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1962/03/27 第43回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第23号
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1962/03/27 第43回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第043回国会 農林水産委員会 第23号

#1
第043回国会 農林水産委員会 第23号
昭和三十八年三月二十七日(水曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 長谷川四郎君
   理事 秋山 利恭君 理事 小山 長規君
   理事 田口長治郎君 理事 山中 貞則君
   理事 足鹿  覺君 理事 片島  港君
   理事 東海林 稔君
      安倍晋太郎君    大野 市郎君
      金子 岩三君    亀岡 高夫君
      仮谷 忠男君    倉成  正君
      小枝 一雄君    坂田 英一君
      谷垣 專一君    内藤  隆君
      野原 正勝君    松浦 東介君
      松本 一郎君    米山 恒治君
      芳賀  貢君    井堀 繁男君
 出席政府委員
        農林政務次官  津島 文治君
        食糧庁長官   大澤  融君
        林町庁長官   吉村 清英君
 委員外の出席者
        議     員 芳賀  貢君
        農林事務官
        (林野庁林政部
        長)      厚味荘之助君
        農林事務官
        (林野庁林政部
        森林組合課長) 黒河内 修君
        専  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
三月二十六日
 委員亀岡高夫君辞任につき、その補欠として倉
 石忠雄君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員倉石忠雄君辞任につき、その補欠として亀
 岡高夫君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十七日
 委員野口忠夫君及び稲富稜人君辞任につき、そ
 の補欠として芳賀貢君及び井堀繁男君が議長の
 指名で委員に選任された。
同日
 委員芳賀貢君及び井堀繁男君辞任につき、その
 補欠として野口忠夫君及び稲富稜人君が議長の
 指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
 三月二十六日
 甘味資源の生産の振興及び砂糖類の管理に関す
 る法律案(芳賀貢君外三十六名提出、衆法第二
 四号)
 甘味資源特別措置法案(内閣提出第一五〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 森林組合合併助成法案(内閣提出第七三号)(
 参議院送付)
 林業信用基金法案(内閣提出第八一号)(参議
 院送付)
 甘味資源の生産の振興及び砂糖類の管理に関す
 る法律案(芳賀貢君外三十六名提出、衆法第二
 四号)
 甘味資源特別措置法案(内閣提出第一五〇号)
     ――――◇―――――
#2
○長谷川委員長 これより会議を開きます。
 芳賀貢君外二十六名提出にかかる甘味資源の生産の振興及び砂糖類の管理に関する法律案及び内閣提出にかかる甘味資源特別措置法案、右両案を一括して議題といたします。
#3
○長谷川委員長 審査に入ります。
 甘味資源の生産の振興及び砂糖類の管理に関する法律案について提案理由の説明を聴取いたします。芳賀貢君。
#4
○芳賀議員 ただいま議題となりました芳賀貢外二十六名提出甘味資源の生産の振興及び砂糖類の管理に関する法律案につき、提出者を代表して、その提案の理由を御説明申し上げます。
 わが国における甘味資源としましては、てん菜を原料として製造したてん菜糖、甘蔗を原料として製造した甘蔗糖、及びカンショ、バレイショを原料とする澱粉から製造したブドウ糖等でありますが、その生産量は、昭和三十七年度において、てん菜糖十六万トン、甘庶糖二十万トン、(沖繩の生産十四万トンを含む)ブドウ糖六万トンで合計四十二万トンとなっており、国内需要量百六十五万トンの四分の一にすぎず、毎年百三十万トン以上を輸入に依存している状況であります。
 これら甘味資源のうち、てん菜については、北海道における寒地農業の重要作物として昭和初年から奨励せられ、砂糖の自給化政策と相待って昭和二十七年にはてん菜生産振興臨時措置法が制定され、今日に至っているわけであります。
 次に、甘蔗の生産につきましても奄美及び沖繩における重要な作物であり、その農家所得の中に占める比重はきわめて大きいものがあります。さらにブドウ糖の生産につきましては、カンショ、バレイショ生産農家の所得の安定のため、澱粉需要の確保の見地からも大いに振興する必要があることは論を待たないところであります。
 政府は昭和三十四年甘味資源自給力総合対策を決定し、十年後の昭和四十三年度における砂糖類の総需要量を百五十二万トンと推定し、てん菜糖については四十万トン(北海道三十万トン、府県十万トン)甘庶糖二十万トン(奄美六万トン、沖繩十四万トン)、ブドウ糖十五万トン、合計七十五万トンの生産目標を立て、自給度五〇%の達成を指向したのであります。
 しかるにその後この長期計画の推捗状況は不振をきわめ、すなわち北海道のてん菜については三十七年度の計画面積五万三千ヘクタールに対し、作付、面積は八一%の四万四千ヘクタールであり、砂糖の生産目標二十万トンに対し七〇%の十四万トンと大きく下回っている実情であります。また府県のてん菜については、三十七年度の砂糖の生産目標十万トンに対し、一三%の一万三千トンという状況であります。さらにその後の需要の増加は著しく、三十七年度において百六十五万トンに達し、長期計画による四十三年度百五十二万トンの需要見込みをはるかに上回っている現状であり、今や長期計画そのものをすみやかに全面的に改定すべき事態に直面しているのであります。
 このような甘味資源の生産の不振につきましては、政府の長期計画の策定に欠陥があることはもちろんでありますが、この計画達成のための施策に積極性を欠き、ことに畑地改良等の生産基盤の整備の立ちおくれ、てん菜生産者価格の低価格、さらには国内糖業対策の不徹底等政府の無為無策に基因するところが多いのであります。現に北海道においては、原料の生産と確保を度外視して政治的な工場の過剰誘致が行なわれ、結果的には製造業者は原料不足による製品のコスト高で経営難に陥り、生産農民は原料の低価格により増産意欲を減殺している実情であります。また府県においても、政府の呼びかけにこたえて、てん菜糖生産に乗り出した民間製糖会社も、原料不足により、大分県における新光てん菜糖工場は昨年秋操業中止のやむなきに至り、生産農民及び関係会社の損失はもちろんのこと、暖地てん菜生産の前進に暗影を投じている状態であります。かかる結果を招来した政府の施策の失敗は、国民の批判の前に十分反省せらるべきであります。しかるに最近における政府の甘味資源対策を見ると、輸入砂糖については現行の外貨割当制を廃して自由化の実施を急いでいる模様であります。砂糖の輸入自由化についての政府の方針には明確な根拠がなく、単に自由化率九〇%達成のために国内甘味資源の保護対策を犠牲にするかの態度が濃厚であります。
 翻って欧米諸国における砂糖政策の状況を見ると、砂糖の輸入が完全に自由化されている実例は皆無であり、あるいは政府輸入の方式をとり、あるいは輸入割当制、高率関税の採用、国内甘味資源に対する補助金制度等いずれも強力な保護政策を講じ国内自給度の向上に努めている実情であります。
 ことにイタリアにおいては第二次世界大戦直後の一九四六年にてん菜糖生産量二十七万トンであったのを十年後の一九五四年には百四十万トンの生産量に躍進させ、砂糖の自給化を完成した事績に徴しても、その国における政府の政策実行に臨む熱意こそが生産発展の成否を制することが実証されるのであります。これに反して、池田首相初め政府の態度は、甘味資源生産振興についての明確な対策もなく国内態勢未整備のままで、いたずらに自由化だけを強行せんとする意図であり、全く理解に苦しむところであります。
 わが党としては、甘味資源の生産振興と糖業の発展を国の施策として磁極的に進めるためには砂糖の自由化は行なうべきでない旨を、ここに明らかにしておくものであります。
 以上申し述べた現状と観点に立ち、今後の甘味資源対策を強力に進めるために、すなわち、てん菜及び甘蔗の生産を振興するために必要な措置を講ずるとともに、砂糖類の需給及び価格を安定させるために政府が砂糖類を管理することとし、もって農業経営の改善と農家所得の安定をはかり、あわせて砂糖の自給度の向上と糖業経営の健全化及び国民の食生活の安定に資するために、この法案を提出することとした次第であります。
 次に、この法案の内容について概要を御説明申し上げます。第一は、砂糖類需給計画の策定でありますが、農林大臣は砂糖審議会に諮り、砂糖類の需給見通し、砂糖類の生産目標、てん菜、甘蔗及びブドウ糖原料の澱粉の生産目標、砂糖類の輸入見通し等の重要事項について、毎五カ年を一期とする長期需給計画を定め、これに基づく毎年度の需給計画を具体的に定めて、施策の方向を明らかにして、これを公表することといたしております。
 第二は、てん菜及び甘蔗の生産振興についてでありますが、生産条件が、てん菜または甘蔗の栽培に適しており、農業経営の改善により生産が増大する見込みが確実であり、さらに製糖企業を成立せしめるだけの生産量を確保し得る見込みのあること等を考慮し、農林大臣は都道府県の区域につき生産振興地域の指定を行なうものであります。次に生産振興地域の指定を受けた都道府県知事は、甘味資源生産振興審議会に諮り、生産振興計画を定め、農林大臣の承認を求めることとしております。
 第三は、砂糖類製造施設の承認制でありますが、現在の製糖工場は原料不足等の理由から不安定な経営に陥っている現状であり、これら製造施設の合理化はもちろんでありますが、設備が過剰とならないよう、原料の生産に即応し施設の設置または変更につき農林大臣の承認を要することといたしております。
 なお、ブドウ糖の製造施設についても同様の承認を要することといたしたのであります。
 第四は、生産振興地域内において生産されたてん菜または甘蔗の集荷及び販売については生産団体を通じて一元的に行なわれるように、また生産者団一体及び製造業者は、これらの事項につき契約を締結するようにいたしたのであります。
 第五は、砂糖類の政府買い入れの措置について、国内産てん菜糖及び甘庶糖にあっては砂糖製造業者の申し込みに応じて政府買い入れを行なうことといたしております。またブドウ糖については、市価が低落して、ブドウ糖の生産の確保と価格安定のため必要と認める場合は政府買い入れを行なうこととしております。
 第六は、生産者価格及び買い入れ価格についてでありますが、まず、てん菜及び甘蔗の生産者価格については選択的拡大の重要作物とみなして、生産者米価の算定と同様に、生産費所得補償方式に基づき生産者価格を定めて告示することといたしました。
 次に、てん菜糖及び甘庶糖の政府買い入れ価格については、てん菜または甘蔗の生産者価格に砂糖の製造及び政府への売り渡しに要する経費を加えた額を基準として定めることとしております。なお、ブドウ糖の買い入れ価格については、農産物価格安定法に基づくカンショ、バレイシヨ澱粉の政府買い入れ基準価格に所要の経費を加えた額を基準として定めることとしております。
 第七は、砂糖の政府輸入についてでありますが、政府は需給計画に基づき、必要量の砂糖を輸入することとし、政府以外の輸入は認めないことにいたし、また関税については、政府輸入の立場から、これを免除することといたしてあります。
 第八は、砂糖類の標準販売価格についてでありますが、砂糖の販売価格が国民食生活に及ぼす影響等を配慮して、標準販売価格の算定については、国産砂糖の生産費、家計費、物価事情等を参酌して価格を定め、告示することといたしました。なお、農林大臣は糖価安定のために必要な勧告を行なうこととしております。
 第九は、砂糖類の政府売り渡しについてでありますが、政府は需給計画に基づき、その所有する砂糖類を売り渡すものとし、売り渡し予定価格については、標準販売価格を基準として、それぞれ定めることといたしております。
 第十は、助成措置についてでありますが、国は予算の範囲内で、生産振興地域の都道府県に対し、生産振興計画の実施に要する経費の助成を行なうこととし、及び砂糖類の製造施設の設置につき必要な資金の融通のあっせんを行なうものといたしました。
 第十一は、砂糖審議会等の組織についてでありますが、甘味資源の生産振興及び砂糖類の需給計画に関し、てん菜等の生産者価格、砂糖類の政府買い入れ価格及び砂糖の標準価格の決定に関する重要事項を調査審議するため、農林省に砂糖審議会を設置することとしております。
 また、甘味資源の生産の振興対策及び原料の集荷、販売に関する重要事項について調査審議するため、生産振興地域の都道府県に甘味資源生産振興審議会を設置することといたしました。
 第十二は、行政機構等についてでありますが、本法案の円滑な運用をはかるため、食糧庁に、砂糖所管部の新設及びこれに伴う定員の確保を行なうための農林省設置法の改正、砂糖類の政府管理に伴い砂糖類管理勘定を設けるための食糧管理特別会計法の改正、政府が砂糖の輸入を行なうため、関税免除のための関税定率法の改正その他諸規定の整備を行なうことといたしております。
 第十三に、この法律は昭和三十八年四月一日から施行することといたしております。
 以上、本法律案の提案理由及びその内容の概略を申し述べました。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
#5
○長谷川委員長 引き続き、甘味資源特別措置法、案について提案理由の説明を聴取いたします。大津食糧庁長官。
#6
○大澤(融)政府委員 甘味資源特別措置法案につきましてその提案趣旨を御説明申し上げます。
 甘味資源の生産の振興につきましては、昭和二十八年以来てん菜生産振興臨時措置法に基づき、寒地におけるてん菜の生産振興のための措置を講じてきたところであり、また昭和三十四年には甘味資源自給力強化総合対策として、国内産糖製造事業の自立基盤を確立するため、砂糖の関税及び消費税の振りかえを行なうとともに、日本てん菜振興会を設立して試験研究の拡充強化をはかる等の諸般の措置を講じてきたところであります。
 寒地てん菜については、近年天候その他の理由によって若干停滞の気味にあるものの、今後の伸長を期待し得るものがあり、西南諸島における甘蔗及び甘蔗糖、澱粉を原料とするブドウ糖についても急速な生産の伸長があり、さらに暖地においてもてん菜作の導入の試みがなされてきているところであります。
 この間にあって甘味資源作物の導入がその農業経営の改善と農家所得の安定に果たした役割は、寒地てん菜にあってはその耐寒性作物であることと畜産との有機的結合による輪作体系の合理化によって、また、サトウキビにあっては他に対比すべきものがない主要な商品作物として、それぞれまことに大なるものがあったと考えられるのであります。
 従って、今後におきましても、農業経営の改善と農家所得の安定のために、その地域における生産を振興することが必要とされる適地におきまして、これら甘味資源作物の生産を振興して参ることが必要であり、またこれとあわせてその甘味資源作物を原料とする砂糖類製造事業につきましても、その健全な発展をはかるべきことは言うを待たないところであります。
 他方、農産物についても今後国内生産保護のための所要の措置を講じて、可能なものについてはできる限りすみやかに輸入自由化を行なうことが要請されておりますし、また消費者の立場を十分考慮することも必要であると考えられるのであります。
 以上の諸点を十分配慮し、今後における甘味資源対策の基本として、本法案を制定いたしまして適地におけるてん菜及びサトウキビの生産を振興するとともに、てん菜糖工業、甘蔗糖工業及びブドウ糖工業の健全な発展をはかるため、所要の生産奨励、政府買い入れ等の措置を講ずるごとにより、農業経営の改善と農家所得の安定及び国内甘味資源の国際競争力の強化に資するよう措置する所存であります。
 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、政府は、砂糖類並びにてん菜及びサトウキビについて農業基本法第八条の重要な農産物として、同条の規定によりその需要及び生産の長期見通しを立て、これを公表することといたしております。
 第二に、適地においててん菜及びサトウキビの重点的な生産の振興をはかることとし、その区域内の農業経営の改善をはかるため甘味資源作物の生産を計画的に振興することが特に必要と認められる一定の区域をてん菜生産振興地域またはサトウキビ生産振興地域として農林大臣が指定し、指定を受けた地域を管轄する都道府県知事は、毎年生産振興計画を立て、農林大臣の承認を受けなければならないものとし、国はその計画の実施に要する経費等につき必要な助成を行なうこととしております。
 なお、農林大臣が生産振興地域の指定を行なうにあたっては、関係都道府県知事の意見を聞き、また都道府県知事からも指定の申し出をすることができることといたしております。
 第三に、生産振興地域の区域内における甘味資源作物の生産振興とてん菜糖工業及び甘蔗糖工業の健全な発展を確保するため、その地域内における製造施設の設置及び変更につき、農林大臣の承認制をとることとしております。
 第四に、政府は、砂糖の価格が著しく低落した場合において必要があるときは、てん菜糖製造事業者及び甘蔗糖製造事業者から、農林大臣が定める最低生産者価格を下らない価格で生産者から買い入れたてん菜またはサトウキビを原料として製造されたてん菜糖または甘庶糖を買い入れることができる制度を設けております。
 なお、当分の間は、糖価の低落以外の特別の事由がある場合にあっても、特に必要があると認めるときは、所要の政府買い入れを行なうことができるごとといたしております。
 第五に、カンショ及びバレイショの需要の確保をはかるため、砂糖の価格が著しく低落した場合において必要があるときは、ブドウ糖製造事業者からブドウ糖の政府賢い入れを行なう制度を設けております。
 ブドウ糖の政府買い入れにつきましても、当分の間は、糖価の低落以外の場合においても、ブドウ糖工業の合理化を促進するため特に必要があるときは、所要の政府買い入れを行なうことができることといたしております。
 第六に、甘味資源に関する重要事項を調査審議するため、農林省に甘味資源審議会を設置することといたしております。
 第七に、本法の附則によりまして、食糧管理特別会計法の一部を改正し、同会計に砂糖類勘定を設けて損益の明確化をはかることといたしております。
 以上がこの法律案の主要な内容でございます。何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さいますようお願いする次第でございます。
     ――――◇―――――
#7
○長谷川委員長 森林組合合併助成法案及び林業信用基金法案の両案を一括議題とし、質疑を行ないます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。東海林稔君。
#8
○東海林委員 私は両法案について事務的な観点で二、三お伺いしたいと思います。
 まず森林組合合併の助成法でありますが、この資料によりますと現在約三千七百くらいの組合がある。従来は特に弱小組合の合併というようなことを指導し来たったが、今度のこの法律による合併は新しい山村の情勢に対処して前向きの林業の振興のためにやるのだというようなことが提案理由の説明なり補足説明なりに出ておるわけです。私どもはそういう趣旨には全く賛成なんですが、しかし、具体的に講ぜられてある予算措置その他を見ますと、この法案の大上段に振りかぶっておる目的から見まして内容がきわめて不十分なような感じがするわけです。まず予算の関係を見ましても、共同施設の助成費として一組合十万円、その他あとは合併の事務指導のために県に若干の助成をする、こういうような計画でございまして、どうも大上段には振りかぶったが、実質は何だかわざわざこんな法案をつくってやる必要はないというような感を率直に受けるわけです。そこでまず伺いたいことは、この五カ年間にどの程度の組合を合併させるという考えでおるのか、また、これは既存組合の大小によってはもちろん違うわけですけれども、大体合併後の組合というのは従来の幾つぐらいの組合を一つにまとめようというのか、平均的に全国的に見て、もちろん地域によっても違うでしょうが、大体どういうようなことを考えておられるのか、まずその点をお聞きしたいと思います。
#9
○吉村政府委員 お答えを申し上げます。
 今回、この五カ年間に計画と申しますか、予想をいたしております森林組合の合併でございますが、三十七年度まで御承知のように三カ年間にわたりまして合併を推進いたして参りまして、その結果は三千三百八十八程度の組合数になるかと思います。その中で、私ども検討をいたしまして、予想をいたしておりますのは千七百余りの組合が合併に参加をいたしまして、五百七十六程度の組合ができますことを予想いたしておるのでございます。これは大体参加組合は三つぐらいが参加をしてできるというような考え方を持っておる次第でございます。
#10
○東海林委員 ただいま三千三百というようなお話ですが、このもらった資料は三十六年度末ということですが、そうすると、三千三百というのは三十七年度末、こういう数字でございますか。
#11
○吉村政府委員 はあ。
#12
○東海林委員 それではわかりました。
 そこで十万円の助成費は、この説明を見ますと共同施設あるいはオートバイということが悪いてあるわけですか、十万円の三倍となりますと三十万円でありますが、現在の組合を平均して大体三つを一組合にするのだ、そこで三十万の共同施設というのは一体どんなことになるのか、私にはちょっと想像がつかないのですが、どういうことを一体予定されているのでしょうか。
#13
○吉村政府委員 その点でございますが、まことに軽少で十分な目的が達せられないではないかというような御指摘も、私どもこの点ではいろいろと努力をいたしたわけでございますが、そういう結果になったわけでございます。
 私ども考えております施設でございますが、たとえて申しますと、最近林業の機械化の推進によりまして自動のこでございますとか、あるいは簡易搬送機でございますとか、そういうものも考えております。それから、そこにあげましたオートバイのようなものも考えております。また、組合が合併をいたしますことによりまして、この事業の改善はもちろんでございますが、一面また組合の内部の事務機械等の必要性も出てくるかと思うのでございますが、そういうようなものもまた考えておる次第でございます。
#14
○東海林委員 今のお答えから推測しますと、林野庁当局としてはこれでは不十分だと考えてだいぶ努力したのだが、財政当局その他との関係でこういうことになったのだ、こういうふうに理解されるわけですが、そういたしますと、来年度以降においてはさらにこれを拡大するというようなことについて積極的な努力をする心組みをお持ちなのかどうか、またそうなった場合に、この助成は一つの組合については一年限りだと思いますから、今年度すでに合併をするものと二年度以降に合併をするものとの間に、助成措置について不公平ができるということも考えられるわけですが、そういうような点についてはどういうふうにお考えでございますか。
#15
○吉村政府委員 その点でございまして、私どももこの合併が順調に進めますように今後さらに努力をして参らなければならないのでございますが、今回それから来年度以降との関係でまたアンバランスが出て参りますと、これまたせっかくの推進をできなくなるというような結果にもなりかねないのでございます。従いまして、私どももそういう点を十分配慮いたしまして今後の改善には努めて参りたいというように考えております。
#16
○東海林委員 御承知のように農業構造改善の事業を昨年やりまして、しかしその経験からして昨年のような助成のやり方では非常に不十分だというようなことで、三十八年度においてはだいぶ改善がされておるわけです。従って、そういう実例もあるわけでありますから、この点についてもっともっと積極的にぜひ一つ御努力を願いたいということを強く希望するわけです。特にこれは施設組合の合併ですから、三十万円の呼び水で合併というようなことは、実際これは一応政府としては名目が立つかもしらぬが、当該組合になってみると、これはほんとうに困るのですよ。十分そういうことはおわかりだと思いますから、くどく申しませんが、ぜひ一つ御努力を願いたいと思います。
 もう一つ、これに関連して、府県段階における林業のこういう仕事を初め、各方面にわたる指導者の質の向上なり待遇の改善という点、こういう点についてどのように考えておられるかということをちょっとお伺いしたいのです。御承知のように助長法の改正法案が別に出ておりますが、その方面では農業方面の技術指導に当たっておる専門員とか改良普及員については今度これを優遇してさらに素質の向上をはかるという措置が講ぜられておるわけです。林業面においても当然そういうことが同時に考えられてしかるべきじゃないかと私どもは思うわけです。改良助長法のそういう今度の改正の趣旨と同じような考え方が当然なされていいのじゃないかと思うのですが、そういう点についてのお考えを承りたいと思います。
#17
○吉村政府委員 ただいま御質問の関係者の質の向上の問題でございますが、まず第一番には森林組合の内部の役職員の質の向上、この点につきましては、大型な組合にいたしまして、経済卒業も振興いたしまして、有用な人材が得られるような方向へ進みたいというように考えております。
 それから都道府県関係の職員の質の向上でございますが、それは一面におきましては林業の研修所、これを三十八年度と三十九年度にわたりまして新設いたしまして、これによって研修を強化して質の向上をはかりたいというふうに準備をいたしております。
 それから最後に普及員の処遇等の問題でございますが、御指摘のように、この普及員はやはり林業の現実のにない手と申しますか、指導者になるわけでございますので、この質の向上は、研修をいたしますと同時に、やはり処遇を改善いたして、そういう人たちが十分に機能を発揮できるようにいたさなければならない、そういうことで私どももただいま早急に検討を進めておるところでございますが、来年度のと申しますか、三十九年度の予算までには何とかして検討をまとめたいというように努力をいたしたいと思っております。
#18
○東海林委員 次に林業信用基金法関係で一つ質問申したいと思うのですが、現在林業関係の資金需要を年間一応どの程度というふうに押えておられるかということが一つ。そのうち信用基金法その他によって林業者なり、あるいは組合だけの力ではなかなか金融の円滑化を期し得ないので、何らかの保証をしなければならぬ。そういうような必要を考えられておられるのが大体どの程度なのか、まずその点を一つお伺いしたい。
#19
○吉村政府委員 この林業関係の資金の融通状況でございますが、資料にもあげてございますが、大体御説明申し上げますと、三十七年の三月末現在の政府関係の金融機関以外からの――と申しますと民間からの融資の残高は二千九十億、二千億程度でございます。そのうちで中小企業に属するものが大体千八百億くらい、こういうように私ども見ております。これは従来一応こういう保証制度なしに融資がされておったものでございますが、このほかに正規の金融機関以外からの借り入れ、例をあげますと貸金業者でございますとか、あるいは親戚とか友人とか、そういったような個人的な関係から借り入れをしておりますものが一般の製造工業では約一割程度でございますが、林業関係におきましては一四、五%になっております。五%くらい高くなっております。その金額は大体二百八十億くらいになるかと思います。この二百八十億程度のものは保証をできれば正規の融資の軌道に乗せられるということになるかと思うのでございます。
#20
○東海林委員 今のお話ですと、中小関係で千八百億というような点、それから今度の保証関係で一応二百八十億というようなものを考えておられる、こういうようなお話ですが、現在この中小関係の林業者なり団体の借り入れする場合の利率はどの程度の利率になっておるかという点と、それからもう一つは利率と関連して、御承知のように資力の少ないものに銀行が貸す場合には、歩積みですか、必ず一方で預金をさせるということをやっておりますね。何か雑誌等を見ますと、政府が二十六年以来十一回も歩積み両建の粛正の問題で通達なり注意をしておるけれども、さっぱり実行されていないというふうなことが出ているのですが、林業関係の金融の場合には一体この歩積み関係がどの程度というふうに皆さんの方では押えておられるか、この点も伺いたいと思います。
#21
○吉村政府委員 利子でございますが、大体私ども押えておりますところでは日歩三銭五厘ないし三銭と見ております。歩積みでございますが、歩積みはちょっと内輪のことでなかなか押えにくいのでございますが、まあほかのものとそう変わらないのじゃないかというように考えております。
#22
○東海林委員 それと関連してですが、ちょっと資料を見ましたのですけれども、保証する場合の保証料ですね、これは幾らを考えておられるのか。そこで私はそれと一緒にお答えを願いたいと思うのですが、この保証するということは、保証がなければ融資が実際困難である者に融資ができるという利点も一つあると思いますけれども、こういう保証をする以上は、一面においてやはり歩積みというようなことはやらせないということがはっきりするのでなければ、結局は保証料を払うのですから、高い利息で借りるということと同じような結果になるおそれがあると思うのです。これまでの開拓者の保証とか、あるいは中小商工業者に対する保証等の実務についても、若干私は関与したことがございますが、そういう結果が出まして、銀行の方は非常にこの基金制度ができてけっこうだが、利用者はあまり大したことはない、むしろ高い負担になるというような結果になっておる例もないではないのです。今回のせっかくの保証基金制度をつくって保証するのですから、従って一面で保証料をとる以上は、そういう裏の歩積みというようなことはやめさせるためのはっきりした何か対策がなければ、私は非常に効果が少ないのじゃないか、そういうことを心配するわけです。その点について一つお答え願います。
#23
○吉村政府委員 まず歩積みの問題でございますが、一般の銀行行政でも、そういうことをなくするように指導をしておられるようでございますが、私どもといたしましても、この保証制度をつくりますからには、先生の御指摘の通りでございます。従いまして、その点は保証をしっかりいたしますと同時に、そういうことのないように指導をいたしたいと存じております。
 それから例の保証手数料の問題でございますが、これは業務方法書をきめる段階できまって参るわけでございまして、まだ確定はいたしておらないのでございますが、極力私どもも安くいたしたい。大体今二厘程度を考えております。一般の信用保証協会が五、六厘になりますから、そういうことを考えておりますと同時に、銀行の貸し出しの金利等にも、この保証に関連をいたしまして、借りる金利が高くならないように、銀行の方も融資機関の方も指導をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
#24
○東海林委員 先ほど私は組合の合併法案についても感想的に申したのですが、この信用基金法は、政府出資がさしあたって三億五千万で、一般の業者なり都道府県もそれと同額を出すとして七億、こういうことになるわけですね。全国的な基金制度としてはきわめて私は不十分な額じゃないかと思うのです。先ほどお答えがあったように、資金需要というものは相当ございますし、それで今の歩積みというようなものと関連して考えますと、これは相当活用される面があっていいんじゃないか、そうなりますと、七億という額では、せっかくこれだけの法案をつくるという苦心味が、私は、これもまたばかに振りかぶっただんびらは大きいけれども、内容はまことに申しわけ的だ、こういう気がするのですが、そういう点についてどういうようにお考えであるか、また次年度以降具体的にどういうふうにしていくというお考えがあれば、この際承っておきたい、こう思います。
#25
○吉村政府委員 お答え申し上げます。
 資金の需要から申し上げますと、先ほども御説明を申し上げましたように、一般の融資関係から見ますと、きわめて低いわけでございます。また例の不良といいますか不利な借り入れの額から見まして約三割程度、と申しますのは、七億で私ども約十倍程度の保証を総額で考えておるのでございますが、そのうちの融資の八割を保証するということで考えておりますので、八十億程度の融資の保証の対象になるというように考えております。従いまして、不良な融資の約三割程度というようになるわけでございますが、御指摘のように、決してこれで私どもりっぱに十分やれるというようなことも申し上げられないわけでございまして、それにはやはり政府の出資はもちろんでございますが、民間の出資も仰がなくちゃならぬということでございます。従いまして、この発足にあたりましては、法律にもあげてございますように、まず五億を集めまして、それによって発足をいたしまして、年度内に七億にいたしたい、その後は資金需要の動向等を十分に見きわめまして、さらに拡充をして参りたいというように考えております。
#26
○東海林委員 繰り返すようですが、非常に困難な融資に対して保証することによって融資が可能になるという面も考えられますが、それだけを考えると、そう大した額にはならぬかもしれませんけれども、先ほど言うように、歩積みとか、そういう従来の弱小企業に対する融資のいろいろな悪い面をこれによってある程度是正していくのだ、そういう点が実際に実現されるならば、これは私は非常に大きい対象融資額というものを考えられると思うんです。そういう点を一つ御考慮いただきまして、積極的な意欲を持って――せっかくこの法律をつくって七億くらいの基金でやっていくというのでは、ほんとに法律が泣きますよ。そういう意味において今後の御努力を期待いたしまして、私一応質問を終わります。
#27
○長谷川委員長 足鹿覺君。
#28
○足鹿委員 私は、他の同僚から法案直接の問題あるいは林野政策全般の問題については御質問がありましたので、きわめて局部的、部分的ではありますが、主として関連産業の問題について二、三お尋ねを申し上げておきたいと思います。
 御存じのように、林業関係の関連産業、特に製材企業でありますが、その不振はだんだん深刻化してきておると思うのであります。それに対して、その一環として今回も基金の提案があったと思うのでありますが、これに対して林野庁は、どのような対策を現に講じ、今後この関連産業の不振に対する具体的な対策を考えておいでになるかをこの機会に明らかにしていただきたいと思います。
#29
○吉村政府委員 関連産業としての木材の加工業関係の問題でございますが、この問題はやはり林業の生産過程から消費までの流通全般にわたって参る問題でございますが、私どもはその中でまず何が緊急を要するかということを検討いたしました結果、やはり製材工場等の原価の約七割を占めるという原木代、この原木の購入の問題が最も緊急で、かつ、重要な問題ではないかというようなところからこの基金制度も提案を申し上げたわけでございます。御案内の通り、木材加工業、なかんずく、最も大きな部分を占めております製材業は、非常に零細性と申しますか、零細なものが多くございます。これを体質の改善なり合理化をいたしますためには、やはり原木をいかようにして供給なり、仕入れるかということが非常に重要になってくるわけでございます。ところが山の配置、なおかつ、伐採地点の配置等を考えますと、固定をして大規模な近代化された工場を多くつくっていくこともなかなかむずかしい問題が横たわっておるのでございます。こういうような概括的な考え方から、木材の供給を計画的にして参る、計画的にして参るためには、いわゆる従来の狭い意味の林業の生産を計画的にして参らなければならないということでございます。計画的に生産をして参りますためには、やはりその指導なり、また中心になっております林業の団体を強化して参らなければならないという考え方を持つわけでございます。そういうような観点から、森林組合の強化育成、整備というようなことも考えて今回の提案に至ったわけでございます。この金融の措置等によりまして、私どもの期待をいたします関連産業の面に十分に効果があり得るというようなことは、なかなか早急に見込めないことかと存じますが、この制度をさらに十分に活用しながら、木材事業と申しますか、林産事業と申しますか、製材その他の木材加工業につきましても、零細なものを共同化し、組織化して参るというような方向に向けまして、木材と申しますか、原料の取引も、将来におきましてはやはり個々ばらばらに取引をするというようなことでなしに、団体取引と申しますか――すでに森林組合の方におきましては団体協約ができるような規定になっておるのでございますが、こういうような取引を団体として進めて参り、それによって価格が安定もいたし、また企業の安定もはかって参りたいというように考えておる次第でございます。
#30
○足鹿委員 長官から一応基本的な対策をお述べいただいたわけであります。そこで、具体的な問題を今の御答弁に関連してさらにお尋ねをいたしたいのでありますが、国有林材の払い下げの問題であります。これにはいろいろな問題がございますが、私は、ほかの問題には触れませんで、きわめて簡単に一点だけ申し上げたい。
 それは、豪雪地帯、積雪寒冷地帯におきましては――うんと豪雪地帯になりますと、冬季期間雪を利用した伐採、搬出の技術等も相当進んでおります。が、そう豪雪地帯ではない、しかし、積雪あるいは寒冷の著しい地帯におきましては、あなた方の払い下げの時期が非常におくれるのです。たとえば、私は山陰ですが、実際に原木を払い下げ地点から出す時期がちょうど初冬、晩秋から冬にかかってくる。そうしますと、私どもの方が雨が連日降りますし、奥地ではどんどん雪がたまってくる。そうしますと、人夫はない、搬出の道路は悪いし、泥濘化して出せない。こういうことで、結局、業者間でこれに対する要望を現地の営林署にしばしばやりましても、一向に是正されていない。これはお調べになっておりますか。そういう気候条件によって著しく制約を受けている地点に対しては、同じ払い下げをされるならば、もう少し気候のよいときに、原木の伐採、搬出ができて、そうして業務に支障のないように、そしてまた伐採、搬出等のコストがかさまらないように十分な配慮をしてあげなければならぬと思うのであります。そういう要望を業界はしばしばやっているそうでありますけれども、一向にこれが改まらないということを聞いておるのであります。根が零細企業でありますから、最近は倒産、工場閉鎖が続出しております。こういうことではとてもやれないという悲痛な訴えがあります。まだほかにありますから一つずつお尋ねいたしますが、その点に対してはもっと御検討になって、今私が述べたような趣旨を具体的にやっていただくという御言明をこの際していただいて、御善処を願いたいと思いますが、いかがですか。
#31
○吉村政府委員 全くごもっともでございまして、私どもも先生のお考えと同じ考えで指導をしておるつもりでございました。ところが、御指摘のようなことでございまして、まことに遺憾でございます。売り払いの時期というものは、年間を通じて別にきめられておりません。従いまして、調査をいたしまして、調査の済みましたものは、その搬出の時期、それから市場の需要、そういうものを見きわめながら弾力的に操作をして売り払いをして参るように指導をいたしておることでございますが、そういう事態が出て参りますことは、私どもまことに申しわけないと存じます。今回またあらためて、その点、さっそくに十分に指導をいたしたいと思います。
#32
○足鹿委員 次に、基金の運用の場合、今述べましたような関連産業の中でも一番零細な企業の製材業者がいつも現地で訴えておりますことは、担保の評価であります。担保評価が非常に低い。従って莫大な担保物権の提供を迫られるというのが従来までの金融の実情であります。私はこれを不当に高く見積もれとは申しませんが、あまりにも低過ぎる、こういう声が強いのであります。今回の場合、農林近代化資金制度に関連をした農林関係の基金制度をモデルとしてお考えになっておるようでありますが、これにも担保をとっております。八〇%まで保証をするものが基金なんでありますから、それがさらに担保をとるということでは、関連産業といわず、個々の林業者といわず、さような運用というものはいささか当を失しておると私は思うのです。何のための保証なのか意味をなさない。これでは私は非常に困ると思うのです。この点についてはどのように運用をしておいでになるお考えでありますか。この一般金融の場合の担保評価の問題と、それから基金運用上において担保をどのように取り扱われるか、お尋ねしたい。
#33
○吉村政府委員 基金の担保の問題でございますが、これは私ども御説明申し上げますように運転資金でございますので、短期間の関係もございまして、担保は原則としてとらないというふうに考えております。
 それから一般の融資の場合の担保の評価の問題でございます。これは私どもも十分に検討をしてみないといけないと思いますが、この保証の事業を進めていきますためには、当然その価値に相当した価値を認めていかなければならぬのじゃないか、そういうことで私どもも融資機関に指導をして参りたいと考えております。
#34
○足鹿委員 特に今申しました点は基金運用上の具体的な問題点だろうと思うのであります。あなた方は銀行その他の融資機関に直接指揮監督権があるわけではありませんが、しかし異常に低いということは従来からの実例であります。中小企業育成というので現在基本法すらも提案をされておる段階でありまして、政府の一貫した金融施策の面からも当然その手が打たれることはわれわれも必要だと思いますし、打たれるだろうと考えておりますが、特に今長官がお述べになったような点を――私の説を御肯定になりますならば、林野関係の関連産業に対する特別の配属の点について、金融機関等にもこの基金制度発足と並行して特別な行政指導あるいは協力の要請等をやっていただきたい。そうでないと実際面においてはなかなか運営が改まってこないのではないかということを憂慮いたしますので、一段とその点について御配慮を願いたいと思いますが、いかがでありますか。
#35
○吉村政府委員 まことにごもっともでございますので、私どももその他いろいろ融資機関に対して要請をしたい問題もございますから、あわせて十分御趣旨を体しまして努力いたしたいと存じます。
#36
○足鹿委員 次に、先ほどお述べになりました共同化問題についてですが、共同化は零細企業者あるいは中小企業者が必要に迫られてある程度やっております。しかし問題はたくさんあります。その問題についてはあえて私はきょうは触れませんが、ただ一つ団地形成の問題でございます。鉄鋼団地その他が政府の助成等によって発足をしておりますが、この製材業者の団地化問題が私どもの地方においても論議されておりますけれども、なかなか話が進まない。それは相当の金をつぎ込みましても、原木の共同仕入れというようなことよりも、実態は販路の問題で業界は非常に困っておるのです。一例を申し上げますと、たとえばりっぱな県庁なら県庁が建ちます。ところがこれは都会の大資本の何々組というようなものが来て請け負います。このごろはみんなそうです。ちょっとした建築物になりますと、全部都会の大きな建築業者が進出してきまして、地方の者はその系列に入ってしまいます。そうしますと、たとえば鳥取で県庁が建つという場合に、その元請の系列下にある木材業者がよそからどんどん入ってきてせき板に至るまで注文します。地元の者は哀訴嘆願をして若干のものを使ってもらう体たらくであります。これはただ単に木材関係のみではないと思います。すべてのことについて共通して言えることではないかと思うのであります。事ほどさように困ってしまう。特に販路の拡大と確保の対策です。いわゆる共同化してコスト・ダウンはある程度までできつつある。あるいは団地化の構想も進めていく。しかしやってみたところで、膨大な資金を投じて、借金を背負って、そうして近代化を進めていきましても、地元の目の前に大きな建築物や大きな施設ができても、そういうような点で地元の木材が使ってもらえない、こういうことなんですね。そういううらみが非常にある。それから、たとえば遠方に消費地が発見された、販路が見つかったという場合に一番困りますことは、私どもの方は一同とちょっとの江戸間でありますが、関東その他都会地にきますといわゆる京間といって単材であります。寸法が違い規格が違う。尺貫法をやめてメートル法にすべてのものを統一しておるような現在、いまだに木材の規格の点についてはやれ江戸間だ、やれ京間材だということでやっているのですが、全国共通の規格というものがなければ、これは京間川の製材をしなければならぬ、こっちのものには江戸間川の規格で製材をしなければならぬというような問題があります。これは古い慣例によるものでありますから、需要者の立場もまたありますので、にわかにこれを統一するということはできないことでありますが、いやしくも尺貫法をやめて全部メートル法に変わっておる、そういう中に木材の規格がいまだに旧態依然として何ら積極的に改善されないというようなことでは、販路の拡大、確保というようなことにもひいては大きな支障となって現われるのではないか、こういうことが私は申し上げられるのではないかと思うのでありますが、これについてはいかような対策を林野庁として持っておられますか伺いたい。
#37
○吉村政府委員 まず団地化をした場合の販路の問題からお答えを申し上げます。この販路の問題につきましては、御指摘のような現象があるかと存じます。これもなかなかむずかしい問題でございまして、私どもの行政として制限をすることが非常に困難でございますが、御案内のように木材というものは大形な重量物でございますから、やはり国家全体の経済的な観点からいたしますれば、近いところのものを使うというのが原則でなければならないかと思うのでございます。現在の自由な取引の段階におきましては、その点非常にむずかしいと思うのでございます。やはり私ども団地化を計画いたして参りますからには、かなり加工度を進める、たとえば製材からさらに二次加工、三次加工というようなものまでも進めるような方向へ持っていかなければ――一気にはいかないかと思いますが、そういう方向へ進めていくべきではないかというように考えるのでございます。そういうことはとにかくといたしましても、やはりそういった産地と、またその産地における消費でさえもそういうような状況でございまして、さらに私どもも市売りその他の問題ももう少し検討を深くいたしまして、そういう問題を解決をして参りたいというように考えておる次第でございます。
 それから木材規格の問題でございますが、これは御指摘の通りだとは思いますが、建築の需要の方が直って参りませんとなかなかこれが売れなくなるということになります。現在規格はメートル法になっておるのでございますが、規格をメートル法にしたというだけで、相変わらず建築の設計は先生のお話の京間、江戸間というようなことで、大きく寸法が違うわけでございますので、その改善がなかなか行なわれない現状でございます。ただ最近プレハブ住宅等の問題も起きておりますので、ただいま建設省と私の方とはこの規格の整理の問題について検討といいますか協議を進めておるところでございます。なるべく早くこういう問題は、私ども自身が消費者の立場に立って見てもまことに不自然なことでございますので、改善しなければならぬというふうに考えております。
#38
○足鹿委員 もうこれで終わりますが、先ほどから申しますように、木材の供給面について、私は一点だけ申し上げましたが、共同化なり原木の共同仕入れなり共同搬出なり割合進んできておりますが、実際はその販路問題が一番困っている。近代化、団地化をやって、それに精根をつぎ込んで、全財産をつぎ込み、すべてをかけてみても先行き不安だという点がどうしても解消しない。これについては鉄鋼団地等の例に見られるように、ただそこに集めるということだけではなくして、もっと総合され、そして新しい技術革新に備えられたものでなければ、団地化というのは、ただ自然発生的に出てきた町工場を一定のところに集めるということだけのものであってはならないと思うのです。この関連産業としてなくてはならない諸君が、倒産寸前にあえいでいるわけです。特に今度の豪雪なんかを受けた場合は全くお手上げの状態が続出しております。至るところにいわゆる争議が頻発しておる。死にもの狂いの戦いが展開されておる。工場閉鎖をする、全員解雇ということになる。またベースアップの要求を、くれないからやる。しかし企業者自体は非常に困っておる。こういう状態で非常に深刻な様相を各地で展開しておることをよく御認識になりまして、そして共同化、団地化の問題についても、さらに一段と林野庁は手厚い、そして積極的な姿勢で取り組んで、販路の確保問題等については、たとえば公共建築物等の場合は、その請負者がどこであっても、その地場のものを使ってやるというような積極的な、これは官公署の場合なんか特にその必要があろうと思います。よそのものをはるばる運賃をかけてせき板に至るまで運搬してくるというようなことは、私は個人の取引についてとやかく言うわけじゃありませんが、官公署あるいはこれに準ずる公共建築物、公共施設その他の施設に木材を必要とする場合、地元のいわゆる共同化された著たちの保護助長の面からも、積極的な強力なそういう施策を建設省その他関係方面とされて、そして不振にあえいでおるこの人々の切実な販路問題の打開の一助とするように、一段と御尽力をわずらわす次第であります。私はこの程度でもう終わりますが、特にその点についての長官の御言明をいただきまして、農林省自体としての御善処をわずらわしまして私の質問を終わります。御所見があれば承ります。
#39
○吉村政府委員 特に最後の問題でございます、官公署等の公共建築物の用材については、地元のものを使うように進めるべきだという御意見についてお答えを申し上げます。私どもの方では、もう原則として設計で木材を省きますものですからなにでございますが、たとえばそれぞれの県で、県の建築物を建設されるというような場合には、設計のときに木材をはずすという配慮をされるといいんじゃないか。木材は供給をするという配慮をされればそういうことはできるのではないかというように考えますし、また先生の御指摘のように、地方の業界がさように困っているということであれば、やはり県の知事さん初め関係の責任者の方々は、そういう配慮も必要じゃないかというように考えるわけでございますが、私どもも十分その点検討をいたしまして、そういう方向に向かいますように配慮をいたしたいと考えております。
#40
○長谷川委員長 片島港君。
#41
○片島委員 両法案に対して締めくくり的に簡単に質問をいたしたいと思います。
 従来の不振組合に対して、三カ年計画をもって合併奨励事業を行なわれたのでありますが、これについてはどのくらいの国費を投じて、またどのような実績を今日までおさめておられるかをお伺いしたい。
#42
○吉村政府委員 予算額を今調べておりますが、数を申し上げますと、三十五年、三十六年、三十七年にわたりまして、千三百四組合が参加をいたしまして四百二十八組合が成立をいたしております。
#43
○厚味説明員 御質問の、従来行なっておりました合併奨励事業について支出いたしました予算額でございますが、三カ年の合計で一千七十万円となっております。
#44
○片島委員 そうしますと、不振組合に対する対策としては三十七年度をもって打ち切られるわけでありますが、今度の合併促進法によって、合併の障害となるのは、各組合の財務状況などによってまた欠損金などによって非常に障害が起きておるわけでありますが、非常に優秀な組合は不振組合とは合併したがらない。人間でも、金持ちは貧乏人とあまり結婚したがらない風潮のところもありますが、人間なら貧乏人同士で結婚するということもあるけれども、不振組合同士で結婚したら、ますます不振になる。こういうようなことで、せっかくこの法案をつくられましたが、不振組合はこのまま切って捨てられるような形に今後放置されるのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
#45
○吉村政府委員 お説の通り、こういう合併につきましては、いろいろな問題で困難性があるわけでございますが、今回、わずかではございますが、施設の整備の助成金その他税制上の優遇措置を、融解じまして、合併の目的を達成して参りたいというように考えておるわけでございます。と同時に、森林組合の配置でございますが、森林の配置によりまして、あまり遠いところが合併をするわけにもいきません。また先生の御指摘のように、優秀な組合はなかなか不況な組合と合併をするのはいやがるだろう、これもごもっともなことでございますが、そういう点につきましては、税制上の優遇措置もあわせますと同時に、十分に指導をいたしまして、むしろ優勢な組合が劣勢な組合をかかえていけるような方向にも進めて参らなければならないのではないかというように考えておるわけでございます。もちろん、なかなか簡単なことではないと思いますが、どこまでも自主性を尊重いたしますと同時に、助言も、また指導もいたしまして進めて参りたいというように考えておる次第でございます。
#46
○片島委員 零細な林家の融資についてでありますが、これは必ずしもこの法案と直接の関係はありませんけれども、従来公庫金融などにおいても、零細なものは二万、三万、五万といったような少額の融資を受けたり、またそういう人こそ実は非常に困っておるわけでございます。ところが、これは公庫の方に聞くのが当然かと思いますけれども、その手続なり事務が非常に煩瑣でありまして、旅費とか事務費などを差っ引きますと――差っ引かれるわけですが、そういたしますと幾らも手取りがなくて、せっかくの低金利の制度融資が実は非常な高い金利につくというようなことで、比較的まとまった融資を受ける比較的大きな林家に融資が片寄り、零細なところは、資格はあるけれども実際借りても非常な高い金利を払わなければならぬ、こういうような現状になっておるわけであります。こういう、零細な林家に対する融資について、林野庁として何らかの方途を講ぜられる必要があるのではないかと思うのです。
#47
○黒河内説明員 私からちょっとお答えいたします。
 御承知のように、農林漁業金融公庫におきまして主として先生のおっしゃるような零細な農林家に対する長期低利の資金を供給しておるわけでありまして、その代表的なものは、従来の林業経営維持改善資金と、今度の公庫法の改正によりまして林業経営改善資金ということに一部はなっております。それは林地の取得でありますとか、それから経営の改善のための管理資金、こういうものにつきましては、年四分五厘くらいで大体三十八年度二十四億くらい私どもは予定いたして参り、それから従来の維持改善資金等につきましては約五億くらい予定いたしまして、これらの対象者は育林地二十ヘクタール以下の零細な方々の融資を考えております。
 それからさらに造林資金等につきましても、小規模の造林者については特にワクを設けまして十億程度、それからさらに林業の共同利用施設、これは森林組合等の共同利用施設につきまして約一億六千万くらい――これはまだ林業に機械化が進みませんので非常に少額でございますが、そういうことも考えております。
 第二点といたしましては、確かに公庫の融資の場合非常に手続がめんどうであるとい5お話がございます。これは単に林業部門だけの問題でございませんで、公庫融資全体の問題でございます。ただ公庫といたしましても、これは制度融資でございまして、政府資金がファンドになっておる関係から、ある程度手続が煩項になることはやむを得ませんけれども、とにかく従来、零細な方々を目的としておる融資でございますから、公庫全体として農林関係のこの融資につきましての手続の簡素化についてはいろいろ検討をしております。農林省といたしましても、今度の新しい公庫法の改正に伴いまして、手続の簡素化という点についてはさらに積極的に取り進めるよう、今私どもいろいろと検討をいたしておるわけでございます。
#48
○片島委員 基金法の問題でありますが、法律の条文からすれば、保証の対象となる林業者、ただ林業者というふうに書いてありますので、普通に言う林業一般を対象とするもののように解釈されますが、しかし資料などを拝見しますと、保証期間がわずか一カ年程度のものでありますから、当然長期のものでなくて短期の運転資金を対象とする。ところが、農業近代化資金や畜産振興事業団あるいは漁業信用協会といったようなものは、運転資金だけでなく設備資金をも対象としておるわけであります。名前は似たような名前のものをつくって、林業一般の融資に対して保証するような幻想を与えておるけれども、実際においてはきわめて限られた、運転資金だけということになっておりますが、設備資金をどうして対象としないのであるか。また将来は設備資金をも対象としようと考えておられるのであるか。設備資金をも対象とすることにすれば、当然保証期間ももう少し長期のものとなるであろうと思うのでありますが、その点はいかがですか。
#49
○吉村政府委員 お答えを申し上げます。
 設備資金の問題でございますが、これは公庫等の政府関係の金融機関の資金との交通整理の関係もございまして、この基金におきましては一応運転資金ということにいたしたわけでございます。この保証期間は原則として一年を考えておりますが、苗畑の経営その他等を考慮いたしますと、こういうものは二、三年程度のものも業務方法書等をきめますときに考えて参らなければならない、かように考えておるわけでございます。将来におきましては、かような設備資金等の問題も、十分に他の機関との関連も調整をいたしまして検討いたしたいと考えております。
#50
○片島委員 林業だけがこういうふうに非常に制限された基金制度をつくるということは、農業あるいは畜産、漁業等との均衡上非常に冷遇されておると思うのであります。この点についてはなるたけ早い機会に検討を進めていただきたいと思うわけであります。
 次に、先ほどの問答にもありましたが、林業関係運転資金の貸し出しが約二千億円、そのうち中小向けが千八百億円からに上っておるのであります。先ほどの長官の答弁によりますと、年度内に七億ということで大体八十億くらいを対象としておるということでありますが、これは非常に少額に過ぎることはもちろんであります。これは今後の見通しとしてどのくらいのところまでこの基金の資金を増強していく腹づもりでおられるのか。ただ少しずつ、できれば一億でも一二億でもやっていこうという程度のも一のか。この程度のところまでは目標として考えておるという腹づもりがございますればお伺いしたい。
#51
○吉村政府委員 まことにごもっともなことでございますが、さしあたり発足をいたしますにあたりましては、私どもとしては八十億程度を考えておるのでございまして、また御指摘のようにこれではあまりに少な過ぎるということも、私どももこれは否定はできないと思うのでございますが、やはり業務の進行あるいは資金の需要等、それから民間からの出資というごとも考え合わせなければなりませんので、そういうことを十分調整のとれた形で拡大をいたして参りたいというように考えておるのでございまして、ただいまどの程度のところを目標に置いておるかということはちょっと申し上げかねるわけでございます。
#52
○片島委員 次に、木材の需給関係についてでありますが、昭和三十五年ごろからの資料を拝見しますと、生産と需要のアンバランスが出ており、年間で一千万ないし一千数百万立方メートルも生産の方が足りない。十年後の見通しでは二千五百万立方メートルも需要に対して供給が足りない。これは見通しとなっておりますが、需要が八千五百万立方メートルに対して、生産は六千万立方メートルということのようであります。ただ見通しとなっておりますが、需要についての見通しが立ちますならば、生産についても現在の蓄積とにらみ合わせながら、また国有林についてはあなたの方でもはっきりわかっておりますが、民有林につきましても、年々の造林計画、現在の蓄積、そういったものとにらみ合わせながら、単なるこうなるであろうという供給見通しでなく、生産計画というものが立てられるのではないか。また指導の面において民有林においてはただやれやれといって指導するだけでなく、せめて一つの生産目標というものをつくって国有林ともにらみ合わせながら、需要に対する生産目標、生産計画、こういうものが立たなければならない。ただそのときそのときの見通しで不足をした分だけは行き当たりばったりに輸入材によって補給していけばいいというのでは、あまりにも無為無策ではなかろうかと思うのでありますが、その点はどうですか。
#53
○吉村政府委員 木材の需給問題でございますが、この長期見通しにつきましては、昨年改正をいたしました森林法の規定によりまして、木材の需給の長期見通しを立てることになっております。その見通しによりました数字が先生の先ほど仰せの資料に出ております数字でございます。それでこれは御指摘のように、国有林につきましてはすでに計画制度が十分に徹底をしておりますので、計画的な生産が進められておるわけでございますが、一方民有林におきましては、個人々々の所有に関連をいたして参ります関係から、なかなか計画的な伐採なり生産なりということがむずかしいのでございます。さらに所有関係を見て参りますと、非常に零細で、計画的な生産、輪伐をするということが困難なような形もかなり強いのでございます。私どもといたしましては、そういったものを計画的な生産に向けて参りますために、昨年度から個別経営計画の作成を指導をいたしておるのでございますが、全国に約一万五千地区のモデル林家を選びまして、これに個別の経営計画を立てるごとを指導をいたしまして、これをさらに普及をして参るという努力をいたしておるのでございますが、この計画に従いまして計画的に経営をして参るというように向けて参りたいと考えておるわけでございます。そのほか技術上の改善等をあわせまして、また木材の需要の動向をあわせまして検討をいたしました結果が、さような数字になっておるわけでございます。この国内の供給の不足になります分につきましては、外材の輸入とそれから廃材の高度利用ということを主眼として進めておるのでございますが、外材は御承知のように最近かなり順調に入って参っておりまして、三十六年度におきましては約一千万立方メートルで、将来私どもどのような輸入が必要になるかということを検討いたしますと、最大で現在の倍でございます。約三十年後ごろに二千万立方メートル程度の輸入を見込みますと、その後は逐次緩和をされまして、現在から二、三割増程度の輸入で国内でまかなえていけるというような形に予想をいたしておる次第でございます。
#54
○片島委員 次にお尋ねしておきたいのは、国有林の払い下げの問題でありますが、その対象となるものについては、すでに基本問題調査会においても非常に抽象的でありますけれども答申がなされておるわけでありますが、最近における――これは最近といいますとここ何カ年でもいいのですが、国有林野の払い下げの実績はどういうことになっておりますか。統計がございましょうからおわかりと存じますが、さらにまたその払い下げた林地林野の種別は、どういうところをどの程度払い下げされておるか。さらにまた払い下げに対する問題でありますが、申請があればすぐに払い下げをするというわけにも参りませんし、基本問題調査会で指摘したようなところ、非常に抽象的でありますが、ただそういうところであれば申請があれば払い下げるというわけにもいかない。問題は払い下げられた林地林野が最も効率的に活用されておるという、また活用されるという保証がなければならぬ。また活用されなければならぬ。最近数年間において払い下げられたその実績、その林地林野の種別、さらにまた払い下げられた林野の利用状況、こういったようなものについて資料がおありでありますならばお示しを願いたい。
#55
○吉村政府委員 従来からの国有林野の売り払い及び未墾地の所属がえの状況を御説明申し上げます。
 国有林野の整備の特別措置法によりまして売り払いをいたしましたのが、三十六年度末で十三万八千ヘクタールでございます。それから新市町村の町村合併の関係で売り払いをいたしましたのが三万八千ヘクタール、それから農地の関係で所属がえを農地局の方へいたしましてこれを売り払いをいたしましたのが三十八万一千ヘクタールになっております。これはどういう場所かということはここでつまびらかに申し上げかねるのでございますが、最初に申し上げました二つの中で林野整備の場合には、これは国有林の境界整備等のために行なったものでございますので、そういった境界等の錯綜地でありますとか、あるいは小団地でありますとか、そういうようなものが主体でございます。それから新市町村の町村合併の関係で売り払いましたものは、やはり原則は前者と同じように考えておりますが、新市町村の基本財産として必要なものを売り払ったわけでございます。農地関係の力は、これは農地の適地を選びまして売り払いをいたしたものでございます。これは土地の形質あるいは傾斜その他等からいたしまして農地あいるは牧野に適地を売り払ったわけでございます。
 この売り払い後の状況はどうかということでございますが、やはり売り払いをいたしましてあとで転売等が行なわれておるものもございます。またその承認の許可を得ずに売り払いをして、その後契約を解除させたような措置をとったものもございます。しかしながら大体概括的に申し上げますと、その後の経営状態は造林等も行なわれておりまして、これは割に新しいものでございますから、まずまずというところではないかと考えております。また農地関係のものにつきましては、若干その後問題が残りまして、十分に開拓等が行なわれませんで、こちらへ返って参っておるものもございます。そういうような状況でございますが、今後農業の構造改善に関連をいたしまして、国有林野を活用して参る。例の答申にも出ておりますが、国有林野を活用して参りますということにつきましては、私どもすでに検討を詰めまして、ごく最近のうちにこの方針を下部へ流しまして徹底をいたしたいと考えておるのでございますが、この活用の方法といたしましては、やはり主として所属がえの方向、所属がえをいたしまして売り払うという方向に進みたい。また牧野等は貸付もあわせて考えて参りたい。それから従来ございます共用林野制度、これの運用も十分にはかりまして、最も効果的にこの国有林野が活用できるようにはかって参りたいというように考えておる次第でございます。
#56
○片島委員 国有林野の売り払いに対する基本的な方針をできるだけ早急にということでありますが、その方針はいつごろまでにきめられる予定でありますか。
#57
○吉村政府委員 実は私ども新年度四月一日から新しい方針をはっきりいたしまして発足をいたしたいと考えて進めておったのでございますが、関係の各局との折衝等々もございまして若干おくれますが、そういうようなことで進めておりますので、新年度なるべく早い機会にというように考えております。
#58
○片島委員 それは農業の構造改善との関係のものだけについての方針でありますか。
#59
○吉村政府委員 いわゆる農業構造改善事業と申します狭い意味ではございません。さらにこの牧野その他果樹園の造成等もあわせまして検討をいたしておるわけでございます。
#60
○片島委員 最後にお尋ねいたしますが、林業基本対策について資料にもいろいろと記載されて拝見しておりますが、前々からの本委員会で林業の基本対策についての、名称はどうでありましょうとも、基本法的なものを制定してはどうか、制定すべきではないかという強い要望が出ておったわけであります。ところが今度の国会にそれが提出されるというようなことを仄聞しておりましたし、そればかりでなく、すでに原案でありましたか、素案が巷間に流布されております。林野庁としては、そういう案をつくって出したり、引っ込めたりしておられて、とうとう間に合わなかったのであるか、あるいは早急に案を煮詰めて今度の国会に、今度の国会は、まだあとが相当長いわけであります。自然休会のあともありますが、会期延長もいろいろ取りざたされておりますので、十分の期間もあります。それに間に合わぬとなれば、次の国会ということになりましょうが、案をつくっておられたことは事実と思うのでありますが、案は、成案はできておったのでありますか。またそれを出すのにどこに支障があったのであるか。それを調整して今国会に出す用意があるかどうか、その点について長官の御意見を承りたい。
#61
○吉村政府委員 林業の基本対策の問題でございますが、御指摘のように私どもも成案を得るべく努力をいたしておったわけでございまして、あるいは他の方面の案等も出ておりますので、そういうこととのあれかもしれませんが、外にはまだ出ておりません。その中で私ども実は検討を進めて結論の出ましたものを今回御提案しておるのでございますが、全般的な基本対策といたしましてもう少し検討いたしたい面がございます。と申しますのは、先ほど来いろいろ問題もございました林業の現在の状況の中で、森林の所有規模、経営規模等を見て参りますと、その所有は、所有者の九割以上が農家であるというようなこと、またこの九割以上が五町歩未満のきわめて零細な所有者である。なおかつ面積的に見ますと、そういった零細なものが五割、半分にも満たないというような状況もあるわけでございます。私ども林業の基本対策を考えて参ります過程におきまして、この点につきまして、山村におきます所得の格差等を解消と申しますか、縮めて参りますためには、どこまでもやはり林業の振興をはかって参らなければならないということは変わりはないのでございますが、またあわせまして、農業の山村における動向、たとえば畜産でありますとか果樹方面の問題でありますとか、そういう動向をもう少し十分に見きわめたいというような考えを持っておるわけでございます。と同時に、また重要な問題でございます入会権、入会林野の問題でございますが、これが全国に百六十万町歩余りがあるのでございますが、この問題を現在のところでは私どもこの法律によって規制をして権利を近代化するというような方向には考えておらないのでございますが、その解消をして参りますための具体的な方法等をもう少し具体的に検討いたしたいということで、三十八年度の予算にも計上はいたしておるのでございます。と同時に、この林業を中心といたしました山村の振興と申しますか、そのためにはやはり林業の総合的な自主的な振興計画というものが必要ではないかというような考え方から、実は全国に十六地域のモデル地区を選びまして、具体的に構造の改善と申しますか、林業地域の振興のための総合計画の事業をいたしますためにはどのような方法でいったらいいかというようなことを具体的に検討をしたいということで進めておるところであります。かような関係で、私どもも基本的な対策を急いでまとめたいというような意欲を持って検討をいたしておったのでございますが、間に合わなかったわけでございまして、さらに私どももそういう問題について十分に早急に結論を得るべく努力いたしたい、かように考えております。
#62
○片島委員 前々から早急に検討は進められておると聞いております。基本問題調査会が答申を出すと同時に進められておるので、吉村長官の前から進められておるのであります。早急に早急にと言っておるだけではらちがあかぬのでありますので、非常に会期の長い今国会に提出するのか、それができなければ来国会に間に合うのか、その点をお聞きしたのでありまして、早急にといって、数年間もかかるような今までの状態でありますから、もっと明確にしておいていただきたい。特にまた林業については非常に零細規模が多いというような話、これは農業においても零細規模はたくさんあるわけで、また林業が特殊だといっても、農業も特殊であるし、漁業も特殊であります。林業が農業と関係があるといいますが、農業も林業との関係がありますし、沿岸漁業も農業との関係があるわけで、林業だけが特殊であれば、特殊な基本対策というものをつくらなければならぬので、これを長年月にわたって放置しておくというのは、どうもほかのところの部局よりも林野庁の方が、少し計画性といいますか、勉強が足らぬのじゃないかという感じがいたしますが、大体の見通しを承っておきたい。
#63
○吉村政府委員 基本問題調査会から答申が出まして、中央森林審議会から総合的な施策についての答申が出ましたのが昨年の十月二十六日でございます。その後私どもも鋭意努力をいたしておるのでございますが、今国会の――延長されるというお話もございますが――うちにはちょっと間に合わないのではないか、その次までには努力して何とかしてまとめたいというように私ども考えておる次第でございます。
#64
○長谷川委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
 午後一時から再開することとし、この際休憩いたします。
   午後零時三十一分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時三十三分開議
#65
○長谷川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 両案については別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 森林組合合併助成法案及び林業信用基金法案の両案について採決をいたします。
 両案に賛成の諸君の御起立を願います。
  〔賛成者起立〕
#66
○長谷川委員長 起立総員。よって、両案は原案の通り可決いたしました。
    ―――――――――――――
#67
○長谷川委員長 この際、片島港君外二名より森林組合合併助成法案に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 趣旨弁明を許します。片島港君。
#68
○片島委員 私は自由民主党、日本社会党及び民主社会党三党共同提案にかかる森林組合合併助成法案に対する附帯決議案について提案の理由を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
   森林組合合併助成法案に対する附帯決議(案)
 一、政府は、林業の基本問題につき、農林漁業基本問題調査会の答申を尊重して、速やかに、林業振興の基本構想を確立するとともに、これが実施のために必要な立法措置を講ずべきである。
 二、政府は、農業の構造改善との関連において、農地の開発、畜産基盤の整備、樹園地の造成等農業経営規模の拡大のため国有林野の積極的かつ計画的な解放について速やかに具体策を樹立すべきである。
 この内容につきましては、すでに本委員会において質疑応答を通じてつまびらかになっておりますので、この趣旨の説明は省略いたします。
 皆さんの全会一致の御賛成をお願い申し上げます。(拍手)
#69
○長谷川委員長 お諮りをいたします。
 片島港君の動議の通り決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#70
○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、森林組合合併助成法案に対し附帯決議を付することに決しました。
 ただいまの附帯決議に対する政府の所見を求めます。
#71
○津島政府委員 ただいま三党から共同提案になりました決議案につきましては、その趣旨を十分に尊重申し上げまして善処いたすことにいたします。
#72
○長谷川委員長 なお、両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#73
○長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決しました。
 次回は明二十八日午前十時から開会することとし、これにて散会いたします。
   午後一時三十八分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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