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1962/02/26 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 法務委員会 第5号
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1962/02/26 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 法務委員会 第5号

#1
第043回国会 法務委員会 第5号
昭和三十八年二月二十六日(火曜日)
   午後零時五十七分開議
 出席委員
   委員長 高橋 英吉君
   理事 小島 徹三君 理事 林   博君
   理事 牧野 寛索君 理事 井伊 誠一君
   理事 坂本 泰良君 理事 坪野 米男君
      上村千一郎君    小川 半次君
      岸本 義廣君    白浜 仁吉君
      竹山祐太郎君    千葉 三郎君
      馬場 元治君    田中幾三郎君
      志賀 義雄君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 中垣 國男君
 出席政府委員
        検     事
        (大臣官房司法
        法制調査部長) 津田  實君
 委員外の出席者
        判    事
        (最高裁判所事
        務総局総務局第
        一課長)    長井  澄君
        判    事
        (最高裁判所事
        務総局人事局
        長)      守田  直君
        判     事
        (最高裁判所事
        務総局人事局給
        与課長)    宮崎 啓一君
        判     事
        (最高裁判所事
        務総局経理局主
        計課長)    石川 義夫君
        専  門  員 小木 貞一君
    ―――――――――――――
二月二十日
 委員飛鳥田一雄君及び久保田鶴松君辞任につき、
 その補欠として小松幹君及び石田宥全君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員石田宥全君及び小松幹君辞任につき、その
 補欠として久保田鶴松君及び飛鳥田一雄君が議
 長の指名で委員に選任された。
同月二十一日
 委員飛鳥田一雄君及び久保田鶴松君辞任につき
 、その補欠として淡谷悠藏君及び横路節雄君が
 議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員淡谷悠藏君及び横路節雄君辞任につき、そ
 の補欠として飛鳥田一雄君及び久保田鶴松君が
 議長の指名で委員に選任された。
同月二十二日
 委員赤松勇君及び久保田鶴松君辞任につき、そ
 の補欠として横路節雄君及び石田宥全君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員石田宥全君及び横路節雄君辞任につき、そ
 の補欠として久保田鶴松君及び赤松勇君が議長
 の指名で委員に選任された。
同月二十六日
 委員松本一郎君及び片山哲君辞任につき、その
 補欠として白浜仁吉君及び田中幾三郎君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員白浜仁吉君及び田中幾三郎君辞任につき、
 その補欠として松本一郎君及び片山哲君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
二月二十五日
 訴訟費用等臨時措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第一二二号)
 商法中改正法律施行法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第一二一号)(予)
同月二十三日
 裁判制度の改善及び裁判力強化に関する請願(
 加藤鐐五郎君紹介)(第一四一六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出第三号)
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出第四号)
     ――――◇―――――
#2
○高橋委員長 これより会議を開きます。
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。
 質疑の通告がありますのでこれを許します。小島徹三君。
#3
○小島委員 この法案に関連しまして一言お尋ねしたいのですが、承るところによりますと、内閣委員会にかかっておった一般職の給与に関する法律案が一部修正されて、初任給について最高五百円までふやす。百円ないし五百円までふやすというような修正がなされたということでございますが、御承知の通り、裁判官並びに検察官の給与については、一般職の給与がふえた場合はそれに準じてふやすということになって、従来そういうようになっておったのでありますが、この内閣委員会における修正というものが、今かかっておる二法案に何ら影響しないものかどうか、一言お尋ねしておきます。
#4
○津田政府委員 ただいまお尋ねの点でございますが、裁判官の報酬につきましては、最も低い判事補の十号及び簡易裁判所判事十四号が問題になるわけでございますが、これは一般行政職につきましては行政職一の五等級の二に対応するものでございますので、今回内閣委員会で行なわれます修正は六等級の三号までになっておりますから影響はございません。
 なお検察官につきましても、検事十九号につきましては判事補十号と同じでありますので影響はもちろんございません。それから副検事の十二号は現在一万九千六百円でございまして、六等級の四号に対応するものでございますが、これも六等級の三号まで今回の修正がなされるわけでございますから、一号のところで影響がないことになっております。
 従いまして、裁判官及び検察官の報酬、俸給については、今回の修正はその対等額と関係ございませんので、影響がございません。
 なお、司法修習生の給与につきましては、影響は一部あると思われますが、この点は最高裁判所の方からお答え願うのが至当であろうと思います。
#5
○守田最高裁判所長官代理者 司法修習生は、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案原案によりますれば、いわゆる二万円になる。今回の内閣委員会の修正によりまして、この二万円に相当する部分が大体百円増しになりますので、百円だけ上げる修正になるわけでございますが、これは従来から裁判官の報酬等に関する法律の附則によって維持せられております裁判官の報酬等応急措置法に基づく最高裁判所規則で定めるようになっておるわけでありますので、その手当は最高裁判所規則でし得るわけでございまして、本法案とは関係がございません。
#6
○小島委員 それでは今出ておりますこの二法案をそのまま修正なしに通過させましても、内閣委員会において修正があったにしても、従来の慣例と申しますか、一般職の給与をふやす場合においては、それに準じて裁判官並びに検察官の給与をふやしていくという法律、並びに大蔵省あるいは最高裁判所、法務省等において了解されておるいわゆる覚書事項と言われるものの原則をくずすものでないと了解してよろしゅうございますか。
#7
○津田政府委員 さようでございます。
#8
○高橋委員長 坪野米男君。
#9
○坪野委員 裁判所にお尋ねしますが、そうすると、今の司法修習生の給与は、最高裁の規則で、もし内閣委員会で修正されるとすれば、二万百円ということになるのですか、念のために伺います。
#10
○守田最高裁判所長官代理者 その通りでございます。
#11
○坪野委員 法務省並びに最高裁当局にお尋ねしたいわけですが、昨年の人事院勧告で給与改定の勧告が出まして、政府がそれに対して一般職の職員の給与の増額の法案を提出いたしておるわけであります。それに準じて裁判官あるいは検察官の給与の改定が今提案なされておるわけでありますが、人事院勧告では五月一日にさかのぼってこの給与改定を行なうべし、こういう勧告が出されておるわけでありますが、その人事院勧告を無視して、政府あるいは裁判所において十月一日実施という措置をとられた理由はどこにあるか、その点をまず法務大臣お見えのようでありますから、大臣から最初に承っておきたいと思います。
#12
○中垣国務大臣 お答えいたします。これは一般職の改定に伴いまして、それに全く準じて改正したことがこういうことになった理由であります。
#13
○坪野委員 一般職に準じて十月一日の実施をすべきが当然でありましょうが、大臣も閣議に列席される一員として、政府の立場において、人事院勧告をなぜ完全実施をせずに十月一日の実施をされたかということをお尋ねするわけです。
#14
○中垣国務大臣 財政の都合などを考慮に入れまして、十月一日からの実施にした次第であります。
#15
○坪野委員 そういう形式的な答弁で満足するわけではございません。もちろん、一般職の職員の給与の問題については内閣委員会で相当論議がかされておるわけでありますから、ここでは省略いたしますが、一般職にせよ、あるいは裁判官、検察官の給与にせよ、やはり人事院勧告を尊重した措置をとるのが政府の仕事として当然のことだということで、きわめて遺憾に存ずるわけであります。特に今、臨時司法制度調査会におきまして、法曹一元化の問題と関連して、裁判官の任用制度あるいは給与体系等について審議されておるようでありますが、後日あらためてこの臨時司法制度調査会における審議の模様等について中間の報告なり、あるいは法務省当局のこれに対する見解なりをお伺いしたいと思いますが、この臨時司法制度調査会において、裁判官の給与というような問題についてもおそらく論議の対象になっているだろうと思うわけであります。それとの関連において、今回の人事院勧告の線が、実施期日の点もさることながら、この程度の改定で十分と考えておられるかどうか、法務大臣に御答弁を願います。
#16
○中垣国務大臣 臨時司法制度調査会におきましては、任用の問題、給与問題等を含めまして法曹一元化の方向が論議されていくと思うのでございますが、このたびの給与改定は、そういうことにかかわりなく、全然関係なくきまっておるのでございまして、臨時司法制度調査会の結論を待ちましてからそういう問題は政府としては検討していきたいと思います。
#17
○高橋委員長 志賀義雄君。
#18
○志賀(義)委員 裁判官並びに検察官の給与の問題につきましては、かねてたびたびここ数年間の国会でも問題になったのでありますが、今度これをやりますと、どうでしょうか、裁判所並びに法務省の方に伺いたいのでございますが、人員確保と申しますか、喜んで人が来るようになるか、あるいは他と比べてその点の成算はおありなんでしょうか、どうでしょうか。よく検事になりてがないとかなんとかいうような話も伺いますが、そういう点はどうでしょうか。
#19
○中垣国務大臣 判検事の任用といいますか、希望の問題は、給与だけではないと思うのでありますが、今日、改定しました給与が検事、判事の採用につきまして非常に楽になるだろうといったような考え方は必ずしもまだ持っておりません。
#20
○守田最高裁判所長官代理者 裁判官の給与につきましては、ただいまお話のありました臨時司法制度調査会で審議している段階でございます。判事補の初任給がどのくらいならば司法修習生から判事補に喜んでなってくれるかという点のことだと思いますが、これは、弁護士として事務所に入る初任給などとの関係もありまして、にわかに断じがたいわけでございます。われわれといたしましては、初任給を上げることが望ましいわけでございますけれども、しかし、裁判官の報酬はやはり全体とも体系的に考えていくべき問題でありますので、やはり臨時司法制度調査会で根本的な検討を遂げられた上できめていただくということで、今回は裁判官の報酬等に関する法律の第十条の趣旨によりまして、一般のベース・アップに伴って増加させるという程度にとどめたわけでございます。
#21
○志賀(義)委員 法務委員会でときどき調査に参ります。御承知の通り、判事は自宅でと申しますか、庁で当てがわれた官舎で判決を書いている。それが非常に重大な、ときには人命にも関するような判決を書くのに、こんなところで判決が書かれるのかというようなところが多いのです。そういうところは地方裁判所の裁判所長もどうか一つ見て下さいというわけで、わざわざそういう家を見せてもらうのでありますが、今あなたのおっしゃったようなことだけでなく、そういう点までの御配慮がございますか。そういうふうにいたしますと、検事さんの方で、判事ばかり見ずに私どもの住宅も見て下さい、こういうふうにして半分引っぱられるようにして、ここにおられる岸本さんが次官のときでありますが、行ったことがあるのですが、そういう点についてはどうですか。他とのつり合いとか云々ということで済むことでしょうか、判決をそういう場所で暫くとかなんとかいうことは。
#22
○守田最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘になりました裁判官の宿舎の点でございますが、これは毎年大体百戸程度はふやしておりますし、新規に設立しております。また、従前の朽敗した分は修繕するなどしておりますが、残念ながら、ただいま志賀委員から御指摘になったような状況であります。これについて最高裁判所はそのままほうっておるわけではございませんが、この宿舎も、やはり裁判官の待遇の一環といたしまして臨時司法制度調査会で根本的に審議の対象となって解決を見るものとわれわれは考えております。
#23
○志賀(義)委員 なお、この前、昨年の十二月二十日の参議院の法務委員で、判検事以外に、裁判所及び法務省の職員が問題になりましたが、今度それは内閣委員会の方でやられるのですが、特にそのときに岩間委員が質問しておったのに対して、平賀説明員からこういう御答弁がありました。「法務局の職員が必ずしもりっぱとは言えないのみならず、非常に古い老朽、狭隘な庁舎で忙しい思いをして働いておりまして、超過勤務手当なんかも必ずしも他と比べてよろしくない、そういう不利な条件のもとで働いておりますこの待遇を改善するというより、むしろ待遇を是正する必要がある」こういう御説明があったのでございます。今度、判検事の俸給の問題が出ておりますが、職員の方については、法務大臣としてもいろいろ御配慮になるでしょうか、どうでしょうか。
#24
○中垣国務大臣 ただいまの平賀局長が参議院で答えました点につきまして改善されたところを御報告申し上げますと、職員の数をまずふやすことによりまして、一人々々の超過勤務時間を短くしよう、作業量をもう少し減らさなければ過重であるという考え方から二百名を増員をいたしまして御審議を願っているわけであります。それから超過勤務手当の単価を引き上げることによりまして、はっきりした数字は記憶がございませんが、たしか二五%程度引き上げておると思います。それを御審議願っておる次第でございます。それから登記所の職員の問題につきましては、いろいろ検討しなければならぬ点があるのでございまして、たとえば登記事務の能率を向上させる意味におきましては、もう少し機械化する必安がある、そういう点からも労働過重の緩和をはかることができる。こういうことを考えまして、機械購入費等の予算を計上いたしまして御審議を願うことになっておるわけであります。
#25
○志賀(義)委員 ここに法務省の職員の給料袋がきておるのですが、最近はまた裁判所の職員の方々から給料袋をいただきました。そしてその給料袋に添えて、こういうことが書かれております。「裁判官を除く我々裁判所職員の生活は全く耐えがたいものになっており、」裁判官を除くといっても、私は裁判官の待遇が十分だとは言いませんし、そのことはこれまでも指摘した点でありますから明らかでありますか、続いてこう訴えております。「全く耐えがたいものになっており、安心して仕事に打込めるにはほど遠い状態にあります。それが証拠に書記官など採用しようとしても全く応募者がないことが、この間の事情をよく物語っております。」と書いてありますが、事実この給料袋を見ますと、共済組合貸付金というのを毎月借りておるのですね。これは東京地が裁判所の職員です。それを差し引くと、毎月のことですから、また足りなくなるからまた借りる、だんだん多くなっていくということになる。たとえばここには二十八才の人で、七等級四号、一万六千八百四十八円で、手取りが一万八百五十四円、つまり共済組合貸付金九千四百六十二円を借りておるからそういうことになる。交通費と家賃を払いますと、手取りが五千九百五十四円、扶養家族二人、これで一体裁判所の職員が生活できると思いますか。こういう点で裁判所の方ももう少ししっかりなさらないと、これで頭がこんなになって、妙な判決でも次々に出されたり、検察庁では、岸信介君に返すべき証拠品を荒巻退助君の方に全部返してしまって、大失態でございましたなんて、こういう状態だからそんなことになるのです。そういう点の改善について御努力なさるつもりかどうか、それもあわせて伺っておきまして、私の質問を終わることにいたします。
#26
○守田最高裁判所長官代理者 裁判所の職員も、裁判官以外の職員の俸給は一般職の職員の給与に関する法律が準用されておりまして、それより下回っておるというようなことは全然ないわけでございます。もう少し詳しく申しますならば、本年一月現在で見ますと、行政職一表の適用のある者の平均俸給額は、一般職は二万二千五百十九円でございます。裁判所職員は二万二千四百十二円になっておりまして、一般職に比べますと、百七円ほど少なくなっていますけれども、年令から申しますと、裁判所職員の方が〇・八年ほど若くなっております。これを換算いたしますと、決して低くなっておりません。そういう関係でございまして、これは裁判所の職員が特に低いわけではございませんで、全体としての低さの問題と思われます。
 それからなお、先ほど書記官になりてがないということでございましたけれども、裁判所書記官は、いわゆる一六%の調整もございますし、欠員がほとんどございませんので、最近はほとんど書記官の採用試験をいたしておりません。そういう関係で、先ほどお読みになりました文書は必ずしも現実の事態に合っていないと考えます。
#27
○志賀(義)委員 立川のアメリカ軍のキャンプで殺された日本人がおりますね。あのことについて、実情はどういうことになっているか、何か法務省の方から報告を受けて下さるようにお願いしておきます。
#28
○高橋委員長 志賀さんの御要請については、よく協議しまして、善処いたしたいと思います。
 他に質疑もないようですから、これにて両案に対する質疑は終了いたしたいと存じまするが、御異議はございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#30
○高橋委員長 これより討論に入ります。
 討論の通告がありますのでこれを許します。坪野米男君。
#31
○坪野委員 私は、社会党を代表いたしまして、両法案に対して反対の立場から討論をいたしたいと思います。
 人事院が民間給与との格差の是正という立場から勧告を出しました。その勧告を尊重して政府が立法措置を講ずべきが当然でございます。人事院勧告が必ずしも裁判官、検察官の給与の改定として満足すべきものでないということは、社会党が従来から主張して参ったところでございますが、少なくとも人事院勧告通りの実施をすべきであるにかかわらず、実施時期を十月一日にずらして実施をしようとする本法案に対しては、われわれ社会党としては反対であると言わざるを得ないのであります。よって、両法案を否決すべきものと考えます。
#32
○高橋委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案について採決をいたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#33
○高橋委員長 起立多数。よって、両案はいずれも原案の通り可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。ただいま可決されました両案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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