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1962/03/19 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第20号
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1962/03/19 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第20号

#1
第043回国会 農林水産委員会 第20号
昭和三十八年三月十九日(火曜日)
    午後三時三分開議
 出席委員
   委員長 長谷川四郎君
   理事 秋山 利恭君 理事 田口長治郎君
   理事 丹羽 兵助君 理事 山中 貞則君
   理事 足鹿  覺君 理事 東海林 稔君
      大野 市郎君    金子 岩三君
      亀岡 高夫君    仮谷 忠男君
      小枝 一雄君    坂田 英一君
      綱島 正興君    寺島隆太郎君
      内藤  隆君    中山 榮一君
      松本 一郎君    米山 恒治君
      中澤 茂一君    楢崎弥之助君
      安井 吉典君    湯山  男君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 重政 誠之君
 出席政府委員
        農林事務官
       (畜産局長)   村田 豊三君
    ―――――――――――――
三月十五日
 委員玉置一徳君辞任につき、その補欠として伊
 藤卯四郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員伊藤卯四郎君辞任につき、その補欠として
 玉置一徳君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月十八日
 農林年金制度改正に関する請願(保科善四郎君
 紹介)(第二五四一号)
 同(伊藤宗一郎君紹介)(第二五四二号)
 同(佐々木義武君紹介)(第二五九四号)
 農業災害補償法の一部を改正する法律案成立促
 進に関する請願外十件(伊藤宗一郎君紹介)(
 第二五四三号)
 (同瀬戸山三男君紹介)(第二五四四号)
 同(灘尾弘吉君紹介)(第二五九三号)
 同外八件(綱島正興君紹介)(第二六七八号)
 早場米の時期別格差金制度存続に関する請願(
 田中彰治君紹介)(第二五四五号)
 全日本ブロイラー販売農業協同組合の設立認可
 反対に関する請願(田中伊三次君紹介)(第二
 五四六号)
 農林年金制度の改正に関する請願(草野一郎平
 君紹介)(第二六五五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件(乳価問題)
     ――――◇―――――
#2
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 乳価問題について質疑の通告がありますので、これを許します。足鹿覺君。
#3
○足鹿委員 農林大臣、本委員会が二月七日全会一致をもって委員長提案による乳価安定対策の決議の実行についてお尋ねをいたします。
 特に六項目にわたる重大な決議でございますが、なかんずくその中心になっております「乳製品の畜産振興事業団による買入れをすみやかに完了し、乳価値下げを中止する等事態の正常化を図るよう指導すること。」この一項の実行状況について伺うのでありますが、去る十三日参議院予算委員会において農林大臣は、乳製品市況はいまだ全面的に回復していない、そり帰趨もはっきりしないという乳業メーカー側の言葉を再三繰り返して述べているが、大臣はこのようなメーカーの言い分をそのまま是認しておられるのでありますか。少なくともわれわれが超党派で、委員長提案をもって決議した趣旨とは全く反する、不誠意きわまる答弁であると私は言いたいのでありますが、この十三日の答弁について大臣の明確な――これをお繰り返しになるかどうか伺っておきたい。
#4
○重政国務大臣 十三日の参議院の予算委員会において私が答弁を申し上げた中に、ただいまのような言葉があったわけでありますが、これは私が交渉の経過をお話しする際に、メーカー側が理由としてあげたことをそのまま私は言ったわけであります。そこで本委員会に対しては、その後私御報告をいたしておりませんので、まずこの機会に御報告を申し上げたいと思うのであります。
 当初、私は二月の終わりまでに、事業団をしての買い上げは完了いたしたい、こういうめどを持って大いに督励いたしたのでありますが、工場及び倉庫等三千もあるのでありますから、そうしてその現品の受け渡しをしなければなりません関係上、思いのほか時日がかかり、さらには中小のメーカーがたくさんおりますので、これらのものの買い入れに非常に手間取りまして、昨日現在におきまして九五%の買い上げを完了いたした。ちょうど十三日の参議院の予算委員会において御報告する際には、九〇%程度の買い上げをいたしておったのであります。私はこの御決議に基づきまして、十一日の日にメーカーの代表を招致をいたしまして、そうして奨励金減額をすみやかに復元をするように重ねて強く要望をいたしたのであります。その際にメーカー側の言い分といたしましては、まだ買い上げの完了も済んでおらない、さらに製品の市況は、買い上げによるその効果がまだ全面的に出ておらない、値上がりも僅少な値上がりの程度であり、先行きがまだ安定しておらないように思うから、せっかくの御要望でありますけれども、それを直ちに御要望に沿うことはなかなか困難だと思います、しかし農林大臣の重ねての強い御要望でありますから、誠意を持って十分協議をメーカー側においていたしますからしばらく御猶予を願いたい、こういうので別れたわけであります。その後先週の土曜に畜産局長をして督促をせしめたのでありますが、メーカー側はなおしばらく猶予をして下さい、待って下さいということを申し入れて返答しておるというのが現状でございます。
#5
○足鹿委員 農林大臣に伺いたいのは、そういう長い経過ももちろん伺うことにやぶさかでありませんが、限られた時間でありますから、要するに乳製品の市況が全面的に回復しない、回復させてから買い上げをしなさいということをわれわれは言っておるのでありません。決議の趣旨をあなたははき違えておいでになる。どこにもそういう文章はない。あなた方が勝手にそのような解釈をつけておやりになっておるにすぎない。しかもその著しい原因は、買上額が少ないので効果が上がらないとあなたは考えておられるのか、買い上げの時期がおくれたから効果が上がらないと考えておられるのか。参議院における渡辺議員の質問については、まだ買い上げが完了しておらないということをあなたは御答弁になっておる。しかも二十億のうち十八億六千万円の買い上げはすでに終わっておる。あとの残りをだらだら買い上げの期限もつけないので、その買い上げの終わらないことを理由にして、自然に市況が、ほうっておいても乳が足らなくなれば上げざるを得ない――集乳競争はもうすでに起きておるのであります。ただ残念なことには、原料乳生産地帯においてはまだそういう空気は薄いのでありますが、市乳地域においてはすでに集荷競争が起きておるのであります。あなた方が効果を待つ、しかも買い上げが完了をしなければというようなことを言って時日の遷延をされるということは、この買い上げの目的をあなたは何と考えておいでになりますか。完了してから正常化をやると、われわれ本院は議決しておりません。「すみやかに完了し、乳価値下げを中止する等事態の正常化を図るよう指導すること。」こういう趣旨であります。要するに事態を収拾していくことが緊急に必要であるから、われわれは二月七日の決議をしておるのであります。もう四十日以上を経過して、いまだに中止の勧告も――そしてこれに応じない場合「右の方針に協力しない乳業者に対しては農林漁業金融公庫からの融資を停止する等行政上の措置をも検討すること。」という付帯条項もついておりますが、あなた方がぴしゃんと期限を切って、もうこの期限に達しないものは意思なきものと認めるという態度をとってきちんと御処理になれば、幾らでも問題は緊急に解決できたはずであります。事実上買い上げはメーカー側に滞貨融資の目的でおやりになったと言われても弁明の余地はないと思うのであります。あなた方は肥料産業に対しては、赤字補てんのために百三億の低利融資をきめ、百六億の合理化融資を、生産者であるメーカーに通産省と合意に達して、大きな事実上の数十億にわたる金利差を補給する、しかも法律的根拠もなしに行政措置でおやりになったではありませんか。同じ生産者である酪農民に対しては、今私が指摘したような、だらだらした態度をもって、事実上滞貨融資にひとしい結果を招来されるということはまことに遺憾であります。もしこのままあなたがだらだら事態の緊急収拾をなされないのでありまするならば、私どもは今後の法案審議はもちろんのこと、あなたの政治上の立場に対しましても厳粛なる態度をもって臨みたいと思っております。重大な決意のあることをわれわれはここに申し上げて、あなたがはっきりとした所信と対策をこの機会に明らかにされることを私は強く申し上げて、いま一応御所信を承っておきたいと思います。
#6
○重政国務大臣 決してだらだらやっておるわけでもないわけであります。御承知のように、買い上げの場所も三千前後のものがあって現物の受け渡しをやるのでありますから、そう右から左へ簡単にいくものではない。ことに中小メーカーの製品の買い上げをいたしますために、そのはねものが出る、不合格品が出るというようなことで時間もとるのであります。そうしてその不合格品も相当の量出ておりますので、それらのものがまた市況に対しても好影響は及ぼさないというようなことでありますが、これも私は長いことではないと思うのでありまして、これらのものが消費市場にずっと行き渡りますと、必ずこの買い上げの効果というものが市場に反映をしてくるものと私は信じておるわけであります。そういうわけでありますから、メーカーに対しても厳重なる復元の要望をいたしておる次第であります。決していたずらに遷延をいたしておるのではありません。今後におきましてもさらに重ねて強く要望し、善処をいたす所存でございます。
#7
○足鹿委員 あなたの御答弁は、人によって常に答弁が異なっておるのであります。同日の羽生三七委員の質問に対して、あなたは、事業団買い上げの第一の目的は、当時さらに奨励金の減額が第二回、第三回と行なわれるおそれがあるという点が非常に心配であった、これはしないように約束を取りつけた、これが第一、それからすみやかに復元をすることが第二の目的でありますと答えております。本院は決して第二次、第三次の奨励金の減額等を心配してこの附帯決議を行なったものではありません。去年の十一月から行なわれ、十二月十一日を期して四大メーカーその他一斉に行なわれた乳価の引き下げ自体を撤回させることをわれわれは決議しておるのであります。われわれは第二回、第三回の値下げなどということを予期しておりません。あなた方自体がそういう幻影を描いて、それにおびえて、そしてメーカーとの間にそういう約束を取りつけたと誇らしげに言っておいでになりますが、われわれの乳製品の買い上げの目的は、去年の十二月十一日の一斉値下げ通告を中止する等事態の正常化をはかれというのでございまして、第二次、第三次などということをわれわれは予期しておらないのであります。あなたの御答弁は、まことに遺憾千万で、あなた自身だけでもってそのように答弁しておるのでありまして、これは明らかに本委員会の決議を無視しておるものとわれわれは断ぜざるを得ません。われわれがこの決議をするときに第二回、第三回の減額が行なわれそうだから買い上げをしなさいといつ決議をいたしましたか。だれかこの委員の皆さんの中からそういう提案がございましたか。委員長自体もそういう趣旨の御提案でなかったと思う。理事会においてもこの案は超党派で話し合い、お互いが酪農の前途を心配するのあまりこの問題を取り上げておるのであります。あなた方が勝手に、メーカー側と通じておられたかどうか知りませんが、第二次、第三次の値下げなどとということは、われわれは毛頭考えておりませんでした。あなた方政府が酪農を奨励をしておいて、それが本格的になる出鼻をくじくようなこのような政策を正常化せしめていくことの前提として、まず乳価の値下げ撤回を満場一致でわれわれは委員長提案を了承して、あなた方にその指導をお願いしたわけであります。あなたは一体当委員会の決議をいっこのように曲げられたのでありますか。決議無視もはなはだしいではありませんか。
#8
○重政国務大臣 決して当委員会の決議を無視しておるわけではございません。実情がそうでありましたので、これ以上の減額は絶対にやらないということをまず約束をさしたわけであります。そうしてすみやかに減額を復元するように、こういうことを申し入れをしておいたわけであります。決して当委員会の決議を無視したものでも何でもないのであって、当委員会の決議を尊重して、私といたしましてはできるだけすみやかに復元を進めるように努力いたしておるわけであります。
#9
○足鹿委員 二月九日の衆議院予算委員会において田中大蔵大臣は、「当然安定した乳価、すなわち業者が生産にいそしめるような、前の乳価まで引き上げたいという目的で特別措置がとられた」と言っております。さらに「以前の乳価ということが、数字的にどうかわかりませんが、いずれにしても、これらの処置が特定の状態に対処してとられた処置でありますから、以前の乳価が安定乳価であるならば、それに返るようにという目的で支出を認めたことは事実であります。」と言っておるではありませんか。あなたよりも大蔵省の方が率直に問題の本質を理解し、そのための買い上げ融資の承認を与えておるではありませんか。大蔵大臣すらこのようなはっきりとした率直な態度をとっておるのにもかかわらず、当面の責任者であるあなたが、先ほど来述べておられるような、しかもこれだけ申し上げてもはっきりとした期日もあなたはこの場合において、お示しにならないで、努力する、努力する、そういう態度で一体農林大臣としての職責が勤まりますか。大蔵当局においてすらはっきりもとの乳価に戻すのが買い上げ措置の目的であると言っておるのではありませんか。あまりにも農民無視といいますか、あの渋い大蔵省においてすらもこのような積極的な理論的な見解をこの議場において述べておられる。あなたは当面の責任者ではありませんか。一体大蔵省とどのような打ち合わせをされたのでありますか。次第によっては、大蔵大臣の御出席を願いまして、二人をおいて私はお尋ねをしたいと思いますが、あなたのさっきの羽生委員に対するところの御答弁といい、特にこの田中大蔵大臣の答弁とは全く似てもつかない食い違いをしておる。さらに津島政務次官は、三月七日、「買い上げは終了をいたしたのであります。従いまして、しばしば申し上げております通り、この終了した機会におきまして業者の方と強く交渉を重ねまして乳価の引き下、げた分の復旧をはからなければならない、かように考えておる次第であります。」と述べ、さらに芳賀委員の、「それでは津島さんの答弁は、一月中に買い上げを終了したということを言われたわけですからして、そうすると三月一日からは回復するということなんですか。」という質問に対して、津島政務次官は「そういう意味でございます。」と言っておるではありませんか。津島政務次官のこの言をあなたは何とお考えになりますか。全く解釈といい、答弁といい、不統一もきわまる、無責任きわまる態度ではありませんか。今後このような大臣と次官の間に答弁の食い違いがあり、財務当局との答弁に大きな食い違いがありますならば、あなたが一々法律案の審議に御出席にならなければわれわれは安んじて法案の審議に従うことはできません。百万言を費やしてここで論じても、三文の価値もありません。いかがでしょうか。
#10
○重政国務大臣 政務次官の御答弁は、その趣旨において何ら私の考えと違わないのでありますが、ただ、二月の末で買い上げの完了を目途としてやるように私が事業団を鞭撻いたしましたことによって、二月の終わりに買い上げが完了した、こういうふうに誤認をしておるところが、先ほど来私が申します通りに、事実がそうでなかったということであるだけでありまして、その趣旨においてすみやかにこの減額した分を復元をすることについて努力をするということについては、私の考えと何ら異なっておりません。先ほど経過を申し上げましたような次第であります。できるだけすみやかに私は御趣旨に沿うようにいたしたいと考えます。
#11
○足鹿委員 政務次官は、大臣の御都合によって、われわれは大臣とみなして、農林省を代表する者とみなして質問をしておるのですよ。違っておらないとおっしゃるけれども、はっきり違っておるのであります。はっきり断言しておるのであります。あなたは一体津島政務次官を御信頼になっておらないのでありますか。勝手に言わしておく、おれはおれだ、こういうお考えでありますか。それならわれわれは、今後の法案審議には、あなたがすべて会議においでにならなければ審議はできぬことになりますよ。あれは政務次官の言ったことで違わないと強弁する。速記に残っておりますよ。私は速記を全部通読をして申し上げておるのであります。あなたはそれでも今述べられたような答弁をさらに強弁されるお考えでありますか。それならばわれわれは、今後の法案審議にあたって、次官の出席のもとにおいては重大な問題は審議ができません。いいですか、あなたがその説を主張されますならば、そういうことになるではありませんか。
 時間がないようでありますが、あなたの御都合で三時半ということでございますから、きょうはもう一問だけ申し上げて、残余の質疑は次の機会に譲りたいと思います。
 過般の国会答弁において、乳業者に対する行政指導の点について、三月初め復元を勧告云々と言っておられますが、正式な勧告はこれからおやりになるのでありますか。今までは何でありますか。われわれが言っておるのは、中止をするよう指導する、その条件のためには滞貨乳製品の買い上げということをわれわれは了承し、大蔵当局も、先ほど述べた精神において支出を承諾しておるのであります。今までは何でありますか。なれ合いの話し合いでありますか。正式の勧告と話し合いと――あなた方が文書をもってこれに協力ぜいという態度を示して、応じなければ、右の方針に協力しない乳業者に対しては農林漁業金融公庫からの融資を停止する等の行政措置を検討するのだ、こういう断固たる決意と措置をあなたがおとりになれば、買い上げに応じない者が一割程度あとに残っておるからといって、何ら問題の重点をそらすものではありません。買い上げは完了しておるとみなしても決して言い過ぎではありません。また買い上げ自体を始めた当初、行政措置がきまったときに、すみやかに業者に向かって勧告をさるべき筋合いのものではありませんか。それを国会の追及にあって、常に、まだ完了しておりません、完了しておりません、荷いたみ等の故障があってこれを取りかえる等のことができませんなどということは、理由に相なりません。いかなる場合でもあり得ることであります。買い上げの方針がきまれば市況に直ちに反応することは、従来の事情を見ても明らかであります。しかもこの買い上げたものは、六カ月すれば買いかえなければならないことになっておりますが、あなたは事業団に対して、いつ幾日までに買い上げるという指令も出されずに、ただ漫然と買い上げを命じられたのでありますか。期限も切らずに、ただ業者に買い上げに応ずる旨の話し合いをされただけでありますか。少なくともこのような酪農の危機にあって、国策に挑戦するかのごとき――すべての物価や労賃が上がる際に乳価のみを下げようという、これを押えるための措置は国民も納得しておる。だれ一人これに対して異議を立てる者はありますまい。これに対して抵抗するのはただメーカーだけであります。あなたは四大メーカーの立場に立ってこの買い上げをおやりになったのでありますか。農民の立場に立って買い上げ方針をきめられたならば、直ちにメーカーにそれを、期限を切って、そして正式に勧告をし、期限がきてもなお買い上げに応じないとぎは、そのものとして取り扱うべき筋合いのものだと私は思います。あなた方は、無方針で、だらだらメーカーの買い上げ申し込みを待っておられたのでありますか。そのような無責任な態度は断じて許されないと思います。
 まだ残余の質疑はたくさんありますが、この点について、いつ正式な勧告をしたのか、正式な勧告はどういう内容のものであったのか、文書によるものであるならばその文書をお示し願いたい。期限もなしに今後もこれを続けていかれる御所存であるならば、われわれは断固たる態度をもって今後この問題に対処する決意であります。
#12
○重政国務大臣 買い上げが乳価の減額を復元するためにやられたものであることは、ただいまお話しの通りであります。そうしてまた、だらだらやったというのでないことも、これは御承知の通りである。二月の終わりまでにこれは完了をする、こういう目途でやったのでありますが、先ほど来申し上げますように中小メーカー分が非常におくれた、こういうことになるのであります。しかし、今や九五%の買い上げを完了いたしたのでありますから、先ほどのお言葉の通りに、大体これは買い上げを完了したものと見て差しつかえないと私も考えておるわけであります。
 勧告につきましては、買い上げの措置を講じます際に、しばしば申し上げます通りに、これ以上乳価を下げないこと、そうしてすみやかにその復元をするようにということを当初に申し入れ、そうして今月の初旬におきまして、私は代表者を招致いたしまして、大体この買い上げも順調に進み、九割までいっているのでありますから、復元をするように迫ったわけでありますが、先ほど申し上げます通りの理由によって、なかなか現在のところはそれがむずかしい、しかし、農林大臣の熱心なる御要請もあることでありますから、いましばらく待っていただきたい、誠意を持って協議を遂げます、こういうことでやったわけであります。そうして、先週の終わりにさらにそれを督促せしめたのが現在までの状況であるわけでありますから、さらに強硬に復元につきまして私から要請をいたすつもりでおります。
#13
○長谷川委員長 村田君に申し上げます。ただいま大臣が勧告という言葉を使っておりますが、大臣の勧告としてこっちで受け取ってよろしゅうございますか。
#14
○村田政府委員 御承知のように、法律上勧告という言葉を使っておりますのは、畜産物価格安定等に関する法律の第五条だったかと存じますけれども、乳業メーカーが法令で定めております、いわゆる安定基準価格を割って値下げをしたりあるいはするおそれがあるときには、農林大臣は、有権的と申しますか、法令の規定に従ってそれを撤回するように勧告を申し入れる権限を持っております。ただいま委員長から御指摘になりました勧告の趣旨は、先ほど来問題になっております、農林大臣が要請とか要望とかあるいは勧告という言葉を使って申しております趣旨と違った意味の、いわゆる法律上、あるいは有権的に農林大臣としてされるべき筋合いのものと違った意味の、協力を求めるという意味の要望であり、要請である、かように私は解釈をいたします。
#15
○長谷川委員長 私からちょっと大臣に申し上げます。現在乳価の問題でいろいろな騒ぎが各地に起こっておることは御承知の通りでありまして、安定基準価格が割られたときでなければ大臣は勧告することができないのだ、こういう趣旨であるということを今答弁しているはずであります。しかし、安定基準価格を割るなんという問題ではなくて、今まで出しておいた価格が、たとえば二円であっても割られていった以上は、それがためにこんな騒ぎが起こっているのでありますから、それを復元するために大臣が非常措置として二十億の金を出しているわけでありますから、そういう点において大臣に、もう一段と強く彼らに意のあるところを伝えてもらい、特にこのたびの本委員会の決議というものは、大臣が勧告するにいたしましても、それがもとで大臣の呼びかけの力を倍加することができ得るだろうとわれわれは考えてあのようなものをつくったわけでございます。でありますから、大臣はもう今日までの段階をよく知っておるのでございますから、少なくとも今月中一ぱいというか、二十七、八、九日のころまでには、はっきりした結論をここで伺わなければならない時期に入ってきておると思います。ですから少なくともこの委員会が休会に入る二十八、九日までに、大臣から確固たる御答弁をいただくことができるでしょうか。今の答弁では、私が聞いていてももの足らないのですが、大臣がそういうふうに言ったけれども、結果としてそうでございましたという御返事をいただくことはできませんでしょうか。
#16
○重政国務大臣 委員長のお言葉に従いまして、さらに一段とメーカー側に対して要請をいたして、お言葉のような運びにいたしたいと考えます。
#17
○長谷川委員長 ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#18
○長谷川委員長 速記を始めて。
#19
○足鹿委員 残余の質疑はあとに留保をいたします。まだたくさん伺いたいことが残っておるのでありますが、大臣の御都合で私どもは紳士協約を守って、きょうの質疑は一応この程度で留保いたしておきます。引き続き御質問を申し上げることとして、きょうは約束でありますから一応打ち切っておきます。
#20
○長谷川委員長 次会は明二十日午前十時から開会することといたし、本日はこれにて散会をいたします。
  午後三時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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