をつくるもの、それは多数を頼んで国民の正しい声、切実な訴えを聞こうとしない与党の責任であると同時に、かかる与党の横暴を押え得ない清瀬議長の責任でもあるといわなければなりません。(拍手)
 最近英国の議会で行なわれていますところのいわゆるプロヒューモ事件に関する報道を読んで痛感されましたことは、英国における国会の権威であります。いやしくも国会の権威を傷つけるがごとき行為のあった者は、何人たりとも責任の追及を免れ得ないということであります。すなわち、国会においては一切の虚偽が拒否されるのであります。スキャンダルもさることながら、プロヒューモ前陸相が国会で虚偽の答弁を行なったことが最大の非難を受けておりますことは、国会が国の最高の機関である点から見ましても当然のことであります。
 顧みて、わが国会のあり方はどうであるか。平然として白を黒と言いくるめる論議が多数の名においてまかり通っておるのであります。去る十八日の社会労働委員会、二十日の内閣委員会における法律案審議のごときは、その代表的なものであるといっても過言ではないのであります。(拍手)委員長の片手が上がった瞬間に、長い名前のついた法案が五つも通過するというようなことは、全く気違いざたといわなければならないのであります。(拍手)趣旨説明者が詳しく申し述べましたがごとく、いかなる点から見ましても委員会は存在をいたしておりません。したがって、採決が行なわれなかったことは明々白々であるにもかかわらず、委員長及び自民党議員は衆を頼んで採決が合法的に行なわれたものと強弁し、国民を欺いておるのであります。清瀬議長はかかる暴挙を押えるべき立場にあるにもかかわらず、わが党の抗議を無視し、自民党の圧力に屈し、採決が行なわれたものであるとの立場に立って、本会議を本日開会する暴挙をあえて行なったのであります。これは議会制民主主義をみずからの手によって締め殺さんとする暴挙であり、われわれの断じて許し得ないところであります。(拍手)
 六月十一日、教育行政の権威であるわが党の山中吾郎君は、教科書の無償措置の法律案の反対討論に本演壇に立ちまして、次のような演説を行なったのであります。「法案の致命的欠陥が明らかになっても、政府及び与党は、原案押し通しの筋書きを無反省に進めるにすぎなかった」「強行採決か審議拒否か、物理的圧力か、いずれかの方法によるほか、原案阻止または修正の道なき法案審議の慣行からは、議会主義の正しい発展は望むべくもない」と演説されておるのでありまするが、このことばをよく玩味すべきであろと思うのであります。(拍手)
 以上、四点を申し上げまして、私の不信任動議に賛成の討論を終わりたいと思います。(拍手)
#62
○副議長(原健三郎君) 田中幾三郎君。
    〔田中幾三郎君登壇〕
#63
○田中幾三郎君 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま上程されました衆議院議長清瀬一郎君に対する不信任案に対し、反対の趣旨を明らかにしたいと存ずるものであります。(拍手)
 先ほど申しましたこの決議案の理由を要約するならば、国会正常化についての責任は議長にあり、その責任を怠ったというに集約することができると思うのであります。もちろん国会法第十九条におきましては、各議院の議長は、議院の秩序を保持し、議事を整理し、議院の事務を監督し、議院を代表する職務を有すると規定いたしておるのであります。
 国会の正常化はわれわれのみならず、ひとしく国民が期待しているところであるにかかわらず、これに逆行しているばかりでなく、しかもそれは今国会に始まったことではありません、ここ数年間繰り返されてきておることでありまして、この国会の醜態は、わが国憲政の悲劇でもあり、また喜劇でもあると思うのであります。ことに、ここ数日来における議事の混乱は目に余るものがあります。それでありますから、本院の各会派が議院運営委員会、国会対策委員長会談等、また議長のあっせん等を通じて各常任委員ごとの公式または非公式の話し合いなどによって、あらゆる機会をとらえて議事の正常化をはかってきたことも事実でありますけれども、昨二十日、わが党が国会対策委員長談話をもって発表しましたごとく、この国会の議事の混乱と不正常な動きは、多数を頼んだ自民党による単独審議の強行に原因するととはもちろんでありますけれども、また、これを原因として社会党による実力行使が繰り返されておるものであって、もしくは審議権の放棄によるものであって、まことに憂慮にたえないところでありまして、この事実は単に議長の職責怠慢をもって責めることはできないと思うのであります。(拍手)
 また、国会法の百十六条によりますれば、議員は法律及び議事規則に違い、その他議場の秩序または議院の品位を傷つけない義務をも有しておるのでありますから、国会の正常化は、ひとり議長のみの責任ではないと存ずるのでございまして、私は、この一事をもって、これを原因として議長不信任案を提出するということには反対であるのでございます。(拍手)
#64
○副議長(原健三郎君) 加藤清二君。
    〔加藤清二君登壇〕
#65
○加藤清二君 私は、日本社会党を代表しまして、ただいま上程されておりまする議長清瀬一郎君不信任動議に賛成の討論をせんとするものでございます。(拍手)
 今日、わが国において正常化が必要とされているものが二つございます。その一つが金融であり、またの一つが国会の正常化でございます。そのうちでもわれわれが責任を持って緊急に対処いたさねばならぬものが国会の正常化であると存ずるものでございます。
 なぜかならば、その及ぼすところは国民の幸福、日本の平和、海外諸国への信用等、国の内外にわたり重大なる影響を持つからでございます。国会の正常化が政治家の合いことばとなってからすでに十数年、いまだ正常な国会運営、国民の納得のできる国会審議は遺憾ながら行なわれておらないのであります。アベックで月世界に旅行ができるという原子力の時代、科学時代の今日に、わが国会では全く前時代的な国会運営が繰り返されているのでございます。数百年前の英国民主憲法制定時代の昔に返ったような感がいたすのでございます。なぜ一体こうなるのか。議員一人一人が悪いのか。そうではございません。数万、数十万の信頼を得られた方々お一人お一人は、保守党の方といえどもみんなりっぱな方であると私は存じます。そのりっぱな一人一人が集団を組むと暴走をする。個々がよれば、これはそのまとまりは一そうよくなければならないはずでございます。にもかかわりませず、その逆が行なわれているということは、これはすなわちこれを統率する人、すなわち議長が無能か、あるいは能力あっても実行しないか、いずれにしても統率者、議長の欠陥といわなければなりません。(拍手)
 試みに不正常国会の現状を見まするのに、第一、議会運営に計画性が乏しいといわなければなりませんが、たとえば国会初期におきましては、時間的の余裕がある間は法案の提出も常にのろのろと行なわれているのでございます。審議もまたのろのろでございます。ところで、まことにおもしろいことに、保守党の出席率は、本日も定足数を欠くほどでございまするけれども、普通の委員会の場合は、ほとんど定足数の一、二割というのが普通でございます。(拍手)次に時間切れのベルが鳴るころになりますると、これがが然一斉ダッシュということになりまして、その場限りの採決要員議員を動員され、そうして採決をされるというのが保守党の常套手段でございます。(拍手)なおそれでも間に合わないと見れば、今度は無理やり会期延長でございます。それでもできなければどうなるか。暴力団と衛視のデモンストレーションのもとで、廊下や机の下で指を一本出したらこれで採決ができたというのが、これが定石と相なっているのでございます。(拍手)言うなれば、初めは処女のごとく終わりは悪鬼のごとし、これがいまや年中行事と化し、法案が委員会を台風のごとく暴走するのでございます。いまや国民の不満はブレーキの限界に達しているのでございます。国会法を破り、国会の権威を汚し、国民のひんしゅくを買う、これよりはなはだしきはないといわざるを得ません。(拍手)国会内において無用な激突は不必要であり、極力避けるべきであるにもかかわりませず、これが毎回年中行事化しているのは、一にかかってマンネリ化したところの議会運営を直すことのできない議長その人の責任でございます。清瀬議長に良心があれば、まず腹を切るべきでございましょう。しからば、あなたの名は残るでございましょう。しからざれば、名は名でも汚名だけが残るでございましょう。
 国会の正常がこわされた例を、この際私のからだが知る範囲内で歴史的に見ると同時に、そのつど行なわれた反省、その反省の上に立って行なわれました両党の申し合わせ事項を読み返してみて、清瀬議長の反省と同時に私自身の反省の材料としたいと存じます。
 まず昭和二十七年四月、講和条約が発効されましたそれ以後の例でございます。第十三通常国会には破防法騒動が行なわれました。第十五国会にもばかやろう解散で、半年にして命を議員は失いました。同じくその年の第十六特別国会の灰ざら事件では、事件当時の方が末席にもいらっしゃるはずでございます。次いで二十八年六月三日、第十九通常国会、これは警職法をめぐる衆議院本会議の激突でございまして、このとき初めて警察隊が院内に出動、警察隊に守られて堤議長は、議長の入口でもない、あそこです、そこで指を二本示しただけで二日間の延長をきめたのであります。国会問答無用の始まりであり、野党の審議権は無視され、民主主義は警察のどろぐつによりじゅうりんされたのでございました。これに対して両社党及び日本自由党、当時こちらに席がございました。労農党、共産党の各派は会期延長を無効として、本会議に出席をいたしませんでした。変則国会の出現でございます。しかし、この警職法を成立させ、その後、変則国会収拾のために国会史上前例のない全員協議会が開かれ、衆議院全員一致で共同声明が発表されたのでございます。国会自粛に関する共同声明でございます。(「記録が間違っておる」と呼ぶ者あり)記憶ではございません。記録から出してきておるのでございます。
 「今日ほど議院の神聖と品位を傷け、民主政治の健全な発達を希う国民の期待に背いだことはない。ここにわれらは深く反省するとともに自粛自戒し各党各々その立場を異にするも良識をもって法規典例に遵うとともに、政治道義を守り、もって人心に及ぼした不安と失墜したる信用を速かに回復し、議院の威信を保持して国民の負託にこたえんととを期する。」とこうなっておるのでございます。
 時間が長引くことをおそれますから途中を省きまして、事件を追わずに申し合わせ事項だけを拾い上げて読んでみます。違うならば、はっきり違うと御指摘を願いたいのでございます。質問を許しますからどうぞ……
 次いで行なわれましたのに、三十一年一月二十九日、これは石橋首相が初めてその首班指名にあずかられましたおりに、五つの誓いを立てて、その冒頭に国会正常化をうたわれたのございます。そのときの会談の申し合わせ事項、第一、話し合いにより国会運営を円満に進める。第二、国会法の欠陥を再検討修正する。第三、深夜国会の悪習を改める。こうなっておるのでございます。(拍手)
 次には、昭和三十三年十一月二十二日、これは鈴木・岸両党首会談が行なわれ、自民、社会両党は民主主義を守ってその健全な発達をはかり、国会の威信を保持するというこの目的のもとに、一、議長の高い地位と不偏の立場を確立するために、両党は互いに信頼し、互譲の精神をもって国会運営に当たる。その結果、この当時の、あの警職法騒ぎの責めを感じてか感じないかは知りませんが、星島議長、椎熊副議長ともに辞任、加藤、正木両正副議長が党籍を離脱して議長席に着くことになられたのでございます。
 次の第三十一通常国会、三十三年十二月十日でございます。その申し合わせによれば、正副議長の党籍離脱の慣行を樹立すると相なっておるのでございます。次に、議事円滑運営のため法規、申し合わせ、決議を厳重に尊重、必要により国会法を修正するとなっております。三つ目には、両院協議会制度の活用または改善、次に、国会に対する集団的要請行動規正のため両党による特別委員会制度を設けて検討する、こう相なっておるのでございます。
 次は、皆さん御存じの、過ぐる総選挙で行なわれました初のテレビ対談でございます。このおりに、三党首の会談及び唐島基智三氏の司会によりまして、国民の前で次の公約がなされました。一つ、今後単独審議はしない。(拍手)二番目、そのかわり実力行使もしない。こうなっているのでございます。(拍手)それ以後のことは、当選された皆さんのほうがよく御存じでございます。
 このように、国会正常化が唱えられましてすでに久しいのに、なぜ正常化が実現しないのか。それは、議員みずからの自覚もさることながら、議長みずからが法規、慣例、申し合わせを尊重せず、これを破っているところにございます。たとえば今国会におきましても、単独審議が自民党によって次から次へと行なわれたことは、すでにさきの弁士が述べたとおりでございます。(拍手)それは全く暴風のごとく、神風タクシーのごとき勢いでございます。天意の暴風はとめることが不可能といたしましても、人為の神風タクシーをとめることは決して不可能ではございません。また、これはなさねばならぬことであると同時に、これをなさぬのは、先ほど申し上げましたように、無能か怠慢か、はたまた一方の手先といわなければならぬのでございます。(拍手)
 議長のあり方について、申し上げるまでもなく――請求がございまするので、結論にしたいと存じます。(「時間時間」と呼び、その他発言する者あり)守ります。抜きます。正常化の具体策も抜きましょう。私は、この際、皆さんに国会の正常化について提案をしたかったのでございまするが、時間の請求がございまするので、結論にしたいと存じます。
 清瀬議長の就任は、さきに述べましたような歴史を受けて立っておられまするが、清瀬議長の就任の弁をここに御参考に披瀝したいと存じます。「本日、私は、諸君の御推挙により、衆議院議長の職につくことに相なりました。まことに光栄の至りでございます。感激にたえません。つきましては、諸君の御協力を得て、常に公平無私、国会の円満なる運営をはかる覚悟でございます。」云々とありまして、途中が抜けて、「わが国の繁栄を期し、世界平和の確立に寄与するため、国民の国会に対する期待はますます大きなものがあると存じます。」ここで拍手が鳴っているのでございます。「従って、議長の職責もまた、その重きを加えるに至りました。最善の努力を傾けて、議会政治の健全なる発達と国会運営の正常化に努め、もって国民の信頼にこたえたいと念願いたしております。」ここでまた拍手がございます。「ここに、就任に際して、切に皆様の御支援と御鞭撻をお願い申し上げて、ごあいさつといたします。」こうなっております。議長清瀬一郎君がここで議長席に着いておられまするが、清瀬さんにお尋ねしたい。今日の心境と行動ははたしてこれに間違いございませんか。ことに間違いがあればこそ、わが党はこぞって、国民の名において不信任の動議を出さなければならぬわけでございます。(拍手)すなわちあなたは、理想をわが国の繁栄と世界の平和の二つに定め、方法としては議会政治の健全な発達と国会運営の正常化の二つにしぼり、身を持する信念としては公平無私、運営には円満と、これに最善の努力を傾けるとありますが、文は名文、理想は遠大、信念は健全で、まことにけっこうずくめでございまするが、行為言行ははたして千載青史に残るものでありましょうや。政治家で歴史に残るものは、文章ではなくて行為行動であるということを知らなければなりません。(拍手)あなたの行為行動はこのあいさつのことばとは全くうらはらであり、逆転しているということ、それが今日の国会を不正常化した最大の原因であり、不信任される基であります。
 結論を申し上げます。もうあと一枚でございます。どうしても無理をおっしゃるならば、定足数をそろえると同時に、副議長みずからも姿勢を正してもらいたい。運営は円満なこともありまするけれども、常に与党の独走、初めは処女のごとく最後は脱兎のごとし。信念は公平無私と言いながら、常に政府・自民党の言いなり次第、少数意見に耳を傾けるはおろか、理事会にもはからず、入り口でサインと拍手で決定させたり、全く与党一辺倒も気違いじみたさたの限りといわなければなりません。(拍手)
 かくて、内、国民には繁栄ではなく、不安と生活苦と、希望を喪失させているのでございます。外、世界には、平和の基ではなくして、二大陣営の争いに巻き込まれる原因をつくり、わが国国会に対しては不信の念を助長させているのでございます。まさに罪万死に値いたします。
 先哲の言にいわく、終わりを慎むこと初めのごとくせよとありますので、私も終わりを慎みます。しかしあなたは下世話にいうところの……
#66
○副議長(原健三郎君) 加藤君、制限の時間がまいりましたから、発言の中止を命じます。
    〔発言する者多し〕
    〔加藤清二君発言を継続〕
#67
○副議長(原健三郎君) 加藤君、発言の中止を命じます。
    〔加藤清二君なお発言を継続、降
    壇〕
    ―――――――――――――
  討論終局の動議(竹山祐太郎君
   外二十二名提出)
#68
○副議長(原健三郎君) 竹山祐太郎君外二十二名より、討論終局の動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。竹山君外二十二名提出の討論終局の動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
#69
○副議長(原健三郎君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#70
○副議長(原健三郎君) すみやかに御投票願います。
    〔投票継続〕
#71
○副議長(原健三郎君) 投票の通路をあけて、すみやかに御投票願います。――投票の通路をあけて、すみやかに御投票願います。――通路をふさがないようにして、すみやかに御投票願います。――通路をふさがないように願います。――投票者の通路をふさがないように、すみやかに御投票願います。――投票の通路をふさがないように、すみやかに御投票願います。――急いで御投票願います。――静粛にして、急いで御投票願います。
    〔投票継続〕
#72
○副議長(原健三郎君) 投票者の通路をふさがないように、すみやかに御投票願います。――投票者の通路をふさがないようにしてください。
    〔投票継続〕
#73
○副議長(原健三郎君) いまだ投票されない方はすみやかに御投票くださるようお願いいたします。――すみやかに御投票願います。――急いで御投票願います。――すみやかに御投票願います。――急ぎ御投票願います。――至急御投票願います。――すみやかに御投票願います。
    〔投票継続〕
#74
○副議長(原健三郎君) 静粛にして、すみやかに御投票願います。
    〔発言する者多し〕
#75
○副議長(原健三郎君) 静粛にして、すみやかに御投票願います。
    〔発言する者多し〕
#76
○副議長(原健三郎君) 投票を願います。
    〔「議運を開け」「休憩休憩」と呼び、その他発言する者多し〕
#77
○副議長(原健三郎君) 本日は、時間の関係上、これ以上議事を進めることはできませんから、投票はいまだ終わりませんが、本日はこの程度にとどめ、明二十二日午前零時五分より本会議を開き、本日の議事を継続することといたします。
 本日は、これにて延会いたします。
    午後十一時三十分延会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 重政 誠之君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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