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1962/02/21 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第10号
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1962/02/21 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第10号

#1
第043回国会 農林水産委員会 第10号
昭和三十八年二月二十一日(木曜日)
    午前十時十八分開議
 出席委員
   委員長 長谷川四郎君
   理事 秋山 利恭君 理事 小山 長規君
   理事 田口長治郎君 理事 丹羽 兵助君
   理事 足鹿  覺君 理事 片島  港君
   理事 東海林 稔君
      伊藤  幟君    仮谷 忠男君
      草野一郎平君    倉成  正君
      小枝 一雄君    坂田 英一君
      谷垣 專一君    内藤  隆君
      野原 正勝君    米山 恒治君
      角屋堅次郎君    栗林 三郎君
      楢崎弥之助君
 出席政府委員
        農林政務次官  津島 文治君
        水産庁長官   庄野五一郎君
 委員外の出席者
        議     員 石田 宥全君
        専  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
二月二十日
 漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整
 備計画の変更について承認を求めるの件(内閣
 提出、承認第一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 土地改良区の財政の再建に関する特別措置法案
 (石田宥全君外十二名提出、衆法第八号)
 漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整
 備計画の変更について承認を求めるの件(内閣
 提出、承認第一号)
    ――――◇―――――
#2
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
 まず、石田宥全君外十二名提出にかかる土地改良区の財政の再建に関する特別措置法案を議題とし、提案理由の説明を求めます。石田宥全君。
#3
○石田(宥)議員 ただいま議題となりました土地改良区の財政の再建に関する特別措置法案につきまして、その提案の理由を説明申し上げます。
 戦後の土地改良事業は、農地制度の大改革と相並ぶ国の最も重要を施策の一環として、自作農を中心とする農業経営の合理化と農業生産力の発展をはかり、食糧その他の農作物の増産によって農業の国民扶養力を引き上げ、ひいては国民経済の成長と発展に寄与することを目的として強力に推進されましたが、一方では、これが法的体系の整備のために昭和二十四年土地改良法が制定されたのであります。
 自来今日まで数次の改正を見、現在さらにその改正の機運が高まっており、本法を根拠に土地改良事業の実施、土地改良区等の設立運営が行なわれ、農民諸君の努力と相待って、わが国食糧農業問題の前進のため多くの成果を上げて参ったことは御承知の通りであります。
 最近の実績を徴しまするに、昭和三十七年度(三十七年度だけは推定)までに事業費で約二千二百九十三億千六百六十三万円余(このほかに干拓事業費五百四十二億四千四百八十七万円余、開拓事業費千五十三億六千二百八十八万円余)完成受益面積約二百三十七万二千百ヘクタール(このほかに干拓一万五千五百九十九ヘクタール・開拓五十二万四千八百三十九ヘクタール)に達し、栽培技術の進歩向上に助けられつつ、農地なかんずく永田の生産力は飛躍的な増大と安定を見ることとなったのであります。昭和三十年以降、六年続き七年続きの豊作がうたわれておりますが、水稲におきましてはすでに千二百万トン台の生産水準をもって平年作とすることが今日の常識となるに至っているのであります。
 このように土地改良事業は、土地生産力の発展に役立っておりますると同時に、一面においては農業労働の軽減による労働の生産性の向上に稗益して参った事実を否定することはできないと思うのであります。
 戦後の土地改良事業はかような効果を上げて参りましたが、同時にまた、今なお全国には数百万ヘクタールに達する要土地改良面積が残されており、さらに、新時代に即応し、畜産農業、果樹農業等の振興のため強力なる畑地対策の推進が要請せられておるのであります。
 われわれといたしましては、新規土地改良事業の着工はもちろん必要と存じますけれども、現在の土地改良事業がその内部に持つもろもろの欠陥、すなわち、事業進度の遅延による経済効果の減殺、事業の一貫施行体制の不徹底、営農技術指導の不十分、事業完了後の施設の維持管理方式の不備、農民負担の過重等各種の問題点にまつ正面から取り組み一つ一つこれを解決すると同時に、他産業との所得格差が漸次拡大しつつある今日の情勢下におきましては、さらに高い次元に立って、農業の共同化、近代化を推進する必要のあることを認めており、これがためには農業生産基盤の整備拡充とその制度の確立、なかんずく土地改良事業の完全実施こそが絶対的要件であると信ずるものであります。
 われわれは去る三十六年二月十七日、国の責任において積極的かつ計画的に農用地の大規模な拡張、土地条件の整備及び共同化による経営の拡大と近代化を促進すること、さらに農業基本計画に基づく農業年度計画の実施に必要な予算を確保し、全額国庫負担による農用地の造成、土地改良及び集団化による農業生産基盤の整備をしなければならないことを明示したところの農業基本法案を国会に提案したのでありますが、廃案のやむなきに至りましたことは、はなはだ遺憾とせざるを得ません。
 しかしながら、われわれは以上の趣旨により土地改良法の抜本改良を主張するものでありますが、ここに至るまでの間におきましても、いたずらに手をこまねいて待っているわけには参らぬ緊急の課題が生じているのであります。すなわち、それは、土地改良区の財政を再建して、その体質改善をはからねばならぬということであります。御承知のごとく、土地改良区は、団体営土地改良の主たる事業主体として、または、国営あるいは県営により施行せられた農業施設の管理主体として、土地改良法に基づいて設立される公共団体でありますが、あたかも全国の多数の市町村や農業協同組合が財政上の危機や経営面の困難に見舞われ再建整備に苦慮いたしておりますが、それと同様の運命に陥りつつあるのであります。
 土地改良区の設立状況は、昭和三十七年度現在において一万三千三百二地区、その関係面積は三百二十二万九千二百十七ヘクタールでありますが、農林省の調査によりましても、大なり小なり経営の不振に悩む土地改良区の数は一万、専任職員の設置すらできないものはその八割にも達するものと目され、これらのうち著しい事業の不振団体は二百七地区、延滞額は九億六千五百五十四万九千円であると報告せられておりまするが、さらに詳細な調査をいたしましたならば、不振団体はおびただしい数に上るであろうと想像されるのであります。しかして、そのよって来たる原因はさまざまでありますが、その主たるものは、国営、県営及び団体営の各級事業が一貫施行せられず、多くのものが、経済効果の発生しないうちに借入金の償還に入ること、あるいは事業進度の遅延により金利が増大すること等、結局は農民の負担力の限界を越えて過重な金銭が賦課され、多額の延滞を生じて業績不振に陥っているものと認められるのでありまして、国または都道府県の側における指導や施策に適切を欠き、そのしわ寄せを受けているところに根本原因があると断ぜざるを得ないのであります。土地改良区が健全な運営を行なわない限り農業生産基盤整備の画期的な前進を望むべくもないのでありまして、かくては農業基本施策の確立そのものも画餅に帰することは明らかであります。
 ここにおいて、われわれは、かかる不振土地改良区に対し、国、都道府県及び農林漁業金融公庫等が一体となって、その借入金について利子補給、貸付条件の緩和等の措置を行ない、もってその業務の円滑な遂行を期することが必要であると認め、本案を提出した次第であります。
 以下その内容について申し上げます。
 第一に、債務の弁済が著しく困難な土地改良区につき、その財政の再建のため必要な援助措置を行なうことにより、その業務の円滑な遂行をはかることをこの法律の目的といたしております。
 第二は、債務の弁済が著しく困難な土地改良区は、財政運営の現況及び債務の償還計画、農林漁業金融公庫または農林中央金庫から受けることを必要とする援助の内容、事業の実施に必要な資金の調達方法、業務執行の体制を改善するための措置、事業の実施に関する事項等を内容とする再建整備計画を作成し、これを都道府県知事に提出して、その計画が適当であるかどうかの認定を求めることができることとし、その申請は昭和四十年三月二十一日までにすることにいたしております。また、土地改良区が再建整備計画を作成する場合には、その組合員の三分の二以上が出席する総会において、その議決権の三分の二以上の多数による議決を必要といたしております。
 なお、都道府県知事がこの計画を認定する場合には、農林省令で定める基準に従って行ない、かつ、認定するときには農林漁業金融公庫または農林中央金庫の意見を聞かなければならないこととしております。
 第三に、農林漁業金融公庫は、再建整備計画が適当である旨の認定を受けた土地改良区に対し、その計画達成のため必要な資金の貸付または貸付金にかかる償還期限の延長、利子の減免その他の貸付条件の変更をするものとし、その場合の償還期限の延長は、農林漁業金融公庫法の定める償還期限を越えて十年を限り行なうことができることといたしております。
 第四は、都道府県知事は、土地改良区に対し、再建整備計画の作成及び実施につき必要な指尋を行なうものといたしております。
 第五に、国は、毎年度予算の範囲内において、都道府県に対し、再建整備計画が適当である旨の認定を受けた土地改良区に対してその計画の達成のため債権の利息を減免した農林中央金庫に対し、その減免した利息の額の全部または一部に相当する金額を都道府県が補助した場合の経費については三分の二を、土地改良区に対しその計画の達成に必要な事務費の全部または一部に相当する金額を都道府県が補助した場合の経費についてはその全部を、それぞれ補助することといたしております。
 以上が本案の提案理由とその内容であります。何とぞ御審議の上すみやかに御可決賜わらんことをお願いいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#4
○長谷川委員長 漁港法第十七条第三項の規定に基づき、漁港整備計画の変更について承認を求めるの件を議題とし、まずその趣旨の説明を求めます。津島農林政務次官。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#5
○津島政府委員 漁港整備計画の変更について承認を求めるの件がただいま上程されましたが、その提案の理由を御説明申し上げます。
 申すまでもなく、わが国の水産業は、国民食糧の確保、輸出の増進等わが国経済の一翼をになう重要な産業部門の一つでありまして、その積極的振興をはかりますことは、わが国の地理的条件から見ましても、きわめて適切かつ必要であります。また、さらに水産業の振興をはかる上におきましては、まず漁業の根拠地である漁港を全国にわたり計画的に整備拡充し、その機能を増進させることがきわめて必要であることは、言うまでもないところでありまして、漁業の能率化と経営の合理化をはかり、漁業の生産性の向上と漁民の生活の安定向上に資するために最も基本的な施策の一つと存ずるのであります。この趣旨から昭和二十五年この施策の基本法たる漁港法が制定せられ、その後、この法律によりまして政府は漁港整備計画を立て、国会の御承認を受けて参ったのであります。
 現行の漁港整備計画は、昭和三十年第二十二回国会において御承認を受けたのであります。との計画は、当時の漁業情勢を基礎とし、これに将来の漁業の推移を勘案して定められたものでありますが、最近におけるわが国水産業の発展と漁船の大型化、漁業情勢その他経済事情の著しい変化に伴い、この計画を実情に即するようにするとともに、漁港の整備を重点的に行ない得るよう改める必要が生じてきているのであります。このため、漁港の整備が水産業の振興にとって根本的な施策の一つであるという見地に立ち、このたび漁港整備計画を変更することといたしたのであります。
 以下、この漁港整備計画の変更の内容について御説明申し上げます。
 今回の漁港整備計画の変更は、現行の整備計画についてこれを全面的な改定を施そうとする趣旨のものでありますが、その策定にあたりましては、漁業と漁港施設の現状を基礎とし、将来における漁業の推移、漁船の大型化及びその隻数の増加、漁業生産の増大、流通機構の改善等を勘案いたしますとともに、各地域開発法に基づく開発計画とも関連させて、漁港の整備を効果的に行なうことといたしております。
 まず、その第一に、遠洋漁業及び沖合い漁業につきましては、その根拠地として重要な漁港を整備することとし、第二に、沿岸漁業につきましては、構造改善対策に沿って周辺漁港の中核となる重要な漁港を整備することとし、第三に、漁場の開発あるいは漁船の避難上特に必要な漁港については、その整備をはかることといたしております。
 整備漁港を選定するにあたりましては、漁港法に基づく漁港のうち、漁港施設の不足度の高いもの及び経済効果の多いもので、緊急整備の必要があるものを採択することといたしております。このような計画方針に基づき、三百八十港の漁港について昭和三十八年度以降に整備することとし、各漁港においては、それぞれの漁港に適応した外郭施設、係留施設、水域施設、輸送施設及び漁港施設用地を整備することといたしました。
 以上申し上げました漁港整備計画の変更につきましては、漁港法の規定に基づき、漁港審議会の意見を徴しましたところ、去る一月三十日原案通り議決した旨その答申がありましたので、二月十五日閣議に付し、その決定を得たものでありまして、漁港法第十七条第三項の規定に基づいて国会の承認を求めるため、本件を提案しました次第であります。
 以上が本件を提案する理由とその内容並びに提案に至るまでの経過であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御承認あらんことをお願いする次第であります。
#6
○長谷川委員長 次会は来たる二十六日午前十時から委員会を開会することとし、これにて散会いたします。
   午前十時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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