くにさくロゴ
1962/06/27 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 法務委員会 第28号
姉妹サイト
 
1962/06/27 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 法務委員会 第28号

#1
第043回国会 法務委員会 第28号
昭和三十八年六月二十七日(木曜日)
   午前十一時五十九分開議
 出席委員
   委員長 高橋 英吉君
   理事 上村千一郎君 理事 唐澤 俊樹君
   理事 小島 徹三君 理事 田中伊三次君
   理事 林   博君 理事 坂本 泰良君
   理事 田中織之進君 理事 坪野 米男君
      千葉 三郎君    馬場 元治君
      早川  崇君    松本 一郎君
      赤松  勇君    志賀 義雄君
 出席政府委員
        警  視  監
        (警察庁警備局
        長)      三輪 良雄君
        法務政務次官  野本 品吉君
        法務事務官
        (人権擁護局
        長)      稻川 龍雄君
 委員の出席者
        検     事
        (刑事局刑事課
        長)      羽山 忠弘君
        検     事
        (入国管理局次
        長)      富田 正典君
        専  門  員 櫻井 芳一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
 法務行政に関する件
     ――――◇―――――
#2
○林委員長代理 これより会議を開きます。
 本日は、委員長が所用のため出席がおくれますので、理事の私が委員長の職務を行ないます。
 法務行政に関する件につき調査を進めます。質疑の申し出がありますのでこれを許します。志賀義雄君。
#3
○志賀(義)委員 神戸市交通局の松原事務所の車掌若林栄子さんの、不当な疑いによる取り調べで自殺した事件について、人権擁護局に調査を依頼しておきましたが、その結果はどうなりましたか、お知らせ願います。
#4
○稻川政府委員 結論としてはっきり申し上げますと、調査はまだ完了しておりません。その後、いろいろ根本的にむずかしい問題がありますので、この際そういう問題も調査しておきたいという考えで、まだ終了しておりませんから、もう少しお待ちください。
#5
○志賀(義)委員 では大臣が来られるまでもう少し質問いたしたいと思います。
  〔林委員長代理退席、委員長着席〕
 この前、私が刑事訴訟規則で身体捜査には判事の拘引令状が必要だと申しましたが、私、先日神戸に行きまして、六月二十三日その事務所に参りまして、いろいろと調べを受けた場所、並びに当局の言う検査を受ける場合の、簡単な調べを受けるときに青玉が出る、赤玉が出たら入浴して脱衣場に置いたものを全部調べられる。その赤玉、青玉のことを新聞記事を読んだだけではわからなかったのですが、行ってみましたら、こんな箱の中に青いビー玉を四つ、赤いビー玉を二つ入れて引っぱり出しますと平均して確率で二回ほどは青・一回は赤玉が出る。赤玉が出たら入浴して検査を受ける。その入浴場も私は見てきました。どうもその道具を見ますと、いささかこっけいな気がする道具なんですが、そんなことでそういう検査が行なわれるということでございますが、こういう検査は神戸法務局の人権擁護課の話では、バス車掌の身体検査はある程度やむを得ないと思うが、行き過ぎのないよう最小限度にとどめるべきだ、今度の場合遺書もあるというが、それが直接原因とすれば問題だ、人権侵害の疑いも考えられるので、訴えがなくても関係者を呼んで独自の調査を始めるということになっておりますが、その報告はまだきていないのですね。
#6
○稻川政府委員 きておりません。
#7
○志賀(義)委員 そこで伺いたいのですが、バスの車掌の身体検査はある程度やむを得ないと思うが、というのはどういうことでございましょうか。
#8
○稻川政府委員 先ほど大事な御質問がありましたので、それと一緒にしてお答えいたします。
 志費さんは新訴訟法なんかお詳しいようですが、要するに身体検査にわたることもしくは身体捜査にわたること、これはできるはずのものじゃないのです。令状がなければできません。もしくは特別な犯罪検挙、逮捕とかその他の犯罪現場においてなす刑事訴訟法上特に許された場合だけなんです。その以外の場合はできないはずなんです。それからもう一つその前提として、犯罪捜査にわたるような調べをするということそれ自体はこれはできないはずのものです。したがって、以上申し上げました犯罪捜査にわたること及び身体検査にわたること、それから身体捜索にわたることは、たとい本人の承諾がありましてもこれはできません。ただ、いまお話しになりました中に、あるいは現地の言い間違いか誤解かもしれませんが、服装検査というものと身体検査というものとをごっちゃにしているのじゃなかろうかという疑問がございます。
#9
○志賀(義)委員 ところでいまのお話の中で、あなたが身体検査というものと身体捜査というものをごっちゃにしておられるのじゃないですか。お互いに小学校一年からのときのことを思い出してみましょう。身体検査一とは何か、日本人の常識として身体検査というのは学校で身長をはかる、胸囲をはかる、体重をはかる、虫歯のあるなしを見る、リンパ腺の状況を見る、視力を見る、これを身体検査というようにわれわれの小学校からの通信簿には書いてありましたね。あなたは身体検査というものはいけないという。この人たちの言うことを見ると、そういうふうに言っていますね。じゃ百歩を譲って、今度は服装検査ということを、あなたの言われる身体検査あるいは身体捜査という場合の用語を考えてみましょう。これも私どもが中学生のころは、いわゆる軍国主義のスパルタ教育が強かった。ことにいなかの中学校になると多い。洋服のボタンがうまくついているか、あるいはゲートルをしている場合にはそれがうまく巻けているか、そういうのをわれわれは服装検査と、日本人の常識として中学生のころから仕込まれているわけですよ。これが服装検査ですね。身体検査というのは小学校一年のときからこれでずっとやってきました。だから、これはおよそ刑法あるいはそういうものに関連する場合に使うべきものではないですね。そうではありませんか。実際身体捜査をやるにも事実上は服装をいろいろと調べますね。ところが私はそういう点でどうもせっかくの人権擁護局及び地方にある擁護課というものが、そこでことばのトリックでおかしなことをしておられるのではなかろうか、これは先日もあなたと私と電話の問答のときに、服装検査が行き過ぎて身体捜査になってはいかない、こうおっしゃったときに、あなたがそういうふうな方針で調べさせると言われたときに、私は悪い知恵をつけられては困ると申したのはいま言ったことがあるからです。服装検査というのは、車掌の場合でも乗客に不快な感じを与えるような服装をしてはならないとかなんとかいうならばこれは服装検査ですよ。きちんとした服装をしているかどうか、お互いの日本人の服装検査というのはそれです。身体検査は小学校のときから体重を調べるというようなこと、そういうことばのあやで刑事訴訟法の規則で身体捜査、判事の拘引令状がなければできないということをひっかけて、いわゆるグレンツゲビートとか、限界概念によってずっと結びつけて不当なことをやらせるような仕組みになっているところに今度の悲劇が起こった原因があるのです。だからあなた方から人権擁護課に対して調査を指示する場合にも、行き過ぎがあってはいけない云々というようなことはもう向こうでもそう言っているのですから、そういう点を厳格に区別してお調べにならないとこの実態はわからないですよ。そういう点はどうなさるおつもりですか。
#10
○稻川政府委員 志賀さんよく御存じのように、刑事訴訟法上身体検査というのは身体の形状を調べることなんです。それから身体捜索というのは、身体について物品を捜索するためにする行為なんです。それからいわゆる服装検査というのは俗語なんですが、こういうバス車掌とかあるいは電車の乗務員に対する服装検査の目的が、業務管理とか、不正の防止とかいう目的から出ました服装検査なんです。そうしますと、その身体検査とか、身体捜索にわたらない範囲においてその目的を達する服装検査ということになると、要するに単に外部から見ただけではなくて、そこにさわってみるとか、あるいは本人のかりに同意があれはバンドをゆるめてもらうとかいう態度のことが服装検査に入るという程度にわれわれは理解しております。それ以上にわたった場合、たとえばさっきお話のありましたように、裸にしてふろに入れるというようなこと、これはもちろんとんでもない話で、かりに本人の同意がありましてもそういうことは許されることでないのであります。私はそう考えておる。
#11
○志賀(義)委員 そうすると、ふろに入れたりすることはいけないのですね。
#12
○稻川政府委員 いけない。私はそこは厳格に解しまして指示しておるつもりであります。
#13
○志賀(義)委員 ですから、あなたがはっきりいまそう言われました。私は現在その場を見てきているのですから、ぜひこれは神戸法務局人権擁護課に言って、神戸市交通局のいわゆる普通の簡単な検査を受ける場合と、もう一つはもっと厳重な検査、ふろに入れておいてその間に廊下にある服装、からだにつけていたものを全部検査するやり方、いわゆる青玉と赤玉のやり方、その青玉、赤玉の箱をひとつ見てくださいよ。こんなこっけいなようなことで人間の権利を侮辱するということはないです。おまけに、現にふろに入れる場所も私は見てきた。娘さんが入っていたから、私は中まで見ませんけれども、浴場のほうはカーテンを引いてもらって、脱いである衣服のほうだけを見てきたのです。現にあなたがいけないということを、公然とやっているのですね。歴史から申しますと、これは北九州に西鉄という私鉄の会社があります。ふろに入れて、その間に服装、つけているものを検査するというやり方は、西鉄という会社が日本で初めて始めたそうであります。これがいま全国で行なわれるようになっているのです。あなたが、人権擁護局長がいけないと言われることが、ことに私鉄、バスの女車掌さんに対して行なわれているのですから、一体これをやめさせるについて、あなたは決意がありますかどうか。こういうことを公然としている経営者の当局に対して、どういうことをあなたはなさるつもりか、これをまずあなたに伺いたいと思います。
#14
○稻川政府委員 先ほど冒頭に申し上げましたように、基本的な問題についてもっと調査を進めなければならぬ点があると申しました。もちろんその中にはいまのような問題もあります。したがって、単に神戸というだけの問題でなく、過去に何件かあったはずです。そういう問題を、実態をよく検討いたしまして、われわれの機関としてできるだけの範囲のことをしたいと私は思っております。
#15
○志賀(義)委員 いまあなたはできるだけの範囲のことをするとおっしゃいましたが、問題は、これはいけないことだ、入浴さしてその間に娘さんの服装を全部調べる、これはいけないことだと言われた。いけないことが現に日本国じゅう行なわれているのです。いままでもこれが問題になったことがありました。今度はこれで自殺する娘さんまで出てきた。ちょうど六月二十三日には神戸で集会がありました。二万六千五百人の人が集まりました。そこへ同じ車掌さんがその人の写真を前にかかえて出たとき、そして訴えておったときに、非常な共感を呼び起こしておりました。ぜひともこの問題は解決したいというのがその多数の人々の意思表示でありました。あなたはそういうことはいけない、やっちゃいけないことだと言われるならば結論としては、それはやめさせますということでなければならないはずです。人権擁護局長がいけないと言われることをやっているとすれば、これは当然法務省としてもやめさせなければいけないことです。ところが、その点のことを伺いますと、できるだけのことはいたしますと言う。できるだけのことというのはどういうことでしょう。言うことを聞かなければ、聞く範囲でやらせようというのか、向こうがどうしてもやると言えばそれもしかたがないとおっしゃるのか、どういうことでしょう。そこのところを。
#16
○稻川政府委員 これも先ほど申し上げましたように、そういう事実の実態を目下調査しております。したがって、そういう事実を基礎にしまして、われわれの権限で一番正しいと思うことをやるつもりです。
#17
○志賀(義)委員 法務大臣いらっしゃらないが、先ほど途中でございましたが次官がおいでになったので政務次官に伺います。
 検査を受けたときに、車掌が五百円の金を持っておったそうです。およそ四時間半にわたって調べられた、こういうことなんです。それで屈辱に耐えかねて自殺したのです。私はその飛び込み自殺をした場所にも行ってみました。神戸市の灘駅の付近であります。それでその検査のやり方、これも問題でありますし、また検査室というふうに言われておりましたね、この間法務委員会で問題になった。それも行ってみましたが、検査室なんというようなものじゃないのです。およそ荒れ果てた半分物置きみたいなところなんです。そして事務所には検査員というものはいないのだそうです。必ず交通局のほうから来てやるんだそうです。大阪市、交通局の例をもって見ますと、年々、当局が見て不正な金を余分に持っておったというものが数千円だそうです。ところが、それを発見するためにいろいろ人を置いたりする人件費、所の設備をするとかなんとかで一億数千万円の金をかけるそうです、一つの調査によれば、毎日新聞の調査、これの発表によりますと、数千万円と申します。数千円を発見するために数千万円というと、当局が見て一円の不正を発見するために一万円使うということになりますね。毎日新聞のコラムの記者は、こんなばかげたこともあるか、こういうふうに書いておりました。私だけが申すのではございません。朝日新聞には、やはり二十二歳になる娘さんが、こんなばかげたことが現在行なわれているという抗議の投書をしておりました。それで先日来伺っているのでありますが、裸にして身体捜査をするわけです、入浴させて。そういうことは明らかにいけないと人権擁護局長は断言なさった。それをやめてしまうように法務省から指示していただきたい。それについてどうなさるかということを伺ったわけですが、法務省としてはどうなさるおつもりですか。
#18
○野本政府委員 人権思想の普及徹底がまだ日本の全体から見て十分でないということを私どもはいつも感じておりまして、したがって人権擁護局の人権擁護活動をもっと積極的にやらなければいかぬということで実はつとめてきておるわけであります。いまの志賀さんのお話のことにつきましても、全然知らないわけではありませんで、私も、一体そういうことがあるのかということについてみずから疑いを持っておったわけです。したがって、いま人権擁護局長の方から、そういうことはよろしくないことだということでありますが、おおよそある基準をもって判断されておることだと思うのですが、局長からただいま御説明のありましたように、そういう意味における人権上問題にすべきであるという実態の調査を現在しておるということでありますので、私どもは、やはり実態がどうあるかということに見きわめをつけて、これ以上は人権侵害になるという限界線をはっきりして、このはっきりした線に沿ってこれこれのことをやってはいかぬということを指示すべきである、かように考えます。
#19
○志賀(義)委員 私は今度参りまして、神戸交通局の例規類集の中で第三類人事、服装、こういうものを交通局の文書の中から出しました。その中に電車職員服務規程というのがあります。これは昭和三十四年にできたものでございます。それから自動車職員服務規程というがありまして、電車職員の服務規程を準用するということになっております。その中に服装のことに関していろいろ書いてあります。制服、制帽を着て、当局の指示に従わなければならないとか、服装を清潔にし、乗客に好感を与えるようにしなければならぬ、こういうことならば服装検査です。ところが十四条になりますと、乗務員は次の行為をしてはならないというので、第五項に、勤務中自巳または他人の金銭を携帯すること、第十五条には、乗務員は終業の際、係員から服装及び携帯品その他の検査を受けなけれ退出することができない、こういうふうになっております。ここが問題であります。いまの政務次官のお答えによりますと、どこまでがいいのか、どこまでが悪いのかということになりますが、私は、そういうことではやはり不十分であると思います。
 いま私が毎日新聞のコラム欄を引用しました。そこにこう書いてあります。現金を扱う者は、ひとりバスの車掌に限らない、電車の車掌に限らない、百貨店の金銭出納に当たる者もそれをやっているじゃないか。これが検査を受けるか、そんなことは受けていない。なぜ電車並びにバスの車掌だけが身体検査を受けなければならないか、こういうことを言っております。ほかにもたくさんあります。ガス会社の集金人が集金して歩く、保険の外交員が現金を持ってきた、帰ってビー玉を引いて、赤玉が出たらふろに入ってその間に服装検査を受けるというようなばかなことをしますか。なぜバス及び電車の車掌だけこんな特別の侮辱を受けなければならないのですか。したがってここにある問題は、度を過ごしたらいけないという問題じゃない。やってはならないことをこういうところでやっているから、そこで今度のような自殺も起こるのだ、こういう点を間違わずに考えていただきたい。失礼なたとえだが、政務次官、あなたのお嬢さんがかりにバスの車掌になられたとして、赤玉を引き当てて、きょうはふろに入ってあと服装を全部調べられたらいい気持がしますか。もう少しそういう点で法務省というものは、はっきりした考え方を持っていただきませんと、こういう例規類がいかにも法律同様に、あるいは法律に優先してまかり通っているのです。こういうことはやめさせていただきい。まだまだ私はたくさん調べて来ております。しかしきょう、ふろに入れておいて調べてはいけない、これは間違っている、正しくないことだということを人権擁護局長が断言されました。それならば、それに従って法務省並びに人権擁護局がどういうふうに指示されるか、私、それを楽しみに待っておりますから、きっとやってください。身体捜査というものは――身体なんというようなことを言われますけれども、身体とそれに基づいた服装をどこでどう区別をつけますか。身体捜査といっても、まさかここに穴をあけて、からだの中をさがすのではないでしょう。やはり身につけた服装のポケットであるとか、あなたの言われるバンドをゆるめるとか、これも身体捜査でしょう。だからそれは服装検査の範囲だとか身体検査の範囲だというようなことをおっしゃるから、私も小学校一年生のときの通信簿から見て、身体検査というのは、日本人はどういうことを教わってきたか、服装検査というのはどういうことかということで、あなたに応酬しなければならなくなったのです。そんなむだな問答はこういう法務委員会でやるべきではないんですよ。どこから身体捜査になるか、どこまでが身体検査だ、そんな子供じみた問答はここではやめましょう。端的に問題の本質をあらためていく、こういうふうにやっていただきたいと思います。
#20
○稻川政府委員 御趣旨はよくわかりました。われわれとしても正しくない結論は出したくないつもりでおりますから……。
#21
○志賀(義)委員 いま朝鮮民主主義人民共和国の人々で日本にいる朝鮮人、その人々の間に、自由に祖国との往来を希望する要求がございますが、この点について入国管理局としては、これを許可するお考えでしょうか。許可できないとすれば何か特別な理由がありましょうか。そういう点について伺いたいと思います。
#22
○富田説明員 局長が内閣委員会のほうに出席しておりますので、次長の私からかわってお答えいたします。
 この問題はきわめて高度な政治判断に属する問題でございますが、従来並びに現在とっております方針を御説明申し上げましてお答えにかえたいと思います。
 国交のない国との往来につきましては、原則としてこれを認めないというたてまえになっておりまして、これをどういう場合にはずしていくかということは、国にとってプラスになるという場合に、これをはずしていくという方針をとっております。したがいまして、北鮮とは現在国交関係はございませんので、ただいま申し上げました基準から申し上げますと、向こうから来る人、またこちらから行く在日朝鮮人の往来、そういうものについては現在のところは内政外交上のいろいろな判断に基づきましていろいろマイナスになる点が多いということで、これを許可しない方針をとっております。
#23
○志賀(義)委員 どういうふうなマイナスがありますか。
#24
○富田説明員 この点につきましては、法務大臣も参議院の法務委員会でお答えになっておられますが、外交上の問題と申しますと、現在日韓会談が継続しておりまして、それに微妙な影響を与えるというようなことから、当分往来は認められないということになっております。
#25
○志賀(義)委員 御承知でしょうが、日本に来ている朝鮮人は戦前から来ている人も非常に多いのです。この人たちは自分の自由意思でこちらに来たというよりは、あるいは軍事上の徴発で来たとか、軍需工場の徴発で来たとか、あるいは東洋拓殖に自分の耕していた土地を奪われて、そして農業でやっていけなくなって日本へ入ってきた、こういう人たちが多いのです。決してあの人たちの本来の自由意思で来たのではございません。そういう歴史的な事情もあります。それからまた、私はたびたび中国にも参りましたけれども、香港領との国境においてもやはり中国では盆の行事がまだ盛んでございます。そういうときに往来をするとか、あるいは華僑で出ている人が帰っていくとか、香港のほうの親戚のところへ行くとか、こういうことが行なわれております。ですから私どもは、そういう歴史的な事情を考え、他国の例を考えても、ここで往来をしても何ら差しつかえはないと思うし、あなたはいま日韓会談があると言われたけれども、いわゆる韓国は日本に公館を持っている。公の海外の施設、役人と施設とを持っている。しかし、日本のほうはそれを持つこともできない、こういう状態です、私どもは、やはり自由に往来をすること、このことが朝鮮人と日本人とのほんとうに平和的に友好状態を築き上げていく前提にもなると思うのでございます。そういう意味で、私どもはこれからもこの問題については、人道上の当然の問題として要求していきたいと思います。あなたに、ただ日韓会談、外交上マイナスになると言われましても、じゃ日韓会談がプラスになるかというような論議もありますし、日本の外務省でいろいろと日韓会談でやってみたところで思うとおりにはいかないのです。次から次へと間の悪いことばかり起こる。そもそもやり方、考え方の根本が狂っているからそうでありますから、私どもは、そういう点を改めていただくことにして、きょうのところは問題の提起だけにとどめておきます。きょうは国会に対して非常に多くの人々も請願に来ておられるようであります。このことについてはこれだけにしておきたいと思います。
 それから、政務次官にはもう少しいていただけますか。――その前に警察のほうにお尋ねしたいと思います。
 去る六月二十三日、横須賀で原子力潜水艦寄港反対、F104配置反対の大集会が開かれましたときに、そこの中央の演壇に発煙筒を投げた者がいるのでございます。これはどういう関係の者でございましょうか、警察庁のほうでお調べでございますか、ちょっと伺いたいと思います。
#26
○三輪政府委員 そのお尋ねということでございませんでしたので、ただいま手元に資料がございませんが、防共挺身隊に属します十八歳の少年でございまして、これが発煙筒を二本持って行ったようでございました。演壇のすぐそばでそれに発火をさせ、十分燃えたとは聞いておりませんけれども、それを演壇に投げたということで、常人逮捕し、警察が取り調べたと聞いております。
#27
○志賀(義)委員 ところが、その少年が発煙筒を投げたというので、みんながその少年を囲んで、そして一方発煙筒をうしろの海の中にとっさに投げ込んだそうです。そのときにその十八歳の少年ですが、警察へすぐ連絡してくれと言ったというのですが、警察とはどういうつき合いでそういうことを言ったのでございましょうか、おわかりでございますか。
#28
○三輪政府委員 そういう話は聞いておりますけれども、調べによりますと、これは発煙筒を投げ、なお一つ持っていたようですけれども、もちろんそういうことをいたしましたので、その周囲におられた方から追跡を受けて二十メートル逃げたということでございます。そこで十重二十重につかまったということを言っておるわけですけれども、そのときに、聞くところによると、警察に連絡してくれということを言ったということであります。その点について本人がどういうことを言っておるかということは特に私記憶しませんが、別に警察との関係があるということでなくて、もちろんそういうことをやれば逮捕されるということはある程度覚悟しておったものと思います。しかしながら、そういう集会の中に入って集会を混乱させようとしたわけですから、その意味で、常人逮捕されて、そこで集会の人たちから危害を加えられる、報復を受けることをおそれたのではないかと思いますが、そういう意味で、つかまったから警察に言ってくれということを言ったものと考えられるのであります。
#29
○志賀(義)委員 どうもちょっと話がおかしいのですが、危害を加えようとすると言うが、そこを混乱させようとしたのはその本人です。十八歳の少年ですから、おそらく自分の自発的な計画ではないでしょう。やはりうしろにいる者があるでしょう。今度の東京都の選挙の問題にも関連がある団体ですが、それの一人のようでございますが、それで危害を加えられる、そういうことをしておいて、いきなり警察の方はいませんか、警察の方はいませんか、こういうことになりますと、これはそういうことをやっても警察がすぐかばってくれるもの、こういうふうに思っておることとしか思えないのです。実はちょうどここで安保反対の大集会、行進がありましたときに、トラックで突っ込んできたのがあります。あまり乱暴なので、私もとっさに、それを見てそこにいた人にあぶないからという警告をすると同時に、宣伝カーからおりてそのそばに行こうとしたら、警察の方が、志賀先生、あなたが行く法はありませんよと言ってはがい締めにして五、六人で私を食いとめるのです。そして棒でぶんなぐっておったトラックに乗っておった連中を警察がみんな保護して国会のさくの中に入れてしまうのです。そういう経験がありますので、やはり警察はこっちは取り押えても、向こうのほうは保護するのだという印象を私も実地で受けたのでございますが、今度も、何をやっても警察へと言えば、うまいことを言ってあとはただ微罪釈放というようなことになりますと、これはどうも一般常識として、警察はやはりそういう団体とは何か特別の連絡、関係があるのじゃなかろうか、常識でそのように考えるのでございますが、そういう点でこの少年はもう取り調べは済みましたか。
#30
○三輪政府委員 常人逮捕ということで、実はその前のいきさつを申し上げないとわからないと思いますが、この種の集会にはときにそういう妨害を加える者もありますので、この集会の届けを持って見えた責任者の方にもそのことを県警として申し上げたようでございますけれども、中の警備は自分のほうでやるから警察官は入れてくれるなというお話であったようでございます。したがって、その場に警察官が居合わせなかったのは、そういう事情のようでございます。そこでいまのように事故がありました直後に、中の自衛警備の方でありましょう、そういう方が常人逮捕をされて、その大会場のすぐそばに十一人か交通整理ということで警察官がおりました。それにすぐお届けがあって、警察官がそのお届けによって中に入って常人逮捕しておる本人を引き.取ったのであります。それから署に連行いたしまして調べたのでございますが、本人の自供はそこですでに調書をとったわけでありますが、ただその中で逃げたり、逮捕されたりするときにけがをしたということを申し立てておりますので、これはちょっと私、いま資料を持ち合わせませんが、参議院でお答えたようですが、お医者さんに見てもらいまして、打撲で一週間通院を要するというようなことでございます。そういうようなことでもありましたし、十八歳でもあるということでございますので、一応夜の十時何分かに身柄を帰しまして、当時の状況では中の様子がよくわかりませんで、逮捕された方のお話によると、発煙筒を投げたのは見ていないが、何か逃げていくときに煙の出るのを見たという話であります。本人は何か投げたということを自供いたしまして、調書にはある。そういう意味で、当時の事情からいたしますと、あるいは軽犯罪法に触れるのではないかということで事情をよく調べたのでございますけれども、これはさらに関係者の方、そこに居合わせた方からよく伺わなければいけませんけれども、事情によれば、あるいは暴行とか威力妨害ということも考えられますので、引き続き在宅捜査をするということを伺っておるのであります。
#31
○志賀(義)委員 その調査結果を待ちますけれども、わりとそういう方面は事柄が簡単にお済みになるようでございますが、このときも実は警察のほうから前もって御注意を受けたのでございます。防共挺身隊のほうで二発ほど発煙筒を買い入れたようだ、こういう連絡がございました。そういうことになりますと、ああいう団体の動きというものについて前もって御存じならば、その集会についての注意でございましたら、それはあらかじめ防ぎ得ないものだろうかどうだろうか、こういう点を伺ってみたいと思います。
#32
○三輪政府委員 これは毎々ここでも御議論がございましたように、非常に行動的で危険な団体につきましてはできる限り常時そういうことを事前に把握するようにつとめておるのでございます。いま関係の向きで二発買い入れたということを申し上げたというのは、実は私の聞いておるところと違いまして、そこまで事前にわかっておったということは私ども聞いておりませんけれども、しかし、何と申しますか、そういう団体の動きは所轄の警視庁並びに署では見ておったはずでございます。それから、一方神奈川県警といたしまして一特にだれということはございませんけれども、従来の例にかんがみて、そういう際に出ます行動的な者につきまして、また来る可能性もあるということで、百十何名かと思いますが、警察官をそれぞれ横須賀街道に検問所を設け、あるいは駅等におきまして、そういった常時東京あたりで活動いたします者の顔も覚えさせまして検問をしたということを聞いておるのであります。ただ本人は、実は聞きますと、五月の下旬ですか中旬ですか、そのころに入ったばかりの少年でございまして、東京でも、活動歴と言いますか、まだ表立ったことをしているような者でないようでございまして、それがただ一人で大ぜいの中にまぎれていたということで、これが見つからなかったことは残念でございます。そういう事情で、できる限り事前にそういう者を把握をし、そういうことがないようにできるだけ遠いところで押えるというのが常道であろうかと思います。
#33
○志賀(義)委員 どうも共産党のほうにはいろいろ念を入れてあなた方のほうから組織の中まで入れて、それがここでもたびたび問題になるのでございますが、こういう方面は事が安易に行なわれているように思うのでありますが、ここではひとつ注意していただきたいことがございます。いま事前に私どものほうに御連絡いただきましたが、この間、六月二十日に内閣委員会で、建国祝日ですか、いわゆる紀元節、これをきめる法案が突然、自民党に言わせると採決された。それを野党側が反対している、認めないというので、社会党の幹部の人に対してある方面でこれをねらっているというような情報を私ども耳にいたしましたが、何かそういうことがございますか。
#34
○三輪政府委員 組織的ないわゆる右翼団体というものについては、実はまだそういう動きをキャッチしていないのでございます。しかし、いままでのそういった不幸な事件にもありますように、あまり見ておりません者が飛び出してくるという可能性もあるわけであります。そこで関係の方々に対しまして、警護と称して、また御迷惑があってもなりませんので、ごく少数の方ではございますけれども、まずなかろうとは思いますけれども、万が一のこともありますので、お差しつかえがなければということで、警護がつくことを警察が打ち合わせたということも聞いております。この情報はなお追及しておりますけれども、まだ確実なものとは思っておらないのでございます。
#35
○志賀(義)委員 あまり見ていないというまことに微妙な表現でございましたが、あまり見ていないということはどういうことでございますか。いままで警察のほうでその団体の動静を継続的に観察していない方面で何かそういう動きがあるという情報を得られた、だからあらためてその方面にも注意をするし、社会党のうわさに上っている人たちにも報告した、こういうことでございますか。
#36
○三輪政府委員 先ほど申しましたように、特定の団体としてこちらが見ておりますもの、あるいはいわゆる行動的にあちこちで問題を起こしたりいたしますものについて見ておりますが、先ほど申しましたように、ほんとうに活動歴と言いますか、私どもの視線に従来出て来なかった者でそういう刺激を受けた青年というようなものが従来とも危険なことを犯す、あるいは犯す直前までいったということがございますので、そういう意味で、従来私どもが厚く見ている視線の外にあるものについてもそういう危険がございます。だから、その方面は追及して把握するように努力いたしますけれども、しかしながら、一方そういう万が一のことがあってはならないというので、その社会党のごく一部の方にはそういったお話をしてお打合わせした、こういうふうに聞いております。
#37
○志賀(義)委員 実は法務大臣がおられましたら、昭和三十八年五月十五日、公安調査局長、地方公安調査局長会同における中垣法務大臣の訓辞について伺いたいのですけれども、これは非常に重要な問題でありますので、ぜひとも大臣に御出席願いたいのです。
 では刑事課長に伺いたいのでありますが、例のにせ証紙の問題は最近はなはだ芳しくないようなことが雑誌なんかにも出るようになりましたが、やはりやっておられるのでございますか。
#38
○羽山説明員 やっております。
#39
○志賀(義)委員 いままで出ましたところによりますと、これは日本の選挙制度というか、政治制度というものの腐敗の深さを示すものになっておるのでありますがごく最近出ました雑誌なんかを見ても、結局はあの程度で終わるのだろうというようなことを言われておるのでございますが、見通しはどうでございますか。
#40
○羽山説明員 実は主任検事その他の検事が朝早くから夜おそくまで働いておるわけでございますが、しばしば庁内にいませんのと、どこに行っておるのかわれわれにもよくわからぬことがございまして、十分連絡がとれないのでございます。ときどき散発的と申しますか、文書で処理結果だけが報告になってきておりまして、なおあまりにも簡単でわからないようなところは、またこちらから文書で照会いたしまして回答を受け取るという程度でございます。したがいまして、全般的な見通し等につきましては十分ここでお答えいたしかねるのでございますが、これは全くの感じでございますが、この証紙の特捜部の事件に関連をいたしまして、御承知のように東京都競馬会社の関係とか、あるいは都の住宅の問題の汚職とか、そういう事件が非常に多く出てまいりまして、調べる範囲が非常に広がってきた感じがいたすのでございます。しかしながら、六月十二日に最初の処分をいたしたのでありますが、その後六月十五日に松崎氏ほか二名の方を追起訴いたしておりまして、その後六月二十二日にまた松崎氏ほか十二名の方を、これは御承知かと思いますが、いわゆる庁内紙の関係で追起訴いたしております。そのほかに岡安氏ほか数名の方を追起訴いたしておるというような状況に相なっておりまして、相当努力してやっているように考えるのでございます。
#41
○志賀(義)委員 ただいまのお話の最初のところは特捜部は神出鬼没みたいな、かなかとぼけた味のあるお話でありまして、これはまたいずれ法務大臣なり局長さんがいらっしゃったときにもう少し聞きましょう。
 そこで私は、いまお話のありました非常に範囲が広がった、東京都庁関係あるいは都に関係あるほうに広がっていったということでございますね。確かにそういう点にもいろいろと不正はございましょうが、これはそのほうに広げて世間の目をそちらに移して、肝心の今度のにせ証紙及びそれに関連する問題を直接深く掘り下げるほうはあまりやらないのだ、こういうふうな世間のうわさがございますが、まさかそういうことはないでございましょうね。やはりやっておられるのでございましょうね。
#42
○羽山説明員 捜査の内容のことは、確定的なことを申し上げる段階がまいりますまでひとつごかんべんをいただきたいと思いますが、一つ申し上げますと、東京都庁だけに範囲が広がったのではございませんで、御承知のように千葉の選挙の問題が出ておるわけでございます。それやこれやを含めまして全体的に全貌を明らかにするための努力をいたしておるというふうに考えるのでございます。
 なお、すでに事件が問題になりましてから二ヵ月になりまして、いまだもって何も確定的なことが説明できない。したがって、何をもたもたしておるのかというようなお考えをお持ちの方も出てこられるのもまことにごもっともだと思うのでございますが、関係者の身柄を今日までのところ相当拘束いたしまして、それぞれについて十日とか二十日とかいうようなことの制限の中にこまかい食い違いとかいろいろな事実を調べるわけでございますので、これはかなり手数がかかるということはひとつ御了承いただきたいのでございます。
#43
○志賀(義)委員 手数のかかるということは私もわかります。何かもたもたしている、何をしているかという向きもあると言いますが、たとえば佐藤榮作さんは大阪談話で、自民党は池田総裁以下えりを正すべきだ、こういうふうに言われてみると、ははあ、これは何か裏にあるなということはだれでも感じますけれども、そうすると次に今度は、北海道で大野伴睦さんが、何を佐藤君は言うのだ、造船汚職で指揮権を発動されて云々ということで、だいぶきわどいやりとりがあるのでございますけれども、ああいうことはあなた方のほうでは、あの音はどういうふうに受け取っておられますか。音楽的効果でなくとも……。
#44
○羽山説明員 捜査に当たっております検事がどういうふうに受け取っておりますか、ちょっとここで何ともお答えいたしかねるのでございます。
#45
○志賀(義)委員 きょうは刑事課長をこの上問い詰めても、ちょっとお困りでしょうから、法務大臣、局長がこられてからやることにいたします。
 それで政務次官にお願いいたしますが、先ほどの公安調査庁関係の会同、法務大臣のおっしゃったことはきわめて重要な問題がありすので、ぜひともこの次には出てきていただきたい、こういうふうに思っております。あなたからお伝えいただきたいと思います。
 なお、先ほどお渡ししました文書は、自殺しました若林栄子さんの問題について、その労働組合のほうでいろいろと経過を発表したものでございますから、その点を大臣にまでお示しいただきたいと思います。大臣も、これは厳重に調べて必ず適切な処置をする、こういうことでございました。先ほど来あなたのお考も伺いましたから一ぜひとも早いところやっていただきませんと困りますから、それをお願いしまして、私の質問を終わります。
#46
○高橋委員長 次会は明二十八日午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
  午後一時散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト